JP2017217313A - 超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラム - Google Patents

超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】組織性状を定量的かつ正確に推定することができる超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラムを提供する。
【解決手段】超音波観測装置3は、超音波信号に基づいて複数のサンプリング点ごとに複数の種類の物理量を算出する物理量算出部333と、超音波の送受信方向に沿った複数の音線のうち注目する音線の設定を行う音線設定部334と、注目する音線上の複数のサンプリング点の物理量が閾値を超えるか否かを物理量の種類ごとに判定する個別判定部335aと、個別判定部による判定結果の組み合わせが、予め設定されている組み合わせになっているサンプリング点が存在するか否かを判定する組合せ判定部335と、注目する音線上の複数の物理量と、超音波の受信深度との関係を示す各グラフに対して、組合せ判定部による判定結果に応じたグラフデータを生成するグラフデータ生成部343と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて観測対象の組織を観測する超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラムに関する。
観測対象である生体組織または材料の特性を観測するために、超音波を適用することがある。具体的には、観測対象に超音波を送信し、その観測対象によって反射された超音波エコーに対して所定の信号処理を施すことにより、観測対象の特性に関する情報を取得する。
このうち、超音波を用いた被検体等の観測対象の生体組織の性状(以下、組織性状という)を観測する技術として、受信した超音波信号の反射分布に応じて画像化する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、反射特性が異なる領域において発生した超音波エコーに基づくエコー信号を選択的に抽出する。抽出した受信信号に基づいて画像化することで、組織性状別に画像表示を行うことができる。
特開2006−217934号公報
ここで、特許文献1が開示する技術は、組織性状別にエコー信号を抽出して画像化しているものの、抽出対象の組織性状を定量的かつ正確に推定できるような画像にはなっていなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、組織性状を定量的かつ正確に推定することができる超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る超音波観測装置は、観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置であって、前記超音波信号に基づいて複数のサンプリング点ごとに複数の種類の物理量を算出する物理量算出部と、前記超音波画像を構成する前記超音波の送受信方向に沿った複数の音線のうち注目する少なくとも一つの音線の設定を行う音線設定部と、前記複数の物理量について、前記音線設定部により設定された注目する音線上の前記複数のサンプリング点の物理量が閾値を超えるか否かを前記物理量の種類ごとに判定する個別判定部と、前記個別判定部による判定結果の組み合わせが、予め設定されている組み合わせになっている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する組合せ判定部と、前記注目する音線上の前記複数の物理量と、前記超音波の受信深度との関係を示す各グラフに対して、前記組合せ判定部による判定結果に応じた表示態様を有するグラフデータを生成するグラフデータ生成部と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記組合せ判定部は、前記複数の物理量のうちのすべての物理量が閾値を超えている前記サンプリング点が存在するか否かを判定することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記組合せ判定部は、前記複数の物理量のうちの少なくとも一つの物理量が閾値を超えている前記サンプリング点が存在するか否かを判定することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記組合せ判定部は、前記複数の物理量のうちのすべての物理量が閾値より小さい前記サンプリング点が存在するか否かを判定することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記観測対象の観測項目に応じた前記複数の物理量の閾値、および前記複数の物理量の前記観測項目に対する対応関係を記憶する物理量情報記憶部と、前記観測項目および少なくとも一つの物理量の設定入力に応じて、設定入力された前記物理量と組をなす前記物理量を設定し、前記組をなす物理量について、各物理量の閾値の設定を行う制御部と、をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記グラフデータ生成部は、前記組合せ判定部による判定結果に加え、前記個別判定部による判定結果に応じた表示態様を有する前記グラフデータを生成することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記超音波画像を含む超音波画像データを生成する超音波画像データ生成部をさらに備え、前記超音波画像データ生成部は、前記組合せ判定部による判定結果に応じて前記超音波画像の表示態様を有する前記超音波画像データを生成することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記制御部は、前記超音波画像と、前記グラフとを並べて表示部に表示させることを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記超音波画像および前記グラフは、前記音線の方向と前記受信深度の方向とが揃っていることを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記物理量情報記憶部は、前記観測対象の観測項目に応じた前記物理量の組合せを記憶することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記超音波信号に基づいて生成される信号の周波数を解析することによって複数の周波数スペクトルを算出する周波数解析部をさらに備え、前記物理量算出部は、複数の前記物理量の一つとして、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに基づく周波数特徴量を算出することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記物理量算出部は、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルを直線近似することによって前記周波数特徴量を算出することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記周波数特徴量は、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルを近似することによって得られた傾き、切片およびミッドバンドフィットのうちの少なくとも一つであることを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置の作動方法は、観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置の作動方法であって、物理量算出部が、前記超音波信号に基づいて複数のサンプリング点ごとに複数の種類の物理量を算出する物理量算出ステップと、音線設定部が、前記超音波画像を構成する前記超音波の送受信方向に沿った複数の音線のうち注目する少なくとも一つの音線の設定を行う音線設定ステップと、個別判定部が、前記複数の物理量について、前記音線設定部により設定された注目する音線上の前記複数のサンプリング点の物理量が閾値を超えるか否かを前記物理量の種類ごとに判定する個別判定ステップと、組合せ判定部が、前記個別判定部による判定結果の組み合わせが、予め設定されている組み合わせになっている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する組合せ判定ステップと、グラフデータ生成部と、前記注目する音線上の前記複数の物理量と、前記超音波の受信深度との関係を示す各グラフに対して、前記組合せ判定部による判定結果に応じた表示態様を有するグラフデータを生成するグラフデータ生成ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置の作動プログラムは、観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置の作動プログラムであって、物理量算出部が、前記超音波信号に基づいて複数のサンプリング点ごとに複数の種類の物理量を算出する物理量算出手順と、音線設定部が、前記超音波画像を構成する前記超音波の送受信方向に沿った複数の音線のうち注目する少なくとも一つの音線の設定を行う音線設定手順と、個別判定部が、前記複数の物理量について、前記音線設定部により設定された注目する音線上の前記複数のサンプリング点の物理量が閾値を超えるか否かを前記物理量の種類ごとに判定する個別判定手順と、組合せ判定部が、前記個別判定部による判定結果の組み合わせが、予め設定されている組み合わせになっている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する組合せ判定手順と、グラフデータ生成部と、前記注目する音線上の前記複数の物理量と、前記超音波の受信深度との関係を示す各グラフに対して、前記組合せ判定部による判定結果に応じた表示態様を有するグラフデータを生成するグラフデータ生成手順と、を前記超音波観測装置に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、組織性状を定量的かつ正確に推定することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置を備えた超音波観測システムの構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の信号増幅部が行う増幅処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の増幅補正部が行う増幅補正処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。 図4は、超音波信号の1つの音線におけるデータ配列を模式的に示す図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の周波数解析部により算出された周波数スペクトルの例を示す図である。 図6は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の減衰補正部が補正した補正特徴量をパラメータとして有する直線を示す図である。 図7は、組織性状と物理量との関係を説明する図である。 図8は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。 図9は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の周波数解析部が実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図10は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測システムの表示装置における特徴量画像の表示例を模式的に示す図である。 図11は、本発明の一実施の形態の変形例2に係る超音波観測装置の表示装置における特徴量画像の表示例を模式的に示す図である。 図12は、本発明の一実施の形態の変形例3に係る超音波観測装置の表示装置における特徴量画像の表示例を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置3を備えた超音波観測システム1の構成を示すブロック図である。同図に示す超音波観測システム1は、観測対象である被検体へ超音波を送信し、該被検体で反射された超音波を受信する超音波内視鏡2(超音波プローブ)と、超音波内視鏡2が取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置3と、超音波観測装置3が生成した超音波画像を表示する表示装置4と、を備える。
超音波内視鏡2は、その先端部に、超音波観測装置3から受信した電気的なパルス信号を超音波パルス(音響パルス)に変換して被検体へ照射するとともに、被検体で反射された超音波エコーを電圧変化で表現する電気的なエコー信号に変換して出力する超音波振動子21を有する。超音波振動子21は、コンベックス振動子、リニア振動子およびラジアル振動子のいずれでも構わない。超音波内視鏡2は、超音波振動子21をメカ的に走査させるものであってもよいし、超音波振動子21として複数の素子をアレイ状に設け、送受信にかかわる素子を電子的に切り替えたり、各素子の送受信に遅延をかけたりすることで、電子的に走査させるものであってもよい。
超音波内視鏡2は、通常は撮像光学系および撮像素子を有しており、被検体の消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)、または呼吸器(気管、気管支)へ挿入され、消化管および呼吸器、その周囲臓器(膵臓、胆嚢、胆管、胆道、リンパ節、縦隔臓器、血管等)のいずれかを撮像することが可能である。また、超音波内視鏡2は、撮像時に被検体へ照射する照明光を導くライトガイドを有する。このライトガイドは、先端部が超音波内視鏡2の被検体への挿入部の先端まで達している一方、基端部が照明光を発生する光源装置に接続されている。なお、超音波内視鏡2に限らず、撮像光学系および撮像素子を有しない超音波プローブであってもよい。
超音波観測装置3は、超音波内視鏡2と電気的に接続され、所定の波形および送信タイミングに基づいて高電圧パルスからなる送信信号(パルス信号)を超音波振動子21へ送信するとともに、超音波振動子21から電気的な受信信号であるエコー信号を受信してデジタルの高周波(RF:Radio Frequency)信号のデータ(以下、RFデータという)を生成、出力する送受信部31と、送受信部31から受信したRFデータをもとにデジタルのBモード用受信データを生成する信号処理部32と、送受信部31から受信したRFデータに対して所定の演算を施す演算部33と、各種画像データを生成する画像処理部34と、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザインタフェースを用いて実現され、各種情報の入力を受け付ける入力部35と、超音波観測システム1全体を制御する制御部36と、超音波観測装置3の動作に必要な各種情報を記憶する記憶部37と、を備える。
送受信部31は、エコー信号を増幅する信号増幅部311を有する。信号増幅部311は、受信深度が大きいエコー信号ほど高い増幅率で増幅するSTC(Sensitivity Time Control)補正を行う。図2は、信号増幅部311が行う増幅処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。図2に示す受信深度zは、超音波の受信開始時点からの経過時間に基づいて算出される量である。図2に示すように、増幅率β(dB)は、受信深度zが閾値zthより小さい場合、受信深度zの増加に伴ってβからβth(>β0)へ線型に増加する。また、増幅率β(dB)は、受信深度zが閾値zth以上である場合、一定値βthをとる。閾値zthの値は、観測対象から受信する超音波信号がほとんど減衰してしまい、ノイズが支配的になるような値である。より一般に、増幅率βは、受信深度zが閾値zthより小さい場合、受信深度zの増加に伴って単調増加すればよい。なお、図2に示す関係は、予め記憶部37に記憶されている。
送受信部31は、信号増幅部311によって増幅されたエコー信号に対してフィルタリング等の処理を施した後、A/D変換することによって時間ドメインのRFデータを生成し、信号処理部32および演算部33へ出力する。なお、超音波内視鏡2が複数の素子をアレイ状に設けた超音波振動子21を電子的に走査させる構成を有する場合、送受信部31は、複数の素子に対応したビーム合成用の多チャンネル回路を有する。
送受信部31が送信するパルス信号の周波数帯域は、超音波振動子21におけるパルス信号の超音波パルスへの電気音響変換の線型応答周波数帯域をほぼカバーする広帯域にするとよい。また、信号増幅部311におけるエコー信号の各種処理周波数帯域は、超音波振動子21による超音波エコーのエコー信号への音響電気変換の線型応答周波数帯域をほぼカバーする広帯域にするとよい。これらにより、後述する周波数スペクトルの近似処理を実行する際、精度のよい近似を行うことが可能となる。
送受信部31は、制御部36が出力する各種制御信号を超音波内視鏡2に対して送信するとともに、超音波内視鏡2から識別用のIDを含む各種情報を受信して制御部36へ送信する機能も有する。
信号処理部32は、RFデータに対してバンドパスフィルタ、包絡線検波、対数変換など公知の処理を施し、デジタルのBモード用受信データを生成する。対数変換では、RFデータを基準電圧Vcで除した量の常用対数をとってデシベル値で表現する。信号処理部32は、生成したBモード用受信データを、画像処理部34へ出力する。信号処理部32は、CPU(Central Processing Unit)や各種演算回路等を用いて実現される。
演算部33は、送受信部31が生成したRFデータに対して受信深度によらず増幅率βを一定とするよう増幅補正を行う増幅補正部331と、増幅補正を行ったRFデータに高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を施して周波数解析を行うことにより周波数スペクトルを算出する周波数解析部332と、周波数解析部332により算出された周波数スペクトルをもとに、該周波数スペクトルの特徴量を算出する特徴量算出部333と、画像内において音線の設定を行う音線設定部334と、音線設定部334により設定された音線における複数の物理量について、各々設定されている閾値を超えているか否かを判定する判定部335と、を有する。演算部33は、CPUや各種演算回路等を用いて実現される。
図3は、増幅補正部331が行う増幅補正処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。図3に示すように、増幅補正部331が行う増幅補正処理における増幅率β(dB)は、受信深度zがゼロのとき最大値βth−β0をとり、受信深度zがゼロから閾値zthに達するまで線型に減少し、受信深度zが閾値zth以上のときゼロである。このように定められる増幅率によって増幅補正部331がデジタルRF信号を増幅補正することにより、信号処理部32におけるSTC補正の影響を相殺し、一定の増幅率βthの信号を出力することができる。なお、増幅補正部331が行う受信深度zと増幅率βの関係は、信号処理部32における受信深度と増幅率の関係に応じて異なることは勿論である。
このような増幅補正を行う理由を説明する。STC補正は、アナログ信号波形の振幅を全周波数帯域にわたって均一に、かつ、深度に対しては単調増加する増幅率で増幅させることで、アナログ信号波形の振幅から減衰の影響を排除する補正処理である。このため、エコー信号の振幅を輝度に変換して表示するBモード画像を生成する場合、かつ、一様な組織を走査した場合には、STC補正を行うことによって深度によらず輝度値が一定になる。すなわち、Bモード画像の輝度値から減衰の影響を排除する効果を得ることができる。
一方、本実施の形態のように超音波の周波数スペクトルを算出して解析した結果を利用する場合、STC補正でも超音波の伝播に伴う減衰の影響を正確に排除できるわけではない。なぜなら、一般に減衰量は周波数によって異なるが(後述する式(1)を参照)、STC補正の増幅率は距離だけに応じて変化し、周波数依存性がないためである。
上述した問題、すなわち、超音波の周波数スペクトルを算出して解析した結果を利用する場合、STC補正でも超音波の伝播に伴う減衰の影響を正確に排除できるわけではない、という問題を解決するには、Bモード画像を生成する際にSTC補正を施した受信信号を出力する一方、周波数スペクトルに基づいた画像を生成する際に、Bモード画像を生成するための送信とは異なる新たな送信を行い、STC補正を施していない受信信号を出力することが考えられる。ところがこの場合には、受信信号に基づいて生成される画像データのフレームレートが低下してしまうという問題がある。
そこで、本実施の形態では、生成される画像データのフレームレートを維持しつつ、Bモード画像用にSTC補正を施した信号に対してSTC補正の影響を排除するために、増幅補正部331によって増幅率の補正を行う。
周波数解析部332は、増幅補正部331が増幅補正した各音線のRFデータ(ラインデータ)を所定の時間間隔でサンプリングし、サンプルデータを生成する。周波数解析部332は、サンプルデータ群にFFT処理を施すことにより、RFデータ上の複数の箇所(データ位置)における周波数スペクトルを算出する。ここでいう「周波数スペクトル」とは、サンプルデータ群にFFT処理を施すことによって得られた「ある受信深度zにおける強度の周波数分布」を意味する。また、ここでいう「強度」とは、例えばエコー信号の電圧、エコー信号の電力、超音波エコーの音圧、超音波エコーの音響エネルギー等のパラメータ、これらパラメータの振幅や時間積分値やその組み合わせのいずれかを指す。
一般に、周波数スペクトルは、観測対象が生体組織である場合、超音波が走査された生体組織の性状によって異なる傾向を示す。これは、周波数スペクトルが、超音波を散乱する散乱体の大きさ、数密度、音響インピーダンス等と相関を有しているためである。ここでいう「生体組織の性状」とは、例えば悪性腫瘍(癌)、良性腫瘍、内分泌腫瘍、粘液性腫瘍、正常組織、嚢胞、脈管などのことである。
図4は、超音波信号の1つの音線におけるデータ配列を模式的に示す図である。同図に示す音線SRkにおいて、白または黒の長方形は、一つのサンプリング点におけるデータを意味している。また、音線SRkにおいて、右側に位置するデータほど、超音波振動子21から音線SRkに沿って計った場合の深い箇所からのサンプルデータである(図4の矢印を参照)。音線SRkは、送受信部31が行うA/D変換におけるサンプリング周波数(例えば50MHz)に対応した時間間隔で離散化されている。図4では、番号kの音線SRkの8番目のデータ位置を受信深度zの方向の初期値Z(k) 0として設定した場合を示しているが、初期値の位置は任意に設定することができる。周波数解析部332による算出結果は複素数で得られ、記憶部37に格納される。
図4に示すデータ群Fj(j=1、2、・・・、K)は、FFT処理の対象となるサンプルデータ群である。一般に、FFT処理を行うためには、サンプルデータ群が2のべき乗のデータ数を有している必要がある。この意味で、サンプルデータ群Fj(j=1、2、・・・、K−1)はデータ数が16(=24)で正常なデータ群である一方、サンプルデータ群FKは、データ数が12であるため異常なデータ群である。異常なデータ群に対してFFT処理を行う際には、不足分だけゼロデータを挿入することにより、正常なサンプルデータ群を生成する処理を行う。この点については、周波数解析部332の処理を説明する際に詳述する(図9を参照)。
図5は、周波数解析部332により算出された周波数スペクトルの例を示す図である。図5では、横軸が周波数fである。また、図5では、縦軸が、強度I0を基準強度Ic(定数)で除した量の常用対数(デシベル表現)I=10log10(I0/Ic)である。図5に示す直線L10については後述する。なお、本実施の形態において、曲線および直線は、離散的な点の集合からなる。
図5に示す周波数スペクトルC1において、以後の演算に使用する周波数帯域の下限周波数fLおよび上限周波数fHは、超音波振動子21の周波数帯域、送受信部31が送信するパルス信号の周波数帯域などをもとに決定されるパラメータである。以下、図5において、下限周波数fLおよび上限周波数fHによって定まる周波数帯域を「周波数帯域F」という。
特徴量算出部333は、例えば、設定されている関心領域(ROI)内において、複数の周波数スペクトルの特徴量をそれぞれ算出する。特徴量算出部333は、周波数スペクトルを直線で近似することによって減衰補正処理を行う前の周波数スペクトルの特徴量(以下、補正前特徴量という)を算出する近似部333aと、近似部333aが算出した補正前特徴量に対して減衰補正を行うことによって特徴量を算出する減衰補正部333bと、を有する。特徴量算出部333は、本発明の物理量算出部に相当する。
近似部333aは、所定周波数帯域における周波数スペクトルの回帰分析を行って周波数スペクトルを一次式(回帰直線)で近似することにより、この近似した一次式を特徴付ける補正前特徴量を算出する。例えば、図5に示す周波数スペクトルC1の場合、近似部333aは、周波数帯域Fで回帰分析を行い周波数スペクトルC1を一次式で近似することによって回帰直線L10を得る。換言すると、近似部333aは、回帰直線L10の傾きa0、切片b0、および周波数帯域Fの中心周波数fM=(fL+fH)/2の回帰直線上の値であるミッドバンドフィット(Mid-band fit)c0=a0M+b0を補正前特徴量として算出する。
3つの補正前特徴量のうち、傾きa0は、超音波の散乱体の大きさと相関を有し、一般に散乱体が大きいほど傾きが小さな値を有すると考えられる。また、切片b0は、散乱体の大きさ、音響インピーダンスの差、散乱体の数密度(濃度)等と相関を有している。具体的には、切片b0は、散乱体が大きいほど大きな値を有し、音響インピーダンスの差が大きいほど大きな値を有し、散乱体の数密度が大きいほど大きな値を有すると考えられる。ミッドバンドフィットc0は、傾きa0と切片b0から導出される間接的なパラメータであり、有効な周波数帯域内の中心におけるスペクトルの強度を与える。このため、ミッドバンドフィットc0は、散乱体の大きさ、音響インピーダンスの差、散乱体の数密度に加えて、Bモード画像の輝度とある程度の相関を有していると考えられる。なお、特徴量算出部333は、回帰分析によって二次以上の多項式で周波数スペクトルを近似するようにしてもよい。
減衰補正部333bが行う補正について説明する。一般に、超音波の減衰量A(f,z)は、超音波が受信深度0と受信深度zとの間を往復する間に生じる減衰であり、往復する前後の強度変化(デシベル表現での差)として定義される。減衰量A(f,z)は、一様な組織内では周波数に比例することが経験的に知られており、以下の式(1)で表現される。
A(f,z)=2αzf ・・・(1)
ここで、比例定数αは減衰率と呼ばれる量である。また、zは超音波の受信深度であり、fは周波数である。減衰率αの具体的な値は、観測対象が生体である場合、生体の部位に応じて定まる。減衰率αの単位は、例えばdB/cm/MHzである。なお、本実施の形態において、減衰率αの値を入力部35からの入力によって変更できる構成とすることも可能である。
減衰補正部333bは、近似部333aが抽出した補正前特徴量(傾きa0、切片b0、ミッドバンドフィットc0)に対し、以下に示す式(2)〜(4)にしたがって減衰補正を行うことにより、特徴量a、b、cを算出する。
a=a0+2αz ・・・(2)
b=b0 ・・・(3)
c=c0+A(fM,z)=c0+2αzfM(=afM+b) ・・・(4)
式(2)、(4)からも明らかなように、減衰補正部333bは、超音波の受信深度zが大きいほど、補正量が大きい補正を行う。また、式(3)によれば、切片に関する補正は恒等変換である。これは、切片が周波数0(Hz)に対応する周波数成分であって減衰の影響を受けないためである。
図6は、減衰補正部333bが算出した特徴量a、b、cをパラメータとして有する直線を示す図である。直線L1の式は、
I=af+b=(a0+2αz)f+b0 ・・・(5)
で表される。この式(5)からも明らかなように、直線L1は、減衰補正前の直線L10と比較して、傾きが大きく(a>a0)、かつ切片が同じ(b=b0)である。
音線設定部334は、例えば、入力部35を介して入力された設定入力に応じて、音線の設定を行う。音線設定部334は、設定入力された入力点を通過し、かつ超音波の送受信方向に沿って延びる音線を、注目する音線(以下、注目音線ともいう)に設定する。音線設定部334は、設定入力された一つまたは複数の入力点に応じて、一つまたは複数の音線を注目音線として設定する。また、音線設定部334は、設定入力された複数の入力点を結んでなる直線であって、超音波の送受信方向とは異なる方向に延びる直線を注目音線として設定してもよい。
判定部335は、音線設定部334により設定された注目音線における複数のサンプリング点の物理量が、各物理量について各々設定されている閾値を超えているか否かを物理量ごとに判定する個別判定部335aと、個別判定部335aによる判定結果の組み合わせにおいて、同一サンプリング点において各物理量が閾値を超えているサンプリング点があるか否かを判定する組合せ判定部335bと、を有する。
画像処理部34は、エコー信号の振幅を輝度に変換して表示する超音波画像であるBモード画像データを生成するBモード画像データ生成部341と、減衰補正部333bが算出した特徴量を視覚情報と関連づけてBモード画像とともに表示する特徴量画像データを生成する特徴量画像データ生成部342と、物理量と深度との関係を示すグラフデータを物理量ごとに生成するグラフデータ生成部343と、を有する。本明細書では、Bモード画像データ生成部341および特徴量画像データ生成部342のうちの少なくとも一方により超音波画像データ生成部が構成される。
Bモード画像データ生成部341は、信号処理部32から受信したBモード用受信データに対してゲイン処理、コントラスト処理等の公知の技術を用いた信号処理を行うとともに、表示装置4における画像の表示レンジに応じて定まるデータステップ幅に応じたデータの間引き等を行うことによってBモード画像データを生成する。Bモード画像は、色空間としてRGB表色系を採用した場合の変数であるR(赤)、G(緑)、B(青)の値を一致させたグレースケール画像である。
Bモード画像データ生成部341は、信号処理部32からのBモード用受信データに走査範囲を空間的に正しく表現できるよう並べ直す座標変換を施した後、Bモード用受信データ間の補間処理を施すことによってBモード用受信データ間の空隙を埋め、Bモード画像データを生成する。Bモード画像データ生成部341は、生成したBモード画像データを特徴量画像データ生成部342へ出力する。
特徴量画像データ生成部342は、特徴量算出部333が算出した特徴量に関連する視覚情報をBモード画像データにおける画像の各画素に対して重畳することによって特徴量画像データを生成する。特徴量画像データ生成部342は、例えば図4に示す一つのサンプルデータ群Fj(j=1、2、・・・、K)のデータ量に対応する画素領域に対し、そのサンプルデータ群Fjから算出される周波数スペクトルの特徴量に対応する視覚情報を割り当てる。特徴量画像データ生成部342は、例えば上述した傾き、切片、ミッドバンドフィットのいずれか一つに視覚情報としての色相を対応付けることによって特徴量画像を生成する。具体的に、特徴量画像データ生成部342は、特徴量aに視覚情報としての色相を対応付ける場合、予め設定されている色相スケールを参照して視覚情報を割り当てる。特徴量に関連する視覚情報としては、色相のほか、例えば彩度、明度、輝度値、R(赤)、G(緑)、B(青)などの所定の表色系を構成する色空間の変数を挙げることができる。
グラフデータ生成部343は、判定部335による判定結果を強調表示したグラフデータを物理量ごとに生成する。具体的には、グラフデータ生成部343は、物理量と、複数のサンプリング点の点列に沿った深度との関係を示すグラフを生成する。ここでいう深度は、上述した受信深度に相当する。グラフデータ生成部343は、組合せ判定部335bが、各物理量が閾値を超えているサンプリング点があると判定した場合、このサンプリング点を含む深度の領域に応じたグラフの背景を強調表示したグラフデータを生成する。本実施の形態では、グラフ中の各物理量が閾値を超えているサンプリング点を含む領域の背景の色を、他の領域の色とは異なる色で表現するものとして説明する。
制御部36は、演算および制御機能を有するCPU(Central Processing Unit)や各種演算回路等を用いて実現される。制御部36は、記憶部37が記憶、格納する情報を記憶部37から読み出し、超音波観測装置3の作動方法に関連した各種演算処理を実行することによって超音波観測装置3を統括して制御する。なお、制御部36を信号処理部32および演算部33と共通のCPU等を用いて構成することも可能である。
記憶部37は、減衰補正部333bが周波数スペクトルごとに算出した複数の特徴量や、画像処理部34が生成した画像データおよびグラフデータを記憶する。また、記憶部37は、判定部335が判定を行うための物理量の閾値を、組織性状ごとに記憶する物理量情報記憶部371を有する。例えば、特徴量a、cを物理量として用いる場合、特徴量aに対する閾値、特徴量cに対する閾値が組織性状ごとに予め設定されており、物理量情報記憶部371は、これらの閾値を、物理量および組織性状に関連付けて記憶している。
図7は、組織性状と物理量との関係を説明する図である。図7では、横軸が特徴量aである。また、図7では、縦軸が特徴量cである。図7は、特徴量aおよび特徴量cの分布を示すグラフとなっている。
ここで、図7に示すように、組織性状の種類によって、特徴量aおよび特徴量cの分布が異なる。例えば、ある組織性状は領域Q1に分布され、それとは異なる組織性状は領域Q2に分布される。このように、組織性状ごとに、各物理量の閾値を設定しておくことによって、観察する組織性状、および物理量が設定された場合に、適切な閾値の設定を行うことができる。
記憶部37は、上記以外にも、例えば増幅処理に必要な情報(図2に示す増幅率と受信深度との関係)、増幅補正処理に必要な情報(図3に示す増幅率と受信深度との関係)、減衰補正処理に必要な情報(式(1)参照)、周波数解析処理に必要な窓関数(Hamming、Hanning、Blackman等)の情報等を記憶する。
また、記憶部37は、超音波観測装置3の作動方法を実行するための作動プログラムを含む各種プログラムを記憶する。作動プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD−ROM、DVD−ROM、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。なお、上述した各種プログラムは、通信ネットワークを介してダウンロードすることによって取得することも可能である。ここでいう通信ネットワークは、例えば既存の公衆回線網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などによって実現されるものであり、有線、無線を問わない。
以上の構成を有する記憶部37は、各種プログラム等が予めインストールされたROM(Read Only Memory)、および各処理の演算パラメータやデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を用いて実現される。
図8は、以上の構成を有する超音波観測装置3が行う処理の概要を示すフローチャートである。まず、超音波観測装置3は、超音波内視鏡2から超音波振動子21による観測対象の測定結果としてのエコー信号を受信する(ステップS1)。
超音波振動子21からエコー信号を受信した信号増幅部311は、そのエコー信号の増幅を行う(ステップS2)。ここで、信号増幅部311は、例えば図2に示す増幅率と受信深度との関係に基づいてエコー信号の増幅(STC補正)を行う。
続いて、Bモード画像データ生成部341は、信号増幅部311が増幅したエコー信号を用いてBモード画像データを生成して、表示装置4へ出力する(ステップS3)。Bモード画像データを受信した表示装置4は、そのBモード画像データに対応するBモード画像を表示する(ステップS4)。
増幅補正部331は、送受信部31から出力された信号に対して受信深度によらず増幅率が一定となる増幅補正を行う(ステップS5)。ここで、増幅補正部331は、例えば図3に示す増幅率と受信深度との関係が成立するように増幅補正を行う。
この後、周波数解析部332は、FFT演算による周波数解析を行うことによって全てのサンプルデータ群に対する周波数スペクトルを算出する(ステップS6:周波数解析ステップ)。図9は、ステップS6において周波数解析部332が実行する処理の概要を示すフローチャートである。以下、図9に示すフローチャートを参照して、周波数解析処理を詳細に説明する。
まず、周波数解析部332は、解析対象の音線を識別するカウンタkをk0とする(ステップS21)。
続いて、周波数解析部332は、FFT演算用に取得する一連のデータ群(サンプルデータ群)を代表するデータ位置(受信深度に相当)Z(k)の初期値Z(k) 0を設定する(ステップS22)。例えば、図4では、上述したように、音線SRkの8番目のデータ位置を初期値Z(k) 0として設定した場合を示している。
その後、周波数解析部332は、サンプルデータ群を取得し(ステップS23)、取得したサンプルデータ群に対し、記憶部37が記憶する窓関数を作用させる(ステップS24)。このようにサンプルデータ群に対して窓関数を作用させることにより、サンプルデータ群が境界で不連続になることを回避し、アーチファクトが発生するのを防止することができる。
続いて、周波数解析部332は、データ位置Z(k)のサンプルデータ群が正常なデータ群であるか否かを判定する(ステップS25)。図4を参照した際に説明したように、サンプルデータ群は、2のべき乗のデータ数を有している必要がある。以下、正常なサンプルデータ群のデータ数を2n(nは正の整数)とする。本実施の形態では、データ位置Z(k)が、できるだけZ(k)が属するサンプルデータ群の中心になるよう設定される。具体的には、サンプルデータ群のデータ数は2nであるので、Z(k)はそのサンプルデータ群の中心に近い2n/2(=2n-1)番目の位置に設定される。この場合、サンプルデータ群が正常であるとは、データ位置Z(k)の前方に2n-1−1(=Nとする)個のデータがあり、データ位置Z(k)の後方に2n-1(=Mとする)個のデータがあることを意味する。図4に示す場合、サンプルデータ群F1、F2、F3、・・・、FK-1はともに正常である。なお、図4ではn=4(N=7,M=8)の場合を例示している。
ステップS25における判定の結果、データ位置Z(k)のサンプルデータ群が正常である場合(ステップS25:Yes)、周波数解析部332は、後述するステップS27へ移行する。
ステップS25における判定の結果、データ位置Z(k)のサンプルデータ群が正常でない場合(ステップS25:No)、周波数解析部332は、不足分だけゼロデータを挿入することによって正常なサンプルデータ群を生成する(ステップS26)。ステップS25において正常でないと判定されたサンプルデータ群(例えば図4のサンプルデータ群FK)は、ゼロデータを追加する前に窓関数が作用されている。このため、サンプルデータ群にゼロデータを挿入してもデータの不連続は生じない。ステップS26の後、周波数解析部332は、後述するステップS27へ移行する。
ステップS27において、周波数解析部332は、サンプルデータ群を用いてFFT演算を行うことにより、振幅の周波数分布である周波数スペクトルを得る(ステップS27)。
続いて、周波数解析部332は、データ位置Z(k)をステップ幅Dで変化させる(ステップS28)。ステップ幅Dは、記憶部37が予め記憶しているものとする。図4では、D=15の場合を例示している。ステップ幅Dは、Bモード画像データ生成部341がBモード画像データを生成する際に利用するデータステップ幅と一致させることが望ましいが、周波数解析部332における演算量を削減したい場合には、ステップ幅Dとしてデータステップ幅より大きい値を設定してもよい。
その後、周波数解析部332は、データ位置Z(k)が音線SRkにおける最大値Z(k) maxより大きいか否かを判定する(ステップS29)。データ位置Z(k)が最大値Z(k) maxより大きい場合(ステップS29:Yes)、周波数解析部332はカウンタkを1増加させる(ステップS30)。これは、処理をとなりの音線へ移すことを意味する。一方、データ位置Z(k)が最大値Z(k) max以下である場合(ステップS29:No)、周波数解析部332はステップS23へ戻る。このようにして、周波数解析部332は、音線SRkに対して、[(Z(k) max−Z(k) 0+1)/D+1]個のサンプルデータ群に対するFFT演算を行う。ここで、[X]は、Xを超えない最大の整数を表す。
ステップS30の後、周波数解析部332は、カウンタkが最大値kmaxより大きいか否かを判定する(ステップS31)。カウンタkが最大値kmaxより大きい場合(ステップS31:Yes)、周波数解析部332は一連の周波数解析処理を終了する。一方、カウンタkが最大値kmax以下である場合(ステップS31:No)、周波数解析部332はステップS22に戻る。この最大値kmaxは、術者等のユーザが入力部35を通じて任意に指示入力した値、もしくは、記憶部37にあらかじめ設定された値とする。
このようにして、周波数解析部332は、解析対象領域内の(kmax−k0+1)本の音線の各々について複数回のFFT演算を行う。FFT演算の結果は、受信深度および受信方向とともに記憶部37に格納される。
なお、以上の説明では、周波数解析部332が超音波信号を受信したすべての領域に対して周波数解析処理を行うものとしたが、設定された関心領域内においてのみ周波数解析処理を行うようにすることも可能である。
以上説明したステップS6の周波数解析処理に続いて、特徴量算出部333は、複数の周波数スペクトルの補正前特徴量をそれぞれ算出し、各周波数スペクトルの補正前特徴量に対して超音波の減衰の影響を排除する減衰補正を行うことによって各周波数スペクトルの補正特徴量を算出する(ステップS7〜S8:特徴量算出ステップ)。
ステップS7において、近似部333aは、周波数解析部332が生成した複数の周波数スペクトルをそれぞれ回帰分析することにより、各周波数スペクトルに対応する補正前特徴量を算出する(ステップS7)。具体的には、近似部333aは、各周波数スペクトルを回帰分析することによって一次式で近似し、補正前特徴量として傾きa0、切片b0、ミッドバンドフィットc0を算出する。例えば、図5に示す直線L10は、近似部333aが周波数帯域Fの周波数スペクトルC1に対し回帰分析によって近似した回帰直線である。
続いて、減衰補正部333bは、近似部333aが各周波数スペクトルに対して近似した補正前特徴量に対し、減衰率αを用いて減衰補正を行うことにより、補正特徴量を算出し、算出した補正特徴量を記憶部37に格納する(ステップS8:物理量算出ステップ)。図6に示す直線L1は、減衰補正部333bが減衰補正処理を行うことによって得られる直線の例である。
ステップS8において、減衰補正部333bは、上述した式(2)、(4)における受信深度zに、超音波信号の音線のデータ配列を用いて得られるデータ位置Z=(fsp/2vs)Dnを代入することによって算出する。ここで、fspはデータのサンプリング周波数、vsは音速、Dはデータステップ幅、nは処理対象のサンプルデータ群のデータ位置までの音線の1番目のデータからのデータステップ数である。例えば、データのサンプリング周波数fspを50MHzとし、音速vsを1530m/secとし、図4に示すデータ配列を採用してデータステップ幅Dを15とすると、z=0.2295n(mm)となる。
その後、制御部36は、音線の設定入力があるか否かを判断する(ステップS9)。ここで、制御部36は、音線の設定入力がないと判断した場合(ステップS9:No)、ステップS16に移行する。これに対し、制御部36は、音線の設定入力があると判断した場合(ステップS9:Yes)、ステップS10に移行する。
ステップS10では、音線設定部334が、音線の設定を行う。音線設定部334は、例えば、入力部35を介して入力された設定入力に応じて、注目音線の設定を行う(音線設定ステップ)。
その後、判定部335が、複数の物理量について判定処理を行う(ステップS11〜S12)。本実施の形態では、特徴量a、cが判定対象の物理量として設定されているものとして説明する。
まず、ステップS11において、個別判定部335aが、音線設定部334により設定された注目音線における複数のサンプリング点の物理量が、各々設定されている閾値を超えているか否かを物理量ごとに判定する(個別判定ステップ)。
その後のステップS12において、組合せ判定部335bが、個別判定部335aによる判定結果の組み合わせにより、同一サンプリング点において各物理量が閾値を超えているサンプリング点があるか否かを判定する(組合せ判定ステップ)。
ステップS12に続くステップS13において、グラフデータ生成部343が、判定部335による判定結果を強調表示したグラフデータを物理量ごとに生成する(グラフデータ生成ステップ)。具体的には、グラフデータ生成部343は、組合せ判定部335bが、各物理量が閾値を超えているサンプリング点があると判定した場合、このサンプリング点を含む深度の領域に応じたグラフの背景を強調表示したグラフデータを生成する。
特徴量画像データ生成部342は、Bモード画像データ生成部341が生成したBモード画像データにおける各画素に対し、ステップS8で算出された特徴量に関連づけた視覚情報(例えば色相)を重畳することによって特徴量画像データを生成する(ステップS14)。
この後、表示装置4は、制御部36の制御のもと、グラフデータ生成部343が生成したグラフデータに基づくグラフとともに、特徴量画像データ生成部342が生成した特徴量画像データに対応する特徴量画像を表示する(ステップS15)。図10は、表示装置4における特徴量画像の表示例を模式的に示す図である。同図に示す特徴量画像201は、リニア振動子により取得したエコー信号に基づくBモード画像に特徴量に関する視覚情報が重畳された画像を表示する重畳画像表示部202と、観測対象の識別情報などを表示する情報表示部203と、グラフデータ生成部343が生成したグラフを表示するグラフ表示部204とを有する。
グラフ表示部204には、物理量に応じた各グラフが表示される。具体的に、図10では、グラフ表示部204において、特徴量aと深度との関係を示すグラフと、特徴量cと深度との関係を示すグラフとが表示されるとともに、組合せ判定部335bによる判定結果に応じた深度領域が強調して表示されている。また、各グラフは、深度の方向が、注目音線の方向と揃っている。これにより、ユーザは、特徴量画像を確認しつつ、組織性状に関連する特徴量a、cの数値や、特徴量aの閾値ath、特徴量cのcthを超えた深度領域を確認することができ、定量的に組織性状の推定を行うことができる。なお、注目音線が複数設定されている場合、物理量に応じたグラフが、注目音線ごとに、深度方向と音線の方向とを揃えて並べて表示される。
なお、情報表示部203に、特徴量の情報、近似式の情報、ゲインやコントラスト等の画像情報等をさらに表示するようにしてもよい。また、特徴量画像に対応するBモード画像を特徴量画像と並べて表示してもよい。また、コンベックス振動子により超音波画像が生成されている場合には、超音波画像を回転させて受信深度の方向をグラフの深度の方向と揃えるようにすることが好ましい。
また、ステップS9に続くステップS16において、特徴量画像データ生成部342は、Bモード画像データ生成部341が生成したBモード画像データにおける各画素に対し、ステップS8で算出された特徴量に関連づけた視覚情報(例えば色相)を重畳することによって特徴量画像データを生成する。
その後、表示装置4は、制御部36の制御のもと、特徴量画像データ生成部342が生成した特徴量画像データに対応する特徴量画像を表示する(ステップS17)。
以上説明してきた一連の処理(ステップS1〜S17)において、ステップS3の処理とステップS4〜S17の処理とを並行して行うようにしてもよい。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、判定部335が、設定された注目音線における複数の物理量が閾値を超えているか否かを物理量ごと、かつ注目音線上の所定の受信深度ごとに判定し、すべての物理量が各閾値を超えている深度領域を強調したグラフを生成して表示するようにしたので、特徴量画像の色の変化のみならず、特徴量の数値や閾位置を超えている範囲を把握することが可能であり、組織性状を定量的かつ正確に推定できる。
(実施の形態の変形例1)
本変形例1では、制御部36が、一つの物理量と、観察対象の組織性状とが設定された場合に、他の物理量の閾値の設定を行う。物理量情報記憶部371は、上述した実施の形態のように、組織性状に対して各物理量の閾値が設定されている。本変形例1では、さらに、組織性状に関連付けて、定量的な推定を行うための物理量の組合せが予め設定されている。
これにより、ユーザが、一つの物理量と、観察対象の組織性状とを入力部35を介して設定入力を行った場合、制御部36は、物理量情報記憶部371を参照して、設定入力された物理量に対して組をなす物理量の設定を行う。その後、制御部36は、設定入力された物理量と、該物理量と組みをなす一つまたは複数の物理量とについて、各物理量の閾値の設定を行う。このように、本変形例1によれば、観察したい組織性状と、少なくとも一つの物理量とを設定入力するのみで、観察対象の組織性状の物理量の設定を行うことができる。
なお、上述した変形例1では、組織性状と一つの物理量の設定入力が行われるものとして説明したが、組織性状について、一組の物理量の組合せが設定されているものであってもよい。この場合、組織性状の設定入力を行うのみで、観察対象の組織性状に対する物理量の組合せ設定、および閾値の設定を適切に行うことが可能である。
なお、物理量情報記憶部371が、一つの組織性状に対して物理量の閾値が複数設定されているようにしてもよい。例えば、膵癌用の特徴量aの閾値として、10(dB/MHz)、20(dB/MHz)、35(dB/MHz)が設定され、各々この閾値以上である場合に、膵癌と推定することができる。この際、観察対象の組織性状と、少なくとも一つの物理量とが、ユーザにより設定入力される。組織性状に対して、各物理量の複数の閾値のうち優先的に選択される閾値を設定しておいてもよいし、ユーザが物理量の複数の閾値のうちのどの閾値を使用するかを選択するようにしてもよい。
(実施の形態の変形例2)
図11は、本発明の一実施の形態の変形例2に係る超音波観測装置の表示装置における特徴量画像の表示例を模式的に示す図である。上述した実施の形態では、特徴量aおよび特徴量cと、深度との関係を示すグラフにおいて、すべての物理量が各閾値を超えている深度領域を強調表示する(図10参照)ものとして説明したが、本変形例2では、さらに、各物理量について閾値を超えた部分を強調表示する。例えば、図11に示すように、特徴量aについて閾値を超えた部分の曲線L1を強調表示するとともに、特徴量cについて閾値を超えた部分の曲線L2を強調表示する。これらの強調表示は、個別判定部335aの判定結果に基づくものである。
(実施の形態の変形例3)
図12は、本発明の一実施の形態の変形例3に係る超音波観測装置の表示装置における特徴量画像の表示例を模式的に示す図である。上述した実施の形態では、特徴量aおよび特徴量cと、深度との関係を示すグラフにおいて、すべての物理量が各閾値を超えている深度領域を強調表示する(図10参照)ものとして説明したが、本変形例3では、さらに、特徴量画像における注目音線の、すべての物理量が各閾値を超えている深度領域に対応する部分を強調表示する。例えば、図12に示すように、注目音線L3の、すべての物理量が各閾値を超えている深度領域に対応する部分L4を強調表示する。
なお、上述した変形例2および変形例3を組み合わせて、すべての物理量が各閾値を超えている深度領域、各物理量において閾値を超えた部分の曲線、および特徴量画像における音線上の深度領域を強調して表示するようにしてもよい。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。上述した実施の形態では、二つの特徴量(特徴量a、c)が物理量として設定されているものとして説明したが、設定する物理量はこれに限らない。本実施の形態において設定されうる物理量としては、例えば、周波数特徴量である特徴量a、特徴量bおよび特徴量c、音速、硬さ、減衰量ならびにエラストが挙げられる。エラストは、組織の硬さに関する物理量であり、所定時間当たりの強度の変化量である。特徴量a、特徴量bおよび特徴量c以外を物理量とする場合は、演算部33が設定されている物理量を算出するようにしてもよいし、設定されている物理量を算出する物理量算出部を別途設けてもよい。
また、上述した実施の形態では、二つの物理量が設定され、この二つの物理量についてグラフを表示するものとして説明したが、これに限らず、三つ以上の物理量が設定されていれば、設定されている物理量についてそれぞれグラフが表示される。
また、上述した実施の形態では、二つの物理量が設定され、この二つの物理量が閾値を超えている場合に、強調表示するものとして説明したが、これに限らず、各物理量について、閾値を超えたか否かの条件をそれぞれ設定するようにしてもよい。例えば、特徴量aが閾値を超え、特徴量cが閾値を超えない場合に強調表示を行うようにしてもよいし、特徴量aおよび特徴量cがともに閾値より小さい場合に強調表示を行うようにしてもよい。このように、複数の物理量のうちの少なくとも一つの物理量が閾値を超えている場合に強調表示を行うようにしてもよいし、複数の物理量のうちのすべての物理量が閾値より小さい場合に強調表示を行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、物理量についてグラフと、超音波画像とを表示するものとして説明したが、これに限らず、グラフのみを表示してもよいし、グラフとBモード画像とを表示してもよい。表示されたグラフが、判定結果に応じた表示態様を有していれば、上述した効果を得ることが可能である。
このように、本発明は、特許請求の範囲に記載した技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な実施の形態を含みうるものである。
1 超音波観測システム
2 超音波内視鏡
3 超音波観測装置
4 表示装置
21 超音波振動子
31 送受信部
32 信号処理部
33 演算部
34 画像処理部
35 入力部
36 制御部
37 記憶部
201 特徴量画像
202 重畳画像表示部
203 情報表示部
331 増幅補正部
332 周波数解析部
333 特徴量算出部
333a 近似部
333b 減衰補正部
334 音線設定部
335 判定部
335a 個別判定部
335b 組合せ判定部
341 Bモード画像データ生成部
342 特徴量画像データ生成部
343 グラフデータ生成部
371 物理量情報記憶部
1 周波数スペクトル

Claims (15)

  1. 観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置であって、
    前記超音波信号に基づいて複数のサンプリング点ごとに複数の種類の物理量を算出する物理量算出部と、
    前記超音波画像を構成する前記超音波の送受信方向に沿った複数の音線のうち注目する少なくとも一つの音線の設定を行う音線設定部と、
    前記複数の物理量について、前記音線設定部により設定された注目する音線上の前記複数のサンプリング点の物理量が閾値を超えるか否かを前記物理量の種類ごとに判定する個別判定部と、
    前記個別判定部による判定結果の組み合わせが、予め設定されている組み合わせになっている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する組合せ判定部と、
    前記注目する音線上の前記複数の物理量と、前記超音波の受信深度との関係を示す各グラフに対して、前記組合せ判定部による判定結果に応じた表示態様を有するグラフデータを生成するグラフデータ生成部と、
    を備えたことを特徴とする超音波観測装置。
  2. 前記組合せ判定部は、前記複数の物理量のうちのすべての物理量が閾値を超えている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  3. 前記組合せ判定部は、前記複数の物理量のうちの少なくとも一つの物理量が閾値を超えている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  4. 前記組合せ判定部は、前記複数の物理量のうちのすべての物理量が閾値より小さい前記サンプリング点が存在するか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  5. 前記観測対象の観測項目に応じた前記複数の物理量の閾値、および前記複数の物理量の前記観測項目に対する対応関係を記憶する物理量情報記憶部と、
    前記観測項目および少なくとも一つの物理量の設定入力に応じて、設定入力された前記物理量と組をなす前記物理量を設定し、前記組をなす物理量について、各物理量の閾値の設定を行う制御部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  6. 前記グラフデータ生成部は、前記組合せ判定部による判定結果に加え、前記個別判定部による判定結果に応じた表示態様を有する前記グラフデータを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  7. 前記超音波画像を含む超音波画像データを生成する超音波画像データ生成部をさらに備え、
    前記超音波画像データ生成部は、前記組合せ判定部による判定結果に応じて前記超音波画像の表示態様を有する前記超音波画像データを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  8. 前記制御部は、前記超音波画像と、前記グラフとを並べて表示部に表示させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の超音波観測装置。
  9. 前記超音波画像および前記グラフは、前記音線の方向と前記受信深度の方向とが揃っている
    ことを特徴とする請求項8に記載の超音波観測装置。
  10. 前記物理量情報記憶部は、前記観測対象の観測項目に応じた前記物理量の組合せを記憶する
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波観測装置。
  11. 前記超音波信号に基づいて生成される信号の周波数を解析することによって複数の周波数スペクトルを算出する周波数解析部をさらに備え、
    前記物理量算出部は、前記複数の特徴量の一つとして、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに基づく周波数特徴量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  12. 前記物理量算出部は、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルを直線近似することによって前記周波数特徴量を算出する
    ことを特徴とする請求項11に記載の超音波観測装置。
  13. 前記周波数特徴量は、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルを近似することによって得られた傾き、切片およびミッドバンドフィットのうちの少なくとも一つである
    ことを特徴とする請求項12に記載の超音波観測装置。
  14. 観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置の作動方法であって、
    物理量算出部が、前記超音波信号に基づいて複数のサンプリング点ごとに複数の種類の物理量を算出する物理量算出ステップと、
    音線設定部が、前記超音波画像を構成する前記超音波の送受信方向に沿った複数の音線のうち注目する少なくとも一つの音線の設定を行う音線設定ステップと、
    個別判定部が、前記複数の物理量について、前記音線設定部により設定された注目する音線上の前記複数のサンプリング点の物理量が閾値を超えるか否かを前記物理量の種類ごとに判定する個別判定ステップと、
    組合せ判定部が、前記個別判定部による判定結果の組み合わせが、予め設定されている組み合わせになっている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する組合せ判定ステップと、
    グラフデータ生成部と、前記注目する音線上の前記複数の物理量と、前記超音波の受信深度との関係を示す各グラフに対して、前記組合せ判定部による判定結果に応じた表示態様を有するグラフデータを生成するグラフデータ生成ステップと、
    を含むことを特徴とする超音波観測装置の作動方法。
  15. 観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置の作動プログラムであって、
    物理量算出部が、前記超音波信号に基づいて複数のサンプリング点ごとに複数の種類の物理量を算出する物理量算出手順と、
    音線設定部が、前記超音波画像を構成する前記超音波の送受信方向に沿った複数の音線のうち注目する少なくとも一つの音線の設定を行う音線設定手順と、
    個別判定部が、前記複数の物理量について、前記音線設定部により設定された注目する音線上の前記複数のサンプリング点の物理量が閾値を超えるか否かを前記物理量の種類ごとに判定する個別判定手順と、
    組合せ判定部が、前記個別判定部による判定結果の組み合わせが、予め設定されている組み合わせになっている前記サンプリング点が存在するか否かを判定する組合せ判定手順と、
    グラフデータ生成部と、前記注目する音線上の前記複数の物理量と、前記超音波の受信深度との関係を示す各グラフに対して、前記組合せ判定部による判定結果に応じた表示態様を有するグラフデータを生成するグラフデータ生成手順と、
    を前記超音波観測装置に実行させることを特徴とする超音波観測装置の作動プログラム。
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