JP2017215832A - 回転機械の運転状態を診断する診断装置及び診断方法 - Google Patents

回転機械の運転状態を診断する診断装置及び診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転機械の運転状態の診断に用いる診断モデルを容易に構築する。【解決手段】VARモデルを診断モデルとして用いて回転機械の運転状態を診断する診断装置であって、時系列で回転機械を計測した計測値から生成された第1運転データとモデル探索条件とを用いてモデル構築条件を探索するモデル条件探索部を備え、診断モデルの出力変数は1個であり、モデル探索条件は、診断モデルの出力変数の初期候補と診断モデルの入力変数の複数の候補と診断モデルの次数の複数の候補とを含み、モデル条件探索部は、モデル探索条件を用いて出力変数の候補を決定する出力変数決定部と、入力変数を探索するための第1探索データとモデル探索条件とを用いて入力変数の候補を抽出する変数候補抽出部と、入力変数の候補と次数を探索するための第2探索データとを用いて出力変数の候補に対する入力変数及び次数の組合せを選択するモデル条件選択部と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、回転機械の運転状態を診断する技術に関するものである。
従来、省人化、ヒューマンエラーの削減などを目的に、機械製品又はプラントの稼働状態、生産ラインの品質特性などに関する正常又は異常を自動的に診断する様々な手法が考案されている。これらの手法では、基本的に、以下の手順に従って診断が行われる。
まず、診断対象が過去に正常に稼働していた時の時系列データに対してデータマイニング、機械学習、統計処理等の分析手法を適用して、診断に用いる特徴量を計算する診断モデルを学習する。そして、新たに観測される時系列データに対して該診断モデルが計算した特徴量の、正常時の特徴量の確率分布からの外れ度を計算し、その外れ度が予め決定された閾値を超えた場合に異常と判断する。
上述の診断モデルの学習法としては、重回帰分析、主成分回帰、部分最小二乗法(PLS)、自己回帰(AR)モデル、ベクトル自己回帰(VAR)モデル等の各種の多変量解析手法なども用いられるが、それらに共通する特徴として以下の2点が挙げられる。
第1に、診断対象に関する多変量/時系列の稼働データに対して、特徴量との因果関係などを基に診断モデルの出力変数を選択する。第2に、選択した出力変数に対するモデル特性を最も精度良く表現する入力変数の組合せと、自己回帰項の次数条件とを、稼働データに含まれる変数項目のなかから選択する。
以上の診断モデルを構築するための出力変数、入力変数、次数の選択に関しては、用いる解析手法や稼動データの特性等によって様々な方法が提案されており、以下にその一例が説明される。
特許文献1には、重回帰モデルを前提とした場合に適用される入力変数の選択法が記載されている。特許文献1に記載の技術では、相関係数を用いて、まず使用する変数をユーザが大まかに定め(絞り込み)、その上で変数増減法等により詳細な変数設定を行う。ここで、相関係数は、一般に2つの変数の間の相互関係の大きさを示すものであり、−1と1との間の値になる。相関係数は、1に近いほど正の強い相関を持ち、−1に近いほど負の強い相関を持つとされる。したがって、相関係数の絶対値が1に近いほど2つの変数には強い相関があることになり、特許文献1に記載の技術では、この関係を利用して変数の絞込みを行う。
また、上述の変数増減法では、相関係数で絞り込んだ変数セットに対し、具体的に以下の手順で最終的な変数を確定させる。すなわち、まず、総当たりで各変数を減らした条件に対して、最小二乗誤差(RMSE)、赤池情報量基準(AIC)等の指標を用いてモデル精度を評価する。次に、該指標の改善度が最も大きい条件を採用する。そして、この一連の処理を、該指標が改善しなくなるまで繰り返す。
特許文献2に記載の技術では、重回帰モデルや主成分回帰モデル、部分最小二乗法モデルを前提とする。そして、標準化されたモデル情報データを用いて、全入力候補変数と出力変数との関係を表す複数の入出力モデル[j](j=1,・・・,JであってJは2以上の自然数)に対して、入出力モデル[j]の各入力候補変数の変化量に対する出力変数の変化量を、その入力候補の変化量で除した値の絶対値である感度を入力候補変数ごとに生成する感度生成を入出力モデル[1],・・・,入出力モデル[j],・・・,入出力モデル[J]についてそれぞれ行う。このようにして計算される「感度」は、入力候補変数が単位量変化したときの出力変数の変化分を表すもので、正の方向、または負の方向にその影響度の分だけの変化を及ぼす。変数選択は、この感度が大きい順にあらかじめ設定された個数を対象に実行する。
特許文献3に記載の技術は、プロセス操業データ及び品質データを基に、操業データを基底ベクトルとする操業変数空間を複数の局所領域に分割し、各局所領域の品質と操業変数との関連を表す局所関係式の全体への寄与率を操業データに基づいて算出する活性度関数を算出し、その活性度関数を考慮して各局所領域における操業変数と品質との関連性が高い操業変数だけを選択し、選択された操業変数と品質との関連を表す局所関係式を算出する。更に局所関係式と活性度関数を有する局所領域の重ね合せとして操業変数と品質との関連を表す数式モデルを導出し、複数の分割パターンの数式モデルのうち最小誤差の数式モデルを選択する。最小誤差の数式モデルの誤差が与件の収束判定変数より大きければ操業変数空間を更に細分割して上記各ステップを繰り返し、収束した結果の数式モデルを解析結果として表示する。
特開2002−268703号公報 特開2010−282547号公報 特開2012−27683号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術では、本診断手法の適用対象を、空気圧縮機、ガスタービン、蒸気タービンなどの回転機械に限定した場合について、診断モデルを構築するための出力変数、入力変数、次数からなるモデル構築条件を容易に求めることが望まれている。
本発明は、上記問題を解決するもので、回転機械の運転状態の診断に用いる診断モデルを容易に構築することができる診断装置及び診断方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、
ベクトル自己回帰モデルを診断モデルとして用いて回転機械の運転状態を診断する診断装置であって、
時系列で前記回転機械を計測した計測値から、前記診断モデルを学習するための第1運転データを生成し、かつ前記回転機械の運転状態を表す特徴量を計算するための第2運転データを生成するデータ前処理部と、
前記診断モデルの出力変数、入力変数及び次数からなるモデル構築条件を探索するための条件を表す所定のモデル探索条件を記憶する探索条件記憶部と、
前記第1運転データと前記モデル探索条件とを用いて、前記モデル構築条件を探索するモデル条件探索部と、
前記第1運転データを用いて、前記診断モデルを学習するモデル学習部と、
前記第2運転データと、学習された前記診断モデルとを用いて、前記特徴量を計算する特徴量計算部と、
前記特徴量に基づき、前記回転機械の運転状態を診断する状態診断部と、
を備え、
前記診断モデルの前記出力変数は1個であり、
前記探索条件記憶部に記憶されている前記モデル探索条件は、前記診断モデルの前記出力変数の初期候補と、前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補と、前記診断モデルの前記次数の複数の候補とを含み、
前記モデル条件探索部は、
前記モデル探索条件を用いて、前記診断モデルの前記出力変数の候補を決定する出力変数決定部と、
前記第1運転データを、前記診断モデルの前記入力変数を探索するための第1探索データと、前記診断モデルの前記次数を探索するための第2探索データとに分割する第1データ分割部と、
前記第1探索データと、前記モデル探索条件とを用いて、前記診断モデルの前記入力変数の候補を抽出する変数候補抽出部と、
前記変数候補抽出部により抽出された前記入力変数の候補と、前記第2探索データとを用いて、前記出力変数決定部により決定された前記出力変数の候補に対する、前記診断モデルの前記入力変数及び前記次数の組合せを選択するモデル条件選択部と、
を含むものである。
本発明の第2態様は、
ベクトル自己回帰モデルを診断モデルとして用いて回転機械の運転状態を診断する診断装置に用いられる診断方法であって、
前記診断装置は、前記診断モデルの出力変数、入力変数及び次数からなるモデル構築条件を探索するための条件を表す所定のモデル探索条件を記憶する探索条件記憶部を備え、
前記診断モデルの前記出力変数は1個であり、
前記探索条件記憶部に記憶されている前記モデル探索条件は、前記診断モデルの前記出力変数の初期候補と、前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補と、前記診断モデルの前記次数の複数の候補とを含み、
前記診断方法は、
時系列で前記回転機械を計測した計測値から、前記診断モデルを学習するための第1運転データを生成し、かつ前記回転機械の運転状態を表す特徴量を計算するための第2運転データを生成するデータ前処理工程と、
前記第1運転データと前記モデル探索条件とを用いて、前記モデル構築条件を探索するモデル条件探索工程と、
前記第1運転データを用いて、前記診断モデルを学習するモデル学習工程と、
前記第2運転データと、学習された前記診断モデルとを用いて、前記特徴量を計算する特徴量計算工程と、
前記特徴量に基づき、前記回転機械の運転状態を診断する状態診断工程と、
を備え、
前記モデル条件探索工程は、
前記モデル探索条件を用いて、前記診断モデルの前記出力変数の候補を決定する出力変数決定工程と、
前記第1運転データを、前記診断モデルの前記入力変数を探索するための第1探索データと、前記診断モデルの前記次数を探索するための第2探索データとに分割するデータ分割工程と、
前記第1探索データと、前記モデル探索条件とを用いて、前記診断モデルの前記入力変数の候補を抽出する変数候補抽出工程と、
前記変数候補抽出工程により抽出された前記入力変数の候補と、前記第2探索データとを用いて、前記出力変数決定工程により決定された前記出力変数の候補に対する、前記診断モデルの前記入力変数及び前記次数の組合せを選択するモデル条件選択工程と、
を含むものである。
この第1態様及び第2態様では、ベクトル自己回帰モデルを診断モデルとして用いて回転機械の運転状態が診断される。診断モデルの出力変数は1個である。探索条件記憶部に記憶されているモデル探索条件は、診断モデルの出力変数の初期候補と、診断モデルの入力変数の複数の候補と、診断モデルの次数の複数の候補とを含む。モデル探索条件を用いて、診断モデルの出力変数の候補が決定される。第1運転データが、診断モデルの入力変数を探索するための第1探索データと、診断モデルの次数を探索するための第2探索データとに分割される。第1探索データとモデル探索条件とを用いて、診断モデルの入力変数の候補が抽出される。抽出された入力変数の候補と第2探索データとを用いて、決定された出力変数の候補に対する、診断モデルの入力変数及び次数の組合せが選択される。
したがって、この態様によれば、診断モデルとして用いられる出力変数が1個のベクトル自己回帰モデルを構築する場合に、回転機械の運転状態を最も良く表現する出力変数、入力変数、次数の組合せを、保存されている最小限の情報、つまり出力変数の初期候補と、入力変数の複数の候補と、次数の複数の候補とのみを用いることにより、自動的に決定することができる。その結果、回転機械の運転状態の診断に用いる診断モデルを容易に構築することができる。
前記診断装置は、前記診断モデルの前記出力変数の初期候補と、前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補と、前記診断モデルの前記次数の複数の候補とを入力する入力部を備えてもよい。前記探索条件記憶部は、前記入力部により入力された前記診断モデルの前記出力変数の初期候補と、前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補と、前記診断モデルの前記次数の複数の候補とを、前記モデル探索条件として記憶してもよい。
上記第1態様において、例えば、
前記モデル条件探索部は、
前記モデル条件選択部により選択された前記入力変数の全てが前記出力変数として選択済みであるか否かを判定し、選択された前記入力変数の全てが前記出力変数として選択済みであれば、前記モデル条件選択部により選択された前記出力変数、前記入力変数及び前記次数を最終的な前記モデル構築条件として決定するモデル条件決定部を更に含んでもよい。
前記出力変数決定部は、選択された前記入力変数の全てが前記出力変数として選択済みでないと前記モデル条件決定部により判定されると、前記出力変数の候補を、選択された前記入力変数のうちで未だ前記出力変数として選択されていない入力変数に決定してもよい。
入力変数として選択された変数は、選択されていない変数に比べて、回転機械の運転状態により大きく関連すると考えられる。そこで、本態様では、出力変数の候補が、選択された入力変数のうちで未だ出力変数として選択されていない入力変数に決定される。これによって、最終的に、入力変数として選択された変数は、その全てが出力変数として選択されることになる。したがって、本態様によれば、回転機械の運転状態に関連する変数を、自動的に出力変数として選択することができる。その結果、回転機械の運転状態をより良く診断できる診断モデルを構築することができる。
上記第1態様において、例えば、
前記変数候補抽出部は、
前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの前記次数の複数の候補のなかから、仮の次数を決定する次数条件決定部と、
前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補のなかから、モデル評価に用いる前記入力変数の候補を決定する変数候補決定部と、
前記第1探索データを、決定された前記仮の次数と決定された前記入力変数の候補との組合せに対するモデル評価における、前記診断モデルの学習用の第1学習データと、学習された前記診断モデルの評価用の第1テストデータとに、予め定められた複数の分割パターンで分割する第2データ分割部と、
前記複数の分割パターンで分割された前記各第1学習データを用いて、前記診断モデルのモデルパラメータをそれぞれ学習する第1モデルパラメータ学習部と、
学習された前記各モデルパラメータに対して、対応する前記分割パターンで分割された前記各第1テストデータを用いて、モデル精度を評価する評価指標をそれぞれ算出する第1評価指標計算部と、
前記複数の分割パターンに対してそれぞれ算出された前記各評価指標に基づき、前記入力変数の候補に対する最終的な評価指標である最終評価指標を算出する第2評価指標計算部と、
前記変数候補決定部により決定された前記入力変数の候補のなかから、前記最終評価指標が最良の前記入力変数を選択し、選択した前記入力変数を、前記次数条件決定部により決定された前記仮の次数における前記入力変数とし、前記仮の次数と前記入力変数との組合せを決定する入力変数選択部と、
を含んでもよい。
前記次数条件決定部は、前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの前記次数の複数の候補のなかから、前記仮の次数を順番に決定し、
前記入力変数選択部は、前記次数条件決定部により決定された前記仮の次数ごとに、前記仮の次数と前記入力変数との組合せを決定してもよい。
本態様では、モデル探索条件に含まれる診断モデルの次数の複数の候補のなかから、仮の次数が次数条件決定部により決定される。モデル探索条件に含まれる診断モデルの入力変数の複数の候補のなかから、変数候補決定部により、モデル評価に用いる入力変数の候補が決定される。第1探索データは、第2データ分割部により、第1学習データと第1テストデータとに予め定められた複数の分割パターンで分割される。複数の分割パターンで分割された各第1学習データを用いて、第1モデルパラメータ学習部により、診断モデルのモデルパラメータがそれぞれ学習される。
学習された各モデルパラメータに対して、対応する分割パターンで分割された各第1テストデータを用いて、第1評価指標計算部により、評価指標がそれぞれ算出される。複数の分割パターンに対してそれぞれ算出された各評価指標に基づき、第2評価指標計算部により、入力変数の候補に対する最終評価指標が算出される。
変数候補決定部により決定された入力変数の候補のなかから、入力変数選択部により、最終評価指標が最良の入力変数が選択され、選択された入力変数が、次数条件決定部により決定された仮の次数における入力変数とされ、仮の次数と入力変数との組合せが決定される。次数条件決定部により、診断モデルの次数の複数の候補のなかから仮の次数が順番に決定される。入力変数選択部により、仮の次数ごとに、仮の次数と入力変数との組合せが決定される。したがって、本態様によれば、モデル探索条件に含まれる診断モデルの次数の複数の候補ごとに、次数と入力変数との組合せを自動的に決定することができる。
上記第1態様において、例えば、
前記モデル条件選択部は、
前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの次数の複数の候補ごとに、前記入力変数選択部により決定された前記次数と前記入力変数との組合せに基づき、特定の次数と入力変数との組合せを設定する条件候補設定部と、
前記第2探索データを、設定された前記特定の次数と入力変数との組合せに対するモデル評価における、前記診断モデルの学習用の第2学習データと、学習された前記診断モデルの評価用の第2テストデータとに、予め定められた複数の分割パターンで分割する第3データ分割部と、
前記複数の分割パターンで分割された前記各第2学習データを用いて、前記診断モデルのモデルパラメータをそれぞれ学習する第2モデルパラメータ学習部と、
学習された前記各モデルパラメータに対して、対応する前記分割パターンで分割された前記各第2テストデータを用いて、モデル精度を評価する評価指標をそれぞれ算出する第3評価指標計算部と、
前記複数の分割パターンに対してそれぞれ算出された前記各評価指標に基づき、前記特定の次数と入力変数との組合せに対する全体的な評価指標である全体評価指標を算出する第4評価指標計算部と、
前記入力変数選択部により決定された前記次数と前記入力変数との組合せを用いて、前記全体評価指標が最良の次数と入力変数との組合せを選択する条件選択部と、
を含んでもよい。
前記条件候補設定部は、前記入力変数選択部により決定された前記次数と前記入力変数との組合せにおいて、前記入力変数ごとに、前記次数を、前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの次数の複数の候補に順番に切り替えた組合せを、前記入力変数の順番に前記特定の次数と入力変数との組合せとして設定してもよい。
前記条件選択部は、前記条件候補設定部により設定された前記特定の次数と入力変数との組合せのなかから、前記全体評価指標が最良の次数と入力変数との組合せを選択してもよい。
本態様では、モデル探索条件に含まれる診断モデルの次数の複数の候補ごとに、入力変数選択部により決定された次数と入力変数との組合せに基づき、条件候補設定部によって、特定の次数と入力変数との組合せが設定される。第3データ分割部によって、第2探索データが、第2学習データと第2テストデータとに、予め定められた複数の分割パターンで分割される。複数の分割パターンで分割された各第2学習データを用いて、第2モデルパラメータ学習部によって、診断モデルのモデルパラメータがそれぞれ学習される。
学習された各モデルパラメータに対して、対応する分割パターンで分割された各第2テストデータを用いて、第3評価指標計算部によって、評価指標がそれぞれ算出される。複数の分割パターンに対してそれぞれ算出された各評価指標に基づき、特定の次数と入力変数との組合せに対する全体的な評価指標である全体評価指標が、第4評価指標計算部によって算出される。入力変数選択部により決定された次数と入力変数との組合せを用いて、全体評価指標が最良の次数と入力変数との組合せが、条件選択部によって選択される。
条件候補設定部によって、入力変数選択部により決定された次数と入力変数との組合せにおいて、入力変数ごとに、次数を、モデル探索条件に含まれる診断モデルの次数の複数の候補に順番に切り替えた組合せが、入力変数の順番に特定の次数と入力変数との組合せとして設定される。条件選択部によって、条件候補設定部により設定された特定の次数と入力変数との組合せのなかから、全体評価指標が最良の次数と入力変数との組合せが選択される。
すなわち、モデル探索条件に含まれる診断モデルの次数の候補の数がQ個とすると、入力変数選択部により決定された次数と入力変数との組合せはQ個である。これに対し、条件候補設定部によって、(Q×Q)個の特定の次数と入力変数との組合せが設定される。そして、条件選択部によって、この(Q×Q)個の特定の次数と入力変数との組合せのなかから、全体評価指標が最良の次数と入力変数との組合せが選択される。したがって、本態様によれば、診断モデルの次数と入力変数との組合せとして、回転機械の運転状態を最も良く表す次数と入力変数との組合せを選択することが可能となる。
上記第1態様において、例えば、前記回転機械は、空気圧縮機を含んでもよい。
本発明によれば、第1探索データとモデル探索条件とを用いて、診断モデルの入力変数の候補が抽出され、抽出された入力変数の候補と第2探索データとを用いて、決定された出力変数の候補に対する、診断モデルの入力変数及び次数の組合せが選択されるので、診断モデルとして用いられる出力変数が1個のベクトル自己回帰モデルを構築する場合に、回転機械の運転状態を最も良く表現する出力変数、入力変数、次数の組合せを、保存されている最小限の情報を用いることにより、自動的に決定することができ、その結果、回転機械の運転状態の診断に用いる診断モデルを容易に構築することができる。
本発明の一実施形態の診断装置の構成を概略的に示すブロック図である。 診断装置に含まれるモデル条件探索部の構成を概略的に示すブロック図である。 変数候補抽出部の構成を概略的に示すブロック図である。 モデル条件選択部の構成を概略的に示すブロック図である。 前処理運転データの一例を概略的に示す図である。 前処理運転データの一例を概略的に示す図である。 図1に示される診断装置の動作を概略的に示すフローチャートである。 図7のモデル構築条件の探索処理のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。 図8の変数候補抽出部による入力変数の候補抽出処理のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。 図8の変数候補抽出部による入力変数の候補抽出処理のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。 図8のモデル条件選択部による入力変数及び次数の選択処理のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。
(本発明の基礎となった知見)
本発明は、上述の様々な診断モデルの構築手法に対し、ベクトル自己回帰(VAR)モデルの一形式である「1出力VARモデル」を新たに採用し、出力変数、入力変数、次数からなるモデル構築条件を容易に選択する手法を提案するものである。この1出力VARモデルは、公知のVARモデルの出力変数を1つに限定したものである。1出力VARモデルでは、選択した任意の出力変数と入力変数との間の過去の因果関係を基にモデル化が実行される。そして、各々所望の出力変数に対して同様のモデル化を行ったものを用いて、多変量の特徴量ベクトルを算出し、最終的に運転状態の正常又は異常が診断される。
ここでは、1出力VARモデルによるモデル化手法を前提とした場合に、上述の特許文献1〜3が抱える問題点が列記される。
特許文献1では、相関関係を利用して変数の絞込みを行うが、これは2変数の線形の関係を見ているだけである。このため、散発的にしか変化しない変数などにおいては運転状態に対する影響が大きくても相関係数としては小さくなる場合もある。その結果、重要な入力候補変数を見落とすおそれがあるという問題がある。また、入力候補変数同士に強い相関がある場合、その両方が出力変数と相関が強ければ両方とも入力変数として採用されることになるが、両方の入力変数が含まれることは冗長であるという問題もある。
特許文献2、3に記載のいずれの技術も、ある特定の出力変数に対して適切な入力変数の組合せを得ることが可能であるが、出力変数については設計者によって予め決定されたものを使用することが前提となっている。しかしながら、本発明が対象とする回転機械の運転状態の診断に照らした場合、どの出力変数が運転状態の変化を有意に捉えるかを設計者が厳密に絞り込むことは難しい。特に、複数の出力変数の相関性に由来する状態変化が重要な場合、その出力変数の組合せは出力変数の候補によっては膨大となり、最適な出力変数の組合せを決定することが非常に困難な可能性がある。
1出力VARモデルは、式(1)によって定式化される。式(1)に示されるように、回転機械のある計測信号の時刻tにおける計測値は、その計測信号を含む他の計測信号の時刻tより過去にNステップ遡った情報の線形加重和によって予測される。
ここで、x (t)は、出力変数xの時刻tの予測値である。x(t−n)は、入力変数xの時刻(t−n)の計測値である。aj,nは、x(t−n)に対応するモデルのパラメータである。bは、定数項、つまりオフセットのパラメータである。Nは、モデルの次数である。Jは、入力変数の添え字の集合を意味する。
この1出力VARモデルでは、高精度な診断モデルを構築する上で、以下の3点が重要となる。
(A)回転機械の異常又は故障などの運転特性の変化を顕著に表現できる出力変数を選択する。
(B)選択した出力変数の特性を最も良く表現する入力変数を選択する。
(C)入力変数との相関性を含めて、出力変数の特性を最も良く表現する次数Nを選択する。
上記の出力変数、入力変数、次数の3点の決定に際して、入力変数と次数とについては上記特許文献1〜3に記載の公知技術によって自動的な選択が可能となっている。しかしながら、出力変数については先験情報又はノウハウに依存する部分が大きい。このため、人為的なミスなどによって、所望の診断性能が得られない可能性がある。
以上の考察により、本発明者は、回転機械の運転状態を診断するための診断モデルを効率良く容易に構築することができる発明を想到するに至った。
すなわち、本開示の診断装置および診断方法では、回転機械の運転状態を診断する診断モデルとして1出力VARモデルを使用することを前提とする。そして、診断モデルを構築するモデル構築条件として、運転状態の変化を有意に捉える出力変数、入力変数、次数を、先験情報をベースとしつつも厳密な最適解として自動的に選択することが可能にされている。
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、同じ構成要素については同じ符号が用いられている。
(構成)
図1は、本発明の一実施形態の診断装置100の構成を概略的に示すブロック図である。図2は、診断装置100に含まれるモデル条件探索部111の構成を概略的に示すブロック図である。図3は、モデル条件探索部111に含まれる変数候補抽出部203の構成を概略的に示すブロック図である。図4は、モデル条件探索部111に含まれるモデル条件選択部204の構成を概略的に示すブロック図である。
診断装置100は、空気圧縮機1(回転機械の一例)の運転状態を診断する。図1に示されるように、診断装置100は、空気圧縮機1からオンラインで信号を受信する。
診断装置100は、例えばコンピュータであり、中央演算処理装置(CPU)、プログラム及びデータ等を保存するメモリ、周辺回路、表示部120、及び入力部130を含む。メモリは、半導体メモリ、ハードディスク等で構成される。メモリは、運転データベース(DB)103、モデル情報DB105、モデル探索条件DB112、診断条件DB107、出力ログDB109を含む。
メモリに保存されたプログラムを実行することにより、CPUは、以下のように機能する。すなわち、CPUは、データ前処理部102、モデル条件探索部111、モデル学習部104、特徴量計算部106、状態診断部108として機能する。また、CPUは、図2に示されるように、出力変数決定部201、データ分割部202、変数候補抽出部203、モデル条件選択部204、モデル条件決定部205として機能する。
また、CPUは、図3に示されるように、次数条件決定部211、変数候補決定部212、データ分割部213、モデルパラメータ学習部214、評価指標計算部215、評価指標計算部216、入力変数選択部217として機能する。また、CPUは、図4に示されるように、条件候補設定部221、データ分割部222、モデルパラメータ学習部223、評価指標計算部224、評価指標計算部225、条件選択部226としてとして機能する。周辺回路は、データ入力インターフェース(I/F)101と、データ出力I/F110とを含む。
表示部120は、例えば液晶表示パネルを含む。代替的に、表示部120は、有機EL(Electro Luminescence)パネルを含んでもよい。入力部130は、キーボード及びマウスを含んでもよい。表示部120がタッチパネル式の場合には、入力部130は、表示部120のタッチパネルであってもよい。
図1に示される診断装置100は、概略次のような動作を行う。まず、診断装置100のデータ前処理部102は、空気圧縮機1からオンラインで入力された計測信号を診断モデルの学習に適切な形式のデータを生成し、運転DB103に保存する。本実施形態では、診断モデルとして、1出力VARモデルを用いる。
次に、診断モデルの構築を行うタイミングと判断された場合は、まず、モデル条件探索部111は、運転DB103に保存されたデータを基に、1出力VARモデルを用いる診断モデルを構築するためのモデル構築条件を探索する。モデル構築条件は、診断モデルの入力変数、出力変数、及び次数からなる。
次に、モデル学習部104は、探索されたモデル構築条件と、運転DB103に保存されたデータとを基に、診断モデルの特性を規定するモデルパラメータを学習する。以上のようにして得られたモデル構築条件およびモデルパラメータは、モデル情報DB105に保存される。
次に、学習した診断モデルを用いた空気圧縮機1の運転状態の診断に関して、診断装置100は以下の動作を行う。まず、データ前処理部102は、診断に用いる特徴量の計算に適切な形式のデータを生成する。このデータと、モデル情報DB105に保存されたモデルパラメータとを用いて、特徴量計算部106は、診断用の特徴量を計算する。次に、状態診断部108は、計算された特徴量を用いて、空気圧縮機1の運転状態が正常であるか異常であるかを判定する。判定結果は、表示部120に表示される。
以下、診断装置100の具体的な構成が説明される。データ入力I/F101は、空気圧縮機1から出力される空気圧縮機1の各部の計測信号10を予め定められた通信周期(例えば1秒)で受信する。
計測信号10は、本実施形態では例えば、空気圧縮機1への吸込み空気圧、空気圧縮機1からの吐出空気圧、空気圧縮機1に潤滑用油を供給するための給油フィルタの前後の差圧、空気圧縮機1から流出する使用済み潤滑用油の不純物を分離する分離フィルタの前後の差圧、給油温度、油回収器の出口温度、空気圧縮機1の主電動機の軸受温度、空気圧縮機1の主電動機の巻線温度、空気圧縮機1のケーシング振動の振幅、温度によって変動する空気圧縮機1のロータ軸の軸方向長さの10種類の信号を含む。
データ入力I/F101は、10種類の計測信号10を例えばパラレルデータとして受信する。データ入力I/F101は、パラレルデータとして受信した10種類の計測信号10を、診断装置100の内部で処理可能な例えばシリアルデータの計測信号11に変換する。データ入力I/F101は、計測信号11をデータ前処理部102に出力する。
データ前処理部102は、入力された計測信号11を診断モデルの学習に適切な形式に変換し、前処理運転データ12(第1運転データの一例)を生成する。データ前処理部102は、生成した前処理運転データ12を運転DB103に出力する。
図5は、前処理運転データ12の一例を概略的に示す図である。前処理運転データ12は、図5に示されるように、日付時刻1201、バッチID1202、時系列データID1203、第1〜第10信号の計測データ1204を含む。
日付時刻1201は、計測データ1204の各レコードが計測された日付および時刻情報を表す。バッチID1202は、計測データ1204の時系列連続性を基準に分類されるバッチを特定する識別子である。本実施形態では、空気圧縮機1における起動から停止までの一連の連続運転中に得られた計測信号がひとつのバッチと定義される。バッチID1202として、時系列順に整数の添字iを用いて識別子が管理される。
時系列データID1203は、予め定められた通信周期毎に入力される計測信号11に時系列順に付与される識別子である。時系列データID1203として、整数の添字jを用いて識別子が管理される。計測データ1204は、計測信号10に含まれる計測値を表す。本実施形態では、上述のように10種類の計測信号10が空気圧縮機1から入力されるので、前処理運転データ12は、第1〜第10信号の10個の計測データ1204を含む。なお、本実施形態では、バッチID1202の最大値はI、時系列データID1203の最大値(つまりバッチiに属するデータの最大値)はJiとする。
図1に戻って、データ前処理部102は、入力された計測信号11を空気圧縮機1の診断に用いる特徴量の計算に適切な形式に変換し、前処理運転データ16(第2運転データの一例)を生成する。データ前処理部102は、生成した前処理運転データ16を特徴量計算部106に出力する。
図6は、前処理運転データ16の一例を概略的に示す図である。前処理運転データ16は、図6に示されるように、日付時刻1201、計測データ1204を含む。すなわち、前処理運転データ16は、前処理運転データ12からバッチID1202及び時系列データID1203を除いた構成になっている。
図1に戻って、データ前処理部102は、データ入力I/F101が新たな計測信号10を受信するたびに、前処理運転データ12,16を順次更新する。運転DB103は、データ前処理部102から出力された前処理運転データ12を保存する。
モデル条件探索部111は、前処理運転データ12から、最も当てはまりの良い(つまり診断精度の良い)診断モデルを構築するモデル構築条件23を探索する。モデル構築条件23は、診断モデルの入力変数、出力変数、及び次数からなる。次数は、1出力VARモデルを構成するために必要なデータである。次数は、参照する時系列データのステップ数である。つまり、次数は、どれだけの過去のデータまでさかのぼって考慮するかを表す。探索されたモデル構築条件23は、モデル情報DB105に保存される。モデル条件探索部111の詳細な構成については後に詳述される。
モデル探索条件DB112(探索条件記憶部の一例)は、モデル条件探索部111においてモデル構築条件23を探索するアルゴリズムを動作させるために必要なモデル探索条件22を記憶する。このモデル探索条件22は、具体的には、出力変数の初期候補、次数の探索候補、入力変数の候補を含む。
出力変数の初期候補は、モデル構築条件23の探索の起点となる出力変数である。出力変数の初期候補は、予め定められてモデル探索条件DB112に保存されていてもよい。
ユーザは、入力部130を用いて、上述の計測信号10に含まれる10種類の信号のなかから、出力変数の初期候補を選択してもよい。モデル探索条件DB112は、入力部130を用いて選択された信号を出力変数の初期候補として保存する。
出力変数の初期候補としては、先験情報等を基に、考えうる出力変数の候補のなかから、空気圧縮機1の運転状態を最も顕著に表現する変数を選択することが望ましい。ユーザは、出力変数の初期候補として、上述の計測信号10に含まれる10種類の信号のなかから、例えば空気圧縮機1の運転状態を監視する運転員が最も注目している計測信号を選択してもよい。本実施形態では例えば、空気圧縮機1からの吐出空気圧が、出力変数の初期候補としてモデル探索条件DB112に保存されている。
次数の探索候補は、本実施形態では、次数の最大値Nmaxと、次数を探索するときの刻み幅ΔNとによって定義される。次数の探索候補は、予め定められてモデル探索条件DB112に保存されていてもよい。ユーザは、入力部130を用いて、次数の最大値Nmaxと、次数を探索するときの刻み幅ΔNとを入力してもよい。
具体的には例えば、次数の最大値Nmaxが100に設定され、刻み幅ΔNが5に設定されると、N=5,10,・・・,100の20通りの次数Nが探索される。本実施形態では例えば、次数の最大値Nmaxが100に設定され、刻み幅ΔNが5に設定された次数の探索候補が、モデル探索条件DB112に保存されている。
入力変数の候補は、上述の計測信号10に含まれる10種類の信号から選択される。本実施形態では、複数の入力変数の候補が設定されている。入力変数の候補は、予め定められてモデル探索条件DB112に保存されていてもよい。
ユーザは、入力部130を用いて、上述の計測信号10に含まれる10種類の信号のなかから、入力変数の候補を選択してもよい。本実施形態では例えば、入力変数の候補として、上述の計測信号10に含まれる10種類の信号の全てが、モデル探索条件DB112に保存されている。
図2を参照して、モデル条件探索部111の詳細な構成が説明される。出力変数決定部201は、モデル探索条件DB112に保存されているモデル探索条件22を読み取る。出力変数決定部201は、読み取ったモデル探索条件22を用いて、構築しようとする診断モデルの出力変数31を決定する。最初の動作開始時には、出力変数決定部201は、モデル探索条件DB112に保存されている出力変数の初期候補を出力変数31に決定する。
データ分割部202(第1データ分割部の一例)は、運転DB103に保存されている前処理運転データ12を読み取る。データ分割部202は、読み取った前処理運転データ12を、入力変数の探索用の運転データ32と、次数の探索用の運転データ34とに分割する。データ分割部202は、図5の前処理運転データ12のうち、例えば時系列データID1203が「1」から「j」までのデータを運転データ32に設定し、「j+1」から「J」までのデータを運転データ34に設定する。
変数候補抽出部203は、入力変数の探索用の運転データ32と、モデル探索条件22とを用いて、入力変数の組合せ候補33を抽出する。変数候補抽出部203は、抽出した入力変数の組合せ候補33をモデル条件選択部204に出力する。変数候補抽出部203の詳細な構成については後に詳述される。
モデル条件選択部204は、入力変数の組合せ候補33と、次数の探索用の運転データ34とを用いて、入力変数及び次数の組合せ候補を選択する。すなわち、モデル条件選択部204は、設定されている1個の出力変数に対して、モデル探索条件22を用いて、複数の次数の条件を仮定する。モデル条件選択部204は、仮定した各々の次数の条件に対して、最適な入力変数の組合せを選択する。モデル条件選択部204は、選択した入力変数及び次数の組合せのなかから、最適な入力変数及び次数の組合せ35をモデル条件決定部205に出力する。モデル条件選択部204の詳細な構成については後に詳述される。
モデル条件決定部205は、その時点までに求められた入力変数及び次数の組合せ35について、想定しうるモデル構築条件(ここでは入力変数と出力変数との組合せ)が網羅的に得られているか否かを判定する。言い換えると、モデル条件決定部205は、出力変数の集合と入力変数の集合とが一致しているか否かを判定する。
出力変数の集合と入力変数の集合とが一致していれば、モデル条件決定部205は、その時点までで得られた組合せを、診断に必要なモデル構築条件として決定する。出力変数の集合と入力変数の集合とが一致していなければ、モデル条件決定部205は、入力変数のなかで出力変数として選択されていない入力変数36を選択し、次の出力変数の候補として出力変数決定部201に出力する。
出力変数決定部201は、モデル条件決定部205から入力された入力変数36を次の出力変数に決定する。そして、モデル条件探索部111の各部201〜205は、以上の動作を繰り返す。
診断モデルを構築する際に、入力変数として選択された信号は、空気圧縮機1の運転状態に大きく関連すると考えられる。そこで、本実施形態では、入力変数として選択された信号を出力変数として選択して、診断モデルの構築を行うようにしている。
図3を参照して、変数候補抽出部203の詳細な構成が説明される。次数条件決定部211は、モデル探索条件22に含まれる複数の次数の条件のなかから任意の1つの次数を選択する。次数条件決定部211は、選択した次数41を変数候補決定部212に出力する。
変数候補決定部212は、モデル探索条件22に含まれる複数の入力変数の候補のなかから、所定の基準(詳細は後述)に従って、次数41に対して最適な入力変数の候補を決定する。変数候補決定部212は、決定した入力変数の候補42をデータ分割部213に出力する。
データ分割部213(第2データ分割部の一例)は、入力変数の探索用の運転データ32を、モデルパラメータの学習のための学習データ43と、学習されたモデルパラメータの評価用のテストデータ45とに分割する。データ分割部213は、学習データ43をモデルパラメータ学習部214に出力し、テストデータ45を評価指標計算部215に出力する。
モデルパラメータ学習部214(第1モデルパラメータ学習部の一例)は、学習データ43を用いて、選択された次数および入力変数で構成される診断モデルのモデルパラメータを学習する。モデルパラメータ学習部214は、学習されたモデルパラメータ44を評価指標計算部215に出力する。
評価指標計算部215(第1評価指標計算部の一例)は、テストデータ45と学習されたモデルパラメータ44とを用いて、診断モデルの精度を評価する評価指標を算出する。
データ分割部213による分割処理は、学習データ43とテストデータ45との分割パターンが変更されて反復実行される。そして、変更された分割パターンの学習データ43とテストデータ45とを用いて、モデルパラメータ学習部214と評価指標計算部215との動作も反復実行される。この反復実行によって、クロスバリデーションが行われる。
評価指標計算部215は、評価指標を算出すると、計算終了信号46をデータ分割部213に出力する。データ分割部213は、計算終了信号46を受け取る度に、予め定められた分割パターンでの学習データ43とテストデータ45との分割が終了するまで、データ分割を反復実行する。
評価指標計算部215は、反復実行ごとに算出した各々の評価指標を累積する。評価指標計算部215は、累積した評価指標の累積値47を評価指標計算部216に出力する。
評価指標計算部216(第2評価指標計算部の一例)は、評価指標計算部215の反復実行により算出された評価指標の累積値47から、次数条件決定部211で決定された次数および変数候補決定部212で決定された入力変数に対する最終的な評価指標49を算出する。評価指標計算部216は、算出した評価指標49を入力変数選択部217に出力する。
入力変数選択部217は、評価指標49が評価指標計算部216により計算されたときのモデル条件(つまり次数条件決定部211で決定された次数および変数候補決定部212で決定された入力変数)に対して、以下の2種類の処理を実行する。
すなわち、第1に、入力変数選択部217は、入力変数のある個数条件(例えば2個)における複数の入力変数の組合せのなかから、評価指標が最良となる入力変数の組合せを選択する。入力変数選択部217は、入力変数のある個数条件での入力変数の組合せの選択が終了すると、選択終了信号48を変数候補決定部212に出力する。変数候補決定部212は、次の個数条件(例えば2個の次は3個)での入力変数の候補を決定する。
第2に、入力変数選択部217は、入力変数の各々の個数条件(例えば1個から10個まで)に対して選択された入力変数の組合せのなかから、評価指標が最良となる入力変数の組合せを選択し、その入力変数の組合せ33をモデル条件選択部204に出力する。入力変数選択部217は、各々の個数条件(例えば1個から10個まで)での入力変数の組合せの選択が終了すると、選択終了信号50を次数条件決定部211に出力する。次数条件決定部211は、次の次数の条件を選択し、選択した次数41を変数候補決定部212に出力する。したがって、入力変数選択部217は、次数の条件ごとに、評価指標が最良となる入力変数の組合せ33をモデル条件選択部204に出力することとなる。
図4を参照して、モデル条件選択部204の詳細な構成が説明される。条件候補設定部221は、変数候補抽出部203の入力変数選択部217から次数の条件ごとに出力された入力変数の組合せ33のなかから、任意の1つの条件(つまり次数及び入力変数の組合せ)を選択する。条件候補設定部221は、選択した1つの条件を選択条件61としてデータ分割部222に出力する。
データ分割部222(第3データ分割部の一例)は、次数の探索用の運転データ34を、モデルパラメータの学習用の学習データ62と、学習したモデルパラメータの評価用のテストデータ64とに分割する。データ分割部222は、学習データ62をモデルパラメータ学習部223に出力し、テストデータ64を評価指標計算部224に出力する。
モデルパラメータ学習部223(第2モデルパラメータ学習部の一例)は、学習データ62を用いて、選択された次数および入力変数で構成される診断モデルのモデルパラメータを学習する。モデルパラメータ学習部223は、学習されたモデルパラメータ63を評価指標計算部224に出力する。
評価指標計算部224(第3評価指標計算部の一例)は、テストデータ64と学習されたモデルパラメータ63とを用いて、診断モデルの精度を評価する評価指標を算出する。
図3を参照して説明された変数候補抽出部203における処理と同様に、データ分割部222による分割処理は反復実行され、モデルパラメータ学習部223と評価指標計算部224との動作も反復実行される。この反復実行によって、クロスバリデーションが行われる。
評価指標計算部224は、評価指標を算出すると、計算終了信号65をデータ分割部222に出力する。データ分割部222は、計算終了信号65を受け取る度に、予め定められた分割パターンでの学習データ62とテストデータ64との分割が終了するまで、データ分割を反復実行する。
評価指標計算部224は、反復実行ごとに算出した各々の評価指標を累積する。評価指標計算部224は、累積した評価指標の累積値66を評価指標計算部225に出力する。
評価指標計算部225(第4評価指標計算部の一例)は、評価指標計算部224の反復実行により算出された評価指標の累積値66から、条件候補設定部221で設定された次数および入力変数に対する最終的な評価指標68を算出する。評価指標計算部225は、算出した評価指標68を条件選択部226に出力する。
条件選択部226は、評価指標68が評価指標計算部225により計算されたときのモデル条件(つまり次数及び入力変数の組合せ)のなかから、評価指標が最良となるモデル条件を選択する。条件選択部226は、選択したモデル条件を最終的な次数及び入力変数の組合せ(つまりモデル構築条件35)と決定する。
条件選択部226は、次数及び入力変数の全ての組合せについて、評価指標68の算出が終了していないときは、評価指標68を算出すると、算出終了信号67を条件候補設定部221に出力する。条件候補設定部221は、算出終了信号67を受け取ると、次の次数および入力変数の組合せを設定し、選択条件61としてデータ分割部222に出力して、以上の処理が繰り返される。
図1に戻って、モデル情報DB105は、探索されたモデル構築条件23を含むモデル学習部104の実行条件、モデル学習部104により学習されたモデルパラメータ14などを保存する。
モデル学習部104は、前処理運転データ12と、モデル情報DB105に保存されているモデル構築条件23とに基づき、モデルパラメータ14を学習する。学習されたモデルパラメータ14は、モデル情報DB105に保存される。
診断条件DB107は、特徴量計算および状態診断の実行条件パラメータ18を保存する。具体的な実行条件パラメータ18は、状態診断に特徴量の閾値判定を用いる場合の閾値パラメータ、確率検定を用いる場合の有意水準パラメータ等を含む。
特徴量計算部106は、モデルパラメータ14、前処理運転データ16およびモデル構築条件23を用いて、現時点での計測信号に対するモデル特性評価を実行する。特徴量計算部106は、そのモデル特性評価の結果を基に、診断用の実行条件パラメータ18を用いて、診断用の指標である特徴量19を計算する。
状態診断部108は、診断用の実行条件パラメータ18と、特徴量19とを用いて、空気圧縮機1の運転状態を診断し、診断結果20を出力ログDB109及びデータ出力I/F110に出力する。
出力ログDB109は、特徴量計算部106により計算された特徴量19と、状態診断部108の診断結果20とを保存する。データ出力I/F110は、診断結果20を含む、表示部120で表示される形式の表示データ21を生成し、生成した表示データ21を表示部120に出力する。表示部120は、表示データ21を表示する。
(動作)
図7は、図1に示される診断装置100の動作を概略的に示すフローチャートである。診断装置100は、空気圧縮機1から計測信号10を受信し、空気圧縮機1の運転状態を診断し、診断結果を表示部120に表示する。計測信号の通信タイミングおよび診断結果の更新タイミングは、それぞれ、予め定められた通信周期(例えば1秒)および診断周期(例えば2秒)に依存する。一般に、通信周期<診断周期となるのが望ましい。したがって、診断装置100の図7に示される動作は、通信周期毎に実行される。なお、通信周期、診断周期は、診断装置100を含むプラント計装システムの通信速度、演算処理速度に依存して決定されてもよい。以下、図7の各ステップが説明される。
ステップS2000において、診断装置100のデータ入力I/F101は、空気圧縮機1から計測信号10を受信する。データ入力I/F101は、計測信号10を診断装置100において処理可能な形式である計測信号11に変換する。データ入力I/F101は、計測信号11をデータ前処理部102に出力する。
ステップS2010(データ前処理工程の一例)において、データ前処理部102は、計測信号11を診断モデルの学習に必要な形式に整形し、前処理運転データ12を生成する。データ前処理部102は、生成した前処理運転データ12を運転DB103に出力する。データ前処理部102は、計測信号11を、診断に用いる特徴量の計算に必要な形式に整形し、前処理運転データ16を生成する。データ前処理部102は、生成した前処理運転データ16を特徴量計算部106に出力する。
ステップS2020において、運転DB103は、データ前処理部102から入力された前処理運転データ12を保存する。
ステップS2022において、診断装置100のCPUは、診断モデルのモデル構築条件の探索及びモデルパラメータの学習を実行するか否かを、予め設定された実行条件を基に判定する。本実施形態では例えば、診断装置100のCPUは、一定周期(週単位、月単位など)の経過時に実行条件を満たすと判定して診断モデルのモデル構築条件の探索及びモデルパラメータの学習を実行する。なお、ユーザが入力部130を用いて所定の入力を行うと、診断装置100のCPUは、実行条件を満たすと判定して探索及び学習を実行してもよい。また、十分なモデル精度を獲得するために最低限必要なデータ量を閾値として設定しておいてもよい。この実施形態では、診断装置100のCPUは、運転DB103に蓄積されたデータ量が閾値に満たない場合には、探索及び学習を実行しないと判定する。
判定の結果、診断モデルのモデル構築条件の探索及びモデルパラメータの学習を実行する場合には(ステップS2022でYES)、処理はステップS2024に進む。一方、探索及び学習を実行しない場合には(ステップS2022でNO)、処理はステップS2060に進む。
ステップS2024(モデル条件探索工程の一例)において、モデル条件探索部111は、運転DB103に保存されている前処理運転データ12と、モデル探索条件DB112に保存されているモデル探索条件22とを用いて、モデル構築条件23を探索する。なお、このモデル構築条件23の探索の詳細な処理内容については、図8のフローチャートを用いて次に説明される。
図8は、図7のステップS2024(モデル構築条件23の探索処理)のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。
図8のステップS4000において、モデル条件探索部111は、運転DB103から前処理運転データ12を読み込み、モデル探索条件DB112からモデル探索条件22を読み込む。モデル探索条件22は、上述のように、モデル構築条件23(つまり出力変数、入力変数及び次数)を探索するアルゴリズムを動作させるために必要な情報を含む。
ステップS4010において、モデル条件探索部111は、モデル構築条件23の探索処理を反復して実行する際に、作成した診断モデルをカウントするためのカウンタiを1に初期化する。カウンタiは、診断モデルを特定する添え字として使用される。
ステップS4020(出力変数決定工程の一例)において、ステップS4000で読み込まれたモデル探索条件22に含まれる出力変数の初期候補を用いて、出力変数決定部201は、診断モデルiの出力変数を設定する。
ステップS4030(データ分割工程の一例)において、データ分割部202は、前処理運転データ12を、入力変数の探索用の運転データ32と、次数の探索用の運転データ34とに分割する。
ステップS4040(変数候補抽出工程の一例)において、変数候補抽出部203は、診断モデルiの入力変数の候補を抽出する。なお、このステップの詳細な処理内容については、図9、図10のフローチャートを用いて次に説明される。
図9、図10は、図8のステップS4040(変数候補抽出部203による入力変数の候補抽出処理)のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。
ステップS6000において、次数条件決定部211は、モデル探索条件22に含まれる次数の探索候補から、任意の1つを仮の次数nとして決定する。図9、図10では、次数の探索候補は、n(j=1〜Jの整数)のJ個であるとする。ステップS6000では、カウンタjが1に初期化されて、次数nが仮の次数として決定される。
なお、次数の探索候補は、本実施形態では、上述のように、次数の最大値Nmaxと、次数を探索するときの刻み幅ΔNとによって定義される。つまり、図9、図10では、Nmax=nであり、ΔN=nである。この場合には、仮の次数は昇順に決定される。なお、例えばNmax=nとし、ΔN=nとしてもよい。この場合には、仮の次数は降順に決定される。
ステップS6010において、変数候補決定部212は、入力変数の組合せ集合M0を空に初期化する。また、変数候補決定部212は、入力変数の選択における入力変数の個数条件をカウントするカウンタk1を1に初期化する。
ステップS6020において、変数候補決定部212は、ある入力変数の個数条件k1において、全体の入力変数の候補から順番に選択される入力変数の候補をカウントするカウンタk2を1に初期化する。
ステップS6030において、変数候補決定部212は、全体の入力変数の候補において未選択の入力変数から任意の入力変数mk2を1つ選択し、選択した入力変数mk2を、この時点までに選択された入力変数を含む入力変数の組合せ集合M0に追加して、仮の入力変数の組合せ集合M1を作成する。ステップS6030は、カウンタk2による反復処理(ステップS6030〜S6120)において、未選択の入力変数から、全ての入力変数が一つずつ順番に選択されるように実行される。
ステップS6040において、データ分割部213は、学習データ43とテストデータ45との分割パターンをカウントするカウンタk3を1に初期化する。ステップS6050において、データ分割部213は、入力変数の探索用の運転データ32を、学習データ43とテストデータ45とに分割する。
ステップS6060において、モデルパラメータ学習部214は、学習データ43を用いて、1出力VARモデルのパラメータ、つまり式(1)のパラメータaj,n及び定数項bを学習する。なお、学習方法としては、最小二乗法、最尤推定法等の公知の手法を用いることができる。モデルパラメータ学習部214は、学習結果のモデルパラメータ44(つまり式(1)のパラメータaj,n及び定数項b)を評価指標計算部215に出力する。
ステップS6070において、評価指標計算部215は、テストデータ45を用いて、モデルパラメータ学習部214において学習されたモデルパラメータ44に対する診断モデルの推定精度の評価指標を算出する。また、評価指標計算部215は、ステップS6050〜S6090のループを反復実行する度に、ステップS6070において、算出した評価指標を累積する。
なお、評価手法としては、学習した診断モデルにテストデータ45の入力変数を入力した場合の出力変数の予測値と、出力変数に対応するテストデータ45の実測値との誤差を基に求める方法を基本とする。具体的な評価指標としては、平均二乗誤差、赤池情報量基準(AIC)、ベイズ情報量基準(BIC)等の公知の指標を用いることができる。
ステップS6080において、評価指標計算部215は、データの分割パターンのカウンタk3が予め決定された反復回数L未満であるか否かを判定する。カウンタk3が予め決定された反復回数L未満であれば(ステップS6080でYES)、カウンタk3に1が加算されて(ステップS6090)、処理はステップS6050に戻される。一方、カウンタk3が予め決定された反復回数L以上であれば(ステップS6080でNO)、処理はステップS6100に進む。
ステップS6100において、評価指標計算部215は、評価指標の累積値47を評価指標計算部216に出力する。評価指標計算部216は、評価指標の累積値を反復回数Lで除算して評価指標の平均値を求める。
上述のように、本実施形態のモデル学習精度の評価では、ステップS6050において、入力変数の探索用の運転データ32が、一定の割合で学習データ43とテストデータ45とに分割される。そして、学習データ43を用いてモデル学習が実行され、テストデータ45を用いる評価によって、診断モデルの評価指標が求められる。そして、ステップS6050〜S6090のループにおいて、学習データ43とテストデータ45との分割パターンが変更されて、評価指標の算出がL回実行される。ステップS6100において算出されたL個の評価指標の平均値が、この次数及び入力変数の条件における最終的な評価指標とされる。これらのステップS6050〜S6100によって、クロスバリデーションが行われる。
ステップS6110において、評価指標計算部216は、カウンタk2が(K−k1)以下であるか否かを判定する。ここで、Kは、入力変数の候補の総数である。また、上述のように、カウンタk1は入力変数の個数を表す。したがって、(K−k1)は、入力変数の候補の総数Kのなかで、入力変数の個数条件k1において入力変数として選択すべき残りの個数より1個少ない個数を表す。
カウンタk2が(K−k1)以下であれば(ステップS6110でYES)、カウンタk2に1が加算されて(ステップS6120)、処理はステップS6030に戻される。一方、カウンタk2が(K−k1)を超えていれば(ステップS6110でNO)、処理はステップS6130に進む。
ステップS6130において、入力変数選択部217は、ステップS6030〜S6120の反復処理において、評価指標が算出された仮の入力変数の組合せ集合M1において、評価指標が最良の組合せ集合M1を選択する。すなわち、入力変数選択部217は、評価指標が最良の組合せ集合M1を、入力変数の個数条件k1における入力変数の組合せ集合M0に決定する。
ステップS6140において、入力変数選択部217は、カウンタk1が入力変数候補の総数K未満であるか否かを判定する。カウンタk1が入力変数候補の総数K未満であれば(ステップS6140でYES)、入力変数選択部217は、カウンタk1に1を加算し(ステップS6150)、処理はステップS6020に戻る。一方、カウンタk1が入力変数候補の総数K以上であれば(ステップS6140でNO)、全ての入力変数の探索は終了したので、処理はステップS6160に進む。
ステップS6160において、入力変数選択部217は、入力変数の組合せ集合M0をステップS6130で選択された、評価指標が最良の仮の入力変数の組合せ集合M1に更新する。
ステップS6170において、入力変数選択部217は、現時点の入力変数の組合せ集合M0を仮の次数nの入力変数の組合せとして選択する。
ステップS6180において、入力変数選択部217は、カウンタjが次数の探索候補の総数J未満であるか否かを判定する。カウンタjが次数の探索候補の総数J未満であれば(ステップS6180でYES)、カウンタjに1が加算され(ステップS6190)、処理はステップS6010に戻る。
一方、カウンタjが次数の探索候補の総数J以上であれば(ステップS6180でNO)、図9、図10のサブルーチン、つまり図8のステップS4040は終了する。
ここで、図9、図10における動作の具体例が説明される。以下の具体例の説明では、一例として、モデル探索条件22では、空気圧縮機1の上述の10種類の計測信号の全てが入力変数の候補に選択されている。つまり、入力変数の候補の総数Kは10である。また、一例として、入力変数は、第1信号1204(図5)から第10信号1204(図5)まで順番に選択される。また、一例として、次数の最大値Nmaxが100に設定され、刻み幅ΔNが5に設定されており、N=5,10,・・・,100の20通りの次数Nが探索される。つまり、次数の探索候補の総数Jは20である。
図9、図10において、入力変数の選択は、以下のように行われる。すなわち、最初は入力変数の個数条件k1を初期値(つまり最小値の1個)として、入力変数の探索を開始する。ステップS6030では、例えば第1信号1204(図5)が、仮の入力変数の組合せ集合M1に含められる。そして、ステップS6100において、第1信号1204(図5)が入力変数に選択された場合の評価指標の平均値が算出される。
ステップS6110では、個数条件k1が最初は1であるので、k2≦9であるか否かが判定される。処理が進んで、k2が9のときは、ステップS6110でYESと判定され、ステップS6120でk2が10とされる。その結果、ステップS6100において、最後の第10信号1204(図5)が入力変数に選択された場合の評価指標の平均値が算出される。そして、ステップS6130において、個数条件k1が1のときに評価指標が最良となる入力変数が、組合せ集合M0に含められる。
次に、入力変数の個数条件k1は2とされる(ステップS6150)。ステップS6030において、選択済みの入力変数を含む組合せ集合M0に対して、残りの9個の入力変数から1個が追加されて、仮の組合せ集合M1が作成される。そして、カウンタk2が9になると、ステップS6110でNOと判断されて、ステップS6130において、評価指標が最良となる仮の組合せ集合M1が、個数条件k1が2の場合の組合せ集合M0に決定される。
以下、同様に入力変数の個数条件k1が1ずつ増えて、入力変数の個数がK(つまり10個)に到達するまで上述の手順が繰り返される。これによって、ステップS6140でNOと判断された時点では、入力変数の個数条件k1が1から10までの10個の仮の入力変数の組合せ集合M1が生成されている。そして、その10個の仮の入力変数の組合せ集合M1のなかから、ステップS6160において、評価指標が最良となる仮の入力変数の組合せ集合M1が、入力変数の組合せ集合M0とされる。続くステップS6170において、このときの入力変数の組合せ集合M0が、仮の次数n(ここではN=5)における入力変数として選択される。
そして、カウンタjに1が加算されて(ステップS6190)、以上の処理が繰り返されることにより、次に、仮の次数n(この説明ではN=10)における入力変数の組合せ集合M0が選択される。このようにして、図9、図10の処理によって、次数NがN=5,10,・・・,100の20通りの入力変数の組合せ集合M0が抽出される。
図8に戻って、ステップS4050(モデル条件選択工程の一例)において、モデル条件選択部204は、ステップS4040で抽出された入力変数の候補を用いて、診断モデルiの入力変数および次数を最終的に選択し、決定する。なお、このステップの詳細な処理内容については、図11のフローチャートを用いて次に説明される。
図11は、図8のステップS4050(モデル条件選択部204による入力変数及び次数の選択処理)のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。
ステップS8000において、条件候補設定部221は、モデル次数の候補を表すカウンタjを1に初期化する。ステップS8010において、条件候補設定部221は、次数の候補を表すカウンタk1を1に初期化する。
図11の処理では、変数候補抽出部203において図9、図10の処理により次数の候補n〜n毎に抽出されたJ個の入力変数の組合せ集合M0に対して、それぞれ、更に次数の条件をn〜nに変更して、診断モデルの精度が評価される。すなわち、合計J×J通りの入力変数と次数との組合せのなかから、評価指標が最良となる条件が最終的なモデル構築条件として選択される。このため、図11の処理では、次数を表すカウンタとしてjとk1との2種類が必要となっている。
ステップS8020において、条件候補設定部221は、変数候補抽出部203において抽出された、仮の次数nに対する入力変数の組合せ集合を入力変数に設定し、次数をnk1に設定する。条件候補設定部221は、設定した入力変数及び次数からなるモデル条件61をデータ分割部222に出力する。
ステップS8030において、データ分割部222は、学習データ62とテストデータ64との分割パターンをカウントするカウンタk2を1に初期化する。ステップS8040において、データ分割部222は、次数の探索用の運転データ34を、学習データ62とテストデータ64とに分割する。
ステップS8050において、モデルパラメータ学習部223は、学習データ62を用いて、1出力VARモデルのパラメータ、つまり式(1)のパラメータaj,n及び定数項bを学習する。なお、学習方法としては、図9のステップS6060と同様に、最小二乗法、最尤推定法等の公知の手法を用いることができる。モデルパラメータ学習部223は、学習結果のモデルパラメータ63(つまり式(1)のパラメータaj,n及び定数項b)を評価指標計算部224に出力する。
ステップS8060において、評価指標計算部224は、テストデータ64を用いて、モデルパラメータ学習部223において学習されたモデルパラメータ63に対する診断モデルの推定精度の評価指標を算出する。また、評価指標計算部224は、ステップS8040〜S8080のループを反復実行する度に、ステップS8060において、算出した評価指標を累積する。
ステップS8070において、評価指標計算部224は、データの分割パターンのカウンタk2が予め決定された反復回数L未満であるか否かを判定する。カウンタk3が予め決定された反復回数L未満であれば(ステップS8070でYES)、カウンタk2に1が加算されて(ステップS8080)、処理はステップS8040に戻される。一方、カウンタk2が予め決定された反復回数L以上であれば(ステップS8070でNO)、処理はステップS8090に進む。
ステップS8090において、評価指標計算部224は、評価指標の累積値66を評価指標計算部225に出力する。評価指標計算部225は、評価指標の累積値を反復回数Lで除算して評価指標の平均値を求める。これらのステップS8040〜S8090によって、図9、図10の処理と同様にクロスバリデーションが行われる。
ステップS8100において、条件選択部226は、カウンタk1が次数の探索候補の総数J未満であるか否かを判定する。カウンタk1が次数の探索候補の総数J未満であれば(ステップS8100でYES)、カウンタk1に1が加算され(ステップS8110)、処理はステップS8020に戻る。一方、カウンタk1が次数の探索候補の総数J以上であれば(ステップS8100でNO)、処理はステップS8120に進む。
ステップS8120において、条件選択部226は、カウンタjが次数の探索候補の総数J未満であるか否かを判定する。カウンタjが次数の探索候補の総数J未満であれば(ステップS8120でYES)、カウンタjに1が加算され(ステップS8130)、処理はステップS8010に戻る。一方、カウンタjが次数の探索候補の総数J以上であれば(ステップS8120でNO)、処理はステップS8140に進む。
ステップS8140において、条件選択部226は、以上の一連の反復処理により評価された入力変数と次数とのJ×J通りの組合せにおいて、最も評価指標が良い組合せを選択する。条件選択部226は、選択した組合せを、設定されている出力変数に対する最終的な次数及び入力変数の組合せ、つまりモデル構築条件35と決定する。このステップS8140が行われると、図11のサブルーチン、つまり図8のステップS4050は終了する。
図8に戻って、ステップS4060において、モデル条件探索部111は、ステップS4040〜S4050の処理の結果、その時点までに作成された診断モデルiで選択されている全ての入力変数及び出力変数を参照する。モデル条件探索部111は、その時点までに選択された入力変数の全てが、出力変数として選択されているか否かを判定する。つまり、モデル条件探索部111は、その時点までに作成された診断モデルiの出力変数の集合が、入力変数の集合に一致しているか否かを判定する。
その時点までに選択された入力変数の全てが、出力変数として選択されていなければ(ステップS4060でNO)、処理はステップS4070に進む。一方、その時点までに選択された入力変数の全てが、出力変数として選択されていれば(ステップS4060でYES)、処理はステップS4090に進む。
ステップS4070において、モデル条件探索部111は、診断モデルをカウントするためのカウンタiに1を加算する。ステップS4080(出力変数決定工程の一例)において、モデル条件探索部111は、その時点までに作成された診断モデルの入力変数の集合において、未だ出力変数として選択されていない入力変数から、任意の入力変数を診断モデルiの出力変数として選択する。その後、処理はステップS4040に戻って、以上の処理が繰り返される。
ステップS4090において、モデル条件探索部111は、以上の処理の結果、最終的に選択された入力変数、出力変数および次数の組合せを、モデル構築条件23として決定する。これによって、最終的なカウンタiの数値に相当する個数の1出力VARモデルが得られる。ステップS4090が実行されると図8のサブルーチン、つまり図7のステップS2024は終了する。
このように、図8では、作成された診断モデルの出力変数の集合が、入力変数の集合に一致するまで、モデル構築条件の探索が繰り返される。設定されている出力変数に対して選択された入力変数は、空気圧縮機1の運転状態を良く表す変数であると考えられる。そこで、この入力変数を出力変数に設定して、モデル構築条件の探索を行うことにより、空気圧縮機1の運転状態を良く表す診断モデルを、漏れなく、かつ容易に作成することができる。
図7に戻って、ステップS2026において、モデル条件探索部111は、出力変数、入力変数、次数からなるモデル構築条件23の探索結果を、モデル情報DB105に保存する。ステップS2040(モデル学習工程の一例)において、モデル学習部104は、運転DB103に保存された前処理運転データ12を用いて、診断モデルを学習する。ステップS2050において、モデル学習部104は、診断モデルの学習結果であるモデルパラメータ14をモデル情報DB105に保存する。
ステップS2060において、特徴量計算部106は、前回の診断を実行した時から予め設定された診断周期を経過しているか否かを判定する。診断周期が経過していれば(ステップS2060でYES)、処理はステップS2070に進む。一方、診断周期が経過していなければ(ステップS2060でNO)、処理はステップS2000に戻る。なお、診断装置100の初回起動後であって、診断モデルの学習結果が保存されている場合には、処理は無条件にステップS2070に進んでもよい。
ステップS2070(特徴量計算工程の一例)において、特徴量計算部106は、データ前処理部102から入力される前処理運転データ16と、モデル情報DB105に保存されているモデル構築条件23及びモデルパラメータ14とを用いて、現時点での計測信号に対するモデル特性評価を実行する。具体的には、特徴量計算部106は、時刻tにおける診断モデルの出力変数の予測値y(t)を、例えば最小二乗法を用いて求める。
特徴量計算部106は、その特性評価結果を基に、診断条件DB107に保存されている実行条件パラメータ18を用いて、診断用の指標である特徴量19を計算する。具体的には、特徴量計算部106は、出力変数の予測値y(t)と、時刻tにおける出力変数の実測値との誤差(モデル予測誤差)と、実行条件パラメータ18とを基に、特徴量19を計算する。特徴量19を計算するときの実行条件パラメータ18は、例えば該モデルの学習時に使用した正常時のデータから求めた、出力変数の平均値および標準偏差などが含まれる。
特徴量計算部106は、出力変数の予測値y*(t)と、時刻tにおける出力変数の実測値との誤差(モデル予測誤差)を特徴量19としてもよい。特徴量計算部106は、上記モデル予測誤差を用いて、別の特徴量19を計算してもよい。
ステップS2080(状態診断工程の一例)において、状態診断部108は、特徴量計算部106により計算された特徴量19と、診断条件DB107に保存された実行条件パラメータ18とを用いて、空気圧縮機1の運転状態を診断する。状態診断部108は、診断結果20をデータ出力I/F110に出力する。
特徴量19が例えば上記モデル予測誤差の場合には、実行条件パラメータ18は、閾値である。状態診断部108は、モデル予測誤差が閾値より大きい場合には、空気圧縮機1は異常であると診断する。状態診断部108は、モデル予測誤差が閾値以下の場合には、空気圧縮機1は正常であると診断する。
ステップS2090において、データ出力I/F110は、診断結果20を含む表示データ21を表示部120に適合する形式で生成する。データ出力I/F110は、生成した表示データ21を表示部120に出力する。表示部120は、入力された表示データ21を表示する。
ステップS2100において、特徴量計算部106は、特徴量19を出力ログDB109に保存する。状態診断部108は、診断結果20を出力ログDB109に保存する。
ステップS2110において、診断装置100は、動作を終了するか否かを判定する。終了する場合は(ステップS2110でYES)、図7の動作を終了する。一方、終了しない場合は(ステップS2110でNO)、処理はステップS2000に戻る。
ここで、本実施形態の診断装置100の具体例が説明される。本実施形態におけるモデル形式およびモデル構築条件の探索処理は、具体的には以下のように実行される。
空気圧縮機1の計測信号10の計測値が前処理運転データ12に含まれる。このため、式(1)に示した出力変数、入力変数を構成する信号の種類は、上述のように、空気圧縮機1への吸込み空気圧、空気圧縮機1からの吐出空気圧、空気圧縮機1に潤滑用油を供給するための給油フィルタの前後の差圧、空気圧縮機1から流出する使用済み潤滑用油の不純物を分離する分離フィルタの前後の差圧、給油温度、油回収器の出口温度、空気圧縮機1の主電動機の軸受温度、空気圧縮機1の主電動機の巻線温度、空気圧縮機1のケーシング振動の振幅、温度によって変動する空気圧縮機1のロータ軸の軸方向長さを含む10種類である。
すなわち、式(1)に示した出力変数及び入力変数は、10種類の各計測信号10からなるベクトルの、時刻tからt―N(N:次数)までの連続の時系列データから構成される。
また、式(1)におけるモデルパラメータaj,n,bは、本実施形態においては以下の意味を有するものと解釈できる。すなわち、空気圧縮機1のある計測信号(診断モデルの出力信号)の将来の計測値を予測する際に用いられる、該計測信号を含む空気圧縮機1の他の計測信号から任意に選んだ計測信号群(診断モデルの入力変数)の、過去のN時刻前までの計測値と、該出力変数との因果関係の強さを表す。
ここで、本実施形態の一連の処理の具体例が以下に説明される。上記図8のステップS4020において、出力変数の初期設定として空気圧縮機1の吐出空気圧が選択され、次数候補の条件が2とされたモデル探索条件を考える。このモデル探索条件下において、以降のステップS4030〜S4050の処理を1回実行した結果、入力変数として、空気圧縮機1の吐出空気圧および吸込空気圧が選択された場合には、1出力VARモデルを表す式(1)は、以下の式(2)のように書き下される。
ここで、p out(t)は、吐出空気圧の時刻tにおける予測値である。pout(t−1)、pout(t−2)は、それぞれ、時刻tから1時刻前及び2時刻前の吐出空気圧の計測値である。pin(t−1)、pin(t−2)は、それぞれ、時刻tから1時刻前及び2時刻前の吸込み空気圧の計測値である。モデルパラメータa1,o、a1,i、a2,o、a2,i、は、それぞれ、4種類の信号pout(t−1)、pout(t−2)、pin(t−1)、pin(t−2)の過去の計測値に対する重み付け係数となっている。すなわち、モデルパラメータは、診断モデルの出力変数を予測するための、各入力変数の出力変数との因果関係の強さと言い換えることができる。
ここで、上記図8のステップS4060の判定において、式(2)のモデルが選択した入力変数のなかに、現時点で選択された出力変数(吐出空気圧pout)以外の入力変数として、吸込み空気圧pinが含まれる。このため、ステップS4060でNOと判定されて、次は、吸込み空気圧pinが出力変数に設定された診断モデルについて、入力変数の探索が行われる。その結果、例えば式(3)のようなモデル式が選択されたとする。
ここで、p in(t)は、吸込み空気圧の時刻tにおける予測値である。式(3)では、入力変数として吸込み空気圧pin以外の計測値は選択されていない。すなわち、新たに出力変数として選択すべき入力変数が存在しない。このため、上記図8のステップS4060でYESと判定されて、これ以上のモデル構築条件の探索は不要となり、処理はステップS4090に進むこととなる。
このようにして作成された式(2)、(3)の2種類の診断モデルが、空気圧縮機1の運転状態が正常か異常かを診断するのに適したモデルと見なされる。そして、上記図7のステップS2070において、式(2)、(3)の2種類の診断モデルを用いて、特徴量計算部106により特徴量19が算出される。続くステップS2080において、特徴量19を用いて、空気圧縮機1の運転状態が、状態診断部108により診断される。
以上説明されたように、本実施形態によれば、診断モデルの出力変数、入力変数および次数からなるモデル構築条件が探索される。これによって、空気圧縮機1の計測信号10から選択された任意の計測信号を予測する診断モデルが、必要な個数だけ自動的に作成される。この診断モデルは、上記任意の計測信号を含む計測信号群の過去の計測値を用いて、その因果関係を考慮した式(1)で示される線形演算によって、上記任意の計測信号を予測する。そして、これらの診断モデルを基にして空気圧縮機1の運転状態の診断が実行される。
(その他)
(1)上記実施形態では、診断装置100は、空気圧縮機1の運転状態を診断しているが、空気圧縮機に限られず、一般的な回転機械を診断対象としてもよい。
診断装置100は、例えば回転機械の一例であるガスタービンの運転状態を診断してもよい。この場合、計測信号として、燃料の流量、動翼の振動の振幅、燃焼器に送り込まれる燃焼用空気の圧力、燃焼器における燃焼ガスの温度、燃焼ガスの流量、タービン軸の軸受温度、発電電力などを含んでもよい。
また、診断装置100は、例えば回転機械の一例である蒸気タービンの運転状態を診断してもよい。この場合、計測信号として、蒸気流量、蒸気温度、蒸気圧力、ケーシング振動の振幅、タービン軸の軸受温度、発電電力などを含んでもよい。
(2)上記実施形態では、空気圧縮機1から入力される計測信号10は、空気圧縮機1への吸込み空気圧、空気圧縮機1からの吐出空気圧、空気圧縮機1に潤滑用油を供給するための給油フィルタの前後の差圧、空気圧縮機1から流出する使用済み潤滑用油の不純物を分離する分離フィルタの前後の差圧、給油温度、油回収器の出口温度、空気圧縮機1の主電動機の軸受温度、空気圧縮機1の主電動機の巻線温度、空気圧縮機1のケーシング振動の振幅、温度によって変動する空気圧縮機1のロータ軸の軸方向長さを含む10種類としている。しかし、計測信号10は、これら10種類を全て含まなくてもよい。計測信号10は、これらのうち少なくとも1つを含んでいればよい。
(3)上記実施形態において、空気圧縮機1の空気圧縮方式は、特定の方式に限られない。例えば、ピストン往復運動によりシリンダ容積を変化させ圧縮するレシプロ方式でもよく、ケーシング内のスクリュローター回転によって圧縮するスクリュ方式でもよく、インペラの遠心力によって圧縮するターボ方式でもよい。
(4)上記実施形態において、ユーザは、入力部130を用いて、任意の実行条件パラメータ18を診断条件DB107に登録可能に構成してもよい。この実施形態によれば、空気圧縮機1の機能、仕様、経時的な運転特性などの変化に対応して、実行条件パラメータ18を適宜調整することにより、診断性能を最適に維持することができる。
(5)上記実施形態において、表示部120が音出力機能を備え、データ出力I/F110は、異常であることを示す診断結果20が状態診断部108から入力された場合には、その旨を表す警告音を表示部120から出力させてもよい。この実施形態によれば、異常であるとの診断結果をユーザが視覚的に加えて聴覚的に確認することができ、空気圧縮機1の異常に対して適切に対処することが可能となる。
(6)上記実施形態では、診断装置100は、運転DB103、モデル情報DB105、診断条件DB107、出力ログDB109、モデル探索条件DB112を含んでいるが、これに限られない。例えば診断装置100の外部に記憶装置を設け、この記憶装置が運転DB103、モデル情報DB105、診断条件DB107、出力ログDB109、モデル探索条件DB112を含むように構成してもよい。
(7)本発明においては、診断装置100内の処理は、上述の専用のハードウェアにより実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを診断装置100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを診断装置100に読み込ませ、実行するものであっても良い。
診断装置100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROMなどの移設可能な記録媒体の他、診断装置100に内蔵されたハードディスクドライブ(HDD)などの記憶部を指す。さらに、診断装置100にて読取可能な記録媒体は、通信網を介してプログラムを送信する場合のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体もしくは伝送波)、その場合のサーバとなる診断装置100内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含む。
1 空気圧縮機
100 診断装置
102 データ前処理部
104 モデル学習部
106 特徴量計算部
108 状態診断部
112 モデル探索条件DB
201 出力変数決定部
202,213,222 データ分割部
203 変数候補抽出部
204 モデル条件選択部
205 モデル条件決定部
211 次数条件決定部
212 変数候補決定部
214,223 モデルパラメータ学習部
215,216,224,225 評価指標計算部
217 入力変数選択部
221 条件候補設定部
226 条件選択部

Claims (6)

  1. ベクトル自己回帰モデルを診断モデルとして用いて回転機械の運転状態を診断する診断装置であって、
    時系列で前記回転機械を計測した計測値から、前記診断モデルを学習するための第1運転データを生成し、かつ前記回転機械の運転状態を表す特徴量を計算するための第2運転データを生成するデータ前処理部と、
    前記診断モデルの出力変数、入力変数及び次数からなるモデル構築条件を探索するための条件を表す所定のモデル探索条件を記憶する探索条件記憶部と、
    前記第1運転データと前記モデル探索条件とを用いて、前記モデル構築条件を探索するモデル条件探索部と、
    前記第1運転データを用いて、前記診断モデルを学習するモデル学習部と、
    前記第2運転データと、学習された前記診断モデルとを用いて、前記特徴量を計算する特徴量計算部と、
    前記特徴量に基づき、前記回転機械の運転状態を診断する状態診断部と、
    を備え、
    前記診断モデルの前記出力変数は1個であり、
    前記探索条件記憶部に記憶されている前記モデル探索条件は、前記診断モデルの前記出力変数の初期候補と、前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補と、前記診断モデルの前記次数の複数の候補とを含み、
    前記モデル条件探索部は、
    前記モデル探索条件を用いて、前記診断モデルの前記出力変数の候補を決定する出力変数決定部と、
    前記第1運転データを、前記診断モデルの前記入力変数を探索するための第1探索データと、前記診断モデルの前記次数を探索するための第2探索データとに分割する第1データ分割部と、
    前記第1探索データと、前記モデル探索条件とを用いて、前記診断モデルの前記入力変数の候補を抽出する変数候補抽出部と、
    前記変数候補抽出部により抽出された前記入力変数の候補と、前記第2探索データとを用いて、前記出力変数決定部により決定された前記出力変数の候補に対する、前記診断モデルの前記入力変数及び前記次数の組合せを選択するモデル条件選択部と、
    を含む、
    診断装置。
  2. 前記モデル条件探索部は、
    前記モデル条件選択部により選択された前記入力変数の全てが前記出力変数として選択済みであるか否かを判定し、選択された前記入力変数の全てが前記出力変数として選択済みであれば、前記モデル条件選択部により選択された前記出力変数、前記入力変数及び前記次数を最終的な前記モデル構築条件として決定するモデル条件決定部を更に含み、
    前記出力変数決定部は、選択された前記入力変数の全てが前記出力変数として選択済みでないと前記モデル条件決定部により判定されると、前記出力変数の候補を、選択された前記入力変数のうちで未だ前記出力変数として選択されていない入力変数に決定する、
    請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記変数候補抽出部は、
    前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの前記次数の複数の候補のなかから、仮の次数を決定する次数条件決定部と、
    前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補のなかから、モデル評価に用いる前記入力変数の候補を決定する変数候補決定部と、
    前記第1探索データを、決定された前記仮の次数と決定された前記入力変数の候補との組合せに対するモデル評価における、前記診断モデルの学習用の第1学習データと、学習された前記診断モデルの評価用の第1テストデータとに、予め定められた複数の分割パターンで分割する第2データ分割部と、
    前記複数の分割パターンで分割された前記各第1学習データを用いて、前記診断モデルのモデルパラメータをそれぞれ学習する第1モデルパラメータ学習部と、
    学習された前記各モデルパラメータに対して、対応する前記分割パターンで分割された前記各第1テストデータを用いて、モデル精度を評価する評価指標をそれぞれ算出する第1評価指標計算部と、
    前記複数の分割パターンに対してそれぞれ算出された前記各評価指標に基づき、前記入力変数の候補に対する最終的な評価指標である最終評価指標を算出する第2評価指標計算部と、
    前記変数候補決定部により決定された前記入力変数の候補のなかから、前記最終評価指標が最良の前記入力変数を選択し、選択した前記入力変数を、前記次数条件決定部により決定された前記仮の次数における前記入力変数とし、前記仮の次数と前記入力変数との組合せを決定する入力変数選択部と、
    を含み、
    前記次数条件決定部は、前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの前記次数の複数の候補のなかから、前記仮の次数を順番に決定し、
    前記入力変数選択部は、前記次数条件決定部により決定された前記仮の次数ごとに、前記仮の次数と前記入力変数との組合せを決定する、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  4. 前記モデル条件選択部は、
    前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの次数の複数の候補ごとに、前記入力変数選択部により決定された前記次数と前記入力変数との組合せに基づき、特定の次数と入力変数との組合せを設定する条件候補設定部と、
    前記第2探索データを、設定された前記特定の次数と入力変数との組合せに対するモデル評価における、前記診断モデルの学習用の第2学習データと、学習された前記診断モデルの評価用の第2テストデータとに、予め定められた複数の分割パターンで分割する第3データ分割部と、
    前記複数の分割パターンで分割された前記各第2学習データを用いて、前記診断モデルのモデルパラメータをそれぞれ学習する第2モデルパラメータ学習部と、
    学習された前記各モデルパラメータに対して、対応する前記分割パターンで分割された前記各第2テストデータを用いて、モデル精度を評価する評価指標をそれぞれ算出する第3評価指標計算部と、
    前記複数の分割パターンに対してそれぞれ算出された前記各評価指標に基づき、前記特定の次数と入力変数との組合せに対する全体的な評価指標である全体評価指標を算出する第4評価指標計算部と、
    前記入力変数選択部により決定された前記次数と前記入力変数との組合せを用いて、前記全体評価指標が最良の次数と入力変数との組合せを選択する条件選択部と、
    を含み、
    前記条件候補設定部は、前記入力変数選択部により決定された前記次数と前記入力変数との組合せにおいて、前記入力変数ごとに、前記次数を、前記モデル探索条件に含まれる前記診断モデルの次数の複数の候補に順番に切り替えた組合せを、前記入力変数の順番に前記特定の次数と入力変数との組合せとして設定し、
    前記条件選択部は、前記条件候補設定部により設定された前記特定の次数と入力変数との組合せのなかから、前記全体評価指標が最良の次数と入力変数との組合せを選択する、
    請求項3に記載の診断装置。
  5. 前記回転機械は、空気圧縮機を含む、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の診断装置。
  6. ベクトル自己回帰モデルを診断モデルとして用いて回転機械の運転状態を診断する診断装置に用いられる診断方法であって、
    前記診断装置は、前記診断モデルの出力変数、入力変数及び次数からなるモデル構築条件を探索するための条件を表す所定のモデル探索条件を記憶する探索条件記憶部を備え、
    前記診断モデルの前記出力変数は1個であり、
    前記探索条件記憶部に記憶されている前記モデル探索条件は、前記診断モデルの前記出力変数の初期候補と、前記診断モデルの前記入力変数の複数の候補と、前記診断モデルの前記次数の複数の候補とを含み、
    前記診断方法は、
    時系列で前記回転機械を計測した計測値から、前記診断モデルを学習するための第1運転データを生成し、かつ前記回転機械の運転状態を表す特徴量を計算するための第2運転データを生成するデータ前処理工程と、
    前記第1運転データと前記モデル探索条件とを用いて、前記モデル構築条件を探索するモデル条件探索工程と、
    前記第1運転データを用いて、前記診断モデルを学習するモデル学習工程と、
    前記第2運転データと、学習された前記診断モデルとを用いて、前記特徴量を計算する特徴量計算工程と、
    前記特徴量に基づき、前記回転機械の運転状態を診断する状態診断工程と、
    を備え、
    前記モデル条件探索工程は、
    前記モデル探索条件を用いて、前記診断モデルの前記出力変数の候補を決定する出力変数決定工程と、
    前記第1運転データを、前記診断モデルの前記入力変数を探索するための第1探索データと、前記診断モデルの前記次数を探索するための第2探索データとに分割するデータ分割工程と、
    前記第1探索データと、前記モデル探索条件とを用いて、前記診断モデルの前記入力変数の候補を抽出する変数候補抽出工程と、
    前記変数候補抽出工程により抽出された前記入力変数の候補と、前記第2探索データとを用いて、前記出力変数決定工程により決定された前記出力変数の候補に対する、前記診断モデルの前記入力変数及び前記次数の組合せを選択するモデル条件選択工程と、
    を含む、
    診断方法。
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