以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の情報処理装置3を含むネットワークシステム1の一構成例を示す図である。このネットワークシステム1は、情報処理装置3を備えている。情報処理装置3は、例えばパーソナルコンピュータ3aで構成されるものであっても良いし、タブレット端末やスマートフォンなどのような携帯端末3bによって構成されるものであっても良い。この情報処理装置3は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク6に対して有線又は無線で接続される。このネットワーク6には、情報処理装置3の他、ワークフローサーバー2、画像処理装置4、ネットワークストレージ(Network Attached Storage)5なども接続される。またネットワーク6は、インターネットなどの広域ネットワークにも接続されている。そのため、情報処理装置3は、インターネット上のクラウド7に設けられたクラウドサーバー8と通信を行うこともできる。尚、ワークフローサーバー2についても、インターネット上のクラウドに設置されたものであって構わない。
ワークフローサーバー2は、オフィスなどの業務環境においてワークフローシステムサービスを提供するサーバーであり、例えば複数部署間での書類のやり取りをオンラインで行えるようにしたサービスを提供する。このワークフローサーバー2は、Webサーバーとして構成され、情報処理装置3からのアクセスを検知すると情報処理装置3に対してWebページを提供する。そして情報処理装置3は、Webブラウザを起動してワークフローサーバー2へアクセスすることにより、ワークフローサーバー2から書類の電子データをダウンロードしたり、或いは、書類の電子データをアップロードしたりすることができる。
画像処理装置4は、例えばMFPなどで構成され、スキャン機能やプリント機能、FAX機能などの複数の機能を備えている。そしてスキャン機能が利用されるとき、画像処理装置4は、スキャナとして動作する。尚、画像処理装置4は、少なくともスキャン機能が搭載されたものであれば良いため、必ずしもMFPで構成されるものに限られない。すなわち、画像処理装置4は、単なるスキャナであっても構わない。この画像処理装置4は、ネットワーク6を介して情報処理装置3からスキャン命令を受信すると、ユーザーによってセットされた原稿を読み取って画像データを生成し、その画像データをスキャン命令の送信元である情報処理装置3へ送信することが可能である。
ネットワークストレージ5は、ネットワーク6を介して受信するデータを記憶する記憶装置である。またクラウドサーバー8は、インターネットを介してストレージサービスを提供するストレージサーバーであり、ハードディスクドライブ(HDD)などの記憶装置8aを備えている。情報処理装置3は、ネットワークストレージ5及びクラウドサーバー8のいずれに対してもアクセス可能であり、ネットワークストレージ5及びクラウドサーバー8のいずれにも電子データを送信して保存することができる。
図2は、上記のようなネットワークシステム1における情報処理装置3の動作概念を示す図である。情報処理装置3には、Webサーバーから提供されるWebページを表示可能なWebブラウザが搭載されている。そしてユーザーによってWebブラウザが起動され、情報処理装置3がワークフローサーバー2にアクセスすると、情報処理装置3は、ワークフローサーバー2から提供されるWebページD1を取得して表示する。また情報処理装置3には画像処理装置4と連携してスキャン機能を遠隔制御するアプリケーションが予めインストールされる。そして情報処理装置3は、そのアプリケーションを起動させることにより、画像処理装置4に対してスキャン命令D2を送信することにより、画像処理装置4のスキャン機能を動作させる。画像処理装置4は、スキャン命令D2を受信すると、ユーザーによってセットされた原稿9の読み取り動作を行い、その原稿9の画像データD3を生成する。そして画像処理装置4は、画像データD3を情報処理装置3へ送信する。
情報処理装置3のアプリケーションは、スキャン命令D2を送信した後に画像処理装置4から画像データD3を受信すると、その画像データD3をWebブラウザがアクセス可能なストレージに保存する。すなわち、情報処理装置3のアプリケーションは、情報処理装置3内部の記憶手段、ネットワーク6に設けられたネットワークストレージ5及びクラウド7上のクラウドサーバー8などの複数のストレージの中から、Webブラウザがアクセス可能なストレージを自動判別し、そのストレージに対してアップロード対象となる画像データD3を保存するのである。尚、この場合のストレージには、フォルダなどの単なる記憶領域も含まれる。
Webブラウザがアクセス可能なストレージに画像データD3が保存されることにより、Webブラウザは、ワークフローサーバー2に対して書類の電子データをアップロードするWebページを表示しているとき、ユーザーによってファイルの参照ボタンが操作されると、アプリケーションによって画像データD3が保存された記憶領域にアクセスし、その画像データD3を参照することができる。そのため、Webブラウザは、アプリケーションによって保存された画像データD3を読み出してワークフローサーバー2へ送信することができる。以下、このような情報処理装置3について詳しく説明する。
図3は、情報処理装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置3は、制御部10と、記憶装置11と、表示部12と、操作部13と、通信インタフェース14とを備えて構成される。制御部10は、CPU10aとメモリ10bとを備え、各種プログラムに基づく処理を実行する演算処理ユニットである。表示部12は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、各種画面を表示する。操作部13は、例えばキーボードやマウス、表示部12の表示画面上に配置されるタッチパネルセンサなどによって構成され、ユーザーによる操作を検知する。通信インタフェース14は、情報処理装置3をネットワーク6に接続して通信を行うためのものである。記憶装置11は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶手段である。
記憶装置11には、図3に示すようにオペレーティングシステムプログラム15と、ブラウザプログラム16と、スキャナ連携プログラム17と、ストレージ管理情報18とが記憶される。尚、ストレージ管理情報18は、スキャナ連携プログラム17に埋め込まれた情報であっても構わない。また本実施形態では、一例としてスキャナ連携プログラム17がブラウザプログラム16にプラグインされるアドオンプログラムである場合について説明する。また記憶装置11には、データを記憶するためのデータ記憶領域19が設けられる。このデータ記憶領域19には、それぞれ異なるフォルダとして設けられる複数の記憶領域19aが設けられる。
図4は、制御部10のCPU10aによって各種プログラムが実行された場合の機能構成を示すブロック図である。制御部10のCPU10aは、情報処理装置3への電源投入に伴い、オペレーティングシステムプログラム15を読み出して実行する。これにより、制御部10は、オペレーティングシステム30として機能する。このオペレーティングシステム30は、アクセス管理部31を有している。アクセス管理部31は、制御部10において起動するアプリケーションごとに、記憶装置11のデータ記憶領域19に設けられている複数の記憶領域19aのそれぞれに対するアクセスを管理する処理部である。このアクセス管理部31の機能により、制御部10において起動するアプリケーションは、データ記憶領域19に設けられている複数の記憶領域19aのうち、アクセス可能な記憶領域19aが制限されることがある。
また制御部10のCPU10aは、ユーザーによるブラウザプログラム16の実行指示を検知すると、ブラウザプログラム16を読み出して実行する。これにより、制御部10は、オペレーティングシステム30上でWebブラウザ40を機能させる。Webブラウザ40は、その基本機能として、Webページ表示制御部41と、記憶領域参照部42とを有している。Webページ表示制御部41は、オペレーティングシステム30及び通信インタフェース14を介してWebサーバーにアクセスし、そのWebサーバーからWebページを取得して表示部12に表示させる処理部である。記憶領域参照部42は、Webページ表示制御部41によって表示されるWebページに参照ボタンが含まれており、ユーザーによってその参照ボタンが操作された場合に機能する。そして記憶領域参照部42は、オペレーティングシステム30に対し、例えば「FileOpenDialog」などのファイル参照コマンドを出力し、Webブラウザ40が参照可能な記憶領域及びファイルの一覧をオペレーティングシステム30から取得して表示する。
また制御部10のCPU10aは、ブラウザプログラム16を実行するとき、それと同時にスキャナ連携プログラム17を読み出して実行することにより、Webブラウザ40の付加機能として、スキャナ連携機能部50を機能させる。すなわち、このスキャナ連携機能部50は、Webブラウザ40上で動作する機能である。Webブラウザ40上においてスキャナ連携機能部50が機能すると、スキャナ連携機能部50は、後述するようにWebブラウザ40の表示画面においてユーザーが選択可能な操作メニューの中に画像処理装置4のスキャン機能を連携動作させるためのメニューを追加する。そしてユーザーによってその追加メニューが選択された場合、スキャナ連携機能部50は、画像処理装置4のスキャン機能を連携動作させるための処理を開始する。このようなスキャナ連携機能部50は、図4に示すように、スキャン設定登録部51、連携機能起動部52、スキャナ制御部53、ストレージ検出部54、画像データ管理部55及びパネル制御部56を備えている。
スキャン設定登録部51は、Webブラウザ40の起動中に画像処理装置4のスキャン機能を動作させて原稿を読み取るときのスキャン設定を予め登録しておく処理部である。このスキャン設定登録部51は、ワークフローサーバー2によって提供されるWebページにおいてアップロード対象となる書類に応じたスキャン設定を、ワークフローの工程ごとに予め登録しておくことが可能である。例えば清算ワークフローシステムの場合、ワークフローサーバー2は、見積書を受領してから領収書を受領するまでの各工程を順に進行させ、情報処理装置3に対して各工程に応じたWebページを提供する。スキャン設定登録部51は、そのような各工程のWebページに応じた書類のスキャン設定を予め登録しておくことができるのである。
図5乃至図7は、スキャン設定登録部51の処理概念を画面遷移で示す図である。まず情報処理装置3においてWebブラウザ40が起動すると、表示部12には、図5に示す表示画面G1が表示される。Webブラウザ40は、スキャナ連携機能部50をアドオンした状態で起動するため、例えばユーザーがWebブラウザ40のツールメニューを選択した場合に表示されるプルダウンメニューM1の中には、スキャン設定登録メニュー28が表示される。このスキャン設定登録メニュー28は、スキャン設定登録部51によるスキャン設定の登録を開始するためのメニューである。
ユーザーによってスキャン設定登録メニュー28が操作されると、スキャン設定登録部51が作動し、表示部12に、図6(a)に示す表示画面G2を表示させる。この表示画面G2は、ワークフローに含まれる複数の工程のうちから一の工程を選択してスキャン設定の新規作成を指定することができる画面となっている。そのため、表示画面G2が表示されると、ユーザーは、ワークフローに含まれる複数の工程のうちからスキャン設定の対象となる工程を選択して新規作成ボタンB11を操作することにより、スキャン設定の登録を行うことができる。尚、表示画面G2には、新規作成ボタンB11の他にも、削除ボタンB12と、編集ボタンB13とが含まれる。削除ボタンB12は、既に登録されているスキャン設定を削除するための画面を表示させるためのボタンであり、編集ボタンB13は、既に登録されているスキャン設定を編集するための画面を表示させるためのボタンである。
例えばユーザーによってスキャン設定の新規作成が指示されると、スキャン設定登録部51は、表示部12に、図6(b)に示す表示画面G3を表示させる。この表示画面G3では、ワークフロー名や、ワークフローサーバー2にアクセスする際のアドレスとなるURL(Uniform Resource Locator)、連携動作させる画像処理装置4を識別するための識別情報、原稿読み取り時のスキャン設定などを登録することができる。すなわち、ユーザーによって編集ボタンB14が操作されると、スキャン設定登録部51は、ワークフロー名を編集するための画面を表示し、ユーザーによって指定されるワークフロー名を設定する。またユーザーによって編集ボタンB15が操作されると、スキャン設定登録部51は、ワークフローサーバー2のURLを編集するための画面を表示し、ユーザーによる入力操作に基づいてURLを設定する。尚、スキャン設定登録部51は、Webブラウザ40が現在アクセスしているURLを取得し、ワークフローサーバー2のURLを自動設定することもできる。またユーザーによって編集ボタンB16が操作されると、スキャン設定登録部51は、連携動作の対象となる画像処理装置4のIPアドレスなどの識別情報を編集するための画面を表示し、ユーザーによる入力操作に基づいて識別情報を設定する。さらにユーザーによって編集ボタンB17が操作されると、スキャン設定登録部51は、原稿読み取り時のスキャン設定を編集するための画面を表示し、ユーザーによる入力操作に基づいてスキャン設定を作成する。そしてユーザーが表示画面G3の登録ボタンB18を操作すると、スキャン設定登録部51は、ユーザーによって編集されたスキャン設定を登録する。このとき、スキャン設定登録部51は、ユーザーによって編集されたスキャン設定に基づくスキャン設定情報を生成し、そのスキャン設定情報を記憶装置11の所定の記憶領域に保存する。またユーザーが表示画面G3のキャンセルボタンB19を操作した場合には、スキャン設定登録部51は、ユーザーによって編集されたスキャン設定を登録せずに、処理を終了する。
上記のようにしてユーザーによって指定されたスキャン設定が登録されると、Webブラウザ40によって表示される表示画面G1のプルダウンメニューM1には、図7に示すように、ユーザーによって指定されたスキャン設定を適用して画像処理装置4に原稿の読み取り動作を行わせるためのスキャンメニュー29が追加される。したがって、ユーザーは、プルダウンメニューM1の中のスキャンメニュー29を選択することにより、画像処理装置4に原稿の読み取り動作を行わせることができるようになる。尚、スキャン設定登録部51によってワークフローの工程ごとのスキャン設定が登録されると、プルダウンメニューM1の中には、各工程に対応する複数のスキャンメニュー29が表示されるようになる。
図4に戻り、連携機能起動部52は、画像処理装置4のスキャナ機能を動作させるための連携機能を起動させる処理部である。より具体的に説明すると、連携機能起動部52は、スキャナ制御部53、ストレージ検出部54、画像データ管理部55及びパネル制御部56のそれぞれを起動させる処理部である。この連携機能起動部52は、例えばユーザーによってスキャンメニュー29が操作されたことを検知した場合に、スキャナ制御部53を起動させる。
また連携機能起動部52は、スキャナ制御部53の起動条件を自動判別してスキャナ制御部53を自動的に起動させることもできる。例えば連携機能起動部52は、Webブラウザ40によってワークフローサーバー2から取得されたWebページ(コンテンツ)が表示されているとき、ワークフローの工程がスキャン設定登録部51によってスキャン設定の登録されている工程に進んだことを検知したときに、自動的にスキャナ制御部53を起動させるようにしても良い。尚、ワークフローの工程がスキャン設定登録部51によってスキャン設定の登録されている工程に進んだか否かは、例えば現在表示中のWebページのURLがスキャン設定登録時に設定されているURLと一致するか否かを判断することにより検知することが可能である。連携機能起動部52がワークフローの工程が進行することに応じて自動的にスキャナ制御部53を起動させることにより、ユーザーの操作負担を軽減することができるようになる。
スキャナ制御部53は、画像処理装置4のスキャン機能を作動させ、原稿の読み取り動作を行わせ、画像処理装置4から原稿を読み取って生成された画像データを取得する処理部である。すなわち、スキャナ制御部53は、スキャン設定情報を読み出し、そのスキャン設定情報に基づくスキャン設定を反映させたスキャン命令D2を生成し、そのスキャン命令D2を画像処理装置4へ送信する。これにより、画像処理装置4は、ユーザーによってセットされた原稿9の読み取り動作を行い、画像データD3を生成する。そして画像処理装置4は、その画像データD3を情報処理装置3へ送信する。スキャナ制御部53は、画像処理装置4から送信される画像データD3を取得すると、その画像データD3をメモリ10bなどに一時的に保存する。
図8は、スキャナ制御部53によって表示される表示画面G5,G6の例を示す図である。Webブラウザ40上でスキャナ制御部53が起動すると、スキャナ制御部53は、まずWebブラウザ40によって表示される表示画面G1上に、図8(a)に示す表示画面G5をポップアップ表示させる。この表示画面G5には、スキャン開始を指示する開始ボタンB21と、キャンセルボタンB22とが含まれる。この表示画面G5が表示されているときに、ユーザーが開始ボタンB21を操作すると、スキャナ制御部53によってスキャン命令D2が画像処理装置4へ送信され、画像処理装置4による原稿読み取り動作が開始される。画像処理装置4による原稿読み取り動作が行われているとき、スキャナ制御部53は、表示部12に、図8(b)に示すような表示画面G6を表示させる。すなわち、スキャナ制御部53は、画像処理装置4による原稿読み取り動作の進捗状況を表示する。この表示画面G6にはキャンセルボタンB22が表示されており、ユーザーは、画像処理装置4による原稿読み取り動作を途中でキャンセルすることができる。そして画像処理装置4による原稿読み取り動作が終了すると、スキャナ制御部53は、画像処理装置4から画像データD3を取得する。
ストレージ検出部54は、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出し、スキャナ制御部53によって取得される画像データの格納先を決定する処理部である。ストレージ検出部54は、記憶装置11に記憶されているストレージ管理情報18を読み出し、そのストレージ管理情報18に基づいてWebブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出する。
図9は、ストレージ管理情報18の一例を示す図である。ストレージ管理情報18は、例えば情報処理装置3のオペレーティングシステム30の種類によって異なる情報となる。図9(a)は、オペレーティングシステム30がマイクロソフト社のWindows(登録商標)である場合を例示している。また図9(b)は、オペレーティングシステム30がGoogle社のAndroid(登録商標)である場合を例示している。さらに図9(c)は、アップル社のiOS(登録商標)である場合を例示している。ストレージ管理情報18には、ローカルストレージと、ネットワークストレージと、クラウドストレージとが登録されており、それぞれのストレージに対して格納先となる記憶領域(フォルダ)が指定されている。またストレージ管理情報18に登録されている各ストレージには、それぞれ異なる優先順位が付与されている。尚、ローカルストレージは、情報処理装置3の記憶装置11を示している。またネットワークストレージは、図1に示したネットワークストレージ5を示しており、クラウドストレージは、クラウドサーバー8を示している。
例えばオペレーティングシステム30がWindowsである場合、オペレーティングシステム30は、Webブラウザ40が記憶装置11にアクセスする際の記憶領域をあまり制限しない。そのため、Webブラウザ40は、他のアプリケーションが利用する記憶領域にもアクセスすることが可能であり、その記憶領域に保存されているデータを参照することができる。それ故、Windowsの場合のストレージ管理情報18においては、図9(a)に示すように、ローカルストレージである記憶装置11の所定の記憶領域Aに付与されている優先順位が最も高く、ネットワークストレージ5の所定の記憶領域Bに付与されている優先順位が2番目となっている。そしてクラウドストレージであるクラウドサーバー8に付与されている優先順位が最も低い3番目となっている。
ストレージ検出部54は、図9(a)のようなストレージ管理情報18を参照すると、記憶装置11の中に、例えば「My Document」などのような所定の記憶領域Aが存在すれば、その記憶領域Aを優先的に画像データD3の格納先として決定する。ただし、記憶装置11の中に、所定の記憶領域Aが存在しないこともある。そのような場合、ストレージ検出部54は、ネットワークストレージ5の所定の記憶領域Bを画像データD3の格納先として決定する。さらにネットワークストレージ5が存在しない場合、ストレージ検出部54は、クラウドサーバー8を画像データD3の格納先として決定する。
オペレーティングシステム30がAndroidである場合も上記とほぼ同様である。ただし、ネットワークストレージ5とクラウドサーバー8の優先順位がWindowsの場合とは異なるため、そのような優先順位に基づいて画像データD3の格納先が決定される。
これに対し、オペレーティングシステム30がiOSである場合、オペレーティングシステム30は、Webブラウザ40が記憶装置11にアクセスする際の記憶領域を制限する。例えばオペレーティングシステム30は、写真などが保存されている写真フォルダにのみWebブラウザ40によるアクセスを許可し、その他の記憶領域に対するアクセスを禁止する。そのため、Webブラウザ40は、写真フォルダ以外の記憶領域にアクセスすることはできず、そのような記憶領域に保存されている画像データD3を参照することができない。それ故、iOSの場合のストレージ管理情報18においては、図9(c)に示すように、ローカルストレージである記憶装置11の所定の記憶領域Aに付与されている優先順位が最も低く設定されており、クラウドサーバー8に付与されている優先順位が最も高く設定されている。またネットワークストレージ5の所定の記憶領域Bに付与されている優先順位が2番目の設定となっている。
ストレージ検出部54は、図9(c)のようなストレージ管理情報18を参照すると、クラウドサーバー8を優先的に画像データD3の格納先として決定する。ただし、情報処理装置3には、クラウドサーバー8を利用するためのアプリケーションがインストールされていないこともある。そのような場合、ストレージ検出部54は、2番目の優先順位であるネットワークストレージ5の所定の記憶領域Bを画像データD3の格納先として決定する。さらにネットワークストレージ5が存在しない場合、ストレージ検出部54は、ローカルストレージである記憶装置11の所定の記憶領域A(例えば写真フォルダ)を画像データD3の格納先として決定する。
このようにストレージ検出部54は、ストレージ管理情報18を参照することにより、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出し、そのストレージを画像データD3の格納先として決定する。
ただし、ストレージ検出部54は、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出する際、毎回ストレージ管理情報18を参照する必要はない。例えば、Webブラウザ40が過去に記憶装置11内の記憶領域や、ネットワークストレージ5、クラウドサーバー8にアクセスしている場合、Webブラウザ40にはそのアクセス履歴が保存されている。そのため、ストレージ検出部54は、Webブラウザ40のアクセス履歴を参照してWebブラウザ40が前回アクセスしたストレージを検出し、そのストレージを画像データD3の格納先として決定するようにしても良い。
画像データ管理部55は、ストレージ検出部54によって画像データD3の格納先として決定されたストレージに対し、スキャナ制御部53によって取得された画像データD3を格納する処理部である。この画像データ管理部55は、画像データD3の格納先として決定されたストレージにフォルダを自動作成し、そのフォルダに画像データD3を格納して保存する。このとき、画像データ管理部55は、自動作成するフォルダに対してワークフローの工程に対応したフォルダ名を自動的に付与すると共に、そのフォルダに保存する画像データD3に対してワークフローの工程に対応したファイル名を自動的に付与する。
また画像データ管理部55は、フォルダを自動作成するとき、或いは、そのフォルダに画像データD3を格納するとき、画像データD3の格納場所に関する情報を表示部12に表示してユーザーに知らせる。図10は、画像データ管理部55によって表示される表示画面G7,G8の一例を示す図である。図10(a)は、画像データ管理部55がフォルダを自動作成するときにWebブラウザ40によって表示される表示画面G1上にポップアップ表示させる表示画面G7を示している。この表示画面G7では、Webブラウザ40がアクセス可能なローカルストレージにおける所定の記憶領域Aにフォルダを自動作成することがユーザーに報知される。ユーザーは、事前に表示画面G7を確認することにより、画像処理装置4によって生成された画像データD3がどこに格納されるかを把握することができる。また表示画面G7には、OKボタンB23と、変更ボタンB24とが含まれる。OKボタンB23は、ユーザーが画像データD3の格納場所を承諾する際に操作するボタンである。変更ボタンB24は、ユーザーが画像データD3の格納場所を変更する際に操作するボタンである。ユーザーによって変更ボタンB24が操作された場合、例えば画像データ管理部55は、ストレージ管理情報18において次の優先順位となるストレージを次の格納先の候補として選定し、表示画面G7の表示内容を更新する。
図10(b)は、画像データ管理部55が自動作成したフォルダに画像データD3を格納したときにWebブラウザ40によって表示される表示画面G1上にポップアップ表示させる表示画面G8を示している。この表示画面G8は、ローカルストレージにおける「My Document」のフォルダに「領収書スキャン」というフォルダ名のフォルダが自動作成され、その「領収書スキャン」のフォルダに画像データD3が「領収書20160613.pdf」というファイル名で保存されたことを示している。したがって、ユーザーは、この表示画面G8を確認することにより、画像処理装置4によって生成された画像データD3が、どこに、どのようなファイル名で保存されたかを把握することができる。そしてユーザーは、画像データD3の格納場所及びファイル名を確認すると、OKボタンB25を操作する。ユーザーによってOKボタンB25が操作されると、スキャナ制御部53、ストレージ検出部54及び画像データ管理部55による一連の処理が終了する。
図11は、Webブラウザ40のWebページ表示制御部41によって表示される表示画面G1の一例を示す図である。図11(a)の表示画面G1は、例えばWebブラウザ40がワークフローサーバー2にアクセスしている状態で、領収書の画像データD3をワークフローサーバー2へアップロードするWebページを表示している例を示している。この表示画面G1には、アップロード対象となる画像データD3を参照するための参照ボタンB31と、ワークフローサーバー2へ画像データD3のアップロードを指示する登録ボタンB32と、1つ前のWebページへ戻すための戻るボタンB33と、キャンセルボタンB34とが含まれる。
図11(a)に示すような表示画面G1が表示されているとき、ユーザーによってWebページ内の参照ボタンB31が操作されると、Webブラウザ40の記憶領域参照部42は、オペレーティングシステム30に対して「FileOpenDialog」などのファイル参照コマンドを出力し、表示画面G1上に、図11(b)に示すようなファイル選択画面G9を表示させる。このファイル選択画面G9には、Webブラウザ40がアクセス可能な記憶領域の一覧が表示される。そしてスキャナ連携機能部50によって保存された画像データD3は、Webブラウザ40がアクセス可能な記憶領域に保存されているため、ユーザーは、このファイル選択画面G9に対する操作を行うことにより、画像処理装置4のスキャン機能によって生成された画像データD3をアップロード対象として選択することができる。またユーザーには事前に画像データD3の格納場所や画像データD3のファイル名が報知されているため、ユーザーは速やかにアップロード対象となる画像データD3を選択することができる。
図11(b)に示すファイル選択画面G9の下部には、開くボタンB35と、キャンセルボタンB36とが含まれる。ユーザーによって開くボタンB35が操作されると、記憶領域参照部42は、ユーザーによって選択されたファイルにアクセスするためのファイルパスを取り込み、そのファイルパスをWebページに設定し、ファイル選択画面G9を消去する。これに対し、ユーザーによってキャンセルボタンが操作されると、Webページ表示制御部41は、そのままファイル選択画面G9を消去する。
図12は、Webページにファイルパスが設定された状態の表示画面G1を示す図である。図12に示すように表示画面G1にアップロード対象となる画像データD3へのファイルパスが設定されると、ワークフローサーバー2に対する画像データD3のアップロードの準備が整った状態となる。そしてユーザーによって登録ボタンB32が操作されると、Webブラウザ40は、ファイルパスで指定された画像データD3のアップロードを開始する。
このような一連の作業では、アップロード対象となる原稿の画像データD3を取り込むためにWebブラウザ40とは異なるアプリケーションを起動させる必要がなく、ユーザーの操作負担を軽減することができる。またスキャナ連携機能部50は、画像処理装置4から取得した画像データD3を保存するときには、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出し、その検出したストレージに画像データD3を保存する。そのため、情報処理装置3に画像データD3を取り込んだものの、Webブラウザ40でその画像データD3をワークフローサーバー2へアップロードすることができないといった従来の問題点を解決することができる。すなわち、本実施形態の情報処理装置3は、画像処理装置4から取り込んだ画像データD3をWebブラウザ40がアクセス可能なストレージに保存することにより、Webブラウザ40がその画像データD3を読み出すことが可能になるため、Webブラウザ40を利用して画像データD3をワークフローサーバー2にアップロードすることができるのである。
パネル制御部56は、画像処理装置4と通信を行うことにより、スキャナ連携機能部50の各部によって表示部12に表示される表示画面を、画像処理装置4の操作パネルに表示させる処理部である。図13は、パネル制御部56によって行われる画像処理装置4との通信の一例を示す図である。スキャナ連携機能部50においてスキャナ制御部53が作動し、画像処理装置4のスキャン機能との連携動作が開始されると(プロセスP1)、パネル制御部56は、画像処理装置4に対し、画面情報D4を送信する。画像処理装置4は、この画面情報D4を受信すると、操作パネルの表示部に対して情報処理装置3において表示される表示画面と同じ画面を表示する(プロセスP2)。これにより、ユーザーは、情報処理装置3に対する操作を行うのではなく、画像処理装置4の操作パネルに対して操作を行うことができるようになる。特に情報処理装置3がスマートフォンなどのような小型の携帯端末3bである場合には画面サイズが画像処理装置4の操作パネルよりも小さいため、画像処理装置4の操作パネルに情報処理装置3と同じ表示画面を表示させることにより、ユーザーにとっては操作が行いやすいという利点がある。
そして画像処理装置4は、情報処理装置3から取得した表示画面を表示しているときに、ユーザーに対する操作を検知すると(プロセスP3)、その操作に基づく操作情報D5を生成し、情報処理装置3へ送信する。情報処理装置3のパネル制御部56は、画像処理装置4から操作情報D5を受信すると、その操作情報D5を、スキャナ制御部53、ストレージ検出部54又は画像データ管理部55へ出力することにより、各部において操作情報D5に応じた処理を行わせる(プロセスP4)。このようなパネル制御部56の動作により、ユーザーは、情報処理装置3ではなく、画像処理装置4に対する操作を行うことで、上述した作業を行うことができるようになる。したがって、ユーザーが、読み取り対象となる原稿をセットするために画像処理装置4の近傍位置へ移動すると、その後は画像処理装置4に対する操作を行うことによってワークフローサーバー2へのアップロード対象となる画像データD3を情報処理装置3へ取り込むことが可能であり、優れた操作性を発揮する。
次にスキャナ連携機能部50によって行われる処理手順について説明する。図14乃至図17は、スキャナ連携機能部50によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば情報処理装置3においてWebブラウザ40と同時にスキャナ連携機能部50が機能することによって開始される処理である。
スキャナ連携機能部50は、Webブラウザ40が起動すると、スキャン設定の登録を行うか否かを判断する(ステップS1)。ここでは、例えばユーザーによってスキャン設定登録が指示された場合にYESと判断される。スキャナ連携機能部50は、スキャン設定の登録を行う場合(ステップS1でYES)、スキャン設定登録部51を機能させ、スキャン設定登録処理を実行する(ステップS2)。これに対し、スキャン設定の登録を行わない場合(ステップS1でNO)、ステップS2のスキャン設定登録処理はスキップする。
続いてスキャナ連携機能部50は、連携機能起動部52を動作させ、画像処理装置4とのスキャン連携を開始するか否かを判断する(ステップS3)。ここでは、例えばユーザーによってワークフローの各工程に対応したスキャンメニュー29が選択された場合にYESと判断される。またこの他にも、例えばWebブラウザ40がアクセスしているアドレスを判別し、ワークフローサーバー2から取得したWebページ(コンテンツ)が表示されているか否かを判断し、ワークフローサーバー2から取得したWebページが表示されており、且つ、ワークフローの工程がスキャン設定登録部51によってスキャン設定の登録されている工程に進んだことを検知するなどの、所定の条件が成立したことを検知した場合にYESと判断するようにしても良い。その結果、連携機能起動部52が画像処理装置4とのスキャン連携を開始すると判断した場合(ステップS3でYES)、スキャナ連携機能部50は、スキャナ制御部53を機能させ、スキャナ連携処理を開始させる(ステップS4)。これに対し、画像処理装置4とのスキャン連携を開始しない場合(ステップS3でNO)、ステップS4のスキャナ連携処理はスキップする。
続いてスキャナ連携機能部50は、定常処理を実行する(ステップS5)。この定常処理では、後述するように自動作成されたフォルダが画像データを削除するための処理が行われる。
その後、スキャナ連携機能部50は、Webブラウザ40が起動終了するか否かを判断し(ステップS6)、起動終了する場合(ステップS6でYES)、全ての処理を終了する。これに対し、Webブラウザ40が起動終了しない場合(ステップS6でNO)、上述したステップS1〜S5の処理を繰り返し実行する。
図15は、スキャン設定登録処理(ステップS2)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。スキャン設定登録部51は、この処理を開始すると、スキャン設定登録画面(図6(a),(b)参照)を表示部12に表示させる(ステップS10)。そしてスキャン設定登録部51は、ユーザーによる編集操作を検知すると(ステップS11でYES)、スキャン設定登録画面を更新する(ステップS12)。またスキャン設定登録部51は、ユーザーによる登録操作を検知すると(ステップS13でYES)、スキャン設定情報を生成し(ステップS14)、Webブラウザ40のプルダウンメニューM1に、スキャナ連携コマンドであるスキャンメニュー29を追加する(図7参照)。その後、ユーザーによって登録操作の終了が指示されると(ステップS16でYES)、スキャン設定登録部51による処理が終了する。これに対し、登録操作の終了が指示されない場合(ステップS16でYES)、スキャン設定登録部51は、上述したステップS11〜S15の処理を繰り返す。このようなスキャン設定登録処理により、ワークフローの工程ごとに、スキャン設定を予め登録しておくことができる。
図16は、スキャナ連携処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。スキャナ連携機能部50は、この処理を開始すると、まずストレージ検出部54を機能させる。そしてストレージ検出部54は、ストレージ管理情報18を読み出し(ステップS20)、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出するストレージ検出処理を実行する(ステップS21)。このとき、ストレージ検出部54がWebブラウザ40のアクセス可能な複数のストレージを検出した場合には、例えば上述したようにストレージ管理情報18に定められている優先順位に基づいてひとつのストレージを検出する。またこの他にも、例えばWebブラウザ40が前回アクセスしたストレージを検出するようにしても良い。そしてストレージ検出部54は、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出することができたか否かを判断し(ステップS22)、検出できなかった場合には(ステップS22でNO)、エラー通知画面を表示する(ステップS23)。この場合、画像処理装置4のスキャン機能を遠隔制御する処理は行われない。
これに対し、ストレージ検出部54は、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出することができた場合(ステップS22でYES)、スキャナ制御部53を機能させ、画像処理装置4のスキャン機能を遠隔制御する処理を開始させる。スキャナ制御部53は、まずスキャナ連携初期画面として図8(a)に示したような表示画面G5を表示部12に表示させる(ステップS24)。このとき、上述したように、パネル制御部56が機能し、表示画面G5に対応する画面情報D4が画像処理装置4へ送信され、画像処理装置4の操作パネルにも、表示画面G5が表示される。
そしてスキャナ制御部53は、ユーザーによるスキャン開始操作を検知したか否か判断し(ステップS25)、スキャン開始操作を検知した場合(ステップS25でYES)、画像処理装置4に対してスキャン命令D2を送信する(ステップS26)。これに伴い、スキャナ制御部53は、スキャナ実行中画面として図8(b)に示したような表示画面G6を表示部12に表示させる(ステップS27)。このときもまた、パネル制御部56が機能し、表示画面G6に対応する画面情報D4が画像処理装置4へ送信され、画像処理装置4の操作パネルにも、表示画面G6が表示される。そして画像処理装置4における原稿読み取り動作が終了すると(ステップS28でYES)、スキャナ制御部53は、画像処理装置4から画像データD3を取得する(ステップS29)。
続いて画像データ管理部55が機能する。そして画像データ管理部55は、格納先確認画面として図10(a)に示したような表示画面G7を表示部12に表示させる(ステップS30)。このときもまたパネル制御部56が機能し、表示画面G7に対応する画面情報D4が画像処理装置4へ送信され、画像処理装置4の操作パネルにも表示画面G7が表示される。そしてユーザーによってOKボタンB23が操作されると、画像データ管理部55は、画像データD3を格納するためのフォルダを自動作成し(ステップS31)、そのフォルダに画像データD3を格納して保存する(ステップS32)。その後、画像データ管理部55は、格納先通知画面として、図10(b)に示したような表示画面G8を表示部12に表示させる(ステップS33)。このときもまたパネル制御部56が機能し、表示画面G8に対応する画面情報D4が画像処理装置4へ送信され、画像処理装置4の操作パネルにも表示画面G8が表示される。これにより、ユーザーは、画像データD3の格納先を把握することができる。以上で、スキャナ連携処理(ステップS4)が終了する。
次に図17は、定常処理(ステップS5)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。スキャナ連携機能部50は、この定常処理を開始すると、画像データ管理部55を機能させる。そして画像データ管理部55は、それ以前に画像処理装置4から取得した画像データD3を保存したか否かを判断し(ステップS40)、画像データD3を保存している場合(ステップS40でYES)、その保存処理を行ってから所定時間が経過しているか否かを判断する(ステップS41)。その結果、所定時間が経過している場合(ステップS41でYES)、画像データ管理部55は、以前に保存した画像データD3を自動削除する(ステップS42)。すなわち、画像データD3は、ワークフローサーバー2へのアップロードが終了すれば、不要なデータとなるため、画像データ管理部55はそのような不要な画像データD3を自動的に削除するのである。尚、画像データD3の保存後所定時間が経過していない場合(ステップS41でNO)画像データ管理部55は、画像データD3の自動削除を行わない。
次に画像データ管理部55は、自動作成したフォルダが存在するか否かを判断し(ステップS43)、自動作成したフォルダが保存する場合(ステップS43でYES)、その自動作成を行ってから所定時間が経過しているか否かを判断する(ステップS44)。その結果、所定時間が経過している場合(ステップS44でYES)、画像データ管理部55は、自動作成したフォルダを自動削除する(ステップS45)。すなわち、ワークフローサーバー2へのアップロードが終了すれば、自動作成したフォルダが不要になるため、画像データ管理部55はそのような不要なフォルダを自動的に削除するのである。尚、フォルダの自動作成から所定時間が経過していない場合(ステップS44でNO)画像データ管理部55は、フォルダの自動削除を行わない。このように画像データ管理部55は、画像データD3や、自動作成したフォルダを自動削除することにより、情報処理装置3が利用可能なストレージに不要なデータやフォルダが長期に亘って残存することを抑制する。
以上のように本実施形態の情報処理装置3は、画像処理装置4に原稿読み取り動作を行わせ、画像処理装置4から画像データD3を取得することが可能であり、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出し、そのストレージに画像データD3を格納するためのフォルダを自動作成し、画像処理装置4から取得する画像データD3をそのフォルダに格納する。すなわち、情報処理装置3のオペレーティングシステム30によってWebブラウザ40のアクセス可能な記憶領域が制限されている場合であっても、情報処理装置3は、Webブラウザ40のアクセス可能な記憶領域に画像データD3を保存するのである。そのため、Webブラウザ40は、ワークフローサーバー2にアクセスして画像データD3をアップロードするときには、自身がアクセス可能な記憶領域に保存されている画像データD3を参照することが可能であり、ワークフローサーバー2に対して適切に画像データD3をアップロードすることができる。そして本実施形態の情報処理装置3によれば、ユーザー自身がWebブラウザ40のアクセス可能な記憶領域を指定する必要がないため、ユーザーの操作負担を軽減することができるのである。
尚、本実施形態では、一例としてスキャナ連携機能部50がWebブラウザ40上で動作するものを例示した。しかし、これに限られるものではない。すなわち、スキャナ連携機能部50は、Webブラウザ40からは独立したひとつのアプリケーションとして機能するものであっても構わない。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、上述したスキャナ連携機能部50が、ネットワーク6に接続されたサーバー60上で動作する形態について説明する。
図18は、第2実施形態における情報処理装置3の動作概念を示す図である。ここで、サーバー60は、例えばネットワーク6を介して画像処理装置4のスキャン機能を動作させる機能をサービスとして提供するWebサーバーである。情報処理装置3のWebブラウザ40には、例えばサーバー60がお気に入りとして登録されており、ユーザーはお気に入りに登録されているサーバー60を選択することにより、サーバー60にアクセスして画像処理装置4のスキャン機能を動作させることができる。
すなわち、情報処理装置3は、Webブラウザ40を起動してワークフローサーバー2にアクセスすると、ワークフローサーバー2から提供されるWebページD1を取得して表示する。その状態で情報処理装置3は、Webブラウザ40の別のタブを起動してサーバー60にアクセスし、ユーザーによって画像処理装置4との連携動作が指示されると、サーバー60に対して連携要求D6を送信する。これに伴い、サーバー60は、情報処理装置3のWebブラウザ40を介して画像処理装置4にスキャン命令D7を送信し、画像処理装置4のスキャン機能を動作させる。画像処理装置4は、スキャン命令D2を受信すると、ユーザーによってセットされた原稿9の読み取り動作を行い、その原稿9の画像データD3を生成する。そして画像処理装置4は、画像データD3を情報処理装置3へ送信する。
サーバー60は、情報処理装置3のWebブラウザ40が画像データD3を受信すると、その画像データD3をWebブラウザがアクセス可能なストレージに保存させる。すなわち、サーバー60は、情報処理装置3のオペレーティングシステム30の種類に応じて、情報処理装置3内部の記憶装置11、ネットワーク6に設けられたネットワークストレージ5及びクラウド7上のクラウドサーバー8などの複数のストレージの中から、Webブラウザがアクセス可能なストレージを自動判別し、そのストレージに対してアップロード対象となる画像データD3を保存する処理をWebブラウザ40に行わせるのである。
その後、ユーザーは、ワークフローサーバー2から取得したWebページD1を表示しているタブの表示画面に切り替えることにより、画像データD3を参照してワークフローサーバー2へアップロードすることができる。
図19は、サーバー60の機能構成を示すブロック図である。サーバー60は、スキャナ制御部53、ストレージ検出部54及び画像データ管理部55を備えている。スキャナ制御部53、ストレージ検出部54及び画像データ管理部55のそれぞれは、第1実施形態で説明したものと同様の機能を有している。すなわち、スキャナ制御部53は、情報処理装置3のWebブラウザ40を介して画像処理装置4に原稿読み取り動作を行わせ、画像処理装置4から情報処理装置3に対して画像データD3を転送させる処理を行う。ストレージ検出部54は、情報処理装置3のオペレーティングシステム30を判別し、オペレーティングシステム30の種類に応じてWebブラウザ40がアクセス可能なストレージを検出する。そしてストレージ検出部54は、スキャナ制御部53によって取得される画像データD3の格納先を決定する。画像データ管理部55は、ストレージ検出部54によって決定される格納先にフォルダを自動作成し、画像処理装置4から情報処理装置3へ転送される画像データD3をそのフォルダに格納させる処理を行う。
したがって、本実施形態においても、第1実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。尚、本実施形態におけるその他の点については、第1実施形態と同様である。
(変形例)
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、ワークフローサーバー2に対して画像データD3をアップロードする場合を例示した。しかし、本発明を適用可能な実施形態は、必ずしもワークフローサーバー2に画像データD3をアップロードする形態には限られない。例えばWebブラウザ40が電子メールを送信するためのWebページを表示しているとき、電子メールに画像データD3を添付ファイルとして付加することがある。本発明は、そのような場合にも適用可能であり、Webブラウザ40がアクセス可能なストレージに画像データD3が保存されることにより、Webブラウザ40が画像データD3を読み出して電子メールに添付することができるようになる。またこれに限らず、本発明は、ワークフローや電子メール以外にも広く適用可能なものである。