JP2017213819A - 繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形型に複数の強化繊維シートをセットする際の位置決めが容易であり、生産コストを低減できる繊維強化複合材料の製造方法を提供すること。【解決手段】維強化複合材料の製造方法であって、上型52と該上型に対向する下型54とを備える成形型51において、前記下型に設けられたピン状部材56を複数の強化繊維シート12−1〜12−nの所定位置に貫通させて、前記下型に前記複数の強化繊維シートを積層状態で配置する位置決め工程と、前記成形型によって前記複数の強化繊維シートの積層体10を賦形して該積層体に樹脂を含浸させる賦形工程とを含む維強化複合材料の製造方法。【選択図】図4

Description

本発明は、繊維強化複合材料の製造方法に関し、特に、複数の強化繊維シートを積層した積層体に、樹脂を含浸させることによって得られる繊維強化複合材料の製造方法に関する。
近年、繊維強化複合材料の製造方法として、レジントランスファモールディング(RTM)法や、反応射出成形(RIM)法が用いられている。これらの方法では、複数の強化繊維シート(基材)を積層した積層体を金型内にセットし、型締めした後、未硬化の樹脂を注入し、積層体に含浸させて硬化させている。この方法によれば、樹脂が含浸されていないドライ基材からなる積層体を賦形するため、比較的複雑な形状の成形品を製造することが可能である。
一方、樹脂を含浸させる前のドライ基材からなる積層体は、搬送中に積層された強化繊維シートがバラバラになるなど、取扱性が悪い。そのため、通常、樹脂を含浸させる本賦形の前に、予備賦形(プリフォーム)工程を設定し、その後、本賦形用の金型にセットして、樹脂を含浸させている。
予備賦形工程では、予備賦形用の金型(予備賦形型)に一枚の強化繊維シートをセットし、その表面にパウダー状の固着材を散布し、その上に次の強化繊維シートを積層する。これらを順次繰り返して強化繊維シートの積層体を形成し、その後、予備賦形型によって型締めを行う。これにより、強化繊維シートどうしを固着するとともに、その後の本賦形に適した形状に予備賦形されたプリフォーム体を形成している。該プリフォーム体を本賦形用の金型(成形型)にセットすることにより、位置決めを容易にし、本賦形時の位置ずれを防止している。
特開2008−179130号公報
しかし、このような予備賦形工程を設定すると、予備賦形型や、予備賦形用のプレス装置が必要となるとともに、工数が増加し、生産コストの増加の原因となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の強化繊維シートを積層した積層体に、樹脂を含浸させることによって得られる繊維強化複合材料において、成形型に複数の強化繊維シートをセットする際の位置決めが容易であり、生産コストを低減することができる繊維強化複合材料の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の繊維強化複合材料の製造方法は、上型と該上型に対向する下型とを備える成形型において、前記下型に設けられたピン状部材を複数の強化繊維シートの所定位置に貫通させて、前記下型に前記複数の強化繊維シートを積層状態で配置する位置決め工程と、前記成形型によって前記複数の強化繊維シートの積層体を賦形して該積層体に樹脂を含浸させる賦形工程とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、成形型の位置決め工程において、下型のピン状部材を複数の強化繊維シート(すなわち、ドライ基材)の所定位置に貫通させることにより、複数の強化繊維シートを下型にセットする際の位置決めを容易に行うことができる。また、ピン状部材によって強化繊維シートの成形型内の位置ずれを防止することができる。また、この成形型によって、複数の強化繊維シートの積層体を賦形して、樹脂を含浸させる本賦形を行うことができるので、予備賦形型や予備賦形用のプレス装置を不要とすることができ、工数を削減して生産コストを低減することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の繊維強化複合材料の製造方法において、前記位置決め工程は、前記複数の強化繊維シートを積層してなる強化繊維シート積層体の所定位置に形成された厚さ方向に貫通する孔に、前記ピン状部材を挿入することによって位置決めすることを特徴とする。
この構成によれば、強化繊維シート積層体に形成された孔にピン状部材を挿入する簡易な作業で成形型内の位置決めを行うことができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の繊維強化複合材料の製造方法において、前記複数の強化繊維シートは、前記孔の周縁部において、接着剤によって互いに接合されていることを特徴とする。
この構成によれば、位置決め用のピン状部材が挿入される孔の周縁部において、複数の強化繊維シートが互いに接合されているので、位置決めの際のシート間のずれを防止できる。また、位置決め用の孔から離れた部分の強化繊維シートを接合されていないフリーな状態にして、賦形の際の皺や撚れの発生を防止することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法において、前記ピン状部材は、前記賦形工程において、前記上型の前記下型に対する接近移動に伴って前記成形型の内部空間から退避した退避位置に移動することを特徴とする。
この構成によれば、賦形工程においてピン状部材が退避位置に移動するため、ピン状部材によって積層体に対する樹脂の含浸が阻害されることがない。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法において、前記下型は、前記積層体の非配置位置に設けられて前記ピン状部材と連動して進退移動可能な当接部を備え、前記賦形工程において、前記上型によって前記当接部が押圧されることで、前記ピン状部材が退避位置へ移動することを特徴とする。
この構成によれば、下型に対する上型の相対移動に伴って、当接部を介してピン状部材を突出位置や退避位置に移動させることができるので、簡易な構造でピン状部材を賦形に適したタイミングで移動させることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法において、前記ピン状部材は、前記成形型から成形品を離型させるエジェクタピンを構成することを特徴とする。
この構成によれば、成形品を離型させるエジェクタピンを位置決め用のピンとして利用することができるので、成形型の部材コストを抑えることができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の繊維強化複合材料の製造方法において、前記エジェクタピンは、有底の筒状である外側エジェクタピンと、該外側エジェクタピンの内部に挿入される内側エジェクタピンと有し、前記ピン状部材は、前記内側エジェクタピンを構成し、前記外側エジェクタピンは、前記位置決め工程において、前記積層体を支持することを特徴とする。
この構成によれば、内側エジェクタピンによって位置決めができるとともに、外側エジェクタピンによる支持作用により、位置決めされている部分が他の部分よりも後に下型の載置面に接触するように、強化繊維シートの積層体を載置面にソフトに載置させることができる。これにより、積層体に発生する皺や撚れを位置決め部分から離れたフリーな部分へ引き伸ばすことができ、積層体に皺や撚れが発生するのを効果的に防止することができる。
本発明に係る繊維強化複合材料の製造方法によれば、本賦形を行う成形型に強化繊維シートの積層体をセットする際の位置決めが容易であり、また、予備賦形型や予備賦形用のプレス装置を不要とすることができるので、生産コストを低減することができる。
繊維強化複合材料の中間製品である積層体を示す斜視図。 金型の断面図。 図2の破線IIIで示す領域の拡大断面図。 繊維強化複合材料の製造工程を説明する図。 繊維強化複合材料の製造工程を説明する図。 繊維強化複合材料の製造工程を説明する図。 繊維強化複合材料の製造工程を説明する図。 繊維強化複合材料の製造工程を説明する図。 繊維強化複合材料の製造工程を説明する図。 繊維強化複合材料の製造工程を説明する図。 金型の変形例を示す断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図面は、要部を分かりやすく説明するために記載した模式図であり、寸法等を正確に示すものではない。図1は、繊維強化複合材料の中間製品である積層体(強化繊維シート積層体)10を示す斜視図である。繊維強化複合材料は、積層体10を賦形し、樹脂を含浸させて硬化することによって得られる。繊維強化複合材料は、航空機、自動車などに使用可能であり、特に軽量効果の高い材料として好適に用いられる。
積層体10は、ドライ基材である複数枚の強化繊維シート12−1〜12−nを積層したものであり、積層した強化繊維シート12が互いに接合された接合部14と、接合部14に形成された孔16とを有する。図1において接合部14にはドットを付している。
強化繊維シート12を構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等を用いることができる。また、シートの形態として、織物や編物等のファブリック材、UD材(単一方向材)を使用することができる。積層体10には、同一の強化繊維及びシート形態からなる強化繊維シート12を複数積層したものの他、強化繊維やシート形態が異なる強化繊維シート12を組み合わせたものとすることができる。UD材を用いる場合には、少なくとも2枚のシートの繊維方向が交差するように積層することが好ましい。本実施形態において積層体10は、縦糸及び横糸を有する織物シートである強化繊維シート12を複数枚積層している。
接合部14は、積層体10の表面の強化繊維シート12−1から裏面の強化繊維シート12−nまで接着剤を浸透させ、積層体10において複数の強化繊維シート12−1〜12−nを部分的に接合した部位である。本実施形態において接合部14は、スポット状であって積層体10に複数設けられているが、接合部14は、一以上設けられていればよく、スポット状以外の形状、例えば、線状であってもよい。接着剤としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。本実施形態では接着剤として、後述する賦形工程の成形温度未満で熱溶融可能な熱可塑性樹脂を用いている。この接合部14は、積層体10の所定の位置に設けられ、例えば、積層体10の周縁部等、繊維強化複合材料を製品に加工する際に、製品として使用される部分以外の部位に設けられることが好ましい。
孔16は、積層体10の表面から裏面まで貫通する貫通孔(積層体の厚さ方向に貫通する孔)である。孔16は、接合部14の中央部に設けられ、孔16の周縁部では、接着剤によって複数の強化繊維シート12−1〜12−nが互いに接合されている。孔16は、積層体10に設けられた複数の接合部14のうち、少なくとも一つの接合部14に形成されていればよく、図示例では、全ての接合部14に孔16を設けている。
このような積層体10は、強化繊維シート12間にプリフォーム材を散布することなく、単に複数の強化繊維シート12−1〜12−nを積層した後、この積層物に対して、表面から裏面まで部分的に接着剤を浸透させて接合部14を形成し、この接合部14に孔16を形成することで得ることができる。
図2は、賦形装置における金型(本賦形を行う成形型)51の断面図であり、図3は、図2の破線IIIで示す領域の拡大断面図である。なお、図2では、図3に示すピン状部材56等の記載を省略している。金型51は、上型52と、下型54とを備え、賦形装置を構成する図示しないプレス装置に取付けられる。
上型52は可動型であり、プレス装置の昇降機構によって、固定型である下型54に対して接近、離間するように上下動可能に構成される。下型54に対して上型52が接近することで、金型51が閉じられ、下型54の下側キャビティ形成面(積層体10の載置面)54aと、上型52の上側キャビティ形成面52aとの間にキャビティ(成形型の内部空間)が形成される。上側キャビティ形成面52aと、下側キャビティ形成面54aとは、それぞれ、積層体10を成形して得られる繊維強化複合材料の形状に応じた凹凸形状を有する。積層体10をこのキャビティ内に充填するように型締めを行うことで、積層体10は所望の形状に成形される。
下型54には、下型キャビティ形成面54aから突出可能なピン状部材56と、ピン状部材56に連結された当接部58とが設けられる。
ピン状部材56は、金型51から成形品を離型させるエジェクタピンであり、下型54の下側キャビティ形成面54aに複数配置される。図3では、一つのピン状部材56と、これに連結された一つの当接部58を記載しているが、他のピン状部材56及び当接部58も同様の構成であるので、ここでは省略する。ピン状部材56は、下側キャビティ形成面54aに形成された上下方向に延びる第1挿入孔55aに挿入されており、この第1挿入孔55aに挿入された付勢手段53により、上方(上型52側)へ向かって付勢されて、下側キャビティ形成面54aから突出した突出位置にある。なお、本実施形態では付勢手段53としてコイルスプリングを用いているが、付勢手段53はこれに限られるものではない。
このピン状部材56は、下型54において積層体10の位置決めをするための位置決め用ピンを兼ねている。複数のピン状部材56は、それぞれ、下型54に積層体10をセットした状態において積層体10に形成された複数の孔16のそれぞれと対応する位置に配置される。
当接部58は、型締めの際に上型52が当接して押圧される部位であり、上型52との対向面である下型54の非キャビティ形成面(積層体10の非配置位置となる面)54bに配置される。なお、型締め状態において、非キャビティ形成面54bは、上型52の非キャビティ形成面52bと当接する。当接部58は筒状であり、非キャビティ形成面54bに形成された上下方向に延びる第2挿入孔55bに挿入される。第2挿入孔55bは、下型54の内部に形成された連通路55cによって第1挿入孔55aと連通されている。当接部58とピン状部材56とは、この連通路55cに配置された連結部57を介して連結される。上型52が下型54から離間した状態において、当接部58の先端部は、付勢手段53の付勢力により、非キャビティ形成面54bから上方(上型52側)へ突出した突出位置にある。なお、当接部56は、一つのピン状部材56に対して一つ設けてもよいし、二以上のピン状部材56に対して一つの当接部58を設ける構成であってもよい。
ピン状部材56及び当接部58のそれぞれは、図3に示す突出位置において、下側キャビティ形成面54a及び非キャビティ形成面54bのそれぞれからの突出寸法L1,L2がほぼ等しくなるように設定されている。当接部58が上型52に押圧されると、付勢手段53の付勢力に抗して当接部58及びピン状部材56のそれぞれが下方(下型54側)へ移動し、下型54の内部へ移動した退避位置(図7参照)となる。退避位置において、ピン状部材56の先端面は、下側キャビティ形成面54aと面一状態となる。これにより、エピン状部材56及び当接部58は、下型54から突出した突出位置と、下型54内に退避した退避位置とに進退移動可能に構成される。
賦形装置は、所望の樹脂(マトリックス樹脂)を金型51のキャビティ内に注入する図示しない注入機に接続される。マトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
次に、上述した賦形装置51を用いた繊維強化複合材料の製造方法について説明する。図4〜図10は、繊維強化複合材料の製造工程の一部を示す説明図である。
まず、図4に示すように、上型52が下型54から離間した状態で、積層体10の孔16に下型54に設けられたピン状部材56を挿入して(つまり、複数の強化繊維シート12−1〜12−nにピン状部材56を貫通させて)、下型54に対する積層体10の位置決めを行う(位置決め工程)。図示していない他の孔16についても同様に、それぞれ、対応する位置に配置されたピン状部材56を挿入することで、下型54内の位置決めを行うことができる。
次に、図5〜図7に示すように、昇降機構を作動させ、上型52を下型54に接近させ、型締めする(賦形工程)。上型52が接近すると、上型52の一部が下型54に設けられた当接部58に当接して、これを押圧する。すると、当接部58及びピン状部材56のそれぞれが、上型52に接近移動に連動して、第1挿入孔55a及び第2挿入孔55bのそれぞれに沿って下型52内に移動し、金型51のキャビティから退避した退避位置となる。
図7に示す型締め状態において、注入機からマトリックス樹脂をキャビティ内へ注入し、積層体10にマトリックス樹脂を含浸させ、硬化させる。このとき、ピン状部材56は退避位置にあり、積層体10の孔16の内部にもマトリックス樹脂が含浸する。また、接合部14を構成する熱可塑性樹脂からなる接着剤は熱溶融し、マトリックス樹脂が硬化した成形品11には接合部14が残らない形態となる。図7〜図10では、成形品11においてマトリックス樹脂が含浸された領域にドットを付している。
その後、図8及び図9に示すように、昇降機構を作動させ、上型52を下型54から離間させる。すると、図10に示すように、付勢手段53の付勢力によって、ピン状部材56及び当接部58とが突出位置へ移動する。このとき、成形品11は、エジェクタピンであるピン状部材56によって離型する。
上述の繊維強化複合材料の製造方法では、位置決め工程において、積層体10に形成された孔16にピン状部材56を挿入する簡易な作業によって、金型51内の位置決めを行うことができる。また、ピン状部材56によって強化繊維シート12の金型12内の位置ずれを防止することができる。さらに、孔16の周縁部において、複数の強化繊維シート12が互いに接合されているので、位置決めの際のシート間のずれを防止できる。また、孔16から離れた部分では、複数の強化繊維シート12が接合されていないフリーな状態であるので、賦形の際に積層体10に発生する皺や撚れをこのフリーな部分へ引き伸ばすことができ、これにより、皺や撚れの発生を防止できる。このように、上述の製造方法では、予備賦形工程を経ることなく、積層体10を金型51によって位置ずれや皺・撚れの発生を防止しながら本賦形し、樹脂を含浸させることができる。そのため、予備賦形型や予備賦形用のプレス装置を不要とすることができ、工数を削減して生産コストを低減することができる。
また、成形品11を離型させるエジェクタピンを位置決め用のピン状部材56として利用することができるので、金型51の部材コストを抑えることができる。また、賦形工程では、ピン状部材56がキャビティ内から退避した退避位置に移動するため、ピン状部材56によってマトリックス樹脂の含浸が阻害されることがない。また、ピン状部材56は、下型54に対する上型52の相対移動に伴って、当接部58を介して突出位置や退避位置に移動させることができるので、簡易な構造でありながら、賦形に適したタイミングで移動させることができる。
図11は、金型51の変形例を示す断面図であり、下型54の下側キャビティ形成面54aに設けられたエジェクタピン60を示す拡大断面図である。なお、図11では、下型54に対して積層体10を位置決めした状態であって、上型52を接近させる前の状態(すなわち、賦形工程前の状態)を示している。変形例では、下型54に設けられたエジェクタピン60が、筒状の外側エジェクタピン61と、外側エジェクタピン61の内部に挿入された軸状の内側エジェクタピンとを有する二重構造になっている。内側エジェクタピンは、位置決め工程における位置決め用のピン状部材56を構成している。
外側エジェクタピン61は、下型54の第1挿入孔55aに挿入され、この第1挿入孔55aに挿入された付勢部材62により、上方(上型52側)へ向かって付勢される。外側エジェクタピン61の外径寸法は、積層体10の孔16の径寸法よりも大きく設定され、その先端面61は、平面状をなす。
ピン状部材56は、外側エジェクタピン61の内部に挿入された付勢手段53により、上方へ向かって付勢され、先端部が外側エジェクタピン61の先端面61aから突出している。なお、ピン状部材56は、連結部57を介して図示していない当接部58と連結される。ピン状部材56の外径寸法は、孔16の径寸法よりも小さく設定される。
このようなエジェクタピン60を備えた下型54では、ピン状部材56によって位置決めができるとともに、図11に示す積層体10のセット状態において、外側エジェクタピン61の先端面61aに積層体10の裏面が接触する。このように、外側エジェクタピン61によって、積層体10の一部が支持されることにより、位置決めされている部分(すなわち、接合部14)が他の部分よりも後に下側キャビティ形成面54aに接触するように、積層体10をソフトに載置することができる。これにより、特に接合部14付近で発生しやすい皺や撚れを接合部14から離れた強化繊維シート12がフリーな部分へ引き伸ばすことができ、積層体10に皺や撚れが発生するのを効果的に防止することができる。
付勢部材62の付勢力は、外側エジェクタピン61に積層体10が載置されることで、外側エジェクタピン61が付勢力に抗して緩やかに退避位置に移動するように設定することができる。
また、これに変えて、積層体10のセット状態において、積層体10が外側エジェクタピン61によって支持され、積層体10の一部が下側キャビティ形成面54aから離間した状態が保持されるように、付勢部材62の付勢力を設定してもよい。この場合、賦形工程において上型52が下型54に接近すると、外側エジェクタピン61は、積層体10を介して上型52に押圧され、付勢部材62の付勢力に抗して下型54の内部に退避する。外側エジェクタピン61は、退避位置となる金型51の型締め状態において、先端面61aが下側キャビティ形成面54aと面一状態になる。
このように、上型52の接近に伴って、外側エジェクタピン61を退避位置に移動させることで、型締めの際に所定形状に屈曲される複数の強化繊維シート12の余剰部分(シートに皺や撚れが生じる部分)を位置決め部分(すなわち接合部14)から離れた強化繊維シート12がフリーな部分へ引き伸ばすことができる。これにより、賦形時に積層体10に発生する皺や撚れをより効果的に防止することができる。
なお、本変形例では、外側エジェクタピン61を付勢部材62によって上下動(進退移動)可能にしているが、付勢部材62に変えて、外側エジェクタピン61に接続された油圧式等の作動システムによって、外側エジェクタピン61を適宜、進退移動可能な構成としてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の位置決め工程では、下型54に積層体10をセットしているが、例えば、ピン状部材56が先細のニードル状であって、このピン状部材56に網目状の強化繊維シート12−1〜12−nを一枚ずつ突刺して、ピン状部材56を強化繊維シートの所定位置に貫通させることにより、複数の強化繊維シート12を積層状態としてもよい。
10 積層体(強化繊維シート積層体)
12 強化繊維シート
14 接合部
16 孔
51 金型(成形型)
52 上型
54 下型
56 ピン状部材
57 連結部
58 当接部

Claims (7)

  1. 上型と該上型に対向する下型とを備える成形型において、前記下型に設けられたピン状部材を複数の強化繊維シートの所定位置に貫通させて、前記下型に前記複数の強化繊維シートを積層状態で配置する位置決め工程と、
    前記成形型によって前記複数の強化繊維シートの積層体を賦形して該積層体に樹脂を含浸させる賦形工程とを含むことを特徴とする維強化複合材料の製造方法。
  2. 前記位置決め工程は、前記複数の強化繊維シートを積層してなる強化繊維シート積層体の所定位置に形成された厚さ方向に貫通する孔に、前記ピン状部材を挿入することによって位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  3. 前記複数の強化繊維シートは、前記孔の周縁部において、接着剤によって互いに接合されていることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  4. 前記ピン状部材は、前記賦形工程において、前記上型の前記下型に対する接近移動に伴って前記成形型の内部空間から退避した退避位置に移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  5. 前記下型は、前記積層体の非配置位置に設けられて前記ピン状部材と連動して進退移動可能な当接部を備え、
    前記賦形工程において、前記上型によって前記当接部が押圧されることで、前記ピン状部材が退避位置へ移動することを特徴とする請求項4に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  6. 前記ピン状部材は、前記成形型から成形品を離型させるエジェクタピンを構成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  7. 前記エジェクタピンは、筒状の外側エジェクタピンと、該外側エジェクタピンの内部に挿入される内側エジェクタピンと有し、
    前記ピン状部材は、前記内側エジェクタピンを構成し、前記外側エジェクタピンは、前記位置決め工程において、前記積層体を支持することを特徴とする請求項6に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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