JP2017217300A - 皮膚毛細血管の観察方法 - Google Patents

皮膚毛細血管の観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017217300A
JP2017217300A JP2016115213A JP2016115213A JP2017217300A JP 2017217300 A JP2017217300 A JP 2017217300A JP 2016115213 A JP2016115213 A JP 2016115213A JP 2016115213 A JP2016115213 A JP 2016115213A JP 2017217300 A JP2017217300 A JP 2017217300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spacer
fluid
capillaries
opening
subject
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016115213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6688164B2 (ja
Inventor
麦 瀧本
Baku Takimoto
麦 瀧本
智 内藤
Satoshi Naito
智 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016115213A priority Critical patent/JP6688164B2/ja
Publication of JP2017217300A publication Critical patent/JP2017217300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6688164B2 publication Critical patent/JP6688164B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

【課題】 皮膚の任意の局所部位に化学的又は物理的な外部刺激を与えながら、当該部位の毛細血管の応答を直接的に観察する手法及びそれに用いる装置の提供。【解決手段】外部刺激に対する皮膚表層の毛細血管の応答を顕微観察する方法であって、撮影台の被写体配置部に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーを設置する工程、被験者の身体部位を前記スペーサーに接触させる工程、前記流体注入部を介してスペーサー開口部内に流体を注入する工程、及びスペーサー開口部に呈示された皮膚表面の毛細血管を顕微鏡システムにより観察する工程、を含む毛細血管の観察方法。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚表層の毛細血管を観察する方法、詳細には外部刺激に対する皮膚表面の毛細血管の応答を観察する方法に関する。
ヒトの皮膚は、表皮、真皮およびその付属器官(汗腺等)より構成されている。表皮は最表層に位置する厚さ100〜200μm程度の組織であり、体内側より順に、基底層・有棘層・顆粒層・角層の4層より構成されている。最も上層に位置する角層は、外界からの刺激に対する防御の最前線であり、生体の恒常性を維持する上で重要な役割を担っている。また角層は美容的にも重要な部位である。即ち、いわゆる肌荒れや化粧のりといった現象は、角層構造の乱れや角層組成の変化等と密接に関連する。従って健康な肌や、美しい肌を実現するには、角層を良い状態に維持する必要がある。
基底層で作られたケラチノサイトが角化し、有棘層、顆粒層を経て扁平な角層細胞に分化することによって角層は形成される。表皮(基底層・有棘層・顆粒層・角層)には毛細血管が存在しないため、ケラチノサイトの代謝・分化に必要な酸素や栄養素は、表皮下にある真皮の血管系より供給される。具体的には、表皮・真皮境界にある乳頭構造中の毛細血管や、乳頭外にある表皮近傍の毛細血管が、供給の最終段の役割を担っている。
これらの毛細血管には、常に血液が流れているわけではない。皮膚の状況に応じて、毛細血管に流れる血液量は制御されていると考えられている。例えば、表皮代謝が活発な部位では、毛細血管に流れる血液量が大きくなっていると考えられる。
このように表皮近傍の毛細血管における血流挙動は、1)表皮におけるケラチノサイトの代謝や分化に直接的な影響を及ぼす因子であり、2)角層の状態に間接的に寄与する因子であり、3)最終的には、健康で美しい肌の実現に寄与する因子であると考えられている。従って、皮膚表層における毛細血管での血流状態を把握することは、皮膚の健康状態の把握、肌荒れ等の皮膚トラブルの原因の究明の他、皮膚の状態を改善する物質や物理的作用の評価に有用である。
既存の代表的な皮膚表層の血流評価法としては、レーザードップラー法やレーザースペックル法(非特許文献1)、及び光学顕微鏡観察(非特許文献2,非特許文献3)が挙げられる。皮膚にレーザー光を照射し、流れている赤血球の表面で光が反射する際の、反射光のドップラーシフト(レーザードップラー法)や、反射光強度の時間変動(レーザースペックル法)から血流を評価する場合、一般的には深さ1mm程度までの平均的な血流情報を取得する。それに対して、表皮の代謝・分化に直接寄与する上述の毛細血管は、皮膚表面からおよそ400μm程度の範囲に存在する。従ってレーザードップラー法やレーザースペックル法では、皮膚表層の毛細血管のみの情報を取得することができない。
また、特許文献1には、測定部位に圧迫を加えない非接触型のプローブを採用した皮下組織の血流変化を検査する血流検査用プローブが開示され、プローブを皮膚に接着固定した状態で当該皮膚を薬浴に浸け、その血流変化を測定することが記載されている。しかしながら、当該プローブもレーザー光を照射して血流を評価するものであり、毛細血管のみの情報を取得するものではない。
特開2003−79589号公報
"Reproducibility of Non-Invasive Assessment of Skin Endothelial Function Using Laser Doppler Flowmetry and Laser Speckle Contrast Imaging" Puissant, C. et al., PLoS ONE 2013, 8, 4, e61320. "The effects of aging on the cutaneous microvasculature" Kelly, R.I. et al., J Am Acad Dermatol 1995, 33, 5, 749-756. "Geometrical capillary network analysis" Sainthillier, J.-M., et al., Skin Res Technol 2003, 9, 4, 312-320.
本発明は、皮膚の任意の局所部位に化学的又は物理的な外部刺激を与えながら、当該部位の毛細血管の応答を直接的に観察する手法及びそれに用いる装置を提供することに関する。
すなわち、本発明は、以下の1)〜2)に係るものである。
1)外部刺激に対する皮膚表層の毛細血管の応答を顕微観察する方法であって、
撮影台の被写体配置部に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーを設置する工程、
被験者の身体部位を前記スペーサーの開口部を覆うように、スペーサーに接触させる工程、
前記流体注入部を介してスペーサー開口部内に流体を注入する工程、及び
スペーサー開口部に呈示された皮膚表面の毛細血管を顕微鏡システムにより観察する工程、を含む毛細血管の観察方法。
2)上記1)の方法に用いられる装置であって、
被写体配置部を備えた撮影台と、前記被写体配置部を介して被写体と反対側に配置された顕微鏡システム、画像データを表示する画像表示部、及び画像データを処理する画像処理部を備え、前記被写体配置部の表面に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーが設置された、毛細血管の観察装置。
本発明の方法によれば、化学的又は物理的な外部刺激に対する毛細血管の動態を直接的且つ連続的に可視化することができる。これにより、毛細血管の状態に変化を与える外的要因の評価、例えば皮膚の状態を改善する物質他、皮膚に対して何からの影響を与える物質や物理的刺激の評価や、皮膚の健康状態の把握、肌荒れ等の皮膚トラブルの原因の究明を行うことが可能となる。
毛細血管観察装置の全体構成図。 スペーサー部分の断面模式図。 スペーサー部分の断面模式図。 前腕内側部の毛細血管観察の外観図。 炭酸水注入後の顕微画像(左:炭酸水注入直後、右:炭酸水注入2分後)。
本発明の毛細血管の観察方法は、被験者の身体部位の皮膚表面に外部刺激を与えながら、皮膚表層の毛細血管の応答を顕微観察するものであり、以下の工程を含むものである。
(1)撮影台の被写体配置部に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーを設置する工程、
(2)被験者の身体部位を前記スペーサーに接触させる工程、
(3)前記流体注入部を介してスペーサー開口部内に流体を注入する工程、及び
(4)スペーサー開口部に呈示された皮膚表面の毛細血管を顕微鏡システムにより観察する工程
本発明において、身体部位としては、毛細血管の状態を観察する必要のあるヒトの身体外部が挙げられ、具体的には手、足、腕、脚、胴体、顔等が挙げられる。
図1に本発明の毛細血管の観察方法を実施するための一実施形態である装置の全体構成図を示す。以下、これを参照して説明する。
本発明の方法を実施するための装置は、被写体配置部1を備えた撮影台2と、前記被写体配置部を介して被写体と反対側に配置された顕微鏡システム3を備える。
被写体配置部1は、被写体である身体部位を配置する撮影台の部位であり、被写体と反対側に設置される顕微鏡システム3により被写体を観察可能であれば、その部材は特に限定されないが、通常ガラス板を用いるのが好ましい。
撮影台2は、前記被写体配置部1を備え、被写体配置部を介して被写体と反対側に顕微鏡システム3を配置することができればその形状や構成は特に限定されない。例えば、面の1つに被写体配置部が配置され、顕微鏡システムを内部に配置可能な大きさの直方体、立方体、円筒等の形状の筐体や、被写体配置部を含む平板を支柱で支持した構造を使用できる。
顕微鏡システム3は、皮膚表層の毛細血管を所定の空間分解能で観察可能なレンズ3aと、観察対象に照明光を照射する照明手段(光源)3bと、観察像を撮像するためのカメラ3cを具備するものであればその種類は限定されず、実体顕微鏡、偏光顕微鏡等を用いることができる。
また、顕微鏡システム3は、スペーサー6の開口部内に露出した被写体を観察可能であれば位置が固定されていてもよいが、顕微鏡システム3と被写体との距離や観察視野を調整できるような可動式のステージやジャッキ等の位置調整機構と接続され、位置を調整可能とされていてもよい。
レンズは、毛細血管を判別できる程度の空間分解能を有するものである。レンズの空間分解能は20μm以下、且つ好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
光源としては、通常可視光が用いられるが、波長800〜1800nm程度の近赤外光を用いてもよい。
可視光としては、360nm以上800nm未満の波長の光を含むものであればよく、白色光の他、青色光、赤色光、緑色光などを用いることができるが、波長の異なる可視光が混在する白色光を用いるのが好ましい。例えば、白色LED光源、ハロゲンランプ等を使用することができる。
カメラとしては、顕微鏡の観察画像を動画又は静止画で撮像可能なものであれば限定されないが、例えばCCD、CMOS等の撮像素子を採用するデジタルカメラ等が挙げられる。
本発明の方法においては、測定対象となる被験者の身体部位が、スペーサー6を介して撮影台2の被写体配置部1に配され、当該身体部位の皮膚表面が被写体配置部上に接触しないようにして顕微観察が行われる。
図2にスペーサー部分の断面模式図を示す。被験者の身体部位がスペーサー6に押し当てられた際、スペーサーの開口部において被写体配置部1に接することなく保持される。
スペーサー6は、測定対象となる被験者の身体部位をセットした場合に、測定対象となる皮膚表面が顕微観察されるように開口部を有し、且つ一定の厚さを有する部材である。
ここで、開口部の形状は、矩形でも円形でも、その他の形状でもよい。すなわち、スペーサーの形状は、円形或いは四角形等のリング状である。開口部のサイズは、観察する視野の大きさ及び皮膚表面の平坦性を勘案して適宜選択することができ、開口部の内部面積が、好ましくは1mm以上、より好ましくは225mm以上で、好ましくは900mm以下、より好ましくは625mm以下である。また、好ましくは1mm〜900mm、より好ましくは225mm〜625mmである。
例えば、矩形とする場合には、その内周は、好ましくは1〜100mm×1〜100mm、より好ましくは5〜50mm×5〜50mm、より好ましくは10〜25mm×10〜25mmが挙げられ、更には10mm×10mm、15mm×15mmが挙げられる。
スペーサーの厚さ(被写体配置部からの高さ)は、被験者の身体部位を押し当てた際に、スペーサーの開口内で皮膚表面が突出して、被写体配置部に接しないようにするのが好ましい。この点を考慮すると、スペーサーの厚さは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、且つ好ましくは6mm以下、より好ましくは1mm以下である。また、好ましくは0.1〜6mm、より好ましくは2〜5mmである。
スペーサーの素材は、皮膚を傷つけないよう適度な柔らかさと、皮膚・ガラス面に密着するよう形状に追随するような適度な弾力を有する素材であるのが好ましい。斯かる素材としては、例えば、シリコンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が挙げられるが、耐水性、耐油性、無臭、無毒性の点から、シリコンゴムを用いるのが好ましい。
また、当該素材は任意の色であり得るが、スペーサー外からの光の遮断を抑える観点から、無色透明又は白色半透明であるのが好ましい。
斯様に、スペーサーを介し、被験者の皮膚表面が被写体配置部と接触しないようにして顕微観察することより、測定箇所が圧迫されることによる血流低下を防止でき、正確な毛細血管の状態が計測できる。
また、スペーサー6には、流体を注入するための流体注入部7が接続されている。
流体注入部7は、スペーサーの開口部内に流体を注入、或いはスペーサー開口部内部から流体を排出するための流路であり、軟質塩化ビニル、シリコンゴム、等の可撓性を有する樹脂材料、ステンレス等の金属材料等により形成される管状の部材である。
流体注入部7は、スペーサーの側面(上側面、中側面、下側面;例えば、図2)や上面(例えば、図3)に、1箇所以上接続させることができる。
流体注入部7の一端には、例えばシリンジまたは各種ポンプの如く、流体注入部に対して流体を供給するための装置が装着され、流体の注入・排出が行われる。
流体注入部7は注入用のものが一つ以上あればその数や注入・排出の割り当ては限定されない。例えば、一つ以上の流体注入部7を注入のみに用いて排出用を設けなくてもよいし、同一の流体注入部7を注入と排出の両方に用いてもよい。また、複数の流体注入部7を注入用と排出用に分けて用いてもよい。
本発明において、上記スペーサー開口部内に注入される流体としては、皮膚表面の毛細血管に対して化学的又は物理的な刺激となり得る液体が挙げられるが、その種類は特に限定されるものではない。例えば、1種類以上の溶媒に、1種以上の化学物質を溶解した溶液、温水、冷水等が挙げられ、化学物質としては、炭酸、ニコチン酸メチル、カプサイシン等の如く皮膚表面の毛細血管に対して何らかの影響を与える物質等が挙げられる。
この場合において、毛細血管のより明瞭な顕微画像を得るためには、角層(屈折率約1.5)と空気(屈折率約1.0)の界面における光の反射を低減することが有効であることから、上記流体は、無色透明であるのが好ましく、また、屈折率が約1.3〜1.55のもの、または、複数の屈折率の異なる流体を混合して屈折率を約1.3〜1.55に調整したものであるのが好ましい。
ここで、屈折率はJIS K 7142に準拠し23℃においてアッベ屈折計により測定することができ、また文献値(化学便覧(日本化学会編)等)をもとに計算して求めることもできる。
斯くして、流体による外部刺激が付与された状態で、上記顕微鏡システムにより、スペーサー開口部内に呈示された皮膚表面の毛細血管の顕微画像(動画及び/又は静止画)が撮像される。例えば、流体注入直後及び一定時間経過後の静止画像、流体注入直後から一定時間内の動画が撮像される。画像データはテレビモニター等の画像表示部5により表示され、人により毛細血管の状態が観察され、さらには画像処理部4(コンピュータ)を用いて毛細血管の状態が分析・解析される。
ここで、毛細血管の状態とは、毛細血管の数、分布(均一・不均一)、形状等が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明においてはさらに以下の態様が開示される。
<1>外部刺激に対する皮膚表層の毛細血管の応答を顕微観察する方法であって、
撮影台の被写体配置部に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーを設置する工程、
被験者の身体部位を前記スペーサーに接触させる工程、
前記流体注入部を介してスペーサー開口部内に流体を注入する工程、及び
スペーサー開口部に呈示された皮膚表面の毛細血管を顕微鏡システムにより観察する工程、を含む毛細血管の観察方法。
<2>流体が1種以上の化学物質を溶解した溶液である<1>の方法。
<3>流体が温水又は冷水である<1>の方法。
<4>スペーサーの開口部内の面積が1〜900mmである<1>〜<3>のいずれかの方法。
<5>スペーサーの厚さが0.1〜6.0mmである<1>〜<4>のいずれかの方法。
<6>スペーサーの素材がシリコンゴムである<1>〜<4>のいずれかの方法。
<7>毛細血管の数、形状又は分布を解析する、<1>〜<6>のいずれかの方法。
<8><1>〜<7>のいずれかの方法に用いられる装置であって、
被写体配置部を備えた撮影台と、前記被写体配置部を介して被写体と反対側に配置された顕微鏡システム、画像データを表示する画像表示部、及び画像データを処理する画像処理部を備え、前記被写体配置部の表面に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーが設置された、毛細血管の観察装置。
<9>上記<1>又は<8>において、スペーサーの開口部内の面積は、好ましくは1mm以上、より好ましくは225mm以上で、好ましくは900mm以下、より好ましくは625mm以下である。また、好ましくは1mm〜900mm、より好ましくは225mm〜625mmである。
<10>上記<1>又は<8>において、スペーサーの厚さは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、且つ好ましくは6mm以下、より好ましくは1mm以下である。また、好ましくは0.1〜6mm、より好ましくは2〜5mmである。
CMOSカメラ(EO-5012 カラー、Edmund Optics)に作動距離44 mm、倍率2倍のレンズ(INFINISTIXマクロレンズ、Infinity Photo-Optical)を接続した。カメラはXY軸ステージ(TSD-602C、シグマ光機株式会社)とZ軸ステージ(B33-60KGA、駿河精機株式会社)を組み合わせたXYZ軸ステージと接続し、皮膚表面との距離や視野を調整可能とした。皮膚への光照射は、円筒形のレンズの外周に配置したリング状の白色LED光源(LDR2-50NW32-CR25FT、シーシーエス株式会社)を用いて行った。レンズを上向きに配置し、レンズの焦点位置に皮膚表面が位置するよう、レンズに近い方から1)カバーグラス、2)スペーサー(厚さ5 mm、外周が一辺25 mmの正方形で、一辺15 mmの開口部を有するシリコンゴムシート)、3)皮膚(前腕内側部)の順に配置した。内径1 mm、外径3 mmのシリコンゴムチューブの一端をスペーサーの開口内に入れ、開口内に流体を注入する注入部とした(図4)。
室温にて二酸化炭素を水道水に5分間バブリングし、炭酸水(屈折率約1.3)を調製した。この炭酸水を、シリンジを用いてチューブのもう一端に流し込むことで、開口内に炭酸水を注入した。
前腕内側部をスペーサー上に載せ動画を撮影した。スペーサー開口部内に炭酸水を注入し、スペーサーと上腕の隙間から空気を排出することでスペーサー開口内部に炭酸水を満たした状態で、観察を開始し2分間動画を取得した。
その結果、炭酸水注入直後に比べて、炭酸水注入2分後には血管が明瞭に観察された(図5)。本結果より、炭酸水の刺激による毛細血管の状態の変化を連続的に観察できることが示された。
1 被写体配置部
2 撮影台
3 顕微鏡システム
3a レンズ
3b 光源
3c カメラ
4 画像処理部
5 画像表示部
6 スペーサー
7 流体注入部
8 身体部位
9 支柱
10 シリンジ
11 XYZ軸ステージ

Claims (8)

  1. 外部刺激に対する皮膚表層の毛細血管の応答を顕微観察する方法であって、
    撮影台の被写体配置部に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーを設置する工程、
    被験者の身体部位を、前記スペーサーの開口部を覆うように前記スペーサーに接触させる工程、
    前記流体注入部を介してスペーサー開口部内に流体を注入する工程、及び
    スペーサー開口部に呈示された皮膚表面の毛細血管を顕微鏡システムにより観察する工程、を含む毛細血管の観察方法。
  2. 流体が1種以上の化学物質を溶解した溶液である請求項1記載の方法。
  3. 流体が温水又は冷水である請求項1記載の方法。
  4. スペーサーの開口部内の面積が1〜900mmである請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. スペーサーの厚さが0.1〜6.0mmである請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. スペーサーの素材がシリコンゴムである請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  7. 毛細血管の数、形状又は分布を解析する、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の方法に用いられる装置であって、
    被写体配置部を備えた撮影台と、前記被写体配置部を介して被写体と反対側に配置された顕微鏡システム、画像データを表示する画像表示部、及び画像データを処理する画像処理部を備え、前記被写体配置部の表面に、流体を注入するための流体注入部及び開口部を備えたスペーサーが設置された、毛細血管の観察装置。
JP2016115213A 2016-06-09 2016-06-09 皮膚毛細血管の観察方法 Active JP6688164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115213A JP6688164B2 (ja) 2016-06-09 2016-06-09 皮膚毛細血管の観察方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115213A JP6688164B2 (ja) 2016-06-09 2016-06-09 皮膚毛細血管の観察方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017217300A true JP2017217300A (ja) 2017-12-14
JP6688164B2 JP6688164B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=60656948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016115213A Active JP6688164B2 (ja) 2016-06-09 2016-06-09 皮膚毛細血管の観察方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6688164B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022224916A1 (ja) * 2021-04-19 2022-10-27 合同会社画像技術研究所 生体情報取得装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06285048A (ja) * 1993-03-19 1994-10-11 Nellcor Inc 灌流強化手段を有する酸素計センサ
JPH0984776A (ja) * 1995-09-22 1997-03-31 Kao Corp 血流解析装置および方法
JP2002148518A (ja) * 1991-10-11 2002-05-22 L'oreal Sa 皮膚またはこれに類似した組織の微細構造をインビボにおいて観察するための装置
JP2003334178A (ja) * 2002-04-03 2003-11-25 L'oreal Sa 皮膚の敏感さに作用する製品の有効性を実証する方法
JP2004198391A (ja) * 2002-12-13 2004-07-15 Hajime Murakami 血管・血流・細胞組織の観察法
US20070146686A1 (en) * 2004-04-19 2007-06-28 Gert Nilsson Non-invasive method to monitor microcirculation
JP2007536969A (ja) * 2004-05-11 2007-12-20 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 非侵襲血液分析用の測定ヘッド
US20080045817A1 (en) * 2003-12-22 2008-02-21 Koninklijke Philips Electronics Nv Apparatus and Method for Performing Othogonal Polarized Spectral Imaging (Opsi)
JP2008522185A (ja) * 2004-11-30 2008-06-26 アカデミッシュ メディッシュ セントルム ユニフェルシテイト ファン アムステルダム パルス照明型像形成システム及び方法
JP2012205855A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Kao Corp 体表評価方法および体表評価装置
JP2016509505A (ja) * 2013-01-28 2016-03-31 オスロ ユニヴェルジテットサイケフス ホーエフ 循環不全の評価

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002148518A (ja) * 1991-10-11 2002-05-22 L'oreal Sa 皮膚またはこれに類似した組織の微細構造をインビボにおいて観察するための装置
JPH06285048A (ja) * 1993-03-19 1994-10-11 Nellcor Inc 灌流強化手段を有する酸素計センサ
JPH0984776A (ja) * 1995-09-22 1997-03-31 Kao Corp 血流解析装置および方法
JP2003334178A (ja) * 2002-04-03 2003-11-25 L'oreal Sa 皮膚の敏感さに作用する製品の有効性を実証する方法
JP2004198391A (ja) * 2002-12-13 2004-07-15 Hajime Murakami 血管・血流・細胞組織の観察法
US20080045817A1 (en) * 2003-12-22 2008-02-21 Koninklijke Philips Electronics Nv Apparatus and Method for Performing Othogonal Polarized Spectral Imaging (Opsi)
US20070146686A1 (en) * 2004-04-19 2007-06-28 Gert Nilsson Non-invasive method to monitor microcirculation
JP2007536969A (ja) * 2004-05-11 2007-12-20 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 非侵襲血液分析用の測定ヘッド
JP2008522185A (ja) * 2004-11-30 2008-06-26 アカデミッシュ メディッシュ セントルム ユニフェルシテイト ファン アムステルダム パルス照明型像形成システム及び方法
JP2012205855A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Kao Corp 体表評価方法および体表評価装置
JP2016509505A (ja) * 2013-01-28 2016-03-31 オスロ ユニヴェルジテットサイケフス ホーエフ 循環不全の評価

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022224916A1 (ja) * 2021-04-19 2022-10-27 合同会社画像技術研究所 生体情報取得装置
JPWO2022224916A1 (ja) * 2021-04-19 2022-10-27
JP7253298B2 (ja) 2021-04-19 2023-04-06 合同会社画像技術研究所 生体情報取得装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6688164B2 (ja) 2020-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Boone et al. High‐definition optical coherence tomography enables visualization of individual cells in healthy skin: comparison to reflectance confocal microscopy
Allen et al. Microvascular imaging: techniques and opportunities for clinical physiological measurements
Maheswari et al. Novel functional imaging technique from brain surface with optical coherence tomography enabling visualization of depth resolved functional structure in vivo
Huang et al. Noninvasive blood flow imaging for real‐time feedback during laser therapy of port wine stain birthmarks
EP1737339B1 (en) Non-invasive system to monitor microcirculation
JP6858245B2 (ja) 撮像装置、画像表示システム及び画像表示方法
JP6504914B2 (ja) 皮膚毛細血管の観察方法
Sigal et al. Imaging brain activity during seizures in freely behaving rats using a miniature multi-modal imaging system
JP6688164B2 (ja) 皮膚毛細血管の観察方法
Ren et al. Quasi-simultaneous multimodal imaging of cutaneous tissue oxygenation and perfusion
Arieli et al. Optical imaging combined with targeted electrical recordings, microstimulation, or tracer injections
Ring et al. Potential of contrast agents to enhance in vivo confocal microscopy and optical coherence tomography in dermatology: A review
CN107095640A (zh) 一种多成像模式的内置式阴道镜
JP6504913B2 (ja) 皮膚毛細血管の観察方法
JP7346012B2 (ja) 皮膚観察方法
Tognetti et al. Dermoscopy: fundamentals and technology advances
Cooper et al. Measurement of the blush
Lu et al. Longitudinal optical coherence tomography imaging of tissue repair and microvasculature regeneration and function after targeted cerebral ischemia
Keyes et al. A gimbal-mounted pressurization chamber for macroscopic and microscopic assessment of ocular tissues
Plassmann et al. Recording wound care effectiveness
CN207640373U (zh) 一种多成像模式的内置式阴道镜
JP2020185214A (ja) 皮膚毛細血管の撮影及び解析方法
JP7164090B2 (ja) 皮膚毛細血管の撮影及び解析方法
Du et al. Depth-dependent microscopic flow imaging with line scan laser speckle acquisition and analysis
Jung et al. Real-time measurement of skin erythema variation by negative compression: pilot study

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200403

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6688164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250