JPH11114597A - 火力発電所併設の下水処理場、及び含炭汚泥流動化燃料 - Google Patents

火力発電所併設の下水処理場、及び含炭汚泥流動化燃料

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JPH11114597A
JPH11114597A JP9297918A JP29791897A JPH11114597A JP H11114597 A JPH11114597 A JP H11114597A JP 9297918 A JP9297918 A JP 9297918A JP 29791897 A JP29791897 A JP 29791897A JP H11114597 A JPH11114597 A JP H11114597A
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  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水処理によって生じる下水汚泥の廃棄処理
のために要している莫大な処理コストを不要にする一
方、下水汚泥を都市型循環エネルギーとして利用し、安
価な電力が得られる生活圏に密着した火力発電所の建設
が可能となる火力発電所併設の下水処理場の提供。 【解決手段】 下水の浄化処理によって生じる下水汚泥
の処理工程で、汚泥に微粉炭を混合した後、脱水して得
られる含炭汚泥脱水ケーキを併設されている火力発電所
の燃料として使用するように構成したことを特徴とする
火力発電所併設の下水処理場、及び、下水の浄化処理に
よって発生する下水汚泥と、微粉炭と、界面活性剤とを
少なくとも含有する含炭汚泥流動化燃料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理によって
生じる下水汚泥を有用な燃料として使用し得る火力発電
所が併設されている下水処理場、及び含炭汚泥流動化燃
料に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道の浄化処理には、好気性微生物を
含む活性汚泥により処理する活性汚泥法が、浄化能力が
高く、比較的に処理経費が少なくて済むため、広く利用
されている。活性汚泥法では、有機物を含む下水を曝気
槽へと導き、この曝気槽で、BODで示される廃水中の
有機汚濁成分を活性汚泥によって分解させて浄化処理を
行っている。この下水処理の結果、下水は、浄化された
水と沈澱した固形物に分離される。浄化された水は、河
川や海域に放流されるが、沈澱した固形物は大量の水を
含んだ下水汚泥として残る。
【0003】現在、下水処理場において一般に行なわれ
ているこの大量の下水汚泥を処理する方法としては、下
水汚泥を脱水して水分を分離した後、固形分を焼却する
か、或いは産業廃棄物として埋め立て処分することが行
なわれる。又、近年では、下水汚泥を嫌気性消化処理し
て、メタンガス、二酸化炭素、水素、硫化水素等に分解
して減量化した後、分解されなかった下水汚泥及びその
他の固形物を脱水により分離し、その後、固形分を焼却
するか、或いは産業廃棄物として埋立て処分することが
行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
いずれの場合も、脱水した汚泥を焼却或いは埋立て処分
することを要するため、その廃棄にかかる処理コストが
著しく嵩むという問題があり、更に、処分費用は今後一
層高騰していく傾向にある。又、近年においては、埋め
立て処分場において生じる自然破壊の問題や、汚泥を焼
却するために使用されるエネルギー消費の増加の問題
等、地球規模での環境に及ぼす影響の問題もある。加え
て、全国的に下水処理場が完備され下水道が普及してき
ているので、廃棄処理すべき下水汚泥量は益々増加して
おり、下水汚泥処理に伴う上記した問題は深刻さを増し
つつある。これに対し、下水汚泥の減量化に対する提案
もなされているが、下水汚泥の減量化のために特別の設
備を要したり、そのためのエネルギーを必要とするとい
う新たな問題を生じる。
【0005】一方、火力発電所では、使用する燃料の大
部分を海外から輸入された重油や石炭等が占めており、
又、火力発電所の復水器に用いられる大量の冷却水に海
水を使用しているため、海水を安定に確保し、燃料の運
搬を容易とするために、火力発電所は、通常、港に近い
海辺に設けられている。しかし、自然環境の保護が叫ば
れている今日、火力発電所の建設に対する理解は容易に
は得られず、次第に立地条件のよい場所に火力発電所を
設けることが困難になってきている。
【0006】従って、本発明の目的は、下水処理によっ
て生じる下水汚泥の廃棄処理のために要している莫大な
処理コストを不要とすることが出来る一方、下水汚泥を
都市型循環エネルギーとして有効に利用し得る火力発電
所併設の下水処理場を提供することにある。又、本発明
の目的は、火力発電所へ安価な燃料を移送費用を殆ど要
さずに安定して供給することが出来るのみならず、生活
圏に密着した火力発電所の建設を可能とし、送電による
電力損失を大幅に低減し得る火力発電所併設の下水処理
場を提供することにある。更には、火力発電所で使用す
る燃料及び工業用水、下水処理場で使用する動力源を自
給自足することが可能な火力発電所併設の下水処理場を
提供することにある。更に、本発明の別の目的は、下水
汚泥を火力発電所等において使用可能な安価な燃料源と
出来るのみならず、パイプライン等によって容易に移送
することが出来る使い勝手に優れた流動化燃料を提供す
ることによって、火力発電所を下水処理場に併設して設
けなくても上記した種々の目的を達成することが可能な
含炭汚泥流動化燃料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明の第1の発明
は、下水の浄化処理によって生じる下水汚泥の処理工程
で、汚泥に微粉炭を混合した後、脱水して得られる含炭
汚泥脱水ケーキを併設されている火力発電所の燃料とし
て使用するように構成したことを特徴とする火力発電所
併設の下水処理場、及び、本発明の第2の発明は、下水
の浄化処理によって発生する下水汚泥と、微粉炭と、界
面活性剤とを少なくとも含有することを特徴とする含炭
汚泥流動化燃料である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明者は、
上記した従来技術の課題を解決すべく検討した結果、廃
棄処理のために多大なエネルギーを用いて下水汚泥が単
に焼却処理や埋立て処理されている現状に鑑みて、下水
汚泥を有効なエネルギー源とし、且つこれを現状の下水
道事業及び電力事業に容易に組み入れることの出来る経
済性に優れたシステムを知見して本発明に至った。即
ち、含水率が95〜99%程度と高い下水汚泥に微粉炭
を含有させると、微粉炭が脱水助剤として機能して脱水
効果が向上することが知られているが、この微粉炭を特
定割合以上に含有させた含炭汚泥脱水ケーキは、火力発
電所で有効に使用し得る合成燃料となるので、既存の或
いは新設の下水処理場に火力発電所を併設させれば、火
力発電所への安価な燃料の供給が常に安定して行なえ、
汚泥処理にかかる費用が低減される。この結果、安価な
電力を作り出すことが可能となる。更に、火力発電所で
使用する復水器の冷却水に下水処理場から放流される処
理水を用いるように構成すれば、火力発電所で使用する
燃料及び冷却水を下水処理場から安定して供給すること
が可能になるので、冷却水に海水を使用することにより
生じていた管理・運用上の問題が解消されるのみなら
ず、火力発電所の建設が従来のように立地条件に左右さ
れることがなくなって生活圏に密着した火力発電所が実
現される結果、送電による電力損失を大幅に低減するこ
とが出来、エネルギーの有効活用が更に図られる。
【0009】又、本発明者が、更に検討を重ねた結果、
下水汚泥と微粉炭と界面活性剤とを少なくとも含む混合
物は、火力発電所等の燃料として有効に使用出来るばか
りか、パイプライン等で移送が可能な程度に流動化され
るので使い勝手に優れた燃料となることを知見して本発
明に至った。即ち、流動化された本発明の含炭汚泥流動
化燃料を使用すれば、上記したように、火力発電所を下
水処理場に併設しなくても、燃料をパイプラインで移送
することが出来るため、例えば、図2に示したように、
複数の下水処理場の下水汚泥処理過程で得られた含炭汚
泥流動化燃料を、これらの下水処理場から大規模な火力
発電所にパイプラインで移送して使用したり、図3に示
したように、複数の下水処理場から下水汚泥をパイプラ
イン等で一箇所に集めて含炭汚泥流動化燃料を調製した
後、火力発電所にパイプラインで移送すれば、火力発電
所へより安定した品質の燃料の提供をすることが可能と
なり、より効率的な下水汚泥の有効活用が図れる。
【0010】以下、本発明の第1の発明である、下水の
浄化処理によって生じる下水汚泥の処理工程で、汚泥に
微粉炭を混合した後、脱水して得られる含炭汚泥脱水ケ
ーキを、下水処理場に併設されている火力発電所の燃料
として使用するように構成したことを特徴とする火力発
電所併設の下水処理場について説明する。図1に、本発
明の火力発電所併設の下水処理場の概略フローを示し
た。本発明においては、通常の下水処理場から生じる下
水汚泥を処理する処理工程において、下水汚泥の固形物
に対して2〜10倍、経済性を考慮した場合に、より好
ましくは2〜4倍の微粉炭を含有させて平均含水率60
%以下の含炭汚泥脱水ケーキとし、この含炭汚泥脱水ケ
ーキを下水処理場に併設されている火力発電所の燃料と
して使用する。この際、下水汚泥に微粉炭を含有させる
方法としては、通常、濃縮した下水汚泥の含水率は95
〜99%程度あるので、下水汚泥に微粉炭を加えた後、
脱水するか、下水汚泥を脱水した後、微粉炭を加えて平
均含水率60%以下の含炭汚泥脱水ケーキとすればよ
い。上記の方法のうち、下水汚泥に微粉炭を加えた後、
脱水する方が微粉炭を脱水助剤として機能させることが
できるのでより好ましい。このようにして得られる平均
含水率60%以下の含炭汚泥脱水ケーキは、ボソボソと
した塊状で得られる。従って、この含炭汚泥脱水ケーキ
を下水処理場に併設された火力発電所の燃料投入口に運
び、そのまま投入して発電燃料とすればよい。
【0011】上記のように下水汚泥を処分した場合の経
済効果について、以下に、具体的な数字を挙げて説明す
る。発電所に燃料として供給する場合は、上記のように
下水汚泥に微粉炭を含有させる必要があるが、下水汚泥
の固形物に対して2倍の微粉炭を混合した場合について
検討してみる。従来より行われている下水汚泥を脱水し
て焼却処分する場合における脱水ケーキの含水率は78
%程度であるので、1tの下水汚泥を処理する場合に必
要な経費を算出してみると、必要となる微粉炭の混合
量、及び、微粉炭の単価を1万円/tとした場合の混合
する微粉炭にかかる費用は下記のようになる。 (微粉炭の混合量) 0.22t ×2=0.44t (微粉炭にかかる費用)0.44×10,000円/t=4,400円/t この含炭汚泥ケーキは、熱量が約3,500kcal/
kgとなり、火力発電所の燃料として充分に利用価値が
あるので、これを発電所に無償で提供する。
【0012】一方、現在、汚泥を脱水ケーキにして埋立
て処分した場合における処理費用は、産業廃棄物業者委
託料で1t当り25,000円程度であり、又、焼却炉
を設けて焼却処分する場合でもその設備の減価償却費、
金利、運転管理量を合計すれば同じく25,000円程
度となる。以上のように、本発明において使用する微粉
炭を混合した含炭汚泥脱水ケーキとするための費用は
4,400円/t程度に過ぎず、従来の埋立て処分等に
よって廃棄処分した場合にかかっている費用25,00
0円と比べて、概ね1:5.7であり、大幅な低減が可
能となる。即ち、本発明において使用する微粉炭を混合
した含炭汚泥脱水ケーキを、例え、火力発電所に無償で
燃料として供給しても、下水処理場においては、下水汚
泥の処理費用を1t当り20,600円低減することが
可能になる。ちなみに、200万人規模の下水処理場に
おける脱水汚泥ケーキの発生量は、現状において約49
t/日であるので、その経済効果は490t/日×2万
円=980万円/日、35,8億円/年にもなる。
【0013】更に、生活圏において、下水処理場から出
される下水汚泥の量は、日々安定して得られるので、下
水処理場に併設する火力発電所の規模は、燃料効率を勘
案して適宜に設定すればよい。例えば、下水処理人口2
00万人の下水処理場に対しては、5万KW規模の発電
所の併設が適正規模と考えられる。
【0014】ここで下水道処理の現状をみると、現在、
下水道計画の中で行われている流域下水道と言われてい
る方式では、大規模な河川流域において、市町村の行政
界を超えた広域にわたった汚水管路のネットワークを構
築し、広範囲に渡る集水を可能とし、下水処理人口10
0万人〜400万人規模で処理することが計画実施され
ている。斯かる方式は、規模が大きいため、水処理、汚
泥処理の段階ではスケールメリットがあり、大変優れた
面を持っている反面、下水汚泥の量が大量のものとなる
ので、汚泥処分に対する環境問題等が解決されないと地
域住民の理解が得られず、このような方式の大規模な下
水処理場を建設することへの困難性が増している。その
原因としては、例えば、汚水の流入が広域であるため、
下水処理場立地の地元民の、他市町村の汚水や汚泥を受
け入れることへの感情的な問題、或いは大規模化によっ
て処理すべき汚泥分が大量化するので、これにより生じ
る環境問題等が挙げられる。
【0015】一方、生活圏内へ電力を供給している電力
側からみれば、送電ロスを少なくするためには電力消費
地域と発電所の近接立地が好ましいが、先に述べたよう
に、火力発電所に対する最適な立地条件を満足する地域
は限られており、又、この場合も地元対策等が難しく、
現在は電力消費地と電源地域が遠く離れる結果、送電ロ
スの問題に加え、社会的な公平さの点からも解消すべき
課題を有している。
【0016】本発明の火力発電所併設の下水処理場によ
れば、上記したような下水道事業及び電力供給事業のか
かえる問題を一挙に解決することが可能となる。即ち、
本発明の火力発電所併設の下水処理場では、下水処理場
で大量に発生する下水汚泥に微粉炭を混合させて脱水し
て含炭汚泥脱水ケーキとすることによって、下水処理場
に併設された火力発電所の燃料として利用することを可
能とし、下水汚泥を都市型循環エネルギーとして活用し
得る途を拓く。更に、これと共に、本発明によれば、従
来は下水処理側で、多大なエネルギーを消費して単に焼
却されていた下水汚泥が、火力発電所の電力を作り出す
ためのエネルギー源として有効に活用されることになる
ので、下水処理事業及び発電事業の系全体としての環境
に対する負荷が大きく軽減される。
【0017】又、従来から行われている脱水ケーキにし
た汚泥の焼却処理では、汚泥のもつ熱量が少ないため、
炉内温度が充分に上がらなかったり助燃材を必要として
おり、又、ダイオキシン発生の原因ともなっていた。こ
れに対して、本発明では、汚泥に微粉炭を混合させて含
炭汚泥脱水ケーキとするので、発電燃料として使用する
のに充分な熱量を有し、ダイオキシンの発生も抑えら
れ、更に、微粉炭の触媒効果も期待出来る。一方、下水
処理場に併設されている発電所では、このような良好に
使用し得る燃料を無償で受け入れることが出来るので、
安価な発電が可能となる。通常の火力発電所の発電単価
は、下記のようであるが、本発明で使用する火力発電所
によれば、発電単価は、6円/kwhと半分程度とな
る。即ち、従来の火力発電所においては、発電所建設費
の減価焼却等が5円/kwh、燃料費が6円/kwh、
その他が1円/kwhであるので、その発電単価は、約
12円/kwhである。
【0018】更に、通常、火力発電所においては、ボイ
ラーで気化した蒸気を冷却し、復水器で復水しているた
めに大量の冷却水が必要となるので、先に述べたよう
に、従来の火力発電所は海岸に立地し、冷却水を海水に
依存していた。しかし、海水による冷却は、その導入水
路、放水路等に海中の生物、主として貝類が付着し、管
理、運営上の大きな障害となっている。これに対し、本
発明においては、下水処理場に火力発電所が併設されて
いるので、下水処理場から大量に放流される浄化された
処理水を復水器の冷却水として使用することが可能とな
る。この冷却方式によれば、海水を使用した場合のよう
に、水路に生物類、特に貝類の付着を生じることがない
ので、管理、運営上、非常に好ましい。更に、冷却水を
大量に得ることの出来ない内陸部においても、下水処理
場に併設させることによって発電所立地が可能となる。
【0019】更に、火力発電所では大量のボイラー用水
や雑用水を必要とするが、上記の冷却水の場合と同様
に、下水処理場から出される浄化された放流水で雑用水
等充分にまかなうことが出来る。上質のボイラー用水等
についても、この放流水を更に高度処理すれば使用可能
である。このように、本発明の火力発電所併設の下水処
理場においては、他に水源を求める必要もなく、下水処
理場から出される放流水(浄化水)を有効利用すれば、
更に経済性に優れたものとなる。又、下水処理場に火力
発電所が併設されているため、この場合の配管や圧送等
の費用も差程かからない。上記のような優れた効果を有
する本発明の火力発電所併設の下水処理場は、先に説明
したように、近年行われている流域下水道と言われてい
る大規模な処理方式に適用した場合に特に優れた効果を
発揮し、これ迄のように、下水処理場の規模が小さく、
且つ熱量が小さい脱水ケーキを燃焼させることによって
は、下水汚泥を有用な都市型循環エネルギーとして活用
することは困難であった。即ち、小規模処理場より汚泥
を集約して処理する場合には費用が嵩み、且つ燃料の品
質の安定化が技術上むずかしかったが、大規模下水場の
出現と微粉炭混合の脱水ケーキとにより、下水処理場に
火力発電所を併設するメリットが大きくなり、先に述べ
たような優れた経済効果が可能となった。
【0020】本発明の第2の発明は、下水道の浄化処理
によって発生する下水汚泥と、微粉炭と、界面活性剤と
を少なくとも含有したことを特徴とする含炭汚泥流動化
燃料である。先に説明した本発明の火力発電所併設の下
水処理場では、下水汚泥に微粉炭を含有させた含炭汚泥
脱水ケーキを使用したが、これを流動化すれば、含炭汚
泥の移送を容易にすることが可能となり、運用上及び効
率上の効果が得られ、更なる経済的効果が得られる。例
えば、燃料をパイプラインで結んだり、タンクローリー
等の運搬車や運搬船で容易に運搬することが出来るよう
になるので、燃料の移送のコストの低減が図られる。以
下、本発明の含炭汚泥流動化燃料について説明する。
【0021】先に述べたように、下水処理によって生じ
る下水汚泥は、含水率が95〜99%程度と高いので、
これを燃焼させるためには、平均含水率を75〜85%
以下にする必要がある。本発明の第1の発明で使用した
含炭汚泥脱水ケーキは、下水汚泥に微粉炭を加えて脱水
して60%以下の含水率のケーキとしたものであるが、
この場合は、ボソボソとした塊になってしまう。先に述
べたように、下水処理場に火力発電所が併設した構成と
すれば運搬にかかる問題は生じない。しかし、火力発電
所が下水処理場と離れて設けられている場合には、燃料
の運搬にかかるコストが問題となってくる。そこで、本
発明では、含炭汚泥脱水ケーキの流動化を可能にするこ
とによって、図2に示したように、各下水処理場で処理
された下水汚泥を含有する流動化燃料を夫々、一箇所の
大規模な火力発電所へとパイプラインで結んで移送した
り、図3に示したように、地域にある複数の下水処理場
からの下水汚泥を集約し、これを一括処理して含炭汚泥
を流動化した後、大規模な火力発電所へパイプラインや
タンクローリー等の運搬手段で容易に移送することを可
能とし、下水処理場と離れて火力発電所が設けられてい
る場合の燃料の運搬にかかるコストの問題を解消する。
【0022】このように、より様々な態様のシステムに
おいても使用可能な合成燃料とすべく、本発明の含炭汚
泥流動化燃料では下記のような方法で、含炭汚泥脱水ケ
ーキを流動化する。例えば、含水率95〜99%の下水
処理場から出される下水汚泥に、下水汚泥の固形物に対
して2〜10倍量、より好ましくは2〜6倍量の微粉炭
を混合し、脱水して平均含水率60%以下、好ましく
は、40%程度に水分調整を行う。次に、これに少量の
界面活性剤を添加して撹拌して流動化させる。又、別の
方法としては、上記したような混合割合で下水汚泥と微
粉炭と界面活性剤とを混合し、これらを撹拌した後、脱
水して水分調整を行って流動化する方法が挙げられる。
更に別の方法としては、下水汚泥を脱水して水分調整し
た後、微粉炭を加えて混練りし、その後、界面活性剤を
添加して撹拌して流動化してもよい。上記したいずれの
方法によっても本発明の含炭汚泥流動化燃料が得られる
が、脱水の容易性を考慮すると、下水汚泥と微粉炭とを
混合した状態で脱水を行うことが好ましい。
【0023】更に、本発明においては、上記した燃料の
合成過程のいずれかで、油を混合したり、古紙やゴミ等
を、流動性が損なわれない程度の適度な大きさに加工し
て加えてもよい。更に、本発明の含炭汚泥流動化燃料に
は、多量の有機物が含まれているため、特に、パイプラ
インで結んで直ちに含炭汚泥流動化燃料を使用すること
なく、タンクローリー等の運搬手段で燃料を遠方の火力
発電所に移送する場合においては、防腐剤を添加してお
くことが好ましい。又、上記で使用する界面活性剤とし
ては、アニオン系やカチオン系の高分子界面活性剤を使
用することが出来るが、具体的には、例えば、ポリスチ
レンスルホン酸系高分子アニオン界面活性剤を使用すれ
ば、燃焼によって生じる炭酸ガスの発生量を抑制するこ
とが出来るため、好ましい。
【0024】上記のようにして得られる本発明の含炭汚
泥流動化燃料は、例えば、下水汚泥の固形物に対して5
倍の微粉炭を混合した場合には、適度な流動性と、約
4,500kcal/kgの高い熱量を有するため、離
れた場所の火力発電所にパイプラインで移送して燃料と
したり、温水プールやセメント工場等の燃料としたりす
ることが出来、有効に利用することが出来る。この結
果、従来行われていた下水処理場から出される下水汚泥
を脱水ケーキとし、これを焼却処理したり埋立処理する
必要がないので、これらに要していた設備や費用が不要
となる。更に、これらの汚泥処理によって生じていた環
境に及ぼす影響もなくなる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
下記に列記する優れた効果が得られる。 ・汚泥の大量処分が可能となり、下水道事業側では、そ
の費用も12〜32億/年の節減となり(200万人規
模の下水処理場の場合)、一方、電力事業側では、安価
な燃料の導入によって電力の製造コストを半減すること
が可能となり、多大な経済効果が得られる。 ・火力発電の燃料費が不要となり低コストの電力が得ら
れる。 ・都市型電源立地循環型エネルギーシステムの構築が可
能となる。 ・燃焼、焼却を一本化することにより、下水道事業及び
発電事業全体にかかる環境負荷が軽減される。 ・下水処理場の放流水を有効に使用することによって、
火力発電所において生じていた立地条件の問題、及び冷
却水のパイプに海水からの貝類の付着によって生じてい
た管理・運用上の問題が解消される。 ・含炭汚泥流動化燃料の実現によって、複数の下水処理
場から、パイプラインを結んで火力発電所へと品質の安
定した燃料を量的にも安定して供給することが可能とな
るので、様々な態様のシステムを構築することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火力発電所併設の下水処理場の概略フ
ローである。
【図2】本発明の含炭汚泥流動化燃料を使用した場合の
都市型電源立地循環型エネルギーシステムの概念図であ
る。
【図3】本発明の含炭汚泥流動化燃料を使用した場合の
別の都市型電源立地循環型エネルギーシステムの概念図
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下水の浄化処理によって生じる下水汚泥
    の処理工程で、汚泥に微粉炭を混合した後、脱水して得
    られる含炭汚泥脱水ケーキを併設されている火力発電所
    の燃料として使用するように構成したことを特徴とする
    火力発電所併設の下水処理場。
  2. 【請求項2】 火力発電所の復水器の冷却水、ボイラー
    用水、又は雑用水の少なくともいずれかに、下水の浄化
    処理によって最終的に得られる処理水が用いられる請求
    項1に記載の火力発電所併設の下水処理場。
  3. 【請求項3】 含炭汚泥脱水ケーキが、下水汚泥の固形
    物に対して2〜10倍の微粉炭を含有させて得られた平
    均含水率60%以下の脱水ケーキである請求項1に記載
    の火力発電所併設の下水処理場。
  4. 【請求項4】 下水の浄化処理によって発生する下水汚
    泥と、微粉炭と、界面活性剤とを少なくとも含有するこ
    とを特徴とする含炭汚泥流動化燃料。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020038285A (ko) * 2000-11-17 2002-05-23 신현준 슬러지 소각처리 방법
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