JP5863649B2 - 移動体通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の移動端末と基地局との間で無線通信を実施する移動体通信システムに関する。
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(High Speed-Downlink Shared Channel:HS−DSCH)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をより高速化するために、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。例えば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4MHz,3MHz,5MHz,10MHz,15MHz,20MHzの中で基地局毎に選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAとは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
LTEは、W−CDMAのコアネットワークであるGPRS(General Packet Radio Service)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるので、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するために、LTEの通信システムでは、移動端末(User Equipment:UE)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)と称され、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)は、EPC(Evolved Packet Core)またはaGW(Access Gateway)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)とが提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスである。E−MBMSサービスは、単にMBMSと称される場合もある。E−MBMSサービスでは、複数の移動端末に対してニュースや天気予報、モバイル放送などの大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1(4.6.1章)に記載されている。全体的なアーキテクチャについて図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局102で終端するならば、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。
基地局102は、MME(Mobility Management Entity)103から通知されるページング信号(Paging Signal、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)および送信を行う。基地局102は、X2インタフェースにより、互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される。より明確には、基地局102は、S1_MMEインタフェースによりMME(Mobility Management Entity)103に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW(Serving Gateway)104に接続される。
MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は、移動端末が待ち受け状態の際、および、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。
S−GW104は、ひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は、基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。EPCには、さらにP−GW(PDN Gateway)が存在する。P−GWは、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
移動端末101と基地局102との間の制御プロトコルRRCは、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局と移動端末との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティ等が行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)のメジャメント等が行われる。
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項について、図2を用いて説明する。図2は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal:SS)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P−SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S−SS)とがある。サブフレーム単位で、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用のチャネルと、MBSFN以外用のチャネルとの多重が行われる。MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、同時に複数のセルから同じ波形の送信により実現される同時放送送信技術(simulcast transmission technique)である。MBSFN領域(MBSFN Area)の複数のセルからのMBSFN送信は、移動端末は1つの送信に見える。MBSFNとは、このようなMBSFN送信をサポートするネットワークである。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN subframe)と称する。
非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3に示すように、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームは、割当周期(radio Frame Allocation Period)にて繰り返される。MBSFNサブフレームは、割当周期と割当オフセット(radio Frame Allocation Offset)とによって定義された無線フレームにてMBSFNのために割り当てられるサブフレームであり、マルチメディアデータを伝送するためのサブフレームである。以下の式(1)を満たす無線フレームが、MBSFNサブフレームを含む無線フレームである。
SFN mod radioFrameAllocationPeriod=radioFrameAllocationOffset …(1)
MBSFNサブフレームの割当は6ビットにて行われる。1番左のビットは、サブフレームの2番目(#1)のMBSFN割当を定義する。2番目のビットはサブフレームの3番目(#2)、3番目のビットはサブフレームの4番目(#3)、4番目のビットはサブフレームの7番目(#6)、5番目のビットはサブフレームの8番目(#7)、6番目のビットはサブフレームの9番目(#8)のMBSFN割当を定義する。該ビットが「1」を示す場合、対応するサブフレームがMBSFNのために割当てられることを示す。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)においてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について、図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル(Physical Broadcast channel:PBCH)401は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)402は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHs(Physical Downlink Control Channels)のために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)403は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、後述の図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)に関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報、図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)404は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)405は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)406は、移動端末101から基地局102への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)407は、移動端末101から基地局102への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)408は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)409は、移動端末101から基地局102への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルである。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference Symbol Received Power:RSRP)測定がある。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5(A)には、下りトランスポートチャネルと下り物理チャネルとの間のマッピングを示す。図5(B)には、上りトランスポートチャネルと上り物理チャネルとの間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。DL−SCHは、移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5(B)に示されるランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
HARQ方式の一例として、チェースコンバイニング(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは、初送と再送とにおいて、同じデータを送信するもので、再送において初送のデータと再送のデータとの合成を行うことで、利得を向上させる方式である。これは、初送データに誤りがあったとしても、部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することで、より高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例として、IR(Incremental Redundancy)がある。IRとは、冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで、初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6(A)には、下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。図6(B)には、上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは、移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、移動端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、移動端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTEおよびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGセルについて以下に説明する(非特許文献3 3.1章参照)。CSG(Closed Subscriber Group)セルとは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセル(以下「特定加入者用セル」という場合がある)である。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを「CSGセル(CSG cell(s))」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID;CSG−ID)を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
CSG−IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、移動端末(UE)によって使用される。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す、すなわち移動端末が着呼することを可能にするために行われる。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIM(Universal Subscriber Identity Module)に格納されたリストである。CSGホワイトリストは、許可CSGリスト(Allowed CSG ID List)と呼ばれることもある。
「適切なセル」(Suitable cell)について以下に説明する(非特許文献3 4.3章参照)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、以下の条件を満たすものとする。
(1)セルは、選択されたPLMNもしくは登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること。
(2)NAS(Non-Access Stratum)によって提供された最新情報にて、さらに以下の条件を満たすこと
(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと
(b)そのセルが「ローミングのための禁止されたLAs」リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある
(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること
(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information:SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること、すなわちUEのCSG WhiteList中に含まれること。
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下に説明する(非特許文献3 4.3章参照)。これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは、以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
「セルにキャンプオン(camp on)する」とは、UEがセル選択(cell selection)またはセル再選択(cell re-selection)の処理を完了し、UEがシステム情報とページング情報をモニタするセルを選択した状態である。
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home−NB;HNB)、Home−eNodeB(Home−eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、またはE-UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献4には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。
各々のモードは、以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBは、CSGセルとして操作される。このCSGセルは、CSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、HeNBやHNBは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルとして操作される。ハイブリッドアクセスモードのセル(ハイブリッドセルとも称する)は、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方をサポートするセルである。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割すること(PCIスプリットと称する)が議論されている(非特許文献5参照)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献6、非特許文献7参照)。
LTE−Aシステムでは、高い通信速度、セルエッジでの高いスループット、新たなカバレッジエリアなどを得るために、リレー(Relay:リレーノード(RN))をサポートすることが検討されている。リレーノードは、ドナーセル(Donor cell;Donor eNB;DeNB)を介して無線アクセスネットワークに無線で接続される。ドナーセルの範囲内で、ネットワーク(Network:NW)からリレーへのリンクは、ネットワークからUEへのリンクと同じ周波数バンドを共用する。この場合、リリース8のUEも該ドナーセルに接続することを可能とする。ドナーセルとリレーノードとの間のリンクをバックホールリンク(backhaul link)と称し、リレーノードとUEとの間のリンクをアクセスリンク(access link)と称す。
FDD(Frequency Division Duplex)におけるバックホールリンクの多重方法として、DeNBからRNへの送信は下り(DL)周波数バンドで行われ、RNからDeNBへの送信は上り(UL)周波数バンドで行われる。リレーにおけるリソースの分割方法として、DeNBからRNへのリンクおよびRNからUEへのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重され、RNからDeNBへのリンクおよびUEからRNへのリンクも一つの周波数バンドで時分割多重される。こうすることで、リレーにおいて、リレーの送信が自リレーの受信へ干渉することを防ぐことができる。
3GPPでは、通常のeNB(マクロセル)だけでなく、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、HeNB/HNB/CSGセル、ホットゾーンセル用のノード、リレーノード、リモートラジオヘッド(Remote Radio Head:RRH)などのいわゆるローカルノードが検討されている。
これらローカルノードは、高速、大容量の通信などのさまざまなサービスの要求に応じて、マクロセルを補完するために配置される。例えば、HeNBは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。このため、HeNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。HeNBがマクロセルのカバレッジ内に設置されるような場合、マクロセル、HeNB、移動端末(UE)らの間で干渉が生じることとなる。これらの干渉により、移動端末(UE)は、マクロセルあるいはHeNBとの通信が妨げられ、通信速度の低下が生じる。さらに干渉電力が大きくなると、通信ができなくなってしまうことになる。したがって、これらのマクロセルとローカルノードとが混在して配置される状況において生じる干渉を回避し、通信品質を最適にするための方法が要求される。
LTEで音声サービスの提供がなされていない場合に、ユーザに音声サービスを提供する方法として、音声発着信時は2G/3G(2nd Generation/3rd Generation)システムに切り替えるという方法が3GPPにおいて標準化されている。この方法は、2G/3Gシステムの回線交換(Circuit Switched:CS)の機能を利用する方法である。この方法を、CS Fallback(以下「CSFB」という)と呼ぶ。非特許文献8には、CSFBの3GPPにおける規格が示されている。また非特許文献9には、CSFBの概要が示されている。
3GPP TS36.300 V9.2.0 4.6.1章、4.6.2章、5章、6章、10.1.2章、10.7章 3GPP TS36.331 V9.1.0 3GPP TS36.304 V9.1.0 3.1章、4.3章、5.2.4章 3GPP S1−083461 3GPP R2−082899 3GPP TR 36.814 V9.0.0 3GPP TR 36.912 V9.0.0 3GPP TS 23.272 V9.3.0 田中威津馬、外2名、「LTEと3G回線交換サービスの連携を実現するCS Fallback機能」、エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTDOCOMO)テクニカル・ジャーナル、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、2009年10月、第17巻(Vol.17)、第3号(No.3)、p.15−20
3GPPにおいては、HNBあるいはHeNBが検討されている。非特許文献8および非特許文献9に示す従来のCSFBでは、これらHNBあるいはHeNBが設置された場合の、音声サービスのサポート方法については、何ら開示されていない。
また、HNBを用いたアーキテクチャが通常のNBを用いたアーキテクチャと異なること、HNB、HeNBが比較的狭いカバレッジエリアを有し、数多く設置されることが想定されていること、さらには、HNBあるいはHeNBはCSGをサポートすることなどの理由から、従来のCSFBの方法をHNBあるいはHeNBにそのまま適用することは不可能である。
例えば、従来のCSFBの方法をHNBあるいはHeNBにそのまま適用しただけでは、HeNBでLTEサービスを提供されていたユーザが、音声の発着信を行うことが不可能となるという問題が生じる。
本発明の目的は、音声通話サービスの提供が無い移動通信網に接続中の移動端末装置に、音声通話サービスの発呼または着呼が生じた場合に、移動通信網を切替えて音声通話サービスを提供可能な移動体通信システムを提供することである。
本発明の移動体通信システムは、基地局装置と、前記基地局装置に無線通信可能に接続される移動端末装置と、前記基地局装置が接続される上位装置とを備える移動体通信システムであって、前記基地局装置は、複数備えられ、各前記基地局装置は、データ通信サービスおよび音声通話サービスを提供する第1移動通信網と接続される第1基地局部と、前記第1移動通信網よりも高速のデータ通信サービスを提供する第2移動通信網と接続される第2基地局部とを備え、前記第1基地局部と前記第2基地局部とは、互いに通信可能に構成され、前記第2基地局部は、前記第1基地局部のパラメータを得て、前記上位装置に通知し、前記上位装置は、前記第2基地局部から前記第1基地局部のパラメータを受信すると、各前記基地局装置の前記第1基地局部と無線通信可能な範囲である第1カバレッジエリアC1を足し合わせて構成されるロケーションエリアLAと、各前記基地局装置の前記第2基地局部と無線通信可能な範囲である第2カバレッジエリアC2を足し合わせて構成されるトラッキングエリアTAとの対応関係を管理することを特徴とする。
本発明の移動体通信システムによれば、基地局装置と移動端末装置と上位装置とを備えて移動体通信システムが構成される。基地局装置は、複数備えられる。各基地局装置は、第1基地局部と第2基地局部とを備えて構成される。第1基地局部は、データ通信サービスおよび音声通話サービスを提供する第1移動通信網接続される。第2基地局部は、第1移動通信網よりも高速のデータ通信サービスを提供する第2移動通信網と接続される。第1基地局部と第2基地局部とは互いに通信可能に構成されるので、例えば、第1基地局部と第2基地局部とに選択的に接続可能な移動端末装置が第2基地局部に接続されている状況下で、移動端末装置に音声通話サービスの発呼または着呼が生じたときに、移動端末装置を第1基地局部に接続するように切替えることができる。したがって、第2移動通信網で音声通話サービスの提供が無い場合でも、第2移動通信網から第1移動通信網に切替えて、音声通話サービスを提供することができる。また第2基地局部は、第1基地局部のパラメータを得て、上位装置に通知するので、上位装置は、第1基地局部のパラメータを認識することができる。
また、上位装置は、第2基地局部から第1基地局部のパラメータを受信すると、各基地局装置の第1基地局部と無線通信可能な範囲である第1カバレッジエリアC1を足し合わせて構成されるロケーションエリアLAと、各基地局装置の第2基地局部と無線通信可能な範囲である第2カバレッジエリアC2を足し合わせて構成されるトラッキングエリアTAとの対応関係を管理する。これによって、CSFBのためのトラッキングエリアTAとロケーションエリアLAとの対応関係を容易に構築することができる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。 MBSFNフレームの構成を示す説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。 LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。 現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る移動端末である図7に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。 本発明に係る基地局である図7に示す基地局72の構成を示すブロック図である。 本発明に係るMMEである図7に示すMME部73の構成を示すブロック図である。 本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。 LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。 従来のCSFBを用いた通信システム13のアーキテクチャを示すブロック図である。 本発明の実施の一形態に係る移動体通信システム14のアーキテクチャを示すブロック図である。 HeNBとHNBとが設置された場合にCSFBをサポートするためのアーキテクチャの他の例である通信システム15のアーキテクチャを示すブロック図である。 本発明の実施の一形態に係るデュアル機によって構成されるカバレッジエリアの概念を示す図である。 本発明の実施の一形態に係るデュアル機によって構成されるLAとTAとの概念を示す図である。 デュアル機と、HeNBのシングル機によって構成されるLAとTAとの概念を示す図である。 デュアル機と、HNBのシングル機によって構成されるLAとTAとの概念を示す図である。 本実施の形態におけるLAとTAとのマッピング方法およびそれを用いた連携位置登録のシーケンスを示す図である。 PS HOをサポートしている場合のCS発呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。 図21に示すステップST1924の具体的なシーケンスを示す図である。 PS HOをサポートしていない場合のCS発呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。 UEがアイドルモードの場合のCSFBのシーケンスの一例を示す図である。 UEがアイドルモードの場合のCSFBのシーケンスの他の例を示す図である。 UEがアクティブモードに移行せずにCSFBを行うシーケンスの例を示す図である。 PS HOをサポートしている場合のCS着呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るCS発呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。 図28に示すステップST2601の具体的なシーケンスを示す図である。 アイドルモードのUEがCS発呼する場合におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。 アイドルモードのUEがCS着呼する場合におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4における通信システム32の構成を示すブロック図である。 実施の形態4の解決策を用いた場合の通信システム32のシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例1の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例2の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例3の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例4の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例5の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例6の課題を説明する概念図である。 実施の形態4の変形例6における移動端末の待受け方法の具体例を示す図である。 実施の形態4の変形例6における音声通話サービスのサポート方法の切換処理の手順を示すフローチャートである。 実施の形態4の変形例6における移動端末の待受け方法の切換処理の手順を示すフローチャートである。 ネットワーク側の音声通話サービスのサポート方法の切換え判断、および移動端末の待受け方法の切換え判断を示す図である。
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1.章参照)。
図7について説明する。移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、マクロセルであるeNB72−1と、ローカルノードであるHome−eNB72−2とに分類される。eNB72−1は、大規模基地局装置に相当し、移動端末UE71と通信可能な範囲であるカバレッジとして、比較的大きい大規模カバレッジを有する。Home−eNB72−2は、小規模基地局装置に相当し、カバレッジとして、比較的小さい小規模カバレッジを有する。
eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、ひとつまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
さらに現在3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない。MME部73からは、HeNBGW74はeNB72−1として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続されるか否かに関係なく、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートしない。Home−eNB72−2は、唯一のセルをサポートする。
図8は、本発明に係る移動端末である図7に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のとおりに実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局である図7に示す基地局72の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない方向であるので、Home−eNB72−2では、他基地局通信部902が存在しないことも考えられる。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のとおりに実行される。ひとつもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTACとPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図7に示すMME部73に含まれるMME73aの構成を示す。PDN GW通信部1001は、MME73aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME73aと基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73aとHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(LTE−IDLE状態、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。
MME73aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area:TA)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME73aに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。この関係は、例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME73aの中の他の部分で行われてもよい。MME73aの一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているMME73aの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MME73aは、CSG(Closed Subscriber Group)のメンバーの1つ、あるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MME73aは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME73aとの間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73aからのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME73aの手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME73aとの間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し受信電力(RSRPとも称される。)の測定を行う。参照信号RSには、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、TAC(Tracking Area Code)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているTA(Tracking Area)リスト内のTACとを比較する。比較した結果、ステップST1205で受信したTACがTAリスト内に含まれるTACと同じならば、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST1205で受信したTACがTAリスト内に含まれなければ、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network,EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAリストの更新を行う。コアネットワークは、移動端末に更新後のTAリストを送信する。移動端末は、受信したTAリストにて移動端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末とがひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。ひとつのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれかひとつのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。
また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、GCI(Global Cell Identity)とが対応付けられていればGCIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割すること(PCIスプリットと称する)が議論されている(非特許文献5参照)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。非特許文献5は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、ハイブリッドセルのためのPCIは、CSGセル用のPCI範囲の中には含まれないことが決定されている(非特許文献1 10.7章参照)。
3GPPでは、移動端末がCSGセルをセレクション、あるいはリセレクションする方法について2つのモードが存在する。1つ目は、自動(Automatic)モードである。自動モードの特徴を以下に示す。移動端末は、移動端末内の許可CSGリスト(Allowed CSG ID List)を利用して、セレクション、あるいはリセレクションを行う。移動端末は、PLMNの選択が完了した後、non−CSGセル、あるいは許可CSGリストに存在するCSG IDを伴うCSGセルである場合にのみ、選択している該PLMN中の1つのセルにキャンプオンする。移動端末の許可CSGリストが空であるならば、移動端末は、CSGセルの自立(autonomous)サーチ機能を停止する(非特許文献3 5.2.4.8.1章参照)。
2つ目は、手動(Manual)モードである。手動モードの特徴を以下に示す。移動端末は、現在選択されているPLMNで利用可能なCSGのリストを、ユーザに示す。移動端末がユーザに提供するCSGのリストは、移動端末に保存されている許可CSGリストに含まれるCSGに限られない。ユーザが該CSGのリストに基づいてCSGを選定した後、移動端末は、選択されたCSG IDを伴うセルへキャンプオンし、登録(register)を試みる(非特許文献3 5.2.4.8.1章参照)。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する、といったサービスである。
このようなサービスを実現するため、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)は、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するためだけでなく、上述したような様々なサービスへの対応が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
3.9Gシステム(SAE)はパケット交換型のネットワークであり、GSM(Global System for Mobile Communications)などの2Gシステムや、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)などの3Gシステムに用いられている回線交換(CS)型の機能を用いず、全てのサービスを、IP(Internet Protocol)を用いて提供する。このため、LTEではIMS(IP Multimedia Subsystem)上でVoIP(Voice over Internet Protocol)をベースとした音声サービスを提供する。
しかし、LTEのサービス開始当初は、IMS上でのVoIPをベースとした音声サービスの提供が間に合わない可能性がある。
一方、例えLTEになったからといって、音声サービスに対する要求がなくなるわけではなく、その需要は高い。
このため、LTEで音声サービスの提供がなされていない場合でも、音声サービスをユーザに提供する方法が求められている。
LTEで音声サービスの提供がなされていない場合に、ユーザに音声サービスを提供する方法として、音声発着信時は2G/3Gシステムに切り替えるという方法が3GPPにおいて標準化されている。この方法は、2G/3GシステムのCSの機能を利用する方法である。この方法を、CSFBと呼ぶ。非特許文献8には、CSFBの3GPPにおける規格が示されている。また非特許文献9には、CSFBの概要が示されている。
非特許文献8および非特許文献9には、従来のCSFBについての以下の4項の技術が示されている。具体的には、(1)TA(Tracking Area)とLA(Location Area)とのマッピング、(2)連携位置登録(Combined Attach)、(3)CS発呼、(4)CS着呼である。
図13は、従来のCSFBを用いた通信システム13のアーキテクチャを示すブロック図である。従来のCSFBを用いた通信システム13は、UE1301、NB1302、eNB1303、無線ネットワーク制御装置(Radio Network Controller:RNC)1305、パケットアクセス制御ノード(Serving GPRS Support Node:SGSN)1307、移動交換局/在圏網加入者管理レジスタ(Mobile-services Switching Center/Visitor Location Register:MSC/VLR)1309、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server:HSS)1311、MME1313、SGW(S−GW)1316、PGW(P−GW)1318、および発信元MSC1319を備えて構成される。
RNC1305は、インタフェース(Iub)1304を介してNB1302と接続される。MSC/VLR1309は、インタフェース(Iucs)1308を介してRNC1305と接続される。MSC/VLR1309と発信元MSC1319との間は、インタフェース1320を介して接続される。MME1313は、インタフェース(S1−MME)1314を介してeNB1303に接続される。HSS1311は、インタフェース1310を介してMSC/VLR1309に接続され、また、インタフェース1312を介してMME1313に接続される。SGSN1307は、インタフェース(Iups)1306を介してRNC1305に接続される。SGW1316は、インタフェース(S1−u)1315を介してeNB1303に接続される。PGW1318は、インタフェース(S5)1317を介してSGW1316に接続される。SGSN1307とSGW1316との間は、インタフェース(S4)1321で接続される。
CSFBをサポートするネットワークでは、MSC/VLR1309とMME1313との間がインタフェース(SGs)1322によって接続される。これによって、LTE側のネットワークのMME1313と、3G側のネットワークのCSドメインのノードであるMSC/VLR1309との間のシグナリングを可能としている。
また、非特許文献8および非特許文献9には、上記(1)のTAとLAとのマッピングに関しては、MMEが、物理的に重なっているTAとLAとの対応関係を管理するデータベースを保持することなどが記載されている。
上記(2)の連携位置登録に関しては、非特許文献8および非特許文献9には、MMEとMSC/VLRとの間にインタフェース(SGs)を設け、上記(1)で構成したマッピング情報をもとに、MMEが、対応するMSC/VLRを特定し、該MSC/VLRに対して位置登録要求を行うことなどが記載されている。これにより、3Gシステム側でも位置登録を行うようにしておくことが記載されている。また、MSC/VLR内にMMEとの対応関係を保持しておくことなども記載されている。
上記(3)のCS発呼に関しては、LTEから3GへのPS(Packet Switch)ドメインのハンドオーバ(以下「PS HO」という場合がある)がサポートされている場合と、PS HOがサポートされていない場合とがそれぞれ規格化されている。PS HOがサポートされている場合は、HO指示メッセージに3G側のターゲットセル情報をのせることで、該ターゲットセルにHOさせる。PS HOがサポートされていない場合は、一旦LTE側の接続をリリースした上で、3G側に新たに接続させる。このため、RRC接続リリースメッセージに3G側のターゲットセル情報をのせる(RRC release with Redirection)方法が3GPPで提案されている。ターゲットセル情報としては、3G側のセルのSI(System Information)が挙げられている。
UEがアイドルモードにいる場合は、アクティブモードに移行した後に、MMEに拡張サービスリクエストを通知し、その後に上述の方法を適用することが記載されている。ここで、拡張サービスリクエストとは、CS発呼である旨あるいはCSFBである旨を示す情報を含ませたサービスリクエストをいう。
上記(4)のCS着呼に関しては、LTEから3GへのPS HOがサポートされている場合と、サポートされていない場合とがそれぞれ規格化されている。発信元MSCは、HSSにアクセスすることにより、3G側のMSC/VLRを認識する。このことは、上記(2)の連携位置登録を行うことによって3G側でも位置登録が行われることから、可能となる。3G側のMSC/VLRを認識した発信元MSCは、該MSC/VLRへ発信を行う。該MSC/VLRは、上記(1)のTAとLAとのマッピングで保持したMMEとの対応関係に基づいて、MMEへページング要求信号を送信する。
MMEは、ページング信号をUEに通知し、UEは、拡張サービスリクエストをMMEに通知する。PS HOがサポートされている場合は、HO指示メッセージに3G側のターゲットセル情報をのせることで、該ターゲットセルにHOさせる。PS HOがサポートされていない場合は、一旦LTE側の接続をリリースした上で、3G側に新たに接続させる。このため、RRC接続リリースメッセージに3G側のターゲットセル情報をのせる(RRC release with Redirection)方法が3GPPで提案されている。ターゲットセル情報としては、3G側のセルのSIが挙げられている。
UEがアイドルモードにいる場合は、UEは、MMEから通知されたページング信号に対して、拡張サービスリクエストをMMEに通知した後に、上述の方法を適用することが記載されている。従来のCSFBは、以上のような方法を用いている。
一方、前述のように、3GPPにおいてHNBあるいはHeNBが検討されている。従来のCSFBでは、これらHNBあるいはHeNBが設置された場合の、音声サービスのサポート方法については、何ら開示されていない。また、HNBを用いたアーキテクチャは、通常のNBを用いたアーキテクチャとは異なり、RNCを用いない。したがって、図13で示した従来のCSFBのアーキテクチャをそのまま適用することは不可能である。
また、HNB、HeNBは比較的狭いカバレッジエリアを有し、数多く設置されることが想定されている。このような状況におけるLAとTAとのマッピングについて、従来のマクロセルでの対応関係の構築方法を単に適用するだけでは、その数の多さから複雑になってしまい、マッピングが不可能になってしまう。また、HNBあるいはHeNBは、CSGをサポートするため、CSGアクセス制御が必要となる。したがって、従来のCSFBの方法をそのまま適用することは不可能である。
このように、従来のCSFBの方法をそのまま適用しただけでは、HeNBでLTEサービスを提供されていたユーザは、音声発着信を行うことが不可能となるという問題が生じる。
本実施の形態では、HNBあるいはHeNBが設置された場合に、HeNBでLTEサービスを提供されていたユーザが音声サービスの提供を受けることを可能にする方法を開示する。まず、HNBとHeNBとの構成について開示する。
HeNBからのCSFBをサポートするために、HeNBとHNBの機能を併せ持つ構成(デュアル構成、デュアル機)とする。
図14は、本発明の実施の一形態に係る移動体通信システム(以下、単に「通信システム」という場合がある)14のアーキテクチャを示すブロック図である。図14では、HeNBとHNBとが設置された場合にCSFBをサポートするためのアーキテクチャを示す。図14に示す本実施の形態の通信システム14は、図13に示す通信システム13と類似し、対応する部分については同一の参照符を付して共通する説明を省略する。本発明のCSFBを用いた通信システム14は、UE1301、SGSN1307、MSC/VLR1309、HSS1311、MME1313、SGW1316、PGW1318、発信元MSC1319、HNB1401、HeNB1402、およびHNBGW1405を備えて構成される。
図14に示す形態では、HNB1401とHeNB1402とインタフェース1406とを含んでデュアル機1403が構成される。すなわちデュアル機1403は、HNB1401の機能とHeNB1402の機能とを併せて有している。HNB1401は、第1基地局部に相当し、HeNB1402は、第2基地局部に相当し、デュアル機1403は、基地局装置に相当する。HNB1401が接続される2Gシステムおよび3Gシステムに対応する移動通信網は、第1移動通信網に相当する。HeNB1402が接続される3.9Gシステムに対応する移動通信網は、第2移動通信網に相当する。
HNBGW1405は、インタフェース(Iuh)1404を介してHNB1401と接続される。HNBGW1405は、インタフェース(Iucs)1308を介してMSC/VLR1309に接続される。また、HNBGW1405は、インタフェース(Iups)1306を介してSGSN1307に接続される。HeNB1402は、インタフェース(S1−MME)1314を介してMME1313に接続され、インタフェース(S1−u)1315を介してSGW1316に接続される。
HNB1401とHeNB1402との間は、新たに設けられたインタフェース1406によって接続される。MME1313とMSC/VLR1309との間は、従来のCSFBのアーキテクチャと同様に、インタフェース(SGs)1322によって接続される。
図14に示す構成に、さらにHeNBGWを備えて通信システムが構成される場合は、HeNB1402とMME1313との間であって、かつHeNB1402とSGW1315との間にHeNBGWが位置するように構成される。このとき、HeNB1402とHeNBGWとの間には、新たなインタフェースが設けられる。HeNB1402とHeNBGWとは、新たに設けられたインタフェースによって接続される。HeNBGWとMME1313との間は、インタフェース(S1−MME)で接続され、HeNBGWとSGW1316との間は、インタフェース(S1−u)で接続されるようにする。このような構成にすることで、HeNB1402がHeNBGWに接続されるような場合でも、CSFBをサポートすることが可能となる。
デュアル機1403内でHNB1401とHeNB1402とを接続するための新たなインタフェース1406は、比較的容易に設けることができる。これは、デュアル機1403であるので、HNB1401、HeNB1402の物理的な位置を近接させることが可能となり、物理的なインタフェースを構築し易くできるためである。したがってデュアル機1403では、該新たなインタフェース1406を構築することで、HNB1401とHeNB1402とを直接接続することが容易にできる。
図15は、HeNBとHNBとが設置された場合にCSFBをサポートするためのアーキテクチャの他の例である通信システム15のアーキテクチャを示すブロック図である。図15に示す通信システム15は、図13に示す通信システム13および図14に示す通信システム14と類似し、対応する部分については同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。図15に示す通信システム15において、デュアル機1403Aを除くその他の構成は、図14に示す通信システム14と同一である。図15に示す通信システム15において、デュアル機1403Aは、HNB1401およびHeNB1402に、さらに制御ユニット1407を備えて構成される。制御ユニット1407は、インタフェース1408を介してHNB1401と接続され、またインタフェース1409を介してHeNB1402と接続される。インタフェース1408,1409は、通信用のインタフェースでなくてもよく、例えば、維持管理用のインタフェースであってもよい。
デュアル機1403Aの中に、HNB1401とHeNB1402とを制御する制御ユニット1407を備えて構成することで、下記に開示するような、HNB1401あるいはHeNB1402間で各々のパラメータなどの情報の授受を容易にすることができる。
以上に開示した構成およびアーキテクチャとすることで、HeNBからHNBへのCSFBが可能となる。
また、HNBとHeNBとからなるデュアル機における、HNBによって構成されるカバレッジエリアと、HeNBによって構成されるカバレッジエリアとの関係を以下の式(2)で示すようにしてもよい。
C_HNB⊇C_HeNB …(2)
上記の式(2)において、C_HNBは、HNBによって構成されるカバレッジエリアを示し、C_HeNBは、HeNBによって構成されるカバレッジエリアを示す。
図16は、本発明の実施の一形態に係るデュアル機によって構成されるカバレッジエリアの概念を示す図である。HNB1504は、カバレッジエリアC_HNB1501を持つ。HeNB1505は、カバレッジエリアC_HeNB1502を持つ。HNB1504のカバレッジエリアC_HNB1501は、HeNB1505のカバレッジエリアC_HeNB1502よりも大きい。HNB1504およびHeNB1505を有し、双方の機能を併せ持つデュアル機1503は、HeNB1505のカバレッジエリアC_HeNB1502内に位置しているものとする。また、HeNB1505のカバレッジエリアC_HeNB1502の境界付近に、UE1506が存在するものとする。
各カバレッジエリアを上記のようにすることで、HeNBにアクセスしているUEは、HNBのカバレッジエリア内に存在することになるので、該UEがHeNBからCSFBによってHNBへアクセスする場合に、HNBにおける無線回線接続の失敗を防ぐことが可能となる。
各カバレッジエリアの調整は、HNB、HeNB各々のアンテナ高、アンテナ角度、送信電力などを調整することによって行う。デュアル構成とすることで、これらの調整を容易に行うことが可能となる。これらの調整は製造時に行ってもよいし、設置時に行ってもよいし、設置後動作時にセミスタティックあるいはダイナミックに行うようにしてもよい。また、周波数帯域毎に各調整パラメータとカバレッジエリアとの関係を予め測定しておき、所望のカバレッジエリアと、HNB、HeNBの各設定周波数に応じて、HNB、HeNBの調整パラメータを調整するようにしておいてもよい。これらの調整は、制御ユニットで行うようにしてもよい。
また、HNBとHeNBとを備えるデュアル機における、HNBによって構成されるロケーションエリア(LA)と、HeNBによって構成されるトラッキングエリア(TA)との関係を、以下の式(3)で示すようにしてもよい。
LA_HNB⊇TA_HeNB …(3)
上記の式(3)において、LA_HNBは、HNBによって構成されるLAを示し、TA_HeNBは、HeNBによって構成されるTAを示す。
図17は、本発明の実施の一形態に係るデュアル機によって構成されるLAとTAとの概念を示す図である。第1のデュアル機1605において、HNB1603は、カバレッジエリア1601を持つ。HeNB1604は、カバレッジエリア1602を持つ。HNB1603のカバレッジエリア1601は、HeNB1604のカバレッジエリア1602よりも大きい。HNB1603およびHeNB1604を有し、双方の機能を併せ持つ第1のデュアル機1605は、HeNB1604のカバレッジエリア1602内に位置しているものとする。また、HeNB1604のカバレッジエリア1602の境界付近に、UE1606が存在するものとする。
第2のデュアル機1615において、HNB1616は、カバレッジエリア1618を持つ。HeNB1617は、カバレッジエリア1619を持つ。HNB1616のカバレッジエリア1618は、HeNB1617のカバレッジエリア1619よりも大きい。HNB1616およびHeNB1617を有し、双方の機能を併せ持つ第2のデュアル機1615は、HeNB1617のカバレッジエリア1619内に位置しているものとする。
HNBGW1611は、インタフェース(Iuh)1607を介して第1のデュアル機1605のHNB1603に接続され、またインタフェース(Iuh)1614を介して、第2のデュアル機1615のHNB1616に接続される。MSC/VLR1612は、インタフェース(Iucs)1613を介して、HNBGW1611に接続される。MME1609は、インタフェース(S1−MME)1608を介して、第1のデュアル機1605のHeNB1604に接続され、またインタフェース(S1−MME)1610を介して、第2のデュアル機1615のHeNB1617に接続される。
第1のデュアル機1605のHNB1603によって構成されるカバレッジエリア1601と、第2のデュアル機1615のHNB1616によって構成されるカバレッジエリア1618とから構成されるLAを、LA_HNBとする。第1のデュアル機1605のHeNB1604によって構成されるカバレッジエリア1602と、第2のデュアル機1615のHeNB1617によって構成されるカバレッジエリア1619とから構成されるTAを、TA_HeNBとする。
LA_HNBとTA_HeNBとの関係を上記のようにすることで、同一のTA(TA_HeNB)に属するHeNBにアクセスしているUEは、同一のLA(LA_HNB)に属するHNBのカバレッジエリア内に存在することになる。このため、該UEがHeNBからCSFBによってHNBへアクセスする場合に、MMEにおいて該UEが存在するTA(TA_HeNB)からLA(LA_HNB)へのマッピングが可能になる。
図18は、デュアル機と、HeNBのシングル機によって構成されるLAとTAとの概念を示す図である。図18において、図17に対応する部分については同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。シングル構成のHeNB1702は、カバレッジエリア1701を持つ。シングル構成のHeNB1702は、インタフェース(S1−MME)1703を介して、MME1609に接続される。MME1609は、インタフェース(S1−MME)1703を介して、シングル構成のHeNB1702に接続される。またMME1609は、インタフェース(S1−MME)1608を介して、第1のデュアル機1605のHeNB1604に接続され、インタフェース(S1−MME)1610を介して、第2のデュアル機1615のHeNB1617に接続される。
図19は、デュアル機と、HNBのシングル機によって構成されるLAとTAとの概念を示す図である。図19において、図17に対応する部分については同一の参照符を付して、共通する説明を省略する。シングル構成のHNB1705は、カバレッジエリア1704を持つ。シングル構成のHNB1705は、インタフェース(Iucs)1706を介して、HNBGW1611に接続される。MME1609は、インタフェース(S1−MME)1608を介して、第1のデュアル機1605のHeNB1604に接続され、インタフェース(S1−MME)1610を介して、第2のデュアル機1615のHeNB1617に接続される。HNBGW1611は、インタフェース(Iucs)1706を介して、シングル構成のHNB1705に接続される。またHNBGW1611は、インタフェース(Iuh)1607を介して、第1のデュアル機1605のHNB1603に接続され、またインタフェース(Iuh)1614を介して、第2のデュアル機1615のHNB1616に接続される。
図18では、HeNBによって構成されるTA(TA_HeNB)は、シングル構成のHeNB1702によって構成されるカバレッジエリア1701、第1のデュアル機1605のHeNB1604によって構成されるカバレッジエリア1602、および第2のデュアル機1615のHeNB1617によって構成されるカバレッジエリア1619を含んで構成される。
一方、HNBによって構成されるLA(LA_HNB)は、第1のデュアル機1605のHNB1603によって構成されるカバレッジエリア1601、および第2のデュアル機1615のHNB1616によって構成されるカバレッジエリア1618を含んで構成される。
したがって、HeNBによって構成されるTAと、HNBによって構成されるLAとの関係は、TA_HeNB⊇LA_HNBとなってしまうので、例えば、UE1606がシングル構成のHeNB1702によって構成されるカバレッジエリア1701に存在しているような場合、該UEがHeNBからCSFBによってHNBへアクセスするときに、HNBにおける無線回線の接続に失敗してしまうことがわかる。
これに対し、図19では、HeNBによって構成されるTA(TA_HeNB)は、第1のデュアル機1605のHeNB1604によって構成されるカバレッジエリア1602、および第2のデュアル機1615のHeNB1617によって構成されるカバレッジエリア1619を含んで構成される。
一方、HNBによって構成されるLA(LA_HNB)は、シングル構成のHNB1705によって構成されるカバレッジエリア1704、第1のデュアル機1605のHNB1603によって構成されるカバレッジエリア1601、および第2のデュアル機1615のHNB1616によって構成されるカバレッジエリア1618を含んで構成される。
したがって、HNBによって構成されるLAと、HeNBによって構成されるTAとの関係は、LA_HNB⊇TA_HeNBとなり、第1のデュアル機1605のHeNB1604によって構成されるカバレッジエリア1602、および第2のデュアル機1615のHeNB1617によって構成されるカバレッジエリア1619に存在するUEが、HeNBからCSFBによってHNBへアクセスするときに、HNBにおける無線回線の接続に失敗することなく、HNBへアクセスすることが可能となる。
以上のことからわかるように、HeNBからのCSFBをサポートするためには、HeNBの機能のみを有するシングル構成(シングル機)とせず、HeNBとHNBとの機能を併せ持つデュアル構成(デュアル機)とするとよい。これらの構成は、特にマクロ圏外に配置されるHeNBおよびHNBの場合に効果的である。
次に、本実施の形態におけるLAとTAとのマッピング方法およびそれを用いた連携位置登録の方法を開示する。
前述のように従来のCSFBでは、MMEが、物理的に重なっているTAとLAとの対応関係を管理するデータベースを保持することなどを行う。この際、TAとLAのデータベースの構築方法は明確に示されておらず、従って、オペレータが独自に独自の方法で行うことになる。オペレータによるTAとLAのデータベースを作成するための時間や作業量等のコストは大きくなる。さらに、数多くのHNB、HeNBが設置される状況におけるLAとTAのデータベースを構築するときに、従来のマクロセルでの対応関係の構築方法を単に適用するだけでは、その数の多さから複雑になってしまい、さらにオペレータのコストが増大する。最悪の場合には、LAとTAとのマッピングが不可能になってしまうことになる。
この問題を解消するために、本実施の形態では、HeNBがHNBのパラメータを得て、HeNBがMMEに該パラメータを通知するようにする。
図20は、本実施の形態におけるLAとTAとのマッピング方法およびそれを用いた連携位置登録のシーケンスを示す図である。ステップST1801において、HeNBは、HNBにHNBのパラメータを要求する旨のメッセージを通知する。HeNBとHNBとの間の信号の送受信を可能にするため、HeNBとHNBとの間に新たなインタフェースを設けておくとよい。例えば、図14に開示したアーキテクチャとするとよい。
HeNBから前記メッセージを受信したHNBは、ステップST1802において、パラメータ要求に対する応答として、自セルのパラメータをHeNBに通知する。HeNBは、受信したHNBのパラメータを保持する。
パラメータとしては、3GPP TS 25.467 V9.2.0(以下「非特許文献10」という)に示されるような、コアネットワーク(Core Network:CN)レベルのパラメータ、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)レベルのパラメータ、無線周波数(Radio Frequency:RF)レベルのパラメータとする。パラメータは、上記パラメータの全てでなく、そのうちの一部であってもよい。例えば、CSFBに必要なパラメータのみとしてもよいし、または位置登録エリア識別子(Location Area Identity:LAI)のみとしてもよい。LAIのみとすることで、HeNBで保持する情報量を最小にすることができる。また例えば、LAI、動作周波数、スクランブリングコード、およびSIなど、UEがHNBにアクセスするために必要な情報としてもよい。これにより、後述するように、HeNBがUEに対して、HNBにアクセスするためのパラメータを送信することが可能になる。
デュアル機におけるレジストレーション、すなわち登録は、デュアル機のHNBはHNBGWに、HeNBはMMEあるいはHeNBGWに、というように、別個に行うようにしてもよい。HNBがHeNBに通知するパラメータは、HNBがレジストレーションの際にHNBGWから通知あるいは設定されたパラメータであってもよい。HNBGWから通知あるいは設定されるパラメータの具体例としては、LAIあるいはLAC(Location Area Code)情報、動作周波数などがある。
HNBがHeNBにパラメータを通知するトリガは、(1)HeNBからのパラメータ要求を受信した場合、(2)デュアル機が新たに設置された場合、(3)HNBの電源がONした場合、(4)HNBのエナジーセービングモードが解除された場合、(5)定期的あるいは周期的、(6)HNBでパラメータ変更が生じた場合、(7)HNBがレジストレーションした場合、(8)HNBのレジストレーションが完了した場合、(9)HNBがレジストレーション応答を受信した場合、のいずれでもよく、あるいはこれらの組合せとしてもよい。
上記の(1)あるいは(5)、あるいは(6)の場合のトリガを用いることによって、HNBの動作中にパラメータの変更が生じた場合でも、変更後のパラメータをHeNBが認識することができ、HeNBが保持しているパラメータを、該変更後のパラメータに変更することが可能となる。
ステップST1803において、UEは、連携位置登録要求をHeNBに通知する。ステップST1804において、HeNBは、UEからの連携位置登録要求をMMEに通知する。このときHeNBは、HNBから得たHNBのパラメータを連携位置登録要求に含めてMMEに通知する。HNBから得たHNBのパラメータを連携位置登録要求に含めるのではなく、別の信号で通知するようにしてもよい。連携位置登録要求が行われる際に通知されるようにしておけばよい。パラメータの具体例としては、LAIあるいはLAC(Location Area Code)情報などがある。
ステップST1804においてHeNBからHNBのパラメータを受信したMMEは、HeNBのTAとLAとの対応関係を管理する。具体例として、MMEは、HeNBのTAIあるいはTAC情報と、ステップST1804でHeNBから受信したHNBのLAIあるいはLAC情報とを対応させて管理する。これにより、CSFBのためのTAとLAとの対応関係を容易に構築することができる。
また、HeNBからHNBのパラメータをMMEに、連携位置登録要求の際に通知するのではなく、HeNBがMMEに対して行うレジストレーションの際に通知するようにしてもよい。HeNBは該レジストレーションを行う前にHNBからパラメータを得るようにしてもよい。
UEが連携位置登録要求を行うたびに、HeNBからMMEにHNBのパラメータを通知するようにしておくことで、MMEは最新のHNBのパラメータを認識することができる。これによって、CSFBの失敗を防ぐことが可能となり、システムとして安定な動作をユーザに提供することが可能となる。
ステップST1805において、アタッチプロシージャの一部が行われる。ステップST1806において、MMEは、上述の方法を用いて構築したTAとLAとの対応関係に基づいて、HNBのLAI情報とUEの移動加入者識別番号(International Mobile Subscriber Identity:IMSI)のハッシュ関数とから、MSCあるいはVLR番号(以下「MSC/VLR番号」という場合がある)を導出する。
ステップST1807において、MMEは、導出したMSC/VLR番号を用いて、該MSC/VLRに対してロケーションエリアアップデートの要求を行う。
ステップST1808において、MSC/VLRは、インタフェースSGs関連の設定を行い、ステップST1809において、CS領域でのロケーションエリアアップデートを行う。これにより、3G側の位置登録が行われることになる。
また、MSC/VLRは、連携位置登録を行うUEと、ステップST1807において該UEのロケーションエリアアップデートを通知してきたMMEとの対応関係を保持しておく。該対応関係を、UEの識別子とMMEの識別子とを用いてリストあるいは表としておいてもよい。これによって、該UEへCS着呼が発生した際に、MSC/VLRは、対応するMMEにページングメッセージを通知することが可能となる。
ステップST1810において、MSC/VLRは、MMEにロケーションエリアアップデートアクセプトを通知する。その後、ステップST1811において、残りのアタッチプロシージャが行われる。これにより、連携位置登録が完了する。
本実施の形態で開示したLAとTAとのマッピング方法およびそれを用いた連携位置登録の方法を用いることによって、HeNBがCSFB可能なHNBのマッピングに関するパラメータをMMEに通知することが可能になる。したがってオペレータは、MMEで管理するTAとLAとの対応関係の構築を独自に独自の方法で開発する必要が無くなる。これによって、オペレータは、例えばTAとLAのデータベースを作成するための時間等のコストを削減することが可能となり、CSFBのためのTAとLAとの対応関係を容易に構築することができる。
上述の方法では、MMEがTAとLAとの対応関係を構築して管理することを開示したが、セルがデュアル機である場合は、セルがデュアル機でない場合と同一の対応関係の管理としなくてもよい。例えば、セルがデュアル機でない場合は、該セルの属するTAとCSFB先のLAとの対応関係を構築して、TAとLAとの対応関係のデータベース(以下「対応関係データベース」という場合がある)へ入力し、デュアル機である場合は、HeNBの属するTAとHNBの属するLAとを、TAとLAとの対応関係データベースへ入力せずに、デュアル機用の対応関係データベースに記載するようにしてもよい。また、デュアル機である場合は、HeNBの属するTAとHNBの属するLAとの対応関係を一時的に保持するようにしてもよい。UEが連携位置登録要求を行う際に、ステップST1804でHeNBからMMEにHNBのパラメータを通知し、MMEはステップST1806で対応するMSC/VLR番号を導出するまで一時的に保持するようにしてもよい。こうすることで、オペレータはさらに、TAとLAとのデータベースを作成するための時間等のコストを削減することが可能となる。
図20で開示した方法では、HeNBがHNBのパラメータを得るために、ステップST1801においてHeNBがHNBにパラメータ要求信号を通知している。このパラメータ要求信号を通知するタイミングとしては、ステップST1803においてHeNBがUEからアタッチ要求を受信した場合に、該パラメータ要求信号をHNBに通知するようにしてもよい。HeNBは、HNBからのパラメータ応答を受信した後に、該応答に含まれるパラメータを用いて、MMEにアタッチ要求を通知するようにしてもよい。
HeNBとHNBとの間のメッセージの送受信を可能にするための方法として、本実施の形態では、HeNBとHNBとの間に新たなインタフェースを設けておくことを開示した。他の方法としては、図15に開示したように、デュアル機の中にパラメータを制御する機能を有する制御ユニットを設けて、制御ユニットとHNB、制御ユニットとHeNBを接続するアーキテクチャとしてもよい。制御ユニットがHNBのパラメータを得て、HeNBに通知するようにしてもよい。この場合、例えば、HeNBの代わりに、制御ユニットがHNBに対してパラメータ要求メッセージを送信し、それを受信したHNBは、制御ユニットに対してパラメータを通知する。HNBが制御ユニットにパラメータを通知するトリガは、上述の方法が適用できる。HNBからパラメータを受信した制御ユニットは、HeNBに対してHNBのパラメータを通知する。これによって、HeNBとHNBとの間に直接インタフェースが設けられないような場合でも、HNBのパラメータをHeNBが認識することが可能となる。
この制御機能と前述したカバレッジエリアの調整を行う制御機能とを、同じ制御ユニットに備えるようにしてもよい。これによって、複数の制御ユニットを設ける必要が無く、デュアル機の構成を簡易にすることができる。
次に、本実施の形態におけるCS発呼の方法を開示する。前述のように、従来のCSFBでは、HNBあるいはHeNBが設置された場合の方法については、何ら開示されていない。また、HNB、HeNBが設置された場合に、従来のCSFBの方法をそのまま適用することは不可能である。ここでは、HeNB、HNBが設置された場合について、CS発呼におけるCSFBを実現する方法について開示する。
図21は、PS HOをサポートしている場合のCS発呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。図22は、図21に示すステップST1924の具体的なシーケンスを示す図である。図21および図22では、ステップST1901において、UEがアクティブである場合について示す。
ステップST1902において、UEは、HeNBを介してMMEに対して、拡張サービスリクエストを通知する。HeNBGWがサポートされている場合は、UEは、HeNBとHeNBGWとを介してMMEに、拡張サービスリクエストを通知すればよい。
拡張サービスリクエストを受信したMMEは、ステップST1903において、HeNBに対して、CSFBによってUEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行う。前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知を受信したHeNBは、ステップST1904において、MMEに対して、前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知に対する応答を通知する。またHeNBは、ステップST1905において、UEに3G側へHOを行わせることを決定し、ステップST1906において、UEのHO要求をMMEに対して通知する。
前述のようにHeNBとHNBとをデュアル構成とすることで、HeNBは、デュアル構成のHNBをターゲットセルに設定することが可能となる。また、HNBをターゲットセルに設定することで、ステップST1905のHO開始処理の事前に、UEに、ターゲットセル決定用のメジャメント処理を実行させる必要がなくなる。したがって、UEが拡張サービスリクエストを通知してからCS呼設立までの時間の短縮が可能になる。
ステップST1906のHO要求には、ターゲットセルとしてデュアル構成のHNBの情報を含ませるのではなく、HeNBがデュアル構成のセルである旨の情報を含ませてもよい。また、デュアル構成であるか否かの情報を含ませておいてもよい。例えば1bitの情報としてもよい。また、HeNBのセル識別子を含ませておいてもよい。この方法の場合、予めMMEが、デュアル構成のHeNBとHNBとの対応関係を構築して管理するようにしておく。例えば、デュアル構成のHeNBのセル識別子とHNBのセル識別子とで、対応関係のデータベースを構築しておく。該データベースに、HeNBに関する情報とHNBに関する情報とを入力しておいてもよい。MMEがHNBに関する情報を取得する方法は、前述のLAとTAとのマッピング方法およびそれを用いた連携位置登録の方法を適用すればよい。この方法は、ステップST1902において拡張サービスリクエストが発生した場合に適用するとしてもよい。以上のようにすることによって、HeNBは、ステップST1906で、デュアル構成のHNBをターゲットセルとしてMMEに通知する必要が無くなり、HeNBの処理量の削減を図ることができる。
ステップST1906においてHO要求を受信したMMEは、HOの準備を行う。HOの準備とは、リロケーションの準備、データフォワーディングの準備などである。ステップST1907において、MMEは、3G側のSGSNに対してフォワードリロケーション要求を通知する。SGSNは、ターゲットとなるSGW(以下「ターゲットSGW」または「Target S−GW」という場合がある)を選択し、ステップST1908において、ターゲットSGWに対してリロケーション設定のためのセッション設立要求を通知する。
ステップST1909において、ターゲットSGWは、セッション設立要求に対する応答をSGSNに通知する。SGSNは、3G側での無線回線設立のために、ステップST1910において、HNBGWを介して、ターゲットセルとなるHNB(以下「ターゲットHNB」と言う場合がある)に対してリロケーション要求を通知する。ターゲットHNBは、ステップST1911において、SGSNにリロケーション要求に対する応答を通知する。
リロケーション要求に対する応答を受信したSGSNは、ステップST1912において、SGSNとターゲットSGWとの間のデータフォワーディング用のトンネル設立要求をターゲットSGWに通知する。トンネル設立要求を受信したターゲットSGWは、ステップST1913において、トンネル設立要求に対する応答をSGSNに通知する。
トンネル設立要求に対する応答を受信したSGSNは、ステップST1914において、MMEに対してフォワードリロケーション応答を通知する。フォワードリロケーション応答を受信したMMEは、ステップST1915において、MMEとソースSGW(以下「Source S−GW」という場合がある)との間のデータフォワーディング用のトンネル設立要求をソースSGWに通知する。トンネル設立要求を受信したソースSGWは、ステップST1916において、トンネル設立要求に対する応答をMMEに通知する。
リロケーションおよびデータフォワーディングのための設定が行われた後、ステップST1917において、MMEは、HeNBに対してHOコマンドを通知する。ステップST1918において、HeNBは、UEに対してEUTRANからUTRANへのシステム間HOコマンドを通知する。HOコマンドを受信したUEは、ステップST1919において、ステップST1918でHeNBから通知されたHOコマンドに含まれるターゲットセルに関する情報に従って、ターゲットセルであるHNBに対してアクセスを行う。
本実施の形態では、ステップST1917においてHOコマンドを受信したHeNBが、ステップST1918においてUEに通知するHOコマンドに、ターゲットHNBに関する情報を含ませるようにしておく。ターゲットHNBに関する情報としては、LAI、動作周波数、スクランブリングコード、SI、CSG−ID、またはセルのアクセスモードなど、UEがターゲットHNBにアクセスするために必要な情報とするとよい。
HeNBがターゲットHNBに関する情報をHOコマンドに含ませるようにするためには、HeNBはターゲットHNBに関する情報を認識しておく必要がある。この方法として、前述のLAとTAとのマッピング方法およびそれを用いた連携位置登録の方法で開示した、HeNBがHNBのパラメータを得る方法を適用することが可能である。前述のHeNBがHNBのパラメータを得る方法を適用することによって、HeNBはターゲットセルとなるHNBを決定し、ターゲットHNBに関するパラメータを、UEに通知するHOコマンドに含めることが可能となる。これによって、数多くのHeNB、HNBが設置されたとしても、MMEにおける処理を複雑にすることなく、的確なHNBをターゲットセルとすることができるとともに、ターゲットHNBに対するパラメータをUEに通知することが可能となる。
またUEは、HeNBからターゲットHNBに関するパラメータを受信することで、ターゲットセルをサーチするための処理を簡易化することが可能となる。これによって、HeNBが決定したターゲットセルであるターゲットHNBに対して、少ない遅延時間でアクセスすることが可能となる。
ターゲットHNBに対してアクセスを行ったUEは、必要に応じて、ステップST1920において、HNB、HNBGWを介してMSC/VLRに対して、ロケーションエリアアップデート(Location Area Update:LAU)などの処理を実行する。
ステップST1921において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、CSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBからHNBGWへの通知は、HNBとHNBGWとの間のインタフェースIuhを用いて行われるようにするとよい。
サービスリクエストを受信したHNBGWは、ステップST1922において、MSC/VLRに対して、UEから通知されたCSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBGWからMSC/VLRへの通知は、HNBGWとMSC/VLRとの間のインタフェースIuCSを用いて行われるようにするとよい。ステップST1923において、MSC/VLRとHNBGWとHNBとUEとの間でCS呼の設立が行われる。
ステップST1919におけるUEとターゲットHNBとの間のアクセス処理の完了後は、ステップST1924として、図22に示すHO実行および完了処理が行われる。図22には、HO実行および完了処理のシーケンスの一例を示している。図21のステップST1919で、ターゲットHNBとの間でアクセス処理を行ったUEは、図22のステップST2001において、HNBに対して、UTRANへのHOが完了した旨の通知を行う。
また、図21のステップST1918においてHOコマンドをUEに通知したHeNBは、図22のステップST2002およびステップST2003において、ターゲットHNBに対してデータ転送を行う。具体的には、HeNBはソースSGWへ、ソースSGWはターゲットSGWへ、ターゲットSGWはSGSNへ、SGSNはHNBGWへ、HNBGWはターゲットHNBへ、という順にデータ転送処理を行う。
図22のステップST2004において、ターゲットHNBは、HNBGWを介してSGSNに対してリロケーション完了通知を送信する。リロケーション完了通知を受信したSGSNは、ステップST2005において、MMEに対してリロケーション完了通知を送信する。リロケーション完了通知を受信したMMEは、ステップST2006において、SGSNに対してリロケーション完了通知に対する応答(以下「リロケーション完了通知応答」という場合がある)を送信する処理を行う。
ステップST2006においてリロケーション完了通知応答を受信したSGSNは、ステップST2007において、ターゲットSGWに対してベアラ設定の修正要求を通知する。ベアラ設定の修正要求を受信したターゲットSGWは、ステップST2008において、PDNGWに対してSGSNから通知されたベアラ設定の修正要求を通知する。
ステップST2008でベアラ設定の修正要求を受信したPDNGWは、ステップST2009において、ターゲットSGWに対して、ベアラ設定の修正要求に対する応答を通知する。またステップST2007でベアラ設定の修正要求を受信したターゲットSGWは、ステップST2010において、SGSNに対して、ベアラ設定の修正要求に対する応答を通知する処理を行う。
ベアラ設定の修正要求の通知処理およびベアラ設定の修正要求に対する応答の通知処理が終了した後は、ステップST2011において、UEと、HNBと、SGSNと、ターゲットSGWと、PDNGWとの間で、ULデータおよびDLデータが送受信される。
また、ステップST2012において、MMEは、ソースSGWに対してセッションデリート要求を通知する。セッションデリート要求を受信したソースSGWは、ステップST2014において、MMEに対して、セッションデリート要求に対する応答を通知する。
また、ステップST2015において、MMEは、ソースSGWに対してデータフォワーディング用のトンネルのデリート要求を通知する。前記トンネルのデリート要求を受信したソースSGWは、ステップST2016において、MMEに対して、前記トンネルのデリート要求に対する応答を通知する。
また、ステップST2013において、MMEは、HeNBとの間でリソースのリリース処理を行う。また、ステップST2017において、SGSNは、ターゲットSGWに対してデータフォワーディング用のトンネルのデリート要求を通知する。前記トンネルのデリート要求を受信したターゲットSGWは、ステップST2018において、SGSNに対して前記トンネルのデリート要求に対する応答を通知する。
HNB、HeNBは、CSGをサポートするために、CSGアクセス制御が必要となる。したがって、UEに対してHeNBからターゲットHNBへCSFBが行われる際に、どのノードがアクセス制御を行うのか、またその際のアクセス制御を行うための方法はどうするのかが問題となる。ここでは、ターゲットHNBへのCSGアクセス制御の方法を開示する。
アクティブ状態のUEは、既にHeNBに対してはCSGアクセス制御が行われている。図21のステップST1906に示すように、HeNBは、MMEに対してHO要求を通知する。HeNBは、このHO要求メッセージに、ターゲットHNBのCSG−ID情報を含めてMMEに通知するようにする。HO要求メッセージを受信したMMEは、HOを行うUEの許可CSGリストのCSG−IDと、ターゲットHNBのCSG−IDとを比較する。UEの許可CSGリストに、ターゲットHNBのCSG−IDが含まれている場合は、MMEは、ターゲットHNBへのアクセスを許可する。UEの許可CSGリストに、ターゲットHNBのCSG−IDが含まれていない場合は、MMEは、ターゲットHNBへのアクセスを拒否する。
UEの許可CSGリストとしては、HSSによって管理されているものを用いてもよい。その場合、MMEは、HSSに該UEの許可CSGリストを問い合わせればよい。
ターゲットHNBへのアクセスを許可したMMEは、ステップST1907の処理を行う。ターゲットHNBへのアクセスを拒否したMMEは、続くステップST1907の処理を行わない。この際に、MMEはHeNBに対してアクセス拒否のメッセージを通知してもよい。これによって、HeNBは、MMEによりHNBへのアクセスが拒否されたことを認識することができ、UEに対してアクセス拒否された旨のメッセージを通知することが可能となる。HeNBからアクセス拒否のメッセージを通知されたUEは、それをもって、拡張サービス要求が失敗したことを認識することが可能となり、CS発呼の失敗を認識することができる。
アクセス拒否のメッセージに、CSGアクセス制御による拒否である旨の情報をのせるようにしてもよい。これによって、UEは、CS発呼の失敗の理由がCSGアクセス制御による拒否であることを認識することが可能となる。
このようなCSGアクセス制御の方法とすることで、HeNBからHNBへのCSFBにおいて、HNBに対するCSGアクセス制御が可能となる。したがって、CSGをサポートするHNB、HeNBにおいてCSFBを行うことが可能となる。
以上に述べたCSGアクセス制御の方法では、図21のステップST1906のHO要求メッセージに、ターゲットHNBのCSG−ID情報を含めてMMEに通知することを開示した。これを実現するためには、HeNBがHNBのCSG−ID情報を認識しておく必要がある。この方法には、既に本実施の形態で開示した、HeNBがHNBのパラメータを得る方法を適用すればよい。HeNBがHNBのパラメータを得るために、HeNBとHNBとの間に新たなインタフェースを設けてHNBとHeNBとの間でパラメータを送受信する方法、ならびにデュアル機の中にパラメータを制御する機能を有する制御ユニットを構成し、制御ユニットとHNB、および制御ユニットとHeNBを接続して、制御ユニットを介してHNBとHeNBとの間でパラメータを送受信する方法などが適用できる。
また、MMEが、CSGアクセス制御を、HO要求メッセージを受信した際に行うのではなく、拡張サービスリクエストを受信した際に行うようにしてもよい。図21のステップST1902において、UEからの拡張サービスリクエストを受信したHeNBは、ターゲットセルとするHNBを決定し、拡張サービスリクエストに、ターゲットHNBのCSG−ID情報を含めてMMEに通知する。
MMEは、拡張サービスリクエストメッセージに含まれる、拡張サービス要求を通知したUEの許可CSGリストのCSG−IDと、ターゲットHNBのCSG−IDとを比較する。UEの許可CSGリストに、ターゲットHNBのCSG−IDが含まれている場合は、MMEは、ターゲットHNBへのアクセスを許可する。UEの許可CSGリストに、ターゲットHNBのCSG−IDが含まれていない場合は、MMEは、ターゲットHNBへのアクセスを拒否する。
UEの許可CSGリストとしては、HSSによって管理されているものを用いてもよい。その場合、MMEは、HSSに該UEの許可CSGリストを問い合わせればよい。
ターゲットHNBへのアクセスを許可したMMEは、ステップST1903の処理を行う。ターゲットHNBへのアクセスを拒否したMMEは、続くステップST1903の処理を行わない。この際に、MMEは、HeNBに対してアクセス拒否のメッセージを通知してもよい。これによって、HeNBは、MMEによりHNBへのアクセスが拒否されたことを認識することができ、UEに対してアクセス拒否された旨のメッセージを通知することが可能となる。アクセス拒否された旨を示すためのメッセージとしては、例えば拡張サービスリクエスト拒否メッセージとしてもよいし、拡張サービスリクエスト拒否メッセージにアクセス拒否された旨の情報をのせるようにしてもよい。
HeNBからアクセス拒否のメッセージを通知されたUEは、それをもって、拡張サービス要求が失敗したことを認識することが可能となり、CS発呼の失敗を認識することができる。
アクセス拒否のメッセージあるいは拡張サービスリクエスト拒否メッセージに、CSGアクセス制御による拒否である旨の情報をのせるようにしてもよい。これによって、UEは、CS発呼の失敗の理由がCSGアクセス制御による拒否であることを認識することが可能となる。
CSGとして、クローズドアクセスモード(以下、単に「クローズドモード」という場合がある)と、ハイブリッドアクセスモード(以下、単に「ハイブリッドモード」という場合がある)とがあることは既に述べた。ハイブリッドモードをサポートするためには、以下に開示する方法を用いるとよい。
HeNBがMMEに通知するHO要求や拡張サービスリクエストに、ターゲットHNBのCSG−ID情報に加えて、ターゲットHNBがハイブリッドモードである旨の情報、あるいはターゲットHNBのアクセスモード情報をのせる。
ハイブリッドモードのセルは、クローズドモードおよびオープンモードのどちらのモードでの動作も可能である。したがって、UEは、HNBに対して、クローズドモードのアクセスだけでなく、オープンモードのアクセスも可能となる。これらのモードの違いで、HNBへのアクセス制御は異なる。
クローズドモードのアクセスの場合は、上述した方法と同じだが、オープンモードでのアクセスの場合は、UEの許可CSGリストに、HNBのCSG−IDが存在しなくても、HNBへのアクセスは許可される。MMEが、このモードの違いによるアクセス制御の判断を可能とするために、HeNBがHO要求メッセージあるいは拡張サービスリクエストに、HNBがハイブリッドモードである旨の情報あるいはHNBのアクセスモード情報をのせる。
HeNBは、既に本実施の形態で開示した、HeNBがHNBのパラメータを得る方法によって、HNBがハイブリッドモードである旨の情報、あるいはHNBのアクセスモード情報を得ることができる。
ここで開示した方法により、HNBまたはHeNBがハイブリッドモード対応であっても、CSFBを行うことが可能となる。
HeNBは、ターゲットのHNBがハイブリッドモードである場合にのみ、ターゲットHNBがハイブリッドモードである旨の情報、あるいはHNBのアクセスモード情報をのせるようにしてもよい。これによって、ターゲットHNBがクローズドモードの場合には、モード情報をMMEに通知する必要がなくなるので、シグナリング量の削減を図ることができる。
次に、HeNBおよびHNBが設置された場合のCSFBを実現するためのCSGアクセス制御方法について、他の方法を開示する。
デュアル構成を有するHNBおよびHeNBのCSG−IDを同じにする。すなわち、デュアル構成のHNBとHeNBとは、同じCSGに属するように設定する。これによって、デュアル構成のHeNBからHNBへは、CSGアクセス制御をすることなく、CSFBを行うことが可能となる。
この場合、HeNBがHO要求メッセージや拡張サービスリクエストメッセージに、HeNBがデュアル構成である旨の情報、ターゲットHNBがデュアル構成をなすHNBである旨の情報、およびHeNBとHNBとが同じCSG−IDである旨の情報の少なくともいずれか一つの情報を含めて、MMEに通知するようにするとよい。これによって、MMEは、拡張サービスリクエストあるいはHO要求を通知したHeNBがデュアル構成であること、およびターゲットHNBがデュアル構成をなすHNBであることの少なくともいずれか一方を認識することができる。したがって、上記の情報に基づいて、MMEは、HeNBとデュアル構成をなすHNBに対して、CSGリストによる照合を行わなくても、CSGアクセスを許可する判断を行うことが可能となる。
HO要求メッセージや拡張サービスリクエストメッセージに、上記の情報が含まれていない場合は、MMEは、HeNBがデュアル機でないと判断し、CSGアクセス制御による許可CSGリストとの照合を行うようにすればよい。これによって、デュアル機とシングル機とが混在するようなシステムにおいても、CSGアクセス制御を伴うCSFBを行うことが可能となる。
以上のようにすることによって、MMEは、CSGアクセス許可の判断に要する遅延時間を削減することが可能となる。したがって、UEが拡張サービスリクエスト送信後、HNBとのCS回線の設立までの時間を短縮することが可能となる。
以上の一連の処理により、HeNBおよびHNBが設置された場合について、CS発呼におけるCSFBが可能となる。
図21および図22で開示した例では、PS HOをサポートしている場合について示した。次に、PS HOをサポートしていない場合のCSFBの方法を開示する。図23は、PS HOをサポートしていない場合のCS発呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。図23では、ステップST2101において、UEがアクティブである場合について示す。
ステップST2102において、UEは、HeNBを介してMMEに対して、拡張サービスリクエストを通知する。HeNBGWがサポートされている場合は、UEは、HeNBとHeNBGWとを介してMMEに、拡張サービスリクエストを通知すればよい。
拡張サービスリクエストを受信したMMEは、ステップST2103において、HeNBに対して、CSFBによってUEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行う。またMMEは、前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行う際に、コアネットワーク(CN)側がPS HOをサポートしていない旨の情報、あるいはPS HOのサポートの有無の情報を含めておく。これによって、前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知を受信したHeNBは、CN側のPS HOのサポートの有無を認識することが可能となり、UEに対してHOを起動するか、RRC接続リリースを起動するかの判断が可能となる。
また、MMEは、前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行う際に、RRC接続リリース後のUEのリセレクション先となるターゲットセルの情報を含めておく。ターゲットセルの情報としては、ターゲットセルとなるHNBをリセレクションさせるために必要となるパラメータとしてもよい。これらの情報は、CSFBによりUEを3G側にアクセスさせる旨の情報を含めたメッセージと一緒に含めるようにしてもよいし、別のメッセージに含めるようにしてもよい。
ステップST2104において、HeNBは、MMEに対して前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知に対する応答を通知する。
ステップST2103において、MMEからUEをCSFBによって3G側にアクセスさせる旨の情報と、CNがPS HOをサポートしていない旨の情報とを受信したHeNBは、ステップST2105において、UEに対してRRC接続リリースメッセージを通知する。HeNBは、RRC接続リリースメッセージに、ステップST2103においてMMEから受信したRRC接続リリース後のUEのリセレクション先となるターゲットセルの情報を含ませておく。
ステップST2106において、HeNBは、MMEに対してUEコンテキストリリース要求メッセージを通知する。UEコンテキストリリース要求メッセージを受信したMMEは、ステップST2107において、HeNBに対してUEコンテキストリリース処理を実行させ、HeNBはUEコンテキストをリリースする。また、SGWもHeNBに関連する情報をリリースする。
ステップST2105において、RRC接続リリースメッセージを受信したUEは、RRC接続リリースメッセージに含まれるターゲットセルに関する情報に従って、ステップST2108において、ターゲットセルであるHNBに対してアクセスを行う。
これによって、ステップST2108における3G側のセルへのアクセス処理の事前に、UEに、ターゲットセル決定用のメジャメント処理を実行させなくてもよくなる。したがって、UEが拡張サービスリクエストを通知してからCS呼設立までの時間を短縮することが可能となる。
ステップST2108において、ターゲットHNBに対してアクセスを行ったUEは、ステップST2109において、必要に応じてHNBおよびHNBGWを介してMSC/VLRに対して、LAUなどの処理を実行する。
ステップST2110において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、CSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBからHNBGWへの通知は、HNBとHNBGWとの間のインタフェースIuhを用いて行われるようにするとよい。前記CSサービスのサービスリクエストを受信したHNBGWは、ステップST2111において、MSC/VLRに対して、UEから通知されたCSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBGWからMSC/VLRへの通知は、HNBGWとMSC/VLRとの間のインタフェースIuCSを用いて行われるようにするとよい。ステップST2112において、MSC/VLRとHNBGWとHNBとUEとの間でCS呼の設立が行われる。
CSGアクセス制御方法については、前述のPS HOのサポートが無い場合の説明で開示したCSGアクセス制御の方法を適用することができる。例えば、ステップST2102の拡張サービスリクエストに、ターゲットHNBのCSG−IDを含めて、拡張サービスリクエストを受信したMMEが、CSG−IDに基づいてCSGアクセス制御を行うようにすればよい。また同様に、ハイブリッドモードをサポートする場合の方法についても適用可能である。また同様に、デュアル構成を有するHNBおよびHeNBのCSG−IDを同じにする方法も適用可能である。
また、別の方法として、ステップST2109の処理の例えばLAU要求メッセージ、あるいはステップST2110およびステップST2111のCSサービスのサービスリクエストに、HNBがHNBのCSG−IDを含めてMSC/VLRに通知するようにしてもよい。これらのメッセージを受信したMSC/VLRが、UEの許可CSGリストにHNBのCSG−IDが存在するかどうかを判断することによって、CSGアクセス制御を行うことが可能となる。UEの許可CSGリストとしては、HSSによって管理されているものを用いてもよい。その場合、MSC/VLRは、HSSに問い合わせればよい。ハイブリッドモードへの対応は、前述した方法を適用することができる。この方法は、PS HOのサポートがある場合にも適用可能である。
このようなCSGアクセス制御の方法とすることで、HeNBからHNBへのCSFBにおいて、HNBに対するCSGアクセス制御が可能となる。したがって、CN側でPS HOをサポートしていない場合も、CSGをサポートするHNBおよびHeNBにおいてCSFBを行うことが可能となる。
上述した方法では、RRC接続リリース後のUEのリセレクション先となるターゲットセルの情報をMMEが設定して、例えばステップST2103の前記UEを3G側にアクセスさせる旨のメッセージに、前記ターゲットセルの情報を含めてHeNBに通知する方法を開示した。
しかし、直接HNBとMMEとの間を接続するインタフェースが無いので、MMEがターゲットセルとなるHNBの情報を取得する処理は複雑になる。また数多くのHNBが設置された場合、MMEに接続される全てのHNBのパラメータを取得して管理する処理は複雑になる。
そこで、HeNBがターゲットセルとなるHNBの情報を取得しておき、RRC接続リリース後のUEのリセレクション先となるターゲットセルの情報として設定して、UEにRRC接続リリースメッセージを通知する際に、ターゲットHNBに関する情報を通知しておくようにする。また、HeNBとHNBとをデュアル構成とすることで、HeNBは、デュアル構成のHNBをターゲットセルに設定することが可能となる。
例えば、ステップST2103において、MMEは、UEをCSFBによって3G側にアクセスさせる旨の情報と、CNがPS HOをサポートしていない旨の情報とをHeNBに対して通知する。これらの情報を受信したHeNBは、ステップST2105のRRC接続リリースメッセージに、RRC接続リリース後のUEのリセレクション先となるターゲットセルの情報を含めてUEに通知すればよい。
HeNBがターゲットセルとなるHNBの情報を取得する方法や、そのトリガ方法、あるいはターゲットセルとなるHNBをリセレクションさせるために必要となるパラメータなどは、前述のPS HOをサポートする場合の例で開示した方法を用いればよい。
以上のようにすることによって、HeNBがターゲットセルとするHNBの情報を設定することができるので、HNBの情報をMMEが設定する必要が無くなる。したがって、システムとしての複雑化の回避およびシグナリング量の削減を図ることが可能となる。また、UEはターゲットセルをサーチするための処理を簡易化することが可能となり、HeNBが決定したターゲットセルであるターゲットHNBに対して、少ない遅延時間でアクセスすることが可能となる。
以上の一連の処理により、HeNBおよびHNBが設置された場合について、PS HOがサポートされていない場合でも、CS発呼におけるCSFBが可能となる。
上述した方法では、UEがアクティブモードの場合について説明した。一方、UEがアイドルモードの場合については、従来の方法として、アイドルモードのUEがアクティブモードに移行した後に、MMEに拡張サービスリクエストを通知した後のCS発呼の場合と同じ処理を行う方法を説明した。この方法の一つとして、3GPP S2−102595(以下「非特許文献11」という)に示すように、PS HO時にシグナリング用のリソースベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)のみを設定するSRB only PS HOという方法が提案されている。しかし、非特許文献11においても、HNBおよびHeNBが設置された場合の音声サービスのサポート方法については、何ら開示されていない。したがって、このSRB only PS HOをそのまま適用しただけでは、HeNBでLTEサービスを提供されていたユーザは、音声発着信を行うことが不可能となる。
ここでは、本実施の形態で開示したアクティブモードのUEのCS発呼の場合のCSFB方法を用いて、該方法にSRB only PS HOを適用することで、アイドルモードのUEの場合にもCSFBを実現可能にする方法を開示する。
図24は、UEがアイドルモードの場合のCSFBのシーケンスの一例を示す図である。図24では、ステップST2201において、UEがアイドルである場合について示す。
CS発呼を行うUEは、ステップST2202において、HeNBに対して、RRC接続要求などのアクセス処理を行う。HeNBに対してアクセス処理を完了したUEは、ステップST2203において、HeNBを介してMMEに対して、サービスリクエストを通知する。その後、ステップST2204において、UE、MME、HSSで認証および秘匿処理を行う。
ステップST2205において、MMEは、HeNBに対して、初期コンテキストのセットアップ要求メッセージを通知する。コンテキストセットアップ要求メッセージを受信したHeNBは、ステップST2206において、UEに対して必要な無線ベアラの設立を行う。その後、ステップST2207において、UEは、HeNBとソースSGWとPDNGWとに対してデータの通信を行う。
データ通信をする必要が無い場合は、データ用の無線ベアラの設立を行わないようにしてもよい。例えば、CS発呼によるRRC接続要求、またはサービスリクエストであった場合、データ用の無線ベアラの設立を行わないようにしてもよい。このために、RRC接続要求、またはサービスリクエストに、CS発呼による旨の情報を含めておくとよい。これによってMMEまたはHeNBは、判断可能となり、CS発呼による場合は、データ用の無線ベアラの設定を行わないようにし、そうで無い場合は、データ用の無線ベアラの設定を行うようにする。
ステップST2208において、HeNBは、初期コンテキストセットアップ完了メッセージをMMEに通知する。ステップST2209において、MMEは、ソースSGWに対して、ソースSGWとの間で必要となるベアラの修正要求を通知する。ステップST2210において、ソースSGWは、MMEに対して、ベアラの修正要求に対する応答を通知する。ステップST2211において、UEは、アイドルモードからアクティブモードに移行する。
UEがアクティブモードに移行した後に、ステップST2212において、UEは、HeNBを介してMMEに対して、拡張サービスリクエストを通知する。HeNBGWがサポートされている場合は、UEは、HeNBとHeNBGWとを介してMMEに、拡張サービスリクエストを通知すればよい。
拡張サービスリクエストを受信したMMEは、ステップST2213において、HeNBに対して、CSFBによってUEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行う。ステップST2214において、HeNBは、MMEに対して、前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知に対する応答を通知する。またHeNBは、ステップST2215において、UEにHOを行わせることを決定する。この際、HeNBとHNBをデュアル構成とすることで、HeNBは、デュアル構成のHNBをターゲットセルと設定することが可能となる。また、このように構成することで、ステップST2215のHO開始処理の事前に、UEに、ターゲットセル決定用のメジャメント処理を実行させなくてもよくなる。したがって、UEが拡張サービスリクエストを通知してからCS呼設立までの時間を短縮することが可能となる。
また、ステップST2215において、HeNBは、UEとHeNBとの間でデータ用のベアラの設立が行われているか否かを判断する。データ用のベアラの設立が行われている場合は、データ用のベアラの設立を必要とするHOを行う。この方法としては、先に開示したアクティブモードのUEのCSFB方法を行う。
データ用のベアラの設立が行われていない場合は、CSFBのためのデータ用のベアラの設立を必要としないHOであるSRB only PS HOを行う。この場合、ステップST2216において、HeNBは、HO要求メッセージをMMEに通知する。HO要求メッセージに、データ用のベアラ設立を必要としないHOである旨の情報、あるいは該データ用のベアラの設立を必要としないHOであるか否かを示す情報を含めておく。MMEは、この情報を受信することで、データ用のベアラの設立を必要とするか否かを判断し、どちらのHOを行うかを決定する。データ用のベアラの設立を必要としないHO(SRB only PS HO)を行う場合、MMEは、CN側でのデータフォワーディング用のベアラ設立を行わなくて済むようにする。
MMEは、ステップST2217において、3G側のSGSNに対してフォワードリロケーション要求メッセージを通知する。フォワードリロケーション要求メッセージに、データ用のベアラ設立を必要としないHOである旨の情報を含めておく。この情報に基づいてSGSNは、図21のステップST1908、ステップST1909に示す処理を行わない判断をする。
SGSNは、3G側での無線回線設立のために、ステップST2218において、HNBGWを介してターゲットセルとなるHNBに対して、リロケーション要求メッセージを通知する。リロケーション要求メッセージに、データ用のベアラ設立を必要としないHOである旨の情報を含めておいてもよい。HNBは、ステップST2219において、HNBGWを介してSGSNに、リロケーション要求に対する応答を通知する。リロケーション要求に対する応答を受信したSGSNは、ステップST2217において受信したデータ用のベアラ設立を必要としないHOである旨の情報に基づいて、図21のステップST1912、ステップST1913で示すSGSNとターゲットSGWとの間のデータフォワーディング用のトンネル設立を行わない判断をする。
ステップST2220において、SGSNは、MMEに対して、フォワードリロケーション応答を通知する。フォワードリロケーション応答メッセージに、データ用のベアラ設立を必要としないHOである旨の情報を含めておいてもよい。MMEは、ステップST2216あるいはステップST2220において受信したベアラ設立を必要としないHOである旨の情報に基づいて、図21のステップST1915、ステップST1916で示すMMEとソースSGWとの間のデータフォワーディング用のトンネル設立を行わない判断をする。
ステップST2221において、MMEは、HeNBに対して、HOコマンドを通知し、ステップST2222において、HeNBは、UEに対して、HOコマンドを通知する。HOコマンドを受信したUEは、ステップST2223において、HOコマンドに含まれるターゲットセルに関する情報に従って、ターゲットセルであるHNBに対してアクセスを行う。
ステップST2221においてHOコマンドを受信したHeNBが、ステップST2222においてUEに通知するHOコマンドに、ターゲットHNBに関する情報を含ませるようにしてもよい。HOコマンドに、ターゲットHNBに関する情報を含ませるためには、HeNBは、UEにターゲットHNBに対してアクセスさせるためのターゲットHNBに関する情報を認識しておく必要がある。この方法は、先に開示した方法を適用することができる。HOコマンドに、ターゲットHNBに関する情報を含ませることによって、UEは、ターゲットセルをサーチするための処理を簡易化することが可能となり、HeNBが決定したターゲットセルであるターゲットHNBに対して、少ない遅延時間でアクセスすることが可能となる。
HNBに対してアクセスを行ったUEは、必要に応じてステップST2224において、HNBおよびHNBGWを介してMSC/VLRに対して、LAUなどの処理を実行する。ステップST2225において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、CSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBからHNBGWへの通知は、HNBとHNBGWとの間のインタフェースIuhを用いて行われるようにするとよい。CSサービスのサービスリクエストを受信したHNBGWは、ステップST2226において、MSC/VLRに対して、UEから通知されたCSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBGWからMSC/VLRへの通知は、HNBGWとMSC/VLRとの間のインタフェースIuCSを用いて行われるようにするとよい。ステップST2227において、MSC/VLRとHNBGWとHNBとUEとの間でCS呼の設立が行われる。
ステップST2223におけるUEとターゲットHNBとの間のアクセス処理の完了後は、HO実行および完了処理が行われる。具体的には、ステップST2228において、UEは、ターゲットHNBに対してHO完了通知を行う。ステップST2229において、ターゲットHNBは、HNBGWを介してSGSNに対して、リロケーション完了を通知する。
リロケーション完了通知を受信したSGSNは、ステップST2230において、MMEに対して、リロケーション完了通知を送信する。リロケーション完了通知を受信したMMEは、ステップST2231において、SGSNに対して、リロケーション完了通知応答を送信する。
ステップST2231においてリロケーション完了通知応答を受信したSGSNは、この処理がデータ用のベアラ設立を必要としないHOである場合は、図22のステップST2007、ステップST2008、ステップST2009、ステップST2010に示すターゲットSGWおよびPDNGWに対するベアラ設定処理、ステップST2012、ステップST2014に示すMMEとソースSGWとの間でのセッション設立要求のデリート処理、ステップST2015、ステップST2016に示すMMEとソースSGWとの間でのデータフォワーディング用のトンネル設立のデリート処理、ならびにステップST2017、ステップST2018に示すSGSNとターゲットSGWとの間でのデータフォワーディング用のトンネル設立のデリート処理を行わないと判断する。ステップST2232において、MMEは、HeNBとの間でリソースのリリース処理を行う。
HNBおよびHeNBは、CSGをサポートするためにCSGアクセス制御が必要となるが、この方法は先に開示した方法を適用すればよく、これによって同様の効果が得られる。
以上のように、本実施の形態で開示したアクティブモードのUEのCS発呼の場合のCSFB方法を用いて、該方法にSRB only PS HOを適用することで、アイドルモードのUEの場合にもCSFBを実現することができる。また、SRB only PS HOを適用することによって、データフォワーディング用の設定、例えばトンネル設立などが不要となり、データフォワーディングが不要となるので、CSFBにおけるHO制御を簡易にすることが可能となる。
また、別の方法として、CS発呼を行うアイドルモードのUEが、ステップST2203において、HeNBを介してMMEに対して通知するサービスリクエストを、拡張サービスリクエストとしてもよい。すなわち、拡張サービスリクエストに、CS発呼である旨あるいはCSFBである旨を示す情報を含ませておいてもよい。この場合、ステップST2205およびステップST2208において、MMEは、HeNBとのコンテキストのセットアップ処理を行う。また、ステップST2209およびステップST2210において、MMEは、ソースSGWとのベアラ修正処理を行う。その後に、ステップST2213において、MMEは、HeNBに対して、CSFBによってUEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行う。
MMEは、ステップST2203において、既に拡張サービスリクエストを受信しているので、再度ステップST2212において、拡張サービスリクエストメッセージをUEから受信する必要が無く、直ちにHeNBに、CSFBのためにUEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行うことができる。これによって、UEもステップST2212において、拡張サービスリクエストをMMEに通知する必要が無くなる。したがって、これらの処理に要する遅延時間を削減することが可能となり、アイドルモードのUEが、HeNBにアクセスしてからHNBへCSFBを完了するまでの遅延時間を短縮することが可能となる。また、この場合のCSGアクセス制御は、ステップST2203においてサービスリクエストを受信したMMEが行うようにしてもよい。この場合、先に開示した拡張サービスリクエストを受信したMMEが行う方法を適用すればよく、これによって同様の効果が得られる。
HNBおよびHeNBが設置された場合において、アイドルモードのUEをCSFB可能にするための別の方法を開示する。図25は、UEがアイドルモードの場合のCSFBのシーケンスの他の例を示す図である。図25は、図24に類似しているので、図24に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST2213において、MMEからCSFBによってUEを3G側にアクセスさせる旨の通知を受信し、ステップST2214において、MMEに対して前記UEを3G側にアクセスさせる旨の通知に対する応答を通知したHeNBは、UEとHeNBとの間でデータ用のベアラの設立が行われているか否かを判断する。データ用のベアラの設立が行われている場合は、先に開示したアクティブモードのUEのCSFB方法を行うように決定する。データ用のベアラの設立が行われていない場合は、RRC接続リリースによるセルリセレクションを行わせるように決定する。RRC接続リリースによるセルリセレクションでは、PS HOを行う必要が無くなるので、PSドメインのデータ用のデータフォワーディングに要する処理を省略することができる。これによって、システムとしてのCSFBの処理の簡略化、およびCSFBに要する遅延時間の削減を図ることが可能となる。
UEにRRC接続リリースを行わせることを決定したHeNBは、ステップST2301において、UEに対して、RRC接続リリースメッセージを通知する。
ここで、MMEがRRC接続リリースによるセルリセレクションを行わせるように決定してもよい。ステップST2212でUEからの拡張サービスリクエストを受信したHeNBが、該UEとの間でデータ用のベアラの設立が行われているか否かを判断し、その結果を示す情報をMMEに通知するようにしてもよい。該情報を、HeNBは、ステップST2212の拡張サービスリクエストに含めてMMEに通知するようにしてもよい。MMEが該情報を基に、該UEにRRC接続リリースによるセルリセレクションを行わせることを判断し、RRC接続リリースによるセルリセレクションを行わせる旨の情報を、ステップST2213の、CSFBによりUEを3G側にアクセスする旨の通知に含めてHeNBに通知するようにしてもよい。該通知に従って、HeNBは、該UEとの間でRRC接続リリースを行い、セルリセレクションを行わせる。
HeNBがUEにRRC接続リリースメッセージを通知する際に、ターゲットHNBに関する情報を通知しておくようにする。
HeNBがターゲットセルとなるHNBの情報を取得する方法や、そのトリガ方法、あるいはターゲットセルとなるHNBをリセレクションさせるために必要となるパラメータなどは、前述の開示した方法を用いればよい。
この際、HeNBとHNBとをデュアル構成とすることで、HeNBは、デュアル構成のHNBをRRC接続リリース後のセルリセレクションのターゲットセルに設定することが可能となる。また、デュアル構成のHNBをRRC接続リリース後のセルリセレクションのターゲットセルに設定することによって、ステップST2301のRRC接続リリース通知処理の事前に、UEに、ターゲットセル決定用のメジャメント処理を実行させなくてもよくなる。したがって、UEが拡張サービスリクエストを通知してからCS呼設立までの時間を短縮することが可能となる。
ステップST2302において、HeNBは、MMEに対して、UEコンテキストリリース要求メッセージを通知する。ステップST2303において、MMEは、HeNBに対して、UEコンテキストリリースを通知し、HeNBは、UEコンテキストリリース処理を行う。
ステップST2304において、UEは、ステップST2301のRRC接続リリースメッセージに含まれるターゲットセルに関する情報に従って、ターゲットセルであるHNBに対してアクセスを行う。前述のようにRRC接続リリースメッセージに、ターゲットセルに関する情報が含まれるようにしているので、UEは、ターゲットセルをリセレクションするための処理を簡易化することが可能となり、HeNBが決定したターゲットセルであるターゲットHNBに対して、少ない遅延時間でアクセスすることが可能となる。
ステップST2301のRRC接続リリースメッセージに、ターゲットセルに関する情報が含まれるようにするためには、HeNBは、UEにターゲットHNBに対してアクセスさせるためのターゲットHNBに関する情報を認識しておく必要がある。この方法には、先に開示した方法を適用することができる。
ステップST2304においてHNBに対してアクセスを行ったUEは、必要に応じてステップST2305において、HNBおよびHNBGWを介してMSC/VLRに対して、LAUなどの処理を実行する。ステップST2306において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、CSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBからHNBGWへの通知は、HNBとHNBGWとの間のインタフェースIuhを用いて行われるようにするとよい。CSサービスのサービスリクエストを受信したHNBGWは、ステップST2307において、MSC/VLRに対して、UEから通知されたCSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBGWからMSC/VLRへの通知は、HNBGWとMSC/VLRとの間のインタフェースIuCSを用いて行われるようにするとよい。ステップST2308において、MSC/VLRとHNBGWとHNBとUEとの間でCS呼の設立が行われる。
HNBおよびHeNBは、CSGをサポートするためにCSGアクセス制御が必要となるが、この方法には、先に開示した方法を適用すればよく、これによって同様の効果が得られる。
以上の一連の処理により、HeNBおよびHNBが設置された場合について、アイドルモードのUEがCS発呼した場合におけるCSFBが可能となる。
また、ここで開示した方法はPSドメインのHOを必要としないので、PS HOのサポートがある場合および無い場合のいずれの場合にも適している。このようにPS HOのサポートの有無に拘わらず同じ方法で行えるので、拡張サービスリクエストを受信したMMEは、CN側がPS HOをサポートしているか否かの判断を行う必要がなくなる。したがって、MMEにおける処理を簡易にすることができる。また、MMEがHeNBに通知する、UEを3G側にアクセスさせる旨のメッセージに、PS HOをサポートしていない旨の情報、あるいはPS HOのサポートの有無の情報を含める必要がなくなる。これによって、MMEとHeNBとの間のシグナリング量を削減できるという効果が得られる。
HNBおよびHeNBが設置された場合において、アイドルモードのUEをCSFB可能にするための別の方法を開示する。前述の例においては、アイドルモードのUEが一旦アクティブモードに移行した後に、HNBにアクセスする方法を開示した。この例においては、UEがアクティブモードに移行せずにHNBにアクセスすることで、CSFBが行われる方法を開示する。図26は、UEがアクティブモードに移行せずにCSFBを行うシーケンスの例を示す図である。図26では、ステップST2401において、UEがアイドルである場合について示す。
ステップST2402において、CS発呼を行うUEは、HeNBに対して、RRC接続要求などのアクセス処理を行う。HeNBに対してアクセス処理を完了したUEは、ステップST2403において、HeNBを介してMMEに対して、拡張サービスリクエストを通知する。この拡張サービスリクエストに、UEの状態を示す情報を含めるようにする。例えば、UEの状態を示す情報を1ビット(bit)として、「1」の場合には、UEはアイドルモードであるとし、「0」の場合には、UEはアクティブモードであるとする。UEの状態を示す情報は、HeNBが拡張サービスリクエストメッセージに含めるようにしてもよい。拡張サービスリクエストに、UEの状態を示す情報を含めるようにすることによって、拡張サービスリクエストを受信したMMEがUEの状態を認識することが可能となる。
また、MMEが拡張サービスリクエストを通知したUEの状態を判断する方法として、該UEに対してUEコンテキストの設定を行っている状態か否か、または、無線ベアラ等の初期コンテキストの設定を行っている状態か否かで、UEの状態を判断するようにしてもよい。UEコンテキストの設定を行っている状態の場合、または無線ベアラ等の初期コンテキストの設定を行っている状態の場合は、該UEはアクティブモードであると判断し、UEコンテキストの設定を行っていない状態かつ無線ベアラ等の初期コンテキストの設定を行っていない状態の場合は、該UEはアイドルモードであると判断するようにしてもよい。これによって、拡張サービスリクエストに、UEの状態を示す情報を含める必要が無くなる。
ステップST2403において拡張サービスリクエストを受信したMMEは、UEがアクティブモードの場合は、図21から図23に開示した方法を用いてCSFBを行わせる。UEがアイドルモードの場合は、MMEは、ステップST2404において、HeNBに対して、CSFBによってUEを3G側にアクセスさせる旨の通知を行う。本例では、UEを3G側にアクセスさせる旨のメッセージに、UEがアイドルのまま、RRC接続のリリースを指示する旨の情報をのせる。RRC接続のリリースを指示する旨の情報に代えて、UEコンテキストの設定を行わない旨の情報、またはUEとHeNBとの間でUEがアクティブモードに移行するための無線ベアラの設定を行わない旨の情報をのせてもよい。HeNBは、これらの情報を含む、UEを3G側にアクセスさせる旨のメッセージを受信すると、ステップST2405において、MMEに対して、UEを3G側にアクセスさせる旨の通知に対する応答を通知する。
また、HeNBは、ステップST2405において、UEのモードと、MMEから受信した、CSFBによってUEを3G側にアクセスさせる旨の情報から、UEに対してアクティブモードに移行させずにRRC接続リリースを行わせることを決定し、ステップST2406において、UEに対してRRC接続をリリースする旨のメッセージを通知し、UEとHeNBとの間のRRC接続をリリースする。
本例では、HeNBがUEにRRC接続リリースメッセージを通知する際に、ターゲットHNBに関する情報を通知しておくようにする。
HeNBがターゲットセルとなるHNBの情報を取得する方法や、そのトリガ方法、あるいはターゲットセルとなるHNBをリセレクションさせるために必要となるパラメータなどは、前述の開示した方法を用いればよい。
本例において、前述のようにHeNBとHNBをデュアル構成とすることで、HeNBは、デュアル構成のHNBをRRC接続リリース後のセルリセレクションのターゲットセルに設定することが可能となる。また、デュアル構成のHNBをRRC接続リリース後のセルリセレクションのターゲットセルに設定することによって、ステップST2406のRRC接続リリース通知処理の事前に、UEに、ターゲットセル決定用のメジャメント処理を実行させなくてもよくなる。したがって、UEが拡張サービスリクエストを通知してからCS呼設立までの時間を短縮することが可能となる。
ステップST2407において、UEは、ステップST2406のRRC接続リリースメッセージに含まれるターゲットセルに関する情報に従って、ターゲットセルであるHNBに対してアクセスを行う。RRC接続リリースメッセージに、ターゲットセルに関する情報を含ませるようにしているので、UEは、ターゲットセルをリセレクションするための処理を簡易化することが可能となり、HeNBが決定したターゲットセルであるターゲットHNBに対して、少ない遅延時間でアクセスすることが可能となる。
ステップST2406のRRC接続リリースメッセージに、ターゲットセルに関する情報が含まれるようにするためには、HeNBは、UEにターゲットHNBに対してアクセスさせるための、ターゲットHNBに関する情報を認識しておく必要がある。この方法には、先に開示した方法を適用することができる。
ステップST2407においてターゲットHNBに対してアクセスを行ったUEは、ステップST2408において、必要に応じてHNBおよびHNBGWを介してMSC/VLRに対して、LAUなどの処理を実行する。
ステップST2409において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、CSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBからHNBGWへの通知は、HNBとHNBGWとの間のインタフェースIuhを用いて行われるようにするとよい。CSサービスのサービスリクエストを受信したHNBGWは、ステップST2410において、MSC/VLRに対して、UEから通知されたCSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBGWからMSC/VLRへの通知は、HNBGWとMSC/VLRとの間のインタフェースIuCSを用いて行われるようにするとよい。ステップST2411において、MSC/VLRとHNBGWとHNBとUEとの間でCS呼の設立が行われる。
HNBおよびHeNBは、CSGをサポートするためにCSGアクセス制御が必要となるが、この方法には、先に開示した方法を適用すればよく、これによって同様の効果が得られる。
以上の一連の処理により、HeNBおよびHNBが設置された場合について、アイドルモードのUEがCS発呼した場合におけるCSFBが可能となる。
また、UEがアクティブモードに移行せずにHNBにアクセスするようにしているので、HeNBにおけるコンテキストの設定やリリース、あるいはデータ用無線ベアラの設定、あるいはMMEとSGWとの間のベアラの修正などのアクティブモードに移行する場合に必要な処理を省略することができる。したがって、システムとしての処理を簡略化することが可能となる。
次に、本実施の形態におけるCS着呼の方法を開示する。前述のように、従来のCSFBでは、HNBあるいはHeNBが設置された場合の方法については、何ら開示されていない。また、従来のCSFBの方法をそのまま適用することは不可能である。そこで本実施の形態では、HeNBおよびHNBが設置された場合について、CS着呼におけるCSFBを実現可能にする方法について開示する。
図27は、PS HOをサポートしている場合のCS着呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。図27において、図21に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
図27では、ステップST2501において、UEがアクティブである場合について示す。発信元のMSCは、予めHSSにアクセスすることにより、発信先のUEの3G側のMSC/VLRを認識しておく。連携位置登録を行うことによって、発信先のUEの3G側のMSC/VLRを認識しておくことが可能となる。
ステップST2502において、発信元のMSCからMSC/VLRに対して、CS着呼の旨の信号が通知される。CS着呼の旨の信号を受信したMSC/VLRは、連携位置登録を行うことによって保持したMMEとの対応関係からMMEを特定し、ステップST2503において、特定したMMEに対して、ページング要求メッセージを通知する。
MSC/VLRからページング要求メッセージを受信したMMEは、ステップST2504において、HeNBを介して発信先のUEに対して、ページングメッセージを通知する。このページングメッセージに、CS着呼である旨の情報を含めておくとよい。これによって、ページングメッセージを受信したUEが、CSドメインでの接続を必要とすることを認識することができる。
UEがページングメッセージを受信した後は、図21で開示したCS発呼と同じ処理に移行する。具体的には、図21のステップST1902〜ステップST1920と同様の処理が行われた後に、図27のステップST2505において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、ページング応答を送信する。ページング応答を受信したHNBGWは、ステップST2506において、MSC/VLRに対して、ページング応答の旨の情報を含むメッセージを通知する。ページング応答の旨の情報を含むメッセージを受信したMSC/VLRは、CS呼を設立する。MSC/VLRは、CS呼を設立した後、図21のステップST1923〜ステップST1924の処理を行う。
CS着呼の場合も、HNBおよびHeNBは、CSGをサポートするためにCSGアクセス制御が必要となる。この方法には、CS発呼の場合で開示した方法を適用すればよく、これによって同様の効果が得られる。
以上の一連の処理により、HeNBおよびHNBが設置された場合について、アイドルモードのUEがCS発呼した場合におけるCSFBが可能となる。
ここでは、PS HOをサポートしている場合であって、UEがアクティブである場合について説明した。PSHOをサポートしていない場合、あるいはUEがアイドルである場合のCS着呼の場合も、既に開示した各々の場合のCS発呼の方法を同様に適用することによって、CSFBを実現することができる。
本実施の形態で開示した構成および方法とすることによって、音声通話サービスの提供が無い移動通信網に接続中の移動端末に、音声通話サービスの発呼または着呼が生じた場合に、移動通信網を切替えて音声通話サービスを提供可能な通信システムを提供することができる。具体的には、HNBおよびHeNBが設置された場合に、LTEにおいて音声サービスの提供が無い状況下でも、HeNBにおいて音声発着信が生じたときに、HeNBからHNBへ音声発着信を切り替えて、HNBで音声サービスを提供することが可能となる。すなわち、CSFBが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、PS HOをサポートしている場合のCS発呼あるいはCS着呼の際に、HeNBから、LTE側のソースSGW、ターゲットSGW、3G側のSGSN、HNBGWを介して、HNBに対してPSドメインでのデータフォワーディングを行った。しかし、この方法はLTE側と3G側とのコアネットワーク(CN)の処理を必要とするので、データフォワーディングのための遅延時間が大きいという問題がある。本実施の形態では、この問題を解消するために、HeNBとHNBとの間で直接データフォワーディングを行う方法を開示する。
HeNBからHNBへ直接データフォワーディングを行うために、HeNBとHNBとの間に新たにインタフェースを設ける。これには、図14で開示したアーキテクチャを適用することができる。図14に開示されたHeNBとHNBとの間のインタフェース1406を介して、データフォワーディングを行えばよい。
この際、HeNBとHNBとを備えるデュアル機とすることで、インタフェースを容易に構成できる。
LAとTAとのマッピング方法、および連携位置登録の方法は、実施の形態1で開示した方法を、本実施の形態にも適用することができる。
図28は、本発明の実施の形態2に係るCS発呼におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。図29は、図28に示すステップST2601の具体的なシーケンスを示す図である。図28および図29は、図21および図22と類似し、対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
図28および図29において、図21および図22と異なる部分は、図21のステップST1908、ステップST1909、ステップST1912、ステップST1913、ステップST1915、およびステップST1916の各処理、ならびに図22のステップST2012、ステップST2014、ステップST2015、ステップST2016、ステップST2017、およびステップST2018の各処理が省略されている点と、図22のステップST2002およびステップST2003の処理に代えて、図29のステップST2701の処理が行われる点である。
これは、HeNBからHNBへ直接データフォワーディングを行うことから、CNのLTE側ノードと3G側ノードとの間でのデータフォワーディング用の設定が不要となるためである。また、データフォワーディング自体も、図22のステップST2002、ステップST2003で示すように、HeNBからソースSGW、ターゲットSGW、SGSN、HNBGW、HNBへと転送する必要が無く、図29のステップST2701において、HeNBからHNBに直接転送するためである。
しかし、上記に示す処理を省略可能にするためには、MMEが、HeNBとHNBとの間で直接データフォワーディングが可能であるか否かを判断できるようにする必要がある。この判断ができるように、本実施の形態では、HeNBがステップST1906においてMMEに通知するHO要求メッセージに、HeNBとHNBとの間で直接データフォワーディングが可能であるか否かを示す情報を含めておく。
別の方法として、デュアル機が設置された際に、直接データフォワーディングが可能であるか否かを示す情報を上位装置へ通知するようにしてもよいし、または、HeNBがレジストレーションする際に、直接データフォワーディングが可能であるか否かを示す情報をMMEへ通知するようにしてもよい。これによって、MMEは、HeNBとHNBとの間で直接データフォワーディングが可能であるか否かを判断可能となる。
MMEは、HO要求メッセージとともに、前記データフォワーディングが可能であるか否かを示す情報を受信することで、HeNBとHNBとの間で直接データフォワーディングが可能であるか否かを認識することができる。この認識に基づいて、MMEは、直接データフォワーディングが可能な場合は、上記に示す処理を省略し、不可能な場合には、上記に示す処理を省略しないようにする。これによって、直接データフォワーディングが不可能な場合は、HeNBから、LTE側のソースSGW、ターゲットSGW、3G側のSGSN、HNBGWを介して、HNBに対してデータフォワーディングを行わせることが可能となり、その選択をMMEで行うことが可能となる。したがって、HNBとHeNBとが多数配置されるような状況において、デュアル機の構成に応じたデータフォワーディングの方法を採ることが可能となる。
また、上記に示す方法では、LTE側のHeNBとMMEとの間でのリソースのリリース処理は、ステップST2013において行うようにしている。これとは別の方法として、HeNBがHNBへ直接データフォワーディングする処理、例えばステップST2701の処理を完了したことをトリガとして、HeNBがMMEにリソースリリース要求を行うことによって、MMEとHeNBとの間でのリソースリリース処理を行うようにしてもよい。これによって、データフォワーディング完了からリソースのリリースまでの遅延時間を削減することが可能となる。
CS着呼の場合も同様に、実施の形態1の図27で開示したCS着呼の場合のCSFBの方法に、上述のHeNBとHNBとの間で直接データフォワーディングを行うための変更を行えばよい。
本実施の形態で開示した構成および方法とすることによって、HNBおよびHeNBが設置された場合に、LTEにおいて音声サービスの提供が無い状況下でも、HeNBにおいて音声発着信が生じたときに、HeNBからHNBへ音声発着信を切り替えて、HNBで音声サービスを提供することが可能となる。また、PS HOをサポートしている場合のCS発呼あるいはCS着呼の際に、CN側のデータフォワーディングの負荷や遅延時間を削減することが可能となる。
上記に開示した方法では、HeNBからHNBに対して直接データフォワーディングを行った。これとは別の方法として、HeNBとHNBGWとの間に新たなインタフェースを設けて、HeNBとHNBGWとの間でデータフォワーディングを行うようにしてもよい。この場合、図29のステップST2701において、HeNBからHNBに対してデータフォワーディングを行うのではなく、HeNBからHNBGWへ、そしてHNBGWからHNBへデータフォワーディングを行うようにすればよい。
この方法は、HeNB機能およびHNB機能だけでなく、HNBGWの機能も有する構成のデュアル機の場合に適用することが可能となる。例えば、HNBGWに複数のHNBが接続されており、そのうちの1つのHNBがHeNBとのデュアル機である場合、HNBGWをデュアル機内に設けて、上記の方法を適用することで、HNBGWに接続されるHNB間でのサイトダイバーシチが可能となる。これによって、UEがHNBへCSFBされた後の通信品質を向上させることが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、アイドル状態のUEがCS発呼あるいはCS着呼する際は、一旦HeNBに対してアクセスした後にHNBにアクセスすることで、CSFBを実現可能にした。しかし、UEは、本来HNBにアクセスすればよく、一旦HeNBに対してアクセスすることは無駄である。また、このようにUEが一旦HeNBに対してアクセスした後にHNBにアクセスするように構成すると、UEでの制御処理が複雑になる、UEの消費電力が増大するなどの問題が生じる。
これらの問題を解消するために、本実施の形態では、アイドル状態のUEがCS発呼あるいはCS着呼の際に、一旦HeNBに対してアクセスすることなく、HNBに対してアクセスすることでCSFBを実現可能とする方法を開示する。
本実施の形態におけるアーキテクチャ、LAとTAとのマッピング方法、連携位置登録の方法は、前述の実施の形態1で開示した方法を適用することができる。
図30は、アイドルモードのUEがCS発呼する場合におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。ステップST2901において、UEは、HeNBに対して連携位置登録を行う。連携位置登録の方法は、実施の形態1で開示した方法を適用することができる。
ステップST2902において、HeNBは、ステップST2901において連携位置登録を行ったUEに対して報知情報を通知する。HeNBは、報知情報に、ターゲットセルとするターゲットHNBに関する情報を含めておく。ターゲットHNBに関する情報の具体例としては、ターゲットHNBの動作周波数、スクランブリングコード、およびシステム情報(SI)などがある。この他にも、セルアイデンティティ(Cell-ID)、またはCSG−ID、またはセルのアクセスモードなどを含めてもよい。HeNBをHNBとのデュアル構成とすることで、ターゲットセルとすべきターゲットHNBを決定することが可能となる。また、HeNBがターゲットHNBに関する情報を取得する方法は、実施の形態1で開示したHeNBがHNBのパラメータを取得する方法を適用することが可能となる。
ステップST2902において報知情報を受信したUEは、ステップST2903において、アイドルモードに移行し、HeNBに対して間欠受信を開始する。ステップST2904において、アイドルモードのUEにCS発呼が生じた場合、ステップST2905において、UEは、HNBに対してアクセス処理を開始する。具体的には、UEは、まず、アクセスを行うHNBであるターゲットHNBを、ステップST2902で受信した情報、例えばスクランブリングコードを用いてサーチして検出する。例えばスクランブリングコードを用いる場合、UEは、ステップST2902で受信したスクランブリングコードを有するHNBをターゲットHNBとしてサーチして検出する。
上述の方法では、UEは、ターゲットHNBに関する情報を、HeNBからの報知情報を受信することで取得する。別の方法として、ステップST2903においてHeNBが、アイドルモードのUEに対して、ページング信号を用いてHNBに関する情報を通知するようにしてもよい。HeNBは、ページング信号に、ターゲットHNBに関する情報を含めるようにすればよい。こうすることで、HeNBの報知情報に、ターゲットHNBに関する情報を含める必要が無くなるので、報知情報量を削減することができる。
また別の方法として、HeNBは、該UEへのページング信号をのせるサブフレーム(間欠受信のサブフレーム)で、ターゲットHNBに関する情報を該UEに通知するようにしてもよい。HeNBは、ターゲットHNBに関する情報をCCCHにマッピングして、該間欠受信のサブフレームで該UEに通知するようにしてもよい。こうすることで、報知情報の削減が可能になるとともに、ページング信号の情報量も増大させる必要が無くなる。UEは、間欠受信のサブフレームでページング信号の検出処理を行うが、それと同じサブフレームで該CCCHの検出処理を行えばよく、こうすることで、UEの消費電力を増大させること無く、ターゲットHNBに関するパラメータを取得することが可能となる。
また別の方法として、HeNBは、該UEへのページング信号と同一のサブフレームで、ターゲットHNBに関する情報を該UEに通知するようにしてもよい。HeNBは、ターゲットHNBに関する情報をCCCHにマッピングして、ページング信号とともに同一のサブフレームで該UEに通知するようにしてもよい。UEが間欠受信タイミングでページング信号を検出した場合、同一サブフレームでCCCHを検出するようにしておけばよい。これによってUEは、ターゲットHNBに関する情報を取得することが可能となる。
また、ページング信号に、HNBに関する情報が送信されていることを示す情報を含ませてもよい。間欠受信のサブフレームでページング信号の検出処理を行っているUEは、ページング信号を検出した場合、それに含まれる該HNBに関する情報が送信されていることを示す情報の有無によって、HNBに関する情報が同一サブフレームで送信されているか否かを判断する。送信されていると判断したUEは、同一サブフレームでCCCHの検出を行う。また、ページング信号に、UEがCCCHを検出するのに必要となる情報を含めておいてもよい。CCCHを検出するのに必要な情報は、セル内で用いられるUEの識別子、例えばC−RNTI(Radio Network Temporary Identifier)としてもよい。こうすることによって、UEが間欠受信のサブフレームで常にCCCHの検出を行う必要が無くなり、常に行うのはページング信号の検出のみでよくなる。したがって、UEの消費電力の増大をさらに抑制することが可能となる。
ターゲットHNBを検出したUEは、ステップST2902であわせて受信したターゲットHNBの報知情報を用いて、ターゲットHNBにアクセス処理を行う。具体的には、RACH送信を行い、RRC接続の設立処理を行う。
ステップST2905においてHNBとのアクセス処理が完了した後は、UEは、必要に応じてステップST2906において、HNBおよびHNBGWを介してMSC/VLRに対して、LAUなどの処理を実行する。
ステップST2907において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、CSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBからHNBGWへの通知は、HNBとHNBGWとの間のインタフェースIuhを用いて行われるようにするとよい。
CSサービスのサービスリクエストを受信したHNBGWは、ステップST2908において、MSC/VLRに対してUEから通知されたCSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBGWからMSC/VLRへの通知は、HNBGWとMSC/VLRとの間のインタフェースIuCSを用いて行われるようにするとよい。ステップST2909において、MSC/VLRとHNBGWとHNBとUEとの間でCS呼の設立が行われる。
本実施の形態においても、HNBおよびHeNBは、CSGをサポートするためにCSGアクセス制御が必要となる。本実施の形態の場合は、UEが拡張サービスリクエストを、HeNBを介してMMEに通知する必要が無いので、拡張サービスリクエストを受信したMMEがCSGアクセス制御を行うことはできない。そこで本実施の形態の場合は、ステップST2908においてCSサービスのサービスリクエストのメッセージを受信したMSC/VLRが、CSGアクセス制御を行うようにすればよい。HNBは、HNBが属するCSG−IDを、予めMSC/VLRに通知しておいてもよいし、ステップST2907およびステップST2908のCSサービスのサービスリクエストのメッセージに含めてMSC/VLRに通知するようにしてもよい。あるいは、オペレータによって、MSC/VLRに別途入力あるいは通知されるようにしておいてもよい。
これによって、MSC/VLRは、UEの許可CSGリスト内にHNBの属するCSG−IDが含まれているか否かを判断することができる。この判断に基づいてMSC/VLRは、UEの許可CSGリスト内にHNBの属するCSG−IDが含まれている場合は、UEをHNBにアクセス許可し、UEの許可CSGリスト内にHNBの属するCSG−IDが含まれていない場合は、UEをHNBにアクセス許可しないようにする。アクセス許可しない場合は、MSC/VLRは、HNBを介してUEに対して、アクセス拒否の旨を示すメッセージを通知するとよい。アクセス拒否の旨を示すメッセージに、拒否の理由としてCSGが異なるためである旨の情報を含めておくとよい。このような方法とすることで、本実施の形態の場合にも、CSGアクセス制御が可能となる。
また、ステップST2906の処理が行われる場合には、MSC/VLRは、ステップST2908のCSサービスのサービスリクエストのメッセージを受信した際にCSGアクセス制御を行うのではなく、ステップST2906の処理が行われた際にCSGアクセス制御を行うようにすればよい。この場合、例えば、ステップST2906の処理におけるLAUメッセージに、HNBが属するCSG−IDを含めてMSC/VLRに通知するようにしてもよい。これによって、CSGアクセス制御をすることができる。
また実施の形態1で開示した、デュアル機を構成するHeNBとHNBとを同じCSGに属するようにする方法を適用してもよい。この場合、上述のCSGアクセス制御の方法を用いてもよいが、別の方法として、CSGアクセス制御をMMEだけで行う方法を用いてもよい。CSGアクセス制御をMMEだけで行う方法では、例えば、ステップST2901において、HeNBを介して連携位置登録を行う際に、MMEでCSGアクセス制御を行うようにしておき、その後のCSFBの処理では、MSC/VLRによるターゲットHNBに対するCSGアクセス制御は行わないようにする。このようにMMEだけでCSGアクセス制御を行うことができるのは、HeNBのCSG−IDと、CSFBの際のターゲットとなるHNBのCSG−IDとが同じであるので、一旦HeNBに対するCSGアクセス許可が得られれば、HNBに対してもアクセス可能と判断することができるためである。
以上のようにすることによって、CSGアクセス制御の処理を簡易にすることが可能となるので、CS発呼から、CSFBによりHNBに接続するまでの遅延時間を短縮することが可能となる。また、UE、HNBおよびMSC/VLRにおける制御が簡易になるので、これらの消費電力を削減することができるという効果が得られる。
上述した方法とすることで、アイドル状態のUEがCS発呼する際に、一旦HeNBに対してアクセスすることなく、HNBに対してアクセスすることができ、CSFBを実現することができる。また、これにより、UEでの制御処理を簡略化できるので、UEの消費電力を削減することが可能となる。
図31は、アイドルモードのUEがCS着呼する場合におけるCSFBのシーケンスの一例を示す図である。図31において、図30に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
図31に示す例では、ステップST3001において、発信元のMSCからMSC/VLRに対して、CS着呼の旨の信号が通知される。CS着呼の旨の信号を受信したMSC/VLRは、連携位置登録を行うことによって保持したMMEとの対応関係からMMEを特定し、ステップST3002において、特定したMMEに対してページング要求メッセージを通知する。
MSC/VLRからページング要求メッセージを受信したMMEは、ステップST3003において、HeNBを介して発信先のUEに対して、ページングメッセージを通知する。このページングメッセージに、CS着呼である旨の情報を含めておくとよい。これによって、ページングメッセージを受信したUEは、CSドメインでの接続を必要とすることを認識することができる。
ページングメッセージを受信したUEは、受信したページングメッセージが、CS着呼であることを示す情報を含むか否かに基づいて、CS着呼であるか否かを判断する。CS着呼であることを示す情報を含んでいないと判断した場合は、UEは、通常通りHeNBに対してアクセス処理を行い、ページング応答をMMEに対して通知する。CS着呼であることを示す情報を含んでいると判断した場合、UEは、ステップST3004において、HNBに対してアクセス処理を開始する。UEがアクセスを行うHNBであるターゲットHNBに関する情報を、CS発呼の場合と同様に、ステップST2902において、または間欠受信のサブフレームにおいて、HeNBから受信しておくとよい。またCS着呼の場合は、ターゲットHNBに関する情報を、HeNBはステップST3003のページング信号に含めて、または該ページング信号と同一のサブフレームでCCCHにマッピングしてUEに通知するようにしてもよい。これによって、予め送受信する必要が無くなり、シグナリング量の削減、HeNB、UEの消費電力の削減を図ることができる。UEは、ターゲットHNBに関する情報を用いてセルリセレクションを行い、ターゲットHNBにアクセス処理を行う。具体的には、RACH送信を行い、RRC接続の設立処理を行う。
ステップST3004において、HNBとのアクセス処理が完了した後は、UEは、必要に応じてHNBおよびHNBGWを介してMSC/VLRに対して、LAUなどの処理を実行する。図31の例では、LAUを行わない場合について示してある。
ステップST3005において、UEは、HNBを介してHNBGWに対して、CSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBからHNBGWへの通知は、HNBとHNBGWとの間のインタフェースIuhを用いて行われるようにするとよい。UEは、CSサービスのサービスリクエストに、LTEあるいはHeNBからのCS着呼のページングに対する応答である旨の情報、あるいはCSFBである旨の情報を含ませる。
CSサービスのサービスリクエストを受信したHNBGWは、ステップST3006において、MSC/VLRに対して、UEから通知されたCSサービスのサービスリクエストを通知する。HNBGWからMSC/VLRへの通知は、HNBGWとMSC/VLRとの間のインタフェースIuCSを用いて行われるようにするとよい。CSサービスのサービスリクエストにも、LTEあるいはHeNBからのCS着呼のページングに対する応答である旨の情報、あるいはCSFBである旨の情報を含ませる。
ステップST3006においてUEからのサービスリクエストを受信したMSC/VLRは、ステップST3007において、CSサービスのサービスリクエストに含まれるLTEあるいはHeNBからのCS着呼のページングに対する応答である旨の情報、あるいはCSFBである旨の情報から、ステップST3001で受信したCS着呼に対する応答であることを認識することができる。
ステップST3007でCS着呼に対する応答であることを認識したMSC/VLRは、ステップST3002でMMEに対して行うページング要求メッセージの通知を終了する。ステップST3008において、MSC/VLRとHNBGWとHNBとUEとの間でCS呼の設立が行われる。
HNBおよびHeNBのCSGをサポートするためのCSGアクセス制御の方法には、上述のCS発呼の場合の方法を適用すればよい。これによって、本実施の形態の場合にも、CSGアクセス制御が可能となる。
上述の方法では、ステップST3005およびステップST3006において、CSサービスのサービスリクエストに、LTEあるいはHeNBからのCS着呼のページングに対する応答である旨の情報、あるいはCSFBである旨の情報を含ませることで、ステップST3007において、MSC/VLRが、ステップST3002でMMEに対して行うページング要求メッセージの通知を終了することを可能としている。
CSサービスのサービスリクエストに、上記の情報が含まれていない場合、MSC/VLRは、いつまでもMMEに対してページング要求メッセージを通知し続けることになる。ページング要求メッセージを受信し続けるMMEは、HeNBを介してUEに対して、ページングを送信し続けることになる。このことは、無線リソースを無駄に使用することにつながり、また、UE、HeNB、MMEおよびMSC/VLRの消費電力を増大させるという問題を生じさせる。
しかし、上述の方法のように、CSサービスのサービスリクエストに上記の情報を含ませることによって、無線リソースを無駄に使用するという問題、ならびにUE、HeNB、MMEおよびMSC/VLRの消費電力が増大するという問題を解消することが可能となる。
MSC/VLRが、いつまでもMMEに対してページング要求メッセージを通知し続けることを無くすための別の方法を開示する。
MSC/VLRは、ステップST3001におけるCS着呼の受信、あるいはステップST3002におけるページング要求の送信から、所定の時間が経過した場合に、MMEに対してページング要求を通知することを停止する。
MSC/VLRは、所定の時間の経過をタイマで管理してもよい。この場合、所定の時間が経過したときに、ステップST3002のページング要求をMMEに通知する処理を停止するようにすればよい。
また、何らかの理由により、ステップST3003のページングに対するページング拒否メッセージがMMEに通知された場合、または、MMEがページングを送信してから所定の時間が経過してもページングに対する応答が無い場合に、MMEが、MSC/VLRに対して、ページング要求拒否メッセージを通知するようにしておいてもよい。この場合、ページング要求拒否メッセージを受信したMSC/VLRは、ステップST3002のページング要求を、MMEに通知する処理を停止するようにすればよい。
このような方法とすることで、上述の問題を解消できる効果が得られる。
ここで開示した、MSC/VLRが、いつまでもMMEに対してページング要求メッセージを通知し続けることを防ぐための複数の方法の一部、あるいはこれらの方法の全てを適用してもよい。複数の方法を適用する場合、MSC/VLRがメッセージを受信するタイミング、およびタイマで管理される所定の時間の経過のうちのいずれかが最も早く発生したときに、MMEに対するページング要求の送信を停止するようにしてもよい。これによって、無線リソースの使用の無駄を回避することができ、さらにはUE、HeNB、MMEおよびMSC/VLRの消費電力を最小限に抑えることが可能となる。
上述した方法とすることで、アイドル状態のUEがCS着呼する際に、一旦HeNBに対してアクセスすることなく、HNBに対してアクセスすることができ、CSFBを実現することができる。また、これにより、UEでの制御処理を簡略化できるので、UEの消費電力を削減することも可能となる。
実施の形態4.
特開2010−62595号公報(以下「特許文献1」という)に以下が開示されている。3.9Gシステム(SAE)では、高速データ通信サービスの提供が主目的とされ、音声通話サービスが提供されないことも考えられる。音声通話サービスが提供されない3.9Gシステムが構築されているロケーションにて、MSC/VLRとMMEが互いに対応づけされず、また接続されておらず、別々に管理されているため、CSFBに対応していない場合が考えられる。CSFBに対応した移動端末では優先的に3.9GシステムのE−UTRANのみに在圏するようにされている。よって音声着信があったとしても、CSFBのように2G/3Gシステムへと遷移されずに3.9Gシステムに在圏したままとなり、音声通話サービスを受けることができないおそれがある。
特許文献1では、上記のような課題を以下の方法にて解決する。移動端末は、E-UTRAN(LTE)で位置登録を行う。移動端末は、位置登録応答の情報を基に、CSFB対応のロケーションであるか否かを判断する。該ロケーションがCSFB対応の地域でない場合、ユーザの意思も勘案して、移動端末は、2G/3Gシステムに在圏するように切り替える。
実施の形態4で解決する課題について、以下に説明する。ロケーションが3.9Gシステムに対応し、該ロケーションに3.9Gシステム対応の移動端末が存在する場合であっても、該ロケーションがCSFBに非対応であり、移動端末のユーザが音声通話サービスを受けることを欲する場合、以下の課題が発生する。特許文献1を適用した場合、移動端末は2G/3Gシステムに在圏するように切り替えられる。よって、該移動端末のユーザは、音声通話サービスを受けられたとしても、3.9Gシステムからの高速データ通信サービスを受けることが出来ない。このことはユーザにとって不利益となる。
本実施の形態4では、ロケーションが3.9Gシステムに対応し、該ロケーションに3.9G対応の移動端末が存在する場合、該ロケーションがCSFB非対応であったとしても、移動端末のユーザが、3.9Gシステムからの高速データ通信サービスと、2G/3Gシステムからの音声通話サービスとの双方を受けることを可能とすることを目的とする。
実施の形態4での解決策を以下に示す。2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方で動作可能な基地局を用いることにより、課題を解決する。以降、該基地局をデュアル基地局、あるいはデュアルセルと称することもある。デュアルセルにて、予め定める処理、例えばアタッチ、位置登録、ロケーションエリアアップデート(以下「在圏エリアアップデート」とも称される)、音声着呼および音声発呼に用いる情報を、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとに分離、あるいは振り分ける、あるいは統合するルーティングを実施する。
図32は、実施の形態4における通信システム32の構成を示すブロック図である。
本実施の形態4の通信システム32は、前述の図13に示す実施の形態1の通信システム13および図14に示す実施の形態1の通信システム14と類似し、対応する部分については、同一の参照符を付して共通する説明を省略する。
本実施の形態の通信システム32は、CSFB非対応のロケーションであるので、MSC/VLR1309とMME1313との間のインタフェースは存在しない。以下では、2G/3GシステムではHNBとして動作し、3.9GシステムではHeNBとして動作するというように、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方で動作可能な基地局を「HNB/HeNBデュアル機」と称することとする。制御ユニット1407は制御部と称することもある。
以下、実施の形態4におけるアタッチ処理について、詳細な解決策を開示する。HNB/HeNBデュアル機が、設置場所のコアネットワーク状況に応じて、ルーティング機能をオン(ON)/オフ(OFF)する。ルーティング機能がONの場合、HNB/HeNBデュアル機は、移動端末から連携アタッチ要求を受信したとき、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末のアタッチ要求を実行する。
HNB/HeNBデュアル機が設置場所のコアネットワーク状況を確認する方法の具体例を以下に2つ開示する。(1)HNB/HeNBデュアル機が接続された上位装置経由でコアネットワーク側に状況を確認する。(2)オペレータ、あるいはHNB/HeNBデュアル機のオーナが手動で、または運用、維持管理ツールを用いて、HNB/HeNBデュアル機にコアネットワーク側状況を設定する。あるいは、ルーティング機能のON/OFFを設定してもよい。設定タイミングの具体例を以下に3つ開示する。(1)HNB/HeNBデュアル機の設置のとき。(2)HNB/HeNBデュアル機の電源がONされたとき。HNB/HeNBデュアル機のエナジーセービングモードが解除されたときであってもよい。(3)HNB/HeNBデュアル機が上位装置に対してレジストレーションを行ったとき。HNBがHNBGWに対してレジストレーションを行ったとき、または、HeNBがHeNBGWあるいはMMEに対してレジストレーションを行ったときであってもよい。
HNB/HeNBデュアル機内にてコアネットワーク状況を確認する処理ブロックの具体例を以下に3つ開示する。(1)制御部。(2)HeNB。(3)HNB。
HNB/HeNBデュアル機がコアネットワーク状況を確認するときに経由する上位装置の具体例を以下に3つ開示する。(1)HeNBGW。HeNBGWは、HeNB1402とMME1313との間に設置されることもある。(2)MME。(3)HNBGW。
コアネットワーク状況を確認する方法の具体例を以下に1つ開示する。HNB/HeNBデュアル機がコアネットワーク側へコアネットワーク側状況確認を要求し、コアネットワーク側がHNB/HeNBデュアル機へコアネットワーク状況応答を通知する。
コアネットワーク側状況確認の要求の具体例を以下に3つ開示する。(1)CSFB対応であるか否かを問い合わせる。(2)自セルがデュアルセルである旨を通知する。傘下の基地局から、デュアルセルである旨が通知された場合、コアネットワーク側にてネットワーク状況が確認されたと認識する。(3)自セルの対応システムを通知する。傘下の基地局から、対応システムが2G/3Gシステムおよび3.9Gシステムである旨が通知された場合、コアネットワーク側にてネットワーク状況が確認されたと認識する。
コアネットワーク状況応答を通知する具体例を以下に2つ開示する。(1)CSFB対応か否かを通知する。(2)コアネットワーク側の対応システムを通知する。
コアネットワークがCSFB対応か否かを判断する方法の具体例を以下に2つ開示する。
(1)MMEが、MMEとMSC/VLR間とのインタフェースの有無を確認する。インタフェースが存在した場合は、CSFB対応と判断する。インタフェースが存在しなかった場合は、CSFB非対応と判断する。
(2)MSC/VLRが、MMEとMSC/VLRと間のインタフェースの有無を確認する。インタフェースが存在した場合は、CSFB対応と判断する。インタフェースが存在しなかった場合は、CSFB非対応と判断する。
ルーティング機能ON/OFFの判断の具体例を以下に1つ開示する。3.9Gシステムおよび2G/3Gシステムに対応のコアネットワークであり、CSFB非対応のコアネットワークである場合、HNB/HeNBデュアル機のルーティング機能をONすべきと判断する。それ以外のコアネットワークの状況である場合、HNB/HeNBデュアル機のルーティング機能をOFFすべきと判断する。それ以外のコアネットワークの状況の具体例を以下に4つ開示する。(1)3.9Gシステムに対応していないコアネットワーク。(2)2G/3Gシステムに対応していないコアネットワーク。(3)CSFB対応のコアネットワーク。(4)(1)から(3)の組合せ。
HNB/HeNBデュアル機が行うルーティング機能の具体例について以下に3つ開示する。(1)移動端末から連携アタッチ要求を受信したとき、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対してアタッチ要求を実行する。具体的には、HNBGW/RNCを介して2G/3GシステムのMSC/VLRへと、3.9GシステムのMMEへ、移動端末のアタッチ要求を通知する。(2)2G/3Gコアネットワークからアタッチ応答を受信し、3.9Gコアネットワークからアタッチ応答を受信したとき、アタッチ応答を統合する。本動作はオプションであってもよい。但し、統合処理を実行した方がCSFB能力を有する移動端末のアタッチ応答(アタッチ承認、アタッチ拒否など)の受信動作において、従来の動作から変更が無い点において有効である。(3)移動端末からアタッチ完了を受信したとき、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して移動端末のアタッチ完了を通知する。具体的には、HNBGW/RNCを介して2G/3GシステムのMSC/VLRへと、3.9GシステムのMMEへ、移動端末のアタッチ完了を通知する。
上記HNB/HeNBデュアル機が行うルーティング機能は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェース1406を用いて行われてもよい。
移動端末から連携アタッチ要求を受信したときに、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対してアタッチ要求を実行する具体例を以下に3ステップで開示する。
第1ステップとして、移動端末からの連携アタッチ要求をHNB/HeNBデュアル機内にてHeNB(3.9Gシステム)とHNB(2G/3Gシステム)とに分離する。
HNB/HeNBデュアル機内にて分離を実行する処理ブロックの具体例を以下に3つ開示する。
(1)HeNB。HNB/HeNBデュアル機のHeNBからHNB/HeNBデュアル機のHNBへアタッチ要求を通知する。該通知は、HNB/HeNBデュアル機1403内のHeNB1402とHNB1401との間に設けた新たなインタフェース1406を用いて行われてもよい。該通知は、HNB1401傘下の移動端末からのアタッチ要求と区別してもよい。区別するためにアタッチ要求中にインジケータを新たに設けてもよい。
該インジケータの具体例を以下に3つ開示する(a1)HNB1401傘下の移動端末からのアタッチ要求であるか否か。(a2)HNB1401傘下の移動端末1301からのアタッチ要求である旨。(a3)HNB1401傘下の移動端末1301からのアタッチ要求でない旨。HNB1401傘下の移動端末1301からのアタッチ要求である旨は、該移動端末1301がHNB1401傘下で待受けていることを示してもよい。HNB1401傘下の移動端末1301からのアタッチ要求でない旨は、該移動端末1301がHNB1401傘下ではなく、HeNB1402傘下にて待受けていることを示してもよい。
また、HNB/HeNBデュアル機1403のHeNB1402からのアタッチ要求にのみインジケータを設けてもよい。HNB1401傘下の移動端末1301のアタッチ要求において、従来の動作から変更が無い点において有効である。該インジケータの具体例を以下に3つ開示する。(b1)HeNB1402経由でのアタッチ要求であるか否か。(b2)HeNB1402経由でのアタッチ要求である旨。(b3)HeNB1402経由でのアタッチ要求でない旨。HeNB1402経由でのアタッチ要求でない旨は、該移動端末1301がHNB1401傘下で待受けていることを示してもよい。HeNB1402経由でのアタッチ要求である旨は、該移動端末1301がHNB1401傘下ではなく、HeNB1402傘下にて待受けていることを示してもよい。
(2)制御部。HNB/HeNBデュアル機1403のHeNB1402からHNB/HeNBデュアル機1403の制御部(制御ユニット1407)へアタッチ要求を通知する。制御部でアタッチ要求を分離する。制御部からHNB/HeNBデュアル機1403のHeNB1402とHNB/HeNBデュアル機1403のHNB1401へアタッチ要求を通知する。
(3)HNB。CSFB機能を有する、あるいはデュアル対応の移動端末が優先的に3.9Gシステムに在圏するように設定されることが想定される。そのような機能を有する移動端末がアタッチ要求する場合は、HNB/HeNBデュアル機1403のHeNB1402へ連携アタッチ要求を行うことが考えられる。よって、上記(1)のHeNBあるいは上記(2)の制御部が分離を実行することが有効である。
第2ステップとして、移動端末からの連携アタッチ要求の分離後、HNB/HeNBデュアル機のHNBから、2G/3Gシステムのコアネットワークに対して通常のアタッチ要求を行う。2G/3Gシステムの具体例として、3GシステムであるW−CDMAがある。W-CDMAの場合、アタッチ要求の信号の流れとしては、HNB/HeNBデュアル機のHNBからHNBGWへ通知され、HNBGWからMSC/VLRへ通知され、MSC/VLRからHSSへ通知される。
また、移動端末からの連携アタッチ要求の分離後、HNB/HeNBデュアル機のHeNBから3.9Gシステムのコアネットワークに対して、実施の形態1に示す連携アタッチ要求を行う。この場合、連携アタッチ要求ではなく、アタッチ要求であってもよい。3.9Gシステムの具体例として、LTEがある。LTEの場合、連携アタッチ要求の信号の流れとしては、HNB/HeNBデュアル機のHeNBからMMEへ通知され、MMEからHSSへ通知される。
第3ステップとして、2G/3Gコアネットワーク経由と3.9Gコアネットワーク経由にてアタッチ要求を受信したHSSのアタッチ管理方法の具体例を、以下に2つ開示する。
(1)移動端末毎にアタッチされているシステムを記憶する。2G/3Gコアネットワーク経由と3.9Gコアネットワーク経由にてアタッチされた場合には、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとにアタッチされていることを記憶する。(2)CSFB機能を有する移動端末からの連携アタッチ要求を受信した場合と同様の管理方法とする。
HSSがHNB/HeNBデュアル機に対してアタッチ応答を通知する方法の具体例について以下に3つ開示する。(1)アタッチ要求が行われた、各コアネットワーク経由でアタッチ応答を通知する。HNB/HeNBデュアル機とHSS間に存在する、それぞれのシステムにおけるエンティティがアタッチ要求の結果を知ることができる点において有効である。(2)3.9Gコアネットワーク経由でアタッチ応答を通知する。3.9Gシステムに対応するアタッチ応答のみではなく、2G/3Gシステムに対応するアタッチ応答についても併せて通知する。HNB/HeNBデュアル機にてアタッチ応答を統合する処理が不要な点において、有効である。(3)2G/3Gコアネットワーク経由でアタッチ応答を通知する。2G/3Gシステムに対応するアタッチ応答のみではなく、3.9Gシステムシステムに対応するアタッチ応答についても併せて通知する。HNB/HeNBデュアル機にてアタッチ応答を統合する処理が不要な点において、有効である。
2G/3Gコアネットワークからアタッチ応答を受信し、3.9Gコアネットワークからアタッチ応答を受信した際、アタッチ応答を統合する具体例について、以下に2ステップで開示する。
第1ステップとして、2G/3Gコアネットワークと3.9Gコアネットワークとから受信したアタッチ応答を統合する。例えば、HNBGW/RNC(2G/3Gシステム)からアタッチ応答を受信し、MME(3.9Gシステム)からアタッチ応答を受信した際、アタッチ応答を統合する。
HNB/HeNBデュアル機内にて統合を実行する処理ブロックの具体例を、以下に3つ開示する。(1)HeNB。HNB/HeNBデュアル機のHNBから、HNB/HeNBデュアル機のHeNBへアタッチ応答を通知する。該通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。(2)制御部。HNB/HeNBデュアル機のHeNBから制御部へ、HNB/HeNBデュアル機のHNBから制御部へアタッチ応答を通知する。(3)HNB。HNB/HeNBデュアル機のHeNBから、HNB/HeNBデュアル機のHNBへアタッチ応答を通知する。該通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。
CSFB機能を有する、あるいはデュアル対応の移動端末が優先的に3.9Gシステムに在圏するように設定されることが想定される。そのような機能を有する移動端末は、HNB/HeNBデュアル機のHeNBからアタッチ応答を受信することが考えられる。よって、上記(1)のHeNBあるいは上記(2)の制御部が統合を実行することが有効である。
第2ステップとして、アタッチ応答の統合後、統合したアタッチ応答は、HNB/HeNBデュアル機のHeNBから、アタッチ要求を行った移動端末へ通知される。該通知は、移動端末とHNB/HeNBデュアル機との間のRRC接続を用いて通知されてもよい。
3.9Gコアネットワーク(MME)と2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)とからのアタッチ応答種別に応じたアタッチ応答の統合処理、および統合処理後の動作例を以下に4つ開示する。
(1)アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ承認を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ承認を受信した際のアタッチ応答の統合処理例を以下に5ステップで開示する。
HNB/HeNBデュアル機は、該移動端末に対して双方のコアネットワークからのアタッチ承認を通知する。
第1ステップとして、3.9Gコアネットワーク(MME)と2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)とからのアタッチ応答を統合する。該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、双方のコアネットワークから受信したアタッチ承認に含まれる、双方のシステムにおける該移動端末宛の制御情報を、マッピングする。移動端末宛の制御情報の具体例としては、該移動端末のテンポラリ識別子などがある。
第2ステップとして、アタッチ応答の統合後、統合したアタッチ応答は、HNB/HeNBデュアル機のHeNBから、アタッチ要求を行った移動端末へ通知される。該通知は、移動端末とHNB/HeNBデュアル機との間のRRC接続を用いて通知されてもよい。
第3ステップとして、該アタッチ応答を受信した移動端末は、双方のシステムにおける制御情報を受信することで、双方のシステムに対するアタッチが承認されたことを認識してもよい。
第4ステップとして、該移動端末は、HNB/HeNBデュアル機のHeNBに対して、アタッチ完了を送信する。該通知は、移動端末とHNB/HeNBデュアル機との間のRRC接続を用いて通知されてもよい。
第5ステップとして、移動端末からアタッチ完了を受信した際、HNB/HeNBデュアル機は、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対してアタッチ完了を実行する。移動端末からのアタッチ完了を、HNB/HeNBデュアル機にてHeNB(3.9Gシステム)とHNB(2G/3Gシステム)とに分離する。
HNB/HeNBデュアル機内にて分離を実行する処理ブロックの具体例を、以下に3つ開示する。
(A1)HeNB。HNB/HeNBデュアル機のHeNBから、HNB/HeNBデュアル機のHNBへアタッチ完了を通知する。該通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。該通知は、HNB傘下の移動端末からのアタッチ完了と区別してもよい。区別するためにアタッチ要求中にインジケータを新たに設けてもよい。該インジケータの具体例を、以下に3つ開示する。
(c1)HNB傘下の移動端末からのアタッチ完了であるか否か。(c2)HNB傘下の移動端末からのアタッチ完了である旨。(c3)HNB傘下の移動端末からのアタッチ完了でない旨。HNB傘下の移動端末からのアタッチ完了である旨は、該移動端末がHNB傘下で待受けていることを示してもよい。HNB傘下の移動端末からのアタッチ完了でない旨は、該移動端末がHNB傘下ではなく、HeNB傘下にて待受けていることを示してもよい。また、HNB/HeNBデュアル機のHeNBからのアタッチ完了にのみインジケータを設けてもよい。HNB傘下の移動端末のアタッチ完了において、従来の動作から変更が無い点において有効である。該インジケータの具体例を以下に3つ開示する。
(d1)HeNB経由でのアタッチ完了であるか否か。(d2)HeNB経由でのアタッチ完了である旨。(d3)HeNB経由でのアタッチ完了でない旨。HeNB経由でのアタッチ完了でない旨は、該移動端末がHNB傘下で待受けていることを示してもよい。HeNB経由でのアタッチ完了である旨は、該移動端末がHNB傘下ではなく、HeNB傘下にて待受けていることを示してもよい。
(A2)制御部。HNB/HeNBデュアル機のHeNBから、HNB/HeNBデュアル機の制御部へアタッチ完了を通知する。制御部でアタッチ完了を分離する。制御部から、HNB/HeNBデュアル機のHeNBとHNB/HeNBデュアル機のHNBとへアタッチ完了を通知する。
(A3)HNB。CSFB機能を有する、あるいはデュアル対応の移動端末が、優先的に3.9Gシステムに在圏するように設定されることが想定される。そのような機能を有する移動端末がアタッチ完了を通知する場合は、HNB/HeNBデュアル機のHeNBへアタッチ完了を通知することが考えられる。よって、上記(A1)のHeNBあるいは上記(A2)の制御部が分離を実行することが有効である。
次に、移動端末からのアタッチ完了の分離後、HNB/HeNBデュアル機のHNBから、2G/3Gシステムのコアネットワークに対して通常のアタッチ完了を行う。2G/3Gシステムの具体例として、3GシステムであるW−CDMAがある。W-CDMAの場合、アタッチ完了の信号の流れとしては、HNB/HeNBデュアル機のHNBからHNBGWへ通知され、HNBGWからMSC/VLRへ通知され、MSC/VLRからHSSへ通知される。
また、移動端末からのアタッチ完了の分離後、HNB/HeNBデュアル機のHeNBから、3.9Gシステムのコアネットワークに対して実施の形態1に示すアタッチ完了を行う。3.9Gシステムの具体例として、LTEがある。LTEの場合、アタッチ完了の信号の流れとしては、HNB/HeNBデュアル機のHeNBからMMEへ通知され、MMEからHSSへ通知される。
(2)アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ拒否を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ拒否を受信した際のアタッチ応答の統合処理、および統合処理後の動作例を以下に開示する。アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ承認を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ承認を受信した際のアタッチ応答の統合処理と異なる部分のみを説明する。
第1ステップとして、3.9Gコアネットワーク(MME)と2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からのアタッチ応答を統合する。具体例を以下に3つ開示する。
(e1)HNB/HeNBデュアル機は、該移動端末に対してアタッチ応答を通知しない。
(e2)HNB/HeNBデュアル機は、該移動端末に対してアタッチ拒否を通知する。
(e3)該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、双方のコアネットワークから受信したアタッ拒否を示す情報をマッピングし、該移動端末宛に通知する。アタッチ拒否の示し方の具体例としては、双方のシステムの該移動端末宛の制御情報を含まないアタッチ応答とする。
第3ステップとして該アタッチ応答を受信した移動端末は、双方のシステムに対するアタッチが拒否されたことを認識してもよい。移動端末は、他のシステムあるいは他のセルをサーチしてもよい。つまり、本動作例においては、第4ステップ、第5ステップは実行されない。
(3)アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ拒否を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ承認を受信した際のアタッチ応答の統合処理、および統合処理後の動作例を以下に開示する。アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ承認を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ承認を受信した際のアタッチ応答の統合処理と異なる部分のみを説明する。
第1ステップとして、3.9Gコアネットワーク(MME)と2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からのアタッチ応答を統合する。具体例を以下に3つ開示する。
(f1)該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、3.9Gシステムから受信したアタッチ承認を示す情報をマッピングする。
(f2)該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、3.9Gシステムのアタッチ承認に含まれる該移動端末宛の制御情報をマッピングする。
(f3)該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、3.9Gシステムのアタッチ承認に含まれる該移動端末宛の制御情報と、2G/3Gシステムのアタッチ拒否を示すインジケータとをマッピングする。
第3ステップとして、該アタッチ応答を受信した移動端末は、3.9Gシステムに対するアタッチが承認されたこと、および2G/3Gシステムに対するアタッチが拒絶されたことを認識してもよい。
第4ステップとして、該移動端末は、HNB/HeNBデュアル機のHeNBに対して、アタッチ完了を送信する。該アタッチ完了には、3.9Gシステムのアタッチ完了を示すインジケータが含まれていてもよい。
第5ステップとして、移動端末からアタッチ完了を受信した際、HNB/HeNBデュアル機は、3.9Gシステムに対してアタッチ完了を実行する。ルーティング機能の1つであるHNBGW/RNC(2G/3Gシステム)とMME(3.9Gシステム)との双方に対して、移動端末のアタッチ完了を通知する機能を止めてもよい。
(4)アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ承認を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ拒否を受信した際のアタッチ応答の統合処理例を以下に開示する。アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ承認を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ承認を受信した際のアタッチ応答の統合処理と異なる部分のみを説明する。
第1ステップとして、3.9Gコアネットワーク(MME)と2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からのアタッチ応答を統合する。具体例を以下に3つ開示する。
(g1)HNB/HeNBデュアル機は、該移動端末に対してアタッチ応答を通知しない。
(g2)HNB/HeNBデュアル機は、該移動端末に対してアタッチ拒否を通知する。
(g3)3.9Gコアネットワーク(MME)と2G/3Gコアネットワーク(HNBGW/RNC)からのアタッチ応答を統合する。具体例を以下に3つ開示する。(2−1)該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、2G/3Gシステムから受信したアタッチ承認を示す情報をマッピングする。(2−2)該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、2G/3Gシステムのアタッチ承認に含まれる該移動端末宛の制御情報をマッピングする。(2−3)該移動端末宛の1つのアタッチ応答に、2G/3Gシステムのアタッチ承認に含まれる該移動端末宛の制御情報と、3.9Gシステムシステムのアタッチ拒否を示すインジケータとをマッピングする。
第2ステップとして、統合したアタッチ応答を該移動端末へ通知する際、リダイレクション先を示すパラメータを合わせて通知してもよい。これにより、移動端末によるサーチ処理時間、システム情報取得時間などを短縮することが可能となる。リダイレクション先として、HNB/HeNBデュアル機のHNBとするとよい。ソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBと、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBとは、同じロケーションに配置されていることとなるので、該移動端末がリダイレクション先のカバレッジ内に位置すること保証されやすくなる。
またソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBと、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBとが、物理的に同じ機器の中に収納されているため、ソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBが、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBを示すパラメータを容易に入手することができる。パラメータの入手の際に、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いてもよい。リダイレクション先を示すパラメータ例を以下に6つ開示する。(1)2G/3Gシステム用のキャリア周波数。(2)セル識別子。スクランブリングコードなどが考えられる。(3)2G/3Gシステム用のロケーションエリア情報。LAIなどが考えられる。(4)システム情報。(5)CSG−ID。(6)セルのアクセスモード。
第3ステップとして、該アタッチ応答を受信した移動端末は、2G/3Gシステムに対するアタッチが承認されたこと、および3.9Gシステムに対するアタッチが拒絶されたことを認識してもよい。
第4ステップとして、該移動端末は、HNB/HeNBデュアル機のHeNBに対して、アタッチ完了を送信する。あるいは、該移動端末は、HNB/HeNBデュアル機のHNBに対して、アタッチ完了を送信する。該アタッチ完了には、2G/3Gシステムのアタッチ完了を示すインジケータが含まれていてもよい。また、該移動端末は、2G/3Gシステムへリダイレクションする。その際、アタッチ応答に含まれたリダイレクション先を示すパラメータを用いてもよい。
第5ステップとして、移動端末からアタッチ完了を受信した際、HNB/HeNBデュアル機は、2G/3Gシステムに対してアタッチ完了を実行してもよい。ルーティング機能の1つであるHNBGW/RNC(2G/3Gシステム)と、MME(3.9Gシステム)との双方に対して、移動端末のアタッチ完了を通知する機能を止めてもよい。
実施の形態4を用いた具体的な動作例を、図33を用いて説明する。図33は、実施の形態4の解決策を用いた場合の通信システム32のシーケンスの一例を示す図である。
図33では、アタッチ応答として、2G/3Gコアネットワーク(MSC/VLR)からアタッチ承認を受信し、3.9Gコアネットワーク(MME)からアタッチ承認を受信した場合を説明する。
ステップST4201において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機設置場所のコアネットワーク状況を確認する。
ステップST4202において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機設置場所のコアネットワークが3.9Gシステム対応であるか否かを判断する。ステップST4202では、LTE対応であるか否かを判断してもよい。ステップST4202において、LTE対応であると判断した場合は、ステップST4203へ移行し、LTE対応でないと判断した場合は、本発明の本質部分ではないので、説明を省略する。
ステップST4203において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機設置場所のコアネットワークが、2G/3Gシステム対応であるか否かを判断する。ステップST4203では、3G対応であるか否かを判断してもよい。ステップST4203において、3G対応であると判断した場合は、ステップST4204へ移行し、3G対応でないと判断した場合は、本発明の本質部分ではないので、説明を省略する。
ステップST4204において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機設置場所のコアネットワークがCSFB対応であるか否かを判断する。ステップST4204において、CSFB対応であると判断した場合は、ステップST4205へ移行し、CSFB対応でないと判断した場合は、ステップST4207へ移行する。
ステップST4205において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへルーティングOFFを通知する。
ステップST4206において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4207において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへルーティングONを通知する。
ステップST4208において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、傘下の移動端末より連携アタッチ要求を受信する。
ステップST4209において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、ルーティング機能がONされているか否かを判断する。ステップST4209において、ルーティング機能がONされていると判断した場合は、ステップST4210へ移行し、ルーティング機能がONされていないと判断した場合は、ステップST4700へ移行する。ステップST4700において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4210において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、ステップST4208において受信した連携アタッチ要求を分離する。
ステップST4211において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、分離したアタッチ要求をHNB/HeNBデュアル機内のHNBへ通知する。該通知はHNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。
ステップST4212において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、ステップST4211において通知されたアタッチ要求をHNBGW経由で2G/3Gコアネットワークへ通知する。
ステップST4213において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、分離したアタッチ要求を3.9Gコアネットワークへ通知する。
ステップST4214において、HSSは、ステップST4212においてHNB/HeNBデュアル機内のHNBから受信したアタッチ要求と、ステップST4213においてHNB/HeNBデュアル機内のHeNBから受信した連携アタッチ要求を基に、アタッチ管理を実行する。
ステップST4215において、HSSは、MSC/VLR、HNBGW経由でHNB/HeNBデュアル機内のHNBへアタッチ応答を通知する。
ステップST4216において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、ステップST4215において受信したアタッチ応答を、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ通知する。
ステップST4217において、HSSは、MME経由でHNB/HeNBデュアル機内のHeNBへアタッチ応答を通知する。
ステップST4218において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、ステップST4216において受信した2G/3Gコアネットワークからのアタッチ応答と、ステップST4217において受信した3.9Gコアネットワークからのアタッチ応答とを統合する。
ステップST4219において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、移動端末へアタッチ応答を通知する。
ステップST4220において、移動端末は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへアタッチ完了を通知する。
ステップST4221において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、ステップST4220において受信したアタッチ完了を分離する。
ステップST4222において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、分離したアタッチ完了を、HNB/HeNBデュアル機内のHNBへ通知する。該通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。
ステップST4223において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、ステップST4222において通知されたアタッチ完了をHNBGW経由で、MSC/VLRへ通知する。
ステップST4224において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、分離したアタッチ完了を3.9Gコアネットワークへ通知する。
CSFB機能を有する、あるいは3.9Gシステムと2G/3Gシステムのデュアル対応の移動端末が、HNB/HeNBデュアル機のHNB経由で連携アタッチ要求、あるいはアタッチ要求した場合においても、HNB/HeNBデュアル機は、ルーティング機能を開始してもよい。
また、CSFB機能を有する移動端末からの在圏エリアアップデート、具体例としてはTAU、LAUが実施された場合も、実施の形態4と同様に、HNB/HeNBデュアル機が2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末の在圏エリアアップデートを実行できる。また、CSFB機能を有する移動端末からの位置登録が実施された場合も、実施の形態4と同様に、HNB/HeNBデュアル機が2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末の位置登録を実行できる。
実施の形態4は、HNB/HeNBデュアル機を中心に説明したが、デュアルセルに適用可能である。デュアルセルの具体例としては、eNodeBとNodeBとの双方で動作可能な基地局、2Gシステムと3.9Gシステムとで動作可能な基地局などがある。
実施の形態4により以下の効果を得ることができる。ロケーションがCSFBに非対応であった場合でも、3.9Gに対応している移動端末からのアタッチ要求を、デュアルセルにより分離し、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとにアタッチすることが可能となる。これによって、該移動端末宛に2G/3Gシステムを用いた音声着呼、例えばCS着呼が発生した場合に、HSSにより該移動端末の在圏するMSC/VLRを検索することが可能となる。したがって、該移動端末が3.9Gシステムにて在圏しつつ、2G/3Gシステムからの音声着呼が可能となる。これによって、上記のようなロケーションであっても、移動端末のユーザが3.9Gからの高速データ通信サービスと音声通話サービスとの双方を受けるためのアタッチを行うことが可能となる。
また本解決策において、ネットワーク側の状況によらず、CSFBの能力を有する移動端末のアタッチ要求動作が、従来の方法である連携アタッチ要求と同一となる点において、移動端末の処理が複雑にならない点にて有効な解決策といえる。
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4の変形例1では、実施の形態4と同様の課題について、実施の形態4とは異なるアタッチ処理について詳細な解決策を開示する。実施の形態4の変形例1での解決策を以下に示す。実施の形態4の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態4と同様とする。
コアネットワークのエンティティが、コアネットワーク状況に応じてHNB/HeNBデュアル機のルーティング機能をON/OFFする。ルーティング機能ONの場合は、HNB/HeNBデュアル機が、移動端末から連携アタッチ要求を受信した際、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末のアタッチ要求を実行する。コアネットワーク状況を確認するコアネットワークのエンティティの具体例としては、MMEがある。
基地局が、コアネットワーク状況を確認するコアネットワークのエンティティへセル能力を通知する。セル能力の具体例としては、ルーティング機能を有するか否かの情報を通知してもよいし、デュアルセルであるか否かの情報を通知してもよい。該通知のタイミング例を以下に5つ開示する。(1)基地局の設置の際に通知する。(2)基地局の電源がONされたときに通知する。基地局のエナジーセービングモードが解除されたときであってもよい。(3)基地局が上位装置に対してレジストレーションを行ったときに通知する。(4)周期的に通知する。(5)コアネットワークのエンティティから問合せがあった際に通知する。
セル能力を通知するHNB/HeNBデュアル機内の処理ブロックの具体例を以下に3つ開示する。(1)制御部。(2)HeNB。(3)HNB。
コアネットワークがCSFB対応か否かを判断する方法の具体例は、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
コアネットワークのエンティティにおいて、コアネットワーク状況を確認するタイミング例を以下に6つ開示する。(1)該エンティティの設置の際に確認する。(2)周期的に確認する。(3)基地局からセル能力を受信した際に確認する。(4)移動端末から連携アタッチ要求を受信したときに確認する。(5)コアネットワークが基地局のエナジーセービングモードを解除する際に確認する。(6)コアネットワークが基地局からのレジストレーションを受信したときに確認する。
基地局がルーティング機能を有する場合のみ、コアネットワークのエンティティがコアネットワーク状況を確認してもよい。あるいは、基地局がデュアルセルである場合のみ、コアネットワークのエンティティがコアネットワーク状況を確認してもよい。これによって、コアネットワークのエンティティにおいて不要な処理を削減できるという効果を得ることができる。
ルーティング機能ON/OFFの判断の具体例は、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。ルーティング機能ON/OFFの判断のタイミング例を以下に3つ開示する。(1)基地局からルーティング機能を有するか否かの情報などを受信した際に確認する。(2)移動端末から連携アタッチ要求を受信したときに確認する。(3)コアネットワークエンティティにおいてコアネットワーク状況を確認するときに判断する。
コアネットワーク状況を確認するコアネットワークのエンティティの具体例がMMEである場合において、MMEからHNB/HeNBデュアル機へルーティング機能ON/OFFの判断結果の通知方法の具体例を、以下に開示する。S1インタフェースを用いる。
通知に用いるメッセージの具体例について、以下に2つ開示する。(1)ルーティング機能ON/OFF通知用にメッセージを新設する。(2)連携アタッチ応答メッセージ、あるいはアタッチ応答メッセージ、あるいはアタッチ応答メッセージに付随したメッセージ。
判断結果の情報の内容の具体例について、以下に3つ開示する。(1)ルーティング機能ONであるか否かを通知する。(2)ルーティング機能ONである旨を通知する。(3)ルーティング機能ONでない旨を通知する。
判断結果の通知タイミングの具体例について、以下に2つ開示する。(1)連携アタッチ応答の際に通知する。(2)セル能力を受信した際に通知する。
基地局がルーティング機能を有する場合のみ、コアネットワークのエンティティがルーティング機能ON/OFFの判断、ルーティング機能ON/OFFの通知を行ってもよい。あるいは、基地局がデュアルセルである場合のみ、コアネットワークのエンティティがルーティング機能ON/OFFの判断、ルーティング機能ON/OFFの通知を行ってもよい。これによって、コアネットワークのエンティティにおいて不要な処理を削減できるという効果を得ることができる。
実施の形態4の変形例1を用いた具体的な動作例を、図34を用いて説明する。図34は、実施の形態4の変形例1の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図34は、図33に類似しているので、図33に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST4301において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、MMEへセル能力を通知する。
ステップST4302において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、傘下の移動端末より連携アタッチ要求を受信する。
ステップST4303において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、連携アタッチ要求を3.9Gコアネットワークへ通知する。
ステップST4304において、MMEは、コアネットワーク状況を確認する。ステップST4305において、MMEは、コアネットワークが3.9Gシステム対応であるか否かを判断する。ステップST4305では、LTE対応であるか否かを判断してもよい。ステップST4305において、LTE対応であると判断した場合は、ステップST4306へ移行し、LTE対応でないと判断した場合は、本発明の本質部分ではないので、説明を省略する。
ステップST4306において、MMEは、コアネットワークが2G/3Gシステム対応であるか否かを判断する。ステップST4306では、3G対応であるか否かを判断してもよい。ステップST4306において、3G対応であると判断した場合は、ステップST4307へ移行し、3G対応でないと判断した場合は、本発明の本質部分ではないので、説明を省略する。
ステップST4307において、MMEは、コアネットワークがCSFB対応であるか否かを判断する。ステップST4307において、CSFB対応であると判断した場合は、ステップST4308へ移行し、CSFB対応でないと判断した場合は、ステップST4309へ移行する。
ステップST4308において、MMEは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4309において、MMEは、ステップST4303において受信した連携アタッチ要求をHSSへ通知する。
ステップST4310において、HSSは、ステップST4309においてHNB/HeNBデュアル機内のHeNBから受信した連携アタッチ要求を基に、該移動端末のアタッチ管理を行う。該移動端末が3.9Gシステムにアタッチされていることを記憶する。
ステップST4311において、HSSは、MME経由でHNB/HeNBデュアル機内のHeNBへアタッチ応答を通知する。
ステップST4312において、MMEは、HNB/HeNBデュアル機へルーティング機能ON/OFFの判断結果を通知する。通知先は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNB、HNB、制御部などが考えられる。本動作例においては、MMEは、ルーティング機能ONをHNB/HeNBデュアル機のHeNBへ通知する。
ステップST4700において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4313において、HSSは、ステップST4212においてHNB/HeNBデュアル機内のHNBから受信したアタッチ要求を基に、アタッチ管理を実行する。本変形例には、移動端末が、3Gシステムにアタッチされていることを記憶する。この際、ステップST4310において先に実行されている同じ移動端末に関するアタッチ管理と統一して、あるいは関係付けて管理する。本変形例では、移動端末が、3Gシステムと3.9Gシステムとにアタッチされていることを記憶する。
CSFB機能を有する、あるいは3.9Gシステムと2G/3Gシステムとのデュアル対応の移動端末が、HNB/HeNBデュアル機のHNB経由で連携アタッチ要求、あるいはアタッチ要求した場合においても、HNB/HeNBデュアル機は、ルーティング機能を開始してもよい。
また、CSFB機能を有する移動端末からの在圏エリアアップデート、具体例としてはTAU、LAUが実施された場合も、実施の形態4の変形例1と同様に、HNB/HeNBデュアル機が2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末の在圏エリアアップデートを実行できる。また、CSFB機能を有する移動端末からの位置登録が実施された場合も、実施の形態4と同様に、HNB/HeNBデュアル機が2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末の位置登録を実行できる。
実施の形態4の変形例1は、HNB/HeNBデュアル機を中心に説明したが、デュアルセルに適用可能である。デュアルセルの具体例としては、eNodeBとNodeBとの双方で動作可能な基地局、2Gシステムと3.9Gシステムとの双方で動作可能な基地局などがある。
実施の形態4の変形例1により、実施の形態4の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。デュアルセルがネットワーク状況を確認する必要が無い点において、デュアルセルの処理が複雑にならないという点において有効である。
実施の形態4 変形例2.
実施の形態4の変形例2では、実施の形態4と同様の課題について、実施の形態4および実施の形態4の変形例1とは異なるアタッチ処理について詳細な解決策を開示する。実施の形態4の変形例2での解決策を以下に示す。実施の形態4の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については実施の形態4と同様とする。
HNB/HeNBデュアル機が、コアネットワークからのアタッチ応答に含まれる情報を基に、設置場所のコアネットワーク状況を判断する。そしてHNB/HeNBデュアル機が、設置場所のコアネットワーク状況に応じて、ルーティング機能をON/OFFする。ルーティング機能ONの場合は、HNB/HeNBデュアル機が移動端末から連携アタッチ要求を受信した際、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末のアタッチ要求を実行する。
HNB/HeNBデュアル機は傘下の移動端末から連携アタッチ要求を受信した場合、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3と同様に、該連携アタッチ要求をMMEへ通知する。
HNB/HeNBデュアル機のネットワーク状況の判断の具体例を以下に開示する。連携アタッチ応答、あるいはアタッチ応答に含まれる情報を基に判断する。該情報は該移動端末宛の制御情報であってもよい。移動端末宛の制御情報の具体例としては移動端末のテンポラリ識別子などがある。2G/3Gシステム用の情報が含まれていなければCSFB非対応の地域であると判断する。2G/3Gシステム用の情報が含まれていればCSFB対応の地域であると判断する。
ルーティング機能ON/OFFの判断の具体例を以下に開示する。CSFB非対応のコアネットワークである場合、HNB/HeNBデュアル機のルーティング機能をONすべきと判断する。それ以外のコアネットワークの状況である場合、HNB/HeNBデュアル機のルーティング機能をOFFすべきと判断する。それ以外のコアネットワークの状況の具体例はCSFB対応のコアネットワークなどがある。
ルーティング機能ONと判断したHNB/HeNBデュアル機は、連携アタッチ要求を分離後、2G/3Gシステムへのアタッチ要求を実行する。ここでは3.9Gシステムへのアタッチ要求は既に実行されているので不要である。
実施の形態4の変形例1を用いた具体的な動作例を、図35を用いて説明する。図35は、実施の形態4の変形例2の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図35は、図33に類似しているので、図33に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST4401において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、傘下の移動端末より連携アタッチ要求を受信する。
ステップST4402において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、ステップST4401において受信した連携アタッチ要求を3.9Gコアネットワークへ通知する。
ステップST4403において、HSSは、ステップST4402においてHNB/HeNBデュアル機内のHeNBから受信した連携アタッチ要求を基に、移動端末のアタッチ管理を行う。具体的には、移動端末が3.9Gシステムにアタッチされていることを記憶する。
ステップST4404において、HSSは、MME経由でHNB/HeNBデュアル機内のHeNBへアタッチ応答を通知する。
ステップST4405において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、連携アタッチ応答に含まれる情報を判断する。ステップST4405では、アタッチ応答に2G/3Gシステム用の制御情報が含まれているか否かを判断してもよい。ステップST4405において、2G/3Gシステム用の制御情報が含まれていると判断した場合は、ステップST4406へ移行し、2G/3Gシステム用の制御情報が含まれていないと判断した場合は、ステップST4407へ移行する。
ステップST4406において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4407において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、HNB/HeNBデュアル機の設置場所のコアネットワークがCSFB非対応である、換言すれば、CSFB非対応の地域であると判断する。
ステップST4408において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、ルーティング機能をONとする。
ステップST4409において、HSSは、ステップST4212においてHNB/HeNBデュアル機内のHNBから受信したアタッチ要求を基に、アタッチ管理を実行する。本変形例は、移動端末が、3Gシステムにアタッチされていることを記憶する。この際、ステップST4403において先に実行されている同じ移動端末に関するアタッチ管理と統一して、あるいは関係付けて管理する。本変形例では、移動端末が、3Gシステムと3.9Gシステムにアタッチされていることを記憶する。
CSFB機能を有する、あるいは3.9Gシステムと2G/3Gシステムとのデュアル対応の移動端末がHNB/HeNBデュアル機のHNB経由で連携アタッチ要求、あるいはアタッチ要求をした場合においても、HNB/HeNBデュアル機はルーティング機能を開始してもよい。
また、CSFB機能を有する移動端末からの在圏エリアアップデート、具体例としてはTAU、LAUが実施された場合も、実施の形態4の変形例2と同様に、HNB/HeNBデュアル機が2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末の在圏エリアアップデートを実行できる。また、CSFB機能を有する移動端末からの位置登録が実施された場合も、実施の形態4と同様に、HNB/HeNBデュアル機が2G/3Gシステムと3.9Gシステムとの双方に対して、移動端末の位置登録を実行できる。
実施の形態4の変形例2は、HNB/HeNBデュアル機を中心に説明したが、デュアルセルに適用可能である。デュアルセルの具体例としては、eNodeBとNodeBとの双方で動作可能な基地局、2Gシステムと3.9Gシステムとの双方で動作可能な基地局などがある。
実施の形態4の変形例2により、実施の形態4、実施の形態4の変形例1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
MMEがネットワーク状況に応じてデュアルセルのルーティング機能をON/OFFする新たな機能を設ける必要が無い点、および、MMEとデュアルセル間にルーティング機ON/OFFの判断結果を通知する等の新たなメッセージを設ける必要がない点において、有効である。
実施の形態4 変形例3.
実施の形態4の変形例3では、実施の形態4と同様の課題について、音声発呼(CS発呼)処理における詳細な解決策を開示する。
HNB/HeNBデュアル機は、傘下の移動端末からの拡張サービス要求がコアネットワークから拒否された場合は、該移動端末へリダイレクションを伴う拒否を通知する。
拒否のみではなく、リダイレクションを伴うことにより、移動端末が再度拡張サービスリクエストを送信することを防ぐことができる。これにより、制御遅延防止、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。
コアネットワークにおけるエンティティの具体例としてはMMEなどがある。
コアネットワークがCSFB対応か否かを判断する方法の具体例は、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
コアネットワーク状況を確認するタイミング例を以下に3つ開示する。(1)該エンティティの設置の際に確認する。(2)周期的に確認する。(3)移動端末から拡張サービス要求を受信したときに確認する。
コアネットワークにおける拡張サービス要求の承認または拒否の判断の具体例を以下に開示する。CSFB対応のコアネットワークである場合、拡張サービス要求を承認すべきと判断する。前記の状況であっても3.9Gコアネットワークが混雑している場合は、拡張サービス要求を承認しなくてもよい。前記の状況であっても2G/3Gコアネットワークが混雑している場合は、拡張サービス要求を承認しなくてもよい。それ以外のコアネットワークの状況である場合、拡張サービス要求を拒否すべきと判断する。それ以外のコアネットワークの状況の具体例を以下に4つ開示する。(1)CSFB非対応のコアネットワーク。(2)3.9Gコアネットワークが混雑している。(3)2G/3Gコアネットワークが混雑している。(4)(1)〜(3)の組合せ。
コアネットワークは、拡張サービス要求の拒否の理由を通知してもよい。コアネットワークは、拡張サービス要求の拒否の際に、CSFB非対応である旨を通知してもよい。拡張サービス要求応答中にCSFB非対応を示すインジケータを新設してもよい。拡張サービス要求の拒否の理由を付加することで、該拒否を受信したHNB/HeNBデュアル機の動作を拒否の理由別にすることが可能となる。
HNB/HeNBデュアル機の動作の具体例について、以下に2つのパターンを開示する。
(1)拡張サービス要求に拒否の理由が通知されない場合について以下に開示する。拡張サービス要求の拒否を受信した場合、移動端末に対して拡張サービス要求応答として拒否を通知する。合わせてリダイレクションの指示を通知してもよい。拡張サービス要求の承認を受信した場合、移動端末に対して拡張サービス要求応答として承認を通知する。
(2)拡張サービス要求に拒否の理由が通知される場合について以下に開示する。CSFB非対応を理由に拡張サービス要求の拒否を受信した場合、移動端末に対して拡張サービス要求応答として拒否を通知するとともにリダイレクションの指示を通知する。CSFB非対応以外を理由に拡張サービス要求の拒否を受信した場合、移動端末に対して拡張サービス要求応答として拒否を通知する。拡張サービス要求の承認を受信した場合、移動端末に対して拡張サービス要求応答として承認を通知する。拡張サービス要求に拒否の理由が通知されることにより、移動端末が再度拡張サービス要求しても、拒否されることが確実な場合においてリダイレクションの指示を確実に行うことが可能となる。
HNB/HeNBデュアル機は、移動端末へリダイレクションを通知する場合、リダイレクション先を示すパラメータを合わせて通知してもよい。これにより、移動端末によるサーチ処理時間、システム情報取得時間などを短縮することが可能となる。リダイレクション先は、HNB/HeNBデュアル機のHNBとするとよい。これによって、ソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBと、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBとは、同じロケーションに配置されていることとなるので、移動端末がリダイレクション先のカバレッジ内に位置することが保証されやすくなる。またソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBと、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBとが物理的に同じ機器の中に収納されているので、ソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBが、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBを示すパラメータを容易に入手することができる。リダイレクション先を示すパラメータ例を以下に6つ開示する。(1)2G/3Gシステム用のキャリア周波数。(2)セル識別子。スクランブリングコードなどが考えられる。(3)2G/3Gシステム用のロケーションエリア情報。LAIなどが考えられる。(4)システム情報。(5)CSG−ID。(6)セルのアクセスモード。
リダイレクション先を示すパラメータを、リダイレクションメッセージ、あるいは拡張サービス要求の拒否メッセージ、あるいは別のメッセージへマッピングする処理を実行するHNB/HeNBデュアル機内の処理ブロックの具体例を以下に開示する。
(1)HeNB。パラメータの入手方法の具体例としては、HNB/HeNBデュアル機内のHNBから、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ通知される。パラメータの通知の際には、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いてもよい。あるいは、パラメータは、HNB/HeNBデュアル機内のHNBからHNB/HeNBデュアル機内の制御部へ通知され、HNB/HeNBデュアル機内の制御部からHNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ通知されてもよい。
(2)制御部。パラメータの入手方法の具体例としては、HNB/HeNBデュアル機内のHNBからHNB/HeNBデュアル機内の制御部へ通知される。
移動端末の動作の具体例について、以下に2つのパターンを開示する。
(1)拡張サービス要求に拒否の理由が通知されない場合について以下に開示する。拡張サービス要求の拒否を受信した場合、再度同じセルを対象に拡張サービス要求を通知する、あるいは他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。合わせてリダイレクションの指示を受信した場合は、他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。リダイレクション先が通知されている場合、該パラメータを用いてサーチ動作を行ってもよい。拡張サービス要求の承認を受信した場合、発呼処理を継続する。
(2)拡張サービス要求に拒否の理由が通知される場合について以下に開示する。CSFB非対応を理由に拡張サービス要求の拒否を受信した場合、他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。リダイレクション先が通知されている場合、該パラメータを用いてサーチ動作を行ってもよい。CSFB非対応以外を理由に拡張サービス要求の拒否を受信した場合、再度同じセルを対象に拡張サービス要求を通知する、あるいは他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。拡張サービス要求の承認を受信した場合、発呼処理を継続する。拡張サービス要求に拒否の理由が通知されることにより、移動端末が再度拡張サービス要求しても拒否されることが確実な場合において、再度の拡張サービス要求を未然に防ぐことができる。これにより、移動端末の消費電力削減という効果を得ることができる。
実施の形態4の変形例3を用いた具体的な動作例を、図36を用いて説明する。図36は、実施の形態4の変形例3の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
ステップST4501において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、傘下の移動端末より、拡張サービス要求を受信する。HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、MMEへ該拡張サービス要求を通知する。ステップST4502において、MMEは、コアネットワーク状況を確認する。
ステップST4503において、MMEは、コアネットワークがCSFB対応であるか否か、換言すればCSFB対応の地域であるか否かを判断する。ステップST4503において、CSFB対応であると判断した場合は、ステップST4506へ移行し、CSFB対応でないと判断した場合は、ステップST4504へ移行する。
ステップST4504において、MMEは、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ、CSFB非対応を理由に拡張サービス要求の拒否を通知する。その後、ステップST4508の後へ移行する。
ステップST4506において、MMEは、3Gコアネットワークが混雑しているか否かを判断する。ステップST4506において、混雑していないと判断した場合は、ステップST4507へ移行し、混雑していると判断した場合は、ステップST4508へ移行する。
ステップST4507において、MMEは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4508において、MMEは、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ、拡張サービス要求の拒否を通知する。
ステップST4509において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、拡張サービス要求の応答が拒否であるか否かを判断する。ステップST4509において、拒否でないと判断した場合は、ステップST4510へ移行し、拒否であると判断した場合は、ステップST4511へ移行する。
ステップST4510において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4511において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、拡張サービス要求の拒否の理由がCSFB非対応であるか否かを判断する。ステップST4511において、CSFB非対応が理由でないと判断した場合は、ステップST4512へ移行し、CSFB非対応が理由であると判断した場合は、ステップST4513へ移行する。
ステップST4512において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、移動端末へ拡張サービス要求応答として拒否を通知する。
ステップST4513において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、リダイレクション先を示すパラメータを確認する。具体例としては、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、同じHNB/HeNBデュアル機内のHNBを示すシステム情報を確認する。
ステップST4514において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、拡張サービス要求の拒否メッセージに、ステップST4513において確認したパラメータ、例えば同じHNB/HeNBデュアル機内のHNBを示すシステム情報を付加する。
ステップST4515において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、移動端末へ、拡張サービス要求応答として拒否を通知するとともに、リダイレクションの指示を通知する。
ステップST4516において、移動端末は、リダイレクションの指示を受信したか否か、換言すればリダイレクションの指示が有ったか否かを判断する。ステップST4516において、受信したと判断した場合は、ステップST4517へ移行し、受信していないと判断した場合は、再度、HNB/HeNBデュアル機へ拡張サービス要求を通知するためにステップST4501へ戻る。
ステップST4517において、移動端末は、リダイレクション処理を実行する。具体例としては、移動端末は、他のシステムである2G/3Gシステムにおいて、セル選択処理を実行する。セル選択処理では、ステップST4515においてリダイレクション先が通知されている場合は、通知されているリダイレクション先のパラメータを用いてセル選択処理を行ってもよい。本動作例では、移動端末は、HNB/HeNBデュアル機内のHNBをセル選択する。
ステップST4518において、移動端末は、HNB/HeNBデュアル機内のHNB経由で3Gシステムにおける発呼処理を行う。
本実施の形態4の変形例3は、移動端末が待受け(Idle)中に音声発呼する場合を中心に説明した。移動端末が通話(Active)中に音声発呼する場合も、実施の形態4の変形例3と同様に実行できる。移動端末が通話中に音声発呼する場合の適用例について以下に2つ開示する。(1)HNB/HeNBデュアル機は、3.9Gシステムで接続中のデータ通信路を切断する処理を行う。前記データには制御データ、およびユーザデータが含まれる。(2)PS HOをサポートしている場合は、HeNBからデュアル機内のHNBをターゲットセルとして、PS HOを実行する。PS HO実行の方法は、実施の形態1、実施の形態2で開示した方法を用いるとよい。
また本実施の形態4の変形例3は、HNB/HeNBデュアル機を中心に説明したが、デュアルセルに適用可能である。デュアルセルの具体例としては、eNodeBとNodeBとの双方で動作可能な基地局、2Gシステムと3.9Gシステムとの双方で動作可能な基地局などがある。
本実施の形態4の変形例3は、実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2と組み合わせて用いることができる。
実施の形態4の変形例3により、以下の効果を得ることができる。3.9Gに対応している移動端末からの音声発呼を、リダイレクションの指示とともに拒否することが可能となる。これにより、該移動端末からの3.9Gシステムへの再度の音声発呼を抑制することが可能となる。これにより、ロケーションがCSFBに非対応である場合に、移動端末のユーザが3.9Gからの高速データ通信サービスを受けていたときであっても、あるいは3.9Gにて待受けていたときであっても、制御遅延を少なく抑えて、2G/3Gシステムでの音声発呼が可能となる。
また、リダイレクションの指示とともに、リダイレクション先としてデュアルセル中の2G/3Gシステムに関する情報を通知することによって、移動端末によるサーチ処理時間、システム情報取得時間などを短縮することが可能となる。これにより、制御遅延を更に削減することができる。
また本変形例における解決策は、ネットワーク側の状況によらず、CSFB能力を有する移動端末の音声発呼動作が、従来の方法である拡張サービス要求と同一となり、移動端末の処理が複雑にならないという点において、有効な解決策といえる。
実施の形態4 変形例4.
実施の形態4の変形例4では、実施の形態4と同様の課題について、実施の形態4の変形例3とは異なる音声発呼(CS発呼)について詳細な解決策を開示する。実施の形態4の変形例4での解決策を以下に示す。実施の形態4の変形例3の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については実施の形態4の変形例3と同様とする。
HNB/HeNBデュアル機は、ルーティング機能ONの場合に、傘下の移動端末からの音声発呼のための無線区間接続要求を受信した際、該移動端末にリダイレクションを伴う拒否を通知する。無線区間接続要求は、「RRC Connection Request」とも称される。それに対する拒否は、「RRC Connection Reject」とも称される。
ルーティング機能のON/OFFの設定方法は、実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2で開示した方法を用いることができる。
移動端末から音声発呼、あるいはCS発呼のための無線区間接続要求であることを示す方法の具体例を以下に開示する。無線区間接続要求中に音声発呼、あるいはCS発呼を示すインジケータを設ける。これにより、無線区間接続要求を受信したHNB/HeNBデュアル機の動作を音声発呼のためと、それ以外とで別にすることが可能となる。具体例としては、音声発呼のための無線区間接続要求を受信した場合に、HNB/HeNBデュアル機でルーティング機能を開始し、それ以外は通常の無線区間接続処理を行うことが可能となる。
HNB/HeNBデュアル機における音声発呼のための無線区間接続要求の承認または拒否の判断の具体例を以下に開示する。ルーティング機能がOFFされている場合、音声発呼のための無線区間接続要求を承認すべきと判断する。前記の状況であってもHNB/HeNBデュアル機が混雑している場合は、音声発呼のための無線区間接続要求を承認しなくてもよい。前記の状況であっても3.9Gコアネットワークが混雑している場合は、音声発呼のための無線区間接続要求を承認しなくてもよい。ルーティング機能がONされている場合、音声発呼のための無線区間接続要求を拒否すべきと判断する。HNB/HeNBデュアル機は、該拒否を移動端末に対して通知する場合、合わせてリダイレクションの指示を通知する。移動端末へリダイレクションを通知する場合、リダイレクション先を示すパラメータを合わせて通知してもよい。
HNB/HeNBデュアル機は、音声発呼のための無線区間接続要求の拒否の理由を通知してもよい。HNB/HeNBデュアル機は、音声発呼のための無線区間接続要求に対する拒否メッセージ中に、ネットワーク側がCSFB非対応である旨の情報を含ませて通知してもよい。無線区間接続要求応答中にCSFB非対応を示すインジケータを新設してもよい。音声発呼のための無線区間接続要求の拒否の理由を付加することで、該拒否を受信した移動端末の動作を拒否の理由別にすることが可能となる。
移動端末の動作の具体例について以下に2パターン開示する。
(1)音声発呼のための無線区間接続要求に拒否の理由が通知されない場合について以下に開示する。音声発呼のための無線区間接続要求の拒否を受信した場合、再度同じセルを対象に音声発呼のための無線区間接続要求を通知する、あるいは他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。合わせてリダイレクションの指示を受信した場合は、他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。リダイレクション先が通知されている場合、そのリダイレクション先のパラメータを用いてサーチ動作を行ってもよい。音声発呼のための無線区間接続要求の承認を受信した場合、発呼処理を継続する。
(2)音声発呼のための無線区間接続要求に拒否の理由が通知される場合について以下に開示する。CSFB非対応を理由に音声発呼のための無線区間接続要求の拒否を受信した場合、他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。リダイレクション先が通知されている場合、そのリダイレクション先のパラメータを用いてサーチ動作を行ってもよい。CSFB非対応以外を理由に音声発呼のための無線区間接続要求の拒否を受信した場合、再度同じセルを対象に音声発呼のための無線区間接続要求を通知する、あるいは他のセルをサーチする、あるいは他のシステムをサーチする。音声発呼のための無線区間接続要求の承認を受信した場合、発呼処理を継続する。
音声発呼のための無線区間接続要求に拒否の理由が通知されることにより、移動端末が再度音声発呼のための無線区間接続要求をしても、拒否されることが確実な場合において、再度の音声発呼のための無線区間接続要求を未然に防ぐことができる。これにより、移動端末の消費電力削減という効果を得ることができる。
実施の形態4の変形例4を用いた具体的な動作例を、図37を用いて説明する。図37は、実施の形態4の変形例4の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図37は、図33および図36に類似しているので、図33および図36に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST4601において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、傘下の移動端末より、音声発呼のための無線区間接続要求を受信する。
ステップST4602において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、ルーティング機能がONされているか否かを判断する。ステップST4602において、ルーティング機能がONされていると判断した場合は、ステップST4513へ移行し、ルーティング機能がONされていないと判断した場合は、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4603において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、音声発呼のための無線区間接続要求の拒否メッセージに、ステップST4513において確認した、同じHNB/HeNBデュアル機内のHNBを示すシステム情報を付加する。
ステップST4604において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、移動端末へ音声発呼のための無線区間接続要求応答として拒否を通知するとともに、リダイレクションの指示を通知する。
ステップST4605において、移動端末は、リダイレクションの指示を受信したか否か、換言すればリダイレクションの指示が有ったか否かを判断する。ステップST4605において、受信したと判断した場合は、ステップST4517へ移行し、受信していないと判断した場合は、再度、HNB/HeNBデュアル機へ音声発呼のための無線区間接続要求を通知するために、ステップST4601へ戻る。
HNB/HeNBデュアル機が、移動端末からの音声発呼のための無線区間接続要求を受信した際に、リダイレクションを伴う無線区間接続拒否を通知する代わりに、以下の処理を行ってもよい。HNB/HeNBデュアル機は、音声発呼のための無線区間接続要求に対して、一旦無線区間(RRCとも称される)の接続を行う。その後、HNB/HeNBデュアル機は、リダイレクションを伴う無線区間接続開放(RRC Connection Release)を行う。これによって、一旦接続した無線区間を用いて、大きな制御情報のやり取りが行いやすくなるという効果を得ることができる。リダイレクションを通知する場合、リダイレクション先を示すパラメータを合わせて通知する場合などは、データ量が大きくなるので、以上のようにすることが有効と考えられる。
また、HNB/HeNBデュアル機が、移動端末からの拡張サービス要求を受信した際、コアネットワークへ通知せずに、HNB/HeNBデュアル機が、リダイレクションを伴う拒否の通知を判断してもよい。
本実施の形態4の変形例4は、移動端末が待受け(Idle)中に音声発呼する場合を中心に説明した。移動端末が通話(Active)中に音声発呼する場合も、実施の形態4の変形例4と同様に実行できる。移動端末が通話中に音声発呼する場合の適用例について以下に2つ開示する。(1)HNB/HeNBデュアル機は、3.9Gシステムで接続中のデータ通信路を切断する処理を行う。前記データには制御データ、およびユーザデータが含まれる。(2)PS HOをサポートしている場合は、HeNBからデュアル機内のHNBをターゲットセルとして、PS HOを実行する。PS HO実行の方法は、実施の形態1、実施の形態2で開示した方法を用いるとよい。
また本実施の形態4の変形例4は、HNB/HeNBデュアル機を中心に説明したが、デュアルセルに適用可能である。デュアルセルの具体例としては、eNodeBとNodeBとの双方で動作可能な基地局、2Gシステムと3.9Gシステムとの双方で動作可能な基地局などがある。
本実施の形態4の変形例4は、実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2と組み合わせて用いることができる。
実施の形態4の変形例4により、実施の形態4の変形例3の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。無線区間の接続(RRC Connection)を行うことなく、リダイレクションを行うことができるので、無線リソースの有効活用を図ることができる。
実施の形態4 変形例5.
実施の形態4の変形例5では、実施の形態4と同様の課題について、音声着呼(CS着呼)処理における詳細な解決策を開示する。
MSC/VLRは、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛の音声着呼を受信した場合、コアネットワーク状況に応じて、音声着呼を通知するエンティティを切り替える。
HNB/HeNBデュアル機は、ルーティング機能ONの場合は、MSC/VLRから受信した移動端末宛の音声着呼を、HNB/HeNBデュアル機のHeNBから傘下の移動端末へ通知する。
MSC/VLRがコアネットワーク状況を確認する方法の具体例を以下に開示する。MSC/VLRがMMEとMSC/VLRとの間のインタフェースの有無を確認する。インタフェースが存在した場合は、CSFB対応と判断する。インタフェースが存在しなかった場合は、CSFB非対応と判断する。
コアネットワーク状況を確認するタイミング例を以下に3つ開示する。(1)MSC/VLRの設置の際に確認する。(2)周期的に確認する。(3)移動端末への音声着呼を受信したときに確認する。
MSC/VLRが実行する音声着呼(CS着呼)の切換えの具体例を以下に開示する。CSFB対応のコアネットワークであると判断した場合、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛の音声着呼をMMEへ通知する。該MMEは、CSFB用にMSC/VLRと対応付けられたMMEとする。CSFB対応のコアネットワークでないと判断した場合、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛の音声着呼を、HNBGW/RNC経由で基地局へ通知する。CSFB対応のコアネットワークでないと判断した場合、全ての音声着呼をHNBGW/RNC経由で基地局へ通知するとしてもよい。
HNB/HeNBデュアル機が音声着呼を、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛の音声着呼であると判断する方法の具体例を以下に2つ開示する。
(1)従来から存在する音声着呼に含まれるCSコールインジケータを用いる。新たなメッセージの追加がないことから、移動体通信システムの複雑性回避に有効である。音声着呼のメッセージ中にCSコールインジケータが含まれていれば、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛のCS着呼と判断する。音声着呼のメッセージ中にCSコールインジケータが含まれていなければ、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛のCS着呼ではないと判断する。
(2)連携アタッチを実施しているか否かを示すインジケータを新たに設ける。連携位置登録を実施しているか否かを示すインジケータであってもよい。該インジケータは音声着呼のメッセージ中に設けてもよいし、音声着呼のメッセージに付随して通知してもよい。音声着呼が、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛の音声着呼か否かの判断に、それ専用のインジケータを用いることで、より柔軟な移動体通信システムを構築可能となる。連携アタッチを実施している旨を示すインジケータが含まれていれば、連携アタッチを実施している移動端末宛の音声着呼と判断する。連携アタッチを実施していない旨を示すインジケータが含まれていれば、連携アタッチを実施している移動端末宛の音声着呼ではないと判断する。
音声着呼の振り分けを実行するHNB/HeNBデュアル機の処理ブロックの具体例を以下に2つ開示する。(1)HNB。MSC/VLRから振り分け前の元来の音声着呼を受信する処理ブロックであるので、HNB/HeNBデュアル機の制御動作の複雑性回避に有効である。(2)制御部。
HNB/HeNBデュアル機が行う音声着呼の振り分けの具体例を以下に3つ開示する。
(1)連携アタッチを実施している移動端末宛の音声着呼であると判断した場合、音声着呼をHNB/HeNBデュアル機のHeNBへ通知する。該通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNB間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。HNB/HeNBデュアル機のHeNBから傘下の移動端末へ通知する。連携アタッチを実施している移動端末宛の音声着呼でないと判断した場合、音声着呼をHNB/HeNBデュアル機のHNBから傘下の移動端末へ通知する。
(2)連携アタッチを実施している移動端末宛の音声着呼であると判断した場合、HNB/HeNBデュアル機のHNBから傘下の移動端末へ該音声着呼を通知する。同様に音声着呼をHNB/HeNBデュアル機のHeNBへ通知し、HNB/HeNBデュアル機のHeNBから傘下の移動端末へ該音声着呼を通知する。該HNB/HeNBデュアル機のHeNBへの通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。連携アタッチを実施している移動端末宛の音声着呼でないと判断した場合、音声着呼をHNB/HeNBデュアル機のHNBから傘下の移動端末へ通知する。
(3)HNB/HeNBデュアル機は音声着呼を受信した際、HNB/HeNBデュアル機のHNBから傘下の移動端末へ該音声着呼を通知する。同様に音声着呼をHNB/HeNBデュアル機のHeNBへ通知し、HNB/HeNBデュアル機のHeNBから傘下の移動端末へ該音声着呼を通知する。該HNB/HeNBデュアル機のHeNBへの通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。方法(3)は、方法(1)(2)と比較して、HNB/HeNBデュアル機が音声着呼を、連携アタッチを実施している、あるいは連携位置登録を実施している移動端末宛の音声着呼であると判断する必要がないので、HNB/HeNBデュアル機の処理負荷軽減となる。
音声着呼をHNB/HeNBデュアル機のHeNBから傘下の移動端末へ通知する場合、音声着呼にて、あるいは音声着呼に付随してリダイレクションの指示を通知してもよい。さらにリダイレクション先を通知してもよい。これにより、移動端末によるサーチ処理時間、システム情報取得時間などを短縮することが可能となる。
リダイレクション先は、HNB/HeNBデュアル機のHNBとするとよい。これによって、ソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBと、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBとは、同じロケーションに配置されていることとなるので、該移動端末がリダイレクション先のカバレッジ内に位置することが保証されやすくなる。またソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBと、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBとが物理的に同じ機器の中に収納されているので、ソースセルであるHNB/HeNBデュアル機のHeNBが、リダイレクション先のHNB/HeNBデュアル機のHNBを示すパラメータを容易に入手することができる。パラメータの入手の際に、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いてもよい。
リダイレクション先を示すパラメータ例を以下に6つ開示する。(1)2G/3Gシステム用のキャリア周波数。(2)セル識別子。スクランブリングコードなどが考えられる。(3)2G/3Gシステム用のロケーションエリア情報。LAIなどが考えられる。(4)システム情報。(5)CSG−ID。(6)セルのアクセスモード。
リダイレクション先を示すパラメータを音声着呼にて、あるいは音声着呼に付随して通知する処理ブロックの具体例を以下に3つ開示する。
(1)HeNB。パラメータの入手方法の具体例としては、HNB/HeNBデュアル機内のHNBから、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ通知される。該パラメータの通知の際に、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いてもよい。あるいはHNB/HeNBデュアル機内のHNBからHNB/HeNBデュアル機内の制御部(制御ユニット)へ通知され、HNB/HeNBデュアル機内の制御部からHNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ通知されてもよい。
(2)制御部。パラメータの入手方法の具体例としては、HNB/HeNBデュアル機内のHNBからHNB/HeNBデュアル機内の制御部へ通知される。
(3)HNB。HNBのパラメータをHNB/HeNBデュアル機内の別の処理ブロックへ通知する必要が無い点において、有効な方法である。
移動端末の音声着信応答方法の具体例を以下に2つ開示する。リダイレクションの指示を受信したか否かで音声着信応答方法を別にしてもよい。
(1)リダイレクションの指示を受信しない場合、3.9Gシステムに対して、つまりHNB/HeNBデュアル機のHeNBに対して応答を行う。応答方法の具体例について以下に3つ開示する。(h1)変形例を含む実施の形態1を用いて応答する。(h2)実施の形態4の変形例3を用いて応答する。(h3)実施の形態4の変形例4を用いて応答する。
(2)リダイレクションの指示を受信する場合、2G/3Gシステムに対して、応答を行う。リダイレクション先を受信している場合、該情報を基にセル選択などを行ってもよい。
実施の形態4の変形例5を用いた具体的な動作例を、図38を用いて説明する。図38は、実施の形態4の変形例5の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図38は、図33および図36に類似しているので、図33および図36に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST4701において、MSC/VLRは、音声着呼を受信する。ステップST4702において、MSC/VLRは、音声着呼が発生した移動端末の管理状況をHSS(Home Subscriber Server)にて検索、あるいはHSSへ問合せする。管理状況の具体例としては、該移動端末が連携アタッチを行っているか否かを検索する、あるいは該移動端末が連携位置登録を行っているか否かを検索する。あるいはMSC/VLRは、移動端末の識別情報と連携位置登録がなされていることを示す情報とを保管、あるいは管理し、音声着信を受信した際、連携位置登録がなされているかどうかを判断してもよい。上記移動端末の識別情報と連携位置登録がなされていることを示す情報との保管、あるいは管理は、連携アタッチ、連携位置登録、連携ロケーションエリアアップデートがなされたMSC/VLRによって行われてもよい。
ステップST4703において、MSC/VLRは、該移動端末が連携アタッチを行っているか否かを判断する。ステップST4703において、連携アタッチを行っていると判断した場合は、ステップST4704へ移行し、連携アタッチを行っていないと判断した場合は、ステップST4709へ移行する。
ステップST4704において、MSC/VLRは、コアネットワーク状況を確認する。ステップST4705において、MSC/VLRは、コアネットワークがLTE対応であるか否か、換言すれば、LTE対応地域であるか否かを判断する。ステップST4705では、3.9Gシステム対応であるか否かを判断してもよい。ステップST4705において、LTE対応であると判断した場合は、ステップST4706へ移行し、LTE対応でないと判断した場合は、本発明の本質部分ではないので、説明を省略する。
ステップST4706において、MSC/VLRは、コアネットワークが3Gシステム対応であるか否かを判断する。ステップST4706では、2Gシステムおよび3Gシステムのいずれかに対応しているか否かを判断してもよい。ステップST4706において、3Gシステム対応であると判断した場合は、ステップST4707へ移行し、3Gシステム対応でないと判断した場合は、本発明の本質部分ではないので、説明を省略する。
ステップST4707において、MSC/VLRは、コアネットワークがCSFB対応であるか否か、換言すれば、CSFB対応地域であるか否かを判断する。ステップST4707において、CSFB対応であると判断した場合は、ステップST4708へ移行し、CSFB対応でないと判断した場合は、ステップST4709へ移行する。
ステップST4708において、MSC/VLRは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4709において、MSC/VLRは、移動端末宛の音声着呼を、HNBGW/RNC経由で基地局、具体的にはHNB/HeNBデュアル機内のHNBへ通知する。
ステップST4204において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部が、HNB/HeNBデュアル機設置場所のコアネットワークがCSFB対応である、すなわちCSFB対応の地域であると判断した場合は、ステップST4710へ移行し、CSFB対応でない、すなわちCSFB対応の地域でないと判断した場合は、ステップST4711へ移行する。
ステップST4710において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機内のHNBへ、ルーティングOFFを通知する。
ステップST4711において、HNB/HeNBデュアル機内の制御部は、HNB/HeNBデュアル機内のHNBへ、ルーティングONを通知する。
ステップST4712において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、ルーティング機能がONされているか否かを判断する。ステップST4712において、ルーティング機能がONされていると判断した場合は、ステップST4714へ移行し、ルーティング機能がONされていないと判断した場合は、ステップST4713へ移行する。
ステップST4713において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3へ移行する。
ステップST4714において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、該移動端末が連携アタッチを行っているか否かを判断する。ステップST4714において、連携アタッチを行っていると判断した場合は、ステップST4716へ移行し、連携アタッチを行っていないと判断した場合は、ステップST4715へ移行する。
ステップST4715において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、該移動端末へ音声着呼を通知する。
ステップST4716において、HNB/HeNBデュアル機内のHNBは、ステップST4709において受信した音声着呼とリダイレクションの指示とを、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBへ通知する。該通知は、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBとHNBとの間に設けた新たなインタフェースを用いて行われてもよい。
ステップST4717において、HNB/HeNBデュアル機内のHeNBは、移動端末へ音声着呼とリダイレクションの指示とを通知する。
ステップST4718において、移動端末は、リダイレクションの指示を受信したか否か、換言すれば、リダイレクションの指示が有ったか否かを判断する。ステップST4718において、受信したと判断した場合は、ステップST4517へ移行し、受信していないと判断した場合は、ステップST4719へ移行する。
ステップST4719において、移動端末は、音声着呼を受信したHNB/HeNBデュアル機内のHeNBに対して、音声着信応答を行う。音声着信応答は、HNB/HeNBデュアル機内のHNB、およびHNBGW経由でMSC/VLRへ通知される。
ステップST4517において、移動端末は、リダイレクション処理を実行する。具体例としては、他のシステムである2G/3Gにてセル選択処理を実行する。該セル選択処理では、ステップST4717においてリダイレクション先が通知されている場合、該パラメータを用いてセル選択処理を行ってもよい。本動作例では、該移動端末は、HNB/HeNBデュアル機内のHNBをセル選択する。
ステップST4720において、移動端末は、HNB/HeNBデュアル機内のHNBに対して、音声着信応答を行う。音声着信応答は、HNBGW経由でMSC/VLRへ通知される。ステップST4720において、音声着信応答を受信したHNBは、HeNBに対して行っている音声着呼とリダイレクションの指示との通知を終了する。これによって、HNBがいつまでもHeNBに対して音声着呼信号とリダイレクションの指示とを通知し続けることを回避することができる。また、別の方法として、HNBがHeNBに対して音声着呼とリダイレクションの指示との送出をトリガとし、所定の時間経過後に、該送出を終了するようにしてもよい。該所定の時間をタイマとしてもよい。この別の方法の場合でも、本実施の形態と同等の効果を得ることができる。
本実施の形態4の変形例5は、移動端末が待受け(Idle)中に音声発呼する場合を中心に説明した。移動端末が通話(Active)中に音声着呼する場合も、実施の形態4の変形例5と同様に実行できる。移動端末が通話中に音声発呼する場合の適用例について以下に2つ開示する。(1)HNB/HeNBデュアル機は、3.9Gシステムで接続中のデータに音声着呼をマッピングする。前記データには制御データ、およびユーザデータが含まれる。(2)PS HOをサポートしている場合は、HeNBからデュアル機内のHNBをターゲットセルとして、PS HOを実行する。PS HO実行の方法は、実施の形態1、実施の形態2で開示した方法を用いるとよい。
また本実施の形態4の変形例5は、HNB/HeNBデュアル機を中心に説明したが、デュアルセルに適用可能である。デュアルセルの具体例としては、eNodeBとNodeBとの双方で動作可能な基地局、2Gシステムと3.9Gシステムとの双方で動作可能な基地局などがある。
本実施の形態4の変形例5は、実施の形態4、実施の形態4の変形例1、実施の形態4の変形例2、実施の形態4の変形例3、実施の形態4の変形例4と組み合わせて用いることができる。
実施の形態4の変形例5により、以下の効果を得ることができる。ロケーションがCSFBに非対応である場合に、移動端末のユーザが3.9Gからの高速データ通信サービスを受けていたときであっても、あるいは3.9Gにて待受けていたときであっても、3.9Gシステム経由で音声着呼が可能となる。これによって、例えば該移動端末が待受け中であれば、該移動端末が3.9Gシステムのみに対する間欠受信動作を実行すればよいことになる。音声着呼に対応するシステム、例えば2G/3Gシステムと、高速データ通信に対応するシステム、例えば3.9Gシステムとの双方に対する間欠受信動作を行う必要が無い点において、移動端末の消費電力低減という効果を得ることができる。
また、リダイレクションの指示とともに、リダイレクション先としてデュアルセル中の2G/3Gシステムに関する情報を通知することで、移動端末によるサーチ処理時間、システム情報取得時間などを短縮することが可能となる。これにより、制御遅延を削減することができる。
また本変形例における解決策は、ネットワーク側の状況によらず、CSFB能力を有する移動端末の音声着呼動作が、従来の方法である3.9Gシステムでの音声着呼動作で同一となり、移動端末の処理が複雑にならないという点において、有効な解決策といえる。
実施の形態4 変形例6.
実施の形態4の変形例6で解決する課題について以下に説明する。変形例1〜5を含む実施の形態4では、デュアルセルにてアタッチ、位置登録、ロケーションエリアアップデート、音声着呼、音声発呼などの処理に用いる情報を、2G/3Gシステムと3.9Gシステムとに分離、あるいは振り分ける、あるいは統合するルーティングを実施することで、課題を解決している。
デュアルセル傘下の移動端末が移動し、サービングセルが変更となった場合を考える。新しいサービングセルがデュアルセルで無い場合、変形例1〜5を含む実施の形態4における解決策を用いることができない。CSFBに対応した移動端末では、優先的に3.9GシステムのE−UTRANのみの在圏するようにされている。よって、何の工夫もなければ、移動端末は3.9システムに在圏したままとなる。これにより、音声通話サービスを受けることができないという課題が再発する。
図39は、実施の形態4の変形例6の課題を説明する概念図である。まず図39について説明する。図39は、ロケーションを示す図である。
2G/3Gシステムに対応するコアネットワークは、カバレッジエリア4801を有する。3.9Gシステムに対応する第1のコアネットワークは、カバレッジエリア4802を有する。第1のコアネットワークのカバレッジエリア4802は、CSFB非対応とする。3.9Gシステムに対応する第2のコアネットワークは、カバレッジエリア4803を有する。第2のコアネットワークのカバレッジエリア4803は、CSFB対応とする。2G/3GシステムのMMEと、3.9GシステムのMSC/VLRとの間は、CSFBのためのインタフェース4804で接続される。
CSFB非対応のカバレッジエリアである第1のコアネットワークのカバレッジエリア4802内には、2つの基地局(以下「第1基地局」および「第2基地局」という)が設置される。第1基地局のカバレッジである第1カバレッジを参照符4805で示し、第2基地局のカバレッジである第2カバレッジを参照符4806で示す。第1基地局はデュアルセルであるとし、第2基地局はデュアルセルでないとする。図39においては、デュアルセルのカバレッジを斜線で示す。
CSFB対応のカバレッジエリアである第2のコアネットワークのカバレッジエリア4803内には、3つの基地局(以下「第3基地局」、「第4基地局」および「第5基地局」という)が設置される。第3基地局のカバレッジである第3カバレッジを参照符4807で示し、第4基地局のカバレッジである第4カバレッジを参照符4808で示し、第5基地局のカバレッジである第5カバレッジを参照符4809で示す。第3基地局および第5基地局はデュアルセルでないとし、第4基地局はデュアルセルであるとする。
図39を用いて、実施の形態4の変形例6の課題について説明する。CSFB非対応であり、デュアルセルのカバレッジエリア内である第1カバレッジ4805では、実施の形態4〜実施の形態4の変形例5に開示したように、デュアルセルのルーティング機能を用いることによって、3.9Gシステムからの高速データ通信サービスと、2G/3Gシステムからの音声通話サービスとの双方を受けることが可能である。
ここで、移動端末が第1カバレッジ4805から第2カバレッジ4806へ移動した場合を考える。この場合、移動端末のサービングセルは、デュアルセルから、デュアルセルではなくなる。したがって、第2カバレッジ4806では、実施の形態4〜実施の形態4の変形例5に開示した方法をとることはできない。
この場合、移動端末は、何の指示もなければ、3.9Gシステムに在圏する。よって、何の工夫もなければ、移動端末は、第1カバレッジ4805から第2カバレッジ4806へ移動した後も、3.9Gシステムに在圏することとなる。したがって、音声着信があったとしても、第2カバレッジ4806はCSFB非対応であるので、2G/3Gシステムへと遷移されずに3.9Gシステムに在圏したままとなり、音声通話サービスを受けることができないという課題が再発することとなる。
実施の形態4の変形例6での解決策を以下に示す。コアネットワーク状況と、サービングセルがデュアルセルであるか否かとに応じて、傘下の移動端末の待受け方法を切り替える。
コアネットワーク状況と、サービングセルがデュアルセルであるか否かとに応じた移動端末の待受け方法の具体例について、以下に開示する。図40は、実施の形態4の変形例6における移動端末の待受け方法の具体例を示す図である。コアネットワークの状況がCSFB対応であって、サービングセルがデュアルセルであった場合、例えば図40に示す第4カバレッジ4808の場合、傘下の移動端末は、3.9Gシステムにて待受けを行う。音声通話サービスは、CSFBを用いてサポートする。
コアネットワークの状況はCSFB対応であるが、サービングセルがデュアルセルでなく、シングルセルであった場合、例えば図40に示す第3カバレッジ4807および第5カバレッジ4809の場合、傘下の移動端末は、3.9Gシステムにて待受けを行う。音声通話サービスは、CSFBを用いてサポートする。実施の形態4の変形例6におけるシングルセルとは、3.9Gシステムで動作可能な基地局とする。
コアネットワークの状況がCSFB非対応であって、サービングセルがデュアルセルであった場合、例えば図40に示す第1カバレッジ4805の場合、傘下の移動端末は、3.9Gシステムにて待受けを行う。音声通話サービスは、実施の形態4〜実施の形態4の変形例5を用いてサポートする。
コアネットワークの状況がCSFB非対応であって、サービングセルがシングルセルであった場合、例えば図40に示す第2カバレッジ4806の場合、傘下の移動端末は、2G/3Gシステムにて待受けを行う。音声通話サービスは、特許文献1に開示された方法と同様の方法を用いてサポートする。
基地局を含むネットワーク側の音声通話サービスのサポート方法を切換える切換処理の具体的な動作例を、図41を用いて説明する。図41は、実施の形態4の変形例6における音声通話サービスのサポート方法の切換処理の手順を示すフローチャートである。
ステップST5001において、ネットワーク側は、該ロケーションがCSFB対応か否かを判断する。ステップST5001において、CSFB対応であると判断した場合(以下、この判断を「判断(1)」と称する)は、ステップST5002へ移行し、CSFB対応でないと判断した場合は、ステップST5003へ移行する。
ステップST5002において、ネットワーク側は、音声通話サービスのサポート方法としてCSFBを選択する。CSFBに代えて、変形例を含む実施の形態1、あるいは変形例を含む実施の形態2、あるいは変形例を含む実施の形態3を選択してもよい。
ステップST5003において、ネットワーク側は、サービングセルがデュアルセルであるか否か、例えばサービングセルがデュアル機で構成されているか否かを判断する。ステップST5003において、デュアルセルであると判断した場合(以下、この判断を「判断(2)」と称する)は、ステップST5004へ移行し、デュアルセルでない、すなわちシングルセルであると判断した場合(以下、この判断を「判断(3)」と称する)は、ステップST5005へ移行する。
ステップST5004において、ネットワーク側は、音声通話サービスのサポート方法として、実施の形態4〜実施の形態4の変形例5を選択する。
ステップST5005において、ネットワーク側は、音声通話サービスのサポート方法として、特許文献1に開示された方法と同様の方法を選択する。
移動端末の待受け方法を切換える切換処理の具体的な動作例を、図42を用いて説明する。図42は、実施の形態4の変形例6における移動端末の待受け方法の切換処理の手順を示すフローチャートである。
ステップST5101において、移動端末は、該ロケーションがCSFB対応か否かを判断する。ステップST5101において、CSFB対応である場合と判断した場合(以下、この判断を「判断(1)」と称する)は、ステップST5102へ移行し、CSFB対応でないと判断した場合は、ステップST5103へ移行する。ステップST5102において、移動端末は、3.9Gシステムにて待受けを行う。
ステップST5103において、移動端末は、サービングセルがデュアルセルであるか否かを判断する。ステップST5103において、デュアルセルであると判断した場合(以下、この判断を「判断(2)」と称する)は、ステップST5102へ移行し、デュアルセルでない、すなわちシングルセルであると判断した場合(以下、この判断を「判断(3)」と称する)は、ステップST5104へ移行する。ステップST5104において、移動端末は、2G/3Gシステムにて待受けを行う。
移動端末における該ロケーションがCSFB対応か否かの判断方法の具体例を以下に開示する。移動端末のアタッチ要求に対するアタッチ応答、あるいは位置登録に対する位置登録応答に含まれる該移動端末宛の制御情報を確認する。移動端末宛の制御情報の具体例としては、該移動端末のテンポラリ識別子などがある。
3.9Gシステムおよび2G/3Gシステムの移動端末宛の制御情報が含まれている場合、該ロケーションがCSFB対応であると判断する。3.9Gシステムの移動端末宛の制御情報のみが含まれている場合、該ロケーションがCSFB非対応であると判断する。
移動端末におけるサービングセルがデュアルセルであるか否かの判断方法の具体例を以下に開示する。基地局からデュアルセルであるか否かの情報を通知する。デュアルセルである旨の情報を通知してもよい。この方法は、シングルセルにおいては新たな情報の付加が不要となる点において、有効である。
基地局から移動端末へのデュアルセルであるか否かの情報の通知方法を以下に2つ開示する。
(1)報知情報を用いて通知する。具体例としては、自セルに関する報知情報に追加する。あるいは、周辺セル情報に関する報知情報に周辺セルがデュアルセルであるか否かの情報をマッピングする。以下の(2)の測定要求を用いて通知する方法と比較して、移動端末の状態が待受け中であるか、通話中であるかを問わず、傘下の移動端末全てに通知することが可能な点において有効である。
(2)測定要求(Measurement Request)を用いて通知する。具体例としては、周辺セル情報に周辺セルがデュアルセルであるか否かの情報をマッピングする。個別の移動端末宛に通知するので、上記(1)の報知情報を用いて通知する方法と比較して、該移動端末へ通知するのに必要以上の送信電力を用いることはない。よって、無駄な送信電力による干渉量が増加しないという効果を有する。
図39のロケーションにおいて移動端末が移動した場合のネットワーク側の音声通話サービスのサポート方法の切換え判断、および移動端末の待受け方法の切換え判断について、図43にまとめて示す。図43は、ネットワーク側の音声通話サービスのサポート方法の切換え判断、および移動端末の待受け方法の切換え判断を示す図である。
実施の形態4の変形例6により、以下の効果を得ることができる。移動端末が移動することによりサービングセルが変更になった場合であっても、コアネットワーク状況と、サービングセルがデュアルセルであるか否かの情報とに応じて、基地局を含むネットワーク側の音声通話サービスのサポート方法と、移動端末の待受け方法とを切換えるので、音声通話サービスを受けることができる。
また、可能な限り広範囲にわたって、3.9Gからの高速データ通信サービスと音声通話サービスとの双方を受けることが可能となる。具体例としては、CSFB対応のロケーション、例えば図39の第3カバレッジ〜第5カバレッジ4807,4808,4809、およびCSFB非対応のロケーションにおけるデュアルセル圏内、例えば図39の第1カバレッジ4805において、3.9Gからの高速データ通信サービスと音声通話サービスとの双方を受けることが可能となる。
本発明で開示した方法は、HeNB、HNBに限らず、ピコeNB(LTE ピコセル(EUTRAN pico cell))、ピコNB(WCDMA ピコセル(UTRAN pico cell)、ホットゾーンセル用のノード、リレーノード、リモートラジオヘッド(RRH)などの、いわゆるローカルノードにも適用できる。例えば、LTEのセルと3Gのセルとが配置されるような場合にも、本発明で開示した方法を行うことで、LTEにおいて音声通話サービスが提供されていないような場合にも、音声通話サービスを提供することが可能となる。
以上の各実施の形態では、LTEシステム(E−UTRAN)を中心に記載したが、本発明の移動体通信システムは、LTEアドヴァンスド(LTE-Advanced)に適用可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
14,15,32 移動体通信システム(通信システム)、1301 移動端末装置(UE)、1306,1308,1310,1312,1314,1315,1317,1320,1321,1322,1404,1406,1408,1409 インタフェース、1307 SGSN、1309 MSC/VLR、1311 HSS、1313 MME、1316 SGW、1318 PGW、1319 発信元MSC、1401 HNB、1402 HeNB、1403,1403A デュアル機、1405 HNBGW、1407 制御ユニット。

Claims (4)

  1. 基地局装置と、前記基地局装置に無線通信可能に接続される移動端末装置と、前記基地局装置が接続される上位装置とを備える移動体通信システムであって、
    前記基地局装置は、複数備えられ、
    前記基地局装置は、データ通信サービスおよび音声通話サービスを提供する第1移動通信網と接続される第1基地局部と、前記第1移動通信網よりも高速のデータ通信サービスを提供する第2移動通信網と接続される第2基地局部とを備え、
    前記第1基地局部と前記第2基地局部とは、互いに通信可能に構成され、
    前記第2基地局部は、前記第1基地局部のパラメータを得て、前記上位装置に通知し、
    前記上位装置は、前記第2基地局部から前記第1基地局部のパラメータを受信すると、各前記基地局装置の前記第1基地局部と無線通信可能な範囲である第1カバレッジエリアC1を足し合わせて構成されるロケーションエリアLAと、各前記基地局装置の前記第2基地局部と無線通信可能な範囲である第2カバレッジエリアC2を足し合わせて構成されるトラッキングエリアTAとの対応関係を管理することを特徴とする移動体通信システム。
  2. 記第1カバレッジエリアC1と、前記第2カバレッジエリアC2とは、
    C1⊇C2
    の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
  3. 前記ロケーションエリアLAと、前記トラッキングエリアTAとは、
    LA⊇TA
    の関係を満足することを特徴とする請求項2に記載の移動体通信システム。
  4. 前記移動端末装置は、前記第1基地局部および前記第2基地局部に選択的に接続可能に構成され、
    前記基地局装置は、前記第1移動通信網と前記第2移動通信網とが互いに独立して管理される場合に、前記移動端末装置から予め定める処理を要求するメッセージを受信すると、前記第1移動通信網と前記第2移動通信網とに対して、前記予め定める処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
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