JP2017214901A - 排ガス浄化装置及び排ガス浄化システム - Google Patents

排ガス浄化装置及び排ガス浄化システム Download PDF

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Yuki Fujimura
祐樹 藤村
直記 横山
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直記 横山
晃夫 久保田
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Abstract

【課題】排ガスに偏流があった場合でも、これを整流して浄化することができる排ガス浄化装置を提供すること。
【解決手段】外筒内に、少なくとも、第1のハニカム基材、第1の隙間、第2のハニカム基材、第2の隙間、及び第3のハニカム基材を、排ガス上流側からこの順に具備する排ガス浄化装置であって、少なくとも前記第3のハニカム基材は貴金属を含有する触媒コート層を有しており、前記第3のハニカム基材の長さは前記第1〜第3のハニカム基材の合計長さの40%を超え、そして前記第1の隙間及び第2の隙間はそれぞれ10mm以上である、排ガス浄化装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、排ガス浄化装置及び排ガス浄化システムに関する。特に、本発明は、偏流した排ガスを浄化するのに有用な排ガス浄化装置及び排ガス浄化システムに関する。
排ガス浄化装置は、一般に、外筒内にあるハニカム基材に、貴金属粒子を含む触媒層がコーティングされている。通常は、四輪車用の排ガス浄化装置には、セラミック製のハニカム基材が使用され、二輪車用の排ガス浄化装置には、金属製のハニカム基材が使用される。
また、外筒内に複数のハニカム基材が存在している排ガス浄化装置が知られている。特許文献1では、金属ハニカム基材を分割することによって金属ハニカム基材が受ける熱応力を低減させた排ガス浄化装置を開示している。特許文献2では、金属ハニカム基材を分割して、排ガス上流側に位置するハニカム基材にロジウムを多く担持させることによって、高温になる排ガスの入り側部分で浄化性能を高めた排ガス浄化装置を開示している。
特開平6−74027号公報 特開2005−211794号公報
近年、二輪用の排ガス浄化装置は、排気系内で高い温度にさらされるエキゾーストマニホールド付近に配置される傾向にある。本発明者らは、このような位置に排ガス浄化装置を配置した場合には、排ガスの偏流によって、該排ガス浄化装置の排ガス浄化性能が損なわれることを見出した。
エキゾーストマニフォールドは、空間に限りのある二輪車の排気系中で複数の排気系を1つにまとめる機能を有するから、必然的に屈曲部を有することとなる。そして、排気系が屈曲部を有すると、該屈曲部を通過した後の排ガスの圧力は、屈曲の内側領域と外側領域とで差を生ずることとなる。
本発明者らは、直管及び屈曲管中にそれぞれハニカム基材を配置し、上流側から定常層流を流したときの、ハニカムのガス入口側端面における流速分布をモデル的に計算した。計算に用いた条件は以下のとおりである。
ガス種類:空気
流量:20Nm/h、定常層流
ガス温度:400℃
熱交換:外部との熱交換なし(ガス/ハニカム基材間の熱交換のみを想定)
使用ソフトウェア:ANSYS R15.0(熱流体解析)
直管中にハニカム基材を配置したとき(直管モデル、図1)の流速分布を図3に、
屈曲管中にハニカム基材を配置したとき(屈曲管モデル、図2)の流速分布を図4に、
それぞれ示した。この屈曲管の屈曲角度は45°であり、排気管の屈曲部と排ガス浄化装置との間の距離は10.7mm(排気管の等価内径の0.21倍)である。ここで、排気管の屈曲部と排ガス浄化装置との間の距離とは、排気管における屈曲部よりも排ガス上流側直近の直管部分の軸線及び屈曲部よりも排ガス下流側直近の直管部分の軸線の交点と、排ガス浄化装置におけるハニカム基材の排ガス上流側端面との間の距離として定義される。
直管モデルのガス流速(図3)は、管壁の直近領域を除いて、管壁に比較的近い領域で若干速い傾向にある他はすべての領域でほぼ均一の流速分布を示したのに対し;
屈曲管モデルのガス流速(図4)は、管壁の直近領域を除いて、屈曲部の外側領域(図3における横軸のZ値が小さい方の領域)において有意に速く、無視できない程度の偏流と案っていることが分かった。
そこで、本発明は、排ガスに偏流があった場合でも、これを整流して浄化することができる、排ガス浄化装置及び排ガス浄化システムを提供することを目的とする。
本発明の実施態様としては、以下の態様を挙げることができる。
《態様1》
外筒内に、少なくとも、第1のハニカム基材、第1の隙間、第2のハニカム基材、第2の隙間、及び第3のハニカム基材を、排ガス上流側からこの順に具備する排ガス浄化装置であって、
少なくとも前記第3のハニカム基材は貴金属を含有する触媒コート層を有しており、
前記第3のハニカム基材の長さは前記第1〜第3のハニカム基材の合計長さの40%を超え、そして
前記第1の隙間及び第2の隙間はそれぞれ10mm以上である、
排ガス浄化装置。
《態様2》
外筒内に、少なくとも、第1のハニカム基材、第1の隙間、第2の金ニカム基材、第2の隙間、及び第3のハニカム基材を、排ガス上流側からこの順に具備する排ガス浄化装置であって、
少なくとも前記第3のハニカム基材は貴金属を含有する触媒コート層を有しており、
前記第3の金ニカム基材の触媒コート層に含まれる貴金属の量が、前記排ガス浄化装置に含まれる貴金属の総重量の40重量%を超え、そして
前記第1の隙間及び第2の隙間はそれぞれ10mm以上である、
排ガス浄化装置。
《態様3》
前記第3のハニカム基材の長さが、第1及び第2のハニカム基材の長さよりも長い、前記態様1又は態様2の排ガス浄化装置。
《態様4》
前記態様1〜態様3のいずれか一項の排ガス浄化装置と、前記排ガス浄化装置が配置される排気管とを含む排ガス浄化システムであって、
前記排気管が屈曲部を有し、かつ前記排ガス浄化装置が前記屈曲部よりも排ガス下流側に配置されている、
排ガス浄化システム。
《態様5》
前記排気管における屈曲部よりも排ガス上流側直近の直管部分の軸線及び屈曲部よりも排ガス下流側直近の直管部分の軸線の交点と、排ガス浄化装置における前記第1のハニカム基材の排ガス上流側端面との間の距離として定義される、前記排気管の屈曲部と前記排ガス浄化装置との間の距離が、前記排気管の等価内径の2倍以下である、前記態様4の排ガス浄化システム。
本発明によれば、排ガスに偏流があった場合でも、これを整流して浄化することができる、排ガス浄化装置及び排ガス浄化システムが提供される。
本発明の排ガス浄化装置は、二輪用の排ガス系におけるエキゾーストマニホールド付近に配置して使用するために好適であり、該排ガス浄化装置が配置された排ガス浄化システムは、排ガス系が屈曲部を有する配管を含む場合であっても高い排ガス浄化性能を示す。
図1は、排ガスの流速分布を計算するために用いた直管モデルの概念図である。 図2は、排ガスの流速分布を計算するために用いた屈曲管モデルの概念図である。 図3は、図1の直管モデルを用いて計算した排ガスの流速分布を示すグラフである。 図4は、図2の屈曲管モデルを用いて計算した排ガスの流速分布を示すグラフである。 図5は、実施例の評価結果を示すグラフである。 図6は、本発明の排ガス浄化装置の構成の一例を示す概念図である。
<排ガス浄化装置>
本実施形態の排ガス浄化装置は、外筒内に、少なくとも、第1のハニカム基材、第1の隙間、第2のハニカム基材、第2の隙間、及び第3のハニカム基材を、排ガス上流側からこの順に具備する、トリプレット型の排ガス浄化装置である。
本実施形態の排ガス浄化装置の構成の一例を示す概念図を図6に示した。図6の排ガス浄化装置は、外筒内に、第1のハニカム基材、第1の隙間、第2のハニカム基材、第2の隙間、及び第3のハニカム基材を、排ガス上流側からこの順に有している。図6の該ガス浄化装置において、各ハニカム基材の長さは、第1のハニカム基材<第2のハニカム基材<第3のハニカム基材であり;隙間の長さは、第1の隙間≒第2の隙間として描画されている。しかしながら、本実施形態の排ガス浄化装置は、該図6の具体的に描画された構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び以下の説明から、当業者が合理的に認識できる範囲に拡張して理解されるべきである。
[外筒]
上記外筒は、好ましくは中空の筒状であり、好ましくは金属製である。この外筒を構成する金属としては、パイプ触媒に従来から用いられている耐熱性金属を制限なく使用することができる。例えばステンレスが例示される。
外筒は、その内部の中空部分に第1〜第3のハニカム基材が固定され、該中空部分を排ガスが通過する。
[ハニカム基材]
上記ハニカム基材のそれぞれは、外筒に固定されたときに、該外筒の軸方向に連通する多数のセルを有する。ハニカム基材は、セルの伸びる軸方向が外筒の軸方向を一致するように固定される。
ハニカム基材は金属製であることが好ましい。より好ましくは、排ガス温度に耐える耐熱性と、排ガスの熱を素早く触媒コート層に伝達する熱伝導性と、を具備する金属である。具体的には例えばステンレスを挙げることができる。
ハニカム基材の有するセル数は、その内部表面に形成される触媒コート層と排ガスとの接触面積を大きくする観点から、5セル/cm以上、10セル/cm以上、又は20セル/cm以上とすることができ;高い排ガス浄化性能を発現可能な程度に触媒コート層の膜厚を高くすることを可能とし、かつ排ガスの流通性を大きく維持する観点から、150セル/cm以下、100セル/cm以下、又は50セル/cm以下とすることができる。
ハニカム基材の有するセルの壁厚は、ハニカムの強度を確保するために50μm以上又は80μm以上とすることができ;排ガスの流通性を大きく維持するために200μm以下又は150μm以下とすることが適切である。
上記第3のハニカム基材は、貴金属を含有する触媒コート層を有する。本実施形態における第1及び第2のハニカム基材は、偏流のある排ガスを整流する機能を有するから、排ガス浄化能を有する触媒コート層を有していなくてもよいし、これを有していてもよい。しかし、第1のハニカム基材を通過した偏流はかなりの程度整流されているから、第2のハニカム基材に触媒コート層を形成して排ガス浄化能を発揮させることは有効である。更に、偏流状態の排ガスを予めできるだけ浄化しておくことは、第2及び第3のハニカム基材上の触媒寿命の向上につながるから、第1のハニカム基材に触媒コート層を形成してもよい。最も好ましくは、第1〜第3のハニカム基材の全部が触媒コート層を有することである。
ハニカム基材が有する触媒コート層は、排ガス浄化能を有する触媒層として公知の構成をとることができ、例えば、各ハニカム基材の表面に設けられた金属酸化物担体層と、該担体層上に担持された貴金属と、を有することができる。
上記金属酸化物担体としては、例えば、セリア、ジルコニア、アルミナ、希土類金属酸化物等、及びこれらの複数から成る複合酸化物等を挙げることができる。
触媒コート層のコート量は、上記ハニカム基材の見かけの容積(=(ハニカム基材の半径)×π×(第1のハニカム基材の排ガス上流側端面と第3のハニカム基材の排ガス下流側端面との間の距離)、本明細書において以下同じ)1L当たりの金属酸化物量として、例えば50g/L以上200g/L以下とすることができる。
上記貴金属の例としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等である。これらの貴金属は、例えば粒径1nm以上100nm以下の粒子として上記金属酸化物担体上に担持されていることが好ましい。貴金属の担持量は、従来公知の排ガス浄化触媒と同等であってよい。上記ハニカム基材の見かけの容積1L当たりの貴金属担持量として、例えば、以下のとおりとすることができる。
白金:好ましくは2.0g/L以下、より好ましくは0.4g/L以上1.2g/L以下
パラジウム:好ましくは0.5g/L以上2.0g/L以下
ロジウム:好ましくは0.1g/L以上0.4g/L以下
本実施形態の排ガス浄化装置において、第1〜第3のハニカム基材は、排ガス上流側からこの順に上記外筒内に固定される。本実施形態の排ガス浄化触媒装置に偏流のある排ガスが流入してきたとき、各ハニカム基材は偏流を整流する機能と、排ガスを浄化する機能とを併せ持つこととなる。このとき、排ガスの上流側に配置されたハニカム基材は主として整流機能を発揮し、排ガスの下流側に配置されたハニカム基材は主として排ガス浄化機能を発揮することが、浄化装置全体の排ガス浄化能を最大限に発揮する観点から有利であると考えられる。
そこで、本実施形態の排ガス浄化装置は、排ガスの最も下流側に配置される第3のハニカム基材が主として排ガス浄化機能を発揮するように構成される。従って、この第3のハニカム基材は、有意の長さを有すること、及び有意量の貴金属を有すること、のうちの少なくとも片方を満たすことが好ましい。
このような観点から、第3のハニカム基材の長さは、第1〜第3のハニカム基材の合計長さに対して、40%を超えることを要し、45%以上、50%以上、又は55%以上であってもよい。
一方で、第1及び第2のハニカム基材が司る偏流の整流機能を十分に発揮させるためには、これら第1及び第2のハニカム基材には有意の長さを留保することを要する。従って、第3のハニカム基材の長さを所定の値以下にとどめるべき要請がある。このような観点から、第3のハニカム基材の長さは、第1〜第3のハニカム基材の合計長さに対して、80%以下、75%以下、又は70%以下であることが好ましい。
上記と同様の観点から、第3のハニカム基材の触媒コート層に含まれる貴金属の量は、本実施形態の排ガス浄化装置に含まれる貴金属の総重量に対して、
40重量%を超えることを要し、45%以上、50%以上、又は55%以上であってもよく;
80%以下、75%以下、又は70%以下であることが好ましい。
上記第3のハニカム基材の触媒コート層に含まれる貴金属の量は、該ハニカム基材の貴金属担持割合を他の基材よりも多くすることによって実現してもよく、或いは、各ハニカム基材の貴金属担持割合は同等に維持し、第3のハニカム基材の長さを調整することによって実現してもよい。後者の方法が、触媒調製が容易であることから好ましい。
第1及び第2のハニカム基材の長さは、第1〜第3のハニカム基材の合計長さに対する相対値として、それぞれ以下のように設定することが好ましい。
第1のハニカム基材:5%以上又は10%以上、かつ30%以下又は25%以下
第2のハニカム基材:10%以上又は15%以上、かつ40%以下又は30%以下
第3のハニカム基材の入口面に到達する時点における排ガスの整流効果をできるだけ高める観点から、第2のハニカム基材の長さを第1のハニカム基材の長さよりも長く設定することが好ましい。第3のハニカム基材の排ガス浄化能をできるだけ高める観点から、第3のハニカム基材の長さを、第1及び第2のハニカム基材の長さよりも長く設定することが好ましい。
上述したとおり、第1及び第2のハニカム基材は主として偏流の整流機能を発揮するが、これらの基材に排ガス浄化能を付与してもよい。この観点から、第1及び第2のハニカム基材の触媒コート層に含まれる貴金属の量は、本実施形態の排ガス浄化装置に含まれる貴金属の総重量に対して、それぞれ以下の範囲とすることが好ましい。
第1のハニカム基材:30%以下又は25%以下
第2のハニカム基材:10%以上又は15%以上、かつ40%以下又は30%以下
トータルの排ガス浄化能を高め、第3のハニカム基材上の触媒寿命をより高めるとの観点からは、第2のハニカム基材上の貴金属量を第1のハニカム基材上の貴金属量よりも多く設定することが好ましい。
上記第1及び第2のハニカム基材の触媒コート層に含まれる貴金属の量は、各ハニカム基材の貴金属担持割合を各別に調整することによって実現してもよく、或いは、第1〜第3のハニカム基材の貴金属担持割合は同等に維持し、第1及び第2のハニカム基材の長さを調整することによって実現してもよい。後者の方法が、触媒調製が容易であることから好ましい。
[隙間]
本実施形態の排ガス浄化装置においては、第1及び第2の隙間の存在が、偏流排ガスの整流機能に重要である。各ハニカム基材間に有意の長さの隙間を設けることにより、整流機能が向上し、その結果、排ガス浄化能が向上する。
第1及び第2の隙間は、第1及び第2のハニカム基材が司る整流機能を確実とする観点から、それぞれ、10mm以上であることを要し、12.5mm以上又は15mm以上であってよい。一方で、過大な隙間による排ガス流の乱れを回避する観点から、これらの隙間は、それぞれ、50mm以下、40mm以下、又は30mm以下であることが好ましい。
第1の隙間と第2の隙間とは同等の長さを有することが好ましく、具体的には例えば、第1の隙間の長さ:第2の隙間の長さの比として、40:60〜60:40の範囲が好ましく、45:55〜55:45の範囲がより適切である。
外筒の内表面のうち上記第1及び第2の隙間に相当する位置には、触媒コート層が形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。
[ハニカム基材及び隙間の追加]
本実施形態の排ガス浄化装置は、上記の第1〜第3のハニカム基材、並びに第1及び第2の隙間を必須的に有するが、これらが上記の要件を満たすものである限り、これら以外のハニカム基材及び隙間を有してもよい。しかしながら、ハニカム基材の追加は、必然的に不要な隙間の追加を伴って、排ガス浄化に使用可能な有効表面積の減少を来たすから、排ガス浄化能をできるだけ高くするとの観点からは好ましくない。従って、本発明が所期する目的を最も好適に達成するためには、本実施形態の排ガス浄化装置は、上記第1〜第3のハニカム基材、並びに第1及び第2の隙間以外のハニカム基材及び隙間を有さないことが好ましい。
<排ガス浄化装置の製造方法>
本実施形態の排ガス浄化装置は、上記の構成を有する限り、どのような方法によって製造されたものであってもよい。例えば、外筒及び各ハニカム基材を準備し、前記外筒中の所定位置に各ハニカム基材を固定してハニカム担体モジュールとし、次いで該ハニカム担体モジュール中の各ハニカム基材上に触媒コート層を形成する方法を例示することができる。
外筒中へのハニカム基材の固定は、適当な金属ロウを使用して行うことが好ましい。金属ロウとしては、例えば、金ロウ、銀ロウ、ホワイトロウ、Pロウ、Niロウ等を例示することができる。
ハニカム基材上に触媒コート層を形成するには、該ハニカム基材上に、金属酸化物担体層を形成した後、該金属酸化物担体層上に貴金属を担持含有させる手法によることができる。
ハニカム基材上への金属酸化物担体層の形成は、例えば、金属酸化物及びその前駆体から選択される1種以上を含有する溶液又はスラリーを調製し、ハニカム基材上に該溶液又はスラリーをコートし、必要に応じてこれを焼成する方法によることができる。このスラリーは、任意的にバインダーを含有していてもよい。
上記金属酸化物の前駆体としては、金属の硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩等を挙げることができる。任意的に含有されるバインダーとしては、例えば、ベーマイト等を挙げることができる。溶液又はスラリーの溶媒としては水が適当である。
コート方法としては、例えば、ディップ法、流し込み法、押し上げ法等の公知の方法を制限なく採用することができる。コート後、必要に応じて溶媒を除去するための乾燥工程を行ってもよい。
任意的に行われる焼成は、例えば400℃以上又は500℃以上、例えば700℃以下又は600℃以下の温度において、例えば0.5時間以上又は1.0時間以上、例えば3.0時間以下又は2.0時間以下の時間加熱する方法によることができる。
上記のようにして形成された金属酸化物担体層に、次いで、貴金属を担持する。この貴金属の担持は、金属酸化物担体層を、貴金属前駆体を含有する溶液に含浸した後、これを焼成する方法によることができる。
貴金属前駆体としては、
パラジウム前駆体として、例えば、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム等を;
白金前駆体として、例えば、硝酸白金等を;
ロジウム前駆体として、例えば、塩化ロジウム、塩化ロジウムナトリウム、塩化ロジウム五アミン、カルボニルアセチルロジウム等を;
それぞれ挙げることができる。
この貴金属前駆体溶液の溶媒としては水が適当である。
任意的に行われる焼成は、例えば100℃以上又は200℃以上、例えば500℃以下又は400℃以下の温度において、例えば0.25時間以上又は0.5時間以上、例えば3.0時間以下又は2.0時間以下の時間加熱する方法によることができる。
本実施形態の排ガス浄化装置が複数種の貴金属を含む場合、該貴金属の担持は、
該複数種の貴金属前駆体を含有する溶液を用いて1段階で行ってもよいし;
該複数種の貴金属前駆体のうちの一部を有する溶液を用いて含浸及び焼成を行った後、残りの貴金属前駆体を有する溶液を用いて含浸及び焼成を行ってもよいし;
該複数種の貴金属前駆体のうちの一部を有する溶液を用いて含浸を行った後、残りの貴金属前駆体を有する溶液を用いて更に含浸を行い、然る後に焼成を行ってもよい。
<排ガス浄化システム>
本実施形態の排ガス浄化システムは、上記のような本実施形態の排ガス浄化装置と、該排ガス浄化装置が配置される排気管とを含む排ガス浄化システムである。
本実施形態の排ガス浄化装置は、屈曲部を有する排気管内に、該屈曲部よりも排ガス下流側に装填して使用されるときに、所期の効果が最大限に発現する。従って、上記排気管が屈曲部を有し、かつ上記排ガス浄化装置が該屈曲部よりも排ガス下流側に配置されていることが好ましい。
上記屈曲部を有する排気管としては、例えば二輪車のエキゾーストマニフォールド等を挙げることができる。屈曲部の屈曲角度としては、例えば、10°以上、20°以上、又は30°以上であってよく、例えば135°以下、90°以下、又は60°いかであってよい。この屈曲角度は、屈曲部よりも排ガス上流側の排気管の軸線と、屈曲部よりも排ガス下流側の排気管の軸線とがなす角度として定義される。
本実施形態の排ガス浄化装置は、排ガスが偏流を有しているときに、該偏流を整流しつつ排ガスを浄化することができる。好ましくは、排気系において排ガスの偏流が著しい箇所に配置しても、優れた排ガス浄化性能を発揮する。従って、該本実施形態の排ガス浄化システムにおいて、排ガス浄化装置は、排気管屈曲部の排ガス下流側の直近位置に配置されていてもよい。
本実施形態の排ガス浄化システムは、排気管屈曲部と排ガス浄化装置との間の距離を、排気管の等価内径の5倍以下、3倍以下、又は2倍以下としても、所期の性能を発現することができる。ここで、排気管屈曲部と排ガス浄化装置との間の距離とは、排気管における屈曲部よりも排ガス上流側直近の直管部分の軸線及び屈曲部よりも排ガス下流側直近の直管部分の軸線の交点と、排ガス浄化装置における第1のハニカム基材の排ガス上流側端面との間の距離として定義される。
<排ガス浄化装置の調製方法>
ステンレス(SUS436L)製のパイプ(外径:53.5mm、内径:50.5mm)を所定の長さで切断し、これを外筒とした。
高耐熱ステンレス(20Cr−5Al)製の帯状の板(板厚:;100μm)の2枚準備し、1枚を平板のまま用い、もう1枚を波板上に加工した。これら2枚を重ね合わせてロール状に巻回し、31セル/cm(200セル/インチ)、直径50.5mmのハニカム担体を得た。このハニカム担体を所定の長さに切断し、第1〜第3のハニカム基材として用いた。
上記の外筒に上記の各ハニカム基材を所定位置まで挿入し、耐熱性のNi系ロウ材(Cr:18重量%、Si:10重量%を含有するNi主体のロウ材)を用いて固定することにより、ハニカム担体モジュールを製造した。ここで、第1のハニカム基材の上流側端面は外筒の上流側端面と、第3のハニカム基材の下流側端面は外筒の下流側端面と、それぞれ一致させた。
次いで、アルミナ:65重量部、セリア:25重量部、ジルコニア:5重量部、バインダーとしてベーマイト:5重量部、及び水:100重量部を均一に混合し、金属酸化物担体スラリーを調製した。上記ハニカム担体モジュールをこの金属酸化物担体スラリーに浸漬し、乾燥した後、500℃において1時間の焼成を行うことにより、ハニカム担体モジュール1個当たりのコート量が28gの金属酸化物コート層を形成した。
上記の金属酸化物コート層を有するハニカム担体モジュールを、硝酸ロジウムを含有する水溶液中に浸漬した後300℃1時間の焼成を行い、次いで硝酸パラジウム水溶液中に浸漬した後300℃1時間の焼成を行うことにより、ハニカム担体モジュール1個当たりの貴金属含量が、Rh:36mg、Pd:54mgの排ガス浄化装置を得た。
<排ガス浄化性能の評価>
上記のようにして調製した排ガス浄化装置を排気量125ccの自動二輪車に装着し、WMTCモード試験法のステージ2で運転し、排ガス浄化性能(NO排出量)を調べた。
<圧力損失の評価>
内径50.5mmφの管を、ガス導入口から100mmの位置で45°の角度で屈曲し、該屈曲部分の直後(すぐ下流側)に上記のようにして調製した排ガス浄化装置を装着した(図2参照)。そして、ガス導入口から空間速度SV=30万h−1相当の空気を吹き込み、排ガス浄化装置の最下流地点から150mmの位置における圧力損失を調べた。
<実施例1〜5及び比較例4〜6>
外筒、第1〜第3のハニカム基材、並びに隙間1及び2の長さを、それぞれ、表1に記載のとおりとして、上記方法に従って排ガス浄化装置を製造し、評価した。評価結果は表1及び図5に示した。
<比較例1>
外筒及びハニカム基材の長さを表1に記載のとおりとして、上記方法に準じてシングル型のハニカム構成の排ガス浄化装置を調製し、評価した。この比較例1の排ガス浄化装置において、外筒の長さとハニカム基材の長さとは同じであるから、ハニカム基材の両端面は外筒の両端部と一致している。評価結果は表1及び図5に示した。
<比較例2及び3>
外筒、並びに第1及び第2の及びハニカム基材の長さを表1に記載のとおりとして、上記方法に準じてタンデム型のハニカム構成の排ガス浄化装置を製造し、評価した。ここで、第1のハニカム基材の上流側端面は外筒の上流側端面と、第2のハニカム基材の下流側端面は外筒の下流側端面と、それぞれ一致させた。評価結果は表1及び図5に示した。
Figure 2017214901
比較例1のシングル型の排ガス浄化装置は、NOx排出量及び屈曲管中に設置したときの圧力損失とも大きい。比較例2及び3のタンデム型の排ガス浄化装置は、NOx排出量及び圧力損失の双方とも改善されているが、未だ不十分である。比較例4〜6の排ガス浄化装置は、トリプレット型の排ガス浄化装置であるものの従来技術に属する。これらの排ガス浄化装置の場合、NOx排出量及び圧力損失の双方において、タンデム型の触媒よりもむしろ増大している。
しかしながら、本実施形態所定の要件を満たす実施例1〜5のトリプレット型の排ガス浄化装置は、NOx排出量も少なく、屈曲管中に設置したときの圧力損失が小さい。このことは、同じトリプレット型に関する比較例4〜6と比べ、特筆すべき結果である。表1及び図5を見ると、本実施形態所定の要件を満たす実施例1〜5はほぼ等しい性能を示すが、ハニカムの合計長さに対する第3のハニカム基材の長さの割合が大きいほど(実施例1から実施例5へ行くに従って)、圧力損失及びNOx排出量の双方とも小さくなる弱い傾向が見られた。

Claims (5)

  1. 外筒内に、少なくとも、第1のハニカム基材、第1の隙間、第2のハニカム基材、第2の隙間、及び第3のハニカム基材を、排ガス上流側からこの順に具備する排ガス浄化装置であって、
    少なくとも前記第3のハニカム基材は貴金属を含有する触媒コート層を有しており、
    前記第3のハニカム基材の長さは前記第1〜第3のハニカム基材の合計長さの40%を超え、そして
    前記第1の隙間及び第2の隙間はそれぞれ10mm以上である、
    排ガス浄化装置。
  2. 外筒内に、少なくとも、第1のハニカム基材、第1の隙間、第2のハニカム基材、第2の隙間、及び第3のハニカム基材を、排ガス上流側からこの順に具備する排ガス浄化装置であって、
    少なくとも前記第3のハニカム基材は貴金属を含有する触媒コート層を有しており、
    前記第3のハニカム基材の触媒コート層に含まれる貴金属の量が、前記排ガス浄化装置に含まれる貴金属の総重量の40重量%を超え、そして
    前記第1の隙間及び第2の隙間はそれぞれ10mm以上である、
    排ガス浄化装置。
  3. 前記第3のハニカム基材の長さが、第1及び第2のハニカム基材の長さよりも長い、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置と、前記排ガス浄化装置が配置される排気管とを含む排ガス浄化システムであって、
    前記排気管が屈曲部を有し、かつ前記排ガス浄化装置が前記屈曲部よりも排ガス下流側に配置されている、
    排ガス浄化システム。
  5. 前記排気管における屈曲部よりも排ガス上流側直近の直管部分の軸線及び屈曲部よりも排ガス下流側直近の直管部分の軸線の交点と、排ガス浄化装置における前記第1のハニカム基材の排ガス上流側端面との間の距離として定義される、前記排気管の屈曲部と前記排ガス浄化装置との間の距離が、前記排気管の等価内径の2倍以下である、請求項4に記載の排ガス浄化システム。
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