JP2017218564A - トナー用ポリエステル樹脂およびトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性および保存性に優れたトナーを、ケミカル法でも製造でき、かつ環境負荷が低減されたトナー用ポリエステル樹脂およびトナーの提供。【解決手段】炭酸ジエステルと、糖由来のアルコールとを含む混合物の反応物であるポリカーボネートジオールを構造単位として含むトナー用ポリエステル樹脂、および該トナー用ポリエステル樹脂を含有するトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー用ポリエステル樹脂およびトナーに関する。
電子写真印刷法や静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像した後、定着が行われる。
定着方式については、現像によって得られたトナー像を加圧および加熱されたローラーを用いて定着するヒートローラー方式と、電気オーブンまたはフラッシュビーム光を用いて定着する非接触定着方式とがある。
これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーには、安定した帯電量を保持することや、紙への定着性が良好であることが求められる。
さらに、近年のプリンターの高速化、小型化、省エネルギー化等により、トナーには、低温定着性、保存性(貯蔵安定性)等のトナー特性の向上も求められている。
トナー用のバインダー樹脂は、トナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が用いられている。中でも、低温での定着性等に優れ、性能バランスの良いポリエステル樹脂が特に注目されている。
低温定着性や保存性に優れたトナーとして、例えば特許文献1には、特定の物性を有するポリカーボネートとポリエステル樹脂等とを含有するポリマー混合物と、イソシアネート化合物との反応物であるウレタン改質樹脂を含有するトナーが開示されている。
ところで、トナーの製造方法としては、粉砕法、ケミカル法などが挙げられる。
粉砕法は、バインダー樹脂および他のトナー配合物(例えば顔料(着色剤)、離型剤等)を溶融混練し、得られた混練物を粉砕機などによって微粉砕し、分級することによってトナーを得る方法であり、工業的に広く用いられている。
近年、形成される画像の高画質化を実現するためにトナーの小粒径化が望まれているが、粉砕法では粉砕に要するエネルギーや時間が増大する傾向にある。そのため、効率よく小粒径化を図ることができるケミカル法が注目されている。
ケミカル法は、例えばバインダー樹脂および他のトナー配合物を含む材料を有機溶剤中に溶解または分散させ、得られた液を分散安定剤を含有する水系媒体に分散させて造粒した後、有機溶剤を除去し、得られた粒子を分離して洗浄、乾燥することによってトナーを得る方法である。
有機溶剤を用いるケミカル法によりトナーを製造する場合、溶剤溶解性の不十分なバインダー樹脂を用いると、工程通過性が悪化したり、得られるトナー粒子毎の熱特性、トナー配合物や配合状態などが不均一となったりして、トナー特性に影響を及ぼすなどの不具合が生じることがある。
そのため、トナーをケミカル法で製造する場合、バインダー樹脂には溶剤溶解性に優れることが重要である。
また、近年、地球温暖化抑制等の環境保護の観点から、従来の石油原料由来のプラスチックから環境負荷の少ない植物原料由来のプラスチックへの転換が積極的に図られている。例えば日本バイオプラスチック協会では、原材料、製品に含まれるバイオマスプラスチック組成中のバイオマス由来成分の全体量に対する割合が、25質量%以上のプラスチック製品を「バイオマスプラ」として認証し、定められた認証マークの使用を認可している。
トナーについてもバイオマス原料を用いたものが望まれており、トナーを構成するバインダー樹脂についてもバイオマス原料を用いたものが望まれている。
特開2015−61909号公報
しかしながら、特許文献1に記載のウレタン改質樹脂は、溶剤溶解性に劣るため、ケミカルトナー製には不向きであった。加えて、石油原料を用いていることから、環境負荷が高い。
本発明は、低温定着性および保存性に優れたトナーを、ケミカル法でも製造でき、かつ環境負荷が低減されたトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 炭酸ジエステルと、糖由来のアルコールとを含む混合物の反応物であるポリカーボネートジオールを構造単位として含む、トナー用ポリエステル樹脂。
[2] 前記ポリカーボネートジオールが下記式(1)で表される化合物である、[1]に記載のトナー用ポリエステル樹脂。
Figure 2017218564
式(1)中、Rは下記式(2)で表される2価基であり、RはRまたは炭素数2〜8のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数2〜8のアルキレン基であり、lは1以上の整数であり、mは0または1〜5の整数であり、nは0または1〜5の整数であり、m+nが10以下である。
Figure 2017218564
[3] [1]または[2]に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含有する、トナー。
本発明によれば、低温定着性および保存性に優れたトナーを、ケミカル法でも製造でき、かつ環境負荷が低減されたトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを提供できる。
「トナー用ポリエステル樹脂」
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、炭酸ジエステルと、糖由来のアルコールとを含む混合物の反応物であるポリカーボネートジオールを構造単位として含む。また、トナー用ポリエステル樹脂は、通常、多価カルボン酸および多価アルコール(ただし、前記ポリカーボネートジオールを除く)を構造単位として含む。すなわち、ポリカーボネートジオール、多価カルボン酸および多価アルコールは、トナー用ポリエステル樹脂の原料である。
<ポリカーボネートジオール>
ポリカーボネートジオールは、炭酸ジエステルと、糖由来のアルコールとを含む混合物の反応物である。すなわち、ポリカーボネートジオールは、炭酸ジエステルに由来する構造単位と、糖由来のアルコールに由来する構造単位とを含む。ポリカーボネートジオールは、糖由来のアルコール以外のジオール(以下、「他のジオール」ともいう。)に由来する構造単位を含んでいてもよい。
(糖由来のアルコール)
糖由来のアルコールとしては、炭酸ジエステルと反応するものであれば特に制限されず、糖そのものでもよく、アルドースやケトースを還元したものでもよく、分子内で脱水環化したものでもよい。
糖由来のアルコールとしては、2価のアルコールが好ましいが、3価以上のアルコールであってもよい。
糖由来のアルコールとしては、機械物性や耐熱性の観点から、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017218564
式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数2〜8のアルキレン基であり、pは0または1〜5の整数であり、qは0または1〜5の整数であり、p+qが10以下である。
アルキレン基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
直鎖状のアルキレン基としては、例えばエチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、オクチレン基などが挙げられる。
分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば1,2−プロピレン基、1,2−または1,3−ブチレン基、1,2−、1,3−または1,4−ペンチレン基、1,2−、1,3−、1,4−または1,5−ヘキシレン基、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−または1,6−ヘプチレン基、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6または1,7−オクチレン基などが挙げられる。
およびRとしては、耐熱保存安定性の観点から、それぞれ炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましく、エチレン基またはプロピレン基がさらに好ましい。
pが2〜5の場合、複数のRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
qが2〜5の場合、複数のRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
pは0または1〜5の整数であり、0または1〜2の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
qは0または1〜5の整数であり、0または1〜2の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
p+qは10以下であり、0〜6が好ましく、0〜4がより好ましく、0〜2がさらに好ましい。
pおよびqが0の場合、式(3)で表される化合物としては、立体異性体の関係にあるイソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。これらの中でも、植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが好ましい。
pおよびqが1〜5の整数の場合、式(3)で表される化合物は、イソソルビド、イソマンニドまたはイソイデットに、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドを付加重合させて得られる。
糖由来のアルコールとしては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(炭酸ジエステル)
炭酸ジエステルとしては、下記式(4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017218564
式(4)中、AおよびAはそれぞれ独立して炭素数1〜18の脂肪族基または炭素数6〜18の芳香族基である。
脂肪族基および芳香族基はそれぞれ、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
式(4)で表される化合物としては、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、ジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましく、ジフェニルカーボネートがより好ましい。
炭酸ジエステルとしては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(糖由来のアルコール以外のジオール)
糖由来のアルコール以外のジオール(他のジオール)としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジヒドロキシ化合物;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジヒドロキシ化合物;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等の芳香族ビスフェノール類;9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホン等のビス(ヒドロキシアルコキシ)アリール類などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、他のジオールとしては、上述した以外にも、ポリアルキレンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリシロキサン等のポリジオールを1種以上用いてもよい。
これらポリジオールの中でも、糖由来のアルコールとの相溶性に優れる観点から、ポリエーテルジオールが好ましく、下記式(5)で表されるポリオキシアルキレングリコールがより好ましい。
Figure 2017218564
式(5)中、Rはメチル基または水素原子であり、sは1〜4の整数であり、tは2〜120の整数である。
sは2〜4が好ましく、2がより好ましい。
tは2〜100の整数が好ましく、2〜80の整数がより好ましい。
式(5)で表されるポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが好ましい。特に、下記式(6)で表されるポリオキシアルキレングリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが好ましい。
Figure 2017218564
式(6)中、Rはメチル基または水素原子であり、tは2〜120の整数である。
他のジオールとしては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートジオールとしては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017218564
式(1)中、Rは下記式(2)で表される2価基であり、RはRまたは炭素数2〜8のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数2〜8のアルキレン基であり、lは1以上の整数であり、mは0または1〜5の整数であり、nは0または1〜5の整数であり、m+nが10以下である。
Figure 2017218564
、RおよびRのアルキレン基は、それぞれ直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
直鎖状のアルキレン基および分岐鎖状のアルキレン基としては、式(3)で表される化合物の説明において先に例示したアルキレン基が挙げられる。
としては、耐熱保存安定性の観点から、Rまたは炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、Rまたは2〜4のアルキレン基がより好ましく、R、エチレン基またはプロピレン基がさらに好ましい。
およびRとしては、耐熱保存安定性の観点から、それぞれ炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、2〜4のアルキレン基がより好ましく、エチレン基またはプロピレン基がさらに好ましい。
lが2以上の場合、複数のRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
mが2〜5の場合、複数のRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
nが2〜5の場合、複数のRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
lは1以上の整数であり、1〜8の整数が好ましく、低温定着性と保存性を容易に両立できる観点で、1〜5がより好ましい。
mは0または1〜5の整数であり、0または1〜2の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
nは0または1〜5の整数であり、0または1〜2の整数が好ましく、0または1がより好ましい。
m+nが10以下であり、0〜6が好ましく、0〜4がより好ましく、0〜2がさらに好ましい。
(物性)
ポリカーボネートジオールの分子量は還元粘度で表すことができ、還元粘度は、0.30dL/g以上が好ましく、0.35dL/g以上がより好ましい。また、還元粘度は、1.20dL/g以下が好ましく、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下がさらに好ましい。ポリカーボネートジオールの還元粘度が、0.30dL/g以上であれば樹脂強度が高まり、1.20dL/g以下であれば流動性を良好に維持できる。
ポリカーボネートジオールの還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネートジオール濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度計を用いて測定する。
ポリカーボネートジオールのガラス転移温度は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。ポリカーボネートジオールのガラス転移温度が50℃以上であれば、耐熱性が高まる。
ポリカーボネートジオールのガラス転移温度は、JIS K 7121に規定される方法に準拠して測定される。
(製造方法)
ポリカーボネートジオールは、例えば糖由来のアルコールと、炭酸ジエステルと、必要に応じて他のジオールとを混合した混合物をエステル交換反応により縮合させることで得られる。より詳細には、糖由来のアルコールと、炭酸ジエステルと、必要に応じて他のジオールとをエステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。
エステル交換反応による縮合は、通常、エステル交換反応触媒存在下で行われる。
エステル交換反応触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等の金属化合物;テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素等の金属塩等の塩基性ホウ素化合物;トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、四級ホスホニウム塩等の塩基性リン化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性アンモニウム化合物;4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール等のアミン系化合物などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭酸ジエステルの割合は、糖由来のアルコールと他のジオールとの合計1モルに対して、0.90〜1.20モルが好ましく、0.95〜1.10がより好ましい。炭酸ジエステルの割合が上記範囲内であれば、エステル交換反応の速度低下を抑制でき、所望とする分子量のポリカーボネートジオールが得られやすくなる。
糖由来のアルコールと他のジオールとのモル比(糖由来のアルコール:他のジオール)は、100:0〜1:99が好ましく、100:0〜10:90がより好ましく、80:20〜20:80がさらに好ましく、70:30〜30:70が特に好ましい。糖由来のアルコールと他のジオールとのモル比が上記範囲内であれば、ポリカーボネートジオールの融点および粘度が適度に低下し、ハンドリング性が向上する傾向にある。
エステル交換反応の際の反応温度は、70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。また、反応温度は、250℃以下が好ましく、230℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましい。
<多価カルボン酸>
多価カルボン酸としては、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
2価のカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フランジカルボン酸またはそれらの低級アルキルエステル、フタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、またはそれらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステルまたはそれらの酸無水物などが挙げられる。テレフタル酸、イソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、例えばテレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチルなどが挙げられる。
これらの中でも、作業性およびコストの点でテレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸がより好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のカルボン酸としては、例えばトリメリット酸、トリメシン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、またはそれらの酸無水物、または低級アルキルエステル等の3価のカルボン酸;ピロメリット酸、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸、またはそれらの酸無水物、または低級アルキルエステル等の4価のカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、作業性およびコストの点でトリメリット酸またはその酸無水物が好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<多価アルコール>
多価アルコール(ただし、前記ポリカーボネートジオールを除く)としては、2価のアルコール、3価以上のアルコールが挙げられる。
2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。
また、2価のアルコールとして式(3)で表される化合物を用いてもよい。
これらの中でも、トナー用ポリエステル樹脂のガラス転移温度を制御しやすい点でポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、式(3)で表される化合物が好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のアルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、グリセロールなどが挙げられる。
これらの中でも、作業性およびコストの点でトリメチロールプロパン、グリセロールが好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<その他>
トナー用ポリエステル樹脂の原料として、上述したポリカーボネートジオール、多価カルボン酸および多価アルコール以外の原料(他の原料)を用いてもよい。
他の原料としては、1価のカルボン酸、1価のアルコールなどが挙げられる。
1価のカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸;ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸等;桂皮酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和二重結合を分子内に一つ以上有する不飽和カルボン酸などが挙げられる。
1価のアルコールとしては、例えばベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族アルコール;オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族アルコールなどが挙げられる。
<トナー用ポリエステル樹脂の物性>
トナー用ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、30〜75℃が好ましく、35〜65℃がより好ましい。トナー用ポリエステル樹脂のTgが、30℃以上であれば保存性がより向上し、75℃以下であれば低温定着性がより向上する。
トナー用ポリエステル樹脂のTgは、示差走差熱量計の測定により求めたものである。具体的には、100℃で10分間加熱してメルトクエンチを行った後、昇温速度5℃/minで測定したときのチャートの低温側のベースラインと、Tg近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求め、これをTgとする。
トナー用ポリエステル樹脂の軟化温度(T4)は、75〜180℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。トナー用ポリエステル樹脂のTgが、75℃以上であればバインダー樹脂としての耐久性を良好に維持でき、180℃以下であれば低温流動性を良好に維持できる。
トナー用ポリエステル樹脂のT4は、1mmφ×10mmのノズルにより、荷重294N(30Kgf)、昇温速度3℃/minの等速昇温下の条件で測定し、サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度である。
トナー用ポリエステル樹脂の酸価は、0.5〜25mgKOH/gが好ましく、3〜20mgKOH/gがより好ましい。トナー用ポリエステル樹脂の酸価が、0.5mgKOH/g以上であればトナー用ポリエステル樹脂の反応性が向上する傾向にあり、25mgKOH/g以下であればトナーの画像濃度がより安定する傾向にある。
トナー用ポリエステル樹脂の酸価は、トナー用ポリエステル樹脂をベンジルアルコールに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として、0.02規定のKOHベンジルアルコール溶液を用いて滴定して求めた値である。
<トナー用ポリエステル樹脂の製造>
トナー用ポリエステル樹脂は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、上述した多価カルボン酸と、多価アルコールと、必要に応じて他の原料(1価のカルボン酸、1価のアルコール等)とを重合し(重合工程(1))、樹脂を得る。次いで、得られた樹脂と上述したポリカーボネートジオールとを重合し(重合工程(2))、トナー用ポリエステル樹脂を得る。
重合工程(1)では、例えば多価カルボン酸と、多価アルコールと、必要に応じて他の原料とを反応容器に投入し、加熱昇温して、エステル化反応またはエステル交換反応を行い、反応で生じた水またはアルコールを除去する。その後、引き続き縮合反応を実施する。
重合工程(1)における重合温度は、180〜280℃の範囲とするのが好ましい。重合温度が、180℃以上であれば生産性が良好となる傾向にあり、280℃以下であればポリエステル樹脂の分解や、臭気の要因となる揮発分の副生成を抑制できる傾向にある。重合温度の下限値は200℃以上がより好ましく、上限値は270℃以下がより好ましい。
重合工程(2)では、例えば重合工程(1)で得られた樹脂にポリカーボネートジオールを添加し、加温しながら縮合反応を行い、重合工程(1)で得られた樹脂とポリカーボネートジオールとを複合化させる。
重合工程(2)における重合温度は、100〜200℃の範囲とするのが好ましい。重合温度が、100℃以上であれば生産性が良好となる傾向にあり、200℃以下であればポリエステル樹脂やカーボネート材料の分解、臭気の要因となる揮発分の副生成を抑制できる傾向にある。重合温度の下限値は110℃以上がより好ましく、上限値は190℃以下がより好ましい。
また、反応に伴う留出物、臭気の要因となる副生成物は減圧にて系外へ留去させてもよい。
エステル化反応、エステル交換反応、縮合反応時に用いる触媒としては、チタン系触媒、ジブチルスズオキシド、カルシウム系触媒(例えば酢酸カルシウム、酢酸カルシウム水和物等)、スズ系触媒(例えば酢酸スズ、二硫化スズ、酸化スズ、2エチルヘキサンスズ等)、マグネシウム系触媒(例えば酢酸マグネシウム等)、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなどが挙げられる。これらの中でも、触媒としては、環境負荷低減の観点より、チタン系触媒、カルシウム系触媒、マグネシウム系触媒が好ましく、チタン系触媒がより好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
チタン系触媒としては、例えばアルコキシ基を有するチタンアルコキシド化合物、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル、カルボン酸チタニル塩、チタンキレート化合物などが挙げられる。
アルコキシ基を有するチタンアルコキシド化合物としては、例えばテトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラペントキシチタン、テトラオクトキシチタンなどが挙げられる。
カルボン酸チタン化合物としては、例えば蟻酸チタン、酢酸チタン、プロピオン酸チタン、オクタン酸チタン、シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイン酸チタン、アジピン酸チタン、セバシン酸チタン、ヘキサントリカルボン酸チタン、イソオクタントリカルボン酸チタン、オクタンテトラカルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チタン、安息香酸チタン、フタル酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、1,3−ナフタレンジカルボン酸チタン、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタン、2,5−トルエンジカルボン酸チタン、アントラセンジカルボン酸チタン、トリメリット酸チタン、2,4,6−ナフタレントリカルボン酸チタン、ピロメリット酸チタン、2,3,4,6−ナフタレンテトラカルボン酸チタンなどが挙げられる。
チタン系触媒の中でも、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタンが特に好ましい。
チタン系触媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、トナー用ポリエステル樹脂の製造方法は上述した方法に限定されず、例えばポリカーボネートジオールの存在下で、多価カルボン酸と、多価アルコールと、必要に応じて他の原料(1価のカルボン酸、1価のアルコール等)とを重合して、トナー用ポリエステル樹脂を製造してもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、炭酸ジエステルと、糖由来のアルコールとを含む混合物の反応物であるポリカーボネートジオールを構造単位として含むので、低温定着性および保存性に優れる。加えて、本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、溶剤に対する溶解性(溶剤溶解性)も良好であるため、粉砕法はもちろんのこと、ケミカル法でもトナーを製造できる。しかも、前記ポリカーボネートジオールは糖由来のアルコールを原料としているので、環境負荷も低減される。
「トナー」
本発明のトナーは、上述した本発明のトナー用ポリエステル樹脂を含有する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の含有量は、トナーの総質量に対して、5〜95質量%が好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて着色剤、荷電制御剤、離型剤、流動改質剤、磁性体、本発明のトナー用ポリエステル樹脂以外の樹脂(他のバインダー樹脂)などの配合物を含んでいてもよい。
着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染料もしくは顔料などが挙げられる。これらの染料や顔料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーをカラートナーとして用いる場合、イエロー系着色剤としてはベンジジンイエロー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料などが挙げられ、マゼンタ系着色剤としてはキナクリドン、ローダミン系染顔料、モノアゾ系染顔料などが挙げられ、シアン系着色剤としてはフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
着色剤の含有量は特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度、熱特性に優れる点から、トナーの総質量に対して、2〜10質量%が好ましい。
荷電制御剤としては、4級アンモニウム塩や、塩基性もしくは電子供与性の有機物質等の正帯電性の荷電制御剤;金属キレート類、含金属染料、酸性もしくは電子求引性の有機物質等の負帯電性の荷電制御剤が挙げられる。
トナーをカラートナーとして用いる場合、荷電制御剤としては無色ないし淡色で、トナーへの色調障害が少ないものが適しており、このような荷電制御剤としては、例えばサリチル酸またはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物などが挙げられる。さらに、スチレン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御剤として用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、トナーの総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。荷電制御剤の含有量が0.5質量%以上であればトナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下であれば荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。
離型剤としては、トナーの離型性、保存性、定着性、発色性等を考慮して、カルナバワックス、ライスワックス、蜜蝋、ポリプロピレン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、合成エステル系ワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミド、シリコーン系ワックス等を適宜選択して使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融点は、上記トナー性能を考慮して適宜決定すればよい。
離型剤の含有量は特に制限されないが、上記のトナー性能を左右することから、トナーの総質量に対して、0.3〜15質量%が好ましい。離型剤の含有量の下限値は、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。また、離型剤の含有量の上限値は、13質量%以下がより好ましく、12質量%以下が特に好ましい。
流動改質剤などの添加剤としては、微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の流動性向上剤;マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末;スチレン樹脂、アクリル樹脂等の抵抗調節剤;滑剤などが挙げられ、これらは内添剤または外添剤として使用される。
これらの添加剤の含有量は、トナーの総質量に対して、0.05〜10質量%が好ましい。これらの添加剤の含有量が0.05質量%以上であればトナーの性能改質効果が十分に得られる傾向にあり、10質量%以下であればトナーの画像安定性が良好となる傾向にある。
他のバインダー樹脂としては、例えばポリエステル樹脂(ただし、本発明のトナー用ポリエステル樹脂を除く。)、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、環状オレフィン樹脂、メタクリル酸系樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現像剤としても使用できる。
本発明のトナーを磁性1成分現像剤として用いる場合、トナーは磁性体を含有する。磁性体としては、例えばフェライト、マグネタイト、鉄、コバルト、ニッケル等を含む強磁性の合金;化合物や強磁性元素を含まないが、適当に熱処理することによって強磁性を示すようになる合金(例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含む、所謂ホイスラー合金、二酸化クロム等)などが挙げられる。
磁性体の含有量は特に制限されないが、トナーの粉砕性に大きく影響を与えるため、トナーの総質量に対して、3〜70質量%が好ましい。磁性体の含有量が3質量%以上であればトナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあり、70質量%以下であればトナーの定着性や粉砕性が良好となる傾向にある。磁性体の含有量の上限値は、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合、本発明のトナーはキャリアと併用して用いられる。
キャリアとしては、例えば鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質、それらの表面に樹脂コーティングを施したもの、磁性キャリアなどが挙げられる。樹脂コーティングキャリアのための被覆樹脂としては、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、それらの樹脂の混合物などが挙げられる。
キャリアの使用量は、トナー100質量部に対して、500〜3000質量部が好ましい。キャリアの使用量が500質量部以上であればかぶり等が発生しにくくなる傾向にあり、3000質量部以下であれば定着画像の濃度が十分なものとなる傾向にある。
本発明のトナーを製造する方法としては特に制限されず、粉砕法、ケミカル法のいずれの方法も採用できる。
粉砕法では、例えば本発明のトナー用ポリエステル樹脂と、上述した配合物とを混合した後、2軸押出機などで溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、分級を行い、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行って、トナーを製造する。
ケミカル法では、例えば本発明のトナー用ポリエステル樹脂と配合物とを溶剤に溶解または分散させ、その液を分散安定剤を含有する水系媒体に分散させて造粒した後に溶剤を除去し、造粒物を洗浄、乾燥してトナー粒子を得て、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行って、トナーを製造する。また、例えば本発明のトナー用ポリエステル樹脂を溶剤に溶解させ、その液を分散安定剤を含有する水系媒体中で乳化した後に溶剤を除去し、得られたポリエステル乳化液と、配合物を分散した水系媒体とを混合して、微粒子を凝集、融合させた後、凝集物を分離し、洗浄、乾燥してトナー粒子を得て、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行うことでもトナーを製造できる。また、本発明のトナー用ポリエステル樹脂をスチレンやメチルメタクリレート等のラジカル重合性モノマーに溶解させて、開始剤、顔料、帯電制御剤、ワックス等の存在下でラジカル重合してトナーを得てもよい。
なお、ケミカル法において、先の造粒物または凝集物の分散液に、本発明のトナー用ポリエステル樹脂をさらに添加し、必要に応じて加熱処理を施せば、コア部となる造粒物または凝集物の表面に、シェル部となる本発明のトナー用ポリエステル樹脂がさらに付着したコアシェル構造のトナーが得られる。
コアシェル構造のトナーを製造する際は、Tgが低いトナー用ポリエステル樹脂をコア部に用い、Tgが高いトナー用ポリエステル樹脂をシェル部に用いることが好ましい。こうすることで、トナーの低温定着性や保存性がより向上する。
ケミカル法で用いる溶剤としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、イソプロパノールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーの平均粒子径は特に制限されないが、3〜15μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。トナーの平均粒子径が3μm以上であれば、生産性が良好となる傾向にある、また、塵肺の問題も生じにくい傾向にある。一方、トナーの平均粒子径が15μm以下であれば、高画質な画像を安定して形成できる傾向にある。
本発明のトナーは、上述した本発明のトナー用ポリエステル樹脂を含有するので、低温定着性および保存性に優れる。しかも、環境負荷も低減される。
また、本発明のトナーは、粉砕法はもちろんのこと、ケミカル法でも製造できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「ポリカーボネートジオール」
ポリカーボネートジオールとして、以下に示す化合物を用いた。
・ポリカーボネートジオール(A):三菱化学社製の「ベネビオールHS0840B」(式(1)中、R=R、m=0、n=0、数平均分子量800)。
・ポリカーボネートジオール(B):三菱化学社製の「ベネビオールHS0850」(式(1)中、R=R、m=0、n=0、数平均分子量800)。
「ポリカーボネート材料」
ポリカーボネート材料として、以下に示す化合物を用いた。
・ポリカーボネート材料(C):三菱化学社製の「ベネビオールNL1010DB」(下記式(7)で表される化合物、数平均分子量(Mn)=1000、u=4〜5)。
Figure 2017218564
「測定・評価方法」
<構成単位の組成分析>
樹脂の構成単位(組成)は、以下のようにして分析した。
超伝導核磁気共鳴装置を用い、以下の条件にてH−NMR、13C−NMRを測定し、各構成単位由来の帰属ピークの積分比から、多価カルボン酸および多価アルコールの割合を求めた。
・装置:日本電子株式会社製、「ECS−400」
・マグネット:JMTC−400/54/SS
・観測周波数:H−NMR(400MHz)、13C−NMR(100MHz)
・溶媒:重水素化クロロホルム
・温度:50℃
・積算回数:H−NMR(256回)、13C−NMR(5000回)
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
樹脂のガラス転移温度は、示差走差熱量計(島津製作所社製、「DSC−60」)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブの接線との交点から測定した。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し、ガラス転移温度以上の100℃で10分融解後、ドライアイスを用いて急冷却処理したサンプルを用いた。
<軟化温度(T4)の測定>
樹脂の軟化温度は、フローテスター(島津製作所社製、「CFT−500D」)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度を測定し、これを軟化温度とした。
<酸価の測定>
樹脂の酸価は、以下のようにして測定した。
測定サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に秤量し(A(g))、ベンジルアルコール10mlを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し測定サンプルを溶解した。室温まで放冷後、ベンジルアルコール10ml、クロロホルム20ml、フェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って酸価を算出した。
酸価(mgKOH/g)={(B−C)×0.02×56.11×p}/A
<数平均分子量(Mn)および質量平均分子量(Mw)の測定>
樹脂の数平均分子量および質量平均分子量は、以下のようにして測定した。
テトラヒドロフラン(THF)に溶解した測定サンプルについて、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって溶出曲線を測定し、標準ポリスチレンによる検量線を基に測定サンプルの数平均分子量および質量平均分子量を算出した。
<溶剤溶解性の評価>
評価サンプル約5gを100mLの三角フラスコ内に秤量し(D(g))、酢酸エチル50mLを加え、40℃に設定したウォーターバスに3時間浸漬し、評価サンプルを酢酸エチルに溶解させた。
別途、ガラスフィルター1GP100に6〜7分目までセライト545をきつく充填し、105℃の乾燥機で3時間以上乾燥して、乾燥したガラスフィルターを秤量した(E(g))。
次いで、乾燥したガラスフィルター内に、評価サンプルが溶解した酢酸エチル溶液を移して、吸引ろ過した。フィルター内に溶剤が残らないように吸引を続けた後、80℃の真空乾燥機で1時間以上乾燥して、ガラスフィルターを秤量し(F(g))、以下の式に従って溶剤(酢酸エチル)不溶分を算出した。
溶剤不溶分(質量%)=(F−E)/D×100
溶剤不溶分から、以下の評価基準にて溶剤溶解性を評価した。
○(良好):溶剤不溶分が5質量%未満である。
△(使用可能):溶剤不溶分が5質量%以上、10質量%未満である。
×(劣る):溶剤不溶分が10質量%以上である。
<低温定着性の評価>
(評価A)
回転型レオメーター(TAインスツルメント社製、「AR−2000ex」)を用い、以下の条件にてトナーの損失弾性率(G’’)を測定した。
・ジオメトリー:25mmφパラレルプレート
・GAP:1mm
・周波数:1Hz
・ひずみ:0.01
・測定温度:70〜160℃(3℃/minで昇温)
損失弾性率(G’’)は、トナーの低温定着性と良い相関を示す。100℃における損失弾性率(G’’)から、以下の評価基準にて判定した。
◎(極めて良好):損失弾性率(G’’)が25000Pa未満である。
○(良好):損失弾性率(G’’)が25000Pa以上、100000Pa未満である。
×(劣る):損失弾性率(G’’)が100000Pa以上である。
(評価B)
以下のようにして、トナーの最大応力(最大破断荷重)を測定した。なお、測定試料として、手動式成型機ハンディトライ(新興セルビック社製)を用い、縦80mm、横10mm、厚み2mm、テーパー2度の金型より得られた成型樹脂片を用いた。
JIS K 7116に準拠し、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製、「RTC−1250A」)を用いて、100mm/minの試験速度で測定試料の最大破断荷重を測定した。
最大破断荷重は、トナーの定着強度と良い相関を示す。最大破断荷重から、以下の評価基準にて判定した。
◎(極めて良好):最大破断荷重が15N以上である。
○(良好):最大破断荷重が5N以上、15N未満である。
×(劣る):最大破断荷重が5N未満である。
(総合評価)
評価Aの結果および評価Bの結果より、以下の評価基準にて低温定着性を評価した。
○:評価Aの結果および評価Bの結果がともに、◎(極めて良好)または○(良好)である。
×:評価Aの結果および評価Bの結果の少なくとも一方が、×(不良)である。
<保存性の評価>
トナーを約5g秤量してサンプル瓶に投入し、これを温度40℃、湿度80%に調整された恒温恒湿度機に約24時間放置し、トナーの凝集程度を目視にて観察し、以下の評価基準にて保存性を評価した。
◎(極めて良好):サンプル瓶を逆さにするだけで分散する。
○(良好):サンプル瓶を逆さにし、1〜3回叩くと分散する。
×(劣る):サンプル瓶を逆さにし、3回叩いても分散しない。
「製造例1」
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸、多価アルコール、および触媒を蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。なお、多価アルコールの量は、多価カルボン酸の合計100モル%に対する量(モル%)であり、触媒の量は、多価カルボン酸と多価アルコールとの反応物(樹脂)に対する量(質量%)である。
次いで昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を行った。次いで、反応系内の温度を240℃とし、反応容器内を減圧し、反応系からポリアルコールを留出させながら縮合反応を実施し、樹脂1を得た。なお、重合終点は、縮合反応途中で系内に窒素ガスを注入して系内を常圧にした後、反応物を少量サンプリングして軟化温度(T4)を測定して、表1に示す軟化温度になるまでサンプリング作業を繰り返して重合終点を決定した。
得られた樹脂1について、構成単位の組成(樹脂組成)分析を行い、ガラス転移温度(Tg)、軟化温度(T4)、酸価、数平均分子量(Mn)および質量平均分子量(Mw)を測定した。結果を表1に示す。
「製造例2〜4」
仕込み組成を表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様にして、樹脂2〜4を製造した。
得られた樹脂1について、構成単位の組成分析を行い、ガラス転移温度(Tg)、軟化温度(T4)、酸価、数平均分子量(Mn)および質量平均分子量(Mw)を測定した。結果を表1に示す。
「実施例1」
<トナー用ポリエステル樹脂の製造>
重合終点に到達した樹脂1の状態から、反応系内の温度を200℃まで低下させたところで、表2に示す質量比率に合わせてポリカーボネートジオール(A)を添加して攪拌混合しつつ、反応系内の温度を150℃に制御した。150℃で3時間反応を進め、3時間の内2時間は常圧反応、1時間は3kPa以下に減圧して反応を行った後、攪拌を停止し、系内に窒素ガスを注入しつつ、トナー用ポリエステル樹脂を得た。
得られたトナー用ポリエステル樹脂について、ガラス転移温度(Tg)、軟化温度(T4)および酸価を測定した。また、ケミカル法に適用できるか否かの指標となる溶剤溶解性を評価した結果を表2に示す。
<トナーの製造>
得られたトナー用ポリエステル樹脂93質量部と、着色剤としてキナクリドン顔料(クラリアント社製、「E02」)3質量部と、負帯電性の荷電制御剤(日本カートリット社製、「LR−147」)1質量部と、カルナバワックス(東洋ペトロライド社製)3質量部とを粉体混合し、二軸押出機(池貝社製、「PCM−29」)を用いて設定温度:120℃、滞在時間1分として溶融混練し、粗粉砕したトナー(粗粉砕トナー)を得た。この粗粉砕トナーを用いて低温定着性を評価した。結果を表2に示す。
また、粗粉砕トナーの一部をジェットミル型粉砕機で微粉砕し、分級機で平均粒径10μmの微粉末のトナー(微粉砕トナー)を得た。この外添未処理の微粉砕トナーを用いて、保存性を評価した。結果を表2に示す。
「実施例2」
ポリカーボネートジオール(A)の代わりに、ポリカーボネートジオール(B)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「実施例3」
樹脂1の代わりに、樹脂2を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「実施例4」
樹脂1の代わりに、樹脂3を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「実施例5」
樹脂1の代わりに、樹脂4を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例1」
樹脂1をトナー用ポリエステル樹脂として用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例2」
樹脂4をトナー用ポリエステル樹脂として用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2に示す。
「比較例3」
ポリカーボネートジオール(A)の代わりに、ポリカーボネート材料(C)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを製造し、各種測定・評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2017218564
Figure 2017218564
表2の結果から明らかなように、各実施例で得られたトナー用ポリエステル樹脂からは、低温定着性および保存性に優れたトナーを製造できた。しかも、各実施例で得られたトナー用ポリエステル樹脂は溶剤溶解性にも優れていた。よって、本発明のトナー用ポリエステル樹脂であれば、ケミカル法でもトナーを製造できることが示された。
一方、比較例1、2で得られたトナー用ポリエステル樹脂を用いて製造したトナーは、低温定着性に劣っていた。比較例3で得られたトナー用ポリエステル樹脂を用いて製造したトナーは、評価できないほど低温定着性に劣っていた。また、比較例3のトナー用ポリエステル樹脂は、溶剤溶解性にも劣っており、ケミカル法によりトナーを製造するには不向きであった。
なお、比較例2の場合、評価Aにおける損失弾性率(G’’)が著しく大きく、低温定着性に劣ることは明らかだったため、評価Bは実施しなかった(最大破断荷重の測定は実施しなかった)。
比較例3の場合、軟化温度の測定ができなかったため、酸価の測定は実施しなかった。また、評価Bにおいて最大破断荷重の測定ができず、低温定着性に劣ることは明らかだったため、評価Aは実施しなかった(損失弾性率(G’’)の測定は実施しなかった)。さらに、トナーが粉体にならなかったため、保存性は評価できなかった。

Claims (3)

  1. 炭酸ジエステルと、糖由来のアルコールとを含む混合物の反応物であるポリカーボネートジオールを構造単位として含む、トナー用ポリエステル樹脂。
  2. 前記ポリカーボネートジオールが下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂。
    Figure 2017218564
    (式(1)中、Rは下記式(2)で表される2価基であり、RはRまたは炭素数2〜8のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数2〜8のアルキレン基であり、lは1以上の整数であり、mは0または1〜5の整数であり、nは0または1〜5の整数であり、m+nが10以下である。)
    Figure 2017218564
  3. 請求項1または2に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含有する、トナー。
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