JP6010274B1 - 超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラム - Google Patents

超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラム Download PDF

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Abstract

超音波プローブから受信した電気的なエコー信号の周波数を解析することによって該エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、周波数スペクトルの特徴量を算出する際に適用する特徴量算出用の周波数帯域を送信駆動波に応じて設定する帯域設定部と、帯域設定部が設定した特徴量算出用の周波数帯域における周波数スペクトルの強度を送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出する強度補正部と、強度補正部が算出した補正周波数スペクトルに対して特徴量算出用の周波数帯域で近似を行うことによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似部と、を備える。これにより、送信する超音波の特性によらず、受信した超音波に対応する周波数スペクトルの特徴量を一定に保つことができる超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラムを提供する。

Description

本発明は、超音波を用いて観測対象の組織を観測する超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラムに関する。
超音波を用いて検体の組織を観測する技術として、検体からの超音波エコーを変換した電気的なエコー信号に対して周波数解析を行い、その解析の結果得られた周波数スペクトルの特徴量を視覚情報として付与した特徴量画像を生成する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、特徴量画像と超音波画像を並べて表示することもある。
超音波画像は、観察モードに応じて異なる表示態様をとる。超音波の観察モードとして、エコー信号の振幅を輝度に変換して画像を生成するBモード、生体組織の非線型性を利用して画像を生成するTHI(Tissue Harmonic Imaging)モード、観測対象に導入された微小気泡の懸濁液である超音波用の造影剤を強調して表示する画像を生成する造影モード(例えば、特許文献2を参照)が知られている。
国際公開第2012/011414号 特許第4820494号公報
ところで、超音波観測を行う際には、送信する超音波の振幅や周波数帯域を観察モードに応じて変更するのが一般的である。例えば、造影モードで超音波観測を行う場合には、BモードやTHIモードよりも低振幅かつ狭周波数帯域の超音波を送信している。このため、受信した超音波を用いて周波数スペクトルの特徴量を算出した場合、超音波画像の観察モードに応じて特徴量の算出結果が変化してしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、送信する超音波の特性によらず、受信した超音波に対応する周波数スペクトルの特徴量を一定に保つことができる超音波観測装置、超音波観測装置の作動方法および超音波観測装置の作動プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る超音波観測装置は、観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波エコーに基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置であって、前記超音波プローブが送信する超音波パルスを生成するための電気的な送信駆動波を生成して前記超音波プローブへ出力する一方、前記超音波プローブから電気的なエコー信号を受信する送受信部と、前記エコー信号の周波数を解析することによって該エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、前記周波数スペクトルの特徴量を算出する際に適用する特徴量算出用の周波数帯域を前記送信駆動波に応じて設定する帯域設定部と、前記帯域設定部が設定した前記特徴量算出用の周波数帯域における前記周波数スペクトルの強度を前記送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出する強度補正部と、前記強度補正部が算出した前記補正周波数スペクトルに対して前記特徴量算出用の周波数帯域で近似を行うことによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似部と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記帯域設定部は、前記送信駆動波の振幅および周波数帯域ならびに当該超音波観測装置に接続された前記超音波プローブが備える前記超音波振動子の特性に応じて前記特徴量算出用の周波数帯域を設定することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記帯域設定部は、前記超音波の受信深度の情報をさらに用いて前記特徴量算出用の周波数帯域を設定することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、互いに生成される前記送信駆動波の特性が異なる複数の観察モードを設定可能であり、前記帯域設定部は、前記複数の観察モードに含まれる基準モードにおける前記送信駆動波の前記周波数スペクトルと補正対象の電気的な前記エコー信号を得るために生成された前記送信駆動波の前記周波数スペクトルとの周波数ごとの差分を補正量として用いることにより、前記補正周波数スペクトルを算出することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記複数の観察モードは、前記観測対象内に導入される超音波用の造影剤を強調して表示する造影モードを含み、前記基準モードにおける前記送信駆動波は、前記造影モードにおける前記送信駆動波よりも高振幅の電圧を有するとともに広い周波数帯域からなる信号であることを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記周波数スペクトルの強度を補正する際に必要な強度補正情報を記憶する強度補正情報記憶部をさらに備え、前記強度補正部は、前記強度補正情報を用いて前記補正周波数スペクトルを算出することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、当該超音波観測装置において設定可能な複数の観察モードであって互いに生成される前記送信駆動波の特性が異なる複数の観察モードに関する情報を記憶するモード情報記憶部と、当該超音波観測装置に接続可能な前記超音波プローブが備える前記超音波振動子の特性を含む情報を記憶する振動子情報記憶部と、をさらに備え、前記帯域設定部は、前記モード情報記憶部および前記振動子情報記憶部が記憶する情報を用いて前記特徴量算出用の周波数帯域を設定することを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記近似部が前記補正周波数スペクトルの近似処理を行う前であるとともに前記帯域設定部が前記特徴量算出用の周波数帯域を設定した後、または前記近似部が前記補正周波数スペクトルの近似処理を行った後に、超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正を行う減衰補正部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置は、上記発明において、前記エコー信号を用いて超音波画像データを生成する超音波画像データ生成部と、前記特徴量に関連する情報を表示する特徴量画像データを生成する特徴量画像データ生成部と、前記超音波画像データおよび前記特徴量画像データにそれぞれ対応する2つの画像を当該超音波観測装置に接続される表示装置に並べて表示させる表示制御部と、をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置の作動方法は、観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波エコーに基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置の作動方法であって、前記超音波プローブが送信する超音波パルスを生成するための電気的な送信駆動波を生成して前記超音波プローブへ出力する送受信部が、前記超音波プローブから電気的なエコー信号を受信する信号生成ステップと、周波数解析部が、前記エコー信号の周波数を解析することによって該エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数解析ステップと、帯域設定部が、前記周波数スペクトルの特徴量を算出する際に適用する特徴量算出用の周波数帯域を前記送信駆動波に応じて設定する帯域設定ステップと、強度補正部が、前記特徴量算出用の周波数帯域における前記周波数スペクトルの強度を前記送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出する強度補正ステップと、前記補正周波数スペクトルに対して前記特徴量算出用の周波数帯域で近似を行うことによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る超音波観測装置の作動プログラムは、観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波エコーに基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置に、前記超音波プローブが送信する超音波パルスを生成するための電気的な送信駆動波を生成して前記超音波プローブへ出力する送受信部が、前記超音波プローブから電気的なエコー信号を受信する信号生成ステップと、周波数解析部が、前記エコー信号の周波数を解析することによって該エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数解析ステップと、帯域設定部が、前記周波数スペクトルの特徴量を算出する際に適用する特徴量算出用の周波数帯域を前記送信駆動波に応じて設定する帯域設定ステップと、強度補正部が、前記特徴量算出用の周波数帯域における前記周波数スペクトルの強度を前記送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出する強度補正ステップと、前記補正周波数スペクトルに対して前記特徴量算出用の周波数帯域で近似を行うことによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、所定の周波数帯域における周波数スペクトルの強度を送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出した後、その補正周波数スペクトルを所定の周波数帯域で近似することによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出しているため、送信駆動波によらない特徴量を抽出することができる。したがって、送信する超音波の特性によらず、受信した超音波に対応する周波数スペクトルの特徴量を一定に保つことができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置を備えた超音波診断システムの機能構成を示すブロック図である。 図2は、超音波振動子の感度の周波数特性を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の送信処理部が生成する送信駆動波の波形の一例を模式的に示す図である。 図4は、図3に示す送信駆動波の周波数スペクトルを模式的に示す図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の送信処理部が生成する送信駆動波の波形の別な例を模式的に示す図である。 図6は、図5に示す送信駆動波の周波数スペクトルを模式的に示す図である。 図7は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の受信処理部が行う増幅処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。 図8は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の増幅補正部が行う増幅補正処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。 図9は、超音波信号の1つの音線におけるデータ配列を模式的に示す図である。 図10は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の周波数解析部が算出した周波数スペクトルの一例を示す図である。 図11は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の周波数解析部が算出した周波数スペクトルの別な例を示す図である。 図12は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置において、強度補正部が特徴量算出用の周波数帯域で行う強度補正処理を模式的に示す図である。 図13は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の近似部の処理を模式的に示す図である。 図14は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。 図15は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置の周波数解析部が行う処理の概要を示すフローチャートである。 図16は、本発明の一実施の形態の変形例に係る送信駆動波の波形を模式的に示す図である。 図17は、図16に示す送信駆動波の周波数スペクトルを模式的に示す図である。 図18は、本発明の一実施の形態の変形例に係る超音波観測装置において、送信処理部が図16に示す送信駆動波を生成した場合に周波数解析部が算出した周波数スペクトルを示すとともに、その周波数スペクトルに対して強度補正部が行う強度補正処理の概要を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超音波観測装置を備えた超音波診断システムの機能構成を示すブロック図である。同図に示す超音波診断システム1は、観測対象である被検体へ超音波を送信し、該被検体で反射された超音波を受信する超音波内視鏡2と、超音波内視鏡2が取得した超音波信号に基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置3と、超音波観測装置3が生成した超音波画像を表示する表示装置4と、を備える。
超音波診断システム1では、少なくともエコー信号の振幅を輝度に変換して表示するBモード、エコー信号同士を加算または減算することによって高調波成分を強調して表示するTHIモード、および被検体内に導入された超音波用の造影剤を強調して表示する造影モードのいずれかを設定することが可能である。このうちTHIモードでは、例えば分解能や深達度等に応じてさらに細分化したモード設定を行うことが可能である。また、一般には上記3つのモード以外のモードも設定可能である。本実施の形態では説明の便宜上、上記3つのモードを設定可能であるとする。
超音波内視鏡2は、その先端部に、超音波観測装置3から受信した電気的なパルス信号を超音波パルス(音響パルス)に変換して被検体へ照射するとともに、被検体で反射された超音波エコーを電圧変化で表現する電気的なエコー信号に変換して出力する超音波振動子21を有する。超音波振動子21は、コンベックス振動子、リニア振動子およびラジアル振動子のいずれでも構わない。超音波内視鏡2は、超音波振動子21をメカ的に走査させるものであってもよいし、超音波振動子21として複数の素子をアレイ状に設け、送受信にかかわる素子を電子的に切り替えたり、各素子の送受信に遅延をかけたりすることで、電子的に走査させるものであってもよい。
図2は、超音波振動子21の感度の周波数特性を模式的に示す図である。図2では、横軸を周波数f、縦軸を感度Sとしている。図2に示す特性曲線101からも明らかなように、超音波振動子21は、特定の周波数帯域である有効帯域Wに対して高い感度を有しており、超音波信号に対するフィルタの機能を果たしている。一般に、超音波振動子21の感度の周波数特性は、機種に応じて異なる。このため、超音波観測装置3では、後述する記憶部37の振動子情報記憶部371が、超音波振動子21の種類ごとの感度特性を記憶している。
超音波内視鏡2は、通常は撮像光学系および撮像素子を有する。超音波内視鏡2は、観測対象である被検体の消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)または呼吸器(気管、気管支)へ挿入され、消化管、呼吸器やその周囲臓器(膵臓、胆嚢、胆管、胆道、リンパ節、縦隔臓器、血管等)を撮像することが可能である。また、超音波内視鏡2は、撮像時に被検体へ照射する照明光を導くライトガイドを有する。このライトガイドは、先端部が超音波内視鏡2の被検体への挿入部の先端まで達している一方、基端部が照明光を発生する光源装置に接続されている。
超音波観測装置3は、超音波内視鏡2と電気的に接続され、所定の波形および送信タイミングに基づいて高電圧パルスからなる送信信号(パルス信号)を超音波振動子21へ送信するとともに、超音波振動子21から電気的な受信信号であるエコー信号を受信する送受信部31と、送受信部31から受信したエコー信号をもとにデジタルの受信データを生成する信号処理部32と、送受信部31から受信したエコー信号に対して所定の演算を行う演算部33と、各種画像データを生成する画像処理部34と、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザインタフェースを用いて実現され、各種情報の入力を受け付ける入力部35と、超音波診断システム1全体の動作を統括して制御する制御部36と、超音波観測装置3の動作に必要な各種情報を記憶する記憶部37と、を備える。
送受信部31は、超音波画像のモード設定に応じた送信駆動波を生成して超音波内視鏡2へ送信する送信処理部311と、超音波内視鏡2から受信したエコー信号に対して超音波振動子21から観測対象における超音波の反射位置までの距離である受信深度が大きいエコー信号ほど高い増幅率で増幅するSTC(Sensitivity Time Control)補正を行う受信処理部312とを有する。超音波内視鏡2が複数の素子をアレイ状に設けた超音波振動子21を電子的に走査させる構成を有する場合、送受信部31は、複数の素子に対応したビーム合成用の多チャンネル回路を有する。
図3は、送信処理部311が生成する送信駆動波の波形の一例を模式的に示す図であり、Bモード用の送信駆動波の波形を示す図である。図3では、横軸を時間t、縦軸を電圧Vとしている。図3に示す送信駆動波111は、最大電圧(振幅)Vを有する矩形状のパルス信号である。なお、送信駆動波の電圧は、超音波振動子21の種類に応じて負の値に立ち上がることもある。本実施の形態において、各種波形を表す曲線および直線は、離散的な点の集合からなる。
図4は、図3に示すBモード用の送信駆動波の周波数スペクトルを模式的に示す図である。図4では、横軸を周波数f、縦軸を強度Iとしている。図4に示すスペクトル121は、超音波振動子21の有効帯域Wを含むような広帯域の分布を有する。ここでいう「周波数スペクトル」とは、パルス信号に高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を施すことによって得られた「強度の周波数分布」を意味する。また、ここでいう「強度」とは、例えばパルス信号の電圧、電力等のパラメータ、これらパラメータの振幅や時間積分値やその組み合わせのいずれかを指す。
図5は、送信処理部311が生成する送信駆動波の波形の別な例を模式的に示す図であり、造影モード用の送信駆動波の波形を示す図である。図5では、横軸を時間t、縦軸を電圧Vとしている。図5に示す送信駆動波112における最大電圧(振幅)Vを有するパルス信号である。この最大電圧Vは、Bモード用の送信駆動波111の最大電圧Vよりも小さく設定される(V>V)。
図6は、図5に示す造影モード用の送信駆動波の周波数スペクトルを模式的に示す図である。図6では、横軸を周波数f、縦軸を強度Iとしている。図6に示すスペクトル122は、超音波振動子21の有効帯域Wよりも狭い帯域で実質的に強度を有する。図5および図6に示す造影モード用の送信駆動波は、Bモード用の送信駆動波と比較して、低振幅を有するとともに狭周波数帯域からなる信号である。
図7は、受信処理部312が行う増幅処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。図7に示す受信深度zは、超音波の受信開始時点からの経過時間に基づいて算出される量である。図7に示すように、増幅率β(dB)は、受信深度zが閾値zthより小さい場合、受信深度zの増加に伴ってβからβth(>β)へ線型に増加する。また、増幅率β(dB)は、受信深度zが閾値zth以上である場合、一定値βthをとる。閾値zthの値は、観測対象から受信する超音波信号がほとんど減衰してしまい、ノイズが支配的になるような値である。より一般に、増幅率βは、受信深度zが閾値zthより小さい場合、受信深度zの増加に伴って単調増加すればよい。図7に示す関係は、予め記憶部37に記憶されている。
受信処理部312は、増幅したエコー信号に対してフィルタリング等の処理を施した後、A/D変換し、受信信号として信号処理部32および演算部33へ出力する。
以上説明した機能構成を有する送受信部31は、制御部36が出力する各種制御信号を超音波内視鏡2に対して送信するとともに、超音波内視鏡2から識別用のIDを含む各種情報を受信して制御部36へ送信する機能も有する。
信号処理部32は、エコー信号に対してバンドパスフィルタ、包絡線検波、対数変換など公知の処理を施し、デジタルの超音波画像用受信データを生成し、画像処理部34へ出力する。この超音波画像用受信データは、超音波観測装置3で設定された観測モードに応じて生成される。信号処理部32は、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサ、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)もしくはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の特定の機能を実行する専用の集積回路等を用いて実現される。
演算部33は、送受信部31が出力したエコー信号に対して受信深度によらず増幅率を一定とするよう増幅補正を行う増幅補正部331と、増幅補正を行ったエコー信号にFFTを施して周波数解析を行うことにより超音波信号の受信深度および受信方向に応じた複数の周波数スペクトルを算出する周波数解析部332と、周波数スペクトルに対して所定の補正および近似を行うことによって該周波数スペクトルの特徴量を算出する特徴量算出部333と、を有する。演算部33は、CPU等の汎用プロセッサ、またはASICもしくはFPGA等の専用の集積回路等を用いて実現される。
図8は、増幅補正部331が行う増幅補正処理における受信深度と増幅率との関係を示す図である。図8に示すように、増幅補正部331が行う増幅処理における増幅率β(dB)は、受信深度zがゼロのとき最大値βth−βをとり、受信深度zがゼロから閾値zthに達するまで線型に減少し、受信深度zが閾値zth以上のときゼロである。なお、図8に示す関係は、予め記憶部37に記憶されている。増幅補正部331が図8に示す関係に基づいてエコー信号を増幅補正することにより、受信処理部312におけるSTC補正の影響を相殺し、一定の増幅率βthの信号を出力することができる。なお、増幅補正部331が行う受信深度zと増幅率βの関係は、受信処理部312における受信深度と増幅率の関係に応じて異なることは勿論である。
このような増幅補正を行う理由を説明する。STC補正は、アナログ信号波形の振幅を全周波数帯域にわたって均一に、かつ、深度に対しては単調増加する増幅率で増幅させることで、アナログ信号波形の振幅から減衰の影響を排除する補正処理である。このため、Bモード画像、THIモード画像または造影モード画像を生成する場合には、それらの画像から減衰の影響を排除する効果を得ることができる。
一方、本実施の形態のように超音波の周波数スペクトルを算出して解析した結果を利用する場合、STC補正でも超音波の伝播に伴う減衰の影響を正確に排除できるとは限らない、という問題がある。なぜなら、一般に減衰量は周波数によって異なるが(後述する式(1)を参照)、STC補正の増幅率は距離だけに応じて変化し、周波数依存性がないためである。
上述した問題を解決するには、Bモード画像等を生成する際にSTC補正を施したエコー信号を出力する一方、周波数スペクトルに基づいた画像を生成する際に、Bモード画像等を生成するための送信とは異なる新たな送信を行い、STC補正を施していないエコー信号を出力することが考えられる。ところがこの場合には、エコー信号に基づいて生成される画像データのフレームレートが低下してしまうという問題がある。
そこで、本実施の形態では、生成される画像データのフレームレートを維持しつつ、Bモード画像等を生成するためにSTC補正を施した信号に対してSTC補正の影響を排除するために、増幅補正部331によって増幅率の補正を行う。
周波数解析部332は、増幅補正部331が増幅補正した各音線のラインデータを所定の時間間隔でサンプリングし、サンプルデータを生成する。周波数解析部332は、サンプルデータ群にFFT処理を施すことにより、ラインデータ上の複数の箇所(データ位置)における周波数スペクトルを算出する。
図9は、超音波信号の1つの音線におけるデータ配列を模式的に示す図である。同図に示す音線SRにおいて、白または黒の長方形は、1つのサンプル点におけるデータを意味している。また、音線SRにおいて、右側に位置するデータほど、超音波振動子21から音線SRに沿って計った場合の深い箇所からのサンプルデータである(図9の矢印を参照)。音線SRは、送受信部31が行うA/D変換におけるサンプリング周波数(例えば50MHz)に対応した時間間隔で離散化されている。図9では、番号kの音線SRの8番目のデータ位置を受信深度zの方向の初期値Z(k) として設定した場合を示しているが、初期値の位置は任意に設定することができる。周波数解析部332による算出結果は複素数で得られ、記憶部37に格納される。
図9に示すデータ群F(j=1、2、・・・、K)は、FFT処理の対象となるサンプルデータ群である。一般に、FFT処理を行うためには、サンプルデータ群が2のべき乗のデータ数を有している必要がある。この意味で、サンプルデータ群F(j=1、2、・・・、K−1)はデータ数が16(=2)で正常なデータ群である一方、サンプルデータ群Fは、データ数が12であるため異常なデータ群である。異常なデータ群に対してFFT処理を行う際には、不足分だけゼロデータを挿入することにより、正常なサンプルデータ群を生成する処理を行う。この点については、周波数解析部332の処理を説明する際に詳述する(図15を参照)。
図10は、周波数解析部332が算出した周波数スペクトルの一例を示す図であり、図4に示すBモード用の送信駆動波に対して受信処理部312が生成したエコー信号の波形を模式的に示す図である。図11は、周波数解析部332が算出した周波数スペクトルの別な例を示す図であり、図6に示す造影モード用の送信駆動波に対して受信処理部312が受信したエコー信号の波形を模式的に示す図である。周波数解析部332が算出する周波数スペクトルは、サンプルデータ群にFFT処理を施すことによって得られた「ある受信深度zにおける強度Iの周波数分布」のことである。また、ここでいう「強度」とは、例えばエコー信号の電圧、エコー信号の電力、超音波エコーの音圧、超音波エコーの音響エネルギー等のパラメータ、これらパラメータの振幅や時間積分値やその組み合わせのいずれかを指す。
図10および図11では、横軸に周波数f、縦軸に強度Iを基準強度I(定数)で除した量の常用対数(デシベル表現)I=10log10(I/I)としている。なお、図10および図11にそれぞれ示すスペクトル131および132は、互いに同じ受信深度zにおける周波数分布であるものとする。
一般に、エコー信号の周波数スペクトルは、観測対象が生体組織である場合、超音波が走査された生体組織の性状によって異なる傾向を示す。これは、エコー信号の周波数スペクトルが、超音波を散乱する散乱体の大きさ、数密度、音響インピーダンス等と相関を有しているためである。ここでいう「生体組織の性状」とは、例えば悪性腫瘍(癌)、良性腫瘍、内分泌腫瘍、粘液性腫瘍、正常組織、嚢胞、脈管などのことである。
特徴量算出部333は、特徴量を算出するための周波数帯域を設定する帯域設定部334と、帯域設定部334が設定した周波数帯域で周波数スペクトルの強度を補正する強度補正部335と、強度補正した周波数スペクトル(補正周波数スペクトル)を回帰分析によって近似する近似部336と、近似した補正周波数スペクトルに対して超音波の受信深度および周波数に依存する超音波の減衰の影響を補正する減衰補正部337と、を有する。
帯域設定部334は、送信駆動波の振幅および有効な周波数帯域、ならびに超音波振動子21の感度の周波数特性等に基づいて、特徴量算出用の周波数帯域を設定する。送信駆動波の有効な周波数帯域とは、例えば送信駆動波の強度が所定の閾値よりも大きい周波数帯域のことである。特徴量算出用の周波数帯域は、近似部336が近似を行う周波数帯域のことであり、S/N比が良好で十分な信号強度が得られる周波数帯域のことである。なお、帯域設定部334は、受信したエコー信号に基づいて生成されたエコー信号の強度が所定の閾値以上となる領域を特徴量算出用の周波数帯域に設定してもよい。
帯域設定部334は、さらに超音波振動子21の表面からの距離である受信深度の情報をさらに用いて特徴量算出用の周波数帯域を設定してもよい。具体的には、帯域設定部334は、上記の如く設定した特徴量算出用の周波数帯域に対し、受信深度が大きいほど、帯域幅が狭くかつ帯域内の最大周波数が小さくなるように補正した周波数帯域を最終的な特徴量算出用の周波数帯域として設定する。これは、超音波が高周波成分ほど早く減衰する特性を有しているためである。受信深度の情報をさらに用いる場合には、受信深度と周波数帯域の補正量との関係を予め記憶部37に記憶しておき、帯域設定部334が記憶部37を参照して補正を行うようにすればよい。
強度補正部335は、周波数解析部332が算出した周波数スペクトルに対し、帯域設定部334が設定した特徴量算出用の周波数帯域で周波数ごとに強度を補正する。強度補正部335は、後述する記憶部37の強度補正情報記憶部373が記憶する強度補正情報を参照することにより、特徴量算出用の周波数帯域で周波数スペクトルの強度を周波数ごとに補正して補正周波数スペクトルを算出する。強度補正情報の詳細については、強度補正情報記憶部373を説明する際に詳述する。
図12は、強度補正部335が特徴量算出用の周波数帯域Uで行う強度補正処理を模式的に示す図である。具体的には、図12は、基準モードをBモードとし、補正対象を造影モードとした場合に、強度補正部335が図11に示すスペクトル132の強度補正処理を行う場合を模式的に示している。図12に示す矢印は、代表的な周波数における補正を模式的に表している。この補正を行うことによって得られる補正スペクトル133は、周波数帯域Uにおいて、図10に示すスペクトル131と同じ形状を有することとなる。
近似部336は、帯域設定部334が設定した特徴量算出用の周波数帯域において、強度補正後の補正周波数スペクトルに回帰分析を行って一次式で近似することにより、補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する。例えば、図12に示す補正スペクトル133の場合、近似部336は、周波数帯域Uで回帰分析を行うことによって近似直線を得る。図13は、この近似部336の処理を模式的に示す図である。図13に示す直線L10は、近似部336が算出する近似直線である。ここで近似直線L10を周波数fの一次式I=af+bで表すと、近似部336は、直線L10に対応する特徴量として、傾きa、切片b、および周波数帯域Uの中心周波数f=(f+f)/2における強度Iの値であるミッドバンドフィット(Mid−band fit)c=a+bを特徴量として抽出したことになる。本実施の形態では、この後、減衰補正部337が特徴量a、b、cに対して減衰補正を行うことによって最終的な特徴量を算出する。そこで、以下では、近似部336が抽出した補正周波数スペクトルの特徴量のことを「仮特徴量」という。なお、近似部336は、回帰分析によって二次以上の多項式で周波数スペクトルを近似することも可能である。
3つの仮特徴量のうち、傾きaは、超音波の散乱体の大きさと相関を有し、一般に散乱体が大きいほど傾きが小さな値を有すると考えられる。また、切片bは、散乱体の大きさ、音響インピーダンスの差、散乱体の数密度(濃度)等と相関を有している。具体的には、切片bは、散乱体が大きいほど大きな値を有し、音響インピーダンスの差が大きいほど大きな値を有し、散乱体の数密度が大きいほど大きな値を有すると考えられる。また、ミッドバンドフィットcは、傾きaと切片bから導出される間接的なパラメータであり、有効な周波数帯域内の中心におけるスペクトルの強度を与える。このため、ミッドバンドフィットcは、散乱体の大きさ、音響インピーダンスの差、散乱体の数密度に加えて、Bモード画像の輝度とある程度の相関を有していると考えられる。
減衰補正部337は、近似部336が抽出した仮特徴量(傾きa,切片b,強度c)を減衰補正することによって特徴量を抽出する。ここで、減衰補正部337が行う補正について説明する。一般に、超音波の減衰量A(f,z)は、
A(f,z)=2αzf ・・・(1)
と表される。ここで、αは減衰率であり、zは超音波の受信深度であり、fは周波数である。式(1)からも明らかなように、減衰量A(f,z)は、周波数fに比例している。減衰率αの具体的な値は、観察対象が生体である場合、0.0〜1.0(dB/cm/MHz)、より好ましくは0.3〜0.7(dB/cm/MHz)であり、生体の部位に応じて定まる。例えば、観察対象が膵臓である場合には、α=0.6(dB/cm/MHz)と定めることがある。なお、本実施の形態において、減衰率αの値を入力部35からの入力によって設定または変更可能な構成としてもよい。
減衰補正部337は、傾きa,切片b,強度cを、以下のように減衰補正することによって特徴量を抽出する。
a=a+2αz ・・・(2)
b=b ・・・(3)
c=c+2αzf(=af+b) ・・・(4)
式(2)、(4)からも明らかなように、減衰補正部337は、超音波の受信深度zが大きいほど、補正量が大きい補正を行う。また、式(3)によれば、切片に関する補正は恒等変換である。これは、切片が周波数0(Hz)に対応する周波数成分であって減衰の影響を受けないためである。
式(2)の傾きaおよび式(3)の切片bを有する直線の式は、
I=af+b=(a+2αz)f+b ・・・(5)
で与えられる。図13に示す直線Lは、この近似直線を模式的に示している。式(5)および図13からも明らかなように、直線Lは、減衰補正前の直線L10と比較して、傾きが大きく、かつ切片が同じである。
以上説明した機能構成を有する特徴量算出部333が算出する特徴量として、複数の単位領域(判別窓ともいう)において減衰補正部337が算出した傾きa、切片b、およびミッドバンドフィットcの統計量を適用することも可能である。このような統計量としては、平均、標準偏差、分散、およびエントロピーなどを挙げることができる。
画像処理部34は、エコー信号から選択された表示モードの超音波画像データを生成する超音波画像データ生成部341と、特徴量算出部333が算出した特徴量に関連する視覚情報を表示する特徴量画像データを生成する特徴量画像データ生成部342と、を有する。
超音波画像データ生成部341は、信号処理部32から受信したエコー信号を用いて、設定された観察モードに応じた超音波画像データを生成する。本実施の形態において、超音波画像データ生成部341は、Bモード画像データ、THIモード画像データ、および造影モード画像データのいずれかを生成する。
特徴量画像データ生成部342は、特徴量算出部333が算出した特徴量を示す特徴量画像データを生成する。具体的には、特徴量画像データ生成部342は、特徴量に関連する視覚情報を超音波画像データにおける画像の各画素に対して重畳することによって特徴量画像データを生成する。特徴量に関連する視覚情報としては、例えば色相、彩度、明度、輝度値、R(赤)、G(緑)、B(青)などの所定の表色系を構成する色空間の変数を挙げることができる。特徴量画像は、2次元画像でもよいし、3次元画像でもよい。
特徴量画像データ生成部342は、例えば図9に示す1つの振幅データ群F(j=1、2、・・・、K)のデータ量に対応する画素領域に対し、そのサンプルデータ群Fから算出される周波数スペクトルの特徴量に対応する視覚情報を割り当てる。
なお、特徴量画像データ生成部342は、例えば上述した傾きa、切片b、ミッドバンドフィットcのいずれか一つに視覚情報を対応付けることによって特徴量画像データを生成してもよい。また、特徴量画像データ生成部342は、傾きa、切片b、ミッドバンドフィットcから選択される2つの特徴量の一方に色相を対応付けるとともに、他方に明暗を対応付けることによって特徴量画像データを生成するようにしてもよい。
制御部36は、表示装置4の表示を制御する表示制御部361を有する。表示制御部361は、表示装置4に対し、超音波画像データ生成部341が生成した超音波画像データに対応する超音波画像と、特徴量画像データ生成部342が生成した特徴量画像データに対応する特徴量画像とを並べて表示させる制御を行う。
制御部36は、演算および制御機能を有するCPU等の汎用プロセッサ、またはASICもしくはFPGA等の専用の集積回路等を用いて実現される。制御部36が汎用プロセッサまたはFPGAによって実現される場合は、記憶部37が記憶する各種プログラムや各種データを記憶部37から読み出し、超音波観測装置3の作動方法に関連した各種演算処理を実行することによって超音波観測装置3を統括して制御する。制御部36がASICを用いて構成される場合は、各種処理を単独で実行してもよいし、記憶部37が記憶する各種データ等を用いることによって各種処理を実行してもよい。なお、制御部36を信号処理部32および演算部33と共通の汎用プロセッサまたは専用の集積回路等を用いて構成することも可能である。
記憶部37は、超音波観測装置3に接続される超音波振動子21に固有の振動子情報として感度帯域等の情報を記憶する振動子情報記憶部371と、設定可能な観察モードに関する情報を記憶するモード情報記憶部372と、観察モードごとの強度補正情報を記憶する強度補正情報記憶部373と、を有する。
振動子情報記憶部371は、超音波振動子21の種類に応じた感度特性を記憶する。感度特性は、例えば図2に示す特性曲線101で与えられる。
モード情報記憶部372は、設定可能な観察モードに応じたパラメータを記憶する。そのようなパラメータとして、送信駆動波に関するパラメータを挙げることができる。より具体的には、モード情報記憶部372は、観察モードごとに生成する送信駆動波の振幅や周波数スペクトルの情報を記憶する。
強度補正情報記憶部373は、設定可能な観察モードの中で予め定められた基準モードに対し、他の観察モードの強度を補正するための情報を記憶する。例えば、強度補正情報記憶部373は、高振幅の最大電圧を有するとともに広い周波数帯域の周波数スペクトルからなる送信駆動波が生成されるBモードを基準モードとし、他の観察モード(THIモード、造影モード等)との送信駆動波の周波数スペクトルの周波数ごとの差分を強度補正情報として記憶する。
記憶部37は、上記以外にも、例えば増幅処理に必要な情報(図7に示す増幅率と受信深度との関係)、増幅補正処理に必要な情報(図8に示す増幅率と受信深度との関係)、減衰補正処理に必要な情報(式(1)参照)、周波数解析処理に必要な窓関数(Hamming、Hanning、Blackman等)の情報等を記憶する。
また、記憶部37は、超音波観測装置3の作動方法を実行するための作動プログラムを含む各種プログラムを記憶する。作動プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD−ROM、DVD−ROM、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。なお、上述した各種プログラムは、通信ネットワークを介してダウンロードすることによって取得することも可能である。ここでいう通信ネットワークは、例えば既存の公衆回線網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などによって実現されるものであり、有線、無線を問わない。
以上の構成を有する記憶部37は、各種プログラム等が予めインストールされたROM(Read Only Memory)、および各処理の演算パラメータやデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を用いて実現される。
図14は、超音波観測装置3が行う処理の概要を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、送信処理部311が観察モードに応じた送信駆動波の送信を開始し、超音波振動子21が超音波の送信を開始した後の処理を示している。
まず、受信処理部312は、超音波内視鏡2から超音波振動子21による観測対象の測定結果であるエコー信号を受信する(ステップS1)。
超音波振動子21からエコー信号を受信した受信処理部312は、そのエコー信号に対して所定の受信処理を行う(ステップS2)。具体的には、受信処理部312は、エコー信号を増幅(STC補正)した後、フィルタリング、A/D変換等の処理を施す。受信処理部312が増幅を行う際には、例えば図7に示す増幅率と受信深度との関係を用いる。
続いて、超音波画像データ生成部341は、受信処理部312が増幅等の処理を施したエコー信号を用いて超音波画像データを生成し、表示装置4へ出力する(ステップS3)。この際、表示制御部361は、超音波画像データを表示装置4に表示させる制御を行ってもよい。
増幅補正部331は、送受信部31から出力されたエコー信号に対して受信深度によらず増幅率が一定となるように増幅補正を行う(ステップS4)。ここで、増幅補正部331は、例えば図8に示す増幅率と受信深度との関係に基づいて増幅補正を行う。
この後、周波数解析部332は、増幅補正後の各音線のエコー信号に対してFFTによる周波数解析を行うことによって全てのサンプルデータ群に対する周波数スペクトルを算出し、記憶部37へ格納する(ステップS5)。図15は、ステップS5において周波数解析部332が行う処理の概要を示すフローチャートである。以下、図15に示すフローチャートを参照して、周波数解析処理を詳細に説明する。
まず、周波数解析部332は、解析対象の音線を識別するカウンタkをkとする(ステップS21)。
続いて、周波数解析部332は、FFT演算用に生成した一連のデータ群(サンプルデータ群)を代表するデータ位置(受信深度に相当)Z(k)の初期値Z(k) を設定する(ステップS22)。例えば、図9では、上述したように、音線SRの8番目のデータ位置を初期値Z(k) として設定した場合を示している。
その後、周波数解析部332は、サンプルデータ群を取得し(ステップS23)、取得したサンプルデータ群に対し、記憶部37が記憶する窓関数を作用させる(ステップS24)。このようにサンプルデータ群に対して窓関数を作用させることにより、サンプルデータ群が境界で不連続になることを回避し、アーチファクトが発生するのを防止することができる。
続いて、周波数解析部332は、データ位置Z(k)のサンプルデータ群が正常なデータ群であるか否かを判定する(ステップS25)。図9を参照した際に説明したように、サンプルデータ群は、2のべき乗のデータ数を有している必要がある。以下、正常なサンプルデータ群のデータ数を2(nは正の整数)とする。本実施の形態では、データ位置Z(k)が、できるだけデータ位置Z(k)が属するサンプルデータ群の中心になるように設定される。具体的には、サンプルデータ群のデータ数は2であるので、データ位置Z(k)はそのサンプルデータ群の中心に近い2/2(=2n−1)番目の位置に設定される。この場合、サンプルデータ群が正常であるとは、データ位置Z(k)より浅部側に2n−1−1(=Nとする)個のデータがあり、データ位置Z(k)より深部側に2n−1(=Mとする)個のデータがあることを意味する。図9に示す場合、サンプルデータ群F(j=1、2、・・・、K−1)は正常である。なお、図9ではn=4(N=7,M=8)の場合を例示している。
ステップS25における判定の結果、データ位置Z(k)のサンプルデータ群が正常である場合(ステップS25:Yes)、周波数解析部332は、後述するステップS27へ移行する。
ステップS25における判定の結果、データ位置Z(k)のサンプルデータ群が正常でない場合(ステップS25:No)、周波数解析部332は、不足分だけゼロデータを挿入することによって正常なサンプルデータ群を生成する(ステップS26)。ステップS25において正常でないと判定されたサンプルデータ群(例えば図9のサンプルデータ群F)は、ゼロデータを追加する前に窓関数が作用されている。このため、サンプルデータ群にゼロデータを挿入してもデータの不連続は生じない。ステップS26の後、周波数解析部332は、後述するステップS27へ移行する。
ステップS27において、周波数解析部332は、サンプルデータ群を用いてFFT演算を行うことにより、振幅の周波数分布である周波数スペクトルを得る(ステップS27)。
続いて、周波数解析部332は、データ位置Z(k)をステップ幅Dで変化させる(ステップS28)。ステップ幅Dは、記憶部37が予め記憶しているものとする。図9では、D=15の場合を例示している。ステップ幅Dは、超音波画像データ生成部341がBモード画像データを生成する際に利用するデータステップ幅と一致させることが望ましいが、周波数解析部332における演算量を削減したい場合には、ステップ幅Dとしてデータステップ幅より大きい値を設定してもよい。
その後、周波数解析部332は、データ位置Z(k)が音線SRにおける最大値Z(k) maxより大きいか否かを判定する(ステップS29)。データ位置Z(k)が最大値Z(k) maxより大きい場合(ステップS29:Yes)、周波数解析部332はカウンタkを1増加させる(ステップS30)。これは、処理をとなりの音線へ移すことを意味する。一方、データ位置Z(k)が最大値Z(k) max以下である場合(ステップS29:No)、周波数解析部332はステップS23へ戻る。
ステップS30の後、周波数解析部332は、カウンタkが最大値kmaxより大きいか否かを判定する(ステップS31)。カウンタkがkmaxより大きい場合(ステップS31:Yes)、周波数解析部332は一連の周波数解析処理を終了する。一方、カウンタkがkmax以下である場合(ステップS31:No)、周波数解析部332はステップS22に戻る。この最大値kmaxは、ユーザが入力部35を通じて任意に指示入力した値、もしくは、記憶部37に予め設定された値とする。
このようにして、周波数解析部332は、解析対象領域内の(kmax−k+1)本の音線の各々について複数回のFFT演算を行う。FFT演算の結果として得られる周波数スペクトルは、受信深度、受信方向とともに記憶部37に格納される。
なお、以上の説明では、周波数解析部332が超音波信号を受信したすべての領域に対して周波数解析処理を行うものとしたが、入力部35が特定の深度幅および音線幅で区切られる部分領域の設定入力を受け付け可能な構成とし、設定された部分領域内においてのみ周波数解析処理を行うようにすることも可能である。
以上説明したステップS5の周波数解析処理に続いて、帯域設定部334は、特徴量算出用の周波数帯域を設定する(ステップS6)。このステップS6により、例えば図12に示す周波数帯域Uが設定される。
その後、強度補正部335は、強度補正情報記憶部373が記憶する強度補正情報を参照し、特徴量算出用の周波数帯域で周波数スペクトルの強度を補正する(ステップS7)。例えば、基準モードをBモードとした場合において、観察モードが造影モードに設定されているとき、強度補正部335は、図12に示すようにスペクトル132の強度を補正して補正スペクトル133を得る。
近似部336は、強度補正した補正周波数スペクトルを、特徴量算出用の周波数帯域で回帰分析を行うことにより一次式で近似し、補正周波数スペクトルの特徴量である仮特徴量を抽出する(ステップS8)。ここで抽出する仮特徴量としては、例えば上述した傾きa、切片b、ミッドバンドフィットcを挙げることができる。これらの仮特徴量を有する直線として、図13に示す直線L10を例示することができる。
減衰補正部337は、仮特徴量に対して減衰補正を行うことによって特徴量を抽出する(ステップS9)。例えば、減衰補正部337は、上述した式(2)〜(4)を用いて減衰補正を行い、傾きa、切片b、強度cを特徴量として抽出する。これらの特徴量を有する直線として、図13に示す直線Lを例示することができる。
特徴量画像データ生成部342は、ステップS9で抽出した特徴量を用いて特徴量画像データを生成する(ステップS10)。例えば、特徴量画像データ生成部342は、超音波画像データにおける各画素に対し、特徴量と関連づけた視覚情報(例えば色相)を重畳することによって特徴量画像データを生成する。特徴量画像データ生成部342は、生成した特徴量画像データを表示装置4へ送信する。
この後、表示制御部361は、表示装置4に対して、ステップS3で生成した超音波画像データに対応する超音波画像とステップS10で生成した特徴量画像データに対応する特徴量画像を画面上で並べて表示させる制御を行う(ステップS11)。
ステップS11の後、超音波観測装置3は一連の処理を終了する。超音波観測装置3は、ステップS1〜S11の処理を周期的に繰り返し実行する。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、所定の周波数帯域における周波数スペクトルの強度を送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出した後、その補正周波数スペクトルを所定の周波数帯域で近似することによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出しているため、送信駆動波によらない特徴量を抽出することができる。したがって、送信する超音波の特性によらず、受信した超音波に対応する周波数スペクトルの特徴量を一定に保つことができる。
また、本実施の形態によれば、超音波画像と特徴量画像を並べて表示させる際、観察モードに応じて特徴量画像が変化しないため、医師等のユーザは観察モードを変更しても同じ条件下で特徴量画像を確認することができる。特に、本実施の形態によれば、送信駆動波の特性が大きく異なるBモードまたはTHIモードから造影モードへ観察モードを切り替えた場合であっても特徴量画像に変化がないため、ユーザは違和感を感じずに特徴量画像を目視することができる。その結果、特徴量画像を用いたユーザによる診断が容易となり、診断の精度向上にも寄与することができる。
また、本実施の形態によれば、超音波の受信深度の情報をさらに用いて周波数帯域を設定する場合、超音波の減衰によってS/N比が悪化した周波数帯域を近似に含めないことにより、特徴量の算出精度を向上させることができる。
図16は、実施の形態の変形例に係る送信駆動波の波形を模式的に示す図である。図16では、図3と同様に横軸を時間t、縦軸を電圧Vとしている。図16に示す送信駆動波113は、最大電圧(振幅)Vを有する矩形状のパルスである。最大電圧Vは、図3に示すBモード用の送信駆動波111の最大電圧VよりもΔVだけ小さいものとする。
図17は、図16に示す送信駆動波の周波数スペクトルを模式的に示す図である。図17では、横軸を周波数f、縦軸を強度Iとしている。図17に示すスペクトル123は、図4に示すスペクトル121を一様にΔIだけ強度を小さくした波形に相当している。この強度差ΔIは、送信駆動波111の最大電圧と送信駆動波113の最大電圧との差ΔVに応じて定まる。
図18は、送信処理部311が図16に示す送信駆動波113を生成した場合に、周波数解析部332が算出した周波数スペクトルを示すとともに、その周波数スペクトルに対して強度補正部335が行う強度補正処理の概要を模式的に示す図である。図18に示す場合も、強度補正部335は、Bモードを基準モードとして強度補正を行っている。また、図18では、帯域設定部334が、特徴量算出用の周波数帯域U’を設定した場合を示している。
スペクトル134は、図10に示すスペクトル131と全く同じ条件で反射されて戻ってきたエコー信号に基づいて生成された周波数スペクトルである。補正スペクトル135は、周波数帯域U’におけるスペクトル134を一様な補正量ΔIで強度補正した後のスペクトルである。
以上説明した変形例からも明らかなように、本実施の形態では、様々な波形および周波数スペクトルを有する送信駆動波を生成することが可能である。
ここまで、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は上述した一実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、減衰補正部337による減衰補正処理は、近似部336による近似処理の前であるとともに帯域設定部334による帯域設定処理の後、または近似部336による近似処理の後であればどのタイミングで行ってもよい。
また、上述した超音波内視鏡以外の超音波プローブに対しても適用することが可能である。超音波プローブとして、光学系のない細径の超音波ミニチュアプローブを適用してもよい。超音波ミニチュアプローブは、通常、胆道、胆管、膵管、気管、気管支、尿道、尿管へ挿入され、その周囲臓器(膵臓、肺、前立腺、膀胱、リンパ節等)を観察する際に用いられる。また、超音波プローブとして、被検体の体表から超音波を照射する体外式超音波プローブを適用してもよい。体外式超音波プローブは、通常、腹部臓器(肝臓、胆嚢、膀胱)、乳房(特に乳腺)、甲状腺を観察する際に用いられる。
このように、本発明は、特許請求の範囲に記載した技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な実施の形態を含みうるものである。
1 超音波診断システム
2 超音波内視鏡
3 超音波観測装置
4 表示装置
21 超音波振動子
31 送受信部
32 信号処理部
33 演算部
34 画像処理部
35 入力部
36 制御部
37 記憶部
101 特性曲線
111、112、113 送信駆動波
121、122、123、131、132、134 スペクトル
133、135 補正スペクトル
311 送信処理部
312 受信処理部
331 増幅補正部
332 周波数解析部
333 特徴量算出部
334 帯域設定部
335 強度補正部
336 近似部
337 減衰補正部
341 超音波画像データ生成部
342 特徴量画像データ生成部
361 表示制御部
371 振動子情報記憶部
372 モード情報記憶部
373 強度補正情報記憶部

Claims (11)

  1. 観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波エコーに基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置であって、
    前記超音波プローブが送信する超音波パルスを生成するための電気的な送信駆動波を生成して前記超音波プローブへ出力する一方、前記超音波プローブから電気的なエコー信号を受信する送受信部と、
    前記エコー信号の周波数を解析することによって該エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、
    前記周波数スペクトルの特徴量を算出する際に適用する特徴量算出用の周波数帯域を前記送信駆動波に応じて設定する帯域設定部と、
    前記帯域設定部が設定した前記特徴量算出用の周波数帯域における前記周波数スペクトルの強度を前記送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出する強度補正部と、
    前記強度補正部が算出した前記補正周波数スペクトルに対して前記特徴量算出用の周波数帯域で近似を行うことによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似部と、
    を備えたことを特徴とする超音波観測装置。
  2. 前記帯域設定部は、
    前記送信駆動波の振幅および周波数帯域ならびに当該超音波観測装置に接続された前記超音波プローブが備える前記超音波振動子の特性に応じて前記特徴量算出用の周波数帯域を設定することを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  3. 前記帯域設定部は、
    前記超音波の受信深度の情報をさらに用いて前記特徴量算出用の周波数帯域を設定することを特徴とする請求項2に記載の超音波観測装置。
  4. 互いに生成される前記送信駆動波の特性が異なる複数の観察モードを設定可能であり、
    前記帯域設定部は、
    前記複数の観察モードに含まれる基準モードにおける前記送信駆動波の前記周波数スペクトルと補正対象の電気的な前記エコー信号を得るために生成された前記送信駆動波の前記周波数スペクトルとの周波数ごとの差分を補正量として用いることにより、前記補正周波数スペクトルを算出することを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  5. 前記複数の観察モードは、前記観測対象内に導入される超音波用の造影剤を強調して表示する造影モードを含み、
    前記基準モードにおける前記送信駆動波は、前記造影モードにおける前記送信駆動波よりも高振幅の電圧を有するとともに広い周波数帯域からなる信号であることを特徴とする請求項4に記載の超音波観測装置。
  6. 前記周波数スペクトルの強度を補正する際に必要な強度補正情報を記憶する強度補正情報記憶部をさらに備え、
    前記強度補正部は、前記強度補正情報を用いて前記補正周波数スペクトルを算出することを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  7. 当該超音波観測装置において設定可能な複数の観察モードであって互いに生成される前記送信駆動波の特性が異なる複数の観察モードに関する情報を記憶するモード情報記憶部と、
    当該超音波観測装置に接続可能な前記超音波プローブが備える前記超音波振動子の特性を含む情報を記憶する振動子情報記憶部と、
    をさらに備え、
    前記帯域設定部は、
    前記モード情報記憶部および前記振動子情報記憶部が記憶する情報を用いて前記特徴量算出用の周波数帯域を設定することを特徴とする請求項2に記載の超音波観測装置。
  8. 前記近似部が前記補正周波数スペクトルの近似処理を行う前であるとともに前記帯域設定部が前記特徴量算出用の周波数帯域を設定した後、または前記近似部が前記補正周波数スペクトルの近似処理を行った後に、超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正を行う減衰補正部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  9. 前記エコー信号を用いて超音波画像データを生成する超音波画像データ生成部と、
    前記特徴量に関連する情報を表示する特徴量画像データを生成する特徴量画像データ生成部と、
    前記超音波画像データおよび前記特徴量画像データにそれぞれ対応する2つの画像を当該超音波観測装置に接続される表示装置に並べて表示させる表示制御部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波観測装置。
  10. 観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波エコーに基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置の作動方法であって、
    前記超音波プローブが送信する超音波パルスを生成するための電気的な送信駆動波を生成して前記超音波プローブへ出力する送受信部が、前記超音波プローブから電気的なエコー信号を受信する信号生成ステップと、
    周波数解析部が、前記エコー信号の周波数を解析することによって該エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数解析ステップと、
    帯域設定部が、前記周波数スペクトルの特徴量を算出する際に適用する特徴量算出用の周波数帯域を前記送信駆動波に応じて設定する帯域設定ステップと、
    強度補正部が、前記特徴量算出用の周波数帯域における前記周波数スペクトルの強度を前記送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出する強度補正ステップと、
    前記補正周波数スペクトルに対して前記特徴量算出用の周波数帯域で近似を行うことによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似ステップと、
    を含むことを特徴とする超音波観測装置の作動方法。
  11. 観測対象へ超音波を送信し、該観測対象で反射された超音波を受信する超音波振動子を備えた超音波プローブが取得した超音波エコーに基づいて超音波画像を生成する超音波観測装置に、
    前記超音波プローブが送信する超音波パルスを生成するための電気的な送信駆動波を生成して前記超音波プローブへ出力する送受信部が、前記超音波プローブから電気的なエコー信号を受信する信号生成ステップと、
    周波数解析部が、前記エコー信号の周波数を解析することによって該エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数解析ステップと、
    帯域設定部が、前記周波数スペクトルの特徴量を算出する際に適用する特徴量算出用の周波数帯域を前記送信駆動波に応じて設定する帯域設定ステップと、
    強度補正部が、前記特徴量算出用の周波数帯域における前記周波数スペクトルの強度を前記送信駆動波に応じて定まる補正量で補正することによって補正周波数スペクトルを算出する強度補正ステップと、
    前記補正周波数スペクトルに対して前記特徴量算出用の周波数帯域で近似を行うことによって該補正周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似ステップと、
    を実行させることを特徴とする超音波観測装置の作動プログラム。
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