JP2017223873A - 紫外線照射装置および光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
紫外線硬化型樹脂が塗布されたガラスファイバに対して紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させて被覆層を形成する光ファイバの製造方法であって、
半導体発光素子から前記紫外線を出射するステップと、
前記半導体発光素子から出射された出射紫外線を、前記半導体発光素子と前記ガラスファイバとの間に配置された集光レンズにより集光して前記ガラスファイバに向かう方向に照射するステップと、
前記ガラスファイバを挟んで前記半導体発光素子とは反対側に配置された反射手段により前記出射紫外線を前記ガラスファイバ側に反射させるステップと、
前記反射手段により反射された反射紫外線を、前記反射手段と前記ガラスファイバとの間に配置された集光方向変更手段に透過させることで所定方向に屈折させるステップと、
を含み、
前記半導体発光素子から前記ガラスファイバに向かう方向に垂直であって前記ガラスファイバの設計上の位置であるゼロ位置を含む面において、前記出射紫外線と前記反射紫外線との光強度の合計値が前記ゼロ位置を含む5mm以上の幅の範囲で前記合計値のピーク強度の80%以上の光強度を維持するように、前記集光レンズにおける前記出射紫外線の集光方向、前記反射手段における前記反射紫外線の反射方向、および前記集光方向変更手段における前記反射紫外線の屈折方向を調整する。
ガラスファイバの表面に塗布された紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させる紫外線照射装置であって、
前記ガラスファイバに向けて前記紫外線を出射する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子と前記ガラスファイバとの間に配置されて、前記半導体発光素子から出射された出射紫外線を集光する集光レンズと、
前記ガラスファイバを挟んで前記半導体発光素子とは反対側に配置されて、前記出射紫外線を前記ガラスファイバ側に反射する反射手段と、
前記反射手段と前記ガラスファイバとの間に配置されて、前記反射手段により反射された反射紫外線を所定方向に屈折する集光方向変更手段と、を備え、
前記半導体発光素子から前記ガラスファイバに向かう方向に垂直であって前記ガラスファイバの設計上のゼロ位置を含む面において、前記出射紫外線と前記反射紫外線との光強度の合計値が前記ゼロ位置を含む5mmの幅の範囲でピーク強度の80%以上の光強度となるように、前記集光レンズにおける前記出射紫外線の集光方向、前記反射手段における前記反射紫外線の反射方向、および前記集光方向変更手段における前記反射紫外線の屈折方向が調整される。
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、
(1)紫外線硬化型樹脂が塗布されたガラスファイバに対して紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させて被覆層を形成する光ファイバの製造方法であって、
半導体発光素子から前記紫外線を出射するステップと、
前記半導体発光素子から出射された出射紫外線を、前記半導体発光素子と前記ガラスファイバとの間に配置された集光レンズにより集光して前記ガラスファイバに向かう方向に照射するステップと、
前記ガラスファイバを挟んで前記半導体発光素子とは反対側に配置された反射手段により前記出射紫外線を前記ガラスファイバ側に反射させるステップと、
前記反射手段により反射された反射紫外線を、前記反射手段と前記ガラスファイバとの間に配置された集光方向変更手段に透過させることで所定方向に屈折させるステップと、
を含み、
前記半導体発光素子から前記ガラスファイバに向かう方向に垂直であって前記ガラスファイバの設計上の位置であるゼロ位置を含む面において、前記出射紫外線と前記反射紫外線との照射強度の合計値が前記ゼロ位置を含む5mm以上の幅の範囲で前記合計値の最大紫外線強度の80%以上の強度を維持するように、前記集光レンズにおける前記出射紫外線の集光方向、前記反射手段における前記反射紫外線の反射方向、および前記集光方向変更手段における前記反射紫外線の屈折方向を調整する。
この構成によれば、光ファイバの走行経路が動いた場合でも光ファイバを被覆する紫外線硬化型樹脂を均一に硬化可能な光ファイバの製造方法を提供することができる。
前記面において、前記反射紫外線は、その光強度が前記ゼロ位置から遠ざかるにつれて強くなるとともに、その光強度分布が二つのピークを有していても良い。
この構成によれば、ゼロ位置を含む一定範囲内で一定以上の光強度を有する紫外線を照射させることができるため、光ファイバの走行経路がずれたとしても当該光ファイバに適切に紫外線を照射することができる。
(3)ガラスファイバの表面に塗布された紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させる紫外線照射装置であって、
前記ガラスファイバに向けて前記紫外線を出射する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子と前記ガラスファイバとの間に配置されて、前記半導体発光素子から出射された出射紫外線を集光する集光レンズと、
前記ガラスファイバを挟んで前記半導体発光素子とは反対側に配置されて、前記出射紫外線を前記ガラスファイバ側に反射する反射手段と、
前記反射手段と前記ガラスファイバとの間に配置されて、前記反射手段により反射された反射紫外線を所定方向に屈折する集光方向変更手段と、を備え、
前記半導体発光素子から前記ガラスファイバに向かう方向に垂直であって前記ガラスファイバの設計上のゼロ位置を含む面において、前記出射紫外線と前記反射紫外線との光強度の合計値が前記ゼロ位置を含む5mmの幅の範囲でピーク強度の80%以上の光強度となるように、前記集光レンズにおける前記出射紫外線の集光方向、前記反射手段における前記反射紫外線の反射方向、および前記集光方向変更手段における前記反射紫外線の屈折方向が調整される。
この構成によれば、光ファイバの走行経路が動いた場合でも光ファイバを被覆する紫外線硬化型樹脂を均一に硬化可能な紫外線照射装置を提供することができる。
この構成によれば、半導体発光素子から出射された光を効率的に光ファイバに向かう方向に集光することができる。
前記集光方向変更手段はプリズムであり、
前記プリズムは、前記ガラスファイバ側には一つの平面から構成された第一の面を有するとともに、前記凹面鏡側には二つの平面が前記凹面鏡に向かって凸状となるように合わさるように構成された第二の面を有している。
この構成によれば、反射紫外線を所望の位置に簡便且つ適切に集光させることができる。
以下、実施の形態に係る紫外線照射装置および光ファイバの製造方法について説明する。
ついて説明する。
本実施形態において、光ファイバは、ガラスファイバと、ガラスファイバの表面を被覆する被覆層とから構成されている。ガラスファイバは、石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材(プリフォーム)を線引きして形成されたファイバである。被覆層は、紫外線が照射されると硬化する紫外線硬化型樹脂からなり、ガラスファイバの表面を保護する機能を有している。なお、被覆層は、ガラスファイバの周囲に直接被覆された内層(プライマリ樹脂層)と、その内層の周囲に被覆された外層(セカンダリ樹脂層)の二層または三層以上から構成されていてもよい。
まず、石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材4が線引炉20にセットされる。光ファイバ母材4の一方の端部(本例においては下端部)が、線引炉20が有するヒータ21により加熱・溶融され、光ファイバ母材4は線引きされる。
図2は、線引き時のガラスファイバ2の走行方向に沿った紫外線照射装置40の縦断面図であり、図3は図2に示した紫外線照射装置40のIII−III線水平断面図である。
透明管41は、紫外線に対して透光性を有していれば、特に限定されないが、例えば石英管が好適に用いられる。透明管41内には不活性ガス(使用温度でほぼ不活性なガス)が矢印GINで示すように導入され、透明管41内を通って、矢印GOUTで示されるように透明管41から排気される。透明管41の上部に位置する塗布器30側の端部には、不活性ガスを矢印GINの方向に導入するためのガス導入管47が接続されている。また、ガス導入管47が接続されている端部と反対側の透明管41の端部には、不活性ガスを矢印GOUTの方向に排気するためのガス排出管48が接続されている。なお、ガス導入管47およびガス排出管48の周囲は封止されていても良いが、封止されていなくても良い。
塗布器30により紫外線硬化型樹脂が塗布されたガラスファイバ2を、紫外線照射装置40の透明管41に通す。そして、各発光素子42から紫外線UV1を出射する。各発光素子42から出射された出射紫外線UV1は、集光レンズ43により集束方向に屈折されることで、集光レンズ43から平行光としてガラスファイバ2に向かう方向に照射される。平行光となった出射紫外線UV1は、その一部がガラスファイバ2(の表面に被覆された紫外線硬化型樹脂)に直接照射される。これにより、紫外線硬化型樹脂を硬化させ、ガラスファイバ2の表面に紫外線硬化型樹脂の被覆層が形成された光ファイバ1を製造する。
図4に示すように、ガラスファイバ2を含む面Dにおいて、出射紫外線UV1は、その光強度S1がゼロ位置から遠ざかるにつれて弱くなるとともに、その光強度分布が一つのピークを有している。具体的には、出射紫外線UV1は、ゼロ位置およびその周囲に最も光強度の高いピーク強度を持ち、且つ、ゼロ位置から左右それぞれに約1.5mm(全体で約3mm)の幅で照射される。一方、ガラスファイバ2を含む面Dにおいて、反射紫外線UV2は、その光強度S2がゼロ位置から遠ざかるにつれて強くなるとともに、その光強度分布が二つのピークを有している。具体的には、反射紫外線UV2は、ゼロ位置から左右それぞれに約2mm離れた位置にピーク強度を持ち、且つ、それぞれに約2mmの幅で照射される。
図5に示すように、合成光強度S3は、ゼロ位置を中心に左右それぞれに約3mm(全体で約6mm)の幅を有している。合成光強度S3は、そのピーク強度を1とした場合に、ゼロ位置を中心に左右それぞれに約2.5mm(合わせて約5mm)の幅の範囲において0.8以上の光強度を保っている。すなわち、本例においては、出射紫外線UV1と反射紫外線UV2とにより、面Dにおける5mmの幅の範囲で、ピーク強度(最大紫外線強度)の80%以上の光強度を維持することができる。
実施例として、以下の構成を有する紫外線照射装置により波長365nmの紫外線を紫外線硬化型樹脂が塗布されたガラスファイバに照射した場合の、ガラスファイバに照射される直射光(出射紫外線)の光強度および反射光(反射紫外線)の光強度を計算した。
実施例に係る装置は、径1.2mmのUV−LED光源と、半径6mmのロッドレンズと、曲率半径45mmのシリンドリカルミラーと、厚さ4mmで頂角160°のプリズムとを有しているものとする。直射光の光強度、反射光の光強度、およびこれらの合計値を計算した結果を図6に示す。図6において、縦軸は光強度(任意単位)を表し、横軸はガラスファイバ2を含む面D内の位置を表す。
このように、本実施形態に係る構成によれば、ピーク強度またはピーク強度に近い光強度で紫外線を照射可能な照射幅を、直射光のみの従来構成の場合よりも広げることができることが確認できた。
2:ガラスファイバ
4:光ファイバ母材
10:光ファイバ製造装置
20:線引炉
21:ヒータ
30:塗布器(ダイス)
40:紫外線照射装置
41:透明管
42:半導体発光素子
43:集光レンズ
44:ミラー
45:プリズム
45a:第一の面
45b:第二の面
46:基台
47:ガス導入管
48:ガス排出管
50:ガイドローラ
51:引取り手段
52:巻取りドラム
D:光ファイバの設計上の位置を含む面
R:紫外線硬化型樹脂
Claims (5)
- 紫外線硬化型樹脂が塗布されたガラスファイバに対して紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させて被覆層を形成する光ファイバの製造方法であって、
半導体発光素子から前記紫外線を出射するステップと、
前記半導体発光素子から出射された出射紫外線を、前記半導体発光素子と前記ガラスファイバとの間に配置された集光レンズにより集光して前記ガラスファイバに向かう方向に照射するステップと、
前記ガラスファイバを挟んで前記半導体発光素子とは反対側に配置された反射手段により前記出射紫外線を前記ガラスファイバ側に反射させるステップと、
前記反射手段により反射された反射紫外線を、前記反射手段と前記ガラスファイバとの間に配置された集光方向変更手段に透過させることで所定方向に屈折させるステップと、
を含み、
前記半導体発光素子から前記ガラスファイバに向かう方向に垂直であって前記ガラスファイバの設計上の位置であるゼロ位置を含む面において、前記出射紫外線と前記反射紫外線との光強度の合計値が前記ゼロ位置を含む5mm以上の幅の範囲で前記合計値のピーク強度の80%以上の光強度を維持するように、前記集光レンズにおける前記出射紫外線の集光方向、前記反射手段における前記反射紫外線の反射方向、および前記集光方向変更手段における前記反射紫外線の屈折方向を調整する、光ファイバの製造方法。 - 前記面において、前記出射紫外線は、その光強度が前記ゼロ位置から遠ざかるにつれて弱くなるとともに、その光強度分布が一つのピークを有し、
前記面において、前記反射紫外線は、その光強度が前記ゼロ位置から遠ざかるにつれて強くなるとともに、その光強度分布が二つのピークを有している、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。 - ガラスファイバの表面に塗布された紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させる紫外線照射装置であって、
前記ガラスファイバに向けて前記紫外線を出射する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子と前記ガラスファイバとの間に配置されて、前記半導体発光素子から出射された出射紫外線を集光する集光レンズと、
前記ガラスファイバを挟んで前記半導体発光素子とは反対側に配置されて、前記出射紫外線を前記ガラスファイバ側に反射する反射手段と、
前記反射手段と前記ガラスファイバとの間に配置されて、前記反射手段により反射された反射紫外線を所定方向に屈折する集光方向変更手段と、を備え、
前記半導体発光素子から前記ガラスファイバに向かう方向に垂直であって前記ガラスファイバの設計上のゼロ位置を含む面において、前記出射紫外線と前記反射紫外線との光強度の合計値が前記ゼロ位置を含む5mmの幅の範囲でピーク強度の80%以上の光強度となるように、前記集光レンズにおける前記出射紫外線の集光方向、前記反射手段における前記反射紫外線の反射方向、および前記集光方向変更手段における前記反射紫外線の屈折方向が調整される、紫外線照射装置。 - 前記集光レンズは、ロッドレンズまたはシリンドリカルレンズである、請求項3に記載の紫外線照射装置。
- 前記反射手段は凹面鏡であり、
前記集光方向変更手段はプリズムであり、
前記プリズムは、前記ガラスファイバ側には一つの平面から構成された第一の面を有するとともに、前記凹面鏡側には二つの平面が前記凹面鏡に向かって凸状となるように合わさるように構成された第二の面を有している、請求項3または請求項4に記載の紫外線照射装置。
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