JP2017215080A - 空気調和機の室外機 - Google Patents

Abstract

【課題】天面パネルに加わる荷重を筐体全体で受け止めて、天面パネルやファンガードが変形しにくい空気調和機の室外機を提供する。【解決手段】ベルマウス５の下端を筐体２のフロントビーム２２Ｆとリアビーム２２Ｒに固定し、ベルマウス５の上端を天面パネル２３の裏面に当接させて、天面パネル２３に係る荷重をベルマウス５で支持する。【選択図】図３

Description

本発明は、空気調和機の室外機に関し、さらに詳しく言えば、熱交換器および圧縮機を有する機械室の上部に送風機室が配置されている上吹出型の室外機に関する。

空気調和機の１つとして、１台の室外機に複数台の室内機が接続されるマルチタイプの空気調和機がある。例えば特許文献１に記載されているように、この空気調和機の室外機は直方体状の筐体を有し、筐体の内部が熱交換器および圧縮機を有する機械室と、送風機を有する送風機室とに区画されている。機械室は筐体の下部に配置され、機械室の上部に送風機室が配置されており、筐体の天面には送風機の空気吹出口を有する天面パネルが設けられている。

天面パネルは、筐体の四隅に立設された支柱（または左右のサイドパネル）に水平に掛け渡されて固定されており、空気吹出口には、送風機を保護するためのファンガードが取り付けられている。

しかしながら、天面パネルは四隅のみで支えられているため、天面パネルの上に人が乗ったり、物が落ちたりして大きな荷重が加わると、天面パネルやファンガードが変形してしまうことがあった。特に天面パネルは、中央に空気吹出口が形成されているため、機械的強度が弱く、中央部付近で撓みやすい。

日本特許第５４０２９８７号公報

そこで、本発明の課題は、天面パネルに加わる荷重を筐体全体で受け止めて、天面パネルやファンガードが変形しにくい空気調和機の室外機を提供することにある。

上述した課題を解決するため、本発明は、筐体の内部には送風機と上記送風機のベルマウスとが配置されており、上記筐体の天面には上記送風機の空気吹出口を有する天面パネルが設けられている空気調和機の室外機において、上記ベルマウスは、下端が上記筐体の骨組に固定され、上端が上記天面パネルの裏面で上記空気吹出口の周りに当接するように配置されており、上記天面パネルに加わる荷重の一部を上記ベルマウスで支持することを特徴としている。

より好ましい態様として、上記ベルマウスは、上記送風機の外周に配置される円筒状の胴部を有し、上記胴部の上端には上フランジが形成されており、上記上フランジが上記天面パネルの裏面に沿って当接する。

さらに好ましい態様として、上記筐体の骨組には、ベースパネルと、上記ベースパネルの左側端と右側端とに沿って配置される左サイドパネルおよび右サイドパネルと、上記左サイドパネルと上記右サイドパネルの前端間に掛け渡されるフロントビームと、上記左サイドパネルと上記右サイドパネルの後端間に掛け渡されるリアビームとが含まれ、上記フロントビームおよび上記リアビームにより、上記ベルマウスの下端が支持されている。

本発明によれば、天面パネルに係る荷重の一部をベルマウスを介して支持することにより、人や物などの大きな荷重が天面パネルに加わっても天面パネルやファンガード変形しにくくなる。

本発明の一実施形態に係る空気調和機の室外機の斜視図。 上記空気調和機の室外機の平面図。 上記空気調和機の室外機の一部を分解した分解斜視図。 上記空気調和機の室外機の送風機室の拡大斜視図。 上記空気調和機の室外機のベルマウスの拡大斜視図。 図２のＡ−Ａ線部分断面図。 図２のＢ−Ｂ線部分断面図 （ａ）はフロントビームの斜視図、（ｂ）はフロントビームにベルマウスを載置した状態を示す斜視図、（ｃ）は平面図である。

次に、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

図１ないし図３に示すように、この空気調和機の室外機１は、左右方向（図１では左右方向）に横長な直方体形状の筐体２を有し、筐体２の内部が熱交換器３および圧縮機等（図示しない）を有する機械室ＭＣと、送風機４を有する送風機室ＦＣとに区画されている。この実施形態において、機械室ＭＣは筐体２内の下部に配置されており、機械室ＭＣの上方に送風機室ＦＣが配置されている。

筐体２は、基本的な骨組Ｆとして、被設置面に設置される長方形状のベースパネル２０と、ベースパネル２０の左側端に立設される左サイドパネル２１Ｌと、ベースパネル２０の右側端に立設される右サイドパネル２１Ｒと、左サイドパネル２１Ｌの前端と右サイドパネル２１Ｒの前端との間に水平に掛け渡されるフロントビーム２２Ｆ（図３参照）と、左サイドパネル２１Ｌの後端と右サイドパネル２１Ｒの後端との間に水平に掛け渡されるリアビーム２２Ｒ（図３参照）とを備えている。

この実施形態において、フロントビーム２２Ｆおよびリアビーム２２Ｒは、筐体２の機械室ＭＣの熱交換器３の上方に配置されて送風機室ＦＣとの境界となる。フロントビーム２２Ｆおよびリアビーム２２Ｒ同士は、ベースパネル２０に対して平行で、かつ、同一平面上で互いに平行に配置されている。

筐体２の機械室ＭＣの前面にはフロントパネル２６が取り付けられている。フロントパネル２６は、機械室ＭＣの前面を閉塞する横長な金属パネルであり、左右両端が左サイドパネル２１Ｌおよび右サイドパネル２１Ｒの前端にネジ止めされ、上端側が天面パネル２３にネジ止めされ、下端側がフロントビーム２２Ｆにネジ止めされている。

筐体２の送風機室ＦＣの背面側にも同様のリアパネル（図示しない）が取り付けられている。リアパネルは送風機室ＦＣの背面を閉塞する横長な金属パネルであり、左右両端が左サイドパネル２１Ｌおよび右サイドパネル２１Ｒの後端にネジ止めされ、上端側が天面パネル２３にネジ止めされ、下端側がリアビーム２２Ｒにネジ止めされている。

フロントビーム２２Ｆおよびリアビーム２２Ｒは、基本的な構造は同一であるため、以下においてはフロントビーム２２Ｆについて説明する。図８を参照して、フロントビーム２２Ｆは、１枚の金属板をプレス成型して１本のレール状に形成され、その上端側には、後述するベルマウス５を支持する支持部２２１が形成されている。フロントビーム２２Ｆの下端部は、内側（筐体２の内側）に向かってほぼ直角に折り曲げられ、後述するモータブラケット４１の梁部材４１１を支持する支持片２２７が形成されている。

支持部２２１は、フロントビーム２２Ｆの上端の左右に連続して延在する水平な支持面２２２と、支持面２２２の前端（図８（ａ）では後端）からほぼ垂直に立設された前面リブ２２３と、支持面２２２の後端（図８（ａ）では前端）からほぼ垂直に立設された背面リブ２２４とを備えている。

前面リブ２２３は、フロントビーム２２Ｆの左右両端にわたって連続して形成されている。この実施形態において、前面リブ２２３の送風機４の回転軸４２１を挟んで左右対称となる位置には、２箇所の切欠部２２５，２２５が設けられている。

背面リブ２２４は、支持面２２２を挟んで前面リブ２２３の各切欠部２２５，２２５と対向する位置にそれぞれ２箇所配置されたリブからなり、その中央にはベルマウス５をネジ止めするための雌ネジ孔２２６がそれぞれ１箇所ずつ穿設されている。

図８（ｂ）に示すように、フロントビーム２２Ｆおよびリアビーム２２Ｒには、送風機４を載置するモータブラケット４１が設けられている。モータブラケット４１は、フロントビーム２２Ｆとリアビーム２２Ｒとの間に平行に掛け渡される一対の梁部材４１１，４１１を有し、梁部材４１１，４１１の前端がフロントビーム２２Ｆの背面２２８（図８）に突き当てられ、支持片２２７の上に載置された状態でネジ止めされている。梁部材４１１，４１１の後端も同様にリアビームに突き当てられた状態でネジ止めされている。

モータブラケット４１には、送風機４のファンモータ４２が搭載されており、ファンモータ４２の回転軸４２１にプロペラファン４３が取り付けられている。送風機室ＦＣにはさらに、送風機４のベルマウス５が設けられている。

図５に示すように、ベルマウス５は、四角い台座部５１と、台座部５１の上面から上方に向かって突設された円筒状の胴部５２とを有し、プロペラファン４３の外周を囲むように配置されている。

台座部５１は、中空な四角い箱形状であって、下面が全面開放されている。台座部５１の前壁面５１Ｆ（筐体２の前面側に位置する面）および後壁面５１Ｒ（筐体２の背面側に位置する面）はともに、左右に渡って連続した垂直面（台座部５１の上面に対して垂直な面）からなり、中央部５１１が段差面５１３，５１３を介して左壁部５１２Ｌおよび右壁部５１２Ｒよりも前面側に張り出すように形成されている。

左壁部５１２Ｌおよび右壁部５１２Ｒにはそれぞれ、背面リブ２２４の雌ネジ孔２２６とともにネジ止めされるネジ孔５１４が設けられている（図８（ｂ）参照）。この実施形態において、ネジ孔５１４はネジ挿通孔であり、前壁面５１Ｆの各左壁部５１２Ｌおよび右壁部５１２Ｒと、後壁面５１Ｒの各左壁部５１２Ｌおよび右壁部５１２Ｒとにそれぞれ１箇所づつ合計４箇所設けられている。

台座部５１の下端５１６には、外側に向かって水平に延在する下フランジ５１５が形成されている。これにより、図７に示すように、下フランジ５１５が支持部２２１の支持面２２２に沿って載置されるようになっている。

胴部５２は、台座部５１からプロペラファン４３の取付位置まではほぼストレートな円筒状に形成されており、プロペラファン４３の上端から上端開口５２１（図３では上端）に向かうにつれて、その開口径が漸次大きくなるように形成されている。

胴部５２の上端には、上フランジ５３が胴部５２の上端から外側に向かって傾斜して形成されている。この実施形態において、上フランジ５３は、胴部５２の左右方向（図３では左右方向）に向かって突設された第１上フランジ５３１と、胴部５２の前後方向（図３では前後方向）に向かって突設された第２上フランジ５３２とを有し、第１上フランジ５３１の幅が第２上フランジ５３２の幅よりも大きく形成されている。

この実施形態において、第１上フランジ５３１は、台座部５１の上面と平行であるが、第２上フランジ５３２は、図７に示すように筐体スペースの制約上、台座部５１の上面と平行なフランジ形状にすることが困難であるため、斜めに傾斜して形成されている。なお、第２上フランジ５３２は天面パネル２３の裏面２３３に沿って当接可能な形状であればよく、天面パネル２３の荷重を支持することができれば、その形状は仕様に応じて任意に変更されてよい。

胴部５２の側面外周には、胴部５２の機械的強度を高めるための補強リブ５４が設けられている。補強リブ５４は、ベルマウス本体５２の側面に上下方向にそれぞれ平行となるように形成されており、この実施形態では左右側面に４箇所ずつ（合計８箇所）設けられている。

筐体２の上面（送風機室ＭＣの上面）には、天面パネル２３が左サイドパネル２１Ｌの上端と右サイドパネル２１Ｒの上端に掛け渡されている。天面パネル２３は、筐体２の上面を閉塞する金属パネルであって、その中央には送風機４の空気吹出口１１が形成されている。

空気吹出口１１は、胴部５１の上端開口５２１に合致するように形成されており、図６および図７に示すように、天面パネル２３の背面（裏面２３３）に沿って胴部５２の上フランジ５３それぞれが当接するようになっている。

図３に示すように、天面パネル２３には、後述するファンガード６がネジ止めされるファンガード取付部２３１が設けられている。ファンガード取付部２３１は、空気吹出口１１の周囲に天面パネル２３の上面からファンガード６の外形に合わせて一段低く形成された凹部である。この実施形態において、ファンガード取付部２３１の左右両側には、それぞれ３箇所ずつネジ孔２３２が設けられている。

図６を併せて参照して、ファンガード取付部２３１は、その深さがファンガード６の厚みよりも大きく（深く）なるように形成されており、ファンガード６が天面パネル２３の表面から外側に飛び出さないようにファンガード取付部２３１内に収納されている。

次に、図６に示すように、ファンガード６は、天面パネル２３の左右方向に延在し、所定間隔をもって互いに平行に配置された複数本の線材からなる横桟部６１と、天面パネル２３の前後方向に延在し、所定間隔をもって互いに平行に配置された複数本の線材からなる縦桟部６２と、横桟部６１の左右両端部の前端から後端にかけて連続して延在する左右一対の固定板６３とを有している。

この実施形態において、横桟部６１および縦桟部６２はともに、プラスチック被覆線材（表面を塩ビ樹脂で被覆した軟鋼線材）が用いられており、横桟部６１の線材の直径が縦桟部６２の線材の直径よりも大きく設計されている。これによれば、ファンガード６の機械的強度を高めることができ、ファンガード６の変形を防止することができる。

図６に示すように、図６に示すように、縦桟部６２は、横桟部６１の上面（図６（ａ）では上面）に配置され、横桟部６１との交差部で溶接したのち、その表面を塩ビ樹脂で被覆している。なお、横桟部６１と縦桟部６２の固定方法、固定箇所、被覆処理は仕様に応じて任意に変更可能である。

この実施形態において、ファンガード６は、中央部分にさらに横桟部６１に沿って平行、かつ、横桟部６１の間に所定間隔で補助桟部６１１が設けられている。補助桟部６１１は、プロペラファン４３の中央部分は風が出ないが、渦流が発生することを抑えるために設けるものである。

次に、図７および図８を参照して、ベルマウス５を筐体２に取り付けるに当たっては、ベルマウス５の台座部５１の下フランジ部５１５をフロントビーム２２Ｆとリアビーム２２Ｒの各支持部２２１の上にそれぞれ載せたのち、左右部分５１２に設けられたネジ孔５１４と背面リブ２２４のネジ孔２２６とを位置合わせしたのち、図示しないネジで固定する。

次に、筐体２の左サイドパネル２１Ｌの上端と右サイドパネル２１Ｒの上端に天面パネル２３を掛け渡したのち、その両端をサイドパネル２１Ｌ，２１Ｒとともにネジ止めすることで、天面パネル２３の裏面２３３（図７では下面）にベルマウス５の上フランジ５３が空気吸込口１１の外周に沿って当接する。

これによれば、天面パネル２３が左サイドパネル２１Ｌと右サイドパネル２１Ｒだけでなく、天面パネル２３の空気吹出口１１の周囲をベルマウス５の上端に当接させて支持し、ベルマウス５の下端を筐体２の骨組Ｆであるフロントビーム２２Ｆとリアビーム２２Ｒに固定することにより、天面パネル２３に加わる荷重を筐体２で支持することができる。

以上説明したように、本発明によれば、天面パネルに加わる荷重をベルマウスを介して筐体で支持することにより、天面パネルに人や物などの大きな荷重が加わっても、天面パネルやファンガードが変形しにくくなる。

１ 空気調和機の室外機
１１ 空気吸込口
２ 筐体
２０ ベースパネル
２１Ｌ 左サイドパネル
２１Ｒ 右サイドパネル
２２Ｆ フロントビーム
２２Ｒ リアビーム
２３ 天面パネル
２３１ ファンガード取付部
２３３ 裏面
４ 送風機
５ ベルマウス
５１ 台座部
５２ 胴部
５３ 上フランジ
５４ 補強リブ
６ ファンガード
Ｆ 骨組
ＭＣ 機械室
ＦＣ 送風機室

Claims (3)

1. 筐体の内部には送風機と上記送風機のベルマウスとが配置されており、上記筐体の天面には上記送風機の空気吹出口を有する天面パネルが設けられている空気調和機の室外機において、
   上記ベルマウスは、下端が上記筐体の骨組に固定され、上端が上記天面パネルの裏面で上記空気吹出口の周りに当接するように配置されており、上記天面パネルに加わる荷重の一部を上記ベルマウスで支持することを特徴とする空気調和機の室外機。
2. 上記ベルマウスは、上記送風機の外周に配置される円筒状の胴部を有し、上記胴部の上端には上フランジが形成されており、上記上フランジが上記天面パネルの裏面に沿って当接することを特徴とする請求項１に記載の空気調和機の室外機。
3. 上記筐体の骨組には、ベースパネルと、上記ベースパネルの左側端と右側端とに沿って配置される左サイドパネルおよび右サイドパネルと、上記左サイドパネルと上記右サイドパネルの前端間に掛け渡されるフロントビームと、上記左サイドパネルと上記右サイドパネルの後端間に掛け渡されるリアビームとが含まれ、上記フロントビームおよび上記リアビームにより、上記ベルマウスの下端が支持されていることを特徴とする請求項１または２に記載の空気調和機の室外機。

Images