JP2017217403A - 什器構成部材、及び什器 - Google Patents
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Abstract
Description
これに対して、特許文献1に開示される椅子の場合には、最も張材が引っ張られやすい支持材の角部に外周方向に開口する嵌合溝を形成し、この嵌合溝に張材を支持材よりも外方に向けて押し出す軟質材からなる縁材が嵌合された構成となっている。このような構成とすることで、張材に最も局所的な伸びが発生し衝撃に弱い部位を保護することを可能としている。
そして、支持材の角部近傍に衝突等の衝撃によってモーメントが作用した場合でも、軟質部材と支持材とが面接触する領域が大きいことから、軟質部材全体が支持材から外れることを抑制することができる。
また、軟質部材が支持材の第一面から第二面に対して第一部位及び第二部位から構成されるL字状をなして当接する構成となるため、支持材に対する軟質部材の取り付け作業が容易になる。
さらに、什器構成部材を備える什器を用いることで、移動に際して他の什器や建築躯体に衝突した場合でも、その衝撃により張材が破れにくい什器となる。
また、第三部位が抜止部によって押圧されることにより弾性変形し、第一部位が第三部位が嵌合溝から抜け出す側に押し出されることになる。この押し出された第一部位においても張力をもった張材に密着した状態でより押圧されるので、軟質部材の脱落をより確実に防止することができる。
図1に示す本実施形態による什器構成部材は、椅子1(什器)における背凭れ50、或いは座体40に用いられるものである。本実施形態では、背凭れ50に什器構成部材が適用された一例について説明する。
本実施形態の椅子1は、床面F上に設けられる脚体10と、脚部10の上部に設置されるボックス状(不図示)の支基20と、支基20の上部に取り付けられた座受け部材30と、座受け部材30にスライド可能に支持され着座者が着座する座体(椅子用荷重支持部材)40と、支基20から延び座体40に着座した着座者の背中を支持する背凭れ(椅子用荷重支持部材)50と、を備えている。
座受け部材30は、支基20の上部に取り付けられた4本のリンクアーム(不図示。以下同じ。)と、リンクアーム同士を連結する左右一対の固定フレーム(図示省略)と、を有している。本実施形態では、脚部10、支基20及び座受け部材30によって支持構造体3を構成している。
座体40は、座フレーム41と、座フレーム41に張設された張材42と、を有している。張材42の上面は、着座者の荷重を受ける荷重支持面42Uとされている。
背後枠53は、下辺部531と、側辺部532と、上辺部533と、を有している。下辺部531と側辺部532と上辺部533とは、例えばアルミ等の金属または所定の強度を有する樹脂等により一体に形成され、又は別部材で形成されている。
なお、背後枠53は、枠形状であることに限定されることはなく、板状などの他の形状であってもかまわない。
各下辺部531の上端部には、側辺部532が連結されている。各側辺部532は、上方に向かうにしたがって次第に左右方向X2の外側に向かって傾斜している。
側辺部532の下部は、上方に向かうにしたがって次第に前方に向かって傾斜している。側辺部532の上部は、上方に向かうにしたがって次第に後方に向かって傾斜している。各側辺部532の上部どうしは、上辺部533で連結されている。
上部腕部541、下部腕部542、縦杆60及び上杆61は、例えば樹脂等で一体として形成されている。縦杆60及び上杆61は、張材52から作用する力に応じて弾性変形可能に構成されている。
図4に示すように、背後枠53の側辺部532の下部には、固定コマ53aがボルト53Xで固定されている。下部腕部542は、固定コマ53aを外嵌している。下部腕部542と固定コマ53aとは、抜け止めピン53bにより固定されている。下部腕部542は、背後枠53の側辺部532から前方に延びるとともに、前方に向かうにしたがって次第に左右方向X2の外側に延びている。
図2に示すように、各縦杆60は、上下方向に沿って延びている。詳細には、縦杆60は、下方に向かうにしたがって次第に左右方向X2の内側に向かって傾斜している。一対の縦杆60の下端どうしは、互いに連結されている。
図3及び図4に示すように、縦杆60は、荷重支持面52F(図1参照)と直交する面直方向に沿った断面(左右方向X2に沿った水平断面)において、荷重支持面52Fに沿うとともに左右方向X2に幅広な板状をなしている。
縦杆60の外縁(左右方向X2の外側の端部)には、内方に向かって凹む嵌合溝62が形成されている。嵌合溝62には、張材52の端部が巻き込まれている。
図3及び図4に示すように、上部腕部541及び下部腕部542が前方に向かうにしたがって次第に左右方向X2の外側に延びていることで、縦杆60は側辺部532よりも左右方向X2の外側に配置されている。
図5に示すように、縦杆60は、張材52に対して交差する方向に延び張材52の外周縁端52aを係合する第一面60aと、第一面60aに交差し張材52に沿って配置された第二面60bと、を有している。
張材52の外周縁端52aは、硬質部材から形成される抜止部521に巻き回した状態で例えば縫合、接着、溶着等の固定手段により固着されている。この抜止部521は、嵌合溝62内に押し込まれた状態で嵌合している。
そして、係合凸部63には、軟質部材70の第二部位72の左右方向X2の内側の内端70aが係止されている。
さらに、本実施形態では、嵌合溝62の内側に向けて少なくとも軟質部材70の第三部位73の一部が延設されているので、張材52の外周縁部が嵌合溝62から抜けようとする力によって縦杆60から浮き上がろうとする軟質部材70の部位を、張材52の張力で押え込むことができる。したがって、軟質部材70の浮き上がった部分の空間を利用して衝突時の衝撃を吸収することが可能となり、軟質部材70の薄型化を図ることができる。
また、軟質部材70が縦杆60の第一面60aから第二面60bに対して第一部位71及び第二部位72から構成されるL字状をなして当接する構成となるため、縦杆60に対する軟質部材70の取り付け作業が容易になる。
さらに、本実施形態のように張材取付け部1Aを備える椅子1を用いることで、移動に際して他の什器や建築躯体に衝突した場合でも、その衝撃により張材52が破れにくい什器となる。
図6に示す第二実施形態による張材取付け部1B(什器構成部材)は、軟質部材70において、第一部位71の後端から縦杆60に形成される嵌合溝62の内側に向けて延在される第三部位73を有する構成となっている。第三部位73は、嵌合溝62の内壁と張材52の抜止部521との間に挟持された状態で嵌合溝62内に配置されている。本実施形態も、上述した第一実施形態と同様の係合凸部63が縦杆60の第二面60bに形成され、軟質部材70の第二部位72の内端70aが係合凸部63に当接した状態で配置されている。
なお、第三部位73が抜止部521によって押圧されることにより弾性変形し、第一部位71が左右方向X2の外側(第三部位73が嵌合溝62から抜け出す側)に押し出されることになる。この押し出された第一部位71においても張力をもった張材52に密着した状態でより押圧されるので、軟質部材70の脱落をより確実に防止することができる。
次に、図8に示すように、第三実施形態による張材取付け部1C(什器構成部材)は、縦杆60の第二面60bに係合凹部64(規制部)が形成され、軟質部材70の第二部位72には係合凹部64に係合する被係止凸部74が形成された構成となっている。係合凹部64は、嵌合溝62の溝奥部に連通している。被係止凸部74は、係合凹部64に挿入した状態で、その突出端部74aが嵌合溝62内に位置するように配置されている。軟質部材70は、上述した第一実施形態と同様に、縦杆60の第一面60aに接触する第一部位71と、第二面60bに接触する第二部位72と、を有し、上記の第二実施形態の第三部位73(図6参照)は省略されている。また、嵌合溝62の奥側には、係合凹部64の同軸線上の位置に凹溝62aが形成されている。張材52によって後方に押圧されて軟質部材70の第二部位72が変形すると、係合凹部64内に係合される被係合凸部74がさらに奥に進出したときにその突出端部74aが嵌合溝62の凹溝62aの位置まで変形することが可能となっている。
例えば、縦杆60の第二面60bと軟質部材70の第二部位72との係合構造は、上述した実施形態に限定されることはない。他の例として、軟質部材70の第二部位72に、縦杆60の第二面60bに係形成される係合凸部に係合する被係止凹部が形成される構成であってもよい。この場合には、張材52とともに張設面方向の内側に引っ張られた軟質部材70の被係止凹部が縦杆60に形成された係合凸部に係合することから、軟質部材70の張設面方向の内側への移動を規制することができる。
この場合には、軟質部材70の第一面71の近傍部位が厚肉化しているので、小さな曲率で巻き付けられた張材52の張力が最も大きく作用する部位の厚さが大になる。しかし、軟質部材70が縦杆60の第二面60bに広く面接触していることによって、厚肉部位の縦杆60からの浮き上がりを防止することができる。
この場合も、嵌合溝62内で張材52の張力によって軟質部材70の第三部位73が抜止部521に押圧されることにより弾性変形し、第一部位71が左右方向X2の外側(第三部位73が嵌合溝62から抜け出す側)に押し出されることになる。この押し出された第一部位71においても張力をもった張材52に密着した状態でより押圧されるので、軟質部材70の脱落をより確実に防止することができる。
さらに、本実施形態では、背前枠54における縦杆60及び上杆61が張材52から作用する力に応じて弾性変形可能に構成されているが、弾性変形しない構成であってもよい。
1A〜1E 張材取付け部(什器構成部材)
10 脚部
20 支基
40 座体
50 背凭れ
51 背フレーム
52 張材
521 抜止部
54 背前枠
60 縦杆(支持材)
60a 第一面
60b 第二面
62 嵌合溝
63 係合凸部(規制部)
64 係合凹部(規制部)
70 軟質部材
71 第一部位
72 第二部位
73 第三部位
74 被係止凸部
F 床面
X1 前後方向
X2 左右方向
Claims (6)
- 対向して配置された一対の支持材と、
前記一対の支持材同士の間に張設される張材と、
前記支持材と前記張材との間に介在され、前記張材の張力によって弾性変形可能な材料から形成された軟質部材と、
を備え、
前記支持材は、
前記張材に対して交差する方向に延びる第一面と、
該第一面に内方に凹むように形成され、前記張材の外周縁端を係合する嵌合溝と、
前記第一面に交差し前記張材に沿って配置された第二面と、を有し、
前記軟質部材は、
前記第一面と前記張材との間に挟み込まれる第一部位と、
前記第二面と前記張材との間に挟み込まれる第二部位と、
前記第一部位から前記嵌合溝に向けて少なくとも一部が延設された第三部位と、を有していることを特徴とする什器構成部材。 - 前記第三部位は、前記嵌合溝の内壁に係合されていることを特徴とする請求項1に記載の什器構成部材。
- 前記第二面には、前記軟質部材を対をなす前記支持材に向かう方向への移動を規制する規制部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の什器構成部材。
- 前記軟質部材における前記第一部位と前記第二部位との交差部分は、他部位よりも厚肉に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の什器構成部材。
- 前記張材の外周縁端には、前記嵌合溝に圧入される抜止部が形成され、
前記嵌合溝内に位置する前記軟質部材の前記第三部位は、前記嵌合溝の内壁と前記抜止部との間に挟持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の什器構成部材。 - 床面に設置される支持構造体と、
該支持構造体に支持された請求項1乃至5のいずれか1項に記載の什器構成部材と、
を備えたことを特徴とする什器。
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