JP2017218071A - ラックアンドピニオン式ステアリング装置、ラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法 - Google Patents

ラックアンドピニオン式ステアリング装置、ラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピニオン軸に負荷されるアキシアル荷重に起因するがたつきの抑制効果を向上させることができるラックアンドピニオン式ステアリング装置、およびラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法を提供すること。【解決手段】軸受固定部材53は、環状溝23の内径側に配置され拡径可能な第1環状部材81と、第1環状部材81の内径側に嵌合される第2環状部材91とからなり、環状溝23の底面は、下方に向かうに従いピニオン軸107の軸線から離間する方向に傾斜するテーパ面231を有し、第1環状部材81の外周面は、下方に向かうに従いピニオン軸107の軸線から離間する方向に傾斜するテーパ面814を有し、第1環状部材81は、第2環状部材91の前記嵌合によって拡径し、テーパ面814が該拡径により環状溝23のテーパ面231に押し付けられている。【選択図】図3

Description

本発明はラックアンドピニオン式ステアリング装置、およびラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法に関する。
ラックアンドピニオン式ステアリング装置は、タイロッドを介して車輪の転舵角を変えるラック軸が、ステアリングギヤアッセンブリのハウジングに往復移動可能に支持されている。また、ステアリングホイールの回動をラック軸に伝達するピニオン軸が、該ハウジングに軸受を介して回動可能に軸支されている。
このようなラックアンドピニオン式ステアリング装置は、路面からピニオン軸に伝わる振動等によってピニオン軸にアキシアル荷重が負荷されると、ピニオン軸がアキシアル方向に移動し、軸受の外輪とハウジングとの間に隙間が生じる。そうすると、ピニオンとラック歯との噛み合い位置が適正位置からずれてしまい、これにより異音が生じたり、がたつきが生じたりしてしまう。このため、ピニオン軸をハウジングに軸支する軸受をハウジングに固定することによりピニオン軸をアキシアル方向に対して固定し、異音が生じたり、がたつきが生じたりすることを抑制している。従来、止め輪であるテーパスナップリングを用いて軸受をハウジングに固定しているラックアンドピニオン式ステアリング装置が開示されている(特許文献1および2参照)。
特許文献1に記載されたラックアンドピニオン式ステアリング装置は、テーパスナップリングの傾斜面側に複数の円錐状の突起を等間隔に形成している。また、ハウジングの内周面にテーパスナップリング装着用の環状溝が設けられ、該環状溝の傾斜面側に環状凹溝を形成している。ピニオン軸にアキシアル方向の荷重が負荷され、軸受を介してテーパスナップリングにアキシアル方向の外力が作用し、テーパスナップリングが所定量縮径すると、テーパスナップリングの突起が環状凹溝の内壁面に係合する。これにより、テーパスナップリングが所定量を超えて縮径することを防止し、テーパスナップリングの軸方向移動を規制し、軸受をハウジングに固定している。
特許文献2に記載されたラックアンドピニオン式ステアリング装置は、ピニオン軸にアキシアル方向の荷重が負荷され、軸受を介してテーパスナップリングにアキシアル方向の外力が作用した際、テーパスナップリングの傾きを所定範囲に規制することによってテーパスナップリングの縮径を抑制し、テーパスナップリングの軸方向移動を規制している。これにより、軸受をハウジングに固定している。
特開2010−038254号公報 特許第5626144号公報
しかし、特許文献1および特許文献2に記載されたラックアンドピニオン式ステアリング装置は、何れも、テーパスナップリングの縮径が規制された状態において、テーパスナップリングが配置された環状溝とテーパスナップリングとの間に隙間が存在している。特許文献1および特許文献2にあっては、この隙間の存在によりテーパスナップリングが変位する虞があり、テーパスナップリングは軸受に対して充分に高い支持剛性を有してはいない。従って、特許文献1および特許文献2にあっては、テーパスナップリングの変位に伴って軸受およびピニオン軸が変位し、ピニオンとラック歯の噛み合い位置が適正位置からずれてしまい、がたつきが発生してしまう虞がある。
本発明は、ピニオン軸に負荷されるアキシアル荷重に起因するがたつきの抑制効果を向上させることができるラックアンドピニオン式ステアリング装置、およびラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、本発明は、ハウジングと、前記ハウジングに往復移動可能に支持され、タイロッドを介して車輪の転舵角を変えるラック軸と、軸方向一方側がステアリングホイールに連結され、軸方向他方側に前記ラック軸のラック歯に噛み合うピニオンを有し、ステアリングホイールの回動を前記ラック軸に伝達するピニオン軸と、前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向一方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第1軸受と、前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向他方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第2軸受と、前記ハウジングの内周面に前記ピニオン軸の軸線と同軸に形成された環状溝に配置され、前記第1軸受に接触することにより前記第1軸受を前記ハウジングに固定する環状の軸受固定部材とを有するラックアンドピニオン式ステアリング装置において、前記軸受固定部材は、前記環状溝の内径側に配置され拡径可能な第1環状部材と、前記第1環状部材の内周側に嵌合される第2環状部材とからなり、前記環状溝は、前記第1環状部材と径方向に対向する底面を有し、前記第1環状部材は、前記第2環状部材の前記嵌合によって拡径し、外周面が前記拡径により前記環状溝の底面に押し付けられていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記環状溝の底面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に傾斜するテーパ面を有し、前記第1環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に、前記環状溝のテーパ面と同じ角度で傾斜するテーパ面を有し、前記第1環状部材のテーパ面が前記環状溝のテーパ面に押し付けられていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記第1環状部材のテーパ面は、全面が前記環状溝のテーパ面に接触していることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記第2環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線に近づく方向に傾斜するテーパ面を有していることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、組み付け前の状態における前記第1環状部材の内径寸法は、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向一方側端部の径寸法よりも小さく、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向他方側端部の径寸法よりも大きいことを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、組み付け前の状態における前記第1環状部材の内径寸法は、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向一方側端部の径寸法よりも小さく、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向他方側端部の径寸法よりも小さいことを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記第2環状部材は、軸方向他方側端部に、軸方向他方側に突出する円筒形状部を有し、前記円筒形状部の外径は、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向他方側端部の径寸法と同じ寸法であることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記第1環状部材は、前記第2環状部材の軸方向一方側端面に接触する凸部を内周面に有していることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
また、本発明は、ハウジングと、前記ハウジングに往復移動可能に支持され、タイロッドを介して車輪の転舵角を変えるラック軸と、軸方向一方側がステアリングホイールに連結され、軸方向他方側に前記ラック軸のラック歯に噛み合うピニオンを有し、ステアリングホイールの回動を前記ラック軸に伝達するピニオン軸と、前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向一方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第1軸受と、前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向他方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第2軸受と、前記ハウジングの内周面に前記ピニオン軸の軸線と同軸に形成された環状溝に配置され、前記第1軸受に接触することにより前記第1軸受を前記ハウジングに固定する環状の軸受固定部材とを有するラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法において、前記軸受固定部材を、拡径可能な第1環状部材と、前記第1環状部材の内周側に嵌合される第2環状部材とから構成し、前記環状溝を、第1環状部材と径方向に対向する底面を有するように構成し、前記第1環状部材を前記環状溝の内径側に配置し、その後、前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材を挿入することにより前記第1環状部材を拡径し、前記第1環状部材の外周面を前記環状溝の底面に押し付けることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法である。
また、本発明は、ハウジングと、前記ハウジングに往復移動可能に支持され、タイロッドを介して車輪の転舵角を変えるラック軸と、軸方向一方側がステアリングホイールに連結され、軸方向他方側に前記ラック軸のラック歯に噛み合うピニオンを有し、ステアリングホイールの回動を前記ラック軸に伝達するピニオン軸と、前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向一方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第1軸受と、前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向他方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第2軸受と、前記ハウジングの内周面に前記ピニオン軸の軸線と同軸に形成された環状溝に配置され、前記第1軸受に接触することにより前記第1軸受を前記ハウジングに固定する環状の軸受固定部材とを有するラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法において、前記軸受固定部材を、拡径可能な第1環状部材と、前記第1環状部材の内周側に嵌合される第2環状部材とから構成し、前記環状溝を、第1環状部材と径方向に対向する底面を有するように構成し、予め前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材の一部を挿入して前記第1環状部材と前記第2環状部材とを一体とし、一体とした前記第1環状部材と前記第2環状部材とを前記環状溝の内径側に配置し、その後、前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材をさらに挿入することにより前記第1環状部材を拡径し、前記第1環状部材の外周面を前記環状溝の底面に押し付けることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法である。
また、本発明の好ましい態様は、前記環状溝の底面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に傾斜するテーパ面であり、前記第1環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に、前記環状溝のテーパ面と同じ角度で傾斜するテーパ面であり、前記第1環状部材のテーパ面を前記環状溝のテーパ面に押し付けることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法である。
また、本発明の好ましい態様は、前記第2環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線に近づく方向に傾斜するテーパ面を有し、前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材を挿入する際、前記第2環状部材は、前記第1環状部材の内周側に挿入されるに従い、前記第1環状部材の内径側縁部に接触する前記第2環状部材のテーパ面の径寸法が次第に大きくなる方向に挿入されることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法である。
本発明によれば、ピニオン軸に負荷されるアキシアル荷重に起因するがたつきの抑制効果を向上させることができるラックアンドピニオン式ステアリング装置、およびラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法を提供することができる。
図1は第1実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置全体の斜視図である。 図2はステアリングギヤアッセンブリの拡大断面図であり、ラックとピニオンとの噛み合い部をピニオン軸の径方向から見た状態を示している。 図3は、図2の要部の拡大図である。 図4(a)は第1環状部材の拡大斜視図であり、図4(b)は第2環状部材の拡大斜視図である。 図5は第1実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法を示す要部拡大断面図であり、図5(a)は第1環状部材が組み付けられた状態を示し、図5(b)は第2環状部材がさらに組み付けられた状態を示している。 図6は第2実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置の要部の拡大断面図である。 図7は第2実施形態に係り、軸受固定部材の第1環状部材の拡大斜視図である。 図8は第2実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法を示す要部拡大断面図であり、図8(a)は第1環状部材が組み付けられた状態を示し、図8(b)は第2環状部材がさらに組み付けられた状態を示している。 図9は、第3実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置の要部の拡大断面図である。 図10(a)は第3実施形態に係り、軸受固定部材の第1環状部材の拡大斜視図であり、図10(b)は第2環状部材の拡大斜視図である。 図11は第3実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法を示す要部拡大断面図であり、図11(a)は第1環状部材と第2環状部材とが円形孔に挿入されている状態を示し、図11(b)は第1環状部材の下端面が軸受の外輪に接触している状態を示し、図11(c)は第1環状部材の内周側に第2環状部材が挿入された状態を示している。
以下、本発明の各実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置について、図面を参照しつつ説明する。各実施形態は、本発明をコラムアシスト型ラックアンドピニオン式パワーステアリング装置に適用させた形態である。
まず、本明細書中におけるラックアンドピニオン式ステアリング装置に係る方向について定義する。本明細書中においては、ラックアンドピニオン式ステアリング装置に係る方向は、特に明記しない限り、ラックアンドピニオン式ステアリング装置が車体に取り付けられた状態における当該車体の前後、左右、上下方向と同様とする。左右方向については車幅方向ともいう。また、ピニオン軸の中心軸線が延在する方向を軸方向とし、該中心軸線と直交する方向を径方向とする。軸方向で上方側はステアリングホイール側であり、軸方向下方側はラック軸側である。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置100の全体の斜視図である。本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置100は、コラムアシスト型ラックアンドピニオン式パワーステアリング装置109である。
図1に示すように、第1実施形態に係るコラムアシスト型ラックアンドピニオン式パワーステアリング装置109は、ステアリングホイール101の操作力を軽減するために、ステアリングコラム105の中間部に取り付けられたモータ102が発生する操舵補助力をステアリングシャフトに付与している。そして、ステアリングシャフトの回動を中間シャフト106に伝達し、ピニオン軸107を介してラックアンドピニオン式のステアリングギヤアッセンブリ103のラック軸を往復移動させ、タイロッド104を介して転舵輪の方向を変更している。
図2はステアリングギヤアッセンブリの拡大断面図であり、ラックとピニオンとの噛み合い部をピニオン軸の径方向から見た状態を示している。
本発明の第1実施形態に係るステアリングギヤアッセンブリ103は、フロントサブフレーム等の図示しない車体フレームに取り付けられている。ステアリングギヤアッセンブリ103のハウジング21には、図2の紙面に直交する方向である車幅方向に摺動可能にラック軸31が配置されている。ラック軸31の車幅方向の両端には図示しないボールジョイントソケットが各々ねじ込まれて取り付けられ、ボールジョイントソケットに連結されたタイロッド(図1参照)104、104が、図示しないナックルアームを介して車輪に接続されている。
ハウジング21には、ハウジング21の上端に開口し、断面形状が円形の円形孔22が上下方向に延在して形成されている。円形孔22は、上下方向の中間部に段部221が形成され、段部221よりも上方側の大内径部222と、段部221よりも下方側の小内径部223とを有している。大内径部222の内径寸法は、小内径部223の内径寸法よりも大きく形成されている。ピニオン軸107は、下端近傍に形成されたピニオン41を含む下方側部分が円形孔22内に配置され、ピニオン41は小内径部223内に配置されている。
円形孔22の大内径部222の底部には、第1の軸受である玉軸受51の外輪511が内嵌されている。玉軸受51の外輪511は、下方側端面が円形孔22の段部221に接触している。ピニオン軸107は、ピニオン41よりも上側のピニオン軸107の部分である軸部42において、玉軸受51を介してハウジング21に回動可能に支持されている。軸部42はピニオン41よりも径が小さく、ピニオン41とは段差面44を介して上下方向に隣接している。ピニオン軸107の軸部42よりも上側の部分には周方向に亘って溝43が形成されている。溝43にはリング52がカシメにより固定的に装着されている。リング52は、玉軸受51の内輪512を、ピニオン軸107の段差面44との間で上下方向に挟み込んでピニオン軸107の軸部42に固定している。
円形孔22の大内径部222の内周面には、軸方向で玉軸受51よりも上側の部分であって玉軸受51に隣接する部分に、環状溝23が全周に亘って形成されている。環状溝23は、ピニオン軸107の中心軸線と同心に形成されている。環状溝23の内周面すなわち環状溝23の底面は、上端から下方に向かうに従いピニオン軸107の中心軸線から離間する方向に傾斜したテーパ面231を備えている。環状溝23の底面のうち、テーパ面231よりも軸方向で下方側部分は円筒状である。環状溝23には、玉軸受51を円形孔22に固定するための環状の軸受固定部材53がピニオン軸107と同心に装着されている。軸受固定部材53の構成および環状溝23への組み付け状態については後述する。
ピニオン軸107は、ピニオン41よりも下側のピニオン軸107の部分である軸部45において、小内径部223の底部に配置された第2の軸受であるニードル軸受54を介してハウジング21に回動可能に支持されている。ピニオン軸107の回動は、ピニオン41を介してラック軸31のラック歯32に伝達され、ラック軸31に連結された図1のタイロッド104、104を介して、転舵輪の向きを変更する。
ハウジング21の下方側部分には、断面円形のガイド孔24が図2の左右方向、すなわち車体に関して略前後方向に形成され、このガイド孔24に円柱状のラックガイド61が図2の左右方向に摺動可能に内嵌している。ラックガイド61には、ラック軸31の凸円弧状の外周面33の曲率とほぼ同一曲率の凹円弧状面62が形成され、この凹円弧状面62がラック軸31の外周面33に接触して、ラック軸31の外周面33にラックガイド61を押し付けている。
ガイド孔24の右端には、アジャストカバー63が螺合されている。アジャストカバー63とラックガイド61との間には、コイルバネ64が介装されている。アジャストカバー63を回動させてアジャストカバー63のガイド孔24への螺合距離を適度に調整し、コイルバネ64を介してラックガイド61をラック軸31側に押し付け、ラック軸31の外周面33にラックガイド61を押し付けている。これにより、ピニオン41とラック軸31との噛み合い部のバックラッシュを無くし、ラック軸31が円滑に移動するようにしている。
ハウジング21に形成された円形孔22には、中空円筒状のカバー71の下端の円筒嵌合筒部711が圧入されている。円筒嵌合筒部711の上部に形成されたフランジ部712の下端面713が、ハウジング21の上端面25に当接して、ハウジング21に対するカバー71の上下方向の位置を決めている。
カバー71はピニオン軸107の上側部分の周囲を覆って上方に延び、カバー71の上端に固定されたゴム製のガスケット72が車体のトーボード73に当接して、カバー71が上方へ移動することを規制している。ガスケット72は、車両走行時の振動によるハウジング21の変位を吸収して衝撃を緩和するとともに、ハウジング21とピニオン軸107との間の隙間に塵埃や異物が侵入することを防止している。
図3は、図2の要部の拡大図である。図4(a)は軸受固定部材の第1環状部材の拡大斜視図であり、図4(b)は軸受固定部材の第2環状部材の拡大斜視図である。
図3に示すように、軸受固定部材53は、環状溝23の内径側に配置された鋼製の第1環状部材81と、第1環状部材81の内周側に配置された鋼製の第2環状部材91とから構成されている。図4(a)に示すように、第1環状部材81は、軸方向から見た形状が円形に近いC形状の部材であり、対向する両端部によって切り欠き部811が形成されている。第1環状部材81は、対向する両端部間の距離が大きくなる方向および該両端部間の距離が小さくなる方向に弾性変形が可能である。すなわち第1環状部材81は拡径および縮径が可能な弾性を有している。第1環状部材81の内周面は、第1環状部材81の上端面812の内径側縁部から下端面813の内径側縁部に亘る円筒状であり、該円筒状内周面はピニオン軸107の中心軸線と同心である。
図3、図4(a)に示すように、第1環状部材81の外周面は、軸方向で上方側のテーパ面814と、テーパ面814よりも軸方向で下方側の円筒状外周面815とから構成されている。テーパ面814は、第1環状部材81の上端面812の外径側縁部から、軸方向で第1環状部材81の中間部に亘る軸方向範囲に、全周に亘って形成されている。テーパ面814は、ハウジング21の環状溝23の底面のテーパ面231と適合する形状に形成されている。すなわちテーパ面814は、上端から下方に向かうに従いピニオン軸107の中心軸線から離間する方向に傾斜し、環状溝23のテーパ面231と同じ傾斜角度で形成されている。組み付け状態において、第1環状部材81は、テーパ面814が環状溝23の底面のテーパ面231と径方向に対向して環状溝23に配置されている。詳細には、第1環状部材81は、上端が環状溝23のテーパ面231の上端と同じ軸方向位置に配置され、下端が環状溝23のテーパ面231上に配置される。つまり環状溝23のテーパ面231は、組み付け状態において、第1環状部材81のテーパ面814と径方向に対向し、第1環状部材81のテーパ面814の下端よりも下方まで延在している。
第1環状部材81の外周面のうち、軸方向でテーパ面814よりも下側部分は、円筒状外周面815である。従って、第1環状部材81は、軸方向上側部分であって外周面がテーパ面814であるテーパ形状部と、軸方向下方側部分であって外周面が円筒状外周面815である円筒形状部とから構成されている。また、第1環状部材81は、外周面と下端面813との稜線部、すなわち円筒形状部の下端面813の外径側縁部に、面取り部816が形成されている。本実施形態においては、当該稜線部にはC面取りが施されている。第1環状部材81の断面形状は、軸方向の高さ寸法のほうが、径方向の最大幅寸法すなわち円筒形状部の幅寸法よりも大きく形成されている。なお、本実施形態においては、第1環状部材81の外周面と下端面813との稜線部にはC面取りが施されているが、R面取りを施しても良い。
図4(b)に示すように、第2環状部材91は、軸方向から見た形状が円形の部材である。第2環状部材91の内周面は、第2環状部材91の上端面912の内径側縁部から下端面913の内径側縁部に亘る円筒状であり、該円筒状内周面はピニオン軸107の中心軸線と同心である。
図3、図4(b)に示すように、第2環状部材91の外周面は、軸方向で上方側の円筒状外周面915と、円筒状外周面915よりも軸方向で下方側のテーパ面914とから構成されている。円筒状外周面915は、第2環状部材91の上端面912の外径側縁部から、ピニオン軸107の軸方向で第2環状部材91の中間部に亘る軸方向範囲に形成されている。
第2環状部材91の外周面のうち、軸方向で円筒状外周面915よりも下側部分は、テーパ面914である。テーパ面914は、円筒状外周面915の下端から、第2環状部材91の下端面913の外径側縁部に亘る軸方向範囲に、全周に亘って形成されている。テーパ面914は、上端から下端に向かうに従いピニオン軸107の中心軸線に近づく方向に傾斜している。従って、第2環状部材91は、軸方向上方側部分であって外周面が円筒状外周面915である円筒形状部と、軸方向下方側部分であって外周面がテーパ面914であるテーパ形状部とから構成されている。第2環状部材91の断面形状は、軸方向の高さ寸法と、径方向の最大幅寸法すなわち円筒形状部の幅寸法とは、同等の大きさに形成されている。従って第2環状部材91は、縮径方向に作用する外力に対する剛性が高く、このような外力が作用しても弾性変形しない。また、第2環状部材91の軸方向の高さ寸法は、第1環状部材81の高さ寸法よりも少し小さく形成されている。
このように、第2環状部材91のテーパ面914は、第1環状部材81のテーパ面814とはピニオン軸107の中心軸線に対する傾斜方向が反対である。また、第1環状部材81のテーパ面814が第1環状部材81の軸方向上方側に形成されているのに対し、第2環状部材91テーパ面914は第2環状部材91の軸方向下方側に形成されている。
ハウジング21に組み付ける前の状態、すなわち自然状態における第1環状部材81の内径寸法は、第2環状部材91の最大外径寸法すなわち円筒形状部の外径寸法よりも小さい寸法に形成されている。詳細には、自然状態における第1環状部材81の内径寸法は、第2環状部材91の下端面913の外径寸法よりも大きく、円筒形状部の外径寸法よりも小さい。さらに言い換えると、自然状態における第1環状部材81の内径寸法は、第2環状部材91のテーパ面914の下端の径寸法よりも大きく、第2環状部材91のテーパ面914の上端の径寸法よりも小さく形成されている。
第2環状部材91は、第1環状部材81の内周側にしまりばめによって嵌合されている。従って、第1環状部材81の内周側に第2環状部材91が嵌合された状態において、第1環状部材81は第2環状部材91によって拡径された状態となっている。第1環状部材81は、第2環状部材91によって拡径される方向の力が作用している状態で環状溝23に装着されている。従って、第1環状部材81のテーパ面814は、図3に示すように、全面に亘って環状溝23のテーパ面231に強く押し付けられた状態で環状溝23のテーパ面231に接触している。第1環状部材81の下端面813は、環状溝23に装着された状態において、玉軸受51の外輪511の上端面に接触している。一方、第2環状部材91の下端面913は、環状溝23に装着された状態において、玉軸受51の外輪511の上端面に接触しておらず、第2環状部材91の下端面と玉軸受51の外輪511の上端面との間には隙間が介在している。
このように、ハウジング21の環状溝23に装着された状態の第1環状部材81には、第2環状部材91によって常に径方向に拡張する方向の力が作用している。第1環状部材81の外周面および環状溝23の底面には、それぞれ下方に向かうに従いピニオン軸107の中心軸線から離間する方向に同じ角度で傾斜するテーパ面814、231が形成されている。このような構成なので、環状溝23に配置された第1環状部材81の径方向に拡張する方向の力は、第1環状部材81のテーパ面814および環状溝23のテーパ面231によって玉軸受51の外輪511を軸方向下方に押圧する方向の力に変換される。その結果、玉軸受51の外輪511は第1環状部材81とハウジング21の円形孔22の段部221との間に軸方向に固定され、玉軸受51が軸方向に関してハウジング21に固定される。このとき、第1環状部材81のテーパ面814と環状溝23のテーパ面231との間には、隙間は形成されていない。
本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置100は、路面からの振動等によってピニオン軸107にアキシアル方向の負荷が掛かり、これにより第1環状部材81に縮径方向の力が作用しても、縮径方向の力に対する剛性の高い第2環状部材91が第1環状部材81に内嵌されているので、第1環状部材81は縮径方向に変形することがない。従ってピニオン軸107にアキシアル荷重が掛かっても、第1環状部材81のテーパ面814と環状溝23のテーパ面231とが隙間なく接触している状態は維持される。すなわち第1環状部材81のテーパ面814と環状溝23のテーパ面231との間に隙間が形成されることがない。この状態において、第1環状部材81は縮径方向に変形しないので、軸方向に変位することもない。従って、玉軸受51の外輪511に対する第1環状部材81の支持剛性は高い。その結果、玉軸受51がアキシアル方向に変位することがなく、ピニオン軸107もアキシアル方向に変位しないので、ピニオン41とラック歯32とががたつくことが防止される。さらに、第2環状部材91はしまりばめによって第1環状部材81の内周側に嵌合されているので、振動等によって第2環状部材91が第1環状部材81から抜けることはない。
次に、本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置100の製造方法、特に、軸受固定部材53すなわち第1環状部材81および第2環状部材91をハウジング21の環状溝23に組み付ける方法について説明する。
図5は、本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置100の製造方法を示す要部拡大断面図であり、図5(a)は第1環状部材81が組み付けられた状態を示し、図5(b)は第2環状部材91がさらに組み付けられた状態を示している。
本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法は、ハウジング21の円形孔22にピニオン軸107および玉軸受51が配置され、ピニオン軸107にリング52がカシメにより固定された状態から軸受固定部材53をハウジング21に組み付ける方法である。
図5(a)に示すように、ピニオン軸107および玉軸受51が配置された状態のハウジング21の円形孔22に、テーパ面814を上に向けた状態で第1環状部材81を挿入する。第1環状部材81は、外周面と下端面813との稜線部に面取り部816が形成されており、且つ縮径する方向に弾性変形が可能なので、円形孔22の内周面にスムーズに挿入することができる。第1環状部材81を、第1環状部材81の下端面813が玉軸受51の外輪511の上端面に接触している状態となるように円形孔22内に配置する。このとき、第1環状部材81は自然状態であり、第1環状部材81のテーパ面814と環状溝23のテーパ面231とは、径方向に隙間を介して対向している。
第1環状部材81を円形孔22に挿入した後に、第2環状部材91を、テーパ面914を下に向けた状態で円形孔22に挿入する。上述したように、自然状態における第1環状部材81の内径寸法は、第2環状部材91のテーパ面914の下端の径寸法よりも大きく、第2環状部材91のテーパ面914の上端の径寸法よりも小さく形成されている。従って、第2環状部材91を円形孔22へ挿入していくと、すでに配置されている第1環状部材81の上端面812の内径側縁部に第2環状部材91のテーパ面914が周方向に亘って接触する。第2環状部材91をさらに下方に挿入していくと、第2環状部材91の下方への移動に伴い、第1環状部材81の上端面812の内径側縁部に接触している第2環状部材91のテーパ面914の径寸法が大きくなってゆく。その結果、第1環状部材81は、第2環状部材91の下方への移動に伴って、拡径する方向に弾性変形する。
第1環状部材81が所定量拡径すると、第1環状部材81のテーパ面814が環状溝23のテーパ面231に接触する。そして、図5(b)に示すように、第2環状部材91を第1環状部材81の内周側に完全に嵌合すると、第1環状部材81のテーパ面814は、全面に亘って環状溝23のテーパ面231に強く押し付けられた状態で環状溝23のテーパ面231に接触することとなる。こうしてハウジング21の環状溝23への第1環状部材81および第2環状部材91の組み付けが完了する。
このようにして第1環状部材81および第2環状部材91が組み付けられた本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置100は、路面からの振動等によりピニオン軸107にアキシアル荷重が負荷されても第1環状部材81が変形することも変位することもなく、第1環状部材81のテーパ面814と環状溝23のテーパ面231との間に隙間が形成されることもない。その結果、玉軸受51のアキシアル方向の移動は規制され、ピニオン41とラック歯32とががたつくことが防止される。
また、本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置100は、第1環状部材81および第2環状部材91をハウジング21に組み付ける時から組み付け後に至るまで、常に第1環状部材81が玉軸受51の外輪511を下方、すなわち円形孔22の段部221に押し付ける力が作用している。第1環状部材81および第2環状部材91をハウジング21に組み付ける時においては、第2環状部材91を組み付ける際、第2環状部材91のテーパ面914が第1環状部材81の上端面812の内径側縁部に接触した時に下方に作用する力、および第2環状部材91のテーパ面914が第1環状部材81の上端面812の内径側縁部に接触した後に、第2環状部材91を第1環状部材81の内周側に挿入する際に当該接触部に作用する摩擦力によって、第1環状部材81が玉軸受51の外輪511を下方に押し付ける。第1環状部材81および第2環状部材91をハウジング21に組み付けた後においては、第2環状部材91による第1環状部材81が拡径する方向の力と、第1環状部材81のテーパ面814と、環状溝23のテーパ面231との関係により、第1環状部材81が玉軸受51の外輪511を下方に押し付ける。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については図1、2を引用し、第1実施形態と同様の符号を用いて説明する。
第2実施形態は、第1実施形態とは、軸受固定部材の構成が異なっている。他の構成は、第1実施形態と同様である。
図6は、第2実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置200の要部の拡大断面図である。
図7は第2実施形態に係る軸受固定部材の第1環状部材の拡大斜視図である。
図6に示すように、本実施形態に係る軸受固定部材253は、環状溝23の内側に配置された鋼製の第1環状部材281と、第1環状部材281の内周側に配置された鋼製の第2環状部材91とから構成されている。図7に示すように、本実施形態の第1環状部材281は、内周面の上端部に、径方向内方に突出する凸部2817が周方向に亘って形成されている。第1環状部材281の軸方向の高さ寸法は、凸部2817の軸方向厚さ分だけ第1実施形態の第1環状部材81よりも大きく形成され、テーパ面2814の軸方向の範囲が上方に大きくなっている。他の構成は第1実施形態と同様である。また、本実施形態の第2環状部材91は、第1実施形態の第2環状部材91と同様の構成であるので、図4(b)を引用し、重複する説明は省略する。
図6に示すように、第1環状部材281は、環状溝23に組み付けられた状態において、上端近傍部が、環状溝23の上端よりも上方に突出している。第1環状部材281のこの突出している部分は、内周面に凸部2817が形成されている部分に対応している。つまり、凸部2817は、環状溝23の上端よりも上方に配置されている。
図6に示すように、第1環状部材281の内周側に第2環状部材91が嵌合された状態において、第1環状部材281の凸部2817の下側面が第2環状部材91の上端面912に接触している。このように本実施形態においては、第1環状部材281の凸部2817が第2環状部材91の上端面912に接触することにより、第2環状部材91が第1環状部材281から抜けることを防止している。すなわち、第2環状部材91は、しまりばめによって第1環状部材281の内周側に嵌合されるとともに、第1環状部材281の凸部2817によって上方への移動が規制されている。他の効果は、第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置200の製造方法、特に、軸受固定部材253すなわち第1環状部材281および第2環状部材91をハウジング21の環状溝23に組み付ける方法について説明する。
図8は、本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置200の製造方法を示す要部拡大断面図であり、図8(a)は第1環状部材281が組み付けられた状態を示し、図8(b)は第2環状部材91がさらに組み付けられた状態を示している。
本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置200の製造方法は、第1実施形態と同様に、ハウジング21の円形孔22にピニオン軸107および玉軸受51が配置され、ピニオン軸107にリング52がカシメにより固定された状態から軸受固定部材253をハウジング21に組み付ける方法である。
図8(a)に示すように、ピニオン軸107および玉軸受51が配置された状態のハウジング21の円形孔22に、テーパ面2814を上に向けた状態で第1環状部材281を挿入する。第1環状部材281は、外周面と下端面2813との稜線部に面取り部2816が形成されており、且つ縮径する方向に弾性変形が可能なので、円形孔22の内周面にスムーズに挿入することができる。第1環状部材281を、第1環状部材281の下端面2813が玉軸受51の外輪511の上端面に接触している状態となるように円形孔22内に配置する。このとき、第1環状部材281は自然状態であり、第1環状部材281のテーパ面2814と環状溝23のテーパ面231とは、径方向に隙間を介して対向している。また、第1環状部材281の上端部、すなわち内周面に凸部2817が形成されている部分は、環状溝23の上端よりも上方に配置されている。
第1環状部材281を円形孔22に挿入した後に、第2環状部材91を、テーパ面914を下に向けた状態で円形孔22に挿入する。自然状態における第1環状部材281の内径寸法は、第2環状部材91のテーパ面914の下端の径寸法よりも大きく、第2環状部材91のテーパ面914の上端の径寸法よりも小さく形成されている。従って、第2環状部材91を円形孔22へ挿入していくと、すでに配置されている第1環状部材281の上端面2812の内径側縁部、すなわち凸部2817の上方側縁部に第2環状部材91のテーパ面914が周方向に亘って接触する。第2環状部材91をさらに下方に挿入していくと、第2環状部材91の下方への移動に伴い、第1環状部材281の凸部2817の上方側縁部に接触している第2環状部材91のテーパ面914の径寸法が大きくなってゆく。その結果、第1環状部材281は、第2環状部材91の下方への移動に伴って、拡径する方向に弾性変形する。
第1環状部材281が所定量拡径すると、第1環状部材281のテーパ面2814が環状溝23のテーパ面231に接触する。そして、図8(b)に示すように、第2環状部材91を第1環状部材281の内周側に完全に嵌合すると、第1環状部材281の凸部2817は、第2環状部材91の上端面912に接触し、第1環状部材281のテーパ面2814は、全面に亘って環状溝23のテーパ面231に強く押し付けられた状態で環状溝23のテーパ面231に接触することとなる。こうしてハウジング21の環状溝23への第1環状部材281および第2環状部材91の組み付けが完了する。
このようにして第1環状部材281および第2環状部材91が組み付けられた本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置200は、路面からの振動等によりピニオン軸107にアキシアル荷重が負荷されても第1環状部材281が変形することも変位することもなく、第1環状部材281のテーパ面2814と環状溝23のテーパ面231との間に隙間が形成されることもない。その結果、第1実施形態と同様に、玉軸受51のアキシアル方向の移動は規制され、ピニオン41とラック歯32とががたつくことが防止される。また、第1実施形態と同様に、第1環状部材281および第2環状部材91をハウジング21に組み付ける時から組み付け後に至るまで、常に第1環状部材281が玉軸受51の外輪511を下方、すなわち円形孔22の段部221に押し付ける力が作用している。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については図1、2を引用し、第1実施形態と同様の符号を用いて説明する。
第3実施形態は、第1実施形態とは、軸受固定部材の構成が異なっている。他の構成は、第1実施形態と同様である。
図9は、第3実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置300の要部の拡大断面図である。
図10(a)は第3実施形態に係る軸受固定部材の第1環状部材の拡大斜視図であり、図10(b)は第2環状部材の拡大斜視図である。
図9に示すように、本実施形態に係る軸受固定部材353は、環状溝23の内側に配置された鋼製の第1環状部材381と、第1環状部材381の内周側に配置された鋼製の第2環状部材391とから構成されている。図10(a)に示すように、本実施形態の第1環状部材381は、第1実施形態の第1環状部材81と略同様の構成であるが、第1実施形態の第1環状部材81よりも軸方向の高さ寸法が少し大きく形成されている。
図9、図10(b)に示すように、本実施形態の第2環状部材391は、下端部に小外径部3916が形成されている。小外径部3916は、テーパ面3914の下端から下方に向かって突出して形成された円筒形状部である。小外径部3916の外径寸法は、テーパ面3914の下端の径寸法と同じ大きさである。また、小外径部3916の外径寸法は、自然状態における第1環状部材381の内径寸法よりも大きく形成されている。すなわち本実施形態においては、自然状態における第1環状部材381の内径寸法は、第2環状部材391のテーパ面3914の下端の径寸法よりも小さく形成されている。小外径部3916の内径寸法は、第2環状部材391の他の部分の内径寸法と同じ大きさである。従って、第2環状部材391の内周面は円筒状である。他の構成は第1実施形態の第2環状部材91と同様である。
環状溝23に組み付けられた第1環状部材381および第2環状部材391は、第1実施形態と同様に、環状溝23のテーパ面231と、第1環状部材381のテーパ面3814と、第2環状部材391による第1環状部材381の拡径方向の力とにより、軸受51の外輪511を下方に押し付けている。この構成により、第1実施形態と同様の効果を発揮する。
次に、本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置300の製造方法、特に、軸受固定部材353すなわち第1環状部材381および第2環状部材391をハウジング21の環状溝23に組み付ける方法について説明する。
図11は第3実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置300の製造方法を示す要部拡大断面図であり、図11(a)は一体とした第1環状部材381と第2環状部材391とが円形孔22に挿入されている状態を示し、図11(b)は第1環状部材381の下端面3813が玉軸受51の外輪511に接触している状態を示し、図11(c)は第1環状部材381の内周側に第2環状部材391が挿入された状態を示している。
本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置300の製造方法は、第1実施形態と同様に、ハウジング21の円形孔22にピニオン軸107および玉軸受51が配置され、ピニオン軸107にリング52がカシメにより固定された状態から軸受固定部材353をハウジング21に組み付ける方法である。本実施形態においては、第1環状部材381および第2環状部材391は、環状溝23に組み付ける前に、予め一体にしておく。具体的には、図11(a)に示すように、第1環状部材381の内周面の上端部に第2環状部材391の小外径部3916を嵌合し、第1環状部材381と第2環状部材391とを一体にしておく。小外径部3916の外径寸法は、自然状態における第1環状部材381の内径寸法よりも大きく形成されているので、第1環状部材381と第2環状部材391の小外径部3916とはしまりばめとなり、この状態において第1環状部材381は拡径している。
本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置300の製造方法は、まず、図11(a)に示すように、予め一体にした第1環状部材381と第2環状部材391とを、第1環状部材381のテーパ面3814を上に向けた状態で円形孔22に挿入してゆく。次に、図11(b)に示すように、一体にした第1環状部材381と第2環状部材391とを、第1環状部材381の下端面3813が玉軸受51の外輪511の上端面に接触している状態となるように円形孔22内に配置する。このとき、第1環状部材381は自然状態よりも拡径はしているが、第1環状部材381のテーパ面3814と環状溝23のテーパ面231とは、径方向に隙間を介して対向している。
この状態から、第2環状部材391を第1環状部材381の内周側に、下方に向けて挿入してゆく。第2環状部材391を第1環状部材381の内周側へ挿入していくと、第1環状部材381の上端面3812の内径側縁部に第2環状部材391のテーパ面3914が周方向に亘って接触することとなる。第2環状部材391をさらに下方に挿入していくと、第2環状部材391の下方への移動に伴い、第1環状部材381の上端面3812の内径側縁部に接触している第2環状部材391のテーパ面3914の径寸法が大きくなってゆく。その結果、第1環状部材381は、第2環状部材391の下方への移動に伴って、さらに拡径する方向に弾性変形する。
このように第1環状部材381がさらに所定量拡径すると、第1環状部材381のテーパ面3814が環状溝23のテーパ面231に接触する。そして、図11(c)に示すように、第2環状部材391を第1環状部材381の内周面側に完全に嵌合すると、第1環状部材381のテーパ面3814は、全面に亘って環状溝23のテーパ面231に強く押し付けられた状態で環状溝23のテーパ面231に接触することとなる。こうしてハウジング21の環状溝23への第1環状部材381および第2環状部材391の組み付けが完了する。
このように、本実施形態によれば、予め第1環状部材381と第2環状部材391とを一体にし、一体とした第1環状部材381と第2環状部材391とを円形孔22に挿入するので、円形孔22への挿入工程が一回で済む。その結果、第1環状部材381および第2環状部材391の環状溝23への組み付け作業の効率を向上させることができる。
このようにして第1環状部材381および第2環状部材391が組み付けられた本実施形態に係るラックアンドピニオン式ステアリング装置300は、路面からの振動等によりピニオン軸107にアキシアル荷重が負荷されても第1環状部材381が変形することも変位することもなく、第1環状部材381のテーパ面3814と環状溝23のテーパ面231との間に隙間が形成されることもない。その結果、第1実施形態と同様に、玉軸受51のアキシアル方向の移動は規制され、ピニオン41とラック歯32とががたつくことが防止される。また、第1実施形態と同様に、第1環状部材381および第2環状部材391をハウジング21に組み付ける時から組み付け後に至るまで、常に第1環状部材381が玉軸受51の外輪511を下方、すなわち円形孔22の段部221に押し付ける力が作用している。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、変形が可能である。例えば、第2実施形態における第1環状部材281の凸部2817は周方向の全域に亘って形成したが、周方向に複数の凸部を形成しても良い。また、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせた形態としても良い。すなわち、第1環状部材281の内周面に凸部2817を設け、第2環状部材391の下端部に円筒状の小外径部3916を形成し、第1環状部材281および第2環状部材391をハウジング21の円形孔22に組み付ける際は、第3実施形態と同様に予め第1環状部材281の内周面に第2環状部材391の小外径部3916を嵌合して第1環状部材281と第2環状部材391とを一体とし、これを円形孔22に挿入するようにしても良い。
また、上記各実施形態では、本発明をコラムアシスト型ラックアンドピニオン式パワーステアリング装置に適用した例について説明したが、ピニオンアシスト型ラックアンドピニオン式パワーステアリング装置やマニュアル型ラックアンドピニオン式ステアリング装置に適用してもよい。
100、200、300 ラックアンドピニオン式ステアリング装置
101 ステアリングホイール
102 モータ
103 ステアリングギヤアッセンブリ
104 タイロッド
105 ステアリングコラム
106 中間シャフト
107 ピニオン軸
21 ハウジング
22 円形孔
221 段部
222 大内径部
223 小内径部
23 環状溝
231 テーパ面
24 ガイド孔
31 ラック軸
32 ラック歯
33 外周面
41 ピニオン
42 軸部
43 溝
44 段差面
45 軸部
51 玉軸受
511 外輪
512 内輪
52 リング
53、253、353 軸受固定部材
61 ラックガイド
62 凹円弧状面
63 アジャストカバー
64 コイルバネ
71 カバー
711 円筒嵌合筒部
712 フランジ部
713 フランジ部の下端面
72 ガスケット
73 トーボード
81、281、381 第1環状部材
811 切り欠き部
812、2812、3812 上端面
813、2813、3813 下端面
814、2814、3814 テーパ面
815 円筒状外周面
816、2816 面取り部
2817 凸部
91、391 第2環状部材
912 上端面
913 下端面
914、3914 テーパ面
915 円筒状外周面
3916 小外径部

Claims (12)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに往復移動可能に支持され、タイロッドを介して車輪の転舵角を変えるラック軸と、
    軸方向一方側がステアリングホイールに連結され、軸方向他方側に前記ラック軸のラック歯に噛み合うピニオンを有し、ステアリングホイールの回動を前記ラック軸に伝達するピニオン軸と、
    前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向一方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第1軸受と、
    前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向他方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第2軸受と、
    前記ハウジングの内周面に前記ピニオン軸の軸線と同軸に形成された環状溝に配置され、前記第1軸受に接触することにより前記第1軸受を前記ハウジングに固定する環状の軸受固定部材とを有するラックアンドピニオン式ステアリング装置において、
    前記軸受固定部材は、前記環状溝の内径側に配置され拡径可能な第1環状部材と、前記第1環状部材の内周側に嵌合される第2環状部材とからなり、
    前記環状溝は、前記第1環状部材と径方向に対向する底面を有し、
    前記第1環状部材は、前記第2環状部材の前記嵌合によって拡径し、外周面が前記拡径により前記環状溝の底面に押し付けられていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  2. 前記環状溝の底面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に傾斜するテーパ面を有し、
    前記第1環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に、前記環状溝のテーパ面と同じ角度で傾斜するテーパ面を有し、
    前記第1環状部材のテーパ面が前記環状溝のテーパ面に押し付けられていること特徴とする請求項1に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  3. 前記第1環状部材のテーパ面は、全面が前記環状溝のテーパ面に接触していることを特徴とする請求項2に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  4. 前記第2環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線に近づく方向に傾斜するテーパ面を有していることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  5. 組み付け前の状態における前記第1環状部材の内径寸法は、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向一方側端部の径寸法よりも小さく、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向他方側端部の径寸法よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  6. 組み付け前の状態における前記第1環状部材の内径寸法は、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向一方側端部の径寸法よりも小さく、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向他方側端部の径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  7. 前記第2環状部材は、軸方向他方側端部に、軸方向他方側に突出する円筒形状部を有し、前記円筒形状部の外径は、前記第2環状部材のテーパ面の軸方向他方側端部の径寸法と同じ寸法であることを特徴とする請求項6に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  8. 前記第1環状部材は、前記第2環状部材の軸方向一方側端面に接触する凸部を内周面に有していることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
  9. ハウジングと、
    前記ハウジングに往復移動可能に支持され、タイロッドを介して車輪の転舵角を変えるラック軸と、
    軸方向一方側がステアリングホイールに連結され、軸方向他方側に前記ラック軸のラック歯に噛み合うピニオンを有し、ステアリングホイールの回動を前記ラック軸に伝達するピニオン軸と、
    前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向一方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第1軸受と、
    前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向他方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第2軸受と、
    前記ハウジングの内周面に前記ピニオン軸の軸線と同軸に形成された環状溝に配置され、前記第1軸受に接触することにより前記第1軸受を前記ハウジングに固定する環状の軸受固定部材とを有するラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法において、
    前記軸受固定部材を、拡径可能な第1環状部材と、前記第1環状部材の内周側に嵌合される第2環状部材とから構成し、
    前記環状溝を、第1環状部材と径方向に対向する底面を有するように構成し、
    前記第1環状部材を前記環状溝の内径側に配置し、その後、前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材を挿入することにより前記第1環状部材を拡径し、前記第1環状部材の外周面を前記環状溝の底面に押し付けることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法。
  10. ハウジングと、
    前記ハウジングに往復移動可能に支持され、タイロッドを介して車輪の転舵角を変えるラック軸と、
    軸方向一方側がステアリングホイールに連結され、軸方向他方側に前記ラック軸のラック歯に噛み合うピニオンを有し、ステアリングホイールの回動を前記ラック軸に伝達するピニオン軸と、
    前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向一方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第1軸受と、
    前記ハウジングに内嵌され前記ピニオンよりも軸方向他方側の前記ピニオン軸の部分で前記ピニオン軸を前記ハウジングに回動可能に軸支する第2軸受と、
    前記ハウジングの内周面に前記ピニオン軸の軸線と同軸に形成された環状溝に配置され、前記第1軸受に接触することにより前記第1軸受を前記ハウジングに固定する環状の軸受固定部材とを有するラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法において、
    前記軸受固定部材を、拡径可能な第1環状部材と、前記第1環状部材の内周側に嵌合される第2環状部材とから構成し、
    前記環状溝を、第1環状部材と径方向に対向する底面を有するように構成し、
    予め前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材の一部を挿入して前記第1環状部材と前記第2環状部材とを一体とし、一体とした前記第1環状部材と前記第2環状部材とを前記環状溝の内径側に配置し、その後、前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材をさらに挿入することにより前記第1環状部材を拡径し、前記第1環状部材の外周面を前記環状溝の底面に押し付けることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法。
  11. 前記環状溝の底面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に傾斜するテーパ面であり、
    前記第1環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線から離間する方向に、前記環状溝のテーパ面と同じ角度で傾斜するテーパ面であり、
    前記第1環状部材のテーパ面を前記環状溝のテーパ面に押し付けることを特徴とする請求項10または11に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法。
  12. 前記第2環状部材の外周面は、軸方向他方側に向かうに従い前記ピニオン軸の軸線に近づく方向に傾斜するテーパ面を有し、
    前記第1環状部材の内周側に前記第2環状部材を挿入する際、前記第2環状部材は、前記第1環状部材の内周側に挿入されるに従い、前記第1環状部材の内径側縁部に接触する前記第2環状部材のテーパ面の径寸法が次第に大きくなる方向に挿入されることを特徴とする請求項9から11の何れか一項に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102019220112A1 (de) * 2019-12-19 2021-06-24 Zf Friedrichshafen Ag Lageranordnung, Montageverfahren und Demontageverfahren
DE102021132229A1 (de) 2021-12-08 2023-06-15 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Lagerelement für ein Wellgetriebe sowie Wellgetriebe

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