JP2017213004A - 油脂及び油脂含有食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、油脂の風味、特にベースとなるコク味が強められた油脂を提供することである。本発明の目的はまた、該油脂を含有することにより、コク味が付与された食品を提供することである。【解決手段】0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する油脂。前記バージンココナッツオイルが、揮発成分中にδ−デカラクトン(δ−Decalactone)を含む油脂。前記バージンココナッツオイルに含まれる、前記揮発成分中のδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度が2ppm以上である油脂。【選択図】なし
Description
本発明は、特定のココナッツオイルを含有する油脂、及び該油脂を含有する食品に関する。
油脂(脂質)は三大栄養素であるだけではなく、食品に美味しさを付与する重要な成分である。油脂は食品の味をマイルドにし、かつ、コクを与える。油脂があるために美味しくなる食品は、例えば、天ぷら、フライ食品、らーめん、パイ、チョコレート、クリーム及びチーズなどが挙げられる。油脂には、サラダ油のように無味無臭に近い油脂から、焙煎胡麻油、バターのように独特の風味が重宝される油脂まで、さまざまな油脂がある。これらの油脂は、用途に合わせて使用されている。また、ラー油やネギ油のように、独特の風味を付与した香味油も知られている。
焙煎油及び香味油は別として、牛脂、豚脂などに代表される動物油脂は、精製されても、風味、特にコク味が強い。一方、菜種油、パーム油、ひまわり油などに代表される植物油脂、特にこれらの精製油脂は、動物油脂と比較して、ベースとなるコク味が弱い。油脂の風味を補うために、香料を添加した所謂フレーバーオイルも開発されている。しかし、これらのフレーバーオイルには香りはあるがコク味は乏しい。
油脂の風味、特にベースとなるコク味を強めるために、特開2006−34297号公報には、アラキドン酸及び/又はそのエステル体をアラキドン酸として10〜10,000ppm含有する植物油脂組成物が開示されている。上記公報は動物由来の油脂を実質的に含有しないことを特徴とする。また、WO2013/027439には、全構成脂肪酸中のC18:2トランス型異性体含有量が10〜60重量%であり、かつ、8〜350meq/kgの過酸化物価を有する酸化部分水素添加油脂を添加したパーム分別軟質油が開示されている。
上記特開2006−34297号公報に記載の油脂は、魚介類の調理にはある程度適応する。しかし、肉類の調理には、生臭味が強調される傾向があるため好ましくなかった。また、上記WO2013/027439に記載の、かなり強度に酸化された酸化部分水素添加油脂は、明らかに健康に良くない。たとえ、油脂への添加が微量でも、食品への利用は憚られる。
従って、より安心・安全な素材による、油脂の風味、特にベースとなるコク味が強められた油脂の開発が望まれていた。
本発明の目的は、油脂の風味、特にベースとなるコク味が強められた油脂を提供することである。本発明の目的はまた、該油脂を含有することにより、コク味が付与された食品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、油脂が特定のココナッツオイルを特定含有量含有することにより、ベースとなるコク味が強められた油脂が得られることが見出され、本発明が完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を提供する。
(1)0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する油脂。
(2)前記バージンココナッツオイルが、揮発成分中にδ−デカラクトン(δ−Decalactone)を含む、(1)の油脂
(3)前記バージンココナッツオイルに含まれる、前記揮発成分中のδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度が2ppm以上である、(2)の油脂。
(4)前記バージンココナッツオイルの酸価が2以下である、(1)〜(3)の何れか1項の油脂。
(5)(1)〜(4)の何れか1項の油脂を含有する食品。
(6)前記食品が、乳化物である、(5)の食品。
(7)油脂が0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する、油脂のコク味を強める方法。
(1)0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する油脂。
(2)前記バージンココナッツオイルが、揮発成分中にδ−デカラクトン(δ−Decalactone)を含む、(1)の油脂
(3)前記バージンココナッツオイルに含まれる、前記揮発成分中のδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度が2ppm以上である、(2)の油脂。
(4)前記バージンココナッツオイルの酸価が2以下である、(1)〜(3)の何れか1項の油脂。
(5)(1)〜(4)の何れか1項の油脂を含有する食品。
(6)前記食品が、乳化物である、(5)の食品。
(7)油脂が0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する、油脂のコク味を強める方法。
本発明によれば、油脂の風味、特にベースとなるコク味が強められた油脂が提供できる。本発明によれば、また、該油脂を含有し、コク味が付与された食品が提供できる。本発明によれば、また、油脂に、ベースとなるコク味を付与する方法が提供できる。
本発明の油脂は、バージンココナッツオイルを0.001〜15質量%含有する。ここで、バージンココナッツオイルは、通常の食用油脂に用いられる脱ガム、脱酸、脱色、脱臭などの精製工程を経ない、ココヤシの胚乳を圧搾しただけのココナッツオイルである。すなわち、例えば、ココヤシの胚乳を乾燥したコプラを粗砕し、圧搾濾過したココナッツオイル、ココヤシの胚乳を乾燥せず、直接圧搾濾過したココナッツオイル、直接圧搾後油を静置して分離したココナッツオイル、及び前記ココナッツオイルに発酵工程を用いて分離したココナッツオイルなどが挙げられる。更に、上記工程に加えて、必要に応じて水(湯)洗いを行なってもよい。本発明の油脂に含まれるバージンココナッツオイルの含有量は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜7質量%である。
本発明の油脂に使用されるバージンココナッツオイルは、好ましくは揮発成分中にδ−デカラクトン(δ−Decalactone)を含む。揮発成分中にδ−デカラクトンを含むことにより、バージンココナッツオイルを含有することが容易に判別できる。本発明の油脂に使用されるバージンココナッツオイルは、好ましくは通常の食用油脂に用いられる、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭などの精製工程を経ないバージンココナッツオイルである。しかしながら、揮発成分中にδ−デカラクトンを含む限り、通常の食用油脂に用いられる精製工程の一部乃至全部を、必要に応じて軽度の条件で適用してもよい。
本発明の油脂に使用されるバージンココナッツオイルに含まれる揮発成分として検出されるδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度は、好ましくは2ppm以上であり、より好ましくは5ppm以上であり、さらに好ましくは10ppm以上である。また、揮発成分として検出されるδ−デカノラクトンの濃度の上限は特に限定されないが、好ましくは200ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。δ−デカラクトンは、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定できる。すなわち、2gのバージンココナッツオイルが、容量20mlのヘッドスペース用バイアル管に分取され、40℃で90分間加熱される。そして、揮発性物質が吸着剤に吸着される。吸着された揮発性物質はガスクロマトグラフィーにより分離される。分離同定されたδ−デカラクトンは外部標準にオクタン酸エチルを用いて質量分析計により定量される。
本発明の油脂に使用されるバージンココナッツオイルの酸価は、好ましくは2以下であり、より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.4以下である。本発明に使用されるバージンココナッツオイルの酸価が上記範囲内であると、好ましくない脂肪酸臭が出る可能性が極めて低い。なお、酸価は、日本油化学会編「基準油脂分析試験法 2.3.1−1996」を用いて測定できる。
本発明の油脂は、0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する限り、食用に適するように精製された一般の油脂をベース油脂として使用できる。ここで、ベース油脂とは、本発明の油脂の、バージンココナッツオイルを除いた部分である。例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、胡麻油、カカオ脂、シア脂、サル脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂が挙げられる。並びに、これらに水素添加、分別及びエステル交換のうちから選択された一又は二以上の処理を適用することにより得られる加工油脂が挙げられる。本発明は、これらの油脂の中から選ばれた1種または2種以上をベース油脂として使用できる。本発明のベース油脂は、好ましくは植物油脂(植物油脂を原料とする加工油脂を含む)である。植物油脂をベース油脂とした場合に顕著にコク味が強められる。
本発明の油脂は、例えば、上記ベース油脂に、0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを混合することにより、調製される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、本発明のベース油脂の50質量%以上を占める油脂は、好ましくは、全構成脂肪酸に占めるラウリン酸含有量が30質量%以上である油脂、及び/または、全構成脂肪酸に占めるラウリン酸含有量が30質量%以上である油脂と炭素数16以上の構成脂肪酸を90質量%以上含む油脂とのエステル交換油脂、並びに、それらの分別油、硬化分別油、分別硬化油等である。全構成脂肪酸に占めるラウリン酸含有量が30質量%以上である油脂は、例えば、ヤシ油、パーム核油、ババス油及びこれらの分別油、分別硬化油が挙げられる。全構成脂肪酸に占めるラウリン酸含有量が30質量%以上である油脂と炭素数16以上の構成脂肪酸を90質量%以上含む油脂とのエステル交換油脂は、例えば、より具体的には、上記例示した全構成脂肪酸に占めるラウリン酸含有量が30質量%以上である油脂とパーム系油脂とのエステル交換油脂が挙げられる。パーム系油脂とは、パーム油を原料とする加工油脂である。例えば、パームオレイン、パームステアリン、パーム中融点部、パームスーパーオレイン、パームハードステアリン等が挙げられる。
本発明の油脂の好ましい実施の形態の1つは、ラウリン酸を30質量%以上含む油脂に、0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルが混合された油脂が挙げられる。ラウリン酸を30質量%以上含む油脂は、例えば、ヤシ油、パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、及びそれらの硬化油等が挙げられる。もしくは、必要に応じて、その他の油脂を混合することにより、ラウリン酸含有量が10質量%以上となるよう調整した油脂に、0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルが混合された油脂が挙げられる。
本発明の油脂のまた別の好ましい実施の形態の1つは、ラウリン酸を30質量%以上含む油脂、例えば、ヤシ油、パーム核油、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、及び、それらの硬化油から選ばれる1種以上の油脂と、パーム系油脂、例えば、パーム油、パームオレイン、パームスーパーオレイン、パーム中融点部、パームステアリン、パームハードステアリン、及び、それらの硬化油から選ばれる1種以上の油脂とのエステル交換油脂に、0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルが混合された油脂が挙げられる。上記エステル交換油脂の原料油、つまり、ラウリン酸を30質量%以上含む油脂とパーム系油脂との混合油の混合比(質量比)は、好ましくは20:80〜80:20であり、より好ましくは30:70〜70:30である。
本発明において、エステル交換処理の方法は、特に限定されない。公知の方法により行うことができる。例えば、ナトリウムメトキシド等の合成触媒を使用した化学的エステル交換、及び、リパーゼを触媒とした酵素的エステル交換のどちらの方法を用いてもよい。化学的エステル交換は、例えば、十分に乾燥させた原料油脂に、当該原料油脂に対して0.1〜1質量%のナトリウムメトキシドが添加される。その後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながらエステル交換反応を行うことができる。酵素的エステル交換は、例えば、原料油脂に対して、好ましくは0.02〜10質量%、より好ましくは0.04〜5質量%のリパーゼ粉末または固定化リパーゼが添加される。その後、好ましくは40〜80℃、より好ましくは40〜70℃で、好ましくは0.5〜48時間、より好ましくは0.5〜24時間攪拌しながらエステル交換反応を行うことができる。
本発明のまた別の好ましい実施の形態によれば、本発明のベース油脂の50質量%以上を占める油脂は、構成脂肪酸に含まれる炭素数18以上のモノ不飽和脂肪酸の含有量が50質量%以上である油脂(例えば、菜種油、ハイオレイック向日葵油、ハイオレイック紅花油、パームスーパーオレインなど)の1種もしくは2種以上であってもよい。必要に応じて、上記ラウリン酸を30質量%以上含む油脂、及び/または、上記全構成脂肪酸中にラウリン酸を30質量%以上含む油脂と全構成脂肪酸中に炭素数16以上の脂肪酸を90質量%以上含む油脂とのエステル交換油脂などを使用してもよい。
本発明のまた別の好ましい実施の形態によれば、本発明のベース油脂の50質量%以上を占める油脂は、好ましくは上述のパーム系油脂の1種もしくは2種以上を使用する。例えば、パーム油に、分別、水素添加、硬化等の工程を適用することにより得られる、パーム油、パームオレイン、パームスーパーオレイン、パーム中融点部、パームステアリン、パームハードステアリン、ソフトパームなどが挙げられる。
本発明の油脂は、好ましくは、栄養学上懸念のあるトランス脂肪酸を実質的に含有しない。本発明の油脂に含まれる構成脂肪酸に占めるトランス脂肪酸含量は、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
本発明の油脂は、本発明の油脂の特長が妨げられない限り、必要に応じて、通常油脂に用いられる添加剤が適宜添加されてもよい。添加剤は、例として、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、オリザノール、ジグリセリド、シリコーン、トコフェロール、レシチン、着色料、香料等が挙げられる。添加剤の添加量は油脂100質量%に対して、好ましくは0.0001〜5質量%であり、より好ましくは0.0001〜1質量%である。
本発明の食品は、本発明の油脂を含有する食品である。本発明の効果を効率よく得るために、本発明の食品に含まれる本発明の油脂の含有量は、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。上限は特に規定されないが、100質量%以下である。また、食品が乳化物の場合は、該乳化物に含まれる本発明の油脂の含有量の上限は96質量%以下が適当である。本発明の食品に含まれる油脂に占める本発明の油脂の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80〜100質量%である。なお、本発明の油脂を含有する食品とは、食品の製造にあたり、本発明の油脂を使用するプロセスを経なくても、食品に含まれる全油脂を基準として、バージンココナッツオイルを0.001〜15質量%含有する態様を含む。
本発明の食品は、また、好ましくは乳化物である。乳化物とすることで、油脂のコク味がより鋭敏に感じられる。乳化物は、油中水型、水中油型、複合乳化型等いずれの乳化型でもよい。乳化物に含まれる本発明の油脂の含有量は、好ましくは2〜96質量%であり、より好ましくは4〜90質量%である。
本発明の食品の好ましい態様は、例えば、本発明の油脂を含む、揚げ油、炒め油、ショートニング、シュガークリーム、ミルクチョコレート等の無水食品、ホイップクリーム、アイスクリーム、飲料用クリーム、調理用クリーム、フラワーペースト等の水中油型のクリーム類、また、マーガリン、ファットスプレッド、バタークリーム等の油中水型食品が挙げられる。並びに、それらを使用した油ちょう食品類、炒め物、菓子類、パン類、飲料、ソース、シチュウ、グラタン、チーズ様食品、及び各種ガナッシュ類等が挙げられる。
上記食品は、本発明の油脂を使用することを除き、それぞれの食品について通常行われる方法を用いて製造できる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、本発明は以下の実施例の内容に限定されない。
<分析方法>
揮発成分として検出されるδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度の分析は、次のガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて行われた。すなわち、2gのバージンココナッツオイルが容量20mlのヘッドスペース用バイアル管に分取された。そして、40℃で90分間加熱された。その後、揮発性物質が吸着剤に吸着された。吸着された揮発性物質はガスクロマトグラフィー(GC)により分離された。分離同定されたδ−デカラクトンは、外部標準としてオクタン酸エチルを用いて質量分析計(MS)により定量された。
(GC−MS分析条件)
分析装置:機種名 MSD5973/GC6890、Agilent Technology社製
カラム:製品名 DB-WAX(φ0.25mm×60m)、Agilent Technology社製
オーブン温度:40℃(5min)〜230℃(5℃/min)
注入口温度:220℃
検出器:MS(EI,SCANモード)
パルスドスプリットレス注入
キャリアガス:He
酸価は、日本油化学会編「基準油脂分析試験法 2.3.1−1996」に基づき測定された。
揮発成分として検出されるδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度の分析は、次のガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて行われた。すなわち、2gのバージンココナッツオイルが容量20mlのヘッドスペース用バイアル管に分取された。そして、40℃で90分間加熱された。その後、揮発性物質が吸着剤に吸着された。吸着された揮発性物質はガスクロマトグラフィー(GC)により分離された。分離同定されたδ−デカラクトンは、外部標準としてオクタン酸エチルを用いて質量分析計(MS)により定量された。
(GC−MS分析条件)
分析装置:機種名 MSD5973/GC6890、Agilent Technology社製
カラム:製品名 DB-WAX(φ0.25mm×60m)、Agilent Technology社製
オーブン温度:40℃(5min)〜230℃(5℃/min)
注入口温度:220℃
検出器:MS(EI,SCANモード)
パルスドスプリットレス注入
キャリアガス:He
酸価は、日本油化学会編「基準油脂分析試験法 2.3.1−1996」に基づき測定された。
<原料油脂の調製>
〔ココナッツオイル1〕:ココナッツオイル1は、13ppmの濃度の揮発成分として検出されるδ−デカラクトン(δ−Decalactone)、及び0.08の酸価を有し、かつ、圧搾のみで通常の精製工程を経ないバージンココナッツオイル(日清オイリオグループ株式会社製)である。
〔ココナッツオイル2〕:ココナッツオイル2は、0ppmの濃度の揮発成分として検出されるδ−デカラクトン(δ−Decalactone)、及び0.04の酸価を有する精製ココナッツオイル(日清オイリオグループ株式会社製)である。
〔植物油脂1〕:植物油脂1は、パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量46.1質量%)である。
〔植物油脂2〕:を植物油脂2は、パーム油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量0質量%)である。
〔植物油脂3〕:植物油脂3は、ハイオレイック紅花油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量0質量%、オレイン酸含有量77質量%)である。
〔植物油脂4〕:植物油脂4は、菜種油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量0質量%、オレイン酸含有量62質量%)である。
〔エステル交換油脂1(IE1)〕:エステル交換油1は次の工程を適用することにより得られた。すなわち、60質量部のパーム油と40質量部のパーム核油の混合油が、減圧下120℃に加熱された。その後、十分に乾燥された。その混合油に対して、0.1質量%のナトリウムメチラートが添加された。そして、減圧下、110℃で0.5時間攪拌され、エステル交換反応が行われた。反応終了後、ナトリウムメチラートが水洗により除去された。その後、常法の精製方法に従って、脱色及び脱臭処理が適用され、エステル交換油脂1(IE1、日清オイリオグループ株式会社社内製、ラウリン酸含有量18.2質量%)が得られた。
〔ココナッツオイル1〕:ココナッツオイル1は、13ppmの濃度の揮発成分として検出されるδ−デカラクトン(δ−Decalactone)、及び0.08の酸価を有し、かつ、圧搾のみで通常の精製工程を経ないバージンココナッツオイル(日清オイリオグループ株式会社製)である。
〔ココナッツオイル2〕:ココナッツオイル2は、0ppmの濃度の揮発成分として検出されるδ−デカラクトン(δ−Decalactone)、及び0.04の酸価を有する精製ココナッツオイル(日清オイリオグループ株式会社製)である。
〔植物油脂1〕:植物油脂1は、パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量46.1質量%)である。
〔植物油脂2〕:を植物油脂2は、パーム油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量0質量%)である。
〔植物油脂3〕:植物油脂3は、ハイオレイック紅花油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量0質量%、オレイン酸含有量77質量%)である。
〔植物油脂4〕:植物油脂4は、菜種油(日清オイリオグループ株式会社製、ラウリン酸含有量0質量%、オレイン酸含有量62質量%)である。
〔エステル交換油脂1(IE1)〕:エステル交換油1は次の工程を適用することにより得られた。すなわち、60質量部のパーム油と40質量部のパーム核油の混合油が、減圧下120℃に加熱された。その後、十分に乾燥された。その混合油に対して、0.1質量%のナトリウムメチラートが添加された。そして、減圧下、110℃で0.5時間攪拌され、エステル交換反応が行われた。反応終了後、ナトリウムメチラートが水洗により除去された。その後、常法の精製方法に従って、脱色及び脱臭処理が適用され、エステル交換油脂1(IE1、日清オイリオグループ株式会社社内製、ラウリン酸含有量18.2質量%)が得られた。
<油の調製及び評価>
表1、2の配合に従って、例1〜12の油脂が調製された。例1〜例12の油脂のコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより、総合的に評価された。結果は表1、2に示される。
表1、2の配合に従って、例1〜12の油脂が調製された。例1〜例12の油脂のコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより、総合的に評価された。結果は表1、2に示される。
(コク味の評価基準)
◎:例1と比較して有意にコク味の強さがある
○:例1と比較してコク味の強さがある
△:例1と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例1と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例1と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例1と比較して有意にコク味の強さがある
○:例1と比較してコク味の強さがある
△:例1と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例1と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例1と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<ホイップクリームの製造及び評価>
以下の1〜6の製造手順により、表3に示された配合に従って、例13〜15のホイップクリームが製造された。製造されたホイップクリームは、5℃で1日エージングされた。その後、製造されたホイップクリームはホイッピングされ、例13〜15のホイップドクリームが得られた。
例13〜15のホイップドクリームのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより、総合的に評価された。結果は表3に示される。
以下の1〜6の製造手順により、表3に示された配合に従って、例13〜15のホイップクリームが製造された。製造されたホイップクリームは、5℃で1日エージングされた。その後、製造されたホイップクリームはホイッピングされ、例13〜15のホイップドクリームが得られた。
例13〜15のホイップドクリームのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより、総合的に評価された。結果は表3に示される。
(ホイップクリームの製造手順)
1.水相原料及び油相原料がそれぞれ別々の容器で、70℃で加熱、混合及び溶解される。
2.撹拌されながら、1で調製された水相原料に1で調製された油相原料が徐々に加えられ、混合される。
3.混合物は80度まで加熱殺菌される。
4.混合物はホモミキサーにて予備乳化される(4000rpm、10分)。
5.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目50kg/cm3、2段目10kg/cm3)。
6.混合物は氷水浴を用いて5℃まで冷却され、O/Wクリームが得られる。
1.水相原料及び油相原料がそれぞれ別々の容器で、70℃で加熱、混合及び溶解される。
2.撹拌されながら、1で調製された水相原料に1で調製された油相原料が徐々に加えられ、混合される。
3.混合物は80度まで加熱殺菌される。
4.混合物はホモミキサーにて予備乳化される(4000rpm、10分)。
5.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目50kg/cm3、2段目10kg/cm3)。
6.混合物は氷水浴を用いて5℃まで冷却され、O/Wクリームが得られる。
(ホイップドクリームのコク味の評価基準)
◎:例13と比較して有意にコク味の強さがある
○:例13と比較してコク味の強さがある
△:例13と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例13と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例13と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例13と比較して有意にコク味の強さがある
○:例13と比較してコク味の強さがある
△:例13と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例13と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例13と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<アイスクリームの製造及び評価>
表4に示された配合に従って、例16〜24の油脂が調製された。
以下の1〜6の製造手順により、表5に示された配合に従って、例16〜24の油脂がそれぞれ使用されたクリーム(アイスクリームミックス)が製造された。製造されたクリームは、5℃で1日エージングされた。エージング後、製造されたクリームはアイスクリーマーを用いてフリージングされた。その後、カップに充填され、−20℃で1日以上保管された。
得られたアイスクリームのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表4に示される。
表4に示された配合に従って、例16〜24の油脂が調製された。
以下の1〜6の製造手順により、表5に示された配合に従って、例16〜24の油脂がそれぞれ使用されたクリーム(アイスクリームミックス)が製造された。製造されたクリームは、5℃で1日エージングされた。エージング後、製造されたクリームはアイスクリーマーを用いてフリージングされた。その後、カップに充填され、−20℃で1日以上保管された。
得られたアイスクリームのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表4に示される。
(アイスクリームの製造手順)
1.水相原料及び油相原料が、それぞれ別々の容器で、70℃で加熱、混合及び溶解される。
2.撹拌されながら、1で調製された水相原料に1で調製された油相原料が徐々に加えられ、混合される。
3.混合物は80度まで加熱して殺菌される。
4.混合物はホモミキサーにて予備乳化される(4000rpm、10分)。
5.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目100kg/cm3、2段目10kg/cm3)。
6.混合物が氷水浴を用いて5℃まで冷却され、O/Wクリームが得られる。
1.水相原料及び油相原料が、それぞれ別々の容器で、70℃で加熱、混合及び溶解される。
2.撹拌されながら、1で調製された水相原料に1で調製された油相原料が徐々に加えられ、混合される。
3.混合物は80度まで加熱して殺菌される。
4.混合物はホモミキサーにて予備乳化される(4000rpm、10分)。
5.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目100kg/cm3、2段目10kg/cm3)。
6.混合物が氷水浴を用いて5℃まで冷却され、O/Wクリームが得られる。
(アイスクリームのコク味の評価基準)
◎:例16と比較して有意にコク味の強さがある
○:例16と比較してコク味の強さがある
△:例16と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例16と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例16と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例16と比較して有意にコク味の強さがある
○:例16と比較してコク味の強さがある
△:例16と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例16と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例16と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<コーヒーホワイトナーの製造及び評価>
表6に示された配合に従って、例25〜29の油脂が調製された。
以下の1〜6の製造手順により、表7に示された配合に従って、例25〜29の油脂がそれぞれ使用されたコーヒーホワイトナーが製造された。
インスタントコーヒー2gに熱湯100gが注がれた。上記で得られたコーヒーホワイトナー5gが添加され、撹拌された。コーヒーホワイトナーのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表6に示される。
表6に示された配合に従って、例25〜29の油脂が調製された。
以下の1〜6の製造手順により、表7に示された配合に従って、例25〜29の油脂がそれぞれ使用されたコーヒーホワイトナーが製造された。
インスタントコーヒー2gに熱湯100gが注がれた。上記で得られたコーヒーホワイトナー5gが添加され、撹拌された。コーヒーホワイトナーのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表6に示される。
(コーヒーホワイトナーの製造手順)
1.水相原料及び油相原料が、それぞれ別々の容器で、70℃で加熱、混合及び溶解される。
2.撹拌されながら、1で調製された水相原料に1で調製された油相原料が徐々に加えられ、混合される。
3.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目200kg/cm3、2段目50kg/cm3)。
4.混合物は湯浴を用いて、85℃で10分間殺菌される。
5.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目150kg/cm3、2段目50kg/cm3)。
6.混合物は氷水浴を用いて30℃まで冷却され、コーヒーホワイトナーが得られる。
1.水相原料及び油相原料が、それぞれ別々の容器で、70℃で加熱、混合及び溶解される。
2.撹拌されながら、1で調製された水相原料に1で調製された油相原料が徐々に加えられ、混合される。
3.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目200kg/cm3、2段目50kg/cm3)。
4.混合物は湯浴を用いて、85℃で10分間殺菌される。
5.混合物はホモジナイザーを用いてホモジナイズされる(1段目150kg/cm3、2段目50kg/cm3)。
6.混合物は氷水浴を用いて30℃まで冷却され、コーヒーホワイトナーが得られる。
(コーヒーホワイトナーのコク味の評価基準)
◎:例25と比較して有意にコク味の強さがある
○:例25と比較してコク味の強さがある
△:例25と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例25と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例25と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例25と比較して有意にコク味の強さがある
○:例25と比較してコク味の強さがある
△:例25と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例25と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例25と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<高油分フラワーペーストの製造及び評価>
表8に示された配合に従って、例30〜32の油脂が調製された。
以下の1〜4の製造手順により、表9に示された配合に従って、例30〜32の油脂がそれぞれ使用された高油分フラワーペーストが製造された。
得られた高油分フラワーペーストのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表8に示される。
表8に示された配合に従って、例30〜32の油脂が調製された。
以下の1〜4の製造手順により、表9に示された配合に従って、例30〜32の油脂がそれぞれ使用された高油分フラワーペーストが製造された。
得られた高油分フラワーペーストのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表8に示される。
(高油分フラワーペーストの製造手順)
1.油脂以外の原料が撹拌均一化されることにより、水相が調製される。
2.水相に油脂が混合され、混合物はホモミキサーを用いて水中油型に乳化される。
3.得られた乳化物は、バッチ式間接加熱により、60〜100℃に加熱される。
4.得られた乳化物は、60℃以下に冷却される。
1.油脂以外の原料が撹拌均一化されることにより、水相が調製される。
2.水相に油脂が混合され、混合物はホモミキサーを用いて水中油型に乳化される。
3.得られた乳化物は、バッチ式間接加熱により、60〜100℃に加熱される。
4.得られた乳化物は、60℃以下に冷却される。
(高油分フラワーペーストのコク味の評価基準)
◎:例30と比較して有意にコク味の強さがある
○:例30と比較してコク味の強さがある
△:例30と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例30と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例30と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例30と比較して有意にコク味の強さがある
○:例30と比較してコク味の強さがある
△:例30と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例30と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例30と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<乳化油脂組成物及びそれを使用したスポンジケーキとその評価>
以下の1〜3の製造手順により、表10に示された配合に従って、例30〜32の油脂がそれぞれ使用された例33〜35の乳化油脂組成物が製造された。
得られた乳化油脂組成物を使用して、以下の製造方法により、表11の配合に従って、スポンジケーキが製造された。
得られたスポンジケーキのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表10に示される。
以下の1〜3の製造手順により、表10に示された配合に従って、例30〜32の油脂がそれぞれ使用された例33〜35の乳化油脂組成物が製造された。
得られた乳化油脂組成物を使用して、以下の製造方法により、表11の配合に従って、スポンジケーキが製造された。
得られたスポンジケーキのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表10に示される。
(乳化油脂組成物の製造手順)
1.水相と油相が別々に混合され、加熱される。
2.水相に油相が徐々に添加され、ホモミキサーを用いて撹拌及び乳化される。
3.乳化物は撹拌しながら冷却される。
1.水相と油相が別々に混合され、加熱される。
2.水相に油相が徐々に添加され、ホモミキサーを用いて撹拌及び乳化される。
3.乳化物は撹拌しながら冷却される。
(スポンジケーキの製造方法)
凍結全卵、上白糖、乳化油脂組成物が混合された。ホバートミキサー(アメリカ ホバート・コーポレーション社製)を用いて低速(50rpm)で攪拌しながら薄力粉とベーキングパウダーが加えられた。その後混合物は、30秒間攪拌される。更に中速(100rpm)に切り替えられ、ケーキ生地の比重が0.45(g/ml)になるまで攪拌された。その後、6号のデコレーション型に330gが流し入れられる。オーブンにて、上火190℃、下火170℃で28分間焼成される。焼成されたケーキは、一晩室温で保存された。その後、官能評価に用いられた。
凍結全卵、上白糖、乳化油脂組成物が混合された。ホバートミキサー(アメリカ ホバート・コーポレーション社製)を用いて低速(50rpm)で攪拌しながら薄力粉とベーキングパウダーが加えられた。その後混合物は、30秒間攪拌される。更に中速(100rpm)に切り替えられ、ケーキ生地の比重が0.45(g/ml)になるまで攪拌された。その後、6号のデコレーション型に330gが流し入れられる。オーブンにて、上火190℃、下火170℃で28分間焼成される。焼成されたケーキは、一晩室温で保存された。その後、官能評価に用いられた。
(スポンジケーキのコク味の評価基準)
◎:例33と比較して有意にコク味の強さがある
○:例33と比較してコク味の強さがある
△:例33と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例33と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例33と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例33と比較して有意にコク味の強さがある
○:例33と比較してコク味の強さがある
△:例33と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例33と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例33と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<マドレーヌの製造及び評価>
マーガリンに含まれる油脂の、0質量%、5質量%及び10質量%がココナッツオイル1に置き換られた例36〜38の植物性マーガリン(油脂含量86質量%)が製造された。
以下の1〜5の製造手順により、表12に示された配合に従って、例36〜38のマーガリンがそれぞれ使用されたマドレーヌが製造された。
得られたマドレーヌのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより、総合的に評価された。結果は表13に示される。
マーガリンに含まれる油脂の、0質量%、5質量%及び10質量%がココナッツオイル1に置き換られた例36〜38の植物性マーガリン(油脂含量86質量%)が製造された。
以下の1〜5の製造手順により、表12に示された配合に従って、例36〜38のマーガリンがそれぞれ使用されたマドレーヌが製造された。
得られたマドレーヌのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより、総合的に評価された。結果は表13に示される。
(マドレーヌの製造手順)
1.全卵と上白糖は混合される。
2.ふるった薄力粉及びベーキングパウダーが加えられる。
3.溶かしたマーガリンが混合され、生地が調製される。
4.生地は1時間静置される。
5.カップに20g充填され、オーブンで、上火170℃、下火150℃で16分間焼成される。
1.全卵と上白糖は混合される。
2.ふるった薄力粉及びベーキングパウダーが加えられる。
3.溶かしたマーガリンが混合され、生地が調製される。
4.生地は1時間静置される。
5.カップに20g充填され、オーブンで、上火170℃、下火150℃で16分間焼成される。
(マドレーヌのコク味の評価基準)
◎:例36と比較して有意にコク味の強さがある
○:例36と比較してコク味の強さがある
△:例36と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例36と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例36と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例36と比較して有意にコク味の強さがある
○:例36と比較してコク味の強さがある
△:例36と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例36と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例36と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<炒め物の製造及び評価>
表14に示された配合に従って、例39〜43の油脂が調製された。
100gのキャベツが14gの例39〜43のそれぞれの油脂を使用して3分半の間炒められた。
得られたキャベツの炒め物のコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表14に示される。
表14に示された配合に従って、例39〜43の油脂が調製された。
100gのキャベツが14gの例39〜43のそれぞれの油脂を使用して3分半の間炒められた。
得られたキャベツの炒め物のコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表14に示される。
(炒め物のコク味の評価基準)
◎:例39と比較して有意にコク味の強さがある
○:例39と比較してコク味の強さがある
△:例39と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例39と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例39と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例39と比較して有意にコク味の強さがある
○:例39と比較してコク味の強さがある
△:例39と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例39と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例39と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
<ドーナツの製造及び評価>
表15に示された配合に従って、例44〜48の油脂が調製された。
容量1Lの電気フライヤー(象印マホービン株式会社製、EFK-A10)に例44〜48のそれぞれの油脂1000gが注入された。タマゴドーナツ(オーランドフーズ株式会社、40g/個)が、170℃で4分間、フライされた。
得られたドーナツのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表15に示される。
表15に示された配合に従って、例44〜48の油脂が調製された。
容量1Lの電気フライヤー(象印マホービン株式会社製、EFK-A10)に例44〜48のそれぞれの油脂1000gが注入された。タマゴドーナツ(オーランドフーズ株式会社、40g/個)が、170℃で4分間、フライされた。
得られたドーナツのコク味が、以下の基準に従って、5名の専門パネラーにより総合的に評価された。結果は表15に示される。
(ドーナツのコク味の評価基準)
◎:例44と比較して有意にコク味の強さがある
○:例44と比較してコク味の強さがある
△:例44と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例44と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例44と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
◎:例44と比較して有意にコク味の強さがある
○:例44と比較してコク味の強さがある
△:例44と比較して僅かにコク味の強さがある
▲:例44と比較して極僅かにコク味の強さがある
×:例44と比較してコク味がない。もしくは、単なるココナッツ風味である
本発明に係る油脂は、以下の第1〜4の油脂であってもよい。
上記第1の油脂は、バージンココナッツオイルを0.001〜15質量%含有する油脂である。
上記第2の油脂は、上記バージンココナッツオイルが、揮発成分中にδ−デカラクトン(δ−Decalactone)を含む、第1の油脂である。
上記第3の油脂は、上記バージンココナッツオイルの、上記揮発成分中のδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度が2ppm以上である、第2の油脂である。
上記第4の油脂は、上記バージンココナッツオイルの酸価が2以下である、第1から第3の何れかの油脂である。
本発明に係る食品は、以下の第1〜2の食品であってもよい。
上記第1の食品は、上記第1から第4の何れかの油脂を含有する食品である。
上記第2の食品は、上記食品が、乳化物である、第1の食品である。
本発明に係る油脂のコク味を強める方法は、油脂中に、バージンココナッツオイルを0.001〜15質量%含有させる、油脂のコク味を強める方法であってもよい。
上記第1の油脂は、バージンココナッツオイルを0.001〜15質量%含有する油脂である。
上記第2の油脂は、上記バージンココナッツオイルが、揮発成分中にδ−デカラクトン(δ−Decalactone)を含む、第1の油脂である。
上記第3の油脂は、上記バージンココナッツオイルの、上記揮発成分中のδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度が2ppm以上である、第2の油脂である。
上記第4の油脂は、上記バージンココナッツオイルの酸価が2以下である、第1から第3の何れかの油脂である。
本発明に係る食品は、以下の第1〜2の食品であってもよい。
上記第1の食品は、上記第1から第4の何れかの油脂を含有する食品である。
上記第2の食品は、上記食品が、乳化物である、第1の食品である。
本発明に係る油脂のコク味を強める方法は、油脂中に、バージンココナッツオイルを0.001〜15質量%含有させる、油脂のコク味を強める方法であってもよい。
Claims (7)
- 0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する油脂。
- 前記バージンココナッツオイルが、揮発成分中にδ−デカラクトン(δ−Decalactone)を含む、請求項1に記載の油脂
- 前記バージンココナッツオイルに含まれる、前記揮発成分中のδ−デカラクトン(δ−Decalactone)の濃度が2ppm以上である、請求項2に記載の油脂。
- 前記バージンココナッツオイルの酸価が2以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の油脂。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の油脂を含有する食品。
- 前記食品が、乳化物である、請求項5に記載の食品。
- 油脂が0.001〜15質量%のバージンココナッツオイルを含有する、油脂のコク味を強める方法。
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