JP2017221905A - リニア振動モータ - Google Patents

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片田 好紀
Yoshinori Katada
好紀 片田
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Abstract

【課題】可動子を2軸支持するリニア振動モータを、簡易に且つ精度良く組み付けて、異音などの発生を抑え、円滑な往復振動が可能なリニア振動モータを提供する。【解決手段】平行に配置された2本のシャフト5,6の端部を支持する枠体2と、シャフト5,6に摺動自在に支持されると共に、枠体2に弾性支持される可動子3と、枠体2と可動子3の一方にコイル40を設け、枠体2と可動子3の他方にマグネット41を設けて、コイル40への通電で可動子3をシャフト5,6に沿って往復振動させる駆動部4とを備え、可動子3は、シャフト5,6毎に設けられシャフト5,6に沿って摺動する一対の摺動軸受31,32と、一対の摺動軸受31,32を支持する軸受支持体30とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、リニア振動モータに関するものである。
振動モータ(或いは振動アクチュエータ)は、携帯電子機器に内蔵され、着信やアラームなどの信号発生を振動によって携帯者に伝える装置として広く普及しており、携帯者が身につけて持ち運ぶウエアラブル電子機器においては、不可欠な装置になっている。また、振動モータは、タッチパネルなどのヒューマン・インターフェイスにおけるハプティクス(皮膚感覚フィードバック)を実現する装置として、近年注目されている。
振動モータは、各種の形態が開発されている中で、可動子の直線的な往復振動によって比較的大きな振動を発生させることができるリニア振動モータが注目されている。従来のリニア振動モータは、可動子側に錘とマグネットを設け、固定子側に設けたコイルに通電することでマグネットに作用するローレンツ力が駆動力となり、振動方向に沿って弾性支持される可動子を一軸方向に往復振動させるものである。また、従来のリニア振動モータとして、2本のシャフトを備え、可動子を2本のシャフトに沿って摺動させるものが知られている(下記特許文献1参照)。
特開2011−97747号公報
前述した従来技術のように、2本のシャフトに沿って可動子を摺動させるリニア振動モータは、2本のシャフトを平行に保持して組み付けることが正常な動作を行わせる上で重要な事項になる。そして、平行な2本のシャフトに可動子が2軸支持されるリニア振動モータは、可動子が振動軸周りに回転するのを抑えることができる利点はあるものの、可動子が2本のシャフトに対して傾斜して軸支されてしまうと、摺動抵抗が大きくなり円滑な往復振動を行うことができなくなる。また、可動子とシャフトとの間に大きなクリアランスがある場合には、振動時に可動子ががたついて、異音発生などの不具合が生じ易くなる問題が生じる。
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものである。すなわち、簡易な組み付けで、異音などの発生を抑え、円滑な往復振動が可能なリニア振動モータを提供すること、が本発明の課題である。
このような課題を解決するために、本発明によるリニア振動モータは、以下の構成を具備するものである。
平行に配置された2本のシャフトの端部を支持する枠体と、前記シャフトに摺動自在に支持されると共に、前記枠体に弾性支持される可動子と、前記枠体と前記可動子の一方にコイルを設け、前記枠体と前記可動子の他方にマグネットを設けて、前記コイルへの通電で前記可動子を前記シャフトに沿って往復振動させる駆動部とを備え、前記可動子は、前記シャフト毎に設けられ前記シャフトに沿って摺動する一対の摺動軸受と、前記一対の摺動軸受を支持する軸受支持体とを備えることを特徴とするリニア振動モータ。
本発明の実施形態に係るリニア振動モータの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るリニア振動モータの全体構成を示した説明図(蓋枠体を開放した組み立て平面図)である。 本発明の実施形態に係るリニア振動モータの全体構成を示した説明図((a)が(b)のA−A断面図、(b)が側面図)である。 本発明の実施形態における軸受支持体を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るリニア振動モータを備えた携帯電子機器(携帯情報端末)を示した説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。各図における矢印のX方向が振動方向を指し、矢印のY方向がX方向に垂直な幅方向を指し、矢印のZ方向がX,Y方向に垂直な高さ方向を指している。
図1〜図3に示すように、リニア振動モータ1は、平行に配置された2本のシャフト5,6の端部を支持する枠体2と、シャフト5,6に摺動自在に支持されると共に、枠体2に弾性支持される可動子3と、枠体2と可動子3の一方にコイル40を設け、枠体2と可動子3の他方にマグネット41(41A,41B)を設けて、コイル40への通電で可動子3をシャフト5,6に沿って往復振動させる駆動部4とを備えている。以下の説明では、コイル40を枠体2側に設け、マグネット41(41A,41B)を可動子3側に設けた例を示すが、これに限らず、コイル40を可動子3側に設け、マグネット41を枠体2側に設けても良い。
枠体2は、リニア振動モータ1の固定子であり、固定軸である2本のシャフト5,6を平行に保持している。図示の例では、枠体2は、底面20A及び一対の側面20B,20Cを有する底枠体20と、底面20Aに対して垂直に取り付けられて互いに対面する一対の側枠体21,22とを備え、更に、枠体2内の可動子3を覆う蓋枠体23を備えている。
枠体2は、例えば、板材をプレス成形した部品(プレス部品)で構成することができる。特に、2本のシャフト5,6を平行に支持するための一対の側枠体21,22は、同一のプレス部品で構成され、側枠体21はシャフト5,6の一方側の端部を支持するシャフト支持部21A,21Bを有し、側壁体22はシャフト5,6の他方側の端部を支持するシャフト支持部22A,22Bを有している。シャフト支持部21A,21B,22A,22Bは、側壁体21,22に形成された加工穴である。また、側壁体21,22におけるシャフト支持部21A,21B,22A,22Bの周囲には、後述するバネ34を支持するバネ支持部21C,22Cが取り付けられている。
底枠体20と側枠体21,22は、互いを位置決めして組み付ける位置決め係合部20P,21P,22Pを備えている。図示の例では、位置決め係合部20Pは、係合溝であり、位置決め係合部21P,22Pは、係合突起である。底枠体20の位置決め係合部20Pに側枠体21,22の位置決め係合部21P,22Pを係合させることで、同一部品である側枠体21,22におけるシャフト支持部21A,21B,22A,22Bの位置を、調整すること無く適正な位置に固定することができる。これによって、シャフト5,6の平行を枠体2の簡易な組み付けによって精度良く設定することができる。
可動子3は、一対の摺動軸受31,32と、一対の摺動軸受31,32を支持する軸受支持体30とを備える。摺動軸受31,32は、シャフト5,6毎に設けられ、シャフト5,6に沿って摺動する。図示の例では、軸受支持体30は、単一部品の板状体であり、摺動軸受31,32は、軸受支持体30の板厚よりも大きい支持長を有している。単一部品の軸受支持体30に摺動軸受31,32を取り付け固定することで、一対の摺動軸受31,32を一体に摺動させることができる。支持長が比較的長い摺動軸受31,32が一体に摺動することで、シャフト5,6に対して可動子3が傾斜するのを抑止することができる。
図1及び図4に示すように、軸受支持体30は、図示Y方向の両端部に軸受支持部(支持穴)30Aを有しており、その軸受支持部30Aに摺動軸受31,32が固定されている。軸受支持体30に固定される一対の摺動軸受31,32は、一方(図4の摺動軸受32)が円孔を有し、他方(図4の摺動軸受31)がシャフト5,6の並列方向(図示Y方向)に長径の長円孔を有している。このように、一対の摺動軸受31,32の形状を設定することで、シャフト5,6の並列方向(図示Y方向)には適正なクリアランスを確保しながら、シャフト5,6に対する回転方向のがたつきを抑えることができる。
可動子3には、軸受支持体30を挟むようにマグネット41(41A,41B)が設けられると共に、軸受支持体30を挟むように分銅33が設けられる。図示の例では、軸受支持体30の両端部に摺動軸受31,32が支持され、軸受支持体30の中央部にマグネット41(41A,41B)が固定され、そのY方向両側に分銅33がそれぞれ固定されている。これによって、軸受支持体30に固定されるマグネット41と分銅33は、重量バランスが軸受支持体30の中心軸に対して対称になっている。また、図示の例に限らず、摺動軸受31,32の外側に分銅33を設けるようにしてもよい。
可動子3は、バネ34によって枠体2に弾性支持されている。図示の例では、バネ34は、コイルバネであり、シャフト5,6と同軸に配置されている。バネ34は、振動時には、一端側が枠体2の側壁体21,22におけるバネ支持部21C,22Cに支持され、他端側が軸受支持体30に支持される。
駆動部4のコイル40は、枠体2の底枠体20における底面20Aに固定されている。コイル40は、図示Y方向に向けた一対の直線部分を有するように巻き回されている。これに対して、可動子3に固定されたマグネット41(41A,41B)は、図示Z方向に着磁されており、互いに逆向きに着磁された一対のマグネット41A,41Bと、コイル40に対して逆側に配置されるヨーク42によって、コイル40の直線部分を磁束が通過する磁気回路が構成されている。コイル40の端子は、底枠体20における入力端子部20Dに接続されている。コイル40に、例えば、可動子3の質量とバネ34の弾性係数で決まる共振周波数(固有振動数)を有する交番電流又はパルス電流からなる駆動信号を通電することで、可動子3は、シャフト5,6に沿って往復振動する。
このようなリニア振動モータ1は、2本のシャフト5,6に沿って可動子3を振動させるので、可動子3は、振動軸周りの回転が抑止された往復振動を行うことができる。これによって、可動子3が枠体2の内面に接触することによる異音の発生を抑止することができる。また、可動子3は、2本のシャフト5,6を摺動する一対の摺動軸受31,32を単一部品である軸受支持体30で一体に支持しており、摺動軸受31,32が比較的長い支持長を有しているので、シャフト5,6に対して傾くこと無く円滑に振動することができる。そして、2本のシャフト5,6は、底枠体20に位置決めされる同一部品の側枠体21,22に支持されることで、枠体2の組み付けによって、調整無く平行に支持することができる。これによって、簡易な組み付けで、異音などの発生を抑え、円滑な往復振動が可能なリニア振動モータ1を提供することができる。
また、図示のリニア振動モータ1は、図示X方向の寸法が図示Y方向の寸法に対して短い箱形の外観形状を有しており、2本のシャフト5,6間の間隔に対してシャフト5,6の長さが短い構造になっている。このようにシャフト5,6の長さを可動子3の幅方向(図示Y方向)に対して短くすることで、枠体2内におけるシャフト5,6の占有スペースを小さくして、可動子3の重さや駆動力を担うマグネット41の大きさを有効に確保することができる。
図5は、本発明の実施形態に係るリニア振動モータ1を装備した携帯電子機器の一例として、携帯情報端末100を示している。リニア振動モータ1を備える携帯情報端末100は、通信機能における着信やアラーム機能などを静かに使用者に伝えることができる。また、リニア振動モータ1の薄型化・小型化によって高い携帯性或いはデザイン性を追求した携帯情報端末100を得ることができる。更に、リニア振動モータ1は、高さを抑えた直方体形状の枠体2内に各部を収容したコンパクト形状であるから、薄型化された携帯情報端末100の内部にスペース効率よく装備することができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:リニア振動モータ,2:枠体,
20:底枠体,20A:底面,20B,20C:側面,20D:入力端子部,
21,22:側枠体,21A,21B,22A,22B:シャフト支持部,
21C,22C:バネ支持部,20P,21P,22P:位置決め係合部,
23:蓋枠体,
3:可動子,30:軸受支持体,30A:軸受支持部,
31,32:摺動軸受,33:分銅,34:バネ,
4:駆動部,40:コイル,41(41A,41B):マグネット,
42:ヨーク,5,6:シャフト,100:携帯情報端末

Claims (7)

  1. 平行に配置された2本のシャフトの端部を支持する枠体と、
    前記シャフトに摺動自在に支持されると共に、前記枠体に弾性支持される可動子と、
    前記枠体と前記可動子の一方にコイルを設け、前記枠体と前記可動子の他方にマグネットを設けて、前記コイルへの通電で前記可動子を前記シャフトに沿って往復振動させる駆動部とを備え、
    前記可動子は、前記シャフト毎に設けられ前記シャフトに沿って摺動する一対の摺動軸受と、前記一対の摺動軸受を支持する軸受支持体とを備えることを特徴とするリニア振動モータ。
  2. 前記軸受支持体は、単一部品の板状体であり、前記摺動軸受は、前記軸受支持体の板厚よりも大きい支持長を有することを特徴とする請求項1記載のリニア振動モータ。
  3. 前記枠体には前記コイルが設けられ、
    前記可動子には、前記軸受支持体を挟むようにマグネットが設けられると共に、前記軸受支持体を挟むように分銅が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載のリニア振動モータ。
  4. 前記枠体は、
    前記コイルを支持する底面を有する底枠体と、
    前記底面に対して垂直に取り付けられて互いに対面する一対の側枠体とを備え、
    前記一対の側枠体は、前記シャフトの端部を支持するシャフト支持部を有する同一部品であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニア振動モータ。
  5. 前記底枠体と前記側枠体は、互いを位置決めして組み付ける位置決め係合部を備えることを特徴とする請求項4記載のリニア振動モータ。
  6. 2本の前記シャフト間の間隔に対して前記シャフトの長さが短いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリニア振動モータ。
  7. 前記一対の摺動軸受は、一方が円孔を有し、他方が前記シャフトの並列方向に長径の長円孔を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリニア振動モータ。
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