JP2017210587A - 回路基盤修正用塗布液及びそれを収容する塗布具 - Google Patents
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Abstract
【課題】微粒子径で低粘度、保存安定性に優れ、塗布性にも優れた回路基盤修正用塗布液の提供。【解決手段】一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子、少なくとも含フッ素基と親油性基又は下記式(I)で表される化合物をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜40質量%、含み、カールフィッシャー法による全体の水分量が、20000ppm以下である回路基盤修正用塗布液。また、それを収容する吐出容器体と、硬化剤を収容する吐出容器体とを別々に備える吐出容器付き塗布具。【選択図】図1
Description
本発明は、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れ、塗布性にも優れた回路基盤修正用塗布液に関するものである。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、耐熱性、電気絶縁性、低誘電特性、低摩擦特性、非粘着性、耐候性などに優れた材料であり、電子機器、摺動材、自動車、厨房用品などに利用されている。このような特性を有するポリテトラフルオロエチレンは、マイクロパウダーとして、各種の樹脂材料(レジスト材料)やゴム、接着剤、潤滑剤やグリース、印刷インクや塗料などに添加されて製品特性を向上させる目的に用いられている。
このようなポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーは、通常、乳化重合法により、水、重合開始剤、含フッ素乳化剤、パラフィンワックスなどの安定剤の存在下で、テトラフルオロエチレン(TFE)モノマーを重合させてポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有する水性分散体として得た後、濃縮、凝集、乾燥などを経て、製造されるものである(例えば、特許文献1参照)。
このポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーを樹脂材料などに添加する方法としては、例えば、直接混ぜ込む方法の他に、水や油性溶剤中に分散してPTFE分散体として混合する方法などが知られている。一旦、水や油性溶剤中に分散してから添加することにより、均一に混合させることができる。
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダーは、粒子同士の凝集力が強く、特に、油性溶剤中に微粒子径で低粘度、保存安定性に優れ、塗布性にも優れた形で分散することは難しいという課題があった。
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダーは、粒子同士の凝集力が強く、特に、油性溶剤中に微粒子径で低粘度、保存安定性に優れ、塗布性にも優れた形で分散することは難しいという課題があった。
更に、非水溶性の樹脂やレジスト材料などに添加する場合には、油性溶剤系のポリテトラフルオロエチレン分散体が求められるところ、ポリテトラフルオロエチレンの水系分散体に関する発明等は数多く知られているが(例えば、特許文献2及び3参照)、この水系分散体と比べて、油性溶剤系のポリテトラフルオロエチレン分散体に関する報告等はほとんどないのが現状である(例えば、特許文献4参照)。
この特許文献4に記載の技術は、PTFE粒子と、少なくとも1つのモノ又はポリオレフィン系不飽和油又は油混合物とからなり、該オレフィン系不飽和油の分子はPTFE(一次)粒子表面上で、ラジカル反応により共有結合/化学結合されており、かつその際にPTFE粒子表面と結合された油分子との間の永久的な電荷分離、及び油又は油混合物中でのPTFE粒子の微細分散が存在する長期安定な油−PTFE分散液であり、その製法は、持続性のペルフルオロ(ペルオキシ)ラジカルを有する変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが、少なくとも1つのオレフィン系不飽和油と一緒に、混合され、かつ次に変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが機械的応力にかけられる方法等により得られるものであり、製法が複雑であり、また、汎用のPTFE粒子を用いるものでなく、本発明とは、技術思想(構成及びその作用効果)が全く相違するものである。
この特許文献4に記載の技術は、PTFE粒子と、少なくとも1つのモノ又はポリオレフィン系不飽和油又は油混合物とからなり、該オレフィン系不飽和油の分子はPTFE(一次)粒子表面上で、ラジカル反応により共有結合/化学結合されており、かつその際にPTFE粒子表面と結合された油分子との間の永久的な電荷分離、及び油又は油混合物中でのPTFE粒子の微細分散が存在する長期安定な油−PTFE分散液であり、その製法は、持続性のペルフルオロ(ペルオキシ)ラジカルを有する変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが、少なくとも1つのオレフィン系不飽和油と一緒に、混合され、かつ次に変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが機械的応力にかけられる方法等により得られるものであり、製法が複雑であり、また、汎用のPTFE粒子を用いるものでなく、本発明とは、技術思想(構成及びその作用効果)が全く相違するものである。
そして本出願人より、微粒子で低粘度、保存安定性に優れたポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体について開示が為されている(特許文献5〜8)。
これらの文献では低粘度で密閉された容器による保存安定性に優れた油性溶剤系分散体が開示されるものであり、回路基盤材料等と共に塗布具に収容し回路基盤の修正等の作業に供することを前提としたものとは異なるものである。
これらの文献では低粘度で密閉された容器による保存安定性に優れた油性溶剤系分散体が開示されるものであり、回路基盤材料等と共に塗布具に収容し回路基盤の修正等の作業に供することを前提としたものとは異なるものである。
本発明は、上記従来の課題及び現状等について、これを解消しようとするものであり、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れ、塗布性にも優れた回路基盤修正用塗布液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、下記の第1乃至第6発明により、上記目的の回路基盤修正用塗布液が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本第1発明は、一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレン粒子の質量に対して0.1〜40質量%を含むポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を含み、カールフィッシャー法による全体の水分量が、20000ppm以下であることを特徴とする回路基盤修正用塗布液である。
また、本第2発明は、シリコーン系消泡剤を含有することを特徴とする本第1発明に記載の回路基盤修正用塗布液である。
また、本第3発明は、一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子、少なくとも下記式(I)で表される化合物をポリテトラフルオロエチレン粒子の質量に対して0.1〜40質量%を含むポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を含み、カールフィッシャー法による全体の水分量が、20000ppm以下であることを特徴とする回路基盤修正用塗布液である。
本第4発明は、前記回路基盤修正用塗布液に用いる油性溶剤のカールフィッシャー法による水分量が、20000ppm以下であることを特徴とする本第1発明乃至本第3発明に記載の回路基盤修正用塗布液である。
本第5発明は、前記回路基盤修正用塗布液に用いる油性溶剤が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2−ヘプタノン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキシルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジオキサン、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルモノグリシジルエーテル、エチルモノグリシジルエーテル、ブチルモノグリシジルエーテル、フェニルモノグリシジルエーテル、メチルジグリシジルエーテル、エチルジグリシジルエーテル、ブチルジグリシジルエーテル、フェニルジグリシジルエーテル、メチルフェノールモノグリシジルエーテル、エチルフェノールモノグリシジルエーテル、ブチルフェノールモノグリシジルエーテル、ミネラルスピリット、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ビニルピリジン、N−メチルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、からなる群から選ばれる1種類の溶剤、またはこれらの溶剤を2種以上含んでいることを特徴とする本第1発明乃至本第4発明に記載の回路基盤修正用塗布液である。
本第6発明は、回路基盤修正用塗布液におけるポリテトラフルオロエチレン粒子のレーザー回折・散乱法または動的光散乱法による平均粒子径が、1μm以下であることを特徴とする本第1発明乃至本第5発明に記載の回路基盤修正用塗布液である。
本第7発明は、さらに、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を少なくとも含有することを特徴とする本第1発明乃至本第6発明に記載の回路基盤修正用塗布液である。
本第8発明は、本第1発明乃至本第7発明の回路基盤修正用塗布液と硬化剤とを隔離して収納する回路基盤修正用塗布液の保管方法である。
本第9発明は、本第1発明乃至本第7発明の回路基盤修正用塗布液を収容する吐出容器体と、硬化剤を収容する吐出容器体とを備えることを特徴とする吐出容器付き塗布具である。
本発明の回路基盤修正用塗布液は、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れ、かつ、塗布性にも優れており、熱硬化性樹脂のモノマー等と共に塗布具に収容した時にでも経時安定性に優れるものとなる。また、フッ素系添加剤が多く含有されていても消泡性に優れ、回路基盤へ塗布した際にも起泡せず均一に塗布することができるものとなる。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の回路基盤修正用塗布液は、一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレンと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜40質量%、含むことを特徴とするものである。
本発明の回路基盤修正用塗布液は、一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレンと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜40質量%、含むことを特徴とするものである。
本発明の回路基盤修正用塗布液に用いるポリテトラフルオロエチレンは、一次粒子径が1μm以下となるものである。
このようなポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーは、乳化重合法により得られるものであり、例えば、ふっ素樹脂ハンドブック(黒川孝臣編、日刊工業新聞社)に記載されている方法など、一般的に用いられる方法により得ることができる。そして、前記乳化重合により得られたポリテトラフルオロエチレンは、凝集・乾燥して、一次粒子径が凝集した二次粒子として微粉末として回収されるものであるが、一般的に用いられている各種微粉末の製造方法を用いることができる。
ポリテトラフルオロエチレンの一次粒子径としては、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、画像イメージング法などによって測定される体積基準の平均粒子径(50%体積径、メジアン径)が1μm以下であることが、油性溶剤中で安定に分散する上で必要であり、望ましくは、0.5μm以下、さらに望ましくは、0.3μm以下とすることにより、さらに均一な分散体となる。
このポリテトラフルオロエチレンの一次粒子径が1μmを超えるものであると、油性溶剤中で沈降しやすくなり、安定して分散することが難しくなるため、好ましくない。
また、上記平均粒子径の下限値は、低ければ低い程良好であるが、製造性、コスト面等から、0.05μm以上が好ましい。
なお、本発明におけるポリテトラフルオロエチレンの一次粒子径は、マイクロパウダーの重合段階においてレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって得られた値を指し示すものであるが、乾燥して粉体状態にしたマイクロパウダーの場合には、一次粒子同士の凝集力が強く、容易に一次粒子径をレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって測定することが難しいため、画像イメージング法によって得られた値を指し示すものであってもよい。測定装置としては、例えばFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法や、マイクロトラック(日機装株式会社製)によるレーザー回折・散乱法や、マックビュー(株式会社マウンテック社製)による画像イメージング法などを挙げることができる。
このようなポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーは、乳化重合法により得られるものであり、例えば、ふっ素樹脂ハンドブック(黒川孝臣編、日刊工業新聞社)に記載されている方法など、一般的に用いられる方法により得ることができる。そして、前記乳化重合により得られたポリテトラフルオロエチレンは、凝集・乾燥して、一次粒子径が凝集した二次粒子として微粉末として回収されるものであるが、一般的に用いられている各種微粉末の製造方法を用いることができる。
ポリテトラフルオロエチレンの一次粒子径としては、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、画像イメージング法などによって測定される体積基準の平均粒子径(50%体積径、メジアン径)が1μm以下であることが、油性溶剤中で安定に分散する上で必要であり、望ましくは、0.5μm以下、さらに望ましくは、0.3μm以下とすることにより、さらに均一な分散体となる。
このポリテトラフルオロエチレンの一次粒子径が1μmを超えるものであると、油性溶剤中で沈降しやすくなり、安定して分散することが難しくなるため、好ましくない。
また、上記平均粒子径の下限値は、低ければ低い程良好であるが、製造性、コスト面等から、0.05μm以上が好ましい。
なお、本発明におけるポリテトラフルオロエチレンの一次粒子径は、マイクロパウダーの重合段階においてレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって得られた値を指し示すものであるが、乾燥して粉体状態にしたマイクロパウダーの場合には、一次粒子同士の凝集力が強く、容易に一次粒子径をレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって測定することが難しいため、画像イメージング法によって得られた値を指し示すものであってもよい。測定装置としては、例えばFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法や、マイクロトラック(日機装株式会社製)によるレーザー回折・散乱法や、マックビュー(株式会社マウンテック社製)による画像イメージング法などを挙げることができる。
本発明の回路基盤修正用塗布液においては、回路基盤修正用塗布液全量に対して、ポリテトラフルオロエチレンが5〜70質量%含有されるものであり、好ましくは、10〜50質量%含有されることが望ましい。
この含有量が5質量%未満の場合には、油性溶剤の量が多く、極端に粘度が低下するためにポリテトラフルオロエチレンの微粒子が沈降しやすくなるだけでなく、樹脂などの材料と混合した際に油性溶剤の量が多いことによる不具合、例えば、溶剤の除去に時間を要することになるなど好ましくない状況を生じることがある。一方、70質量%を超えて大きい場合には、ポリテトラフルオロエチレン同士が凝集しやすくなり、微粒子の状態を安定的に、流動性を有する状態で維持することが極端に難しくなるため、好ましくない。
この含有量が5質量%未満の場合には、油性溶剤の量が多く、極端に粘度が低下するためにポリテトラフルオロエチレンの微粒子が沈降しやすくなるだけでなく、樹脂などの材料と混合した際に油性溶剤の量が多いことによる不具合、例えば、溶剤の除去に時間を要することになるなど好ましくない状況を生じることがある。一方、70質量%を超えて大きい場合には、ポリテトラフルオロエチレン同士が凝集しやすくなり、微粒子の状態を安定的に、流動性を有する状態で維持することが極端に難しくなるため、好ましくない。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体におけるフッ素系添加剤は、少なくとも含フッ素基と親油性基を有するものであることが必要であり、少なくとも含フッ素基と親油性基を有するものであれば、特に限定されるものではなく、この他に親水性基が含有されているものであってもよい。
少なくとも含フッ素基と親油性基を有するフッ素系添加剤を用いることにより、分散媒となる油性溶剤の表面張力を低下させ、ポリテトラフルオロエチレン表面に対する濡れ性を向上させてポリテトラフルオロエチレンの分散性を向上させると共に、含フッ素基がポリテトラフルオロエチレン表面に吸着し、親油性基が分散媒となる油性溶剤中に伸長し、この親油性基の立体障害によりポリテトラフルオロエチレンの凝集を防止して分散安定性を更に向上させるものとなる。
含フッ素基としては、例えば、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基などが挙げられ、親油性基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、シロキサン基などの1種又は2種以上が挙げられ、親水性基としては、例えば、エチレンオキサイドや、アミド基、ケトン基、カルボキシル基、スルホン基などの1種又は2種以上が挙げられる。
具体的に用いることできるフッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基含有のサーフロンS−611などのサーフロンシリーズ(AGCセイミケミカル社製)、メガファックF−555、メガファックF−558、メガファックF−563などのメガファックシリーズ(DIC社製)、ユニダインDS−403Nなどのユニダインシリーズ(ダイキン工業社製)などを用いることができる。
これらのフッ素系添加剤は、用いるポリテトラフルオロエチレンと油性溶剤の種類によって、適宜最適なものが選択されるものであるが、1種類、または2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
少なくとも含フッ素基と親油性基を有するフッ素系添加剤を用いることにより、分散媒となる油性溶剤の表面張力を低下させ、ポリテトラフルオロエチレン表面に対する濡れ性を向上させてポリテトラフルオロエチレンの分散性を向上させると共に、含フッ素基がポリテトラフルオロエチレン表面に吸着し、親油性基が分散媒となる油性溶剤中に伸長し、この親油性基の立体障害によりポリテトラフルオロエチレンの凝集を防止して分散安定性を更に向上させるものとなる。
含フッ素基としては、例えば、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基などが挙げられ、親油性基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、シロキサン基などの1種又は2種以上が挙げられ、親水性基としては、例えば、エチレンオキサイドや、アミド基、ケトン基、カルボキシル基、スルホン基などの1種又は2種以上が挙げられる。
具体的に用いることできるフッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基含有のサーフロンS−611などのサーフロンシリーズ(AGCセイミケミカル社製)、メガファックF−555、メガファックF−558、メガファックF−563などのメガファックシリーズ(DIC社製)、ユニダインDS−403Nなどのユニダインシリーズ(ダイキン工業社製)などを用いることができる。
これらのフッ素系添加剤は、用いるポリテトラフルオロエチレンと油性溶剤の種類によって、適宜最適なものが選択されるものであるが、1種類、または2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
前記フッ素系添加剤の含有量は、ポリテトラフルオロエチレンの質量に対して、0.1〜40質量%含有されるものであるが、望ましくは、5〜30質量%、さらに望ましくは、15〜25質量%含有されることが好ましい。
この含有量がポリテトラフルオロエチレンの質量に対して、0.1質量%未満では、ポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダー表面を充分に油性溶剤に濡らすことができず、一方、40質量%超過では分散体の泡立ちが強くなって分散の効率が低下し、分散体自体の取扱いやその後に回路基盤用樹脂材料などと混ぜ合わせる際にも不具合を生じることなどがあり、好ましくない。
この含有量がポリテトラフルオロエチレンの質量に対して、0.1質量%未満では、ポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダー表面を充分に油性溶剤に濡らすことができず、一方、40質量%超過では分散体の泡立ちが強くなって分散の効率が低下し、分散体自体の取扱いやその後に回路基盤用樹脂材料などと混ぜ合わせる際にも不具合を生じることなどがあり、好ましくない。
また、本発明に用いる上記(I)で表される化合物も、フッ素系樹脂のマイクロパウダーを非水系溶媒中に、微粒子で均一、且つ安定的に分散させることができるものである。その分子構造はビニルブチラール/酢酸ビニル/ビニルアルコールから構成される三元重合体であり、ポリビニルアルコール(PVA)をブチルアルデヒド(BA)と反応させたものであり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造であり、これらの3種の構造の比率(l,m,nの各比率)を変化させることにより、非水系溶媒への溶解性、さらには各種樹脂材料中にフッ素系樹脂のマイクロパウダーの非水系分散体を添加した際の化学反応性をコントロールすることが可能となる。
上記(I)で表される化合物としては、市販品では、積水化学工業社製エスレックBシリーズ、K(KS)シリーズ、SVシリーズ、クラレ社製モビタールシリーズなどを用いることができる。
具体的には、積水化学工業(株)製の商品名;エスレックBM−1(水酸基量:34モル%、ブチラール化度65±3モル%、分子量:4万)、同BH−3(水酸基量:34mol%、ブチラール化度65±3モル%、分子量:11万)、同BH−6(水酸基量:30mol%、ブチラール化度69±3モル%、分子量:9.2万)、同BX−1(水酸基量:33±3mol%、アセタール化度66モル%、分子量:10万)、同BX−5(水酸基量:33±3mol%、アセタール化度66モル%、分子量:13万)、同BM−2(水酸基量:31mol%、ブチラール化度68±3モル%、分子量:5.2万)、同BM−5(水酸基量:34mol%、ブチラール化度65±3モル%、分子量:5.3万)、同BL−1(水酸基量:36mol%、ブチラール化度63±3モル%、分子量:1.9万)、同BL−1H(水酸基量:30mol%、ブチラール化度69±3モル%、分子量:2万)、同BL−2(水酸基量:36mol%、ブチラール化度63±3モル%、分子量:2.7)、同BL−2H(水酸基量:29mol%、ブチラール化度70±3モル%、分子量:2.8万)、同BL−10(水酸基量:28mol%、ブチラール化度71±3モル%、分子量:1.5万)、同KS−10(水酸基量:25mol%、アセタール化度65±3モル%、分子量:1.7万)などや、クラレ(株)製の商品名;モビタールB145(水酸基量:21〜26.5モル%、アセタール化度67.5〜75.2モル%)、同B16H(水酸基量:26.2〜30.2モル%、アセタール化度66.9〜73.1モル%、分子量:1〜2万)などが挙げられる。
これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
具体的には、積水化学工業(株)製の商品名;エスレックBM−1(水酸基量:34モル%、ブチラール化度65±3モル%、分子量:4万)、同BH−3(水酸基量:34mol%、ブチラール化度65±3モル%、分子量:11万)、同BH−6(水酸基量:30mol%、ブチラール化度69±3モル%、分子量:9.2万)、同BX−1(水酸基量:33±3mol%、アセタール化度66モル%、分子量:10万)、同BX−5(水酸基量:33±3mol%、アセタール化度66モル%、分子量:13万)、同BM−2(水酸基量:31mol%、ブチラール化度68±3モル%、分子量:5.2万)、同BM−5(水酸基量:34mol%、ブチラール化度65±3モル%、分子量:5.3万)、同BL−1(水酸基量:36mol%、ブチラール化度63±3モル%、分子量:1.9万)、同BL−1H(水酸基量:30mol%、ブチラール化度69±3モル%、分子量:2万)、同BL−2(水酸基量:36mol%、ブチラール化度63±3モル%、分子量:2.7)、同BL−2H(水酸基量:29mol%、ブチラール化度70±3モル%、分子量:2.8万)、同BL−10(水酸基量:28mol%、ブチラール化度71±3モル%、分子量:1.5万)、同KS−10(水酸基量:25mol%、アセタール化度65±3モル%、分子量:1.7万)などや、クラレ(株)製の商品名;モビタールB145(水酸基量:21〜26.5モル%、アセタール化度67.5〜75.2モル%)、同B16H(水酸基量:26.2〜30.2モル%、アセタール化度66.9〜73.1モル%、分子量:1〜2万)などが挙げられる。
これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
上記(I)で表される化合物の含有量は、フッ素系樹脂のマイクロパウダーに対し、0.1〜20質量%が好ましい。この化合物の含有量が0.1質量%より少ないと、分散安定性が悪くなりフッ素系樹脂のマイクロパウダーが沈降しやすくなり、20質量%を越えると粘度が高くなったりして好ましくない。
さらに、熱硬化樹脂などに、フッ素系樹脂のマイクロパウダーの非水系分散体を添加した際の特性を考慮すれば、0.1〜15質量%が望ましく、さらに0.1〜10質量%が望ましく、特に0.1〜5質量%が最も好ましい。
さらに、熱硬化樹脂などに、フッ素系樹脂のマイクロパウダーの非水系分散体を添加した際の特性を考慮すれば、0.1〜15質量%が望ましく、さらに0.1〜10質量%が望ましく、特に0.1〜5質量%が最も好ましい。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を含む回路基盤修正用塗布液においては、本発明の効果を損なわない範囲で、上記のようなフッ素系添加剤又は上記(I)で表される化合物と組み合わせて、他の界面活性剤を用いることも可能である。
例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系などの界面活性剤やノニオン系、アニオン系、カチオン系などの高分子界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されることなく、使用することができる。
例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系などの界面活性剤やノニオン系、アニオン系、カチオン系などの高分子界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されることなく、使用することができる。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体に用いる油性溶剤は、カールフィッシャー法による水分量が、20000ppm以下〔0≦水分量≦20000ppm〕となるものが好ましい。
本発明(後述する実施例等を含む)において、カールフィッシャー法による水分量の測定は、JIS K 0068:2001に準拠するものであり、MCU−610(京都電子工業社製)により行った。
用いる油性溶剤の極性によっては水との相溶性が高いものが考えられるが、20000ppm以上の水分量を有するとポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤中への分散性を著しく阻害し、粘度上昇や粒子同士の凝集を引き起こすことになる。
本発明の回路基盤修正用塗布液においては、油性溶剤中の水分量を20000ppm以下にすることで、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れたポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を含む回路基盤修正用塗布液とすることができるものである。
本発明(後述する実施例等を含む)において、カールフィッシャー法による水分量の測定は、JIS K 0068:2001に準拠するものであり、MCU−610(京都電子工業社製)により行った。
用いる油性溶剤の極性によっては水との相溶性が高いものが考えられるが、20000ppm以上の水分量を有するとポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤中への分散性を著しく阻害し、粘度上昇や粒子同士の凝集を引き起こすことになる。
本発明の回路基盤修正用塗布液においては、油性溶剤中の水分量を20000ppm以下にすることで、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れたポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を含む回路基盤修正用塗布液とすることができるものである。
さらに、本発明の回路基盤修正用塗布液は、カールフィッシャー法による水分量が、20000ppm以下〔0≦水分量≦20000ppm〕であることが好ましい。
油性溶剤に含まれる水分量のほかに、ポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーやフッ素系添加剤などの材料自体に含まれる水分や、ポリテトラフルオロエチレンを油性溶剤中に分散する製造工程においても水分の混入が考えられるが、最終的にポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体水分量を20000ppm以下にすることで、より保存安定性に優れた回路基盤修正用塗布液を得ることができる。
油性溶剤に含まれる水分量のほかに、ポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーやフッ素系添加剤などの材料自体に含まれる水分や、ポリテトラフルオロエチレンを油性溶剤中に分散する製造工程においても水分の混入が考えられるが、最終的にポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体水分量を20000ppm以下にすることで、より保存安定性に優れた回路基盤修正用塗布液を得ることができる。
油性溶剤の水分量を20000ppmとするためには、一般的に用いられている油性溶剤の脱水方法を用いることが可能であるが、例えば、モレキュラーシーブスなどを用いることができる。また、ポリテトラフルオロエチレンは、加熱や減圧などによる脱水を行うことで充分に水分量を下げた状態で使用することができる。
さらに、ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を作製した後に、モレキュラーシーブスや膜分離法などを用いて水分除去することも可能であるが、上記した方法以外であっても、ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体の水分量を下げることができるものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
さらに、ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を作製した後に、モレキュラーシーブスや膜分離法などを用いて水分除去することも可能であるが、上記した方法以外であっても、ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体の水分量を下げることができるものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
本発明に用いられる油性溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2−ヘプタノン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキシルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジオキサン、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルモノグリシジルエーテル、エチルモノグリシジルエーテル、ブチルモノグリシジルエーテル、フェニルモノグリシジルエーテル、メチルジグリシジルエーテル、エチルジグリシジルエーテル、ブチルジグリシジルエーテル、フェニルジグリシジルエーテル、メチルフェノールモノグリシジルエーテル、エチルフェノールモノグリシジルエーテル、ブチルフェノールモノグリシジルエーテル、ミネラルスピリット、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ビニルピリジン、N−メチルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、からなる群から選ばれる1種類の溶剤、またはこれらの溶剤を2種以上含んでいるものである。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体においては、上記油性溶剤を用いるものであるが、他の油性溶剤と組み合わせて用いることや他の油性溶剤を用いることもできるものであり、用いる対象(回路基盤の樹脂、回路の金属線、回路上の素子)などにより好適なものが選択される。
用いる油性溶剤の含有量は、上記ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系添加剤又は上記(I)で表される化合物の残部となるものである。
用いる油性溶剤の含有量は、上記ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系添加剤又は上記(I)で表される化合物の残部となるものである。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体を含む回路基盤修正用塗布液においては、塗布液中におけるポリテトラフルオロエチレンのレーザー回折・散乱法または動的光散乱法による平均粒子径が、1μm以下であることが望ましい。
一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレンを用いた場合であっても、通常、一次粒子が凝集し、二次粒子として粒子径が1μm以上のマイクロパウダーとなっている。このポリテトラフルオロエチレンの二次粒子を1μm以下の粒子径となるように分散することにより、例えば、超音波分散機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどの分散機を用いて分散することにより、低粘度で長期保存した場合でも安定な塗布液を得ることができるものである。
一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレンを用いた場合であっても、通常、一次粒子が凝集し、二次粒子として粒子径が1μm以上のマイクロパウダーとなっている。このポリテトラフルオロエチレンの二次粒子を1μm以下の粒子径となるように分散することにより、例えば、超音波分散機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどの分散機を用いて分散することにより、低粘度で長期保存した場合でも安定な塗布液を得ることができるものである。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体においてフッ素系添加剤を使用した場合には、さらに、シリコーン系消泡剤を含有させることができる。
特に、ポリテトラフルオロエチレンを70質量%としたり、フッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して40質量%としたり、高濃度で使用する場合には、分散体の泡立ちが分散体の製造工程、安定性、樹脂材料などとの混合の際に大きな問題を引き起こすことにつながるためである。
特に、ポリテトラフルオロエチレンを70質量%としたり、フッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して40質量%としたり、高濃度で使用する場合には、分散体の泡立ちが分散体の製造工程、安定性、樹脂材料などとの混合の際に大きな問題を引き起こすことにつながるためである。
消泡剤としては、シリコーン系のエマルジョン型、自己乳化型、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、粉末型、固形型などがあるが、用いる油性溶剤との組合せで、適宜最適なものが選択されることになる。特に、油性溶剤とポリテトラフルオロエチレンとの界面よりも、油性溶剤と空気との界面に存在させるために、例えば、親水性や水溶性のシリコーン系消泡剤を用いることが好ましいが、これらに限定されることなく、用いることができるものである。消泡剤の含有量は、ポリテトラフルオロエチレンの含有量(濃度)等により変動するものであるが、分散体全量に対して、好ましくは、有効成分として1質量%以下である。
このように構成される本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体は、一次粒子径が1μm以下となるポリテトラフルオロエチレンと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤又は上記(I)で表される化合物との各特定量を用いることにより、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れており、長期保存後でも再分散性に優れるものとなる。また、フッ素系添加剤が多く含有されていても消泡性に優れ、均一に混合させることができるものとなる。
〔フッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物〕
本発明の回路基盤修正用塗布液は、上記したポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを少なくとも含有させてフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物とすることで回路基盤修正用塗布液となるものである。
本発明の回路基盤修正用塗布液は、上記したポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体と、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物とを少なくとも含有させてフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物とすることで回路基盤修正用塗布液となるものである。
本発明において用いる樹脂組成物としては、少なくとも、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、熱硬化樹脂組成物のベース樹脂となるものであり、電子機器における絶縁性や接着性など、使用に適するものであれば特に限定されることなく用いることができる。
本発明に用いることができるシアン酸エステル樹脂(シアネートエステル樹脂)としては、例えば、少なくとも2官能性の脂肪族シアン酸エステル、少なくとも2官能性の芳香族シアン酸エステル、またはこれらの混合物が挙げられ、例えば、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトナフタレン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフタレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナトナフタレン、および2,7−ジシアナトナフタレンから選択された少なくとも1種の多官能シアン酸エステルの重合体、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂またはこれらに水素を添加したもの、ビスフェノールF型シアン酸エステル樹脂またはこれらに水素を添加したもの、6FビスフェノールAジシアン酸エステル樹脂、ビスフェノールE型ジシアン酸エステル樹脂、テトラメチルビスフェノールFジシアン酸エステル樹脂、ビスフェノールMジシアン酸エステル樹脂、ジシクロペンタジエンビスフェノールジシアン酸エステル樹脂、またはシアン酸ノボラック樹脂などの少なくとも1種が挙げられる。また、これらのシアン酸エステル樹脂の市販品も用いることができる。
本発明に用いることができるシアン酸エステル樹脂(シアネートエステル樹脂)としては、例えば、少なくとも2官能性の脂肪族シアン酸エステル、少なくとも2官能性の芳香族シアン酸エステル、またはこれらの混合物が挙げられ、例えば、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトナフタレン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフタレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナトナフタレン、および2,7−ジシアナトナフタレンから選択された少なくとも1種の多官能シアン酸エステルの重合体、ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂またはこれらに水素を添加したもの、ビスフェノールF型シアン酸エステル樹脂またはこれらに水素を添加したもの、6FビスフェノールAジシアン酸エステル樹脂、ビスフェノールE型ジシアン酸エステル樹脂、テトラメチルビスフェノールFジシアン酸エステル樹脂、ビスフェノールMジシアン酸エステル樹脂、ジシクロペンタジエンビスフェノールジシアン酸エステル樹脂、またはシアン酸ノボラック樹脂などの少なくとも1種が挙げられる。また、これらのシアン酸エステル樹脂の市販品も用いることができる。
用いることができるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は1種類、または2種類以上を併用して用いることもできるものである。
本発明に用いることができるエポキシ樹脂は、1分子中に1個以上のエポキシ基があれば上記樹脂に限定されるものではないが、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、クレゾールノボラック系等が好適である。
本発明において、上記シアン酸エステル樹脂(シアネートエステル樹脂)、エポキシ樹脂はそれぞれ単独で、または、これらを併用することができ、併用の場合は質量比で1:10〜10:1の範囲で併用することができる。
これらのエポキシ樹脂は1種類、または2種類以上を併用して用いることもできるものである。
本発明に用いることができるエポキシ樹脂は、1分子中に1個以上のエポキシ基があれば上記樹脂に限定されるものではないが、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、クレゾールノボラック系等が好適である。
本発明において、上記シアン酸エステル樹脂(シアネートエステル樹脂)、エポキシ樹脂はそれぞれ単独で、または、これらを併用することができ、併用の場合は質量比で1:10〜10:1の範囲で併用することができる。
本発明において上記シアン酸エステル樹脂、エポキシ樹脂を用いる場合には、反応性および硬化性、成形性の点から、添加剤として活性エステル化合物を用いることもできる。
用いることができる活性エステル化合物としては、一般に1分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物が好ましく、例えば、カルボン酸化合物、フェノール化合物又はナフトール化合物などが挙げられる。カルボン酸化合物としては、例えば、酢酸、安息香酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
これらの活性エステル化合物は1種類、または2種類以上を併用して用いることもできるものである。市販の活性エステル化合物としては、例えば、EXB−9451、EXB−9460(DIC株式会社製)、DC808、YLH1030(ジャパンエポキシレジン株式会社製)などを挙げることができる。
これらの活性エステル化合物の使用量は、用いる熱硬化樹脂組成物のベース樹脂と用いる活性エステル化合物の種類により決定されるものである。
更に、前記活性エステル化合物には、必要に応じて、活性エステル化合物硬化促進剤を用いることができる。
この活性エステル化合物硬化促進剤としては、有機金属塩または有機金属錯体が使用され、例えば、鉄、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、スズなどを含む有機金属塩または有機金属錯体が使用される。具体的には、前記シアネートエステル硬化促進剤は、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸鉄、オクチル酸銅、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルトなどの有機金属塩;アセチルアセトネート鉛、アセチルアセトネートコバルトなどの有機金属錯体が挙げられる。
これらの活性エステル化合物硬化促進剤は、金属の濃度を基準として、反応性および硬化性、成形性の点から、前記用いる樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部で含ませることができる。
用いることができる活性エステル化合物としては、一般に1分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物が好ましく、例えば、カルボン酸化合物、フェノール化合物又はナフトール化合物などが挙げられる。カルボン酸化合物としては、例えば、酢酸、安息香酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
これらの活性エステル化合物は1種類、または2種類以上を併用して用いることもできるものである。市販の活性エステル化合物としては、例えば、EXB−9451、EXB−9460(DIC株式会社製)、DC808、YLH1030(ジャパンエポキシレジン株式会社製)などを挙げることができる。
これらの活性エステル化合物の使用量は、用いる熱硬化樹脂組成物のベース樹脂と用いる活性エステル化合物の種類により決定されるものである。
更に、前記活性エステル化合物には、必要に応じて、活性エステル化合物硬化促進剤を用いることができる。
この活性エステル化合物硬化促進剤としては、有機金属塩または有機金属錯体が使用され、例えば、鉄、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、スズなどを含む有機金属塩または有機金属錯体が使用される。具体的には、前記シアネートエステル硬化促進剤は、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸鉄、オクチル酸銅、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルトなどの有機金属塩;アセチルアセトネート鉛、アセチルアセトネートコバルトなどの有機金属錯体が挙げられる。
これらの活性エステル化合物硬化促進剤は、金属の濃度を基準として、反応性および硬化性、成形性の点から、前記用いる樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部で含ませることができる。
また、本発明において上記エポキシ樹脂を用いる場合には、反応性および硬化性、成形性の点から、後述する別収納の塗布液用添加剤として硬化剤を用いることもできる。用いることができる硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、ダイマー酸変性エチレンジアミン、N−エチルアミノピペラジン、イソホロンジアミン等の脂肪族アミン類、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、 3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェノルスルホン、4,4’−ジアミノジフェノルメタン、4,4’−ジアミノジフェノルエーテル等の芳香族アミン類、メルカプトプロピオン酸エステル、エポキシ樹脂の末端メルカプト化合物等のメルカプタン類、ポリアゼライン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物等の脂環式酸無水物類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー ル、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類およびその塩類、上記脂肪族アミン類、芳香族アミン類、及び/またはイミダゾール類とエポキシ樹脂との反応により得られるアミンアダクト類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン類、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン −7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、ジシアンジアミド等の少なくとも1種が挙げられる。
これらの硬化剤の使用量は、用いるエポキシ樹脂と用いる硬化剤の種類により決定されるものである。
本発明の樹脂組成物においては、さらに無機充填剤、熱可塑性樹脂成分、ゴム成分、難燃剤、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、密着性付与材など、電子機器向けの熱硬化樹脂組成物において一般的に用いられている材料を組み合わせて用いることもできる。
これらの硬化剤の使用量は、用いるエポキシ樹脂と用いる硬化剤の種類により決定されるものである。
本発明の樹脂組成物においては、さらに無機充填剤、熱可塑性樹脂成分、ゴム成分、難燃剤、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、密着性付与材など、電子機器向けの熱硬化樹脂組成物において一般的に用いられている材料を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、最終的なフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物で必要とされるシアン酸エステル樹脂、エポキシ樹脂などの総樹脂濃度となるように調整することにより、フッ素系樹脂のマイクロパウダーが凝集することなく均一に存在させることが可能となり、比誘電率と誘電正接が低く、接着性、耐熱性、寸法安定性、難燃性などにも優れた特性を発揮できるようになるものである。
〔回路基盤修正用塗布液硬化物〕
本発明の回路基盤修正用塗布液は、公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様な方法により塗布後、硬化して回路基盤上にて硬化物とすることができる。塗布方法は後述の通りで、硬化方法は公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様の方法をとることができ、本発明のフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物固有の方法は不要であり、特に限定されるものでない。
本発明の回路基盤修正用塗布液を塗布後硬化してなる硬化物は、積層物、成型物、接着物、塗膜、フィルム等の形態をとることができる。
本発明の回路基盤修正用塗布液、及びその硬化物は、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂の持つ接着性や耐熱性を損なうことなく、低比誘電率で低誘電正接という電気特性に優れているので、電子基板材料や絶縁材料、接着材料などに好適であり、例えば、電子部品に用いられる封止材、銅張り積層板、絶縁塗料、複合材、絶縁接着剤等の材料としても有用であり、特に、電子機器の多層プリント配線板の絶縁層等の修正に適したものとなる。
本発明の回路基盤修正用塗布液は、公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様な方法により塗布後、硬化して回路基盤上にて硬化物とすることができる。塗布方法は後述の通りで、硬化方法は公知のエポキシ樹脂組成物などの熱硬化樹脂組成物と同様の方法をとることができ、本発明のフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物固有の方法は不要であり、特に限定されるものでない。
本発明の回路基盤修正用塗布液を塗布後硬化してなる硬化物は、積層物、成型物、接着物、塗膜、フィルム等の形態をとることができる。
本発明の回路基盤修正用塗布液、及びその硬化物は、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂の持つ接着性や耐熱性を損なうことなく、低比誘電率で低誘電正接という電気特性に優れているので、電子基板材料や絶縁材料、接着材料などに好適であり、例えば、電子部品に用いられる封止材、銅張り積層板、絶縁塗料、複合材、絶縁接着剤等の材料としても有用であり、特に、電子機器の多層プリント配線板の絶縁層等の修正に適したものとなる。
図1〜図3は、本発明の回路基盤修正用塗布液を塗布するためのノブ式(横回転)の吐出容器付き塗布具の一例である。
この吐出容器付き塗布具は、図1〜図3に示すように、回路基盤修正用塗布液を保持する吐出容器体1、1を収容する収納ケース30と、該収納ケース30の前端開口部に嵌合により取り付けられる吐出ノズル35,35を有するノズル部材36と、前記吐出容器体1,1の回転操作部を同期させて回転させるノブ式(横回転)同期機構部40とから構成されている。
収納ケース30は、図1〜図3に示すように、横断面中央を境目にして上カバー半体と下カバー半体とで取り付け・分割自在となっており、この収納ケース30内に上記実施形態Aと同様の構成となる吐出容器体1,1の軸本体2,2が収納される構造となっている。また、収納ケース30の上カバー半体上面部に吐出容器体1、1を視認する透明又は半透明部材からなる窓部31を有している。
この収納ケース30に収納される上述の吐出容器体1、1は、先端の先軸6を取り除いた状態、すなわち、軸本体2の小径部2aが先端となるように収納される。また、吐出容器体1、1の後端部となる天冠16は取り除かれて、後述するノブ式(横回転)同期機構部40の各回転部保持ケース部材に取り付けられる構造となっている。
この吐出容器付き塗布具は、図1〜図3に示すように、回路基盤修正用塗布液を保持する吐出容器体1、1を収容する収納ケース30と、該収納ケース30の前端開口部に嵌合により取り付けられる吐出ノズル35,35を有するノズル部材36と、前記吐出容器体1,1の回転操作部を同期させて回転させるノブ式(横回転)同期機構部40とから構成されている。
収納ケース30は、図1〜図3に示すように、横断面中央を境目にして上カバー半体と下カバー半体とで取り付け・分割自在となっており、この収納ケース30内に上記実施形態Aと同様の構成となる吐出容器体1,1の軸本体2,2が収納される構造となっている。また、収納ケース30の上カバー半体上面部に吐出容器体1、1を視認する透明又は半透明部材からなる窓部31を有している。
この収納ケース30に収納される上述の吐出容器体1、1は、先端の先軸6を取り除いた状態、すなわち、軸本体2の小径部2aが先端となるように収納される。また、吐出容器体1、1の後端部となる天冠16は取り除かれて、後述するノブ式(横回転)同期機構部40の各回転部保持ケース部材に取り付けられる構造となっている。
ノブ式(横回転)同期機構部40は、機構部上カバー41及び機構部下カバー42とで分割、取り付け自在となると共に、収納ケース30の後端部に取付自在となる機構部カバー43と、該機構部カバー43内に収納されることとなるノブ部44と、回転部保持ケース部材45,46と、帯状の連結ベルト47とから構成されている。
上記回転部保持ケース部材45は、前方内部に、一方の吐出容器体1の繰出体12の天冠部16の代わりとなる方内部が円筒状の嵌合部45aを有し、外周部は連結ベルト47を取り付ける取付凹部45bとなっており、また、後方部には、ノブ44内部に形成される取付孔44aに取り付けられる回転体45cが一体に設けられると共に、機構部上カバー41及び機構部下カバー42の保持部42a(上カバー41にも図示されない同様の保持部)に保持される保持凹部45dが一体に設けられている。
また、上記回転部保持ケース部材46も、前方内部に、他方の吐出容器体1の繰出体12の天冠部16の代わりとなる方内部が円筒状の嵌合部46aを有し、外周部は連結ベルト47を取り付ける取付凹部46bとなっており、また、後方部には、機構部上カバー41及び機構部下カバー42の保持部42b(上カバー41にも図示されない同様の保持部)に保持される保持凹部46cが一体に設けられている。
上記回転部保持ケース部材45は、前方内部に、一方の吐出容器体1の繰出体12の天冠部16の代わりとなる方内部が円筒状の嵌合部45aを有し、外周部は連結ベルト47を取り付ける取付凹部45bとなっており、また、後方部には、ノブ44内部に形成される取付孔44aに取り付けられる回転体45cが一体に設けられると共に、機構部上カバー41及び機構部下カバー42の保持部42a(上カバー41にも図示されない同様の保持部)に保持される保持凹部45dが一体に設けられている。
また、上記回転部保持ケース部材46も、前方内部に、他方の吐出容器体1の繰出体12の天冠部16の代わりとなる方内部が円筒状の嵌合部46aを有し、外周部は連結ベルト47を取り付ける取付凹部46bとなっており、また、後方部には、機構部上カバー41及び機構部下カバー42の保持部42b(上カバー41にも図示されない同様の保持部)に保持される保持凹部46cが一体に設けられている。
このように構成される本発明の回路基盤修正用塗布液を塗布する吐出容器では、ノブ式(横回転)同期機構部40のノブ44を回転させることにより、回転部保持ケース部材45が回転すると共に、連結ベルト47により回転部保持ケース部材46も連動することとなり、これにより吐出容器体1,1の各回転操作部(天冠16,16の代わりとなる回転部保持ケース部材45,46)を回転させることにより、各吐出容器体1,1から内容液を吐出ノズル35,35から各少量、一定量または同一比率で吐出させることができものとなる。
以下に、本発明について、更に実施例、比較例を参照して詳しく説明する。なお、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔フッ素系樹脂の非水分散体の調製1〕
下記に示す配合組成について所定量調合した後、充分に撹拌混合を行った。その後、得られたPTFE混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散した。
PTFEパウダー(一次粒子平均粒子径0.3μm) 40重量%
フッ素系添加剤(メガファックF−563、DIC社製) 7重量%
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 53重量%
上記の配合からなる分散体1におけるPTFEの平均粒子径(散乱強度分布におけるキュムラント法解析の平均粒子径)をFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法で測定したところ0.3μmであった。
下記に示す配合組成について所定量調合した後、充分に撹拌混合を行った。その後、得られたPTFE混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散した。
PTFEパウダー(一次粒子平均粒子径0.3μm) 40重量%
フッ素系添加剤(メガファックF−563、DIC社製) 7重量%
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 53重量%
上記の配合からなる分散体1におけるPTFEの平均粒子径(散乱強度分布におけるキュムラント法解析の平均粒子径)をFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法で測定したところ0.3μmであった。
また、得られた分散体1の水分量を測定したところ、カールフィッシャー法による各水分量は500〜1700ppmの範囲内であった。
得られた分散体1を密閉容器中にて40℃、1週間静置保管したのち、粒子の沈降状態を目視にて確認したところ、いずれも沈降物はなく良好な状態を保っていた。
〔実施例1:(フッ素系樹脂含有)熱硬化樹脂組成物の調製〕
得られた分散体1を用い、下記に示す配合処方にてフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を作製した。また、PTFE分散体を添加していない樹脂のみの組成物として、比較例を作製した。
〔実施例1:熱硬化樹脂組成物〕
エポキシ樹脂(828EL、三菱化学社製) 100重量部
分散体1 56.25重量部
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 9.375重量部
〔実施例1:硬化剤〕
エポキシ樹脂硬化剤(ST12、三菱化学社製) 100重量部
上記実施例1に示す配合比で混合した後、ディスパーを用いてPTFE分散体と樹脂類が均一に混ざるように撹拌して、フッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を得た。
ここで、実施例1は非常に均一な状態を示し、PTFEの凝集物などは観察されなかった。
得られた分散体1を用い、下記に示す配合処方にてフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を作製した。また、PTFE分散体を添加していない樹脂のみの組成物として、比較例を作製した。
〔実施例1:熱硬化樹脂組成物〕
エポキシ樹脂(828EL、三菱化学社製) 100重量部
分散体1 56.25重量部
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 9.375重量部
〔実施例1:硬化剤〕
エポキシ樹脂硬化剤(ST12、三菱化学社製) 100重量部
上記実施例1に示す配合比で混合した後、ディスパーを用いてPTFE分散体と樹脂類が均一に混ざるように撹拌して、フッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を得た。
ここで、実施例1は非常に均一な状態を示し、PTFEの凝集物などは観察されなかった。
〔フッ素系樹脂の非水分散体の調製2〕
下記に示す配合組成について所定量調合した後、充分に撹拌混合を行った。その後、得られたPTFE混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散した。
PTFEパウダー(一次粒子平均粒子径0.3μm) 40重量%
式(I)で表される化合物
(エスレックBL−10
〔ブチラール(PVB)樹脂、積水化学工業社製、水酸基28モル%、ブチラール化度71±3モル%、分子量1.5万〕) 2重量%
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 58重量%
上記の配合からなる分散体2におけるPTFEの平均粒子径(散乱強度分布におけるキュムラント法解析の平均粒子径)をFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法で測定したところ0.31μmであった。
下記に示す配合組成について所定量調合した後、充分に撹拌混合を行った。その後、得られたPTFE混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散した。
PTFEパウダー(一次粒子平均粒子径0.3μm) 40重量%
式(I)で表される化合物
(エスレックBL−10
〔ブチラール(PVB)樹脂、積水化学工業社製、水酸基28モル%、ブチラール化度71±3モル%、分子量1.5万〕) 2重量%
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 58重量%
上記の配合からなる分散体2におけるPTFEの平均粒子径(散乱強度分布におけるキュムラント法解析の平均粒子径)をFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法で測定したところ0.31μmであった。
また、得られた分散体1の水分量を測定したところ、カールフィッシャー法による各水分量は500〜1700ppmの範囲内であった。
得られた分散体1を密閉容器中にて40℃、1週間静置保管したのち、粒子の沈降状態を目視にて確認したところ、いずれも沈降物はなく良好な状態を保っていた。
〔実施例2:(フッ素系樹脂含有)熱硬化樹脂組成物の調製〕
得られた分散体2を用い、下記に示す配合処方にてフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を作製した。
〔実施例2:熱硬化樹脂組成物〕
エポキシ樹脂(828EL、三菱化学社製) 100重量部
分散体2 56.25重量部
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 9.375重量部
〔実施例2:硬化剤〕
エポキシ樹脂硬化剤(ST12、三菱化学社製) 100重量部
上記実施例2に示す配合比で混合した後、ディスパーを用いてPTFE分散体と樹脂類が均一に混ざるように撹拌して、フッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を得た。
ここで、実施例2は非常に均一な状態を示し、PTFEの凝集物などは観察されなかった。
得られた分散体2を用い、下記に示す配合処方にてフッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を作製した。
〔実施例2:熱硬化樹脂組成物〕
エポキシ樹脂(828EL、三菱化学社製) 100重量部
分散体2 56.25重量部
非水系溶媒:メチルエチルケトン(MEK) 9.375重量部
〔実施例2:硬化剤〕
エポキシ樹脂硬化剤(ST12、三菱化学社製) 100重量部
上記実施例2に示す配合比で混合した後、ディスパーを用いてPTFE分散体と樹脂類が均一に混ざるように撹拌して、フッ素系樹脂含有熱硬化樹脂組成物を得た。
ここで、実施例2は非常に均一な状態を示し、PTFEの凝集物などは観察されなかった。
〔比較例3:(フッ素系樹脂を含まない)熱硬化樹脂組成物〕
エポキシ樹脂(828EL、三菱化学社製) 100重量部
〔比較例3:硬化剤〕
エポキシ樹脂硬化剤(ST12、三菱化学社製) 100重量部
エポキシ樹脂(828EL、三菱化学社製) 100重量部
〔比較例3:硬化剤〕
エポキシ樹脂硬化剤(ST12、三菱化学社製) 100重量部
実施例1、2及び比較例3の各々の熱硬化樹脂組成物と硬化剤を上記吐出容器付き塗布具の吐出容器体1、1へ夫々封入し、ポリイミドフィルム(厚さ:25μm)の片側全面に、実施例1、2、比較例によって得られた(フッ素系樹脂含有)熱硬化樹脂組成物と硬化剤を、乾燥後の厚さが約25μmとなるように上記吐出容器付き塗布具を用いて均一な厚さになるよう塗布し、約120℃で約10分間乾燥した後、これを180℃で60分間加熱して硬化させることにより、比誘電率評価用のサンプルを作製した。比較例1及び2は、夫々上記実施例1、2の組成物を上記吐出容器付き塗布具を使用せずに熱硬化樹脂組成物と硬化剤を通常のチューブ型容器に一緒に封入し、同様に塗布作業と硬化作業とを行い比誘電率を評価した。更に、夫々のサンプルを塗布具に封入したまま、40℃1週間静置保管したのち、同様に塗布作業を行い、塗布性能を評価し、更に、硬化作業を行い比誘電率評価用のサンプルを作製した。
〔比誘電率の評価〕
比誘電率は、JIS C6481−1996の試験規格に準じて、インピーダンス分析器(Impedence Analyzer)を用いて1GHzで測定した。
比誘電率は、JIS C6481−1996の試験規格に準じて、インピーダンス分析器(Impedence Analyzer)を用いて1GHzで測定した。
比誘電率の評価結果を下記表1に示す。
上記結果から明らかなように、本発明の範囲内である実施例1、2は塗布後の比誘電率は比較例に比べ低いことが判明した。更に、上記の吐出容器付き塗布具に封入した場合には、40℃に1週間保存した後の組成物の流動性もよく、保存安定性が高いことが判明した。また、これは上述の分散体及び分散体を含む組成物が保存安定性に優れていることによるものの外、熱硬化樹脂組成物と硬化剤を別々に収納することによって容器内での硬化を防止することができたものによると考えられた。
本発明における回路基盤修正用塗布液は、回路基盤に適用されて特性を向上・改善させる目的に用いることが可能であり、各種の電子機器、趣味の工作あるいは実験用の回路などに利用することができる。
Claims (9)
- 一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレン粒子の質量に対して0.1〜40質量%、含み、カールフィッシャー法による全体の水分量が、20000ppm以下であることを特徴とする回路基盤修正用塗布液。
- シリコーン系消泡剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の回路基盤修正用塗布液。
- 一次粒子径が1μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子、少なくとも下記(I)式で表される化合物をポリテトラフルオロエチレン粒子の質量に対して0.1〜40質量%、含み、カールフィッシャー法による全体の水分量が、20000ppm以下であることを特徴とする回路基盤修正用塗布液。
- 前記回路基盤修正用塗布液に用いる油性溶剤のカールフィッシャー法による水分量が、20000ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレンの回路基盤修正用塗布液。
- 前記回路基盤修正用塗布液に用いる油性溶剤が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2−ヘプタノン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキシルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジオキサン、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルモノグリシジルエーテル、エチルモノグリシジルエーテル、ブチルモノグリシジルエーテル、フェニルモノグリシジルエーテル、メチルジグリシジルエーテル、エチルジグリシジルエーテル、ブチルジグリシジルエーテル、フェニルジグリシジルエーテル、メチルフェノールモノグリシジルエーテル、エチルフェノールモノグリシジルエーテル、ブチルフェノールモノグリシジルエーテル、ミネラルスピリット、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ビニルピリジン、N−メチルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、からなる群から選ばれる1種類の溶剤、またはこれらの溶剤を2種以上含んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回路基盤修正用塗布液。
- 回路基盤修正用塗布液におけるポリテトラフルオロエチレン粒子のレーザー回折・散乱法または動的光散乱法による平均粒子径が、1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回路基盤修正用塗布液。
- さらに、シアン酸エステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を少なくとも含有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回路基盤修正用塗布液。
- 請求項1乃至7いずれか1項に記載の回路基盤修正用塗布液と硬化剤とを隔離して収納する回路基盤修正用塗布液の保管方法。
- 請求項1乃至7いずれか1項に記載の回路基盤修正用塗布液を収容する吐出容器体と、硬化剤を収容する吐出容器体とを備えることを特徴とする吐出容器付き塗布具。
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