JP2017214497A - 炭化ガス化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリンカの発生を抑えつつ、タールなどの不純成分を減少させて発電や発熱に利用しやすい熱分解ガスを生成できる、炭化ガス化装置および電熱生成装置を提供する。
【解決手段】本発明の炭化ガス化装置は、炭化炉と、前記炭化炉に外部から燃焼熱を加える燃焼ユニットを備え、前記炭化炉内部は、前記燃焼熱を通す複数の熱管路と、前記熱管路からの熱を受けて加熱されるバイオマス燃料を収容する本体部と、を有し、前記熱管路からの熱が、前記本体部に収容されている前記バイオマス燃料を炭化ガス化させ、前記炭化ガス化によって、熱分解ガスおよび炭化物が生成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、発電や発熱に用いる熱量を生成するために、バイオマス燃料を外部より間接加熱(炭化物の燃焼が熱源)させて熱分解ガスを生成する炭化ガス化装置に関する。
近年、様々な目的のために燃焼装置が用いられる。例えば、廃棄物を処理するためであったり、燃焼装置が発生させる熱分解ガスを利用することを目的とする処理の為に用いられたりすることがある。すなわち、バイオマスや廃棄物を利用して熱分解ガスを生じさせて、熱分解ガスと熱分解ガスの燃焼熱を様々な用途に利用することが行われている。
例えば、生ごみや一般ごみなどの廃棄物を燃焼処理することが必要である。燃焼処理によって、生ごみや一般ごみなどの廃棄物を処理することができるからである。このような廃棄物の燃焼処理のおいても、熱を発生させる燃焼装置が必要となる。
もちろん、生ごみや一般ごみ以外の様々な廃棄物の燃焼処理においても、燃焼装置が利用される。
ここで、最近においては、木質チップ、端材、竹質チップなどの一般的な加工材や構造材などの使用として不適な端材などを利用したバイオマス燃料が、燃焼装置の原料として使用されることが多くなっている。また、木質や竹質などのバイオマス燃料以外でも、動物由来のバイオマス燃料が使用されることがある。
廃棄物の燃焼との目的で、廃棄物を由来するバイオマス燃料を燃焼させることもある。あるいは、燃焼によって得られる熱を利用するためにバイオマス燃料を燃焼させることもある。従来の化石燃料を使用した燃焼は、化石燃料(石油、石炭)の枯渇問題を生じさせる。加えて、高コストである問題もある。更には、化石燃料の採掘から燃焼に至るまでの各過程での環境負荷の問題もある。
このため、燃焼装置の燃料として、バイオマス燃料が使用されることが求められているし、使用されるようになってきている。
一方で、近年の環境意識の高まりや化石燃料コストの高騰や変動により、化石燃料を用いた発電や発熱に対するネガティブな意識が高まってきている。加えて、大震災などの影響で、原子力発電に対する厳しい視線も高まってきている。このため、発電や発熱を行うための燃焼装置において化石燃料や原子力燃料を用いることが難しくなったり、これらを用いる発電所を新規に設置することが難しくなったりしてきている。
更に、大型の発電所で発電された電気は、実際の消費地に向けて、長距離を送電される必要がある。この送電コストや送電による電力ロスなどの問題が大きくなっている。従来のような、大規模生産、大規模消費、画一的な国土づくりの背景においては、地方に大型の発電所を設置し、大都市に大きな電力を供給する電力モデルが適当であった。
しかしながら、我が国における人口の減少、地方経済の縮小、生活の多様化、コスト維持への困難性、安全意識や環境意識の高まりから、電力生成や必要な熱生成における、地産地消が要望されてくるようになっている。また、小規模な地域においては、小規模かつ低コストで発電や発熱を行えることが要求されている。
例えば、震災発生時には、震災被害を受けた地域で、電力を生成したり、生活に必要となる温水を生成したりする必要がある。この場合にも、大型のプラントを製造、輸送、建設することは難しい。小型、低コストで、かつ早期に震災地において設置できる電力や温水を生成できる装置が求められる。
このような地産地消や震災時に対応した、狭い地域でのコンパクトな発電や発熱を生じさせる燃焼装置においては、やはり、現地内部で調達容易なバイオマス燃料が使用できることが好ましい。
以上のように、小型、低コスト、製造と設置が容易、狭い場所、都市部、郊外などのさまざまな場所に設置が容易であってバイオマス燃料を用いる燃焼装置の要求が年々高まっている。
このような状況で、燃焼効率を高める燃焼装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、熱分解ガスを得る燃焼装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−303737号公報 特開2005−291674号公報
特許文献1は、熱分解炉装置10は燃焼室27と、燃焼室27を貫通して設けられた回転ドラム11と、回転ドラム11の入口側非加熱領域11a内に設けられた投入スクリュー22とを備えている。回転ドラム11の入口側非加熱領域11aに設けられた投入スクリュー22のスクリューケーシング23の上部に掻取板33が固定され、この掻取板33は半径方向外方へ回転しながら湾曲する形状を有している。この掻取板33により回転ドラム11内面に付着した付着物を取除く熱分解路装置を、開示する。
特許文献1は、廃棄物等の燃焼を行い、燃焼において揮発成分であるガスと燃焼残渣とに分離することを目的としている。
しかしながら、特許文献1の技術は、燃焼室やドラム内部にクリンカが生じて残ってしまう。このクリンカが生じることで、熱分解路装置は、その燃焼効率を上げることが難しい。クリンカが残ったり付着したりすると、クリンカによって燃焼が阻害されてしまい、燃焼効率が下がるからである。
あるいは、内部にクリンカが残ったり付着したりすると、定期的にクリンカを除去する作業も必要となる。クリンカの除去作業は手間が掛かり作業中においては、燃焼処理が実行できなくなってしまう。このために、時間軸上での燃焼効率が下がってしまう問題もある。
また、クリンカが残ったり付着したりすることで、熱分解路装置での燃焼能力が下がってしまう問題もある。このようなクリンカの発生は、燃焼装置での燃料が、バイオマスや木質燃料などであることで、より生じやすい。
また、燃焼装置内部での燃焼温度が、燃焼材の最適な燃焼温度よりも高い状態になると、公害物質であるNOxが発生する問題がある。燃焼装置内部での燃焼温度が、最適な燃焼温度よりも高すぎたり、燃焼室内部での温度分布の不均一性が高すぎたりする場合には、クリンカやNOxが発生しやすい。
クリンカの発生は、上述の通り、燃焼装置そのものへの不具合を生じさせる。NOxは、外部環境への悪影響を生じさせる可能性がある。いずれも好ましいことではない。
特に、燃焼装置が、バイオマス燃料を使用する場合には、バイオマス燃料の特性として、このクリンカが発生しやすい。クリンカが発生しやすいと、燃焼装置内部にクリンカがこびりついてしまい、燃焼装置の運転を停止してクリンカ除去をしなければならない問題が生じる。
また、燃焼装置が発電や発熱に使用される目的の場合には、燃焼装置ではバイオマス燃料が燃焼されて炭化物と熱分解ガスとに分離される。このうち、熱分解ガスが、発電装置に利用される。しかしながら、バイオマス燃料は、純粋な炭化物ではないので、熱分解ガスに様々な不純成分が含まれてしまう。特に、タール成分が熱分解ガスには含まれてしまい、熱分解ガスを利用して発電する発電装置にとっては、好ましくない。
タールは、燃焼装置にこびりついたり、運転を阻害したりするからである。
また、バイオマス燃料を使用して燃焼させた熱分解ガスを利用する燃焼装置では、バイオマス燃料を収容する燃焼炉内部で、バイオマス燃料を直接的に炎で燃焼させるのではなく、バイオマス燃料を収容する燃焼炉の外部から熱を加えて、この加熱でバイオマス燃料を燃焼させることが行われる。バイオマス燃料の熱分解ガスを含めて炭化させてしまうことを防止するためである(発電や発熱に用いられる熱分解ガスを必要とするので)。
このような外部加熱を行う場合では、直接的な炎を用いた燃焼に比較して、熱分解ガスにタールなどの不純成分が残りやすい。一方で、上述の通り、直接的な燃焼を行えば、生成される熱分解ガスの量が減少してしまう問題もある。加えて、バイオマス燃料を収容した燃焼炉内部での直接的な燃焼では、燃焼炉内部にクリンカが付着しやすい問題もある。
また、特許文献2は、被処理物を回転しつつ搬送して加熱処理する回転ドラム10と、その外表面に加熱流体を通流させることにより回転ドラム10に伝熱する。加熱流体が通流する回転ドラム10の外表面に、略球状をした凹部12が多数形成されている間接加熱式ロータリーキルン炉を開示する。
特許文献2は、回転ドラムの中に燃料を入れ、外部から間接的に加熱して、燃料を燃焼させる。このようにして、熱分解ガスを得るが、回転ドラムによる回転のみではやはり燃焼が不十分となり、熱分解ガスにタールなどの不純成分が残りやすい。もちろん、加熱レベルを上げすぎれば、熱分解ガスの量が減少する問題がある。
また、回転ドラム内部に、クリンカが残りやすい問題がある。
発電や発熱に必要となる熱分解ガスを得るための従来技術でのバイオマス燃料の燃焼装置(燃焼炉)では、上述のような問題を有していた。
すなわち、
問題1:クリンカの発生が大きい。
問題2:生成される熱分解ガスの量が少ない
問題3:生成される熱分解ガスにタールなどの不純成分が残りやすい
といった、問題である。
本発明は、これらの問題に鑑み、クリンカの発生を抑えつつ、タールなどの不純成分を減少させて発電や発熱に利用しやすい熱分解ガスを生成できる、炭化ガス化装置および電熱生成装置を提供することを目的とする。
本発明の炭化ガス化装置は、炭化炉と、
炭化炉に外部から燃焼熱を加える燃焼ユニットと、を備え、
炭化炉内部は、
燃焼熱を通す複数の熱管路と、
熱管路からの熱を受けて加熱されるバイオマス燃料を収容する本体部と、を有し、
熱管路からの熱が、本体部に収容されているバイオマス燃料を炭化ガス化させ、
炭化ガス化によって、熱分解ガスおよび炭化物が生成される。
バイオマス燃料が収容される炉内において、炉内の内部に設けられる複数の熱風通路からの加熱がバイオマス燃料に万遍なく付与される。このため、バイオマス燃料が直接的に炎で燃焼することなく、加熱による炭化ガス化を行う。
この炭化ガス化によって、バイオマス燃料は、高効率に熱分解ガス化されて、クリンカの発生が抑制される。
また、高効率の炭化ガス化によって、炭化物と熱分解ガスとに効率的に分離され、得られる熱分解ガスも、タールなどの不純成分を含有することを低減できる。この結果、ガスエンジンなどを使用する発電装置において、熱分解ガスを効率よく利用できる。
バイオマス燃料を燃焼材とする炭化ガス化において、問題となるクリンカやタールなどの問題を低減して、熱分解ガスを、発電や発熱などの用途に、好適に利用できる。
また、炭化ガス化装置とこれに付随する要素と、熱分解ガスを用いる発電装置のみで、電熱生成システムを実現できるので、小型、設置容易、低コストで、地域性を必要とする場所においての設置を実現できる。
アップドラフトガス化炉の一例を示す模式図である。 従来技術での燃焼装置の模式図 本発明の実施の形態1における炭化ガス化装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における炭化炉の断面図である。 本発明の実施の形態1における炭化炉の断面図である。 本発明の実施の形態1における炭化ガス化装置の模式図である。 本発明の実施の形態2における炭化炉2とその周辺の模式図である。 本発明の実施の形態2における電熱生成システムのブロック図である。 本発明の実施の形態2における電熱生成システムのブロック図である。
本発明の第1の発明に係る炭化ガス化装置は、炭化炉と、
炭化炉に外部から燃焼熱を加える燃焼ユニットと、を備え、
炭化炉内部は、
燃焼熱を通す複数の熱管路と、
熱管路からの熱を受けて加熱されるバイオマス燃料を収容する本体部と、を有し、
熱管路からの熱が、本体部に収容されているバイオマス燃料を炭化ガス化させ、
炭化ガス化によって、熱分解ガスおよび炭化物が生成される。
この構成により、タールなどの不純成分の少ない熱分解性ガスを効率よく得ることができる。
本発明の第2の発明に係る炭化ガス化装置では、第1の発明に加えて、炭化炉は、内部空間を有する筒状であって、
複数の熱管路は、内部空間に設置される筒状である。
この構成により、バイオマス燃料が燃焼される空間が大きくなり、燃焼ユニットからの燃焼熱が効率よく付与されて、熱分解が効率よく進む。
本発明の第3の発明に係る炭化ガス化装置では、第2の発明に加えて、複数の熱管路は、炭化炉の内部空間に沿う方向軸で設置され、複数の熱管路のそれぞれは、方向軸に沿って、燃焼熱を通す。
この構成により、燃焼熱が、本体部内部のバイオマス燃料に、万遍なく付与される。
本発明の第4の発明に係る炭化ガス化装置では、第2または第3の発明に加えて、複数の熱管路の少なくとも一部は、内部空間と連通する複数の連通路を備える。
この構成により、熱管路を移動する熱が、連通路から本体部に漏れて熱が付与される。
本発明の第5の発明に係る炭化ガス化装置では、第4の発明に加えて、複数の連通路は、炭化炉の根元から先端に行くにつれて、単位面積当たりの開口量を大きくする。
この構成により、燃焼熱が移動するにつれて、本体部の内部空間に漏れ出る燃焼熱が大きくなり、バイオマス燃料への燃焼熱の付与が効率よくなる。熱分解の進み具合に合わせた燃焼熱の付与が可能となる。
本発明の第6の発明に係る炭化ガス化装置では、第2から第5のいずれかの発明に加えて、本体部は、炭化炉の内部空間における複数の熱管路の残部である。
この構成により、全体の構成がコンパクトとなる。また、熱管路と本体部との熱的な接触が効率よくなる。
本発明の第7の発明に係る炭化ガス化装置では、第4から第6のいずれかの発明に加えて、複数の熱管路は、熱管路内部を移動する燃焼熱および連通路から漏れる燃焼熱を、本体部に収容されるバイオマス燃料に加える。
この構成により、バイオマス燃料は、効率よく、熱分解される。結果として、熱分解ガスが効率よく得られる。
本発明の第8の発明に係る炭化ガス化装置では、第2から第7のいずれかの発明に加えて、複数の熱管路は、内部空間の内壁に沿って設けられる、外周熱管路と、内部空間の中央付近に沿って設けられる内部熱管路と、を有する。
この構成により、本体部に収容されるバイオマス燃料に、様々な方向や角度から燃焼熱を付与できる。結果として、高い熱分解を実現できる。
本発明の第9の発明に係る炭化ガス化装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、炭化炉は、回転可能である。
この構成により、内部での燃焼熱の循環が高まり、熱分解が促進される。
本発明の第10の発明に係る炭化ガス化装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、複数の熱管路の少なくとも一部は、炭化炉と独立して回転可能である。
この構成により、熱管路が炭化炉と独立して回転することで、熱管路からの燃焼熱の付与が、よりまんべんなく行われる。
本発明の第11の発明に係る炭化ガス化装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、炭化炉で炭化ガス化されたバイオマス燃料からの熱分解ガスを出力する熱分解ガス出力部と、炭化物を排出する炭化物排出部と、を、更に備える。
この構成により、熱分解ガスおよび炭化物を、種々の用途に利用できる。
本発明の第12の発明に係る炭化ガス化装置では、第11の発明に加えて、熱分解ガスは、電力生成および温水生成の少なくとも一部に使用される。
この構成により、熱分解ガスが、発電などを実現できる。
本発明の第13の発明に係る炭化ガス化装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、燃焼ユニットは、
燃焼材が供給される本体筒と、
本体筒の先端に接続する燃焼筒と、
本体筒に燃焼材を供給する燃焼材供給路と、
本体筒内部に、空気を供給する第1空気供給部〜第n空気供給部と、
本体筒の内部空間において、中心軸付近に水分を供給する中央水分供給部と、
本体筒の内部空間において、内周付近に水分を供給する周辺水分供給部と、を備え、
第1空気供給部〜第n空気供給部は、本体筒の根元から先端に向けて、第1〜第nの順序で並んでおり、
第1空気供給部〜第n空気供給部のそれぞれは、第1〜第nの順序で、本体筒に供給する空気量が増加する。
この構成により、燃焼ユニットは、より効率よく燃焼熱を生成できる。
本発明の第14の発明に係る炭化ガス化装置では、第13の発明に加えて、炭化物排出部から排出される炭化物は、燃焼ユニットで使用される燃焼材に再利用される。
この構成により、炭化物の再利用もでき、全体としてのエネルギー効率を高めることができる。
本発明の第15の発明に係る炭化ガス化装置では、炭化ガス化装置および燃焼ユニットは、水平面に対して下向きの傾斜を有する。
この構成により、燃焼温度を上げすぎてクリンカを発生させることを抑制できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(発明者による解析)
発明者は、熱分解ガスを得る炭化ガス化装置の問題点を次のように解析した。
(問題点1:燃料を選ぶ問題点)
アップドラフト型ガス化炉が、熱分解ガスを得るガス化装置として利用されることがある。図1は、このアップドラフト型ガス化炉の一例を示す模式図である。
このようなアップドラフトガス化炉は、バイオマス燃料を上部から投入して徐々に燃焼させて、熱分解ガスを得る。しかしながら、徐々に下方から上方に熱分解工程が進んでいく構造と、燃焼灰を下方へ生じさせる構造によって、非常に細かな内部構造や高精度の内部温度制御が求められる。また、タールやクリンカが発生しやすい構造であるので、品質の高い燃料を使用しなければならない問題がある。
灰分や無機・不純成分の含有の少ない高価で品質の高い燃料を使用しなければならないことは、すなわち、使用態様と供給燃料を選ぶ問題点を有しており、ランニングコストが増加する問題がある。もちろん、燃料供給が十分とならない問題にもつながる。
(問題点2:タールが出やすい問題)
ガス化炉に外部から熱を加えるだけの構成では、炭化が不十分となって、得られる熱分解ガスの一部分がタールなどの不純成分を多く含む問題(ダクトの閉塞・ガスエンジンの故障)がある。タールなどの不純成分を含むような熱分解により、クリンカの発生も生じうる。例えば、図2は、従来技術でのガス化装置の模式図であるが、ガス化炉本体に、燃焼材を投入する複数の管路を備え、ガス化炉本体に対して外部から間接的に熱を与える。
この与えられた熱によって、管路に投入されている燃焼剤がガス化する。
図2では、燃焼炉本体200に、管路210が備わっている。この管路210に燃焼材が投入されており、ガス化炉本体200の外部から熱が加えられる。この外部から加えられる熱によって、管路210に投入されている燃焼材がガス化する。このガス化により、熱分解ガスと炭化物とが得られる。
しかしながら、この構造では、外部からの熱が管路210中の燃焼材に万遍なく付与されにくく、ガス化が不十分となる。ガス化が不十分であることで、得られる熱分解ガスの量、熱量、温度が不十分となり、タールなどの不純成分も含まれやすい。このような熱分解ガスは、発電(ガスエンジン)や発熱に用いにくい。
また、不十分ガス化によって、クリンカも付着しやすい。細い管路210内部でクリンカが付着することによって、管路210が使用不可能になり、メンテナンスが必要となる。燃焼本体路200の外部から熱が加わっても、狭い通路210での熱の伝達と広がりが不十分であり、タールなどの不純成分が多くなりやすい問題がある。
燃焼材の品質を選ぶことも、タールなどの不純成分が多く発生しやすいこと(クリンカの発生も多いこと)は、いずれも、利用のための熱分解ガスを得るに際して好ましくはない。熱分解ガスは、発電や発熱のエネルギーとして利用するが、これらの問題があると、エネルギー効率が悪くなったり、メンテナンスコストが掛かったり、運転稼働期間が短くなったりするからである。
発明者は、従来技術や関連技術などを解析し、燃焼材の品質への依存性を低くしつつ、タールと不純成分の発生しにくい熱分解を実現することが、炭化ガス化装置に必要であると分析した。
(全体概要)
まず、本発明の実施の形態1における炭化ガス化装置の全体概要を説明する。図3は、本発明の実施の形態1における炭化ガス化装置のブロック図である。なお、図の見易さのために、炭化炉2内部の熱管路21は、部分的に省略して図示している。
炭化ガス化装置1は、炭化炉2と燃焼ユニット3と、を備える。炭化炉2は、実際に燃焼材であるバイオマス燃料を炭化ガス化させる。燃焼ユニット3は、この炭化炉2でのバイオマス燃料を炭化ガス化させるのに必要な熱を供給する。このように、炭化ガス化装置1は、実際のバイオマス燃料を炭化ガス化させてガスを得る炭化炉2と、この炭化炉2にガス化のための熱を与える燃焼ユニット3と、の2つの要素を備える。
炭化炉2は、その内部に、複数の熱管路21と、本体部22を有する。複数の熱管路21は、燃焼ユニットで発生される燃焼熱を通す。燃焼ユニット3は、種々の方法で燃焼を行って燃焼熱を発生させる。この燃焼熱は、図3の矢印Aのように、燃焼ユニット3から熱管路21に移動する。熱管路21は、この燃焼熱を、その内部に通し(移動させ)、炭化炉2の本体部22に、この熱を付与する。
本体部22には、バイオマス燃料10が供給される。図3の矢印Bは、本体部22に、バイオマス燃料10が供給される状況を示している。本体部22は、空間を有しており、この空間内部に供給されたバイオマス燃料10を炭化ガス化させる。この炭化ガス化においては、炭化炉2内部の熱管路21から伝わる熱が用いられる。
熱管路21と本体部22とは熱的に接触する。このため、熱管路21からの熱は、本体部2に伝わる。本体部2は、バイオマス燃料10を収容している。熱管路21からの熱は、この本体部2が収容しているバイオマス燃料10に熱を付与する。この熱の付与によって、バイオマス燃料10が炭化ガス化する。
この炭化ガス化によって、熱分解ガスと炭化物が生成される。図3では、炭化炉2から熱分解ガスと炭化物とが生成される状態が示されている。
この熱分解ガスが、熱量を必要とする様々な用途に利用される。
図3のように、炭化炉2は、内部空間23を備える構造である。この内部空間23は、複数の熱管路21と、本体部22を備える。本体部22は、図3のように、内部空間23において熱管路21の残部であると把握されればよい(残部の全てであってもなくてもよい)。この本体部22は、バイオマス燃料10を収容するが、この本体部22に収容されるバイオマス燃料10には、内部空間23の内部に設けられる複数の熱管路21からの熱が、万遍なく加えられる。すなわち、図2の構造と異なる。
バイオマス燃料10は、本体部22内部に広がっている。複数の熱管路21は、内部空間23に設けられているので、バイオマス燃料10の周囲に、万遍なく熱管路21が設けられている状態である。また、熱管路21が複数であることで、熱管路21は、内部空間23の残部である本体部22に、様々な位置、角度で熱を加える。
すなわち、本体部22に収容されているバイオマス燃料10には、周囲から囲まれるように、熱管路21からの熱が付与される。この囲まれるような熱の付与は、収容されているバイオマス燃料10へ、万遍なく熱が付与されることに繋がる。結果として、十分な熱によってバイオマス燃料10が炭化ガス化される。すなわち、不十分な熱分解が生じにくい。
これらの結果、本体部22に収容されるバイオマス燃料10は、高いレベルで熱分解ガス化して、タールなどの不純成分を含まない熱分解ガスを発生させる。また、高い熱分解レベルによって、クリンカの発生も抑制できる。更には、熱分解ガス以外に生成する炭化物も、不純物を含みにくい。従来技術や発明者が解析した問題を解決している。
また、本体部22に、多孔質粒子や触媒粒子を導入しておくことも好適である。この多孔質粒子や触媒粒子により、バイオマス燃料10が炭化ガス化して熱分解ガスを発生させる際に、タールの発生を抑制することができるからである。
次に、各部の詳細について説明する。
(炭化炉)
炭化炉2は、内部空間23を有する筒状の部材である。筒状であることで、内部空間23に含まれる本体部22が、バイオマス燃料10を収容しやすい形態となる。加えて、炭化炉2は、その内部空間23に、複数の熱管路21を備えやすい形態となる。
また、炭化炉2は、回転可能であることも好適である。すなわち、回転ドラムのような形態である。炭化炉2が回転可能であることで、内部空間23(本体部22)に収容されているバイオマス燃料10が、回転運動によりその位置を変えながら熱管路21からの熱を受けることができる。この位置を変えながらの熱を受けることで、バイオマス燃料10の、高いレベルでの熱分解が実現できる。
炭化炉2は、燃焼ユニット3からの熱を受ける。このため、燃焼ユニット3からの熱の移動を受ける移動通路を備えていることも好適である。特に、燃焼熱は、熱管路21に供給される。この熱管路21への燃焼熱を供給する移動通路を備えていることが好適である。
炭化炉2は、内部に複数の熱管路21を備える。炭化炉2が、内部空間23を備えていることで、複数の熱管路21を備えることができる。また、炭化炉2が筒状であることで、内部空間23も筒状となり、複数の熱管路21を備えやすくなる。
加えて、内部空間23に複数の熱管路21を備える場合に、残部が本体部22となって、熱管路21との熱的な接触面積の大きな本体部22を形成できる。このように、筒状の炭化炉2であることで、熱管路21と熱的な接触面積の大きな本体部22が形成でき、熱管路21からの熱を、本体部22に収容されているバイオマス燃料10が万遍なく受けることができるようになる。
(熱管路)
熱管路21は、内部空間23に設けられる。炭化炉2が筒状であることで、その内部空間23に設けられる熱管路21は、筒状(角と丸の形状も可)であることも好適である。熱管路21が筒状の形状を有することで、熱管路21の内部に燃焼熱を移動させやすくなる。加えて、移動する燃焼熱を、熱管路21の外部に伝達・放出しやすくなり、熱管路21が、本体部22のバイオマス燃料10に熱を付与しやすくなる。
また、複数の熱管路21は、炭化炉2の内部空間23に沿う方向軸に設置されることも好適である。図3では、炭化炉2が筒状である。このため、内部空間23も筒状(多角形状も可)である。
この筒状の内部空間23に、複数の熱管路21が設置される。この構造に合わせて、複数の熱管路21が、この筒状の内部空間23に沿って設置されることも好適である。このとき、複数の熱管路21のそれぞれが筒状であることで、大きな内径を有する筒状の炭化炉2の内部空間23に、小さな内径を有する筒状の複数の熱管路21が備わる構成になる。
図3は、このような構成を、炭化炉2の一例として示している。
複数の熱管路21は、炭化炉2の内部空間23に沿う方向軸に沿って設置されるので、燃焼ユニット3から供給される燃焼熱を、この方向軸に沿って移動させる。このとき、内部空間23には、複数の熱管路21が設けられているので、熱管路21と内部空間23(本体部22)とは、広い面積で熱的に接触する。
この状態で、熱管路21内部を、内部空間23に沿った方向軸で燃焼熱が移動することで、広い面積に対して、熱を付与できる。この付与の結果、本体部22が収容するバイオマス燃料10は、高い炭化ガス化レベルで熱分解できる。
図4は、本発明の実施の形態1における炭化炉の断面図である。
炭化炉2は、図3のように筒状であることも好適である。内部空間23も筒状となる。
この構造によって、炭化炉2の断面は、図4のような形状を有する。
複数の熱管路21は、内部空間23に設けられる。図4では、内部空間23の外縁(内壁)に複数の熱管路21が設けられる。内部空間23において、複数の熱管路21が設けられた残部が、本体部22となる。この結果、図4のように、本体部22を囲むように、複数の熱管路21が設けられる構造となる。
炭化炉2は、熱供給路25を備えることも好適である。熱供給路25は、燃焼ユニット3からの燃焼熱を、炭化炉2に供給する。この熱供給路25は、炭化炉2が備える熱管路21に、燃焼熱を供給する。併せて、熱供給路25が、炭化炉2の外周(内部空間23の外周)にも設けられる場合には、熱供給路25は、内部空間23に外周から熱を加える。図4は、この内部空間23の外周にも、熱供給路25が設けられている状態を示している。
熱供給路25は、複数の熱管路21に、上述のように熱を供給する。この熱供給により、複数の熱管路21は、その内部で熱を移動させる。この熱移動に伴って、熱管路21は、内部空間23に熱を付与する。
このように、内部空間23の外周に設けられる熱供給路25と複数の熱管路21とは、内部空間23、すなわち本体部22に熱を供給できる。この熱の付与によって、本体部22に収容されるバイオマス燃料10には、万遍なく熱が付与されて、高い炭化ガス化レベルで熱分解できる。
また、複数の熱管路21の少なくとも一部は、内部空間23と連通する複数の連通路24を備えることも好適である。図4では、複数の熱管路21が、連通路24を備えている態様が示されている。
連通路24は、熱管路21と内部空間23(本体部22)とを連通する。この連通路24の連通によって、熱管路21の内部を移動する熱が、本体部22に供給される。本体部22には、このように、連通路24から、直接的に熱が供給される。
すなわち、本体部22に収容されているバイオマス燃料10には、内部空間23の外周に設けられた熱供給路25、熱管路21を移動する熱から伝導する熱、連通路24から漏れる熱、のそれぞれが付与される。結果として、本体部22に収容されるバイオマス燃料10には、様々な方向および位置から、万遍なく熱が付与される。この熱の付与の結果、バイオマス燃料10は、高い炭化ガス化レベルで熱分解できる。
図4中の矢印は、熱供給路25での熱移動、および連通路24からの熱供給を示している。また、図4は、断面図であるが、図3のような側面方向から見る場合には、熱管路21内部を、熱が移動する。
連通路24は、熱管路21に沿って、単数のスリット状のものとして設けられてもよい。あるいは、複数の熱管路21のそれぞれに設けられる貫通孔でもよい。いずれの形態であっても、熱管路21を移動する熱が、連通路24を通じて本体部22に放射されるからである。
また、熱管路21のそれぞれに、複数の連通路24が設けられる場合には、炭化炉2の根元から先端(一方の端部から他方の端部)に行くにつれて、その単位面積当たりの開口量を大きくすることも好適である。例えば、図3で左側が、炭化炉2の根元であり、右側が、炭化炉2の先端である。このとき、根元から先端に向かうにつれて、熱管路21の単位面積あたりの開口量を大きくする。
例えば、先端では、熱管路21の単位面積あたりに設けられる連通路24の個数が多くされる。あるいは、連通路24の大きさが大きくされる。これらの結果、バイオマス燃料10がガス化を進める先端ほど、バイオマス燃料10に付与される温度が高くなる。温度が高くなっていくことで、炭化ガス化の効率が上がる。特に、熱分解効率とガス化レベルが上がることで、クリンカの発生を抑えることができる。
加えて、炭化ガス化レベルが高く、熱分解度合いがよくなり、生成される熱分解ガスは、タールなどの不純成分を含みにくくなる。不純成分の少ない熱分解ガスを、様々な用途の利用に供することができる。
以上のように、複数の熱管路21は、熱管路21内部を移動する燃焼熱および連通路24から漏れる燃焼熱を、本体部22に収容されるバイオマス燃料10に効率よくかつ万遍なく付与できる。この付与によって、本体部22に収容されるバイオマス燃料10は、万遍なく熱分解できる。
また、複数の熱管路21の少なくとも一部は、炭化炉2と独立して回転可能であることも好適である。熱管路21が回転可能であることで、熱管路21を移動する燃焼熱の、バイオマス燃料10への付与がより効率よくなるからである。加えて、連通路24が回転に合わせて位置を変えて、バイオマス燃料10への付与が、より効率よくなるからである。
炭化炉2が回転することによって、本体部22に収容されるバイオマス燃料10が、内部で位置や向きを変えるので、この点でも炭化ガス化効率が高まる。これと同様に、熱管路21が回転することでも、バイオマス燃料10が、本体部22内部で撹拌される。この撹拌も相まって、バイオマス燃料10の炭化ガス化の効率やレベルが向上する。
図5は、本発明の実施の形態1における炭化炉の断面図である。
図5に示されるように、炭化炉2の内部空間23には、外周熱管路21Aと、内部熱管路21Bとが設けられてもよい。外周熱管路21Aは、内部空間23の内壁にそって設けられる。内部熱管路21Bは、内部空間23の中央付近に沿って設けられる。
炭化炉2が、図5のように、外周熱管路21Aと内部熱管路21Bとを備える構成であることで、内部空間23の残部である本体部22は、より複雑な形状となる。この複雑な形状の本体部22に、バイオマス燃料10が収容される状態となる。バイオマス燃料10は、図5のように、外部熱管路21Aと内部熱管路21Bとの間や、内部空間23の外周と外部熱管路21Aとの間など、さまざまな場所に位置するようになる。
特に、炭化炉2が回転する場合には、これらの様々な場所に位置しつつ場所を変えながら、撹拌されることになる。この様々な場所において、外周熱管路21Aや内部熱管路21Bのそれぞれから熱を受ける。
これらのように、本体部22において様々な場所にその位置を変えながら様々な方向から熱を加えられることで、より効率およびレベルの高い炭化ガス化を受ける。結果として、クリンカの発生やタールなどの不純成分を抑えつつ、利用に好適な熱分解ガスを得ることができる。
また、図5の炭化炉2に図4の炭化炉2を加えた構造を有することも好適である。すなわち、炭化炉2は、外周の熱供給路25を有しつつ、内部空間23に外周熱管路21Aと内部熱管路21Bが備わっている。このような構成を有することで、本体部22に収容されるバイオマス燃料10には、効率よく熱が付与されて、高い効率での炭化ガス化が実現できる。
(出力部と排出部)
図6は、本発明の実施の形態1における炭化ガス化装置の模式図である。
炭化ガス化装置1は、炭化炉2で炭化ガス化されたバイオマス燃料10からの熱分解ガスを出力するガス出力部27を更に備える。また、炭化ガス化されたバイオマス燃料10から生成される炭化物を排出する炭化物排出部28を更に備える。図6は、この構成を示している。
熱分解ガスは、ガス出力部27から出力されて、種々の用途に利用される。熱分解ガスは、熱量を有しており、この熱量を利用する用途に、好適に利用できるからである。上述したように、炭化炉2では、熱管路21の機能と、熱管路21と本体部22との構造関係によって、バイオマス燃料10が高い炭化ガス化レベルで熱分解する。
この炭化ガス化によって、タールなどの不純成分の少ない熱分解ガスが生成され、ガス出力部27は、これを出力する。ガス出力部27は、必要に応じて、熱分解ガスを利用する機器に接続されており、この機器に熱分解ガスを供給する。
例えば、熱分解ガスは、電力生成および温水と蒸気生成の少なくとも一つに利用される。
バイオマス燃料10は、炭化ガス化によって、炭化物も生成する。炭化物排出部28は、この炭化物を排出する。排出される炭化物は、不要物として廃棄されてもよいし、別途の用途に利用されてもよい。例えば、図6の矢印Cのように、炭化物は、燃焼ユニット3での燃焼材として利用されてもよい。
炭化物排出部28は、炭化炉2から燃焼ユニット3に接続されており、炭化炉2で発生する炭化物を、燃焼ユニット3に供給できる。燃焼ユニット3は、種々の燃焼材を用いて燃焼熱を生成し、炭化炉2にこの燃焼熱を供給する。このとき、炭化物を燃焼材として利用することで、エネルギー効率やコスト効率を高めることができる。
以上のように、実施の形態1における炭化ガス化装置1は、高い効率でバイオマス燃料を炭化ガス化し、タールなどの不純成分の少ない熱分解ガスを生成することができる。
なお、バイオマス燃料10として、木質チップ、竹質チップ、農業系バイオマス廃棄物(固形物の燃料が対象で熱分解ガス)、RPF(プラスチック系固形燃料)の少なくとも一つが使用される。これらは入手が容易であると共に、環境負荷も低いからである。
また、バイオマス燃料10、燃料の種類や品質を厳密に選ぶ必要が少ない。結果としてコストも低くできる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。図7は、本発明の実施の形態2における炭化炉2とその周辺の模式図である。図3,4などで説明したものと同様の部分や要素については、符号や説明を省略する。
炭化炉2は、本体部22と熱管路21とを備える。この本体部22に供給されるバイオマス燃料10を炭化ガス化させる。ここで、炭化炉2は、図7のように、燃料供給部5を更に備えることも好適である。
燃料供給部5は、バイオマス燃料10を、本体部22の内部に供給する。バイオマス燃料10は、上述したような種類の燃料である。燃料供給部5から連続的にバイオマス燃料10が供給されることで、炭化炉2は、熱分解ガスを連続的に生成できる。実施の形態1、2で説明したように、炭化炉2には、燃焼ユニット3からの燃焼熱が供給されるので、本体部22に供給されたバイオマス燃料10は、この燃焼熱によって、炭化ガス化される。このとき、熱管路21による燃焼熱の付与は、実施の形態1で説明した通りである。
また、供給されるバイオマス燃料10を撹拌、粉砕する回転装置6および羽根車7を備えることも好適である。これらの要素を備えることで、バイオマス燃料10は、燃料供給部5から供給されながら、撹拌や細かくされて、本体部22に供給される。結果として、炭化炉2でのバイオマス燃料10の炭化効率やガス化レベルが高まり、不純成分の少ない熱分解ガスを得ることができる。加えて、クリンカの発生も抑制できる。
また、図7に示されるように、炭化炉2の出口付近にタール分解領域50が設けられることも好適である。タール分解領域50は、900℃以上の高温領域である。炭化炉2の出口付近であることで、高温になり、このような900℃以上の領域となる。
加えて、このタール分解領域50では、旋回撹拌が行われる。この旋回撹拌が高温であることに加わって、タールの発生が抑制される。このように、炭化炉2の出口付近を高温かつ撹拌される状態としてタール分解領域50が形成できる。このタール分解領域50は、この高温と撹拌によって、熱分解ガスからタール成分を除去しやすくなり、生成される熱分解ガスのタール成分が、更に減少する。
なお、タール分解領域50を生成するために、(1)この領域に酸素を供給して、900℃以上の高温燃焼を行う、(2)旋回撹拌が生じる気流によって酸素を供給する、との条件を満たせばよい。
(電熱生成システム)
図8は、本発明の実施の形態2における電熱生成システムのブロック図である。電熱生成システム500は、実施の形態1、2で説明された炭化ガス化装置1を用いて、電力生成や温水・蒸気生成などを行う。
炭化炉2と燃焼ユニット3は、実施の形態1で説明した通りの関係を有し、図8のような関係性を有している。すなわち、燃焼ユニット3は、燃焼熱を発生し、この燃焼熱を炭化炉2に供給できる。
炭化炉2には、図7を用いて説明したように、燃料供給部5を備えており、この燃料供給部5から供給されるバイオマス燃料10を、燃焼ユニット3からの燃焼熱で炭化ガス化させる。この炭化ガス化により、熱分解ガスと炭化物を生成する。
炭化炉2は、熱分解ガスを出力する。発電装置8と温水生成装置9が、この熱分解ガスを利用する。このため、炭化炉2は、発電装置8と温水生成装置9に、熱分解ガスを出力する。
一方、炭化炉2は、発生させた炭化物を、燃焼ユニット3に供給する。燃焼ユニット3は、この供給される炭化物を、燃焼材の一つとして使用する。すなわち、炭化物を供給する供給手段が備わっている。
発電装置8は、熱分解ガスを用いて電力を生成する。例えば、ガスエンジンを用いる発電装置8であれば、熱分解ガスをガスエンジンに供給することで、発電装置8は、電力を生成できる。ガスエンジンは、熱量を有する熱分解ガスを用いて、往復動機関を回転させるなどして電力を生成できる。
このような発電装置8に、炭化ガス化装置1から熱分解ガスが供給されることで、発電装置8は、電力を生成できる。実施の形態1で説明したように、炭化ガス化装置1は、シンプルで小型にすることができるので、電熱生成システム500も小型にすることができる。また発電装置8が、設置されている場所に合わせて炭化ガス化装置1を設置できるので、様々な場所で、電熱生成システム500を実現できる。
同様に、温水生成装置9は、熱分解ガスを用いて温水を生成できる。生成された温水は、種々の目的に使用できる。熱分解ガスは熱量を有しており、この熱量が、冷水を温水にできるからである。この場合も、シンプルで小型にできる炭化ガス化装置1により、様々な場所において実現できる。
ここで、実施の形態1で説明したように、炭化ガス化装置1は、タールなどの不純成分を含みにくい熱分解ガスを供給できる。このため、発電装置8や温水生成装置9の動作がより確実になる。また、生成能力も高まり、メンテナンスも容易となる。
加えて、炭化ガス化装置1は、クリンカの発生も抑えることができるので、稼働期間を長くしつつ、メンテナンス期間を短くできる。結果として、電熱生成システム500の稼働期間を長くすることもできる。
このように、実施の形態3における電熱生成システム500は、メンテナンスが容易で、長い稼働期間での動作を実現できる。
また、図9のように、発電装置8が、電力と温水を生成する構成でもよい。図9は、本発明の実施の形態2における電熱生成システムのブロック図である。図8の場合と異なり、発電装置8のみが設けられている。炭化ガス化装置1から出力される熱分解ガスは、この発電装置8に出力される。
発電装置8は、電力を生成し、この生成の際に冷却水を使用する。この冷却水は、冷却の過程で温められて温水になる。この冷水が温められて生じる温水が、温水として提供される。
以上、実施の形態1〜2で説明された燃焼装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 炭化ガス化装置
2 炭化炉
21 熱管路
22 本体部
23 内部空間
24 連通路
25 熱供給路
27 熱分解ガス出力部
28 炭化物排出部
3 燃焼ユニット
5 燃料供給部
6 回転装置(燃料供給)
7 スクリュー羽根
8 発電装置
9 温水生成装置
10 バイオマス燃料

Claims (15)

  1. 炭化炉と、
    前記炭化炉に外部から燃焼熱を加える燃焼ユニットと、を備え、
    前記炭化炉内部は、
    前記燃焼熱を通す複数の熱管路と、
    前記熱管路からの熱を受けて加熱されるバイオマス燃料を収容する本体部と、を有し、
    前記熱管路からの熱が、前記本体部に収容されている前記バイオマス燃料を炭化ガス化させ、
    前記炭化ガス化によって、熱分解ガスおよび炭化物が生成される、炭化ガス化装置。
  2. 前記炭化炉は、内部空間を有する筒状であって、
    前記複数の熱管路は、前記内部空間に設置される筒状である、請求項1記載の炭化ガス化装置。
  3. 前記複数の熱管路は、前記炭化炉の前記内部空間に沿う方向軸で設置され、
    前記複数の熱管路のそれぞれは、前記方向軸に沿って、前記燃焼熱を通す、請求項2記載の炭化ガス化装置。
  4. 前記複数の熱管路の少なくとも一部は、前記内部空間と連通する複数の連通路を備える、請求項2または3記載の炭化ガス化装置。
  5. 前記複数の連通路は、前記炭化炉の根元から先端に行くにつれて、単位面積当たりの開口量を大きくする、請求項4記載の炭化ガス化装置。
  6. 前記本体部は、前記炭化炉の前記内部空間における前記複数の熱管路の残部である、請求項2から5のいずれか記載の炭化ガス化装置。
  7. 前記複数の熱管路は、前記熱管路内部を移動する前記燃焼熱および前記連通路から漏れる前記燃焼熱を、前記本体部に収容されるバイオマス燃料に加える、請求項4から6のいずれか記載の炭化ガス化装置。
  8. 前記複数の熱管路は、前記内部空間の内壁に沿って設けられる、外周熱管路と、前記内部空間の中央付近に沿って設けられる内部熱管路と、を有する、請求項2から7のいずれか記載の炭化ガス化装置。
  9. 前記炭化炉は、回転可能である、請求項1から8のいずれか記載の炭化ガス化装置。
  10. 前記複数の熱管路の少なくとも一部は、前記炭化炉と独立して回転可能である、請求項1から9のいずれか記載の炭化ガス化装置。
  11. 前記炭化炉で炭化ガス化された前記バイオマス燃料からの熱分解ガスを出力する熱分解ガス出力部と、炭化物を排出する炭化物排出部と、を、更に備える、請求項1から10のいずれか記載の炭化ガス化装置。
  12. 前記熱分解ガスは、電力生成および温水生成の少なくとも一部に使用される、請求項11記載の炭化ガス化装置。
  13. 前記炭化物排出部から排出される前記炭化物は、前記燃焼ユニットで使用される前記燃焼材に再利用される、請求項12記載の炭化ガス化装置。
  14. 前記炭化ガス化装置および前記燃焼ユニットは、水平面に対して下向きの傾斜を有する、請求項1から13のいずれか記載の炭化ガス化装置。
  15. 請求項12から14のいずれか記載の炭化ガス化装置と、
    前記ガス出力部から出力される熱分解ガスを用いて発電する発電装置と、 前記熱分解ガスを用いて温水を生成する温水生成装置と、
    前記炭化物排出部から排出される炭化物を、前記本体筒に供給する供給手段と、を備える、電熱生成システム。
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