JP2017217445A - 肌状態の鑑別方法、化粧料の評価方法、化粧料の設計方法 - Google Patents

肌状態の鑑別方法、化粧料の評価方法、化粧料の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】肌状態をより精度よく鑑別することのできる肌状態の鑑別方法、及びそれに基づいて化粧料の評価方法、設計方法を提供すること。【解決手段】肌状態の鑑別方法であって、被験者の表情顔を撮影した顔画像を取得する顔画像取得工程と、顔画像より光学的に検出可能な、肌の高輝度領域の面積やスジ形状領域の面積といった特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、特徴量に基づいて被験者の肌状態を鑑別する肌状態鑑別工程と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、肌状態の鑑別方法、化粧料の評価方法、及びそれを用いた化粧料の設計方法に関する。
人の肌の状態は、年齢や健康状態など、様々な要因によって刻々と変化する。そのため、撮影された画像などから肌の状態に関するパラメータを取得し、解析する技術について、様々な研究が行われている。
例えば、特許文献1には、被験者の顔面における測定対象部位の輝度を測定し、ヒストグラムを生成して、そのヒストグラムの形状から、被験者の肌の状態を評価する技術が公開されている。
また、特許文献2には、被験者の顔画像を取得し、そこから空間周波数の強度を算出することによって、被験者の年齢を推定する技術が公開されている。
特開2009−131336号公報 再表2011−162050号公報
先述の通り、被験者の肌の状態の評価などを行うためのパラメータについて検討されてきたが、これらはいずれもある瞬間における被験者の顔を観測して得られるものに過ぎない。
しかし、人の肌状態は、種々の因子によって形成されており、より正確な鑑別を行なう方法や、それを改善することのできる化粧料が望まれていた。
そこで、本発明では、肌状態をより精度よく鑑別することのできる肌状態の鑑別方法、及びそれに基づいて化粧料の評価方法、設計方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る肌状態の鑑別方法は、
肌状態の鑑別方法であって、
所定の表情をとった被験者の顔(表情顔)を撮影した顔画像を取得する顔画像取得工程と、
前記顔画像より光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
前記特徴量に基づいて前記被験者の肌状態を鑑別する肌状態鑑別工程と、を備えることを特徴とする。
このように、光学的に取得可能な特徴量を用いることで、被験者の顔の見た目に影響を及ぼす肌状態を鑑別することができる。
本発明の好ましい形態では、肌状態の鑑別方法が、前記顔画像取得工程において、それぞれ表情の異なる複数の前記顔画像を取得し、
前記特徴量抽出工程において、複数の前記顔画像のそれぞれについての前記特徴量を抽出し、
前記肌状態鑑別工程において、複数の前記特徴量を用いることを特徴とする。
これにより、日常的に表情の変化が起きた際に現出する肌状態の鑑別を行うことができる。
本発明の好ましい形態では、肌状態の鑑別方法が、複数の前記顔画像として、前記被験者の表情の変化を含む動画像中の複数のフレーム画像を用いることを特徴とする。
このように、時系列に沿った複数の顔画像を用いることで、実際に日常的に現出するものにより近い肌状態を鑑別することができる。
本発明の好ましい形態では、前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、肌状態の鑑別方法が、前記特徴量抽出工程において、前記顔画像の輝度より前記特徴量を抽出することを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記特徴量が、前記顔画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域に関する量を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
前記特徴量抽出工程において、前記顔画像中で所定範囲の輝度を有する領域を、前記スジ形状領域として抽出することを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記肌状態が、老化状態であることを特徴とする。
本発明に係る化粧料の評価方法は、
化粧料の評価方法であって、
化粧後の表情顔を撮影した化粧後画像を取得する化粧後画像取得工程と、
前記化粧後画像より光学的に検出可能な化粧後の特徴量を抽出する化粧後特徴量抽出工程と、
前記化粧後の特徴量と、同様にして予め取得された同一人の化粧前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、化粧料の評価方法が、前記化粧後画像取得工程において、それぞれ表情の異なる複数の前記化粧後画像を取得し、
前記化粧後特徴量抽出工程において、複数の前記化粧後画像のそれぞれについての前記化粧後の特徴量を抽出し、
前記評価工程において、複数の前記化粧後の特徴量と、複数の前記化粧前の特徴量と、を用いることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、化粧料の評価方法が、複数の前記化粧後画像として、表情の変化を含む動画像中の複数のフレーム画像を用いることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記化粧後の特徴量及び前記化粧前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、化粧料の評価方法が、前記化粧後特徴量抽出工程において、前記化粧後画像の輝度より前記化粧後の特徴量を抽出することを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記化粧後の特徴量及び前記化粧前の特徴量が、前記化粧後画像及び化粧前の表情顔を撮影した画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域に関する量を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記化粧後の特徴量及び前記化粧前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
前記化粧後特徴量抽出工程において、前記化粧後画像中で所定範囲の輝度を有する領域を、前記スジ形状領域として抽出することを特徴とする。
本発明に係る化粧料の設計方法は、
化粧料の設計方法であって、
化粧後の表情顔を撮影した化粧後画像を取得する化粧後画像取得工程と、
前記化粧後画像より光学的に検出可能な化粧後の特徴量を抽出する化粧後特徴量抽出工程と、
前記化粧後の特徴量と、同様にして予め取得された同一人の化粧前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、
前記化粧効果に基づいて、前記化粧料の成分の処方を選択する選択工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、化粧料の設計方法が、前記化粧後画像取得工程において、それぞれ表情の異なる複数の前記化粧後画像を取得し、
前記化粧後特徴量抽出工程において、複数の前記化粧後画像のそれぞれについての前記特徴量を抽出し、
前記評価工程において、複数の前記特徴量の間のばらつきから前記化粧効果を評価し、
前記選択工程において、前記ばらつきが小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
前記選択工程において、前記スジ形状領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記特徴量が前記化粧後画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域の面積を含み、
前記選択工程において、前記高輝度領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする。
本発明に係る化粧料の評価方法は、
皮膚の代替物を試料として用いる化粧料の評価方法であって、
前記化粧料を塗布した前記試料を撮影した塗布後画像を取得する塗布後画像取得工程と、
前記塗布後画像より光学的に検出可能な化粧料塗布後の特徴量を抽出する塗布後特徴量抽出工程と、
前記化粧料塗布後の特徴量と、同様にして予め取得された同一試料の化粧料塗布前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、
前記塗布後画像取得工程において、前記試料をそれぞれ異なる形状に変形させた状態の複数の前記塗布後画像を取得し、
前記塗布後特徴量抽出工程において、複数の前記塗布後画像のそれぞれについての前記化粧料塗布後の特徴量を抽出し、
前記評価工程において、複数の前記化粧料塗布後の特徴量と、複数の前記化粧料塗布前の特徴量と、を用いることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、
複数の前記化粧料塗布後画像として、前記試料の変形の過程を含む動画像中の複数のフレーム画像を用いることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、
前記試料の表面形状が人の皮膚の毛穴を模したものであって、
前記化粧料塗布後の特徴量及び前記化粧料塗布前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、化粧料の評価方法が、前記塗布後特徴量抽出工程において、前記塗布後画像の輝度より前記化粧料塗布後の特徴量を抽出することを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、前記化粧料塗布後の特徴量及び前記化粧料塗布前の特徴量が、前記塗布後画像及び化粧料塗布前の前記試料を撮影した画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域に関する量を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、
前記試料の表面形状が人の皮膚の毛穴を模したものであって、
前記化粧料塗布後の特徴量及び前記化粧料塗布前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
前記塗布後特徴量抽出工程において、前記塗布後画像中で所定範囲の輝度を有する領域を、前記スジ形状領域として抽出することを特徴とする。
本発明に係る化粧料の設計方法は、
皮膚の代替物を試料として用いる化粧料の設計方法であって、
前記化粧料を塗布した前記試料を撮影した塗布後画像を取得する塗布後画像取得工程と、
前記塗布後画像より光学的に検出可能な化粧料塗布後の特徴量を抽出する塗布後特徴量抽出工程と、
前記化粧料塗布後の特徴量と、同様にして予め取得された同一試料の化粧料塗布前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、
前記化粧効果に基づいて、前記化粧料の成分の処方を選択する選択工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、化粧料の設計方法が、
前記塗布後画像取得工程において、前記試料をそれぞれ異なる形状に変形させた状態の複数の前記塗布後画像を取得し、
前記塗布後特徴量抽出工程において、複数の前記塗布後画像のそれぞれについての前記特徴量を抽出し、
前記評価工程において、複数の前記特徴量の間のばらつきから前記化粧効果を評価し、
前記選択工程において、前記ばらつきが小さくなるように前記処方を選択する。
本発明の好ましい形態では、
前記試料の表面形状が人の皮膚の毛穴を模したものであって、
前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
前記選択工程において、前記スジ形状領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする。
本発明の好ましい形態では、
前記特徴量が前記塗布後画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域の面積を含み、
前記選択工程において、前記高輝度領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする。
表情の変化に際して現出する肌状態の鑑別、そしてそれを用いた化粧料の評価と設計の方法を提供することができる。
本発明に係る高輝度面積を用いた肌状態の鑑別方法を示すフローチャートである。 本発明に係るスジ形状面積を用いた肌状態の鑑別方法を示すフローチャートである。 本発明に係る化粧料の評価方法を示すフローチャートである。 本発明に係る化粧料の設計方法を示すフローチャートである。 解析対象とする動画像中に含まれる被験者の表情の一例を示す図である(図面代用写真)。 解析対象とする動画像の撮影角度を示す図である(図面代用写真)。 フレーム画像より抽出したB画像の一例を示す図である(図面代用写真)。 B画像より抽出したテカリ領域の一例を示す図である(図面代用写真)。 20代の被験者についてのテカリ面積の割合の算出結果を示す図である。 30代の被験者についてのテカリ面積の割合の算出結果を示す図である。 40代の被験者についてのテカリ面積の割合の算出結果を示す図である。 50代の被験者についてのテカリ面積の割合の算出結果を示す図である。 60代の被験者についてのテカリ面積の割合の算出結果を示す図である。 テカリ面積の割合の年代別の平均値の算出結果を示す図である。 テカリ面積の割合の表情間における標準偏差の年代別の平均値の算出結果を示す図である。 20代の被験者についてのスジ形状面積の割合の算出結果を示す図である。 30代の被験者についてのスジ形状面積の割合の算出結果を示す図である。 40代の被験者についてのスジ形状面積の割合の算出結果を示す図である。 50代の被験者についてのスジ形状面積の割合の算出結果を示す図である。 60代の被験者についてのスジ形状面積の割合の算出結果を示す図である。 スジ形状面積の割合の年代別の平均値の算出結果を示す図である。 スジ形状面積の割合の各表情間における標準偏差の年代別の平均値の算出結果を示す図である。 化粧前後のテカリ面積の算出結果を示す図である。 化粧前後のスジ形状面積の算出結果を示す図である。 人工皮膚の変形の様子を示す図である(図面代用写真)。 人工皮膚の撮影画像より抽出したB画像の一例を示す図である(図面代用写真)。 人工皮膚のB画像より抽出したテカリ領域の一例を示す図である(図面代用写真)。 人工皮膚のG画像より抽出したスジ形状領域の一例を示す図である(図面代用写真)。 人工皮膚の変形時のテカリ面積の算出結果を示す図である。 人工皮膚の変形時のスジ形状面積の割合の算出結果を示す図である。 素肌状態での被験者の表情変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 化粧料Aを使用した状態での被験者の表情変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 化粧料Bを使用した状態での被験者の表情変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 素肌状態での被験者のテカリ領域の変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 化粧料Aを使用した状態での被験者のテカリ領域の変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 化粧料Bを使用した状態での被験者のテカリ領域の変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 素肌、化粧料A使用、化粧料B使用のそれぞれの状態についての、テカリ面積の算出結果を示す図である。 素肌状態での被験者のスジ形状領域の変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 化粧料Aを使用した状態での被験者のスジ形状領域の変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 化粧料Bを使用した状態での被験者のスジ形状領域の変化の様子を示す図である。(図面代用写真) 素肌、化粧料A使用、化粧料B使用のそれぞれの状態についての、スジ形状面積の算出結果を示す図である。
[1]高輝度面積を用いた肌状態の鑑別方法
本発明は、被験者の顔画像より、光学的に検出可能な特徴量として、所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域の面積(高輝度面積)を抽出し、その解析を行うことによって、被験者の肌状態を鑑別する、肌状態の鑑別方法である。
本発明にいう「肌状態」とは、特に、肌の状態の内で見た目に影響を及ぼすものをいう。例えば、被験者の年齢に応じて変化する肌状態として、老化状態が挙げられる。また、肌の水分量や弾力性など、様々な肌の状態を含むものである。更に、このような種々の肌状態の鑑別を行なった結果を用いて、被験者の年齢の推定などを行ってもよい。
また、「高輝度領域」とは、先に述べたように顔画像中において所定の輝度よりも高い輝度を有する領域である。ここでの所定の輝度は、例えば、顔画像において肌の鏡面反射によるテカリが感じられる領域に着目するのであれば、目視評価等においてテカリが感じられる領域を抽出できるような値とすればよい。他にも顔画像中で白飛びが起きている領域、肌にツヤが感じられる領域、といったような種々の観点により、高輝度領域を抽出するための所定の輝度を決定すればよい。
図1は、本発明の高輝度面積を用いた肌状態の鑑別方法を示すフローチャートである。これを参照して、本発明の高輝度面積を用いた肌状態の鑑別方法について、詳細に説明する。
まず、ステップS11において、被験者の顔の表情変化を含む動画像を取得する。ここでは汎用的なビデオカメラで評価対象の顔の動画像を撮影した動画像を用いてよいが、後のステップにおける画像解析に耐えうる程度の解像度やフレームレートを有していることが好ましい。また、ここでは、カラーの動画像を取得することが好ましい。
そして、ステップS12において、ステップS11で取得した動画像より、解析対象とする複数のフレーム画像を取得する。ここでのフレーム画像としては、動画像に含まれる複数の表情について、それぞれの表情が一番強く表れているフレーム画像を選択することが好ましい。
ステップS13では、各フレーム画像について、RGB平面への分割を行い、B(青色)成分のみが含まれるB画像を取得する。これにより各フレーム画像は0−255までの256階調などの、所定の階調によって表現されるものとなる。なお、256階調という階調数は一例に過ぎず、より大きな階調数や小さな階調数を用いてもよい。これは、後のステップにおける高輝度領域の抽出を行いやすくするための処理である。また、ここでB画像に代えてG(緑色)成分のみが含まれるG画像を取得するような構成としてもよい。
ステップS14では、ステップS13で取得したB画像に対して、フィルタを適用する。これも、ステップS13におけるB画像化と同じく、後のステップにおける高輝度領域の抽出を行いやすくするための処理である。ここでは例えば、FFT(Fast Fourier Transform)フィルタ等を用いることができる。
そして、ステップS15において、ステップS14までの処理を行った各フレーム画像より、解析対象領域を抽出する。ここでは、例えば頬部位などを解析対象領域として抽出する。また、このステップを省略し、顔全体を解析対象としてもよい。
その後、ステップS16で、解析対象領域中の高輝度領域を抽出する。ここでは、高輝度領域として、所定の階調値を超える領域を抽出した。なお、ここで所定の階調値とは、先に述べたように、フレーム画像を目視した際に肌のテカリが感じられる領域を抽出することのできるような値など、任意の階調値を採用すればよい。あるいは、予め複数の被験者についての顔画像の解析を行い、所定の階調値を算出しておくなどしてもよい。
ステップ16で抽出した高輝度領域の面積をステップS17で算出した後、ステップS18において、各フレーム画像における高輝度面積の解析を行う。ここでの解析としては、全てのフレーム画像中の高輝度面積の平均値や、標準偏差を算出することが挙げられる。高輝度面積の平均値はすなわち、高輝度面積の絶対値の大きさを示す指標であるといえる。また、高輝度面積の標準偏差は、各フレーム画像の間における、すなわち、各表情間における高輝度面積のばらつきを表す指標であるといえる。
なお、ここで、平均値や標準偏差の計算は、ステップS17で算出した高輝度面積の値を直接用いて行ってもよいが、ステップS15で抽出した解析対象領域全体の面積に対して、ステップS17で算出した高輝度面積が占める割合を用いて計算をすることがより好ましい。このように、解析対象領域中の高輝度領域の割合を用いて解析を行うことで、被験者ごとの解析対象領域全体の面積の大きさの差による影響を抑えた解析を行うことができる。
このようにして求めた被験者の高輝度面積の絶対値や各表情間におけるばらつきより、被験者の肌状態の鑑別を行うことができる。
事前に複数の被験者について高輝度面積の解析を行い、各表情間における高輝度面積の平均値やばらつきを算出しておき、それらの複数の被験者間における平均値や標準偏差と、鑑別対象とする被験者の各表情間における高輝度面積の平均値やばらつきを比較することで、被験者の肌状態の鑑別を行えばよい。特に、肌の老化状態の鑑別を行うのであれば、事前に各表情間における高輝度面積の平均値やばらつきの、世代ごとの平均値や標準偏差を算出しておき、それらの値と被験者についての測定値を比較すれば、被験者の肌の老化状態を鑑別することができる。
なお、ステップS11における動画像の取得は、先に述べたように、汎用的なビデオカメラを用いて行えばよい。ステップS12からステップS18までの各処理については、コンピュータ装置上で動作する単一の、あるいは複数の、任意のソフトウェアを用いて行えばよい。これらのソフトウェアは、例えば、汎用的な画像処理ソフトウェアや表計算ソフトウェアなどを用いてもよいし、本発明に係る肌状態の解析のための専用のソフトウェアを用いてもよい。
[2]スジ形状面積を用いた肌状態の鑑別方法
本発明は、被験者の顔画像より、光学的に検出可能な特徴量として毛穴周辺のスジ形状領域の面積(スジ形状面積)を抽出し、その解析を行うことによって、被験者の肌状態を鑑別する、肌状態の鑑別方法である。
ここで、本発明におけるスジ形状領域とは、顔の表情の変化に伴う皮膚の伸縮等により、毛穴を含む周辺領域の形状が変化し、溝状もしくは線状の構造が生じる、スジ状の領域をいうものである。
図2は、本発明のスジ形状面積を用いた肌状態の鑑別方法を示すフローチャートである。これを参照して、本発明のスジ形状面積を用いた肌状態の鑑別方法について、詳細に説明する。
ステップS21における動画像の取得、ステップS22における動画像からのフレーム画像の取得は、先に図1を参照して説明した、特徴量として高輝度面積を用いる場合のステップS11、ステップS12と同様の手順で行えばよい。
ステップS23においても、先に図1を参照して説明したステップS13と同様に、B(青色)成分のみが含まれるB画像を取得してもよいが、特徴量としてスジ形状領域を用いる本実施形態においては、G(緑色)成分のみが含まれるG画像を取得する構成とする方がより好適である。
続くステップS24において、ステップS23で取得した各フレーム画像より、解析対象領域を抽出する。ここでは、例えば頬部位などを解析対象領域として抽出する。また、このステップを省略し、顔全体を解析対象としてもよい。
その後、ステップS25で、後のステップにおけるスジ形状領域の抽出を行いやすくするためのフィルタを適用する。ここでは例えば、スムージングやエッジ抽出などのフィルタ処理を行う。
そして、ステップS26において、階調を用いてスジ形状領域を粗に抽出する。ここでは、階調値が所定の範囲内に含まれる領域をスジ形状領域として抽出する。なお、ここでの階調値の所定範囲は、フレーム画像中から階調値が当該範囲に含まれる領域を抽出した場合にスジ形状領域が得られるような、被験者ごとの任意の範囲を採用すればよい。あるいは、予め複数の被験者についての顔画像の解析を行い、階調値の所定範囲を算出しておくなどしてもよい。
更に、ステップS27において、ステップS26で粗に抽出したスジ形状領域より線形状領域を抽出する。これは、例えば真円度によるフィルタリングなどを行い、ステップS26において抽出したスジ形状領域より、点状のノイズなどを除去する処理である。
ステップS27で抽出したスジ形状領域の面積をステップS28で算出した後、ステップS29において、各フレーム画像におけるスジ形状面積の解析を行う。ここでの解析としては、全てのフレーム画像中のスジ形状面積の平均値や、標準偏差を算出することが挙げられる。スジ形状面積の平均値はすなわち、被験者のスジ形状面積の絶対値を示す指標であるといえる。また、スジ形状面積の標準偏差は、各フレーム画像の間における、すなわち、各表情の間におけるスジ形状面積のばらつきを表す指標であるといえる。
なお、ここで、平均値や標準偏差の計算は、ステップS28で算出したスジ形状面積の値を直接用いて行ってもよいが、ステップS24で抽出した解析対象領域全体の面積に対して、ステップS28で算出したスジ形状面積が占める割合を用いて計算をすることがより好ましい。このように、解析対象領域中のスジ形状領域の割合を用いて解析を行うことで、被験者ごとの解析対象領域全体の面積の大きさの差による影響を抑えた解析を行うことができる。
このようにして求めた被験者のスジ形状面積の絶対値やばらつきより、被験者の肌状態の鑑別を行うことができる。
事前に複数の被験者についてスジ形状面積の解析を行い、各表情間におけるスジ形状面積の平均値やばらつきを算出しておき、それらの複数の被験者間における平均値や標準偏差と、鑑別対象とする被験者の各表情間におけるスジ形状面積の平均値やばらつきを比較することで、被験者の肌状態の鑑別を行えばよい。特に、肌の老化状態の鑑別を行うのであれば、事前に各表情間におけるスジ形状面積の平均値やばらつきの、世代ごとの平均値や標準偏差を算出しておき、それらの値と被験者についての測定値を比較すれば、被験者の肌の老化状態を鑑別することができる。
なお、ステップS21における動画像の取得は、先に述べたように、汎用的なビデオカメラを用いて行えばよい。ステップS22からステップS29までの各処理については、コンピュータ装置上で動作する単一の、あるいは複数の、任意のソフトウェアを用いて行えばよい。これらのソフトウェアは、例えば、汎用的な画像処理ソフトウェアや表計算ソフトウェアなどを用いてもよいし、本発明に係る肌状態の解析のための専用のソフトウェアを用いてもよい。
[3]化粧料の評価方法、設計方法
本発明は、高輝度面積及び/又はスジ形状面積による肌状態の鑑別結果に基づいた化粧料の評価方法、及び化粧料の設計方法である。
図3は、本発明に係る化粧料の評価方法を示すフローチャートである。これを参照して、本発明の化粧料の評価方法について、詳細に説明する。
まず、ステップS31において、化粧後の特徴量の解析を行う。ここで、特徴量として顔の高輝度面積を用いるのであれば、化粧後の顔画像について、図1のフローチャートに示した手順にしたがった高輝度面積の解析を行う。すなわち、ステップS11において、化粧後の動画像を取得し、その解析を行う。
また、特徴量としてスジ形状面積を用いる場合についても同様に、図2のフローチャートに示した手順に従ったスジ形状面積の解析を、ステップS21において化粧後の動画像を取得して行う。
なお、特徴量としては、高輝度面積とスジ形状面積のいずれか一方を用いてもよいし、両方を用いてもよい。また、更に異なる特徴量をあわせて用いてもよい。
ステップS31で化粧後の特徴量の解析を行った後には、ステップS32において、化粧前後の特徴量の比較を行う。ここで、比較対象とする化粧前の特徴量については、ステップS31において化粧後の特徴量を取得する対象と同一人について、事前に取得した値を用いればよい。なお、本明細書にいう化粧前とは、評価対象とする化粧料を用いていない状態を指すものである。すなわち、化粧料を使用していない素肌の状態や、評価対象とする化粧料以外の化粧料を使用している状態などを含むものである。
ここで、化粧前後の特徴量に変化が現れれば、それは化粧効果によるものであると言える。例えば、特徴量の絶対値及び各表情間におけるばらつきが小さいほど肌状態が良好である、といった特徴量、肌状態、及びそれを改善する化粧料を想定すれば、ステップS32において化粧前に比べて化粧後の特徴量の絶対値及び各表情間におけるばらつきが小さくなった度合いを、化粧効果の評価値として用いることができる。
このように、化粧前後の特徴量の比較によって化粧効果の大小を判断し、化粧料の評価を行うことができる。
図4は、上述した評価方法を用いた化粧料の設計方法を示す図である。まず、ステップS41において、図3のフローチャートに示した手順によって、高輝度面積及び/又はスジ形状面積を用いた化粧料の評価を行う。ここで評価対象とする化粧料は、その成分の処方が明らかな既存の化粧料など、任意のものであってよい。
そして、ステップS42に進み、ここで設計を完了しない場合には、ステップS43に進む。ステップS43では、ステップS41で評価対象とした化粧料の成分の処方の選択を行う。
その後、再びステップS41に戻り、ステップS43において処方を選択した化粧料について、再度化粧料の評価を行う。なお、ここでは、図3においてステップS32に示した化粧前後の特徴量の比較に加えて、あるいはそれに代えて、処方の変更前後の化粧料を用いた場合の特徴量についての比較を行ってもよい。
以上のように、化粧料の評価と、成分の処方の選択を繰り返し、十分な化粧効果が得られる化粧料の処方が得られた場合など、ステップS42において化粧料の設計を完了することが選択されると、化粧料の設計は終了する。
このように、本発明に係る肌状態の鑑別方法、そしてそれを用いた化粧料の評価方法を利用することによって、肌状態を改善するための化粧料の設計を行うことができる。
なお、本実施形態においては、実際に被験者の皮膚に化粧料を塗布し、特徴量の解析を行うことで化粧料の評価や設計を行う方法を示したが、皮膚の代替物を試料として用いて、同様の化粧料の評価や設計を行ってもよい。皮膚の代替物としては、質感や弾力性、毛穴などの表面形状等について、人の皮膚を模したものを用いることが好ましい。例えば、市販の人工皮膚などを皮膚の代替物として用い、それに外力を加えることによって圧縮や伸長などの形状変化を生じさせ、人の顔の表情変化に伴う皮膚の形状変化に類する状態を疑似的に再現し、特徴量の解析を行う、といった方法を用いることができる。
あるいは、人の表情の変化時における毛穴などの皮膚の表面形状の変化を模した試料を作成し、それを皮膚の代替物として用いてもよい。このような試料を用いることによっても、様々な表情を取った際にどのような化粧効果が生じるかを、多面的に評価することができる。
以下に、高輝度領域の一例としてのテカリ面積の解析、スジ形状面積の解析、及び化粧料の使用によるテカリ面積、スジ形状面積の変化についての実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこの実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
[1]テカリ面積の解析
<各年代におけるテカリ面積の抽出>
ここでは、20代、30代、40代、50代、60代について、それぞれ14名ずつ、計70名の女性を被験者として、図1のフローチャートに示すように、高輝度面積の抽出と解析を行った。なお、本実施例では、高輝度領域として、肌にテカリが感じられるテカリ領域を用いた解析を行った。また、肌状態として、特に被験者の年齢に伴って変化する、老化状態に着目した解析を行った。
ステップS11の動画像の取得工程では、図5に示すような被験者の表情変化を含む動画像を撮影した。各被験者は、図5(a)に示す無表情の状態から、図5(b)に示す「縦方向へ伸展した表情、図5(c)に示す縦方向へ収縮した表情、図5(d)に示す横方向に伸展した表情、図5(e)に示す横方向に収縮した表情、図5(f)に示す頬を膨らませている表情、図5(g)に示す頬を萎ませている表情の計7種類の表情を順次とり、その表情変化の様子をカラー動画像として撮影した。
なお、図5(a)〜(g)には被験者の顔を正面から撮影した場合の各表情を示したが、ここでは、図6(a)に示すように、被験者の顔を正面から向かって右に45度ずらし、被験者の左頬が動画像の中心に位置するような状態で撮影した動画像を用いた。また、図6(b)に示したように、被験者の顔を正面から向かって右に32度、上に32度ずらし、向かって右上から撮影した動画像や、図6(c)に示すように、被験者の顔を正面から向かって右に32度、下に32度ずらし、向かって右下から撮影した動画像など、他の角度から被験者の顔の表情変化を撮影した動画像を用いてもよい。
そして、ステップS12のフレーム画像の取得工程では、動画像を各フレーム画像に分解し、図5(a)〜図5(g)に示したような各表情が最も強く表出している7枚のフレーム画像を抽出した。
ステップS13のB画像の取得工程では、ステップS12で取得した各フレーム画像をRGB平面に分割し、解析対象としてB画像を取得、そして、ステップS14のフィルタ適用処理を行った。なお、ステップS14におけるフィルタ適用処理では、後のステップでテカリ領域の抽出を行いやすくするために、B画像とした各フレーム画像にFFTフィルタなどの適用を行った。
その後、ステップS15の解析対象領域の抽出処理により、図7(a)〜(g)に示したように、被験者の頬部位を解析対象領域として抽出した。
そして、ステップS16において、解析対象領域のB画像より、所定の閾値を超える階調値を有する領域をテカリ領域として抽出し、その面積を算出した。図8(a)〜(g)において黒塗りで示される領域が、図7(a)〜(g)の各B画像によりテカリ領域として抽出された領域である。なお、ここでの閾値は、目視でテカリを感じられる領域が抽出されるよう、被験者毎に別個の設定を行った。
テカリ領域が解析対象領域全体の内で占める割合を算出した結果、10代から60代までの各世代について、図9から図13に示す結果が得られた。ステップS18で、これらのテカリ面積についての解析を行った。
<テカリ面積の絶対値についての解析>
まず、各被験者のデータについて、図8(a)〜(g)に示したような全ての表情のテカリ面積の割合の平均値の算出を、それぞれ行った。そして、各被験者についての各表情間におけるテカリ面積の割合の平均値を用いて、更に、年代毎の平均値の算出を行った。また、各被験者についての各表情間におけるテカリ面積の割合の平均値から、年代毎の標準偏差の算出を行った。
以上のようにして算出した、各表情間におけるテカリ面積の割合の平均値の、年代毎の平均値及び標準偏差を、図14に示す。これを見ると、年代が上がるにつれて、テカリ面積の平均値は大きくなることが読み取れる。また、標準偏差に着目すると、年代が上がるにつれて、各表情間におけるテカリ面積の割合の平均値の、各被験者間でのばらつきが大きくなることが読み取れる。
この結果から、肌の老化状態が強く表れているほど、テカリ面積の絶対値が大きくなるという知見が得られた。
<テカリ面積のばらつきについての解析>
続いて、テカリ面積の割合の各表情間におけるばらつきについての解析を行った。まず、図8(a)〜(g)に示したような各表情についてのテカリ面積の割合の標準偏差の算出を、各被験者のデータについてそれぞれ行った。これはすなわち、各被験者についての各表情間におけるテカリ面積の割合のばらつきを示す値である。
そして、各被験者についての各表情間におけるテカリ面積の割合の標準偏差の、年代毎の平均値の算出をおこなった。これは、各年代における各表情間でのテカリ面積の割合のばらつきを示す値である。また、各被験者についての各表情間におけるテカリ面積の割合の標準偏差の、年代毎の標準偏差の算出を行った。これは、各年代における各表情間でのテカリ面積の割合のばらつきの、各被験者間でのばらつきを示す値である。
以上のように算出した、各表情間におけるテカリ面積の割合の標準偏差の年代別の平均値と、その標準偏差を、図15に示す。これを見ると、各表情間におけるテカリ面積の割合のばらつきは、年代が上がるにつれて大きくなっていくことが読み取れる。また、各被験者間での標準偏差に着目すると、各表情間でのテカリ面積の割合の変化の各被験者間のばらつきが、年代が上がるにつれて大きくなることが読み取れる。
この結果から、肌の老化状態が強く表れているほど、各表情間におけるテカリ面積のばらつき、すなわち、表情変化に伴うテカリ面積の変化量が大きくなるという知見が得られた。
[2]スジ形状面積の解析
<各年代におけるスジ形状面積の抽出>
テカリ面積の解析と同様の、20代、30代、40代、50代、60代について、それぞれ14名ずつ、計70名の女性を被験者として、図2のフローチャートに示すように、スジ形状面積の抽出と解析を行った。
ステップS21の動画像の取得、及びステップS22のフレーム画像の取得については、テカリ面積の解析においてそれぞれ取得した動画像、及びフレーム画像と同一のものを用いた。続くステップS23においては、フレーム画像からのG画像の抽出を行った。
そして、ステップS24の解析対象領域の抽出処理で、各フレームのG画像より頬部位の領域を解析対象領域として抽出し、ステップS25で、後のステップでスジ形状領域の抽出を行いやすくするために、それぞれのG画像に、スムージングやエッジ抽出などのフィルタを適用した。
ステップS26では、ステップS25で抽出した解析対象領域のG画像より、階調値が所定範囲内に含まれる領域を、スジ形状領域として粗に抽出した。更に、ステップS27において、真円度によるフィルタリングを行い、線形状の抽出を行い、その結果をスジ形状領域とした。なお、ここでの階調値の所定範囲は、フレーム画像中から階調値が当該範囲に含まれる領域を抽出した場合にスジ形状領域が得られるような、被験者ごとの任意の範囲を採用した。
スジ形状領域が解析対象領域全体の内で占める割合を算出した結果、10代から60代までの各世代について、図16から図20に示す結果が得られた。ステップS29で、これらのスジ形状面積についての解析を行った。
<スジ形状面積の絶対値についての解析>
まず、各被験者のデータについて、全ての表情のスジ形状面積の割合の平均値の算出を、それぞれ行った。そして、各被験者についての各表情間におけるスジ形状面積の割合の平均値を用いて、更に、年代毎の平均値の算出を行った。また、各被験者についての各表情間におけるスジ形状面積の割合の平均値から、年代毎の標準偏差の算出を行った。
以上のようにして算出した、各表情間におけるスジ形状面積の割合の年代毎の平均値及び標準偏差を、図21に示す。これを見ると、年代が上がるにつれて、スジ形状面積の割合の平均値は大きくなることが読み取れる。また、標準偏差に着目すると、年代が上がるにつれて、各表情間におけるスジ形状面積の割合の平均値の、各被験者間でのばらつきが大きくなることが読み取れる。
この結果から、肌の老化状態が強く表れているほど、スジ形状面積の絶対値が大きくなるという知見が得られた。
<スジ形状面積のばらつきについての解析>
続いて、スジ形状面積の割合の各表情間におけるばらつきについての解析を行った。まず、各表情についてのスジ形状面積の割合の標準偏差の算出を、各被験者のデータについてそれぞれ行った。これはすなわち、各被験者についての各表情間におけるスジ形状面積の割合のばらつきを示す値である。
そして、各被験者についての各表情間におけるスジ形状面積の割合の標準偏差の、年代毎の平均値の算出をおこなった。これは、各年代における、各表情間でのスジ形状面積の割合のばらつきを示す値である。また、各被験者についての各表情間におけるスジ形状面積の割合の標準偏差の、年代毎の標準偏差の算出を行った。これは、各年代における各表情間でのスジ形状面積の割合のばらつきの、各被験者間でのばらつきを示す値である。
以上のように算出した、各表情間におけるスジ形状面積の割合の標準偏差の平均値と、その標準偏差を、図22に示す。これを見ると、各表情間におけるスジ形状面積の割合のばらつきは、年代が上がるにつれて大きくなっていくことが読み取れる。また、各被験者間での標準偏差に着目すると、各表情間でのスジ形状面積の変化の各被験者間のばらつきが、年代が上がるにつれて大きくなることが読み取れる。
この結果から、肌の老化状態が強く表れているほど、各表情間におけるスジ形状面積のばらつき、すなわち、表情変化に伴うスジ形状面積の変化量が大きくなるという知見が得られた。
[3]化粧料の評価
化粧料の評価のために、化粧料の塗布前後におけるテカリ面積及びスジ形状面積の変化の測定を行った。これは、40代の女性5名を被験者とし、各被験者について、図1のフローチャートに示した方法によるテカリ面積の解析と、図2のフローチャートに示したスジ形状面積の解析を素肌の状態で行い、その後、評価対象とする化粧料の一例として、ファンデーションを塗布した状態で再度同様の解析を行ったものである。
化粧前後のテカリ面積の算出結果を、図23に示す。図23(a)は、5名の被験者の内の1名についての化粧前と化粧後の各表情におけるテカリ面積を、代表例として示すものである。また、図23(b)は、化粧前と化粧後のそれぞれについて、各表情間でのテカリ面積の標準偏差の、各被験者間における平均値を示すものである。これはすなわち、化粧前と化粧後のそれぞれにおける、表情変化時のテカリ面積の変動度合いを示すものである。
これらの結果を参照すると、化粧前の素肌状態と比較して、化粧後には表情変化によるテカリ面積の変動が小さくなっていることがわかる。先に図14及び図15に示した各年代におけるテカリ面積の解析結果とあわせて考えると、化粧料の塗布により、被験者の老化状態の改善が見られたと言える。
化粧前後のスジ形状領域が解析対象領域において占める割合の算出結果を、図24に示す。図24(a)は、5名の被験者の内の1名についての化粧前と化粧後の各表情における5スジ形状領域の割合を、代表例として示すものである。また、図24(b)は、化粧前と化粧後のそれぞれについて、各表情間でのスジ形状領域の割合の標準偏差の、各被験者間における平均値を示すものである。これはすなわち、化粧前と化粧後のそれぞれにおける、表情変化時のスジ形状領域の割合の変動度合いを示すものである。
これらの結果を参照すると、化粧前の素肌状態と比較して、化粧後には表情変化によるスジ形状面積の変動が小さくなっていることがわかる。先に図21及び図22に示した各年代におけるスジ形状面積の解析結果とあわせて考えると、化粧料の塗布により、被験者の老化状態の改善が見られたと言える。
以上のように、化粧料の塗布によって、テカリ面積及びスジ形状面積に変化が見られた。これより、化粧料の塗布前後におけるテカリ面積及び/又はスジ形状面積の解析を行うことで、老化状態への化粧の効果を判定し、化粧料の評価を行うことができることが見いだされた。
また、この化粧料の評価方法を利用することで、テカリ面積及び/又はスジ形状面積の絶対値や表情変化時の変動をより小さくし、老化状態に対しより良い効果を示す化粧料の設計を行うことができる可能性が示唆された。
[4]人工皮膚を用いた特徴量解析
人工皮膚に外力を加え、変形させた際のテカリ面積及びスジ形状面積の変化の測定を行った。人工皮膚としては、人の頬部の毛穴等の表面形状を模した、ビューラックス社製の頬部肌模型(2種類、2つずつの計4つ)を用いた。そして、それぞれの人工皮膚について、フォースゲージを取り付けた電動計測スタンドに万力によって固定し、電動計測スタンドを作動させることによる、表情変化時の顔の皮膚の動きを想定した変形を行った。
図25(a)に、人工皮膚を電動計測スタンドに取り付けた際の様子を示す。この際、人工皮膚下部の固定用万力と人工皮膚上部のフォースゲージとの間の距離が4cmとなるように固定した。これを、人工皮膚が外力によって変形していない、通常状態として撮影した。これはすなわち、被験者の表情変化の解析を行う実施例において図5(a)に示したような、無表情の状態に対応するものである。
次に、フォースゲージを1.7cm上昇させ、図25(b)に示すように人工皮膚を伸長させ、伸び状態として撮影を行った。これは、被験者の表情変化の解析を行う場合において図5(b)に代表されるような、解析対象領域の皮膚が伸展した状態に対応するものである。
人工皮膚を図25(a)に示したような通常状態に戻した後、人工皮膚を後方より押し出しながらフォースゲージを更に1.7cm下降させ、図25(c)に示すように人工皮膚の中央部が手前に押し出されたような状態とし、これを膨らみ状態として撮影した。これは、被験者の表情変化の解析を行う場合において図5(f)に代表されるような、解析対象領域を膨らませた状態に対応するものである。
再び人工皮膚を図25(a)に示したような通常状態に戻した後、人工皮膚を前方より押し込みながらフォースゲージを更に1.7cm下降させ、図25(d)に示すように、人工皮膚の中央部が奥に押し込まれたような状態とし、これを萎み状態として撮影した。これは、被験者の表情変化の解析を行う場合において図5(f)に代表されるような、解析対象領域を萎ませた状態に対応するものである。
以上のように、無表情の状態(図25(a))、及び表情変化によって顔の皮膚が変形した状態(図25(b)〜(c))を想定した4枚のカラー画像を撮影した後、それぞれRGB平面への分割を行った。図26(a)〜(d)は、図25(a)〜(d)の各画像より取得した、解析対象領域のB画像を示すものである。
そして、図26(a)〜(d)に示したB画像より、所定の閾値を超える階調値を有する領域をテカリ領域として抽出し、その面積を算出した。図27(a)〜(d)において黒塗りで示される領域が、図26(a)〜(d)の各B画像よりテカリ領域として抽出された領域である。
また、図25(b)〜(c)に示した画像をRGB平面へ分割したG画像より、階調値が所定範囲内に含まれる領域をスジ形状領域として粗に抽出した後、真円度によるフィルタリングや線形状の抽出を行い、その結果をスジ形状領域として抽出した。図28(a)〜(d)において黒塗りで示される領域が、図25(b)〜(c)から取得したそれぞれのG画像より、スジ形状領域として抽出された領域である。そして、それぞれについて、スジ形状領域が解析対象領域内で占める面積の割合を算出した。
図29は、図27(a)〜(d)に示したような各画像中のテカリ領域の面積を、図30は、図28(a)〜(d)に示したような各画像において、スジ形状領域として抽出された領域が占める面積の割合を、それぞれ示すものである。なお、図29及び図30における4つのデータ系列は、それぞれ、試料として用いた4つの人工皮膚に対応するものである。
図29、図30を参照すると、被験者の表情変化時についての解析結果と同様に、図26(a)〜(d)に示したような人工皮膚の変形に伴い、テカリ領域の面積、スジ形状領域の面積ともに変動していることがわかる。
以上から、人工皮膚などの皮膚の代替物を変形させることにより、表情変化時における顔の皮膚の変化に類する状態を疑似的に作り出すことができると考えられる。すなわち、人工皮膚などの皮膚の代替物に化粧料を塗布し、特徴量の解析を行うことによって、被験者の顔に化粧料を塗布して行う場合と同様に、化粧料の評価及び設計を実施できることが期待される。
なお、ここでは、図25(a)〜(d)の人工皮膚を撮影した画像をテカリ面積、スジ形状面積の解析対象とした例を示したが、被験者の表情変化を含む動画像を撮影する場合と同様、人工皮膚の変形の過程を含む動画像を撮影し、その中から解析対象とするフレーム画像を抽出するような方法を用いてもよい。
[5]複数の化粧料の効果の比較
10名の被験者について、それぞれ、素肌の状態、化粧料Aを使用した状態、及び化粧料Aと処方の異なる化粧料Bを使用した状態で、図1のフローチャートに示した方法によるテカリ面積の解析と、図2のフローチャートに示したスジ形状面積の解析を行った。
図31は、素肌状態における被験者の表情変化の様子の一例を示す図である。これは、図5に示したものと同様に、被験者の表情変化の様子を動画像として撮影し、その動画像中から、各表情が最も強く表出しているフレーム画像を取得したものである。同様に、図32は化粧料Aを使用した状態の、図33は化粧料Bを使用した状態の被験者の表情変化の様子を撮影したものである。これらのフレーム画像をRGB平面に分解し、テカリ領域の解析にはB画像を、スジ形状領域の解析にはG画像を、それぞれ用いた。なお、テカリ領域の解析、スジ形状領域の解析共に、被験者の頬部を解析対象領域とした。
図34に、素肌の状態におけるテカリ領域の解析結果を示す。図中で黒塗りとなっている領域が、テカリ領域として抽出された領域である。同様に、図35に化粧料Aを使用した状態におけるテカリ領域の解析結果を、図36に化粧料Bを使用した状態におけるテカリ領域の解析結果を示す。図34〜36を比較すると、同一の被験者であっても、素肌、化粧料A使用、化粧料B使用の各状態において、テカリ領域の態様に差異があることがわかる。
図37は、テカリ面積についての測定結果を示す図である。図37(a)は、各被験者について、図35〜37に示したような各状態、各表情におけるテカリ面積の算出を行い、10名の被験者の平均値を算出した結果を示すものである。
これを見ると、全体として、化粧料Aを使用した場合には素肌の状態よりもテカリ面積の値は大きくなり、一方、化粧料Bを使用した場合には素肌の状態よりもテカリ面積の値は小さくなる傾向がわかる。
図37(b)は、素肌、化粧料A使用、化粧料B使用の各状態について、各表情間でのテカリ面積の標準偏差の、10名の被験者における平均値を示すものである。これはすなわち、素肌、化粧料A使用、化粧料B使用のそれぞれの状態における、表情変化時のテカリ面積の変動度合いを示すものである。
これを見ると、化粧料Aを使用した場合には素肌の状態よりも表情変化時のテカリ面積の変動は大きくなり、一方で、化粧料Bを使用した場合には素肌の状態よりも表情変化時のテカリ面積の変動は小さくなっていることがわかる。
続いて、図38に、素肌の状態におけるスジ形状領域の解析結果を示す。図中で黒塗りとなっている領域が、スジ形状領域として抽出された領域である。同様に、図39に化粧料Aを使用した状態におけるスジ形状領域の解析結果を、図40に化粧料Bを使用した状態におけるスジ形状領域の解析結果を示す。図38〜40を比較すると、スジ形状領域の態様についても、同一の被験者でありながら各状態における態様に差異があることがわかる。
図41は、スジ形状面積についての測定結果を示す図である。図41(a)は、各被験者について、図38〜40に示したような各状態、各表情において解析対象領域内でスジ形状領域が占める面積の割合を算出し、10名の被験者の平均値を算出した結果を示すものである。
これを見ると、全体として、化粧料Aを使用した場合には素肌の状態よりもスジ形状領域の割合は大きくなり、一方、化粧料Bを使用した場合には素肌の状態よりもスジ形状領域の割合は小さくなる傾向がわかる。
図41(b)は、素肌、化粧料A使用、化粧料B使用の各状態について、各表情間でのスジ形状領域の割合の標準偏差の、10名の被験者における平均値を示すものである。これはすなわち、素肌、化粧料A使用、化粧料B使用のそれぞれの状態における、表情変化時のスジ形状面積の変動度合いを示すものである。
これを見ると、化粧料Aを使用した場合には素肌の状態よりも表情変化時のスジ形状面積の変動は大きくなり、一方で、化粧料Bを使用した場合には素肌の状態よりも表情変化時のスジ形状面積の変動は小さくなっていることがわかる。
以上のように、素肌、化粧料A使用、化粧料B使用の3つの状態における測定結果を比較すると、テカリ面積の解析、スジ形状面積のどちらについても、化粧料Aを使用した状態については、素肌の状態よりもテカリ面積、スジ形状面積の絶対値やばらつきが大きくなり、一方で、化粧料Bを使用した状態については、素肌の状態、及び化粧料Aを使用した状態よりも、テカリ面積、スジ形状面積の絶対値やばらつきが小さくなったことがわかる。
これは、先に実施例1,2に示した、肌の老化状態が強く表出している場合に、表情変化時のテカリ面積及びスジ形状面積の絶対値、ばらつきが大きくなっている、という解析結果に照らし合わせると、化粧料Aを使用した場合には、素肌の状態よりも肌の老化状態が強く表出してしまい、一方で、化粧料Bを使用した場合には、素肌の状態よりも肌の老化状態の表出を抑えることができるといえる。すなわち、肌の老化状態の表出を抑える、という観点では、化粧料Aよりも化粧料Bの方がより好適であるといえる。
このように、評価対象とする化粧料を使用した状態と、素肌の状態や比較対象とする他の化粧料を使用した状態のそれぞれについてテカリ面積やスジ形状面積の測定を行い、それらの結果の比較を行うことで、化粧料の評価を行うことができる。また、このような評価結果に基づいて、より好適な結果が得られるように評価対象の化粧料の処方を変更して更に測定を繰り返すことで、化粧料の設計を行うことができると考えられる。
本発明は、化粧料の販売、カウンセリング、エステティック等の場面における顧客の肌状態の鑑別や、化粧料の研究開発における評価や設計などに利用できる。

Claims (30)

  1. 肌状態の鑑別方法であって、
    被験者の表情顔を撮影した顔画像を取得する顔画像取得工程と、
    前記顔画像より光学的に検出可能な特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
    前記特徴量に基づいて前記被験者の肌状態を鑑別する肌状態鑑別工程と、を備えることを特徴とする、肌状態の鑑別方法。
  2. 前記顔画像取得工程において、それぞれ表情の異なる複数の前記顔画像を取得し、
    前記特徴量抽出工程において、複数の前記顔画像のそれぞれについての前記特徴量を抽出し、
    前記肌状態鑑別工程において、複数の前記特徴量を用いることを特徴とする、請求項1に記載の肌状態の鑑別方法。
  3. 複数の前記顔画像として、前記被験者の表情の変化を含む動画像中の複数のフレーム画像を用いることを特徴とする、請求項2に記載の肌状態の鑑別方法。
  4. 前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載の肌状態の鑑別方法。
  5. 前記特徴量抽出工程において、前記顔画像の輝度より前記特徴量を抽出することを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載の肌状態の鑑別方法。
  6. 前記特徴量が、前記顔画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域に関する量を含むことを特徴とする、請求項1から請求項5の何れかに記載の肌状態の鑑別方法。
  7. 前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
    前記特徴量抽出工程において、前記顔画像中で所定範囲の輝度を有する領域を、前記スジ形状領域として抽出することを特徴とする、請求項1から請求項6の何れかに記載の肌状態の鑑別方法。
  8. 前記肌状態が、老化状態であることを特徴とする、請求項1から請求項7の何れかに記載の肌状態の鑑別方法。
  9. 化粧料の評価方法であって、
    化粧後の表情顔を撮影した化粧後画像を取得する化粧後画像取得工程と、
    前記化粧後画像より光学的に検出可能な化粧後の特徴量を抽出する化粧後特徴量抽出工程と、
    前記化粧後の特徴量と、同様にして予め取得された同一人の化粧前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、を備えることを特徴とする、化粧料の評価方法。
  10. 前記化粧後画像取得工程において、それぞれ表情の異なる複数の前記化粧後画像を取得し、
    前記化粧後特徴量抽出工程において、複数の前記化粧後画像のそれぞれについての前記化粧後の特徴量を抽出し、
    前記評価工程において、複数の前記化粧後の特徴量と、複数の前記化粧前の特徴量と、を用いることを特徴とする、請求項9に記載の化粧料の評価方法。
  11. 複数の前記化粧後画像として、表情の変化を含む動画像中の複数のフレーム画像を用いることを特徴とする、請求項10に記載の化粧料の評価方法。
  12. 前記化粧後の特徴量及び前記化粧前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含むことを特徴とする、請求項9から請求項11の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  13. 前記化粧後特徴量抽出工程において、前記化粧後画像の輝度より前記化粧後の特徴量を抽出することを特徴とする、請求項9から請求項12の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  14. 前記化粧後の特徴量及び前記化粧前の特徴量が、前記化粧後画像及び化粧前の表情顔を撮影した画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域に関する量を含むことを特徴とする、請求項9から請求項13の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  15. 前記化粧後の特徴量及び前記化粧前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
    前記化粧後特徴量抽出工程において、前記化粧後画像中で所定範囲の輝度を有する領域を、前記スジ形状領域として抽出することを特徴とする、請求項9から請求項14の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  16. 化粧料の設計方法であって、
    化粧後の表情顔を撮影した化粧後画像を取得する化粧後画像取得工程と、
    前記化粧後画像より光学的に検出可能な化粧後の特徴量を抽出する化粧後特徴量抽出工程と、
    前記化粧後の特徴量と、同様にして予め取得された同一人の化粧前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、
    前記化粧効果に基づいて、前記化粧料の成分の処方を選択する選択工程と、を備えることを特徴とする、化粧料の設計方法。
  17. 前記化粧後画像取得工程において、それぞれ表情の異なる複数の前記化粧後画像を取得し、
    前記化粧後特徴量抽出工程において、複数の前記化粧後画像のそれぞれについての前記特徴量を抽出し、
    前記評価工程において、複数の前記特徴量の間のばらつきから前記化粧効果を評価し、
    前記選択工程において、前記ばらつきが小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする、請求項16に記載の化粧料の設計方法。
  18. 前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
    前記選択工程において、前記スジ形状領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする、請求項16又は請求項17に記載の化粧料の設計方法。
  19. 前記特徴量が前記化粧後画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域の面積を含み、
    前記選択工程において、前記高輝度領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする、請求項16又は請求項17に記載の化粧料の設計方法。
  20. 皮膚の代替物を試料として用いる化粧料の評価方法であって、
    前記化粧料を塗布した前記試料を撮影した塗布後画像を取得する塗布後画像取得工程と、
    前記塗布後画像より光学的に検出可能な化粧料塗布後の特徴量を抽出する塗布後特徴量抽出工程と、
    前記化粧料塗布後の特徴量と、同様にして予め取得された同一試料の化粧料塗布前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、を備えることを特徴とする、化粧料の評価方法。
  21. 前記塗布後画像取得工程において、前記試料をそれぞれ異なる形状に変形させた状態の複数の前記塗布後画像を取得し、
    前記塗布後特徴量抽出工程において、複数の前記塗布後画像のそれぞれについての前記化粧料塗布後の特徴量を抽出し、
    前記評価工程において、複数の前記化粧料塗布後の特徴量と、複数の前記化粧料塗布前の特徴量と、を用いることを特徴とする、請求項20に記載の化粧料の評価方法。
  22. 複数の前記塗布後画像として、前記試料の変形の過程を含む動画像中の複数のフレーム画像を用いることを特徴とする、請求項21に記載の化粧料の評価方法。
  23. 前記試料の表面形状が人の皮膚の毛穴を模したものであって、
    前記化粧料塗布後の特徴量及び前記化粧料塗布前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含むことを特徴とする、請求項20から請求項22の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  24. 前記塗布後特徴量抽出工程において、前記塗布後画像の輝度より前記化粧料塗布後の特徴量を抽出することを特徴とする、請求項20から請求項23の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  25. 前記化粧料塗布後の特徴量及び前記化粧料塗布前の特徴量が、前記塗布後画像及び化粧料塗布前の前記試料を撮影した画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域に関する量を含むことを特徴とする、請求項20から請求項24の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  26. 前記試料の表面形状が人の皮膚の毛穴を模したものであって、
    前記化粧料塗布後の特徴量及び前記化粧料塗布前の特徴量が、皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
    前記塗布後特徴量抽出工程において、前記塗布後画像中で所定範囲の輝度を有する領域を、前記スジ形状領域として抽出することを特徴とする、請求項20から請求項25の何れかに記載の化粧料の評価方法。
  27. 皮膚の代替物を試料として用いる化粧料の設計方法であって、
    前記化粧料を塗布した前記試料を撮影した塗布後画像を取得する塗布後画像取得工程と、
    前記塗布後画像より光学的に検出可能な化粧料塗布後の特徴量を抽出する塗布後特徴量抽出工程と、
    前記化粧料塗布後の特徴量と、同様にして予め取得された同一試料の化粧料塗布前の特徴量とを比較し、化粧効果を評価する評価工程と、
    前記化粧効果に基づいて、前記化粧料の成分の処方を選択する選択工程と、を備えることを特徴とする、化粧料の設計方法。
  28. 前記塗布後画像取得工程において、前記試料をそれぞれ異なる形状に変形させた状態の複数の前記塗布後画像を取得し、
    前記塗布後特徴量抽出工程において、複数の前記塗布後画像のそれぞれについての前記特徴量を抽出し、
    前記評価工程において、複数の前記特徴量の間のばらつきから前記化粧効果を評価し、
    前記選択工程において、前記ばらつきが小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする、請求項27に記載の化粧料の設計方法。
  29. 前記試料の表面形状が人の皮膚の毛穴を模したものであって、
    前記特徴量が皮膚の毛穴周辺のスジ形状領域に関する量を含み、
    前記選択工程において、前記スジ形状領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする、請求項27又は請求項28に記載の化粧料の設計方法。
  30. 前記特徴量が前記塗布後画像中で所定の輝度よりも高い輝度を有する高輝度領域の面積を含み、
    前記選択工程において、前記高輝度領域の面積が小さくなるように前記処方を選択することを特徴とする、請求項27又は請求項28に記載の化粧料の設計方法。
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