JP2017212253A - 放熱シートおよび半導体装置 - Google Patents

放熱シートおよび半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017212253A
JP2017212253A JP2016102478A JP2016102478A JP2017212253A JP 2017212253 A JP2017212253 A JP 2017212253A JP 2016102478 A JP2016102478 A JP 2016102478A JP 2016102478 A JP2016102478 A JP 2016102478A JP 2017212253 A JP2017212253 A JP 2017212253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
thermosetting resin
sheet
particles
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016102478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6647139B2 (ja
Inventor
濱口 恒夫
Tsuneo Hamaguchi
恒夫 濱口
翔太 佐藤
Shota Sato
翔太 佐藤
健太 藤井
Kenta Fujii
健太 藤井
雄二 白形
Yuji Shirakata
雄二 白形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2016102478A priority Critical patent/JP6647139B2/ja
Publication of JP2017212253A publication Critical patent/JP2017212253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6647139B2 publication Critical patent/JP6647139B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】接触熱抵抗が低減され、熱伝導性が向上した放熱シートを提供する。【解決手段】本発明の放熱シートは、絶縁層と、絶縁層の少なくとも片側に設けられた伝熱層と、を備える放熱シートである。絶縁層は、第1の熱硬化型樹脂と、第1の熱硬化型樹脂中に分散された絶縁性粒子と、を含む。絶縁性粒子は、第1の熱硬化型樹脂より高い熱伝導性を有する材料からなる。伝熱層は、第2の熱硬化型樹脂と、第2の熱硬化型樹脂中に分散されたはんだ材料からなるはんだ粒子と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、放熱シートおよび半導体装置に関する。
近年、車載や車両用の大容量産業機器に用いられる半導体装置は、多機能化、高出力化および小型化の傾向にある。これに伴い、半導体装置に実装される電子部品の単位体積当たりの発熱量は大きく上昇している。このため、放熱性が向上した半導体装置の開発が望まれている。
放熱シートは、半導体装置などにおいて、電子部品等の発熱する部材(発熱部材)とヒートシンクなどの放熱用の部材(放熱部材)の隙間を埋めて、発熱部材(高温側)から放熱部材(低温側)に熱を伝導するために用いられる。このため、放熱シートは、各部材の表面の凹凸にならって密着できるようにゴム弾性を有し、かつ、熱伝導性を有している。また、放熱シートは、電子部品の短絡を防止するために、電気的な絶縁性も有している。
一般に、放熱シートの熱伝導は、フィラー(放熱シート内に分散された粒子など)を経由して行われる。このため、従来の放熱シートの開発においては、主に、(i)熱伝導のよいフィラーを充填すること、および、(ii)フィラーの充填率(放熱シート中の粒子の含有率)を大きくすることにより、熱伝導性を向上させる検討が行われていた。このような放熱シートに関する先行技術について、以下に例示する。
特許文献1(特開平2−196453号公報)に開示される放熱シート(伝熱シート)では、シリコーンゴム中に金属酸化物等の熱伝導性材料が混入されている。なお、取り扱いに必要な強度を有するシリコーン樹脂の層と、柔らかく変形しやすいシリコーンゴムの層とが積層されている。これにより、プリント基板に搭載された集積回路素子(発熱部材)の高さや傾きのばらつきを吸収することができる。
特許文献2(特開平8−88488号公報)に開示される放熱シートでは、シリコーンゴム等の樹脂中に、粒状熱伝導性フィラーとして、粒状アルミナとこれよりも粒径が大きいマグネシアを含有した放熱シートが分散されている。
特許文献3(特開2008−270678号公報)には、熱硬化型樹脂中に、粒径の異なる2種の無機充填材を含有する放熱シート(絶縁シート)が開示されている。この放熱シートでは、第1の無機充填材を厚さ方向における中央部に配置し、第1の無機充填材よりも粒径の小さい第2の無機充填材を表面近傍に分布させている。
特許文献4(特開2011−54609号公報)に開示される放熱シート(熱伝導性シート)は、導電性かつ熱伝導性のフィラーと熱可塑性樹脂(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)とからなる導電性熱伝導性樹脂層、および、その片面または両面に設けられた絶縁性かつ熱伝導性のフィラーと熱可塑性樹脂とからなる絶縁性熱伝導性樹脂層を備えている。
特開平2−196453号公報 特開平8−88488号公報 特開2008−270678号公報 特開2011−54609号公報
放熱シートの熱伝導性は、熱抵抗を用いて評価される。放熱シートの熱伝導性を向上させるためには、熱抵抗(R)を小さくする必要がある。なお、放熱シートの熱抵抗(R)は、放熱シート自体の熱抵抗(Rb)と、放熱シートと発熱部材等との界面における接触熱抵抗(Rc)との和で表わされる。従来の放熱シートの開発においては、放熱シート自体の熱抵抗(Rb)を減少させることが検討されてきた。
しかし、本発明者らの検討により、熱抵抗(R)全体に対する接触熱抵抗(Rc)の占める割合が比較的大きいことが分かった。これまでは、接触熱抵抗(Rc)を減少させることは検討されておらず、放熱シートの熱伝導性を大幅に向上させることは難しかった。
本発明は、上記の課題に鑑み、接触熱抵抗が低減され、熱伝導性が向上された放熱シートを提供することを目的とする。
本発明の放熱シートは、絶縁層と、絶縁層の少なくとも片側に設けられた伝熱層と、を備える放熱シートである。絶縁層は、第1の熱硬化型樹脂と、第1の熱硬化型樹脂中に分散された絶縁性粒子と、を含む。絶縁性粒子は、第1の熱硬化型樹脂より高い熱伝導性を有する材料からなる。伝熱層は、第2の熱硬化型樹脂と、第2の熱硬化型樹脂中に分散されたはんだ材料からなるはんだ粒子と、を含む。
本発明によれば、接触熱抵抗が低減され、熱伝導性が向上した放熱シートを提供することができる。
実施形態1の放熱シートの断面模式図である。 実施形態1の放熱シートを適用した半導体装置の断面模式図である。 実施形態1の半導体装置の発熱部材と放熱シートの接合部を拡大して示す断面模式図である。 実施形態1の変形例の放熱シートの断面模式図である。 (a)は、実施形態2の放熱シートの断面模式図である。(b)は、(a)の部分拡大図である。 実施形態2の放熱シートを適用した半導体装置の部分断面模式図である。 実施形態4の放熱シートの断面模式図である。 実施形態4の放熱シートを適用した半導体装置の部分断面模式図である。 実施形態5の放熱シートの断面模式図である。 実施形態6の半導体装置における放熱シート1およびその周囲の断面模式図である。 接触熱抵抗の計算方法を説明するための模式的なグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表す。
[実施形態1]
(放熱シート)
図1は、本実施形態の放熱シートの断面模式図である。図1に示されるように、本実施形態の放熱シート1は、絶縁層11(絶縁性熱伝導性樹脂層)と、絶縁層11の片側に設けられた伝熱層12とを備える。
絶縁層11は、第1の熱硬化型樹脂31と、第1の熱硬化型樹脂31中に分散された絶縁性粒子21と、を含む。絶縁性粒子21は、第1の熱硬化型樹脂より高い熱伝導性を有する材料からなる。
伝熱層12は、第2の熱硬化型樹脂と、第2の熱硬化型樹脂中に分散されたはんだ材料からなるはんだ粒子と、を含む。
絶縁層11および伝熱層12に用いられる第1の熱硬化型樹脂31および第2の熱硬化型樹脂32としては、耐熱性、耐候性、耐寒性および絶縁性を有する熱硬化型樹脂であることが好ましい。このような熱硬化型樹脂としては、例えば、シリコーンゴム(シリコーンゲルを含む)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。特に、シリコーンゲルのガラス転移点は、例えば−50℃程度である。第1の熱硬化型樹脂31および第2の熱硬化型樹脂32は、同じ樹脂であってもよく、異なる樹脂であってもよい。
なお、本明細書において、「熱硬化型樹脂」とは、特にその状態について記載のない限り、熱硬化後の状態を意味し、硬化前の状態については、「硬化前の熱硬化型樹脂」のように記載される。
絶縁性粒子21を構成する材料としては、絶縁性を有し、かつ、第1の熱硬化型樹脂31よりも高い熱伝導性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素などが挙げられる。
絶縁性粒子21の平均粒径は、10〜80μmであることが好ましく、例えば10〜30μm程度である。絶縁層11中の絶縁性粒子21の含有率は、60〜90体積%であることが好ましく、例えば、70体積%程度である。
はんだ粒子22は、はんだ材料からなる。はんだ材料は、環境保全のために、鉛を含まないことが好ましい。
はんだ材料は、通常、第2の熱硬化型樹脂32より高い熱伝導性を有する。なお、はんだ材料は、導電性であってもよく、絶縁性であってもよい。
具体的なはんだ材料としては、例えば、Sn−Bi系、Sn−Bi−Ag系、Sn−Ag系、Sn−Cu系などのはんだ材料が挙げられる。より具体的なはんだ材料としては、例えば、Sn−58Bi、Sn−57Bi−Ag、Sn−3.5Ag、Sn−0.7Cuなどが挙げられる。
はんだ粒子22の平均粒径は、10〜50μmであることが好ましく、例えば30μm程度である。伝熱層12中のはんだ粒子22の含有率は、60〜90体積%であることが好ましく、例えば、70体積%程度である。
次に、図1に示される放熱シート1の製造方法の一例について説明する。
まず、硬化前の第1の熱硬化型樹脂31に絶縁性粒子21を加え混練する。その後、混練物をシート状に延ばして、例えば5〜10分の熱処理で第1の熱硬化型樹脂31をゲル化(半硬化)させる。
次に、硬化前の第2の熱硬化型樹脂32中にはんだ粒子22を加え混練する。その後、混練物をゲル化した第1の熱硬化型樹脂31上に薄く塗布し、1時間の加熱により硬化(本硬化)させる。これにより、第1の熱硬化型樹脂31と第2の熱硬化型樹脂32とが積層されてなる放熱シート1を得ることができる。
(半導体装置)
本実施形態の半導体装置は、発熱部材、発熱部材の熱を放散させるための放熱部材、および、発熱部材と放熱部材との間に配置された放熱シートを備える。
発熱部材は、熱を発生する部材であれば特に限定されず、例えば、電子部品などの発熱体自体、または、発熱体に伝熱可能に接続された部材などが挙げられる。なお、本明細書では、「発熱部材」の用語は、熱を発する部材のうち、放熱シートに直接接触する部材を意味する。
放熱部材は、放熱シートを介して発熱部材の熱を放散させることのできる部材であれば特に限定されず、例えば、ヒートシンクが挙げられる。
放熱シートは、上述した本実施形態の放熱シートと基本的に同じものであるため、重複する説明は省略する。
すなわち、放熱シートは、絶縁層と、絶縁層の少なくとも片側に設けられた伝熱層とを備える。絶縁層は、第1の熱硬化型樹脂と、第1の熱硬化型樹脂中に分散された絶縁性粒子と、を含み、絶縁性粒子は、第1の熱硬化型樹脂より高い熱伝導性を有する材料からなる。伝熱層は、第2の熱硬化型樹脂と、はんだ材料と、を含む。
ただし、上記放熱シートの伝熱層中に含まれるはんだ粒子は、半導体装置の製造過程における加熱または加圧処理により、半導体装置においては加熱または加圧処理前の粒子状の形状を維持していない(変形している)。
また、発熱部材と放熱シートの界面に、半導体装置の製造過程における加熱処理により形成された、はんだ結合部(金属間化合物層)を有している。これにより、発熱部材と放熱シートとの間の接触熱抵抗が小さくなり、半導体装置の放熱性が向上する。
図2は、本実施形態の放熱シートを適用した半導体装置の断面模式図である。図2に示されるように、半導体装置10は、配線板2(配線層2bを有するプリント基板)、配線板2に搭載された発熱の大きな電子部品5、放熱シート1、および、ヒートシンクなどの放熱部材4を備える。図2に示される半導体装置では、配線板2(配線層2b)が上記の発熱部材に相当する。
電子部品5で発生した熱は、配線板2の放熱ビア2aを経由して、配線板2の裏面の配線層2bに伝導される。熱は、さらに配線層2bとはんだ接合した放熱シート1に伝導されて、放熱部材4に伝導される。なお、配線層2bの材料は、はんだ接合が可能な金属であることが好ましく、例えば、Cu、Ag、Niなどが挙げられる。
また、本実施形態の半導体装置は、上記の放熱シートを用いることで放熱性が向上するため、小型化および高集積化が可能である。
(半導体装置の製造方法)
本実施形態の半導体装置の製造方法は、基本的に、
発熱部材の表面に放熱シートを積層し、放熱シートの発熱部材と反対側の表面に放熱部材を積層する、積層工程と、
放熱シートを発熱部材と放熱部材で加圧(狭圧)する、加圧工程と、
放熱シートを伝熱層中に含まれるはんだ材料の融点以上に加熱する、加熱工程と、
を含む。
以下、図2に示される半導体装置10の製造方法の具体例について説明する。
図2に示される半導体装置10の製造方法は、
電子部品5を搭載した配線板2の配線層2b(発熱部材)の表面に無洗浄フラックスを塗布する塗布工程と、
無洗浄フラックスが塗布された配線層2bの表面に放熱シート1を積層し、放熱シート1の配線層2bと反対側の表面に放熱部材4を積層する、積層工程と、
放熱シート1を配線板2と放熱部材4とで加圧(狭圧)する、加圧工程と、
放熱シート1を伝熱層12中に含まれる(はんだ粒子22を構成する)はんだ材料の融点以上に加熱する、加熱工程と、
を含んでいる。
加圧工程により、伝熱層12中のはんだ粒子22と配線層2bとの間に介在する第2の熱硬化型樹脂32は排除され、はんだ粒子22が配線層2bと接触する。この状態で加熱工程を実施すると、無洗浄フラックスの作用によりはんだ粒子22の表面の酸化膜が除去され、はんだ粒子22と配線層2bの接触界面にはんだ接合部(金属間化合物層)3が形成され、はんだ接合が行われる。
なお、無洗浄フラックスの代わりに、硬化剤として有機酸を含む硬化前の熱硬化性エポキシ樹脂を用いても、はんだ接合部を得ることができる。
ただし、上記加圧行程等において、伝熱層12中のはんだ粒子22と配線層2bとの間に介在する第2の熱硬化型樹脂32が十分に排除されなければ、はんだ粒子22が配線層2bと接触できない可能性がある。そこで、排除できる軟らかい樹脂として、JIS K2220に規定されている針入度が30〜90のシリコーンゲルを用いた場合において、はんだ粒子22が配線層2bと接触することを実験的に検証した。
なお、本発明者らは、針入度が30〜90のシリコーンゲルを第2の熱硬化型樹脂32として用いた場合に、放熱シートの加熱処理前の状態において、はんだ粒子は熱硬化型樹脂に分散された状態で保持され、はんだ粒子とシリコーンゲルとが混ざり合うことがないことも、実験的に確認している。なお、上記の針入度は、JIS K2220に規定される針入度である。
図3は、本実施形態の半導体装置の発熱部材と放熱シートの接合部を拡大して示す断面模式図である。
図3に示されるように、上記の製造工程(特に加熱工程)により、はんだ粒子22は、配線層2b(発熱部材)との界面には、はんだ接合部(金属間化合物層)3が形成されている。
(放熱シートの熱伝導性)
放熱シートの熱伝導性は、熱抵抗を用いて評価される。「熱抵抗」とは、温度の伝わりにくさを表す指標であり、単位発熱量当たりの温度上昇値を意味する。放熱シートの熱伝導性を向上させるためには、熱抵抗(R)を小さくする必要がある。
なお、放熱シートの熱抵抗(R)は、式(1):
R=Rb+Rc ・・・(1)
に示されるように、放熱シート自体の熱抵抗(Rb)と、放熱シートと発熱部材との間での接触熱抵抗(Rc)との和で表わされる。
ここで、放熱シート内の熱抵抗(Rb)は、式(2):
Rb=t/(λA) ・・・(2)
〔t:放熱シート厚、λ:放熱シートの熱伝導率(主にフィラーの熱伝導率)、A:放熱シートの伝熱面積(放熱シートの面積、フィラー径、フィラー充填率などの因子によって定められる熱伝導に寄与する面積)〕
で求められる。
特許文献1では、放熱シートを構成する樹脂を軟らかくし、放熱シートを発熱部材の表面に密着させることで、式(2)の伝熱面積(A)を増加させて、熱抵抗(Rb)を小さくしようとしている。
特許文献2では、フィラーの材料と径を変えて、式(2)のλとAを大きくして、放熱シートの熱抵抗を小さくしようとしている。
特許文献3では、絶縁性を維持しながら熱伝導性を向上させるために、表面に粒径の小さいフィラーを配置することで、フィラーの充填率を上げて、放熱シートの熱抵抗を小さくしようとしている。
特許文献4においては、導電性のフィラーを含む層を積層して、式(2)のλを大きくすることで、放熱シートの熱抵抗を小さくしようとしている。
このように従来は、放熱シート自体の熱抵抗(Rb)を減少させることが検討されてきた。しかし、本発明者らの検討により、熱抵抗(R)全体に対する接触熱抵抗(Rc)の占める割合が比較的大きいことが分かった。
一例として、厚さ1mmの従来の一般的な放熱シート(シリコーンゲルにアルミナの微粉末(サイズ1〜50μm)を充填してなるシート)を用いて、熱抵抗(R)全体に対する接触熱抵抗(Rc)の占める割合を実験的に求めたところ、その割合は30〜40%であった。
したがって、接触熱抵抗(Rc)を小さくすることで、放熱シートのさらなる熱伝導性の向上が可能である。
従来技術について、発熱部材と放熱シートの接触面を微視的にみると、発熱部材の表面と放熱シート中の粒子は加圧によって極薄くなった樹脂を介して接触していると考えられている。このように、熱伝導の悪い樹脂を介しているため、熱抵抗が大きくなり、伝熱量は少なくなる。また、粒子は球形状であるため、伝熱に寄与する面積(伝熱面積)が小さくなる。
これに対して、本発明者らの検討により、本実施形態では、放熱シート1(伝熱層12)と配線層2bとが、はんだ接合部3を形成することにより、接触熱抵抗Rcを9×10−8K・m/W以下に低減できることがわかった。
一方、従来の放熱シートについて、式(3)の右辺第1項および第2項を含む値として、試験(ASTM D5470に準拠した熱伝導率測定装置)により求めた接触熱抵抗の値は、0.33(K/W)であった。したがって、通常の放熱シートに対する本実施形態の放熱シートの接触熱抵抗の比率は、2.9×10−8/0.33=9×10−8である。
このように、本実施形態の放熱シートは、従来と比べて大幅に接触熱抵抗が低減されたものである。このように、放熱シートの接触熱抵抗を小さくすれば、放熱シートの熱伝導性は大幅に向上する。
なお、本実施形態の放熱シートの接触熱抵抗Rcの値は、計算によって求めた。計算の根拠を以下に説明する。
「社団法人日本機械学会発行、伝熱工学資料、2009年発行5版、p.16-17」によれば、接触熱抵抗は、以下の式(3):

1/Rc=(a/A)/{(δ1/λ1)+(δ2/λ2)}+{(A−a)/A}・λf/(δ1+δ2) ・・・(3)

で表わされる。
式(3)において、δは、表面の突起高さを示す。aは、はんだ接合部の面積である。Aは、接触面の見掛けの面積(接触面に垂直な方向から見て接触している2つの物体が重なっている部分の面積)である。λは、熱伝導率である。λfは、はんだの金属間化合物の熱伝導率である。(δ1+δ2)は、金属間化合物層の厚さである。なお、δおよびλの添え字の1は、接触している2つの物体のうちの一方の物体(例えば、放熱シート)の値であることを意味し、2は、他方の物体(例えば、発熱部材)の値であることを意味する。また、λfは、接触している2つの物体の間の介在物質の熱伝導率である。
はんだに関する文献(『R.J.Fieldsほか、"PHYSICAL AND MECHANICAL PROPERTIES OF INTERMETALLIC COMPOUNDS COMMONLY FOUND IN SOLDER JOINTS"、NIST Material Science and Engineering Division、Material Performance Group Research Publication、1991年10月』、および、『高尾尚史ほか、「CuおよびCu-Sn系化合物のSn-Pbはんだ濡れ性解析」豊田中央研究所R&D レビュー、Vol.31,No.4、1996年12月、p.61-69』)に基づいて、λfは、はんだがCuSn化合物である場合、約70W/mKである。(δ1+δ2)=1μmとし、はんだ接合が得られている面積が全体の半分(a/A=0.5)であると仮定すれば、式(3)の右辺第2項は3×10−8(K/W)となる。
ただし、放熱シートの接触熱抵抗は、試験により求めることもできる。以下では、放熱シートの接触熱抵抗Rcを試験により求める方法の一例について説明する。
まず、厚さの異なる複数の放熱シート(測定サンプル)について、熱伝導率を熱伝導測定器(「Polyfile、「方向熱流定常比較法を用いた熱伝導率測定装置の開発」、株式会社レスカ、2013年10月、p.44-46」参照)を用いて測定する。
図11に示されるように、得られた複数の測定データから、放熱シートの厚さと熱伝導率との関係を示すグラフ(一次近似関数:Rth=a・t+b)を作成し、外挿により放熱シートの厚さが0の場合の熱抵抗値を接触熱抵抗(Rc)として求めることができる。すなわち、上記一次近似関数のbの値が接触熱抵抗となる。
[実施形態1の変形例]
本変形例の放熱シートは、絶縁層の両側に伝熱層が設けられている点で、実施形態1とは異なる。それ以外の点は、基本的に上記の実施形態1と同じである。
図4は、実施形態1の変形例の放熱シートの断面模式図である。図4に示されるように、本変形例の放熱シートでは、絶縁層11の両側に伝熱層が設けられている。すなわち、すなわち、絶縁層11の一方側に第1の伝熱層12aが設けられ、絶縁層11の他方側に第2の伝熱層12bが設けられている。
次に、図4に示す本変形例の放熱シートの製造方法について説明する。
まず、硬化前の第2の熱硬化型樹脂32aに第1のはんだ粒子22aを加え混練した後、シート状に延ばして、5〜10分の加熱処理で第2の熱硬化型樹脂32aをゲル化させる。次に、硬化前の第1の熱硬化型樹脂31a中に絶縁性粒子21を加え混練した後、上記ゲル化した第2の熱硬化型樹脂32a上に塗布し、5〜10分加熱し、第1の熱硬化型樹脂をゲル化させる。この結果、ゲル化した熱硬化型樹脂層からなる第1の伝熱層12aと絶縁層11とを積層してなる放熱シートを得ることができる。
次に、硬化前の第2の熱硬化型樹脂32bに第2のはんだ粒子22bを加え混練した後、シート状に延ばして、5〜10分の加熱処理で、第2の熱硬化型樹脂32bをゲル化させる。次に、硬化前の第1の熱硬化型樹脂31a中に絶縁性粒子21を加え混練した後、上記ゲル化した第2の熱硬化型樹脂32b上に塗布し、5〜10分の加熱処理で、第1の熱硬化型樹脂をゲル化させる。この結果、ゲル化した熱硬化型樹脂層からなる第2の伝熱層12bと絶縁層11とを積層してなる放熱シートを得ることができる。
次に、ゲル化した第1の伝熱層12a上に絶縁層11を積層したシートと、ゲル化した第2の伝熱層上に絶縁層11を積層したシートの絶縁層11面を合わせて積層した後、
各熱硬化型樹脂を熱で硬化させることで、絶縁層11の一方側に第1の伝熱層12aが設けられ、他方側に第2の伝熱層12bが設けられた放熱シート1を得ることができる。
本変形例の放熱シートを用いた半導体装置の製造方法は、実施形態1で説明した半導体装置10の製造方法と基本的に同じである。
ただし、半導体装置の製造過程における加熱処理等により、発熱部材(配線層2b)と放熱シート1との界面だけでなく、放熱部材4と放熱シート1との界面にも、はんだ結合部(金属間化合物層)を形成してもよい。この場合、発熱部材と放熱シートとの間だけでなく、放熱部材と放熱シートとの間の接触熱抵抗も小さくなり、さらに半導体装置の放熱性が向上する。
この場合、放熱部材4は、はんだ接合できる材料から構成されている。はんだ接合できる放熱部材の材料としては、例えば、銅、銀、ニッケルなどが挙げられる。
なお、加熱工程の温度を、第1のはんだ粒子22aの融点、および、第2のはんだ粒子22bの融点のいずれか高い方の温度以上の温度に調整すれば、発熱部材と放熱シート1との界面だけでなく、放熱部材4と放熱シート1との界面にも、はんだ結合部を形成することができる。
[実施形態2]
図5(a)は、本実施形態の放熱シートの断面模式図である。また、図5(b)は、図5(a)のAで示す部分を拡大した部分拡大図である。図5(a)および(b)に示されるように、本実施形態の放熱シートは、伝熱層12が、はんだ粒子22よりも小さく、第2の熱硬化型樹脂32より高い熱伝導性を有する小粒子23をさらに含む点で、実施形態1とは異なる。それ以外の点は、基本的に実施形態1と同じである。
本実施形態においては、小粒子23をさらに含むことで、伝熱層中の熱伝導性に優れた粒子の充填率が大きくなるため、放熱シートの熱伝導性が向上する。
図6は、本実施形態の放熱シート1を適用した半導体装置10(図2参照)についての(配線層2bと放熱シート1の界面付近の)部分断面模式図である。
図6に示されるように、はんだ粒子22間の隙間に、はんだ粒子22より小さい小粒子23が充填されている。ここで、小粒子23は、熱硬化型樹脂32よりも熱伝導性が高い。このため、熱伝導性が高い材料の密度が高められ、放熱シートの伝熱量が大きくなる。
したがって、本実施形態においては、はんだ粒子22により、接触熱抵抗(Rc)を小さくすることができることに加え、小粒子23により、伝熱層12自体の熱抵抗(Rb)も小さくすることができるため、伝熱層12の熱抵抗をさらに小さくすることができる。
小粒子23の熱伝導率は、好ましくは1W/mK以上(ガラスの熱伝導率以上)であり、より好ましくは20W/mK以上(伝熱性材料として一般に用いられるアルミナの熱伝導率以上)であり、さらに好ましくは40W/mK以上(はんだ粒子22の一般的な熱伝導率以上)である。小粒子23の熱伝導性が高いほど、放熱シートの熱伝導性が向上する。
本実施形態において、小粒子23の材料は、熱硬化型樹脂32よりも熱伝導性が高い材料である。
小粒子23の材料としては、例えば、金属材料を用いることができる。金属材料としては、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)などを用いることができる。
金属材料は、はんだ粒子22を構成するはんだ材料よりも熱伝導のよい金属材料であることが好ましい。より、放熱効果を大きくするためである。はんだ粒子22を構成するはんだ材料以外の金属材料としては、Cu、Alなどが挙げられる。
また、小粒子23の材料として、セラミックスを用いてもよい。セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、酸化マグネシウム(MgO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、カーボン(C)などが挙げられる。
小粒子23の材料の融点は、はんだ粒子22を構成するはんだ材料の融点より高いことが好ましい。この場合、図10に示されるように、はんだ粒子の溶融時に小粒子23が溶融するのを防止するためである。
小粒子23の大きさは、はんだ粒子22同士の隙間に入り込むことが可能な大きさであることが好ましい。この場合、はんだ粒子22の密度を下げずに、小粒子23の充填密度と同じ分、熱伝導性が比較的高い材料の密度を高めることができる。したがって、効率的に放熱シートの熱伝導性を高めることができる。
例えば、はんだ粒子22の粒径が30μmである場合、小粒子23の粒径は12μmである。なお、ここでいう「粒径」とは、「平均粒径」であり、例えば、レーザ回折を用いた粒度測定装置によって測定することができる。この場合、はんだ粒子22の含有率を60〜90体積%とすると、小粒子23の含有率は4〜6体積%になる。ここで、伝熱層中のはんだ粒子22と小粒子23との合計の含有率は64〜96体積%である。
本実施形態の放熱シートの製造方法においては、硬化前の第2の熱硬化型樹脂32a中にはんだ粒子22および小粒子23を加えて混練する。それ以外の点は、基本的に実施形態1の放熱シートの製造方法と同じであるため、重複する説明は省略する。
なお、図5(a)では、絶縁層11の片面に伝熱層12aを設けたが、図4と同様に、絶縁層11の両側に伝熱層を設けてもよい。
[実施形態3]
本実施形態の放熱シートは、第2の熱硬化型樹脂32bが第1の熱硬化型樹脂31bよりも硬い点で、実施形態1とは異なる。それ以外の構成は、基本的に図1に示した実施形態1の放熱シートと同じである。
本実施形態においては、第2の熱硬化型樹脂32bが第1の熱硬化型樹脂31bよりも硬いため、放熱シート1を配線板2に押し付けて加圧した状態で、はんだの融点以上に加熱しても、第2の熱硬化型樹脂32bが支えとなって、伝熱層12が潰れにくい。
また、本実施形態では、発熱部材と放熱部材との間の熱膨張差が大きい場合でも、第1の熱硬化型樹脂31bが(第2の熱硬化型樹脂32bよりも)軟らかいため、配線板2と放熱部材4との熱膨張差が吸収され、配線板2の反りの発生を抑制することができる。
第1の熱硬化型樹脂31bおよび第2の熱硬化型樹脂32bとして用いられる硬化前の熱硬化型樹脂としては、例えば、熱硬化性のシリコーンゲルを用いることができる。
第1の熱硬化型樹脂および第2の熱硬化型樹脂の硬さの指標としては、例えば、針入度が挙げられる。針入度は、第1の熱硬化型樹脂および第2の熱硬化型樹脂熱硬化性のシリコーンゲルなどの柔らかい材料である場合に適した硬さの指標である。なお、針入度が小さい程、材料が硬いことを意味する。
第2の熱硬化型樹脂の針入度は、例えば20〜60である。第1の熱硬化型樹脂の針入度は、例えば60〜100である。なお、針入度は、例えば、JIS K2220に規定される稠度試験法(1/4コーン、総荷重:9.38g)によって測定することができる。
[実施形態4]
図7は、本実施形態の放熱シートの断面模式図である。図7に示されるように、本実施形態の放熱シートは、伝熱層12が、はんだ粒子22を含有する層(はんだ粒子層)と金属粒子24を含有する層(金属粒子層)の2層を含み、金属粒子を含有する層が絶縁層11側に設けられている点で、実施形態1とは異なる。それ以外の点は、基本的に実施形態1と同じである。
本実施形態においては、伝熱層12がはんだ粒子層および金属粒子層の2層を含むことで、伝熱層12内の熱伝導性が向上し、放熱シート1の熱伝導性が向上する。
実施形態1のように伝熱層がはんだ粒子のみを含む場合よりも、熱伝導性を向上させるためには、「金属粒子」を構成する金属材料の熱伝導率が「はんだ材料」よりも高いことが好ましい。
金属粒子24を構成する金属材料は、はんだ粒子22を構成するはんだ材料とは異なる金属材料である。金属粒子24を構成する金属材料は、加熱溶融されたはんだ材料に濡れる金属であり、かつ、はんだ粒子22が溶融した際に、はんだ粒子22との界面に金属間化合物層(はんだ接合部)を形成可能な金属であることが好ましい。金属粒子24を構成する具体的な金属材料としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)などが挙げられる。
なお、図7では、金属粒子24は球状の粒子である。ただし、本実施形態においては、金属粒子24の形状は、特に限定されず、例えば、フレーク状の金属粒子などを用いてもよい。
図8は、本実施形態の放熱シート1を適用した半導体装置10(図2参照)についての(配線層2bと放熱シート1の界面付近の)部分断面模式図である。
はんだ粒子22は、溶融して配線層2bとの界面で金属間化合物を形成するとともに、金属粒子24とも金属間化合物を形成する。このため、配線層2bとの界面の接触熱抵抗は小さくなるとともに、粒子間(はんだ粒子22と金属粒子24との間)の接触熱抵抗も小さくすることができる。
また、金属粒子層内でも熱を伝導することができるため、放熱の経路を増やすことで伝導する熱量を大きくすることができ、さらに熱伝導性が向上する。
[実施形態5]
図9は、本実施形態の放熱シートの断面模式図である。
図9に示されるように、本実施形態の放熱シート1では、絶縁層11の両側に伝熱層が設けられている。すなわち、本実施形態の放熱シートは、絶縁層11の一方側に設けられた伝熱層(第1の伝熱層12a)と、絶縁層11の他方側に設けられた伝熱層(第2の伝熱層12b)と、を備える。
第1の伝熱層12aには、はんだ粒子(第1のはんだ粒子22a)が分散されている。また、第2の伝熱層12bには、はんだ粒子(第2のはんだ粒子22b)が分散されている。ここで、第1のはんだ粒子22aの融点は、第2のはんだ粒子22bの融点よりも低い。
本実施形態の放熱シートは、これらの点で実施形態1とは異なるが、それ以外の点は、基本的に実施形態1と同じである。
図10は、本実施形態の放熱シート1を適用した半導体装置10(図2参照)についての(配線層2bと放熱シート1の界面付近の)部分断面模式図である。
本実施形態の半導体装置では、図10に示されるように、第2の伝熱層12b中の第2のはんだ粒子22bは、潰れた状態で放熱部材4と接触している。なお、第1の伝熱層12a中の第1のはんだ粒子22aは、配線層2bとははんだ接合している。
本実施形態の放熱シートを用いた半導体装置の製造方法は、加熱工程において、加熱温度が、第1のはんだ粒子22aの融点以上で、かつ、第2のはんだ粒子22bの融点以下の温度に調整される点で、実施形態1の半導体装置の製造方法とは異なる。それ以外の点は、実施形態1の変形例を用いた半導体装置の製造方法と基本的に同じである。
上記の製造方法によれば、加熱工程において、第1のはんだ粒子22aを溶融させながら、第2のはんだ粒子22bが溶融しないようにすることができる。
放熱部材4がはんだ接合できない材料で構成されている場合は、仮に第2のはんだ粒子22bを溶融させると、放熱部材4に濡れないために、側面に流出しやすくなる。このため、第2のはんだ粒子22bを溶融させずに、加圧工程で潰した状態にする方が、従来のアルミナ粒子を用いた場合よりも、放熱シート1と放熱部材4との界面での有効接触面積(伝熱面積)を大きくすることができる。これにより、放熱シートと放熱部材4との界面における接触熱抵抗を低減することができる。
一般的に、はんだ材料(第2のはんだ粒子22b)のビッカース硬度は12〜30程度であるのに対し、絶縁層11に充填した絶縁性粒子21として用いる酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのセラミックスの粒子のビッカース硬度は約2000である。このため、放熱シート1を加圧する加圧工程において、第2のはんだ粒子22bは容易に潰すことができる。
したがって、本実施形態においては、放熱部材4がはんだ接合できない材料で構成されている場合でも、放熱シート1と放熱部材4との界面での接触熱抵抗を低減でき、放熱シートの熱伝導性を向上させることができる。これにより、半導体装置の放熱性を向上させることができる。
さらに、本実施形態においては、第2のはんだ粒子22bが溶融しないため、第2の伝熱層12bと放熱部材4との界面から溶融したはんだが周囲に流れ出すことにより、放熱シート1の端面において絶縁不良が発生することを防止できる。
なお、第1の伝熱層12aの第1のはんだ粒子22aは溶融するが、第2の熱可塑性樹脂層32aとして第2の熱可塑性樹脂層32bよりも硬い樹脂を用いることで、はんだが放熱シートの端部周囲に流れ出すことを抑制できる。
ただし、発熱側(配線層2bなどの発熱部材と放熱シート1の界面)では、局所的に発熱している場合があり、単位面積あたりの熱量が大きいため、発熱部材と放熱シート1とがはんだ接合されていることが好ましい。はんだ接合されていない場合、局所的な発熱が生じた箇所で発熱部材から放熱シート1への熱の伝導が十分に行われず、放熱性が大きく低下する可能性があるからである。
一方、放熱側(放熱部材4と放熱シート1の界面)では、熱の拡散により単位面積あたりの熱量が小さくなっているため、本実施形態のように、放熱部材4と放熱シート1とがはんだ接合されていなくてよい。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 放熱シート、2 配線基板、2a 放熱ビア、2b 配線層、3 はんだ接合部(金属間化合物層)、4 放熱部材、5 電子部品、10 半導体装置、11 絶縁層、12 伝熱層、12a 第1の伝熱層、12b 第2の伝熱層、21 絶縁性粒子、22 第1のはんだ粒子、22b 第2のはんだ粒子、23 小粒子、24 金属粒子、31,31a,31b 第1の熱硬化型樹脂、32,32a,32b 第2の熱硬化型樹脂。

Claims (6)

  1. 絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも片側に設けられた伝熱層と、を備える放熱シートであって、
    前記絶縁層は、第1の熱硬化型樹脂と、前記第1の熱硬化型樹脂中に分散された絶縁性粒子と、を含み、
    前記絶縁性粒子は、前記第1の熱硬化型樹脂より高い熱伝導性を有する材料からなり、
    前記伝熱層は、第2の熱硬化型樹脂と、前記第2の熱硬化型樹脂中に分散されたはんだ材料からなるはんだ粒子と、を含む、放熱シート。
  2. 前記伝熱層は、前記はんだ粒子よりも小さく、前記第2の熱硬化型樹脂より高い熱伝導性を有する小粒子をさらに含む、請求項1に記載の放熱シート。
  3. 前記第2の熱硬化型樹脂は前記第1の熱硬化型樹脂よりも硬い、請求項1または2に記載の放熱シート。
  4. 前記伝熱層は、前記はんだ粒子を含有する第1層と、金属粒子を含有する第2層と、を含み、
    前記第2層は、前記第1層の前記絶縁層側に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放熱シート。
  5. 前記絶縁層の一方側に設けられた前記伝熱層である第1の伝熱層と、
    前記絶縁層の他方側に設けられた前記伝熱層である第2の伝熱層と、を備え、
    前記第1の伝熱層に含まれる前記はんだ粒子の融点は、前記第2の伝熱層に含まれる前記はんだ粒子の融点よりも低い、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放熱シート。
  6. 発熱部材、前記発熱部材の熱を放散させるための放熱部材、および、前記発熱部材と前記放熱部材との間に配置された放熱シートを備える、半導体装置であって、
    前記放熱シートは、絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも片側に設けられた伝熱層とを備え、
    前記絶縁層は、第1の熱硬化型樹脂と、前記第1の熱硬化型樹脂中に分散された絶縁性粒子と、を含み、
    前記絶縁性粒子は、前記第1の熱硬化型樹脂より高い熱伝導性を有する材料からなり、
    前記伝熱層は、第2の熱硬化型樹脂と、はんだ材料と、を含み、
    前記発熱部材と前記放熱シートの界面に、はんだ結合部を有する、半導体装置。
JP2016102478A 2016-05-23 2016-05-23 放熱シートおよび半導体装置 Active JP6647139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016102478A JP6647139B2 (ja) 2016-05-23 2016-05-23 放熱シートおよび半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016102478A JP6647139B2 (ja) 2016-05-23 2016-05-23 放熱シートおよび半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017212253A true JP2017212253A (ja) 2017-11-30
JP6647139B2 JP6647139B2 (ja) 2020-02-14

Family

ID=60475677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016102478A Active JP6647139B2 (ja) 2016-05-23 2016-05-23 放熱シートおよび半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6647139B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030077478A1 (en) * 2001-10-18 2003-04-24 Dani Ashay A. Thermal interface material and electronic assembly having such a thermal interface material
JP2004241525A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Inoac Corp 放熱シート
US20040262372A1 (en) * 2003-06-26 2004-12-30 Intel Corporation Multi-layer polymer-solder hybrid thermal interface material for integrated heat spreader and method of making same
US20050056365A1 (en) * 2003-09-15 2005-03-17 Albert Chan Thermal interface adhesive
US20070256761A1 (en) * 2006-05-08 2007-11-08 Indium Corporation Of America Alloy compositions and techniques for reducing intermetallic compound thickness and oxidation of metals and alloys
JP2008270678A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Mitsubishi Electric Corp 絶縁シートおよび半導体装置
JP2013086433A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 熱伝導性シリコーン複合シート
WO2015120773A1 (en) * 2014-02-13 2015-08-20 Honeywell International Inc. Compressible thermal interface materials

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030077478A1 (en) * 2001-10-18 2003-04-24 Dani Ashay A. Thermal interface material and electronic assembly having such a thermal interface material
CN1568542A (zh) * 2001-10-18 2005-01-19 英特尔公司 热界面材料和具有此热界面材料的电子组件
JP2004241525A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Inoac Corp 放熱シート
US20040262372A1 (en) * 2003-06-26 2004-12-30 Intel Corporation Multi-layer polymer-solder hybrid thermal interface material for integrated heat spreader and method of making same
WO2005006361A2 (en) * 2003-06-26 2005-01-20 Intel Corporation Multi-layer polymer-solder hybrid thermal interface material for integrated heat spreader and method of making same
CN1813349A (zh) * 2003-06-26 2006-08-02 英特尔公司 用于集成散热器的多层聚合物焊料混合热界面材料及其制造方法
US20050056365A1 (en) * 2003-09-15 2005-03-17 Albert Chan Thermal interface adhesive
JP2005093996A (ja) * 2003-09-15 2005-04-07 Fujitsu Ltd 熱的な界面の接着剤
US20070256761A1 (en) * 2006-05-08 2007-11-08 Indium Corporation Of America Alloy compositions and techniques for reducing intermetallic compound thickness and oxidation of metals and alloys
JP2008270678A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Mitsubishi Electric Corp 絶縁シートおよび半導体装置
JP2013086433A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 熱伝導性シリコーン複合シート
WO2015120773A1 (en) * 2014-02-13 2015-08-20 Honeywell International Inc. Compressible thermal interface materials

Also Published As

Publication number Publication date
JP6647139B2 (ja) 2020-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5237254B2 (ja) 熱伝導部材、電子装置及び前記熱伝導部材の使用方法
EP1376689B1 (en) Radiating structural body of electronic part and radiating sheet used for the radiating structural body
EP2901826B1 (en) Thermal management assembly comprising bulk graphene material
US7078109B2 (en) Heat spreading thermal interface structure
KR100705868B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
JP2020098909A (ja) 放熱シート
US9741636B1 (en) Nano-thermal agents for enhanced interfacial thermal conductance
JP4735446B2 (ja) 半導体装置
JP2007005670A (ja) 電子部品パッケージおよび接合組立体
JP2022542444A (ja) 熱界面材料
WO2018180159A1 (ja) ヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法
US20210066157A1 (en) Power electronics module and a method of producing a power electronics module
JP4407521B2 (ja) 絶縁伝熱構造体及びパワーモジュール用基板
JP2004356625A (ja) 半導体装置及びその製造方法
CA2896928A1 (en) Electronic device assembly
JP2008258254A (ja) 熱伝導性接着剤及びそれを用いた放熱モジュール、電力変換装置
US9613882B2 (en) Nanoparticle thermal interface agents for reducing thermal conductance resistance
US20210136949A1 (en) Remote heat exchanging module and composite thin-layered heat conduction structure
JP2011035308A (ja) 放熱板、半導体装置及び放熱板の製造方法
JP4407509B2 (ja) 絶縁伝熱構造体及びパワーモジュール用基板
JP6055698B2 (ja) 電子制御装置及びその放熱構造、並びにその電子制御装置を搭載した電子機器
WO2019159776A1 (ja) 冷却装置
JP6647139B2 (ja) 放熱シートおよび半導体装置
WO2019230252A1 (ja) 高熱伝導性絶縁複合部材及び半導体モジュール
JP3739335B2 (ja) 放熱部材及びパワーモジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6647139

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250