実施の形態1.
図7は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1章参照)。
図7について説明する。移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、マクロセルであるeNB72−1と、ローカルノードであるHome−eNB72−2とに分類される。eNB72−1は、移動端末(UE)71と通信可能な範囲であるカバレッジとして、比較的大きい大規模カバレッジを有する。Home−eNB72−2は、カバレッジとして、比較的小さい小規模カバレッジを有する。
eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。MME部73は、管理手段に相当する。MME部73は、コアネットワークであるEPCに含まれる。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB72−2が一つのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、一つまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部73およびHeNBGW74は、上位ノード装置であり、基地局であるeNB72−1およびHome−eNB72−2と、移動端末(UE)71との接続を制御する。MME部73、具体的にはMME部73を構成するMMEおよびS−GW、ならびにHeNBGW74は、管理手段に相当する。MME部73およびHeNBGW74は、コアネットワークであるEPCに含まれる。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB72−2間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2間で制御情報が通信される。MME部73からは、HeNBGW74はHome−eNB72−2として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。
Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続される場合および直接MME部73に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートしない。Home−eNB72−2は、唯一のセルを構成し、サポートする。
基地局装置は、例えばHome−eNB72−2のように唯一のセルをサポートするが、これに限定されず、1つの基地局装置が複数のセルをサポートしてもよい。1つの基地局装置が複数のセルをサポートする場合、1つ1つのセルが、基地局装置として機能する。
図8は、本発明に係る移動端末である図7に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のように実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局である図7に示す基地局72の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
他基地局通信部902は、通知部および取得部に相当する。送信データバッファ部904、エンコーダー部905、変調部906、周波数変換部907、アンテナ908、復調部909およびデコーダー部910は、通信部に相当する。
3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTACとPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図7に示すMME部73に含まれるMME73aの構成を示す。PDN GW通信部1001は、MME73aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME73aと基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73aとHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。
MME73aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area:TA)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME73aに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。この関係は、例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME73aの中の他の部分で行われてもよい。MME73aの一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
3GPPにおいて議論されているMME73aの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MME73aは、CSG(Closed Subscriber Group)のメンバーの1つあるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MME73aは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME73aとの間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73aからのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME73aの手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME73aとの間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に移動体通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、TAC(Tracking Area Code)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているTA(Tracking Area)リスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。TA(Tracking Area)リストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはTAの識別子であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはTAのコード番号である。
移動端末は、ステップST1206で比較した結果、ステップST1205で受信したTACがTA(Tracking Area)リスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST1205で受信したTACがTA(Tracking Area)リスト内に含まれなければ、移動端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにTA(Tracking Area)の変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TA(Tracking Area)リストの更新を行う。コアネットワークは、移動端末に更新後のTA(Tracking Area)リストを送信する。移動端末は、受信したTA(Tracking Area)リストに基づいて、移動端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTE、LTE−AおよびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録した一つまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録された一つまたは複数の移動端末とが一つのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。一つのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれか一つのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにアクセス可能となる。
また、LTEおよびLTE−AでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)またはUSIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、ECGIとが対応付けられていれば、ECGIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、あるサービスでは、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する。
このようなサービスを実現するために、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSG(Closed Subscriber Group)セルが導入されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するため(エリア補完型HeNB/HNB)だけでなく、上述したような様々なサービスへの対応(サービス提供型HeNB/HNB)が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
前述のように、LTE−Aの新技術として、リレー(Relay)およびリレーノード(RN)をサポートすることが検討されている。3GPPのリリース10でサポートされるRNは、固定のRNであり、動作開始後は移動しない。
図13は、3GPPのリリース10におけるRNを伴う場合の移動体通信システムのアーキテクチャを示す図である。図13に示す移動体通信システム(以下、単に「通信システム」という場合がある)のアーキテクチャは、3GPP TS23.401 V10.3.0(以下「参考文献1」という)に記載されている。移動体通信システムは、RN用MME1301、UE用MME1302、UE1303、RN1304、DeNB1305、UE用P−GW1306およびUE用S−GW1307を備える。
RN用MME1301は、RN1304を管理するMMEである。UE用MME1302は、UE1303を管理するMMEである。RN用MME1301とUE用MME1302とを、同一のMME1300内に構成してもよい。図13では、RN用MME1301とUE用MME1302とが、同一のMME1300内に構成される場合を示している。RN用MME1301とUE用MME1302とは、同一のMME1300内に構成されなくてもよい。UE用P−GW1306は、UE1303のためのP−GWである。UE用S−GW1307は、UE1303のためのS−GWである。
UE1303とRN1304とは、Uuインタフェース1314によって接続される。RN1304とDeNB1305とは、S1インタフェース、X2インタフェースおよびUnインタフェースから成るインタフェース1315によって接続される。DeNB1305とRN用MME1301とは、S1インタフェース1308およびS11インタフェース1309によって接続される。
UE用MME1302とDeNB1305とは、S1インタフェース1310によって接続される。UE用MME1302とUE用S−GW1307とは、S11インタフェース1311によって接続される。DeNB1305とUE用S−GW1307とは、S1インタフェース1316によって接続される。UE用P−GW1306とUE用S−GW1307とは、S5/S8インタフェース1313によって接続される。UE用P−GW1306と外部パケットネットワークとは、SGiインタフェース1312によって接続される。
RNを伴う移動体通信システムのアーキテクチャの概念として、RNは、UEから見るとeNBとして認識され、DeNBから見るとUEとして認識される。換言すれば、RNは、UEに対してはeNBとして動作し、DeNBに対してはUEとして動作する。
DeNBとは、eNBに、RNをサポートするための機能(ファンクション(function))が追加されたものである。DeNBは、eNBが有する従来のファンクションに加えて、次の(1),(2)の2つのファンクションを有する(非特許文献1参照)。
(1)1つまたは複数のRNをサポートするためのS1/X2プロキシファンクション(S1/X2 proxy functionality)。
(2)1つまたは複数のRNをサポートするためのS11終端とS−GW/P−GWファンクション(S11 termination and S-GW/P-GW functionality)。
RNがUEとして動作する場合、RN、DeNB、RN用MME、およびDeNBのS−GW/P−GWファンクションの間で通信が行われる。RNとDeNBとの間の通信には、Unインタフェースが用いられる。DeNBとRN用MMEとの間の通信には、S1インタフェースが用いられる。RN用MMEとDeNBのS−GW/P−GWファンクションとの間の通信には、S11インタフェースが用いられる。
他方、RNがUEのeNBとして動作する場合、UE、RN、DeNBのS1/X2プロキシファンクション、UE用MME、およびUE用S−GW/UE用P−GWの間で通信が行われる。UEとRNとの間の通信には、Uuインタフェースが用いられる。RNとUE用MMEとの間の通信には、DeNBのS1プロキシファンクションを介してS1インタフェースが用いられる。UE用MMEとUE用S−GW/UE用P−GWとの間の通信には、S11インタフェースが用いられる。S1インタフェースに代えてX2インタフェースを用いる場合は、UEとRNとの間の通信には、Uuインタフェースが用いられる。RNと隣接eNBとの間の通信には、DeNBのX2プロキシファンクションを介してX2インタフェースが用いられる。
3GPPにおいて、固定RNに加えて、新たに、移動RN(mobile relay、mobile RN)が提案されている。移動RNについては、3GPP R1-082975(以下「参考文献2」という)および3GPP R3-110656(以下「参考文献3」という)に開示されている。
移動RNは、例えば、高速バスおよび高速鉄道などの移動体に設置され、移動体と一緒に移動する。移動RNは、高速バスおよび高速鉄道などの移動体の中の乗客の移動端末(UE)と基地局との間の通信をリレーする。
図14は、移動RNのユースケース(使用事例)を説明するための図である。基地局1402は、基地局1402が構成するカバレッジ1401内に存在する。図14では、1つの基地局1402が1つのセルを構成する場合を示している。この場合、セルは、基地局1402に相当する。これに限定されず、1つの基地局が複数のセルを構成してもよい。この場合、1つ1つのセルが、基地局1402に相当する。基地局が、例えばeNBである場合も同様である。以降に示す図でも同様である。
移動体、例えば高速バス1406は、現時点において基地局1402が構成するカバレッジ1401内に存在し、矢符1400の向きに沿って移動しているものとする。高速バス1406には、RN1407が搭載されている。また高速バス1406に乗車している乗客は、UE1403〜1405を所持している。換言すれば、高速バス1406には、UE1403〜1405が搭載されている。
基地局1402は、高速バス1406とともに移動するRN1407と通信を行う。高速バス1406内のUE1403〜1405は、基地局1402と直接通信を行うのではなく、高速バス1406に搭載されるRN1407を介して基地局1402と通信を行うことになる。すなわち、RN1407は、高速バス1406内のUE1403〜1405から見ると、基地局となる。
高速バス1406内のUE1403〜1405が、マクロセルである基地局1402と直接通信を行う場合、次のような問題がある。UEに対するドップラーシフトのインパクトがあるという問題、乗り物の内部および外部間のトランスミッションロスがあるという問題、HO成功率が低下するという問題、ならびにオペレータの投資コストおよび運用コストが増大するという問題などである。
移動RNは、これらの問題を解決する手段として有効と考えられている。UEは、移動RNと通信を行うので、UEに対するドップラーシフトのインパクト、ならびに乗り物の内部および外部間のトランスミッションロスなどが無くなる。また、UEと移動RNとの間の距離は、UEとマクロセルとの間の距離よりも十分短くなるので、UEの消費電力も低減可能となる。さらには、UEは移動RNとエアインタフェースで接続されているので、HOを行う必要が無くなり、シグナリングの混雑(コンジェスチョン(congestion))が解決される。これらによって、新たにマクロセルを設置する必要が無くなり、オペレータの投資コストおよび運用コストを削減することができる。
RNのセットアップ方法について、図15を用いて説明する(非特許文献1参照)。図15は、RNのセットアップ処理のシーケンスの一例を示す図である。
ステップST1501において、RNは、初期設定のためにE−UTRANまたはEPCに、通常のUEとしてアタッチ処理を行う。具体例として、RNは、eNB、UE用MME、およびホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server:HSS)間でアタッチ処理を行う。
ステップST1502において、RNは、RN用OAM(Operation Administration and Maintenance)から、DeNBセルのリストを含む初期設定パラメータ(initial configuration parameters)を読み出す。
ステップST1503において、RNは、ネットワークから、通常のUEとしてデタッチ処理を行う。そして、RNは、後述のRNのセットアップ方法のフェーズ2を起動する。
ステップST1501〜ステップST1503の処理は、RNのセットアップ方法のフェーズ1と称される。
ステップST1504において、RNは、フェーズ1で得たDeNBセルのリストからDeNBを選択する。
ステップST1505において、RNは、RNとしてアタッチ処理を行う。RNとしてのアタッチ処理におけるRRC接続設立(RRC connection establishment)の間に、RNは、DeNBにRNインジケーション(RN indication)を送信する。DeNBは、RNインジケーションと、DeNBのS−GW/P−GWファンクションのIPアドレス(IP address)とを、初期UEメッセージ(Initial UE Message)に含ませてRN用MMEへ送信する。RN用MMEは、DeNBから送信された初期UEメッセージに基づいて、RNのためのS−GW/P−GWを選択する。ステップST1505におけるRNとしてのアタッチ処理の間に、EPCは、RNがリレーオペレーションを許可されているか否かをチェックする。
ステップST1504〜ステップST1505の処理は、RNのセットアップ方法のフェーズ2と称される。
実施の形態1で解決する課題について、以下に説明する。前述のように、RNとして、移動RNを用いることが提案されている(参考文献2および参考文献3参照)。RNが移動RNである場合、RNは、図15に示すセットアップ時に、ステップST1504においてDeNBセルのリストから選択したDeNBのカバレッジの外に移動することが考えられる。3GPPにおいて、RNが移動する場合の通信方法についての具体的な議論はなされていない(参考文献2および参考文献3参照)。
実施の形態1での解決策を以下に示す。移動RNでは、従来のRNと異なり、ハンドオーバを実行する。移動RNにおけるハンドオーバの実現方法として、UEのハンドオーバの方法(以下「ハンドオーバ方法」という場合がある)を利用してもよい。これによって、移動体通信システムが複雑化することを回避することができる。
移動RNにおけるハンドオーバ方法として、UEのハンドオーバ方法を利用する場合、以下の点を改良するとなお良い。
前述のように、リレーにおいて、リレーの送信が、自リレーの受信へ干渉することを防ぐために、DeNBからRNへのリンクおよびRNからUEへのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重され、RNからDeNBへのリンクおよびUEからRNへのリンクも一つの周波数バンドで時分割多重される。
後述の図29および図30に、インバンドRNのサブフレーム構成の具体例を示している。インバンドRNとは、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが同一であるRNのことである。図29および図30は、ある一つのRNにおいて、下りアクセスリンクの送信が下りバックホールリンクの受信に、または、上りバックホールリンクの送信が上りアクセスリンクの受信に干渉を及ぼさないように、サブフレームが構成されることを示している。したがって、一つのRNにおけるバックホールリンクとアクセスリンクとの間での干渉は無い。
しかし、RNのバックホールリンクのサブフレーム構成は、DeNBからRN毎にRRCシグナリングを用いて個別に通知される。したがって、ターゲットeNBにおける該RNに対するバックホールリンクのサブフレーム構成と、ソースDeNBにおける該RNに対するバックホールリンクのサブフレーム構成とが異なる可能性がある。つまり、RNが、ターゲットeNBの傘下で、ソースDeNBにおける該RNに対するバックホールリンクのサブフレーム構成に基づいて通信を開始した場合、リレー内における干渉が発生するおそれがある。ここで、ターゲットeNBとは、ハンドオーバ先のeNBのことである。またソースDeNBとは、ハンドオーバ元のeNBであるソースeNBであって、RNの機能を有するソースeNBのことである。
RNがターゲットeNBの傘下で通信を開始するときのリレー内における干渉を防ぐ方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)移動RNは、傘下のUEへ、リソースの割当てを所定期間行わない。移動RNは、リソースの割当てを所定期間行わないことを示す保留コマンドを、傘下のUEへ通知してもよい。あるいは、移動RNは、傘下のUEへ、リソースの割当てを所定期間、実行しないギャップを設けてもよい。所定期間の具体例としては、ターゲットeNBに接続処理を行っている間、例えば、後述する図16に示すステップST1610〜ステップST1612の処理を行っている間などである。所定期間の終期の具体例としては、ターゲットeNBから、バックホールリンクのサブフレーム構成の通知を受信するまでである。
(2)ソースDeNBは、ターゲットeNBへ、該移動RNに対して設定していたバックホールリンクのサブフレーム構成を通知する。バックホールリンクのサブフレーム構成の通知方法の具体例を、以下に開示する。ソースDeNBは、ターゲットeNBへ、ハンドオーバ要求(Handover Request)を通知するときに併せて、該移動RNに設定していたバックホールリンクのサブフレーム構成を通知する。ソースDeNBで構成していたバックホールリンクのサブフレーム構成を受信したターゲットeNBは、該サブフレーム構成に基づいて、RNとの接続処理を実行するために、RNに対してスケジューリングを実行する。その後、ターゲットeNBは、RNへ、改めてバックホールリンクのサブフレーム構成を通知してもよい。
(3)ターゲットeNBは、ソースDeNBへ、該RNのハンドオーバ後に設定するバックホールリンクのサブフレーム構成を通知する。併せて、ターゲットeNBは、自セルのCRC、リソースの計算に必要なパラメータを、ソースDeNBへ通知してもよい。ソースDeNBは、RNに対して、モビリティ制御情報あるいはハンドオーバコマンドを用いて、ターゲットeNBによって該RNに設定されるバックホールリンクのサブフレーム構成を通知する。RNは、ターゲットeNBによって該RNに設定されるバックホールリンクのサブフレーム構成に基づいて、ターゲットeNBとの接続処理を実行する。併せて、ハンドオーバ後の傘下のUEへのアクセスリンクのスケジューリング、およびMBSFNサブフレーム構成を決定してもよい。
移動RNのハンドオーバを、UEのハンドオーバの方法をそのまま利用してサポートした場合、ターゲットeNBの選択において以下の新たな問題が生じる。
まず、従来のUEのハンドオーバの方法について、図16および図17を用いて説明する(非特許文献1、参考文献1参照)。図16は、X2インタフェースを基本としたハンドオーバ処理のシーケンスの一例を示す図である。
ステップST1601において、ハンドオーバ元のeNBであるソースeNBは、UEへメジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。メジャメントコントロールは、測定設定(Measurement configuration)とも称される。ソースeNBは、移動元の基地局装置に相当する。
ステップST1602において、UEは、ステップST1601で受信したメジャメントコントロールに従って、測定(Measurement)を実行する。
ステップST1603において、UEは、ステップST1601で受信したメジャメントコントロールに従って、ステップST1602の測定結果を報告する測定報告(Measurement Report)をソースeNBへ通知する。
ステップST1604において、ソースeNBは、ステップST1603で受信した測定報告などに基づいて、ハンドオーバを実行するか否か、すなわち、UEをハンドオーバさせるか否かを判断する。UEをハンドオーバさせる場合、ソースeNBは、ハンドオーバ先のeNBであるターゲットeNBを決定する。ターゲットeNBは、移動先の基地局装置に相当する。
ステップST1605において、ソースeNBは、ターゲットeNBへ、ハンドオーバ要求(Handover Request)を通知する。
ステップST1606において、ターゲットeNBは、リソースに基づいて、ハンドオーバが受け入れ可能であるか否かを判断する(Admission Control)。ターゲットeNBが、ハンドオーバの受け入れが可能であると判断した場合は、ステップST1607へ移行する。ターゲットeNBが、ハンドオーバの受け入れが不可能であると判断した場合については、処理を終了するものとして扱い、説明を省略する。
ステップST1607において、ターゲットeNBは、ソースeNBへ、ハンドオーバ要求受け入れ(Handover Request Ack)を通知する。
ステップST1608において、ソースeNBは、UEへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を通知する。併せて、ソースeNBは、UEへ、ハンドオーバの実行を指示する。
ステップST1609において、ソースeNBは、ターゲットeNBへ、UEに関するデータを受け渡す(Data Forwarding)。
ステップST1610において、UEは、ステップST1608で受信したパラメータを用いて、ターゲットeNBへの接続を試みる。具体的には、UEは、ターゲットeNBへRACHを送信し、RRC接続要求(RRCコネクションリクエスト(RRC Connection Request))の送信を行う。
ステップST1611において、ターゲットeNBは、ステップTS1610でUEから送信されたRRCコネクションリクエストに対する応答として、タイミングアドバンス(Timing Advance:TA)をUEへ通知する。
ステップST1612において、UEは、RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)をターゲットeNBへ通知する。
図17は、S1インタフェースを基本としたハンドオーバ処理のシーケンスの一例を示す図である。図17に示すシーケンスは、図16に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
前述のようにしてステップST1601〜ステップST1604の処理が行われた後、ステップST1700に移行する。ステップST1700において、ソースeNBは、ソースeNBとターゲットeNBとの間にX2インタフェースが存在しないか否かを判断する。ソースeNBは、X2インタフェースが存在しないと判断するとステップST1701に移行し、X2インタフェースが存在すると判断すると、S1インタフェースを基本としたハンドオーバ処理を終了する。
ステップST1701において、ソースeNBは、S1インタフェースを基本としたハンドオーバを実行すること、すなわちS1ベースでハンドオーバを行うことを決定する。例えば、ソースeNBとターゲットeNBとの間にX2インタフェースが存在しない場合に、ソースeNBは、ステップST1700からステップST1701に移行し、S1インタフェースを基本としたハンドオーバ(以下「S1ベースのハンドオーバ」という場合がある)を実行する。
ステップST1702において、ソースeNBは、ソースeNBを管理するMMEであるソースMMEへ、ターゲットeNBの識別子を含むハンドオーバ要求(Handover Required)を通知する。
ステップST1703において、ソースMMEは、ターゲットeNBを管理するMMEであるターゲットMMEへ、ターゲットeNBの識別子を含むフォワードリロケーションリクエスト(Forward Relocation Request)を通知する。
ステップST1704において、ターゲットMMEは、ターゲットeNBへ、EPSベアラのセットアップ要求を含むハンドオーバ要求(Handover Request)を通知する。
ステップST1705において、ターゲットeNBは、要求されたEPSベアラのセットアップを受理できたか否かに基づいて、ハンドオーバの受け入れが可能であるか否かを判断する。ターゲットeNBは、EPSベアラのセットアップを受理できた場合、ハンドオーバの受け入れが可能であると判断し、EPSベアラのセットアップを受理できなかった場合、ハンドオーバの受け入れが不可能であると判断する。
ターゲットeNBは、ハンドオーバの受け入れが可能であると判断した場合は、ターゲットMMEへ、ハンドオーバ要求受け入れ(Handover Request Ack)を通知する。ターゲットeNBが、ハンドオーバの受け入れが不可能であると判断した場合の説明は、省略する。
ステップST1706において、ターゲットMMEは、ソースMMEへ、フォワードリロケーションレスポンス(Forward Relocation Response)を通知する。
ステップST1707において、ソースMMEは、ソースeNBに対して、ハンドオーバコマンド(Handover Command)を通知する。
ステップST1708において、ソースeNBは、UEへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたハンドオーバコマンド(Handover Command)を通知する。
ステップST1709において、UEは、ターゲットeNBへ接続し、ハンドオーバ承認(Handover Confirm)を通知する。
従来のUEのハンドオーバの方法では、例えば図16のステップST1604においてハンドオーバを実行すると判断されると、ソースeNBがターゲットeNBを決定する。
前述のように、DeNBは、eNBが有する従来の機能に、RNをサポートする機能が追加されたものである。つまり、全てのeNBがDeNBの機能を有するわけではない。したがって、ソースeNBが、RNをサポートすることができないeNB、すなわちDeNBの機能を有しないeNBを、ターゲットeNBとして選択するおそれがある。
また、前述のように、RNは、DeNBを介して、無線アクセスネットワークに接続される。換言すれば、RNは、DeNBを介さなければ、無線アクセスネットワークに接続することができない。
したがって、ソースeNBが、RNをサポートすることができないeNB、すなわちDeNBの機能を有しないeNBを、ターゲットeNBとして選択すると、RNは、移動先のターゲットeNBで、RNとしてサポートされない。その結果、RNの傘下のUEへのサービスが停止するという問題が発生する。
上記問題に対する解決策を以下に示す。RNが、DeNBの機能を有しないターゲットeNBへアクセスしたときに、ターゲットeNBが、RNに対して拒絶を示す。ターゲットeNBから拒絶されたRNは、ハンドオーバの処理を中止し、ソースeNBへ戻るようにしてもよい。あるいは、拒絶されたRNは、周辺セルのサーチを実行し、他のeNBをDeNBとして選択するようにしてもよい。以下の説明では、RNのソースeNBを「ソースDeNB」と称することがある。
RNのターゲットeNBへのアクセスを拒絶するか否かを判断する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)ターゲットeNBが、RNのアクセスを拒絶するか否かを判断する。RNからのアクセスに対して、ターゲットeNB自身がDeNBの機能を有しない場合は、該アクセスを拒絶すると判断する。
ターゲットeNBが、RNからのアクセスであるか否かを判断する方法の具体例として、以下の(1−1),(1−2)の2つを開示する。
(1−1)RRC接続設立の間にRNから送信されるRNインジケーションを用いる。RNが、RNとしてのアタッチ処理において、ターゲットeNBへ通知する、RNインジケーションを用いるようにしてもよい。ターゲットeNBは、RNインジケーションが存在する場合は、RNからのアクセスであると判断し、RNインジケーションが存在しない場合は、RNからのアクセスでないと判断する。
(1−2)RRC接続要求(RRC Connection Request)中の設立理由(Establishment Cause)に「RNからの接続要求である旨」を新たに設ける。「RNからの接続要求である旨」は、「RNからの接続要求」、あるいは「RNからのアタッチ」などであってもよい。例えば、ターゲットeNBは、RRC接続要求を受信し、設立理由が「RNからのアタッチ」である場合は、RNからのアクセスであると判断し、設立理由が「RNからのアタッチ」でない場合は、RNからのアクセスでないと判断する。
(2)EPCが、RNのアクセスを拒絶するか否かを判断する。EPCの具体例としては、MMEがある。MMEは、RNからのアクセスに対して、ターゲットeNBがDeNBの機能を有しない場合は、ターゲットeNBへ該アクセスの拒絶を指示する。
MMEが、ターゲットeNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する方法の具体例を、以下に開示する。
eNBは、DeNBの機能を有しない場合、MMEに対する初期UEメッセージ(Initial UE Message)に、S−GW/P−GWファンクションのIPアドレスを含めることができない。したがって、MMEは、RNからのアクセスであるにも関わらず、ターゲットeNBからの初期UEメッセージに、S−GW/P−GWファンクションのIPアドレスが含まれていない場合は、該初期UEメッセージを通知したeNBがDeNBの機能を有しないと判断する。MMEは、ターゲットeNBからの初期UEメッセージに、S−GW/P−GWファンクションのIPアドレスが含まれている場合は、該初期UEメッセージを通知したeNBがDeNBの機能を有すると判断する。
MMEがRNからのアクセスであると判断する方法の具体例を、以下に開示する。MMEは、ターゲットeNBからの初期UEメッセージに、RNインジケーションが含まれている場合は、RNからのアクセスであると判断し、RNインジケーションが含まれていない場合は、RNからのアクセスでないと判断する。
MMEがターゲットeNBに該アクセスの拒絶を指示する方法の具体例を、以下に開示する。MMEは、ターゲットeNBへ、S1インタフェースを用いて、またはS1シグナリングを用いて指示する。
MMEがRNからのターゲットeNBへのアクセスを拒絶する場合、その理由を、RNへの拒絶通知に付加してもよい。具体的には、ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないという理由に基づく拒絶である旨、あるいは、RNがリレーオペレーションを許可されていないという理由に基づく拒絶である旨の理由を新設する。
従来から、EPCは、例えば前述の図15に示すステップST1501のRNとしてのアタッチ処理の間に、RNがリレーオペレーションを許可されているか否かをチェックする。
このように拒絶通知に拒絶の理由を付加することによって、RNは、アクセスの拒絶の理由を認識することが可能となる。具体例としては、拒絶の理由が、「ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないという理由」であるか、「RNがリレーオペレーションを許可されていないという理由」であるかを認識することができる。RNがアクセスの拒絶の理由を知ることで、以下の効果を得ることができる。ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないという理由に基づく拒絶である場合、RNは、他のセルを選択し直せばRNとしてサポートされる可能性があることを認識することができる。
次に、ターゲットeNBが、RNに対してアクセスを拒絶する方法の具体例を、以下に開示する。ターゲットeNBは、RNに対して、RRC接続拒絶(RRC Connection Reject)を通知する。
ターゲットeNBが、RNのアクセスを拒絶する場合、その理由を、RNへの拒絶通知に付加してもよい。具体的には、ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないという理由に基づく拒絶である旨の理由を付加する。このように拒絶通知に拒絶の理由を付加することによって、RNは、アクセスの拒絶の理由を認識することが可能となる。RNがアクセスの拒絶の理由を知ることで、以下の効果を得ることができる。ターゲットeNBが、DeNBの機能を有しないという理由に基づく拒絶である場合、RNは、他のセルを選択し直すことによってRNとしてサポートされる可能性があることを認識することができる。
次に動作について説明する。従来のUEのハンドオーバの方法によって、移動RNのハンドオーバがサポートされた場合、図16および図17に示したUEの動作をRNの動作に置き換えたシーケンスとなる。X2インタフェースを基本としたハンドオーバの方法の場合、RNは、ターゲットeNBに対して、図16のステップST1610でアクセスする。S1インタフェースを基本としたハンドオーバの方法の場合、RNは、ターゲットeNBに対して、図17のステップST1709でアクセスする。
図18および図19を用いて、実施の形態1における移動体通信システムのシーケンスについて説明する。図18および図19は、全体的なハンドオーバのシーケンスの一部を示している。具体的には、図18および図19は、従来のUEのハンドオーバの方法によって、移動RNのハンドオーバをサポートした場合における図16のステップST1610、および図17のステップST1709の部分を詳細に示している。
図18は、実施の形態1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図18では、RNのアクセスを拒絶するか否かをターゲットeNBが判断する場合のシーケンスを示している。
ステップST1801において、RNは、ターゲットeNBへ、RRC接続要求(RRC Connection Request)を通知する。このとき、設立理由を「RNからのアタッチ」とする。
ステップST1802において、ターゲットeNBは、ステップST1801で受信したRRC接続要求の中の設立理由が「RNからのアタッチ」を示すか否かを判断する。前記設立理由が「RNからのアタッチ」を示すと判断した場合は、ステップST1803へ移行する。前記設立理由が「RNからのアタッチ」を示さないと判断した場合は、ステップST1805へ移行する。本ステップST1802において、ターゲットeNBは、RNからのアクセスであるか否かを判断する。
ステップST1803において、ターゲットeNBは、自装置がDeNBの機能を有するか否かを判断する。DeNBの機能を有しないと判断した場合は、ステップST1804へ移行する。DeNBの機能を有すると判断した場合は、ステップST1805へ移行する。
ステップST1804において、ターゲットeNBは、RNへ、RRC接続拒絶(RRC Connection Reject)を通知する。本ステップST1804において、DeNBの機能を有しないターゲットeNBが、RNに対して、拒絶を示す。
ステップST1805において、ターゲットeNBは、RNへ、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)を通知する。
ステップST1806において、RNは、ステップST1801でターゲットeNBへ通知したRRC接続要求の応答を確認する。RNは、RRC接続拒絶を受信したか否かを判断する。RRC接続拒絶を受信したと判断した場合、つまりRRC接続セットアップを受信しなかった場合は、ステップST1807へ移行する。RRC接続拒絶を受信していないと判断した場合、つまりRRC接続セットアップを受信した場合は、ステップST1808へ移行する。
ステップST1807において、RNは、ハンドオーバ処理を中止し、ソースeNBへ戻る。
ステップST1808において、RNは、ハンドオーバ処理を継続し、ターゲットeNBとの接続処理を継続する。つまり、図16のステップST1610、あるいは図17のステップST1709へ戻る。
図19は、実施の形態1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図19では、RNのアクセスを拒絶するか否かをEPCが判断する場合のシーケンスを示している。
ステップST1901において、RNは、RRC接続設立の間に、ターゲットeNBへRNインジケーションを通知する。
次に、ステップST1803において、ターゲットeNBは、自装置がDeNBの機能を有するか否かを判断する。DeNBの機能を有しないと判断した場合は、ステップST1902へ移行する。DeNBの機能を有すると判断した場合は、ステップST1903へ移行する。
ステップST1902において、ターゲットeNBは、RNインジケーションをマッピングし、S−GW/P−GWファンクションのIPアドレスをマッピングしない初期UEメッセージを、MMEへ通知する。DeNBの機能を有しないターゲットeNBは、初期UEメッセージにS−GW/P−GWファンクションのIPアドレスをマッピングできない。
ステップST1903において、ターゲットeNBは、RNインジケーションをマッピングし、S−GW/P−GWファンクションのIPアドレスをマッピングした初期UEメッセージを、MMEへ通知する。
ステップST1904において、MMEは、傘下のeNBであるターゲットeNBから受信した初期UEメッセージの中に、RNインジケーションが含まれているか否かを判断する。初期UEメッセージの中にRNインジケーションが含まれていると判断した場合は、RNからのアクセスであると判断し、ステップST1905へ移行する。初期UEメッセージの中にRNインジケーションが含まれていないと判断した場合は、RNからのアクセスでないと判断し、本発明の特徴的な部分ではないので、説明を省略する意味で処理を終了する。
ステップST1905において、MMEは、傘下のeNBであるターゲットeNBから受信した初期UEメッセージの中に、S−GW/P−GWファンクションのIPアドレスが含まれているか否かを判断する。初期UEメッセージの中にIPアドレスが含まれていないと判断した場合は、ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないと判断し、ステップST1906へ移行する。初期UEメッセージの中にIPアドレスが含まれていると判断した場合は、ターゲットeNBがDeNBの機能を有すると判断し、本発明の特徴的な部分ではないので、説明を省略する意味で処理を終了する。
ステップST1906において、MMEは、ターゲットeNBへ、RNからのアクセスを拒絶することを指示する。
ステップST1907において、ステップST1906でRNからのアクセスを拒絶することを指示されたターゲットeNBは、RNへアクセスの拒絶を通知する。例えば、ターゲットeNBは、RNへ、RRC接続拒絶(RRC Connection Reject)を通知する。
RNは、ステップST1806において、RRC接続拒絶を受信したか否かを判断し、RRC接続拒絶を受信したと判断した場合は、ステップST1807へ移行し、RRC接続拒絶を受信していないと判断した場合は、ステップST1808へ移行する。
ステップST1807において、RNは、ハンドオーバ処理を中止し、ソースeNBへ戻る。
ステップST1808において、RNは、ハンドオーバ処理を継続し、ターゲットeNBとの接続処理を継続する。つまり、図16のステップST1610、あるいは図17のステップST1709へ戻る。
以上の実施の形態1によって、以下の効果を得ることができる。ソースeNBが、RNをサポートすることができないeNB、つまりDeNBの機能を有しないeNBをターゲットeNBとして選択した場合であっても、ターゲットeNBがRNを拒絶することができる。拒絶されることにより、RNは、ソースeNBとの接続へ戻るか、または他のeNBをDeNBとして選択することが可能となるので、基地局装置との接続を継続することができる。したがって、RNが移動した場合でも、RNと基地局装置との間で通信を継続することができるので、RNの傘下のUEへの通信サービスを継続することができる。
本実施の形態で開示したRNのターゲットeNBへのアクセスを拒絶するか否かを判断する方法の具体例(1),(2)は、後述の実施の形態において用いることができる。あるいはハンドオーバ時に限らず、RNからのアクセス時に用いることができる。
実施の形態1 変形例1.
実施の形態1の変形例1では、前述の実施の形態1と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態1の変形例1での解決策を以下に示す。
ターゲットeNBは、自装置がDeNBの機能を有しない場合は、ソースDeNBが起動したハンドオーバを中止する。ハンドオーバの中止を受けて、ソースDeNBは、ハンドオーバ処理を中止する。
ソースDeNBが、ハンドオーバを起動するときに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を、ターゲットeNBへ通知してもよい。
ターゲットeNBからのハンドオーバの中止を受けて、ソースDeNBは、ハンドオーバ処理を中止する、あるいはターゲットeNBを再選択するようにしてもよい。
ソースDeNBが、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)RNとしてのアタッチ処理におけるRRC接続設立(RRC connection establishment)の間に、RNは、DeNBにRNインジケーション(RN indication)を送信する。あるいは、RNは、移動RNインジケーションを送信してもよい。DeNBは、該RNインジケーションと、セルの識別子、PCIおよびCGIなどとを対応付けて記憶する。ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のセルの識別子に基づいて、RNであるか否かを判断する。
(2)RNは、ソースDeNBへ測定報告を通知するときに、併せてRNである旨を通知する。あるいは、RNは、移動RNインジケーションを送信してもよい。測定報告の情報要素として、RNであるか否かのインジケータを追加してもよい。あるいは、測定報告の情報要素として、移動RNであるか否かのインジケータを追加してもよい。ソースDeNBは、測定報告などに基づいて、RNをハンドオーバさせるか否かを判断する。前述の方法(1)と比較して、ソースDeNBが、ハンドオーバに関する情報をまとめて受信することができるので、ソースDeNBの処理の負荷を軽減することができる。
ソースDeNBが、ハンドオーバを起動するときに、ターゲットeNBへ、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を併せて通知する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)X2インタフェースを基本としたハンドオーバ方法を用いる場合、ソースDeNBは、ターゲットeNBへのハンドオーバ要求のときに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を併せて通知する。ハンドオーバ要求の情報要素として、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かのインジケータを追加してもよい。
(2)S1インタフェースを基本としたハンドオーバ方法を用いる場合、ソースDeNBは、ソースMMEへのハンドオーバ要求のときに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を併せて通知する。ハンドオーバ要求の情報要素として、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かのインジケータを追加してもよい。
ソースDeNBとターゲットeNBとが同じMMEで管理されている場合は、ソースDeNBからMME経由でターゲットeNBへ、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨が通知される。ソースDeNBとターゲットeNBとが異なるMMEで管理されている場合は、ソースDeNBからソースMME、およびターゲットMME経由でターゲットeNBへ、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨が通知される。
ターゲットeNBが、自装置がDeNBの機能を有しない場合に、ハンドオーバを中止する方法の具体例として、以下を開示する。ハンドオーバ要求に対して、ハンドオーバ要求拒否(Handover Request Nack、あるいはHandover preparation Failure)を通知する。
また、S1インタフェースを基本としたハンドオーバの方法を用いる場合、以下のようにしてもよい。
MMEは、傘下のeNBがDeNBの機能をサポートしているか否かを管理する。MMEは、セルの識別子と、DeNBの機能をサポートしているか否かとを対応付けて記憶する。
ソースDeNBが、ハンドオーバを起動するときに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨と、ターゲットeNBのセルの識別子とを通知する。ターゲットeNBを管理するMMEは、ハンドオーバ要求をターゲットeNBへ通知する前に、ターゲットeNBのセルの識別子に基づいて、ターゲットeNBがDeNBの機能を有するか否かを判断してもよい。MMEは、ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないと判断した場合は、該ハンドオーバを中止する。一方、MMEは、ターゲットeNBがDeNBの機能を有すると判断した場合は、ハンドオーバ要求をターゲットeNBへ通知する。
次に動作について説明する。従来のUEのハンドオーバの方法によって、移動RNのハンドオーバがサポートされた場合、図16および図17に示したUEの動作をRNの動作に置き換えたシーケンスとなる。
図20および図21を用いて、実施の形態1の変形例1における移動体通信システムのシーケンスについて説明する。図20および図21は、全体的なハンドオーバのシーケンスの一部を示している。具体的には、図20は、図16のステップST1603〜ステップST1607の部分を詳細に示しており、図21は、図17のステップST1603〜ステップST1705の部分を詳細に示している。
図20は、実施の形態1の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図20では、X2インタフェースを基本としたハンドオーバ処理を用いた場合のシーケンスを示している。
ステップST2001において、RNは、ソースDeNBへ、測定報告(Measurement Report)と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST1604において、ソースDeNBは、ステップST2001で受信した測定報告などに基づいて、UEをハンドオーバさせるか否かを判断する。UEをハンドオーバさせる場合、ハンドオーバ先であるターゲットeNBを決定する。
ステップST2002において、ソースDeNBは、ターゲットeNBへ、ハンドオーバ要求(Handover Request)と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST2003において、ターゲットeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する。ターゲットeNBは、ソースDeNBから、ハンドオーバ要求とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信している場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであると判断し、ステップST2004へ移行する。ターゲットeNBは、ソースDeNBから、ハンドオーバ要求とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信していない場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNでないと判断し、図16のステップST1606へ移行する。
ステップST2004において、ターゲットeNBは、自装置がDeNBの機能を有するか否かを判断する。DeNBの機能を有しないと判断した場合は、ステップST2005へ移行する。DeNBの機能を有すると判断した場合は、図16のステップST1606へ移行する。
ステップST2005において、ターゲットeNBは、ソースDeNBへ、ハンドオーバ要求拒否(Handover Request Nack)を通知する。
ステップST2006において、ステップST2005でハンドオーバ要求拒否を受信したソースDeNBは、ターゲットeNBを再選択する。また、ソースDeNBは、RNに対して測定を要求してもよい。ソースDeNBは、RNに対してメジャメントコントロールを通知してもよい。該メジャメントコントロールは、以前のメジャメントコントロールとは異なる内容であってもよい。
図21は、実施の形態1の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図21では、S1インタフェースを基本としたハンドオーバ処理を用いた場合のシーケンスを示している。
ステップST2101において、ターゲットMMEは、傘下のeNBがDeNBの機能を有するか否か、すなわちDeNBの機能をサポートしているか否かを記憶する。
ステップST2001において、RNは、ソースDeNBへ、測定報告(Measurement Report)と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST1604において、ソースDeNBは、ステップST2001で受信した測定報告などに基づいて、UEをハンドオーバさせるか否かを判断する。UEをハンドオーバさせる場合、ハンドオーバ先であるターゲットeNBを決定する。
ステップST1701において、ソースDeNBは、S1インタフェースを基本としたハンドオーバを実行することを決定する。例えば、ソースDeNBとターゲットeNBとの間にX2インタフェースが存在しない場合に、S1インタフェースを基本としたハンドオーバを実行する。
ステップST2102において、ソースDeNBは、ソースMMEへ、ハンドオーバ要求(Handover Required)と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST2103において、ソースMMEは、ターゲットeNBを管理するターゲットMMEへ、ターゲットeNBの識別子と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを含むフォワードリロケーションリクエスト(Forward Relocation Request)を通知する。
ステップST2104において、ターゲットMMEは、ターゲットeNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する。DeNBの機能を有しないと判断した場合は、ステップST2105へ移行する。DeNBの機能を有すると判断した場合は、図17のステップST1704へ移行する。
ステップST2105において、ターゲットMMEは、ソースMMEへ、フォワードリロケーションリクエスト拒否を通知する。
ステップST2106において、ソースMMEは、ソースDeNBへ、ハンドオーバ要求拒否(Handover preparation Failure)を通知する。
ステップST2006において、ステップST2106でハンドオーバ要求拒否を受信したソースDeNBは、ターゲットeNBを再選択する。また、ソースDeNBは、RNに対して測定を要求してもよい。ソースDeNBは、RNに対してメジャメントコントロールを通知してもよい。該メジャメントコントロールは、以前のメジャメントコントロールとは異なる内容であってもよい。
以上の実施の形態1の変形例1によって、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。実施の形態1よりも、ハンドオーバ処理の早い段階で、ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないことをソースDeNBが認識することが可能となる。これによって、RNは、ターゲットeNBへの接続を実行する必要がなくなる。また、ソースDeNBは、他のeNBをターゲットeNBとして選択することが可能となる。したがって、実施の形態1と比較して、制御遅延を削減することが可能となる。
実施の形態1 変形例2.
実施の形態1の変形例2で解決する課題について、以下に説明する。実施の形態1および実施の形態1の変形例1の解決策では、ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないという理由で、必ず拒否されるハンドオーバが起動される。これは、移動体通信システムとしての処理負荷、および制御遅延という点において問題が発生する。
実施の形態1の変形例2での解決策を以下に示す。RNにおいて、eNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する。また、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである場合、RNのeNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果を用いて、ソースDeNBが、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択してもよい。換言すれば、ソースDeNBが、DeNBの機能を有しないeNBをターゲットeNBとして選択しない。
RNにおいて、eNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)eNBが、DeNBの機能を有するか否かを示す情報を報知する。RNは、eNBの報知情報を受信し、受信した報知情報に基づいて、該eNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する。
DeNBの機能を有するか否かを示す情報を報知する方法の具体例を、以下に示す。既存のシステム情報(SIB(System Information Block))(非特許文献2参照)の情報要素として、DeNBの機能を有するか否かを示す情報を新規に追加する。システム情報は、BCCHを用いて報知される。
DeNBの機能を有するか否かを示す情報をSIBの情報要素とする方法の具体例として、以下(1−1)〜(1−3)の3つを開示する。
(1−1)SIB1の情報要素として追加する。SIB1にマッピングした場合、以下の効果を得ることができる。例えばLTE方式の移動体通信システムにおいては、SIB1はサーチの初期段階で受信することが可能となる。具体例としては、図12のステップST1205で受信することが可能となる。したがって、SIB1に、DeNBの機能を有するか否かを示す情報をマッピングすることによって、制御遅延を防止することができ、消費電力の低減を図ることができる。
(1−2)SIB2の情報要素として追加する。SIB2にマッピングした場合、以下の効果を得ることができる。現在の3GPPでは、SIB2には傘下の全ての移動端末に共通の無線リソースの設定がマッピングされる方向である。全てのRNに共通の情報が、同様のパラメータが含まれるSIB2へ追加されることは、同様のパラメータを同じシステム情報の受信によって得ることが可能となる。したがって、移動体通信システムの複雑化を回避することができ、制御遅延を防止することができる。
(1−3)SIB3の情報要素として追加する。SIB3にマッピングした場合、以下の効果を得ることができる。現在の3GPPでは、SIB3には、セルの再選択に共通の設定がマッピングされる方向である。セルの再選択に共通の情報が、同様のパラメータが含まれるSIB3へ追加されることは、同様のパラメータを同じシステム情報の受信によって得ることが可能となる。したがって、移動体通信システムの複雑化を回避することができ、制御遅延を防止することができる。
また、DeNBの機能を有するか否かを示す情報は、DeNBの機能を有するeNBからのみ報知するようにしてもよい。該情報が報知されていない場合は、DeNBの機能を有しないと判断することができるので問題がない。また、DeNBの機能を有しないeNBには、追加情報が不要となる。
(2)DeNBの機能を有するeNBに割当てるセルの識別子と、DeNBの機能を有しないeNBに割当てるセルの識別子とを分離する。セルの識別子のうち、PCIは、RNが実行する測定の早い段階で、RNが認識することができる。具体的には、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、PCIと1対1に対応するシンクロナイゼーションコードを認識する(図12のステップST1201参照)。
したがって、DeNBの機能を有するeNBに割当てるPCIの範囲と、DeNBの機能を有しないeNBに割当てるPCIの範囲とを分離してもよい。セルの識別子の分離方法、あるいはPCIの範囲の分離方法は、eNBが報知する。RNは、eNBのセルの識別子、あるいはPCIを用いて、該eNBが、DeNBの機能を有するか否かを判断する。セルの識別子の分離方法、あるいはPCIの範囲の分離方法は、DeNBの機能を有するeNBからのみ報知するようにしてもよい。これによって、DeNBの機能を有しないeNBには、追加情報が不要となる。
(3)DeNBの機能を有するeNB用のキャリア周波数と、DeNBの機能を有しないeNB用のキャリア周波数とを分離する。周波数の分離方法は、eNBが報知する。RNは、eNBのキャリア周波数を用いて、該eNBが、DeNBの機能を有するか否かを判断する。周波数の分離方法は、DeNBの機能を有するeNBからのみ報知するようにしてもよい。これによって、DeNBの機能を有しないeNBには、追加情報が不要となる。
RNにおける、eNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法の具体例として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)RNがDeNBの機能を有しないeNBを測定の対象外とする。換言すれば、RNは、DeNBの機能を有しないeNBの測定を行わない。つまり、RNが、ソースDeNBへ、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBの候補として通知する。ソースDeNBは、RNから通知される全ての測定報告の対象eNBが、DeNBの機能を有すると判断する。
(2)RNがDeNBの機能を有しないeNBを測定報告の対象外とする。換言すれば、RNは、ソースDeNBに対して、DeNBの機能を有しないeNBの測定報告を行わない。つまり、RNが、ソースDeNBへ、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBの候補として通知する。ソースDeNBは、RNから通知される全ての測定報告の対象eNBが、DeNBの機能を有すると判断する。
(3)RNが測定報告のときに、併せて対象のeNBがDeNBの機能を有するか否かを通知する。測定報告の情報要素として、対象のeNBがDeNBの機能を有するか否かのインジケータを追加してもよい。ソースDeNBは、DeNBの機能を有するか否かのインジケータを用いて、測定報告の対象eNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する。
(4)RNがソースDeNBへ、DeNBの機能を有するeNBのうち、最も受信品質の良いeNBを対象とする測定報告を行う。つまり、RNが、ソースDeNBへ、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして通知する。ソースDeNBは、RNから通知される測定報告の対象eNBが、DeNBの機能を有すると判断する。
DeNBは、RNに対して、前記(1)〜(4)のRNでのeNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法のうち、いずれを用いるかを選択するようにしてもよい。DeNBが、RNへ、選択した方法を通知する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)S1インタフェースを用いて、S1シグナリングで通知する。
(2)メジャメントコントロール(Measurement Control)を通知するときに、併せて通知する。メジャメントコントロールの情報要素として、選択したRNでのeNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果を、ソースeNBへ通知する方法を示すインジケータを追加してもよい。
(3)報知情報として、RNでのeNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果を、ソースeNBへ通知する方法を通知する。
ソースDeNBが、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する方法の具体例は、前述の実施の形態1の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
次に動作について説明する。従来のUEのハンドオーバの方法によって、移動RNのハンドオーバがサポートされた場合、図16および図17に示したUEの動作をRNの動作に置き換えたシーケンスとなる。
図22を用いて、実施の形態1の変形例2における移動体通信システムのシーケンスについて説明する。図22は、全体的なハンドオーバのシーケンスの一部を示している。具体的には、図22は、図16および図17のステップST1601〜ステップST1604の部分を詳細に示している。
図22は、実施の形態1の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。ステップST2201において、ソースDeNBは、RNへ、メジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。あわせて、ソースDeNBは、RNへ、RNでのeNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果をソースDeNBへ通知する方法を指示する。本動作例では、測定報告のときに、併せて対象のeNBがDeNBの機能を有するか否かを通知する方法を指示したと想定して、以下説明する。
ステップST2202において、RNは、ステップST2201で受信したメジャメントコントロールに従って測定(Measurement)を実行する。測定対象のeNBの報知情報を受信し、デコードし、報知情報にマッピングされるDeNBの機能を有するか否かを示す情報を確認する。
ステップST2203において、RNは、ステップST2201で受信したメジャメントコントロールに従って、測定報告(Measurement Report)をソースDeNBへ通知する。あわせて、RNは、ソースDeNBへ、測定報告の対象eNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST2204において、ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信している場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであると判断し、ステップST2205へ移行する。ソースDeNBは、RNから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信していない場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNでないと判断し、図16および図17のステップST1604へ移行する。
ステップST2205において、ソースDeNBは、ステップST2203で受信した測定報告などに基づいて、ハンドオーバを実行するか否か、具体的には、RNをハンドオーバさせるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNをハンドオーバさせると判断した場合は、ステップST2206において、ステップST2203で受信した測定報告の対象eNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果に基づいて、DeNBの機能を有するeNBからターゲットeNBを決定する。換言すれば、ソースDeNBは、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択する。
ステップST2206において、DeNBの機能を有するeNBからターゲットeNBが決定されると、図16のステップST1605または図17のステップST1701に移行する。
以上の実施の形態1の変形例2によって、実施の形態1、実施の形態1の変形例1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ターゲットeNBがDeNBの機能を有しないという理由で、必ず拒否されるハンドオーバが起動されることを防ぐことができる。これによって、移動体通信システムとしての処理負荷を軽減することができ、制御遅延を防止することができる。
実施の形態1 変形例3.
実施の形態1の変形例3では、前述の実施の形態1の変形例2と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態1の変形例3での解決策を以下に示す。
ソースDeNBにおいて、周辺eNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する。また、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである場合、ソースDeNBが、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択してもよい。換言すれば、ソースDeNBが、DeNBの機能を有しないeNBをターゲットeNBとして選択しない。
ソースDeNBにおいて、周辺eNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)ソースDeNBが基地局としてセットアップするときに、OAMから周辺セル情報の一部として、あるいは周辺セル情報とは別個に、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を取得する。
DeNBの機能を有するeNBのみ、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を取得するようにしてもよい。DeNBの機能を有しないeNBには、追加機能が不要という効果を得ることができる。
周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報の具体例として、以下の(1−1)〜(1−3)の3つを開示する。
(1−1)周辺eNBのセルの識別子と対応付けて、該eNBがDeNBの機能を有するか否かの情報。
(1−2)DeNBの機能を有するeNBに割当てるPCI範囲の情報。
(1−3)DeNBの機能を有するeNBが用いるキャリア周波数の情報。
また、DeNBの機能を有するeNBが新たに設置された、あるいはDeNBの機能を有するeNBが撤去された、その他の理由によって、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報が変更される可能性もある。
周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報が変更される可能性を考慮した方法の具体例として、以下を開示する。
周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報に変更があった場合、OAMがソースDeNBへ通知する。
(2)実施の形態1の変形例2と同様に、eNBがDeNBの機能を有するか否かを示す情報を報知する場合、ソースDeNBが周辺eNBの報知情報を受信し、デコードし、報知情報にマッピングされるDeNBの機能を有するか否かを示す情報を確認する。ソースDeNBは、周辺eNBのセルの識別子と対応付けて、該eNBがDeNBの機能を有するか否かを記憶する。
DeNBの機能を有するeNBが新たに設置された、あるいはDeNBの機能を有するeNBが撤去された、その他の理由によって、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報が変更される可能性もある。
周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報が変更される可能性を考慮した方法の具体例として、以下を開示する。
ソースDeNBが周期的に周辺eNBの報知情報を受信し、デコードし、報知情報にマッピングされるDeNBの機能を有するか否かを示す情報を確認する。
(3)DeNBが、周辺セル情報の一部として、あるいは周辺セル情報とは別個に、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を、MME、あるいはRN用OAMへ問合せて、取得する。DeNBが問合せを実行するトリガの具体例として、以下の(3−1)〜(3−3)の3つを開示する。
(3−1)RNから、最初のアクセスを受信した場合。例えば、RNからRRCコネクションリクエストを受信した場合。RNからのアクセスであるか否かを判断する方法は、実施の形態1のターゲットeNBが、RNからのアクセスであるか否かを判断する方法の具体例を用いることができる。
(3−2)RNから、ハンドオーバ処理のトリガの1つである測定報告を受信した場合。
(3−3)DeNBが、RNへメジャメントコントロールを通知する場合。
また、DeNBの機能を有するeNBが新たに設置された、あるいはDeNBの機能を有するeNBが撤去された、その他の理由によって、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報が変更される可能性もある。
周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報が変更される可能性を考慮した方法の具体例として、以下を開示する。
ソースDeNBが、周期的にMMEあるいはOAMから、周辺セル情報の一部として、あるいは周辺セル情報とは別個に、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を取得する。
ソースDeNBが、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
ソースDeNBが、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)ソースDeNBが判断する方法。ソースDeNBは、RNから測定報告を受信した場合、測定報告に含まれるセルの識別子に基づいて、測定報告の対象eNBがDeNBの機能を有しているか否かを判断する。ソースDeNBは、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択する。
(2)ソースDeNBが指示する方法。ソースDeNBは、RNに対してDeNBの機能を有するeNBを測定対象とすることを通知する。ソースDeNBは、RNからの測定報告の対象eNBから、ターゲットeNBを選択する。RNの測定対象がDeNBの機能を有するeNBとなることから、ソースDeNBは、測定報告の対象eNBからターゲットeNBを選択すればよい。測定対象とすることの通知方法の具体例として、以下の(2−1),(2−2)の2つを開示する。
(2−1)ソースDeNBは、報知情報に、周辺eNBがDeNBの機能を有するか否かの情報をマッピングする。報知情報に、周辺セルリスト(neighbor cell list)、あるいは周辺セル情報、あるいは周辺セル設定(neighbor cell configuration)としてマッピングしてもよい。RNは、該報知情報を受信し、デコードし、DeNBの機能を有するeNBを測定対象とする。
RN用の周辺セル情報と、通常の周辺セル情報とを分離するとよい。RN以外、つまりUEは、DeNBの機能を有しないeNBからもサービスを受けることができるので、DeNBの機能を有しないeNBを認識する必要がないからである。
DeNBの機能を有するか否かの情報の具体例としては、以下の(2−1−1),(2−1−2)の2つを開示する。
(2−1−1)DeNBの機能を有する周辺eNBのセルの識別子を通知する。DeNBの機能を有するeNBに割当てるPCI範囲を通知してもよい。周辺eNBのセルの識別子と、該eNBがDeNBの機能を有するか否かのインジケータとを対応付けて通知してもよい。
(2−1−2)DeNBの機能を有するeNBのキャリア周波数を通知する。
(2−2)ソースDeNBは、RNに対してメジャメントコントロールに測定対象(Measurement object)として、DeNBの機能を有するeNBを指定する。指定の方法の具体例として、以下の(2−2−1),(2−2−2)の2つを開示する。
(2−2−1)DeNBの機能を有するeNBのセルの識別子で指定する。DeNBの機能を有するeNBのセルの識別子の範囲で指定してもよい。DeNBの機能を有するeNBに割当てるPCIの範囲で指定してもよい。
(2−2−2)DeNBの機能を有するeNBのキャリア周波数を通知する。
次に動作について説明する。従来のUEのハンドオーバ方法によって、移動RNのハンドオーバがサポートされた場合、図16および図17に示したUEの動作をRNの動作に置き換えたシーケンスとなる。
図23および図24を用いて、実施の形態1の変形例3における移動体通信システムのシーケンスについて説明する。図23および図24は、全体的なハンドオーバのシーケンスの一部を示している。
図23は、実施の形態1の変形例3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図23では、ソースDeNBがDeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択する方法として、ソースDeNBが判断する方法を用いた場合のシーケンスを示している。
ステップST2301において、OAMは、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を、ソースDeNBへ通知する。ソースDeNBは、セットアップするときに、ステップST2301でOAMから、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を取得する。
ステップST1601において、ハンドオーバ元であるソースDeNBは、UEへメジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。
ステップST1602において、UEは、ステップST1601で受信したメジャメントコントロールに従って、測定(Measurement)を実行する。
ステップST2001において、RNは、ソースDeNBへ、測定報告(Measurement Report)と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST2204において、ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する。ソースDeNBは、UEから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信している場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであると判断し、ステップST2302へ移行する。ソースDeNBは、RNから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信していない場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNでないと判断し、図16および図17のステップST1604へ移行する。
ステップST2302において、ソースDeNBは、ステップST2001で受信した測定報告などに基づいて、ハンドオーバを実行するか否か、具体的には、RNをハンドオーバさせるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNをハンドオーバさせると判断した場合は、ステップST2303において、ステップST2301で取得した周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報に基づいて、DeNBの機能を有するeNBからターゲットeNBを決定する。換言すれば、ソースDeNBは、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択する。
ステップST2303において、DeNBの機能を有するeNBからターゲットeNBが決定されると、図16のステップST1605または図17のステップST1701に移行する。
図24は、実施の形態1の変形例3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図24では、ソースDeNBがDeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択する方法として、ソースDeNBが指示する方法を用いた場合のシーケンスを示している。
ステップST2301において、OAMは、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を、ソースDeNBへ通知する。ソースDeNBは、セットアップするときに、ステップST2301でOAMから、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報を取得する。
ステップST2401において、ソースDeNBは、ステップST2301で取得した、周辺セルがDeNBの機能を有するか否かの情報に基づいて、RNへ、DeNBの機能を有するeNBを測定対象とすることを指示するメジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。
ステップST2402において、RNは、ステップST2401にて受信したメジャメントコントロールに従って、DeNBの機能を有するeNBを測定対象とした測定(Measurement)を実行する。
ステップST1603において、RNは、ステップST2401で受信したメジャメントコントロールに従って、測定報告(Measurement Report)をソースDeNBへ通知する。ステップST1603で測定報告を受信したソースDeNBは、図16および図17のステップST1604へ移行する。
以上の実施の形態1の変形例3によって、実施の形態1の変形例2と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1 変形例4.
DeNBセルのリストの詳細については、前述の非特許文献1〜9および参考文献1〜3には何ら開示されていない。
どのRNの対象で、DeNBセルのリストを設けるかの具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)全てのRNを対象とするDeNBセルのリストを設ける。以下の説明では、全てのRNを対象とするDeNBセルのリストを「全RN向けDeNBセルのリスト」と称する。換言すれば、全RN向けDeNBセルのリストは、DeNBの機能を有するeNBのリストとなる。あるいは、全RN向けDeNBセルのリストは、DeNBの機能を有するeNBの一部のeNBのリストとしてもよい。一部のeNBの具体例としては、ソースDeNBの周辺のDeNBの機能を有するeNBとする。異なる無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)毎に「全RN向けDeNBセルのリスト」を設けてもよい。キャリア周波数毎に「全RN向けDeNBセルのリスト」を設けてもよい。
全RN向けDeNBセルのリストを設ける場合は、後述のように、実施の形態1〜実施の形態1の変形例3を用いることができ、RNのハンドオーバ処理を簡略化することができる。また、後述のように、アクセス制限が容易となる。
(2)個別のRN、あるいはRNグループ毎を対象とするDeNBセルのリストを設ける。以下の説明では、個別のRN、あるいはRNグループ毎を対象とするDeNBセルのリストを「RN毎DeNBセルのリスト」と称する。RN毎、あるいはRNグループ毎に接続可能なDeNBを設定することが可能となる。異なる無線アクセス技術(RAT)毎に「RN毎DeNBセルのリスト」を設けてもよい。キャリア周波数毎に「RN毎DeNBセルのリスト」を設けてもよい。
RN毎DeNBセルのリストは、サービス要求との整合を取り易くなる。例えば、東海道新幹線に搭載されるRNと、東北新幹線に搭載されるRNとに接続可能なDeNBを、RN毎DeNBセルのリストを用いることによって、別に設定することが可能となる。
以下の説明において、単にDeNBセルのリストと称するときは、全RN向けDeNBセルのリストと、RN毎DeNBセルのリストとの区別がないことを示す。
実施の形態1の変形例4で解決する課題について、以下に説明する。移動体通信システムにおいて、RN毎DeNBセルのリストを設ける場合、以下の課題が発生する。解決策の一部として、eNBがDeNBの機能を有しているか否かの判断を用いている実施の形態1〜実施の形態1の変形例3を用いることができない。なぜならば、RN毎DeNBセルのリストは、DeNBの機能を有しているeNBからRN毎あるいはRNグループ毎に、サービスなどの観点でDeNBを選択し、リスト化したものであり、DeNBの機能を有しているeNBが必ずしも対象のRNへのサービスを提供できないからである。つまり、移動体通信システムにおいて、RN毎DeNBセルのリストを設ける場合、実施の形態1の課題が再発する。
ただし、以下のように改良することで、RNグループ毎を対象とする「RN毎DeNBセルのリスト」を設ける場合であっても、実施の形態1〜実施の形態1の変形例3の解決策を用いることができる。
同じRNグループに登録したRNが、同じRNグループに属するDeNBにアクセス可能とする。つまり、DeNBと同じRNグループに登録していないRNは、該DeNBへはアクセスできないとする。以下の説明では、RNグループを、単にグループと称することがある。
実施の形態1においては、以下のように改良する。RNが、DeNBの機能を有しないターゲットeNBへアクセスしたとき、あるいは同じグループに属していないDeNBにアクセスしたときに、ターゲットeNBが、RNに対して拒絶を示す。
RNのターゲットeNBへのアクセスを拒絶するか否かを判断する方法として、以下を追加する。RNからのアクセスに対して、ターゲットeNB自身が該RNと同じグループに属していない場合は、該アクセスを拒絶すると判断する。
ターゲットeNBが、RNの属するグループを判断する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)RNが、RRC接続設立の間に、自RNが属するグループの識別子をターゲットeNBへ通知する。RNインジケーションとともに通知するようにしてもよい。RNが、自RNが属するグループの識別子をアタッチ処理によって、ターゲットeNBへ通知するようにしてもよい。
(2)RRC接続要求(RRC Connection Request)とともに自RNが属するグループの識別子をターゲットeNBへ通知する。RRC接続要求の情報要素として、自RNが属するグループの識別子を追加してもよい。
ターゲットeNBは、自身が属するグループと同じグループに属していないRNに対して、RRC接続拒絶(RRC Connection Reject)を通知する。
ターゲットeNBが、RNのアクセスを拒絶する場合、その理由を、RNへの拒絶通知に付加してもよい。具体的には、ターゲットeNBが同じグループに属していないという理由に基づく拒絶である旨の理由を付加する。このように拒絶通知に拒絶の理由を付加することによって、RNは、アクセスの拒絶の理由を認識することが可能となる。RNがアクセスの拒絶の理由を知ることで、以下の効果を得ることができる。ターゲットeNBが同じグループに属していないという理由に基づく拒絶である場合、RNは、他のセルを選択し直すことによってRNとしてサポートされる可能性があることを認識することができる。
実施の形態1の変形例1においては、以下のように改良する。ターゲットeNBは、自装置がDeNBの機能を有しない場合、あるいは自装置と同じグループに属していないRNからのアクセスの場合、ソースDeNBが起動したハンドオーバを中止する。ソースDeNBが、ハンドオーバを起動するときに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨と、RNの属するグループの識別子とを、ターゲットeNBへ通知してもよい。
ソースDeNBが、ハンドオーバ対象のRNのグループを判断する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)RNとしてのアタッチ処理におけるRRC接続設立(RRC connection establishment)の間に、RNは、DeNBに自RNが属するグループの識別子を送信する。DeNBは、RNが属するグループの識別子と、セルの識別子とを対応付けて記憶する。
(2)RNは、ソースDeNBへ測定報告を通知するときに、併せて自RNが属するグループの識別子を通知する。測定報告の情報要素として、自RNが属するグループの識別子を追加してもよい。
ソースDeNBが、ハンドオーバを起動するときに、ターゲットeNBへ、RNが属するグループの識別子を通知する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)X2インタフェースを基本としたハンドオーバ方法を用いる場合、ソースDeNBは、ターゲットeNBへ、RNが属するグループの識別子を併せて通知する。ハンドオーバ要求の情報要素として、RNが属するグループの識別子を追加してもよい。
(2)S1インタフェースを基本としたハンドオーバ方法を用いる場合、ソースDeNBは、ソースMMEへのハンドオーバ要求のときに、RNが属するグループの識別子を併せて通知する。ハンドオーバ要求の情報要素として、RNが属するグループの識別子を追加してもよい。
実施の形態1の変形例2においては、以下のように改良する。RNにおいて、eNBがDeNBの機能を有するか否かと、同じグループに属するか否かとを判断する。また、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである場合、RNのeNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果と、同じグループに属するか否かの判断結果とを用いて、ソースDeNBが、DeNBの機能を有し、同じグループに属するeNBをターゲットeNBとして選択してもよい。換言すれば、ソースDeNBが、DeNBの機能を有しないeNB、あるいは同じグループに属さないeNBをターゲットeNBとして選択しない。
RNにおいて、eNBが自RNと同じグループに属するか否かを判断する方法の具体例として、以下を開示する。
eNBが、属するグループの識別子を報知する。RNは、eNBの報知情報を受信し、受信した報知情報に基づいて、該eNBが自RNと同じグループに属するか否かを判断する。属するグループの識別子を報知する方法の具体例は、実施の形態1の変形例2のDeNBの機能を有するか否かを示す情報を報知する方法の具体例と同様であるので、説明を省略する。
RNにおける、eNBが自RNと同じグループに属するか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法の具体例として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)RNが自RNと同じグループに属さないeNBを測定の対象外とする。換言すれば、RNは、自RNと同じグループに属さないeNBの測定を行わない。つまり、RNが、ソースDeNBへ、自RNと同じグループに属するeNBをターゲットeNBの候補として通知する。ソースDeNBは、RNから通知される全ての測定報告の対象eNBが、RNと同じグループに属すると判断する。
(2)RNが自RNと同じグループに属さないeNBを測定報告の対象外とする。換言すれば、RNは、ソースDeNBに対して、自RNと同じグループに属さないeNBの測定報告を行わない。つまり、RNが、ソースDeNBへ、自RNと同じグループに属するeNBをターゲットeNBの候補として通知する。ソースDeNBは、RNから通知される全ての測定報告の対象eNBが、自RNと同じグループに属すると判断する。
(3)RNが測定報告のときに、併せて対象のeNBが自RNと同じグループに属するか否かを通知する。測定報告の情報要素として、対象のeNBが自RNと同じグループに属するか否かのインジケータを追加してもよい。ソースDeNBは、RNと同じグループに属するか否かのインジケータを用いて、測定報告の対象eNBがRNと同じグループに属するか否かを判断する。
(4)RNがソースDeNBへ、自RNと同じグループに属するeNBのうち、最も受信品質の良いeNBを対象とする測定報告を行う。つまり、RNが、ソースDeNBへ、自RNと同じグループに属するeNBをターゲットeNBとして通知する。ソースDeNBは、RNから通知される測定報告の対象eNBが、自RNと同じグループに属すると判断する。
DeNBは、RNに対して、前記(1)〜(4)のRNでのeNBが自RNと同じグループに属するか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法のうち、いずれを用いるかを選択するようにしてもよい。DeNBが、RNへ、選択した方法を通知する方法の具体例は、実施の形態1の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
実施の形態1の変形例3においては、以下のように改良する。ソースDeNBにおいて、周辺eNBがDeNBの機能を有するか否かを判断し、周辺eNBが属するグループを認識する。
また、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである場合、ソースDeNBがDeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択し、RNと同じグループに属するeNBをターゲットeNBとして選択してもよい。換言すれば、ソースDeNBが、DeNBの機能を有しないeNB、あるいは同じグループに属さないeNBをターゲットeNBとして選択しない。
ソースDeNBにおいて、周辺eNBが属するグループを認識する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)ソースDeNBが基地局としてセットアップするときに、OAMから周辺セル情報の一部として、あるいは周辺セル情報とは別個に、周辺セルの属するグループの識別子を取得する。
(2)実施の形態1の変形例2と同様に、eNBが属するグループの識別子を報知する場合、ソースDeNBが周辺eNBの報知情報を受信し、デコードし、報知情報にマッピングされるeNBが属するグループの識別子を確認する。ソースDeNBは、周辺eNBのセルの識別子と対応付けて、該eNBが属するグループの識別子を記憶する。
(3)DeNBが、周辺セル情報の一部として、あるいは周辺セル情報とは別個に、周辺セルの属するグループの識別子を、MME、あるいはRN用OAMへ問合せて、取得する。DeNBが問合せを実行するトリガは、実施の形態1の変形例3と同様であるので説明を省略する。
ソースDeNBが、RNと同じグループに属するeNBをターゲットeNBとして選択する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)ソースDeNBが判断する方法。ソースDeNBは、RNから測定報告を受信した場合、測定報告に含まれるセルの識別子に基づいて、測定報告の対象eNBがRNと同じグループに属するeNBであるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNと同じグループに属するeNBをターゲットeNBとして選択する。
(2)ソースDeNBが指示する方法。ソースDeNBは、RNに対して、RNと同じグループに属するeNBを測定対象とすることを通知する。ソースDeNBは、RNからの測定報告の対象eNBから、ターゲットeNBを選択する。RNの測定対象がRNと同じグループに属するeNBとなることから、ソースDeNBは、測定報告の対象eNBからターゲットeNBを選択すればよい。測定対象とすることの通知方法の具体例として、以下を開示する。
ソースDeNBは、報知情報に、周辺eNBの属するグループの識別子をマッピングする。報知情報に、周辺セルリスト(neighbor cell list)、あるいは周辺セル情報、あるいは周辺セル設定(neighbor cell configuration)としてマッピングしてもよい。RNは、該報知情報を受信し、デコードし、RNと同じグループに属するeNBを測定対象とする。
一方、移動体通信システムにおいて、全RN向けDeNBセルのリストを設ける場合は、RNのハンドオーバ処理にて実施の形態1〜実施の形態1の変形例3を用いることができる。
実施の形態1の変形例4での解決策を以下に示す。本変形例の解決策は、RN毎DeNBセルのリストを設ける場合のみならず、全RN向けDeNBセルのリストを設ける場合にも適用できる。そこで本変形例の説明では、「DeNBセルのリスト」を用いる。
RNにおいて、eNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する。また、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである場合、RNのeNBがDeNBの機能を有するか否かの判断結果を用いて、ソースDeNBがDeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択してもよい。換言すれば、ソースDeNBがDeNBセルのリストに含まれないeNBをターゲットeNBとして選択しない。
RNにおいて、eNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する方法の具体例を、以下に開示する。RNは、セットアップのとき、つまりフェーズ1でRN用OAMから取得したDeNBセルのリストを用いて、eNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する。
RNでのeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法の具体例として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)RNがDeNBセルのリストに含まれないeNBを測定の対象外とする。換言すれば、RNは、DeNBセルのリストに含まれないeNBの測定を行わない。つまり、RNが、ソースDeNBへDeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBの候補として通知する。ソースDeNBは、RNから通知される測定報告の全ての対象eNBは、DeNBセルのリストに含まれると判断する。
(2)RNがDeNBセルのリストに含まれないeNBを測定報告の対象外とする。換言すれば、RNは、ソースDeNBに対して、DeNBセルのリストに含まれないeNBの測定報告を行わない。つまり、RNが、ソースDeNBへDeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBの候補として通知する。ソースDeNBは、RNから通知される測定報告の全ての対象eNBは、DeNBセルのリストに含まれると判断する。
(3)RNが測定報告のときに、併せて対象のeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを通知する。測定報告の情報要素として、対象のeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かのインジケータを追加してもよい。ソースDeNBは、DeNBセルのリストに含まれるか否かのインジケータを用いて、測定報告の対象eNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する。
(4)RNがソースDeNBへ、DeNBセルのリストに含まれるeNBのうち、最も受信品質の良いeNBを対象とする測定報告を行う。つまり、RNが、ソースDeNBへDeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして通知する。ソースDeNBは、RNから通知される測定報告の対象eNBは、DeNBセルのリストに含まれると判断する。
DeNBは、RNに対して、前記(1)〜(4)のRNでのeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法のいずれを用いるかを選択するようにしてもよい。DeNBが、RNへ、選択した方法を通知する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)S1インタフェースを用いて、S1シグナリングで通知する。
(2)メジャメントコントロール(Measurement Control)を通知するときに、併せて通知する。メジャメントコントロールの情報要素として、選択したRNでのeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法を示すインジケータを追加してもよい。
(3)報知情報として、RNでのeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かの判断結果をソースeNBへ通知する方法を通知する。
ソースDeNBが、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
次に動作について説明する。従来のUEのハンドオーバ方法によって、移動RNのハンドオーバがサポートされた場合、図16および図17に示したUEの動作をRNの動作に置き換えたシーケンスとなる。
図25を用いて、実施の形態1の変形例4における移動体通信システムのシーケンスについて説明する。図25は、全体的なハンドオーバのシーケンスの一部を示している。具体的には、図25は、図16および図17のステップST1601〜ステップST1604の部分を詳細に示している。
図25は、実施の形態1の変形例4における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。ステップST2601において、ソースDeNBは、RNへ、メジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。あわせて、ソースDeNBは、RNへ、RNでのeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かの判断結果を通知する方法を指示する。本動作例では、測定報告のときに、併せて対象のeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを通知する方法を指示したと想定して、以下説明する。
ステップST2602において、RNは、ステップST2601で受信したメジャメントコントロールに従って測定(Measurement)を実行する。
ステップST2603において、RNは、測定報告の対象eNBが、セットアップのときにRN用OAMから取得したDeNBセルのリストに含まれるか否かを確認する。測定報告の対象eNBが、取得したDeNBセルのリストに含まれるか否かは、セルの識別子を用いて確認すればよい。
ステップST2604において、RNは、ステップST2601で受信したメジャメントコントロールに従って、測定報告(Measurement Report)をソースDeNBへ通知する。あわせて、RNは、ソースDeNBへ、測定報告の対象eNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かの判断結果と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST2204において、ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信している場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであると判断し、ステップST2605へ移行する。ソースDeNBは、RNから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信していない場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNでないと判断し、図16および図17のステップST1604へ移行する。
ステップST2605において、ソースDeNBは、ステップST2604で受信した測定報告などに基づいて、ハンドオーバを実行するか否か、具体的には、RNをハンドオーバさせるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNをハンドオーバさせると判断した場合は、ステップST2606において、ステップST2604で受信した測定報告の対象eNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かの判断結果に基づいて、DeNBセルのリストに含まれるeNBからターゲットeNBを決定する。換言すれば、ソースDeNBは、DeNBの機能を有するeNBをターゲットeNBとして選択する。
ステップST2606において、DeNBセルのリストに含まれるeNBからターゲットeNBが決定されると、図16のステップST1605または図17のステップST1701に移行する。
以上の実施の形態1の変形例4によって、以下の効果を得ることができる。「全RN向けDeNBセルのリスト」の場合であっても、「RN毎DeNBセルのリスト」の場合であっても、ターゲットeNBとして、DeNBセルのリストに含まれるeNBを選択することができる。これによって、RNの傘下のUEへの通信サービスを継続することが可能となる。また、ターゲットeNBがDeNBセルのリストに含まれないという理由で、必ず拒否されるハンドオーバが起動されることを防ぐことができる。これによって、移動体通信システムとしての処理の負荷を軽減することができ、制御遅延を防止することができる。
実施の形態1 変形例5.
実施の形態1の変形例5では、前述の実施の形態1の変形例4と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態1の変形例5での解決策を以下に示す。本変形例の解決策は、RN毎DeNBセルのリストを設ける場合のみならず、全RN向けDeNBセルのリストを設ける場合にも適用できる。そこで本変形例の説明では、「DeNBセルのリスト」を用いる。
ソースDeNBにおいて、周辺のeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する。また、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである場合、ソースDeNBがDeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択してもよい。換言すれば、ソースDeNBがDeNBセルのリストに含まれないeNBをターゲットeNBとして選択しない。
ソースDeNBにおいて、周辺eNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)RNがセットアップのとき、つまりフェーズ1でRN用OAMからDeNBセルのリストを取得する場合、DeNBセルのリストのデータは、RN用OAMから、DeNB経由で、RNへ通知される。DeNBは、OAMからのDeNBセルのリストをRNへ通知するときに、該DeNBセルのリストを保存する。
DeNBセルのリストを保存するときに、DeNBセルのリストと、RNのセルの識別子とを対応付けて保存するとよい。DeNBが初期設定パラメータ(initial configuration parameters)からDeNBセルのリストを抜き出しやすくするために、DeNBセルのリストを初期設定パラメータの先頭、あるいは末尾にマッピングするとよい。あるいは、DeNBセルのリストがマッピングされている領域を示すインジケータを新たに設けるとよい。また、DeNBセルのリストがマッピングされる領域は、宛先として、RNとDeNBとの2つを指定するようにしてもよい。
DeNBの機能を有するeNBのみが、RN用OAMからDeNBセルのリストを取得してもよい。DeNBの機能を有しないeNBには、追加機能が不要となる。
(2)DeNBが、傘下のRNのDeNBセルのリストをMME、あるいはRN用OAMへ問合せて、取得する。DeNBが問合せを実行するトリガの具体例として、以下の(2−1)〜(2−3)の3つを開示する。
(2−1)RNから、最初のアクセスを受信した場合。例えば、RNからRRCコネクションリクエストを受信した場合。RNからのアクセスであるか否かを判断する方法は、実施の形態1のターゲットeNBが、RNからのアクセスであるか否かを判断する方法の具体例を用いることができる。
(2−2)RNから、ハンドオーバ処理のトリガの1つである測定報告を受信した場合。
(2−3)DeNBが、RNへメジャメントコントロールを通知する場合。
RNからの測定報告であるか否かを判断する方法は、実施の形態1の変形例1のソースDeNBが、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する方法の具体例を用いることができる。
ソースDeNBが、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
ソースDeNBが、DeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)ソースDeNBが判断する方法。RNから測定報告を受信した場合、ソースDeNBは、測定報告に含まれるセルの識別子に基づいて、測定報告の対象eNBが、DeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する。ソースDeNBは、DeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択する。
(2)ソースDeNBが指示する方法。ソースDeNBは、RNに対してDeNBセルのリストに含まれるeNBを測定対象とすることを通知する。ソースDeNBは、RNからの測定報告の対象eNBからターゲットeNBを選択する。RNの測定対象がDeNBセルのリストに含まれるeNBとなることから、ソースDeNBは、測定報告の対象eNBからターゲットeNBを選択すればよい。
測定対象とすることの通知方法の具体例を、以下に開示する。ソースDeNBは、RNに対してメジャメントコントロールに測定対象(Measurement object)として、DeNBセルのリストに含まれるeNBを指定する。DeNBセルのリストに含まれるeNBを指定する方法の具体例としては、DeNBセルのリストに含まれるeNBのセルの識別子で指定する。
次に動作について説明する。従来のUEのハンドオーバ方法によって、移動RNのハンドオーバがサポートされた場合、図16および図17に示したUEの動作をRNの動作に置き換えたシーケンスとなる。
図26および図27を用いて、実施の形態1の変形例5における移動体通信システムのシーケンスについて説明する。図26および図27は、全体的なハンドオーバのシーケンスの一部を示している。
図26は、実施の形態1の変形例5における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図26では、ソースDeNBがDeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択する方法として、ソースDeNBが判断する方法を用いた場合のシーケンスを示している。
ステップST1501において、RNは、初期設定のために、通常のUEとしてアタッチ処理を行う。具体例としては、RNは、eNBとの間でアタッチ処理を行う。
ステップST2701において、eNBは、RNのセットアップのときに、RN用OAMからeNB経由でRNへ通知される、DeNBセルのリストを含む初期設定パラメータを受信する。
ステップST2702において、eNBは、受信した初期設定パラメータからDeNBセルのリストを抜き出し、抜き出したDeNBセルのリストを保存する。DeNBセルのリストを保存するときに、DeNBセルのリストと、RNのセルの識別子とを対応付けて保存するとよい。
ステップST1503において、RNは、通常のUEとしてデタッチ処理を行う。そして、RNは、RNのセットアップ方法のフェーズ2を起動する。
ステップST1504において、RNは、フェーズ1で得たDeNBセルのリストからDeNBを選択する。
ステップST1505において、RNとしてアタッチ処理を行う。ステップST1601において、ソースDeNBは、RNへメジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。
ステップST1602において、RNは、ステップST1601で受信したメジャメントコントロールに従って、測定(Measurement)を実行する。
ステップST2001において、RNは、ソースDeNBへ、測定報告(Measurement Report)と、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨とを通知する。
ステップST2204において、ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信している場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであると判断し、ステップST2703へ移行する。ソースDeNBは、RNから、測定報告とともに、ハンドオーバ対象のエンティティがRNである旨を受信していない場合は、ハンドオーバ対象のエンティティがRNでないと判断し、図16および図17のステップST1604へ移行する。
ステップST2703において、ソースDeNBは、ステップST2001で受信した測定報告などに基づいて、ハンドオーバを実行するか否か、具体的には、RNをハンドオーバさせるか否かを判断する。ソースDeNBは、RNをハンドオーバさせると判断した場合は、ステップST2704において、ステップST2702で保存したDeNBセルのリストに基づいて、DeNBセルのリストに含まれるeNBからターゲットeNBを決定する。換言すれば、ソースDeNBは、DeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択する。
ステップST2704において、DeNBセルのリストに含まれるeNBからターゲットeNBが決定されると、図16のステップST1605または図17のステップST1701に移行する。
図27は、実施の形態1の変形例5における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図27では、ソースDeNBがDeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択する方法として、ソースDeNBが指示する方法を用いた場合のシーケンスを示している。
ステップST1501において、RNは、初期設定のために、通常のUEとしてアタッチ処理を行う。具体例としては、RNは、eNBとの間でアタッチ処理を行う。
ステップST2701において、eNBは、RNのセットアップのときに、RN用OAMからeNB経由でRNへ通知される、DeNBセルのリストを含む初期設定パラメータを受信する。
ステップST2702において、eNBは、受信した初期設定パラメータからDeNBセルのリストを抜き出し、抜き出したDeNBセルのリストを保存する。
ステップST1503において、RNは、通常のUEとしてデタッチ処理を行う。そして、RNは、RNのセットアップ方法のフェーズ2を起動する。
ステップST1504において、RNは、フェーズ1で得たDeNBセルのリストからDeNBを選択する。ステップST1505において、RNとしてアタッチ処理を行う。
ステップST2801において、ソースDeNBは、ステップST2702で保存したDeNBセルのリストに基づいて、RNへ、DeNBセルのリストに含まれるeNBを測定対象とすることを指示するメジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。
ステップST2802において、RNは、ステップST2801で受信したメジャメントコントロールに従って、DeNBセルのリストに含まれるeNBを測定対象とした測定(Measurement)を実行する。
ステップST1603において、RNは、ステップST2801で受信したメジャメントコントロールに従って、測定報告(Measurement Report)をソースDeNBへ通知する。ステップST1603で測定報告を受信したソースDeNBは、図16および図17のステップST1604へ移行する。
以上の実施の形態1の変形例5によって、実施の形態1の変形例4と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1 変形例6.
実施の形態1の変形例6で解決する課題について、以下に説明する。移動体通信システムにおいて、RN毎DeNBセルのリスト、あるいは、DeNBの機能を有しているeNBの一部のeNBのリストである全RN向けDeNBセルのリストを設ける場合、以下の課題が発生する。
移動RNが実現されると、セットアップ時にRNがRN用OAMから取得したDeNBセルのリストに含まれるeNBのカバレッジの外に、RNが移動することが考えられる。RNは移動先で、いずれのeNBにRNとしてサポートされるかを認識することができない。したがって、適切なeNBがDeNBとして選択することができなくなり、RNの傘下のUEへのサービスが停止するという問題が発生する。
実施の形態1の変形例6での解決策として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)RN毎を対象とするDeNBセルのリストは、PLMN全体で1種類とする。あるいは、RNグループ毎を対象とするDeNBセルのリストは、PLMN全体で1種類とする。全RN向けDeNBセルのリスト、つまりDeNBの機能を有するeNBのリストは、PLMN全体で1種類とする。DeNBの機能を有しているeNBの一部のeNBのリストは、PLMN全体で1種類とする。つまり、DeNBセルのリストは、PLMN全体を網羅していることとなる。これによって、RNが移動した場合であっても、DeNBセルのリストに含まれるeNBのカバレッジの外となることはない。この解決策(1)は、後述の解決策(2)と比較して、DeNBセルのリストの更新が不要な点において、移動体通信システムの処理を簡略化することができる。
(2)RNの移動に伴い、DeNBセルのリストを更新する。DeNBセルのリストの更新方法の具体例として、以下の(2−1)〜(2−4)の4つを開示する。
(2−1)ターゲットeNBが更新する。RNがハンドオーバしたとき、ターゲットeNB、つまりハンドオーバ先のDeNB、あるいはMMEが、ターゲットeNBの周辺のDeNBの機能を有するeNBを新たなDeNBセルのリストとして、RNへ通知する。新たなDeNBセルのリストを受信したRNは、DeNBセルのリストを更新する。
ハンドオーバ前のDeNBセルのリストに対して、eNBを追加、あるいは削除する指示でもよい。ハンドオーバ先のDeNBが、周辺のDeNBの機能を有するeNBを知る方法の具体例としては、実施の形態1の変形例3のソースDeNBにおいて、周辺のeNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する方法の具体例を用いることができる。
あわせて、ターゲットeNBは、RNのセルの識別子とともに、新たなDeNBセルのリストをMMEおよびRN用OAMへ通知し、ネットワーク側で管理されている該RNのDeNBセルのリストを更新してもよい。
(2−2)RNが更新する。RNが、測定のときに受信品質の良好な周辺のDeNBの機能を有するeNBを、DeNBセルのリストに追加する。あるいは、受信品質の良好な周辺のDeNBの機能を有するeNBと、受信品質の不良なDeNBセルのリスト内のeNBとを入れ替えてもよい。入れ替えを実行する場合、DeNBセルのリスト内に含まれるeNBの最大数を予め決定しておいてもよいし、DeNBから通知してもよい。また、受信品質の不良なDeNBセルのリスト内のeNBを、DeNBセルのリストから削除してもよい。
受信品質が良好か否か、あるいは不良か否かは、予め閾値を設けてもよいし、DeNBから閾値を通知してもよい。閾値の通知方法は、実施の形態1の変形例2のRNが、eNBがDeNBの機能を有するか否かを認識する方法の具体例を用いることができる。RNは、RNのセルの識別子とともに、新たなDeNBセルのリストをDeNB経由で、MMEおよびRN用OAMへ通知し、ネットワーク側で管理されている該RNのDeNBセルのリストを更新してもよい。
(2−3)ソースDeNBが通知する。ソースDeNBが、RNへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたメッセージを通知するときに、併せて新しいDeNBセルのリストを通知する。新しいDeNBセルのリストを取得したRNは、DeNBセルのリストを更新する。新しいDeNBセルのリストを通知するメッセージの具体例としては、RRC接続再設定メッセージ、ハンドオーバコマンドなどがある。ソースeNBは、RNのセルの識別子とともに、新たなDeNBセルのリストをDeNB経由で、MMEおよびRN用OAMへ通知し、ネットワーク側で管理されている該RNのDeNBセルのリストを更新してもよい。
ソースDeNBが、ターゲットeNBで最適な新しいDeNBセルのリストを取得する方法の具体例として、以下の(2−3−1),(2−3−2)の2つを開示する。
(2−3−1)X2インタフェースを基本としたハンドオーバの方法を用いる場合は、ターゲットeNB経由で新しいDeNBセルのリストを取得する。
(2−3−2)S1インタフェースを基本としたハンドオーバの方法を用いる場合は、ソースMMEおよびターゲットMME経由で新しいDeNBセルのリストを取得する。
(2−4)RNが再アタッチを行い、RN用OAMからDeNBセルのリストを取得する。RNは、ソースDeNBからハンドオーバの実行を指示された場合、ターゲットeNBにRRC接続した後、RNのセットアップを起動し、再度フェーズ1を実行し、ターゲットeNB経由で新しいDeNBセルのリストを取得する。
ターゲットeNBセルが、新しいDeNBセルのリストに含まれないような場合は、RNは、ハンドオーバ処理を中止し、ソースeNBへ戻る。あるいは、RNは、周辺セルのサーチを実行し、他のeNBをDeNBとして選択する。他のeNBをDeNBとして選択する場合、新しいDeNBセルのリストに含まれるeNBから選択すればよい。
RNが、RNの傘下のUEとのRRC_CONNECTED状態を継続しつつ、RNのセットアップを起動し、再度フェーズ1を実行する場合、以下の課題が発生する。
図28は、DeNBの傘下にRNが存在した場合の移動体通信システムのアーキテクチャを示す図である。
DeNB1305の傘下に、RN1304と、UE2901とが存在する。RN1304の傘下に、UE1303が存在する。DeNB1305とRN1304とは、下りバックホールリンク(BL_DL)2902と、上りバックホールリンク(BL_UL)2903とで接続される。RN1304とUE1303とは、下りアクセスリンク(AL_DL)2904と上りアクセスリンク(AL_UL)2905とで接続される。DeNB1305とUE2901とは、通常の下りリンク(Normal_DL)2906と通常の上りリンク(Normal_UL)2907とで接続される。
図29および図30を用いて、DeNB1305の傘下に、RN1304とUE2901とが存在した場合のFDDにおけるサブフレームの利用方法について説明する。
図29は、DeNB1305の傘下に、RN1304とUE2901とが存在した場合のFDDにおける下りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図29において、参照符号「3001」で示されるサブフレームは、DeNB1305から傘下のRN1304およびUE2901への下りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「3002」で示されるサブフレームは、RN1304から傘下のUE1303への下りリンクのサブフレームの構成例である。
図30は、DeNB1305の傘下に、RN1304とUE2901とが存在した場合のFDDにおける上りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図30において、参照符号「3003」で示されるサブフレームは、DeNB1305の傘下のRN1304およびUE2901からDeNB1305への上りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「3004」で示されるサブフレームは、RN1304の傘下のUE1303からRN1304への上りリンクのサブフレームの構成例である。
下りリンク3001は、DeNB1305からRN1304への下りリンク、あるいはDeNB1305からUE2901への下りリンクを示す。下りリンク3002は、RN1304からUE1303への下りリンクを示す。
上りリンク3003は、RN1304、あるいはUE2901からDeNB1305への上りリンクを示す。上りリンク3004は、UE1303からRN1304への上りリンクを示す。
下りリンク3001の中で、DeNB1305からRN1304への下りバックホールリンク(BL_DL)2902と、DeNB1305からUE2901への通常の下りリンク(Normal_DL)2906とは、時分割多重される。具体例としては、下りバックホールリンク(BL_DL)2902は、サブフレーム番号#1,#2を用い、通常の下りリンク(Normal_DL)2906は、サブフレーム番号#0,#3〜#9を用いる。
上りリンク3003の中で、RN1304からDeNB1305への上りバックホールリンク(BL_UL)2903と、UE2901からDeNB1305への通常の上りリンク(Normal_UL)2907とは、時分割多重される。具体例としては、上りバックホールリンク(BL_UL)2903は、サブフレーム番号#1,#2,#5,#6を用い、通常の下りリンク(Normal_DL)2906は、サブフレーム番号#0,#3,#4,#7〜#9を用いる。
また、前述のように、RNにおいて、RNの送信が自RNの受信へ干渉することを防ぐために、DeNB1305からRN1304への下りバックホールリンク(BL_DL)2902と、RN1304からUE1303への下りアクセスリンク(AL_DL)2904とを時分割多重する。具体例としては、下りバックホールリンク(BL_DL)2902は、下りリンク3001の中で、サブフレーム番号#1,#2を用い、下りアクセスリンク(AL_DL)2904は、下りリンク3002の中で、サブフレーム番号#0,#3〜#9を用いる。
また、RN1304からDeNB1305への上りバックホールリンク(BL_UL)2903と、UE1303からRN1304への上りアクセスリンク(AL_UL)2905とを時分割多重する。具体例としては、上りバックホールリンク(BL_UL)2903は、上りリンク3003の中で、サブフレーム番号#1,#2,#5,#6を用い、上りアクセスリンク(AL_UL)2905は、上りリンク3004の中で、サブフレーム番号#0,#3,#4,#7〜#9を用いる。
何の工夫も無ければ、RNはセットアップ時に、通常のUEとしてDeNBへ接続する。したがって下りリンクにおいて、RNは、セットアップ用に通常の下りリンク(Normal_DL)2906の受信を、下りリンク3001の中のサブフレーム番号#0で行い、傘下のUE1303との接続を維持するために下りアクセスリンク(AL_DL)2904の送信を、下りリンク3002の中のサブフレーム番号#0で行うこととなる。
これによって、下りリンクにおいて、例えばサブフレーム番号#0において、RNの送信が自RNの受信へ干渉することが生じる。
同様に上りリンクにおいても、RNは、セットアップ用に通常の上りリンク(Normal_UL)2907の送信を、上りリンク3003の中のサブフレーム番号#0で行い、傘下のUE1303との接続を維持するために上りアクセスリンク(AL_UL)2905の受信を、上りリンク3004の中のサブフレーム番号#0で行うこととなる。
これによって、上りリンクにおいて、例えばサブフレーム番号#0において、RNの送信が自RNの受信へ干渉することが生じる。
前述の干渉の解決策として、以下の(2−4−1),(2−4−2)の2つを開示する。
(2−4−1)RNは、再アタッチを行っている間は、傘下のUEへのリソースの割当てを行わない。ギャップを設ける。上りアクセスリンク(AL_UL)2905、および下りアクセスリンク(AL_DL)2904での割当てを実行しない。
これによって、同じサブフレームにおいて、RN内で送信と受信とが発生することを防ぐことができる。したがって、RNの送信が自RNの受信へ干渉することを防止することができる。RNは、再アタッチを行う場合に、傘下のUEへ、リソースの割当てが所定期間行われないことを示す保留コマンドを通知してもよい。または、接続中のUEに対してのみ、保留コマンドを通知するようにしてもよい。所定期間の具体例としては、RNが再アタッチを実行している期間がある。
(2−4−2)RN、およびDeNBは、再アタッチの通信において、バックホールリンク2902,2903用のリソースを用いる。これによって、同じサブフレームにおいて、RN内で送信と受信とが発生することを防ぐことができる。したがって、RNの送信が自RNの受信へ干渉することを防止することができる。RNは、再アタッチを示すインジケータをDeNBに通知するとよい。あるいは、RNは、傘下のUEとの接続を維持したままのアタッチ処理である旨を示すインジケータを、DeNBに通知するようにしてもよい。
(2−5)前記の方法(2−1)〜(2−4)では、RNの移動の度、あるいはハンドオーバの度に、DeNBセルのリストを更新する必要があるので、移動体通信システムの処理負荷が増加するという課題が発生する。そこで、RN毎にDeNBセルのリストは、MMEで1種類とする。あるいは、RNグループ毎にDeNBセルのリストは、MMEで1種類とする。DeNBの機能を有しているeNBの一部のeNBのリストは、MMEで1種類とする。つまり、MME毎のDeNBセルのリストとする。これによって、RNがMMEの管理範囲をまたいで移動しなければ、DeNBセルのリストの更新は不要となる。
ただし、RNがMMEの管理範囲をまたいで移動した場合は、DeNBセルのリストの更新が必要となる。RNがMMEの管理範囲をまたいで移動した場合のDeNBセルのリストの更新方法の具体例として、以下の(2−5−1),(2−5−2)の2つを開示する。
(2−5−1)ソースDeNBが通知する。ソースDeNBは、ターゲットMME経由で、新しいDeNBセルのリストを取得する。具体的な方法は、前記(2−3)と同様である。
(2−5−2)RNが再アタッチを行い、RN用OAMからDeNBセルのリストを取得する。RNは、いつ再アタッチが必要か不明である。ソースDeNBは、選択したターゲットeNBが、自セルと異なるMMEの管理下のセルであれば、RNに対して再アタッチが必要な旨を通知すればよい。再アタッチが必要な旨を通知するメッセージの具体例としては、RRC接続再設定メッセージ、ハンドオーバコマンドなどがある。具体的な方法は、前記(2−4)と同様である。
(3)DeNBセルのリストは、RNのセットアップ時のみ用いる。つまり、セットアップ時のフェーズ2でのみ用いる。セットアップ時以降は、DeNBセルを選択する上で、あるいはRNが接続可能かどうかを判断する上で、DeNBセルのリストを用いないこととする。
(4)DeNBセルのリストを、定期的、あるいは周期的に更新する。更新方法の具体例として、以下の(4−1),(4−2)の2つを開示する。
(4−1)ソースDeNBが、OAMから、傘下のRNのDeNBセルのリストを取得する。
(4−2)OAMが、ソースDeNBへ、ソースDeNBの傘下のRNのDeNBセルのリストを通知する。
次に動作について説明する。図31、図32、図33および図34を用いて、実施の形態1の変形例6における移動体通信システムのシーケンスについて説明する。図31〜図34は、全体的なハンドオーバのシーケンスのうち、DeNBセルのリスト更新の部分を示している。
図31は、実施の形態1の変形例6における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図31では、ターゲットeNBがDeNBセルのリストを更新する場合のシーケンスを示している。
ステップST1801において、RNは、ターゲットeNBへ、RRC接続要求(RRC Connection Request)を通知する。このとき、設立理由を「RNからのアタッチ」とする。
ステップST1802において、ターゲットeNBは、RNからのアクセスであるか否かを判断する。具体的には、ステップST1802において、ターゲットeNBは、ステップST1801で受信したRRC接続要求の中の設立理由が「RNからのアタッチ」を示すか否かを判断する。
ターゲットeNBは、ステップST1802において「RNからのアタッチ」を示すと判断した場合は、RNからのアクセスであると判断して、ステップST3101へ移行する。ターゲットeNBは、ステップST1802において「RNからのアタッチ」を示さないと判断した場合は、RNからのアクセスでないと判断して、ステップST3101を実行しない。
ステップST3101において、ターゲットeNBは、RNへ新たなDeNBセルのリストを通知する。
ステップST3102において、ステップST3101で新たなDeNBセルのリストを受信したRNは、DeNBセルのリストを更新する。
図32は、実施の形態1の変形例6における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図32では、RNがDeNBセルのリストを更新する場合のシーケンスを示している。
ステップST3201において、DeNBは、受信品質が良好か否かの閾値として、DeNBセルのリストへ追加するか否かの閾値(以下「DeNBセルのリストへの追加閾値」という)をRNへ通知する。またDeNBは、受信品質が不良か否かの閾値として、DeNBセルのリストから削除するか否かの閾値(以下「DeNBセルのリストからの削除閾値」という)を、RNへ通知する。
ステップST3202において、RNは、測定(Measurement)を実行する。このとき、DeNBセルのリストに含まれるeNBも併せて測定してもよい。
ステップST3203において、RNは、ステップST3202の測定の結果において、受信品質が、ステップ3201で受信したDeNBセルのリストへの追加閾値より良好なeNBが存在するか否かを判断する。ステップST3203において、DeNBセルのリストへの追加閾値より良好なeNBが存在すると判断した場合は、ステップST3204へ移行する。ステップST3203において、DeNBセルのリストへの追加閾値より良好なeNBが存在しないと判断した場合は、ステップST3206へ移行する。
ステップST3204において、RNは、DeNBセルのリストへの追加閾値より良好なeNBがDeNBの機能を有するか否かを判断する。DeNBの機能を有すると判断した場合は、ステップST3205へ移行する。DeNBの機能を有しないと判断した場合は、ステップST3206へ移行する。
ステップST3205において、RNは、DeNBセルのリストへの追加閾値より良好なeNBを、DeNBセルのリストへ追加する。
ステップST3206において、RNは、ステップST3202の測定の結果に基づいて、DeNBセルのリスト内に、受信品質を表す値が削除閾値未満、すなわち受信品質が、ステップ3201で受信したDeNBセルのリストへの削除閾値より不良なeNBが存在するか否かを判断する。ステップST3206において、受信品質が、DeNBセルのリストへの削除閾値より不良なeNBが存在すると判断した場合は、ステップST3207へ移行する。ステップST3206において、DeNBセルのリストへの削除閾値より不良なeNBが存在しないと判断した場合は、ステップST3207を実行しない。
ステップST3207において、RNは、DeNBセルのリストへの削除閾値より不良なeNBを、DeNBセルのリストから削除する。
ステップST3203〜ステップST3205の処理と、ステップST3206〜ステップST3207の処理との順序は任意であり、独立して実行されてもよい。
図33は、実施の形態1の変形例6における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図33では、ソースDeNBがDeNBセルのリストを通知する場合のシーケンスを示している。
ステップST3301において、ソースDeNBは、RNへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むメッセージを通知する。このとき、ソースDeNBは、併せて、新たなDeNBセルのリストを通知する。新たなDeNBセルのリストを通知するメッセージの具体例としては、RRC接続再設定メッセージ、ハンドオーバコマンドなどがある。
ステップST3302において、ステップST3301で新たなDeNBセルのリストを受信したRNは、DeNBセルのリストを更新する。
図34は、実施の形態1の変形例6における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図34では、RNが再アタッチを行い、RN用OAMからDeNBセルのリストを取得する場合のシーケンスを示している。
ステップST3401において、ソースDeNBは、RNへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を通知する。併せて、ソースDeNBは、RNへ、ハンドオーバの実行を指示する。
ステップST3402において、ソースDeNBからモビリティ制御情報を受信したRNは、傘下のUEへ保留コマンドを通知する。
ステップST3403において、RNは、傘下のUEに対するアクセスリンク(AL)のスケジューリングを中断する。
ステップST1501において、RNは、初期設定のために、ターゲットeNB経由で、E−UTRAN、あるいはEPCへ、通常のUEとしてアタッチ処理を行う。
ステップST3404において、RN用OAM(Operation Administration and Maintenance)は、RNへ、新たなDeNBセルのリストを含む初期設定パラメータ(initial configuration parameters)を通知する。
ステップST3405において、ステップST3404で新たなDeNBセルのリストを受信したRNは、DeNBセルのリストを更新する。
ステップST3406において、RNは、ターゲットeNBがDeNBセルのリストに含まれるか否かを判断する。このとき、セルの識別子を用いて判断すればよい。ステップST3406において、ターゲットeNBがDeNBセルのリストに含まれると判断した場合は、ステップST3407へ移行する。ステップST3406において、ターゲットeNBがDeNBセルのリストに含まれないと判断した場合は、ステップST3408へ移行する。
ステップST3407において、RNは、傘下のUEに対するアクセスリンク(AL)のスケジューリングを再開する。
ステップST3408において、RNは、ハンドオーバ処理を中止し、ソースeNBへ戻る。
以上の実施の形態1の変形例6によって、以下の効果を得ることができる。DeNBセルのリストが、RNの移動に伴って更新されることとなる。これによって、RNは移動した場合であっても、いずれのeNBにRNとしてサポートされるか認識できることとなる。したがって、RNの傘下のUEへの通信サービスを継続することが可能となる。
実施の形態1 変形例7.
前述のように、移動RNは、高速バスおよび高速鉄道などの移動体に設置されることが考えられている。つまり、移動RNは、決まったルート上を移動することが考えられる。本変形例では、そのような場合の、移動RNの最適なハンドオーバ処理の方法について開示する。
ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであった場合、RNに応じて、移動ルートをカバレッジとするeNBをターゲットeNBとして選択する。ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであった場合、RNに応じて、移動ルートをカバレッジとするDeNBの機能を有するeNBを、ターゲットeNBとして選択してもよい。
ハンドオーバ対象のエンティティがRNであるか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1と同様であるので説明を省略する。
RNに応じたターゲットeNBを選択する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)RNの場所に応じたターゲットeNBを選択する。ソースDeNBは、RNの位置を確認する。位置を確認する方法としては、既存技術である全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)などを用いることができる。
(2)RNの移動の向きに応じたターゲットeNBを選択する。ソースDeNBは、ハンドオーバ対象のエンティティがRNであった場合、RNの移動の向きを確認する。RNの移動の向きは、2つの異なる時間におけるRNの位置を推測および計算することによって確認する。
(3)RNが移動するルートに応じたターゲットeNBを選択する。RN毎に対応するルートを設定可能としてもよい。RN毎に対応するルートを保存する方法の具体例として、以下の(3−1),(3−2)の2つを開示する。
(3−1)サーバに、RNのセルの識別子と対応付けてルート情報を保存する。
(3−2)RN毎に、移動ルートと対応付けられたルート情報を付加する。該付加は、RNのセットアップのときに、RN用OAMから割当てられてもよい。RNは、アタッチ処理におけるRRC接続設立(RRC connection establishment)の間に、自RNに付加された、つまり割当てられたルート情報をDeNBに通知する。あるいは、ソースDeNBへ測定報告を通知するときに、併せて自RNに付加されたルート情報を通知する。
ソースDeNBが、移動ルートをカバレッジとするeNBを知る方法の具体例を、以下に開示する。サーバに、ルート情報に対応付けて、その移動ルートをカバレッジとするeNBを保存する。ソースDeNBが、RNのセルの識別子、あるいはRNのルート情報を用いて、サーバに移動ルートをカバレッジとするeNBを問合せる。問い合わせのときに、RNの場所、RNの移動の向きを用いて問合せてもよい。DeNBが問合せを実行するトリガとしては、実施の形態1の変形例5の具体例を用いることができる。また予め、移動ルートをカバレッジとするeNBを、DeNBに記憶しておいてもよい。RNのセルの識別子、あるいはRNのルート情報と対応付けて記憶しておいてもよい。この場合、RNのルート情報、移動ルートをカバレッジとするeNBなどの内容に変更があった場合は、サーバがDeNBへ通知すればよい。
ソースDeNBが、DeNBセルのリストに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)ソースDeNBが判断する方法。RNから測定報告を受信した場合、ソースDeNBは、測定報告に含まれるセルの識別子に基づいて、測定報告の対象eNBが、移動ルートをカバレッジとするeNBに含まれるか否かを判断する。ソースDeNBは、移動ルートをカバレッジとするeNBに含まれるeNBをターゲットeNBとして選択する。
(2)ソースDeNBが指示する方法。ソースDeNBは、RNに対して移動ルートをカバレッジとするeNBに含まれるeNBを測定対象とすることを通知する。ソースDeNBは、RNからの測定報告の対象eNBからターゲットeNBを選択する。RNの測定対象が移動ルートをカバレッジとするeNBとなることから、ソースDeNBは、測定報告の対象eNBからターゲットeNBを選択すればよい。
測定対象とすることの通知方法の具体例を、以下に開示する。ソースDeNBは、RNに対してメジャメントコントロールに測定対象(Measurement object)として、移動ルートをカバレッジとするeNBを指定する。指定の方法の具体例としては、DeNBセルのリストに含まれるeNBのセルの識別子で指定する。
さらに、ソースDeNBは、RNに対して移動ルートをカバレッジとするeNBに含まれるeNBにおいて、最も自eNBに近いeNBを測定対象として通知してもよい。つまり、ソースDeNBは、ターゲットeNBを予め決定する。この場合、RNは、その他の周辺セルの測定を実行しなくてもよい。RNは、測定報告によって、ソースDeNBの受信品質が悪くなったこと、あるいは受信品質が予め決められた閾値より不良となったことを通知するのみでもよい。これによって、RNの処理の負荷を軽減することができる。
次に動作について説明する。図35は、実施の形態1の変形例7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
ステップST1501において、RNは、初期設定のために、通常のUEとしてアタッチ処理を行う。具体例としては、RNは、eNBおよびHSSとの間でアタッチ処理を行う。
ステップST1502において、RNは、RN用OAMから、DeNBセルのリストを含む初期設定パラメータ(initial configuration parameters)を読み出す。
ステップST3501において、RN用OAMは、RNの移動ルートと対応付けられたルート情報をRNへ通知する。これによってRNは、RN用OAMから自RNの移動ルートと対応付けられたルート情報を取得する。
ステップST1503において、RNは、ネットワークから、通常のUEとしてデタッチ処理を行う。そして、RNは、RNのセットアップ方法のフェーズ2を起動する。
ステップST1504において、RNは、フェーズ1で得たDeNBセルのリストからDeNBを選択する。
ステップST3502において、RNは、ステップST1505のアタッチ処理におけるRRC接続設立(RRC connection establishment)の間に、自RNに割当てられたルート情報をソースDeNBに通知する。
ステップST3503において、ソースDeNBは、ステップST3502で受信したルート情報を用いて、サーバへ、該ルート情報に応じた移動ルートをカバレッジとするeNBを問い合わせ、該eNBの情報を取得する。
ステップST3504において、ソースDeNBは、ステップST3503で受信した移動ルートをカバレッジとするeNB中で、自eNBに最も近いeNBを、測定対象であるターゲットeNBとして選択する。
ステップST3505において、ソースDeNBは、RNへ、メジャメントコントロール(Measurement Control)を通知する。測定対象として、ステップST3504で選択したターゲットeNBを通知してもよい。
ステップST3506において、RNは、ステップST3505で受信したメジャメントコントロールに従って、測定(Measurement)を実行する。
ステップST3507において、RNは、ステップST3505で受信したメジャメントコントロールに従って、測定報告(Measurement Report)をソースDeNBへ通知する。
ステップ3508において、ソースDeNBは、ステップST3507で受信した測定報告などに基づいて、RNをハンドオーバさせるか否かを判断する。既にターゲットeNBは選択しているので、ターゲットeNBを選択する処理を行う必要はない。
以上の実施の形態1の変形例7によって、以下の効果を得ることができる。移動RNが決まったルート上を移動する場合、該移動ルートをカバレッジとするeNBをターゲットeNBとして選択することが可能となる。これによって、決まったルートを移動する上で最適なハンドオーバ処理を実施することができ、無駄なハンドオーバ処理を防止することができる。したがって、処理負荷を軽減することができ、制御遅延を防止することができる。
実施の形態2.
インバンドRN(inband relay)が検討されている(非特許文献7参照)。図28を用いて、インバンドRNにおける周波数の利用方法について説明する。
DeNB1305からRN1304への下りバックホールリンク(BL_DL)2902と、RN1304からUE1303への下りアクセスリンク(AL_DL)2904とは、1つのキャリア周波数で、時分割多重する。なお、DeNB1305からUE2901への通常の下りリンク(Normal_DL)2906も、BL_DL2902およびAL_DL2904と同一のキャリア周波数が用いられる。
UE1303からRN1304への上りアクセスリンク(AL_UL)2905と、RN1304からDeNB1305への上りバックホールリンク(BL_UL)2903とは、1つのキャリア周波数で、時分割多重する。なお、UE2901からDeNB1305への通常の上りリンク(Normal_UL)2907も、AL_UL2905およびBL_UL2903と同一のキャリア周波数が用いられる。以上のように、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが同一のRNをインバンドRN(inband relay)と称する。
実施の形態2で解決する課題について、以下に説明する。
インバンドRNが、ソースDeNBとは異なる周波数、あるいは異なる周波数バンドで運用されているeNBのカバレッジ内へ移動した場合、つまりハンドオーバした場合について考える。このような状況を異周波数ハンドオーバ(HO)と称する。
インバンドRNが異周波数ハンドオーバを行った場合、バックホールリンクと、アクセスリンクとで異なる周波数が用いられるという課題が発生する。
実施の形態2での解決策を以下に示す。インバンドRNが、異周波数ハンドオーバを行う場合、アクセスリンクの周波数をバックホールリンクの周波数に合わせて変更する。
アクセスリンクの周波数をバックホールリンクの周波数に合わせて変更した場合、RNの傘下のUEとの接続において、以下の新たな問題が生じる。
RNの傘下のUEは、通信中のアクセスリンクの受信品質が急激に悪化し、急に通信が切断されるという問題が発生する。
上記問題に対する解決策を以下に示す。インバンドRNが、異周波数ハンドオーバを行う場合、RNの傘下のRRC_CONNECTED状態のUEに対して、周波数を変更してRRC再接続を行う指示を通知する。また、ターゲットeNBとの新たなバックホールリンクの周波数を併せて通知してもよい。
RRC再接続を行う指示の通知方法の具体例として、以下を開示する。周波数を変更して、RRC再接続を指示することを示す、異周波数RRC接続変更メッセージを新たに設ける。
異周波数RRC接続変更メッセージにマッピングするパラメータの具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)インバンドRNが異周波数ハンドオーバを行った後の、新たなアクセスリンクの周波数。
(2)新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成。MBSFNサブフレーム構成は、システム情報で報知される。異周波数RRC接続変更メッセージによって、新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成を通知することで、UEが新たなアクセスリンクで報知情報を受信する必要がなくなる。これによって、UEの処理の負荷を軽減することができる。
次に動作について説明する。図36は、実施の形態2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
ステップST3601において、RNは、測定(Measurement)を実行する。
ステップST3602において、RNは、測定報告(Measurement Report)をソースDeNBへ通知する。
ステップST3603において、ソースDeNBは、ステップST3602で受信した測定報告などに基づいて、RNをハンドオーバさせるか否かを判断する。RNをハンドオーバさせる場合、ハンドオーバ先であるターゲットeNBを決定する。
ステップST3604において、ソースDeNBは、RNへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を通知する。併せて、ソースDeNBは、RNへ、ハンドオーバの実行を指示する。
ステップST3605において、RNは、ターゲットeNBとの間で接続処理を実行する。
ステップST3606において、RNは、ターゲットeNBで運用されている周波数、つまりRNとターゲットeNBとのバックホールリンクで用いる周波数と同一の周波数でアクセスリンク(AL)の送信を開始する。以下の説明において、ターゲットeNBで運用されている周波数を「変更後周波数」と称する。
ステップST3607において、RNは、ハンドオーバ前のアクセスリンクの周波数、つまりRNとソースDeNBとのバックホールリンクで用いられる周波数で、傘下のUEに対して異周波数RRC接続変更メッセージを通知する。併せて、RNは、傘下のUEへ、リソースの割当てが所定期間行われないことを示す保留コマンドを通知してもよい。以下の説明において、ハンドオーバ前のアクセスリンクの周波数を「変更前周波数」と称する。
ステップST3608において、RNは、変更前周波数でのアクセスリンク(AL)の送信を停止する。
ステップST3609において、RNは、報知情報をUEへ通知する。RNの傘下のUEは、異周波数RRC接続変更メッセージで通知された新たなアクセスリンクの周波数を用いて、セルサーチを行い、同期を取り、報知情報を受信する。
ステップST3610において、RNの傘下のUEは、RNとの間で接続処理を実行する。
ステップST3611において、RNの傘下のUEは、異周波数RRC接続変更完了メッセージをRNへ通知する。
また、変更後周波数でアクセスリンクの送信を開始するポイント、あるいは変更前周波数でのアクセスリンクの送信を停止するポイントは、前記の例に限らない。具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)RNが、傘下のRRC_CONNECTED状態のUEから異周波数RRC接続変更完了通知を受信したことを確認した後、ステップST3608の処理を実行してもよい。これによって、傘下のRRC_CONNECTED状態のUEが、変更後周波数での接続を完了した後に、変更前周波数でのアクセスリンクの送信停止を行うことが可能となる。これによって、よりユーザフレンドリーな移動体通信システムを構築することができる。
(2)変更前周波数でのアクセスリンクの送信を停止するステップST3608の処理の後に、変更後周波数でのアクセスリンクの送信を開始するステップST3606の処理を実行してもよい。これによって、RNが、変更前周波数と、変更後周波数との2種類の周波数でアクセスリンクを送信することを回避することができる。したがって、RNの小型化、低消費電力化および低コスト化を図ることができる。
以上の実施の形態2によって、以下の効果を得ることができる。インバンドRNが移動した場合であっても、バックホールリンクと、アクセスリンクとを同じ周波数にすることができる。
また、RNが異周波数ハンドオーバを実行した場合であっても、RNが、傘下のRRC_CONNECTED状態のUEへ、異周波数RRC接続変更メッセージを通知することによって、変更後周波数で送信されるアクセスリンクを用いて、RNとRNの傘下のUEとの接続、および通信を継続することができる。
実施の形態2 変形例1.
実施の形態2の変形例1で解決する課題について、以下に説明する。実施の形態2の解決策では、周波数を変更してRRC再接続を行う指示を通知するメッセージを新たに設けている。しかし、RRC再接続を行う指示を通知するメッセージを新たに設けると、移動体通信システムが複雑化するという問題が発生する。
実施の形態2の変形例1での解決策を以下に示す。インバンドRNが、異周波数ハンドオーバを行う場合、アクセスリンクの周波数をバックホールリンクの周波数に合わせて変更する。RNの傘下のRRC_CONNECTED状態のUEに対して、周波数を変更してRRC再接続を行う指示を通知する。該周波数は、ターゲットeNBとの新たなバックホールリンクの周波数とする。該通知に、UEのハンドオーバ処理を用いる。これによって、新たなメッセージを設ける必要がなく、移動体通信システムが複雑化することを回避することができる。
周波数を変更してRRC再接続を行う指示を通知する場合に、UEのハンドオーバ処理を用いる場合の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)用いるメッセージの具体例を開示する。ソースeNBから傘下のUEへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を用いる。あるいは、単にRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を用いてもよい。あるいは、ソースeNBから傘下のUEへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたハンドオーバコマンド(Handover Command)を用いる。
(2)メッセージの中にマッピングするパラメータの具体例として、以下(2−1)〜(2−3)の3つを開示する。
(2−1)周波数を変更してRRC再接続を行う指示。
(2−2)インバンドRNが異周波数ハンドオーバした後の、新たなアクセスリンクの周波数。
(2−3)新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成。MBSFNサブフレーム構成は、システム情報で報知される。異周波数RRC接続変更メッセージで新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成を通知することによって、UEが新たなアクセスリンクで報知情報を受信する必要がなくなる。これによって、UEの処理の負荷を軽減することができる。
(3)単に従来のUEのハンドオーバ処理を用いるのではなく、インバンドRNが、異周波数ハンドオーバを行う場合、RNの傘下のRRC_CONNECTED状態のUEに対して、周波数を変更してRRC再接続を行う指示を通知するのに適した変更を加える。これによって、不要な処理を削減することができ、制御遅延を防止することができる。変更を加える点の具体例として、以下の(3−1)〜(3−2)の2つを開示する。
(3−1)従来のUEのハンドオーバ処理におけるソースeNBが、ターゲットeNBへUEに関するデータを受け渡す(Data Forwarding)処理を実行しない。例えば、図16のステップST1609の処理を実行しない。インバンドRNが、異周波数ハンドオーバを行った場合であっても、インバンドRNの傘下のUEが通信している相手は、インバンドRNであり、変更なく、同一である。したがって、UEに関するデータの受け渡しを行う必要はない。
(3−2)従来のUEのハンドオーバ処理におけるソースeNBが、ターゲットeNBへPDCP(Packet Data Convergence Protocol)状態を保存するための情報を通知する処理を実行しない。通知のメッセージの具体例としては、SNステータストランスファーメッセージ(SN STATUS TRANSFER message)がある。例えば、図16のステップST1609の処理の前に行われる。インバンドRNが、異周波数ハンドオーバを行った場合であっても、インバンドRNの傘下のUEが通信している相手は、インバンドRNであり、変更なく、同一である。したがって、PDCP状態を保存するための情報を通知を行う必要はない。
次に動作について説明する。図37は、実施の形態2の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
ステップST3601〜ステップST3606の処理が行われた後、ステップST3701において、RNは、変更前周波数で、傘下のUEに対してモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を通知する。該通知において、周波数を変更してRRC再接続を行う指示、および変更後の周波数を通知する。併せて、傘下のUEが、変更後周波数で報知情報を受信する必要がないように、新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成を通知してもよい。
ステップST3608の処理が行われた後、ステップST3702において、RNの傘下のUEは、モビリティ制御情報で通知された新たなアクセスリンクの周波数を用いて、セルサーチを行う。ステップST3701において、変更後周波数で報知情報を受信する必要がないように、新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成などを受信していれば、ステップST3702において、報知情報を受信する必要はない。これによって、UEの低消費電力化を図ることができる。
ステップST3703において、RNの傘下のUEは、RNとの間で接続処理を実行する。
以上の実施の形態2の変形例1によって、実施の形態2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。メッセージを新たに設ける必要が無い。したがって、移動体通信システムが複雑化することを回避することができる。
実施の形態2 変形例2.
実施の形態2の変形例2で解決する課題について、以下に説明する。
アクセスリンクの周波数をバックホールリンクの周波数に合わせて変更した場合、RNの傘下のUEとの接続において、以下の新たな問題が生じる。RNの傘下のUEは、待受け中のアクセスリンクの受信品質が急激に悪化するという問題が発生する。待受け中のUEのセル選択は、UEが判断する。その結果、変更後周波数、つまり異周波数で運用が開始されるインバンドRNを再選択する場合と、他の周辺セルを再選択する場合との双方が考えられる。つまり、インバンドRNを再選択するか否かは不明である。
想定されている移動RNのサービス形態である、移動RNが高速バスなどに設置される場合を考える。移動RNが異周波数ハンドオーバを行った場合であっても、移動RNが設置されている高速バスの乗客が所有するUEは、移動RNをセル選択することが望まれる。
実施の形態2の変形例2での解決策を以下に示す。UEが移動RNにキャンプオンしていることを認識し、移動RNの受信品質が急激に悪化した場合は、移動RNを優先したセルサーチを実行する。また、セルサーチは、異周波数を含むセルサーチを実行するようにしてもよい。あるいは移動RNが異周波数ハンドオーバを実行したと推測し、異周波数を優先したセルサーチを実行してもよい。
UEが移動RNにキャンプオンしていることを認識する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)RNが移動RNであるか否かを示す情報を報知する。UEは、RNの報知情報を受信し、該RNが、移動RNであるか否かを判断する。
移動RNであるか否かを示す情報を報知する方法の具体例を、以下に示す。既存のシステム情報(System Information Block:SIB)(非特許文献2参照)の情報要素として、移動RNであるか否かを示す情報を新規に追加する。システム情報は、BCCHを用いて報知される。
移動RNであるか否かを示す情報をSIBの情報要素とする方法の具体例として、以下の(1−1)〜(1−3)の3つを開示する。
(1−1)SIB1の情報要素として追加する。SIB1にマッピングした場合、以下の効果を得ることができる。例えばLTE方式の移動体通信システムにおいては、図12のステップST1205のように、SIB1はサーチの初期段階で受信することが可能となる。したがって、SIB1に移動RNであるか否かを示す情報をマッピングすることによって、制御遅延を防止することができ、消費電力の低減を図ることができる。
(1−2)SIB2の情報要素として追加する。SIB2にマッピングした場合、以下の効果を得ることができる。現在の3GPPでは、SIB2には傘下の全ての移動端末に共通の無線リソースの設定がマッピングされる方向である。全ての移動端末に共通の情報が、同様のパラメータが含まれるSIB2へ追加されることは、同様のパラメータを同じシステム情報の受信によって得ることが可能となる。したがって、移動体通信システムが複雑化することを回避することができ、制御遅延を防止することができる。
(1−3)SIB3の情報要素として追加する。SIB3にマッピングした場合、以下の効果を得ることができる。現在の3GPPでは、SIB3には、セルの再選択に共通の設定がマッピングされる方向である。セルの再選択に共通の情報が、同様のパラメータが含まれるSIB3へ追加されることは、同様のパラメータを同じシステム情報の受信によって得ることが可能となる。したがって、移動体通信システムが複雑化することを回避することができ、制御遅延を防止することができる。
また、移動RNであるか否かを示す情報は、移動RNのみ報知するとしてもよい。該情報が報知されていなければ、移動RNでないと判断できるので、問題がなく、かつ移動RNの機能を有しないeNB、RNに追加情報が不要となる。
(2)移動RNに割当てるセルの識別子と、移動RNとは異なるRNおよびeNBに割当てるセルの識別子とを分離する。セルの識別子のうち、PCIは、UEが実行する測定の早い段階で、RNが認識することができる。具体的には、例えば図12のステップST1201において、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)と、第二同期信号(S−SS)とを用いて、PCIと1対1に対応するシンクロナイセーションコードを認識する。したがって、移動RNに割当てるPCIの範囲と、移動RNとは異なるRNおよびeNBに割当てるPCIの範囲とを分離してもよい。
セルの識別子の分離方法、あるいはPCIの範囲の分離方法は、RNおよびeNBが報知する。UEは、セルの識別子、あるいはPCIを用いて、サービングセルが、移動RNであるか否かを判断する。セルの識別子の分離方法、あるいはPCIの範囲の分離方法は、移動RNからのみ報知するようにしてもよい。これによって、移動RNの機能を有しないeNBに追加情報が不要となる。
(3)移動RN用のキャリア周波数と、移動RNとは異なるRNおよびeNB用のキャリア周波数とを分離する。周波数の分離方法は、RNおよびeNBが報知する。UEは、キャリア周波数を用いて、サービングセルが、移動RNであるか否かを判断する。周波数の分離方法は、移動RNからのみ報知するようにしてもよい。これによって、移動RNの機能を有しないeNBに追加情報が不要となる。また、移動RN用に運用可能なキャリア周波数を報知してもよい。
移動RNを優先したセルサーチを実行する方法の具体例として、以下を開示する。移動RNの傘下のUEは、異周波数で、移動RNのPCIを用いてセルサーチを実行する。異周波数で、移動RNに割当てるPCIの範囲内のPCIを用いてセルサーチを実行してもよい。移動RN用のキャリア周波数、あるいは移動RN用に運用可能なキャリア周波数で、移動RNのPCIを用いて、あるいは移動RNに割当てるPCIの範囲内のPCIを用いて、セルサーチを実行してもよい。あるいは、PCIが周波数毎に決定されている場合などは、単に異周波数で、あるいは移動RN用に運用可能なキャリア周波数で、セルサーチを実行してもよい。
UEが、移動RNの受信品質が急激に悪化したか否かを判断する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)サービングセル、つまり移動RNの受信品質が所定の時間内に所定の閾値以下となった場合、受信品質が急激に悪化したと判断する。所定の時間、および所定の閾値は、予め決められてもよいし、移動RNから通知されてもよい。通知方法としては、移動RNから報知する。
(2)サービングセル、つまり移動RNの時間に対する受信品質の減少量の割合が、所定の閾値よりも大きい場合、受信品質が急激に悪化したと判断する。例えば、単位時間に対する受信品質の減少量の割合を減少係数と称する。所定の閾値は、予め決められてもよいし、移動RNから通知されてもよい。通知方法としては、移動RNから報知する。
移動RNにキャンプオンしている場合にのみ、受信品質が急激に悪化したか否かを判断してもよい。
次に動作について説明する。図38は、実施の形態2の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
ステップST3801において、UEは、セルサーチを開始する。ステップST3802において、UEは、周辺セルの同期を取るとともに、同期が取れたセルのPCIを検出(特定)する。
ステップST3803において、UEは、ステップST3802までに検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。本動作例では、RNをセル選択する。
ステップST3804において、RNは、移動RNである旨の情報、および受信品質の減少係数の閾値をUEへ報知する。UEは、RNから報知される移動RNである旨の情報、および受信品質の減少係数の閾値を受信する。
ステップST3805において、UEは、サービングセルが移動RNであるか否かを判断する。ステップST3805において、サービングセルが移動RNであると判断した場合は、ステップST3806へ移行する。ステップST3805において、サービングセルが移動RNでないと判断した場合は、ステップST3807へ移行する。
ステップST3806において、UEは、移動RNの受信品質が急激に悪化したか否かを判断する。具体的には、UEは、サービングセル、つまり測定した移動RNの受信品質の減少係数が、ステップST3804で受信した受信品質の減少係数の閾値よりも大きいか否かを判断する。受信品質の減少係数が、受信品質の減少係数の閾値よりも大きい場合は、移動RNの受信品質が急激に悪化したと判断して、ステップST3808へ移行する。受信品質の減少係数が、受信品質の減少係数の閾値以下である場合は、移動RNの受信品質が急激に悪化していないと判断して、ステップST3806の処理を繰り返す。受信品質の減少係数が、受信品質の減少係数の閾値以下である場合は、通常のセルの再選択処理を実行してもよい。
ステップST3808において、UEは、異周波数でのセルサーチを実行する。ステップST3802で検出したサービングセル、つまり移動RNのPCIを用いて、異周波数でのセルサーチを実行してもよい。
以上の実施の形態2の変形例2によって、以下の効果を得ることができる。RNが異周波数ハンドオーバを実行した場合であっても、RNが傘下の待受け状態のUEが、移動RNが異周波数ハンドオーバを実行したと推測し、移動RNを優先したセルサーチを実行することが可能となる。したがって、移動RNが異周波数ハンドオーバを行った場合であっても、移動RNの傘下の待受け状態のUEが、移動RNをセル選択する可能性が高くなる。
実施の形態2 変形例3.
実施の形態2の変形例3では、前述の実施の形態2の変形例2と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態2の変形例3での解決策を以下に示す。
インバンドRNが、異周波数ハンドオーバを行う場合、RNの傘下の待受け状態のUEに対して、自RNが異周波数ハンドオーバを実行する旨を通知する。また、該通知を受信したUEは、異周波数を用いて、セルサーチを実行するようにしてもよい。セルサーチは、異周波数を含むセルサーチを実行するようにしてもよい。
異周波数ハンドオーバを行う旨の他に、変更後周波数、セル再選択の指示を通知してもよい。
インバンドRNが、RNの傘下の待受け状態のUEに対して、自RNが異周波数ハンドオーバを実行する旨を通知する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)変更前周波数をシステム情報で報知する。報知情報の中に、異周波数ハンドオーバを実行する旨を示す情報要素を新設する。報知情報が変更されると、ページングで全員呼出しが行われる。したがって、傘下の待受け状態の移動端末へ通知することが可能となる。ページングを受信し、報知情報の変更が通知されている場合は、UEは報知情報を再受信し、異周波数ハンドオーバを実行した旨を示すインジケータが含まれている場合は、UEはセルサーチを実行する。変更後周波数が併せて通知されている場合は、変更後周波数でセルサーチを実行する。
(2)変更前周波数のページングで通知する。全員呼出しを行う。ページングメッセージの中に、サービングセルが異周波数ハンドオーバを実行した旨を示す情報要素を新設する。ページングを受信し、ページングメッセージの中に異周波数ハンドオーバを実行した旨を示すインジケータが含まれている場合は、UEはセルサーチを実行する。変更後周波数が併せて通知されている場合は、変更後周波数でセルサーチを実行する。
次に動作について説明する。図39は、実施の形態2の変形例3における移動体通信システムを示す図である。
ステップST3601〜ステップST3606の処理が行われた後、ステップST3901において、RNは、変更前周波数で異周波数ハンドオーバを実行する旨を報知情報によって通知する。このとき、併せて変更後周波数を通知してもよい。変更後周波数を通知することによって、傘下のUEが異周波数のセルサーチを実行する周波数が限定されるので、UEの処理の負荷を軽減することができる。
ステップST3902において、ステップST3901で報知情報が変更されたことに伴い、RNは、変更前周波数で、傘下のUEに対して、報知情報が変更されたことを通知するページングを通知する。
ステップST3903において、UEは、ページングを受信したか否かを判断する。ページングを受信したと判断した場合は、ステップST3904へ移行する。ページングを受信していないと判断した場合は、ステップST3903の処理を繰り返す。
ステップST3904において、UEは、ステップST3902で受信したページングが、報知情報の変更を通知するものであるか否かを判断する。報知情報の変更を通知するものであると判断した場合は、ステップST3905へ移行する。報知情報の変更を通知するものでないと判断した場合は、その後の説明を省略する意味で全ての処理を終了する。
ステップST3905において、UEは、変更前周波数で、報知情報を受信する。ステップST3906において、UEは、ステップST3905で受信した報知情報で異周波数ハンドオーバを実行する旨が通知されているか否かを判断する。異周波数ハンドオーバを実行する旨が通知されていると判断した場合は、ステップST3907へ移行する。異周波数ハンドオーバを実行する旨が通知されていないと判断した場合は、その後の説明を省略する意味で全ての処理を終了する。
ステップST3907において、UEは、異周波数を用いて、セルサーチを実行する。また、ステップST3905で受信した報知情報で変更後周波数が併せて通知されている場合は、変更後周波数でセルサーチを実行してもよい。
以上の実施の形態2の変形例3によって、以下の効果を得ることができる。RNが異周波数ハンドオーバを実行した場合であっても、RNが異周波数ハンドオーバを実行する旨を、傘下のUEへ通知する。RNの傘下の待受け状態のUEが、RNが異周波数ハンドオーバを実行する旨を認識することができるので、異周波数、あるいはRNが動作する変更後周波数でセルサーチを実行することが可能となる。したがって、移動RNが異周波数ハンドオーバを行った場合であっても、移動RNの傘下の待受け状態のUEが、移動RNをセル選択する可能性が高くなる。
実施の形態3.
RNが移動した場合、既存のRNとの間で、RNの運用時にアクセスリンクとバックホールリンクとが存在することに起因する干渉が生じる。図29および図30に、インバンドRNのサブフレーム構成の具体例を示した。ある一つのRNにおいて、下りアクセスリンク送信が下りバックホールリンク受信に、または、上りバックホールリンク送信が上りアクセスリンク受信に干渉を及ぼさないように、サブフレームが構成されることを示した。したがって、一つのRNにおけるバックホールリンクとアクセスリンクとの間での干渉は無い。
しかし、RNのバックホールリンクのサブフレーム構成は、DeNBからRN毎にRRCシグナリングを用いて個別に通知される。したがって、通常、RNのサブフレームの構成は、RN毎に異なる。このため、複数のRNが接近するような場合、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間で干渉が生じてしまう。RNの送信が他のRNの受信に干渉を与えてしまうという問題が生じる。
図40および図41は、移動したRNと既存のRNとの間で生じる干渉について説明するための図である。第1eNB(第1DeNB)6101は、第1カバレッジ6116を構成する。第2eNB(第2DeNB)6102は、第2カバレッジ6117を構成する。第1eNB6101および第2eNB6102は、RNをサーブする機能を有するDeNBである。第1eNB6101の傘下には、第1RN6106および第3UE6103が存在している。
第1RN6106は、第1RNカバレッジ6109を構成する。第1RN6106の傘下には、第1UE6105が存在している。第2eNB6102の傘下には、第2RN6108および第4UE6104が存在している。第2RN6108は、第2RNカバレッジ6110を構成する。第2RN6108の傘下には、第2UE6107が存在している。第1RN6106は、第1eNB6101の傘下から、第2eNB6102の傘下に移動可能に構成される。
図40において、参照符号「6111」で示す矢符は、第2eNB6102から第1RN6106への下りリンク(下りバックホールリンク)を表す。参照符号「6112」で示す矢符は、第2eNB6102から第2RN6108への下りリンク(下りバックホールリンク)を表す。参照符号「6114」で示す矢符は、第1RN6106から第1UE6105への下りリンク(下りアクセスリンク)を表す。参照符号「6115」で示す矢符は、第2RN6108から第2UE6107への下りリンク(下りアクセスリンク)を表す。
図41において、参照符号「6118」で示す矢符は、第1RN6106から第2eNB6102への上りリンク(上りバックホールリンク)を表す。参照符号「6119」で示す矢符は、第2RN6108から第2eNB6102への上りリンク(上りバックホールリンク)を表す。参照符号「6121」で示す矢符は、第1UE6105から第1RN6106への上りリンク(上りアクセスリンク)を表す。参照符号「6122」で示す矢符は、第2UE6107から第2RN6108への上りリンク(上りアクセスリンク)を表す。
RNが接近した場合、RNの下りアクセスリンクが、他のRNの下りバックホールリンクに干渉を与える。例えば、図40に示すように、第2eNB6102のカバレッジ6117内に移動した第1RN6106が、第2RN6108に接近すると、第2RN6108の下りアクセスリンク6115が、第1RN6106の下りバックホールリンク6111に干渉6113を与える。
また、RNの上りバックホールリンクが、他のRNの上りアクセスリンクに干渉を与える。例えば、図41に示すように、第1RN6106から第2eNB6102への上りバックホールリンク6118の送信が、第2UE6107から第2RN6108への上りアクセスリンク6122の受信に干渉6120を与える。
本実施の形態では、このような、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減する方法を開示する。
RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる。例えば、第2RN6108の下りアクセスリンクのサブフレームと、第1RN6106の下りバックホールリンクのサブフレームとを異ならせる。また、第1RN16106上りバックホールリンクのサブフレームと、第2RN6108の上りアクセスリンクのサブフレームとを異ならせる。
RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる方法として、RNは、干渉となる下りアクセスリンクのサブフレームを、MBSFNサブフレームにする。また、RNは、干渉となる上りアクセスリンクのサブフレームに、上りスケジューリングをしないようにする。
例えば、第1RN6106の上りバックホールリンクのサブフレームに、第2RN6108の上りアクセスリンクのスケジューリングを行わない。第2RN6108の上りバックホールリンクのサブフレームに、第1RN6106の上りアクセスリンクのスケジューリングを行わない。
他の例として、バックホールリンクのスケジューリングを行う無線リソースと、アクセスリンクのスケジューリングを行う無線リソースとを異ならせてもよい。無線リソースとしては、RB単位、RE単位、サブキャリア単位などとするとよい。
また、周波数帯域毎に異ならせるようにしてもよい。なお、RNは、干渉となる下りアクセスリンクのサブフレームに、下りスケジューリングをしないようにしてもよい。これらの方法は、実施の形態1の変形例6で開示したサブフレームの利用方法にも適用することができる。
図42および図43は、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせた場合のサブフレームの構成の一例を示す図である。図42および図43では、図40および図41に示す第2DeNB6102を「DeNB2」と記載し、第2DeNB6102の傘下の第4UE6104を「UE4」と記載する。また第1RN6106を「RN1」と記載し、第1RN6106の傘下の第1UE6105を「UE1」と記載する。また第2RN6108を「RN2」と記載し、第2RN6108の傘下の第2UE6107を「UE2」と記載する。
図42は、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせた場合の下りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図42において、参照符号「6201」で示されるサブフレームは、第2DeNB(DeNB2)6102から傘下の第4UE(UE4)6104、第1RN(RN1)6106および第2RN(RN2)6108への下りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「6202」で示されるサブフレームは、第1RN(RN1)6106から傘下の第1UE(UE1)6105への下りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「6203」で示されるサブフレームは、第2RN(RN2)6108から傘下の第2UE(UE2)6107への下りリンクのサブフレームの構成例である。
図43は、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせた場合の上りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図43において、参照符号「6204」で示されるサブフレームは、第2DeNB(DeNB2)6102の傘下の第4UE(UE4)6104、第1RN(RN1)6106および第2RN(RN2)6108から第2DeNB(DeNB2)6102への上りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「6205」で示されるサブフレームは、第1RN(RN1)6106の傘下の第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「6206」で示されるサブフレームは、第2RN(RN2)6108の傘下の第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への下りリンクのサブフレームの構成例である。
まず、図42に示す下りリンクについて説明する。サブフレーム#1とサブフレーム#2とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第1RN(RN1)6106にRNサブフレームが構成される。第1RN(RN1)6106は、サブフレーム#1とサブフレーム#2とをMBSFNサブフレームに設定する。一方、サブフレーム#3とサブフレーム#6とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第2RN(RN2)6108にRNサブフレームが構成される。第2RN(RN2)6108は、サブフレーム#3とサブフレーム#6とをMBSFNサブフレームに設定する。
この場合、サブフレーム#3とサブフレーム#6とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第2RN(RN2)6108への下りバックホールリンク6112と、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114とが重なる。このため、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114が、第2DeNB(DeNB2)6102から第2RN(RN2)6108への下りバックホールリンク6112に干渉を与える。
一方、サブフレーム#1とサブフレーム#2とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第1RN(RN1)6106への下りバックホールリンク6111と、第2RN(RN2)6108から第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115とが重なる。このため、第2RN(RN2)6108から第2UE(UE2)への下りアクセスリンク6115が、第2DeNB(DeNB2)から第1RN(RN1)6106への下りバックホールリンク6111に干渉を与える。
これらの干渉を低減するために、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114のサブフレーム#3,#6を、MBSFNサブフレームに設定し、第2RN(RN2)6108から第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115のサブフレーム#1,#2を、MBSFNサブフレームに設定する。
したがって、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114において、サブフレーム#1,#2,#3,#6がMBSFNサブフレームに設定され、第2RN(RN2)6108から第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115において、サブフレーム#1,#2,#3,#6がMBSFNサブフレームに設定される。
このように、異なるRN間でのバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉が問題となるサブフレームをMBSFNサブフレームとすることによって、干渉を低減することが可能となる。
次に、図43に示す上りリンクについて説明する。サブフレーム#1,#2,#5,#6で、第1RN(RN1)6106から第2DeNB(DeNB2)6102への上りスケジューリングが行われ、第1RN(RN1)6106による上りバックホールリンクの送信が行われる。第1RN(RN1)6106は、サブフレーム#1,#2,#5,#6で第1UE(UE1)6105に対して、上りスケジューリングを行わない。したがって、該サブフレームで、第1RN(RN1)6106による傘下の第1UE(UE1)6105からの上りアクセスリンク6121の受信が行われない。
一方、サブフレーム#0,#3,#6,#7で、第2RN(RN2)6108から第2DeNB(DeNB2)6102への上りスケジューリングが行われ、第2RN(RN2)6108による上りバックホールリンクの送信が行われる。第2RN(RN2)6108は、サブフレーム#0,#3,#6,#7で、第2UE(UE2)6107に対して、上りスケジューリングを行わない。したがって、該サブフレームで、第2RN(RN2)6108による傘下の第2UE(UE2)6107からの上りアクセスリンク6122の受信が行われない。
この場合、サブフレーム#0,#3,#7で、第2RN(RN2)6108から第2DeNB(DeNB2)6102への上りバックホールリンク6119と、第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りアクセスリンク6121とが重なる。このため、第2RN(RN2)6108から第2DeNB(DeNB2)6102への上りバックホールリンク6119が、第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りアクセスリンク6121に干渉を与える。
一方、サブフレーム#1,#2,#5で、第1RN(RN1)6106から第2DeNB(DeNB2)6102への上りバックホールリンク6118と、第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りアクセスリンク6122とが重なる。このため、第1RN(RN1)6106から第2DeNB(DeNB2)6102への上りバックホールリンク6118が、第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りアクセスリンク6122に干渉を与える。
これらの干渉を低減するために、第1RN(RN1)6106は、第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りアクセスリンク6121のサブフレーム#0,#3,#7で、上りスケジューリングを行わないようにする。また、第2RN(RN2)6108は、第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りアクセスリンク6122のサブフレーム#1,#2,#5で、上りスケジューリングを行わないようにする。
したがって、第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りアクセスリンク6121において、サブフレーム#0,#1,#2,#3,#5,#6で、上りスケジューリングが行われないように設定され、また第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りアクセスリンク6122において、サブフレーム#0,#1,#2,#3,#5,#6で、上りスケジューリングが行われないように設定される。
DeNBとRNのフレームタイミングに時間オフセットを設けてもよい。バックホールリンクのフレームタイミングとアクセスリンクのフレームタイミングとに、時間オフセットを設けてもよい。該時間オフセットは、サブフレーム単位としてもよい。このとき、同時間のサブフレーム番号が異なることになるが、それを踏まえて、どのサブフレームをMBSFNサブフレームにするか、どのサブフレームにスケジューリングを行わないようにするかを設定すればよい。RN毎のフレームタイミングのオフセットは、DeNBが決定してもよい。バックホールリンクのフレームタイミングを基準に、アクセスリンクのフレームタイミングにオフセットを設定してもよい。
このように、異なるRN間でのバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉が問題となるサブフレームで、上りスケジューリングを行わないようにすることによって、干渉を低減することが可能となる。
前述のようにすることで、RN間でアクセスリンクのサブフレームとバックホールリンクのサブフレームとを異ならせることができ、あるRNの送信が他のRNへの受信に与える干渉を低減することが可能となる。
次にまず、RNがHOを行う場合、移動先のeNBであるターゲットeNBが、該RNのRNサブフレーム構成を設定する方法を開示する。この方法については、3GPPでは、何ら議論も技術の開示もされていない。従来の固定RNと異なり、RNがHOを行うとき、どのタイミングで、どのノードがRNサブフレーム構成を設定し、どのようにRNに通知するのかが問題となる。
RNがHOを行うときのRNサブフレーム構成の設定方法として、以下の(1),(2)の2つの具体例を示す。
(1)RNがターゲットeNBに接続する前に、ソースeNBが、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成に関する情報をRNに通知する。
(2)RNがターゲットeNBに接続した後に、ターゲットDeNBが、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成に関する情報をRNに通知する。
これらの方法において、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成が、ソースeNBで設定されていたRNサブフレーム構成と同じ場合は、ターゲットeNBからRNへの該RNサブフレーム構成の通知処理は省略されてもよい。
図44は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図44に示すシーケンスは、図16に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図44では、RNがターゲットeNBに接続する前に、ソースeNBが、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成に関する情報をRNに通知する場合のシーケンスを示している。
ステップST1604でソースeNBがHOを行うことを決定した後、ステップST6301に移行する。
ステップST6301において、ソースeNBは、ターゲットeNBに、ソースeNBが設定していたハンドオーバ対象のRNのRNサブフレーム構成に関する情報を通知する。ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成に関する情報を、ハンドオーバ要求(HO request)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングとして通知してもよい。
ステップST1606において、ターゲットeNBが、該RNのハンドオーバの受け入れが可能であると判断した場合は、ステップST6302に移行し、ハンドオーバの受け入れが不可能であると判断した場合は、処理を終了する。
ステップST6302において、ターゲットeNBは、該RNのRNサブフレーム構成を決定する。
ステップST6303において、ターゲットeNBは、ソースeNBに対して、決定したRNサブフレーム構成に関する情報(以下「RNサブフレーム構成情報」という場合がある)を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、ハンドオーバ要求応答(HO Request Ack)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングで通知してもよい。
なお、フレームタイミングに時間オフセットが設けられる場合は、時間オフセット情報をRNサブフレーム構成情報とともに通知するとよい。以下の実施の形態およびその変形例において適用することができる。
ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を受信したソースeNBは、ステップST6304において、ハンドオーバさせるRNに、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、移動制御情報(Mobility Control Information)とともに通知してもよいし、あるいは、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングで通知してもよい。
ステップST6303およびステップST6304において、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、RN再構成(RN reconfiguration)メッセージに含めて通知してもよい。また、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報とともに、ターゲットeNBのシステム情報を通知してもよい。RNは、ターゲットeNBに接続する前に、ターゲットeNBのシステム情報を取得可能となるので、ターゲットeNBへ接続するときの制御遅延を削減することが可能となる。
ソースeNBとターゲットeNBとの間のシグナリングは、X2インタフェースを用いて行われる。
このようにすることで、RNがHOするときに、ターゲットeNBが設定するRNサブフレーム構成を、RNが受信することが可能となる。前記具体例(1)の方法は、RNが、ターゲットeNBに接続する前に、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成を得ることができるので、バックホールリンクおよびアクセスリンクのサブフレームの設定を迅速に行うことが可能となる。
本シーケンス例では、ステップST6301において、ソースeNBは、ターゲットeNBに、ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成情報を通知するようにしている。これによって、ターゲットeNBは、該情報を考慮してRNサブフレーム構成を設定することが可能となる。
例えば、ソースeNBが設定していたRNサブフレーム構成が、ターゲットeNBで構成することが可能である場合は、ターゲットeNBでも該RNに該RNサブフレーム構成を用いるようにする。これによって、RNサブフレーム構成が変わらないので、RNの制御処理の負荷を低減させることができる。
他の方法として、ステップST6301において、ソースeNBは、ターゲットeNBに、ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成情報を通知しなくてもよい。これによって、ターゲットeNBが、ソースeNBが設定していたRNサブフレーム構成を考慮すること無く独自に設定するような場合に、メッセージの情報量を削減することが可能となる。
図45は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図45に示すシーケンスは、図17に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図45では、RNがターゲットeNBに接続する前に、ソースeNBが、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成に関する情報をRNに通知する場合のシーケンスを示している。
本シーケンス例では、ソースeNBとターゲットeNBとの間のRNサブフレーム構成に関する情報の送受信を、S1インタフェースを用いて行う。S1インタフェースを基本とした、すなわちS1ベースでHOを行う場合を示す。
ステップST1701において、S1ベースのHOを行うことに決定したソースeNBは、ステップST6401において、ソースMMEに、ソースeNBで設定されていたHO対象のRNのRNサブフレーム構成に関する情報を通知する。
ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成に関する情報を、ハンドオーバ要求(Handover Reuired)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングとして通知してもよい。
ステップST6402において、ソースMMEは、ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成に関する情報を、ターゲットMMEに通知する。ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成に関する情報を、フォワードリロケーション要求(Forward Relocation Request)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングとして通知してもよい。
ステップST6403において、ターゲットMMEは、ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成に関する情報を、ターゲットeNBに通知する。ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成に関する情報を、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングとして通知してもよい。
ステップST6404において、ターゲットeNBは、該RNのRNサブフレーム構成を決定する。
ステップST6405において、ターゲットeNBは、ターゲットMMEに対して、決定したRNサブフレーム構成に関する情報を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、ハンドオーバ要求応答(Handover Request Ack)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングで通知してもよい。
ステップST6406において、ターゲットMMEは、ソースMMEに対して、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、フォワードリロケーション応答(Forward Relocation Response)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングで通知してもよい。
ステップST6407において、ソースMMEは、ソースeNBに対して、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、ハンドオーバ指示(Handover Command)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングで通知してもよい。
ステップST6408において、ソースeNBは、ハンドオーバ対象のRNに対して、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、ハンドオーバ指示(Handover Command)メッセージに含めてもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングで通知してもよい。
ソースeNBとターゲットeNBとの間のシグナリングは、ソースMMEおよびターゲットMMEを介して、S1インタフェースを用いて行われる。
ステップST6405〜ステップST6408において、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、RN再構成(RN reconfiguration)メッセージに含めて通知してもよい。また、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報とともに、ターゲットeNBのシステム情報を通知してもよい。RNは、ターゲットeNBに接続する前に、ターゲットeNBのシステム情報を取得可能となるので、ターゲットeNBへ接続するときの制御遅延を削減することが可能となる。
このようにすることによって、前述と同様の効果を得ることができ、さらに、S1ベースのHOを行う場合にも適用することが可能となる。
また、ステップST6401〜ステップST6403において、ソースeNBは、ターゲットeNBに、ソースeNBが設定していた該RNのRNサブフレーム構成情報を通知しなくてもよい。ターゲットeNBが、ソースeNBが設定していたRNサブフレーム構成を考慮すること無く独自に設定するような場合に、メッセージの情報量を削減することが可能となる。
図46は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図46に示すシーケンスは、図16および図44に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図46では、RNがターゲットeNBに接続した後に、ターゲットDeNBが、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成に関する情報をRNに通知する場合のシーケンスを示している。
ステップST1612において、ハンドオーバ対象のRNが、ターゲットeNBとRRC接続を完了する。ステップST6501において、ターゲットeNBは、新たにRRC接続したRNのRNサブフレーム構成を決定する。
ステップST6502において、ターゲットeNBは、該RNに対して、決定したRNサブフレーム構成情報を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、RN再構成(RN reconfiguration)メッセージに含めて通知してもよい。また、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報とともに、ターゲットeNBのシステム情報を通知してもよい。RNは、ターゲットeNBに接続する前に、ターゲットeNBのシステム情報を取得可能となるので、ターゲットeNBへ接続するときの制御遅延を削減することが可能となる。
ステップST6503において、RNは、ターゲットeNBに対して、RNサブフレーム構成完了(RN reconfiguration Complete)メッセージを通知する。
このようにすることで、RNがHOを行うときに、ターゲットeNBが設定するRNサブフレーム構成を、RNが受信することが可能となる。前記具体例(2)の方法は、RNが、ターゲットeNBに接続した後に、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成を得る。このため、前記具体例(1)の方法においてHO失敗およびターゲットeNBによるHOリジェクトなどの場合に生じる無駄なRNサブフレーム構成のシグナリングを行わないようにすることが可能となる。
図47は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図47に示すシーケンスは、図17および図45に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図47では、RNがターゲットeNBに接続した後に、ターゲットDeNBが、ターゲットeNBが設定したRNサブフレーム構成に関する情報をRNに通知する場合のシーケンスを示している。また、図47では、S1ベースでHOを行う場合を示す。
ステップST1709において、ハンドオーバ対象のRNが、ターゲットeNBとRRC接続を完了し、ハンドオーバ確認応答(Handover Confirm)メッセージを通知する。
ST6601において、ターゲットeNBは、新たにRRC接続したRNのRNサブフレーム構成を決定する。
ステップST6602において、ターゲットeNBは、該RNに対して、決定したRNサブフレーム構成情報を通知する。ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報を、RN再構成(RN reconfiguration)メッセージに含めて通知してもよい。また、ターゲットeNBが決定したRNサブフレーム構成情報とともに、ターゲットeNBのシステム情報を通知してもよい。RNは、ターゲットeNBに接続する前に、ターゲットeNBのシステム情報を取得可能となるので、ターゲットeNBへ接続するときの制御遅延を削減することが可能となる。
ステップST6603において、RNは、ターゲットeNBに対して、RNサブフレーム構成完了(RN reconfiguration Complete)メッセージを通知する。
こうすることによって、前述と同様の効果を得ることができ、さらに、S1ベースのHOを行う場合にも適用することが可能となる。
次に、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる方法の具体例を開示する。
RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる方法として、RNは、干渉となる下りアクセスリンクのサブフレームをMBSFNサブフレームにすること、およびRNが、干渉となる上りアクセスリンクのサブフレームに上りスケジューリングをしないようにすることを開示した。
通常、RNは、干渉となるサブフレームを認識しない。したがって、RNが、干渉となるサブフレームを認識する方法が期待される。RNが、干渉となるサブフレームを認識する方法として、以下の(1),(2)の2つの具体例を示す。
(1)DeNBがRNに、他のRNのRNサブフレーム構成情報を通知する。
(2)RN間で、RNサブフレーム構成情報およびMBSFNサブフレーム構成情報の少なくともいずれか一方を相互に通知する。例えば、RNは、自セルのRNサブフレーム構成情報およびMBSFNサブフレーム構成情報の少なくともいずれか一方を近傍のRNに通知する。
これらの方法によって、RNは、干渉となるサブフレームを認識することが可能となる。
RN間で干渉の低減を図るとき、DeNBの傘下の全てのRN間で行ってもよいが、限定したRN間で行ってもよい。RNを限定する方法として、以下の(1)〜(3)の3つの具体例を示す。
(1)RNが周辺電波環境の測定を行い、近傍のRNを検出する。RNは、検出した近傍のRNをDeNBに報告する。DeNBは、報告されたRNのうちの一部または全部を選択する。
(2)RNは、自RNの位置を測定し、位置情報をDeNBあるいはネットワーク(Network:NW)側に通知する。DeNBは、通知されたRNの位置情報から、報告された該RNの近傍に存在するRNを検出し、検出したRNのうちの一部または全部を選択する。
(3)RNが周辺電波環境の測定を行い、近傍のRNを検出する。RNは、検出した近傍のRNのうちの一部または全部を選択する。
このようにすることによって、干渉が問題となるRNを選択して、干渉の低減を図るRNを限定することが可能となる。
また、DeNBは、RNの位置情報あるいは近傍に存在するRN情報をRNに要求してもよい。この要求に応答して、前記(1)〜(3)のいずれかの方法が行われるようにしてもよい。
また別の方法として、RNは、近傍のRNの情報あるいは位置情報を適宜測定し、これらの情報を適宜NW側に通知しておく。NW側は、例えば、MME、HSSなどである。NW側は、OAMであってもよい。NW側は、RNが測定した近傍のRNの情報あるいは位置情報を保管しておく。DeNBは、必要に応じてNW側に、任意のRNの情報、例えば識別子などを通知して、該RNの近傍のRNの情報あるいは位置情報を要求するとよい。NW側は、この要求に応答して、DeNBに該RNの近傍のRNの情報あるいは位置情報を通知する。また、NW側がRNの位置情報から、近傍に存在するRNを検出する機能を有するようにしてもよい。NW側は、DeNBからの近傍のRNの情報要求に応じて、位置情報から導出した近傍のRNの情報を通知するようにしてもよい。
干渉の低減を図るRNを限定する場合、前述のRNが干渉となるサブフレームを認識する方法において、限定したRNの個数情報を通知するようにしてもよい。例えば、DeNBがRNに、他のRNの個数とともに、該RNのRNサブフレーム構成情報を通知するとよい。
前記(1),(2)の方法は、前述のRNが干渉となるサブフレームを認識する方法において、DeNBがRNに、他のRNのRNサブフレーム構成情報を通知する場合に適用するとよい。前記(3)の方法は、前述のRNが干渉となるサブフレームを認識する方法において、RN間でRNサブフレーム構成情報およびMBSFNサブフレーム構成情報の少なくともいずれか一方を相互に通知する場合に適用するとよい。
このように、干渉の低減を図るRNを限定することによって、MBSFNサブフレームに設定する、あるいはスケジューリングしないサブフレーム数を限定することができるので、リソースの使用効率の向上、および通信容量の増大を図ることができる。
RNが、下りアクセスリンクのMBSFNサブフレーム構成を変更する方法を開示する。MBSFNサブフレーム構成の変更を決定する主体について、以下の(1),(2)の2つの具体例を示す。
(1)RNが、MBSFNサブフレーム構成の変更を決定する。
(2)DeNBが、RNのMBSFNサブフレーム構成の変更を決定する。
前記具体例(1)の場合、RNが決定するための契機として、RNが、DeNBから他のRNサブフレーム構成情報を受信した場合、とするとよい。前述のDeNBが、RNに、他のRNのRNサブフレーム構成情報を通知する方法に適用するとよい。あるいは、RNが決定するための契機として、RNが、他のRNから他のRNサブフレーム構成情報およびMBSFNサブフレーム構成情報の少なくともいずれか一方を受信した場合、とするとよい。前述のRN間で、RNサブフレーム構成情報およびMBSFNサブフレーム構成情報の少なくともいずれか一方を相互に通知する方法に適用するとよい。
MBSFNサブフレーム構成の変更を決定したRNは、下りアクセスリンクのMBSFNサブフレーム構成を変更する。
前記具体例(2)の場合、DeNBが決定するための契機として、RNが、DeNBとRRC接続した場合、とするとよい。例えば、RNのHOによって、ターゲットeNBが、RNからのRRC接続完了の受信を契機とする。あるいは、DeNBが、RNから近傍のRNの情報を受信した場合、としてもよい。あるいは、DeNBが、NW側から近傍のRNの情報を受信した場合、としてもよい。あるいは、DeNBが、RNからの位置情報に基づいて、近傍のRNを検出した場合、としてもよい。
RNのMBSFNサブフレーム構成の変更を決定したDeNBは、該RNに対して、MBSFNサブフレーム構成の変更を通知する。MBSFNサブフレーム構成の変更を示す情報を設け、RRCシグナリングで、あるいはMACシグナリングで、あるいはPDCCH上にマッピングする制御情報に含めて通知するとよい。MBSFNサブフレーム構成の変更を示す情報を受信したRNは、下りアクセスリンクのMBSFNサブフレーム構成を変更する。
RNがMBSFNサブフレーム構成を変更する方法を開示する。MBSFNサブフレーム構成は、システム情報として報知される。したがって、MBSFNサブフレーム構成を変更するために、システム情報の修正を行うようにすればよい。具体的には、ページングによって、傘下のUEに対して、システム情報の修正を示す情報を通知する。該情報を受信したUEは、RNから報知されている、修正されたシステム情報を受信する。このシステム情報の修正プロシージャは、UEがRRC_Idel状態の場合、およびRRC_Connected状態の場合のいずれの場合でも実行可能である。
このようにすることによって、RNは、MBSFNサブフレーム構成を変更することが可能となる。
RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる方法の動作例を開示する。
図48は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図48では、RNがHOを行い、DeNBとのRRC接続を完了した状態からのシーケンスを示している。図48では、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる場合のシーケンスを示している。
ステップST6701において、DeNBは、RNに対して、周辺電波環境の測定要求情報と、測定条件および報告条件などの情報とを通知する。該情報は、メジャメントコントロール(Measurement Control)メッセージを用いて通知してもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングとして通知してもよい。
ステップST6702において、RNは、周辺電波環境の測定を行う。ステップST6703において、RNは、報告条件に合致したRNに関して、RNの識別子、例えばセルの識別子などの情報をDeNBに通知する。このとき、報告条件および測定の結果を併せて通知してもよい。これらの情報は、メジャメントリポート(Measurement Report)メッセージを用いて通知してもよいし、別のメッセージとして、あるいは別のシグナリングとして通知してもよい。
ステップST6704において、DeNBは、該RNと干渉が問題になるRNが存在するか否かを判断する。DeNBは、干渉が問題になるRNが存在すると判断した場合は、ステップST6705に移行し、干渉が問題になるRNが存在しないと判断した場合は、これ以降の処理を行わない。DeNBは、ステップST6703でRNから受信した情報に基づいて、干渉が問題になるRNが存在するか否かを判断するとよい。干渉が問題になると判断する閾値を設けておいてもよい。例えば、RSRP、RSRQ(Reference Signal Received Quality)などの受信電力または受信品質などに閾値を設けておき、該閾値以上の受信電力または受信品質となった場合に、干渉が問題になると判断してもよい。
該閾値をDeNBが設定し、ステップST6701の報告条件として、メジャメントコントロールメッセージに含めて通知するようにしてもよい。この場合、ステップST6703において、RNは、受信電力または受信品質が該閾値以上となったRNをDeNBに通知するようにしておいてもよい。
ステップST6704において、該RNと干渉が問題になるRNが存在すると判断したDeNBは、ステップST6705において、干渉の低減を図るRNを選択する。DeNBは、選択したRNのRNサブフレーム構成を認識している。
ステップST6706において、DeNBは、RNに対して、他のRNのRNサブフレーム構成に関する情報を通知する。該他のRNのRNサブフレーム構成とともに、セルの識別子を通知してもよい。他のRNとして、ステップST6705で選択したRNとする。この通知は、RRCシグナリングを用いてもよいし、S1インタフェースを用いてもよい。
ST6707において、RNは、受信した他のRNのRNサブフレーム構成を用いて、アクセスリンクのサブフレーム構成を決定する。前述したように、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる方法として、RNは、他のRNのRNサブフレーム構成から、他のRNのバックホールリンクのサブフレーム構成を認識し、下りアクセスリンクにおける該サブフレームをMBSFNサブフレームにするとよい。
ST6708において、RNは、下りアクセスリンクにおける該サブフレームをMBSFNサブフレームに設定する。既に設定しているMBSFNサブフレームが存在する場合は、それ以外のMBSFNサブフレームを追加する設定をしてもよいし、新たに設定するMBSFNサブフレームと併せて設定をし直すようにしてもよい。MBSFNサブフレームの設定は、前述のRNがMBSFNサブフレーム構成を変更する方法を用いるとよい。変更されたMBSFNサブフレームの設定情報を受信したUEは、該サブフレームをMBSFNサブフレームとして受信処理を行う。
ステップST6709およびステップST6710において、RNは、干渉となる下りアクセスリンクのサブフレームに下りスケジューリングをしないようにし、干渉となる上りアクセスリンクのサブフレームに上りスケジューリングをしないようにする。
ステップST6706でDeNBから他のRNのRNサブフレーム構成に関する情報を通知されたRNは、ステップST6707、ステップST6708、ステップST6709、およびステップST6710の処理を迅速に行う。これによって、干渉が生じる期間を可能な限り短くする。
ステップST6702において、RNが周辺電波環境の測定を行い、ステップST6703において、報告条件に合致したセルに関して、セルの識別子などの情報をDeNBに通知してもよい。RNが、周辺セルがRNか否かを判断できない場合に適用することができる。この場合、ステップST6704において、DeNBが報告のあったセルから、干渉が問題になるRNが存在するか否かを判断するとよい。
また、RNが、システム情報として、自セルがRNか否かの情報を報知してもよい。ステップST6702において、RNが周辺電波環境の測定を行うときに、報告条件に合致したセルの報知情報を受信し、該セルがRNか否かを判断する。ステップST6703において、報告条件に合致したセル情報に、RNか否かの情報を付随させて、RNからDeNBに通知するとよい。あるいは、ステップST6703において、RNは、報告条件に合致したRN情報のみをDeNBに通知してもよい。DeNBは、該情報を用いて、ステップST6704において、干渉となるRNが存在するか否かを判断するとよい。これによって、RNが、周辺のRNの存在を判断することが可能となる。
また、DeNBが、ステップST6701において、RNに測定を行わせるセルを通知してもよい。その際、RNに限定してもよい。これによって、シグナリングの情報量を削減することができる。
このようにすることによって、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせることができ、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間で生じる干渉を低減することができる。またRNの送信が、他のRNの受信に与える干渉を低減することができる。
本シーケンス例で示した方法に限らず、前述の開示した方法を適宜組み合わせて用いてもよく、同様の効果を得ることができる。
ステップST6702において、RNは、DeNBからの周辺電波環境の測定要求に基づいて測定を行うようにしたが、RNは、DeNBからの周辺電波環境の測定要求無しに、自律的に周辺電波環境の測定を行ってもよい。その場合、測定条件および報告条件は、予めDeNBから報知されていてもよいし、静的に、例えば規格などで、予め決められていてもよい。このようにすることによって、RNとDeNBとの間のシグナリングを削減することが可能となる。
メジャメントを行うトリガは、RNが任意に設定してもよいが、他の方法として、RNがDeNBと新たにRRC接続した場合、例えばHOを実行したときのRRC接続完了の送信、としてもよい。HOを実行したときのRRC接続完了の送信をトリガとして測定することによって、HOの実行後、即座に干渉の低減を図ることが可能となる。
RNは、周辺電波環境の測定を定期的あるいは周期的に行ってもよい。該定期あるいは該周期はRNが独自に設定してもよいし、RNが接続しているDeNBが通知してもよい。RNがDeNBにアタッチしたとき、あるいは、RNがHOを実行したとき、あるいはRNがセル再選択を行ったときなどに、DeNBがRNに通知するとよい。あるいは、DeNBが適宜RNに通知するようにしてもよい。DeNBからの通知は、システム情報に含めて報知するようにしてもよいし、RN個別に通知してもよい。RN個別に通知する場合、RRCシグナリングで通知してもよい。例えば、DeNBは、ステップST6701で該定期あるいは該周期を通知してもよい。RNは、通知された該定期あるいは該周期で周辺電波環境の測定を行う。
これによって、RNは定期的、周期的に周辺電波環境を測定し、干渉が問題となるRNを検出することが可能となる。したがって、干渉が問題となるRNを定期的、周期的にアップデートすることが可能となる。DeNBは、RNから通知された周辺電波環境測定結果に基づいて、干渉が問題となるRNをアップデートすることが可能となる。例えば、DeNBは、該RNと干渉が問題になるRNが存在するか否かの判断、および干渉の低減を図るRNの選択において、アップデートされた情報を用いるとよい。
これによって、DeNBは、アップデートされた干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を該RNに通知することが可能となり、該RNは、通知された情報に基づいて、サブフレーム構成を設定することが可能となる。
こうすることにより、例えば、RNが移動中、最初は近傍に存在し干渉が問題となっていた他のRNが、干渉が問題にならなくなったような場合にも、該他のRNを干渉が問題となるRNから外すことが可能となり、該他のRNのRNサブフレーム構成を考慮しなくて済むようになる。したがって、リソースの利用効率を向上させることができる。
RNは、ステップST6707あるいはステップST6708において、アクセスリンクのMBSFNサブフレームの決定あるいは設定を行った後、DeNBに対して、MBSFNサブフレーム構成を通知してもよい。DeNBは、各RNから、アクセスリンクのMBSFNサブフレームを受信することによって、干渉の回避を図ることができているかを判断することが可能となる。
干渉の回避を図ることができていない場合、所望のRNに対して、アクセスリンクのMBSFNサブフレーム構成の修正要求、あるいはバックホールリンクのRNサブフレーム構成の修正を行うようにしてもよい。これによって、確実に干渉が問題となるRN間で、干渉の低減を図ることが可能となる。
RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる方法の他の動作例を開示する。
図49は、実施の形態3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図49に示すシーケンスは、図46および図48に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図49では、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせる場合のシーケンスを示している。
ステップST1601〜ステップST1603のメジャメント処理において、RNは、干渉が問題となる可能性のあるセルも併せて検出し、ソースeNB(DeNB)に通知する。ソースeNB(DeNB)とRNとの間で、図48のステップST6701〜ステップST6703の処理を併せて行うようにしてもよい。これによって、メジャメントのためのシグナリング量を削減することができる。
また、ステップST1603の処理の後、あるいはステップST1604の処理の後で、別途、図48のステップST6701〜ステップST6703の処理を行うようにしてもよい。これによって、ソースeNBが、所望のRNに対して、干渉が問題となるセルのメジャメント処理を実行させることができる。したがって、システムとしてシグナリング量を削減することができる。所望のRNは、例えばハンドオーバをさせるRNとしてもよい。
ステップST6801において、ソースeNBは、ターゲットeNBに、ソースeNBが設定していたハンドオーバ対象のRNのRNサブフレーム構成に関する情報を通知する。このとき、RNから通知された干渉が問題となる可能性のあるセルに関する情報を通知する。該セルに関する情報としては、セルの識別子、検出条件、測定結果などとするとよい。これらのセルに関する情報は、ハンドオーバ要求(Handover Request)メッセージに含めてもよいし、別々のメッセージとして、あるいは別のシグナリングとして通知してもよい。
ステップST1606において、引続きHOプロシージャを実行し、ステップST1612において、RNとターゲットeNBとの間でRRC接続が完了する。
ステップST6502において、ターゲットeNBは、RRC接続したRNのRNサブフレーム構成を決定する。
ステップST6802において、ターゲットeNBは、ステップST6801でソースeNBから受信した干渉が問題となる可能性のあるセルに関する情報を用いて、該RNと干渉が問題になるRNが存在するか否かを判断する。干渉が問題になるRNが存在するか否かを判断する方法は、図48に示した方法を適用することができる。
また、DeNBは、傘下のRNを認識している。傘下のRNを認識する方法としては、RNのセルの識別子を認識しておくようにしてもよい。これによって、ソースeNBから受信した、干渉が問題となる可能性のあるセルの識別子に基づいて、該セルがRNか否かを判断することができる。このようにすることによって、該RNと干渉が問題になるRNが存在するか否かを判断する。
ステップST6802において、該RNと干渉が問題になるRNが存在すると判断したDeNBは、ステップST6803において、干渉の低減を図るRNを選択する。DeNBは、選択したRNのRNサブフレーム構成を認識している。
ステップST6804において、DeNBは、RNに対して、他のRNのRNサブフレーム構成情報を通知する。他のRNとして、ステップST6803で選択したRNとする。この通知は、RRCシグナリングを用いてもよいし、S1インタフェースを用いてもよい。他のRNのRNサブフレーム構成情報は、ターゲットeNBがステップST6502で決定した該RNのRNサブフレーム構成情報とともに通知してもよい。該RNのRNサブフレーム構成情報および他のRNのRNサブフレーム構成情報の少なくともいずれか一方を、RN再構成(RN reconfiguration)メッセージに含めて通知してもよい。また、ターゲットeNBのシステム情報をともに通知してもよい。
ステップST6802において、該RNと干渉が問題になるRNが存在しないと判断したDeNBは、ステップST6805において、該RNのRNサブフレーム構成情報を該RNに通知する。
ステップST6806において、RNは、ターゲットeNBに対して、RNサブフレーム構成完了(RN reconfiguration Complete)メッセージを通知する。
自RNのRNサブフレーム構成情報および他のRNのRNサブフレーム構成情報の少なくともいずれか一方を受信したRNは、ステップST6707〜ステップST6710において、自RNのアクセスリンクのサブフレームの設定、および上りスケジューリングまたは下りスケジューリングを行う。
図48で開示した方法と同様に、ステップST6804でDeNBから他のRNのRNサブフレーム構成情報を通知されたRNは、ステップST6707、ステップST6708、ステップST6709およびステップST6710の処理を迅速に行う。これによって、干渉が生じる期間をできる限り短くする。
以上のようにすることによって、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを異ならせることができ、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間で生じる干渉を低減することができる。これによって、RNの送信が、他のRNの受信に与える干渉を低減することができる。
また、ソースeNBが、RNからのメジャメントレポートに基づいて、干渉が問題となる可能性のあるセルを検出し、ターゲットeNBに通知するので、ターゲットeNBが、周辺電波環境の測定要求情報と、測定条件および報告条件などの情報とを通知しなくて済む。RNは、周辺電波環境の測定を行わなくて済む。したがって、シグナリング量を削減することができるとともに、RNの測定処理の負荷を低減することが可能となる。
また、RNがHOを実行した後にターゲットeNBから設定されるRNサブフレーム構成とともに、他のRNのRNサブフレーム構成を受信可能となるので、RNがアクセスリンクのMBSFNサブフレーム構成を何度も変更する必要が無くなる。したがって、RNでの制御負荷の低減および制御遅延の低減が可能となる。
実施の形態3 変形例1.
本変形例では、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減するための他の方法を開示する。
干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を同じにする。DeNBの傘下の全てのRNのRNサブフレーム構成を同じにしてもよいし、限定したRNのRNサブフレーム構成を同じにしてもよい。RNを限定する方法は、前述の実施の形態3で開示した方法を適用するとよい。
干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を同じにする場合、どのRNサブフレーム構成にするのかが問題となる。ここでは、どのRNサブフレーム構成にするかについて、以下の(1)〜(5)の5つの具体例を開示する。
(1)DeNBが新たに設定したRNサブフレーム構成とする。
(2)DeNB毎に特有のRNサブフレーム構成を有し、該RNサブフレーム構成にする。
(3)既存のRNのRNサブフレーム構成にする。すなわち、後から移動あるいは設置されたRNのRNサブフレーム構成を、既存のRNのRNサブフレーム構成に合わせる。
(4)新たに移動あるいは設置されたRNのRNサブフレーム構成にする。すなわち、既存のRNのRNサブフレーム構成を、新たに移動あるいは設置されたRNのRNサブフレーム構成に合わせる。
(5)既存のRNのRNサブフレーム構成と、新たに移動あるいは設置されたRNのRNサブフレーム構成とのOR条件をとった構成、すなわち既存のRNのRNサブフレーム構成、または、新たに移動もしくは設置されたRNのRNサブフレーム構成とする。
具体例(1)の方法では、DeNBが、セル内またはRN内のロードなどを考慮して、RNサブフレーム構成を設定することができる。動的な通信状況を考慮できるので、無線リソースの使用効率を向上することができ、システムとしての通信容量を増大できる。DeNBは、新たに設定したRNサブフレーム構成を、干渉が問題となるRNに対して設定する。
具体例(2)の方法において、各DeNBに特有のRNサブフレーム構成は、ひとつであってもよいし、複数であってもよい。各DeNBに特有のRNサブフレーム構成を複数にする場合の具体例として、RNサブフレーム構成を同じにするRNの個数に応じて、RNサブフレーム数、換言するとR−PDCCHを構成するサブフレーム数を異ならせるようにしてもよい。現在の規格では、RNサブフレーム構成は、8サブフレーム毎に繰り返される(非特許文献2参照)。RNサブフレーム数は、8サブフレーム毎に決められてもよい。あるいは、RNサブフレーム数は、1無線フレーム毎に決められてもよい。
また、各DeNBに構成するRNサブフレームは、干渉回避用のRNサブフレーム構成としてもよい。干渉回避用として特別に設けられてもよい。干渉が問題となるRNに対して干渉回避用のRNサブフレーム構成を用いるようにするとよい。また、各DeNBに構成するRNサブフレームは、移動RN用のRNサブフレーム構成としてもよい。移動RN用として特別に設けられてもよい。移動RNに対して移動RN用のRNサブフレーム構成を用いるようにするとよい。
この具体例(2)の方法では、DeNBが動的な状況を考慮する必要が無く、制御が容易になる。したがって、制御遅延の低減および回路構成を簡易にすることが可能となる。また、この具体例(2)の方法は、干渉が問題となるRNの個数が多数存在する場合にも容易に適用することができる。また、この具体例(2)の方法では、各DeNB特有のRNサブフレーム構成とするので、該RNサブフレーム構成を各DeNBがシステム情報に含めてもよい。該システム情報を報知するとよい。これによって、各RNに対してRNサブフレーム構成を通知するためのシグナリングを行わなくて済む。
具体例(3)の方法では、DeNBは、既存のRNに対して、シグナリングを必要としない。したがって、シグナリング量の削減を図ることができる。
具体例(4)の方法では、DeNBは、新たに移動あるいは設置されたRNに対して、RNサブフレーム構成を合わせるためのシグナリングを必要としない。したがって、シグナリング量の削減を図ることができる。
具体例(5)の方法では、RN毎のバックホールリンクの通信容量に適したサブフレーム構成とすることができる。したがって、無線リソースの使用効率を向上することができ、システムとしての通信容量を増大できる。
干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を同じにする場合のサブフレーム構成を開示する。
RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを同じにする。各RNは、設定されたRNサブフレーム構成におけるRNサブフレーム、換言するとR−PDCCHを構成するサブフレームに対応する下りアクセスリンクのサブフレームをMBSFNサブフレームにする。なお、RNは、下りアクセスリンクの該サブフレームに下りスケジューリングをしないようにしてもよい。また、各RNは、設定されたRNサブフレーム構成によって上りバックホールリンクが構成されるサブフレームに対応する上りアクセスリンクのサブフレームに、上りスケジューリングをしないようにする。
図50および図51は、干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を同じにした場合のサブフレーム構成の一例を示す図である。図50および図51では、図40および図41に示す第2DeNB6102を「DeNB2」と記載し、第2DeNB6102の傘下の第4UE6104を「UE4」と記載する。また第1RN6106を「RN1」と記載し、第1RN6106の傘下の第1UE6105を「UE1」と記載する。また第2RN6108を「RN2」と記載し、第2RN6108の傘下の第2UE6107を「UE2」と記載する。
図50は、干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を同じにした場合の下りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図50において、参照符号「6901」で示されるサブフレームは、第2DeNB(DeNB2)6102から傘下の第4UE(UE4)6104、第1RN(RN1)6106および第2RN(RN2)6108への下りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「6902」で示されるサブフレームは、第1RN(RN1)6106から傘下の第1UE(UE1)6105への下りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「6903」で示されるサブフレームは、第2RN(RN2)6108から傘下の第2UE(UE2)6107への下りリンクのサブフレームの構成例である。
図51は、干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を同じにした場合の上りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図51において、参照符号「6904」で示されるサブフレームは、第2DeNB(DeNB2)6102の傘下の第4UE(UE4)6104、第1RN(RN1)6106および第2RN(RN2)6108から第2DeNB(DeNB2)6102への上りリンクのサブフレームの構成例である。
参照符号「6905」で示されるサブフレームは、第1RN(RN1)6106の傘下の第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「6906」で示されるサブフレームは、第2RN(RN2)6108の傘下の第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りリンクのサブフレームの構成例である。
図40および図41に示したように、第2RN(RN2)6108は、第2DeNB(DeNB2)6102の傘下の既存のRNとし、第1RN(RN1)6106は、移動によって第2DeNB(DeNB2)6102の傘下になったRNとする。
干渉が問題となるRNのRNサブフレーム構成を同じにする以前の、第2RN(RN2)6108に対しては、サブフレーム#1,#2がRNサブフレームとして構成されており、第1RN(RN1)6106に対しては、サブフレーム#3,#6がRNサブフレームとして構成されているとする。図50および図51では、一例として、どのRNサブフレーム構成にするかについては、前記具体例(3)の方法を適用した場合について示す。
まず、図50に示す下りリンクについて説明する。サブフレーム#1とサブフレーム#2とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第2RN(RN2)6108にRNサブフレームが構成される。第2RN(RN2)6108は、サブフレーム#1とサブフレーム#2とをMBSFNサブフレームに設定する。
一方、サブフレーム#3とサブフレーム#6とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第1RN(RN1)6106にRNサブフレームが構成される。第1RN(RN1)6106は、サブフレーム#3とサブフレーム#6とをMBSFNサブフレームに設定する。
この場合、サブフレーム#3とサブフレーム#6とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第1RN(RN1)6106への下りバックホールリンク6111と、第2RN(RN2)6108から第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115とが重なる。このため、第2RN(RN2)6108から第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115が、第2DeNB(DeNB2)6102から第1RN(RN1)6106への下りバックホールリンク6111に干渉を与える。
一方、サブフレーム#1とサブフレーム#2とで、第2DeNB(DeNB2)6102から第2RN(RN2)6108への下りバックホールリンク6112と、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114とが重なる。このため、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114が、第2DeNB(DeNB2)6102から第2RN(RN2)6108への下りバックホールリンク6112に干渉を与える。
これらの干渉を低減するために、第1RN(RN1)6106のRNサブフレーム構成を第2RN(RN2)6108と同じにする。すなわち、第1RN(RN1)6106のRNサブフレームを、サブフレーム#1とサブフレーム#2とに変更する。
第1RN(RN1)6106は、設定されたRNサブフレーム構成におけるサブフレームをMBSFNサブフレームにする。すなわち、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114のサブフレーム#1,#2をMBSFNサブフレームに変更する。
また、サブフレーム#3,#6のMBSFNサブフレームの設定を解除する。すなわち、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114用のサブフレームに変更する。
したがって、第1RN(RN1)6106から第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114、および第2RN(RN2)6108から第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115において、サブフレーム#1,#2がMBSFNサブフレームに設定される。
このようにすることで、図50に示されるように、異なるRNでバックホールリンクのサブフレームを同じにすることができ、また、異なるRNで該サブフレームをMBSFNサブフレームとすることができ、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することが可能となる。
次に、図51に示す上りリンクについて説明する。第2RN(RN2)6108のRNサブフレーム構成に基づいて、第2RN(RN2)6108の上りバックホールリンク6119のサブフレームが、サブフレーム#1,#2、また、サブフレーム#5,#6に設定される。第1RN(RN1)6106のRNサブフレーム構成を、第2RN(RN2)6108のRNサブフレーム構成に合わせることで、第1RN(RN1)6106の上りバックホールリンク6118のサブフレームも、サブフレーム#1,#2、また、サブフレーム#5,#6に設定される。
第1RN(RN1)6106は、該設定されたサブフレーム#1,#2,#5,#6で、上りアクセスリンク6121のスケジューリングを行わないようにする。これによって、第1RN(RN1)6106と第2RN(RN2)6108との上りバックホールリンク6118,6119のサブフレームは同じになり、また、第1RN(RN1)6106と第2RN(RN2)6108との上りアクセスリンク6121,6122において、スケジューリングを行わないサブフレームも同じになる。
したがって、第1RN(RN1)6106の上りバックホールリンク6118の送信が、第2RN(RN2)6108の上りアクセスリンクリンク6122の受信に干渉を与えることはなくなる。逆に、第2RN(RN2)6108の上りバックホールリンク6119の送信が、第1RN(RN1)6106の上りアクセスリンク6121の受信に干渉を与えることもなくなる。これによって、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
前述のように、RN間でアクセスリンクのサブフレームとバックホールリンクのサブフレームとを同じにすることで、あるRNの送信が他のRNへの受信に与える干渉を低減することが可能となる。
RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを同じにする方法の動作例を開示する。どのRNサブフレーム構成にするかについては、前記具体例(3)の方法の場合について示す。
図52は、実施の形態3の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図52に示すシーケンスは、図48に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図52では、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを同じにする方法を用いて、RNがHOを行い、DeNBとのRRC接続を完了した状態からのシーケンスを示している。
ステップST6704において、該RNと干渉が問題になるRNが存在すると判断したDeNBは、ステップST7001に移行する。
ステップST7001において、DeNBは、干渉の低減を図るRNを選択する。ここでは、さらにその中から最も干渉が大きいと判断する一つのRNを選択する。DeNBは、このRNを干渉が問題となる既存のRNと判断する。
DeNBは、既存のRNのRNサブフレーム構成を認識している。ステップST7002において、DeNBは、RNに対して、既存のRNのRNサブフレーム構成を通知する。RNサブフレーム構成の通知は、RRCシグナリングを用いてもよいし、S1インタフェースを用いてもよい。
ステップST7003において、RNは、DeNBに対して、RNサブフレーム構成完了メッセージを通知する。RNサブフレーム構成完了メッセージの通知は、RRCシグナリングを用いてもよいし、S1インタフェースを用いてもよい。
ステップST7004において、RNは、受信した既存のRNのRNサブフレーム構成を用いて、アクセスリンクのサブフレーム構成を決定する。前述したように、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを同じにする方法として、RNは、既存のRNのRNサブフレーム構成から、既存のRNのバックホールリンクのサブフレーム構成を認識し、下りアクセスリンクにおける該サブフレームをMBSFNサブフレームにするとよい。
ステップST6708において、RNは、下りアクセスリンクにおける該サブフレームをMBSFNサブフレームに設定する。既に設定しているMBSFNサブフレームが存在する場合は、それ以外のMBSFNサブフレームを追加する設定をしてもよいし、新たに設定するMBSFNサブフレームと併せて設定をし直すようにしてもよい。MBSFNサブフレームの設定は、前述のRNがMBSFNサブフレーム構成を変更する方法を用いるとよい。変更されたMBSFNサブフレームの設定情報を受信したUEは、該サブフレームをMBSFNサブフレームとして受信処理を行う。
ステップST6709およびステップST6710において、RNは、干渉となる下りアクセスリンクのサブフレームに下りスケジューリングをしないようにし、干渉となる上りアクセスリンクのサブフレームに上りスケジューリングをしないようにする。
このようにすることによって、RN間で、アクセスリンクのサブフレームと、バックホールリンクのサブフレームとを同じにすることができ、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間で生じる干渉を低減することができる。RNの送信が、他のRNの受信に与える干渉を低減することができる。
また、本変形例で開示した方法とすることによって、前述の実施の形態3で開示した方法に比べて、RNのアクセスリンクのサブフレーム数を増やせるという効果が得られる。また、RNと傘下のUEとの間の通信容量の増大を図ることが可能となる。さらに、アクセスリンクのサブフレーム数を増やせることから、複数のRN間でのアクセスリンクのサブフレームの設定が容易となる。
前述の例では、ステップST7001において、既存のRNを一つ選択するようにしているが、既存のRNを複数選択するようにしてもよい。ステップST7002において、DeNBは、RNに対して、複数の既存のRNのRNサブフレーム構成を通知するようにすればよい。また、ステップST7004において、RNは、受信した複数のRNサブフレーム構成に基づいて、下りアクセスリンクにおけるMBSFNサブフレーム構成を設定すればよい。
複数の既存のRNに対応することによって、RNの設置および移動において、より柔軟な運用とすることができる。
実施の形態3 変形例2.
本変形例では、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減するための他の方法を開示する。
RNのバックホールリンクのキャリア周波数と、アクセスリンクのキャリア周波数とを異ならせ、DeNBの傘下のRNのバックホールリンクのキャリア周波数を全て同じとする。以下の説明において、キャリア周波数を、単に周波数という場合がある。バックホールリンクの周波数と、アクセスリンクの周波数とが異なるRNを、アウトバンドRN(outband relay)と称する。RNをアウトバンドRNとして、DeNBの傘下のRNのバックホールリンクの周波数を全て同じとする。
RNの下りバックホールリンクの周波数をf_BL_DL(RN)とし、RNの下りアクセスリンクの周波数をf_AL_DL(RN)とする。また、RNの上りバックホールリンクの周波数をf_BL_UL(RN)とし、RNの上りアクセスリンクの周波数をf_AL_UL(RN)とする。周波数の構成を以下の(1),(2)の2つの条件を満たすようにする。
(1)1つのRNに対して、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とを異ならせる。
f_BL_DL(RNi)≠f_AL_DL(RNi) …(a1)
f_BL_UL(RNi)≠f_AL_UL(RNi) …(a2)
式(a1),(a2)において、RNiは、DeNBの傘下のRNである。
(2)DeNBの傘下のRNのバックホールリンクの周波数を同じとする。
f_BL_DL(RNi)=f_BL_DL(RNj) …(a3)
f_BL_UL(RNi)=f_BL_UL(RNj) …(a4)
式(a3),(a4)において、i≠jであり、RNi,RNjは、DeNBの傘下のRNである。
前記(1)および(2)の条件を満たすようにすることで、
f_BL_DL(RNi)≠f_AL_DL(RNj) …(a5)
f_BL_UL(RNi)≠f_AL_UL(RNj) …(a6)
とすることができる。
以上のように、異なるRN間のバックホールリンクの周波数と、アクセスリンクの周波数とを異ならせることができるので、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
図53は、実施の形態3の変形例2におけるバックホールリンクおよびアクセスリンクの周波数の構成例を示す図である。
DeNB7101の傘下に、第1RN(RN1)7110と、第2RN(RN2)7104とが存在する。第1RN(RN1)7110の傘下に、第1UE(UE1)7113が存在する。第2RN(RN2)7104の傘下に、第2UE(UE2)7107が存在する。
DeNB7101と第1RN(RN1)7110とは、下りバックホールリンク(BL_DL)7108と、上りバックホールリンク(BL_UL)7109とで接続される。第1RN(RN1)7110と第1UE(UE1)7113とは、下りアクセスリンク(AL_DL)7111と、上りアクセスリンク(AL_UL)7112とで接続される。
DeNB7101と第2RN(RN2)7104とは、下りバックホールリンク(BL_DL)7102と、上りバックホールリンク(BL_UL)7103とで接続される。第2RN(RN2)7104と第2UE(UE2)7107とは、下りアクセスリンク(AL_DL)7105と、上りアクセスリンク(AL_UL)7106とで接続される。
下りバックホールリンク(BL_DL)7108の周波数をf_BL_DL(RN1)とし、下りアクセスリンク(AL_DL)7111の周波数をf_AL_DL(RN1)とする。また、上りバックホールリンク(BL_UL)7109の周波数をf_BL_UL(RN1)とし、上りアクセスリンク(AL_UL)7112の周波数をf_AL_UL(RN1)とする。
一方、下りバックホールリンク(BL_DL)7102の周波数をf_BL_DL(RN2)とし、下りアクセスリンク(AL_DL)7105の周波数をf_AL_DL(RN2)とする。また、上りバックホールリンク(BL_UL)7103の周波数をf_BL_UL(RN2)とし、のぼりアクセスリンク(AL_UL)7106の周波数をf_AL_UL(RN2)とする。
ここで、前記(1),(2)の条件を満たすようにする。すなわち、以下の式(a7)〜式(a12)を満たすように周波数を設定する。
f_BL_DL(RN1)≠f_AL_DL(RN1) …(a7)
f_BL_UL(RN1)≠f_AL_UL(RN1) …(a8)
f_BL_DL(RN2)≠f_AL_DL(RN2) …(a9)
f_BL_UL(RN2)≠f_AL_UL(RN2) …(a10)
f_BL_DL(RN1)=f_BL_DL(RN2) …(a11)
f_BL_UL(RN1)=f_BL_UL(RN2) …(a12)
前記の式(a7)〜式(a12)を満たすように周波数を設定することによって、以下の式(a13)〜式(a16)のようにすることができる。
f_BL_DL(RN1)≠f_AL_DL(RN2) …(a13)
f_BL_UL(RN1)≠f_AL_UL(RN2) …(a14)
f_BL_DL(RN2)≠f_AL_DL(RN1) …(a15)
f_BL_UL(RN2)≠f_AL_UL(RN1) …(a16)
以上のように、異なるRN間のバックホールリンクの周波数と、アクセスリンクの周波数とが異なることとなり、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
移動可能なRNのバックホールリンクの周波数と、アクセスリンクの周波数とを異ならせ、DeNBの傘下のRNのバックホールリンクの周波数を全て同じとする方法の動作例を開示する。
図54は、実施の形態3の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図54に示すシーケンスは、図36に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図54では、移動可能なRNのバックホールリンクの周波数と、アクセスリンクの周波数とを異ならせ、DeNBの傘下のRNのバックホールリンクの周波数を全て同じとする場合のシーケンスを示している。
ステップST3605において、RNがHOを行い、ターゲットのeNB(DeNB)と接続処理を完了すると、ステップST7201に移行する。
HOは、同一周波数でのHO(intra-frequency HO)であってもよいし、異周波数間のHO(inter-frequency HO)であってもよい。RNが、DeNBが運用している周波数にHOし、該周波数でDeNBとRNとの間のバックホールリンクが設けられる。
HO先の周波数でDeNBがバックホールリンクを設けられないような場合は、後述するバックホールリンクの周波数を変更する方法を適用すればよい。
ステップST7201において、RNは、バックホールリンクの周波数と、自RNが設定しているアクセスリンクの周波数とが同じか否かを判断する。ステップST7201において、バックホールリンクの周波数と、自RNが設定しているアクセスリンクの周波数とが同じと判断した場合は、ステップST7202において、バックホールリンクの周波数と異なるように、アクセスリンクの周波数を変更する。
ステップST3606〜ステップST3611において、RNは、傘下のUEに対して、変更したアクセスリンクの周波数へのRRC接続変更処理を行う。この方法は、実施の形態2で開示した方法を適用することができる。
ステップST7201において、RNは、バックホールリンクの周波数と、設定しているアクセスリンクの周波数とが同じでないと判断した場合は、アクセスリンクの周波数の変更を行わない。
このシーケンス例は、DeNBの傘下の全てのRNのバックホールリンクの周波数が同じ場合に適用することができる。例えば、DeNBが一つのキャリアで運用しており、傘下の全てのRNのバックホールリンクが、該キャリア周波数である場合などである。この場合、RNがDeNBと接続処理を行うのは該キャリアとなるので、該RNのバックホールリンクの周波数は、他のRNのバックホールリンクの周波数と同じになる。
したがって、前述の(1),(2)の条件が満たされるので、異なるRN間でのバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
また、本変形例においては、サブフレーム構成を調整し再設定、変更する必要は無く、RNのRNサブフレーム構成およびMBSFNサブフレーム構成に制限を設ける必要は無くなる。したがって、RNを介した通信の通信容量を増大することができ、また、柔軟なRNの設置および移動に対応することができる。
他の例として、DeNBの傘下のRNのバックホールリンクの周波数が同じでない場合の解決策を開示する。全てのRNでなく、干渉が問題となる複数のRNのバックホールリンクの周波数が同じでない場合であってもよい。DeNBは、複数のRNと異なるバックホールリンクの周波数で運用していることになる。例えばDeNBが、マルチキャリアで運用、あるいはキャリアアグリゲーションを行っている場合である。
この場合、前述の(1)の条件に、以下の(3)の条件を加えるとよい。
(3)RNのアクセスリンクの周波数を、他のRNのバックホールリンクの周波数と異ならせる。
f_BL_DL(RNj)≠f_AL_DL(RNi) …(a17)
f_BL_UL(RNj)≠f_AL_UL(RNi) …(a18)
式(a17),(a18)において、i≠jであり、RNi,RNjは、DeNBの傘下のRNである。
前記の式(a17),(a18)を満たすようにすることによって、以下の式(a19),(a20)のようにすることができる。
f_BL_DL(RNi)≠f_AL_DL(RNj) …(a19)
f_BL_UL(RNi)≠f_AL_UL(RNj) …(a20)
したがって、異なるRN間でのバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
図55は、実施の形態3の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図55に示すシーケンスは、図54に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図55では、DeNBの傘下のRNのバックホールリンクの周波数が同じでない場合のシーケンスを示している。
ステップST3605において、RNは、HOを行い、ターゲットのeNB(DeNB)と接続処理を完了する。この接続処理において、ターゲットDeNBからRNへ該DeNBで運用しているRNのバックホールリンクの周波数情報を通知する。なお、ステップST3605の処理ではなく、他のメッセージあるいは他のシグナリングとして該情報を通知してもよい。図55では、ステップST7301において、他のメッセージとして、前記RNのバックホールリンクの周波数情報を通知する。
該DeNBで運用している全てのRNのバックホールリンクの周波数情報ではなく、干渉が問題となるRNのバックホールリンクの周波数情報に限定してもよい。限定の方法は、実施の形態3で開示した方法を適用することができる。例えば、ステップST3605の処理後に、図48のステップST6701〜ステップST6705の処理を行うようにすればよい。
RNは、受信した該DeNBで運用しているRNのバックホールリンクの周波数情報を用いて、ステップST7302において、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが同じか否かを判断する。ステップST7302において、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが同じと判断した場合は、ステップST7303において、前述の(1),(3)の条件を満足するアクセスリンクの周波数を選択する。ここで、バックホールリンク同士、あるいはアクセスリンク同士は、同じ周波数となってもよい。
このようにすることによって、DeNBが複数のRNと異なるバックホールリンクの周波数で運用している場合でも、異なるRN間でのバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
DeNBと傘下のUE間のリンクとの間での干渉が問題になる場合、ステップST7303において、アクセスリンクの周波数をDeNBと傘下のUEとの間の通常のリンクの周波数と異なるキャリア周波数としてもよい。DeNBと傘下のUEとの間の通常のリンクと、RNのアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
前述の例では、RNがアクセスリンクの周波数を選択するようにしているが、さらに他の例として、DeNBがRNのアクセスリンクの周波数を選択するようにしてもよい。
図56は、実施の形態3の変形例2における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図56に示すシーケンスは、図54に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図56では、DeNBがRNのアクセスリンクの周波数を選択するようにする場合のシーケンスを示している。
ステップST3605において、RNは、HOを行い、ターゲットのeNB(DeNB)と接続処理を完了する。この接続処理において、RNからDeNBへ、自RNで設定しているアクセスリンクの周波数情報を通知する。なお、ステップST3605の処理ではなく、他のメッセージあるいは他のシグナリングとして、該情報を通知してもよい。図56では、ステップST7401において、他のメッセージとして、前記RNで設定しているアクセスリンクの周波数情報を通知する。
ステップST7402において、DeNBは、受信したRNのアクセスリンクの周波数情報を用いて、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが同じか否かを判断する。ステップST7402において、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが同じと判断した場合は、ステップST7403において、該RNのアクセスリンクの周波数を変更する。このとき、該RNがサポートしているアクセスリンクの周波数の中から選択するとよい。
該RNがサポートしているアクセスリンクの周波数は、前記ステップST3605の処理において、RNで設定しているアクセスリンクの周波数情報とともに、該RNからDeNBに通知されてもよい。あるいは、RNがサポートしているアクセスリンクの周波数は、RNのケーパビリティ情報として、DeNBに通知されてもよい。また、該情報は、ステップST3605の処理ではなく、他のメッセージあるいは他のシグナリングとして通知されてもよい。
ステップST7402において、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数が同じでないと判断した場合は、アクセスリンクの周波数の変更を行わない。
ステップST7404において、DeNBは、変更後のアクセスリンクの周波数情報を該RNに通知する。アクセスリンクの周波数の変更を行わない場合も、その旨を示す情報、あるいは、ステップST7401で受信した、該RNが設定しているアクセスリンクの周波数情報を通知してもよい。
ステップST7404において、変更後のアクセスリンクの周波数情報を受信したRNは、該情報に基づいて、ステップST3606〜ステップST3611において、傘下のUEに対して、変更後のアクセスリンクの周波数でRRC接続変更処理を行わせる。
このようにすることによって、DeNBが、干渉が問題となるRNのアクセスリンクの周波数を設定することができる。DeNBに、傘下のRNのアクセスリンクの周波数を認識させ、干渉回避の制御および管理をDeNBに集中させることによって、制御を容易にすることが可能となる。
また、DeNBは、傘下のRNのバックホールリンクの周波数も認識しているので、バックホールリンクの周波数とアクセスホールリンクの周波数とを併せて制御および管理することが可能となる。
ステップST7401において、RNは、DeNBに、自RNで設定しているアクセスリンクの周波数情報を通知している。他の方法として、RNは、自RNで設定しているアクセスリンクの周波数情報を、NW側、例えばMME、OAMなどに通知する。DeNBは、必要に応じてNW側から、所望のRNが設定しているアクセスリンクの周波数情報を得るようにしてもよい。DeNBが、NW側に、該RNのアクセスリンクの周波数情報を要求する旨のメッセージを送信し、NW側が、該RNのアクセスリンクの周波数情報を応答するメッセージを、DeNBに送信してもよい。
また、ステップST7401において、RNは、自RNがサポート可能なアクセスリンクの周波数情報をDeNBに通知するとよい。この情報は、ステップST3605の接続処理のときに通知されてもよいし、他のメッセージ、またはシグナリングを用いて通知されてもよい。これによって、ステップST7403において、DeNBがRNのアクセスリンクの周波数を設定する場合に、該RNがサポートするアクセスリンクの周波数の中から選択することが可能となる。
ステップST7404において、DeNBは、変更後のアクセスリンクの周波数情報をRNに通知しているが、該変更後のアクセスリンクの周波数情報を、RN再構成メッセージに含めて通知してもよい。これによって、メッセージの種類を削減することができる。
また、本変形例において、アクセスリンクの周波数を設定あるいは変更している。これによって、後述のバックホールリンクの周波数を設定あるいは変更する方法よりも制御を簡易にすることができる。これは、バックホールリンクの周波数を設定あるいは変更する方法では、RNとDeNBとの間の接続の変更処理を行わねばならず、制御が複雑になるためである。
実施の形態3 変形例3.
本変形例では、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減するための他の方法を開示する。
例えば、アウトバンドRNが移動した場所において、干渉が問題となるRNに、インバンドRNのようにバックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが同じRNが存在したとする。この場合、アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数と、インバンドRNのバックホールリンクの周波数とが同じであると、問題が生じる。アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数と、インバンドRNのアクセスリンクの周波数とが同じになってしまうためである。
アウトバンドRNは、RNサブフレームをサポートする必要は無い。したがって、通常、実施の形態3および実施の形態3の変形例1で開示した方法を適用することはできない。このため、アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数と、インバンドRNのアクセスリンクの周波数とが同じ場合、それらの間で干渉が生じてしまう。
本変形例では、このようにインバンドRNとアウトバンドRNとの間で干渉が問題となる場合についての解決方法を開示する。
インバンドRNのバックホールリンクの周波数と、アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数とを異ならせる。さらに、インバンドRNのアクセスリンクの周波数と、アウトバンドRNのアクセスリンクの周波数とを異ならせる。
インバンドRNを「RNib」と表記し、アウトバンドRNを「RNob」と表記することにする。
インバンドRNでは、以下の式(a21),(a22)に示す条件が成り立つ。
f_BL_DL(RNib)=f_AL_DL(RNib) …(a21)
f_BL_UL(RNib)=f_AL_UL(RNib) …(a22)
アウトバンドRNでは、以下の式(a23),(a24)に示す条件が成り立つ。
f_BL_DL(RNob)≠f_AL_DL(RNob) …(a23)
f_BL_UL(RNob)≠f_AL_UL(RNob) …(a24)
前記の式(a21)〜式(a24)に示す条件に、以下の式(a25)〜式(a28)に示す条件を加える。
f_BL_DL(RNib)≠f_BL_DL(RNob) …(a25)
かつ
f_AL_DL(RNib)≠f_AL_DL(RNob) …(a26)
f_BL_UL(RNib)≠f_BL_UL(RNob) …(a27)
かつ
f_AL_UL(RNib)≠f_AL_UL(RNob) …(a28)
前記の式(a21)〜式(a24)に示す条件に、前記の式(a25)〜式(a28)に示す条件を加えることによって、インバンドRNとアウトバンドRNとの間で、アクセスリンクの周波数とバックホールリンクの周波数とを異ならせることが可能となる。したがって、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することが可能となる。
図57および図58は、実施の形態3の変形例3における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図57と図58とは、境界線BL1の位置で、つながっている。図57および図58に示すシーケンスは、図54に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図57および図58では、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減する処理のシーケンスを示している。
ステップST3605において、RNは、HOを行い、ターゲットのeNB(DeNB)と接続処理を完了する。ステップST7501において、DeNBは、ステップST3605で接続したRNも含めて、傘下のRNに、インバンドRNとアウトバンドRNとが混在しているかどうかを判断する。全てのRNでなく、干渉が問題となるRNに限定してもよい。限定の方法は、実施の形態3で開示した方法を適用することができる。例えば、ステップST3605の処理後に、図48のステップST6701〜ステップST6705の処理を行うようにすればよい。
ステップST7501において、傘下のRNに、インバンドRNとアウトバンドRNとが混在しているかどうかを判断可能とするために、RNが自RNの種類を示す情報を設け、各RNは、DeNBとの接続処理において該情報をDeNBに通知するとよい。自RNの種類を示す情報として、例えば、インバンドRNであるか、アウトバンドRNであるかを示す情報がある。
図57および図58では、ステップST3605において、RNは、自RNがインバンドRNであるか、アウトバンドRNであるかを示す情報をDeNBに通知する。なお、ステップST3605の処理ではなく、他のメッセージあるいは他のシグナリングとして、該情報を通知してもよい。
ステップST7501において、インバンドRNとアウトバンドRNとが混在していると判断した場合は、ステップST7502において、インバンドRNのバックホールリンクの周波数とアウトバンドRNのバックホールリンクの周波数とが同じかどうか判断する。
ステップST7502において、インバンドRNのバックホールリンクの周波数とアウトバンドRNのバックホールリンクの周波数とが同じと判断した場合は、ステップST7503において、ステップST3605で接続したRNのバックホールリンクの周波数を、インバンドRNのバックホールリンクの周波数とアウトバンドRNのバックホールリンクの周波数とが異なるように、選択する。すなわち、前述の式(a25),(a27)に示す条件を満たすように、RNのバックホールリンクの周波数を選択する。
例えば、接続したRNがアウトバンドRNの場合は、接続したRNのバックホールリンクの周波数を、干渉が問題となるRN間に混在するインバンドRNのバックホールリンクの周波数と異ならせる。例えば、接続したRNがインバンドRNの場合は、接続したRNのバックホールリンクの周波数を、干渉が問題となるRN間に混在するアウトバンドRNのバックホールリンクの周波数と異ならせる。
ステップST7503において接続したRNのバックホールリンクの周波数を選択したDeNBは、該RNとの間で、選択したバックホールリンクの周波数で接続変更処理を行う。
ステップST7504において、DeNBは、選択したバックホールリンクの周波数で送信を開始する。
ステップST7505において、DeNBは、RNに対して、変更前周波数で異周波数RRC接続変更メッセージを通知する。該メッセージに、変更後バックホールリンクの周波数情報と、該バックホールリンクの周波数への接続変更指示情報を含ませておくとよい。
ステップST7506において、RNは、DeNBと変更後周波数で同期をとり、報知情報を受信する。
ステップST7507において、RNとDeNBとは、変更後のバックホールリンクの周波数で接続処理を行う。
ステップST7508において、RNは、DeNBに対して、変更後のバックホールリンクの周波数で異周波数RRC接続変更完了メッセージの通知を行う。
ステップST7509において、RNは、変更前バックホールリンクの周波数での送受信を停止する。
このような処理を行うことによって、RNは、DeNBが選択したバックホールリンクの周波数でRRC接続の変更を行うことができる。
ステップST7510において、RNは、自RNがアウトバンドRNか否かを判断する。ステップST7510においてアウトバンドRNであると判断した場合は、ステップST7511に移行する。
ステップST7511において、RNは、変更後のバックホールリンクの周波数と自RNで設定しているアクセスリンクの周波数とが同じであるか否かを判断する。ステップST7511において、変更後のバックホールリンクの周波数と自RNで設定しているアクセスリンクの周波数とが同じであると判断した場合は、ステップST7512において、自RNのアクセスリンクの周波数として、他の周波数を選択する。これによって、前述の式(a26),(a27)に示す条件が満足されることになる。
ステップST7510において、自RNがアウトバンドRNではないと判断した場合は、ステップST7512において、自RNのアクセスリンクの周波数として、バックホールリンクの周波数を選択する。
ステップST7512において、自RNのアクセスリンクの周波数を選択したRNは、ステップST3606〜ステップST3611において、傘下のUEに対して、変更したアクセスリンクの周波数でのRRC接続変更処理を行う。この方法は、実施の形態2で開示した方法を適用することができる。
ステップST7511において、変更後のバックホールリンクの周波数と自RNで設定しているアクセスリンクの周波数とが異なると判断した場合は、アクセスリンクの周波数の変更を行わない。
以上のようにすることによって、インバンドRNとアウトバンドRNとの間で、アクセスリンクの周波数とバックホールリンクの周波数とを異ならせることが可能となる。したがって、異なるRN間のバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することが可能となる。また、インバンドRNとアウトバンドRNとが混在しているような場合でも、干渉を低減することが可能となる。
干渉が問題となるRNの中に複数のバックホールリンクの周波数の異なるインバンドRN、複数のバックホールリンクの周波数の異なるアウトバンドRNが存在する場合は、実施の形態3変形例2を本変形例と適宜組合せて適用すれば良い。異なるRN間でのバックホールリンクとアクセスリンクとの間の干渉を低減することができる。
本変形例は、アウトバンドRNとインバンドRNとが混在している場合に限らず、インバンドRN間での干渉を低減する場合にも適用することが可能である。干渉が問題となるRNの中に、同じバックホールリンクの周波数のインバンドRNが存在する場合、インバンドRNのバックホールリンクの周波数を変更すればよい。それに伴い、該インバンドRNのアクセスリンクの周波数も変更すればよい。これによって、異なるインバンドRN間でアクセスリンクの周波数とバックホールリンクの周波数とを異ならせることができるので、インバンドRN間の干渉を低減することが可能となる。
また、RNの運用例として、固定RNをインバンドRNとし、移動RNをアウトバンドRNとしてもよい。この運用において本変形例を、あるいは実施の形態3の変形例2と本変形例とを適用することによって、移動RNと移動先DeNBの傘下の固定RNとの干渉を低減することが可能となる。
また、実施の形態3および実施の形態3の変形例1で開示したインバンドRNのRNサブフレーム構成を設定する方法と使い分けてもよい。DeNBが、干渉が問題となるRNの個数、セルの負荷状況、各RNの負荷状況、各RNのRNサブフレーム構成、各RNがサポートするバックホールリンクの周波数あるいはアクセスリンクの周波数、DeNBがサポートするキャリア周波数などを考慮して、どの方法を用いるかを判断するようにすればよい。これによって、動的に変化する種々の状況に柔軟に対応することが可能となる。
また、インバンドRNの機能とアウトバンドRNの機能とを有するノードを構成してもよい。また、インバンドRNの機能とアウトバンドRNの機能とを有する物理的な装置を構成してもよい。このように構成されるノードまたは装置は、バックホールリンクとアクセスリンクとを時間領域で分割できる機能と周波数領域で分割できる機能とを有する。
これによって、状況に応じて、インバンドRNとして動作するか、アウトバンドRNとして動作するかを切替えることが可能となる。例えば、RNが固定している場合はインバンドRNとして設定され、該RNが移動する場合はアウトバンドRNとして設定される。該切替えは、自RNが行ってもよいし、あるいは、DeNBの指示によって行われてもよいし、OAMによって行われてもよいし、RNの運用者、例えばオペレータによって行われてもよい。
また、例えば、DeNBは、移動RNをサーブする場合、該DeNBの傘下のRNをアウトバンドRNに設定してもよい。また、該DeNBの傘下のRNではなく、該移動RNの近傍のRNをアウトバンドRNとしてもよい。これによって、システムとして柔軟なRNの運用が可能となり、干渉回避などの制御を容易にすることができる。
実施の形態4.
RNが移動した場合、既存のRNとの間で、RNの運用時にアクセスリンク間で干渉が生じる。RNのバックホールリンクのサブフレーム構成は、DeNBからRN毎にRRCシグナリングを用いて個別に通知されるので、通常、RNのアクセスリンクのサブフレーム構成は、RN毎に異なる。したがって、複数のRNが接近した場合、異なるRN間でアクセスリンクのサブフレームが同じになる場合が生じる。これによって、異なるRNのアクセスリンク間で干渉が生じてしまうという問題がある。
図59および図60は、移動したRNと既存のRNとの間で生じる干渉について説明するための図である。図59および図60は、図40および図41と構成が類似しているので、対応する部分については同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
RNが接近した場合、RNの下りアクセスリンクが、他のRNの下りアクセスリンクに干渉を与える。例えば、図59に示すように、第2DeNB(DeNB2)6102の第2カバレッジ6117内に移動した第1RN(RN1)6106が、第2RN(RN2)6108に接近すると、第2RN(RN2)6108の下りアクセスリンク6115が、第1RN(RN1)6106の下りアクセスリンク6114に干渉7601を与える。
また、RNの上りアクセスリンクが、他のRNの上りアクセスリンクに干渉を与える。例えば、図60に示すように、第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りアクセスリンク6121の送信が、第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りアクセスリンク6122の受信に干渉7602を与える。
本実施の形態では、このような、異なるRNのアクセスリンク間で生じる干渉を低減する方法を開示する。
RN間で下りアクセスリンクのサブフレームを異ならせる。例えば、RN2の下りアクセスリンクのサブフレームと、RN1の下りアクセスリンクのサブフレームとを異ならせる。RN間で下りアクセスリンクのサブフレームを異ならせる方法として、RNは、干渉となる下りアクセスリンクのサブフレームを、MBSFNサブフレームおよびABS(Almost Blank Subframe)の少なくともいずれか一方にするとよい。ここで、PDCCHがマッピングされないサブフレームを「ABS」と称する。PDCCHもマッピングされないので、PDSCHもマッピングされない。
MBSFNサブフレームとABSとが、同じサブフレームに設定された場合、該サブフレームでは、PDCCHがマッピングされず、さらにPDSCHのCRSもマッピングされないとする。RNは、干渉となる下りアクセスリンクのサブフレームに、下りスケジューリングをしないようにしてもよい。
また、RNは、干渉となる上りアクセスリンクのサブフレームに、上りスケジューリングをしないようにする。例えば、RN1の上りアクセスリンクのサブフレームと、RN2の上りアクセスリンクのサブフレームとを異ならせる。他の例として、サブフレームを異ならすのではなく、スケジューリングする無線リソースを異ならせるようにしてもよい。無線リソースとしては、RB単位、RE単位、サブキャリア単位などとするとよい。また、周波数帯域毎に異ならせるようにしてもよい。以下の説明では、スケジューリングする無線リソースを異ならせることも含めて、サブフレーム構成を異ならせると称する。
図61および図62は、RN間でアクセスリンクのサブフレームを異ならせた場合のサブフレーム構成の一例を示す図である。図61および図62では、図59および図60に示す第2DeNB6102を「DeNB2」と記載し、第2DeNB6102の傘下の第4UE6104を「UE4」と記載する。また第1RN6106を「RN1」と記載し、第1RN6106の傘下の第1UE6105を「UE1」と記載する。また第2RN6108を「RN2」と記載し、第2RN6108の傘下の第2UE6107を「UE2」と記載する。上りアクセスリンクでは、スケジューリングする無線リソースを異ならせている。なお、バックホールリンクとアクセスリンクとに関しては、実施の形態3の変形例1で開示した方法を適用している。
図61は、RN間でアクセスリンクのサブフレームを異ならせた場合の下りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図61において、参照符号「7701」で示されるサブフレームは、第2DeNB(DeNB2)6102から傘下の第4UE(UE4)6104、第1RN(RN1)6106および第2RN(RN2)6108への下りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「7702」で示されるサブフレームは、第1RN(RN1)6106から傘下の第1UE(UE1)6105への下りリンクのサブフレーム構成例である。参照符号「7703」で示されるサブフレームは、第2RN(RN2)6108から傘下の第2UE(UE2)6107への下りリンクのサブフレームの構成例である。
図62は、RN間でアクセスリンクのサブフレームを異ならせた場合の上りリンクのサブフレームの構成例を示す図である。図62において、参照符号「7704」で示されるサブフレームは、第2DeNB(DeNB2)6102の傘下の第4UE(UE4)、第1RN(RN1)6106および第2RN(RN2)6108から第2DeNB(DeNB2)6102への上りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「7705」で示されるサブフレームは、第1RN(RN1)6106の傘下の第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りリンクのサブフレームの構成例である。参照符号「7706」で示されるサブフレームは、第2RN(RN2)6108の傘下の第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りリンクのサブフレームの構成例である。
バックホールリンクおよびアクセスリンクに関しては、実施の形態3の変形例1で開示した方法が適用されているとする。このため、図50および図51で示したように、第2DeNB(DeNB2)6102と第1RN(RN1)6106および第2RN(RN2)6108とのバックホールリンク6111,6112のサブフレームは同じとする。下りリンクについては、サブフレーム#1,#2とし、上りリンクについては、サブフレーム#1,#2,#5,#6とする。
また、第1RN(RN1)6106とその傘下の第1UE(UE1)6105、および第2RN(RN2)6108とその傘下の第2UE(UE2)6107の下りリンクにおいて、MBSFNサブフレームが構成されるサブフレームは同じであり、サブフレーム#1,#2とする。また、第1RN(RN1)6106とその傘下の第1UE(UE1)6105、および第2RN(RN2)6108とその傘下の第2UE(UE2)6107の上りリンクにおいて、スケジューリングが行われないサブフレームは同じであり、サブフレーム#1,#2,#5,#6とする。
まず、図61に示す下りリンクについて説明する。サブフレーム#1,#2の他のサブフレームで、第1RN(RN1)6106から傘下の第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114のサブフレームと、第2RN(RN2)6108から傘下の第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115のサブフレームとが重なる。重なるサブフレームは、サブフレーム#0,#3,#4,#5,#6,#7,#8,#9である。
この場合、サブフレーム#0,#3,#4,#5,#6,#7,#8,#9で、一方のRNの下りアクセスリンクが、他方の下りアクセスリンクに干渉を与える。
これらの干渉を低減するために、第1RN(RN1)6106の下りアクセスリンクのサブフレームを、第2RN(RN2)6108の下りアクセスリンクのサブフレームと異ならせる。例えば、図61に示すように、第1RN(RN1)6106から傘下の第1UE(UE1)6105への下りアクセスリンク6114では、サブフレーム#3,#4,#7,#8をABSに変更する。一方、第2RN(RN2)6108から傘下の第2UE(UE2)6107への下りアクセスリンク6115では、サブフレーム#0,#5,#6,#9をABSに変更する。
このようにすることによって、一方の下りアクセスリンクのサブフレームは、他方のABSとなる。このように、RN間で下りアクセスリンクのサブフレームを異ならせることによって、異なるRNの下りアクセスリンク間の干渉を低減することが可能となる。
次に、図62に示す上りリンクについて説明する。サブフレーム#1,#2,#5,#6の他のサブフレームで、第1RN(RN1)6106の傘下の第1UE(UE1)6105から第1RN(RN1)6106への上りアクセスリンク6121のサブフレームと、第2RN(RN2)6108の傘下の第2UE(UE2)6107から第2RN(RN2)6108への上りアクセスリンク6122のサブフレームとが重なる。重なるサブフレームは、サブフレーム#0,#3,#4,#7,#8,#9である。
この場合、サブフレーム#0,#3,#4,#7,#8,#9で、一方のRNの上りアクセスリンクが、他方の上りアクセスリンクに干渉を与える。
これらの干渉を低減するために、第1RN(RN1)6106の上りアクセスリンクのサブフレームを、第2RN(RN2)6108の上りアクセスリンクのサブフレームと異ならせる。あるいは、第1RN(RN1)の上りアクセスリンクのサブフレームと、第2RN(RN2)の上りアクセスリンクのサブフレームとにスケジューリングする無線リソースを異ならせる。
例えば、図62に示すように、これらのサブフレームのうち、第1RN(RN1)6106において、偶数番号のサブフレームにはRB_upperに、奇数番号のサブフレームにはRB_lowerにスケジューリングされる。一方、第2RN(RN2)6108において、偶数番号のサブフレームにはRB_lowerに、奇数番号のサブフレームにはRB_upperにスケジューリングされる。RB_upperと、RB_lowerとは、一つまたは複数のリソースブロックで、異なるリソースブロックからなる。
このようにすることによって、一方の上りアクセスリンクでスケジューリングが行われるリソースブロックで、他方の上りアクセスリンクのスケジューリングは行われない。このように、RN間で上りアクセスリンクのサブフレーム、あるいは無線リソースを異ならせることによって、異なるRNの下りアクセスリンク間の干渉を低減することが可能となる。
なお、SSまたはPBCHを干渉させないようにするために、SSまたはPBCHの存在するサブフレームが重ならないように、第1RN(RN1)6106と第2RN(RN2)6108とのフレームタイミングに、時間オフセットを設けてもよい。このとき、同時間のサブフレーム番号が異なることになるが、それを踏まえて、どのサブフレームをABSにするか、どのサブフレームにスケジューリングを行わないようにするかを設定すればよい。RN毎のフレームタイミングのオフセットは、DeNBが決定してもよい。バックホールリンクのフレームタイミングを基準に、アクセスリンクのフレームタイミングにオフセットを設定してもよい。
DeNBは、RNのRNサブフレーム構成を認識しているが、RNのアクセスリンクのサブフレーム構成を認識していない。したがって、RN間でアクセスリンクのサブフレームを異ならせるように調整する場合、どのノードが制御するかが問題となる。
本実施の形態では、制御するノードとして、以下の(1),(2)の2つの具体例を開示する。
(1)DeNBが、RN毎のアクセスリンクのサブフレーム構成を設定する。
(2)RNが、自RNのアクセスリンクのサブフレーム構成を設定する。
サブフレーム構成の設定として、どのサブフレームを下りアクセスリンクとするか、あるいは、どのサブフレームをABSおよびMBSFNサブフレームの少なくともいずれか一方とするかを設定する。
RN間のアクセスリンクで生じる干渉を低減するために、前記の具体例(1)の場合は、DeNBが、RN間でアクセスリンクのサブフレームが異なるように各RNのサブフレーム構成を設定し、各RNに対して通知する。RNは、受信したサブフレーム構成を、自RNのアクセスリンクに適用する。DeNBが、RN毎のアクセスリンクのサブフレーム構成を設定するので、DeNBで干渉が問題となるRNの制御および管理を集中して行うことができる。したがって、制御が容易になり、制御遅延の低減および制御回路の削減が可能となる。
前記の具体例(2)の場合は、RNが、他RNとアクセスリンクのサブフレームが異なるように自RNのサブフレーム構成を設定し、自RNのアクセスリンクに適用する。RNが、自RNのアクセスリンクのサブフレームを設定するので、DeNBとは独立して設定することができる。したがって、RNの傘下のUEの負荷状況など、RN毎の状況をサブフレーム構成に柔軟に反映することができる。
DeNBからRNにアクセスリンクのサブフレーム構成の通知が無い場合には、該RNが自RNのアクセスリンクのサブフレームを設定するようにしてもよい。DeNBは、必要に応じて各RNに対してアクセスリンクのサブフレーム構成を通知するようにしてもよい。これによって、さらに柔軟な制御が可能となる。
RN間で下りアクセスリンクのサブフレームを異ならせ、干渉となる上りアクセスリンクのサブフレームに上りスケジューリングをしないようにする方法の動作例を開示する。
図63は、実施の形態4における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図63に示すシーケンスは、図52に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図63では、RN間で下りアクセスリンクのサブフレームを異ならせ、干渉となる上りアクセスリンクのサブフレームに上りスケジューリングをしないようにする場合のシーケンスを示している。具体的には、RNがHOを行い、DeNBとRRC接続を完了した状態からのシーケンスを示している。図63は、前記の具体例(1)のDeNBがRN毎のアクセスリンクのサブフレーム構成を設定する場合の例である。
ステップST6704において、該RNと干渉が問題になるRNが存在すると判断したDeNBは、ステップST7801において、干渉の低減を図るRNを選択する。
DeNBは、選択したRNのRNサブフレーム構成を認識している。したがって、ステップST7802において、DeNBは、選択した各RNと、新たにRRC接続したRNに対して設定するRNサブフレーム構成とを用いて、各RNのアクセスリンクのサブフレーム構成を決定する。具体的には、RN間でアクセスリンクのサブフレーム構成が異なるように決定する。
ステップST7803において、DeNBは、各RNに、決定したアクセスリンクのサブフレーム構成を通知する。
該サブフレーム構成を受信した各RNは、ステップST7804において、受信したアクセスリンクのサブフレーム構成に基づいて、ABSとするサブフレームを決定する。例えば、受信したアクセスリンクのサブフレーム構成以外のサブフレームをABSとしてもよい。
また、ステップST7805において、各RNは、受信したアクセスリンクのサブフレーム構成に基づいて、スケジューリング可能な上りサブフレームと上りリソースとを決定する。例えば、受信したアクセスリンクのサブフレーム構成以外のサブフレームで上りサブフレームをスケジューリングしないとしてもよい。
ステップST7806において、各RNは、傘下のUEに対して、ABSの設定を行う。ABSの設定情報を受信したUEは、該サブフレームをABSとして受信処理を行う。
ステップST7807およびステップST7808において、RNは、ABSにしないサブフレームで下りスケジューリングを行い、また、上りスケジューリング可能なサブフレームとリソースとで上りスケジューリングを行うようにする。
このようにすることによって、各RNにおけるアクセスリンクのサブフレーム構成を異ならせることが可能となり、異なるRNのアクセスリンク間で生じる干渉を低減することができる。
実施の形態4 変形例1.
本変形例では、異なるRNのアクセスリンク間で生じる干渉を低減するための他の方法を開示する。
干渉が問題となるRNにおいて、RN毎にアクセスリンクの周波数を異ならせる。RNがインバンドRNであっても、アウトバンドRNであってもよく、RN毎にアクセスリンクの周波数が異なるようにすればよい。
図64は、実施の形態4の変形例1におけるバックホールリンクおよびアクセスリンクの周波数の構成例を示す図である。
DeNB7901の傘下に、第1RN(RN1)7910と、第2RN(RN2)7904とが存在する。第1RN(RN1)7910の傘下に、第1UE(UE1)7913が存在する。第2RN(RN2)7904の傘下に、第2UE(UE2)7907が存在する。
DeNB7901と第1RN(RN1)7910とは、下りバックホールリンク(BL_DL)7908と、上りバックホールリンク(BL_UL)7909とで接続される。第1RN(RN1)と第1UE(UE1)とは、下りアクセスリンク(AL_DL)7911と、上りアクセスリンク(AL_UL)7912とで接続される。
DeNB7901と第2RN(RN2)7904とは、下りバックホールリンク(BL_DL)7902と、上りバックホールリンク(BL_UL)7903とで接続される。第2RN(RN2)7904と第2UE(UE2)7907とは、下りアクセスリンク(AL_DL)7905と、上りアクセスリンク(AL_UL)7906とで接続される。
下りバックホールリンク(BL_DL)7908の周波数をf_BL_DL(RN1)とし、下りアクセスリンク(AL_DL)7911の周波数をf_AL_DL(RN1)とする。また、上りバックホールリンク(BL_UL)7909の周波数をf_BL_UL(RN1)とし、上りアクセスリンク(AL_UL)7912の周波数をf_AL_UL(RN1)とする。
一方、下りバックホールリンク(BL_DL)7902の周波数をf_BL_DL(RN2)とし、下りアクセスリンク(AL_DL)7905の周波数をf_AL_DL(RN2)とする。また、上りバックホールリンク(BL_UL)7903の周波数をf_BL_UL(RN2)とし、上りアクセスリンク(AL_UL)7906の周波数をf_AL_UL(RN2)とする。
ここで、以下の(1)の条件を満たすように周波数を設定する。
(1)RN毎にALの周波数を異ならせる。
f_AL_DL(RNi)≠f_AL_DL(RNj) …(a29)
f_AL_UL(RNi)≠f_AL_UL(RNj) …(a30)
式(a29),(a30)において、i≠jであり、RNi,RNjは、DeNBの傘下のRNである。
これによって、異なるRNのアクセスリンク間の干渉を低減することができる。
RN毎にアクセスリンクの周波数を異ならせる方法の動作例を開示する。図65および図66は、実施の形態4の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図65と図66とは、境界線BL2の位置で、つながっている。図65および図66に示すシーケンスは、図48および図56に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図65および図66では、RN毎にアクセスリンクの周波数を異ならせる場合のシーケンスを示している。図65および図65では、RNはアウトバンドRNとする。
ステップST3605において、RNは、HOを行い、ターゲットeNB(DeNB)と接続処理を完了する。この接続処理において、RNからDeNBへ、自RNで設定しているアクセスリンクの周波数情報を通知する。なお、ステップST3605の処理ではなく、他のメッセージあるいは他のシグナリングとして、該情報を通知してもよい。図65および図66では、ステップST7401において、他のメッセージとして、前記自RNで設定しているアクセスリンクの周波数情報を通知する。
ステップST8001において、該RNと干渉が問題になるRNが存在するか否かを判断する。ステップST8001において、干渉が問題になるか否かの判断は、該RNのアクセスリンクの周波数と同じアクセスリンクの周波数を有するRNが存在するか否かで判断するとよい。ステップST8001において、干渉が問題になるRNが存在すると判断した場合は、ステップST8002に移行し、干渉が問題になるRNが存在しないと判断した場合は、ステップST8003に移行する。
ステップST8001において、干渉が問題になるRNが存在すると判断したDeNBは、ステップST8002において、該RNのアクセスリンクの周波数を他の周波数に設定する。他の周波数は、既存のRNのアクセスリンクの周波数と異なる周波数とすればよい。あるいは、干渉が問題となるRNのアクセスリンクの周波数と異なる周波数とすればよい。
ステップST8003において、DeNBは、設定したアクセスリンクの周波数情報を該RNに通知する。アクセスリンクの周波数の変更を行わない場合も、その旨を示す情報、あるいは、該RNが設定しているアクセスリンクの周波数情報を通知してもよい。これらの情報を、RN再構成メッセージに含めて通知してもよい。前記情報をRN再構成メッセージに含めて通知することによって、メッセージの種類を削減することができる。
ステップST8003において、変更後に設定するアクセスリンクの周波数情報を受信したRNは、該情報に基づいて、ステップST3606〜ステップST3611において、傘下のUEに対して、変更後のアクセスリンクの周波数でRRC接続変更処理を行わせる。
このようにすることによって、DeNBは該RNに、干渉が問題となるRNとは異なるアクセスリンクの周波数を設定することができる。また、DeNBに、傘下のRNのアクセスリンクの周波数を認識させ、干渉回避の制御および管理をDeNBに集中させることによって、制御を容易にすることが可能となる。
RNがインバンドRNの場合は、ステップST8001において、アクセスリンクの周波数を他の周波数に設定するとともに、バックホールリンクの周波数も該他の周波数に設定すればよい。バックホールリンクの他の周波数への変更は、実施の形態3の変形例3で開示した方法を適用すればよい。
DeNBは、傘下のRNのバックホールリンクの周波数も認識しているので、バックホールリンクの周波数とアクセスホールリンクの周波数とを併せて制御および管理することが可能となる。
このようにすることによって、RNが、インバンドRNであっても、アウトバンドRNであっても、干渉が問題となるRN間において、RN毎にアクセスリンクの周波数を異ならせることができる。したがって、異なるRNのアクセスリンク間で生じる干渉を低減することが可能となる。
実施の形態4 変形例2.
本変形例では、異なるRNのアクセスリンク間で生じる干渉を低減するための他の方法を開示する。
RNをオープンアクセスモード、あるいはハイブリッドモードとするとよい。これによって、たとえRNの移動などにより、異なるRNのアクセスリンク間で干渉が生じたとしても、RNの傘下のUEは、他のRNにHOあるいはセルの再選択をすることが可能になる。
また、他の方法として、RNのアクセスリンクの送信電力を調整して、他のRNとの干渉を回避するとよい。バックホールリンクの送信電力を調整する必要が無く、アクセスリンクのみ送信電力を調整すればよい。
しかし、移動可能なRNをオープンアクセスモード、あるいはハイブリッドモードとしたとしても、RN同士が接近した場合には問題が生じる。
図67および図68は、RN同士が接近する場合の各RNの傘下のUEにおけるアクセスリンクの信号対干渉比(Signal to Interference Ratio:SIR)の変化を説明するための図である。図67は、RN同士が接近する前の状態の図であり、図68は、RN同士が接近した状態の図である。
図67(a)は、RN同士が接近する前の状態を示し、図67(b)は、RN同士が接近する前の状態における各RNの傘下のUEにおけるアクセスリンクのSIRを示す。図68(a)は、RN同士が接近した状態を示し、図68(b)は、RN同士が接近した状態における各RNの傘下のUEにおけるアクセスリンクのSIRを示す。図67(b)および図68(b)において、縦軸はSIRを示し、横軸はUEの位置を示す。
図67および図68では、第1RN(RN1)8103と、第2RN(RN2)8104とが接近する場合を示す。第1RN(RN1)8103は、第1カバレッジ8101を構成する。第2RN(RN2)8104は、第2カバレッジ8102を構成する。第1カバレッジ8101内には、第1RN(RN1)8103の傘下のUEである第1UE(UE1)8107が存在する。第2カバレッジ8102内には、第2RN(RN2)8104の傘下のUEである第2UE(UE2)8108が存在する。
図67(b)および図68(b)では、第1RN(RN1)8103から第1UE(UE1)8107への下りリンク8105におけるSIRを参照符号「8109」で示す。また、第2RN(RN2)8104から第2UE(UE2)8108への下りリンク8106におけるSIRを参照符号「8110」で示す。
図67に示すように、RN同士が接近する前は、SIRは、各RN(RN1,RN2)8103,8104のカバレッジ8101,8102の中心Q1,Q2から、カバレッジ8101,8102の端部(以下「カバレッジ端」という場合がある)の方へ向かって、なだらかに低下していく。この場合、第1RN(RN1)8103および第2RN(RN2)8104のカバレッジ端で、UEのHOが問題なく実行される。
図67では、RN同士が接近する前の第1RN(RN1)8103と第2RN(RN2)8104との間のカバレッジ8101,8102の重複部分(以下「カバレッジ重複部分」という場合がある)をP1で示す。また各(RN1,RN2)8103,8104のカバレッジ8101,8102の中心Q1,Q2間の距離をd1で示す。
図68に示すように、RN同士が接近したとき、各(RN1,RN2)8103,8104のカバレッジ8101,8102の中心Q3,Q4間の距離d2が小さくなり(d2<d1)、第1RN(RN1)8103と第2RN(RN2)8104との間のカバレッジ重複部分P2が大きくなる(P2>P1)。このとき、SIRは、各RN(RN1,RN2)8103,8104のカバレッジ8101,8102の中心Q3,Q4から、カバレッジ端の方へ向かって、急激に低下していくことになる。
この場合、第1RN(RN1)8103および第2RN(RN2)8104のカバレッジ端でSIRが急激に低下することから、第1RN(RN1)8103および第2RN(RN2)8104のカバレッジ重複部分P2に存在するUE8107で、急にHOが起動されることとなる。したがって、HO処理が間に合わずに失敗し、さらにもとのRNへの再接続も失敗して切断してしまうという問題が頻発する。
本変形例では、このような問題を低減するために、実施の形態4および実施の形態4の変形例1で開示した方法とは別の方法を開示する。
干渉が問題となるRNにおいて、移動可能なRNをインドアに設ける。移動可能なRNの所望のカバレッジを覆うように遮蔽材を設ける。RNのアクセスリンク用のアンテナと、バックホールリンクのアンテナとを分離して配置する。アクセスリンク用のアンテナをインドアに、あるいは遮蔽材内に配置する。バックホールリンク用のアンテナをアウトドアに、あるいは遮蔽材外に配置する。遮蔽材によって外部のRNからの送信電力を所望の値だけ減衰させる。減衰量は、例えば、遮蔽材内でSIRが良好となるようにするとよい。あるいは、たとえ外部のRNと接近したとしても、遮蔽材内のRNの傘下のUEが遮蔽材の端部でHOを起動しないような減衰量としてもよい。
図69は、一方のRNをインドアに設けた場合に、RN同士が接近しているときの各RNの傘下のUEにおけるアクセスリンクのSIRを説明する図である。図69(a)は、一方のRNをインドアに設けた場合にRN同士が接近した状態を示し、図69(b)は、各RNの傘下のUEにおけるアクセスリンクのSIRを示す。図69において、図67および図68に対応する部分については、同一の参照符を付して、説明を省略する。
図69では、第1RN(RN1)8103の所望のカバレッジ8101を覆う遮蔽材8201を設けた場合を示す。遮蔽材の外部には、バックホール用のアンテナユニット8203が配置される。アンテナユニット8203は、インタフェース8202を用いて、第1RN(RN1)8103と接続される。
第1RN(RN1)8103を遮蔽材8201で覆うことによって、第1RN(RN1)8103が第2RN(RN2)8104に接近した場合でも、第1RN(RN1)8103と、その傘下の第1UE(UE1)8105とのアクセスリンク8105の通信品質は良好になる。
図69(b)のSIRの図において、参照符号「8109」で示される実線は、第1RN(RN1)8103のSIRを示し、参照符号「8110」で示される2点鎖線は、第2RN(RN2)8104のSIRを示す。
図69(b)に示すように、第1RN(RN1)8103のSIRは、遮蔽材8201による境界で急激に変化する。具体的には、第1RN(RN1)8103のSIR8109は、遮蔽材8201の内部では急激に低下せず、遮蔽材8201の外部で急激に低下する。これは、遮蔽材8201によって、第2RN(RN2)8104からの干渉を低減することができるためである。しかし、第1RN(RN1)の信号強度は、遮蔽材8201による境界で低下し、遮蔽材8201の外部ではSIRが急激に低下する。
第2RN(RN2)8104のSIRも同様であり、遮蔽材8201による境界で急激に変化する。第2RN(RN2)8104のSIRは、遮蔽材8201の外部、すなわち第2RN(RN2)8104側では急激に低下せず、遮蔽材8201の内部、すなわち第1RN(RN1)8103側で急激に低下する。これは、遮蔽材8201による遮蔽によって、第1RN(RN1)8103からの干渉を低減することができるためである。しかし、第2RN(RN2)8104の信号強度は、遮蔽材8201による境界で低下し、遮蔽材8201の内部ではSIRが急激に低下する。
仮に、第1RN(RN1)8103の遮蔽材8201の内部にバックホールリンクのアンテナ8203を配置すると、DeNBとのパスロスが増大し、バックホールリンクの通信品質が劣化する。したがって、バックホールリンク用のアンテナ8203は、遮蔽材8201の外部に設置されることが好ましい。インタフェース8202のは、ベースバンド信号が送受信されてもよいし、キャリア信号が送受信されてもよい。また、アナログ信号が送受信されてもよいし、デジタル信号が送受信されてもよい。
以上のようにバックホールリンク用のアンテナ8203は、遮蔽材8201の外部に設置されることが好ましい。これによって、遮蔽材8201の内部で第1RN(RN1)8103のSIRが急激に低下することは無くなる。その結果、遮蔽材8201の内部に存在する第1RN(RN1)8103の傘下の第1UE(UE1)8107が、SIRの急激な低下によって急なHO起動およびHO処理を発生させずに済む。したがって、第1RN(RN1)8103の傘下の第1UE(UE1)8107が通信切断を頻発するという問題を低減することができる。
実施の形態3〜実施の形態4の変形例2で開示した方法は、RNがRRC接続状態で移動した場合に限らず、Idle状態で移動した後にRRC接続した場合にも適用することができる。また、RNの初期設置時あるいはRNの移動後の設置時にも適用することが可能である。また、HOに限らず、DeNBのカバレッジ内の移動においても適用することが可能である。前述と同様の効果が得られる。
実施の形態5.
UEが対応する周波数として、特定の地域あるいは国のみで運用される周波数帯域(以下「リージョナルバンド(regional band)」という場合がある)内の周波数よりも、複数の地域あるいは国で運用される周波数帯域(以下「ワールドバンド(world band)」という場合がある)内の周波数の方が望まれる。
ワールドバンドに対応した方が、より多くの台数のUEを製造および販売することが可能となるからである。また、UEの低コスト化にもつながる。したがって、多数のUEが、ワールドバンド対応となることが考えられる。そこで、本実施の形態では、ワールドバンドのみサポートするUEが、RNにアクセスできるようにする方法を開示する。
RNのアクセスリンクの周波数をワールドバンド内の周波数とする。
具体例としては、インバンドRNにおいて、RNとRNの傘下のUEとの間の周波数、すなわちアクセスリンクの周波数をワールドバンド内の周波数とするとよい。このようにすることによって、ワールドバンド内周波数のみに対応するUEが、RNにアクセスすることができる。
さらに、DeNBとDeNBの傘下のUEとの間の周波数帯域、すなわち通常のリンクの周波数帯域を、RNとRNの傘下のUEとの間の周波数帯域と同じにするとよい。これによって、ワールドバンド対応のUEが、DeNBとRNとの間のHOおよびセルの再選択が可能となる。
さらに、DeNBとDeNBの傘下のUEとの間の周波数を、RNとRNの傘下のUEとの間の周波数と同じにするとよい。これによって、DeNBとRNとの間のHOおよびセルの再選択を、同一の周波数で行うことができるので、処理の遅延を低減することができる。
他の具体例としては、アウトバンドRNにおいて、RNとRNの傘下のUEとの間の周波数をワールドバンド内の周波数とするとよい。すなわち、RNのアクセスリンクの周波数をワールドバンド内の周波数とするとよい。アウトバンドRNは、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが異なる。このうち、アクセスリンクの周波数をワールドバンド内の周波数に設定することで、ワールドバンド内周波数のみに対応するUEが、該アウトバンドRNにアクセスすることができるようになる。
さらに、DeNBとDeNBの傘下のUEとの間の周波数帯域を、RNとRNの傘下のUEとの間の周波数帯域と同じにするとよい。これによって、ワールドバンド対応のUEが、DeNBとRNとの間のHOおよびセルの再選択が可能となる。
さらに、DeNBとDeNBの傘下のUEとの間の周波数帯域を、DeNBとRNとの間の周波数帯域と同じにするとよい。すなわち、RNのバックホールリンクの周波数帯域と同じにするとよい。これによって、RNのDeNB間のHOおよびセルの再選択が同一周波数帯域内で可能となる。
さらに、DeNBとDeNBの傘下のUEとの間の周波数を、DeNBとRNとの間の周波数と同じにするとよい。すなわち、RNのバックホールリンクの周波数と同じとするとよい。これによって、RNのDeNB間のHOおよびセルの再選択を、同一の周波数で行うことができるので、処理の遅延を低減することができる。
DeNBとDeNBの傘下のUEとの間の周波数がワールドバンド内の周波数である場合は、アウトバンドRNにおいて、DeNBとRNとの間の周波数をワールドバンド内の周波数とするとよい。すなわち、RNのバックホールリンクの周波数をワールドバンド内の周波数とするとよい。アウトバンドRNは、バックホールリンクの周波数とアクセスリンクの周波数とが異なるが、いずれも、ワールドバンド内の周波数に設定することによって、ワールドバンド内の周波数のみに対応するUEが、該アウトバンドRNにアクセスすることができる。また、たとえDeNBがワールドバンド内の周波数のみに対応していたとしても、該アウトバンドRNをサポートすることができる。
本実施の形態で開示するアウトバンドRNの周波数構成の具体例を、図28を用いて説明する。図28において、RN1304をアウトバンドRNとする。DeNB1305の傘下に、アウトバンドRN1304と、UE2901とが存在する。アウトバンドRN1304の傘下に、UE1303が存在する。
DeNB1305とアウトバンドRN1304とは、下りバックホールリンク(BL_DL)2902と、上りバックホールリンク(BL_UL)2903とで接続される。また、アウトバンドRN1304とUE1303とは、下りアクセスリンク(AL_DL)2904と、上りアクセスリンク(AL_UL)2905とで接続される。また、DeNB1305とUE2901とは、通常の下りリンク(Normal_DL)2906と、通常の上りリンク(Normal_UL)2907とで接続される。
ここで、下りバックホールリンク(BL_DL)2902の周波数をf_BL_DLとし、下りアクセスリンク(AL_DL)2904の周波数をf_AL_DLとする。また、上りバックホールリンク(BL_UL)2903の周波数をf_BL_ULとし、上りアクセスリンク(AL_UL)2905の周波数をf_AL_ULとする。また、通常の下りリンク(Normal_DL)2906の周波数をf_Normal_DLとし、通常の上りリンク(Normal_UL)2907の周波数をf_Normal_ULとする。
以下の(1),(2)の2つの条件を満たすように、各周波数を設定する。
(1)アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数と、DeNBとUEとの間の通常のリンクの周波数とを同じにする。
f_BL_DL=f_Normal_DL …(a31)
f_BL_UL=f_Normal_UL …(a32)
(2)アウトバンドRNのアクセスリンクの周波数(f_AL_DL,f_AL_UL)と、DeNBとUEとの間の通常のリンクの周波数(f_Normal_DL,f_Normal_UL)とをワールドバンド内の周波数とする。
アウトバンドRNなので、前記(1)に示す条件の式(a31),(a32)から、以下の式(a33),(a34)に示すようになる。
f_AL_DL≠f_Normal_DL …(a33)
f_AL_UL≠f_Normal_UL …(a34)
アウトバンドRNを設置するとき、あるいはアウトバンドRNが移動するときなどに、アウトバンドRNのアクセスリンクの周波数を、前記(1),(2)の条件を満たすように設定することが必要となるが、この設定方法については、3GPPでは何ら議論も技術の開示もされていない。
アウトバンドRNのアクセスリンクの周波数を、前記(1),(2)の条件を満たすように設定する方法としては、実施の形態3の変形例2で開示したアクセスリンクの周波数の設定方法を適用することができる。
図70は、実施の形態5における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図70に示すシーケンスは、図54に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図70では、HOを行うときのアウトバンドRNにおけるアクセスリンクの周波数の設定方法を示すシーケンスを示している。
ステップST3605において、RNは、通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)で運用しているDeNBと接続処理を行う。通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)は、ワールドバンド内の周波数とする。
ステップST8301において、RNは、前記(1),(2)の条件を満たすような周波数を、アクセスリンクの周波数に設定すればよい。
ステップST3606〜ステップST3611において、RNは、傘下のUEに対して、変更したアクセスリンクの周波数でのRRC接続変更処理を行う。この方法は、実施の形態2で開示した方法を適用することができる。
本シーケンス例では、RNがHOを実行された場合を示しているが、これに限らず、RNが、通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)で運用しているDeNBへアタッチした場合であってもよい。この場合、RNが、通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)で運用しているDeNBを検出および選択し、該DeNBを介して、NW側とRNとしてのアタッチを行う。その後、ステップST8301以降の処理を行うようにすればよい。RNとUEとの間でのアクセスリンクの周波数の変更前の処理であるステップST3607およびステップST3608の処理は、省略されてもよい。
このようにすることによって、たとえワールドバンドのみにサポートしているUEでも、RNにアクセスすることができるようになる。したがって、UEは、少ない周波数帯域のサポートのみで、複数の地域あるいは国の周波数帯域でRNにアクセスすることが可能となる。UEのメーカとしては、複数の地域あるいは国でRNにアクセス可能とするために、ワールドバンドのみにサポートしているUEを製造すればよく、回路を容易にすることができ、低コストで製造することが可能となる。
実施の形態5 変形例1.
本変形例では、実施の形態5で開示したアウトバンドRNの周波数構成の他の具体例を開示する。実施の形態5と同様に、図28を用いて説明する。
以下の(1)〜(3)の3つの条件を満たすように、各周波数を設定する。
(1)アウトバンドRNのアクセスリンクの周波数と、DeNBとUEとの間の通常のリンクの周波数とを同じにする。
f_AL_DL=f_Normal_DL …(a35)
f_AL_UL=f_Normal_UL …(a36)
(2)アウトバンドRNのアクセスリンクの周波数(f_AL_DL,f_AL_UL)と、DeNBとUEとの間の通常のリンクの周波数(f_Normal_DL,f_Normal_UL)とをワールドバンド内の周波数とする。
アウトバンドRNなので、前記(1)に示す条件の式(a35),(a36)から、以下の(3)の条件が得られる。
(3)アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数と、DeNBとUEとの間の通常のリンクの周波数とを異ならせる。
f_BL_DL≠f_Normal_DL …(a37)
f_BL_UL≠f_Normal_UL …(a38)
また、バックホールリンクの周波数を、リージョナルバンド内の周波数としてもよい。ワールドバンド内の周波数のみの使用は、システムの負荷の増大につながる。リージョナルバンドの運用が許可されている地域あるいは国では、リージョナルバンドを利用することによって、システムの負荷の分散につながる。したがって、アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数をリージョナルバンド内の周波数とすることによって、システムの負荷の分散が可能となる。
バックホールリンクの周波数は、直接UEに関係することは無い。換言すれば、UEは、バックホールリンクの周波数をサポートする必要は無い。したがって、該RNに、ワールドバンドのみに対応するUEがアクセスできるようになり、さらにはシステムの負荷の分散も可能となる。
アウトバンドRNを設置するとき、あるいはアウトバンドRNが移動するときなどに、アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数およびアクセスリンクの周波数を、前記(1)〜(3)の条件を満たすように設定することが必要となるが、この設定方法については、3GPPでは何ら議論も技術の開示もされていない。
アウトバンドRNのバックホールリンクの周波数およびアクセスリンクの周波数を、前記(1)〜(3)の条件を満たすように設定する方法としては、実施の形態3の変形例3で開示したバックホールリンクの周波数およびアクセスリンクの周波数の設定方法を適用することができる。
図71および図72は、実施の形態5の変形例1における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図71と図72とは、境界線BL3の位置で、つながっている。図71および図72に示すシーケンスは、図57および図58に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図71および図72では、HOを行うときのアウトバンドRNにおけるアクセスリンクの周波数の設定方法を示すシーケンスを示している。
ステップST3605において、RNは、通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)で運用しているDeNBと接続処理を行う。通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)は、ワールドバンド内の周波数とする。
ステップST8401において、DeNBは、前記(3)の条件を満たすような周波数を、バックホールリンクの周波数に設定すればよい。さらに、バックホールリンクの周波数をリージョナルバンド内の周波数に設定してもよい。
ステップST7504〜ステップST7508において、DeNBは、RNとの間でバックホールリンクの周波数でRRC接続変更処理を行う。
ステップST7509において、RNは、変更前バックホールリンクの周波数での送受信を停止する。この方法は、実施の形態3の変形例3で開示した方法を適用することができる。
ステップST8402において、RNは、前記(1)〜(3)の条件を満たすような周波数を、アクセスリンクの周波数に設定すればよい。
ステップST3606〜ステップST3611において、RNは、傘下のUEに対して、変更したアクセスリンクの周波数でのRRC接続変更処理を行う。この方法は、実施の形態2で開示した方法を適用することができる。
本シーケンス例では、RNがHOを実行された場合を示しているが、これに限らず、RNが、通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)で運用しているDeNBへアタッチした場合であってもよい。この場合、RNが、通常の下りリンクの周波数(f_Normal_DL)で運用しているDeNBを検出および選択し、該DeNBを介して、NW側とRNとしてのアタッチを行う。その後、ステップST8401以降の処理を行うようにすればよい。DeNBとRNとの間でのバックホールリンクの周波数の変更前の処理であるステップST7505およびステップST7509の処理と、RNとUEとの間でのアクセスリンクの周波数の変更前の処理であるステップST3607およびステップST3608の処理とは、省略されてもよい。
このようにすることによって、実施の形態5で開示した効果を得ることができる。また、アウトバンドRNのアクセスリンクの周波数と、DeNBとUEとの間の通常のリンクの周波数とを同じにすることで、ワールドバンド内の周波数リソースを効率的に利用することが可能となる。また、バックホールリンクの周波数をリージョナルバンド内の周波数に設定することで、負荷をワールドバンドに集中させること無く、システムの負荷を分散することが可能となる。
RNが移動した場合などは、既存のRNとの干渉が生じる。干渉を低減する方法として、実施の形態3〜実施の形態4の変形例2で開示した方法を適宜用いるとよい。
実施の形態5 変形例2.
前述の実施の形態5および実施の形態5の変形例1では、RNのアクセスリンクの周波数として、ワールドバンド内の周波数を選択することを開示した。また、前述の実施の形態5の変形例1では、RNのバックホールリンクの周波数として、リージョナルバンド内の周波数を選択することを開示した。本変形例では、ワールドバンド内の周波数あるいはリージョナルバンド内の周波数の選択方法を開示する。
周波数帯域(frequency band)に関する情報を管理するノード(以下「管理ノード」と称する)について、以下の(1),(2)の2つの具体例を開示する。
(1)周波数帯域を管理する機能を有するサーバを設ける。
(2)HSS、MME、OAMなどのNW側が周波数帯を管理する機能を有する。
前記の具体例(1),(2)において、各ノードは、周波数帯域だけでなく、運用される周波数も管理する機能を有するようにしてもよい。
前記の具体例(1)において、該サーバは、3GPPネットワーク内に設けられてもよいし、3GPPネットワーク外に設けられてもよい。また、該サーバをオペレータ間で共通に使用可能としてもよい。
管理するデータの具体例としては、識別番号、周波数帯域、該周波数帯域の対応地域あるいは国、現在の運用状況、運用地域、運用時間予定などである。また、該周波数帯域が、ワールドバンドかリージョナルバンドかの種別であってもよい。管理するデータは、これらに限らず、周波数帯域の柔軟な運用を行うにあたって必要となるデータを管理すればよい。
図73は、サーバ内で管理されるデータの具体例を示す図である。サーバ内で管理されるデータは、表として管理されるとよい。周波数帯域の下端周波数をfL、上端周波数をfUとする。運用状況として、記号「○」で示される周波数帯域は、現在運用されていることを示す。運用時間は、開始時間をTs、終了時間をTeとする。
識別番号「1」の周波数帯域は、fL1〜fU1の周波数帯域であり、対応する地域または国は、EUおよびJPである。現在の運用状況は、運用地域Lc1で運用しており、運用時間はTs1〜Te1である。運用地域は、互いに干渉し合わない地域が判るようにしておくとよい。
このように管理しておくことで、例えば、日本で対応される周波数帯域は何か、それが現在どこの地域で運用されているか、あるいは運用されていないかを比較的容易に把握することができる。
管理ノードへのアクセスは、DeNBから、MMEを介して、サーバ、HSS、MMEまたはOAMなどの管理ノードへアクセスすればよい。DeNBからの要求に応じて、管理ノードは、前述の管理データをDeNBに通知する。DeNBは、管理データに基づいて、バックホールリンクの周波数に設定する周波数帯域と周波数とを設定する。
例えば、実施の形態5の変形例1において、DeNBがバックホールリンクの周波数をリージョナルバンド内の周波数に設定したい場合、図71および図72のステップST8401あるいはその前で、DeNBからMMEを介して、管理ノードへ管理データを要求し、管理ノードから管理データを受信しておく。DeNBは、この管理データに基づいて、自DeNBの存在する地域で運用されていないリージョナルバンドを選択し、該リージョナルバンド内の周波数をRNのバックホールリンクの周波数として選択するとよい。
DeNBとMMEとの間は、管理データ要求のイベントを発生するのみでもよい。該イベントを受信したMMEが、管理ノードに管理データを要求し、管理ノードは管理データを、要求元のMMEに通知する。MMEが、該管理データを用いて、DeNBのバックホールリンクの周波数帯域またはアクセスリンクの周波数帯域と、周波数とを決定してもよい。MMEは、決定した周波数帯域と周波数とをDeNBに通知してもよい。また、MMEは、DeNBに、該周波数帯域と周波数との変更を指示してもよい。
DeNBからRNへのアクセスリンクの周波数帯域および周波数は、DeNBが設定を行ってもよい。この場合、実施の形態3の変形例2で開示した方法を適用することができる。例えば、図56のステップST7404のアクセスリンクの周波数情報を通知する処理およびそれ以降の処理を適用すればよい。
本変形例で開示したように、周波数帯域(frequency band)に関する情報を管理する管理ノードを設けて管理することによって、周波数帯域を、時間および地域に応じて、柔軟に運用することができるので、周波数の利用効率の向上を図ることができる。
実施の形態5 変形例3.
ワールドバンド対応のUEの個数が増大すると、ワールドバンド内の周波数の無線リソースの負荷が増大し、システムとしての通信容量が低下してしまうという問題が生じる。
この問題を解決するために、実施の形態5あるいは実施の形態5の変形例1で開示したRNを地理的または空間的に繰り返して用いるようにするとよい。すなわち、アクセスリンクの周波数をワールドバンド内の周波数とした複数のRNを、DeNB内に、地理的または空間的に分離して設置する。DeNBは、通常のリンクの周波数をワールドバンド内の周波数としてもよい。
低出力ノードであるRNは、マクロセルに比べて、カバレッジが比較的小さな範囲に限定される。したがって、地理的または空間的に分離して繰り返して設置することによって、同じ周波数を繰り返して用いることができる。したがって、ワールドバンド内の周波数の無線リソースの負荷を、地理的または空間的に分散させることができ、システムとしての通信容量の低下を抑えることができる。
さらに、該RNのバックホールリンクの周波数をリージョナルバンド内の周波数に設定してもよい。これによって、さらに負荷を分散させることができ、周波数の利用効率を向上させることができる。
なお、本変形例で開示したRNのアクセスリンクの周波数の設定と、RNを地理的または空間的に分離して繰り返して設置する方法とは、RNに限らず、ローカルノードに適用することが可能である。RNのアクセスリンクを、ローカルノードの通常のリンク、すなわちローカルノードとその傘下のUEとの間のリンクに適用すればよい。これによって、多種のローカルノードを用いた場合でも、本変形例と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5 変形例4.
前述の実施の形態5の変形例3と同じ問題を解決するための他の方法を開示する。
マクロセルの通常のリンクの周波数は、ワールドバンド内の周波数とし、ローカルノードの通常のリンクの周波数を、リージョナルバンド内の周波数とし、複数のローカルノードを地理的または空間的に分離して繰り返して設置する。ローカルノードに、RNが含まれていてもよい。RNの場合は、アクセスリンクの周波数をリージョナルバンド内の周波数とするとよい。
このようにすることによって、ワールドバンドのみにサポートするUEは、マクロセルにアクセスすることが可能となるので、比較的広いエリアでサービスの提供を得られることになる。
一方、リージョナルバンドもサポートするUEは、ローカルノードにアクセスすることが可能となり、高速かつ大容量の通信などの特別なサービスの提供を得られることになる。このように、リージョナルバンドもサポートするという付加的な機能を有するUEに対して、ローカルノードの利用を行わせることができるので、システムとしての通信容量の低下を抑えることができる。
また、マクロセルのカバレッジ内に設置されるローカルノードの通常のリンクの周波数をリージョナルバンド内の周波数とし、マクロセルのカバレッジ外に設置されるローカルノードの通常のリンクの周波数をワールドバンド内の周波数としてもよい。これによって、本変形例と同様の効果が得られるとともに、マクロセルのカバレッジ外でも、ローカルノードがあれば、ワールドバンドのみサポートするUEの通信を可能とすることができる。
実施の形態6.
DeNBとRNとの間のバックホールリンクの品質が劣化した場合、RNの傘下のUEは、ネットワーク側と通信することができなくなるという問題がある。本実施の形態では、この問題を解決するための方法を開示する。
RNの機能とHeNBの機能とを有するノードを構成する。RNの機能とHeNBの機能とを有する物理的な装置を構成してもよい。
図74は、RNの機能とHeNBの機能とを有するノードを含む移動体通信システムのアーキテクチャを示す図である。図74に示す構成は、図13に示す構成と類似しているので、対応する部分については同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
図74に示す移動体通信システムは、RN用MME1301、UE用MME1302、UE1303、RN1304、DeNB1305、UE用P−GW1306、UE用S−GW1307、HeNB8601およびHeNBGW8602を備える。RN1304とHeNB8601とによって、ノード(以下「デュアルノード」と称する)8606が構成される。
UE1303とHeNB8601との間は、UE1303とRN1304との間と同じように、Uuインタフェース1314によって接続される。UE用MME1302は、RN1304の傘下のUE1303の移動管理機能に加えて、HeNB8601の傘下のUE1303の移動管理機能を備える。UE用MME1302とHeNB8601とは、S1−MMEインタフェース8603によって接続される。HeNB8601とUE用MME1302との間に、HeNBGW8602が設けられてもよい。
UE用S−GW1307は、RN1304の傘下のUE1303のユーザ移動管理機能に加えて、HeNB8601の傘下のUE1303のユーザデータの送受信機能を備える。UE用S−GW1307とHeNB8601とは、S1−UEインタフェース8604によって接続される。
デュアルノード8606は、物理的に一つの装置内に構成される。デュアルノード8606内のRN1304とHeNB8601とは、X2インタフェース8605によって接続される。あるいは、デュアルノード8606内のRN1304とHeNB8601とは、同一の装置内に構成されるので、専用のインタフェースによって接続されてもよい。デュアルノード8606内のRN1304とHeNB8601とを、専用のインタフェースによって接続することによって、デュアルノード8606内のRN1304の機能部と、HeNB8601の機能部との間の情報の送受信を、より高速に行うことができ、制御遅延を削減することができる。
RN1304とDeNB1305とは、無線で接続される。HeNB8601と、UE用MME1302またはHeNBGW8602とは、有線で接続される。S1−MMEインタフェース8603を用いたHeNB8601と、UE用MME1302またはHeNBGW8602との物理的な接続、およびS1−UEインタフェース8604を用いたUE用S−GW1307とHeNB8601との物理的な接続は、光回線などを用いるとよい。デュアルノード8606は、RN1304のバックホールリンク用のアンテナ端子と、HeNB8601のS1−MMEインタフェース8603用の物理的接続端子、またはS1−UEインタフェース8604用の物理的接続端子とを備える。
例えば、UE1303とNW側との通信を、RN1304を用いて行う場合、UE1303は、RN1304と、DeNB1305と、UE用MME1302またはUE用S−GW1307と、UE用P−GW1306とに接続される。
他方、UE1303とNW側との通信を、HeNB8601を用いて行う場合、HeNBGW8602が設けられない構成では、UE1303は、HeNB8601と、UE用MME1302またはUE用S−GW1307と、UE用P−GW1306とに接続される。HeNBGW8602が設けられる構成では、UE1303は、HeNB8601と、HeNBGW8602と、UE用MME1302またはUE用S−GW1307と、UE用P−GW1306とに接続される。
仮に、RN1304とHeNB8601とを含むデュアルノード8606ではなく、RN1304のみが備えられる構成であるとすると、UE1303とNW側との通信は、RN1304を用いて行われる。例えば、RN1304が移動するなどして、RN1304とDeNB1305との間に障害物が存在する場所に、RN1304が設置された場合、RN1304とDeNB1305との間のバックホールリンクの通信品質が劣化して、RN1304とDeNB1305との間で通信の切断が生じる。これによって、UE1303とNW側との通信が切断されてしまう場合が生じる。
しかし、デュアルノード8606を構成し、移動先で物理的接続端子を用いてHeNB8601とS1−MMEインタフェース8603またはS1−UEインタフェース8604を接続しておく。こうすることで、移動先で、デュアルノード8606は、HeNB8601として、UE用MME1302またはUE用S−GW1307に接続されることになり、HeNB8601としても機能させることが可能となる。
したがって、RN1304とDeNB1305との間のバックホールリンクの通信品質が劣化した場合、UE1303とNW側との接続を、RN1304とDeNB1305を介した接続から、HeNB8601を介した接続へ切替えることによって、UE1303とNW側との通信を継続させることが可能となる。例えば、接続を切替える方法として、RN1304からHeNB8601へ、X2インタフェースあるいは専用のインタフェースを用いて、傘下のUE1303をHOさせるとよい。
また、逆に、ある地点で、UE1303が、HeNB8601を介してNW側に接続されている場合を考える。この場合、通常、HeNB8601だけならば、HeNB8601を移動させることは不可能である。しかし、デュアルノード8606を構成することによって、デュアルノード8606を移動させることが可能となる。デュアルノード8606内に構成されるRN1304は、無線インタフェースでDeNB1305と接続されるためである。デュアルノード8606が移動する場合は、傘下のUE1303をデュアルノード8606のRN1304にHOさせるなどして、接続を変更させる。これによって、デュアルノード8606は、傘下のUE1303と接続を継続したまま、移動させることが可能となる。
例えば、高速鉄道にデュアルノード8606を設置する。このような場合、駅あるいは車庫にいる場合は、物理的接続端子を用いて、HeNB8601とS1−MMEインタフェース8603あるいはS1−UEインタフェース8604によって接続しておく。このようにして、HeNB8601を介して、傘下のUE1303とNW側との通信を行えるようにしておくとよい。高速鉄道が移動している場合は、RN1304を介して、傘下のUE1303とNW側との通信を行うようにしておくとよい。
このようにすることによって、例えば、駅あるいは車庫内でRN1304とDeNB1305とのバックホールリンクの通信品質が悪いような場合にも、高速鉄道内のUE1303は、HeNB8601を介して、NW側と通信可能となる。
また、UE1303を、HeNB8601を介してNW側に接続させることによって、負荷の分散を図ることが可能となり、システムの通信容量を増大させることが可能となる。
図75は、RNの機能とHeNBの機能を有するノードを含む移動体通信システムの他のアーキテクチャを示す図である。図75に示す構成は、図74に示す構成と類似しているので、対応する部分については同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。
図75に示す移動体通信システムは、RN用MME1301、UE用MME1302、UE1303、DeNB1305、UE用P−GW1306、UE用S−GW1307、HeNBGW8602、eNB・HeNB機能部8701およびUE機能部8702を備える。eNB・HeNB機能部8701とUE機能部8702とによって、デュアルノード8703が構成される。
eNB・HeNB機能部8701は、eNBまたはHeNBとして機能する。UE機能部8702は、UEとして機能する。接続端子に関しては、図74で開示した方法とすればよい。
このように構成することによってeNBまたはHeNBとして機能するブロックと、UEとして機能するブロックとを、ブロック単位で付加することができ、デュアルノード8703の構成が容易になる。また、前述の効果が得られるとともに、デュアルノード8703を物理的に構成する場合、比較的容易に、小形化および軽量化を図ることが可能となる。
また、UE1303とNW側との通信で必要とされるサービス品質(Quality of Service:QoS)またはサービスの要求に応じて、RNを介して行うか、HeNBを介して行うかを設定することが可能となる。これによって、多種のサービスを、通信状況に応じて良好な通信品質で提供することが可能となる。
また、デュアルノードのRNの機能とHeNBの機能とを同時に動作させてもよい。UEとデュアルノードとの間の無線リソースを、RNとHeNBとで共用して使用すればよい。例えば、同一キャリア周波数上の無線リソースを用い、同一サブフレーム内の無線リソースをスケジューリングなどによって分割して、RNに接続されているUE用とHeNBに接続されているUE用とに割当てればよい。SSおよびPBCHなどのレイヤ1に関する信号は、RNとHeNBとで同じものを利用することができる。
このようにすることによって、システムとしてさらに柔軟な無線リソースの利用が可能となり、無線リソースの利用効率を向上させることが可能となる。
実施の形態7.
実施の形態7で解決する課題について、以下に説明する。
PCIの数は、無限に許されている訳ではなく、有限である。例えば、LTEシステムにおける現在の決定事項においては、PCIの数は504コードとされている。この504コードが、LTEシステム全体で、再利用されて用いられている。したがって、離れた場所に設置された異なる基地局が、同じPCIを使用していることがある。
RNが移動する場合を考える。RNが移動する前は、RNと、その周辺基地局との間でPCIの重複は発生していなかったが、RNが移動した後は、RNと、その周辺基地局との間でPCIの重複が発生することが考えられる。
PCIの重複が発生した場合は、PCIのみではセルを識別できなくなるという問題が発生する。
実施の形態7での解決策を以下に示す。移動RNは、ハンドオーバを実行した場合、周辺セルのPCIを入手し、PCIが重複しないように、自セルのPCIを決定する。移動RNは、周辺セルのPCIと自セルのPCIとが重複しない場合は、自セルのPCIを変更しなくてもよい。また、移動RNは、周辺セルのPCIと自セルのPCIとが重複した場合は、自セルのPCIを周辺セルのPCIと重複しないPCIへ変更する。移動RNは、複数の周辺セルのPCIと自セルのPCIとが重複した場合は、複数の周辺セルのPCIと重複しないPCIへ変更する。
移動RNが、周辺セルのPCIを入手する方法の具体例として、以下を開示する。移動RNが、UEのセルサーチ方法を流用する(図12参照)。あるいは、セルサーチ方法の一部分を流用する。これによって、通信システムの複雑化を回避することができるという効果を得ることができる。
流用されるUEのセルサーチ方法の一部分の具体例として、以下を開示する。周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、PCIと1対1に対応するシンクロナイゼーションコードを認識する(図12のステップST1201参照)。
次に動作について説明する。図76は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図76に示すシーケンスは、図36に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST9101において、RNは、ハンドオーバ後のPCIを決定する。具体的には、RNは、周辺セルサーチを実行する。RNは、周辺セルサーチで得た周辺セルのPCIと重複しないPCIを、自セルのPCIとして決定する。
ステップST9102において、RNは、ステップST9101において決定したPCIを、変更後のPCI(以下「変更後PCI」という場合がある)として用いて、下りアクセスリンクの送信を開始する。
以上の実施の形態7によって、以下の効果を得ることができる。前述のように、本実施の形態では、RNが移動する場合であっても、RNが移動先の周辺に設置される基地局のPCIを入手し、PCIが重複しないように自セルのPCIを決定する。これによって、RNが移動する場合であっても、移動先においてPCIの重複が発生することを防ぐことができる。したがって、移動体通信システムに移動RNを導入した場合であっても、PCIによってセルを識別することができるという効果を得ることができる。
実施の形態7 変形例1.
実施の形態7の変形例1で解決する課題について、以下に説明する。
実施の形態7の解決策では、移動RNが、ハンドオーバを実行した場合、周辺セルのPCIを入手し、PCIを重複しないように、自セルのPCIを決定する。したがって、移動RNのハンドオーバ後に、移動RNのPCIが変更になる場合が考えられる。PCIが変更になった場合、RNの傘下のUEとの接続において、以下の新たな問題が生じる。
RNの傘下の通信中のUE、すなわちRRC_CONNECTED状態のUEでは、通信中のアクセスリンクの受信品質が急激に悪化し、急に通信が切断されるという問題が発生する。
また、RNの傘下の待受け中のUE、すなわちRRC_IDLE状態のUEでは、以下の問題が生じる。
待受け中のUEのセル選択は、UEが判断する。その結果、PCIを変更したRNを再選択する場合と、他の周辺セルを再選択する場合との双方が考えられる。PCIを変更したRNを再選択するか否かは不明である。想定されている移動RNのサービス形態である、移動RNが高速バスなどに設置される場合を考える。移動RNが、ハンドオーバに伴って、PCIを変更した場合であっても、移動RNが設置されている高速バスの乗客が所有するUEは、移動RNをセル選択することが望まれる。
実施の形態7の変形例1での解決策を以下に示す。移動RNが、ハンドオーバに伴ってPCIを変更する場合、移動RNは、傘下のUEに対して、変更後PCIを通知する。移動RNは、変更前のPCI(以下「変更前PCI」という場合がある)を用いた通信によって、変更後PCIを通知する。これによって、RN傘下のUEは、変更後PCIを、移動RNのPCI変更前に知ることができる。
移動RNが、傘下のUEに対して、変更後のPCIを通知する方法の具体例を以下に開示する。
まず、通信中のUEの場合についての通知方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)実施の形態2の解決策と同様、PCIを変更して、RRC再接続を指示することを示す、異PCIRRC接続変更メッセージを新たに設ける。
異PCIRRC接続変更メッセージにマッピングするパラメータの具体例として、以下の(1−1),(1−2)の2つを開示する。
(1−1)移動RNがハンドオーバに伴ってPCIを変更する場合の、新たなPCI。
(1−2)新たなPCIを用いたアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成。MBSFNサブフレーム構成は、システム情報で報知される。異PCIRRC接続変更メッセージで、新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成を通知することによって、UEが新たなアクセスリンクによって報知情報を受信する必要がなくなる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができるという効果を得ることができる。
(2)実施の形態2の変形例1の解決策と同様、UEのハンドオーバ処理を用いる。これによって、具体例(1)の方法と比較して、新たなメッセージを設ける必要がなく、通信システムの複雑化を回避することができるという効果を得ることができる。
UEのハンドオーバ処理を用いる場合の具体例として、以下の(2−1)〜(2−3)の3つを開示する。
(2−1)用いるメッセージの具体例を開示する。ソースeNBから傘下のUEへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたモビリティ制御情報(Mobility Control Information)を含むRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を用いる。あるいは、単にRRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration Message)を用いてもよい。あるいは、ソースeNBから傘下のUEへ、ハンドオーバに必要なパラメータをマッピングしたハンドオーバコマンド(Handover Command)を用いてもよい。
(2−2)メッセージ中にマッピングするパラメータの具体例として、以下(2−2−1)〜(2−2−3)の3つを開示する。
(2−2−1)PCIを変更してRRC再接続を行う指示。
(2−2−2)移動RNがハンドオーバしてPCIを変更する場合の、新たなPCI。
(2−2−3)新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成。MBSFNサブフレーム構成は、システム情報で報知される。新たなアクセスリンクでのMBSFNサブフレーム構成を通知することによって、UEが新たなアクセスリンクによって報知情報を受信する必要がなくなる。したがって、UEの処理負荷を軽減することができるという効果を得ることができる。
(2−3)単に従来のUEのハンドオーバ処理を用いるのではなく、移動RNが、ハンドオーバを行う際にPCIの変更を行う場合、RN傘下のRRC_CONNECTED状態のUEに対して、PCIを変更してRRC再接続を行う指示を通知するのに適した変更を加える。これによって、不要な処理を削減することができ、制御の遅延を防止することができるという効果を得ることができる。変更を加える点の具体例として、以下の(2−3−1)〜(2−3−2)の2つを開示する。
(2−3−1)従来のUEのハンドオーバ処理における、ソースeNBが、ターゲットeNBへ、UEに関するデータを受け渡す(Data Forwarding)処理の実施をしない。該処理は、例えば図16のステップST1609の処理である。移動RNが、PCIの変更を行った場合であっても、移動RNの傘下のUEが通信している相手は、移動RNであり、変更がなく、同一である。したがって、UEに関するデータの受け渡しを行う必要はない。
(2−3−2)従来のUEのハンドオーバ処理における、ソースeNBが、ターゲットeNBへPDCP状態を保存するための情報を通知する処理を実施しない。通知のメッセージの具体例としては、SNステータストランスファーメッセージ(SN STATUS TRANSFER message)がある。該処理は、例えば図16のステップST1609の前に行われる。移動RNが、PCIの変更を行った場合であっても、移動RNの傘下のUEが通信している相手は、移動RNであり、変更がなく、同一である。したがって、PDCP状態を保存するための情報の通知を行う必要はない。
次に、待受け中のUEの場合についての通知方法の具体例として以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)変更前PCIをシステム情報で報知する。報知情報中に、PCIの変更を実施する旨を示す情報要素を新設する。報知情報が変更されれば、ページングによって全員呼出しが行われる。これによって、傘下の待受け状態の移動端末(UE)へ通知することが可能となる。UEは、ページングを受信し、報知情報の変更が通知されていれば、報知情報を再受信する。UEは、再受信した報知情報に、PCIの変更を実施した旨を示すインジケータが含まれていれば、セルサーチを実行する。UEは、変更後PCIが併せて通知されていれば、変更後PCIを用いて、あるいは変更後PCIを優先してセルサーチを実行する。
(2)変更前PCIのページングによって通知する。全員呼出しを行う。ページングメッセージ中に、サービングセルがPCIの変更を実施した旨を示す情報要素を新設する。UEは、ページングを受信し、ページングメッセージ中にPCIの変更を実施した旨を示すインジケータが含まれていれば、セルサーチを実行する。UEは、変更後PCIが併せて通知されていれば、変更後PCIを用いて、あるいは変更後PCIを優先してセルサーチを実行する。
次に動作について説明する。図77は、実施の形態7における移動体通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図77に示すシーケンスは、図36および図76に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST9201において、RNは、傘下のUEに対して、変更後PCIを通知する。RNは、変更前PCIを用いた通信によって、変更後PCIを通知する。
また、UEが移動RNにキャンプオンしていることを認識し、移動RNの受信品質が急激に悪化した場合は、移動RNを優先したセルサーチを実行するようにしてもよい。あるいは、移動RNがPCIを変更したと推測し、セルサーチを実施してもよい。
UEが移動RNにキャンプオンしていることを認識する方法の具体例は、実施の形態2の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
移動RNを優先したセルサーチを実行する方法の具体例として、以下を開示する。移動RNの傘下のUEは、移動RNのPCIを用いてセルサーチを実行する。あるいは、移動RN用のキャリア周波数を用いてセルサーチを実施してもよい。
UEが移動RNの受信品質が急激に悪化したことか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態2の変形例2と同様であるので説明を省略する。
以上の実施の形態7の変形例1によって、以下の効果を得ることができる。移動RNがハンドオーバに伴ってPCIを変更した場合であっても、RNが傘下のRRC_CONNECTED状態のUEとの接続、および通信を継続することができる。また、移動RNがハンドオーバに伴ってPCIを変更した場合であっても、傘下の待受け状態のUEが、移動RNをセル選択する可能性が高くなる。
本発明で開示した方法は、適宜組合せて行うことができる。UE、リレー、DeNB、MMEなど、システムの状況に応じた制御を行うことが可能となる。
高速バスあるいは高速鉄道などの乗客が保持する移動通信端末(UE)と記載したが、これに限らず、人間の操作を必要としない通信端末にも適用することが可能である。人間の操作を必要としない端末として、例えば、マシンタイプ通信(Machine Type Communication:MTC)用の端末であるMTCデバイス(MTC device)であっても、適用することが可能である。
以上の各実施の形態では、LTE−AにおけるRNについて説明したが、本発明の移動体通信システムは、他の移動体通信システムにおいてリレー通信を行う場合、あるいは異種通信システムにおいてリレー通信を行うような場合にも適用することが可能である。
以上の各実施の形態では、主としてマクロセルとローカルノードの関係で説明したが、それに限らず、ローカルノードとローカルノードの関係であっても適用することが可能である。例えば、以上の各実施の形態でマクロセルをローカルノードに置き換えて適用してもよい。例えば、マクロセルをHeNBに置き換えて適用してもよい。HeNBにDeNBの機能を設け、マクロセルをHeNBに置き換えて、HeNBとRNの運用に適用してもよい。このように種々の環境に応じて多種のノードを柔軟に運用することが可能なシステムを構築することができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
本発明の移動体通信システムは、移動可能な移動端末装置と、前記移動端末装置と無線通信可能な複数の基地局装置と、移動可能に構成され、前記移動端末装置と前記基地局装置との間の無線通信を中継する中継装置とを備える移動体通信システムであって、前記中継装置の移動に伴って、前記中継装置が接続される基地局装置を移動元の基地局装置から移動先の基地局装置に切り替えるハンドオーバ処理において、前記中継装置は、前記移動先の基地局装置の候補を検出するための測定またはその測定報告を、前記中継装置に対応する機能を有する基地局装置のリストを用いて行うことを特徴とする。