JP2017209680A - 汚泥処理システム及び汚泥処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】システム内全体で用いられる補助燃料の量を低減でき、設備の小型化が可能でCO2排出量の低減が可能な汚泥処理システム及び汚泥処理方法を提供する。【解決手段】TS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、汚泥を汚泥分解率50〜60%で嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる消化槽と、消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機と、脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を得る乾燥機とを備え、消化槽から発生する消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と乾燥機による脱水ケーキの乾燥に必要な一日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理システム。【選択図】図1
Description
本発明は、汚泥処理システム及び汚泥処理方法に関する。
廃水処理施設などで発生する汚泥を発酵させてメタンガスを含む消化ガスを発生させ、この消化ガスを発電機の燃料などに有効利用する技術が知られている。例えば、特開2002−310419号公報(特許文献1)では、有機物発酵によるメタンガスを含む消化ガスを発電施設の燃焼器に投入することによって電力を得て、熱分解炉の追い炊きバーナーに添加して燃焼させることにより、熱分解炉の熱源を補う技術が開示されている。
特開2004−66094号公報(特許文献2)には、メタン発酵により得られた消化ガスを発電に利用するとともにガス発電で発生した排熱を乾燥機の熱源として利用する技術が開示されている。特開2007−260538号公報(特許文献3)には、液状有機物をメタン発酵処理してメタン発酵ガスを生成し、生成したメタン発酵ガスを発電用燃料等として供給するための技術が開示されている。
特開2004−284917号公報(特許文献4)及び特開2005−319373号公報(特許文献5)には、メタン発酵によって発生する消化ガスを炭化処理における燃料として使用する技術が開示されている。
嫌気性消化設備を小型化可能な技術として、国際公開第2012/077778号(特許文献6)及び国際公開第2012/147467号(特許文献7)が提案されている。特許文献6及び7の技術によれば、汚泥濃度4〜12wt%もの高濃度の汚泥濃縮物を短時間で嫌気性消化できるため、消化槽容量を縮小でき、設備の小型化が可能となる。
しかしながら、汚泥から発生する消化ガスを有効利用するための技術はまだ改善の余地がある。例えば、特許文献1〜6に記載されるような従来のメタン発酵処理技術では、汚泥を処理するために大容量の嫌気性消化設備を利用していたため、大容量の消化設備を加温するために多くの補助燃料を要していた。
また、特許文献6及び7に記載された発明も、システム全体の補助燃料を少なくするための具体的な考察が不足している。例えば、特許文献7では、汚泥を簡易に高濃度に濃縮する技術については詳述されているが、汚泥から得られるバイオガスの用途については具体的言及が無い。特許文献6では、嫌気性消化装置から発生するバイオガスをガスタービン、バイオガスボイラ、ガス燈、乾燥機熱源などに利用可能であることが一応示唆されてはいるが、システム内の補助燃料を低減するための具体的対策は講じられていない。
上記課題を鑑み、本発明は、システム内全体で用いられる補助燃料の量を低減でき、設備の小型化が可能でCO2排出量の低減が可能な汚泥処理システム及び汚泥処理方法を提供する。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、従来メタン発酵に一般的に利用される汚泥よりも高濃度に濃縮した汚泥を短期間で処理可能な小型の消化槽を配置し、消化槽から得られたガスを消化槽の加温装置及び乾燥機の熱供給装置に供給する消化ガス供給ラインを設けることにより、消化槽から得られた消化ガスによって消化槽自身の加温と乾燥機の加熱に必要な熱量を賄うことができ、補助燃料の使用を低減できることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は、一側面において、TS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる消化槽と、消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機と、脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を得る乾燥機と、消化ガスを用いて消化槽を加温する加温装置と、消化ガスを用いて乾燥機に熱を供給する熱供給装置と、消化槽で発生した消化ガスを加温装置及び熱供給装置へ供給可能な消化ガス供給ラインとを備える汚泥処理システムであって、消化槽から発生する消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と乾燥機による脱水ケーキの乾燥に必要な1日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きい汚泥処理システムである。
本発明に係る汚泥処理システムは一実施態様において、消化槽の水理学的滞留時間が20日以下である。
本発明に係る汚泥処理システムは別の一実施態様において、消化槽における汚泥の分解率が50〜60%である。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、脱水機が、含水率70〜83%の脱水ケーキを生成させる。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、乾燥機の乾燥効率が50%以上である。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、消化ガス供給ラインが、加温装置と熱供給装置とに供給する消化ガス以外の余剰の消化ガスを発電設備に供給するための供給ラインを備える。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、乾燥汚泥を熱供給装置へ投入するための乾燥汚泥投入ラインを更に備える。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、乾燥機から排出される排気ガスを処理可能な曝気槽を更に備える。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、消化槽で発生した消化ガスを貯蔵するガスホルダと、必要加温熱量を外気温に基づいて算出し、必要乾燥熱量を乾燥汚泥の含水率と乾燥機の乾燥効率に基づいて算出し、算出された必要加温熱量及び必要乾燥熱量に対応する換算消化ガス量をそれぞれ換算し、換算消化ガス量に基づいて、ガスホルダから消化ガス供給ラインを介して加温装置及び熱供給装置へそれぞれ供給する消化ガス量を制御する制御手段とを更に備える。
本発明は別の一側面において、TS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを得る消化槽と、消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機と、脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を得る炭化設備と、消化ガスを用いて消化槽を加温する加温装置と、消化ガスを用いて炭化設備に熱を供給する熱供給装置と、消化槽で発生した消化ガスを加温装置及び熱供給装置へ供給可能な消化ガス供給ラインとを備える汚泥処理システムであって、消化槽から発生する消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と、炭化設備による脱水ケーキの炭化に必要な1日当たりの必要炭化熱量との和よりも大きい汚泥処理システムである。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、消化槽の水理学的滞留時間が20日以下である。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、脱水機が、含水率70〜83%の脱水ケーキを生成させる。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、消化ガス供給ラインが、加温装置と熱供給装置とに供給する消化ガス以外の余剰の消化ガスを発電設備に供給するための発電供給ラインを備える。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、炭化汚泥を熱供給装置へ投入するための炭化汚泥投入ラインを更に備える。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、炭化設備から排出される排気ガスを処理可能な曝気槽を更に備える。
本発明に係る汚泥処理システムは更に別の一実施態様において、消化槽で発生した消化ガスを貯蔵するガスホルダと、必要加温熱量を外気温に基づいて算出し、必要炭化熱量を脱水ケーキの含水率に基づいて算出し、算出された必要加温熱量及び必要炭化熱量に対応する換算消化ガス量をそれぞれ算出し、換算消化ガス量に基づいて、ガスホルダから消化ガス供給ラインを介して加温装置及び熱供給装置へそれぞれ供給する消化ガス量を制御する制御手段とを更に備える。
本発明は更に別の一側面において、消化槽内にTS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させることと、脱水機により消化汚泥を脱水して脱水ケーキを生成させることと、乾燥機により脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を生成させることと、加温装置により消化ガスを用いて消化槽を加温することと、熱供給装置により消化ガスを用いて乾燥機に熱を供給することと、消化槽で発生した消化ガスを、消化ガス供給ラインを通じて加温装置及び熱供給装置へ供給することを含む汚泥処理方法であって、消化槽から発生する消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と乾燥機による脱水ケーキの乾燥に必要な1日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きい汚泥処理方法である。
本発明は更に別の一側面において、消化槽内にTS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させることと、脱水機により消化汚泥を脱水して脱水ケーキを生成させることと、炭化設備により脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を生成させることと、加温装置により消化ガスを用いて消化槽を加温することと、熱供給装置により消化ガスを用いて炭化設備に熱を供給することと、消化槽で発生した消化ガスを、消化ガス供給ラインを通じて加温装置及び熱供給装置へ供給することを含む汚泥処理方法であって、消化槽から発生する消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と炭化設備による脱水ケーキの炭化に必要な1日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きい汚泥処理方法である。
本発明に係る汚泥処理方法は一実施態様において、汚泥の水理学的滞留時間を20日以下で処理する。
本発明に係る汚泥処理方法は別の一実施態様において、脱水ケーキの含水率を70〜83%に調整することを含む。
本発明において「%」は、特に言及がない限り「質量%」を意味する。本発明に係る汚泥処理システムは、各固有の装置間に汚泥を送るための手段、例えば、配管、ポンプ、バルブ等を適宜有することができる。
本発明によれば、システム内全体で用いられる補助燃料の量を低減でき、設備の小型化が可能で、CO2排出量の低減が可能な汚泥処理システム及び汚泥処理方法が得られる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであってこの発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(第1の実施の形態)
<汚泥処理システム>
本発明の第1の実施の形態に係る汚泥処理システムは、図1に示すように、汚泥を嫌気性消化することによりメタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる消化槽1と、消化槽1を加温する加温装置2と、消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機3と、脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を得る乾燥機4と、乾燥機4に熱を供給する熱供給装置5と、消化槽1で発生した消化ガスを加温装置2及び熱供給装置5へ供給可能な消化ガス供給ラインGL(GL1〜GL3)を備える。
<汚泥処理システム>
本発明の第1の実施の形態に係る汚泥処理システムは、図1に示すように、汚泥を嫌気性消化することによりメタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる消化槽1と、消化槽1を加温する加温装置2と、消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機3と、脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を得る乾燥機4と、乾燥機4に熱を供給する熱供給装置5と、消化槽1で発生した消化ガスを加温装置2及び熱供給装置5へ供給可能な消化ガス供給ラインGL(GL1〜GL3)を備える。
本発明において「汚泥」とは、下水、屎尿、厨芥などの有機性物質を処理する工程で排出される汚泥を意味する。汚泥としては、廃水処理設備の最初沈殿池から発生する初沈汚泥と最終沈殿池から発生する余剰汚泥とから選択される少なくとも1種であることが好ましく、両者からの混合汚泥であることが更に好ましい。
汚泥は、貯留槽に貯留され、重力濃縮されて得られた汚泥であることが好ましい。汚泥には、ポリ硫酸第二鉄、PAC、硫酸バンドなどの無機系凝集剤または有機高分子凝集剤等が単独又は組み合わせて添加されることが好ましい。廃水処理場の系外から搬入した有機性廃液又は廃棄物も汚泥として更に含むことができる。外部から搬入した有機性廃液又は廃棄物とは、工場、下水処理場等の設備から排出される有機化合物を少なくとも含み、汚泥、草本類などを含んでもよい。
消化槽1としては、特に限定されないが、完全混合型消化槽を用いることが好ましい。嫌気性消化槽は、槽内液の均質化や温度分布の均一化とともに、スカムの発生を防止するために撹拌が必須である。撹拌方法としては、機械撹拌方式を用いることが最も効果的であるが、設備環境や処理条件に応じて、ポンプ撹拌方式又はガス撹拌方式を付属させることも効果的である。これらの要件を備えた水密かつ気密な構造の消化槽1であれば、鉄筋コンクリート造または鋼板製のいずれで製造されてもよく、既設の嫌気性消化槽を処理条件に合わせて改造又は更新することによっても適用可能である。
図1の消化槽1内には、TS(Total Solids)濃度が4〜12wt%、好ましくは6〜12wt%の汚泥が導入される。現在一般的な汚泥の嫌気性消化技術では、供給汚泥のTS濃度は2〜3wt%であるが、本実施形態では、従来よりも高濃度なTS濃度4〜12wt%の汚泥を消化槽1へ導入することで、高濃度の汚泥を小容量で投入でき、小容量の消化槽1から多量の消化ガスを発生させることができる。
汚泥の嫌気性消化は処理温度30〜60℃、HRT(水理学的滞留時間)20日以下、より好ましくは15日以下、更に好ましくは12日以下で処理される。この場合の汚泥の分解率は50〜60%であり、より具体的には55〜58%である。消化槽1の容量は、一般に、投入原料(汚泥)の容量とHRTにより決定される。そのため、本実施形態のようにTS濃度4〜12wt%の汚泥をHRT20日以下で実施可能な消化槽1を配置することにより、TS濃度2〜3wt%程度の汚泥を約30日かけて処理する従来の汚泥消化の消化槽よりも、消化槽1の容積を1/2〜1/8程度に縮小できるため、設置スペースを低減でき、システム全体の小型化が図られる。
本発明は以下の条件に制限されるものではないが、消化槽1における汚泥の嫌気性消化は、汚泥を可溶化及び酸発酵処理する前段消化工程と、前段消化工程で処理された汚泥をメタン発酵処理して消化汚泥を調整するメタン発酵工程とにより行ってもよい。前段消化工程は、メタン発酵工程の嫌気性処理を促進する機能を有するため、その後のメタン発酵工程でのHRTを低減することができるとともに、消化ガス(バイオガス)の回収を効率化且つ安定化させ、粗浮遊物含有率を高く安定に維持し、発酵液粘度を低減させることができる。
前段消化工程は例えば処理温度30〜60℃、HRT1〜3日の条件で行うことができる。メタン発酵工程は例えば処理温度30〜60℃、HRT17日以下、より好ましくは10〜15日程度で行うことが好ましく、汚泥のSS(懸濁粒子)に対する粗浮遊物含有率が3〜20質量%、好ましくは5〜18質量%となるように調整されることが好ましい。粗浮遊物とはセルロース等の繊維状又は粒状物質等を意味する。これにより消化汚泥濃縮物の脱水性を改善し脱水ケーキの含水率低減を図ることができる。
消化槽1で生成された消化汚泥は脱水機3で脱水され、脱水ケーキが得られる。脱水機3としては、特に制限されず公知の装置が利用可能である。例えば、フィルタープレス機、遠心分離機、スクリュープレス機、ベルトプレス機、真空脱水機などによって消化汚泥を脱水することができる。なお、脱水ケーキの生成時に消化汚泥から分離された分離液は水処理設備9aで水処理することができる。
一般的には、脱水機3により含水率の低い脱水ケーキを製造するほど乾燥機4での乾燥に必要な熱量を低減できる。しかしながら、消化汚泥の含水率を過度に低下させようとすると脱水時間が長くなり、処理効率が悪化する場合がある。また、汚泥が難脱水性である場合は、脱水時間を長くしても汚泥含水率が十分に下がらない場合もある。一方で、脱水ケーキの含水率が高すぎると、消化ガスによって、加温装置2による消化槽1の加温と熱供給装置5による乾燥機4の熱供給に必要な熱を全て賄い切れなくなる場合がある。
よって、消化槽1で得られた消化ガスを、加温装置2の加温及び熱供給装置5の熱供給により有効に利用するためには、脱水ケーキの含水率は83%以下とすることができ、より好ましくは81%以下、更に好ましくは79%以下である。含水率の下限値は一般的には低いほど好ましいため以下に制限されるものではないが、典型的には60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは75%以上、更に好ましくは78%以上である。
本システムによれば、脱水ケーキの含水率をそれほど低く調整しなくとも、消化槽1から得られる消化ガスの熱量によって、本システム運転時の消化槽1の加温及び乾燥機4への熱供給に必要な熱をほぼ100%まかなうことができる。これにより、加温装置2及び熱供給装置5へ供給される補助燃料は原則不要となるため、補助燃料の使用量を低減できる。
乾燥機4では、脱水機3で生成された脱水ケーキを加熱して、含水率10〜40 %程度の乾燥汚泥を生成させる。乾燥機4としては、特に制限されず公知の装置が利用可能である。
本システムで得られる消化ガスのみにより消化槽1及び乾燥機4への熱供給を補って、補助燃料を極力使用しない態様を考慮すると、乾燥機4の乾燥効率は50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上とするのが好ましい。「乾燥効率」とは、熱供給装置5から乾燥機4に供給される熱量に対して実際の脱水ケーキに含有する水分の蒸発に必要とされる熱量の割合を意味する。
乾燥機4で得られた乾燥汚泥は、造粒機8により所定の形状及び粒径に造粒された後に場外搬出される。或いは、乾燥機4で得られた乾燥汚泥は、配管等で構成された乾燥汚泥ラインDSLを介して熱供給装置5へ供給されることが可能である。乾燥汚泥を熱供給装置5で使用することにより、乾燥汚泥を焼却灰とすることができるため、乾燥汚泥をすべて場外搬出する場合に比べて、乾燥汚泥の場外搬出量を減らすもしくは無くすことができ、システムの更なる効率化が図れる。また、乾燥汚泥の燃焼熱利用により消化ガスを発電等に利用できる量を増やせる等の環境面におけるシステムの更なる効率化も図れる。なお、第1の実施の形態に係る汚泥処理システムにおいては、造粒機8は必須ではなく、特に配置しなくても構わない。
乾燥機4で発生した排ガスは、排ガス処理設備9bへ送られる。ここで、乾燥機4で発生した排ガスの一部または全部を水処理設備9aへ送ることも可能である。水処理設備9a内には曝気槽(図示せず)が設けられている。乾燥機4で発生した排ガスを水処理設備9aが具備するこの曝気槽へ導入することによって、排ガスを水処理することも可能である。
一方、図1の消化槽1の汚泥の消化によって生成された消化ガスは、配管等を介して一次精製設備11へ供給され、硫黄分等の不純物が除去される。一次精製設備11で精製された消化ガスは、配管等を介してガスホルダ12内へと供給される。ガスホルダ12は、一次精製設備11から供給された精製後の消化ガスを一時的に保持する。
ガスホルダ12には、消化槽1で発生した消化ガスを加温装置2へ供給可能な消化ガス供給ラインGL1と、消化槽1で発生した消化ガスを熱供給装置5へ供給可能な消化ガス供給ラインGL2と、加温装置2と熱供給装置5とに供給する消化ガス以外の余剰の消化ガスを発電設備7に供給するための消化ガス供給ラインGL3が接続されている。
加温装置2は、消化ガスを利用して消化槽1を一定温度(例えば35℃)に加温する。加温装置2の種類は特に制限されず、様々な装置が利用可能である。例えば、加温装置2が、消化ガスを燃焼させて得た熱を水に伝え水蒸気や温水に換えるボイラーなどの熱源機器であってもよい。
熱供給装置5は、消化ガスを利用して乾燥機4に熱を供給する装置であれば特に制限されない。例えば、熱供給装置5は、消化ガスを燃焼させて熱風ガスを得るための熱風炉であってもよいし、消化ガスを利用して蒸気を発生させるボイラーなどであってもよい。発電設備7は公知の発電設備を利用することができる。
ガスホルダ12には、ガスホルダ12から各消化ガス供給ラインGL1〜3へ供給する消化ガスのガス量を調整するための制御手段3aが接続されていてもよい。制御手段3aとしては、例えば本発明に係る制御アルゴリズムに基づいて、所定の動作指令を送出する汎用又は専用の計算機(コンピュータ)が利用可能である。
制御手段3aは、図示しないが、外気温の測定結果を抽出する抽出部と、消化槽1の1日当たりの加温に必要な熱量(以下「必要加熱熱量」という)を外気温に基づいて算出し、乾燥機4が処理する脱水ケーキの乾燥に必要な一日当たりの熱量(以下「必要乾燥熱量」という)を乾燥汚泥の含水率と乾燥機の乾燥効率に基づいて算出するための算出部と、算出部が算出した必要加熱熱量と必要乾燥熱量とを消化ガスの発熱量で補うために必要な消化ガスの容量に換算する換算部と、換算結果をガスホルダ12へ出力し、ガスホルダから消化ガス供給ラインGL1、GL2、GL3を介して、加温装置2、熱供給装置5及び余剰のガスを発電設備7へそれぞれ供給する消化ガス量を調整するための信号を生成する調整部とを備えることができる。
第1の実施の形態に係る汚泥処理システムによれば、TS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、この汚泥を嫌気性消化することによりメタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる消化槽1が配置される。この消化槽1は、汚泥をHRT20日以下、より好ましくは15日以下で分解率50〜60%程度にまで消化可能な小型消化槽であるので、従来の汚泥処理に用いられていた大型消化槽に比べ、消化槽1の加温に必要な熱量を小さくできる。その結果、消化槽1から発生した消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽1の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と乾燥機4による脱水ケーキの乾燥に必要な1日当たりの必要乾燥熱量との和より大きくなるため、消化ガスにより消化槽1と乾燥機4に必要な熱を100%補うことが可能となり、補助燃料が原則的に不要なシステムが構築できる。補助燃料の使用が削減されることで、システム全体としてのCO2使用量も低減される。また、HRT20日以下で処理する小型の消化槽1が配置されることで、システム全体の小型化も図られる。
<汚泥処理方法>
次に、本発明の第1の実施の形態に係る汚泥処理方法について説明する。第1の実施の形態に係る汚泥処理方法では、まずTS濃度4〜12wt%の汚泥を消化槽1へ導入する。消化槽1は加温装置2により処理温度30〜60℃に加温され、消化槽1内に供給された汚泥を撹拌しながらHRT20日以下、好ましくは12〜17日程度、更に好ましくは15日程度処理することにより、消化汚泥と消化ガスが発生する。この際の汚泥の分解率は50〜60%程度である。発生した消化ガスは、一次精製設備11で脱硫処理等が施され、ガスホルダ12へ貯蔵される。消化汚泥は脱水機3へ供給される。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る汚泥処理方法について説明する。第1の実施の形態に係る汚泥処理方法では、まずTS濃度4〜12wt%の汚泥を消化槽1へ導入する。消化槽1は加温装置2により処理温度30〜60℃に加温され、消化槽1内に供給された汚泥を撹拌しながらHRT20日以下、好ましくは12〜17日程度、更に好ましくは15日程度処理することにより、消化汚泥と消化ガスが発生する。この際の汚泥の分解率は50〜60%程度である。発生した消化ガスは、一次精製設備11で脱硫処理等が施され、ガスホルダ12へ貯蔵される。消化汚泥は脱水機3へ供給される。
脱水機3では、消化汚泥が固液分離され、脱水ケーキと分離液とが生成される。含水率の調整は、乾燥機4の乾燥効率を考慮するとより低い方が好ましいが、本システムにおける脱水処理では、例えば脱水ケーキの含水率を70〜83%となるように調整すれば十分である。脱水機3で得られた脱水ケーキは乾燥機4へ投入される。分離液は水処理設備9aへ送られる。
乾燥機4では、熱供給装置5から供給される例えば熱風ガス等の熱により脱水ケーキを乾燥させ、含水率10〜40%程度の乾燥汚泥を生成させる。得られた乾燥汚泥は、必要に応じて造粒機8により所定の大きさ及び形状に造粒した後、場外搬出する。或いは、得られた乾燥汚泥は熱供給装置5に投入することができる。乾燥機4で発生した排ガスは、排ガス処理設備9bへ送るか、或いは水処理設備9aの曝気槽内に供給することで浄化させる。
ガスホルダ12に貯蔵された消化ガスは、消化ガス供給ラインGL1〜GL3を介して加温装置2、熱供給装置5及び必要に応じて発電設備7へと供給される。制御手段3aは、ガスホルダ12から消化ガス供給ラインGL1〜GL3を介して加温装置2及び熱供給装置5へ供給する消化ガス量を制御するために、供給すべき消化ガス量を算出する。ここで図2のフローチャートを利用しながら、制御手段3aによる消化ガス量の算出方法の一例を説明する。
図2のステップS11において、制御手段3aの抽出部により、汚泥処理システム周囲の外気温が抽出される。ステップS12において、制御手段3aの算出部は、消化槽1の設定温度と外気温とを比較して消化槽1の温度を何度昇温すべきか(昇温温度)を決定する。算出部は更に、消化槽1に投入される汚泥の容量、消化槽1の昇温温度、消化槽1からの放熱量及び消化槽1の昇温効率に基づき、消化槽1の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量を算出する。ステップS13において、制御手段3aの算出部は、乾燥機4に投入される脱水ケーキの重量及び含水率と乾燥に必要な蒸発水分量と乾燥汚泥の含水率と乾燥機4の乾燥効率に基づき、乾燥機4内の脱水ケーキの乾燥に必要な1日当たりの必要乾燥熱量を算出する。ステップS14において、制御手段3aの換算部は、算出部により算出された必要加温熱量及び必要乾燥熱量に相当する発熱量を有する消化ガスの容量を換算する。ステップS15において、制御手段3aの調整部は、換算結果をガスホルダ12へ出力する。その結果、ガスホルダ12から加温装置2及び熱供給装置5への消化ガスの振り分けが行われる。
第1の実施の形態に係る汚泥処理方法によれば、消化槽1から発生した消化ガスが、消化槽1を加温する加温装置2及び乾燥機4に熱を供給する熱供給装置5へ供給される。図1の消化槽1は、汚泥濃度2〜3%程度の汚泥を処理する消化槽に比べて小型であるため、加温に必要な熱量が少なくて済む。その結果、消化槽1の加温と乾燥機4の熱供給に必要な熱を消化ガスの燃焼等により生成される熱によって全て補うことができる。よって定常運転時の消化槽1及び乾燥機4への加熱には、補助燃料を利用することがないので、システム全体としてCO2排出量の低減が図られる。
(第1の試算結果)
図1に示す汚泥処理システムを導入して生汚泥を処理した場合の試算結果の例を以下に示す。
図1に示す汚泥処理システムを導入して生汚泥を処理した場合の試算結果の例を以下に示す。
1.処理すべき生汚泥
処理すべき生汚泥等の条件を以下の通りと想定した。
年間汚泥量 503883t/年(1381m3/日)
汚泥含水率 99%
TS 10000mg/L(13.81tTS/日)
VS 8000mg/L(11.04tVS/日)
メタンガス発生率 550L/kgΔVS
メタンガス発熱量 35.8 MJ/m3N−CH4
処理すべき生汚泥等の条件を以下の通りと想定した。
年間汚泥量 503883t/年(1381m3/日)
汚泥含水率 99%
TS 10000mg/L(13.81tTS/日)
VS 8000mg/L(11.04tVS/日)
メタンガス発生率 550L/kgΔVS
メタンガス発熱量 35.8 MJ/m3N−CH4
2.消化槽1へ供給する供給汚泥
生汚泥を濃縮して高濃度化及び低容量化し、供給汚泥とした。
TS 80000mg/L(13.81tTS/日)
VS 64000mg/L(11.04tVS/日)
供給汚泥有機分率(VS/TS) 0.8
供給汚泥TS濃度 8%
供給汚泥容量 約173m3/日
生汚泥を濃縮して高濃度化及び低容量化し、供給汚泥とした。
TS 80000mg/L(13.81tTS/日)
VS 64000mg/L(11.04tVS/日)
供給汚泥有機分率(VS/TS) 0.8
供給汚泥TS濃度 8%
供給汚泥容量 約173m3/日
3.消化
高濃度化及び低容量化した供給汚泥を図1の消化槽1へ供給し、加温装置2を用いて消化槽1を35℃に加温し、処理日数(HRT)15日、分解率58%での汚泥の嫌気性処理を実施することを想定し、消化槽容量を決定した。
消化槽容量=投入原料容量×HRT=173×15=約2600m3
高濃度化及び低容量化した供給汚泥を図1の消化槽1へ供給し、加温装置2を用いて消化槽1を35℃に加温し、処理日数(HRT)15日、分解率58%での汚泥の嫌気性処理を実施することを想定し、消化槽容量を決定した。
消化槽容量=投入原料容量×HRT=173×15=約2600m3
4.消化汚泥と消化ガスの試算結果
上記の容量の消化槽1で汚泥を嫌気性消化した結果得られる消化汚泥、消化ガス量及び消化ガスから1日当たりに得られる熱量(発熱量)を試算した。
<消化汚泥>
消化汚泥容量 約173m3/日
消化汚泥TS=(供給汚泥TS−供給汚泥VS×分解率)
=13.81−11.04×0.58=約7.4tTS/日
<消化ガス>
硫化水素含有量 2000ppm以下
メタンガス発生量=(供給汚泥VS×分解率×メタンガス発生率)
=約3523m3/日
メタンガス含有率60%と想定した場合の消化ガス発生容量=約5872m3/日
低位発熱量=メタンガス発熱量×メタンガス分率=21480kJ/m3
消化ガスから一日当たりに得られる熱量(発熱量)=
低位発熱量×消化ガス発生容量=約126125MJ/日
上記の容量の消化槽1で汚泥を嫌気性消化した結果得られる消化汚泥、消化ガス量及び消化ガスから1日当たりに得られる熱量(発熱量)を試算した。
<消化汚泥>
消化汚泥容量 約173m3/日
消化汚泥TS=(供給汚泥TS−供給汚泥VS×分解率)
=13.81−11.04×0.58=約7.4tTS/日
<消化ガス>
硫化水素含有量 2000ppm以下
メタンガス発生量=(供給汚泥VS×分解率×メタンガス発生率)
=約3523m3/日
メタンガス含有率60%と想定した場合の消化ガス発生容量=約5872m3/日
低位発熱量=メタンガス発熱量×メタンガス分率=21480kJ/m3
消化ガスから一日当たりに得られる熱量(発熱量)=
低位発熱量×消化ガス発生容量=約126125MJ/日
5.脱水
脱水機3により得られる脱水ケーキの含水率と脱水機3からの脱水ケーキの回収率を下記値と想定した結果、以下の脱水ケーキが得られたものと試算した。
脱水ケーキ含水率 77%
脱水ケーキ回収率 95%
回収した脱水ケーキTS=消化汚泥TS×回収率=約7.0tTS/日
回収した脱水ケーキ重量=消化汚泥TS/(1−含水率)=約31t/日
脱水機3により得られる脱水ケーキの含水率と脱水機3からの脱水ケーキの回収率を下記値と想定した結果、以下の脱水ケーキが得られたものと試算した。
脱水ケーキ含水率 77%
脱水ケーキ回収率 95%
回収した脱水ケーキTS=消化汚泥TS×回収率=約7.0tTS/日
回収した脱水ケーキ重量=消化汚泥TS/(1−含水率)=約31t/日
6.乾燥
脱水機3から取り出された脱水ケーキから得る乾燥汚泥の含水率を20%と仮定し、乾燥汚泥の重量を試算した。
一日当たりに得られる乾燥汚泥重量=脱水ケーキTS/(1−含水率)
=約8.8t/日
脱水機3から取り出された脱水ケーキから得る乾燥汚泥の含水率を20%と仮定し、乾燥汚泥の重量を試算した。
一日当たりに得られる乾燥汚泥重量=脱水ケーキTS/(1−含水率)
=約8.8t/日
7.加温装置2の必要加温熱量
加温装置2の消化槽1の加温に必要な1日当たりの熱量(必要加温熱量)を試算した。
消化槽1の昇温温度 20℃ (消化汚泥温度15℃の場合を想定)
放熱量 0.30℃/m3日
昇温効率 80%
必要加温熱量=(供給汚泥容量×昇温温度+消化槽1の容量×放熱量)/昇温効率
=約22140MJ/日
加温装置2の消化槽1の加温に必要な1日当たりの熱量(必要加温熱量)を試算した。
消化槽1の昇温温度 20℃ (消化汚泥温度15℃の場合を想定)
放熱量 0.30℃/m3日
昇温効率 80%
必要加温熱量=(供給汚泥容量×昇温温度+消化槽1の容量×放熱量)/昇温効率
=約22140MJ/日
8.消化槽1の昇温に利用すべき換算消化ガス量(容量)
昇温のための換算消化ガス量=必要加温熱量/消化ガス低位発熱量=約1031m3/日
昇温のための換算消化ガス量=必要加温熱量/消化ガス低位発熱量=約1031m3/日
9.熱供給装置5の必要乾燥熱量
熱供給装置5による乾燥機4の熱供給に1日当たりに必要な熱量(必要乾燥熱量)を試算した。
脱水ケーキ温度 20℃から100℃へ昇温
潜熱 2.258kJ/kg
顕熱 4.186kJ/kg・℃
乾燥効率 70%
蒸発水分量=回収した脱水ケーキ−乾燥汚泥=22t/日
必要乾燥熱量={蒸発水分量×潜熱+(脱水ケーキ中水分)×(脱水ケーキ温度変化)×顕熱}/乾燥効率
=約81502MJ/日
熱供給装置5による乾燥機4の熱供給に1日当たりに必要な熱量(必要乾燥熱量)を試算した。
脱水ケーキ温度 20℃から100℃へ昇温
潜熱 2.258kJ/kg
顕熱 4.186kJ/kg・℃
乾燥効率 70%
蒸発水分量=回収した脱水ケーキ−乾燥汚泥=22t/日
必要乾燥熱量={蒸発水分量×潜熱+(脱水ケーキ中水分)×(脱水ケーキ温度変化)×顕熱}/乾燥効率
=約81502MJ/日
10.熱供給装置5に利用すべき換算消化ガス量(容量)
熱供給のための換算消化ガス量=熱供給装置の熱量/低位発熱量
=約3794m3/日
熱供給のための換算消化ガス量=熱供給装置の熱量/低位発熱量
=約3794m3/日
11.余剰ガス(発電施設等へ供給可能なガス量)
消化槽1で得られる消化ガスを加温装置2及び熱供給装置5へ供給した後の余剰ガスについて試算した。
余剰ガス=消化ガス発生容量−消化槽1の昇温に利用すべき換算ガス量−熱供給装置5に利用すべき換算消化ガス量
=約1047m3/日
消化槽1で得られる消化ガスを加温装置2及び熱供給装置5へ供給した後の余剰ガスについて試算した。
余剰ガス=消化ガス発生容量−消化槽1の昇温に利用すべき換算ガス量−熱供給装置5に利用すべき換算消化ガス量
=約1047m3/日
上記の試算結果によれば、消化槽1から発生した消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽1の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と乾燥機による脱水ケーキの乾燥に必要な1日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きくなる。即ち、消化槽1から発生する消化ガスにより、消化槽1の加温と乾燥機4による脱水ケーキの乾燥に必要な熱を全て補うことができることが分かる。
12.年間収支
月毎の平均気温に基づいて、消化槽1で発生した消化ガスを用いて、年間を通して、消化槽1の加温と乾燥機4の乾燥に必要な熱量を補えるか否かを試算した。ここでは、愛知県蒲郡市の各月毎の平均気温データを用いて試算した。消化槽1内の汚泥温度を外気温15度未満の場合は15℃、外気温が15℃以上の場合は外気温と想定し、消化槽設定温度を35℃と想定した。消化槽1からの放熱量は、気温差20℃の場合を0.3℃/m3日とし、汚泥温度と消化槽設定温度(35℃)との関係に基づいて、各月毎に昇温温度と放熱量をそれぞれ算出した。得られた各月毎の昇温温度と放熱量に基づいて、消化槽1の加温に必要な必要加温熱量と必要乾燥熱量を各月毎にそれぞれ算出した。得られた必要加温熱量と必要乾燥熱量とを、消化槽1から得られる消化ガスの発熱量から減算し、余剰ガス量を試算した。試算結果を表1に示す。
月毎の平均気温に基づいて、消化槽1で発生した消化ガスを用いて、年間を通して、消化槽1の加温と乾燥機4の乾燥に必要な熱量を補えるか否かを試算した。ここでは、愛知県蒲郡市の各月毎の平均気温データを用いて試算した。消化槽1内の汚泥温度を外気温15度未満の場合は15℃、外気温が15℃以上の場合は外気温と想定し、消化槽設定温度を35℃と想定した。消化槽1からの放熱量は、気温差20℃の場合を0.3℃/m3日とし、汚泥温度と消化槽設定温度(35℃)との関係に基づいて、各月毎に昇温温度と放熱量をそれぞれ算出した。得られた各月毎の昇温温度と放熱量に基づいて、消化槽1の加温に必要な必要加温熱量と必要乾燥熱量を各月毎にそれぞれ算出した。得られた必要加温熱量と必要乾燥熱量とを、消化槽1から得られる消化ガスの発熱量から減算し、余剰ガス量を試算した。試算結果を表1に示す。
表1に示すように、TS濃度約8%の汚泥を容量約2600m3の消化槽1を用いてHRT15日(分解率58%)で運転し、脱水ケーキの含水率を77%、乾燥効率70%で運転した場合、消化槽1の加温と乾燥機4の熱供給のために消化槽1から発生した消化ガスを利用したとしても、年間を通して余剰ガスが発生していることが分かる。第1の実施の形態によれば、消化槽1から発生する消化ガスにより、消化槽1の加温と乾燥機4の熱供給に必要な熱量を100%補うことができるため、システム系内の補助燃料の使用をより少なくして、システムの効率化を図れる。
(第2の試算結果)
図1の汚泥処理システムにおいて、消化槽1へ供給する汚泥の濃度、汚泥処理日数(HRT)、汚泥の分解率、供給汚泥の有機分率、脱水ケーキの脱水率、乾燥機の乾燥効率をそれぞれ変化させた場合について、消化槽1から発生する消化ガスにより、消化槽1への加温と乾燥機4への熱供給に必要な熱を年間を通して100%補えるか否かを試算した。試算結果を図3〜図11に示す。なお、図3〜図11においては、年間を通して、消化ガスにより生成可能な熱で消化槽1の加温と乾燥機4への熱供給に必要な熱をすべて補える場合を「○」、一部の月だけ補える場合を「△」、補えない場合を「×」として表す。
図1の汚泥処理システムにおいて、消化槽1へ供給する汚泥の濃度、汚泥処理日数(HRT)、汚泥の分解率、供給汚泥の有機分率、脱水ケーキの脱水率、乾燥機の乾燥効率をそれぞれ変化させた場合について、消化槽1から発生する消化ガスにより、消化槽1への加温と乾燥機4への熱供給に必要な熱を年間を通して100%補えるか否かを試算した。試算結果を図3〜図11に示す。なお、図3〜図11においては、年間を通して、消化ガスにより生成可能な熱で消化槽1の加温と乾燥機4への熱供給に必要な熱をすべて補える場合を「○」、一部の月だけ補える場合を「△」、補えない場合を「×」として表す。
(第3の試算結果)
処理すべき生汚泥の量を第1の試算結果と同量とし、消化槽1へ供給する供給汚泥を一般的な供給濃度である3%(供給汚泥容量460m3/日)に濃縮して、HRT30日で汚泥を嫌気性消化した場合以外は、上記第1の試算結果と同様な手順及び条件で熱量バランスを試算した結果、消化槽1の容量が13900m3と大きくなり、システムが大型化した。更に、第1の試算結果と同様な手順でシステム全体の熱量バランスを試算した結果、消化槽1から発生する消化ガスのみでは消化槽1の加温と乾燥機4の熱供給に必要な熱量を100%補うことはできなかった。
処理すべき生汚泥の量を第1の試算結果と同量とし、消化槽1へ供給する供給汚泥を一般的な供給濃度である3%(供給汚泥容量460m3/日)に濃縮して、HRT30日で汚泥を嫌気性消化した場合以外は、上記第1の試算結果と同様な手順及び条件で熱量バランスを試算した結果、消化槽1の容量が13900m3と大きくなり、システムが大型化した。更に、第1の試算結果と同様な手順でシステム全体の熱量バランスを試算した結果、消化槽1から発生する消化ガスのみでは消化槽1の加温と乾燥機4の熱供給に必要な熱量を100%補うことはできなかった。
更に、汚泥の分解効率、脱水ケーキ含水率、汚泥の有機分率、乾燥機4の乾燥効率を変化させた場合において、第2の試算結果と同様な手順で年間収支を試算した。結果を図12に示す。第3の試算結果では消化槽の容量が第1の実施の形態に係る消化槽1と比べて顕著に大きくなるとともに、システム全体の補助燃料の使用量を減らすためには脱水ケーキの含水率をおおむね70%以下、場合によっては60〜65%程度にまで低減させる必要が生じ、第2の試算結果に比べて脱水機に高い負荷がかかる試算となった。
(第2の実施の形態)
<汚泥処理システム>
図13に示すように、第2の実施の形態に係る汚泥処理システムは、脱水ケーキを乾燥させる乾燥機4の代わりに、脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を得る炭化設備6が配置されている点が、図1に示す汚泥処理システムと異なる。更に、制御手段3bが、炭化設備6による脱水ケーキの炭化に必要な1日当たりの必要炭化熱量を算出する点が、図1に示す制御手段3aと異なる。他は図1に示す汚泥システムと実質的に同様であるので、重複した記載を省略する。炭化設備6としては特に制限されず公知の装置が利用可能である。
<汚泥処理システム>
図13に示すように、第2の実施の形態に係る汚泥処理システムは、脱水ケーキを乾燥させる乾燥機4の代わりに、脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を得る炭化設備6が配置されている点が、図1に示す汚泥処理システムと異なる。更に、制御手段3bが、炭化設備6による脱水ケーキの炭化に必要な1日当たりの必要炭化熱量を算出する点が、図1に示す制御手段3aと異なる。他は図1に示す汚泥システムと実質的に同様であるので、重複した記載を省略する。炭化設備6としては特に制限されず公知の装置が利用可能である。
炭化設備6で得られた炭化汚泥は場外搬出される。或いは、炭化設備6で得られた炭化汚泥は、配管等で構成された炭化汚泥ラインCSLを介して熱供給装置5へ供給されることが可能である。炭化汚泥を熱供給装置5で使用することにより、炭化汚泥を焼却灰とすることができるため、炭化汚泥をすべて場外搬出する場合に比べて、炭化汚泥の場外搬出量を減らすもしくは無くすことができ、システムの更なる効率化が図れる。また、炭化汚泥の燃焼熱利用により消化ガスを発電等に利用できる量を増やせる等の環境面におけるシステムの更なる効率化も図れる。
炭化設備6で発生した排ガスは、排ガス処理設備9bへ送られる。ここで、炭化設備6で発生した排ガスの一部または全部を水処理設備9aへ送ることも可能である。水処理設備9a内には曝気槽(図示せず)が設けられている。炭化設備6で発生した排ガスを水処理設備9aが具備するこの曝気槽へ導入することによって、排ガスを水処理することも可能である。
制御手段3bは、図示しないが、外気温の測定結果を抽出する抽出部と、消化槽1の1日当たりの加温に必要な熱量(以下「必要加熱熱量」という)を外気温に基づいて算出するとともに、炭化設備6が処理する脱水ケーキの炭化に必要な一日当たりの熱量(以下「必要炭化熱量」という)を脱水ケーキの含水率及び重量に基づいて算出するための算出部と、算出部が算出した必要加熱熱量と必要炭化熱量とを消化ガスの発熱量で補うために必要な消化ガスの容量に換算する換算部と、換算結果をガスホルダ12へ出力し、ガスホルダから消化ガス供給ラインGL1、GL2、GL3を介して加温装置2、熱供給装置5及び余剰のガスを発電設備7へ供給する消化ガス量を調整するための信号を生成する調整部とを備えることができる。
第2の実施の形態に係る汚泥処理システムによれば、消化槽1から発生した消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽1の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と炭化設備6による脱水ケーキの炭化に必要な1日当たりの必要炭化熱量との和より大きくなるため、消化ガスにより消化槽1と炭化設備6に必要な熱を100%補うことが可能となり、補助燃料が原則的に不要なシステムが構築できる。補助燃料の使用が削減されることで、システム全体としてのCO2使用量も低減される。また、HRT20日以下で処理する小型の消化槽1が配置されることで、システム全体の小型化も図られる。
<汚泥処理方法>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る汚泥処理方法について説明する。第2の実施の形態に係る汚泥処理方法では、まずTS濃度4〜12wt%の汚泥を消化槽1へ導入する。消化槽1は加温装置2により処理温度30〜60℃に加温され、消化槽1内に供給された汚泥を撹拌しながらHRT20日以下、好ましくは12〜17日程度、更に好ましくは15日程度処理することにより、消化汚泥と消化ガスが発生する。この際の汚泥の分解率は50〜60%程度である。発生した消化ガスは、一次精製設備11で脱硫処理等が施され、ガスホルダ12へ貯蔵される。消化汚泥は脱水機3へ供給される。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る汚泥処理方法について説明する。第2の実施の形態に係る汚泥処理方法では、まずTS濃度4〜12wt%の汚泥を消化槽1へ導入する。消化槽1は加温装置2により処理温度30〜60℃に加温され、消化槽1内に供給された汚泥を撹拌しながらHRT20日以下、好ましくは12〜17日程度、更に好ましくは15日程度処理することにより、消化汚泥と消化ガスが発生する。この際の汚泥の分解率は50〜60%程度である。発生した消化ガスは、一次精製設備11で脱硫処理等が施され、ガスホルダ12へ貯蔵される。消化汚泥は脱水機3へ供給される。
脱水機3では、消化汚泥が固液分離され、脱水ケーキと分離液とが生成される。含水率の調整は、炭化設備6の炭化効率を考慮するとより低い方が好ましいが、本システムにおける脱水処理では、例えば脱水ケーキの含水率を70〜83%となるように調整すれば十分である。脱水機3で得られた脱水ケーキは炭化設備6へ投入される。
炭化設備6では、熱供給装置5から供給される例えば熱風などの熱を利用して脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を生成させる。得られた炭化汚泥は場外搬出する。或いは、得られた炭化汚泥を、炭化汚泥供給ラインCSLを介して熱供給装置5に投入することができる。炭化設備6で発生した排ガスは排ガス処理施設9b及び/又は水処理設備9aが備える曝気槽へ送られる。
ガスホルダ12に貯蔵された消化ガスは、消化ガス供給ラインGL1〜GL3を介して加温装置2、熱供給装置5及び必要に応じて発電設備7へと供給される。制御手段3bは、ガスホルダ12から消化ガス供給ラインGL1〜GL3を介して加温装置2及び熱供給装置5へ供給する消化ガス量を制御するために、供給すべき消化ガス量を算出する。ここで図14のフローチャートを利用しながら、制御手段3bによる算出方法の一例を説明する。
図14のステップS21において、制御手段3bの抽出部により、汚泥処理システム周囲の外気温が抽出される。ステップS22において、制御手段3bの算出部は、消化槽1の設定温度と外気温とを比較して消化槽1の温度を何度昇温すべきか(昇温温度)を決定する。算出部は更に、消化槽1に投入される汚泥の容量、消化槽1の昇温温度、消化槽1からの放熱量及び消化槽1の昇温効率に基づき、消化槽1の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量を算出する。ステップS23において、制御手段3bの算出部は、炭化設備6に投入される脱水ケーキの重量及び含水率に基づき、炭化設備6内の脱水ケーキの乾燥に必要な1日当たりの必要炭化熱量を算出する。ステップS24において、制御手段3bの換算部は、算出部により算出された必要加温熱量及び必要炭化熱量に相当する発熱量を有する消化ガスの容量を換算する。ステップS25において、制御手段3bの調整部は、換算結果をガスホルダ12へ出力し、ガスホルダ12から消化ガスの振り分けが行われる。
第2の実施の形態に係る汚泥処理方法によれば、消化槽1から発生した消化ガスが、消化槽1を加温する加温装置2及び炭化設備6に熱を供給する熱供給装置5へ供給される。図1の消化槽1は、汚泥濃度2〜3%程度の汚泥を処理する消化槽に比べて小型であるため、加温に必要な熱量が少なくて済む。これにより、消化槽1の加温と炭化設備6の熱供給に必要な熱を、消化ガスの燃焼等により生成される熱によって全て補うことができる。その結果、定常運転時の消化槽1及び炭化設備6への加熱に補助燃料を利用することがないので、システム全体としてCO2排出量の低減が図られる。
(第4の試算結果)
図13に示す汚泥処理システムを導入して生汚泥を処理した場合の第2の実施形態に係る試算結果の例を以下に示す。
1.処理すべき生汚泥
処理すべき生汚泥を以下の通りと想定した。
年間汚泥量 503883t/年(1381m3/日)
汚泥含水率 99%
TS 10000mg/L(13.81tTS/日)
VS 8000mg/L(11.04tVS/日)
メタンガス発生率 550L/kgΔVS
メタンガス発熱量 35.8 MJ/m3N−CH4
図13に示す汚泥処理システムを導入して生汚泥を処理した場合の第2の実施形態に係る試算結果の例を以下に示す。
1.処理すべき生汚泥
処理すべき生汚泥を以下の通りと想定した。
年間汚泥量 503883t/年(1381m3/日)
汚泥含水率 99%
TS 10000mg/L(13.81tTS/日)
VS 8000mg/L(11.04tVS/日)
メタンガス発生率 550L/kgΔVS
メタンガス発熱量 35.8 MJ/m3N−CH4
2.消化槽1へ供給する供給汚泥
生汚泥を濃縮して高濃度化及び低容量化し、供給汚泥とした。
TS 80000mg/L(13.81tTS/日)
VS 64000mg/L(11.04tVS/日)
供給汚泥有機分率(VS/TS) 0.8
供給汚泥TS濃度 8%
供給汚泥容量 約173m3/日
生汚泥を濃縮して高濃度化及び低容量化し、供給汚泥とした。
TS 80000mg/L(13.81tTS/日)
VS 64000mg/L(11.04tVS/日)
供給汚泥有機分率(VS/TS) 0.8
供給汚泥TS濃度 8%
供給汚泥容量 約173m3/日
3.消化
高濃度化及び低容量化した上記供給汚泥を図13の消化槽1へ供給し、加温装置2を用いて消化槽1を35℃に加温し、処理日数(HRT)15日、分解率58%での汚泥の嫌気性処理を実施することを想定し、消化槽容量を決定した。
消化槽容量=投入原料容量×HRT=173×15=約2600m3
高濃度化及び低容量化した上記供給汚泥を図13の消化槽1へ供給し、加温装置2を用いて消化槽1を35℃に加温し、処理日数(HRT)15日、分解率58%での汚泥の嫌気性処理を実施することを想定し、消化槽容量を決定した。
消化槽容量=投入原料容量×HRT=173×15=約2600m3
4.消化汚泥と消化ガスの試算結果
上記の容量の消化槽で汚泥を嫌気性消化した結果得られる消化汚泥、消化ガス量及び消化ガスから1日当たりに得られる熱量(発熱量)を試算した。
<消化汚泥>
消化汚泥容量 173m3/日
消化汚泥TS=(供給汚泥TS−供給汚泥VS×分解率)
=13.81−11.04×0.58=約7.4tTS/日
<消化ガス>
硫化水素含有量 2000ppm以下
メタンガス発生量=(供給汚泥VS×分解率×メタンガス発生率)
=約3523m3/日
メタンガス含有率60%と想定した場合の消化ガス発生量=約5872m3/日
低位発熱量=メタンガス発熱量×メタンガス分率=21480kJ/m3
消化ガスから一日当たりに得られる熱量(発熱量)=
低位発熱量×消化ガス発生量=約126125MJ/日
上記の容量の消化槽で汚泥を嫌気性消化した結果得られる消化汚泥、消化ガス量及び消化ガスから1日当たりに得られる熱量(発熱量)を試算した。
<消化汚泥>
消化汚泥容量 173m3/日
消化汚泥TS=(供給汚泥TS−供給汚泥VS×分解率)
=13.81−11.04×0.58=約7.4tTS/日
<消化ガス>
硫化水素含有量 2000ppm以下
メタンガス発生量=(供給汚泥VS×分解率×メタンガス発生率)
=約3523m3/日
メタンガス含有率60%と想定した場合の消化ガス発生量=約5872m3/日
低位発熱量=メタンガス発熱量×メタンガス分率=21480kJ/m3
消化ガスから一日当たりに得られる熱量(発熱量)=
低位発熱量×消化ガス発生量=約126125MJ/日
5.脱水
脱水機3により得られる脱水ケーキの含水率と脱水ケーキの脱水機3からの回収率を下記値と想定した結果、以下の脱水ケーキが得られたものと試算した。
脱水ケーキ含水率 82%
脱水ケーキ回収率 95%
回収した脱水ケーキTS=消化汚泥TS×回収率=約7.0tTS/日
回収した脱水ケーキ重量=消化汚泥TS/(1−含水率)=約39t/日
脱水機3により得られる脱水ケーキの含水率と脱水ケーキの脱水機3からの回収率を下記値と想定した結果、以下の脱水ケーキが得られたものと試算した。
脱水ケーキ含水率 82%
脱水ケーキ回収率 95%
回収した脱水ケーキTS=消化汚泥TS×回収率=約7.0tTS/日
回収した脱水ケーキ重量=消化汚泥TS/(1−含水率)=約39t/日
6.炭化
炭化設備6から1日当たりに得られる炭化汚泥重量は、脱水ケーキのTSと仮定した。
炭化汚泥重量 約7.0t/日
炭化設備6から1日当たりに得られる炭化汚泥重量は、脱水ケーキのTSと仮定した。
炭化汚泥重量 約7.0t/日
7.加温装置2の必要加温熱量
加温装置2による消化槽1の加温に1日当たりに必要な熱量を試算した。
消化槽1の昇温温度 20℃ (消化汚泥温度15℃の場合を想定)
放熱量 0.30℃/m3日
昇温効率 80%
必要加温熱量=(供給汚泥容量×昇温温度+消化槽1の容量×放熱量)/昇温効率
=約22108MJ/日
加温装置2による消化槽1の加温に1日当たりに必要な熱量を試算した。
消化槽1の昇温温度 20℃ (消化汚泥温度15℃の場合を想定)
放熱量 0.30℃/m3日
昇温効率 80%
必要加温熱量=(供給汚泥容量×昇温温度+消化槽1の容量×放熱量)/昇温効率
=約22108MJ/日
8.消化槽1の昇温に利用すべき換算消化ガス量
昇温のための換算消化ガス量=必要加温熱量/消化ガス低位発熱量=約1029m3/日
昇温のための換算消化ガス量=必要加温熱量/消化ガス低位発熱量=約1029m3/日
9.熱供給装置5の必要炭化熱量
炭化設備6による脱水ケーキの炭化に1日当たりに必要な熱量(必要炭化熱量)を、A重油を用いて所定の含水率の脱水ケーキを炭化処理した場合のA重油使用量と乾燥汚泥固形物量との関係の実証データに基づいて試算した。この実証データは、炭化設備メーカーによる試算結果を使用したものである。処理能力80t/日の炭化設備を用いた場合(強熱減量85%と仮定する)の脱水ケーキの含水率とA重油使用量及び炭化汚泥の固形物量との関係を表2に示す。
炭化設備6による脱水ケーキの炭化に1日当たりに必要な熱量(必要炭化熱量)を、A重油を用いて所定の含水率の脱水ケーキを炭化処理した場合のA重油使用量と乾燥汚泥固形物量との関係の実証データに基づいて試算した。この実証データは、炭化設備メーカーによる試算結果を使用したものである。処理能力80t/日の炭化設備を用いた場合(強熱減量85%と仮定する)の脱水ケーキの含水率とA重油使用量及び炭化汚泥の固形物量との関係を表2に示す。
表2より、固形物量が13.8t−TS/日の場合の各含水率における相当脱水ケーキ量を試算し、80t/日に対する比例計算で各含水率に対する燃費及び必要炭化熱量を算出した。A重油熱量低位発熱量は36.5MJ/Lとした。結果を表3に示す。
表3の試算結果より、含水率82%の脱水ケーキの炭化に1日当たり必要な熱量(必要炭化熱量)は92345MJ/日と試算した。
10.熱供給装置5に利用すべき換算消化ガス量(容量)
熱供給のための換算消化ガス量=必要炭化熱量/低位発熱量
=約4306m3/日
熱供給のための換算消化ガス量=必要炭化熱量/低位発熱量
=約4306m3/日
11.余剰ガス(発電施設等へ供給可能なガス量)
消化槽1で得られる消化ガスを加温装置2及び熱供給装置5へ供給した後の余剰ガスについて試算した。
余剰ガス=消化ガス発生量−消化槽1の昇温に利用すべき換算ガス量−熱供給装置5に利用すべき換算消化ガス量
=約539m3/日
消化槽1で得られる消化ガスを加温装置2及び熱供給装置5へ供給した後の余剰ガスについて試算した。
余剰ガス=消化ガス発生量−消化槽1の昇温に利用すべき換算ガス量−熱供給装置5に利用すべき換算消化ガス量
=約539m3/日
上記の試算結果によれば、消化槽1から発生した消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、消化槽1の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と炭化設備6による脱水ケーキの乾燥に必要な1日当たりの必要炭化熱量との和よりも大きくなっている。即ち、消化槽1から発生する消化ガスにより、消化槽1の加温と炭化設備6による脱水ケーキの炭化に必要な熱を全て補うことができる。
12.年間収支
月毎の平均気温に基づいて、消化槽1で発生した消化ガスを用いて、年間を通して、消化槽1の加温と炭化設備6の炭化に必要な熱量を補えるか否かを試算した。第1の実施の形態と同様に、愛知県蒲郡市の各月毎の平均気温データを用いて試算した。ここでは、消化槽1内の汚泥温度を外気温15度未満の場合は15℃、外気温が15℃以上の場合は外気温と想定し、消化槽設定温度を35℃と想定した。消化槽1からの放熱量は、気温差20℃の場合を0.3℃/m3日とし、汚泥温度と消化槽設定温度(35℃)との関係に基づいて、各月毎に昇温温度と放熱量をそれぞれ設定した。得られた各月毎の昇温温度と放熱量に基づいて、消化槽1の加温に必要な必要加温熱量と必要炭化熱量を各月毎にそれぞれ計算した。得られた必要加温熱量と必要炭化熱量とを、消化槽1から得られる消化ガスの発熱量から減算し、余剰ガス量を試算した。余剰ガスを試算した。試算結果を表4に示す。
月毎の平均気温に基づいて、消化槽1で発生した消化ガスを用いて、年間を通して、消化槽1の加温と炭化設備6の炭化に必要な熱量を補えるか否かを試算した。第1の実施の形態と同様に、愛知県蒲郡市の各月毎の平均気温データを用いて試算した。ここでは、消化槽1内の汚泥温度を外気温15度未満の場合は15℃、外気温が15℃以上の場合は外気温と想定し、消化槽設定温度を35℃と想定した。消化槽1からの放熱量は、気温差20℃の場合を0.3℃/m3日とし、汚泥温度と消化槽設定温度(35℃)との関係に基づいて、各月毎に昇温温度と放熱量をそれぞれ設定した。得られた各月毎の昇温温度と放熱量に基づいて、消化槽1の加温に必要な必要加温熱量と必要炭化熱量を各月毎にそれぞれ計算した。得られた必要加温熱量と必要炭化熱量とを、消化槽1から得られる消化ガスの発熱量から減算し、余剰ガス量を試算した。余剰ガスを試算した。試算結果を表4に示す。
表4に示すように、TS濃度約8%の汚泥を容量約2600m3の消化槽1を用いてHRT15日(分解率58%)で運転し、脱水ケーキの含水率を82%とした場合、消化槽1の加温と炭化設備6の熱供給のために消化槽1から発生した消化ガスを利用したとしても、年間を通して余剰ガスが発生することが分かる。第2の実施の形態によれば、消化槽1から発生する消化ガスにより、消化槽1の加温と炭化設備6の炭化のための熱供給に必要な熱量を100%補うことができるため、システム系内の補助燃料の使用をより少なくして、システムの効率化を図れることが分かる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
図1及び図13に示す汚泥処理システムにおいては、制御手段3a、3bを使用して、消化槽1の加温に必要な1日当たりの必要加温熱量と乾燥機4又は炭化設備6による脱水ケーキの乾燥又は炭化に必要な必要乾燥熱量又は必要炭化熱量を自動計算する方法を説明している。しかしながら、制御手段3a、3bによって各熱量を自動計算する構成は特に配置せずとも例えば消化槽1の温度条件のみに基づいて操作者が手動でシステム内の各条件を設定して運転することも可能である。
このように、本発明は上記の開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によって表されるものであり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲において変形し具体化し得るものである。
1…消化槽
2…加温装置
3…脱水機
3a、3b…制御手段
4…乾燥機
5…熱供給装置
6…炭化設備
7…発電設備
8…造粒機
9a…水処理設備
9b…排ガス処理設備
11…一次精製設備
12…ガスホルダ
GL1〜GL3…消化ガス供給ライン
2…加温装置
3…脱水機
3a、3b…制御手段
4…乾燥機
5…熱供給装置
6…炭化設備
7…発電設備
8…造粒機
9a…水処理設備
9b…排ガス処理設備
11…一次精製設備
12…ガスホルダ
GL1〜GL3…消化ガス供給ライン
Claims (11)
- TS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、前記汚泥を汚泥分解率50〜60%で嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる消化槽と、
前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機と、
前記脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を得る乾燥機と
を備え、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記乾燥機による前記脱水ケーキの乾燥に必要な一日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理システム。 - TS濃度4〜12wt%の下水、屎尿の少なくともいずれかを処理する工程で排出される汚泥を導入し、前記汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる消化槽と、
前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機と、
前記脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を得る乾燥機と
を備え、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記乾燥機による前記脱水ケーキの乾燥に必要な一日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理システム。 - TS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、前記汚泥を汚泥分解率50〜60%で嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを得る消化槽と、
前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機と、
前記脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を得る炭化設備と
を備え、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記炭化設備による前記脱水ケーキの炭化に必要な一日当たりの必要炭化熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理システム。 - TS濃度4〜12wt%の下水、屎尿の少なくともいずれかを処理する工程で排出される汚泥を導入し、前記汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを得る消化槽と、
前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを得る脱水機と、
前記脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を得る炭化設備と
を備え、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記炭化設備による前記脱水ケーキの炭化に必要な一日当たりの必要炭化熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理システム。 - 消化槽の水理学的滞留時間が20日以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚泥処理システム。
- 前記脱水機が、含水率70〜83%の脱水ケーキを生成させることを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の汚泥処理システム。
- 前記乾燥機の乾燥効率が50%以上である請求項1又は2に記載の汚泥処理システム。
- 消化槽内にTS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、前記汚泥を汚泥分解率50〜60%で嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させることと、
脱水機により前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを生成させることと、
乾燥機により前記脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を生成させることと
を含む汚泥処理方法であって、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記乾燥機による前記脱水ケーキの乾燥に必要な一日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理方法。 - 消化槽内にTS濃度4〜12wt%の下水、屎尿の少なくともいずれかを処理する工程で排出される汚泥を導入し、前記汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させることと、
脱水機により前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを生成させることと、
乾燥機により前記脱水ケーキを乾燥させて乾燥汚泥を生成させることと
を含む汚泥処理方法であって、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記乾燥機による前記脱水ケーキの乾燥に必要な一日当たりの必要乾燥熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理方法。 - 消化槽内にTS濃度4〜12wt%の汚泥を導入し、前記汚泥を汚泥分解率50〜60%で嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させることと、
脱水機により前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを生成させることと、
炭化設備により前記脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を生成させることと
を含む汚泥処理方法であって、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記炭化設備による前記脱水ケーキの炭化に必要な一日当たりの必要炭化熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理方法。 - 消化槽内にTS濃度4〜12wt%の下水、屎尿の少なくともいずれかを処理する工程で排出される汚泥を導入し、前記汚泥を嫌気性消化することにより、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させることと、
脱水機により前記消化汚泥を脱水して脱水ケーキを生成させることと、
炭化設備により前記脱水ケーキを炭化させて炭化汚泥を生成させることと、
を含む汚泥処理方法であって、
前記消化槽から発生する前記消化ガスにより生成可能な1日当たりの熱量が、前記消化槽の加温に必要な一日当たりの必要加温熱量と前記炭化設備による前記脱水ケーキの炭化に必要な一日当たりの必要炭化熱量との和よりも大きいことを特徴とする汚泥処理方法。
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- 2017-09-11 JP JP2017174281A patent/JP2017209680A/ja active Pending
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