以下、本実施形態に係る医用画像管理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る医用画像管理装置を備える医用画像管理システムを示すブロック図である。医用画像管理システムは、病院や診療所等の医療機関において撮像された医用画像を管理するためのネットワークシステムを有する。例えば、図1に示す医用画像管理システムは、医用画像管理装置(A)1と、医用画像管理装置(B)3と、医用画像撮像装置5と、医用画像閲覧装置7とを備える。医用画像管理装置(A)1と、医用画像管理装置(B)3と、医用画像撮像装置5と、医用画像閲覧装置7とは、ネットワークNWを介して相互に接続される。
医用画像管理装置(A)1は、複数の医用画像と読影結果とを管理するコンピュータ、ワークステーションあるいはサーバである。本実施形態において、医用画像管理装置(A)1は、医用画像撮像装置5により撮像された医用画像に対して閲覧制限を施す。
医用画像管理装置(B)3は、読影を行う読影ネットワークサービスを管理するコンピュータ、ワークステーションあるいはサーバである。読影ネットワークサービスは、第三者による読影を提供する。読影ネットワークサービスにおいて、医用画像管理装置(B)3は、医用画像に対する読影結果の投稿者が該当医用画像に対して適切な診断を行うことができる力量を有しているか否か判断する。医用画像管理装置(B)3は、読影結果の投稿者が該当医用画像に対して適切な診断を行うことができる力量を有していると判断した場合、医用画像管理装置(A)1において施された医用画像の閲覧制限を解除する。さらに、医用画像管理装置(B)3は、閲覧制限を解除された該当医用画像の閲覧許可を当該読影結果の投稿者に対して授与する。
医用画像撮像装置5は、病院や診療所等の医療機関を受診した患者を所定の撮像機器により撮像し、医用画像を生成する。例えば、医用画像撮像装置5は、X線コンピュータ断層(CT:Computed Tomography)装置、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)診断装置、X線診断装置、核医学診断装置、および超音波診断装置等、患者に関する医用画像を生成可能なモダリティである。
医用画像閲覧装置7は、医用画像撮像装置5により撮像された医用画像を閲覧するためのコンピュータ(ビューワ)である。本実施形態において、医用画像閲覧装置7は、医用画像管理装置(B)3において当該医用画像に対して適切な診断を行うことができる力量を有していると判断された場合、閲覧制限を解除された医用画像を表示する。
ここで、上記医用画像管理システムの各構成について、図面を参照して説明する。
図2は、図1に示す医用画像管理装置(A)1の構成を示すブロック図である。図2に示す医用画像管理装置(A)1は、管理装置制御回路11と、画像記憶回路12と、処理回路13と、表示回路14と、入出力インターフェース(IF)回路15と、通信インターフェース(IF)回路16と、記憶回路17とを有する。管理装置制御回路11と、画像記憶回路12と、処理回路13と、表示回路14と、入力インターフェース(IF)回路15と、通信インターフェース(IF)回路16と、記憶回路17とは、装置内に設けられたバスBUSを介して相互に接続される。
管理装置制御回路11は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)およびMPU(Micro Processing Unit)等の所定のプロセッサと、ROM(Read-Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の所定のメモリとを含む。管理装置制御回路11のプロセッサは、メモリに記憶される制御プログラムにより、医用画像管理装置(A)1における各構成の動作および処理等を統括的に制御する。
画像記憶回路12は、比較的大容量のデータを記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等を有する。画像記憶回路12は、医用画像撮像装置5により撮像された複数の医用画像各々に読影結果を関連付けて保管する。
処理回路13は、ハードウェア資源として、CPUおよびMPU等の所定のプロセッサと、ROMおよびRAM等の所定のメモリとを含む。処理回路13のメモリは、記憶回路17から読み出された読影プログラムを一時的に記憶する。処理回路13のプロセッサは、メモリに記憶された読影プログラムを実行することにより、読影機能131を実現する。読影機能131の実現により、処理回路13は、医用画像に対する読影を実行する。具体的には、医用画像管理装置(A)1の操作者は、入出力IF回路15を操作して、画像記憶回路12に保管された医用画像を読み出し、表示回路14に表示する。操作者は、入出力IF回路15を操作して、医用画像に対する所見の入力または関心領域(ROI:Region of Interest)へのアノテーションの設定を行う。読影結果は、読影対象となった医用画像と関連付けて画像記憶回路12に保管される。操作者は、読影医等の医療従事者である。
処理回路13のメモリは、記憶回路17から読み出された関連画像特定プログラムを一時的に記憶する。処理回路13のプロセッサは、メモリに記憶された関連画像特定プログラムを実行することにより、関連画像特定機能132を実現する。関連画像特定機能132の実現により、処理回路13は、任意の医用画像に閲覧制限を施す場合において、任意の医用画像に関連する医用画像を複数の医用画像の中から特定する。
処理回路13のメモリは、記憶回路17から読み出された閲覧制限プログラムを一時的に記憶する。処理回路13のプロセッサは、メモリに記憶された閲覧制限プログラムを実行することにより、閲覧制限機能133を実現する。閲覧制限機能133の実現により、処理回路13は、任意の医用画像に閲覧制限を施す。
処理回路13のメモリは、記憶回路17から読み出された解除条件決定プログラムを一時的に記憶する。処理回路13のプロセッサは、メモリに記憶された解除条件決定プログラムを実行することにより、解除条件決定機能134を実現する。解除条件決定機能134の実現により、処理回路13は、上記任意の医用画像に関連する医用画像の読影結果に基づいて、任意の医用画像に施された閲覧制限を解除するための解除条件を決定する。
処理回路13のメモリは、記憶回路17から読み出された出力プログラムを一時的に記憶する。処理回路13のプロセッサは、メモリに記憶された出力プログラムを実行することにより、出力機能135を実現する。出力機能135の実現により、処理回路13は、閲覧制限が施された任意の医用画像と、閲覧制限を解除するための解除条件と、解除条件の決定に用いた読影結果に関連する医用画像とを所定のファイルに格納する。処理回路13は、当該ファイルを医用画像管理装置(B)3、あるいは外部記憶媒体へ出力する。外部記憶媒体は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリと、CD(Compact Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクとである。
ここで、説明の便宜上、上記任意の医用画像を任意画像と記載し、任意の医用画像に関連する医用画像を関連画像と記載する。
表示回路14は、管理装置制御回路11による制御に従い、上記医用画像および読影結果等を表示する。表示回路14は、表示インターフェース回路と表示機器とを有する。表示インターフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
入出力IF回路15は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等の入力機器、およびUSBポート、光ディスクへの読み出し、あるいは書き込みを実行する光ディスクドライブ等の出力機器によって実現される。入出力IF回路15は、例えば、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し管理装置制御回路11へ出力する。また、入出力IF回路15は、任意画像と、閲覧制限を解除するための解除条件と、関連画像とを外部記憶媒体へ出力する。なお、本実施形態において、入出力IF回路15は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を管理装置制御回路11へ出力する電気信号の処理回路も入出力IF回路15の例に含まれる。
通信IF回路16は、有線あるいは無線にて外部装置と通信するための通信機器である。外部装置は、例えば、モダリティ、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)およびPACS(Picture Archiving and Communication System)等のシステムに含まれるサーバ、あるいは他のワークステーションである。本実施形態において、通信IF回路16は、図1に示す医用画像管理装置(B)3、医用画像撮像装置5および医用画像閲覧装置7と通信する。
記憶回路17は、データを記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等である。記憶回路17は、HDD等の磁気ディスク以外にも、光磁気ディスクと、CDおよびDVD等の光ディスクとを利用してもよい。また、記憶回路17の保存領域は、医用画像管理装置(A)1内にあってもよいし、ネットワークNWで接続された外部記憶装置内にあってもよい。記憶回路17は、本実施形態に係る読影プログラム、関連画像特定プログラム、閲覧制限プログラム、解除条件決定プログラムを記憶する。
図3は、図1に示す医用画像管理装置(B)3の構成を示すブロック図である。図3に示す医用画像管理装置(B)3は、管理装置制御回路31と、画像記憶回路32と、処理回路33と、表示回路34と、入力IF回路35と、通信IF回路36と、記憶回路37とを有する。管理装置制御回路31と、画像記憶回路32と、処理回路33と、表示回路34と、入力IF回路35と、通信IF回路36と、記憶回路37とは、装置内に設けられたバスBUSを介して相互に接続される。
管理装置制御回路31は、ハードウェア資源として、CPUおよびMPU等の所定のプロセッサと、ROMおよびRAM等の所定のメモリとを含む。管理装置制御回路31のプロセッサは、メモリに記憶される制御プログラムにより、医用画像管理装置(B)3における各構成の動作および処理等を統括的に制御する。
画像記憶回路32は、比較的大容量のデータを記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等を有する。画像記憶回路12は、閲覧制限が施された任意画像と、閲覧制限を解除するための解除条件と、関連画像とを保管する。
処理回路33は、ハードウェア資源として、CPUおよびMPU等の所定のプロセッサと、ROMおよびRAM等の所定のメモリとを含む。処理回路33のメモリは、記憶回路37から読み出された問題提示プログラムを一時的に記憶する。処理回路13のプロセッサは、メモリに記憶された問題提示プログラムを実行することにより、問題提示機能331を実現する。問題提示機能331の実現により、処理回路33は、画像記憶回路32に保管された関連画像を医用画像閲覧装置7に表示し、当該関連画像に関する読影結果の入力を促す。
処理回路33のメモリは、記憶回路37から読み出された判定プログラムを一時的に記憶する。処理回路33のプロセッサは、メモリに記憶された判定プログラムを実行することにより、判定機能332を実現する。判定機能332の実現により、処理回路33は、医用画像閲覧装置7において入力された読影結果が画像記憶回路32に保管された所定の解除条件に適合するか否か判定する。
処理回路33のメモリは、記憶回路37から読み出された解除プログラムを一時的に記憶する。処理回路33のプロセッサは、メモリに記憶された解除プログラムを実行することにより、解除機能333を実現する。解除機能333の実現により、処理回路33は、入力された読影結果が所定の解除条件に適合する場合、任意画像に施された閲覧制限を解除する。閲覧制限が解除された任意画像は、医用画像閲覧装置7へ出力される。
表示回路34は、管理装置制御回路31による制御に従い、種々のデータおよび上記医用画像等を表示する。表示回路34は、表示インターフェース回路と表示機器とを有する。表示インターフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
入力IF回路35は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力IF回路35は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し管理装置制御回路31へ出力する。なお、本実施形態において、入力IF回路35は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を管理装置制御回路31へ出力する電気信号の処理回路も入力IF回路35の例に含まれる。
通信IF回路36は、有線あるいは無線にて外部装置と通信するための通信機器である。外部装置は、例えば、モダリティ、病院情報システムおよびPACS等のシステムに含まれるサーバ、あるいは他のワークステーションである。本実施形態において、通信IF回路36は、図1に示す医用画像管理装置(A)1、医用画像撮像装置5および医用画像閲覧装置7と通信する。
記憶回路37は、データを記憶可能なHDDおよびSSD等である。記憶回路37は、HDD等の磁気ディスク以外にも、光磁気ディスクやCD、DVD等の光ディスクを利用してもよい。また、記憶回路17の保存領域は、医用画像管理装置(B)3内にあってもよいし、ネットワークNWで接続された外部記憶装置内にあってもよい。記憶回路37は、本実施形態に係る問題提示プログラム、判定プログラム、解除プログラムを記憶する。
図4は、図1に示す医用画像閲覧装置7の構成を示すブロック図である。
図4に示す医用画像閲覧装置7は、閲覧装置制御回路71と、表示回路72と、入力IF回路73と、通信IF回路74と、記憶回路75とを有する。閲覧装置制御回路71と、表示回路72と、入力IF回路73と、通信IF回路74と、記憶回路75とは、装置内に設けられたバスBUSを介して相互に接続される。
閲覧装置制御回路71は、ハードウェア資源として、CPUおよびMPU等の所定のプロセッサと、ROMおよびRAM等の所定のメモリとを含む。閲覧装置制御回路71のプロセッサは、メモリに記憶される制御プログラムにより、医用画像閲覧装置7における各構成の動作および処理等を統括的に制御する。
表示回路72は、閲覧装置制御回路71による制御に従い、種々のデータおよび上記医用画像等を表示する。例えば、表示回路72は、関連画像を表示し、関連画像に関する読影結果の入力を促す。表示回路72は、表示インターフェース回路と表示機器とを有する。表示インターフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイまたは当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
入力IF回路73は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力IF回路73は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し閲覧装置制御回路71へ出力する。なお、本実施形態において、入力IF回路73は、トラックボール、スクロールホイール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を閲覧装置制御回路71へ出力する電気信号の処理回路も入力IF回路73の例に含まれる。
通信IF回路74は、有線あるいは無線にて外部装置と通信するための通信機器である。外部装置は、例えば、モダリティ、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)およびPACS(Picture Archiving and Communication System)等のシステムに含まれるサーバ、あるいは他のワークステーションである。本実施形態において、通信IF回路16は、図1に示す医用画像管理装置(A)1、医用画像管理装置(B)3および医用画像撮像装置5と通信する。
記憶回路75は、データを記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等である。記憶回路17は、HDD等の磁気ディスク以外にも、光磁気ディスクやCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクを利用してもよい。また、記憶回路17の保存領域は、医用画像閲覧装置7内にあってもよいし、ネットワークNWで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
ここで、実施形態に係る医用画像管理装置の動作について、具体例を挙げて説明する。
図5は、実施形態における医用画像管理システムを示すブロック図である。実施形態では、クラウドコンピューティングCLを採用したシステムを用いて、読影を行うWebサービスの運用が開始された場合を想定している。実施形態において、図5に示すように、医用画像管理装置(A)1および医用画像撮像装置5は、病院(A)HAに設置する。医用画像管理装置(A)1と医用画像撮像装置5とは、病院(A)HA内のLAN(Local Area Network)を介して相互に接続される。医用画像閲覧装置7は、病院(A)HAとは別の病院(B)HBに設置する。医用画像管理装置(B)3は、読影を行うWebサービスを提供する。医用画像管理装置(B)3と、病院(A)HAと、病院(B)HBとは、広域通信網(WAN:Wide Area Network)を介して相互に接続される。
まず、図5に示す医用画像管理装置(A)1の動作について詳しく説明する。
図6は、図5に示す医用画像管理装置(A)1の動作の流れを示すフローチャートである。図7は、図5に示す医用画像管理装置(A)1における、医用画像と、当該医用画像と関連するデータとの流れを説明するための図である。図6に示す処理ステップは、図7に示す処理ステップに対応する。
医用画像管理装置(A)1の処理対象の医用画像は、例えば、医用画像管理装置(B)3による読影ネットワークサービスを希望する患者に関する医用画像であるとする。当該患者は、例えば、自身の医用画像に対する病院HA以外の第三者の意見を募りたい場合、医用画像管理装置(B)3による読影ネットワークサービスを希望することとなる。この場合、病院(A)HAの医用画像管理装置(A)1は、当該患者に関する医用画像に対して図5および図6に示す処理を実行する。以下、処理対象の医用画像を読影依頼医用画像と呼ぶことにする。読影依頼医用画像は、予め医用画像管理装置(A)1の画像記憶回路12に記憶されていても良いし、当該患者等により外部記憶媒体に記憶され、当該外部記憶媒体から医用画像管理装置(A)1に書き込まれても良い。
ステップSa1において、処理回路13は、関連画像特定機能132として、読影依頼医用画像ITに関連する過去の医用画像を特定する。例えば、画像記憶回路12には、過去に撮像された医用画像IA、IB、ICが保管されている。医用画像IA、IB、ICは、病院(A)HA、あるいはデータセンタ等で共有された連携先の病院において、過去に撮像された画像である。また、画像記憶回路12には、医用画像IAに関連する読影結果RA、医用画像IBに関連する読影結果RB、医用画像ICに関連する読影結果RCが保管されている。実施形態において、医用画像IAおよびIBは読影依頼医用画像ITに関連し、医用画像ICは読影依頼医用画像ITに関連しないこととする。処理回路13は、医用画像IAおよびIBを読影依頼医用画像ITに関連する医用画像として特定する。また、処理回路13は、医用画像IAに関連する読影結果RAおよび医用画像IBに関連する読影結果RBを画像記憶回路12から読み出す。このとき、画像記憶回路12から読み出す読影結果がすべて同じとならないように、医用画像を特定してもよい。例えば、異常あり、および異常なしの読影結果を有する医用画像を特定してもよい。
また、処理回路13は、読影部位と撮像部位とモダリティの種別と検査プロトコルとのうちの少なくとも一つが読影依頼医用画像ITに関連する医用画像を特定する。他にも、処理回路13は、医用画像に関連する患者情報(例えば、年齢および性別)および読影依頼医用画像と医用画像との画像パターンマッチングの一致度等により、読影依頼医用画像に関連する医用画像を特定してもよい。
ここで、画像記憶回路12に保管された医用画像と特定された医用画像とを区別するため、特定された医用画像を医用画像IRAおよびIRBと記載する。また、医用画像IRAに関連する読影結果を読影結果RRAと記載し、医用画像IRBに関連する読影結果を読影結果RRBと記載する。また、ステップSa1において特定された医用画像は、医用画像管理装置(B)3において、閲覧制限を解除するための解除条件に適合するか否かを判定するための試験問題を提示する目的で使用される。このため、以降の実施形態において、特定された医用画像は、試験医用画像と記載する。なお、試験医用画像IRAは、画像記憶回路12に保管された医用画像IAであり、試験医用画像IRBは画像記憶回路12に保管された医用画像IBである。また、試験医用画像IRAに関連する読影結果RRAは画像記憶回路12に保管された読影結果RAであり、試験医用画像IRBに関連する読影結果RRBは、画像記憶回路12に保管された読影結果RBである。
ステップSa2において、処理回路13は、閲覧制限機能133として、読影依頼医用画像ITに閲覧制限を施す。例えば、閲覧制限は、読影依頼医用画像ITの画像ファイルを開くためのパスワード、読影依頼医用画像ITへのマスク情報の重畳、および読影依頼医用画像ITの加工のうちの少なくとも一つである。読影依頼医用画像ITへのマスク情報の重畳には、具体的に、読影依頼医用画像ITを覆うマーク等のレイヤーマスクの重畳が含まれる。読影依頼医用画像ITの加工には、具体的に、フィルタリングによる、ぼかし画像への加工およびモザイク処理によるモザイク画像への加工等が含まれる。処理回路13は、読影依頼医用画像ITに閲覧制限を施すことで、読影依頼医用画像ILを生成する。
ステップSa3において、処理回路13は、解除条件決定機能134として、読影依頼医用画像ITに関連する試験医用画像の読影結果に基づいて、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除するための解除条件を決定する。解除条件は、試験医用画像に対して読影医により過去に作成された読影結果に基づいて決定される。ステップSa3において、処理回路13は、試験医用画像IRAの読影結果RRAに基づいて、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除するための解除条件CSAを決定する。また、処理回路13は、試験医用画像IRBの読影結果RRBに基づいて、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除するための解除条件CSBを決定する。典型的には、解除条件は、「解除キーワードが後述の入力キーワードに略一致すること」、に決定される。解除キーワードは、試験医用画像に対して読影医により過去に作成された読影結果に基づいて決定される。解除キーワードは、当該解除キーワードの決定に用いる読影結果の種類に応じて異なる。例えば、解除キーワードの決定に用いる読影結果が所見である場合、当該所見に基づく解除キーワードは、患者の撮影部位(例えば、腹部、胸部、頭部)、所見内容(例えば、ガン、脳卒中、心疾患)に決定される。例えば、解除キーワードの決定に用いる読影結果が関心領域又はアノテーションである場合、当該所見に基づく解除キーワードは、関心領域又はアノテーションの位置座標等に決定される。解除キーワードの決定に用いる読影結果の種類は、入出力IF回路15等を介して操作者により任意に選択可能である。なお、解除条件は、「解除キーワードが後述の入力キーワードに略一致すること」、に限定されず、任意の条件に決定されても良い。
ステップSa4において、処理回路13は、出力機能135として、閲覧制限が施された読影依頼医用画像ILと、閲覧制限を解除するための解除条件CSAおよびCSBと、解除条件CSAおよびCSBの決定に用いた読影結果RRAおよびRRBに関連する試験医用画像IRAおよびIRBとを所定のファイルに格納する。処理回路13は、当該ファイルを出力する。実施形態において、処理回路13は、当該ファイルを外部記憶媒体へ出力する。上記動作により、医用画像管理装置(A)1から、読影依頼医用画像ILと、解除条件CSAおよびCSBと、試験医用画像IRAおよびIRBとが出力される。これにより、読影依頼医用画像ILに対する読影ネットワークサービスに必要なファイルを出力することができる。その後、患者は、第三者による読影を行うため、外部記憶媒体に記憶された読影依頼医用画像ILと、解除条件CSAおよびCSBと、試験医用画像IRAおよびIRBとを医用画像管理装置(B)3へアップロードする。
なお、上記の説明において、処理回路13は、当該ファイルを外部記憶媒体へ出力しているが、当該ファイルを医用画像管理装置(B)3へ直接アップロードしてもよい。この場合、患者の了承を得た上で、病院(A)HAの医療従事者の操作のもと当該ファイルがアップロードされることとなる。
次に、図5に示す医用画像管理装置(B)3の動作について詳しく説明する。
図8は、図5に示す医用画像管理装置(B)3の動作の流れを示すフローチャートである。
ステップSb1において、処理回路33は、問題提示機能331として、画像記憶回路32に保管された試験医用画像IRAおよびIRBを医用画像閲覧装置7に表示し、当該試験医用画像IRAおよびIRBに関する読影結果RRAおよびRRBの入力を促す。狭義的に言い換えれば、処理回路33は、医用画像閲覧装置7の操作者に対して、試験医用画像IRAおよびIRBに対する読影問題を提示する。ステップSb2において、処理回路33は、判定機能332として、医用画像閲覧装置7において入力された読影結果RRAおよびRRBが画像記憶回路32に保管された所定の解除条件CSAおよびCSBに適合するか否か判定する。入力された読影結果が所定の解除条件CSAおよびCSBに適合する場合(ステップSb2のYes)、ステップSb3において、処理回路33は、解除機能333として、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除する。閲覧制限が解除された読影依頼医用画像ITは、医用画像閲覧装置7へ出力される。また、入力された読影結果が所定の解除条件CSAおよびCSBに不適合の場合(ステップSb2のNo)、ステップSb4において、処理回路33は、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除しない。
ここで、医用画像管理装置(B)3の動作をより詳細に説明するため、解除キーワードが試験医用画像IRAおよびIRBに対する所見である場合、または、解除キーワードが試験医用画像IRAおよびIRBに設定されたアノテーションの位置座標である場合についてそれぞれ記載する。
(解除キーワードが試験医用画像に対する所見である場合)
図9は、読影結果が試験医用画像IRAおよびIRBに対する所見である場合の、図5に示す医用画像管理装置(B)3と医用画像閲覧装置7とにおける、医用画像と、当該医用画像と関連するデータとの流れを説明するための図である。図9に示す処理ステップは、図8に示す処理ステップに対応する。
まず、病院(B)HBに設置された医用画像閲覧装置7の操作者から医用画像管理装置(B)3へ読影依頼医用画像ILへの閲覧要求が出力される。ステップSb1において、処理回路33は、当該閲覧要求に対して画像記憶回路32に保管された試験医用画像IRAおよびIRBを医用画像閲覧装置7に表示し、当該試験医用画像IRAおよびIRBに関する所見の入力を促す。図10は、医用画像閲覧装置の表示回路72に表示された試験医用画像IRAおよびIRBと、医用画像閲覧装置7の操作者による所見に基づくキーワードの入力欄とを含む表示画面D1を示す図である。図10に示すように、表示画面D1には、検査Aに対応する試験医用画像IRAと、当該試験医用画像IRAに関する所見の入力欄InAとが表示される。入力欄InAの近傍には「検査Aの診断をして下さい」等の所見の入力を促すメッセージが表示されると良い。また、表示画面D1には、検査Bに対応する試験医用画像IRBと、当該試験医用画像IRBに関する所見の入力欄InBとが表示される。入力欄InBの近傍には「検査Bの診断をして下さい」等の所見の入力を促すメッセージが表示されると良い。操作者は、入力IF回路73を介して、試験医用画像IRAに関する所見に基づくキーワードを入力欄InAに入力し、試験医用画像IRBに関する所見に基づくキーワードを入力欄InBに入力する。例えば、入力欄InAには、キーワード「左肺尖部 ガン」と入力される。また、入力欄InBには、キーワード「異常なし」と入力される。
なお、表示画面D1には、検査Aに関する試験医用画像IRA/入力欄InAと検査Bに関する試験医用画像IRB/入力欄InBとの両方が一画面に表示されるとしたが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、検査Aに関する試験医用画像IRA/入力欄InAと検査Bに関する試験医用画像IRB/入力欄InBとが別々の画面に表示されても良い。
医用画像閲覧装置7は、入力IF回路73を介して入力された入力指示に従い、試験医用画像IRAに関する所見に基づくキーワードと、試験医用画像IRBに関する所見に基づくキーワードとを医用画像管理装置(B)3へ出力する。
ステップSb2において、処理回路33は、判定機能332として、医用画像閲覧装置7において入力欄InAに入力されたキーワードが画像記憶回路32に保管された試験医用画像IRAに対する所見RRAに基づく解除キーワードに適合するか否か判定する。また、処理回路33は、医用画像閲覧装置7において入力欄InBに入力されたキーワードが画像記憶回路32に保管された試験医用画像IRBに対する所見RRBに基づく解除キーワードに適合するか否か判定する。実施形態において、処理回路33は、入力欄InAおよびInBにそれぞれ入力されたキーワードが解除キーワードに略一致する場合、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たすと判定する。また、処理回路33は、入力欄InAおよびInBにそれぞれ入力されたキーワードのうちの少なくとも一つが解除キーワードに略一致しない場合、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たさないと判定する。
ステップSb2において所定の解除条件CSAおよびCSBを満たすと判定された場合(ステップSb2のYes)、ステップSb3において、処理回路33は、解除機能333として、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除する。例えば、閲覧制限として、レイヤーマスクが重畳されている場合、重畳されたレイヤーマスクを読影依頼医用画像ILから除去し、元の読影依頼医用画像ITを生成する。また、閲覧制限として、フィルタリングによりぼかし画像へ加工されている場合、またはモザイク処理によりモザイク画像へ加工されている場合、加工された画像を元の読影依頼医用画像ITに置き換える。閲覧制限が解除された読影依頼医用画像ITは、例えば、医用画像閲覧装置7へ出力され、表示回路72へ表示される。
また、ステップSb2において所定の解除条件CSAおよびCSBを満たさないと判定された場合(ステップSb2のNo)、ステップSb4において、処理回路33は、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除しない。
(解除キーワードが試験医用画像に設定されたアノテーションの位置座標である場合)
図11は、読影結果が試験医用画像IRAおよびIRBに設定されたアノテーションの位置座標である場合の、図5に示す医用画像管理装置(B)3と医用画像閲覧装置7とにおける、医用画像と、当該医用画像と関連するデータとの流れを説明するための図である。図11に示す処理ステップは、図8に示す処理ステップに対応する。試験医用画像IRAおよびIRBは、読影医による過去の所見の作成に用いられたキー画像である。
まず、病院(B)HBに設置された医用画像閲覧装置7の操作者から医用画像管理装置(B)3へ読影依頼医用画像ILへの閲覧要求が出力される。ステップSb1において、処理回路33は、当該閲覧要求に対して画像記憶回路32に保管された試験医用画像IRAおよびIRBを医用画像閲覧装置7に表示し、当該試験医用画像IRAおよびIRBに関するアノテーションの設定を促す。図12は、医用画像閲覧装置7の表示回路72に表示された試験医用画像IRAおよびIRBと、医用画像閲覧装置7の操作者によるアノテーションの設定画面とを含む表示画面D2を示す図である。図12に示すように、表示画面D2には、検査Aに対応する試験医用画像IRAが表示される。試験医用画像IRAの近傍には「検査Aの関心領域を設定して下さい」等のアノテーションの設定を促すメッセージが表示されると良い。また、表示画面D2には、検査Bに対応する試験医用画像IRBが表示される。試験医用画像IRBの近傍には「検査Bの関心領域を設定して下さい」等のアノテーションの設定を促すメッセージが表示されると良い。操作者は、n番目の試験医用画像IRAの位置座標(x,y)にアノテーションを設定する。ここで、nは画像の枚数、(x,y)は画像内の座標である。操作者は、入力IF回路73を介して、試験医用画像IRAにアノテーションMAを設定し、試験医用画像IRBにアノテーションMBを設定する。具体的には、操作者は、10番目の試験医用画像IRAの位置座標(15,3)にアノテーションMAを設定する。操作者は、12番目の試験医用画像IRBの位置座標(22,15)にアノテーションMBを設定する。図12に示すように、試験医用画像IRAに設定されたアノテーションMAが表示される。また、試験医用画像IRBに設定されたアノテーションMBが表示される。
なお、表示画面D2には、検査Aに関する試験医用画像IRAと検査Bに関する試験医用画像IRBとの両方が一画面に表示されるとしたが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、検査Aに関する試験医用画像IRAと検査Bに関する試験医用画像IRBとが別々の画面に表示されても良い。
医用画像閲覧装置7は、入力IF回路73を介して入力された入力指示に従い、試験医用画像IRAに設定されたアノテーションMAの位置座標と、試験医用画像IRBに設定されたアノテーションMBの位置座標とを医用画像管理装置(B)3へ出力する。
ステップSb2において、処理回路33は、判定機能332として、医用画像閲覧装置7において設定されたアノテーションの位置座標が画像記憶回路32に保管された試験医用画像IRAに設定された過去のアノテーションの位置座標RRAに適合するか否か判定する。また、処理回路33は、医用画像閲覧装置7において設定されたアノテーションの位置座標が画像記憶回路32に保管された試験医用画像IRAに設定された過去のアノテーションの位置座標RRBに適合するか否か判定する。実施形態において、試験医用画像IRAおよびIRBに設定されたアノテーションの位置座標がそれぞれ過去のアノテーションの位置座標に略一致する場合、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たすと判定する。また、処理回路33は、試験医用画像IRAおよびIRBに設定されたアノテーションの位置座標のうちの少なくとも一つが過去のアノテーションの位置座標に略一致しない場合、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たさないと判定する。
ステップSb2において所定の解除条件CSAおよびCSBを満たすと判定された場合(ステップSb2のYes)、ステップSb3において、処理回路33は、解除機能333として、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除する。例えば、閲覧制限として、レイヤーマスクが重畳されている場合、重畳されたレイヤーマスクを読影依頼医用画像ILから除去し、元の読影依頼医用画像ITを生成する。また、閲覧制限として、フィルタリングによりぼかし画像へ加工されている場合、またはモザイク処理によりモザイク画像へ加工されている場合、加工された画像を元の読影依頼医用画像ITに置き換える。閲覧制限が解除された読影依頼医用画像ITは、例えば、医用画像閲覧装置7へ出力され、表示回路72へ表示される。
また、ステップSb2において所定の解除条件CSAおよびCSBを満たさないと判定された場合(ステップSb2のNo)、ステップSb4において、処理回路33は、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除しない。
以上に述べた構成によれば、実施形態に係る医用画像管理装置(B)3は、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たすと判定した場合、読影依頼医用画像ILに施された閲覧制限を解除することができる。これにより、医用画像管理装置(B)3は、所定の解除条件を満たす読影結果を入力した医用画像閲覧装置7の操作者に対して、画像記憶回路12に保管された読影依頼医用画像ITあるいは画像記憶回路12へのアクセス権限の医用画像閲覧装置7の操作者への授与、読影依頼医用画像ITが保管された画像記憶回路12のアドレス情報の医用画像閲覧装置7の操作者への提示、読影依頼医用画像ITの画像ファイルを開くためのパスワード、読影依頼医用画像ITへのマスク情報の除去、および加工された読影依頼医用画像ITを元に戻す等を行うことができる。
ここで、上記実施形態において、閲覧制限は、読影依頼医用画像ITの画像ファイルを開くためのパスワード、読影依頼医用画像ITへのマスク情報の重畳、および読影依頼医用画像ITの加工のうちの少なくとも一つであるとしたが、本実施形態はこれに限定されない。閲覧制限は、読影依頼医用画像ITあるいは画像記憶回路32へのアクセス権限の医用画像閲覧装置7への不授与、読影依頼医用画像ITが保管された画像記憶回路32のアドレス情報の医用画像閲覧装置7への不提示であってもよい。この場合、医用画像管理装置(B)3において読影依頼医用画像ITに閲覧制限を施すため、図6および図7に示すステップSa2は、省略することが可能である。
また、上記実施形態において、試験医用画像IRAおよびIRBに設定されたアノテーションの位置座標が過去のアノテーションの位置座標に略一致する場合、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たすと判定し、試験医用画像IRAおよびIRBに設定されたアノテーションの位置座標のうちの少なくとも一つが過去のアノテーションの位置座標に略一致しない場合、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たさないと判定するとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。試験医用画像IRAに設定されたアノテーションの位置座標と、試験医用画像IRBに設定されたアノテーションの位置座標との内の少なくとも一つが過去のアノテーションの位置座標に略一致する場合、所定の解除条件CSAおよびCSBを満たすと判定してもよい。
(変形例1)
実施形態において、医用画像撮像装置5で撮像された複数の医用画像および複数の医用画像各々に関連付けられた読影結果は、病院(A)HAに設けられた画像記憶回路12に保管されているが、実施形態はこれに限定されない。実施形態において、医用画像撮像装置5で撮像された複数の医用画像および複数の医用画像各々に関連付けられた読影結果は、読影を行うWebサービスを提供する医用画像管理装置(B)3に保管してもよい。また、処理回路13の読影機能131、関連画像特定機能132、閲覧制限機能133、解除条件決定機能134、出力機能135を医用画像管理装置(B)3の処理回路33にて実現してもよい。これにより、病院(A)HAに設置される画像記憶回路の記憶容量の削減、および病院(A)HAでの処理負荷の低減を図ることができる。
また、ステップSa4において、読影依頼医用画像ILと解除条件CSAおよびCSBと試験医用画像IRAおよびIRBとがファイルに出力されるものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、読影依頼医用画像ILと解除条件CSAおよびCSBと試験医用画像IRAおよびIRBと共に、問題提示プログラム、判定プログラム、解除プログラム等がファイルに格納されてもよい。変形例1において、読影依頼医用画像ILと解除条件CSAおよびCSBと試験医用画像IRAおよびIRBと問題提示プログラムと、判定プログラムと、解除プログラムとを外部記憶媒体から読み出し、プログラムを実行する。これにより、医用画像管理装置(B)3にプログラムがインストールされていない場合においても、医用画像管理装置(B)3が図8に示す処理を実行することが可能となる。
(変形例2)
上記実施形態において、医用画像管理装置(A)1および医用画像撮像装置5は病院(A)HAに設置され、医用画像閲覧装置7は病院(A)HAとは別の病院(B)HBに設置され、医用画像管理装置(B)3と、病院(A)HAと、病院(B)HBとは、広域通信網を介して相互に接続されるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。図13は、変形例2における医用画像管理システムを示すブロック図である。図13に示すように、医用画像管理装置(A)1と、医用画像管理装置(B)3と、医用画像撮像装置5と、医用画像閲覧装置7とが、一つの病院(A)HAに設置されていてもよい。医用画像管理装置(A)1、医用画像管理装置(B)3、医用画像撮像装置5、医用画像閲覧装置7は、病院(A)HA内のLANにより相互に接続される。
病院(A)HAにおいて、在籍する常勤の読影医には、医用画像に対する読影の力量に応じた権限が付与され、画像の閲覧および所見が作成可能な検査等が決められている。一方、病院に在籍せず、非常勤務として一時的に病院で読影を行う非常勤の読影医には、医用画像に対する読影の権限が付与されず、医用画像に対する閲覧制限が設けられている。変形例2では、非常勤の読影医による読影の力量を判定し、読影の力量があれば、非常勤の読影医であっても画像の閲覧および所見作成等を許可してもよい。
(総括)
上記の説明の通り、本実施形態に係る医用画像管理装置は、画像記憶回路と、表示回路と、処理回路を備える。画像記憶回路は、所定の解除条件に基づく閲覧制限が施された読影依頼医用画像と、前記読影依頼医用画像とは異なる試験医用画像とを保管する。表示回路は、試験医用画像を医用画像閲覧装置に表示し、試験医用画像に関する読影結果の入力を促す。処理回路は、判定機能として、入力された読影結果が所定の解除条件に適合するか否か判定する。処理回路は、解除機能として、入力された読影結果が所定の解除条件に適合する場合、読影依頼医用画像に施された閲覧制限を解除する。
上記の構成により、本実施形態に係る医用画像管理装置は、医用画像に対して適切な診断を行うことができる力量を有する者を判定し、当該力量を有する者に対して閲覧制限が解除された読影依頼医用画像を表示する。言い換えれば、医用画像管理装置は、当該力量を有する者に対してのみ読影依頼医用画像を表示する。
かくして、本実施形態に係る医用画像管理装置は、ネットワークを用いた第三者による読影の結果の信頼性を向上することができる。
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のprocessor、circuit(circuitry)、processing circuit(circuitry)、operation circuit(circuitry)、arithmetic circuit(circuitry)、あるいは、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素(複数の処理部)を、単一のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。