JP2017215380A - 画像形成装置 - Google Patents

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洋 布施
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【課題】記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止すること。【解決手段】保持ローラ112がトナーを吐き出して、吐き出されたトナーがトナー吐き出し領域58に転写されてから、トナー吐き出し領域58に転写されたトナーをクリーニングユニット126が所定の回数にわたって回収するまで、搬送ベルト119の1周分の領域の中において、トナー吐き出し領域58と用紙Pに転写されるトナー像に対応する搬送ベルト119上の画像形成可能領域57が交わらないように、制御部100は、画像形成部3によってトナー像を形成する間隔を制御する。【選択図】図9

Description

本発明は、複写機やレーザプリンタ等、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した、クリーニング装置を備える画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式を適用したカラー画像形成装置としてレーザプリンタが知られている。このような画像形成装置においては、各色に対応した感光ドラム上に形成された静電潜像に、現像器の一部として設けられた現像ローラによって各色のトナー剤で現像が行われトナー像が形成される。形成された各色のトナー像は、無端縁状の搬送ベルトによって各感光ドラムと対向して接触するように搬送される用紙上に転写されて、用紙上にはカラー画像が形成される。なお、転写後に感光ドラム表面に残ったトナーや紙粉等の異物は、感光ドラムに対向して設けられた保持ローラによって、一時的に保持される。保持ローラに保持された異物は、画像形成動作の終了後や、保持ローラが過剰なトナーを保持したために保持能力を発揮できなくなる前に、保持ローラから感光ドラムへ移動される。更に、保持ローラから感光ドラム上に移動したトナーや紙粉等の異物は、搬送ベルトに転写され、搬送ベルトの移動方向における下流側に設けられた貯留部にて回収、貯留される。このような動作を、以下、「トナー吐き出し動作」という。
例えば特許文献1では、連続して搬送される記録媒体の後端から、後続して搬送される記録媒体の先端までの間隔である紙間が所定値以上の場合にトナー吐き出し動作を行うことが提案されている。また、例えば特許文献2では、搬送ベルトへ摺擦するように設置された回転部材によって搬送ベルト上に残留したトナーを回収することが提案されている。
特開2008−039905号公報 特開2011−197393号公報
しかし、従来の構成では、搬送ベルトのクリーニング装置がブレードではなく回転部材を有する場合がある。このような場合、トナー吐き出し動作によって吐き出されたトナーが搬送ベルトへ摺擦するように設置された回転部材を通過しても、吐き出されたトナーを1度の動作で搬送ベルトから回収することができないおそれがある。この場合、搬送ベルト上に吐き出されたトナーと次に給紙された用紙が重なってしまうと、用紙の裏面を汚してしまうおそれがある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)記録材を収容する収容部と、前記収容部から記録材を給紙する給紙手段と、複数の感光体と、前記複数の感光体の各々に対応して設けられたトナー像を形成する形成手段と、前記形成手段により形成された前記感光体上のトナー像を転写する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた転写手段と、前記転写手段によりトナー像を転写される、又は、前記転写手段によりトナー像を転写される記録材を搬送する、ベルトと、第1の電圧を印加され、前記転写手段による転写後に前記感光体上に残ったトナーを回収する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の回転部材と、前記第1の回転部材によって回収されたトナー量を検知する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の検知手段と、前記第1の電圧とは逆極性の第2の電圧を印加された前記第1の回転部材から前記感光体上に吐き出された後、前記転写手段により前記ベルト上に転写されたトナーを回収する第2の回転部材と、画像形成が連続して行われている間に、第1の記録材の後端と前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材の先端との間の紙間に対応する前記ベルト上の第1の領域に転写されるように、前記第1の回転部材に前記第2の電圧を印加してトナーを吐き出す回収動作を行うよう制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、前記第1の回転部材がトナーを吐き出して、吐き出されたトナーが前記第1の領域に転写されてから、前記第1の領域に転写されたトナーを前記第2の回転部材が所定の回数にわたって回収するまで、前記ベルトの1周分の領域の中において、前記第1の領域と記録材に転写されるトナー像に対応する前記ベルト上の第2の領域が交わらないように、前記制御手段は、前記形成手段によってトナー像を形成する間隔を制御することを特徴とする画像形成装置。
(2)記録材を収容する収容部と、前記収容部から記録材を給紙する給紙手段と、複数の感光体と、前記複数の感光体の各々に対応して設けられたトナー像を形成する形成手段と、前記形成手段により形成された前記感光体上のトナー像を転写する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた転写手段と、前記転写手段によりトナー像を転写される、又は、前記転写手段によりトナー像を転写される記録材を搬送する、ベルトと、第1の電圧を印加され、前記転写手段による転写後に前記感光体上に残ったトナーを回収する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の回転部材と、前記第1の回転部材によって回収されたトナー量を検知する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の検知手段と、前記第1の電圧とは逆極性の第2の電圧を印加された前記第1の回転部材から前記感光体上に吐き出された後、前記転写手段により前記ベルト上に転写されたトナーを回収する第2の回転部材と、画像形成が連続して行われている間に、第1の記録材の後端と前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材の先端との間の紙間に対応する前記ベルト上の第1の領域に転写されるように、前記第1の回転部材に前記第2の電圧を印加してトナーを吐き出す回収動作を行うよう制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、前記第1の回転部材がトナーを吐き出して、吐き出されたトナーが前記第1の領域に転写されてから、前記第1の領域に転写されたトナーを前記第2の回転部材が所定の回数にわたって回収するまで、前記ベルトの1周分の領域の中において、前記第1の領域と記録材に転写されるトナー像に対応する前記ベルト上の第2の領域が交わらないように、前記制御手段は、前記給紙手段による前記収容部からの記録材の給紙を制御することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止することができる。
実施例1の比較例としての画像形成装置の断面図、制御系のブロック図 実施例1の比較例としての吐き出し状態を示す断面図 実施例1の比較例としての紙間での吐き出し状態を示す断面図 実施例1の比較例としての第1の吐き出し処理を示すフローチャート 実施例1の比較例としての吐き出し処理を示すフローチャート 実施例1の比較例としての第1の吐き出し処理と紙間でのトナー吐き出し処理を示すタイムチャート 実施例1の画像形成装置の断面図、吐き出し状態を示す断面図 実施例1の紙間での吐き出し状態を示す断面図 実施例1の紙間の設定を説明する搬送ベルトの展開図 実施例1の第2の吐き出し処理を示すフローチャート 実施例1の吐き出し処理を示すフローチャート 実施例1の吐き出し処理を示すタイムチャート 実施例1の吐き出し処理を示すフローチャート 実施例1の吐き出し処理を示すタイムチャート 実施例2のトナー吐き出し領域を記憶する処理を示すフローチャート 実施例3のモータと各ローラの接続を示す断面図 実施例3、4の画像形成可能領域を示す搬送ベルトの展開図 実施例3の吐き出し処理を示すフローチャート 実施例4の吐き出し処理を示すフローチャート 実施例5の吐き出し処理を示すフローチャート
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により図面を参照しながら詳しく説明する。
[比較例]
(画像形成装置)
後述する実施例との比較のために、図1、図2を用いて、カラーレーザプリンタの構成を説明する。図1はレーザプリンタの断面図である。カラーレーザプリンタ(以下、単にプリンタという)1は、記録材である用紙Pを給紙するための給紙部2と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部3と、画像が形成された用紙Pを排出するための排出部4とで構成されている。図1(b)は、プリンタ1の動作を制御する制御系のブロック図を示す図である。ホストコンピュータ等の外部装置102から送信されるコードデータをプリンタコントローラ(以下、コントローラ)101が受信し、コントローラ101は、受信したコードデータを印刷に必要なビットマップデータ(画像データ)に展開する処理を行う。コントローラ101は、プリンタ内部の情報を読み取って表示する機能も有している。
制御手段である制御部100は、コントローラ101の指示に従って、画像形成部3の動作を制御する。画像形成部3の動作とは、感光ドラム111への潜像形成、トナーの現像、用紙Pへの転写、定着、用紙Pの搬送動作を含む動作である。そして、制御部100は、画像形成部3の各部の状態等を示す内部情報をコントローラ101に報知する。プリンタ1は、例えば、ROM、RAM等を内蔵したワンチップマイクロコンピュータである制御部100を有している。なお、ROM、RAM等のメモリを総称して、以下、記憶部100aとする。また、制御部100は、タイマ100bも有している。制御部100は、マイクロコンピュータを有するコントローラ101と例えばシリアル通信によって情報を送受信し、プリンタ1の各部をコントローラ101の指示に従って制御する。用紙搬送制御部104は、制御部100の指示に従って、搬送ベルト119(ベルト)を駆動する駆動ローラ117や従動ローラ118といった駆動系統の回転開始や停止を制御する。印加手段である高電圧制御部107は、制御部100の指示に従って、帯電、現像、転写、の各高電圧(数百〜数千ボルト)の出力制御を行う。光学制御部105は、制御部100の指示に従って、光走査装置に搭載されたスキャナモータの駆動/停止や、レーザの点滅等を制御する。定着温度制御部106は、定着器140の温度が制御部100により指示された目標温度を維持するよう制御する。
図1に示すように、画像形成部3は、形成手段である複数のプロセスユニット110Y、110M、110C、110Kを有している。詳細には、画像形成部3は、イエロー用のプロセスユニット110Y、マゼンタ用のプロセスユニット110M、シアン用のプロセスユニット110C及びブラック用プロセスユニット110Kを有している。なお、色を示す添え字Y、M、C、Kは、特定の色の説明を行う場合を除き、以降省略する。プロセスユニット110は、用紙Pの搬送方向において順番に並べて配置されている。各プロセスユニット110は、感光ドラム111、帯電ローラ109、現像器116、現像ローラ108、第1の回転部材である保持ローラ112によって構成されている。感光ドラム111は、有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光ドラムであり、所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光ドラム111は、帯電ローラ109によりその周面が所定の極性、電位に一様に帯電される。そして、感光体である感光ドラム111の帯電面に、レーザ光が照射される。図中、一点鎖線で示すレーザ光は、光学箱113から出力され、画像読取装置やコンピュータ等の画像信号発生装置(不図示)から入力された目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ変換)されている。これにより、感光ドラム111の表面への走査露光が行われ、感光ドラム111上(感光体上)に画像情報に対応した静電潜像が形成される。光学箱113は、光源及び回転多面鏡を備えるスキャナユニットで構成されてもよいし、LEDアレイで構成されてもよい。
保持ローラ112は、感光ドラム111の回転方向(図中、時計回り方向)において、帯電ローラ109の上流側かつ後述する搬送ベルト119の移動方向における下流側に配置されている。保持ローラ112は、搬送ベルト119又は用紙Pに転写されなかったトナーを高電圧制御部107によって印加された電圧によって電気的に回収するように構成されている。搬送ベルト119は無端状のベルトであり、上側部分の表面が各感光ドラム111と接触するように配置されている。搬送ベルト119は、駆動ローラ117と、駆動ローラ117に対して用紙Pの搬送方向における上流側に対向して配置された従動ローラ118、各プロセスユニット110に対応して配置された転写手段である転写ローラ114によって周回駆動される。ブレード式のクリーニングユニット120は、一例としてブレード121及び貯留部122を備えている。ブレード121は、搬送ベルト119に付着したトナーを剥ぎ取り、貯留部122へ貯留する。
(画像形成動作)
次にプリンタ1が実行する画像形成動作について説明する。コントローラ101の指示に従って、制御部100は画像形成部3の動作を制御する。画像形成動作が開始されると、給紙カセット5に積載されている用紙Pは給紙手段である給紙ローラ130により1枚ずつ搬送路135へ給紙される。収容部である給紙カセット5から給紙された用紙Pは、レジストレーションローラ(以下、レジストローラ)131により搬送され、第3の検知手段であるレジストセンサ132を経て、搬送ベルト119へ搬送される。このとき、用紙Pが搬送ベルト119に到達するタイミングに合わせて画像形成開始信号である副走査方向の走査露光開始タイミング信号が生成される。具体的には、レジストセンサ132により検知した用紙Pの先端位置がプロセスユニット110Yと搬送ベルト119の接合位置である転写位置に到達する位置に合うように走査露光開始タイミング信号が生成される。これにより、プロセスユニット110Yの感光ドラム111Yへ鏡像のトナー像が形成され、走査露光開始タイミングを基点に各色の転写位置に用紙Pが到達するタイミングに合わせて各色の感光ドラム111M、111C、111Kへトナー像が形成される。そして、各色の転写ローラ114に用紙Pの背面からトナーと逆極性の電荷が供給されることで、感光ドラム111から用紙Pにトナー像が転写される。このようにトナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト119から分離されて定着器140へ搬送され、不図示のヒータ、定着フィルム、加圧ローラによって未定着のトナー像が定着される。定着されたトナー像を担持した用紙Pは、更に搬送路の下流側へ搬送され、プリンタ1上部の排出部4に排出される。これにより、画像形成が完了する。
一方で、転写後に感光ドラム111上に残留したトナーは、保持ローラ112に印加された電圧により、保持ローラ112と対向したときに静電気力で感光ドラム111から保持ローラ112に移動することにより保持ローラ112に保持される。即ち、保持ローラ112の周面に、トナーが静電吸着により蓄積されていく。図2は、図1(a)の要部を抽出して見易いように描画した図である。図2(a)は、感光ドラム111Y上のトナー像が用紙Pに転写され、用紙Pに転写されずに感光ドラム111Y上に残留したトナーを、保持ローラ112によって回収している様子を示す。なお、他の色についても同様であり、説明を省略する。
図2(b)は、保持ローラ112に蓄積されたトナーを貯留部122に貯留する際の動作を示す図である。図2(b)に示すように、プリンタ1は、画像形成動作が終了すると、保持ローラ112に保持されたトナーをクリーニングユニット120に回収させるための回収動作を実行する。具体的には、感光ドラム111へトナーを移動させるために、トナーを保持ローラ112に回収するときとは逆極性の電圧を各保持ローラ112に印加する。以下、トナーの回収動作の際に保持ローラ112に印加する逆極性の電圧を吐き出し電圧ともいう。保持ローラ112に保持されたトナーは、吐き出し電圧によって感光ドラム111上に転移され、搬送ベルト119上(ベルト上)へ再び転移される。搬送ベルト119上に転移されたトナーは、搬送ベルト119とともに移動し、ブレード121により剥ぎ取られて貯留部122に貯留される。本実施例では、トナーを保持ローラ112で回収するときの第1の電圧を正極性の電圧(以下、正電圧)、吐き出すときの第1の電圧とは逆極性の第2の電圧(吐き出し電圧)を負極性の電圧(以下、負電圧)とする。
また、連続プリントを行った場合、保持ローラ112に保持されるトナーは増加していく。やがて、保持ローラ112に保持されているトナーの量(以下、トナー量、残留量ともいう)が保持ローラ112の許容量に達すると、保持ローラ112の表面にトナーを保持できなくなる。そして、帯電前の感光ドラム111の表面には、保持できなかったトナーが付着したままの状態となり、画像品質を損なうおそれがある。そこで、プリンタ1は、保持ローラ112のトナー量を検知する第1の検知手段である検知部150を有し、保持ローラ112のトナー量が許容量に到達する前に、保持ローラ112の表面のトナーを吐き出す制御を行う。このような構成では、連続プリント中に保持ローラ112に保持されているトナーが許容量に達すると、トナーを吐き出す回収動作を行う。このため、連続プリント中にダウンタイムが発生し、ユーザビリティが低下する原因となっている。
(連続プリント中のトナー吐き出し処理)
このような課題を解決するため、図3に示すように、連続プリント中の用紙P1と用紙P2との紙間に、保持ローラ112のトナーを吐き出す構成がある。ここで、第1の記録材である用紙P1は、連続プリント中に先行して搬送される用紙である。第2の記録材である用紙P2は、用紙P1に続いて搬送される後続の用紙P2である。また、紙間とは、用紙P1の後端と用紙P2の先端との間隔である。このような構成により、保持ローラ112に蓄積されたトナーの増加量を抑え、保持ローラ112のトナー量が許容量に達するまでのプリント枚数を増やし、ユーザビリティを向上させる。
(第1の吐き出し動作)
図4のフローチャートを用い、保持ローラ112に保持されているトナーを1度で吐き出す第1の吐き出し処理(第1の回収動作)について説明する。図4は、保持ローラ112に保持されたトナーを1度で吐き出して保持ローラ112の表面をクリーニングする処理である。第1の吐き出し処理が開始されると、ステップ(以下、Sという)2で制御部100は、保持ローラ112に吐き出し電圧(負電圧)を印加する。これにより、保持ローラ112の表面に蓄積されたトナーが感光ドラム111に移動する。S3で制御部100は、検知部150により保持ローラ112の表面に蓄積されたトナーの残留量を検知することで、保持ローラ112にトナーがないか否かを判断する。なお、制御部100は、検知部150により検知した保持ローラ112上のトナーの残留量が、図6(a)で後述する規定量以下(第2の量以下)になった場合に、保持ローラ112にトナーがないと判断する。S3で制御部100は、保持ローラ112にトナーがあると判断した場合、処理をS3に戻し、トナーがないと判断した場合、クリーニングが終了したと判断し、第1の吐き出し処理を終了する。第1の吐き出し処理では、保持ローラ112上のトナー量がなくなる(規定量以下になる)まで、プリント動作が中断される。なお、保持ローラ112から感光ドラム111を介して搬送ベルト119上に吐き出されたトナーは、ブレード121によって剥ぎ取られ、搬送ベルト119のクリーニングも完了する。
(紙間での吐き出し動作)
図5のフローチャートを用い、紙間でも保持ローラ112に付着したトナーを吐き出す処理を行う動作について説明する。制御部100は、コントローラ101からプリント指示を受信すると、S6以下の処理を開始する。S6で制御部100は、受信したプリント指示において使用される用紙Pの搬送方向における長さに従い、紙間の設定を行う。S7で制御部100は、S6で設定した紙間のタイミングに合わせて、保持ローラ112に電圧を印加するタイミングを設定する。ここで、制御部100は、感光ドラム111上に残ったトナーを保持する際の正電圧と、保持ローラ112に保持されたトナーを感光ドラム111上に転移させる際の負電圧との、それぞれの印加タイミングを設定する。S8で制御部100は、給紙動作を行う。S9で制御部100は、給紙された用紙Pの先端をレジストセンサ132により検知したか否かを判断する。
S9で制御部100は、用紙Pの先端をレジストセンサ132により検知していないと判断した場合、処理をS9に戻し、検知したと判断した場合、処理をS10に進める。また、制御部100は、タイマ100bを有しており、タイマ100bをリセットしてスタートさせる。S10で制御部100は、タイマ100bを参照することにより、保持ローラ112に正電圧を印加するタイミングか否かを判断する。S10で制御部100は、正電圧を印加するタイミングではないと判断した場合、処理をS10に戻し、正電圧を印加するタイミングであると判断した場合、処理をS11に進める。S11で制御部100は、保持ローラ112に高電圧制御部107により正電圧を印加し、感光ドラム111上に残留したトナーを保持ローラ112に移動させる。
S12で制御部100は、レジストセンサ132により用紙Pの後端を検知したか否かを判断する。S12で制御部100は、用紙Pの後端を検知していないと判断した場合、処理をS12に戻し、検知したと判断した場合、処理をS13に進める。また、制御部100は、タイマ100bをリセットしてスタートさせる。S13で制御部100は、タイマ100bを参照することにより、紙間で保持ローラ112表面に残留したトナーを吐き出すために保持ローラ112に負電圧を印加するタイミングか否かを判断する。S13で制御部100は、負電圧を印加するタイミングではないと判断した場合、処理をS13に戻し、負電圧を印加するタイミングであると判断した場合、処理をS14に進める。S14で制御部100は、保持ローラ112に負電圧を印加し、保持ローラ112に保持されているトナーを感光ドラム111上に移動させる。
S15で制御部100は、プリントが終了したか否かを判断する。ここで、プリントの終了とはジョブの終了を指す。S15で制御部100は、プリントが終了したと判断した場合、処理をS16に進め、プリントが終了していないと判断した場合、処理をS18に進める。S16で制御部100は、保持ローラ112表面に付着したトナーをクリーニングするため、保持ローラ112上に保持されている全てのトナーを吐き出すための、上述した図4の第1の吐き出し処理を行う。なお、S16の第1の吐き出し処理の説明は省略する。S17で制御部100は、保持ローラ112への電圧の供給を切断し、プリントを終了する。
S18で制御部100は、検知部150により検知した保持ローラ112表面に残っているトナーの残留量が第3の量である許容量より多いか否かを判断する。なお、保持ローラ112表面に残ったトナーが多いか否かを判断するための許容量の情報は、例えば、ROM等に記憶されている。S18で制御部100は、保持ローラ112の表面に残ったトナーが許容量より多いと判断した場合、処理をS19に進める。S19で制御部100は、保持ローラ112上の全てのトナーを吐き出すため、図4で説明した第1の吐き出し処理を行う。S19の説明は省略する。S20で制御部100は、高電圧制御部107により保持ローラ112へ正電圧を印加し、次の画像形成動作における感光ドラム111上に残留したトナーの回収に備え、処理をS6に戻す。S18で制御部100は、保持ローラ112の表面に残ったトナーが許容量より多くないと判断した場合、即ちトナーの残留量が許容量以下である場合、保持ローラ112表面のクリーニングをする必要はないため、処理をS6に戻す。
(第1の吐き出し処理における電圧印加のタイミング)
図6(a)は図4で説明した第1の吐き出し処理のタイムチャートである。図6(a)の(i)はレジストセンサ132から出力される信号を出力信号32として示し、(ii)は保持ローラ112に印加される電圧を電圧52として示す。図6(a)の(iii)は検知部150により検知された保持ローラ112に付着した出力信号51を示す。横軸はいずれも時間を示す。制御部100は、保持ローラ112に付着したトナーをクリーニングするため、以下のような制御を行う。制御部100は、タイミングT14でレジストセンサ132の出力信号32の立ち下りエッジにて用紙Pの後端を検知してから所定時間後、タイミングT15で保持ローラ112の電圧52を正極性から負極性に切替える。制御部100は、検知部150により検知された保持ローラ112に残留している出力信号51が、図中破線で示す規定量以下になるまで、即ち、保持ローラ112のクリーニングが完了するタイミングT17まで、負電圧を維持する。そして、制御部100は、プリント終了であれば、保持ローラ112に印加されている負電圧を切断する(図5 S16の場合)。一方、制御部100は、プリント中であれば、保持ローラ112に印加されている電圧を負極性から正極性の電圧に切替えてプリントを再開する(図5 S19の場合)。
(紙間における電圧印加のタイミング)
続いて図6(b)のタイムチャートを用い、保持ローラ112に付着したトナーを紙間でクリーニングする動作について説明する。図6(b)の(i)〜(iii)は図6(a)の(i)〜(iii)と同様のタイムチャートであり、説明を省略する。図6(b)のタイムチャートは、給紙動作から連続プリントの動作を示すタイムチャートである。タイミングT10は、給紙のタイミングであり、用紙Pが給紙部2から画像形成部3へ搬送される時刻を示している。給紙された用紙Pの先端がタイミングT21でレジストセンサ132に到達すると、レジストセンサ132の出力信号32はローレベルからハイレベルに切替わる。保持ローラ112に印加される電圧52は、感光ドラム111に付着しているトナーをクリーニングするため、即ち、感光ドラム111から保持ローラ112にトナーを移動させるために正電圧が印加されている。転写ローラ114の転写により用紙Pに転写されず感光ドラム111上に残留したトナーは、保持ローラ112によりクリーニングされ、保持ローラ112表面へ転移される。図6(b)の(iii)に示すように、検知部150により検知された保持ローラ112に残留した出力信号51は、感光ドラム111表面に付着したトナーの転移を開始したタイミングT11から増加する。タイミングT22でレジストセンサ132により用紙Pの後端を検知してから所定時間後のタイミングT12で、紙間のタイミングに至ると、保持ローラ112の電圧が正極性から負極性に反転する。これにより、保持ローラ112に付着しているトナーは感光ドラム111へ吐き出され、(iii)に示すように、検知部150により検知される出力信号51は低下する。制御部100は、タイミングT23でレジストセンサ132により用紙Pの先端を検知してから所定時間後のタイミングT13で、紙間が終了すると、保持ローラ112に印加する電圧を負極性から正極性へ切替える。以下、制御部100は、このような紙間におけるトナー吐き出し処理を継続する。図6(b)(iii)に示すように、保持ローラ112に付着している出力信号51は、感光ドラム111表面に付着したトナーの転移とともに増加する。保持ローラ112の出力信号51が許容量より多くなると(図5 S18 Y)、図5で説明したように、S19で図4の第1の吐き出し処理が実施されることとなる。
このように、紙間で保持ローラ112に付着したトナーを吐き出すことにより、保持ローラ112の表面に残留したトナーの増加量を抑制し、ダウンタイムを軽減することでプリントの生産性を向上することができる。
実施例1では、上述した比較例と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。本実施例では、搬送ベルト119に当接し、搬送ベルト119に付着したトナーを掻き取るブレード121を有するクリーニングユニット120から、次のようなクリーニングユニットに変更している。本実施例では、電圧を印加することが可能なローラに変更した第2の回転部材であるローラ式のクリーニングユニット126によって、駆動負荷を軽減し、より小型の駆動源や電源で構成されている。しかし、搬送ベルト119に付着したトナーはローラ式のクリーニングユニット126を1回通過しただけでは回収しきれず、複数回に渡りローラ式のクリーニングユニット126を通過させる必要が生じる。
比較例で説明したような連続プリント中に紙間で保持ローラ112の吐き出し動作を行った場合、搬送ベルト119に付着したトナーは、1回の回収動作ではローラ式のクリーニングユニット126で回収しきれず残ってしまう。このため、搬送ベルト119上に残ったトナーが後続する用紙Pの裏面側に付着し、やがて定着器140にて定着され、用紙Pの裏面が汚れた状態となってしまう。本実施例では、紙間で保持ローラ112に付着したトナーを吐き出しても、用紙Pの裏面が汚れず、用紙Pのサイズに適した紙間を設定する制御を行う画像形成装置の説明を行う。
[画像形成装置]
図7(a)に本実施例のカラーレーザプリンタの断面図を示す。ローラ式のクリーニングユニット126は、第1のローラである回収ローラ123、回収ローラ124、ブレード121及び貯留部122を備えている。回収ローラ123は、搬送ベルト119の回動方向と直交する方向(搬送ベルト119の幅方向)に延びるように配置されている。回収ローラ123の周面は、搬送ベルト119の下側部分の表面(下面)に接触している。本実施例において回収ローラ123は、搬送ベルト119の回動方向(反時計回り方向)と同じ方向(反時計回り方向)に回転駆動される。回収ローラ123は、搬送ベルト119の裏側に当接する金属ローラ115に対し、搬送ベルト119を挟んで対向するように配置される。金属ローラ115は、電圧を印加することが可能な導電性を有し、搬送ベルト119に従動して回転する。回収ローラ123は、回転駆動時には搬送ベルト119を摺擦するように回転する。回収ローラ124は、回収ローラ123と平行に延びるように配置され、回収ローラ123の周面に接触し、搬送ベルト119の回動方向(反時計回り方向)と逆方向(時計回り方向)に回転している。そして、ローラ式のクリーニングユニット126よりも搬送ベルト119の移動方向における下流側には、搬送ベルト119に残留しているトナーを検知するための第2の検知手段である検知部127が配置されている。高電圧制御部107は、回収ローラ123と回収ローラ124に電位差が生じるように、それぞれ異なる電圧を印加する。これにより、搬送ベルト119上に残留したトナーは、搬送ベルト119から電気的に回収ローラ123へ回収され、更に、回収ローラ123から回収ローラ124へと転移していく。回収ローラ124に回収されたトナーは、ブレード121によって掻き取られて、貯留部122に貯留される。
[トナー吐き出し処理]
図7(b)は、本実施例のトナー吐き出し処理を説明する図である。なお、図7(b)では、イエロー色の感光ドラム111Y上へトナーを吐き出して回収する構成について説明するが、他の色についても同様である。保持ローラ112に負電圧が印加されると、保持ローラ112に付着したトナーが感光ドラム111上に移動する。感光ドラム111上に移動したトナーは、転写ローラ114により搬送ベルト119に転写され、搬送ベルト119の移動とともにクリーニングユニット126に移動する。回収ローラ123と回収ローラ124には異なる電圧が印加され、金属ローラ115と回収ローラ124とのニップ部において、搬送ベルト119上のトナーが回収ローラ123に移動する。そして、回収ローラ123に移動したトナーは、更に回収ローラ124に移動し、ブレード121によって掻き取られて貯留部122に回収される。なお、図7(b)には、保持ローラ112から吐き出されたトナーを濃い破線で示し、クリーニングユニット126のクリーニング後に搬送ベルト119上に残ったトナーを細い破線で示している。本実施例のクリーニングユニット126の構成では、搬送ベルト119上のトナーを1度で回収することができない場合がある。
[用紙Pの裏面を汚さない紙間におけるトナー吐き出し処理]
紙間において保持ローラ112に保持されたトナーの吐き出しを行っても用紙Pの裏面が汚れない、本実施例の紙間における吐き出し処理(回収動作)の制御方法について説明する。まず、図8の画像形成装置の断面図を用いて説明する。紙間で吐き出したトナーが回収ローラ123で回収しきれず、再び画像形成部3へ戻ると、回収できなかったトナーは次の用紙Pの裏面に付着する。これを回避するために、搬送ベルト119上の領域について、残留したトナーを付着させる領域と、残留したトナーを付着させず用紙Pに印刷するためのトナー像を転写する領域と、に分離する。これにより、紙間で保持ローラ112のトナー吐き出しを行い、連続プリント中のダウンタイムを抑制できるようになる。図8では、搬送ベルト119の1周の長さ中に残留したトナーを付着させる領域が3つあり、これらの領域が搬送されてきた用紙Pに重ならないように制御されている様子を示す。なお、図8で濃い破線は保持ローラ112から吐き出されたトナーを示し、細い破線は、クリーニングユニット126で回収されなかった残りのトナーを示している。なお、図8において、図3、図7等で説明した構成と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
[紙間の設定]
図9は、本実施例の紙間を設定する方法について説明するための、搬送ベルト119の展開図である。即ち、図9において右側の端部と左側の端部は一致する。ここでは、搬送方向の長さが異なるサイズの用紙における紙間の設定について説明する。図9は、搬送ベルト119の移動方向の所定の位置で用紙Pの搬送方向と直交する方向へ切断した搬送ベルト119の状態を示す図である。本実施例では、用紙Pの裏面の汚れを回避するために、展開図の領域内にトナーを吐き出すための領域と、画像形成を行うための領域を分離し、画像形成を行う。ここで、トナーを吐き出すための領域を、第1の領域であるトナー吐き出し領域といい、第2の領域である画像形成を行うための領域を画像形成領域という。本実施例では、ローラ式のクリーニングユニット126を有しているため、1度、搬送ベルト119へトナーを吐き出してしまうと、吐き出したトナーをクリーニングするまで、トナーを吐き出す領域が限定されてしまう。このような制限により、搬送ベルト119の周方向の長さLは、トナー吐き出し領域も含め、画像形成装置で設定される最も長い用紙Pの搬送方向の長さよりも長く設定する必要がある。
図9(a)は、比較的搬送方向に対し短い用紙(例えばレターサイズ)に合わせて搬送ベルト119の周長L1を設定した場合を示す展開図である。図9(a)の場合、搬送ベルト119の周長L1は、画像形成が開始される位置(以下、画像形成開始位置という)59を基準に、レターサイズの画像形成可能領域57とレターサイズのトナー吐き出し領域58(レター吐き出し)とを含んでいる。周長L1をレターサイズに合わせて設定すると、レターサイズよりも搬送方向の長さが長いリーガルサイズの用紙の場合、搬送ベルト119の画像形成開始位置59から1周以上した位置からトナー吐き出し領域56(リーガル吐き出し)が開始される。その結果、図9(a)で示すように、リーガルサイズの用紙をプリントする場合、トナー吐き出し領域56は、レターサイズにおける画像先端部と重なってしまうため、画像形成できない。
図9(b)は、レターサイズよりも比較的搬送方向に対し長い、例えば、リーガルサイズ等の用紙に合わせて搬送ベルト119の周長L2を設定した場合を示す展開図である。図9(b)の場合、搬送ベルト119の周長L2は、画像形成開始位置59を基準に、リーガルサイズの画像形成領域60とリーガルサイズのトナー吐き出し領域56とを含んでいる。周長L2をリーガルサイズに合わせて設定すると、リーガルサイズよりも搬送方向の長さが短いレターサイズの用紙の場合、搬送ベルト119の画像形成開始位置59から1周未満の位置からトナー吐き出し領域58が開始される。その結果、図9(b)で示すように、レターサイズの用紙をプリントする場合、トナー吐き出し領域56は、レターサイズの画像形成可能領域57とは重ならないため、用紙の裏面の汚れの発生を回避できる。また、レターサイズの画像形成可能領域57は、画像形成開始位置59を基準とする場合には、レターサイズの吐き出し領域58とも重ならない。以上のことから、搬送ベルト119の周長Lは、画像形成装置で設定される最も長い用紙Pの搬送方向の長さよりも長く設定する。
続いて、更に搬送方向について短い小サイズ紙について説明する。図9(c)は、小サイズ紙がトナー吐き出し領域を含め、周長LBの搬送ベルト119内に3つまで入る場合を例とした展開図である。用紙Pの裏面の汚れを回避するためには、次のように制御しなければならない。即ち、搬送ベルト119の周長LBから、小サイズ紙の画像形成領域LP1と小サイズ紙のトナー吐き出し領域LP2を含めた領域の3つ分の長さを差し引いた長さだけ、搬送ベルト119の領域を使用しないように制御しなければならない。ここで、小サイズ紙の画像形成領域LP1と小サイズ紙のトナー吐き出し領域LP2を含めた領域の3つ分の長さは、(LP1+LP2)×3である。また、搬送ベルト119の周長LBから、この3つ分の長さを差し引いた長さは、LB−(LP1+LP2)×3である。
例えば、図9(c)において、搬送ベルト119の周長LBがリーガルサイズの搬送方向の長さに合わせて設定されているとする。リーガルサイズのトナー吐き出し領域56に小サイズ紙の画像形成領域LP1が重ならないようにするためには、3つの小サイズ紙の画像形成領域LP1を画像形成開始位置59から順番に書き出す必要がある。このため、図9(c)では、画像形成開始位置59からの書き出し順を管理する複雑な制御を必要とする。しかし、トナー吐き出し領域を均等化すれば、図9(d)で示すようなる。図9(d)では、3つめの小サイズ紙の画像形成領域LP1とリーガルサイズのトナー吐き出し領域56を重ならないようにでき、用紙の裏面の汚れを回避することができる。また、図9(d)では、3つ目のトナー吐き出し領域LP2に連続して4つ目(搬送ベルト119の次の周回)の画像形成領域LP1の転写動作を行うことができる。
搬送ベルト119の使用できない領域はLB−(LP1+LP2)×3である。このため、搬送ベルト119の使用できない領域分を小サイズ紙のトナー吐き出し領域に均等に振り分ければ、画像形成開始位置59からの書き出し順を管理する必要は無く、制御を簡素化できる。制御部100は、搬送ベルト119の1周分の領域の中に、トナー吐き出し領域と画像形成領域との組合せが複数含まれる場合に、1周分の領域から複数の組合せの領域を除いた領域を、複数のトナー吐き出し領域に振り分けて紙間を設定する。なお、図9(d)に示すように、具体的な紙間の設定値aは、LP2+(LB−(LP1+LP2)×3)/3である。式を簡単にすると、紙間の設定値aは、LB/3−LP1となる。また、図9(c)に示した例では、小サイズ紙の画像形成領域LP1とトナー吐き出し領域LP2とを含む領域が、周長LBの搬送ベルト119内に3つまで入る場合について説明した。しかし、次のように一般化することができる。例えば、周長LBの搬送ベルト119内に、画像形成領域LP1とトナー吐き出し領域LP2を含む領域が、n含まれる(nは整数)とした場合は、紙間の設定値aは次のようになる。即ち、紙間の設定値aは、LP2+(LB−(LP1+LP2)×n)/nであり、式を簡単にすると、LB/n−LP1と表現できる。また、前述した説明では、トナー吐き出し領域を長さで説明したが、画像形成装置の制御値を時間としても同じ効果が得られる。
[第2の吐き出し動作]
図10のフローチャートを用い、本実施例の保持ローラ112に付着したトナーを全て吐き出し、搬送ベルト119に付着したトナーを全てクリーニングする、第2の吐き出し処理について説明する。なお、S22、S23は、図4で説明したS2、S3の処理と同じ処理であり、説明を省略する。本実施例では、S23の判断処理で制御部100は、検知部150により保持ローラ112に残留したトナーがないと判断した場合、S24の処理に進む。S24で制御部100は、検知部127より検知した搬送ベルト119に残留したトナーがないか否かを判断する。制御部100は、検知部127により検知した搬送ベルト119のトナー量が規定量以下(第1の量以下)である場合に、残留したトナーがないと判断する。S24で制御部100は、残留したトナーがあると判断した場合、処理をS24に戻し、搬送ベルト119上のトナー量が規定量以下となるまで、搬送ベルト119を回動させる。S24で制御部100は、残留したトナーがないと判断した場合、第2の吐き出し処理を終了する。
[用紙サイズ切替え時の紙間での吐き出し動作]
続いて、図11のフローチャートを用い、搬送方向の長さが異なる用紙サイズに切替えられたときの紙間を設定する制御方法を説明する。S106で制御部100は、紙間の設定を行う。ここで、用紙サイズが切替わった場合には、上述したように紙間の設定値aを求め、設定値aを設定し、S106以降の処理を実行する。なお、S107〜S115までの処理は、図5のS7〜S15で説明した処理と同じであり、説明を省略する。S115で制御部100は、プリントが終了したと判断すると、S116で、図10の第2の吐き出し処理を行い、保持ローラ112及び搬送ベルト119に付着したトナーのクリーニング処理を行う。S117で制御部100は、保持ローラ112に印加している電圧を切断し、プリントを終了する。
S115で制御部100は、プリントが終了していないと判断した場合、処理をS118に進める。S118で制御部100は、保持ローラ112表面に残留しているトナーが許容量より多いか否かを判断する。S118で制御部100は、保持ローラ112に残留しているトナーが許容量より多いと判断した場合、S119で図10の第2の吐き出し処理を行い、処理をS106に戻す。一方、S118で制御部100は、保持ローラ112に残留しているトナーが許容量より多くない、即ち、トナー量が許容量以下である場合、処理をS120に進める。S120で制御部100は、用紙Pが前回の用紙と同サイズか否か、即ち、これから給紙される(待機中)用紙の搬送方向の長さが切替わっていないか否かを判断する。S120で制御部100は、用紙が切替わっていないと判断した場合、紙間の設定値を維持したまま処理をS108に戻し、そのまま給紙動作を行う。なお、連続プリント中の紙間において保持ローラ112から吐き出しを行っている間、回収ローラ123、124には異なる電位の電圧が印加されている。
S120で制御部100は、用紙Pの長さが切替わったと判断した場合、処理をS121に進める。S121で制御部100は、紙間の再設定を最短時間で行うため、保持ローラ112に正電圧を印加し、保持ローラ112からのトナーの吐き出し動作を禁止する。S122で制御部100は、搬送ベルト119のクリーニング動作を行い、処理をS106に戻す。ここで、保持ローラ112に負電圧を印加した状態では、保持ローラ112からトナーが吐き出され、搬送ベルト119のクリーニングに時間を要してしまい、S106の紙間設定処理に移行できない。しかし、本実施例のように、保持ローラ112からのトナーの吐き出しを禁止して搬送ベルト119のクリーニングを行うことで、搬送ベルト119のクリーニングに要する時間を短くし、S106の紙間の再設定に短い時間で移行できる。
[用紙サイズの切替わり動作]
続いて図12のタイムチャートを用い、連続プリント中に搬送方向の用紙の長さが異なる用紙サイズに切替わるタイミングの動作について説明する。図12の(i)は保持ローラ112に印加される電圧52を示し、(ii)は搬送ベルト119のトナー量を検知する検知部127の出力信号53を示す。タイミングT15で用紙サイズが変更される前の連続プリント中では、クリーニングユニット126により搬送ベルト119のトナーのクリーニング処理を行っている。しかし、保持ローラ112からのトナー吐き出し動作によるトナー量の方が多いため、検知部127により検知されるトナー量は増加していく。
制御部100は、連続プリント中にタイミングT15で用紙サイズが変更されると、図11のS120の判断処理で、処理をS121に進めることとなる。即ち、S122で搬送ベルト119のクリーニングを行い、S106で新たに紙間を設定してS107で保持ローラ112への電圧印加のタイミングを設定した後のS108で用紙Pを給紙するまで、制御部100は、一時的にプリントを中断することとなる。ここで、制御部100は、トナー吐き出し動作を行うのであれば、図12の点線37で示すように電圧を正極性から負極性へ切替えるが、保持ローラ112からのトナーの吐き出しを禁止するため、次のように処理を行う。即ち、制御部100は、正電圧の状態を維持して保持ローラ112からのトナー吐き出し動作を行わないようにし、搬送ベルト119のクリーニングを優先的に行う。よってこの動作は、図12の(ii)の38に示すように、搬送ベルト119上に残留したトナー量を減少させ、最短時間で紙間の再設定が可能な状態となる。ところで、上述したように、図11で説明した制御では、用紙Pの用紙サイズが変更されたときの紙間の再設定時間を最短時間で行っているが、プリントが中断されてしまうため、ユーザビリティが低下するおそれがある。
[紙間での吐き出し動作の許可又は禁止]
そこで、図13のフローチャートを用い、図11で説明した制御よりも、短い時間で用紙サイズの切替えが可能な制御方法について説明する。制御部100は、プリントの指令を受信すると、S205以降の処理を開始する。S205で制御部100は、保持ローラ112のトナー吐き出しを許可するフラグを立て、S206以降の処理を実行する。なお、S206〜S212までの処理は、図11のS106〜S112で説明した処理と同じ処理であり、説明を省略する。S212で制御部100は、レジストセンサ132により用紙Pの後端を検知したと判断した場合、S213で、フラグを確認することにより、保持ローラ112のトナー吐き出しが許可されているか否かを判断する。S213で制御部100は、トナー吐き出しが許可されていると判断した場合、処理をS214に進め、許可されてないと判断した場合、保持ローラ112に印加されている電圧を正極性に維持したまま、処理をS216に進める。S214で制御部100は、トナー吐き出しが許可されているので、紙間で保持ローラ112に残留したトナーを吐き出すための負電圧を印加するタイミングか否かの判断を行う。S214で制御部100は、電圧印加のタイミングとなった場合には、S215で負電圧を保持ローラ112に印加する。なお、S216〜S223までの処理は、図11のS115〜S122までの処理と同じであり、説明を省略する。
S221で制御部100は、用紙サイズが前回と同じであると判断した場合、処理をS224に進める。S224で制御部100は、受信済みのプリントジョブ内に搬送方向の用紙の長さが異なる待機中のジョブがないか否かを判断する。S224で制御部100は、用紙サイズが異なる待機中のジョブがないと判断した場合、処理をS206に戻す。S224で制御部100は、用紙サイズが異なる待機中のジョブがあると判断した場合、処理をS225に進める。制御部100は、S225以降の処理を行うことにより、異なる用紙サイズのプリントが開始される前に搬送ベルト119のクリーニングを行って、用紙サイズが切替えられたときにプリントが中断される時間の短縮を行う。
S225で制御部100は、待機中の用紙サイズの異なる用紙Pがプリントされる、より詳細には、レジストセンサ132により用紙Pの後端が検知されるまでの時間を算出し、算出した時間をTとする。時間Tは、給紙ローラ130から転写位置までの距離と用紙Pの搬送速度に基づいて算出される。S226で制御部100は、検知部127により搬送ベルト119上のトナー量を検知し、保持ローラ112のトナー吐き出しを禁止した状態で搬送ベルト119上に残留したトナーのクリーニング完了までに要する時間tを推測する。時間tは、搬送ベルト119の移動速度と、検知部127により検知されたトナー量と、単位時間にクリーニング可能なトナー量とに基づき推定される。なお、単位時間にクリーニング可能なトナー量は各クリーニングユニットに応じて決定されており、予め例えばROM等に記憶されている。S227で制御部100は、S225で算出した時間TがS226で推測した時間tよりも長いか否かを判断する。この処理は、用紙サイズが変更される前に、搬送ベルト119のクリーニングを行い、連続プリントの中断を回避する、又は、中断される時間の削減を図るために行われる。
S227で制御部100は、時間tが時間T以上であると判断した場合(t≧T)、処理をS228に進める。これは、搬送ベルト119のクリーニング動作を行うと、待機中の用紙サイズの異なる用紙Pに切り替えるまでの間に搬送ベルト119のクリーニング動作が完了せず、用紙Pの用紙サイズ変更のタイミングで連続プリントが中断してしまう状態を意味する。この状況では、直ちに搬送ベルト119のクリーニングを開始し、用紙サイズの切替えに備えた方がよい。S227で制御部100は、時間tが時間Tより短いと判断した場合(t<T)、処理をS208に戻す。この場合、待機中の用紙サイズの異なる用紙Pに切り替えるまでの間に搬送ベルト119のクリーニング動作が完了するため、直ちに搬送ベルト119のクリーニング動作を開始する必要がない。即ち、搬送ベルト119のクリーニング動作には保持ローラ112のトナー吐き出し禁止を伴うため、過剰にこのクリーニング動作を行うと、保持ローラ112に残留するトナー量が許容量を超えてしまう。その結果、連続プリントを中断することになってしまう。このことから、用紙サイズが変更される前に搬送ベルト119のクリーニングを行うには、最適なタイミングが存在することがわかる。この最適なタイミングとは、用紙サイズが切替わるタイミングと搬送ベルト119のクリーニングが完了するタイミングとが一致するタイミングである。この2つのタイミングが一致するタイミングに基づき保持ローラ112のトナー吐き出しを禁止すれば、保持ローラ112に残留しているトナーを過剰に蓄積させることなく、搬送ベルト119のクリーニングを行うことができる。
前述した理由により、時間tが時間Tよりも短い(t<T)の場合は、まだ、搬送ベルト119のクリーニングを行う必要はないため、何も処理せず処理をS208に戻し、給紙動作を行う。一方、時間tが時間T以上である(t≧T)場合は、直ちに、搬送ベルト119に残留したトナーを減少させるために、S228で制御部100は、保持ローラ112へのトナー吐き出しを禁止し、処理をS208に戻す。このように、本実施例では、制御部100は、受信しているプリントジョブの中にサイズが異なる用紙Pへの画像形成が予定されている場合に、次のような処理を行う。制御部100は、サイズが異なる用紙Pに画像形成が行われるまでの間に、保持ローラ112からのトナーの吐き出しを禁止したとしても、搬送ベルト119上のトナー量が規定量以下とならないと判断される場合には、トナーの吐き出しを禁止する。
[用紙サイズの変更タイミングを予測した制御]
図14のタイムチャートを用い、連続プリント中に用紙サイズが切替わるタイミングを予測して、搬送ベルト119のクリーニングを行う動作について説明する。図14の(i)は、保持ローラ112に印加される電圧52を示す。図14の(ii)は、保持ローラ112のトナー量を検知する検知部150の出力信号51を示し、(iii)は、搬送ベルト119のトナー量を検知する検知部127の出力信号53を示し、横軸はいずれも時間を示す。ここでは、保持ローラ112のトナー吐き出し動作が行われている場合と、保持ローラ112のトナー吐き出しが禁止されている場合とを分けて説明する。タイミングT20より前が保持ローラ112のトナー吐き出し動作が許可されている時間で、タイミングT20より後が保持ローラ112のトナー吐き出し動作が禁止されている時間である。
まず、タイミングT20より前の保持ローラ112のトナー吐き出し動作が許可されている期間の説明を行う。タイミングT21で保持ローラ112にトナー吐き出し用の負電圧が印加されると、保持ローラ112のトナー量を示す検知部150の出力信号51は、トナー吐き出し期間中は減少する。タイミングT22で、保持ローラ112に印加される電圧が負極性から正極性に切り替わると、検知部150の出力信号51は下降から上昇に転じる。タイミングT21からタイミングT22の期間で保持ローラ112から吐き出されたトナーは、搬送ベルト119へ移動する。このため、搬送ベルト119のトナー量を示す検知部127の出力信号53は、微増となる。
そして、タイミングT20より後の保持ローラ112のトナー吐き出しが禁止されている期間では、保持ローラ112のトナー吐き出し動作を行っていない。このため、図14の(i)に点線54で示すような、保持ローラ112への負電圧の印加が行われることはなく、保持ローラ112から搬送ベルト119に残留したトナーは吐き出されない。その結果、図14の(ii)に示すように、検知部150の出力信号51は、減少する期間がなく、増加し続けることになる。一方、保持ローラ112から搬送ベルト119へのトナー吐き出しが行われないため、搬送ベルト119のトナー量は、図14の(iii)に点線55で示すように減少する。タイミングT23で搬送ベルト119に残留したトナーは、トナー量が規定量以下となり、搬送ベルト119のクリーニング動作が完了する。これにより、紙間を再度設定することが可能な状態、即ち、用紙サイズの変更が可能な状態となる。
このように、本実施例では、保持ローラ112がトナーを吐き出して、吐き出されたトナーがトナー吐き出し領域に転写されてから、トナー吐き出し領域に転写されたトナーをクリーニングユニット126が所定の回数にわたって回収する。そしてクリーニングユニット126が所定の回数にわたってトナーを回収するまで、搬送ベルト119の1周分の領域の中において、トナー吐き出し領域と画像形成領域が交わらないように、トナー像を形成する間隔が制御される。以上、本実施例によれば、記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止することができる。
実施例2では搬送ベルト119上に吐き出したトナー領域によって、搬送される用紙Pの裏面が汚れてしまうことを防ぐために、これからプリントする用紙がトナー吐き出し領域外でプリント可能か否かを判断するための構成について説明する。ここで、上述した比較例、実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明し、重複部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
[トナー吐き出し領域位置情報]
搬送ベルト119上のトナー吐き出し領域に関する情報の記憶方法について図15を用いて説明する。図15のフローチャートはプリント動作と並行して実施される処理である。制御部100は、プリント動作と並行してS1121以降の処理を開始する。S1121で制御部100は、搬送ベルト119が駆動中であるか否かを判断する。S1121で制御部100は、搬送ベルト119が駆動中ではないと判断した場合、処理を終了し、駆動中であると判断した場合、処理をS1122に進める。S1122で制御部100は、トナー吐き出しを開始したか否かを判断する。制御部100は、トナー吐き出しを開始したか否かは、保持ローラ112に負電圧の印加を開始したか否かに基づき判断する。S1122で制御部100は、トナー吐き出しを開始したと判断した場合は、処理をS1123に進め、トナー吐き出しを開始していないと判断した場合は、処理をS1124に進める。
S1123で制御部100は、トナー吐き出し領域の先端の走行距離(第1の距離)の記憶及び測定を開始する。例えば、制御部100は、タイマ100bを用いて、保持ローラ112に負電圧の印加を開始したタイミングでタイマ100bをスタートさせる。以降、制御部100は、所定のタイミングでタイマ100bを参照し、タイマ100bをスタートさせてからの経過時間を走行距離に変換して記憶部100a等に記憶する。ここで走行距離を用いているのは、プロセススピードを変更したプリントを実施する場合に、同じ経過時間であっても搬送ベルト119の走行距離が変わってしまうためである。また、制御部100は、保持ローラ112からトナーを複数箇所で吐き出している場合には、それぞれの領域についての情報を記憶し、測定を実施する。S1124で制御部100は、トナー吐き出しが終了したか否かを判断する。制御部100は、トナー吐き出しが終了したか否かは、保持ローラ112に印加している電圧を負極性から正極性に切り替えたか否かに基づき判断する。S1124で制御部100は、トナー吐き出しが終了したと判断した場合、処理をS1125に進め、トナー吐き出しが終了していないと判断した場合、処理をS1126に進める。
S1125で制御部100は、トナー吐き出し領域の後端の走行距離(第2の距離)の記憶と測定を開始する。制御部100は、保持ローラ112からトナーを複数箇所で吐き出している場合には、1つのトナー吐き出し領域について、先端の走行距離と後端の走行距離を対応付けて、情報を記憶する。なお、トナー吐き出し領域の先端の走行距離と後端の走行距離は、経過時間が同じであれば同じ増加分となる。しかし、本実施例では、負電圧を印加したタイミングを基点として走行距離を記憶するため、トナー吐き出し領域の先端と後端の基点からの走行距離が異なることとなる。このため、両者の走行距離をそれぞれ記憶している。例えば、トナー吐き出し領域の後端の走行距離の記憶と測定を開始したタイミングでは、トナー吐き出し領域の後端の走行距離は0ということになる。一方、同じタイミングにおいて、トナー吐き出し領域の後端に先立って走行距離の記憶と測定を開始したトナー吐き出し領域の先端については、トナー吐き出し領域の搬送方向の長さ分の走行距離となっている。
S1126で制御部100は、プリントを行っている間、搬送ベルト119の回動とともにトナー吐き出し領域も移動していくため、トナー吐き出し領域の位置を更新する。即ち、制御部100は、搬送ベルト119の移動速度に応じてトナー吐き出し領域の先端と後端の走行距離の情報を更新する。ここで、トナー吐き出し領域の先端と後端の走行距離の基点は、上述したように保持ローラ112の位置を基点としてもよいし、感光ドラム111と転写ローラ114の転写位置を基点としてもよい。また、トナー吐き出し領域の先端又は後端の走行距離が搬送ベルト119の周長を超えた場合には、走行距離の情報を基点に戻すのが望ましい。
S1127で制御部100は、トナー吐き出し領域のクリーニングが完了したか否かを判断する。搬送ベルト119上に複数のトナー吐き出し領域が存在する場合には、各トナー吐き出し領域について、それぞれクリーニングが完了したか否かを判断する。ここで、制御部100は、トナー吐き出し領域の後端が、回収位置であるクリーニングユニット126(具体的には金属ローラ115と回収ローラ123の当接部)を通過したか否かに基づき、トナー吐き出し領域のクリーニングが完了したか否かを判断する。このように、制御部100は、所定のトナー吐き出し領域がクリーニングユニット126を所定の回数以上通過したと判断した場合に、搬送ベルト119上の所定のトナー吐き出し領域のクリーニングが完了したと判断する。
本実施例では、トナー吐き出し領域のクリーニングが完了したと判断するための条件を、トナー吐き出し領域の後端がクリーニングユニット126を通過した回数が予め実験的に算出した回数になったこととする。例えば、制御部100は、カウンタを有し、トナー吐き出し領域の記憶を開始したタイミングでカウンタのリセットを行い、クリーニングユニット126を通過する毎にカウンタをインクリメントすることとする。クリーニングが完了したと判断するためのその他の条件としては、保持ローラ112に印加した電圧に基づいて求められた吐き出したトナー量に応じてクリーニングユニット120によるトナーの回収の回数を決定してもよい。また、実施例1のように、搬送ベルト119上に残留しているトナーを検知する検知部127をクリーニングユニット120よりも搬送ベルト119の移動方向における下流側に有する構成としてもよい。そして、検知部127によりトナーがないと検知された場合に、クリーニングが完了したと判断してもよい。また、トナー吐き出し領域に対して、重ねてトナー吐き出しを行うような場合には、トナーを重ねて吐き出す前の回収の回数に対して、今回トナーを吐き出したことによって追加されたトナー量に応じた回数を加算するのが望ましい。
S1127で制御部100は、搬送ベルト119のクリーニングが完了したと判断した場合、処理をS1128に進める。S1127で制御部100は、搬送ベルト119のクリーニングが完了していないと判断した場合、処理をS1121に戻す。この場合、制御部100は、新たなトナー吐き出し領域の先端又は後端の走行距離の記憶の開始や、まだクリーニングされていないトナー吐き出し領域の先端及び後端の走行距離の更新を継続する。S1128で制御部100は、クリーニングされたトナー吐き出し領域の走行距離の情報(トナー吐き出し領域位置情報)を解除、具体的には、記憶部100aから情報を消去し、測定を終了して、処理をS1121に戻す。このとき、トナー吐き出し領域の先端はクリーニングが完了していても、後端が完了していないことになるため、トナー吐き出し領域の先端とトナー吐き出し領域の後端は、別々に走行距離の情報を解除する判断をするのが望ましい。また、トナー吐き出し領域を記憶する基点については、搬送ベルト119の周長に対して、初めて搬送ベルト119上に形成したトナー吐き出し領域を基点として、トナー吐き出し領域を記憶してもよい。また、搬送ベルト119の特定位置を検出するセンサを有する構成とし、そのセンサにより検出した特定位置を基点として、トナー吐き出し領域を記憶してもよい。
制御部100は、プリント動作に並行して、以上説明したような処理を実行し、搬送ベルト119上に吐き出されたトナー吐き出し領域の情報を記憶部100aに記憶し、また、トナー吐き出し領域の情報を更新していく。これにより、制御部100は、搬送ベルト119上のどの領域がトナー吐き出し領域となっており、トナー吐き出し領域外、即ち、画像形成が可能な領域(以下、画像形成可能領域とする)となっているかを管理することができる。
以上、本実施例によれば、記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止することができる。
実施例3では、実施例2で説明した、これからプリントする用紙Pがトナー吐き出し領域外でプリント可能か否かを判断する構成を適用したプリント処理について説明する。ここで、実施例1、2で説明した構成と異なる部分についてのみ説明し、重複部分については同じ符号を付し、説明を省略する。本実施例は、連続プリントを行う場合に、搬送ベルト119上に転移されたトナー吐き出し領域に用紙Pが重ならないように給紙タイミングを調整するケースを例にしている。本実施例の構成を、図16を用いて説明する。給紙部2の駆動手段であるモータ71は、用紙Pを装置内へ給送する給紙ローラ130と、給送された用紙Pを搬送ベルト119へ搬送するレジストローラ131を駆動する。画像形成部3の駆動源であるモータ70は、駆動ローラ117、従動ローラ118、搬送ベルト119、転写ローラ114及び感光ドラム111を駆動する。制御部100は、モータ71、70を制御する。合流部74は、給紙部2から給紙された用紙Pが搬送ベルト119と初めて接する位置である。
続いて、モータ71の駆動速度が一定の場合にプリント時に搬送ベルト119上のトナー吐き出し領域と用紙Pとが重なるか否かを判断する方法について、図17(a)を用いて説明する。図17(a)のように搬送ベルト119の周長L3に対してトナー吐き出し領域58が2つあるケースを例にするが、トナー吐き出し領域58は、2つに限定されるものではなく、例えばN個あってもよい。1つ目のトナー吐き出し領域58の先端をTf1、後端をTb1、1つ目の画像形成可能領域57の先端をPf1、後端をPb1とする。また、2つ目のトナー吐き出し領域58の先端をTf2、後端をTb2、2つ目の画像形成可能領域57の先端をPf2、後端をPb2とする。なお、1つ目の画像形成可能領域57の後端Pb1と2つ目のトナー吐き出し領域の先端Tf2は同じ位置である。
このとき、レジストローラ131の駆動速度が一定である、即ち、モータ71の速度が一定の場合、給紙部2の動作ばらつきによって給紙が開始されてから用紙Pがレジストセンサ132へ搬送されるまでの時間がばらつく。ここで、給紙部2の動作ばらつきには、例えば、用紙Pのセット位置や、駆動系統の応答性等のばらつきがあり、以降、給紙ばらつきという。そのため、モータ71の駆動速度が一定の場合、トナー吐き出し領域58と用紙Pとが重なるか否かの判断には、給紙ばらつきによって生じる搬送誤差ΔLを考慮する必要がある。これからプリントする用紙Pの搬送方向の長さをLprintとする。そうすると、Lprint+ΔLが、1つ目のトナー吐き出し領域58の後端であるTb1から2つ目のトナー吐き出し領域の先端であるTf2までの長さL4よりも短ければ、画像形成可能となる(L4>ΔL+Lprint)。また、Lprint+ΔLが、2つ目のトナー吐き出し領域58の後端であるTb2から1つ目のトナー吐き出し領域58の先端であるTf1までの長さL5よりも短い場合にも、画像形成可能となる(L5>ΔL+Lprint)。
このように、搬送ベルト119上の所定のトナー吐き出し領域と、所定のトナー吐き出し領域の次のトナー吐き出し領域との間の搬送方向における間隔が、搬送誤差と用紙Pの搬送方向の長さの和よりも大きい場合には、画像形成可能となる。制御部100は、搬送ベルト119上の1以上のトナー吐き出し領域について、各トナー吐き出し領域間に画像形成可能か否かを判断する。なお、搬送ベルト119上に1のトナー吐き出し領域がある場合には、1つのトナー吐き出し領域の後端Tb1から先端Tf1までの間に、画像形成可能か否かを判断することとなる。制御部100は、搬送ベルト119の周長L3内に1つ以上の画像形成可能領域(言い換えれば、トナー吐き出し領域外の領域)があるか否かを判断しており、この動作を探索ともいう。なお、この判断を実施するタイミングは後述する。
続いてモータ71の駆動速度が一定の場合に、トナー吐き出し領域58が搬送ベルト119上で用紙Pと重ならないように搬送する制御について、図18のフローチャートを用いて説明する。なお、図18のS306、S307の処理は、図11のS106、S107と同じ処理であるため、説明を省略する。なお、本実施例では、S306の紙間の設定は、実施例1で説明したような紙間aを設定してもよいし、公知の設定方法により紙間を設定してもよい。
S308で制御部100は、図17(a)で説明したように、搬送ベルト119上のトナー吐き出し領域58に基づいてプリントする用紙Pが画像形成可能か否かを判断する。即ち、制御部100は、探索を行う。このとき、制御部100は、図15で説明した、記憶部100aに記憶された情報に基づいて、トナー吐き出し領域間に画像形成可能か否かを判断する。制御部100は、記憶部100aに記憶された1以上のトナー吐き出し領域に関する情報に基づいて、給紙ローラ130による給紙カセット5からの用紙Pの給紙を制御する。この探索により、搬送ベルト119上に画像形成可能な領域が1つもないと判断された場合、画像形成可能ではないと判断される。一方、搬送ベルト119上に、画像形成可能な領域が1つでもあると判断された場合、画像形成可能であると判断される。制御部100は、記憶部100aに記憶された1以上のトナー吐き出し領域に関する情報に基づいて、1以上のトナー吐き出し領域を除く搬送ベルト119上の領域に画像形成のためのトナー像又は用紙Pが担持されるように、給紙のタイミングを調整する。S308で制御部100は、画像形成可能であると判断した場合、処理をS309に進め、画像形成可能ではないと判断した場合、処理をS324に進める。制御部100は、画像形成可能ではないと判断した場合には、S324で保持ローラ112に正電圧を印加して保持ローラ112からのトナー吐き出しを禁止する。S325で制御部100は、搬送ベルト119上のトナー吐き出し領域58を全てクリーニングする処理を実施し、処理をS306に戻す。なお、この処理と並行して、図15で説明した処理も実施されている。このため、S325の搬送ベルト119のクリーニングが実施され、図15のS1127でクリーニングが終了したと判断されると、図15のS1128で搬送ベルト119上のクリーニングされたトナー吐き出し領域に関する情報は削除されることとなる。
S308で探索した画像形成可能である領域を画像形成可能領域Nとすると、S309とS310の処理は、S308で探索した画像形成可能領域Nに対して、給紙タイミングを調整する処理となる。なお、画像形成可能領域Nの先端側に位置するトナー吐き出し領域58を、トナー吐き出し領域Nとし、画像形成可能領域Nの後端側に位置するトナー吐き出し領域58を、トナー吐き出し領域N+1とする。S309で制御部100は、トナー吐き出し領域Nの後端に対して、給紙を開始してからレジストセンサ132に到達するまでの時間である給紙時間が最短となった場合に、トナー吐き出し領域Nの後端と用紙Pの先端が重ならないか否かを判断する。ここで、給紙時間が最短となった場合とは、搬送誤差ΔLが0となった場合である。なお、給紙時間が最長となった場合の搬送誤差ΔLをΔLmaxとし、0≦ΔL≦ΔLmaxとする。ここで、制御部100は、トナー吐き出し領域Nの後端が用紙Pの先端より先に合流部74に到達すれば、トナー吐き出し領域Nの後端と用紙Pの先端が重ならないと判断する。一方、制御部100は、トナー吐き出し領域Nの後端が用紙Pの先端より後に合流部74に到達すれば、トナー吐き出し領域Nの後端と用紙Pの先端が重なると判断する。具体的には、制御部100は、次のようにして判断する。トナー吐き出し領域Nの後端が合流部74に到達する時刻をTbNとし、用紙Pの先端が合流部74に到達する時刻をTpfとする。制御部100は、時刻TbNが時刻Tpfより早いか否かを判断する。S309で制御部100は、時刻TbNが時刻Tpfより早い(TbN<Tpf)、即ち、重ならないと判断した場合、処理をS310に進め、時刻TbNが時刻Tpf以降である(TbN≧Tpf)、即ち、重なると判断した場合、処理をS309に戻す。
S310で制御部100は、トナー吐き出し領域N+1の先端に対して、給紙時間が最長となった場合(ΔL=ΔLmax)に、トナー吐き出し領域N+1の先端と用紙Pの後端が重ならないか否かを判断する。ここで、トナー吐き出し領域N+1は、トナー吐き出し領域Nの次に吐き出される領域である。ここで、制御部100は、トナー吐き出し領域N+1の先端が用紙Pの後端より先に合流部74に到達すれば、トナー吐き出し領域N+1の先端と用紙Pの後端が重なると判断する。一方、制御部100は、トナー吐き出し領域N+1の先端が用紙Pの後端より後に合流部74に到達すれば、トナー吐き出し領域N+1の先端と用紙Pの後端が重ならないと判断する。具体的には、制御部100は、次のようにして判断する。トナー吐き出し領域N+1の先端が合流部74に到達する時刻をTfNとし、用紙Pの後端が合流部74に到達する時刻をTpbとする。制御部100は、時刻TfNが時刻Tpbと同じ又は早いか否かを判断する。S310で制御部100は、時刻TfNが時刻Tpbと同じ又は早い(TfN≦Tpb)、即ち、重なると判断した場合、処理をS309に戻す。S310で制御部100は、時刻TfNが時刻Tpfより遅い(TfN>Tpb)、即ち、重ならないと判断した場合、処理をS311に進め、S311で用紙Pの給紙を行う。S309、S310のいずれの場合も、制御部100は、トナー吐き出し領域Nやトナー吐き出し領域N+1と用紙Pが重ならないと判断した場合には、S311以後の処理を実施する。なお、S311〜S325の処理は、図11のS108〜S122までの処理と同様であるため、説明を省略する。なお、S323で制御部100は、用紙P2が用紙P1と同じサイズであると判断した場合、用紙P2を給紙する前に、画像形成可能か否かの判断や、用紙P2の給紙のタイミングを調整するため、処理をS308に戻す。
具体的には、
TN1btoner<Tpmin
かつ、
TN2ftoner>Tpmax+Tpfeed
の関係を満たす必要がある。ここで、時間TN1btonerは、S309、S310の判断のタイミングからトナー吐き出し領域Nの後端が次のプリント時に合流部74に到達するまでに要する時間である。時間Tpminは、用紙Pが給紙されてから用紙Pの先端が合流部74に最速で到達するまでに要する時間である。また、時間TN2ftonerは、S309、S310の判断のタイミングからトナー吐き出し領域N+1の先端が次のプリント時に合流部74に到達するまでに要する時間である。時間Tpmaxは、用紙Pが給紙されてから用紙Pの先端が合流部74に最も遅延して到達する時間である。更に、時間Tpfeedは、用紙Pの先端が合流部74に到達したときの後端の位置から、用紙Pの後端を合流部74に搬送するまでに要する時間である。本実施例では、時間で設定する例を説明したが、例えば、トナー吐き出し領域Nや用紙Pの走行距離に基づいて算出しても同様の効果が得られる。また、S309、S310の判断のタイミングを基点としたが、給紙のタイミングを基点とする等、タイミングの基点は、画像形成可能か否かを判断した以後のタイミングであればよい。
以上、本実施例によれば、記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止することができる。制御部100は、コントローラ101からプリント指示を受信すると、給紙タイミングを調整し、トナー吐き出し領域と用紙Pが重なることを回避することが可能となる。
実施例4では、実施例3で説明した構成に加えて、モータ71にパルスモータを採用することでモータ70に対して駆動速度差を設ける構成である。これにより、用紙Pの給紙からレジストセンサ132までの到達時間である給紙時間を一定にすることで、モータ71の駆動速度が一定の場合よりもトナー吐き出し領域を最適にする構成を、図19を用いて説明する。なお、比較例や実施例1〜3の構成と異なる部分についてのみ説明し、重複部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
[モータに速度差がある場合]
まず、モータ71がモータ70に対して速度差を設けられる場合に、搬送ベルト119上のトナー吐き出し領域と用紙Pとが重なるか否かを探索する方法について、図17(b)を用いて説明する。なお、図17(a)で説明した構成と同じ構成には同じ符号を用いている。図17(b)のように搬送ベルト119の周長L3に対してトナー吐き出し領域58が2つあるケースを例にするが、トナー吐き出し領域58は、2つに限定されるものではなく、例えばN個あってもよい。モータ71がモータ70に対して速度差を設けられる構成の場合、給紙時間を一定にできるため、モータ71の速度が一定の場合に比較して、給紙部2の動作ばらつきを考慮する必要がなくなる。そのため、トナー吐き出し領域58と用紙Pとが重なるか否かの判断に給紙ばらつきによって生じる搬送誤差ΔLを考慮する必要がない。つまり、これからプリントする用紙Pの搬送方向の長さLprintが1つ目のトナー吐き出し領域58の後端であるTb1から2つ目のトナー吐き出し領域58の先端であるTf2までの長さL4よりも短い場合には画像形成可能となる(L4>Lprint)。また、用紙Pの搬送方向の長さLprintが2つ目のトナー吐き出し領域58の後端であるTb2から1つ目のトナー吐き出し領域58の先端であるTf1まで長さL5よりも短い場合にも画像形成可能となる(L5>Lprint)。これにより、本実施例では、紙間におけるトナー吐き出し領域58を広くすることができる。
[搬送制御処理]
上述した判断を実施するタイミングについて図19のフローチャートを用いて説明する。本実施例では、レジストセンサ132を用いて用紙Pの搬送速度を調整するケースを例にする。なお、用紙Pの搬送速度の調整には、転写位置よりも搬送方向における上流側に配置されたセンサであれば、レジストセンサ132以外のセンサを用いてもよい。例えば、プリンタ1本体に給紙オプション装置が接続されており、レジストセンサ132までの用紙Pの搬送に時間を要するような場合、搬送方向における更に上流側のセンサを用いてもよい。なお、S406、S410〜S414の処理は、図18のS306、S308〜S312の処理と同じであるため、説明を省略する。
S413で用紙Pが給紙され、S414でレジストセンサ132により用紙Pの先端が検知されると、S415で制御部100は、モータ71の駆動速度を調整する。制御部100は、トナー吐き出し領域Nの後端TbNとプリントする用紙Pの先端PtNの位置が、合流部74で合流するようにモータ71の速度を決定する。ここで、トナー吐き出し領域Nの後端TbNが合流部74に到達するまでの距離Xtb、モータ70の駆動速度をVdrumとする。ここで、距離Xtbは、詳細には、用紙Pの先端がレジストセンサ132により検知されたときのトナー吐き出し領域58の後端の位置から合流部74までの距離である。また、レジストセンサ132から合流部74までの距離Xpt、モータ71の駆動速度Vpickとする。用紙Pの先端PtNが合流部74において、トナー吐き出し領域Nの後端TbNと合流するためには、
Vpick=Xpt÷Xtb×Vdrum
となるように、モータ71の速度を設定するのが望ましい。S416で制御部100は、S415で調整したモータ71の駆動速度に基づき、保持ローラ112に正電圧と負電圧を印加するタイミングを設定し、S417以降の処理を実行する。なお、S417〜S429の処理は、図18のS313〜S325の処理と同じであり、説明を省略する。
以上、本実施例によれば、記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止することとができる。本実施例では、給紙部2の動作ばらつきを考慮しない分、実施例3で説明したモータ70の駆動速度が一定の場合に比べて図17(b)に示すように図17(a)のトナー吐き出し領域に加えて給紙ばらつき分をトナー吐き出し領域58に分配できる。このため、トナー吐き出しの効率を向上させることが可能となる。
実施例5では、プリント終了時にトナー吐き出し領域があっても第2の吐き出し処理及び搬送ベルト119のトナー吐き出し領域のクリーニングを実施しない。本実施例では、これらの処理を実施せずに次のプリントにおける最初のページの画像形成開始のタイミングを最適にする動作の一例について図20を用いて説明する。本実施例では、比較例及び実施例1〜4の構成と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
[搬送制御処理]
S501で制御部100は、前回と同じプリントモード、即ち、前回と用紙Pの搬送方向の長さが同じか否かを判断する。ここで、用紙Pの搬送方向の長さが異なる場合であっても、トナー吐き出し領域58と次のトナー吐き出し領域58との間に納まるサイズであれば、同じプリントモードであるとみなし、プリント可能であると判断してもよい。また、本実施例では、用紙サイズのみでS501の判断処理を行っているが、例えば、用紙の坪量等、他の用紙の種類に関する情報に応じて変更されるプリントモードを用いて判断してもよい。
S501で制御部100は、前回のプリントモードと同じではないと判断した場合、処理をS502に進め、前回のプリントモードと同じであると判断した場合、処理をS506に進め、S507以降の処理を実行する。なお、S506〜S520の処理は、図18のS306、S307、図19のS410〜S422の処理と同じであり、説明を省略する。S502で制御部100は、第2の吐き出し処理(図10)を実施する。S504で制御部100は、保持ローラ112に印加している電圧を停止させ、処理をS506に進め、S506以降の処理を実行する。
S520で制御部100は、プリントが終了したと判断すると、第2の吐き出し処理(図10)を行うことなく、処理をS522に進める。このように、本実施例では、プリントが終了しても第2の吐き出し処理を実施しない。S522で制御部100は、搬送ベルト119を停止させるタイミングを設定し、タイマ100bをリセットしてスタートさせる。なお、搬送ベルト119を停止させるタイミングの基点は、プリントが終了し、プリント後の処理を開始するタイミングを基点としてもよいし、プリント後の処理を終了したタイミングを基点としてもよい。
ここで、次のプリントジョブで搬送ベルト119が停止した状態からプリント可能である状態に立ち上げるまでに、搬送ベルト119を駆動する時間をTriseとする。また、次にプリントする用紙Pの給紙を開始してから、用紙Pの先端が合流部74に到達するまでの時間をTpickとする。トナー吐き出し領域Nの後端が次のプリント時に合流部74に到達するための時間Ttonerは、
Ttoner=Trise+Tpick
となる。トナー吐き出し領域58を停止させる位置は、トナー吐き出し領域58の後端が、合流部74よりも時間Ttonerに相当する距離の分、搬送ベルト119の移動方向の上流側の位置となるように停止させればよい。なお、ここでは、搬送ベルト119を停止させるタイミングを、時間で設定する例で説明したが、例えば、走行距離に基づいて算出しても同様の効果が得られる。また、本実施例において設定するタイミングは、現在実施しているプリントと同じ条件のプリントを実施することを想定している。同じサイズのプリントジョブを想定すれば、少なくとも最後にプリントした際に搬送ベルト119に吐き出されたトナー吐き出し領域Nと重ならないようにプリントが可能である。
S523で制御部100は、タイマ100bを参照することにより、S522で決定した搬送ベルト119を停止させるタイミングとなったか否かを判断する。S523で制御部100は、搬送ベルト119の停止のタイミングではないと判断した場合、処理をS523に戻し、搬送ベルト119を停止させる位置までトナー吐き出し領域Nを移動させる。S523で制御部100は、搬送ベルト119を停止させるタイミングになったと判断した場合、処理をS524に進める。なお、S524〜S529の処理は、図19のS424〜S429の処理と同じであり、説明を省略する。
以上、本実施例によれば、記録媒体に対する画像形成動作と並行してトナー吐き出し動作を行う際に、用紙の裏面の汚れを防止することができる。本実施例では、次回のプリントが前回のプリントと同じ用紙サイズへのプリントである場合、ダウンタイムを生じさせることなく、かつ最初のページのプリントアウトタイムも短縮することが可能となる。なお、比較例や、実施例1から本実施例の画像形成装置では、搬送ベルト119上に用紙Pを搬送する方式で説明した。しかし、搬送ベルト119に直接的にトナーを転写し、その後、搬送ベルト119上のトナーを用紙Pに転写するような中間転写体を有する構成であっても同様の効果を得ることができる。
3 画像形成部
100 制御部
112 保持ローラ
119 搬送ベルト
126 クリーニングユニット
P 用紙

Claims (22)

  1. 記録材を収容する収容部と、
    前記収容部から記録材を給紙する給紙手段と、
    複数の感光体と、
    前記複数の感光体の各々に対応して設けられたトナー像を形成する形成手段と、
    前記形成手段により形成された前記感光体上のトナー像を転写する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた転写手段と、
    前記転写手段によりトナー像を転写される、又は、前記転写手段によりトナー像を転写される記録材を搬送する、ベルトと、
    第1の電圧を印加され、前記転写手段による転写後に前記感光体上に残ったトナーを回収する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材によって回収されたトナー量を検知する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の検知手段と、
    前記第1の電圧とは逆極性の第2の電圧を印加された前記第1の回転部材から前記感光体上に吐き出された後、前記転写手段により前記ベルト上に転写されたトナーを回収する第2の回転部材と、
    画像形成が連続して行われている間に、第1の記録材の後端と前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材の先端との間の紙間に対応する前記ベルト上の第1の領域に転写されるように、前記第1の回転部材に前記第2の電圧を印加してトナーを吐き出す回収動作を行うよう制御する制御手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記第1の回転部材がトナーを吐き出して、吐き出されたトナーが前記第1の領域に転写されてから、前記第1の領域に転写されたトナーを前記第2の回転部材が所定の回数にわたって回収するまで、前記ベルトの1周分の領域の中において、前記第1の領域と記録材に転写されるトナー像に対応する前記ベルト上の第2の領域が交わらないように、前記制御手段は、前記形成手段によってトナー像を形成する間隔を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記ベルトの1周分の領域の中に、前記第1の領域と前記第2の領域との組合せが複数含まれる場合に、前記1周分の領域から複数の前記組合せの領域を除いた領域を、複数の前記第1の領域に振り分けて前記紙間を設定し、設定した前記紙間に基づいて、前記給紙手段による前記収容部からの記録材の給紙を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記紙間をa、前記ベルトの周長をLB、前記第2の領域の前記ベルトの回動方向における長さをLP1とし、前記組合せが前記ベルトにn含まれるとしたときに、
    a=LB/n−LP1
    を満たすように、前記紙間を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の回転部材に電圧を印加する印加手段を備え、
    前記制御手段は、前記紙間を設定した後に、前記第1の電圧及び前記第2の電圧を印加するタイミングを決定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2の回転部材は、前記ベルトに当接し、前記ベルトの回動方向と同じ方向に回転する第1のローラを有し、
    前記ベルトの回動方向において前記第2の回転部材よりも下流側に設けられ、前記ベルト上のトナー量を検知する第2の検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2の記録材のサイズが前記第1の記録材のサイズと異なる場合には、前記第1の回転部材に印加する電圧を前記第1の電圧に切り替えて前記第1の回転部材からのトナーの吐き出しを禁止し、前記第2の検知手段により検知されたトナー量が第1の量以下となるまで前記ベルトのクリーニングを行った後、前記紙間を再設定することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記第2の記録材のサイズが前記第1の記録材のサイズと同じ場合であっても、受信しているプリントジョブの中にサイズが異なる記録材への画像形成が予定されており、前記サイズが異なる記録材に画像形成が行われるまでの間に前記第1の回転部材からのトナーの吐き出しを禁止したとしても、前記ベルト上のトナー量が前記第1の量以下とならないと判断される場合には、前記第1の回転部材に印加する電圧を予め前記第1の電圧に切替えて前記第1の回転部材からのトナーの吐き出しを禁止することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、プリントジョブが終了した後に、前記第1の検知手段により検知されたトナー量が第2の量以下となるまで前記第1の回転部材に前記第2の電圧を印加し、前記第2の検知手段により検知されたトナー量が前記第1の量以下となるまで前記ベルトを回転させて前記第2の回転部材により前記ベルト上のトナーを回収する第1の回収動作を実行することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記プリントジョブが終了していない場合であっても、前記第1の検知手段により検知されたトナー量が第3の量より多い場合には、前記第1の回収動作を実行した後、前記紙間を再設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 記録材を収容する収容部と、
    前記収容部から記録材を給紙する給紙手段と、
    複数の感光体と、
    前記複数の感光体の各々に対応して設けられたトナー像を形成する形成手段と、
    前記形成手段により形成された前記感光体上のトナー像を転写する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた転写手段と、
    前記転写手段によりトナー像を転写される、又は、前記転写手段によりトナー像を転写される記録材を搬送する、ベルトと、
    第1の電圧を印加され、前記転写手段による転写後に前記感光体上に残ったトナーを回収する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材によって回収されたトナー量を検知する前記複数の感光体の各々に対応して設けられた第1の検知手段と、
    前記第1の電圧とは逆極性の第2の電圧を印加された前記第1の回転部材から前記感光体上に吐き出された後、前記転写手段により前記ベルト上に転写されたトナーを回収する第2の回転部材と、
    画像形成が連続して行われている間に、第1の記録材の後端と前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材の先端との間の紙間に対応する前記ベルト上の第1の領域に転写されるように、前記第1の回転部材に前記第2の電圧を印加してトナーを吐き出す回収動作を行うよう制御する制御手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記第1の回転部材がトナーを吐き出して、吐き出されたトナーが前記第1の領域に転写されてから、前記第1の領域に転写されたトナーを前記第2の回転部材が所定の回数にわたって回収するまで、前記ベルトの1周分の領域の中において、前記第1の領域と記録材に転写されるトナー像に対応する前記ベルト上の第2の領域が交わらないように、前記制御手段は、前記給紙手段による前記収容部からの記録材の給紙を制御することを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記ベルト上に形成された1以上の前記第1の領域に関する情報を記憶する記憶部を備え、
    前記制御手段は、前記第2の電圧が前記第1の検知手段に印加されたときから前記第1の領域の先端が移動した第1の距離と、前記第1の電圧が前記第1の検知手段に印加されたときから前記第1の領域の後端が移動した第2の距離と、を前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記記憶部に記憶された前記1以上の前記第1の領域に関する情報に基づいて、前記1以上の前記第1の領域を除く前記ベルト上の領域に画像形成のためのトナー像又は記録材が担持されるように、前記給紙手段による記録材の給紙のタイミングを調整することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記記憶部に記憶された前記1以上の前記第1の領域に関する情報に基づいて、前記1以上の前記第1の領域を除く前記ベルト上の領域に画像形成のためのトナー像又は記録材が担持されるように前記給紙のタイミングを調整できないと判断した場合には、前記第1の回転部材に印加する電圧を前記第1の電圧に切り替えて前記第1の回転部材からのトナーの吐き出しを禁止し、前記ベルト上の前記1以上の前記第1の領域のすべてのクリーニングを行った後、前記紙間を再設定することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御手段は、前記記憶部に記憶された前記1以上の前記第1の領域に関する情報に基づいて、所定の第1の領域が前記第2の回転部材を所定の回数以上通過したと判断した場合に、前記ベルト上の前記所定の第1の領域のクリーニングが完了したと判断することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御手段は、前記所定の第1の領域のクリーニングが完了した場合には、前記記憶部から前記所定の第1の領域に関する情報を消去することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 駆動速度を変更することができ、前記給紙手段を駆動する駆動手段と、
    記録材の搬送方向において前記給紙手段より下流側であって、前記複数の前記転写手段の中で最も上流側の前記転写手段よりも上流側に設けられ、記録材を検知する第3の検知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記第3の検知手段により記録材の先端を検知したタイミングに基づいて、前記駆動手段の駆動速度を調整することを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記第1の回転部材に電圧を印加する印加手段を備え、
    前記制御手段は、前記駆動手段の駆動速度を調整した後に、前記第1の電圧及び前記第2の電圧を印加するタイミングを決定することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記第2の回転部材は、前記ベルトに当接し、前記ベルトの回動方向と同じ方向に回転する第1のローラを有し、
    前記ベルトの回動方向において前記第2の回転部材よりも下流側に設けられ、前記ベルト上のトナー量を検知する第2の検知手段を備え、
    前記制御手段は、プリントジョブが終了した後に、前記第1の検知手段により検知されたトナー量が第2の量以下となるまで前記第1の回転部材に前記第2の電圧を印加し、前記第2の検知手段により検知されたトナー量が第1の量以下となるまで前記ベルトを回転させて前記第2の回転部材により前記ベルト上のトナーを回収する第1の回収動作を実行することを特徴とする請求項10から請求項16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  18. 前記制御手段は、前記プリントジョブが終了した後であっても、前記第1の回収動作を実行せず、前記プリントジョブの次に指示されたプリントジョブが同じプリントモードではない場合に、前記第1の回収動作を実行することを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 前記制御手段は、前記ベルトが停止している状態から所定の速度に立ち上がるまでの時間に基づいて、前記プリントジョブが終了した後に前記ベルトを停止させるタイミングを設定することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 前記制御手段は、前記プリントジョブが終了していない場合であっても、前記第1の検知手段により検知されたトナー量が第3の量より多い場合には、前記第1の回収動作を実行した後、前記紙間を再設定することを特徴とする請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  21. 前記制御手段は、前記プリントジョブが終了しておらず前記第1の検知手段により検知されたトナー量が前記第3の量以下である場合であっても、前記第2の記録材のサイズが前記第1の記録材のサイズと異なる場合には、前記第1の回転部材に印加する電圧を前記第1の電圧に切替えて前記第1の回転部材からのトナーの吐き出しを禁止し、前記第2の検知手段により検知されたトナー量が前記第1の量以下となるまで前記ベルトのクリーニングを行った後、前記紙間を再設定することを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
  22. 前記ベルトの周長は、前記画像形成装置で設定されている記録材の中で、記録材の搬送方向における長さが最も長い用紙の前記搬送方向における長さよりも長いことを特徴とする請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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