JP2017210030A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】着座者の快適性を損なうことなく、着座者に向かって風を送ることが可能な乗物用シートを提供する。【解決手段】シートバック14の着座者側の面に形成された開口96から、着座者に向かって風を送ることが可能な車両用シート10において、着座者に向かって風が送られている際に、1対の検出センサ30,32によって、着座者の上半身の姿勢が変化するか否かが判断される。詳しくは、1対の検出センサによる検出値の差が閾値以上である場合に、着座者が上半身を捻る動作をしていると判断される。そして、着座者が上半身を捻る動作をしていると判断された場合に、開口からの送風量が低減される。これにより、着座者の姿勢変化に伴って、着座者の背中によって塞がれていた開口が開放された場合であっても、開口からの風の吹き出しによる雑音を小さくすることが可能となり、着座者の快適性を損なうことなく、着座者に向かって風を送ることが可能となる。【選択図】図1
Description
本発明は、シートバックの着座者側の面に形成された送風口から、着座者に向かって風を送ることが可能な乗物用シートに関する。
乗物用シートには、シートバックの着座者側の面に形成された送風口から、着座者に向かって風を送ることが可能なシートが存在する。このようなシートでは、着座者に風が送られることで、着座者の快適性を向上させることが可能となる。下記特許文献には、そのような乗物用シートの一例が記載されている。
上記特許文献に記載の乗物用シートによれば、着座者の快適性を向上させることが可能となる。しかしながら、着座者が通常の姿勢でシートに着座している際に、風が送り出される送風口は、着座者の背中によって塞がれているが、着座者が上半身の姿勢を変化させることで、送風口が開放される場合がある。このような場合には、送風口から吹き出される風の通気抵抗が一気に低下し、風が勢いよく吹き出される。この際、風の吹き出しによる雑音が大きくなり、着座者の快適性を損なう虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、着座者の快適性を損なうことなく、着座者に向かって風を送ることが可能な乗物用シートの提供を課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の乗物用シートは、着座者の背部を支持するシートバックと、前記シートバックの着座者側の面に形成された送風口から、着座者に向かって風を送る送風機と、前記送風機の作動を制御する制御装置と、着座者の上半身の姿勢を検出可能な姿勢検出部とを備え、前記制御装置が、前記送風機が作動している際に、前記姿勢検出部による検出に基づいて、着座者の上半身の姿勢が変化したと判断された場合に、前記送風機の出力を低減することを特徴とする。
また、請求項2に記載の乗物用シートは、請求項1に記載の乗物用シートにおいて、前記制御装置が、前記送風機が作動している際に、前記乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となった場合、かつ、前記姿勢検出部による検出に基づいて、着座者の姿勢が変化したと判断された場合に、前記送風機の出力を低減することを特徴とする。
また、請求項3に記載の乗物用シートは、請求項1または請求項2に記載の乗物用シートにおいて、前記制御装置が、前記送風機が作動している際に、前記乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となった後に、前記姿勢検出部による検出に基づいて、着座者の姿勢が変化したと判断された場合に、前記送風機の出力を低減することを特徴とする。
また、請求項4に記載の乗物用シートは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の乗物用シートにおいて、前記姿勢検出部が、前記シートバックの着座者側の面の左右に配設され、着座者を検出する1対の検出センサを有し、前記1対の検出センサによる検出値に基づいて、着座者の上半身の姿勢が検出されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の乗物用シートは、請求項4に記載の乗物用シートにおいて、前記1対の検出センサによる検出値の差が閾値以上である場合に、着座者の上半身の姿勢が変化したと判断されることを特徴とする。
また、請求項6に記載の乗物用シートは、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の乗物用シートにおいて、前記制御装置は、前記送風機の操作スイッチへの操作により作動可能な前記送風機の出力範囲よりも低い出力値まで、前記送風機の出力を低減することを特徴とする。
請求項1に記載の乗物用シートでは、送風機が作動している際に、着座者の上半身の姿勢が変化したと判断された場合に、送風機の出力が低減される。つまり、着座者の上半身の姿勢の変化に伴って、送風口が開放されると想定される場合に、送風機の出力が低減される。これにより、着座者の背中によって塞がれていた送風口が開放された場合であっても、送風口からの風の吹き出しによる雑音を小さくすることが可能となり、着座者の快適性を損なうことなく、着座者に向かって風を送ることが可能となる。
請求項2に記載の乗物用シートでは、乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となった場合、かつ、着座者の姿勢が変化したと判断された場合に、送風機の出力が低減される。具体的には、例えば、車両の作動状態が後退する状態である場合,車両の作動状態が旋回する状態である場合等には、運転者は、後方,側方等を確認するべく、上半身を捻る。このため、このような場合には、着座者の背中によって塞がれていた送風口が開放される可能性が高い。つまり、乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となった場合、かつ、着座者の姿勢が変化したと判断された場合に、送風機の出力を低減することで、送風口が開放される可能性の高い状態において、送風機の出力を低減することが可能となる。
請求項3に記載の乗物用シートでは、乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となった後に、着座者の姿勢が変化したと判断された場合に、送風機の出力が低減される。つまり、乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となっているか否かが、先に判断され、着座者の姿勢が変化しているか否かが、後に判断される。これにより、送風口が開放される前に、送風機の出力を低減することが可能となる。
請求項4に記載の乗物用シートでは、1対の検出センサが、シートバックの着座者側の面の左右に配設されており、それら1対の検出センサによる検出値に基づいて、着座者の上半身の姿勢が検出される。これにより、着座者の上半身を捻る動作を適切に判断することが可能となる。
請求項5に記載の乗物用シートでは、1対の検出センサが、シートバックの着座者側の面の左右に配設されており、それら1対の検出センサによる検出値の差が閾値以上である場合に、着座者の上半身の姿勢が変化したと判断される。これにより、着座者の上半身を捻る動作を好適に検出することが可能となる。
請求項6に記載の乗物用シートでは、送風機の操作スイッチへの操作により作動可能な送風機の出力範囲よりも低い出力値まで、送風機の出力が低減される。これにより、風の吹き出し音を相当、小さくすることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<車両用シートの構造>
本発明の実施例の車両用シート10を図1に示す。車両用シート10は、運転席であり、運転者の臀部を支持するシートクッション12と、運転者の背部を支持するシートバック14と、シートバック14の上端に設けられて運転者の頭部を支持するヘッドレスト16とによって構成されている。
本発明の実施例の車両用シート10を図1に示す。車両用シート10は、運転席であり、運転者の臀部を支持するシートクッション12と、運転者の背部を支持するシートバック14と、シートバック14の上端に設けられて運転者の頭部を支持するヘッドレスト16とによって構成されている。
シートバック14は、図2に示すように、シートバック14の骨格となるバックフレーム20と、そのバックフレーム20の前方側に配設される発泡ウレタン製のバックパッド22と、バックパッド22の表面を覆うバックカバー24と、バックフレーム20の後方側を覆うバックボード26と、車両用シート10への着座者にエアを送風するためのシートベンチレーションシステム(以下、「SVシステム」と略して記載する場合がある)28と、1対の検出センサ(図2では1個の検出センサが示されている)30,32とを備えている。
バックフレーム20は、左右1対の鋼板製のサイドフレーム(図2では1本のサイドフレームが示されている)50,52と、それら1対のサイドフレーム50,52の上端部に架け渡された円鋼管製のアッパフレーム54とによって構成されている。1対のサイドフレーム50,52は、シートクッション12の骨格をなすクッションフレーム56によって、リクライニング装置58を介して搖動可能に連結されている。
バックパッド22は、上端部においてアッパフレーム54を覆うとともに、下端部において1対のサイドフレーム50,52の下端を覆うように、バックフレーム20の前方に配設されている。そして、バックパッド22の表面は、通気性の高い素材により形成されたバックカバー24によって覆われている。また、バックボード26は、樹脂製の素材により形成されており、バックフレーム20から離間した状態で、シートバック14の背面側を覆っている。これにより、シートバック14の内部に、バックフレーム20とバックパッド22とバックボード26とによって囲まれる空間が形成されている。
また、バックボード26の下端と、バックパッド22及びバックカバー24の後方側の下端とは離間している。つまり、シートバック14の内部空間は密閉されておらず、バックボード26の下端と、バックパッド22及びバックカバー24の後方側の下端との間の隙間60を介して、シートバック14の外部と連通している。なお、バックボード26の下端には、下帯62が取り付けられており、その下帯62によって、隙間60が隠されている。
また、SVシステム28は、送風機70とダクト72とを有している。送風機70は、支持部材(図示省略)を介して、アッパフレーム54に取り付けられている。送風機70は、ハウジング76とファン78と電磁モータ(図3参照)80とによって構成されている。ハウジング76には、吸気口82と排気口84とが形成されており、吸気口82と対向するように、ファン78がハウジング76の内部において回転可能に保持されている。そして、ファン78が、電磁モータ80を駆動源として回転することで、吸気口82からエアが吸引され、排気口84から排気される。
また、バックパッド22には、エア通路88が形成されている。詳しくは、バックパッド22の着座者側の面と反対側の面、つまり、シートバック14の内部側の面の略中央部に、概して矩形の凹部90が形成されている。また、バックパッド22の着座者側の面と、凹部90とを連通するように、6本の連通路(図2では3本の連通路が示されている)92が形成されている。これにより、凹部90と6本の連通路92とによって構成されるエア通路88によって、バックパッド22の着座者側の面とシートバック14の内部とが連通される。なお、6本の連通路92のバックパッド22の着者側の面への開口96は、図1に示すように、左右2列、上下3段に配列されており、左右2列の開口96は、シートバック14の上下方向に延びる中心線を挟んで、左右対称とされている。また、各連通路92の開口96は、車両用シート10に運転者が着座した場合に、運転者の背中によって塞がれる位置に配置されている。
また、SVシステム28のダクト72は、図2に示すように、ダクト部100とフランジ部102とによって構成されている。ダクト部100は、概してL字型に屈曲した管状の部材であり、一端部において、送風機70のハウジング76の排気口84に連結されている。また、ダクト部100の他端部は、バックパッド22に形成されたエア通路88の凹部90に向かって屈曲しており、その他端部に、凹部90より大きなフランジ部102が形成されている。そして、フランジ部102が、凹部90を覆った状態でバックパッド22の着座者側の面と反対側の面に固定されている。つまり、凹部90は、ダクト72のフランジ部102によって密閉され、ダクト72の他端部が、凹部90に開口している。
このような構造により、送風機70の排気口84から排気されたエアが、ダクト72を介して、凹部90に送り出され、そのエアが、6本の連通路92を介して、各連通路92の開口96から着座者に向かって送り出される。つまり、SVシステム28では、送風機70の電磁モータ80の作動により、排気口84からエアが送り出され、ダクト72及びエア通路88を介して、車両用シート10への着座者の背中に向かって送風される。なお、排気口84からのエアの送り出しに伴って、シートバック14の内部に、シートバック14の後方側の下端に形成された隙間60からエアが吸引される。また、バックパッド22の通気性は低くされているため、バックパッド22において、エア通路88以外の箇所へのエアの通気は防止される。一方、バックパッド22を覆うバックカバー24の通気性は高いため、開口96からのエアの送風は、妨げられない。
また、1対の検出センサ30,32は、静電容量の変化を検出するセンサであり、概して矩形とされている。そして、1対の検出センサ30,32は、図1に示すように、長手方向が上下に延びるとともに、シートバック14の上下方向に延びる中心線を挟んで、左右対称に配置されている。また、1対の検出センサ30,32は、左右2列に配置された開口96の上方に位置するように配置されている。つまり、上下方向に並ぶ3個の開口96と各検出センサ30,32とは、上下方向に1列に配置されている。
また、各検出センサ30,32は、図2に示すように、バックパッド22とバックカバー24との間に介挿され、バックパッド22の表面に固定されている。これにより、車両用シート10に運転者が着座した際に、運転者の背中が検出センサ30,32に接近することで、検出センサ30,32により検出される静電容量が変化する。詳しくは、車両用シート10に運転者が着座すると、運転者の背中、具体的には、両肩の付近が1対の検出センサ30,32に接近する。この際、運転者の背中が検出センサ30,32に接近するほど、検出センサ30,32によって検出される静電容量が高くなる。なお、各検出センサ30,32は、上述したように、長手方向が上下に延びるように、配設されているため、運転者の体格が大きい場合であっても、小さい場合であっても、検出センサ30,32によって静電容量の変化を適切に検出することが可能となる。
また、車両用シート10が配設される車両は、図3に示す制御装置110を備えている。制御装置110は、コントローラ112と、駆動回路114とを有している。コントローラ112は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、駆動回路114に接続されている。また、駆動回路114は、送風機70の電磁モータ80に接続されている。これにより、送風機70の作動がコントローラ112によって制御される。また、1対の検出センサ30,32は、コントローラ112に接続されており、各検出センサ30,32により検出された検出値、つまり、静電容量の値がコントローラ112に入力される。
さらに、車両用シート10が配設される車両は、SVシステム28を操作するための操作スイッチ116を備えている。操作スイッチ116は、SVシステム28のON/OFFを切り替えるための電源スイッチ(図示省略)と、SVシステム28によるエアの送風量を切り替えるための風量スイッチ(図示省略)とを含む。風量スイッチは、「強」と「弱」とを切り替えるためのスイッチであり、風量スイッチが「強」にされた場合には、比較的強い風がバックパッド22の開口96から送り出され、風量スイッチが「弱」にされた場合には、比較的弱い風がバックパッド22の開口96から送り出される。つまり、風量スイッチが「強」にされた場合には、比較的強い風を送り出すべく、電磁モータ80に電力量X1の電力が供給され、風量スイッチが「弱」にされた場合には、比較的弱い風を送り出すべく、電磁モータ80に電力量X2(<X1)の電力が供給される。なお、操作スイッチ116は、コントローラ112に接続されており、操作スイッチの操作に応じた信号がコントローラ112に入力される。
また、車両用シート10が配設される車両は、車両の旋回方向をターンランプの点滅により告知するための方向指示器118と、シフトレバーの操作位置を検出する位置センサ120とを備えている。方向指示器118は、コントローラ112に接続されており、方向指示器118が操作された場合、つまり、ターンランプが点滅している際に、方向指示器118が操作されていることを示す信号が、コントローラ112に入力される。また、位置センサ120も、コントローラ112に接続されており、シフトレバーの操作位置を示す情報が、コントローラ112に入力される。
<SVシステムの作動>
上記構造の車両用シート10では、SVシステム28が作動されることで、車両用シート10への着座者に向かってエアが送風される。詳しくは、操作スイッチ116の電源スイッチがONとされ、風量スイッチが操作されることで、操作された風量スイッチに応じた電力量の電力が、送風機70の電磁モータ80に供給される。つまり、風量スイッチが「強」にされている場合には、電磁モータ80に電力量X1の電力が供給され、風量スイッチが「弱」にされている場合には、電磁モータ80に電力量X2(<X1)の電力が供給される。これにより、送風機70が、操作された風量スイッチに応じた風量のエアをダクト72に送り込み、ダクト72及びエア通路88を介して、バックパッド22の着座者側の面に形成された開口96から、エアが吹き出される。エアを吹き出す開口96は、上述したように、車両用シート10への着座者の背中によって塞がれているため、開口96から吹き出されるエアは、バックパッド22に接触している着座者の背中に当たり、着座者に清涼感を与えることが可能となる。
上記構造の車両用シート10では、SVシステム28が作動されることで、車両用シート10への着座者に向かってエアが送風される。詳しくは、操作スイッチ116の電源スイッチがONとされ、風量スイッチが操作されることで、操作された風量スイッチに応じた電力量の電力が、送風機70の電磁モータ80に供給される。つまり、風量スイッチが「強」にされている場合には、電磁モータ80に電力量X1の電力が供給され、風量スイッチが「弱」にされている場合には、電磁モータ80に電力量X2(<X1)の電力が供給される。これにより、送風機70が、操作された風量スイッチに応じた風量のエアをダクト72に送り込み、ダクト72及びエア通路88を介して、バックパッド22の着座者側の面に形成された開口96から、エアが吹き出される。エアを吹き出す開口96は、上述したように、車両用シート10への着座者の背中によって塞がれているため、開口96から吹き出されるエアは、バックパッド22に接触している着座者の背中に当たり、着座者に清涼感を与えることが可能となる。
このように、車両用シート10では、着座者の背中に向かってエアが送風されることで、着座者に快適な環境を付与することが可能となっている。ただし、車両用シート10への着座者、つまり、運転者は、車両運転時に、上半身の姿勢を変化させる場合がある。具体的には、例えば、車両を後退させる際に、運転者が後方を確認するべく、上半身を後方に向かって捻る場合がある。また、例えば、車両を旋回させる際に、斜め後方,側方等を確認するべく、運転者が上半身を側方に向かって捻る場合がある。このような場合には、上半身の姿勢変化に伴って、運転者の背中によって塞がれていた開口96が開放され、開口96から吹き出されるエアの通気抵抗が一気に低下し、エアが勢いよく吹き出される。この際、エアの吹き出しによる雑音が大きくなり、運転者に不快感を与える虞がある。
このようなことに鑑みて、車両用シート10では、車両の作動状態が車両を後退させる状態となっている際、若しくは、車両の状態が車両を旋回させる状態となっている際に、運転者の上半身の姿勢が変化したと判断された場合に、送風機70の出力が低減される。つまり、開口96から吹き出されるエアの風量が低減される。これにより、運転者の背中によって塞がれていた開口96が開放された場合であっても、開口96からのエアの吹き出しによる雑音を小さくすることが可能となる。
詳しくは、SVシステム28が作動している際に、車両の作動状態が車両を後退させる状態となっているか否か、若しくは、車両の状態が車両を旋回させる状態となっているか否かが、コントローラ112において判断される。具体的には、方向指示器118が操作された場合、つまり、車両の状態が車両を旋回させる状態となっている場合に、方向指示器118が操作されていることを示す信号が、コントローラ112に入力される。このため、コントローラ112に方向指示器118が操作されていることを示す信号が入力された場合に、車両の状態が車両を旋回させる状態となっていると判断される。また、シフトレバーの操作位置を示す情報が、コントローラ112に入力される。つまり、車両の状態が車両を後退させる状態となっている場合に、シフトレバーの操作位置がRレンジであることを示す情報が、コントローラ112に入力される。このため、コントローラ112にシフトレバーの操作位置がRレンジであることを示す情報が入力された場合に、車両の状態が車両を後退させる状態となっていると判断される。
次に、車両の作動状態が車両を後退させる状態となっていると判断された場合、若しくは、車両の状態が車両を旋回させる状態となっていると判断された場合に、運転者の上半身の姿勢が変化したか否かが、コントローラ112において判断される。具体的には、1対の検出センサ30,32の検出値、つまり、検出センサ30,32により検出された静電容量を示す値が、コントローラ112に入力される。1対の検出センサ30,32は、上述したように、車両用シート10への着座者、つまり、運転者の両肩付近が接近する箇所に配設されている。運転者が通常の姿勢で車両用シート10に着座している場合には、運転者の両肩は、共に1対の検出センサ30,32に接近しており、1対の検出センサ30,32によって検出される静電容量は、共に近い値となる。このため、1対の検出センサ30,32によって検出される静電容量の値の差が、小さい場合には、運転者が通常の姿勢、つまり、両肩をシートバック14に接近させた姿勢で車両用シート10に着座していると考えられる。
一方、運転者が、車両の後方,側方等を確認するべく、上半身をひねった場合には、運転者の両肩の一方は、1対の検出センサ30,32の一方に接近しているが、運転者の両肩の他方は、1対の検出センサ30,32の他方から離間する。この際、1対の検出センサ30,32の一方によって検出される静電容量の値と、他方によって検出される静電容量の値とは大きく異なり、1対の検出センサ30,32によって検出される静電容量の値の差は、大きくなる。このため、1対の検出センサ30,32によって検出される静電容量の値の差が、大きい場合には、運転者が上半身を捻っていると考えられる。
そこで、1対の検出センサ30,32によって検出される静電容量の値の差が閾値以上となった場合に、運転者が上半身を捻っている、つまり、運転者の上半身の姿勢が変化したと判断される。そして、運転者の上半身の姿勢が変化したと判断されると、送風機70の出力が低減される。具体的には、送風機70の出力低減前には、風量スイッチが「強」にされている場合に、電磁モータ80に電力量X1の電力が供給され、風量スイッチが「弱」にされている場合に、電磁モータ80に電力量X2(<X1)の電力が供給されていたが、送風機70の出力低減により、電磁モータ80に電力量X3(<X2)の電力が供給される。つまり、風量スイッチが「強」にされている場合には、電磁モータ80への供給電力量が、X1からX3(<X2<X1)に低減され、風量スイッチが「弱」にされている場合には、電磁モータ80への供給電力量が、X2からX3(<X2)に低減される。このように、送風機70の風量スイッチへの操作により作動可能な送風機70の出力範囲よりも低い出力値まで、送風機70の出力を低減することで、開口96から吹き出されるエアの風量が低減される。これにより、運転者の背中によって塞がれていた開口96が開放された場合であっても、開口96からのエアの吹き出しによる雑音を小さくすることが可能となる。
なお、送風機70の出力が低減された後において、1対の検出センサ30,32によって検出される静電容量の値の差が閾値未満となった場合には、運転者が上半身の捻りを戻し、通常の姿勢、つまり、両肩をシートバック14に接近させていると考えられる。この際、エアを吹き出している開口96は、運転者の背中によって塞がれていると考えられる。このため、送風機70の出力が低減された後に、1対の検出センサ30,32によって検出される静電容量の値の差が閾値未満となった場合には、送風機70の出力低減が解除され、風量スイッチに応じた電力量の電力が電磁モータ80に供給される。これにより、開口96が開放されていると想定される間だけ、送風機70の出力を低減することが可能となる。
<制御プログラム>
上述したSVシステム28の作動は、コントローラ112において制御プログラムが実行されることによって行われる。以下に、図4を用いて、コントローラ112において制御プログラムが実行される際のフローを説明する。
上述したSVシステム28の作動は、コントローラ112において制御プログラムが実行されることによって行われる。以下に、図4を用いて、コントローラ112において制御プログラムが実行される際のフローを説明する。
制御プログラムは、図4に示すように、イグニッションがONにされると実行される。制御プログラムでは、まず、SVシステム28の操作スイッチ116の電源スイッチがONにされているか否かが、コントローラ112によって判断される(S100)。この際、電源スイッチがONにされていない場合(S100:NO)には、S100の処理が繰り返される。一方、電源スイッチがONにされている場合(S100:YES)には、操作スイッチ116の風量スイッチに応じた出力で送風機70が作動される(S102)。つまり、送風機70の電磁モータ80に風量スイッチに応じた電力量の電力が供給される。
次に、方向指示器がONにされているか否か、若しくは、シフトレバーがRレンジに位置しているか否かが、コントローラ112によって判断される(S104)。つまり、方向指示器118が操作されていることを示す信号がコントローラ112に入力されているか否か、若しくは、シフトレバーの操作位置がRレンジであることを示す情報がコントローラ112に入力されているか否かが判断される。そして、方向指示器がONにされていない場合、かつ、シフトレバーがRレンジに位置していない場合(S104:NO)には、S100に戻る。
一方、方向指示器がONにされている場合、若しくは、シフトレバーがRレンジに位置している場合(S104:YES)には、1対の検出センサ30,32によって検出された静電容量の値の差が閾値以上であるか否かが、コントローラ112によって判断される(S106)。1対の検出センサ30,32によって検出された静電容量の値の差が閾値以上でない場合(S106:NO)には、S100に戻る。
一方、1対の検出センサ30,32によって検出された静電容量の値の差が閾値以上である場合(S106:YES)には、送風機70の出力が低減される(S108)。そして、1対の検出センサ30,32によって検出された静電容量の値の差が閾値未満であるか否かが、コントローラ112によって判断される(S110)。この際、1対の検出センサ30,32によって検出された静電容量の値の差が閾値未満でない場合(S110:NO)には、S108に戻る。一方、1対の検出センサ30,32によって検出された静電容量の値の差が閾値未満である場合(S110:YES)には、S100に戻る。
ちなみに、上記実施例において、車両用シート10は、乗物用シートの一例である。シートバック14は、シートバックの一例である。検出センサ30,32は、姿勢検出部、及び、検出センサの一例である。送風機70は、送風機の一例である。開口96は、送風口の一例である。制御装置110は、制御装置の一例である。操作スイッチ116は、操作スイッチの一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。具体的には、例えば、上記実施例では、車両用シート10への着座者の姿勢の変化を検出するための器具として、検出センサ30,32が採用されているが、種々の器具を採用することが可能である。具体的には、例えば、車両用シート10への着座者を撮像するカメラを用いて、着座者の上半身の姿勢が変化されたか否かを判断してもよい。また、1対の荷重センサを、検出センサ30,32の代わりに配置し、荷重センサにより検出される検出値に基づいて、着座者の上半身の姿勢が変化されたか否かを判断してもよい。
また、上記実施例では、風量スイッチが「強」若しくは「弱」にされている場合に、送風機70の出力が低減されると、風量スイッチ「弱」の際に送風される風量より少ない風量まで低減されるが、別の態様で送風機70の出力を低減してもよい。具体的には、例えば、風量スイッチが「強」にされている場合に、送風機70の出力を低減することで、風量スイッチ「弱」の際に送風される風量まで低減してもよい。つまり、出力低減前に、電磁モータ80に電力量X1の電力が供給されている場合に、送風機70の出力低減により、電磁モータ80に電力量X2(<X1)の電力を供給してもよい。また、例えば、風量スイッチが「強」若しくは、「弱」にされている場合に、送風機70の出力を低減することで、送風機70の作動を停止させてもよい。つまり、送風機70の風量が0になるまで、送風機70の出力を低減させてもよい。
また、上記実施例では、車両の作動状態が方向指示器の作動状態、若しくは、シフトレバーの操作位置に基づいて推定されているが、ハザードランプの操作状態等に基づいて、車両の作動状態を推定してもよい。
また、上記実施例では、本発明が運転者の着座する車両用シート10に適用されているが、運転者以外の搭乗者が着座する車両用シートに本発明を適用することが可能である。
また、上記実施例では、本発明が車両用シート10に適用されているが、他の乗物、例えば、飛行機,船等の種々の乗物用のシートに本発明を適用することが可能である。
10:車両用シート(乗物用シート)
14:シートバック
30:検出センサ(姿勢検出部)
32:検出センサ(姿勢検出部)
70:送風機
96:開口(送風口)
110:制御装置
116:操作スイッチ
14:シートバック
30:検出センサ(姿勢検出部)
32:検出センサ(姿勢検出部)
70:送風機
96:開口(送風口)
110:制御装置
116:操作スイッチ
Claims (6)
- 着座者の背部を支持するシートバックと、
前記シートバックの着座者側の面に形成された送風口から、着座者に向かって風を送る送風機と、
前記送風機の作動を制御する制御装置と、
着座者の上半身の姿勢を検出可能な姿勢検出部と
を備え、
前記制御装置が、
前記送風機が作動している際に、前記姿勢検出部による検出に基づいて、着座者の上半身の姿勢が変化したと判断された場合に、前記送風機の出力を低減することを特徴とする乗物用シート。 - 前記制御装置が、
前記送風機が作動している際に、前記乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となった場合、かつ、前記姿勢検出部による検出に基づいて、着座者の姿勢が変化したと判断された場合に、前記送風機の出力を低減することを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記制御装置が、
前記送風機が作動している際に、前記乗物用シートが搭載された車両の作動状態が所定の状態となった後に、前記姿勢検出部による検出に基づいて、着座者の姿勢が変化したと判断された場合に、前記送風機の出力を低減することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。 - 前記姿勢検出部が、
前記シートバックの着座者側の面の左右に配設され、着座者を検出する1対の検出センサを有し、
前記1対の検出センサによる検出値に基づいて、着座者の上半身の姿勢が検出されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の乗物用シート。 - 前記1対の検出センサによる検出値の差が閾値以上である場合に、着座者の上半身の姿勢が変化したと判断されることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
- 前記制御装置は、
前記送風機の操作スイッチへの操作により作動可能な前記送風機の出力範囲よりも低い出力値まで、前記送風機の出力を低減することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の乗物用シート。
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-
2016
- 2016-05-23 JP JP2016102550A patent/JP2017210030A/ja active Pending
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