JP2017222570A - 無機材料、デバイス及び有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で表されるリン酸化合物で表される化合物で修飾されたことを特徴とする無機材料。
一般式(1)
T−L−R
〔式中、Tは窒素原子を2つ以上含有する電荷輸送部位を表す。Lは2価の連結基または単結合を表す。Rは−PO(OH)2又は−SiX1X2X3を表す。X1、X2、X3は脱離基を表す。一分子中の−PO(OH)2又は−SiX1X2X3の個数は1個である。〕
【選択図】なし
Description
特許文献1には、長鎖アルキル基を有するリン酸化合物を用いて電極と有機層の密着性を向上させることで、長寿命の有機電界発光素子に関する記載がある。
また、特許文献2には透明電極の表面に長鎖アルキル基を有する亜リン酸化合物を化学的に結合させることにより電極上の薄膜に剥離や構造変化が生じることなく、安定性の良い光有機薄膜素子に関する記載がある。非特許文献1には芳香族基を有するリン酸化合物を用いた有機電界発光素子に関する記載がある。そして、フェニル基を有するシランカップリング剤ならびに長鎖フッ素化アルキル基を有するシランカップリング剤(非特許文献2)、アリールアミンに連結されたシランカップリング剤(非特許文献3)がある。しかし、これらの技術によってはまだ効率及び寿命の面で満足できなかった。
本発明の目的は、無機材料、デバイス及び有機電界発光素子に関する。特に、効率に優れ、素子寿命の長いデバイス及び有機電界発光素子及び該デバイス及び有機電界発光素子に用いる電極材料として有用な無機材料を提供する。
下記一般式(1)で表される化合物で修飾されたことを特徴とする無機材料。
一般式(1)
T−L−R
〔式中、Tは窒素原子を2つ以上含有する電荷輸送部位を表す。Lは2価の連結基または単結合を表す。Rは−PO(OH)2又は−SiX1X2X3を表す。X1、X2、X3は脱離基を表す。一分子中の−PO(OH)2又は−SiX1X2X3の個数は1個である。〕
〔2〕
前記一般式(1)中、Tがトリアリールアミンを表すことを特徴とする〔1〕に記載の無機材料。
〔3〕
前記一般式(1)中、Lが単結合、アルキレン基、エーテル基又はこれらの組み合わせであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の無機材料。
〔4〕
前記一般式(1)中、Rが−SiX1X2X3であり、X1、X2及びX3がそれぞれ独立にアルコキシ基を表すことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の無機材料。
〔5〕
前記無機材料が、金属酸化物であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の無機材料。
〔6〕
前記無機材料が、電極であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の無機材料。
〔7〕
前記無機材料が、透明電極であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の無機材料。
〔8〕
前記無機材料が、インジウムスズオキサイド(ITO)であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の無機材料。
〔9〕
前記〔1〕〜〔8〕に記載の無機材料を用いたことを特徴とするデバイス。
〔10〕
前記〔1〕〜〔8〕に記載の無機材料を用いたことを特徴とする有機電界発光素子。
〔11〕
前記〔1〕〜〔8〕に記載の無機材料が陽極であることを特徴とする〔10〕に記載の有機電界発光素子。
〔12〕
前記〔1〕〜〔8〕に記載の無機材料を用いた有機電界発光素子において、該有機電界発光素子が少なくとも1つ以上の塗布プロセスにより作成されていることを特徴とする〔10〕〜〔11〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
本発明の無機材料は、下記一般式(1)で表される化合物で修飾されたことを特徴とする。
一般式(1)
T−L−R
〔式中、Tは窒素原子を2つ以上含有する電荷輸送部位を表す。Lは2価の連結基または単結合を表す。Rは−PO(OH)2又は−SiX1X2X3を表す。X1、X2、X3は脱離基を表す。一分子中の−PO(OH)2又は−SiX1X2X3の個数は1個である。〕
電荷とは、正または負に帯電した状態を意味し、いわゆる、ホールならびに電子を表す。輸送とは、電荷が物質中を移動することを意味し、定量的には移動度によって表される。具体的には、移動度が10−12cm2/Vs〜105cm2/Vsの範囲が好ましく、さらに好ましくは10−10cm2/Vs〜10cm2/Vsの範囲である。特に、好ましくは10−8cm2/Vs〜1cm2/Vsの範囲である。
窒素原子を2つ以上含有する電荷輸送部位としてホールを輸送する材料としては、具体的には、例えば、以下の材料を挙げることができる。
ピロール、カルバゾール、アゼピン、カルベン、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、ヒドラゾン、スチリルアミン化合物、ポルフィリン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体の導電性高分子オリゴマー、及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの複数の骨格が含まれていても良い。好ましくは、アリールアミンであり、特に好ましくはトリアリールアミンである。これらは更に置換基を有していてもよく、その場合の置換基としては以下の置換基群Vをあげることができる。
この構造であれば、電荷輸送部位として適切なエネルギー準位と無機材料への高い吸着性を示すためである。
R1又はR2における位置で一般式(1)におけるLに結合した場合、R4又はR14はアミノ基、アリール基又はヘテロ環基であることが好ましく、これらは更に置換基を有していても良く、ジフェニルアミノ基又はフェニル基であることがより好ましく、該フェニル基はジフェニルアミノ基を置換基として有していることがさらに好ましい。
一般式(a)におけるR1〜R5、R10、R11、R14の組み合わせとしては、R1における位置で一般式(1)におけるLに結合し、R4又はR14がアミノ基、アリール基又はヘテロ環基であって、R2、R3、R5〜R11又はR2〜R11が水素原子であることが好ましい。
窒素原子を2つ以上含有する電荷輸送部位として電子を輸送する材料としては、具体的には、例えば、以下の材料を挙げることができる。
ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、カルボジイミド、ジスチリルピラジン、フタロシアニン、およびそれらの誘導体(他の環と縮合環を形成してもよい)、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等を挙げることができる。
窒素原子を2つ以上含有する電子輸送部位としては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが2.5eV以上3.5eV以下であることが好ましく、2.6eV以上3.2eV以下であることがより好ましく、2.8eV以上3.1eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.7eV以上7.5eV以下であることが好ましく、5.8eV以上7.0eV以下であることがより好ましく、5.9eV以上6.5eV以下であることが更に好ましい。
電子輸送部位の例としては、例えば特開2002−235076、特開2004−214179、特開2004−221062、特開2004−221065、特開2004−221068、特開2004−327313等に記載の化合物が挙げられる。
なお、これらの電荷輸送部位は重水素置換されていてもよい。
Lはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、又はこれらの組合せからなる2価の連結基を表すのが好ましく、Lが単結合、アルキレン基、エーテル基又はこれらの組み合わせを表すのが好ましい。
<置換基群V>
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素);メルカプト基;シアノ基;カルボキシル基;リン酸基;スルホ基;ヒドロキシ基;炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基);炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル基);ニトロ基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基);炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基);
なお、Lは重水素置換されていてもよい。
X1、X2、X3が表す脱離基としては、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、アミノ基などが挙げられる。脱離基としては、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、又は置換もしくは無置換のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子の例には、クロロ原子、ブロモ原子、フッ素原子及びヨウ素原子が含まれる。より好ましくは、クロロ原子ならびにアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基)である。更に好ましくはアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)であり、特に好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、無機材料とカップリング反応させることにより共有結合により修飾することが好ましい。このカップリング反応は、一般式(1)におけるRが−PO(OH)2(リン酸化合物)の場合には無機材料との間での脱水反応を経由した反応となる。一般式(1)におけるRが−SiX1X2X3(ケイ素化合物)の場合には加水分解及び脱水縮合反応を経由した反応となる。
一般式(1)におけるRがケイ素化合物の場合、触媒として酸もしくはアルカリを添加してもよい。用いる酸については特に制限はないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、有機スルホン酸などが挙げられる。触媒として用いるアルカリについては特に制限はないが、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、3級窒素塩基(トリエチルアミンなど)、含窒素複素環(ピリジンなど)などが挙げられる。触媒の割合はいかなるものであってもよいが、好ましくは、ケイ素化合物:触媒=1:1×10−6〜1:1であり、特に好ましくは、1:1×10−5〜1:1×10−3の範囲である。
無機材料としてITO電極を用いた場合、本発明の化合物を修飾させた無機材料の仕事関数は5.0〜5.5eVの範囲が好ましく、5.2〜5.5eVの範囲がより好ましい。仕事関数がこの範囲内であれば、電極から有機半導体化合物への電荷注入を効率的に行うことができるため好ましい。
また、本発明の化合物を修飾させた無機材料の水に対する接触角は60°〜100°の範囲が好ましく、80°〜100°の範囲がより好ましく、80〜92°の範囲がさらに好ましい。接触角がこの範囲であれば、親疎水性を有機デバイス及び有機電界発光素子で一般的に用いられる有機半導体化合物と同程度の範囲とすることができ、デバイス及び有機電界発光素子とした場合の密着性向上、素子耐久性の向上に寄与できる。
本発明のデバイスは、前記一般式(1)で表される化合物で修飾されたことを特徴とする無機材料を用いる。
本発明の無機材料は、電極として用いることが好ましく、各種デバイスに適用することが可能である。デバイスとしては、トランジスタ、発光ダイオード、無機電界発光素子、有機電界発光素子、メモリー、液晶表示材料、太陽電池などが挙げられる。
以下、本発明に用いられる有機電界発光素子について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物で修飾された無機材料を用いる。無機材料がインジウムスズオキサイド(ITO)であることが好ましい。また、無機材料が陽極であることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は基材上に透明電極(本発明の化合物が修飾されている無機材料を用いる)、一層以上の有機化合物層及び背面電極を積層してなる発光積層体を有する。有機化合物層は発光層を含み、発光層は燐光発光性化合物を含有する。必要に応じて発光層以外の有機化合物層や保護層、封止層等を有していてもよい。
本発明の無機材料を用いた有機電界発光素子において、該有機電界発光素子が少なくとも1つ以上の塗布プロセスにより作成されていることが好ましい。
本発明で使用する基材は、水分を透過させない材料又は水分透過率が極めて低い材料からなるのが好ましい。該材料は、好ましくは有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させない。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料等が挙げられる。中でも、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性及び加工性に優れ、且つ低通気性及び低吸湿性である有機材料が特に好ましく使用できる。基材は単一材料で形成しても、2種以上の材料で形成してもよい。基材の材料は透明電極材料に応じて適宜選択してよく、例えば透明電極が酸化インジウムスズ(ITO)である場合には、ITOとの格子定数の差が小さい材料を用いるのが好ましい。
通常、透明電極は有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有するが、陰極として機能させることもでき、この場合背面電極を陽極として機能させる。以下、透明電極を陽極とする場合について説明する。
通常、背面電極は有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有するが、陽極として機能させることもでき、この場合上記透明電極を陰極として機能させる。以下、背面電極を陰極とする場合について説明する。
本発明の発光素子において、発光層は燐光発光性化合物を含有してもよい。本発明で用いる燐光発光性化合物は、三重項励起子から発光することができる化合物であれば特に限定されることはない。燐光発光性化合物としては、オルトメタル化錯体又はポルフィリン錯体を用いるのが好ましく、オルトメタル化錯体を用いるのがより好ましい。ポルフィリン錯体の中ではポルフィリン白金錯体が好ましい。燐光発光性化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
オルトメタル化錯体を形成する配位子は特に限定されないが、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体又は2−フェニルキノリン誘導体であるのが好ましい。これら誘導体は置換基を有してもよい。また、これらのオルトメタル化錯体形成に必須の配位子以外に他の配位子を有していてもよい。オルトメタル化錯体を形成する中心金属としては、遷移金属であればいずれも使用可能であり、本発明ではロジウム、白金、金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム等を好ましく用いることができる。中でもイリジウムが特に好ましい。このようなオルトメタル化錯体を含む有機化合物層は、発光輝度及び発光効率に優れている。オルトメタル化錯体については、特願2000−254171号の段落番号0152〜0180にもその具体例が記載されている。
発光層の厚みは10〜200nmとするのが好ましく、20〜80nmとするのがより好ましい。厚みが200nmを超えると駆動電圧が上昇する場合があり、10nm未満であると発光素子が短絡する場合がある。
本発明の発光素子は、必要に応じて上述した電子輸送材料からなる電子輸送層を有してよい。電子輸送層は上述のポリマーバインダーを含有してもよい。電子輸送層の厚みは10〜200nmとするのが好ましく、20〜80nmとするのがより好ましい。厚みが200nmを越えると駆動電圧が上昇する場合があり、10nm未満であると発光素子が短絡する場合がある。
本発明の発光素子は、必要に応じて上述した正孔輸送材料からなる正孔輸送層を有してよい。正孔輸送層は上述のポリマーバインダーを含有してもよい。正孔輸送層の厚みは10〜200nmとするのが好ましく、20〜80nmとするのがより好ましい。厚みが200nmを越えると駆動電圧が上昇する場合があり、10nm未満であると発光素子が短絡する場合がある。
本発明の発光素子は、特開平7−85974号、同7−192866号、同8−22891号、同10−275682号、同10−106746号等に記載の保護層を有していてもよい。保護層は発光素子の最上面に形成する。ここで最上面とは、基材、透明電極、有機化合物層及び背面電極をこの順に積層する場合には背面電極の外側表面を指し、基材、背面電極、有機化合物層及び透明電極をこの順に積層する場合には透明電極の外側表面を指す。保護層の形状、大きさ、厚み等は特に限定されない。保護層をなす材料は、水分や酸素等の発光素子を劣化させ得るものが素子内に侵入又は透過するのを抑制する機能を有しているものであれば特に限定されず、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム等が使用できる。
本発明の無機材料は、電極として用いたときに、高い効率と素子寿命を与えることができるため、デバイスとして好適に利用することができる。特に、本発明の無機材料は、有機電界発光素子として用いたときに、高い効率と素子寿命を与えることができるため、フルカラーディスプレイ、バックライト、照明光源等の面光源、プリンター等の光源アレイ等に好適に用いられる。
(化合物3の合成)
下記スキームにしたがって、化合物3を合成した。
(化合物8の合成)
下記スキームにしたがって、化合物8を合成した。
(化合物19の合成)
下記スキームにしたがって、化合物19を合成した。
(無機材料の修飾)
下表1に示した本発明の化合物又は下記公知の化合物50mgのトルエン溶液50mlを、透明電極としてインジウムスズオキサイド(ITO)の薄膜が形成されたガラス基板(10cm×10cm)(IGC社製、なお使用前にUVオゾン処理を施した)上にスピンコートにてwet膜厚1μmとなるように塗布した。基板を100℃1時間加熱した後に、酢酸1%のイソプロパノール90wt%水溶液に10分間浸漬させ、その後、イソプロパノールおよびアセトンにて洗浄したのち、乾燥した。
(性能評価)
得られた無機材料基板の親疎水性は接触角測定にて評価した。仕事関数は大気中光電子分光装置(理研製AC−2/AC−3)にて評価した。評価結果を以下に記す。
仕事関数が5.2〜5.5の範囲であることは、電極から有機半導体化合物への電荷注入を効率的に行うことに寄与できる。すなわち、本発明の特徴である窒素2個以上のアリールアミンにカップリング部位を1個だけ有する化合物は、電極の疎水性を高く、また、仕事関数を大きくすることに寄与する。一方、従来の化合物である窒素2個以上のアリールアミンにカップリング部位を2個有する化合物は、疎水性を高める効果はあるものの、仕事関数は未修飾の電極よりも小さな値となり、有機デバイスとしては好ましくない傾向であることがわかった。
この理由については、カップリング部位が1個の場合には、電極基板上にアリールアミンが基板から垂直に近い配向状態で均一に密に存在しているのに対して、カップリング部位が2個の場合には、アリールアミン部位が基板に水平にまばらに存在しているためと推定している。このように、電極基板上にアリールアミンが基板から垂直に近い配向状態で均一に密に存在していることは有機デバイスの性能を高める、特に効率と耐久性を高めることに有効に作用するものと考えられる。
(有機EL素子の作成)
上記で作成した本発明の化合物で修飾された基板を陽極とし、この上に真空蒸着法にて以下の層を蒸着した。本発明の実施例における蒸着速度は特に断りのない場合は0.2nm/秒である。蒸着速度は水晶振動子を用いて測定した。本発明の実施例における膜厚も水晶振動子を用いて測定したものである。
−正孔輸送層−
上記で作成した本発明の化合物で修飾された基板の上に、α−NPDを蒸着した。膜厚は20nmであった
−発光層−
正孔輸送層の上に発光材料としてIr(ppy)3を用いて、ホスト材料としてCBPを用いて、発光材料:ホスト材料=32:68質量比で厚み30nmに共蒸着した。
−電子輸送層−
発光層の上にBAlqを膜厚39nmに蒸着した。
−陰極−
この上にパタ−ニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、フッ化リチウムを0.5nm蒸着し、更に金属アルミニウムを100nm蒸着し、陰極とした。
作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグロ−ブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶および紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止した。
(1)発光効率
発光素子の外部量子効率は、発光輝度、発光スペクトル、電流密度を測定し、その結果と比視感度曲線から算出した。外部量子効率(%)は、「(発光したフォトン数/素子に入力した電子数)×100」で計算を行った。
(2)駆動電圧
照度300cd/m2における駆動電圧(V)を測定した。
(3)駆動耐久性
初期輝度300cd/m2の条件で連続駆動試験をおこない、輝度が半減した時間を駆動耐久性(h)として求めた。
得られた結果を表2に示した。
(塗布型有機EL素子の作成)
上記で作成した本発明の化合物で修飾された基板を陽極とし、この上に発光層としてポリカルバゾール、CBP、Ir(ppy)3を32:63:5の質量比で含む組成物のジクロロエタン溶液を乾燥膜厚50nmとなるようにスピンコート塗布した。そのうえに、真空蒸着法にて以下の層を蒸着した。
−電子輸送層−
発光層の上にBAlqを膜厚39nmに蒸着した。
−陰極−
この上にパタ−ニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、フッ化リチウムを0.5nm蒸着し、更に金属アルミニウムを100nm蒸着し、陰極とした。
作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグロ−ブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶および紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止した。
(性能評価)
上記実施例2における性能評価と同様にして評価した。得られた結果を表3に示した。
2・・・透明電極
3・・・有機化合物層
4・・・背面電極
5・・・透明電極リード
6・・・背面電極リード
7・・・発光積層体
8・・・封止剤(接着剤)
9・・・封止部材
10・・・空間
Claims (12)
- 下記一般式(1)で表される化合物で修飾されたことを特徴とする無機材料(ただし、一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(b)または(c)で表される化合物ではない)。
一般式(1)
T−L−R
〔一般式(1)において、Tは窒素原子を2つ以上含有する電荷輸送部位を表す。Lは2価の連結基または単結合を表す。Rは−PO(OH)2又は−SiX1X2X3を表す。X1、X2、X3は脱離基を表す。一分子中の−PO(OH)2又は−SiX1X2X3の個数は1個である。〕
- 前記一般式(1)中、Tがトリアリールアミンを表すことを特徴とする請求項1に記載の無機材料。
- 前記一般式(1)中、Lが単結合、アルキレン基、エーテル基又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機材料。
- 前記一般式(1)中、Rが−SiX1X2X3であり、X1、X2及びX3がそれぞれ独立にアルコキシ基を表すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無機材料。
- 前記無機材料が、金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機材料。
- 前記無機材料が、電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無機材料。
- 前記無機材料が、透明電極であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無機材料。
- 前記無機材料が、インジウムスズオキサイド(ITO)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無機材料。
- 前記請求項1〜8に記載の無機材料を用いたことを特徴とするデバイス。
- 前記請求項1〜8に記載の無機材料を用いたことを特徴とする有機電界発光素子。
- 前記請求項1〜8に記載の無機材料が陽極であることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
- 前記請求項1〜8に記載の無機材料を用いた有機電界発光素子において、該有機電界発光素子が少なくとも1つ以上の塗布プロセスにより作成されていることを特徴とする請求項10〜11のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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