JP2017209662A - 水処理システムおよび水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾン処理に起因するオゾンガスの分離(脱気)が可能であり、初期費用の増加を抑制しつつもオゾン処理によって泡が形成された場合でも連続的な水処理が可能な水処理システムおよび水処理方法を提供する。【解決手段】本発明の水処理システムは、汚泥を含んだ処理すべき汚泥含有処理水5を貯留する第1貯留室11と、汚泥含有処理水5を第1貯留室11へ流入させる流入手段としての引き抜きポンプ8と、第1貯留室11に設置された循環配管104、循環配管104上に設けられた循環ポンプ15およびエジェクタ16、オゾンガス注入配管106を介してエジェクタ16と接続されたオゾン発生器17を有し、第1貯留室11の下部からオゾンを注入して汚泥にオゾン処理を行うオゾン処理部と、上方が第1貯留室11の上方と連通し、第1貯留室11から溢れた汚泥含有処理水5を貯留可能な第2貯留室12とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、水に処理を行う水処理システムおよび水処理方法に関し、特に、有機性物質を含有する廃水に対しオゾンを用いて処理する水処理システム、および水処理方法に関する。
有機物を含有する廃水などの水を処理する方法として、微生物を利用した標準活性汚泥法などの処理方法が知られている。このような処理方法では、微生物を含んだ有機性汚泥を用いて廃水の処理を行う。廃水の処理が進み微生物が増殖した場合、活性汚泥と他の浮遊物などとを含む汚泥が廃棄物として過剰に発生し得る。過剰に発生した汚泥は、余剰汚泥と呼ばれる。
余剰汚泥は、水処理に不必要な汚泥であるため、廃水処理系外へと排出する必要がある。排出された余剰汚泥は、産業廃棄物として、焼却処分、埋め立て処分、または嫌気条件下での発酵処分が施される。余剰汚泥の処分には、多大なエネルギー、コスト、および新たな用地を必要となる。そのため、余剰汚泥の発生量の低減が求められている。
余剰汚泥の発生量を低減する方法のひとつとして、オゾンを利用した汚泥減容化処理が知られている。具体的には、微生物等が集まった余剰汚泥にオゾンを供給して分解し、余剰汚泥を減容化する処理が知られている。
オゾンを利用した汚泥減容化処理方法には、大きく分けて開放系と密閉系との2種類の処理方法が提案されている。開放系の処理方法とは、処理のために注入したオゾンを排出すべく大気に対して開放された開放系内でオゾン処理を実行する方法である。例えば、オゾン分解塔などを介して大気に開放されているオゾン反応槽内において、曝気槽から引き抜きいた汚泥含有処理水とオゾンとを一定時間接触させて処理を行う。密閉系の処理方法とは、処理のために注入したオゾンの排出に向けた大気への開放が確保されていない密閉系内でオゾン処理を実行する方法である。例えば、沈殿槽(固液分離槽)から曝気槽(生物処理槽)へ汚泥含有処理水を返送する配管内にオゾンを直接注入して処理を行う。または例えば、返送する配管の途中に設けられた密閉のオゾン反応槽内にオゾンを直接注入して処理を行う。
開放系の方法では、具体的には、汚泥を含有する汚泥含有水を曝気槽からオゾン反応槽に引き抜き、引き抜かれた汚泥含有処理水をオゾン反応槽内で一定時間循環させる。その循環の途中で、汚泥含有処理水とオゾンとを繰り返し接触させる。この処理によって、汚泥含有処理水に含まれる余剰汚泥を分解する。このとき、未反応のオゾンは排オゾンガス路を通り、酸素ガスに分解されて、大気に放出される。また、曝気槽から引き抜いた汚泥含有処理水ではなく、沈殿槽において処理水から分離された濃縮汚泥含有処理水に対してオゾンを接触させてもよい(例えば、特許文献1)。また、汚泥含有処理水が貯留されたオゾン反応槽の液相接触域にオゾンを吹き込み、余剰汚泥を酸化分解するとともに発泡させて液相接触域の上部に泡沫接触域を形成させ、効率的に余剰汚泥をオゾン処理する開放系の方法も考案されている(例えば、特許文献2)。
密閉系の方法では、具体的には、沈殿槽にある処理すべき処理水から分離されて濃縮された汚泥含有処理水を、曝気槽に返送する途中にある配管内または密閉のオゾン反応槽内においてオゾンと接触させる。この処理によって、汚泥含有処理水に含まれる余剰汚泥を分解する(例えば、特許文献3および特許文献4)。
特開2001−191097号公報 特開平7−232184号公報 特表2010−505602号公報 特開平9−206782号公報
従来の開放系の汚泥減容化処理方法では、汚泥含有処理水とオゾンガスを分離(脱気)することができるが、オゾン処理に伴う発泡によって汚泥含有処理水の上部に緻密な泡相が形成される。この泡相は、オゾンガスの分離(脱気)の際に泡相を通過するオゾンガスによって持ち上げられてオゾン反応槽から外部あるいは排オゾンガス路に溢れる虞がある。このように泡が溢れた場合は余剰汚泥の処理を中断させる必要があり、余剰汚泥の分解効率が低下する。泡がオゾン反応槽から溢れないようにオゾン注入量を制限することも考えられるが、この場合はオゾン注入量の減少により余剰汚泥の分解効率が低下する。また、泡に対応すべくオゾン反応槽を大型化したり泡を消滅させる消泡手段を設置したりする場合、水処理システム全体の大型化や複雑化を招き初期費用が増加する。
また、微生物等が集まった余剰汚泥にオゾンを反応させた場合、微生物等が分解されて核酸、高分子タンパク等を含む微生物内成分(溶解性有機物)が現れ、汚泥含有処理水の粘性を高める。汚泥含有処理水は微生物内成分によって粘性が高められると発泡性が増加するため、オゾンガスを吹き込まれると発泡し、緻密な泡相を形成する。このような泡相の消滅には時間を要するため、上述したような溢れた泡相による余剰汚泥の分解効率の低下はさらに深刻となる。
一方、従来の密閉系の汚泥減容化処理方法では、密閉配管内、あるいは密閉オゾン反応槽内で汚泥含有処理水にオゾンガスを吹き込んでいるため、汚泥含有処理水とオゾンガスとを分離(脱気)することができない。このため、曝気槽に返送される汚泥含有処理水とともに未反応のオゾンガスが曝気槽内に吹き込まれ、水処理に必要な曝気槽内の活性汚泥をも過剰に死滅させる虞がある。また、配管内、およびオゾン反応槽内ではオゾンガスの大きな気泡を含むプラグフローが汚泥含有処理水中に形成され得る。このようなプラグフローは、ポンプでの送液を不安定にしたり、配管やオゾン反応槽に大きな内圧をかけて破損させたりする虞がある。
本発明は、上記のような事情を鑑みてなされたものであり、オゾン処理に起因するオゾンガスを分離(脱気)でき、初期費用の増加を抑制しつつも、オゾン処理によって泡相が形成された場合でも連続的な水処理が可能な水処理システムおよび水処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る水処理システムは、汚泥を含んだ処理すべき汚泥含有処理水にオゾンを反応させて処理する。また本発明に係る水処理システムは、汚泥含有処理水を貯留する第1貯留室と、汚泥含有処理水を第1貯留室へ流入させる流入手段と、第1貯留室の下部からオゾンを注入して汚泥にオゾン処理を行うオゾン処理部と、上方が第1貯留室の上方と連通し、第1貯留室から溢れた汚泥含有処理水を貯留可能な第2貯留室とを備える。
本発明に係る水処理方法は、汚泥を含んだ処理すべき汚泥含有処理水にオゾンを反応させて処理を行う。また本発明に係る水処理方法は、汚泥含有処理水を第1貯留室へ流入さ
せて貯留する第1貯留工程と、第1貯留室の下部からオゾンを注入して第1貯留室に貯留した汚泥含有処理水に含まれる汚泥にオゾン処理を行うオゾン処理工程と、上方が第1貯留室の上方と連通する第2貯留室に第1貯留室から溢れた汚泥含有処理水を貯留する第2貯留工程とを備える。
本発明によれば、物理的に分離し、かつ上方が連通した第1貯留室と第2貯留室とを備える構成を採用しているため、オゾン処理に伴って生じたオゾンガスの泡を第1貯留室の上部から第2貯留室へ自然落下させて分離することができ、オゾンガスの脱気を容易に行うことができる。また、汚泥含有処理水の上部に緻密な泡相が形成されることを回避できるため、汚泥含有処理水中のオゾンガスを泡相を通過させずに脱気させることができる。また、第1貯留室から溢れた泡がオゾン反応槽の外部や排オゾンガス路に流れ込むことがないため、連続的な水処理が可能となる。また更に、自然落下による第1貯留室上部の泡の分離は泡相の体積を減少させるため、オゾン反応槽のコンパクト化や消泡手段の省略が可能となり、システム全体の大型化や複雑化を防ぎ、初期費用の増加を抑制することができる。したがって、オゾン処理に起因するオゾンガスを分離(脱気)でき、初期費用の増加を抑制しつつも、オゾン処理によって泡相が形成される場合でも連続的な水処理が可能な水処理システムおよび水処理方法を提供することが可能となる。
実施の形態1に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 上面に段差が設けられた仕切り板の例を示す図である。 実施の形態1に係る水処理システムの動作フローを説明する図である。 実施の形態2に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 実施の形態3に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 実施の形態4に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 実施の形態5に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 実施の形態5に係る水処理システムに用いるオゾンガス濃度と発泡量の関係を説明する図である。 実施の形態6に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 実施の形態7に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 実施の形態8に係る水処理システムの構成を示す模式図である。 実施の形態8に係る水処理システムに用いるエジェクタの1次側の圧力とフロックを十分に破砕するのに必要な破砕回数の関係を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本願が開示する水処理システム、および水処理方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における上下は、鉛直方向における上下を意味する。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る水処理システムについて説明する。図1は、本実施の形態1に係る水処理システムの構成を示す模式図である。水処理システムは、曝気槽1、散気装置2、固液分離部6、オゾン反応槽9、オゾン発生器17等を備える。
曝気槽1には、有機物を含んだ廃水4が流入される。廃水4は、処理すべき水の一例である。
散気装置2には、空気供給装置3が接続してある。散気装置2は、空気供給装置3から
取得した空気を曝気槽1内に供給し、曝気槽1を好気性条件とする。曝気槽1では、微生物等の集合体である活性汚泥によって廃水4が好気性条件下で処理され、汚泥を含有する汚泥含有処理水5が生成される。空気供給装置3としては、必要空気供給量によって異なるが、ブロア、コンプレッサ、およびポンプ等が用いられる。
曝気槽1で生成された汚泥含有処理水5は、曝気槽1に接続している固液分離部6に流出される。固液分離部6は、汚泥含有処理水5を処理後の処理水7と濃縮汚泥とに分離する。なお、固液分離部6において分離された濃縮汚泥は、濃縮汚泥返送配管101を介して曝気槽1に返送される。図1においては、煩雑さを回避するため、濃縮汚泥返送配管101を介する返送に使用するポンプを省略する。
固液分離部6は、沈殿槽、または膜分離槽等を用いる。膜分離槽を用いる場合、いわゆる膜分離活性汚泥法で使用される膜モジュールを使用すれば良い。図1においては、固液分離部6を槽外型構成としているが、槽内型構成としても良い。
オゾン反応槽9は、曝気槽1からの汚泥含有処理水5に対してオゾンを用いた反応が行われる槽である。オゾン反応槽9は、内部を第1貯留室11と第2貯留室12とに仕切って分割する仕切り板10を備える。第1貯留室11の上方は、第2貯留室12の上方と連通してある。第1貯留室11は、下方が引き抜き配管102を介して曝気槽1に接続してある。引き抜き配管102上には引き抜きポンプ8が設置してあり、曝気槽1の汚泥含有処理水5がオゾン反応槽9へと送られ流入する。第2貯留室12は、下方が返送配管103を介して曝気槽1に接続されている。返送配管103上には返送ポンプ13が設置してあり、オゾン処理された第2貯留室12の汚泥含有処理水5が曝気槽1へと送られ流出する。引き抜きポンプ8の駆動によって、曝気槽1内の汚泥含有処理水5を連続的にオゾン反応槽9へ送ることが可能となる。引き抜きポンプ8は、汚泥含有処理水5を第1貯留室11へ流入させる本発明に係る流入手段の一例である。なお、引き抜きポンプ8でオゾン反応槽9に送る対象は、曝気槽1内の汚泥含有処理水に限定されず、例え固液分離部6において分離された濃縮汚泥を対象としてもよい。
オゾン反応槽9の上部には排オゾンガス配管105が設けられており、オゾン反応槽9とオゾン分解塔14とが接続してある。オゾン反応槽9内に蓄積したオゾンガスは、排オゾンガス配管105を介してオゾン分解塔14へ送られ、オゾン分解塔14で酸素ガス19に分解され、大気に放出される。
第1貯留室11の上部には、仕切り板10の上端よりも低い位置に循環配管104が設置してある。循環配管104上には、循環ポンプ15とエジェクタ16とが設けてある。エジェクタ16は、循環配管104を介して第1貯留室11の下部と接続してある。さらに、オゾン発生器17が、オゾンガス注入配管106を介してエジェクタ16と接続して
いる。第1貯留室11の上方に位置する汚泥含有処理水5は、循環配管104を介し、上部から引き抜かれてオゾンが注入された後に下部から第1貯留室11内に戻す循環を受ける。オゾンが注入されて下方に位置する汚泥含有処理水5は、引き抜きポンプ8を介した曝気槽1からの汚泥含有処理水5の引き抜きに伴い、再び上方に移動して上部から循環される。このような循環機構によって、汚泥含有処理水5に含まれる汚泥の分解が効率的に行われる。循環配管104と循環ポンプ15とエジェクタ16とオゾン発生器17とを含む組み合わせ部位は、本発明において汚泥にオゾン処理を行うオゾン処理部の一例である。なお、本実施の形態では汚泥含有処理水5を上部から引き抜いているが、オゾンを注入された後に第1貯留室11の下部から戻す構成であればよいので、汚泥含有処理水5の引き抜きは上部以外から行う構成でもよい。
オゾン発生器17は、汚泥含有処理水5に含まれる汚泥に対するオゾン処理に必要とさ
れる濃度および流量のオゾンガスを発生させる。オゾン発生器17は、オゾン発生器17にオゾンガスの原料を供給する原料供給装置(不図示)、およびオゾン発生器17を冷却する冷却装置(不図示)に接続してある。
オゾン発生器17に供給されるオゾンガスの原料は、特に限定されない。例えば、液体酸素、又はPSA(Pressure Swing Adsorption)、若しくはPVSA(Pressure Vacuum Swing Adsorption)で生成し
た酸素を用いることができる。必要に応じ、供給される酸素流量に対して0.05〜5%の窒素、空気、又は二酸化炭素を添加する添加ガス供給部を配置しても良い。
冷却装置は、オゾン発生器17を冷却するための冷却媒体を循環させる循環ポンプと、オゾン発生器17において発生した熱を吸収して温度が上昇した冷却媒体を冷却する冷却器とを備える。冷却器としては、液体−液体型および液体−気体型から選択した熱交換型冷却器、又は液体−フロン冷媒型のチラー等を用いても良い。また、極低温下の冷却を行う場合には、冷凍機を用いても良い。冷却媒体としては、一例として、一般的な水道水を用いても良い。その他、不凍液又はスケール除去剤等が混入された水、イオン交換水、又は純水を用いても良い。更に、エチレングリコール又はエタノール等を用いても良い。
オゾン発生器17は、ガス状のオゾンを発生させる。発生したガス状のオゾンは、オゾンガス注入配管106を介してエジェクタ16に送られる。第1貯留室11の上部から引き抜かれた汚泥含有処理水5は、エジェクタ16においてオゾンと接触して反応し、分解される。なお、図1においては、オゾンガスの注入方式がエジェクタ式である場合を示してある。しかしながら、本発明に係る水処理システムは、エジェクタ式に限定されることはなく、散気式、機械攪拌式、下方注入式などのオゾンガス注入手段を用いても良い。
オゾン発生器17は、オゾン注入量の収束値(定常状態の時)が所定の値となるように、エジェクタ16に注入するオゾンガスの濃度と流量とを制御する。オゾン注入量の収束値とは、以下の式(1)で表される値である。具体的には、オゾンガス濃度とオゾンガス流量との積を、汚泥含有処理水5中の汚泥濃度と引き抜き流量(引き抜きポンプ8の流量)との積で除した値である。
オゾン注入量の収束値[mgO/gSS]=(オゾンガス濃度[mgO/L]×オ
ゾンガス流量 [L/min])÷(汚泥含有処理水の汚泥濃度[gSS/L]×汚泥含有
処理水の引き抜き流量[L/min])・・・式(1)
オゾン注入量の収束値は、汚泥含有処理水5中の汚泥を効率的に分解できれば特に限定されないが、汚泥含有処理水5中の汚泥が十分に分解して、曝気槽1における余剰汚泥を減量しつつ、汚泥含有処理水5中に未反応のオゾンガスが増加することを抑制する観点から、オゾン注入量の収束値は、20mgO/gSS以上50mgO/gSS以下が好ましく、20mgO/gSS以上30mgO/gSS以下がより好ましい。
オゾン発生器17からエジェクタ16に注入するオゾンガスの濃度は特に限定されないが、汚泥含有処理水5中の汚泥の生分解性を向上させて曝気槽1における余剰汚泥の減量を促進させることおよび現状のオゾン発生器17のみで生成可能なオゾン濃度を考慮し、オゾンガス濃度は100mg/L以上400mg/L以下が好ましく、250mg/L以上400mg/L以下がより好ましい。
エジェクタ16における気液流量比(オゾンガス流量/循環ポンプ15による汚泥含有処理水5の流量、以下「G/L比」とする)は、汚泥含有処理水5中の汚泥を十分に分解できれば、特に限定されないが、オゾンガスと汚泥を効率的に反応させる観点からは小さい方が好ましい。また、十分な量のオゾンガスを注入して汚泥含有処理水5中の汚泥を十
分に分解しつつ、過剰なオゾン注入による未反応のオゾンガスの増加を抑制する観点から、G/L比は0.01以上0.3以下が好ましく、0.04以上0.07以下がより好ましい。
汚泥含有処理水5とオゾンとが反応した場合、泡が発生する。汚泥含有処理水5とオゾンガスとの反応により発生する泡の泡膜には、泡膜表面が他の泡膜の泡膜と接触する部分(以下、「接合部」)と、泡膜表面が大気と接触する部分(以下、「非接合部」)とがある。非接合部の泡膜は大気に接触していることから蒸発によって薄化が促進される。また、発生した泡は浮力により上昇するため、第1貯留室11に貯留されている汚泥含有処理水5の上方部分に集まる。上方部分に集まった泡は泡相を形成するが、引き抜きポンプ8を介した曝気槽1からの汚泥含有処理水5の引き抜きに伴い、大部分の泡がオーバーフローによって一部の汚泥含有処理水5とともに第2貯留室12へ自然落下して分離されるため、汚泥含有処理水5の上方に形成される泡相が緻密で多層構造的となることが防がれ、第1貯留室11の上方部分には気相空間が形成される。このため、汚泥含有処理水5の上方に泡相を形成する泡の非接合部が増加し、蒸発による薄化が促進されやすい。また、非接合部は泡相の上方に、接合部は泡相の下方に形成されることから、泡膜内の液体は重力によって上方の非接合部から下方の接合部に流れる。このため、非接合部の泡膜の薄化がさらに促進される。
上記のように非接合部の増加と非接合部における泡膜の薄化促進が起こる結果、泡および泡相の消滅が促進される。消滅した泡相は液相となり、オーバーフローによって流れる汚泥含有処理水5に混入して第2貯留室12へ流れ込む。
自然落下により泡が取り除かれた汚泥含有処理水5の上方表面からは未反応のオゾンガスが汚泥含有処理水5から分離される。分離されたオゾンガスは、排オゾンガス配管105を通過し、オゾン分解塔14において酸素ガス19に分解されて大気に放出される。
オーバーフローによって汚泥含有処理水5とともに自然落下した泡は、第2貯留室12において泡相18を形成する。第2貯留室12に形成される泡相18の上方も気相空間が形成されているため、上方で非接合部が増加する。このため第1貯留室11に貯留された汚泥含有処理水5の上方に形成される泡相と同様に、非接合部で蒸発による泡膜の薄化が促進されるとともに、重力によって泡膜内の液体が上方の非接合部から下方の接合部に流れることで非接合部の泡膜の薄化がさらに促進される。加えて、泡の自由落下では大気に接触する非接合部の泡膜表面からの蒸発が促進されるため、泡膜の薄化がさらに促進される。
このように、第2貯留室12に移動した泡においても非接合部の増加と非接合部における泡膜の薄化促進が起こるため、それぞれの泡相18の消滅も促進される。泡相が消滅した場合、泡相から液相が発生する。発生した液相は、返送配管103を介して曝気槽1へと返送される。なお、図1では、返送手段として返送ポンプ13を使用していた。しかしながら本発明は、この返送手段に限定されるものではない。返送手段として、例えば、オゾン反応槽9が曝気槽1よりも高い位置にある場合、第2貯留室12からの自然落下を用いた返送であっても良い。また、カスケードポンプを用いた返送手段であっても良い。
なお、泡の自然落下について、より具体的には第1貯留室11の上方部分に集まった泡が仕切り板10の高さの半分以上となる距離を自然落下する。
第1貯留室11の容積は特に限定されないが、オゾンと汚泥含有処理水5との反応が汚泥含有処理水5の流入に追いつかず、オゾンとは未反応の汚泥含有処理水5が第2貯留室12へオーバーフローすることを抑制しつつ、オゾン注入量の収束値よりも低い量のオゾンが汚泥含有処理水5に注入されてオゾン処理に時間がかかり、曝気槽1に返送される時間が長期化することを防ぐ観点から、第1貯留室11の容積は第1貯留室11の容積を引
き抜きポンプ8の流量で除した商で表される「滞留時間」が、30秒以上5分以下となるようにすることが好ましく、30秒以上2分以下とすればより好ましい。なお、滞留時間が5分よりも長い場合、定常状態になるまでの時間が10分を超えるため、オゾン処理にかかる時間が長くなるとともに、第1貯留室11の大型化に伴って初期費用の増加を招く。
また、第1貯留室11の水平断面積も特に限定されないが、オゾンガスの気泡の合一を抑制して第1貯留室11内において気泡を均一に分散させ、オゾンガスと汚泥含有処理水5中の汚泥とを効率的に反応させる観点から、第1貯留室11の水平断面積は、第1貯留室11の下部から注入されるオゾンガスの上昇線速度が50mm/s以下になるように設定することが好ましい。なお、「上昇線速度」とは、上昇する流体が単位時間当たりに単位断面積を通過する流量を示し、以下でも同様とする。例えば、上記のように「第1貯留室11の下部から注入されるオゾンガスの上昇線速度」という場合は、汚泥含有処理水5内を上昇するオゾンガスの気泡が単位時間当たりに第1貯留室11の水平断面を通過する流量を第1貯留室11の水平断面積で除したものを表す。
第2貯留室12の容積は、特に限定されない。一方、第2貯留室12の水平断面積は、第2貯留室12において泡相18の消滅を促進させる観点から、以下の式(2)で表される関係式を満たすように設定することが好ましい。
第1貯留室11の断面積[m]≧ 第2貯留室12の断面積[m]≧(2000×汚泥含有処理水5の密度[kg/m]×汚泥含有水の引き抜き流量[m/s]÷汚泥含有処理水の粘性係数[Pa・s])の2乗・・・式(2)
式(2)の関係を満たす場合、第2貯留室12の大型化、ひいてはオゾン反応槽9の
大型化による初期費用の増加を防ぎつつ、第1貯留室11からオーバーフローして第2貯留室12に自然落下する汚泥含有処理水5の流速の増加が抑制され、第2貯留室12において汚泥含有処理水5の流れが乱流となることを防ぐことができる。これにより、泡相18は汚泥含有処理水5の液内部に形成されることなく汚泥含有処理水5の液面上に形成される。汚泥含有処理水5の液面上に形成される泡相に含まれる泡は、汚泥含有処理水5内部に形成される泡相に含まれる泡よりも非接合部が大きい。上述したように、非接合部が大きいほど泡膜全体の薄化が促進されるので、泡および泡相の消滅が促進される。また、汚泥含有処理水5の液面上に形成された泡相18においては、非接合部の泡膜内の液体が重力により下方へ流れて泡膜の薄化が加速され、泡相の消滅がさらに促進される。
オゾン反応槽9の内部を第1貯留室11と第2貯留室12とに仕切って分割する仕切り板10の形状は、第1貯留室11の下方と第2貯留室12の下方を隔てることが可能であれば特に限定されないが、図2に示す例のように仕切り板10の上面に段差を設けてもよい。図2(a)に示す例では、仕切り板10の上部に凹部10a形成して上面に段差を設けており、図2(b)に示す例では、仕切り板10の上部に凸部10b形成して上面に段差を設けている。このように仕切り板10の上面に段差が設けられている場合、第1貯留室11からオーバーフローして第2貯留室12に自然落下しようとする泡相の泡は段差部分でも仕切り板10と接触するので、仕切り板10の上面が平坦な場合と比べて仕切り板10との接触面が広くなり泡に働く界面張力が大きくなる。このことにより、汚泥含有処理水5とオゾンとが反応して発生した泡の一部が第2貯留室12に自然落下するまでの時間が長くなるので、第1貯留室11に貯留されている汚泥含有処理水5の上方部分に集まる泡相の厚さが大きくなる。このため、第1貯留室11に貯留されている汚泥含有処理水5の上方部分に集まる泡相の内部で汚泥含有処理水5を通過後の未反応のオゾンガスと汚泥をさらに反応させることができ、汚泥の分解効率が上昇する。なお、仕切り板10の形状は、上面に段差を設けるものであればよく、図2に示した例に限られない。
図3は、実施の形態1の水処理システムの動作フローを説明する図である。本実施の形態1に係る水処理システムを用いた水処理方法は、引き抜き工程、第1貯留工程、オゾン
処理工程、発泡工程、オーバーフロー工程、第2貯留工程、および返送工程等を含む。まず、曝気槽1に流入した廃水4は、曝気槽1内において生物処理が施され、汚泥を含有した汚泥含有処理水5となる。
曝気槽1に廃水4が流入した後、引き抜き工程において、一定の周期で引き抜きポンプ8が起動され、曝気槽1内の汚泥含有処理水5を引き抜く。引き抜かれた汚泥含有処理水5は、引き抜き配管102を介して第1貯留室11の下方側から第1貯留室11内に流入されて貯留される(ステップST1)。このステップST1は、第1貯留工程の一例である。
オゾン発生器17が発生したオゾンは、エジェクタ16を介して第1貯留室11の下部から注入され、オゾン処理が進行する(ステップST2)。ステップST2のオゾン処理では、汚泥含有処理水5に含まれる汚泥と注入されたオゾンとが反応することによって発泡が起こり、泡が発生する。この発泡は、発泡工程の一例である。発生した泡は、比重の関係により浮力を受け、第1貯留室11の上方に蓄積する。
周期的な引き抜きポンプ8の駆動により、新たな汚泥含有処理水5が曝気槽1から第1貯留室11に流入すると、オゾンガスと汚泥含有処理水5との反応による泡が蓄積され、また、すでに発生している泡は汚泥含有処理水5に持ち上げられる。オーバーフロー工程では、仕切り板10の高さを十分に超える高さに達した泡が、第1貯留室11内の汚泥含有処理水5と共に第1貯留室11の上方から第2貯留室12へとオーバーフローによって自然落下する。
オーバーフローした汚泥含有処理水5と泡とは、第2貯留室12に貯留され、第2貯留室12内には泡相が形成する(ステップST3)。このステップST3は、第2貯留工程の一例である
第2貯留室12に形成された泡相は時間の経過によって消滅し、液相が発生する。泡相の消滅により発生した液相および泡と共に第1貯留室11から溢れた汚泥含有処理水5は、返送配管103を介して曝気槽1へと返送される(ステップST4)。このステップST4は、返送工程の一例である。返送工程により、第2貯留室12には泡の貯留スペースが確保される。曝気槽1へ返送された泡および液相は、曝気槽1内で生物処理が施され、再び引き抜き工程によって第1貯留室11内に引き抜かれる。
なお、ステップST2のオゾン処理および発泡工程と平行し、必要に応じて第1貯留室11の上部から汚泥含有処理水を引き抜いて、循環配管104を介して汚泥含有処理水5を第1貯留室11の下部へと循環させてもよい。汚泥含有処理水5の循環は、例えば、第1貯留室11内に貯留された汚泥含有処理水5がオーバーフローによって第2貯留室12へと自然落下し、返送配管103を介して曝気槽1に返送され始めた後に開始すればよいが、循環開始のタイミングはこれに限られるものではない。循環させる汚泥含有処理水5の一部は、その経路の途中にあるエジェクタ16においてオゾンと接触し、オゾンと反応しながら、未反応のオゾンとともに下部から第1貯留室11内に流入する。汚泥含有処理水5と一旦注入されたオゾンとは、エジェクタ16内だけでなく、循環配管104内、第1貯留室11内、および第2貯留室12内でも反応する。
引き抜きポンプ8を介した曝気槽1からの汚泥含有処理水5の引き抜きを連続的に行う場合、第1貯留室11に貯留されている汚泥含有処理水5の上方部分にはオゾン処理の進行により生じる泡が連続的に増加する。本実施の形態では、これらの泡の大部分をオーバーフローによって一部の汚泥含有処理水5とともに第2貯留室12へ移動させることで溢れた泡が排オゾンガス配管105などに流入することを防いでいる。
曝気槽1内からの汚泥含有処理水5の引き抜き、オゾンガス注入、および返送という一連の工程を含んだ水処理方法は、具体的には、余剰汚泥を減容する減容プロセスは、周期的かつ間欠的に行うことが好ましい。減容プロセスの間隔は、特に限定されるものではなく、曝気槽1における微生物の有機物負荷、余剰汚泥発生量などに応じて適宜設定すれば良い。しかしながら、微生物を含む活性汚泥の生物活性維持力と余剰汚泥減容力との両立を考慮した場合、1時間以上24時間以下が好ましく、2時間以上12時間以下がより好ましく、4時間以上6時間以下が更に好ましい。周期的かつ間欠的に行う減容プロセスの間隔が上記範囲よりも小さい場合、曝気槽1において廃水処理に寄与する微生物までも必要以上に引き抜いて分解することになり得る。そのため、廃水処理に寄与する微生物活性が低下し、曝気槽1における廃水処理が十分に行われず、処理後の処理水7の水質を悪化させる虞がある。一方、オゾン処理を行った場合、汚泥中の微生物が分解され、微生物内成分(溶解性有機物)が汚泥含有処理水中に放出される。そのため、周期的かつ間欠的に行う減容プロセスの間隔が24時間よりも長い場合、分解によって放出された微生物内成分(溶解性有機物)を基質として増加する微生物の増殖量の方が大きくなり、全体として余剰汚泥量を減少できない虞がある。
1日あたりのオゾン処理汚泥量を1日あたりの余剰汚泥発生量で除した商を、「汚泥処理比」として定義する。実施の形態1に係る水処理システムの汚泥処理比は、曝気槽1における微生物の有機物負荷、および余剰汚泥発生量等に応じ、適宜設定される。この汚泥処理比は、特に限定されるものではない。しかしながら、2.0以上4.0以下が好ましく、2.2以上3.0以下がより好ましい。汚泥処理比が2.0未満である場合、オゾン注入に起因した汚泥の減少量が小さく、余剰汚泥量を十分に減少させることができない虞がある。汚泥処理比が4を超えた場合、曝気槽1内の微生物量が過度に減少して微生物活性が低下し、処理水7の水質が悪化する虞がある。一方、汚泥処理比が2.2以上3.0以下の範囲である場合、曝気槽1内の微生物活性を維持しつつ、効率的に余剰汚泥を減量させることができる。
減容プロセスにおける処理時間は、上記のオゾン注入量の収束値、G/L比、減容プロセスの間隔、および汚泥処理比が上記範囲内となるように適宜設定すればよい。
本実施の形態1では、物理的に分離し、かつ上方が連通した第1貯留室と第2貯留室とを備える構成を採用しているため、オゾン処理に伴って生じた泡をオーバーフローする汚泥含有処理水とともに第1貯留室の上部から第2貯留室へ自然落下させて分離し、第1貯留室と分離された領域である第2貯留室に泡相を形成させることができる。このため、第1貯留室において汚泥含有処理水の上部に緻密で多層構造的な泡相が形成されることを回避でき、汚泥含有処理水中のオゾンガスを泡相を通過させずに脱気させることでオゾンガスの脱気を容易に行うことができる。
また、第1貯留室から溢れた泡がオゾン反応槽から外部に溢れたり排オゾンガス路に流れ込んだりすることがないため、曝気槽からの連続引き抜きを中断させる必要がなく、適度なオゾン供給を行いながら連続的な水処理が可能となる。
また更に、自然落下による第1貯留室上部の泡の分離は、泡膜の非接合部の増加と非接合部における泡膜の薄化をもたらすため、第2貯留室に形成される泡相の消滅を促進し、その体積を減少させることができる。このため、オゾン反応槽のコンパクト化や消泡手段の省略が可能となり、システム全体の大型化や複雑化を防ぎ、初期費用の増加を抑制することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る水処理システムについて説明する。実施の形態2に係る水処理システムは、基本的な構成および動作が実施の形態1と同様であるが、曝気槽1内に汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定器201と、汚泥濃度測定器201の測定結果に基づき
各部を制御する濃度利用制御装置202、すなわち濃度利用制御部が設けられている点が異なる。
図4は、本実施の形態2に係る水処理システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す模式図である。図中、実施の形態1に係る水処理システムと同様の構成機器および部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施の形態2に係る水処理システムは、曝気槽1内に汚泥含有処理水5の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定器201を備えるため、曝気槽1における有機物負荷(曝気槽1内の微生物が処理する有機物の量)の変動に伴う汚泥含有処理水5の汚泥濃度の変動を検知することができる。
汚泥濃度測定器201で検知された汚泥濃度の値は、濃度利用制御装置202に入力される。濃度利用制御装置202は、入力された汚泥濃度の値に応じて引き抜きポンプ8が曝気槽1から引き抜く汚泥含有処理水5の流量を変化させ、第1貯留室11から第2貯留室12へ自然落下する泡の単位時間当たりの量、すなわち単位時間当たりに第1貯留室11から溢れる泡の量を制御する。具体的には、濃度利用制御装置202において汚泥含有処理水5の汚泥濃度が高いと判断された場合には、引き抜きポンプ8が曝気槽1から引き抜く汚泥含有処理水5の流量を小さくして、第1貯留室11から第2貯留室12へ自然落下する泡の単位時間当たりの量を小さくする。
なお、図4では、汚泥含有処理水5の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定器201を曝気槽1内に設けたが、汚泥含有処理水5の汚泥濃度を測定できれば特にこれに限定されない。例えば、汚泥濃度測定器201を引き抜き配管102上にオンラインで設けても良い。また、汚泥濃度測定器201の代わりに汚泥含有処理水5の濁度を検出する濁度計を使用し、濁度を用いて汚泥含有処理水5の汚泥濃度を間接的に取得しても良い。
本実施の形態2に係る水処理システムでは、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、曝気槽内の汚泥含有処理水の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定器と、汚泥濃度測定器で測定された汚泥濃度の値に応じて曝気槽から引き抜く汚泥含有処理水の流量を変化させる濃度利用制御装置を備えるため、汚泥含有処理水の汚泥濃度に応じて第1貯留室から第2貯留室へ自然落下する泡の単位時間当たりの量を制御する。このため、汚泥濃度が高い場合であっても曝気槽から引き抜く汚泥含有処理水の流量を変化させることで単位時間当たりに第2貯留室に貯留される泡の量を抑制させることができ、泡がオゾン反応槽から溢れることを防いで連続的な水処理をより安定して行うことが可能となる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る水処理システムについて説明する。実施の形態3に係る水処理システムは、基本的な構成および動作が実施の形態2と同様であるが、固液分離部6の後段に処理水7の水質を測定する水質測定器203と、水質測定器203の測定結果に基づき各部を制御する水質利用制御装置204、すなわち水質利用制御部が設けられている点が異なる。
図5は、本実施の形態3に係る水処理システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す模式図である。図中、実施の形態2に係る水処理システムと同様の構成機器および部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施の形態3に係る水処理システムは、固液分離部6の後段に処理水7の水質を測定
する水質測定器203を備えるため、曝気槽1における有機物負荷(曝気槽1内の微生物が処理する有機物の量)の変動に伴う処理水7の溶解性有機物濃度の変動を検知することができる。
水質測定器203で検知された溶解性有機物濃度の値は、水質利用制御装置204に入力される。水質利用制御装置204は、入力された溶解性有機物濃度の値に応じて引き抜きポンプ8が曝気槽1から引き抜く汚泥含有処理水5の流量を変化させ、第1貯留室11から第2貯留室12へ自然落下する泡の単位時間当たりの量、すなわち単位時間当たりに第1貯留室11から溢れる泡の量を制御する。具体的には、水質利用制御装置204が処理水7の溶解性有機物濃度が高いと判断した場合に、引き抜きポンプ8が曝気槽1から引き抜く汚泥含有処理水5の流量を小さくして、第1貯留室11から第2貯留室12へ自然落下する泡の単位時間当たりの量を小さくする。
また、引き抜きポンプ8が曝気槽1から汚泥含有処理水5を周期的かつ間欠的に引き抜くにあたり、水質利用制御装置204は、引き抜きポンプ8が汚泥含有処理水5を引き抜く間隔を入力された溶解性有機物濃度の値に応じて変化させる。オゾン処理部におけるオゾン注入は、上述したように引き抜きポンプ8の引き抜きに伴って汚泥含有処理水5を上方に押し上げ、上部から循環配管104内を通って循環させる際に行われるため、水質利用制御装置204によって引き抜きポンプ8が汚泥含有処理水5を引き抜く間隔を変化させると、オゾン処理部におけるオゾン注入量を制御することができる。具体的には、水質利用制御装置204が処理水7の溶解性有機物濃度が高いと判断した場合に、曝気槽1から汚泥含有処理水5を引き抜く間隔を大きくしてオゾン処理部におけるオゾン注入量を小さくする。
第1貯留室11から第2貯留室12へ自然落下する泡の単位時間当たりの量を小さくし、オゾン処理部におけるオゾン注入量を小さくすると、第2貯留室12に貯留される泡、および泡相の消滅によって生じる液相の単位時間当たりの量も小さくなるため、第2貯留室12から曝気槽1に返送される泡、および泡相の消滅によって生じる液相の単位時間当たりの量も小さくなる。したがって、本実施の形態3では処理水の溶解性有機物濃度の値に応じて単位時間当たりに第2貯留室12から曝気槽1に返送される泡、および泡相の消滅によって生じる液相の量を制御することができる。
なお、処理水7の水質を測定する水質測定器203としては、TOC(Total Organic Carbon)計、COD(Chemical Oxygen Demand)計などが使用できる。
本実施の形態3に係る水処理システムでは、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
また、処理水7の水質を測定する水質測定器と、水質測定器の測定結果に基づき各部を制御する水質利用制御装置を備え、処理水の溶解性有機物濃度の値に応じて引き抜きポンプが曝気槽から引き抜く汚泥含有処理水の流量および引き抜く間隔を変化させる。このため、単位時間当たりに第1貯留室から溢れる泡の量およびオゾン処理部におけるオゾン注入量を制御することを通じて第2貯留室から曝気槽に返送される泡、および泡相の消滅によって生じる液相の単位時間当たりの量を溶解性有機物濃度の値に応じて制御することができる。第2貯留室から曝気槽に返送される泡、および泡相の消滅によって生じる液相は溶解性有機物濃度が高く、処理水の水質悪化の原因となるが、本実施の形態3では上記のように単位時間当たりに第2貯留室から曝気槽に返送される泡、および泡相の消滅によって生じる液相の量を制御することができるので、曝気槽における有機物負荷が大きい場合であっても、単位時間当たりに第2貯留室から曝気槽に返送される泡、および泡相の消滅
によって生じる液相の量を減少させて処理水の水質の悪化を抑制することができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る水処理システムについて説明する。実施の形態4に係る水処理システムは、基本的な構成および動作が実施の形態3と同様であるが、第2貯留室12の上方と連通する第1貯留室11の上方空間に泡保持板205が設けられており、泡保持板205を挟んで仕切り板10と反対側に泡相形成部21を有し、泡保持板205を挟んで仕切り板10と同じ側に泡相非形成部22を有する点が異なる。
図6は、本実施の形態4に係る水処理システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す模式図である。図中、実施の形態3に係る水処理システムと同様の構成機器および部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施の形態4に係る水処理システムは、第2貯留室12の上方と連通する第1貯留室11の上方の空間に泡保持板205を備えるため、第1貯留室11に貯留される汚泥含有処理水5の上方部分に泡保持板205が位置する。このため、発泡工程において、汚泥含有処理水5とオゾンとの反応によって発生し、汚泥含有処理水5の上方部分に集まる泡のうち、泡相非形成部22に位置する泡は一部の汚泥含有処理水5とともに第2貯留室12へと自然落下するが、泡相形成部21に位置する泡は泡保持板205とオゾン反応槽9の間に残留して泡相を形成する。
上記のような構造を備える水処理システムのオゾン処理では、第1貯留室11の汚泥含有処理水5の上方部分の泡相形成部21に残留した泡によって形成される泡相の内部において、泡膜を形成する汚泥含有処理水5中の汚泥と汚泥含有処理水5を通過後の未反応のオゾンガスとが接触して反応する。
泡相形成部21において残留した泡は、第1貯留室11の下方から注入されたオゾンガスに持ち上げられ、泡保持板205の上端からオーバーフローによって泡相非形成部22に自然落下した後、一部の汚泥含有処理水5とともに第2貯留室12へと自然落下する。
泡相形成部21と泡相非形成部22の水平断面積は特に限定されないが、オゾンガスの気泡が互いに合一して汚泥含有処理水5を持ち上げるエアーリフト現象により泡相形成部21に泡が残留しなくなることを防ぐ観点から、注入されるオゾンガスの泡相形成部21における上昇線速度が50mm/s以下になるように泡相形成部21の水平断面積を設定することが好ましい。
本実施の形態4に係る水処理システムでは、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
また、第2貯留室の上方と連通する第1貯留室の上方の空間に泡保持板を備え、この泡保持板の仕切り板と反対側に泡相形成部を設けたので、泡相形成部における泡相の内部で泡膜を形成する汚泥含有処理水中の汚泥と汚泥含有処理水を通過後の未反応のオゾンガスとが接触する。このため、第1貯留室に貯留される汚泥含有処理水中だけでなく、第1貯留室の上方でもオゾンと汚泥を反応させることが可能となり、オゾンと汚泥の効率的な反応を実現して汚泥の分解効率をさらに向上させることができる。
なお、泡相形成部に形成される泡相の内部で未反応のオゾンガスと汚泥とが接触する時間は、泡相形成部に形成される泡相の厚さが大きいほど長くなるため、オゾンガスと汚泥とが接触する時間は泡相の厚さにより調整することとなるが、泡相形成部に形成される泡相の厚さは泡保持板の高さで調整することができるため、不必要にオゾン反応槽を大型化
させて初期費用の増加を招くことなく、容易に泡相形成部における泡相の厚さを調整することが可能である。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る水処理システムについて説明する。実施の形態5に係る水処理システムは、基本的な構成および動作が実施の形態3と同様であるが、オゾンガス注入配管106上にオゾン濃縮器20が設けられており、オゾン発生器17とオゾン濃縮器20とが酸素ガス返送配管107を介して接続されている点が異なる。
図7は、本実施の形態5に係る水処理システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す模式図である。図中、実施の形態3に係る水処理システムと同様の構成機器および部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施の形態5に係る水処理システムは、オゾン発生器17の下流側にオゾン濃縮器20を備える。オゾン発生器17が発生させたオゾンガスは、オゾン濃縮器20によって濃縮される。濃縮されたオゾンガス、すなわち濃縮オゾンガスは、エジェクタ16を介して汚泥含有処理水5に注入される。オゾン濃縮器20においては、吸着剤が収納される吸着塔の温度と圧力とを制御することによって最適な吸着条件と最適な脱着条件とを形成し、所望の濃度のオゾンガスを発生させる。なお、オゾン発生器17が発生したオゾンガスをオゾン濃縮器20に吸着濃縮させる工程において、吸着されなかった副産物である酸素ガスを酸素ガス返送配管107によってオゾン発生器17に返送させて、返送させた酸素ガスを原料ガスとしてオゾン発生器17で再利用してもよい。
オゾン濃縮器20は、オゾン発生器17が発生したオゾンを吸着濃縮する装置であり、オゾンガスを吸着し得る材料を収容している。オゾンガスを吸着し得る材料としては、特に限定するものではないが、シリカゲルなどの吸着剤を用いることができる。オゾン濃縮器20を用いた場合、比較的容易に400mg/L以上の濃度のオゾンガスを汚泥含有処理水5に注入することができる。具体的には、最大2000mg/Lまでの濃度のオゾン
ガスを汚泥含有処理水5に注入できる。
本発明者らは、オゾンガス濃度と泡の発生量との関係に着目した。図8は、汚泥含有処理水5に供給するオゾン注入量の収束値として一定の30mgO/gSSにとしたときの関係を示している。具体的には、一定収束値30mgO/gSSの場合に、汚泥含有処理水5に注入するオゾンガスの濃度と反応により生じる泡の発生量との関係を示している。横軸は、エジェクタ16で注入するオゾンガスの濃度を示す。縦軸はオゾン処理工程において単位汚泥量当たりに生じた泡の発生量(発泡量)の積算値を示す。
図8は、オゾン注入量の収束値が一定のとき、オゾンガス濃度が高いほど発泡量が減少することを示している。これは、式(1)よりオゾン注入量の収束値が一定のときはオゾンガス濃度が大きいほど必要なオゾンガス流量が小さくなり、汚泥含有処理水5に吹き込まれるオゾンガス流量が減少するためと考えられる。
また、図8は、オゾンガス濃度が600mg/Lから1000mg/Lの範囲においてオゾンガス濃度増加に伴い発泡量が大きく減少することを示している。これは、600mg/Lから1000mg/Lにおいて高濃度オゾンガスが汚泥含有処理水5中の微生物等の分解だけでなく、分解に伴い汚泥含有処理水5中に溶出する微生物内成分(溶解性有機物)も効果的に分解、低分子化できるためと考えられる。上述したように、汚泥含有処理水5の発泡性は、微生物内成分による粘性の増加により増加するため、微生物内成分の分解はオゾン処理工程における汚泥含有処理水5の粘性の増加を抑制し、粘性の増加による発泡性の増加も抑制して、発泡量を大きく減少させる。このため、600mg/Lから1000mg/Lの範囲においては、オゾンガス濃度の増加に伴うオゾンガスの流量の減少、および汚泥含有処理水5の発泡性の増加抑制が起こり発泡量を大きく減少していると考えられる。
一方、600mg/L未満のオゾンガス濃度では発泡量の減少が小さい。これは、汚泥含有処理水5中の微生物等の分解のみにほとんどのオゾンが消費され、分解に伴って汚泥含有処理水5中に溶出される微生物内成分の分解がほとんど行われず、汚泥含有処理水5の粘性の増加抑制が不十分となり、発泡量減少効果が小さいためと推測される。
また、1000mg/Lを超える範囲ではオゾンガス濃度の増加に伴う発泡量の減少が鈍化している。これは、オゾンガス流量が小さくなり過ぎ、循環ポンプ15によって生じる汚泥含有処理水5の流量に対するオゾンガス流量の比(G/L比)が非常に小さくなったために高濃度のオゾンガスが効率的に汚泥と接触しなくなった結果、微生物内成分の分解による汚泥含有処理水5の粘性増加抑制および発泡性増加抑制が起こりにくくなり、発泡量の減少が鈍化したと考えられる。
本発明者らは、上述したように、オゾンガス濃度が高いほど発泡量が減少し、特にオゾンガス濃度が600mg/Lから1000mg/Lの範囲において、発泡量が大きく減少することを見出した。したがって、オゾン濃縮器20からエジェクタ16に注入するオゾンガスの濃度は、600mg/L以上2000mg/L以下とすることが好ましい。また、初期費用やランニングコストやの観点から、オゾン濃縮器20を低温・低圧な環境下におかなくてもオゾン濃縮を行えるように600mg/L以上1500mg/L以下とすることがより好ましい。また、効率的な発泡量抑制の観点から、G/L比を一定値以上にして接触効率を維持し、汚泥含有処理水の発泡性の増加を抑制できるように600mg/L以上1000mg/L以下とすることが更に好ましい。
なお、オゾン発生器17からオゾン濃縮器20に送るオゾンガスの濃度は、ランニングコストの観点から、150mg/L以上310mg/L以下が好ましく、190mg/L以
上290mg/L以下の範囲とするのが更に好ましい。
本実施の形態5に係る水処理システムでは、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
また、オゾンガス注入配管上にオゾン濃縮器を設けたため、汚泥含有処理水に注入するオゾンガスの濃度を600mg/L以上に高めることができる。このため、オゾン処理に
よって生じる泡の発生量を大幅に減少させることができ、連続的な水処理を更に安定的に行うことが可能となる。
また、オゾン発生器が発生したオゾンガスをオゾン濃縮器に吸着濃縮させる工程において、吸着されなかった副産物である酸素ガスを酸素ガス返送配管によってオゾン発生器に返送させることができるため、返送させた酸素ガスを原料ガスとしてオゾン発生器で再利用することができ、ランニングコストを減少させることができる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係る水処理システムについて説明する。本実施の形態6に係る水処理システムでは、基本的な構成、および動作が実施の形態5と同様であるが、引き抜きポンプ8の下流側の引き抜き配管102上に破砕用エジェクタ23が設けられている点が異なる。
図9は、本実施の形態6に係る水処理システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を
示す模式図である。図中、実施の形態5に係る水処理システムと同様の構成機器、部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施の形態6に係る水処理システムは、引き抜きポンプ8と第1貯留室11の間に破砕用エジェクタ23を備え、引き抜きポンプ8によって引き抜かれた汚泥含有処理水5は、第1貯留室11に貯留される前に破砕用エジェクタ23を通過する。破砕用エジェクタ23では、引き抜かれた汚泥含有処理水5が空気と接触する。具体的には、汚泥含有処理水5の高圧水流が破砕用エジェクタ23のノズル部で減圧され、減圧された汚泥含有処理水5が空気と接触する。
汚泥含有処理水5中の汚泥には微生物等の集合体が数mm程度の綿くず状になったフロックが含まれる。上述した破砕用エジェクタ23では、汚泥含有処理水5と空気とが接触する際の物理的な衝撃力によって、汚泥中のフロックが破砕されて細かくなる結果、オゾン処理でオゾンと接触する汚泥の表面積が大きくなる。なお、エジェクタ16によってもフロックの破砕は生じ得るが、破砕効率の観点からは本実施の形態7のように破砕用エジェクタ23を別途設けることが好ましい。
破砕用エジェクタ23がノズル部で汚泥含有処理水5と接触させる気体については、特に限定されない。しかしながら、ランニングコストを考慮した場合、汚泥含有処理水5と接触させる気体として大気(空気)を使用する構成が好ましい。
破砕用エジェクタ23の1次側の圧力は、汚泥含有処理水5中の微生物等が形成するフロックを破砕することができれば特に限定されないが、フロックを十分に破砕するための物理的な衝撃力を得つつ、初期費用やランニングコストの増大を抑制するため、200kPa以上450kPa以下が好ましい。また、圧力が上記範囲となるように破砕用エジェクタ23のサイズ、および引き抜きポンプ8の揚程などの仕様を決定する対応が望ましい。
本実施の形態6に係る水処理システムでは、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。
また、引き抜きポンプと第1貯留室の間に破砕用エジェクタを備え、引き抜きポンプによって引き抜かれた汚泥含有処理水は、第1貯留室に貯留される前に破砕用エジェクタを通過する構成としたので、より確実に汚泥中のフロックを破砕し、オゾン処理でオゾンと接触する汚泥の表面積を大きくすることができる。このため、より効率的にオゾンと汚泥を反応させることが可能となり、余剰汚泥量を減少させるために必要なオゾン注入量が低減され、更に発泡量を減少させることができる。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係る水処理システムについて説明する。本実施の形態7に係る水処理システムでは、基本的な構成、および動作が実施の形態6と同様であるが、第2貯留室12にシャワーノズル24が設けられており、シャワーノズル24と引き抜き配管102とが消泡配管108を介して接続されている点が異なる。
図10は、本実施の形態7に係る水処理システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す模式図である。図中、実施の形態6に係る水処理システムと同様の構成機器、部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
実施の形態7に係る水処理システムにおいては、引き抜きポンプ8で第1貯留室11に引き抜く汚泥含有処理水5の一部を消泡配管108に分離し、シャワーノズル24を通し
て第2貯留室12に形成する泡相の上部に汚泥含有処理水5をシャワー状に散布する。
消泡配管108の位置は、引き抜き配管102上であれば特に限定されない。しかしながら、破砕用エジェクタ23の下流側とする構成が好ましい。消泡配管108の位置を破砕用エジェクタ23の下流側とした場合、破砕用エジェクタ23によって数mm程度の綿くず状フロックが破砕された汚泥含有処理水5をシャワーノズル24へ供給することが可能となる。そのため、シャワーノズル24から汚泥含有処理水5を散布する際に、汚泥含有処理水5中のフロックによるシャワーノズル24の閉塞を防止することができる。
シャワーノズル24を通して第2貯留室12に形成する泡相の上部に散布する液体としては、曝気槽1内の活性汚泥に含まれる微生物の死滅、および曝気槽1内の活性汚泥の生物活性低下を顕著に招く液体でないかぎり、特に限定されない。例えば、処理水7、水道水等を使用できる。しかしながら、水処理システムのランニングコストを考慮した場合、図10に示したように汚泥含有処理水5を使用する構成が好ましい。
図10では、液体をシャワー状に散布することによって物理的に泡膜を破壊する消泡手段の一例としてシャワーノズル24を示した。しかしながら、他の公知の消泡手段を使用しても良い。例えば、攪拌器、超音波破砕器等の装置を消泡手段として使用し、物理的に泡膜を破壊しても良い。また、薬剤添加装置を消泡手段として使用し、消泡剤の添加によって化学的に泡膜を破壊しても良い。
本実施の形態7に係る水処理システムでは、実施の形態6と同様の効果を得ることができる。
また、第2貯留室にシャワーノズルを設け、オゾン処理工程で第2貯留室に形成される泡相にシャワー状の液体を散布する構成としたため、泡相の泡膜を物理的に破壊して泡相の消滅を更に促進させ、第2貯留室に形成される泡相の体積を小さく抑えることができる。このため第2貯留室を小型化し、オゾン反応槽を更に小型化することができる。
また、消泡配管を介してシャワーノズルを引き抜き配管に接続し、曝気槽から第1貯留室に引き抜く汚泥含有処理水の一部を分離してシャワーノズルに供給するため、第2貯留室の泡相に散布するための液体を別途用意する必要がなく、ランニングコストの増加を抑制することができる。
実施の形態8.
本発明の実施の形態8に係る水処理システムについて説明する。本実施の形態8に係る水処理システムでは、基本的な構成、および動作が実施の形態6と同様であるが、オゾン反応槽9内に破砕用仕切り板25、および移送用仕切り板26を有しており、第1貯留室11が破砕セクション27、移送セクション28、および汚泥改質セクション29を備えている点が異なる。言い換えると、破砕工程、移送工程、および汚泥改質工程を実行し得る構成を備えている点が異なる。また、本実施の形態8に係る水処理システムでは、実施の形態6および実施の形態7に係る水処理システムおいて設けられていた破砕用エジェクタ23が取り除いてあり、代わりに破砕用循環ポンプ30、破砕用循環エジェクタ31、破砕用循環配管109を備えている点が異なる。なお、ここで「改質」とは、減容化処理を効率的に行うことができるように汚泥の組成および性質を変えることを言う。
図11は、本実施の形態8に係る水処理システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す模式図である。図中、実施の形態6に係る廃水処理システムと同様の構成機器、部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施の形態8に係る水処理システムにおいては、第1貯留室11が破砕用仕切り板25および移送用仕切り板26によって破砕セクション27、移送セクション28および汚泥改質セクション29に分割されている。破砕用仕切り板25は第1貯留室11の下面から上方に立設し、第1貯留室の上面との間には空隙が形成されている。移送用仕切り板26は第1貯留室11の上面から下方に立設し、第1貯留室の下面との間には空隙が形成されている。このため、破砕セクション27の上方と移送セクション28の上方とが連通し、移送セクション28の下方と汚泥改質セクション29の下方とが連通して、汚泥改質セクション29の上方と第2貯留室12の上方が連通している。破砕セクション27の上方には、破砕用仕切り板25の上端の高さよりも低い上部の位置に破砕用循環配管109が設置してあり、破砕用循環配管109上には、破砕用循環ポンプ30と破砕用循環エジェクタ31とが設けてある。破砕用循環エジェクタ31は、破砕用循環配管109を介して破砕セクション27の下部と接続している。破砕用仕切り板25の上端の高さは、仕切り板10の上端の高さよりも高くしてある。
実施の形態8の水処理システムにおける余剰汚泥減容プロセスについて説明する。曝気槽1に廃水4が流入した後、一定の周期で引き抜きポンプ8が起動し、曝気槽1から汚泥含有処理水が引き抜かれる。引き抜かれた汚泥含有処理水は、引き抜き配管102を介して破砕セクション27に貯留され、オーバーフローにより移送セクション28へと自然落下する。汚泥含有処理水は移送セクション28の下方から汚泥改質セクション29の下方へと移動し、汚泥改質セクション29に貯留され、オーバーフローにより第2貯留室12へと自然落下し、返送配管103を介して曝気槽1に返送される。
上記のように、汚泥含有処理水5が曝気槽1と、破砕セクション27と、移送セクション28と、汚泥改質セクション29と、第2貯留室12とを循環する循環過程において、破砕用循環ポンプ30を起動し、破砕セクション27に貯留されている汚泥含有処理水5の一部を破砕セクション27の上部から引き抜き破砕セクション27の下部から流入させる。破砕セクション27の上部から引き抜かれた汚泥含有処理水5は、破砕用循環エジェクタ31において空気と接触して、汚泥含有処理水中の微生物等が形成するフロックが破砕される。このとき、引き抜きポンプ8の流量に対して破砕用循環ポンプ30の流量をα倍にした場合、汚泥含有処理水5はα回破砕用循環エジェクタ31をα回通過することになる。破砕用循環エジェクタ31において汚泥含有処理水5と空気とを接触させ、フロック破砕処理を施す回数αを、以後「破砕回数α」と呼ぶことがある。
フロック破砕処理が施された汚泥含有処理水5には、比較的比重が大きい破砕された汚泥と比較的比重の小さい液体とが含まれる。破砕セクション27の上部から汚泥含有処理水5を引き抜いて破砕セクション27の下部に流入させる構成によって、上部に存在し得るフロックのサイズは比較的小さくなる。
なお、破砕セクション27の下部から汚泥含有処理水5を引き抜いて破砕セクション27の上部に流入する逆構成を採用しても良い。この逆構成では、比重の大きいフロックが比較的多く存在し得る破砕セクション27の下部から汚泥含有処理水5を引き抜くことになるため、破砕効率を高めることができる。
破砕セクション27においてα回のフロック破砕処理が施された汚泥含有処理水5は、オーバーフローによって移送セクション28へと移動する。上述したように、破砕用仕切り板25の上端の高さは、仕切り板10の上端の高さよりも高いので、破砕セクション27における汚泥含有処理水の液面高さが移送セクション28における汚泥含有処理水の液面高さよりも高くなる。
汚泥含有処理水5は、オーバーフローによって上方から移送セクション28へと移動し
た後、移送セクション28の下方側から汚泥改質セクション29の下方側へと移動する。移送セクション28と汚泥改質セクション29は互いに下方で連通しているため、フロック破砕処理が施された汚泥含有処理水5に含まれる比重の大きい破砕された汚泥は汚泥改質セクション29の下方側および汚泥改質セクション29の下方側に留まる。
汚泥改質セクション29に貯留されている汚泥含有処理水5の一部は、循環ポンプ15を起動することによって、汚泥改質セクション29の上部から引き抜いて汚泥改質セクション29の下部に流入させる。オゾンガスが注入されて汚泥改質セクション29の下方に位置する汚泥含有処理水5は、引き抜きポンプ8を介した曝気槽1からの汚泥含有処理水5の引き抜きと破砕セクション27および移送セクション28を介した移動に伴い、再び上方に移動して上部から循環される。
汚泥改質セクション29の上部から引き抜かれた汚泥含有処理水5は、エジェクタ16においてオゾンガスと接触して反応し、分解される。汚泥含有処理水5がエジェクタ16においてオゾンガスと接触するときには、既に破砕セクション27においてフロックが十分に破砕されているため、フロック状の汚泥と比較してオゾンと接触する汚泥の表面積が十分に大きくなり、より効率的にオゾンと汚泥を反応させることができる。その結果、余剰汚泥量を減少させるために必要なオゾン注入量を削減することができる。したがって、発泡量を更に減少させることができる。
ここで、破砕セクション27における破砕回数αについて説明する。破砕回数αは、汚泥含有処理水中の汚泥に含まれるフロックが十分に破砕されるように適宜設定すれば良い。上述したように、十分に破砕されたフロックは、破砕されていないフロックと比較して汚泥の表面積が大きくオゾンと効率的に接触するため、余剰汚泥量を減少させるのに必要とされる上述の式(1)のオゾン注入量の収束値を最大30%削減できる。このことから、フロックが十分に破砕された否かの判断においてはオゾン注入量の収束値の削減率を指標として破砕回数αを適宜設定することができる。
図12は、ある特定の汚泥に対し、破砕用循環エジェクタ31の1次側圧力と十分なフロック破砕に必要な破砕回数αとの関係を示している。横軸は、破砕用循環エジェクタ31の1次側の圧力を表し、縦軸は、必要な破砕回数αを表す。
図12に示すように、破砕用循環エジェクタ31の1次側の圧力が大きいほど必要な破砕回数αが少なくなる傾向があり、破砕用循環エジェクタ31の1次側の圧力が400kPaまでの範囲においては、1次側圧力が大きくなるにつれて必要な破砕回数αが少なくなる。一方で、破砕用循環エジェクタ31の1次側の圧力が400kPaを超えた範囲においては、1次側圧力と関係なく必要な破砕回数αが一定値2となる。したがって、破砕用循環エジェクタ31の1次側の圧力が400kPaより小さい場合、破砕回数αを3、あるいは4とするのが好ましく、破砕用循環エジェクタ31の1次側の圧力が400kPa以上の場合、破砕回数αを2とするのが好ましい。
本実施の形態8に係る水処理システムでは、実施の形態6と同様の効果を得ることができる。
また、第1貯留室を破砕セクション、移送セクション、および汚泥改質セクションを設け、汚泥改質セクションで汚泥含有処理水とオゾンガスとを反応させる前に、破砕セクションで汚泥含有処理水中の微生物等が形成するフロックを破砕する。このため、汚泥の表面積が大きくして効率的にオゾンと汚泥とを反応させ、余剰汚泥量を減少させるために必要なオゾン注入量を低減させることで更に発泡量を減少させることができる。
また、破砕セクションに破砕用循環配管を設置し、破砕セクションに貯留されている汚泥含有処理水の一部を循環させる構成とし、引き抜きポンプの流量と破砕用循環ポンプの流量を調整することによって、曝気槽から引き抜かれた汚泥含有処理水と空気とを複数回接触させる構成としたため、汚泥の性状およびフロックのサイズ等により1回のみのフロック破砕では十分に微細化できない汚泥も十分に破砕することができる。
また、破砕セクションと移送セクションを仕切る破砕用仕切り板の上端の高さを、第1貯留室と第2貯留室を仕切る仕切り板の上端の高さよりも高くし、破砕セクションにおける汚泥含有処理水の液面高さが移送セクションにおける汚泥含有処理水の液面高さよりも高くなるようにしたため、フロック破砕処理が施された汚泥含有処理水と施されていない汚泥含有処理水とが破砕セクションと移送セクションとにおいて混在することが防止される。このため、フロック破砕処理が施された汚泥含有処理水のみを移送セクション28へと移動させることが容易である。
また、移送セクションと汚泥改質セクションが互いに下方で連通しているため、移送セクションから汚泥改質セクションに移動する汚泥含有処理水に含まれる汚泥のうち、比重の大きい汚泥は汚泥改質セクション下方側および移送セクションの下方側に留まり、汚泥改質セクションの上方側へ巻き上がる事態を回避することができる。このため、汚泥改質セクションの上方側の汚泥含有処理水に含まれる汚泥は、破砕処理が十分に施されたもののみとなり。汚泥改質セクションにおけるオゾン処理による汚泥の分解を効率的に行うことができる。
本発明は、以上のように説明し且つ記述した特定の詳細、および代表的な実施の形態に限定されるものではない。当業者によって容易に導き出すことのできる変形例、および効果も発明に含まれる。したがって、特許請求の範囲、およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することがない範囲で様々な変更が可能である。
1 曝気槽、2 散気装置、3 空気供給装置、4 廃水、5 汚泥含有処理水、6 固液分離部、7 処理水、8 引き抜きポンプ、9 オゾン反応槽、10 仕切り板、10a 凹部、10b 凸部、11 第1貯留室、12 第2貯留室、13 返送ポンプ、14 オゾン分解塔、15 循環ポンプ、16 エジェクタ、17 オゾン発生器、18 泡相、19 酸素ガス、20 オゾン濃縮器、21 泡相形成部、22 泡相非形成部、23 破砕用エジェクタ、24 シャワーノズル、25 破砕用仕切り板、26 移送用仕切り板、27 破砕セクション、28 移送セクション、29 汚泥改質セクション、30 破砕用循環ポンプ、31 破砕用循環エジェクタ、101 濃縮汚泥返送配管、102 引き抜き配管、103 返送配管、104 循環配管、105 排オゾンガス配管、106 オゾンガス注入配管、107 酸素ガス返送配管、108 消泡配管、109 破砕用循環配管、201 汚泥濃度測定器、202 濃度利用制御装置、203 水質測定器、204 水質利用制御装置、205 泡保持板

Claims (21)

  1. 汚泥を含んだ処理すべき汚泥含有処理水にオゾンを反応させて処理する水処理システムにおいて、
    汚泥含有処理水を貯留する第1貯留室と、
    前記第1貯留室で貯留される汚泥含有処理水を前記第1貯留室へ流入させる流入手段と、
    前記第1貯留室の下部からオゾンを注入して前記第1貯留室に貯留された汚泥含有処理水に含まれる汚泥にオゾン処理を行うオゾン処理部と、
    上方が前記第1貯留室の上方と連通し、前記第1貯留室から溢れた汚泥含有処理水を貯留する第2貯留室とを備える
    ことを特徴とする水処理システム。
  2. 前記オゾン処理部は、
    前記第1貯留室の上部から引き抜かれた汚泥含有処理水と前記第1貯留室に注入するオゾンとを接触させながら前記第1貯留室の下部に送るエジェクタを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記第2貯留室は、前記オゾン処理によって生じた泡を含む汚泥含有処理水を貯留する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の水処理システム。
  4. 前記第1貯留室の下方と前記第2貯留室の下方を隔てる仕切り板は、上面に段差が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水処理システム。
  5. 前記第1貯留室の水平断面積は、前記第2貯留室の水平断面積よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水処理システム。
  6. 前記オゾン処理部によって注入されたオゾンの前記第1貯留室における上昇線速度が、50mm/s以下である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 前記第1貯留室に貯留される汚泥含有処理水中の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定器と、
    前記汚泥濃度測定器の測定結果に基づき、単位時間当たりに前記第1貯留室から溢れる泡の量を制御する濃度利用制御部とを備えた
    ことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の水処理システム。
  8. 前記第2貯留室に貯留された汚泥含有処理水を前記第2貯留室の下方から流出させる流出手段を備える
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の水処理システム。
  9. 微生物処理によって汚泥含有処理水を生じさせる曝気槽を備え、
    前記流入手段は、前記微生物処理によって生じた汚泥含有処理水を前記曝気槽から前記第1貯留室へ流入させ、
    前記流出手段は、前記第2貯留室に貯留された汚泥含有処理水を前記第2貯留室から前記曝気槽へ流出させる
    ことを特徴とする請求項8に記載の水処理システム。
  10. 前記曝気槽における前記微生物処理によって生じた汚泥含有処理水を汚泥と処理水に分離
    する固液分離部と、
    前記処理水の水質を測定する水質測定器と、
    前記水質測定器の測定結果に基づいて、単位時間当たりに前記第1貯留室から溢れる泡の量、および前記オゾン処理部におけるオゾン注入量を制御する水質利用制御部とを備えた
    ことを特徴とする請求項9に記載の水処理システム。
  11. 前記第1貯留室は、
    前記オゾン処理によって汚泥含有処理水から生じた泡を保持する泡相形成部と、
    前記泡相形成部から溢れた泡を前記第2貯留室へ排出する泡相非形成部とを備え、
    前記第2貯留室は、前記泡相非形成部から排出された泡を貯留する
    ことを特徴とする請求項3から10のいずれか1項に記載の水処理システム。
  12. 前記泡相形成部に保持された泡の上昇線速度が50mm/s以下である
    ことを特徴とする請求項11に記載の水処理システム。
  13. 前記第1貯留室は複数のセクションに分割され、
    前記第1貯留室に貯留された汚泥含有処理水に含まれる汚泥が破砕される破砕セクションと、
    前記オゾン処理部が注入するオゾンと反応させて、前記破砕セクションで破砕された汚泥を含む汚泥含有処理水が改質される汚泥改質セクションと、
    上方が前記破砕セクションの上方と連通し、下方が前記汚泥改質セクションの下方と連通して、前記破砕セクションに汚泥が破砕された汚泥含有処理水を前記汚泥改質セクションへ移送する移送セクションとを備える
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の水処理システム。
  14. 前記オゾン処理部は、
    前記オゾンを濃縮して濃縮オゾンガスを生成するオゾン濃縮器を備え、
    前記濃縮オゾンガスを前記第1貯留室の下部から注入して前記オゾン処理を行う
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の水処理システム。
  15. 前記濃縮オゾンガスの濃度は、600mg/L以上1000mg/L以下である
    ことを特徴とする請求項14に記載の水処理システム。
  16. 汚泥を含んだ処理すべき汚泥含有処理水にオゾンを反応させて処理を行う水処理方法において、
    汚泥含有処理水を第1貯留室へ流入させて貯留する第1貯留工程と、
    前記第1貯留室の下部からオゾンを注入して前記第1貯留室に貯留した汚泥含有処理水に含まれる汚泥にオゾン処理を行うオゾン処理工程と、
    上方が前記第1貯留室の上方と連通する第2貯留室に前記第1貯留室から溢れた汚泥含有処理水を貯留する第2貯留工程とを備える
    ことを特徴とする水処理方法。
  17. 前記オゾン処理工程は、前記オゾン処理によって汚泥含有処理水から泡を生じさせる発泡工程を備え、
    前記第2貯留工程は、前記発泡工程で生じた泡を含む汚泥含有処理水を貯留する
    ことを特徴とする請求項16に記載の水処理方法。
  18. 前記第1貯留工程は、
    前記第1貯留室に貯留する汚泥含有処理水中の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定工程と

    前記汚泥濃度の測定結果に基づき、単位時間当たりに前記第1貯留室から溢れる泡の量を制御する濃度利用制御工程とを備える
    ことを特徴とする請求項17に記載の水処理方法。
  19. 前記第1貯留工程は、
    汚泥含有処理水を汚泥と処理水に分離する固液分離工程と、
    前記処理水の水質を測定する水質測定工程と、
    前記水質測定工程における測定結果に基づいて、単位時間当たりに前記第1貯留室から溢れる泡の量、および前記オゾン処理工程におけるオゾン注入量を制御する水質利用制御工程とを備える
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の水処理方法。
  20. 前記発泡工程は、
    前記第2貯留室の上方と連通する前記第1貯留室の上方に泡を保持して泡相を形成する泡相形成工程をさらに備える
    ことを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載の水処理方法。
  21. 前記第1貯留工程は、
    前記第1貯留室に貯留する汚泥含有処理水に含まれる汚泥を破砕する破砕工程を備える
    ことを特徴とする請求項16から20のいずれか1項に記載の水処理方法。
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