JP2017212749A - 移相器、インピーダンス整合回路および通信端末装置 - Google Patents

移相器、インピーダンス整合回路および通信端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数帯域に応じた移相が可能な移相器、それを備えるインピーダンス整合回路および通信端末装置を提供する。【解決手段】第1コイルL1、第1コイルL1に対して磁界結合する第2コイルL2、および寄生インダクタンス成分を含むトランスTと、トランスTに接続されたリアクタンス素子を有するインピーダンス調整用回路と、を備える。インピーダンス調整用回路は、トランスTの第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続された入出力間容量を含み、入出力間容量は、第1コイルL1と第2コイルL2との間に生じるコイル間容量C30と、第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続される入出力間付加容量C31とで構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波回路に設けられる移相器(Phase Shifter)に関し、特に、周波数帯に応じて位相を変化させる移相器に関する。また、本発明は、インピーダンス整合回路に関し、特に、移相器を備えるインピーダンス整合回路に関する。また、本発明は、上記移相器やインピーダンス整合回路を備える通信端末装置に関する。
一般に、高周波回路において、インピーダンス整合のために移相器が用いられることがある。従来、移相器にはハイパスフィルタ型とローパスフィルタ型があり、所望の周波数で所望の移相量を得るように回路定数が定められる。例えば、特許文献1にはハイパスフィルタ型回路とローパスフィルタ型回路を備えた移相器が示されている。
特開2013−98744号公報
例えば、携帯電話端末をはじめとする通信端末装置等においては、複数の周波数帯域においてインピーダンス整合を図ることが必要となる場合が多い。例えば、図20に示すように、インピーダンス整合回路72と第2高周波回路74との間に移相器73を設け、この移相器73とインピーダンス整合回路72とで、第1高周波回路71と第2高周波回路74とをインピーダンス整合させることを考えると、複数の周波数帯域でインピーダンス整合させるために、移相器には周波数帯に応じた移相特性が要求される。
例えば、ローバンドとハイバンドの両方についてインピーダンス整合を行う際に、一方のバンドの位相をほとんど移相させずに他方のバンドの位相を大きく変化させる必要が生じる場合がある。例えば次の2つの移相操作が要求されることがある。
(1)ローバンド信号を移相させず、ハイバンド信号を移相させる。
例えば、ローバンド信号の通過位相は0°(または180°)付近であり、ハイバンド信号の通過位相は90°付近である。
(2)ハイバンド信号を移相させず、ローバンド信号を移相させる。
例えば、ローバンド信号の通過位相は90°付近であり、ハイバンド信号の通過位相は0°または180°付近である。
なお、図20において、インピーダンス整合回路72からみて、第2高周波回路74からの反射波は移相器73を往復するので、移相器73での反射信号の移相量は2倍である。すなわち、反射位相を180°とするには、90°の移相量が必要であり、反射位相を0°とするには、0°または180°の移相量が必要である。
ところが、上記(1)(2)に示すような周波数帯域毎の移相操作が可能な移相器は、以下に示すとおり、従来無かった。
例えば、図17は図16(A)に示すハイパスフィルタ型の移相器の位相周波数特性の一例である。この例では、ローバンド(700MHz帯;マーカM1)での移相量は90°にできるが、ハイバンド(2GHz帯;マーカM2)での移相量は0°とはならず30°である。また、図18は図16(B)に示すローパスフィルタ型の移相器の位相周波数特性の一例である。この例では、ローバンド(700MHz帯;マーカM01)での移相量は−90°にできるが、ハイバンド(2GHz帯;マーカM02)での移相量は180°とはならず約100°である。また、ローバンド、ハイバンドのいずれにおいても、周波数帯域内での移相量の変化が大きい。
また、図19は図16(A)に示すハイパスフィルタ型の移相器の位相対挿入損失の特性例である。カットオフ周波数(1GHz以下)付近で移相量は180°となるため、移相量を大きくしようとすると、挿入損失は大きくなる。また、図16(B)に示すローパスフィルタ型の移相器では、ローバンドで180°付近の移相量を得ようとすると、カットオフ周波数が低くなり、ハイバンドでの挿入損失は非常に大きくなる。
以上のとおり、従来のフィルタ型の移相器では、上記(1)(2)に示すような周波数帯域毎の移相操作が不可能であった。
本発明の目的は、周波数帯域に応じた移相が可能な移相器、それを備えるインピーダンス整合回路および通信端末装置を提供することにある。
(1)本発明の移相器は、
第1ポートと第2ポートとの間に接続され、前記第1ポートとグランドとの間に接続された第1コイル、前記第2ポートとグランドとの間に接続され、前記第1コイルに対して磁界結合する第2コイル、および寄生インダクタンス成分を含むトランスと、
前記トランスに接続されたリアクタンス素子を有するインピーダンス調整用回路と、
を備え、
周波数帯に応じて異なる移相量となるように、前記トランスの第1コイルと第2コイルとの結合係数および前記インピーダンス調整用回路のリアクタンス素子の値が定められ、
前記インピーダンス調整用回路は、
前記トランスの第1ポートと第2ポートとの間に接続された入出力間容量を含み、前記入出力間容量は、同一の巻回軸を有し、コイル開口面が互いに対向した前記第1コイルと前記第2コイルとの間に生じるコイル間容量を含んで構成されることを特徴とする。
上記構成によって、例えばインピーダンス整合回路と組み合わせることで、周波数帯域に応じたインピーダンス整合を容易に行えるようになる。また、入出力間容量は、第1コイルと第2コイルとの間に生じるコイル間容量を含んで構成されるので、第1コイルと第2コイルとの間隔が大きくても、入出力間容量を所定キャパシタンス値にでき、周波数に対する移相の特性を高い自由度で定めることができる。
(2)上記(1)において、前記第1コイルと前記第2コイルとの結合係数は0.9以下であることが好ましい。前記第1コイルと前記第2コイルとの結合係数が0.9以下であれば、入出力間容量を所定キャパシタンス値に容易に設定できる。
(3)上記(1)または(2)において、前記入出力間容量は、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に接続される入出力間付加容量を含んで構成され、前記トランスは、絶縁性基材と、前記絶縁性基材に設けられた、前記第1ポートを構成する第1入出力電極、前記第2ポートを構成する第2入出力電極、グランド電極、第1端が前記第1入出力電極に接続され、第2端が前記グランド電極に接続された、前記第1コイルを構成する第1コイル導体パターン、および、第1端が前記第2入出力電極に接続され、第2端が前記グランド電極に接続された、前記第2コイルを構成する第2コイル導体パターン、を備え、前記入出力間付加容量は、前記絶縁性基材に形成され、前記第1コイル導体パターンと前記第2入出力電極との間に容量を生じさせる第1容量電極を有することが好ましい。
上記構成により、入出力間付加容量はトランスと共に1つの絶縁性基材に設けられるので、簡素な構造の小型の移相器が構成できる。
(4)上記(3)において、前記第1コイル導体パターンおよび前記第2コイル導体パターンの少なくとも一方は、複数ターンのヘリカル状のコイル導体パターンであり、前記第1コイル導体パターンの前記第2端側のコイル開口面と前記第2コイル導体パターンの前記第2端側のコイル開口面とが対向し、前記第1容量電極は、前記第1コイル導体パターンの前記第1端寄りの位置に対向配置されていることが好ましい。
上記構成により、第1コイルと第2コイルとの結合係数が大きくなり過ぎない。結合係数が大きい程、移相量は大きくなり、入出力間容量が大きい程、移相量は小さくなるが、上記構成により、結合係数が大き過ぎることがなく、入出力間付加容量によって所定の移相量に設定できる。
(5)上記(3)または(4)において、前記入出力間付加容量は、前記絶縁性基材に形成され、前記第2コイル導体パターンと前記第1入出力電極との間に容量を生じさせる第2容量電極をさらに備え、前記第2容量電極は、前記第2コイル導体パターンのうち前記第1端寄りの位置に対向配置されていることが好ましい。この構成により、第1容量電極および第2容量電極によるキャパシタンスが並列接続され、第1容量電極および第2容量電極によるインダクタンスが並列接続されるので、所定の容量を得るときのESL(等価直列インダクタンス)が小さくなる。
(6)上記(5)において、前記第2容量電極は前記第2コイル導体パターンに沿って形成されていることが好ましい。このことにより、第1コイルと第2コイルの磁界結合が阻害されにくい。
(7)上記(3)から(6)のいずれかにおいて、前記第1容量電極は前記第1コイル導体パターンに沿って形成されていることが好ましい。このことにより、第1コイルと第2コイルの磁界結合が阻害されにくい。
(8)上記(3)から(7)のいずれかにおいて、前記トランスの第1ポートとグランドとの間に接続された入力側容量を備え、前記入力側容量は、前記絶縁性基材に形成され、前記グランド電極に接続され、前記第1コイル導体パターンとの間に容量を生じさせる入力側容量電極と、前記第1コイル導体パターンに生じる容量とで構成されることが好ましい。このことにより、入力側容量はトランスと共に1つの絶縁性基材に設けられるので、簡素な構造の小型の移相器が構成できる。
(9)上記(8)において、前記トランスの第2ポートとグランドとの間に接続された出力側容量を備え、前記出力側容量は、前記絶縁性基材に形成され、前記グランド電極に接続され、前記第2コイル導体パターンとの間に容量を生じさせる出力側容量電極と、前記第2コイル導体パターンに生じる容量とで構成されることが好ましい。このことにより、出力側容量はトランスと共に1つの絶縁性基材に設けられるので、簡素な構造の小型の移相器が構成できる。
(10)上記(3)から(9)のいずれかにおいて、前記絶縁性基材は複数の絶縁体層を積層してなる積層体であり、前記第1コイル導体パターンおよび前記第2コイル導体パターンの巻回軸方向は前記積層の方向であることが好ましい。この構成により、小型の移相器が構成できる。
(11)本発明のインダクタンス整合回路は、上記(1)から(10)のいずれかに記載の移相器と、前記移相器に対して直列に接続されたインピーダンス整合回路部とを備え、
前記インピーダンス整合回路部は、前記移相器によって移相されたインピーダンスに対してインピーダンス整合させる回路であることを特徴とする。
(12)上記(11)において、前記移相器は、ローバンドでのインピーダンスをスミスチャート上の第2象限または第3象限に移動させ、前記インピーダンス整合回路部は、ハイバンドでのインピーダンスおよびローバンドでのインピーダンスを共にスミスチャート上の中心方向へ移動させるものであることが好ましい。
上記(11)(12)のいずれの構成でも、周波数帯域に応じて容易にインピーダンス整合できるようになる。
(13)本発明の通信端末装置は、給電回路と、前記給電回路に接続されるアンテナと、を備え、前記給電回路と前記アンテナとの間に、上記(1)から(10)のいずれかに記載の移相器または(11)もしくは(12)に記載のインピーダンス整合回路を備えることを特徴とする。これにより、周波数帯域に応じて移相され、アンテナ素子と給電回路とが広帯域に亘ってインピーダンス整合する通信端末装置が得られる。
本発明によれば、周波数帯域に応じた移相量が定められた移相器が得られる。また、周波数帯域毎に容易にインピーダンス整合できるインピーダンス整合回路が得られる。さらに、アンテナ素子と給電回路とが所定の周波数帯域毎にインピーダンス整合した通信端末装置が得られる。
図1は第1の実施形態に係る移相器11の回路図である。 図2(A)、図2(B)はトランスTの各種等価回路図である。 図3は、移相器11を、理想トランスITと寄生インダクタンス成分(直列寄生インダクタンス成分La,Lc、並列寄生インダクタンス成分Lb)とに分けて表した等価回路図である。 図4は、移相器11およびアンテナ1を含むアンテナ回路の構成を示す図である。 図5は、本実施形態の移相器11の移相量の周波数特性を示す図である。 図6(A)、図6(B)は、図4に示した移相器11による移相作用を示す図である。 図7(A)は、図4のPmから視たインピーダンスZmのローバンドでの軌跡であり、図7(B)は、インピーダンスZmのハイバンドでの軌跡である。 図8は移相器11の外観斜視図である。 図9は移相器11の各層の平面図である。 図10は移相器11の主要部の回路図である。 図11(A)は、移相器11の、第1コイルL1および第2コイルL2の積層状態での、それぞれの第1端、第2端の位置関係を示す概略図である。図11(B)は比較例としての移相器の、第1コイルL1および第2コイルL2の積層状態での、それぞれの第1端、第2端の位置関係を示す概略図である。 図12は第2の実施形態に係る移相器12の回路図である。 図13は移相器12の各層の平面図である。 図14は移相器12の主要部の回路図である。 図15は第3の実施形態に係る通信端末装置200のブロック図である。 図16(A)はハイパスフィルタ型の移相器の回路図であり、図16(B)はローパスフィルタ型の移相器の回路図である。 図17は図16(A)に示すハイパスフィルタ型の移相器の位相周波数特性の一例である。 図18は図16(B)に示すローパスフィルタ型の移相器の位相周波数特性の一例である。 図19は図16(A)に示すハイパスフィルタ型の移相器の位相対挿入損失の特性例である。 図20は、第1高周波回路71と第2高周波回路74とのインピーダンス整合を行う回路の構成例を示す図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付す。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点について説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る移相器11の回路図である。移相器11は、第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続されたトランスTを備えている。トランスTは、第1コイルL1および第1コイルL1に対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルL2を有する。また、移相器11は、トランスTに接続されたリアクタンス素子を有するインピーダンス調整用回路を備えている。インピーダンス調整用回路は、第1コイル容量C10、第2コイル容量C20、コイル間容量C30および入出力間付加容量C31を備えている。
図1において、第1コイル容量C10、第2コイル容量C20はそれぞれ集中定数素子として表している。第1コイル容量C10は第1コイルL1に並列接続されていて、第2コイル容量C20は第2コイルL2に並列接続されている。コイル間容量C30も集中定数素子として表している。コイル間容量C30は第1コイルL1と第2コイルL2との間に接続されている。
図1において、入出力間付加容量C31は第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続されている。従って、コイル間容量C30と入出力間付加容量C31との並列接続回路である入出力間容量が第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続された構成である。
図2(A)、図2(B)は上記トランスTの各種等価回路図である。トランスTの等価回路は幾つかの形式で表すことができる。図2(A)の表現では、理想トランスITと、その1次側にシリーズ接続(直列接続)された直列寄生インダクタンス成分Laと、1次側にシャント接続(並列接続)された並列寄生インダクタンス成分Lbと、2次側にシリーズ接続(直列接続)された直列寄生インダクタンス成分Lcとで表される。
図2(B)の表現では、理想トランスITと、その1次側にシリーズ接続(直列接続)された2つの直列寄生インダクタンス成分La,Lc1と、1次側にシャント接続(並列接続)された並列寄生インダクタンス成分Lbとで表される。
本実施形態のトランスTは、第1コイルL1と第2コイルL2との結合係数が1未満であることに伴い、上記直列寄生インダクタンス成分および並列寄生インダクタンス成分が生じる。
図3は、移相器11を、理想トランスITと寄生インダクタンス成分(直列寄生インダクタンス成分La,Lc、並列寄生インダクタンス成分Lb)とに分けて表した等価回路図である。ここで、入出力間容量C3は、コイル間容量C30と入出力間付加容量C31とをまとめて1つの集中定数素子として表したものである。
上記寄生インダクタンス成分(インダクタLa,Lb,Lc)によって、トランスのインダクタンスは規定値(例えば50Ω)から外れてしまうが、第1コイル容量C10、第2コイル容量C20、入出力間容量C3を備えることで、トランスのインピーダンスが規定値に調整される。特に、第1コイル容量C10、第2コイル容量C20は並列寄生インダクタンス成分Lbによるインピーダンスのずれを補正するように作用し、入出力間容量C3は直列寄生インダクタンス成分La,Lcによるインピーダンスのずれを補正するように作用する。
第1コイルL1と第2コイルL2との結合係数が小さい程、直列寄生インダクタンス成分Lcは大きい。結合係数が特に0.9以下(特に0.8以下)であると、直列寄生インダクタンス成分La,Lcにより特にハイバンド側の位相を調整しやすくなる一方、インピーダンスのずれを補正する必要性が高い。コイル間距離を離すことで結合係数が小さくなると、それに伴ってコイル間容量C30は小さくなるが、本実施形態では、入出力間容量C3が所定の大きなキャパシタンスを有することにより、インピーダンス整合が確保される。また、入出力間容量C3のキャパシタンスが大きい程、ハイバンドの信号は、入出力間容量C3をパスする割合が増大し、トランスによる移相作用は小さくなる。一方、ローバンドの信号については、入出力間容量C3をバイパスする量は相対的に少なく、トランスによる移相作用が有効になる。但し、第1コイルL1と第2コイルL2との結合係数は小さいので、移相量は180°より少ない。本実施形態では、このローバンドの信号に対する移相量がほぼ90°となるように、結合係数は小さめ(例えば0.7以下0.6以上程度)に定められている。
図4は、上記移相器11およびアンテナ1を含むアンテナ回路の構成を示す図である。このアンテナ回路は、給電回路50とアンテナ1との間に、インピーダンス整合回路部41,42および移相器11を備える。図4において、インピーダンス整合回路部41,42および移相器11は本発明に係る「インピーダンス整合回路部」の一例である。
図4において、移相器11は、Paで示す位置から視て、アンテナ1からの反射信号を移相させる。インピーダンス整合回路部41は、トランスによるインピーダンス変換回路を構成する。例えば、Ppで示す位置からアンテナ1側を視たインピーダンスZpより、Ptで示す位置から視たインピーダンスZtを高める。インピーダンス整合回路部41,42は、給電回路50とアンテナ1とのインピーダンス整合を行う。
図5は、本実施形態の移相器11の移相量の周波数特性を示す図である。この例では、ローバンド(700MHzから900MHz帯)で移相量はほぼ90°、ハイバンド(1.7GHzから2.7GHz帯)で移相量はほぼ0°である。すなわち、本実施形態は、「ハイバンド信号を移相させず、ローバンド信号を移相させる」移相器の例である。
図6(A)、図6(B)は、図4に示した移相器11による移相作用を示す図である。図6(A)の軌跡LBaは、図4に示すインピーダンスZaのローバンドでの軌跡、軌跡LBpは、図4に示すインピーダンスZpのローバンドでの軌跡である。また、図6(B)の軌跡HBaは、上記インピーダンスZaのハイバンドでの軌跡、軌跡HBpは、上記インピーダンスZpのハイバンドでの軌跡である。
図5に示したとおり、移相器11はローバンドでほぼ90°移相するので、図4において、Ppで示す位置での反射信号はPaで示す位置での反射信号よりほぼ180°だけ右回りに回転する。このことは、図6(A)に表れているとおり、インピーダンス軌跡が右回りに約180°回転していることに対応している。ハイバンドでは殆ど移相せず、図6(B)に表れているとおり、Ppから視た反射信号はPaから視た反射信号とほぼ同じである。このように、ローバンド、ハイバンド共に、インピーダンス軌跡の主要部(大部分)はスミスチャート上の第2象限または第3象限に移動される。ここで、「スミスチャート上の第2象限」とは、反射係数の実数部が負、虚数部が正の領域であり、スミスチャートを十字4分割した左上の領域である。また、「スミスチャート上の第3象限」とは、反射係数の実数部が負、虚数部が負の領域であり、スミスチャートを十字4分割した左下の領域である。
図4のインピーダンス整合回路部41は、互いに磁界結合する第1コイルLpと第2コイルLsとで構成されるオートトランス型の回路である。インピーダンス整合回路部41は、その入力側から視て、所定のインピーダンス変換比でインピーダンスを高める。そのため、このインピーダンス整合回路部41は、スミスチャート上のインピーダンス軌跡を小円化するとともに右方向へシフトする作用がある。
図7(A)は、図4のPmから視たインピーダンスZmのローバンドでの軌跡であり、図7(B)は、インピーダンスZmのハイバンドでの軌跡である。
このように、ローバンド、ハイバンド共に、インピーダンスはスミスチャート上の第2象限または第3象限に移動された後、インピーダンス整合回路部41,42によって、スミスチャート上の中心方向へ移動される。このことにより、ローバンド、ハイバンド共にインピーダンス整合する。
インピーダンス整合回路部42は、そのシャント接続(並列接続)のキャパシタおよびシリーズ接続(直列接続)のインダクタにより主にハイバンドのインピーダンスを変化させ、シリーズ接続のキャパシタおよびシャント接続のインダクタにより主にローバンドのインピーダンスを変化させる。
図8は移相器11の外観斜視図であり、図9は移相器11の各層の平面図である。図10は移相器11の主要部の回路図である。
移相器11は、表面実装型のチップ部品として構成されており、複数の絶縁性の基材S1〜S10を備えている。基材S1〜S10には各種導体パターンが形成されている。「各種導体パターン」には、基材の表面に形成された導体パターンだけでなく、層間接続導体を含む。層間接続導体はビア導体だけでなく、積層体100の端面に形成される端面電極も含む。
基材S1の上面は積層体100の実装面(下面)に相当する。基材S1には第1ポートP1としての端子T1、第2ポートP2としての端子T2、グランド端子GND、空き端子NCがそれぞれ形成されている。
基材S3にはループ状の導体パターンである導体L11Aが形成されている。基材S4には導体L11B,L121が形成されている。直列的に接続された導体L11B,L121でループ状の導体パターンが構成されている。基材S5には導体L13,L122が形成されている。直列的に接続された導体L13,L122でループ状の導体パターンが構成されている。これらのループ状の導体パターンは、同一の巻回軸を有し、かつ、その内外径寸法がほぼ同一である。
導体L11Aの第1端は第1ポートの端子T1に接続されている。導体L11Aの第2端はビア導体V1を介して導体L11Bの第1端に接続されている。導体L11Bの第2端は導体L121の第1端に接続されている。導体L121の第1端と導体L122の第1端とはビア導体V2を介して接続されている。また、導体L121の第2端と導体L122の第2端とはビア導体V3を介して接続されている。すなわち、導体L121と導体L122とはビア導体V2,V3を介して並列接続されている。導体L122の第2端は導体L13の第1端に接続されている。導体L13の第2端はグランド端子GNDに接続されている。上記導体L11A,L11B,L121,L122,L13は本発明に係る「第1コイル導体パターン」の例である。
基材S8にはループ状の導体パターンである導体L21Aが形成されている。基材S7には導体L21B,L221が形成されている。直列的に接続された導体L21B,L221でループ状の導体パターンが構成されている。基材S6には導体L23,L222が形成されている。直列的に接続された導体L23,L222でループ状の導体パターンが構成されている。これらのループ状の導体パターンは、同一の巻回軸を有し、かつ、その内外径寸法がほぼ同一である。
導体L21Aの第1端は第2ポートの端子T2に接続されている。導体L21Aの第2端はビア導体V4を介して導体L21Bの第1端に接続されている。導体L21Bの第2端は導体L221の第1端に接続されている。導体L221の第1端と導体L222の第1端とはビア導体V5を介して接続されている。また、導体L221の第2端と導体L222の第2端とはビア導体V6を介して接続されている。すなわち、導体L221と導体L222とはビア導体V5,V6を介して並列接続されている。導体L222の第2端は導体L23の第1端に接続されている。導体L23の第2端はグランド端子GNDに接続されている。上記導体L21A,L21B,L221,L222,L23は本発明に係る「第2コイル導体パターン」の例である。
上記導体L11A,L11B,L121,L122,L13およびビア導体V1,V2,V3によって第1コイルL1が構成される。また、上記導体L21A,L21B,L221,L222,L23およびビア導体V4,V5,V6によって第2コイルL2が構成される。第1コイルL1、第2コイルL2は共に矩形ヘリカル状のコイルである。第1コイル導体パターンおよび第2コイル導体パターンの巻回軸方向は基材S1〜S10の積層方向である。
第1コイル導体パターン(L11A,L11B,L121,L122,L13)のうち導体L11Aは第1端側(図10のL1E1)のコイル導体パターンであり、導体L13は第2端側(図10のL1E2)のコイル導体パターンである。同様に、第2コイル導体パターン(L21A,L21B,L221,L222,L23)のうち導体L21Aは第1端側(図10のL2E1)のコイル導体パターンであり、導体L23は第2端側(図10のL2E2)のコイル導体パターンである。第1コイル導体パターンの第2端側のコイル開口面(導体L13のコイル開口面)と第2コイル導体パターンの第2端側のコイル開口面(導体L23のコイル開口面)とは対向する。第1コイル導体パターンと第2コイル導体パターンとは、同一の巻回軸を有し、かつ、その内外径寸法がほぼ同一である。
基材S2には第1容量電極E311が形成されている。第1容量電極E311は積層体100(図8参照)の側面を介して第2ポートの端子T2に導通する。第1容量電極E311は導体L11Aの中途部に部分的に対向しており、この対向部分に第1容量C311が生じる。また、基材S9には第2容量電極E312が形成されている。第2容量電極E312は積層体100(図8参照)の側面を介して第1ポートの端子T1に導通する。第2容量電極E312は導体L21Aの中途部に部分的に対向しており、この対向部分に第2容量C312が生じる。すなわち、第1容量電極E311は、第1コイル導体パターンの第1端L1E1寄りの位置に対向配置されていて、第2容量電極E312は、第2コイル導体パターンの第1端L2E1寄りの位置に対向配置されている。
第1容量C311と第2容量C312とは並列接続され、入出力間付加容量C31が構成される。この構成により、入出力間容量あたりの寄生インダクタンス成分が半減する。そのため、入出力間容量のESL(等価直列インダクタンス)が小さくなる。
第1容量電極E311は導体L11Aに沿って形成されている。また、第2容量電極E312は導体L21Aに沿って形成されている。このことにより、第1容量電極E311および第2容量電極E312は第1コイルL1および第2コイルL2のコイル開口を実質的に遮らないので、第1コイルL1と第2コイルL2との磁界結合は阻害されにくい。
積層体100の各基材層はLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics:低温同時焼成セラミックス)等で構成された非磁性セラミック積層体であってもよいし、ポリイミドや液晶ポリマ等の樹脂材料で構成した樹脂積層体であってもよい。このように、基材層が非磁性体であることにより(磁性体フェライトではないので)、UHF帯以上の高周波数帯でも所定インダクタンス、所定結合係数のトランスおよび移相器として用いることができる。
上記導体パターンおよび層間接続導体は、AgやCuを主成分とする比抵抗の小さな導体材料によって構成される。基材層がセラミックであれば、例えば、AgやCuを主成分とする導電性ペーストのスクリーン印刷および焼成により形成される。また、基材層が樹脂であれば、例えば、Al箔やCu箔等の金属箔がエッチング等によりパターニングされることにより形成される。
図11(A)は、移相器11の、第1コイルL1および第2コイルL2の積層状態での、それぞれの第1端、第2端の位置関係を示す概略図である。図11(B)は比較例としての移相器の、第1コイルL1および第2コイルL2の積層状態での、それぞれの第1端、第2端の位置関係を示す概略図である。
本実施形態の移相器11においては、既に述べたとおり、第1コイルL1の第2端L1E2側(グランド端子GNDに接続される側)のコイル開口面と、第2コイルL2の第2端L2E2側(グランド端子GNDに接続される側)のコイル開口面とが対向する。一般的にコイル間距離が近づくと結合係数kが大きくなるが、入出力間容量C3(図3参照)も大きくなってしまう。それに対し、本実施形態の構造では端子T1,T2に接続される第1端L1E1,L2E1は最も離れた位置に配置されるため、入出力間容量C3の絶対値自体が小さく、またコイル間距離によりその値の変化が小さくなる。つまり、結合係数kと入出力間容量C3を独立に制御できる構造といえる。結合係数kはコイル間距離で調整でき、入出力間容量C3は入出力間付加容量C31で調整できるので、周波数特性をもちながら所定の移相特性を得ることができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、入力側付加容量および出力側付加容量を備える移相器の例を示す。
図12は第2の実施形態に係る移相器12の回路図である。第1の実施形態で図1に示した移相器11とは、入力側付加容量C11および出力側付加容量C21を更に備える点で異なる。
図12において、入力側付加容量C11は第1コイルL1に並列接続されていて、出力側付加容量C21は第2コイルL2に並列接続されている。従って、入力側付加容量C11は第1コイル容量C10に並列接続されていて、出力側付加容量C21は第2コイル容量C20に並列接続されている。
図13は移相器12の各層の平面図である。図14は移相器12の主要部の回路図である。
図13に表れているように、基材S2に入力側容量電極E11が形成されている。基材S9には出力側容量電極E21が形成されている。入力側容量電極E11は積層体の側面を介してグランド端子GNDに導通する。出力側容量電極E21は積層体の側面を介してグランド端子GNDに導通する。入力側容量電極E11と導体L11Aとの対向部分には入力側付加容量C11が生じる。また、出力側容量電極E21と導体L21Aとの対向部分には出力側付加容量C21が生じる。その他の構成は第1の実施形態で示した移相器11と同じである。
本実施形態によれば、第1コイルL1を構成する第1コイル導体パターンの導体パターン間隔を狭くしなくても、所定の入力側容量が得られるので、また、第2コイルL2を構成する第2コイル導体パターンの導体パターン間隔を狭くしなくても、所定の出力側容量が得られるので、第1コイルL1と第2コイルL2との結合係数の設計上の自由度が高い。また、入力側容量および出力側容量がトランスと共に1つの絶縁性基材に設けられるので、簡素な構造の小型の移相器が構成できる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では通信端末装置について示す。図15は第3の実施形態に係る通信端末装置200のブロック図である。本実施形態の通信端末装置200は、アンテナ1、アンテナ整合回路40、移相回路30、通信回路51、ベースバンド回路52、アプリケーションプロセッサ53および入出力回路54を備えている。通信回路51はローバンド(700MHz〜1.0GHz)とハイバンド(1.4GHz〜2.7GHz)についての送信回路および受信回路、さらにはアンテナ共用器を備えている。アンテナ1は、ローバンドとハイバンドに対応するモノポールアンテナ、逆L型アンテナ、逆F型アンテナ等である。
上記構成要素は1つの筐体内に収納されている。例えば、アンテナ整合回路40、移相回路30、通信回路51、ベースバンド回路52、アプリケーションプロセッサ53はプリント配線板に実装され、プリント配線板は筐体内に収納される。入出力回路54は表示・タッチパネルとして筐体に組み込まれる。アンテナ1はプリント配線板に実装されるか、筐体の内面または内部に配置される。
以上に示した構成により、広帯域に亘って整合するアンテナを備える通信端末装置が得られる。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。例えば、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
C10…第1コイル容量
C11…入力側付加容量
C20…第2コイル容量
C21…出力側付加容量
C3…入出力間容量
C30…コイル間容量
C31…入出力間付加容量
C311…第1容量
C312…第2容量
E11…入力側容量電極
E21…出力側容量電極
E311…第1容量電極
E312…第2容量電極
GND…グランド端子
IT…理想トランス
L1…第1コイル
L11A,L11B…導体
L121,L122…導体
L13…導体
L1E1…第1端
L1E2…第2端
L2…第2コイル
L21A,L21B…導体
L221,L222…導体
L23…導体
L2E1…第1端
L2E2…第2端
La,Lc,Lc1…直列寄生インダクタンス成分
Lb…並列寄生インダクタンス成分
Lp…第1コイル
Ls…第2コイル
NC…空き端子
P1…第1ポート
P2…第2ポート
S1〜S10…基材
T…トランス
T1,T2…端子
V1〜V6…ビア導体
1…アンテナ
11,12…移相器
30…移相回路
40…アンテナ整合回路
41,42…インピーダンス整合回路部
50…給電回路
51…通信回路
52…ベースバンド回路
53…アプリケーションプロセッサ
54…入出力回路
71…第1高周波回路
72…インピーダンス整合回路
73…移相器
74…第2高周波回路
100…積層体
200…通信端末装置

Claims (13)

  1. 第1ポートと第2ポートとの間に接続され、前記第1ポートとグランドとの間に接続された第1コイル、前記第2ポートとグランドとの間に接続され、前記第1コイルに対して磁界結合する第2コイル、および寄生インダクタンス成分を含むトランスと、
    前記トランスに接続されたリアクタンス素子を有するインピーダンス調整用回路と、
    を備え、
    周波数帯に応じて異なる移相量となるように、前記トランスの第1コイルと第2コイルとの結合係数および前記インピーダンス調整用回路のリアクタンス素子の値が定められ、
    前記インピーダンス調整用回路は、
    前記トランスの第1ポートと第2ポートとの間に接続された入出力間容量を含み、前記入出力間容量は、同一の巻回軸を有し、コイル開口面が互いに対向した前記第1コイルと前記第2コイルとの間に生じるコイル間容量を含んで構成されることを特徴とする、移相器。
  2. 前記第1コイルと前記第2コイルとの結合係数は0.9以下である、請求項1に記載の移相器。
  3. 前記入出力間容量は、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に接続される入出力間付加容量を含んで構成され、
    前記トランスは、絶縁性基材と、前記絶縁性基材に設けられた、前記第1ポートを構成する第1入出力電極、前記第2ポートを構成する第2入出力電極、グランド電極、第1端が前記第1入出力電極に接続され、第2端が前記グランド電極に接続された、前記第1コイルを構成する第1コイル導体パターン、および、第1端が前記第2入出力電極に接続され、第2端が前記グランド電極に接続された、前記第2コイルを構成する第2コイル導体パターン、を備え、
    前記入出力間付加容量は、前記絶縁性基材に形成され、前記第1コイル導体パターンと前記第2入出力電極との間に容量を生じさせる第1容量電極を有する、請求項1または2に記載の移相器。
  4. 前記第1コイル導体パターンおよび前記第2コイル導体パターンの少なくとも一方は、複数ターンのヘリカル状のコイル導体パターンであり、
    前記第1コイル導体パターンの前記第2端側のコイル開口面と前記第2コイル導体パターンの前記第2端側のコイル開口面とが対向し、
    前記第1容量電極は、前記第1コイル導体パターンの前記第1端寄りの位置に対向配置されている、請求項3に記載の移相器。
  5. 前記入出力間付加容量は、前記絶縁性基材に形成され、
    前記第2コイル導体パターンと前記第1入出力電極との間に容量を生じさせる第2容量電極をさらに備え、
    前記第2容量電極は、前記第2コイル導体パターンのうち前記第1端寄りの位置に対向配置されている、請求項3または4に記載の移相器。
  6. 前記第2容量電極は前記第2コイル導体パターンに沿って形成されている、請求項5に記載の移相器。
  7. 前記第1容量電極は前記第1コイル導体パターンに沿って形成されている、請求項3から6のいずれかに記載の移相器。
  8. 前記トランスの第1ポートとグランドとの間に接続された入力側容量を備え、
    前記入力側容量は、前記絶縁性基材に形成され、前記グランド電極に接続され、前記第1コイル導体パターンとの間に容量を生じさせる入力側容量電極と、前記第1コイル導体パターンに生じる容量とで構成される、請求項3から7のいずれかに記載の移相器。
  9. 前記トランスの第2ポートとグランドとの間に接続された出力側容量を備え、
    前記出力側容量は、前記絶縁性基材に形成され、前記グランド電極に接続され、前記第2コイル導体パターンとの間に容量を生じさせる出力側容量電極と、前記第2コイル導体パターンに生じる容量とで構成される、請求項8に記載の移相器。
  10. 前記絶縁性基材は複数の絶縁体層を積層してなる積層体であり、前記第1コイル導体パターンおよび前記第2コイル導体パターンの巻回軸方向は前記積層の方向である、請求項3から9のいずれかに記載の移相器。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の移相器と、前記移相器に対して直列に接続されたインピーダンス整合回路部とを備え、
    前記インピーダンス整合回路部は、前記移相器によって移相されたインピーダンスに対してインピーダンス整合させる回路である、インピーダンス整合回路。
  12. 前記移相器は、ローバンドでのインピーダンスをスミスチャート上の第2象限または第3象限に移動させ、
    前記インピーダンス整合回路部は、ハイバンドでのインピーダンスおよびローバンドでのインピーダンスを共にスミスチャート上の中心方向へ移動させる、請求項11に記載のインピーダンス整合回路。
  13. 給電回路と、前記給電回路に接続されるアンテナと、を備え、
    前記給電回路と前記アンテナとの間に、請求項1から10のいずれかに記載の移相器または請求項11もしくは12に記載のインピーダンス整合回路を備える、通信端末装置。
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