JP2017217840A - 積層フィルム、光学フィルムの異物除去方法、及び、光学フィルム積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学フィルムの表面の異物を十分に除去しつつ、しかも、異物を除去する際の光学フィルムの損傷を抑制し得る積層フィルム等を提供する。【解決手段】 樹脂製の光学フィルムと、前記光学フィルムに剥離可能に接着されて前記光学フィルムに積層される保護フィルムとを備え、前記保護フィルムは、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルムからの前記保護フィルムの剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下である、積層フィルム。【選択図】 図2
Description
本発明は、積層フィルム、光学フィルムの異物除去方法、及び、光学フィルム積層体の製造方法に関する。
従来、例えば画像表示装置の画像表示部には、偏光フィルムや位相差フィルムといった光学フィルムが積層されてなる偏光板等の光学フィルム積層体が、用いられている。
この種の光学フィルム積層体では、各光学フィルムの表面に異物が付着した状態で積層されると、各光学フィルムの光学特性に影響を及ぼすおそれがある。
このような光学フィルムに付着した異物を除去する方法として、光学フィルムに水を噴霧し、付着した水をブレード等で掻き取ることによって、異物を除去する方法が提案されている。
しかし、ブレード等で掻き取ると、光学フィルムの破断、傷や皺等といった損傷が生じるおそれがある。傷や皺が発生すると、光学的特性が所望の特性から変動する要因となる。また、水を噴霧したりブレード等で掻き取るための装置を増設したりする必要があるため、費用面で不利となる。
しかし、ブレード等で掻き取ると、光学フィルムの破断、傷や皺等といった損傷が生じるおそれがある。傷や皺が発生すると、光学的特性が所望の特性から変動する要因となる。また、水を噴霧したりブレード等で掻き取るための装置を増設したりする必要があるため、費用面で不利となる。
一方、プリント基板といった基材の清掃方法において、水分との接触によって膨潤する膨潤性ゲルを有する粘着剤層を備えた粘着性フィルムを接着し、その後、剥離することによって、基板の表面に付着した異物を除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、上記した粘着性フィルムを基板に接着した後、剥離しても、異物が十分に除去できないおそれがある。また、粘着性フィルムを基板から剥離する際、基板が損傷するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、光学フィルムの表面の異物を十分に除去しつつ、しかも、異物を除去する際の光学フィルムの損傷を抑制し得る積層フィルム、光学フィルムの異物除去方法、及び、該異物除去方法を用いた光学フィルム積層体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、光学フィルムに粘着ローラを接触させて異物を除去しようとすると、その剥離力の大きさによっては、光学フィルムの破断、傷や皺等といった損傷が発生することを見出した。また、その剥離力の大きさによっては、粘着ローラに異物を十分に付着させることができず、よって、異物を十分に除去できないことを見出した。
また、粘着ローラは、その形状ゆえ、転がりながら光学フィルムから離反されることになるため、この力が発生する方向に起因して、損傷が生じ易くなることを見出した。
かかる知見に基づいて当業者がさらに鋭意研究したところ、保護フィルムを光学フィルムに剥離可能に接着して該光学フィルムに積層したとき、この保護フィルムを剥離するときの剥離力が特定の数値範囲内であれば、光学フィルムが損傷することなく剥離され、且つ、異物も十分に除去し得ることを見出した。
また、保護フィルムを剥離する際には、粘着ローラのように、転がさないため、該粘着ローラを用いる場合よりも、光学フィルムの損傷を抑制し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
また、粘着ローラは、その形状ゆえ、転がりながら光学フィルムから離反されることになるため、この力が発生する方向に起因して、損傷が生じ易くなることを見出した。
かかる知見に基づいて当業者がさらに鋭意研究したところ、保護フィルムを光学フィルムに剥離可能に接着して該光学フィルムに積層したとき、この保護フィルムを剥離するときの剥離力が特定の数値範囲内であれば、光学フィルムが損傷することなく剥離され、且つ、異物も十分に除去し得ることを見出した。
また、保護フィルムを剥離する際には、粘着ローラのように、転がさないため、該粘着ローラを用いる場合よりも、光学フィルムの損傷を抑制し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る積層フィルムは、
樹脂製の光学フィルムと、
前記光学フィルムに剥離可能に接着されて前記光学フィルムに積層される保護フィルムとを備え、
前記保護フィルムは、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルムからの前記保護フィルムの剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるように構成されている。
樹脂製の光学フィルムと、
前記光学フィルムに剥離可能に接着されて前記光学フィルムに積層される保護フィルムとを備え、
前記保護フィルムは、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルムからの前記保護フィルムの剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるように構成されている。
かかる構成によれば、上記光学フィルムに対する上記保護フィルムの上記剥離力が0.08N/20mm以上0.2N/mm以下であることによって、保護フィルムを光学フィルムから剥離するだけで、光学フィルムに付着していた異物を十分に除去することができ、しかも、異物除去の際、光学フィルムの損傷を抑制し得る。
上記構成の積層フィルムにおいては、
前記光学フィルムの厚みが40μm以下であり、且つ、
前記光学フィルムの破壊強度が70MPa以下であってもよい。
前記光学フィルムの厚みが40μm以下であり、且つ、
前記光学フィルムの破壊強度が70MPa以下であってもよい。
ここで、厚みが40μm以下、破壊強度が70MPa以下である光学フィルムは、比較的薄くて比較的強度が小さいことから、比較的損傷し易い。
しかし、このように破断し易い光学フィルムであっても、上記保護フィルムの剥離によって異物を除去する際に、損傷を抑制し得る。
よって、積層フィルムが、より有用なものとなる。
しかし、このように破断し易い光学フィルムであっても、上記保護フィルムの剥離によって異物を除去する際に、損傷を抑制し得る。
よって、積層フィルムが、より有用なものとなる。
上記構成の積層フィルムにおいては、
前記樹脂は、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、延伸ポリプロピレン樹脂、または、フマレート樹脂であってもよい。
前記樹脂は、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、延伸ポリプロピレン樹脂、または、フマレート樹脂であってもよい。
上記構成の積層フィルムにおいては、
前記光学フィルムが、位相差フィルムであってもよい。
前記光学フィルムが、位相差フィルムであってもよい。
上記構成の積層フィルムにおいては、
前記保護フィルムは、表面部に粘着剤によって形成された粘着剤層を有しており、
前記粘着剤層の含水率が、3.5質量%以下であってもよい。
前記保護フィルムは、表面部に粘着剤によって形成された粘着剤層を有しており、
前記粘着剤層の含水率が、3.5質量%以下であってもよい。
ここで、粘着剤層の含水率が比較的高いと、光学フィルムが不要な水分を吸収し、この吸収によって光学特性が低下するおそれがあり、また、カールするおそれもある。
しかし、粘着剤層の含水率が3.5質量%以下であることによって、光学フィルムが不要な水分を吸収することを抑制することができるため、水の吸収に起因する光学特性の低下を抑制することができ、また、カールも抑制し得る。
しかし、粘着剤層の含水率が3.5質量%以下であることによって、光学フィルムが不要な水分を吸収することを抑制することができるため、水の吸収に起因する光学特性の低下を抑制することができ、また、カールも抑制し得る。
本発明に係る光学フィルムの異物除去方法は、
樹脂製の光学フィルムの異物除去方法であって、
前記光学フィルムに剥離可能に接着される保護フィルムを用い、
前記保護フィルムを前記光学フィルムに剥離可能に接着して前記光学フィルムに積層する工程と、
前記保護フィルムを前記光学フィルムから剥離する工程とを備え、
前記保護フィルムとして、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルムからの前記保護フィルムの剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるものを用いる方法である。
樹脂製の光学フィルムの異物除去方法であって、
前記光学フィルムに剥離可能に接着される保護フィルムを用い、
前記保護フィルムを前記光学フィルムに剥離可能に接着して前記光学フィルムに積層する工程と、
前記保護フィルムを前記光学フィルムから剥離する工程とを備え、
前記保護フィルムとして、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルムからの前記保護フィルムの剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるものを用いる方法である。
かかる構成によれば、上記光学フィルムに対する上記保護フィルムの上記剥離力が0.08N/20mm以上0.2N/mm以下であることによって、保護フィルムを光学フィルムに積層し、該光学フィルムから剥離するだけで、光学フィルムの異物を十分に除去することができ、しかも、異物除去の際、光学フィルムの損傷を抑制し得る。
本発明の光学フィルム積層体の製造方法は、
複数の光学フィルムを積層して光学フィルム積層体を製造する光学フィルム積層体の製造方法であって、
前記複数の光学フィルムを積層する前に、該複数の光学フィルムのうち少なくとも1つの光学フィルムの異物を除去する異物除去工程を実施し、
前記異物除去工程として、前記光学フィルムの異物除去方法を実施する方法である。
複数の光学フィルムを積層して光学フィルム積層体を製造する光学フィルム積層体の製造方法であって、
前記複数の光学フィルムを積層する前に、該複数の光学フィルムのうち少なくとも1つの光学フィルムの異物を除去する異物除去工程を実施し、
前記異物除去工程として、前記光学フィルムの異物除去方法を実施する方法である。
かかる構成によれば、上記少なくとも1つの光学フィルムに対して、光学フィルムの異物除去工程として上記異物除去方法を実施することによって、上記の通り、光学フィルムの異物を十分に除去でき、しかも、異物除去の際、光学フィルムの損傷を抑制し得る。
よって、異物の混入が抑制された光学フィルム積層体を、高い歩留まりで製造し得る。
よって、異物の混入が抑制された光学フィルム積層体を、高い歩留まりで製造し得る。
本発明によれば、光学フィルムの表面の異物を十分に除去しつつ、しかも、異物除去の際の光学フィルムの損傷を抑制し得る積層フィルム、光学フィルムからの異物除去方法、及び、該異物除去方法を用いた光学フィルム積層体の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態に係る積層フィルム、光学フィルムからの異物除去方法、及び、光学フィルム積層体の製造方法について説明する。
まず、本実施形態の積層フィルムについて説明する。
本実施形態の積層フィルム10は、
樹脂製の光学フィルム11と、
前記光学フィルム11に剥離可能に接着されて前記光学フィルム11に積層される保護フィルム15とを備え、
前記保護フィルム15は、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルム11からの前記保護フィルム15の剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下である。
樹脂製の光学フィルム11と、
前記光学フィルム11に剥離可能に接着されて前記光学フィルム11に積層される保護フィルム15とを備え、
前記保護フィルム15は、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルム11からの前記保護フィルム15の剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下である。
光学フィルム11としては、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。これらのうち、例えば、光学フィルム11として、位相差フィルムが好適に用いられる。
光学フィルム11は、例えば、帯状である。
光学フィルム11の厚みは、特に限定されるものではなく適宜設定し得る。
例えば、光学フィルム11の厚みは、40μm以下であってもよい。
光学フィルム11の厚みが40μm以下である場合には、このように比較的薄いことに起因して光学フィルム11の強度が小さくなり、光学フィルム11が破断し易くなる、しかし、このように破断し易い光学フィルム11であっても、保護フィルム15の剥離によって異物を除去する際に、破断を抑制し得るため、積層フィルム10が、より有用なものとなる。
一方、光学フィルム11の厚みは、15μm以上が好ましい。
光学フィルム11の厚みが、15μm以上であることによって、該光学フィルム11を搬送する際に、その走行が安定するという利点がある。
光学フィルム11の厚みは、特に限定されるものではなく適宜設定し得る。
例えば、光学フィルム11の厚みは、40μm以下であってもよい。
光学フィルム11の厚みが40μm以下である場合には、このように比較的薄いことに起因して光学フィルム11の強度が小さくなり、光学フィルム11が破断し易くなる、しかし、このように破断し易い光学フィルム11であっても、保護フィルム15の剥離によって異物を除去する際に、破断を抑制し得るため、積層フィルム10が、より有用なものとなる。
一方、光学フィルム11の厚みは、15μm以上が好ましい。
光学フィルム11の厚みが、15μm以上であることによって、該光学フィルム11を搬送する際に、その走行が安定するという利点がある。
光学フィルム11の破壊強度は、特に限定されるものではないが、例えば、70MPa以下であってもよい。
かかる破壊強度は、JIS K7127(1999)に従って測定された値である。
光学フィルム11の破壊強度が70MPa以下である場合には、強度が比較的小さいことから、光学フィルム11が破断し易くなる。しかし、このように破断し易い光学フィルム11であっても、保護フィルム15の剥離によって異物を除去する際に、破断を抑制し得るため、積層フィルム10が、より有用なものとなる。
一方、光学フィルム11の破壊強度は、20MPa以上であってもよい。
光学フィルム11の破壊強度が、20MPa以上であることによって、該光学フィルム11を搬送する際に、その破断の危険性を抑制し得るという利点がある。
かかる破壊強度は、JIS K7127(1999)に従って測定された値である。
光学フィルム11の破壊強度が70MPa以下である場合には、強度が比較的小さいことから、光学フィルム11が破断し易くなる。しかし、このように破断し易い光学フィルム11であっても、保護フィルム15の剥離によって異物を除去する際に、破断を抑制し得るため、積層フィルム10が、より有用なものとなる。
一方、光学フィルム11の破壊強度は、20MPa以上であってもよい。
光学フィルム11の破壊強度が、20MPa以上であることによって、該光学フィルム11を搬送する際に、その破断の危険性を抑制し得るという利点がある。
また、光学フィルム11の厚みが40μm以下、且つ、破壊強度が70MPa以下であってもよい。
ここで、光学フィルム11の厚みが40μm以下、且つ、破壊強度が70MPa以下である光学フィルム11は、上記の通り、比較的薄くて比較的強度が小さいことから、比較的破断し易い。
しかし、光学フィルム11の厚みが40μm以下であり、且つ、その破壊強度が70MPa以下であることによって、このように損傷し易い光学フィルムであっても、上記保護フィルムの剥離によって異物を除去する際に、損傷を抑制し得る。
よって、積層フィルム10が、より有用なものとなる。
ここで、光学フィルム11の厚みが40μm以下、且つ、破壊強度が70MPa以下である光学フィルム11は、上記の通り、比較的薄くて比較的強度が小さいことから、比較的破断し易い。
しかし、光学フィルム11の厚みが40μm以下であり、且つ、その破壊強度が70MPa以下であることによって、このように損傷し易い光学フィルムであっても、上記保護フィルムの剥離によって異物を除去する際に、損傷を抑制し得る。
よって、積層フィルム10が、より有用なものとなる。
光学フィルム11の形成材料である樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、延伸ポリプロピレン樹脂、または、フマレート樹脂が挙げられる。
保護フィルム15は、光学フィルム11に剥離可能に接着されて該光学フィルム11と積層されるものである。
保護フィルム15は、光学フィルム11に対する剥離力によって保護フィルム15に異物を付着させることによって、光学フィルム11の異物を除去するようになっている。
また、保護フィルム15が光学フィルム11に積層されることによって、積層フィルム10を巻き取って、光学フィルム11が他の光学フィルムと積層されるまで保管しておく際、光学フィルム11を保護することが可能となる。
保護フィルム15は、光学フィルム11に対する剥離力によって保護フィルム15に異物を付着させることによって、光学フィルム11の異物を除去するようになっている。
また、保護フィルム15が光学フィルム11に積層されることによって、積層フィルム10を巻き取って、光学フィルム11が他の光学フィルムと積層されるまで保管しておく際、光学フィルム11を保護することが可能となる。
保護フィルム15は、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの光学フィルム11からの保護フィルム15の剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下である。
上記変角度剥離試験での剥離力とは、20×150mmの積層フィルム10を準備し、ガラス板上に両面テープを介して光学フィルム11(光学フィルム11の保護フィルム15とは反対側の面)を固定し、光学フィルム11から保護フィルム15を135°の一定角度、25m/minの一定速度で剥離したときに、剥離に要する力を、20mm幅当たりの力として算出した値である。また、変角度剥離試験は、変角度剥離(ピール)試験装置を用いて実施される。該変角度ピール試験装置としては、協和界面化学社製の高速剥離試験装置VPA−2(剥離角度:10〜170°の任意の角度に設定可能、剥離速度:0.1〜25m/minの任意の速度に設定可能)が用いられ得る。
保護フィルム15は、例えば、帯状である。
保護フィルム15としては、例えば図1及び図2に示すように、その表面部に粘着剤層15bを有する態様が採用され得る。具体的には、保護フィルム15として、基材15aと、該基材15a上に粘着剤層15bとを有する態様が採用され得る。
基材15aとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等によって形成されたものが挙げられる。
粘着剤層15bとしては、例えば、イソシアネート系粘着剤が基材15aに塗布されて形成されたものが挙げられる。
粘着剤層15bの含水率は、3.5質量%以下であってもよい。
ここで、粘着剤層15bの含水率が比較的高いと、光学フィルムが不要な水分を吸収し、この吸収によって光学特性が低下するおそれがある。
しかし、粘着剤層の含水率が3.5質量%以下であることによって、光学フィルムが不要な水分を吸収することを抑制することができるため、水の吸収に起因する光学特性の低下を抑制でき、また、カールも抑制し得る。
保護フィルム15が、その表面部に粘着剤層15bを有する場合、該保護フィルム15は、粘着剤層15b側から光学フィルム11に剥離可能に接着されるようになっている。
なお、上記含水率は、粘着剤層15bに含有される水分の量を、粘着剤層15bの全体量に対する比率(百分率)で表したものである。この含水率は、下記のようにして測定される。すなわち、保護フィルム15の一部を切り取って試験片とし、試験片について、80℃、20%RHの恒温槽で24時間乾燥した前後の質量を測定し、その差を含水量とする。さらに、乾燥後の保護フィルム15から基材15aを剥離した残りの質量を測定し、この測定結果を粘着剤層15bの全体量とする。そして、上記含水量を粘着剤層15bの全体量で除して百分率で表した値を、含水率として求めることによって測定される。
基材15aとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等によって形成されたものが挙げられる。
粘着剤層15bとしては、例えば、イソシアネート系粘着剤が基材15aに塗布されて形成されたものが挙げられる。
粘着剤層15bの含水率は、3.5質量%以下であってもよい。
ここで、粘着剤層15bの含水率が比較的高いと、光学フィルムが不要な水分を吸収し、この吸収によって光学特性が低下するおそれがある。
しかし、粘着剤層の含水率が3.5質量%以下であることによって、光学フィルムが不要な水分を吸収することを抑制することができるため、水の吸収に起因する光学特性の低下を抑制でき、また、カールも抑制し得る。
保護フィルム15が、その表面部に粘着剤層15bを有する場合、該保護フィルム15は、粘着剤層15b側から光学フィルム11に剥離可能に接着されるようになっている。
なお、上記含水率は、粘着剤層15bに含有される水分の量を、粘着剤層15bの全体量に対する比率(百分率)で表したものである。この含水率は、下記のようにして測定される。すなわち、保護フィルム15の一部を切り取って試験片とし、試験片について、80℃、20%RHの恒温槽で24時間乾燥した前後の質量を測定し、その差を含水量とする。さらに、乾燥後の保護フィルム15から基材15aを剥離した残りの質量を測定し、この測定結果を粘着剤層15bの全体量とする。そして、上記含水量を粘着剤層15bの全体量で除して百分率で表した値を、含水率として求めることによって測定される。
また、保護フィルム15としては、例えば、図示はしないが、粘着剤層15bを有さず、基材15aのみによって形成された態様も採用され得る。かかる態様の保護フィルム15は、自粘着タイプの保護フィルムと呼ばれる。
保護フィルム15の剥離力は、保護フィルム15が粘着剤層15bを有する場合には、粘着剤層15bの粘着力を調整すること等によって、調整し得る。
例えば、粘着剤層15bの硬さを調整したり、粘着剤層15bの厚みを調整したりすることによって、粘着剤層15bの粘着力を調整し得る。これらのうち、粘着剤層15bの硬さは、例えば、粘着剤の種類を変えたり、その重合割合(ポリマー/モノマーの割合)を変えたりすること等によって、調整し得る。
また、保護フィルム15の剥離力は、保護フィルム15が粘着剤層15bを有しない場合には、基材15a自体の粘着力を調整すること等によって、調整し得る。例えば、基材15aの形成材料の種類を変更したり、基材15aにコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施したりすることによって、基材15a自体の粘着力を調整し得る。
例えば、粘着剤層15bの硬さを調整したり、粘着剤層15bの厚みを調整したりすることによって、粘着剤層15bの粘着力を調整し得る。これらのうち、粘着剤層15bの硬さは、例えば、粘着剤の種類を変えたり、その重合割合(ポリマー/モノマーの割合)を変えたりすること等によって、調整し得る。
また、保護フィルム15の剥離力は、保護フィルム15が粘着剤層15bを有しない場合には、基材15a自体の粘着力を調整すること等によって、調整し得る。例えば、基材15aの形成材料の種類を変更したり、基材15aにコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施したりすることによって、基材15a自体の粘着力を調整し得る。
積層フィルム10は、帯状の光学フィルム11の一方の面に、保護フィルム15が剥離可能に接着されて該保護フィルム15が積層されることによって、形成される。形成された積層フィルム10は、ロール状に巻き回されて、ロール体とされ得る。
上記の通り、本実施形態の積層フィルム10は、
樹脂製の光学フィルム11と、
前記光学フィルム11に剥離可能に接着されて前記光学フィルム11に積層される保護フィルム15とを備え、
前記保護フィルム15は、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルム11からの前記保護フィルム15の剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるように構成されている。
樹脂製の光学フィルム11と、
前記光学フィルム11に剥離可能に接着されて前記光学フィルム11に積層される保護フィルム15とを備え、
前記保護フィルム15は、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルム11からの前記保護フィルム15の剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるように構成されている。
かかる構成によれば、光学フィルム11に対する保護フィルム15の上記剥離力が0.08N/20mm以上0.2N/mm以下であることによって、保護フィルム15を光学フィルム11から剥離するだけで、光学フィルム11に付着していた異物を十分に除去することができ、しかも、異物除去の際、光学フィルム11の損傷を抑制し得る。
次いで、本実施形態の光学フィルム11の異物除去方法について説明する。
本実施形態の光学フィルム11の異物除去方法は、
樹脂製の光学フィルム11の異物除去方法であって、
前記光学フィルム11に剥離可能に接着される保護フィルム15を用い、
前記保護フィルム15を、前記粘着剤層15bを剥離可能に前記光学フィルム11に接着することによって前記光学フィルム11に積層する工程(積層工程)と、
前記保護フィルム15を前記光学フィルム11から剥離する工程(剥離工程)とを備え、
前記保護フィルム15として、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルム11からの前記保護フィルム15の剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるものを用いる方法である。
樹脂製の光学フィルム11の異物除去方法であって、
前記光学フィルム11に剥離可能に接着される保護フィルム15を用い、
前記保護フィルム15を、前記粘着剤層15bを剥離可能に前記光学フィルム11に接着することによって前記光学フィルム11に積層する工程(積層工程)と、
前記保護フィルム15を前記光学フィルム11から剥離する工程(剥離工程)とを備え、
前記保護フィルム15として、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルム11からの前記保護フィルム15の剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるものを用いる方法である。
光学フィルム11及び保護フィルム15としては、前述したものが挙げられる。
前記接着工程では、例えば、前述したように、帯状の光学フィルム11の一方の面11aに、保護フィルム15が剥離可能に接着される。これにより、前述した積層フィルム10が形成される。また、これにより、光学フィルム11の上記面11aに付着した異物が、保護フィルム15に接着されることになる。形成された積層フィルム10は、例えば、ロール状に巻き回されて、ロール体とされ得る。
前記剥離工程では、上記ロール体から積層フィルム10が繰り出され、繰り出された積層フィルム10から保護フィルム15が剥離される。これにより、保護フィルム15の粘着剤15bが、光学フィルム11から剥離され、この剥離の際、光学フィルム11の上記面11aに付着した異物が、保護フィルム15と共に光学フィルム11から除去される。
該剥離工程においては、光学フィルム11から保護フィルム15を剥離する際に、光学フィルム11と保護フィルム15とがなす角度(剥離角度)が、120〜170°であってもよい。
上記剥離角度が120〜170°であることによって、光学フィルム11から保護フィルム15を剥離する際、光学フィルム11が損傷し難くなる。
該剥離工程においては、光学フィルム11から保護フィルム15を剥離する際に、光学フィルム11と保護フィルム15とがなす角度(剥離角度)が、120〜170°であってもよい。
上記剥離角度が120〜170°であることによって、光学フィルム11から保護フィルム15を剥離する際、光学フィルム11が損傷し難くなる。
このようにして、光学フィルム11から異物が除去される。
本実施形態の光学フィルム11の異物除去方法によれば、上記光学フィルム11に対する上記保護フィルム15の上記剥離力が0.08N/20mm以上0.2N/mm以下であることによって、保護フィルム15を光学フィルムに積層し、該光学フィルム11から剥離するだけで、光学フィルム11の異物を十分に除去することができ、しかも、異物除去の際、光学フィルム11の損傷を抑制し得る。
次いで、本実施形態の光学フィルム積層体30の製造方法について説明する。
本実施形態の光学フィルム積層体30の製造方法は、
複数の光学フィルム(ここでは光学フィルム11、33)を積層して光学フィルム積層体30を製造する光学フィルム積層体30の製造方法であって、
前記複数の光学フィルム11、33を積層する前に、該複数の光学フィルム11、33のうち少なくとも1つの光学フィルム(ここでは光学フィルム11)の異物を除去する異物除去工程を実施し、
前記異物除去工程として、上記した本実施形態の光学フィルム11の異物除去方法を実施する方法である。
複数の光学フィルム(ここでは光学フィルム11、33)を積層して光学フィルム積層体30を製造する光学フィルム積層体30の製造方法であって、
前記複数の光学フィルム11、33を積層する前に、該複数の光学フィルム11、33のうち少なくとも1つの光学フィルム(ここでは光学フィルム11)の異物を除去する異物除去工程を実施し、
前記異物除去工程として、上記した本実施形態の光学フィルム11の異物除去方法を実施する方法である。
光学フィルム積層体30を構成する光学フィルムは、特に限定されるものではない。
例えば、光学フィルム積層体30として、偏光板が挙げられる。
光学フィルム積層体30として、偏光板を採用する場合、偏光板を構成する複数の光学フィルムとしては、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムや、輝度向上フィルム等が挙げられる。
図3には、例えば、光学フィルム積層体30が、偏光フィルム33と、該偏光フィルム33に積層された位相差フィルム11を備えた偏光板30を示す。
偏光フィルム33としては、例えば、偏光子と、その少なくともいずれか一方の面に積層された偏光子保護フィルムとを有するものが挙げられる。
例えば、光学フィルム積層体30として、偏光板が挙げられる。
光学フィルム積層体30として、偏光板を採用する場合、偏光板を構成する複数の光学フィルムとしては、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムや、輝度向上フィルム等が挙げられる。
図3には、例えば、光学フィルム積層体30が、偏光フィルム33と、該偏光フィルム33に積層された位相差フィルム11を備えた偏光板30を示す。
偏光フィルム33としては、例えば、偏光子と、その少なくともいずれか一方の面に積層された偏光子保護フィルムとを有するものが挙げられる。
図3に示す偏光板30は、例えば、位相差フィルム11に保護フィルム15を積層して積層フィルム10を作製し、該積層フィルム10を巻き取ってロール体とした後、ロール体から積層フィルム10を繰り出しつつ、保護フィルム15を剥離して、位相差フィルム11の露出された面を偏光フィルム33に接着剤等で接着することによって、製造される。
上記の通り、本実施形態の光学フィルム積層体30の製造方法は、
複数の光学フィルム11、33を積層して光学フィルム積層体30を製造する光学フィルム積層体30の製造方法であって、
前記複数の光学フィルム11、33を積層する前に、該複数の光学フィルム11、33のうち少なくとも1つの光学フィルム(ここでは光学フィルム11)の異物を除去する異物除去工程を実施し、
前記異物除去工程として、本実施形態の光学フィルム11の異物除去方法を実施する方法である。
複数の光学フィルム11、33を積層して光学フィルム積層体30を製造する光学フィルム積層体30の製造方法であって、
前記複数の光学フィルム11、33を積層する前に、該複数の光学フィルム11、33のうち少なくとも1つの光学フィルム(ここでは光学フィルム11)の異物を除去する異物除去工程を実施し、
前記異物除去工程として、本実施形態の光学フィルム11の異物除去方法を実施する方法である。
かかる構成によれば、上記少なくとも1つの光学フィルム(ここでは光学フィルム11)に対して、光学フィルム11の異物除去工程として上記異物除去方法を実施することによって、上記の通り、光学フィルム11の異物を十分に除去でき、しかも、異物除去の際、光学フィルム11の損傷を抑制し得る。
よって、異物の混入が抑制された光学フィルム積層体30を、高い歩留まりで製造し得る。
よって、異物の混入が抑制された光学フィルム積層体30を、高い歩留まりで製造し得る。
本実施形態の積層フィルム10、光学フィルム11の異物除去方法、及び、光学フィルム積層体30の製造方法は上記の通りであるが、本発明の積層フィルム、光学フィルムの異物除去方向、及び、光学フィルム積層体の製造方法は、上記実施形態に特に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
次に、実施例を示しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。
(実験例1)
光学フィルム11として、破壊強度40MPa/20mm、厚み20μmのフマレート系樹脂製フィルムを用いた。
保護フィルム15として、下記の保護フィルムA〜Eを用い、光学フィルム11と保護フィルム15とを積層して積層フィルム10を作製し、以下の変角度剥離試験、異物除去率評価試験、破断評価試験を行った。また、保護フィルムFについては、以下の粘着力評価試験を行った。
・保護フィルムA:厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材15aにイソシアネート系粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水量:0質量%
)を形成してなる保護フィルム(NSB33T、サンエー化研社製)
・保護フィルムB:厚み25μmのPET製の基材15aにイソシアネート系粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水率:0質量%)を形成してなる保護フィルム
・保護フィルムC:厚み50μmのポリエチレン(PE)製の基材15aのみから形成され、粘着剤層15bを有しない保護フィルム(X−38223、トレデガー社製)
・保護フィルムD:厚み25μmのPET製の基材15aにイソシアネート系粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水率:0質量%)を形成してなる保護フィルム
・保護フィルムE:厚み30μmのポリエチレン(PE)製の基材15aのみから形成され、粘着剤層15bを有しない保護フィルム(トレテック7832C、東レ社製)
・保護フィルムF:厚み60μmのポリエチレン製の基材15aに共重合粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水率:0質量%)を形成してなる保護フィルム
光学フィルム11として、破壊強度40MPa/20mm、厚み20μmのフマレート系樹脂製フィルムを用いた。
保護フィルム15として、下記の保護フィルムA〜Eを用い、光学フィルム11と保護フィルム15とを積層して積層フィルム10を作製し、以下の変角度剥離試験、異物除去率評価試験、破断評価試験を行った。また、保護フィルムFについては、以下の粘着力評価試験を行った。
・保護フィルムA:厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材15aにイソシアネート系粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水量:0質量%
)を形成してなる保護フィルム(NSB33T、サンエー化研社製)
・保護フィルムB:厚み25μmのPET製の基材15aにイソシアネート系粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水率:0質量%)を形成してなる保護フィルム
・保護フィルムC:厚み50μmのポリエチレン(PE)製の基材15aのみから形成され、粘着剤層15bを有しない保護フィルム(X−38223、トレデガー社製)
・保護フィルムD:厚み25μmのPET製の基材15aにイソシアネート系粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水率:0質量%)を形成してなる保護フィルム
・保護フィルムE:厚み30μmのポリエチレン(PE)製の基材15aのみから形成され、粘着剤層15bを有しない保護フィルム(トレテック7832C、東レ社製)
・保護フィルムF:厚み60μmのポリエチレン製の基材15aに共重合粘着剤を塗布して10μmの粘着剤層15b(含水率:0質量%)を形成してなる保護フィルム
(1)変角度剥離試験
光学フィルム11に、保護フィルム15を接着することによって、光学フィルム11と保護フィルム15とを貼り合わせ、保護フィルムの上から質量2kgのローラで2往復させることによって光学フィルム11と保護フィルム15とを接着して、積層フィルム10作製した。なお、粘着剤層15bを有する保護フィルム15を用いる場合には、保護フィルム15を、粘着剤層15bから光学フィルム11に積層した。
得られた積層フィルム10を20×150mmに切断して変角度剥離試験用試料を作製した。
両面テープを貼付したガラス板を用意し、作製された試料の光学フィルム11(保護フィルム15と反対の側の面)を両面テープに貼り合わせて、積層フィルム10をガラス板に固定した。
試料がガラス板に固定された状態で、これらを変角度剥離試験装置に設置した。
変角度剥離試験装置として、高速剥離試験装置VPA−2(剥離角度:10〜170°の任意の角度に設定可能、剥離速度:0.1〜25m/minの任意の速度に設定可能(協和界面化学社製))を用い、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの光学フィルム11からの保護フィルム15の剥離力を測定した。
この試験を、上記したように種々の剥離力を有する保護フィルム15を用いて、実施した(試料1〜5)。結果を、図6及び表1に示す。なお、図6の右側のグラフは、左側のグラフを部分的に拡大して示すグラフである。
光学フィルム11に、保護フィルム15を接着することによって、光学フィルム11と保護フィルム15とを貼り合わせ、保護フィルムの上から質量2kgのローラで2往復させることによって光学フィルム11と保護フィルム15とを接着して、積層フィルム10作製した。なお、粘着剤層15bを有する保護フィルム15を用いる場合には、保護フィルム15を、粘着剤層15bから光学フィルム11に積層した。
得られた積層フィルム10を20×150mmに切断して変角度剥離試験用試料を作製した。
両面テープを貼付したガラス板を用意し、作製された試料の光学フィルム11(保護フィルム15と反対の側の面)を両面テープに貼り合わせて、積層フィルム10をガラス板に固定した。
試料がガラス板に固定された状態で、これらを変角度剥離試験装置に設置した。
変角度剥離試験装置として、高速剥離試験装置VPA−2(剥離角度:10〜170°の任意の角度に設定可能、剥離速度:0.1〜25m/minの任意の速度に設定可能(協和界面化学社製))を用い、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの光学フィルム11からの保護フィルム15の剥離力を測定した。
この試験を、上記したように種々の剥離力を有する保護フィルム15を用いて、実施した(試料1〜5)。結果を、図6及び表1に示す。なお、図6の右側のグラフは、左側のグラフを部分的に拡大して示すグラフである。
(2)粘着力評価試験
保護フィルム15として保護フィルムFを用い、その粘着剤層15bのステンレス試験板に対する粘着力を、JIS Z1528に準じて測定した。結果を、表1に示す。
保護フィルム15として保護フィルムFを用い、その粘着剤層15bのステンレス試験板に対する粘着力を、JIS Z1528に準じて測定した。結果を、表1に示す。
(3)異物除去率評価試験
光学フィルム11と同じフィルムを別途準備し、このフィルムを#600のやすりで研磨することで100μm以下の最大径を有する異物を準備した。
光学フィルム11及び保護フィルム15を、50×150mmに切断した。
切断された光学フィルム11の一方の面上に、上記異物をばら撒き、異物がばら撒かれた光学フィルム11の面に、切断された保護フィルム15の粘着剤層15bを接着することによって、光学フィルム11と保護フィルム15とを貼り合わせ、保護フィルムの上から質量2kgのローラで2往復させることによって光学フィルム11に保護フィルム15を接着して、積層フィルム10を作製した。
図4に示すように、試料を顕微鏡(光学顕微鏡OLYMPUS/DP21、オリンパス社製)で異物を観察し、異物にマーキングして、異物除去率評価用試料を作製した。なお、図4に示すように、異物に丸印でマーキングした。なお、図4では、便宜上、光学フィルム11と保護フィルム15とを少しずらして示す。
上記変角度剥離試験と同様、両面テープを貼付したガラス板を用意し、作製された試料の光学フィルム11(保護フィルム15と反対の側の面)を両面テープに貼り合わせて、図5に示すように、積層フィルム10をガラス板に固定し、上記変角度剥離試験と同様に光学フィルム11から保護フィルム15を剥離した。剥離後、光学フィルム11を顕微鏡で観察し、光学フィルム11から除去された異物の数量を計数し、剥離前の異物の数量に対する剥離後の異物の数量の百分率を異物除去率として算出した。
結果を、図6に示す。
光学フィルム11と同じフィルムを別途準備し、このフィルムを#600のやすりで研磨することで100μm以下の最大径を有する異物を準備した。
光学フィルム11及び保護フィルム15を、50×150mmに切断した。
切断された光学フィルム11の一方の面上に、上記異物をばら撒き、異物がばら撒かれた光学フィルム11の面に、切断された保護フィルム15の粘着剤層15bを接着することによって、光学フィルム11と保護フィルム15とを貼り合わせ、保護フィルムの上から質量2kgのローラで2往復させることによって光学フィルム11に保護フィルム15を接着して、積層フィルム10を作製した。
図4に示すように、試料を顕微鏡(光学顕微鏡OLYMPUS/DP21、オリンパス社製)で異物を観察し、異物にマーキングして、異物除去率評価用試料を作製した。なお、図4に示すように、異物に丸印でマーキングした。なお、図4では、便宜上、光学フィルム11と保護フィルム15とを少しずらして示す。
上記変角度剥離試験と同様、両面テープを貼付したガラス板を用意し、作製された試料の光学フィルム11(保護フィルム15と反対の側の面)を両面テープに貼り合わせて、図5に示すように、積層フィルム10をガラス板に固定し、上記変角度剥離試験と同様に光学フィルム11から保護フィルム15を剥離した。剥離後、光学フィルム11を顕微鏡で観察し、光学フィルム11から除去された異物の数量を計数し、剥離前の異物の数量に対する剥離後の異物の数量の百分率を異物除去率として算出した。
結果を、図6に示す。
(4)破断評価試験
剥離する際の光学フィルムの破断の有無を評価した。
積層フィルム10を20×150mmに切断して破断評価試験用試料を作製し、この試料の保護フィルムをガラス板に固定すること以外は、前述の変角度剥離試験と同様にして保護フィルム15を剥離し(より詳細には、保護フィルム15から光学フィルム11を剥離した)、剥離したときに破断が生じたか否かを評価した。
10個の試料について剥離を行い、6個以上破断する場合を、不良として「×」で示し、6個未満(5回以下)破断する場合を、良好として「○」で表した。結果を表1に示す。
剥離する際の光学フィルムの破断の有無を評価した。
積層フィルム10を20×150mmに切断して破断評価試験用試料を作製し、この試料の保護フィルムをガラス板に固定すること以外は、前述の変角度剥離試験と同様にして保護フィルム15を剥離し(より詳細には、保護フィルム15から光学フィルム11を剥離した)、剥離したときに破断が生じたか否かを評価した。
10個の試料について剥離を行い、6個以上破断する場合を、不良として「×」で示し、6個未満(5回以下)破断する場合を、良好として「○」で表した。結果を表1に示す。
図4示すように、一定以上(0.08N/20mm以上)の剥離力になると、異物除去率が高くなり、異物除去に効果的であることがわかった。
表1に示すように、保護フィルムの剥離力が0.18N/20mm以下であれば、破断し難いことがわかった。また、保護フィルムの剥離力が0.08〜0.18N/20mmの範囲内であれば、フィルムの破断リスクを回避しつつ、異物除去性能を確保し得ることがわかった。
一方、保護フィルムFのステンレスに対する粘着力は、0.15N/25mmであり、その数値0.15は、見かけ上は0.08〜0.20の数値範囲内であったが、この保護フィルムFを光学フィルム11に積層して剥離すると、破断が生じた。この保護フィルムFの光学フィルム11に対する剥離力は、1.2N/20mmであり、0.08〜0.20N/20mmの数値範囲の上限を超えていることから、破断が生じたものと考えられる。この結果、上記したステンレスに対する粘着力と、上記した光学フィルムに対する剥離力とは、全く異なる指標であり、光学フィルムに対する剥離力を特定の範囲内とすることによって、光学フィルム11の表面の異物を十分に除去しつつ、しかも、異物を除去する際の光学フィルム11の損傷を抑制し得ることが示された。
表1に示すように、保護フィルムの剥離力が0.18N/20mm以下であれば、破断し難いことがわかった。また、保護フィルムの剥離力が0.08〜0.18N/20mmの範囲内であれば、フィルムの破断リスクを回避しつつ、異物除去性能を確保し得ることがわかった。
一方、保護フィルムFのステンレスに対する粘着力は、0.15N/25mmであり、その数値0.15は、見かけ上は0.08〜0.20の数値範囲内であったが、この保護フィルムFを光学フィルム11に積層して剥離すると、破断が生じた。この保護フィルムFの光学フィルム11に対する剥離力は、1.2N/20mmであり、0.08〜0.20N/20mmの数値範囲の上限を超えていることから、破断が生じたものと考えられる。この結果、上記したステンレスに対する粘着力と、上記した光学フィルムに対する剥離力とは、全く異なる指標であり、光学フィルムに対する剥離力を特定の範囲内とすることによって、光学フィルム11の表面の異物を十分に除去しつつ、しかも、異物を除去する際の光学フィルム11の損傷を抑制し得ることが示された。
(実験例2)
光学フィルム11として、厚み20μmの偏光子の一方の面に、厚み25μmのアクリル系の偏光子保護フィルムを積層し、他方の面に厚み25μmのオレフィン系の偏光子保護フィルムを積層して形成されたものを用いた。
それ以外は実験例1と同様にして、上記光学フィルム11のオレフィン系の偏光子保護フィルム上に、粘着剤層15bを介して保護フィルムA、D、Eを積層して試料を作製し(試料7〜9)、変角度剥離試験、異物除去率評価試験、及び、破断評価試験を行った。
結果を表2に示す。
光学フィルム11として、厚み20μmの偏光子の一方の面に、厚み25μmのアクリル系の偏光子保護フィルムを積層し、他方の面に厚み25μmのオレフィン系の偏光子保護フィルムを積層して形成されたものを用いた。
それ以外は実験例1と同様にして、上記光学フィルム11のオレフィン系の偏光子保護フィルム上に、粘着剤層15bを介して保護フィルムA、D、Eを積層して試料を作製し(試料7〜9)、変角度剥離試験、異物除去率評価試験、及び、破断評価試験を行った。
結果を表2に示す。
表2に示すように、比較的厚みの大きい光学フィルム11を用いた場合においても、剥離力が0.08以上であれば、異物を十分に除去できることがわかった。また、剥離力が大きくなっても破断し難いことが分かった。
以上のように本発明の実施の形態及び実施例について説明を行なったが、各実施の形態及び実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10:積層フィルム、11:光学フィルム、15:保護フィルム、15a:基材、15b:粘着剤層、30:光学フィルム積層体、33:偏光フィルム
Claims (7)
- 樹脂製の光学フィルムと、
前記光学フィルムに剥離可能に接着されて前記光学フィルムに積層される保護フィルムとを備え、
前記保護フィルムは、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルムからの前記保護フィルムの剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるように構成された、積層フィルム。 - 前記光学フィルムの厚みが40μm以下であり、且つ、
前記光学フィルムの破壊強度が70MPa以下である、請求項1に記載の積層フィルム。 - 前記樹脂は、ノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、延伸ポリプロピレン樹脂、または、フマレート樹脂である、請求項1または2に記載の積層フィルム。
- 前記光学フィルムが、位相差フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記保護フィルムは、表面部に粘着剤によって形成された粘着剤層を有しており、
前記粘着剤層の含水率が、3.5質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。 - 樹脂製の光学フィルムの異物除去方法であって、
前記光学フィルムに剥離可能に接着される保護フィルムを用い、
前記保護フィルムを、前記光学フィルムに剥離可能に接着して前記光学フィルムに積層する工程と、
前記保護フィルムを前記光学フィルムから剥離する工程とを備え、
前記保護フィルムとして、剥離角度135°、剥離速度25m/minでの変角度ピール試験で測定したときの前記光学フィルムからの前記保護フィルムの剥離力が、0.08N/20mm以上0.2N/20mm以下であるものを用いる、光学フィルムの異物除去方法。 - 複数の光学フィルムを積層して光学フィルム積層体を製造する光学フィルム積層体の製造方法であって、
前記複数の光学フィルムを積層する前に、該複数の光学フィルムのうち少なくとも1つの光学フィルムの異物を除去する異物除去工程を実施し、
前記異物除去工程として、請求項6に記載の光学フィルムの異物除去方法を実施する、光学フィルム積層体の製造方法。
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JP2016114373A JP2017217840A (ja) | 2016-06-08 | 2016-06-08 | 積層フィルム、光学フィルムの異物除去方法、及び、光学フィルム積層体の製造方法 |
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JP2021015033A (ja) * | 2019-07-11 | 2021-02-12 | 東洋濾紙株式会社 | イムノクロマトアッセイ用メンブレンの表面処理方法 |
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2016
- 2016-06-08 JP JP2016114373A patent/JP2017217840A/ja active Pending
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