JP2017214313A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents
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(A)平均粒径1μm以上30μm以下の親水性有機球状粉末
(B)グリセリン及びポリグリセリンから選択されるグリセリン類(b)を含有する多価アルコール
(C)重合度700以上3500以下の高重合シリコーン(c1)を含有するシリコーン油
を含有する水中油型乳化組成物であって、
前記水中油型乳化組成物中、
成分(A)の含有量が0.08質量%以上1.2質量%以下であり、
成分(b)の含有量が8質量%以上30質量%以下であり、
成分(c1)の含有量が0.01質量%以上0.4質量%以下であり、
前記成分(B)総量に対する、成分(b)の含有質量比〔(b)/(B)〕が0.78以上であり、かつ、
油剤総量に対する成分(C)の含有質量比〔(C)/油剤総量〕が0.45以上0.9以下である、
水中油型乳化組成物を提供するものである。
本発明の水中油型乳化組成物は、成分(A)として、親水性有機球状粉末を含有する。なお、本発明における親水性とは以下の親水性評価法により、親水性を有すると判断されるものである。
10mLバイアル瓶に純水5mLを入れ、そこに粉末を0.5g添加する。その後、試験管ミキサー(TTM-1、柴田科学社製)にて、2000rpmで、10秒間攪拌する。攪拌直後、水中に粉末が分散しているものを親水性があると評価する。逆に水に粉末の凝集物が浮いているものは水中に粉末が分散していないと判断されるので、親水性がないと評価される。
本発明の水中油型乳化組成物は、成分(B)として、グリセリン及びポリグリセリンから選ばれる1種又は2種以上のグリセリン類(以下、前記グリセリン類を成分(b)と記す)を含有する多価アルコールを含む。
が挙げられる。
成分(C)は、重合度700以上3500以下の高重合シリコーン(以下、前記高重合シリコーンを成分(c1)と記す)を含有するシリコーン油である。成分(c1)の高重合シリコーンの好適な例としては、下記一般式(1)で表されるものが挙げられ、これらを1種又は2種以上含有することができる。
なお、本発明においてシリコーン油とは、水への溶解度(1013.25hPa、20℃)が2g/100g H2O未満の物質をいい、水への溶解性の高いシリコーンは含まないものとする。
また、予め高重合シリコーンを希釈した市販品を利用してもよく、例えば、高重合メチルポリシロキサンと、シクロペンタシロキサン、ジメチコン等を希釈オイルとするジメチコンガムベースのオイルブレンド品である、KF-9008、KF-9011、KF-9013、KF-9014、KF-9028、KF-9030、MK-15H、X-21-5495等(以上、信越化学工業社製)、BY11-003、BY11-007、BY11-014、BY11-026、BY11-040、BY22-019、BY22-020、BY22-034、BY22-055、BY22-060等(以上、東レ、ダウコーニング社製)、XF49-601、XF49-A3818、XF49-B7082、XF49-B8072等(モメンティブ、パフォーマンス、マテリアルズ、ジャパン社製)が挙げられる。また、高重合ジメチコノールと、シクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等を希釈オイルとするジメチコノールガムベースのオイルブレンド品である、1501 Fluid、1503 Fluid等(以上、東レ、ダウコーニング社製)、X-21-5613、X-21-5666、X-21-5849等(以上、信越化学工業社製)が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物中における水の含有量は、良好な保存安定性、保湿感、肌収まりの良さを向上させる観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
本発明の水中油型乳化組成物には、さっぱりとした使用感に調整し、成分(A)の分散性を向上させる観点から、更に成分(D)としてエタノールを含有することができる。水中油型乳化組成物中における成分(D)の含有量は、優れた保湿感、後肌の滑らかさを同時に満たす観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
本発明の水中油型乳化組成物には、塗り心地を調整する観点から、更に成分(E)として高級アルコールを含有することができる。高級アルコールとしては、厚みのある塗り心地とし、肌収まりの良さを向上させる観点から、高級アルコールを構成するアルキル基の炭素数は、好ましくは12以上であり、より好ましくは14以上であり、更に好ましくは16以上であり、また、好ましくは26以下であり、より好ましくは24以下である脂肪族アルコールである。また、同様の観点から、好ましくは直鎖の脂肪族アルコールである。
本発明の水中油型乳化組成物には、成分(c1)を溶解又は分散させ、製造のしやすさを向上するため、更に成分(C)及び(E)以外の油剤を含有させることができる。成分(C)及び(E)以外の油剤としては、通常化粧料に用いられる油性成分が挙げられ、具体的にはエステル油、炭化水素油、フッ素油等が挙げられる。なお、油剤とは、水への溶解度(1013.25hPa、20℃)が2g/100g H2O未満の物質である。
本発明の水中油型乳化組成物には、更に水溶性高分子を含有することができる。このような高分子としては水溶性高分子が好ましく、水溶性高分子としては、水溶性のカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン性高分子、両性高分子又は双極性高分子等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物には、保存安定性及び製造時の分散性を良好にし、製造時の取り扱いやすさを向上するため、更に界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等、公知のものが使用できる。皮膚刺激性、べたつきを低減し、皮膚上での伸びの良さを向上させる観点から、非イオン界面活性剤が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物には、上記成分のほかに、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、植物エキス、ビタミン類、酸化防止剤、防菌防腐剤、消炎剤、昆虫忌避剤、生理活性成分、制汗剤、塩類、キレート剤、中和剤、pH調整剤、香料等の通常化粧料に用いられる各種の原料を含有することができる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途として転用、例えば、制汗剤を香料として使用したり、他の用途との兼用、例えば、制汗剤と香料としての効果を奏するものとして使用したりすることができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、形態に応じて所定の手順により製造することができる。例えば、本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は、成分(A)〜(C)及び水、並びに必要により成分(D)、成分(E)及びその他の任意成分を共に混合する工程を含んでもよい。
成分(C)及び必要によりその他の油溶性の任意成分を含有する油相を加熱し、攪拌する工程2と、
工程1の調製物と工程2の調製物を加熱下で混合して、乳化させる工程3と、
成分(A)及び必要により成分(D)及びその他の任意成分を含有する粉体相を攪拌する工程4と、
工程3の調製物に、工程4の調製物を混合する工程5を含んでいてもよい。
工程5において、工程3の調製物に、工程4の調製物を混合するのは、乳化安定性を維持する観点から、工程3の調製物を所定の温度まで冷却した後が好ましい。当該温度としては、前記の観点から、50℃未満が好ましく、35℃以上45℃以下がより好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物の用途としては、化粧料、医薬部外品、医薬品等に特に制限なく用いることができるが、肌収まりが良く、保湿感、後肌の滑らかさに優れる点から、皮膚化粧料として好適に利用でき、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。具体的にはシャンプー、リンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料、洗顔料、クレンジング化粧料、ローション、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料として好適に利用できる。これらのうち、乳液、クリーム、美容液等のスキンケア化粧料として適用するのが好ましい。
表1〜4に示す水中油型乳化組成物(乳液)を調製し、各種評価を行った。
1.P相を混合し、80℃に加熱しながら攪拌して十分に溶解させる。
2.Q相を混合し、80℃に加熱しながら攪拌する。
3.R相を混合し、室温(25℃)で攪拌する。
4.S相を混合し、室温(25℃)で攪拌する。
5.80℃の加熱下、工程1の調製物に工程2の調製物を添加し、ホモミキサーで分散(乳化)させる。
6.工程5の調製物を40℃まで自然冷却させ、工程3及び工程4の調製物を添加し、更にホモミキサーで分散する。
7.工程6の調製物を30℃まで自然冷却する。
(保存安定性;50℃、1ヶ月)
各表に記載の水中油型乳化組成物を100mLガラス瓶に80mL入れて密封し、50℃の恒温槽にて1ヶ月保存した。調製直後の状態を基準として、1ヶ月後の試料の外観を観察し、目視により以下の基準に従って評価した。
〔評価基準〕
○:問題なし(変化なし)
△:極めて軽微な分離が見られる
×:分離、離油、離水が見られる
−:調製直後の状態で、分離、離油、離水が見られる
各表に記載の水中油型乳化組成物を100mLガラス瓶に80mL入れて密封し、-20℃の恒温槽にて1ヶ月保存した。調製直後の状態を基準として、1ヶ月後の試料の外観を観察し、目視により以下の基準に従って評価した。
〔評価基準〕
○:問題なし(変化なし)
△:極めて軽微な過剰固化が見られる
×:過剰固化が見られる
−:調製直後の状態で、分離、離油、離水が見られる
専門パネラー10名の上腕部に各試料を一定量(1mL)上腕部内側に塗布し、手全体で被塗布部に試料を塗り広げ、手の滑りが重くなるまで、じっくりていねいになじませる。その後、「肌収まり」、「保湿感」及び「後肌の滑らかさ」についてアンケート評価を行った。各アンケート項目につき、非常に効果が優れる場合を5点、非常に効果が悪い場合を1点として、5段階評価により官能評価を実施した。評価は、その平均点(小数点以下第1位を四捨五入)を表した。各表にその平均点数を示す。
※2:XF49-B8072(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製;ジメチコン100万csが35%、残分は500cs以下のジメチコン)
※3:KF-96A-6cs(信越化学工業社製)
※4:KF-96A-100cs(信越化学工業社製)
※5:TMF-1.5(信越化学工業社製)
※6:セピゲル305(セピック社製)
※7:ライストリエノール(築野ライスファインケミカル社製)
※8:プラスチック粉末D-800(東色ピグメント社製)
※9:プラスチック粉末D-400(東色ピグメント社製)
※10:CELLULOBEADS D-10(大東化成工業社製)
※11:トスパール3000A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
※12:コスメシリカ CQ10(富士シリシア化学社製)
※13:アラリアン(バイオテックマリン社製)
※14:KF-96H-100000cs(信越化学工業社製)
ベルガモットオイル(天然香料) 2.0
リナリールアセテート 1.5
メチルアンスラニレート 0.2
ペチグレインオイル(天然香料) 0.5
オーランチオール 10%DPG(別名:ヒドロキシシトロネラールとメチルアンスラニレートとのシッフ塩基) 1.0
アミルアリルグリコレート 1%DPG 0.5
ガルバナムオイル 1%DPG(天然香料) 0.1
ブラックカラントバズアブソリュート 10%DPG(天然香料) 1.5
タジェットオイル 10%DPG(天然香料) 0.8
イランイランオイルエキストラ(天然香料) 2.0
ベンジールアセテート 5.0
メチルジヒドロジャスモネート 13.0
シスジャスモン 10%DPG 1.0
ジャスミンアブソリュート(天然香料) 0.5
インドール 5%DPG 0.5
アルファヘキシルシンナミックアルデヒド 1.5
L-シトロネロール 0.5
ローズオイル(天然香料) 0.5
ローズアブソリュート(天然香料) 0.5
ダマセノン 1%DPG 0.5
L-ローズオキサイド 1%DPG 0.5
ジメチルベンジルカーボニルアセテート 1.0
ヒドロキシシトロネラール 3.0
リラール(別名:4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カーボキシアルデヒド) 3.5
シクラメンアルデヒド(別名:2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)-プロパナール) 0.5
アルファイソメチルヨノン(別名:5-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセニル)-3-メチル-3-ブテン-2-オン) 4.0
オリスコンクリート 10%DPG(天然香料) 0.8
メチルオイゲノール 0.5
イソEスーパー(別名:7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタハイドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン) 2.5
ベルトフィックスクール(別名:4-アセチル-トリメチル-6,8α-エタノ-1,2,3,5,6,7,8,8α-オクタヒドロナフタレノン) 4.0
ベチバーアセテート 2.0
サンダルウッドオイル(天然香料) 1.5
バグダノール 10%DPG(別名:2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール) 1.0
パチュリーオイル 10%DPG(天然香料) 0.2
エベルニール 10%DPG(別名:メチル-2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート) 1.5
ガラクソリッド 50%ベンジールベンゾエート(別名:4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン) 10.0
シクロペンタデカノリッド 4.0
ヘリオトロピン 0.5
クマリン 0.5
バニリン 10%DPG 0.5
エチルバニリン 10%DPG 2.5
ラズベリーケトン 10%DPG(別名:4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン) 0.5
ガンマウンデカラクトン 10%DPG 1.5
ガンマデカラクトン 10%DPG 1.5
ラブダナム アブソリュート 10%DPG(天然香料) 0.5
ジプロピレングリコール 残 量
Claims (4)
- 下記成分(A)〜(C);
(A)平均粒径1μm以上30μm以下の親水性有機球状粉末
(B)グリセリン及びポリグリセリンから選択されるグリセリン類(b)を含有する多価アルコール
(C)重合度700以上3500以下の高重合シリコーン(c1)を含有するシリコーン油
を含有する水中油型乳化組成物であって、
前記水中油型乳化組成物中、
成分(A)の含有量が0.08質量%以上1.2質量%以下であり、
成分(b)の含有量が8質量%以上30質量%以下であり、
成分(c1)の含有量が0.01質量%以上0.4質量%以下であり、
前記成分(B)総量に対する、成分(b)の含有質量比〔(b)/(B)〕が0.78以上であり、かつ、
油剤総量に対する成分(C)の含有質量比〔(C)/油剤総量〕が0.45以上0.9以下である、
水中油型乳化組成物。 - 成分(A)に対する成分(b)の含有質量比が、10以上300以下である請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(A)に対する成分(c1)の含有質量比〔(c1)/(A)〕が、0.02以上1以下である請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。
- 更に成分(D)として、エタノールを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
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JP2015117209A (ja) * | 2013-12-19 | 2015-06-25 | 花王株式会社 | 水中油型乳化組成物 |
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