JP2017209051A - 標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置 - Google Patents

標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017209051A
JP2017209051A JP2016104292A JP2016104292A JP2017209051A JP 2017209051 A JP2017209051 A JP 2017209051A JP 2016104292 A JP2016104292 A JP 2016104292A JP 2016104292 A JP2016104292 A JP 2016104292A JP 2017209051 A JP2017209051 A JP 2017209051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
ligand
reaction
target
reaction vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016104292A
Other languages
English (en)
Inventor
田中 修平
Shuhei Tanaka
修平 田中
了 濱田
Satoru Hamada
了 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2016104292A priority Critical patent/JP2017209051A/ja
Publication of JP2017209051A publication Critical patent/JP2017209051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】生体分子を含む試料において、複数の標的生体分子を効率よく検出することが可能な核酸検出方法を提供する。【解決手段】標的生体分子の検出方法であって、(a)生体分子を含む試料を、複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、前記第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化された、複数の反応槽に分配する工程と、(b)前記反応槽内に固定化された前記第2のリガンドを、前記反応槽内の液中に遊離させる工程と、(c)前記反応槽内で核酸増幅反応を行う工程と、(d)前記核酸増幅反応中の各反応槽内のプロトン発生量を測定する工程と、(e)測定したプロトン発生量に基づいて、前記各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程と、を含む、標的生体分子の検出方法。【選択図】図2

Description

本発明は、標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置に関する。
ハイスループットで核酸分析を行う方法としては、光切断部位を介してビーズにプライマーを結合し、プライマーに試料中の核酸を捕捉させた後、プライマーを光誘導切断してPCRを行い、標的核酸を増幅して増幅産物を分析する技術が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、増幅産物の分析を行う場合には、ビーズエマルジョンを回収して配列解析等を行う必要があった。
米国特許出願公開第2013/0190191号明細書
本発明の一実施態様は、標的生体分子の検出方法であって、
(a)生体分子を含む試料を、複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、前記第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化された、複数の反応槽に分配する工程と、
(b)反応槽内に固定化された前記第2のリガンドを、反応槽内の液中に遊離させる工程と、
(c)反応槽内で核酸増幅反応を行う工程と、
(d)核酸増幅反応中の各反応槽内のプロトン発生量を測定する工程と、
(e)測定したプロトン発生量に基づいて、各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程と、を含む標的生体分子の検出方法である。
また、本発明の一実施態様は、複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化されており、前記第2のリガンドは、光切断部位、1本鎖核酸切断酵素切断部位又は前記第2のリガンドに含まれる核酸と相補的な配列を有する核酸を介して固定化されている反応槽を複数備える、標的生体分子検出用基板である。
また、本発明の一実施態様は複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化されており、前記第2のリガンドは、光切断部位、1本鎖核酸切断酵素切断部位又は前記第2の核酸に含まれる核酸と相補的な配列を有する核酸を介して固定化されている複数の反応槽と、前記反応槽内での核酸増幅反応によって生じるプロトンを前記反応槽毎に検出する検出部と、前記検出部が検出する前記反応槽毎のプロトンの発生量に基づいて、前記反応槽内における核酸増幅の有無を前記反応槽毎に判定する核酸増幅判定部と、を備える標的生体分子検出装置である。
第1実施形態における反応槽配置基板の一例を示す模式図である。 第1実施形態における標的核酸用プライマーの反応槽への固定化の一例を示す模式図である。 核酸伸長反応におけるプロトン放出の模式図である。 本実施形態におけるセンサの一例を示す模式図である。 本実施形態における標的核酸配列検出装置の構成の一例を示す図である。 本実施形態における核酸配列記憶部の構成の一例を示す図である。 第2実施形態における標的抗原検出用抗体の反応槽への固定化の一例を示す模式図である。 第2実施形態における抗原記憶部の構成の一例を示す図である。
本実施形態の標的生体分子の検出方法は、
(a)生体分子を含む試料を、複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、前記第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化された、複数の反応槽に分配する工程と、
(b)前記反応槽内に固定化された前記第2のリガンドを、前記反応槽内の液中に遊離させる工程と、
(c)前記反応槽内で核酸増幅反応を行う工程と、
(d)前記核酸増幅反応中の各反応槽内のプロトン発生量を測定する工程と、
(e)測定したプロトン発生量に基づいて、前記各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程と、を含む。
<第1実施形態>
一例として、本実施形態の方法における標的生体分子は、所望の標的核酸配列を有する核酸である。また、第1のリガンドと第2のリガンドは、当該標的核酸配列にアニーリングし得るプライマー(以下「標的核酸用プライマー」という)である。本実施形態においては、標的生体分子が核酸である場合について説明する。
本実施形態の標的核酸配列の検出方法は、(a1)核酸を含む試料を、複数の標的核酸配列の1つにアニーリングし得る第1の標的核酸用プライマーと、前記第1のプライマーと同じ標的核酸配列にアニーリングし得る第2の標的核酸用プライマーとが固定化された、複数の反応槽に分配する工程と、(b1)反応槽内に固定化された前記第2の標的核酸用プライマーを、反応槽内の液中に遊離させる工程と、(c1)反応槽内で核酸増幅反応を行う工程と、(d1)核酸増幅反応中の各反応槽内のプロトン発生量を測定する工程と、(e1)測定したプロトン発生量に基づいて、各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程と、の各工程を有する。以下、各工程について説明する。
[反応槽への試料の分配]
工程(a1)は、核酸を含む試料を、複数の標的核酸配列の1つにアニーリングし得る第1の標的核酸用プライマーと、前記第1の標的核酸用プライマーと同じ標的核酸配列にアニーリングし得る第2の標的核酸用プライマーとが固定化された、複数の反応槽に分配する工程である。本実施形態の工程(a1)を、図1を参照して、説明する。図1中、20は反応槽配置基板であり、21は反応槽である。この一例においては、反応槽配置基板20は、m×n個(m、nはいずれも自然数。)の反応槽21を備える。この反応槽21をウエルWともいう。
また、反応槽21は、水素濃度を検知するためのセンサ30を備えている。反応槽21のうち、例えば、ウエルW11は、センサ30−11を備える。ウエルWmnは、センサ30−mnを備える。一例として、センサ30は、反応槽21の底面に配設される。センサ30の配設位置は、これに限るものではない。また、一例として、センサ30は、イオン感応性電界効果トランジスタ(Ion Sensitive Field Effect Transistor;ISFET)である。
本実施形態において、反応槽配置基板20の材質は、特に限定されないが、ガラス、シリコン、ポリマー等とすることができる。なお、反応槽配置基板20にエラストラマー材料を用いる場合、微小なゴミなどの粒子が反応槽21と反応槽配置基板20との間に挟まれたときに生じる反応槽21全体の反応槽配置基板20との密着性に及ぼす悪影響がエラストラマーの局所的な変形により回避される利点がある。
反応槽配置基板20には、複数の反応槽21が配設されている。配設される反応槽21の数は、標的核酸配列の数に合わせて適宜設定することができる。反応槽21の容量は、特に限定されないが、例えば、1pL〜100μLとすることができる。なお、反応槽配置基板20の表面や反応槽21の内壁は、核酸等の非特異的吸着を防止するブロッキング剤、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)や2−メテクリオイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)等でコーティングされていてもよい。このようなコーティングが施してあることで、反応槽配置基板20の表面や反応槽21の内壁への核酸の非特異的吸着を抑制することができる。また、一例として、反応槽21の内壁は、親水化されている。内壁が親水化されていることにより、試料を各反応槽21に分配する際に、反応槽21内部への試料の充填効率が向上する。
各反応槽21には、反応槽21毎に異なる標的核酸配列にアニーリングし得る第1の標的核酸用プライマー2Fと第2の標的核酸用プライマー2Rが固定化されている。なお、図1では、第1の標的核酸用プライマー2Fと第2の標的核酸用プライマー2Rとを合わせて「標的核酸用プライマー2」として表している。以下、第1の標的核酸用プライマー2Fと第2の標的核酸用プライマー2Rとを合わせて、「標的核酸用プライマー2」と表現する場合がある。
標的核酸用プライマー2は、目的とする標的核酸配列にアニーリングし得る配列を有する。一例として、標的核酸用プライマー2は、標的核酸配列の一部に相補的な配列を有する核酸である。標的核酸用プライマー2は、標的核酸配列にアニーリングし、標的核酸配列を鋳型とした核酸伸長反応を誘導する。一例として、標的核酸用プライマー2は、DNAである。標的核酸用プライマー2の配列は、目的とする標的核酸配列に応じて、適宜選択することができる。本実施形態においては、個々の反応槽21には、それぞれ異なる配列を有する標的核酸用プライマー2が固定化されている。
反応槽21のうち、例えば、ウエルW11には、標的核酸用プライマー2−11が固定化されている。ウエルWmnには、ビーズ体100−mnが固定化されている。ウエルW1〜Wmnには、それぞれ異なる標的核酸配列を増幅し得る標的核酸用プライマー2が固定化されている。なお、本明細書において、「標的核酸用プライマー」とは、所定の標的核酸配列を増幅するために必要な全てのプライマーのセットをいう。すなわち、PCR法により、標的核酸配列の増幅反応を行う場合には、当該標的核酸配列に特異的なフォワードプライマーとリバースプライマーのセットが、「標的核酸用プライマー」である。また、例えば、LAMP法により核酸増幅を行う場合には、標的核酸配列の6つの領域に対して設定される4種類のプライマーのセットが、「標的核酸用プライマー」である。「第1の標的核酸用プライマー」は、標的核酸用プライマーのうち、フォワードプライマー若しくはフォワードプライマーのセット、又はリバースプライマー若しくはリバースプライマーのセットである。また、「第2の標的核酸用プライマー」は、第1の標的核酸用プライマーの対となるプライマー又はプライマーのセットをいう。すなわち、第1の標的核酸用プライマーがフォワードプライマー又はフォワードプライマーのセットである場合、第2の標的核酸用プライマーは、リバースプライマー又はリバースプライマーのセットである。第1の標的核酸用プライマーがリバースプライマー又はリバースプライマーのセットである場合、第2の標的核酸用プライマーは、フォワードプライマー又はフォワードプライマーのセットである。
標的核酸用プライマー2の反応槽21への固定化は、リソグラフィー技術やスポッティング技術を用いて行うことができる。また、例えば、金ナノ粒子や銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を用いた導電性インクに標的核酸用プライマー2を混合し、プリンティング技術を用いて反応槽21に標的核酸用プライマー2を固定化してもよい。標的核酸用プライマー2は、反応槽21の底面に固定化されていてもよく、壁面に固定化されていてもよい。なお、本明細書において、反応槽21の「内壁」とは、反応槽21の内部に面する底面及び壁面の両方をさす。
本実施形態においては、第2の標的核酸用プライマー2Rは、刺激により、反応槽21の内壁から遊離して、反応槽21内の液中に放出されるように、反応槽21の内壁に固定かされている。一例として、第2の標的核酸用プライマー2Rは、光や熱等の物理的刺激を与えることにより、反応槽21内部の液中に遊離する。また、一例として、第2の標的核酸用プライマー2Rは、1本鎖核酸切断酵素等の化学的刺激を与えることにより、反応槽21内部の液中に遊離する。
図2に例示するように、反応槽21には、第1の標的核酸用プライマー2Fと、第2の標的核酸用プライマー2Rとが固定化されている。図2(a)、(b)の例では、第1の標的核酸用プライマー2F及び第2の標的核酸用プライマー2Rは、切断部位50を介して反応槽21の内壁に固定化されている。なお、切断部位50は、第1の標的核酸用プライマー2F及び第2の標的核酸用プライマー2Rの両方にあってもよい。また、切断部位50は、第2の標的核酸用プライマーのみにあってもよい。図2(a)は、切断部位50が、第1の標的核酸用プライマー2F及び第2の標的核酸用プライマー2Rの両方にある例であり、図2(b)は、切断部位50が、第2の標的核酸用プライマー2Rのみにある例である。
切断部位50は、刺激を与えることによって切断される部位である。そのような切断部位の例としては、光切断部位や1本鎖核核酸切断酵素切断部位等が挙げられる。
光切断部位とは、紫外線などの光を照射すると切断される性質を有する基をいい、かかる基を用いたものとしては、例えば、PC Linker Phosphoramidite(Glen research社)、フラーレンを含有してなる核酸の光切断用組成物(核酸の光切断用組成物:特開2005−245223)、特許文献1に記載のものなどを挙げることができる。光切断部位としては、当技術分野において市販されているか、または知られているいずれの基を用いてもよい。例えば、ニトロベンジル基なども好適に用いることができる。
また、1本鎖核酸切断酵素切断部位とは、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼなどの1本鎖核酸切断酵素により切断されることができる核酸基をいい、ヌクレオチドおよびその誘導体が含まれる。そのような核酸基としては、例えば、エンドヌクレアーゼVに認識されるデオキシイオシンなどを挙げることができる。
あるいは、第2の標的核酸用プライマー2Rは、その配列に相補的な配列を有する固定化用配列51を介して反応槽21に固定化してもよい。図2(c)は、第2の標的核酸用プライマー2Rを、固定化用配列51を介して、反応槽21に固定化した例である。固定化用配列51は、第2の標的核酸用プライマー2Rの少なくとも一部に相補的な配列を有する核酸であり、反応槽21の内壁に固定化されている。第2の標的核酸用プライマーは、固定化用配列51にハイブリダイズすることにより、反応槽21の内壁に固定化される。この場合、反応槽21内の温度を固定化用配列51の融解温度以上に上昇させることにより、第2の標的核酸用プライマー2Rは、固定化用配列51から遊離する。なお、第1の標的核酸用プライマーも、その配列に相補的な配列を有する固定化用配列51を介して反応槽21に固定化されていてもよい。
なお、図2では、第1の標的核酸用プライマー2F及び第2の標的核酸用プライマー2Rは、それぞれ1分子ずつしか反応槽21に固定化されていないが、第1の標的核酸用プライマー2F及び第2の標的核酸用プライマー2Rは、複数分子が反応槽21に固定化されていてもよい。反応槽21の容量に応じて、適切な数の第1の標的核酸用プライマー2F及び第2の標的核酸用プライマー2Rを反応槽21に固定化することができる。
また、LAMP法などの等温増幅法により標的核酸配列の増幅反応を行う場合、標的核酸配列の増幅反応に必要な全てのプライマーのセットが反応槽21に固定化される。例えば、LAMP法の例では、フォワードプライマー2種類とリバースプライマー2種類の4種類のプライマーが反応槽21に固定化される。この場合、これらのプライマーの少なくとも1種が、刺激により、反応槽21内の液中に遊離するように、反応槽21に固定化される。例えば、切断部位50又は固定化用配列51を介して、反応槽21に固定化される。一例として、1種のフォワードプライマーを除く3種類のプライマーが、切断部位50又は固定化用配列51を介して、反応槽21に固定化される。また、他の例として、4種類全てのプライマーが、切断部位50又は固定化用配列51を介して、反応槽21に固定化される。
本工程では、核酸を含む試料が、各反応槽21に分配される。本実施形態において、核酸を含む試料は、特に限定されず、例えば、生体サンプルや環境サンプルからの核酸抽出物等を含む試料等を使用することができる。一例として、試料に含まれる核酸は、DNAである。DNAの例としては、cDNAやゲノムDNAを挙げることができる。試料に含まれる核酸は、DNAに限定されず、RNAや修飾核酸であってもよい。
反応槽21に、試料を分配する方法は、特に限定されず、例えば、核酸を含む試料を、反応槽配置基板20上に滴下し、撹拌、振盪、遠心分離等の手段により、試料を反応槽21に誘導してもよい。あるいは、試料に反応槽配置基板20を浸漬し、撹拌、振盪、遠心分離等の手段を用いてもよい。
一例として、反応槽21に試料を分配した後、反応槽21は、標的核酸用プライマー2が標的核酸配列にアニーリングし得る条件に置かれる。アニーリング条件は、標的核酸用プライマー2の配列に応じて、適宜設定することができる。
[標的核酸用プライマーの遊離]
工程(b1)は、反応槽内に固定化された第2の標的核酸用プライマーを、反応槽内の液中に遊離させる工程である。
上記のように、第2の標的核酸用プライマー2Rは、刺激により、反応槽21内の液中に遊離するように、反応槽21に固定化されている。本工程では、第2の標的核酸用プライマーの固定化様式に応じた刺激を与えることにより、第2の標的核酸用プライマー2Rを、反応槽21内の液中に遊離させる。
例えば、標的核酸用プライマー2が、図2(a)及び(b)に示すように、切断部位50を介して反応槽21に固定化されている場合には、切断部位50の種類に応じた刺激を与えることにより、標的核酸用プライマー2を反応槽21の内壁から切断し、反応槽21内の液中に遊離させることができる。一例として、切断部位50が光切断部位である場合には、紫外線などの光を照射することにより、標的核酸用プライマー2を遊離させることができる。光刺激の種類は、光切断部位の種類に応じて、適宜選択すればよい。また、切断部位50が1本鎖核酸切断酵素切断部位である場合には、デオキシリボヌクレアーゼやリボヌクレアーゼなどの1本鎖核酸切断酵素を添加することにより、標的核酸用プライマー2を遊離させることができる。
一方、標的核酸用プライマー2が、図2(c)に示すように、固定化用配列51を介して反応槽21に固定化されている場合には、反応槽21内の温度を上昇させることにより、標的核酸用プライマー2を遊離させることができる。一例として、温度を、固定化用配列51の融解温度以上に上昇させる。各反応槽21に使用される固定化用配列51の配列に応じて、各反応槽21の温度を個別に制御してもよく、全ての反応槽21の温度を下限温度以上の同じ温度に制御してもよい。
[核酸増幅反応]
工程(c1)は、反応槽内で核酸増幅反応を行う工程である。
核酸増幅反応は、DNAポリメラーゼ等を用いた公知の方法により行うことができる。核酸増幅反応を行う際には、核酸増幅反応に必要な試薬を、反応槽21に添加する。核酸増幅反応に必要な試薬としては、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、鎖置換型DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオシド三リン酸、適切なバッファ等が挙げられる。これらの試薬の一部は、試料を反応槽21に分配する前に、試料に添加するようにしてもよい。また、DNAポリメラーゼなどは、あらかじめ反応槽21の内壁に結合させておいてもよい。
核酸増幅反応は、公知の方法で行うことができる。一例として、核酸増幅反応には、PCR法を用いる。また、他の例として、LAMP法などの等温増幅法を用いる。核酸増幅反応の条件は、使用する方法に応じて、適宜設定することができる。
本実施形態においては、上記工程(b1)により、標的核酸用プライマー2の少なくとも一部が、反応槽21内の液中に遊離している。例えば、図2(a)の例では、第1の標的核酸用プライマー2Fと第2の標的核酸用プライマー2Rの両方が、反応槽21内の液中に遊離しており、図2(b)及び図2(c)の例では、第2の標的核酸用プライマー2Rが反応槽21内の液中に遊離している。このように、本実施形態においては、プライマーの一部が反応槽21内の反応液中に遊離しているため、全てのプライマーが反応槽21の内壁に固定されている場合よりも、プライマーと鋳型核酸配列とのアニーリング効率が高くなる。そのため、効率よく標的核酸配列を増幅することができる。このような効率的な核酸増幅により、より短時間で核酸増幅反応を終了することが可能となる。
[プロトン発生量の測定]
工程(d1)は、核酸増幅反応の各反応槽におけるプロトン発生量を測定する工程である。
まず、図3を参照して、核酸伸長反応におけるプロトンの発生について説明する。図3中、B1〜B4は、塩基を示す。図3は、B1−B2−B3の塩基配列を有する核酸に、塩基B4を有するデオキシヌクレオシド三リン酸が結合して、B1−B2−B3―B4の塩基配列を有する核酸が生成する例である。図3に示すように、B1−B2−B3の塩基配列を有する核酸から、1塩基伸長して、B1−B2−B3―B4の塩基配列を有する核酸が生成する際には、1分子のプロトンとピロリン酸が放出される。すなわち、核酸伸長反応によって核酸が1塩基伸長すると、1分子のプロトンが発生する。したがって、核酸伸長反応中、各反応槽21中のプロトン発生量を測定することにより、核酸伸長が生じたか否か反応槽21毎に判定することができる。本工程において測定されたプロトン発生量は、後述の工程(e1)における核酸伸長の有無の判定に供される。
反応槽21内のプロトン発生量の変化は、センサ30によって検出される。一例として、センサ30は、ISFETである。本実施形態に使用可能なISFETとしては、例えば、国際公開公報WO2008/107014号に記載のもの等を挙げることができる。
センサ30がISFETである場合の、プロトン発生量の測定例について説明する。図4に、各反応槽21に備えられるセンサ30の構成を示す。センサ30は、ゲート絶縁膜GIFと、N型半導体SN(ソースsrc)と、ソース端子TSと、N型半導体SN(ドレインdrn)と、ドレイン端子TDと、P型半導体SPと、参照電極ERと、ゲート電源VGと、バイアス電源VBと、電流検出器CDとを備える。これら各部の構成については、既知のISFETと同様であるため、説明を省略する。センサ30は、溶液とゲート絶縁膜GIFとの間に発生する界面電位に応じた電流値のドレイン電流を電流検出器CDによって検出することにより、プロトン発生量を測定する。
[核酸増幅の有無の判定]
工程(e1)は、測定された前記プロトン発生量に基づいて、各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程である。
センサ30による反応槽21内のプロトン発生量の測定値が上昇したか否かに基づいて、反応槽21内での核酸増幅の有無を判定する。反応槽21内のプロトン発生量が上昇した場合には、核酸増幅が生じたと判定され、反応槽21内のプロトン発生量の上昇が検出されない場合には、核酸増幅が生じていないと判定される。
本実施形態においては、反応槽21毎に配置されたセンサ30によって、個々の反応槽21内のプロトン発生量を検出し、反応槽21毎に、核酸増幅の有無を判定する。
本実施形態においては、各反応槽21に固定化された標的核酸用プライマー2の配列は、予め特定されている。したがって、核酸増幅有と判定された反応槽21の位置情報と、標的核酸用プライマー2の位置情報とを照合することにより、核酸増幅のあった反応槽21に固定化された標的核酸用プライマー2の配列を特定することができる。これにより、試料中に含まれる標的核酸配列の種類を特定することができる。
本実施形態の方法によれば、核酸を含む試料において、複数の標的核酸配列を短時間で効率よく検出することができる。
本実施形態の方法は、感染症の原因となる病原体遺伝子の検出・同定や癌などの疾患関連遺伝子の検出・同定、疾患関連遺伝子の発現解析等に利用することができ、感染症や癌などの疾患の診断、治療効果のモニタリング等に有用である。
<第2実施形態>
一例として、本実施形態の方法における標的生体分子は、所望のタンパク質である。また、標的生体分子と結合し得るリガンドは、当該タンパク質に結合し得る抗体(以下「標的抗原検出用抗体」という)である。本実施形態においては、標的生体分子がタンパク質である場合について説明する。
本実施形態の方法は、(a2)タンパク質を含む試料を、複数の標的タンパク質の1つに結合し得る第1の標的抗原検出用抗体と、核酸が結合されており、かつ第1の標的抗原検出用抗体と同じ標的タンパク質に結合し得る第2の標的抗原検出用抗体とが固定化された、複数の反応槽に分配する工程と、(b2)前記反応槽内に固定化された前記第2の標的抗原検出用抗体を、前記反応槽内の液中に遊離させる工程と、(c2)前記反応槽内で核酸増幅反応を行う工程と、(d2)前記核酸増幅反応中の各反応槽内のプロトン発生量を測定する工程と、(e2)測定したプロトン発生量に基づいて、前記各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程と、の各工程を有する。
以下、各工程について説明する。
[反応槽への試料の分配]
工程(a2)は、タンパク質を含む試料を、複数の標的タンパク質の1つに結合し得る第1の標的抗原検出用抗体(以下「一次抗体」という)と、核酸が結合されており、かつ前記第1の標的抗原検出用抗体と同じ標的タンパク質に結合し得る第2の標的抗原検出用抗体(以下「二次抗体」という)とが固定化された、複数の反応槽に分配する工程である。
本実施形態においては、図7に例示するように、第1実施形態の標的核酸用プライマー2に替り、一次抗体5と、シグナル生成用核酸310が結合された二次抗体301とが、反応槽21に固定化されている。一次抗体5は、目的とする標的タンパク質に特異的に結合し得る抗体である。一次抗体5は、公知の抗体取得方法により、得ることができる。また、一次抗体5は、どのような動物由来のものであってもよい。マウス抗体、ニワトリ抗体、ウサギ抗体等、当技術分野で一般的に用いられる抗体を使用することができる。また、一次抗体5は、キメラ抗体、ヒト化抗体等の組み換え抗体であってもよい。また、一次抗体5は、Fab断片、F(ab’)断片、Fv断片、一本鎖抗体等の抗体断片であってもよい。本明細書において、「抗体」という用語は、抗原に対する特異性及び結合性が維持されるこれらの抗体断片を包含する。
本実施形態においては、図7に示すように、反応槽21には、一次抗体5に加えて、シグナル生成用核酸310が結合された二次抗体301が固定化されている。二次抗体301は、標的タンパク質400に特異的に結合し得る抗体である。二次抗体301は、一次抗体5と同じ抗体であってもよく、違う抗体であってもよい。一例として、二次抗体301は、一次抗体5と同一のタンパク質に結合し、異なるエピトープを有する抗体である。
二次抗体301には、一例として、図7に示すように、シグナル生成用核酸310が結合されている。二次抗体301とシグナル生成用核酸310との結合は、一例として、アビジン-ビオチン結合を利用して行うことができる。
シグナル生成用核酸310は、一例として、図7に示すように、プライマーアニーリング領域311とシグナル生成用配列312とを含む。プライマーアニーリング領域311は、シグナル生成用核酸310の3’側に位置している。シグナル生成用核酸310は、一例として、複数の反応槽に固定された全ての種類の二次抗体に対して、同じ配列であることができる。また、シグナル生成用核酸310は、一例として、プライマーアニーリング領域311が、複数の反応槽に固定された全ての種類の二次抗体に対して、同じ配列である。シグナル生成用核酸310の配列は、特に限定されず、適宜選択することができる。なお、図7において、300は、二次抗体301にシグナル生成用核酸310を結合させた複合体プローブを示す。
一次抗体5及び複合体プローブ300の反応槽21への固定は、リソグラフィー技術やスポッティング技術を用いて行うことができる。また、例えば、金ナノ粒子や銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を用いた導電性インクに標的核酸用プライマー2を混合し、プリンティング技術を用いて、反応槽21に一次抗体5及び複合体プローブ300を固定化してもよい。
なお、図7では、一次抗体5及び複合体プローブ300は、それぞれ1分子ずつしか反応槽21に固定化されていないが、一次抗体5及び複合体プローブ300は、複数分子が反応槽21に固定化されていてもよい。反応槽21の容量に応じて、適切な数の一次抗体5及び複合体プローブ300が反応槽21に固定化されていればよい。なお、反応槽21に対して、2分子以上の一次抗体5及び複合体プローブ300を固定化する場合、1つの反応槽21に固定化される一次抗体5及び複合体プローブ300は、全て同一のタンパク質を標的とする。
複合体プローブ300は、刺激により、反応槽21内の液中に遊離するように、反応槽21に固定化されている。例えば、複合体プローブ300は、切断部位50又は固定化用配列51を介して、反応槽21の内壁に固定化されている。
図7(a)の例では、複合体プローブ300が、切断部位50を介して反応槽21の内壁に固定化されている。切断部位50は、刺激を加えることによって切断される部位である。切断部位50としては、第1実施形態と同様に、光切断部位や1本鎖核核酸切断酵素切断部位等が挙げられる。切断部位50については、第1実施形態と同様である。
また、図7(b)の例では、複合体プローブ300は、固定化用配列51を介して、反応槽21に固定化されている。固定化用配列51は、シグナル生成用核酸310の少なくとも一部に相補的な配列を有する核酸である。この場合、反応槽21内の温度を固定化用配列51の融解温度以上に上昇させることにより、複合体プローブ300は、固定化用配列51から遊離する。固定化用配列51についても、第1実施例と同様である。
その他の反応槽の構成は第1実施形態と同様とすることができる。また、タンパク質を含む試料の反応槽への分配も、第1実施形態における核酸を含む試料の反応槽への分配と同様に行うことができる。
本実施形態において、試料はタンパク質を含む試料である。タンパク質を含む試料は、特に限定されず、例えば、生体サンプルや環境サンプルからのタンパク質抽出物等を含む試料等を使用することができる。試料に含まれるタンパク質は、天然タンパク質に限定されず、修飾タンパク質や組み換えタンパク質等であってもよい。
[複合体プローブの遊離]
工程(b2)は、反応槽内に固定化された複合体プローブ300を、反応槽内の液中に遊離させる工程である。
複合体プローブ300の遊離は、第1実施形態における第2の標的核酸用プライマー2Rの遊離と同様に行うことができる。
一例として、複合体プローブ300を遊離させた後、反応槽21は、一次抗体5及び二次抗体301が標的タンパク質に結合し得る条件に置かれる。結合条件は、一次抗体5及び二次抗体301の種類等に応じて、適宜設定することができる。
一例として、上記結合反応後、反応槽21を洗浄することにより、標的抗原タンパク質に結合していない複合体プローブ300を反応槽21から除去することができる。
[核酸増幅反応]
工程(c2)は、反応槽内で核酸増幅反応を行う工程である。
核酸増幅反応は、第1実施形態の工程(c1)と同様に行うことができる。ただし、本実施形態においては、第1実施形態で用いた試薬に加えて、シグナル生成用プライマー320を反応槽21に添加する。シグナル生成用プライマー320は、シグナル生成用核酸310のプライマーアニーリング領域311に相補的な配列を有し、プライマーアニーリング領域311にアニーリングする。一例として、シグナル生成用プライマー320は、フォワードプライマーとリバースプライマーの両方を添加してもよい。
本工程では、図7に示すように、シグナル生成用配列312を鋳型とする核酸伸長反応が起こる。第1実施形態と同様に、一次抗体5に標的タンパク質400が結合していない場合には、核酸伸長反応は起こらない。
[プロトン発生量の測定]
工程(d2)は、核酸増幅反応の各反応槽におけるプロトン発生量を測定する工程である。本工程は、第1実施形態の工程(d1)と同様に行うことができる。
[核酸増幅の有無の判定]
工程(e2)は、測定された前記プロトン発生量に基づいて、各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程である。本工程は、第1実施形態の工程(e2)と同様に行うことができる。
本実施形態においては、各反応槽21に固定化された一次抗体5は、予め特定されている。したがって、核酸増幅有と判定された反応槽21の位置情報と、一次抗体5の位置情報とを照合することにより、核酸増幅のあった反応槽21に固定化された一次抗体5の標的タンパク質を特定することができる。これにより、試料中に含まれる標的タンパク質の種類を特定することができる。
本実施形態の方法によれば、タンパク質を含む試料において、複数の標的タンパク質を短時間で効率よく検出することができる。
本実施形態の方法は、感染症の原因となる病原体抗原の検出・同定や癌などの疾患関連遺伝子の検出・同定、疾患関連遺伝子の発現解析等に利用することができ、感染症や癌などの疾患の診断、治療効果のモニタリング等に有用である。
<標的生体分子特定装置>
[標的核酸配列検出装置の構成例]
上述した第1実施形態の方法を実現する標的核酸配列検出装置200の構成の一例について、図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態における標的核酸配列検出装置200の構成の一例を示す図である。標的核酸配列検出装置200は、反応槽配置基板20と、演算装置210とを備える。
反応槽配置基板20は、反応槽21と、センサ30とをそれぞれ複数備える。1つの反応槽21には、所定の標的核酸用プライマー2が切断部位50又は固定化用配列51を介して固定化される。
演算装置210は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備えており、その機能部としての核酸増幅判定部211を備えている。
核酸増幅判定部211は、センサ30が検出する反応槽21毎のプロトンの発生量に基づいて、反応槽21内における核酸増幅の有無を反応槽21毎に判定する。具体的には、核酸増幅判定部211は、センサ30の出力電流値と、プロトンの発生量との対応を示す情報を予め有している。核酸増幅判定部211は、センサ30の出力電流値を取得し、取得した出力電流値に基づいて、プロトンの発生量を推定する。核酸増幅判定部211は、推定したプロトンの発生量に基づいて、核酸増幅の有無を判定する。ここで、センサ30は反応槽21毎に備えられている。核酸増幅判定部211は、反応槽21毎にセンサ30の出力電流値を取得することにより、核酸増幅の有無を反応槽21毎に判定する。
本実施形態の標的核酸配列検出装置200によれば、複数の標的核酸配列について、核酸増幅の有無を複数の反応槽21において同時に検出することができる。すなわち、本実施形態の標的核酸配列検出装置200によれば、核酸を含む試料において、複数の標的核酸配列の有無を効率よく検出することができる。
なお、演算装置210は、その機能部としての標的核酸配列特定部212と、核酸配列記憶部213とを更に備えていてもよい。上述した標的核酸用プライマー2の配列情報と、反応槽21との対応関係は、演算装置210が備える核酸配列記憶部213に記憶されている。この核酸配列記憶部213の構成の具体例について、図5を参照して説明する。
図6は、本実施形態における核酸配列記憶部213の構成の一例を示す図である。核酸配列記憶部213には、反応槽IDと、標的核酸用プライマー2の配列を示す情報とが、互いに対応付けられて記憶されている。ここで、反応槽IDとは、反応槽21の位置を識別する情報である。反応槽IDと、当該反応槽IDが示す反応槽21に備えられるセンサ30とが互いに対応づけられている。例えば、反応槽ID(W11)は、ウエルW11に備えられるセンサ30−11に対応付けられている。
標的核酸配列特定部212は、核酸増幅有と判定する反応槽21の反応槽IDに基づいて、当該反応槽21に固定化された標的核酸用プライマー2の配列を特定する。具体的には、標的核酸配列特定部212は、核酸増幅有と判定する反応槽21の反応槽IDが(W11)である場合には、標的核酸用プライマー配列Aを標的核酸用プライマー2の配列として特定する。
本実施形態の標的核酸配列検出装置200によれば、核酸を含む試料において、核酸増幅有又は核酸増幅無と判定された標的核酸配列を、複数の反応槽21において同時に検出することができる。すなわち、本実施形態の標的核酸配列検出装置200によれば、核酸を含む試料において、複数の標的核酸配列を効率よく検出することができる。
本実施形態の標的核酸配列検出装置200は、感染症の原因となる病原体遺伝子の検出・同定や癌などの疾患関連遺伝子の検出・同定、疾患関連遺伝子の発現解析等に利用することができ、感染症や癌などの疾患の診断、治療効果のモニタリング等に有用である。
なお、本実施形態の標的核酸配列検出装置200の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上述した種々の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
[標的タンパク質特定装置の構成例]
上述した第2実施形態の方法を実現する標的タンパク質検出装置の構成は、上述の標的核酸配列検出装置200において、核酸配列記憶部213に替えて抗原記憶部214、標的核酸配列特定部212に替えて標的タンパク質特定部を備えたものとすることができる。図8は、抗原記憶部214の構成の一例を示す図である。抗原記憶部214には、反応槽IDと、一次抗体5の抗原を示す情報とが、互いに対応付けられて記憶されている。
本実施形態の標的核タンパク質検出装置によれば、タンパク質を含む試料において、核酸増幅有又は核酸増幅無と判定された反応槽21における一次抗体5の標的タンパク質を、複数の反応槽21において同時に検出することができる。すなわち、本実施形態の標的タンパク質検出装置によれば、タンパク質を含む試料において、複数の標的タンパク質を効率よく検出することができる。
本実施形態の標的タンパク質検出装置は、感染症の原因となる病原体抗原の検出・同定や癌などの疾患関連遺伝子の検出・同定、疾患関連遺伝子の発現解析等に利用することができ、感染症や癌などの疾患の診断、治療効果のモニタリング等に有用である。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
2…標的核酸用プライマー、5…一次抗体、20…反応槽配置基板、21…反応槽、30…センサ、50…切断部位、51…固定化用配列、200…標的核酸配列検出装置、211…核酸増幅判定部、212…標的核酸配列特定部、213…核酸配列記憶部、214…抗原記憶部、300…複合体プローブ、301…二次抗体、310…シグナル生成用核酸、311…プライマーアニーリング領域、312…シグナル生成用配列、320…シグナル生成用プライマー、400…標的タンパク質

Claims (10)

  1. 標的生体分子の検出方法であって、
    (a)生体分子を含む試料を、複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、前記第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化された、複数の反応槽に分配する工程と、
    (b)前記反応槽内に固定化された前記第2のリガンドを、前記反応槽内の液中に遊離させる工程と、
    (c)前記反応槽内で核酸増幅反応を行う工程と、
    (d)前記核酸増幅反応中の各反応槽内のプロトン発生量を測定する工程と、
    (e)測定したプロトン発生量に基づいて、前記各反応槽内における核酸増幅の有無を判定する工程と、
    を含む、標的生体分子の検出方法。
  2. 前記第2のリガンドは、前記反応槽に固定化される側に光切断部位を有し、
    前記前記第2のリガンドの遊離が、前記反応槽に対する光照射により行われることを特徴とする、請求項1に記載の標的生体分子の検出方法。
  3. 前記第2のリガンドは、前記反応槽に固定化される側に1本鎖核酸切断酵素切断部位を有し、
    前記第2のリガンドの遊離が、前記反応槽に対する1本鎖核酸切断酵素の添加により行われることを特徴とする、請求項1に記載の標的生体分子の検出方法。
  4. 前記第2のリガンドが、前記第2のリガンドに含まれる核酸と相補的な配列を有する核酸を介して、前記反応槽内に固定化されており、
    前記第2のリガンドの遊離が、前記反応槽内の温度を上昇させることにより行われることを特徴とする、請求項1に記載の標的生体分子の検出方法。
  5. 前記標的生体分子が核酸であり、前記第1のリガンドと前記第2のリガンドとが、前記標的生体分子である核酸にアニーリングし得るプライマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の標的生体分子の検出方法。
  6. 前記標的生体分子がタンパク質であり、前記第1のリガンドと前記第2のリガンドが、前記標的生体分子であるタンパク質に結合し得る抗体を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の標的生体分子の検出方法。
  7. 前記工程(c)の核酸増幅反応が、PCR法又は等温増幅法により行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の標的生体分子の検出方法。
  8. 前記工程(d)のプロトン発生量の測定が、ISFETにより行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の標的生体分子の検出方法。
  9. 複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化されており、前記第2のリガンドは、光切断部位、1本鎖核酸切断酵素切断部位又は前記第2のリガンドに含まれる核酸と相補的な配列を有する核酸を介して固定化されている反応槽を複数備える、標的生体分子検出用基板。
  10. 複数の標的生体分子の1つに結合し得る第1のリガンドと、少なくとも1部に核酸を含み、第1の生体分子と同じ標的生体分子に結合し得る第2のリガンドとが固定化されており、前記第2のリガンドは、光切断部位、1本鎖核酸切断酵素切断部位又は前記第2の核酸に含まれる核酸と相補的な配列を有する核酸を介して固定化されている、複数の反応槽と、
    前記反応槽内での核酸増幅反応によって生じるプロトンを前記反応槽毎に検出する検出部と、
    前記検出部が検出する前記反応槽毎のプロトンの発生量に基づいて、前記反応槽内における核酸増幅の有無を前記反応槽毎に判定する核酸増幅判定部と、
    を備える標的生体分子検出装置。
JP2016104292A 2016-05-25 2016-05-25 標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置 Pending JP2017209051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016104292A JP2017209051A (ja) 2016-05-25 2016-05-25 標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016104292A JP2017209051A (ja) 2016-05-25 2016-05-25 標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017209051A true JP2017209051A (ja) 2017-11-30

Family

ID=60474185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016104292A Pending JP2017209051A (ja) 2016-05-25 2016-05-25 標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017209051A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024004917A1 (ja) * 2022-06-28 2024-01-04 京セラ株式会社 検出システム、カートリッジ、検出方法、核酸プローブの製造方法およびバイオセンサの製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519914A (ja) * 2007-03-02 2010-06-10 ディ・エヌ・エイ・エレクトロニクス・リミテッド 固相pH検出を用いたqPCR
JP2010193884A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 F Hoffmann La Roche Ag 小型化ハイスループット核酸分析
JP2014503207A (ja) * 2010-12-17 2014-02-13 ライフ テクノロジーズ コーポレーション 核酸増幅のための方法、組成物、システム、装置およびキット
WO2015162301A2 (en) * 2014-04-25 2015-10-29 Dna Electronics Ltd Nucleic acid test system, apparatus and method
WO2016075204A1 (en) * 2014-11-11 2016-05-19 Illumina, Inc. Methods and arrays for producing and sequencing monoclonal clusters of nucleic acid

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519914A (ja) * 2007-03-02 2010-06-10 ディ・エヌ・エイ・エレクトロニクス・リミテッド 固相pH検出を用いたqPCR
JP2010193884A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 F Hoffmann La Roche Ag 小型化ハイスループット核酸分析
JP2014503207A (ja) * 2010-12-17 2014-02-13 ライフ テクノロジーズ コーポレーション 核酸増幅のための方法、組成物、システム、装置およびキット
WO2015162301A2 (en) * 2014-04-25 2015-10-29 Dna Electronics Ltd Nucleic acid test system, apparatus and method
WO2016075204A1 (en) * 2014-11-11 2016-05-19 Illumina, Inc. Methods and arrays for producing and sequencing monoclonal clusters of nucleic acid

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024004917A1 (ja) * 2022-06-28 2024-01-04 京セラ株式会社 検出システム、カートリッジ、検出方法、核酸プローブの製造方法およびバイオセンサの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107003295B (zh) 测定分析物电荷的设备和方法
JP2021508885A (ja) タンパク質同定のためのデコーディングアプローチ方法
CN104040358A (zh) 微流体装置和使用其测定流体样品的方法
WO2005095262A1 (en) Microchip and method for detecting molecules and molecular interactions
Victorious et al. A DNA barcode‐based aptasensor enables rapid testing of porcine epidemic diarrhea viruses in swine saliva using electrochemical readout
US11561197B2 (en) Electronic detection of a target based on enzymatic cleavage of a reporter moiety
US20040248106A1 (en) Clinical array assays that include a sample quality evaluation step and compositions for use in practicing the same
JP2022511168A (ja) マイクロ流体デバイスを備える分析システムとマイクロ流体デバイスと関連方法
CN106033087B (zh) 内置性标准曲线检测物质分子数之方法系统
US9863941B2 (en) Microchip and method for detecting molecules and molecular interactions
CN116724128A (zh) 用于控制测序过程的系统和方法
JP2017209051A (ja) 標的生体分子の検出方法、標的生体分子検出用基板、及び標的生体分子検出装置
US20170081712A1 (en) Systems and methods for analysis of nucleic acids
WO2017204294A1 (ja) 標的生体分子の特定方法、標的生体分子特定用ビーズ、ビーズのセット、及び標的生体分子特定装置
JP4483608B2 (ja) 蛍光分析装置
JP2017209049A (ja) 標的生体分子の特定方法、標的生体分子特定用ビーズ、ビーズのセット、及び標的生体分子特定装置
JP2017209050A (ja) 標的生体分子の特定方法、標的生体分子特定用ビーズ、ビーズのセット、及び標的生体分子特定装置
WO2020264204A1 (en) Electronic detection of a target based on enzymatic cleavage of a reporter moiety
Bardea et al. Sensitive detection and identification of DNA and RNA using a patterned capillary tube
Kalligosfyri et al. Design and Validation of a Three-Dimensional Printer-Based System Enabling Rapid, Low-Cost Construction of the Biosensing Areas of Lateral Flow Devices for Immunoassays and Nucleic Acid Assays
JP2017209048A (ja) 標的生体分子の濃度算出方法、標的生体分子濃度算出用ビーズ、ビーズのセット、及び標的生体分子濃度算出装置
US20230243776A1 (en) Coronavirus detection method
US20230341396A1 (en) Methods and related aspects for pathogen detection
Lewis SARS-CoV-2 Protein-Based Detection Using Localized Surface Plasmon Resonance
Takeda Autoantibody Profiling Using Human Autoantigen Protein Array and AlphaScreen

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181109

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200623