JP2017208666A - 通信システム、通信方法及び通信プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】通信範囲を、意図した範囲に限定して、通信セキュリティを向上させる。【解決手段】第1の通信方式による第1の通信を行う第1の通信領域内において、ビーコン送信部が、ビーコン情報を送信する。第2の通信部は、第1の通信領域内において、第1の通信方式とは異なる第2の通信方式による第2の通信を行う。管理部は、デバイスから第2の通信部を介して受信したビーコン情報と、ビーコン送信部から受信したビーコン情報の一致判定を行う。第2の通信部は、管理部から各ビーコン情報が一致する判定結果を得た場合に、デバイスに対して、第1の通信の通信回線を確立するためのセットアップ情報を送信する。第1の通信部は、デバイスからのビーコン情報を受信している間、第1の通信回線を維持して、ビーコン情報の到達エリア内に第1の通信が可能な範囲を限定する。【選択図】図19

Description

本発明は、通信システム、通信方法及び通信プログラムに関する。
今日において、ネットワークのアクセスポイントを介して、遠隔のコンピュータと電磁波による無線通信を可能とする無線LANが知られている。LANは、「Local Area Network」の略記である。無線LANは、利便性の高いネットワークであり、広く普及している。また、無線LANよりも通信範囲の狭い、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信も広く普及している。
また、特許文献1(特開2012−095270号公報)には、無線通信に用いられる電波が届くエリアにおける通信可能な範囲を制限することを目的とした無線通信システムが開示されている。この無線通信システムは、無線通信路を確立するために用いられる設定情報を、音響信号から取得する。そして、無線通信が確立された後に、音響信号が取得されなくなった場合、無線通信回線を解除する。これにより、音響信号が届く範囲に、無線通信範囲を限定することができる。
ここで、特許文献1に開示されている無線通信システムの場合、無線通信を確立するための設定情報を受信できる範囲が、音響信号の到達範囲となっている。しかし、音響信号の場合、音漏れ及び反射等により、想定していない範囲まで音響信号が到達し、不特定のデバイスが設定情報を取得して無線接続するおそれがあるため、セキュリティ面で問題のあるシステムとなっていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、通信範囲を、意図した範囲に限定して、通信セキュリティを向上させることができるような通信システム、通信方法及び通信プログラムの提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の通信領域において、第1の通信方式による第1の通信を行う第1の通信部と、第1の通信領域内でビーコン情報を送信するビーコン送信部と、第1の通信領域内において、第1の通信方式とは異なる第2の通信方式による第2の通信を行い、デバイスに対して、第1の通信の通信回線を確立するためのセットアップ情報を送信する第2の通信部と、デバイスから第2の通信部を介して受信したビーコン情報と、ビーコン送信部から受信したビーコン情報の一致判定を行う管理部と、を備え、第2の通信部は、管理部から各ビーコン情報が一致する判定結果を得た場合に、デバイスに対してセットアップ情報を送信する。
本発明によれば、通信範囲を、意図した範囲に限定することができ、通信セキュリティを向上させることができるという効果を奏する。
図1は、無線LAN通信システムの基本構成を示すシステム構成図である。 図2は、基本構成となる無線LAN通信システムに設けられている通信範囲制限装置のハードウェア構成図である。 図3は、基本構成となる無線LAN通信システムに設けられているスマートフォンのハードウェア構成図である。 図4は、基本構成となる無線LAN通信システムに設けられているプリンタ装置のハードウェア構成図である。 図5は、基本構成となる無線LAN通信システムに設けられているプロジェクタ装置のハードウェア構成図である。 図6は、基本構成となる無線LAN通信システムに設けられている通信範囲制限装置の機能ブロック図である。 図7は、基本構成となる無線LAN通信システムに設けられているスマートフォンの機能ブロック図である。 図8は、基本構成となる無線LAN通信システムに設けられているプリンタ装置の機能ブロック図である。 図9は、基本構成となる無線LAN通信システムにおいて、無線LAN通信エリアのBLE通信エリア内に移動したスマートフォンが、無線LAN通信回線を確立する流れを示すシーケンス図である。 図10は、基本構成となる無線LAN通信システムにおいて、無線LAN通信エリアのBLE通信エリア内に位置するプリンタ装置が、無線LAN通信回線を確立する流れを示すシーケンス図である。 図11は、基本構成となる無線LAN通信システムにおいて、無線LANに接続されたスマートフォンからプリンタ装置を遠隔操作して印刷物を印刷する流れを示すフローチャートである。 図12は、基本構成となる無線LAN通信システムにおいて、BLE通信エリア内でプリンタ装置に無線LAN接続されているスマートフォンが、BLE通信エリア外に移動した際に、無線LAN通信回線(及びBLE通信回線)が切断される流れを示すシーケンス図である。 図13は、基本構成となる無線LANシステムにおいて、BLE通信エリアの少なくとも一部が無線LAN通信エリア外に位置する場合の一例を示すシステム構成図である。 図14は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムのシステム構成図である。 図15は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムのBLE通信装置のハードウェア構成図である。 図16は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムのビーコン送信装置のハードウェア構成図である。 図17は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムの管理機器のハードウェア構成図である。 図18は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムの管理機器のソフトウェア構成図である。 図19は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムの無線LAN通信回線の確立動作を示すシーケンス図である。 図20は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムの管理機器に設けられているデバイスリストの模式図である。 図21は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムにおけるデバイスの移動の一例を示す図である。 図22は、第1の実施の形態の無線LAN通信システムの無線LAN通信回線の切断動作を示すシーケンス図である。 図23は、第2の実施の形態の無線LAN通信システムの管理機器のソフトウェア構成図である。 図24は、第2の実施の形態の無線LAN通信システムの無線LAN通信回線の切断動作を示すシーケンス図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を適用した実施の形態となる無線LAN(Local Area Network)通信システムを詳細に説明する。
(基本構成)
まず、以下に説明する実施の形態の無線LAN通信システムの基本構成を説明する。図1は、無線LAN通信システムの基本構成を示すシステム構成図である。図1に示すように、無線LAN通信システムは、通信範囲制限装置1、第1のデバイスとしてスマートフォン2、第2のデバイスとしてプリンタ装置3、及び、第3のデバイスとしてプロジェクタ装置4を有している。なお、図1に示す各デバイスは一例であり、後述する通信機能を有するデバイスであれば、どのようなデバイスでもよい。例えばスマートフォン2の代わりに、タブレット端末装置、携帯ゲーム機、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の携帯可能な通信機器を用いてもよい。
(通信範囲制限装置の基本構成)
通信範囲制限装置1は、例えば無線LANルータ等の、無線LANのアクセスポイントを形成する機器となっている。通信範囲制限装置1は、ローカルエリアネットワークの一例として、図1中、実線の楕円で示す無線LAN通信エリア5を形成する。また、通信範囲制限装置1は、無線LAN通信エリア5内における、無線LAN通信エリア5よりも狭いエリア内においてのみ、各デバイスの通信を可能とする。例えば、通信範囲制限装置1は、無線LAN通信エリア5内における、無線LAN通信エリア5よりも狭い、パーソナルエリアネットワーク(PAN)内においてのみ、各デバイスの通信を可能とする。
一例として、パーソナルエリアネットワークとしては、極低電力でBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信を行うブルートゥース(登録商標)PANを用いることができる。図1中、点線の楕円に示す通信範囲が、ブルートゥース(登録商標)PANによるBLE通信エリア6である。なお、パーソナルエリアネットワークはブルートゥース(登録商標)PANであることとして説明を進める。しかし、ブルートゥース(登録商標)の代わりに、例えば非接触無線(NFC:Near Field Communications)、ミリ波無線通信、QRコード(登録商標)、可視光、環境音、又は超音波を用いてもよい。
(通信範囲制限装置の基本的なハードウェア構成)
図2に、通信範囲制限装置1の基本的なハードウェア構成を示す。この図2に示すように、通信範囲制限装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、入出力インタフェース(入出力I/F)15、無線LANAP部16(APはアクセスポイントの意である)、及び、BLE通信部17を有している。CPU11〜BLE通信部17は、バスライン18を介して相互に接続されている。
ROM12には、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6でのみ、各デバイスの通信を可能とするための通信制御プログラムが記憶されている。通信制御プログラムは、RAM13又はHDD14等の他の記憶部に記憶させてもよい。CPU11は、通信制御プログラムに従って動作することで、無線LANAP部16及びBLE通信部17を制御し、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6においてのみ、各デバイスの通信を可能とする制御を行う。
図1及び図2においては、通信範囲制限装置1は、機器単体として図示されている。しかし、通信範囲制限装置1は、各デバイスの内部に組み込まれていてもよい。例えばプリンタ装置、または、複合機(MFP)等の機器内に組み込まれていてもよい。
(スマートフォンの基本的なハードウェア構成)
図3に、スマートフォン2の基本的なハードウェア構成を示す。この図3に示すように、スマートフォン2は、CPU21、ROM22、RAM23、表示部24、マイクロホン部25、スピーカ部26を有している。また、スマートフォン2は、入出力I/F28、無線通信部29、カメラ部30、無線LAN通信部31、及び、BLE通信部32を有している。CPU21〜BLE通信部32は、バスライン33を介して相互に接続されている。無線LAN通信部31は、第1の通信部の一例である。BLE通信部32は、第2の通信部の一例である。
ROM22には、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6でのみ、各デバイスの通信を可能とするための通信制御プログラムが記憶されている。通信制御プログラムは、RAM23等の他の記憶部に記憶させてもよい。CPU21は、通信制御プログラムに従って動作することで、無線LAN通信部31及びBLE通信部32を制御する。これにより、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6におけるBLE通信を可能とする。
表示部24は、透明電極で形成されたタッチパネルと、表示パネルとを一体的に形成した、いわゆるタッチパネル付表示部となっている。無線通信部29は、所定のキャリアの無線基地局を介して、電話及びメール等の通信を行う。
(プリンタ装置の基本的なハードウェア構成)
図4に、プリンタ装置3の基本的なハードウェア構成を示す。この図4に示すように、プリンタ装置3は、CPU41、ROM42、RAM43、操作パネル44、プリンタ機構45を有している。また、プリンタ装置3は、HDD46、無線LAN通信部47、BLE通信部48、有線通信部49及び入出力I/F50を有している。CPU41〜入出力I/F50は、バスライン51を介して相互に接続されている。
ROM42には、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6でのみ、各デバイスの通信を可能とするための通信制御プログラムが記憶されている。通信制御プログラムは、RAM43又はHDD46等の他の記憶部に記憶させてもよい。CPU41は、通信制御プログラムに従って動作することで、無線LAN通信部47及びBLE通信部48を制御する。これにより、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6におけるBLE通信を可能とする。また、プリンタ機構45は、スマートフォン2から指定された印刷設定で画像及びテキスト等の印刷を行う。
(プロジェクタ装置の基本的なハードウェア構成)
図5に、プロジェクタ装置4の基本的なハードウェア構成を示す。この図5に示すように、プロジェクタ装置4は、入力インタフェース部(入力IF部)61、画像処理部62、照明光学系63、RAM64及び操作部65を有している。また、プロジェクタ装置4は、リモートコントローラ70から赤外線送信されるコマンドを受信する受信部66、無線LAN通信部67、BLE通信部68、及び、CPU69を有している。
このようなプロジェクタ装置4は、投影される画像に対応する画像情報が、入力IF部61に供給される。画像情報は、画像処理部62により、歪み補正等の所定の画像処理が施された後、照明光学系63によりスクリーン等に投影される。
RAM64には、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6でのみ、各デバイスの通信を可能とするための通信制御プログラムが記憶されている。通信制御プログラムは、ROM又はHDD等の他の記憶部に記憶させてもよい。CPU69は、通信制御プログラムに従って動作することで、無線LAN通信部67及びBLE通信部68を制御する。これにより、無線LAN通信エリア5内のBLE通信エリア6におけるBLE通信を可能とする。
(通信範囲制限装置の基本的なソフトウェア構成)
次に、図6は、通信範囲制限装置1のCPU11が通信制御プログラムに従って動作することで実現される各機能の機能ブロックである。この図6に示すように、通信範囲制限装置1のCPU11は、通信制御プログラムを実行することで、デバイス接続部75、周辺機器接続部76、離脱検知部77、無線LANAP制御部78及びBLE通信制御部79として機能する。
なお、この例では、デバイス接続部75〜BLE通信制御部79は、通信制御プログラムにより、ソフトウェア的に実現されることとして説明を進める。しかし、デバイス接続部75〜BLE通信制御部79のうち、一部又は全部をIC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
また、通信範囲制限装置1の通信制御プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリ等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、通信範囲制限装置1の通信制御プログラムは、インターネット等のネットワーク経由でインストールするかたちで提供してもよい。また、通信範囲制限装置1の通信制御プログラムは、機器内のROM等に予め組み込んで提供してもよい。
(スマートフォンの基本的なソフトウェア構成)
次に、図7は、スマートフォン2のCPU21が通信制御プログラムに従って動作することで実現される各機能の機能ブロックである。この図7に示すように、スマートフォン2のCPU21は、通信制御プログラムに従って動作することで、印刷依頼部81、無線LAN通信制御部82(第1の通信制御部の一例)、BLE通信制御部83(第2の通信制御部の一例)としての機能を実現させる。印刷依頼部81は、BLE通信によりプリンタ装置3を遠隔操作して、所望の画像及び文字等を印刷させる機能である。
なお、この例では、印刷依頼部81〜BLE通信制御部83は、通信制御プログラムにより、ソフトウェア的に実現されることとして説明を進める。しかし、印刷依頼部81〜BLE通信制御部83のうち、一部又は全部をIC(Integrated Circuit)で実現してもよいし、一部または全部をハードウェアで実現してもよい。
また、スマートフォン2の通信制御プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリなどのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、スマートフォン2の通信制御プログラムは、インターネット等のネットワーク経由でインストールするかたちで提供してもよい。また、スマートフォン2の通信プログラムは、機器内のROM等に予め組み込んで提供してもよい。
(プリンタ装置の基本的なソフトウェア構成)
次に、図8は、プリンタ装置3のCPU41が通信制御プログラムに従って動作することで実現される各機能の機能ブロックである。この図8に示すように、プリンタ装置3のCPU41は、通信制御プログラムに従って動作することで、印刷部85、無線LAN通信制御部86及びBLE通信制御部87としての機能を実現させる。印刷部85は、スマートフォン2から依頼された画像及び文字等を用紙に印刷するように、プリンタ機構45を制御する機能である。
なお、この例では、印刷部85〜BLE通信制御部87は、ソフトウェア的に実現されることとして説明を進める。しかし、印刷部85〜BLE通信制御部87のうち、一部又は全部をIC(Integrated Circuit)で実現してもよいし、一部又は全部をハードウェアで実現してもよい。
また、プリンタ装置3の通信制御プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、CD−R、DVD、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリなどのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、プリンタ装置3の通信制御プログラムは、インターネット等のネットワーク経由でインストールするかたちで提供してもよい。また、プリンタ装置3の通信制御プログラムは、機器内のROM等に予め組み込んで提供してもよい。
(無線LAN通信システムの基本動作の概要)
このような無線LAN通信システムにおいて、図1に実線で示す外側の楕円が、通信範囲制限装置1の無線LANAP部16で形成される無線LANの通信可能範囲(無線LAN通信エリア5)を示している。この無線LAN通信エリア5内に、スマートフォン2、プリンタ装置3及びプロジェクタ装置4が位置している。
スマートフォン2は、無線LAN通信機能が設けられたプリンタ装置3及びプロジェクタ装置4等の周辺機器と通信し、無線LANを介して所望の画像、文字等の印刷、又は、画像の投影等の遠隔操作が可能となっている。
また、プリンタ装置3及びプロジェクタ装置4等の周辺機器は、無線LAN通信部47,67と共に、BLE通信部48,68を有している。これにより、通信範囲制限装置1のBLE通信部17との間で、BLE通信が可能となっている。ただし、図1に、点線の楕円で示すように、BLE通信エリア6は、無線LAN通信エリア5よりも狭くなっている。このため、BLE通信エリア6内に位置するスマートフォン2及びプリンタ装置3と、通信範囲制限装置1との間でBLE通信を行うことは可能である。しかし、BLE通信エリア6外に位置するプロジェクタ装置4と、通信範囲制限装置1との間でBLE通信を行うことは不可となっている。
すなわち、無線LAN通信システムは、後述するように、BLE通信を用いて無線LAN設定を行う。このため、実際に無線LANで通信できるのは、BLE通信が可能なスマートフォン2及びプリンタ装置3だけであり、BLE通信が不可なプロジェクタ装置4は、無線LAN通信エリア5内であっても、無線LAN設定を行うことができず、無線LAN通信は不可となっている。
(スマートフォンに対する基本的な接続動作)
図9は、無線LAN通信エリア5のBLE通信エリア6内に移動したスマートフォン2が、無線LAN通信回線を確立する流れを示すシーケンス図である。通信範囲制限装置1のデバイス接続部75は、BLE通信制御部79からBLE通信部17を介して、例えば3つのアドバタイズメントチャネルのアドバタイズメントパケットを送信することで、周辺機器に対して自機(自装置)の存在を知らせている。アドバタイズメントパケットには、BLE通信エリア6を示す通信範囲情報が含まれている。ステップS1は、BLE通信エリア6を示す通信範囲情報を含むアドバタイズメントパケットの送信を示している。
BLE通信エリア6内に、スマートフォン2が位置すると、スマートフォン2のBLE通信部32で、通信範囲制限装置1から送信されているアドバタイズメントパケット(通信範囲情報)が受信される。スマートフォン2は、受信した通信範囲情報を参照することで、スマートフォン2自身がBLE通信エリア6内に位置しているか否かを判別する。そして、この判別結果を、ステップS2に示す応答として、BLE通信により通信範囲制限装置1に送信する。スマートフォン2が、BLE通信エリア6内に位置している場合、スマートフォン2のBLE通信部32及び通信範囲制限装置1のBLE通信部17は、ステップS3において、BLE通信のペアリング処理(BLEペアリング)を行う。これにより、スマートフォン2と通信範囲制限装置1との間でBLE通信が可能となる。
次に、BLEペアリングが完了すると、通信範囲制限装置1のデバイス接続部75は、ステップS4において、Wi−Fiアライアンスで規格化された無線LAN接続を容易化するWPS方式のPINコード(固有識別情報)を、BLE通信により、スマートフォン2に送信する。また、通信範囲制限装置1のデバイス接続部75は、ステップS6において、無線LANAP部16に対して、スマートフォン2に送信したPINコードを転送し、WPS方式の通信開始準備指示を行う。通信範囲制限装置1の無線LANAP部16は、ステップS8において、スマートフォン2に送信したPINコードを用いてWPS方式のセットアップを行う。
一方、通信範囲制限装置1からWPS方式のPINコードを受信したスマートフォン2のBLE通信部32は、ステップS5において、受信したPINコードを無線LAN通信部31に転送し、WPS方式の通信開始準備指示を行う。無線LAN通信部31は、ステップS7において、通信範囲制限装置1から転送されたPINコードを用いてWPS方式のセットアップを行う。これにより、ステップS9において、スマートフォン2及び通信範囲制限装置1が、PINコードを用いたWPS方式によりWi−Fi接続(無線LAN接続)される。
このように、無線LAN通信システムは、スマートフォン2が通信範囲制限装置1のBLE通信エリア6内に位置した際、自動的にWi−Fi接続(無線LAN接続)が完了する。このため、ユーザの無線LANに対する設定知識及び面倒なPINコードの入力操作等を不要とすることができる。また、BLE通信においては、暗号化された情報が各機器間で送受信されるため、安全性を確保したうえでPINコードの送受信を行うことができる。
次に、スマートフォン2のBLE通信制御部83及び通信範囲制限装置1のBLE通信制御部79は、新たなデバイスの接続を可能とするために、ステップS10において、一旦、BLE通信を切断する。その後、通信範囲制限装置1のデバイス接続部75は、ステップS11において、ステップS1で説明したように、BLE通信エリア6を示す通信範囲情報を含むアドバタイズメントパケットを送信する。そして、通信範囲制限装置1のデバイス接続部75は、上述のようにBLE通信により、BLE通信エリア6に位置しているスマートフォン2等のデバイスと、無線LAN通信回線の確立を図る。
(プリンタ装置に対する基本的な接続動作)
次に、図10は、無線LAN通信エリア5のBLE通信エリア6内に位置するプリンタ装置3が、無線LAN通信回線を確立する流れを示すシーケンス図である。周辺機器となるプリンタ装置3は、印刷を依頼するスマートフォン2等のデバイスから印刷の依頼を受けることで、有効に機能するデバイスである。このため、プリンタ装置3との間で無線LAN通信を確立する場合、プリンタ装置3を制御するスマートフォン2等が、予め無線LANに接続済みであることが好ましい。図10のシーケンス図は、スマートフォン2が、無線LANに接続済みであることを前提としている(図9の説明を参照)。そして、図10のシーケンス図は、図9のステップS10において、スマートフォン2と通信範囲制限装置1との間のBLE通信が一旦切断され、アドバタイズメントパケットの送信が可能となることで、ステップS21からの処理が開始される。
プリンタ装置3は、据え置き型の機器であり、通信範囲制限装置1のBLE通信エリア6内に設けられている。プリンタ装置3は、ステップS21において、上述の3つのアドバタイズメントチャネルを介して、スマートフォン2等の印刷の依頼を行うデバイスが、無線LANに接続されたか否かを問うための接続問い合わせ情報を含むアドバタイズメントパケットを、BLE通信部48を介して通信範囲制限装置1に定期的に送信する。図6に示した通信範囲制限装置1の周辺機器接続部76は、ステップS22において、印刷の依頼を行うデバイスの接続の有無を示す応答を、BLE通信部17を介してプリンタ装置3に送信する。
スマートフォン2等、印刷の依頼を行うデバイスが、無線LANに接続された場合、通信範囲制限装置1の周辺機器接続部76及びプリンタ装置3のBLE通信部48は、ステップS23において、BLE通信のペアリング処理(BLEペアリング)を行う。これにより、プリンタ装置3と通信範囲制限装置1との間でBLE通信が可能となる。
次に、BLEペアリングが完了すると、通信範囲制限装置1の周辺機器接続部76は、ステップS24において、Wi−Fiアライアンスで規格化された無線LAN接続を容易化するWPS方式のPINコードをプリンタ装置3に送信する。また、通信範囲制限装置1は、ステップS26において、プリンタ装置3に送信したPINコードを無線LANAP部16に転送し、WPS方式の通信開始準備指示を行う。通信範囲制限装置1の無線LANAP部16は、ステップS28において、プリンタ装置3に送信したPINコードを用いてWPS方式のセットアップを行う。
一方、通信範囲制限装置1からWPS方式のPINコードを受信したプリンタ装置3のBLE通信部48は、ステップS25において、受信したPINコードを無線LAN通信部47に転送し、WPS方式の通信開始準備指示を行う。無線LAN通信部47は、ステップS27において、BLE通信部48から転送されたPINコードを用いてWPS方式のセットアップを行う。これにより、ステップS29において、プリンタ装置3及び通信範囲制限装置1が、PINコードを用いたWPS方式によりWi−Fi接続(無線LAN接続)される。
次に、プリンタ装置3のBLE通信部48及び通信範囲制限装置1のBLE通信部17は、新たなデバイスの接続を可能とするために、ステップS30において、一旦、BLE通信を切断する。その後、プリンタ装置3のBLE通信部48は、ステップS31において、ステップS21で説明したように、接続問い合わせ情報を含むアドバタイズメントパケットを送信する。そして、通信範囲制限装置1は、印刷を依頼するデバイスが無線LANに接続された際に、上述のようにBLE通信により、BLE通信エリア6に位置しているプリンタ装置3と、無線LAN通信回線の確立を図る。
(印刷動作)
次に、図11のフローチャートに、無線LANに接続されたスマートフォン2からプリンタ装置3を遠隔操作して印刷物を印刷する流れを示す。上述のように無線LAN内において、スマートフォン2及びプリンタ装置3が無線LAN通信部31,47を介して相互に接続されると、スマートフォン2でプリンタ装置3を遠隔操作することが可能となる。
スマートフォン2でプリンタ装置3を遠隔操作する場合、ユーザは、スマートフォン2のROM22等の記憶部に記憶されている印刷アプリケーションプログラムを起動操作する。印刷アプリケーションプログラムが起動操作されると、図7に示すスマートフォン2の印刷依頼部81は、ステップS41において、無線LAN通信制御部82及び無線LAN通信部31を介してプリンタ装置3に印刷要求を行う。図8に示すプリンタ装置3の印刷部85は、印刷要求を受信すると、ステップS42において、無線LAN通信部47を介して、スマートフォン2に対し、印刷に用いるデバイスの問い合わせを行う。ユーザは、スマートフォン2に記憶されているデータを印刷する場合は、印刷に用いるデバイスはスマートフォン2であることを、無線LAN通信により、プリンタ装置3に通知する。または、ユーザは、プロジェクタ装置4で投影している画像等を印刷する場合は、印刷に用いるデバイスはプロジェクタ装置4であることを、無線LAN通信により、プリンタ装置3に通知する。
次に、ステップS43では、プリンタ装置3の印刷部85が、無線LAN通信により、スマートフォン2に対して、印刷するデータの問い合わせを行う。ユーザは、スマートフォン2に記憶されている画像又はテキスト等のデータを印刷する場合、印刷するデータは、スマートフォン2に記憶されているデータであることを、無線LAN通信により、プリンタ装置3に通知する。または、ユーザは、プロジェクタ装置4で投影している画像等が印刷するデータである場合は、印刷するデータはプロジェクタ装置4で投影されているデータであることを、無線LAN通信により、プリンタ装置3に通知する。最後に、プリンタ装置3の印刷部85は、ステップS44において、無線LAN通信により、ユーザに指定されたデバイス(スマートフォン2又はプロジェクタ装置4)から、ユーザに指定されたデータを取得して印刷を実行する。
(デバイスの切断動作)
次に、図12は、BLE通信エリア6内でプリンタ装置3に無線LAN接続されているスマートフォン2が、BLE通信エリア6外に移動した際に、無線LAN通信回線(及びBLE通信回線)が切断される流れを示すシーケンス図である。ステップS51では、上述のようにBLE通信エリア6に対応する通信範囲を示す通信範囲情報が、通信範囲制限装置1のBLE通信部17からスマートフォン2にBLE通信により送信される。スマートフォン2は、GPS(Global Positioning System)等により自機で検出した自機位置と、通信範囲情報で示されるBLE通信エリア6とを比較する。そして、スマートフォン2は、自機位置がBLE通信エリア6外となったことを検出した際に、ステップS52において、無線LAN通信部31に対して無線LANの切断指示(Wi−Fi切断指示)を行う。
なお、この例では、通信範囲制限装置1側からスマートフォン2に対して通信範囲情報を送信し、スマートフォン2が、自機の現在位置と通信範囲情報で示されるBLE通信エリア6とを比較して、BLE通信エリア6に対する離脱の有無を検出することとした。しかし、スマートフォン2がGPS等で検出した自機の現在位置を通信範囲制限装置1にBLE通信で送信し、通信範囲制限装置1が、スマートフォン2の現在位置とBLE通信エリア6とを比較して、BLE通信エリア6に対するスマートフォン2等のデバイスの離脱の有無を検出してもよい。この場合、図6に示す離脱検知部77が、BLE通信エリア6に対するスマートフォン2等のデバイスの離脱の有無を検知することとなる。
スマートフォン2の無線LAN通信部31は、BLE通信部32から無線LANの切断が指示されると、ステップS53において、無線LAN通信を用いて、通信範囲制限装置1に対して無線LANの切断要求を行う。通信範囲制限装置1は、無線LANの切断要求を受信すると、ステップS54に示すように、無線LANの切断要求を行ったデバイスに関連する無線LAN通信回線を切断する。これにより、スマートフォン2のみならず、プリンタ装置3の無線LAN通信回線も切断される。
なお、無線LAN通信回線の切断後に、再度、無線LAN通信回線を確立する場合、通信範囲制限装置1は、PINコードを新たなものに更新する。このため、BLE通信エリア6外に移動したスマートフォン2が、再度、BLE通信エリア6内に移動した際には、前回とは異なるPINコードを用いて無線LAN通信回線が確立されることとなる。
このように、無線LAN通信システムは、スマートフォン2がBLE通信エリア6外に移動した際に、自動的に無線LAN通信回線及びBLE通信回線を切断することができる。このため、スマートフォン2が無線LANに接続可能な範囲を、一定の範囲内(BLE通信エリア6内)に限定することができる。また、BLE通信エリア6外に移動したスマートフォン2のみならず、スマートフォン2と通信を行っていたプリンタ装置3の無線LAN通信回線も切断する。このため、スマートフォン2との間の無線LAN通信回線を切断することで、使用されないこととなった無線LAN通信回線に対するプリンタ装置3の接続が、無駄に継続される不都合を防止でき、より高い通信セキュリティを得ることができる。すなわち、例えば社内LAN等の構内網への接続許可を持たないユーザに対しても、構内網の安全性を確保したうえで、ユーザのデバイスを、一時的かつ簡単に、構内網に通信接続させて使用させることができる。
また、無線LAN通信回線の切断後に、再度、無線LAN通信回線を確立する際には、PINコードを新たなものに更新する。このため、BLE通信エリア6外に移動したスマートフォン2が、前回の接続時に用いていたPINコードを再利用して、他のデバイスの無線LAN通信の傍受を図る不正行為を防止できる。
また、BLE通信エリア6外にスマートフォン2が移動した際には、スマートフォン2のみならず、スマートフォン2と通信を行っていたプリンタ装置3の無線LAN通信回線も切断する。これにより、スマートフォン2との間の無線LAN通信回線を切断することで、使用されないこととなった無線LAN通信回線に対するプリンタ装置3の接続が、無駄に継続される不都合を防止でき、より高い通信セキュリティを得ることができる。
なお、無線LAN通信回線の確立時に、BLE通信により、通信範囲制限装置1からスマートフォン2等のデバイスに配信するWPS方式のPINコードの代わりに、公開鍵を配信してもよい。WPS方式のPINコードの代わりに、例えばディフィーヘルマン鍵交換法(Diffie-Hellman key exchange method)による公開鍵を配信して、無線LAN通信回線を確立してもよい。この場合、BLE通信エリア6内で公開鍵の送受信が行われるため、無線LANの管理者の目が届く範囲内で公開鍵の送受信が行われる。このため、公開鍵を送信するデバイス、及び、公開鍵を受信するデバイス及びユーザ等が明確である。従って、不正ユーザ及び不正デバイス等の、いわゆる成りすましによる不正な通信を防止できる。また、一旦確立された無線LAN通信回線が切断され、再度、無線LAN通信回線が確立される際には、上述のPINコードの場合と同様に、前回とは異なる新たな公開鍵を用いることが好ましいであろう。
また、音声(空間を伝搬する音響出力)で、通信範囲制限装置1からスマートフォン2又はプリンタ装置3等のデバイスに対して、PINコード又は公開鍵を伝達してもよい。この場合、音響出力は、BLE通信で用いられる電波よりも空間の伝達性が悪いため、各デバイス間で音声の送受が可能な範囲に、PINコード等の送受信範囲を制限できる。このため、システム管理者等の目の届く狭い範囲でPINコード等の送受信が行われる。従って、上述の不正ユーザ及び不正デバイス等の、いわゆる成りすましによる不正な通信を、さらに強力に防止できる。
また、通信範囲情報の代わりに、BLE通信部17の受信信号強度(RSSI)を用いて、BLE通信エリア6内のデバイスの有無を監視してもよい。また、退場RSSIエリア及び入場RSSIエリアとみなすBLE通信の受信信号強度を、所望の受信信号強度に設定することで、BLE通信エリア6の範囲内において、無線LANに接続可能な範囲(入場RSSIエリアの範囲)を動的に調整できる。
以上、無線LAN通信エリア内にBLE通信エリアが無線LAN通信エリアに包含されている例を示したが、例えば、図13に示すように、BLE通信エリアの少なくとも一部の領域が無線LAN通信エリア外に位置する状態であってもよい。図13において、無線LAN通信回線を確立できるエリアは、BLE通信エリア6’となる。無線LAN通信エリア外のBLE通信エリア7では、BLE通信により通信範囲情報を受信可能であるが、そもそも無線LAN通信を行うためのセットアップができないためである。図13に示すような状態は、例えば、無線LANAP部16とBLE通信部17が異なる位置に配置されている場合や、通信の指向性により通信可能範囲が一方向に突出しているような場合に考えられる。
(第1の実施の形態)
次に、このような基本構成を有する無線LAN通信システムの第1の実施の形態を説明する。第1の実施の形態の無線LAN通信システムは、無線LAN通信エリア5内に、例えば音響情報又は電波情報であるビーコン情報の到達エリアを設ける。そして、この到達エリア内を、無線LAN通信の通信範囲とするように、意図的に通信範囲を制限して、通信セキュリティを維持するものである。
(第1の実施の形態のシステム構成)
図14は、このような第1の実施の形態の無線LAN通信システムのシステム構成を示す図である。この図14に示すように、第1の実施の形態の無線LAN通信システムは、通信範囲制限装置1、BLE通信装置101、ビーコン送信装置102、管理機器103及び一つ又は複数のデバイス2a〜2dを有している。通信範囲制限装置1は、第1の通信部の一例である。BLE通信装置101は、第2の通信部の一例である。ビーコン送信装置102は、ビーコン送信部の一例である。管理機器103は、管理部の一例である。
通信範囲制限装置1は、無線LAN通信エリア5を形成する。ビーコン送信装置102は、無線LAN通信エリア5内に上述のビーコン情報の到達エリア200を形成する。BLE通信装置101は、到達エリア200内にBLE通信エリア6を形成する。なお、この例では、BLE通信装置101は、到達エリア200内にBLE通信エリア6を形成することとして説明を進めるが、BLE通信エリア6は、無線LAN通信エリア5内において、到達エリア200の少なくとも一部を重複している状態であってもよい。管理機器103は、各デバイス2a〜2dが受信しているビーコン情報に基づいて、各デバイス2a〜2dが位置しているエリアの判定を行い、各デバイス2a〜2dの無線LAN通信回線の確立及び切断を管理する。
上述の基本構成の説明では、通信範囲制限装置1は、無線LAN通信エリア5及びBLE通信エリア6の両方を形成することとしたが、この第1の実施の形態の例の場合、通信範囲制限装置1は、無線LAN通信エリア5を形成し、通信範囲制限装置1とは物理的に別の装置となるBLE通信装置101が、BLE通信エリア6を形成する。なお、この第1の実施の形態のおいても、通信範囲制限装置1が無線LAN通信エリア5及びBLE通信エリア6の両方を形成してもよい。
デバイス2a〜2dは、例えば上述のスマートフォン2、プリンタ装置3、プロジェクタ装置4等の機器である。また、この例の場合、デバイス2aは、BLE通信エリア6内に位置している。デバイス2b,2cは、BLE通信エリア6外、かつ、到達エリア200内に位置している。デバイス2dは、到達エリア200外、かつ、無線LAN通信エリア5内に位置している。
(通信範囲制限装置のハードウェア構成)
通信範囲制限装置1は、図3を用いて説明したように、CPU21〜BLE通信部32を有している。第1の実施の形態の場合、通信範囲制限装置1は、ROM22等の記憶部に記憶されている通信制御プログラムを実行することで、管理機器103及びスマートフォン2等との間で通信を行い、無線LAN通信回線の確立及び切断等を行う。
(BLE通信装置のハードウェア構成)
BLE通信装置101は、図15に示すようにCPU11、ROM112、RAM113、HDD114、入出力I/F115、及び、BLE通信部116を有している。ROM112には、通信制御プログラムが記憶されている。CPU11は、通信制御プログラムを実行することで、各デバイス2a〜2d及び管理機器103との間でBLE通信を行い、ビーコン情報の送受信及びセットアップ情報の送信等を行う。
(ビーコン送信装置のハードウェア構成)
ビーコン送信装置102は、図16に示すようにCPU121、ROM122、RAM123、スピーカ部124、入出力I/F125及び通信部126を有している。CPU121は、ROM122に記憶されている通信制御プログラムを実行することで、ビーコン制御部128として機能し、連続的又は断続的、さらには可変的にビーコン情報を出力する。
一例ではあるが、ビーコン送信装置102としては、超音波信号、音響信号、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信方式に対応するBLE信号、NFC(Near Field Communication)通信方式に対応するNFC信号等をビーコン情報として送信する装置を用いることができる。超音波信号をビーコン情報として用いた場合、超音波信号が透過しない壁で区切られた範囲を、到達エリア200として形成できる。BLE信号をビーコン情報として用いた場合、BLE信号が届く短距離を、到達エリア200として形成できる。NFC信号をビーコン情報として用いた場合、非接触無線通信が可能な極狭い範囲を、到達エリア200として形成できる。
また、ビーコン送信装置102として音響信号を用いる場合、ビーコン送信装置102は、例えばASK(Amplitude Shift Keying)変調処理により生成した音響信号(エリアIDとなるビーコン情報)を出力する。ASK変調処理は、振幅の違いでデジタル信号の「1」又は「0」を表す処理である。ビーコン送信装置102は、人間には聴取し難い、例えば18kHz〜20kHzの周波数帯を複数の周波数帯毎に分割し、各周波数帯の音波をオンオフ制御することで、指定されたビーコン情報を生成し、スピーカ部124を介して出力する。
(管理機器のハードウェア構成)
管理機器103は、図17に示すようにCPU131、ROM132、RAM133、タイマ134、入出力I/F135及び通信部136を有している。管理機器103は、RAM133等の記憶部に、各デバイスの個体情報、各デバイスから受信したビーコン情報、及び、ビーコン情報の受信時刻等を関連付けて記憶したデバイスリスト138を有している。デバイスリストの詳細は、後述する。
(管理機器のソフトウェア構成)
図18は、管理機器103のCPU131が、ROM132に記憶されている通信制御プログラム132を実行することで実現される各機能の機能ブロック図である。この図18に示すように、CPU131は、通信制御プログラム132を実行することで、通信制御部151、記憶制御部152、判定部153及び計時制御部154として機能する。なお、通信制御部151〜計時制御部154のうち、一部又は全部をハードウェアで実現してもよいこと等は、上述のとおりである。
通信制御部151は、通信範囲制限装置1、ビーコン送信装置102及びBLE通信装置101との間で有線通信又は無線通信を行うように通信部136を制御する。記憶制御部151は、デバイスリスト138に対して、各デバイスの個体情報、各デバイスから受信したビーコン情報、及び、ビーコン情報の受信時刻等を記憶制御する。また、記憶制御部151は、各デバイスからビーコン情報を受信する毎に、デバイスリスト138のビーコン情報及び受信時刻の書き換え処理を行う。
判定部153は、デバイスから通知されるビーコン情報に基づいて、無線LAN通信を許可する範囲に、デバイスが位置しているか否かを判定する。計時制御部154は、タイマ134からの計時情報に基づいて、デバイスからビーコン情報が非通知となってから経過した時間をカウントする。通信制御部151は、デバイスからビーコン情報が非通知となった際に、そのデバイスのビーコン情報を登録した時刻から一定時間が経過した際に、通信範囲制限装置1に対して無線LAN通信回線の切断要求を行う。
(無線LAN通信回線の確立動作)
次に、図19のシーケンス図を用いて、第1の実施の形態の無線LAN通信システムにおける無線LAN通信回線の確立動作を説明する。まず、ビーコン送信装置102は、連続的又は断続的にビーコン情報を出力している。スマートフォン2等のデバイス2aは、図14に示す到達エリア200内に移動すると、ステップS61に示すように、図3に示すマイクロホン部25を介してビーコン情報を受信する。図14に示す到達エリア200内の管理機器103も、このビーコン情報を受信する(ステップS62)。
さらに、デバイス2aが、図14に示すBLE通信エリア6内に移動すると、上述のように、BLE通信エリア6を示す通信範囲情報を含むアドバタイズメントパケットを受信する(ステップS63)。デバイス2aは、通信範囲情報を受信すると、現在、受信しているビーコン情報、及び、自機に対して固有に付されているMACアドレス等の個体情報を、BLE通信部32を介したBLE通信により、BLE通信装置101に送信する(ステップS64)。
ここで、近接して複数のBLE通信装置101が設けられていた場合に、各BLE通信装置101からそれぞれ通信範囲情報を受信する場合がある。この場合、デバイス2aは、ステップS63において、通信範囲情報の受信強度が強い順に、各BLE通信装置101に対してビーコン情報及び個体情報を送信する。受信強度が強い通信範囲情報を送信しているBLE通信装置101は、デバイス2aが位置する到達エリア200で管理されるBLE通信装置101である可能性が高い。また、デバイス2aが位置する到達エリア200で管理されるBLE通信装置101以外のBLE通信装置101にビーコン情報及び個体情報を送信しても、後述のように無線LAN通信回線は確立できない。このため、通信範囲情報の受信強度が強い順に、各BLE通信装置101に対してビーコン情報及び個体情報を送信することで、可能性の高いBLE通信装置101から順に、無線LAN通信のセットアップ要求を行うことができ、セットアップに要する時間を短縮化できる。
BLE通信装置101は、デバイス2aから受信したビーコン情報及び個体情報を、有線通信又は無線通信により、管理機器103に送信する(ステップS65)。管理機器103の判定部153は、現在、管理装置103自身が受信しているビーコン情報と、BLE通信装置101を介してデバイス2aから通知されたビーコン情報との一致判定を行う(ステップS66)。
判定部153により、両者が不一致の判定結果が得られたということは、デバイス2aから受信したビーコン情報が、正しいビーコン情報ではないことを意味する。この場合、管理機器103は、何も行わない(エラー通知を行ってもよい)。これにより、不正使用が懸念されるデバイス2aが、無線LAN通信回線を確立する不都合を防止することができる。
これに対して、判定部153により、両者の一致を示す判定結果が得られた場合、記憶制御部151は、デバイス2aから送信された個体情報及びビーコン情報を、タイマ134で計時された現在時刻を登録時刻として、デバイスリスト138に記憶する(ステップS67)。
図20に、一例として、デバイスリスト138の模式図を示す。この図20に示すように、デバイスリスト138には、各デバイスのMACアドレス、各デバイスから受信したビーコン情報及び登録時刻がそれぞれ関連付けられて記憶されている。具体的には、図20の例の場合、MACアドレスが「AB256」のデバイスは、15時10分の時点で、ビーコン情報aの到達エリア200に位置していることを示している。同様に、図20の例は、MACアドレスが「QL691」のデバイスは、17時31分の時点で、ビーコン情報aの到達エリア200に位置していることを示している。
管理機器103の通信制御部151は、両者の一致を示す判定結果をBLE通信装置101に通知する(ステップS68)。BLE通信装置101は、両者の一致を示す判定結果が通知されると、BLE通信部116を介して、無線LAN通信回線のセットアップ情報をデバイス2aに送信する(ステップS69)。デバイス2aは、BLE通信装置101から送信されたセットアップ情報及び自機の個体情報を通信範囲制限装置1に送信して、無線LAN通信回線のセットアップ要求を行う(ステップS70)。
セットアップ要求された通信範囲制限装置1は、デバイス2aから受信した、デバイス2aの個体情報を管理機器103に送信する(ステップS71)。管理機器103の判定部153は、通信範囲制限装置1から受信した個体情報は、デバイスリスト138に登録されている個体情報であるか否かを判定する(ステップS72)。
判定部153により、デバイスリスト138に登録されていない個体情報であることを示す判定結果が得られたということは、不正使用が懸念されるデバイス2aから、無線LAN通信回線のセットアップが要求されていることを意味する。この場合、管理機器103は、個体情報が不一致であることを示す判定結果を通信範囲制限装置1に通知する。個体情報が不一致であることを示す判定結果を受信すると、通信範囲制限装置1は、何も行わない。これにより、不正使用が懸念されるデバイス2aが、無線LAN通信回線を確立する不都合を防止することができる。
これに対して、判定部153により、デバイスリスト138に登録済みの個体情報であることを示す判定結果が得られた場合(ステップS73)、通信範囲制限装置1は、デバイス2aに対してセットアップ指示信号を送信する(ステップS74)。そして、通信範囲制限装置1及びデバイス2aは、ステップS75及びステップS76において、それぞれセットアップ情報に基づいて、無線LAN通信回線のセットアップ処理を行う。これにより、デバイス2aは、無線LAN通信が可能となる。
なお、上述の例では、ステップS70において、デバイス2aから通信範囲制限装置1にセットアップ要求が行われた際に、通信範囲制限装置1は、ステップS71において、管理機器103に個体情報を送信して、個体情報の登録判定を行うこととした。しかし、個体情報の登録判定を行わずに、ステップS71でデバイス2aからセットアップ要求された際に、通信範囲制限装置1は、ステップS74に進み、デバイス2aに対してセットアップ指示を行ってもよい。これにより、ステップS71〜ステップS73における、個体情報の判定処理を省略することができる。ただ、ステップS71〜ステップS73における、個体情報の判定処理を行うことで、無線LAN通信システムの通信セキュリティを、より向上させることができる。
(無線LAN通信回線の切断動作)
次に、第1の実施の形態の無線LAN通信システムにおける無線LAN通信回線の切断動作を説明する。まず、第1の実施の形態の無線LAN通信システムの場合、無線LAN通信回線を確立したデバイスは、ビーコン送信装置102からビーコン情報を受信する毎、又は、一定時間置きにビーコン送信装置102からビーコン情報を受信し、管理機器103に通知するようになっている。管理機器103は、デバイスからビーコン情報を受信している間は、確立されている無線LAN通信回線を維持する。
しかし、図21に矢印で示すように、到達エリア200外にデバイス2aが移動した場合、デバイス2aはビーコン情報を受信できなくなるため、デバイス2aから管理機器103に対するビーコン情報の通知が停止する。管理機器103は、ビーコン情報の通知が停止してから一定時間が経過した際に、無線LAN通信回線を切断する。これにより、デバイス2aに対する無線LAN通信回線の使用許諾範囲を、ビーコン情報の到達エリア200内に制限することができる。
図22は、確立された無線LAN通信回線の切断動作の流れを示すシーケンス図である。ビーコン送信装置102は、所定の間隔でビーコン情報を送信する(ステップS81)。デバイス2aは、ビーコン情報を受信する毎に、自機の個体情報と共に、通信範囲制限装置1に送信する(ステップS82)。なお、デバイス2aは、受信したビーコン情報を所定時間置きに通信範囲制限装置1に送信してもよい。ビーコン情報を所定時間置きに通信範囲制限装置1に送信する場合、デバイス2aの通信負担を軽減できる。
通信範囲制限装置1は、受信したビーコン情報及び個体情報を管理機器103に転送する(ステップS83)。管理機器103の判定部153は、個体情報及びビーコン情報に基づいてデバイスリスト138を参照し、通信範囲制限装置1から受信したビーコン情報、及び、デバイスリスト138に登録されているビーコン情報の一致判定を行う(ステップS84)。
判定部153により、両者が不一致であることを示す不一致判定がされた場合、通信制御部151は通信範囲制限装置1に不一致判定結果を通知する(ステップS85)。この場合、通信範囲制限装置1は、デバイス2aに対して無線LAN通信回線の切断指示を行う(ステップS86)。これにより、通信範囲制限装置1及びデバイス2aは、ステップS87及びステップS88において、それぞれ無線LAN通信回線を切断処理する。これにより、デバイス2aが他のビーコン情報の到達エリアに移動した場合、デバイスリスト138に登録されているビーコン情報に対応する到達エリア200外に移動した場合(図21参照)等には、無線LAN通信回線を切断処理し、無線LAN通信システムのセキュリティを確保できる。
これに対して、判定部153により、両者が一致したことを示す一致判定がされた場合、通信制御部151は通信範囲制限装置1に一致判定結果を通知する(ステップS89)。また、管理機器103の記憶制御部152は、デバイスリスト138に記憶されている、対応するデバイスの登録時刻を、一致判定を行った時刻に書き換え処理する。また、計測制御部154は、登録時刻の書き換え処理から経過する時間を、タイマ134で生成される計時情報に基づいてカウントする。
通信範囲制限装置1は、不一致判定結果が通知された場合は、上述のように無線LAN通信回線を切断処理するが、一致判定結果が通知された場合は、そのまま無線LAN通信回線を維持する。ビーコン送信装置102は、常時、ビーコン情報を送信しているため、デバイス2aが受信したビーコン情報は、通信範囲制限装置1を介して、個体情報と共に管理機器103に通知され、上述のビーコン情報の一致判定が行われる。
ここで、図21に例示するように、デバイス2aがビーコン情報の到達エリア200外に移動すると、デバイス2aがビーコン情報を受信困難となり、通信範囲制限装置1から管理機器103に対して通知されていたビーコン情報が非通知の状態となる。計測制御部154は、このようなビーコン情報が非通知となってから経過した時間をカウントしている。すなわち、計測制御部154は、ビーコン情報をデバイスリスト138に登録した時点でカウントを開始し、ビーコン情報が通知された時点で、デバイスリスト138の登録時刻を書き換え処理すると共に、経過時間のカウント値をリセット処理する。そして、計測制御部154は、再度、経過時間のカウントを開始する。
計測制御部154により、一定時間の経過がカウントされた場合、記憶制御部152は、一定時間の経過がカウントされたデバイス2aの個体情報、ビーコン情報及び登録時刻をデバイスリスト138から削除する(ステップS92)。また、通信制御部151は、通信範囲制限装置1に対して、無線LAN通信回線の切断指示を行う(ステップS93)。通信範囲制限装置1は、ステップS94において、デバイス2aに対して、無線LAN通信回線の切断指示を通知する。
これにより、デバイス2aから管理機器103に対するビーコン情報の通知が停止してから一定時間を経過した際に、通信範囲制限装置1及びデバイス2aで無線LAN通信回線の切断処理が実行される(ステップS95、ステップS96)。従って、デバイス2aが、ビーコン情報の到達エリア200外に移動した際には、無線LAN通信回線を切断処理することができ、無線LAN通信の許可範囲を、ビーコン情報の到達エリア200に制限して、無線LAN通信システムのセキュリティを確保できる。
(第1の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態の無線LAN通信システムは、無線LAN通信エリア5内に、ビーコン情報の到達エリア200を設け、また、ビーコン情報の到達エリア200内にBLE通信エリア6を設ける。そして、到達エリア200内でデバイスが受信したビーコン情報と、実際に送信されているビーコン情報の一致判定処理を行い、両者が一致した場合に、無線LAN通信を確立するためのセットアップ情報をBLE通信で送信する。これにより、デバイスは、無線LAN通信回線を確立して、無線LAN通信を行うことができる。
また、デバイスが受信しているビーコン情報と、管理機器103に登録されているビーコン情報との一致判定を行い、両者が一致している間は、確立されている無線LAN通信回線を維持する。これに対して、両者が不一致の場合は、確立されている無線LAN通信回線を切断処理する。さらに、デバイス2aで受信しているビーコン情報が、通信範囲制限装置1を介して通知されない場合には、この非通知となってから一定時間が経過した際に、無線LAN通信回線を切断処理する。
これにより、デバイスに対して無線LAN通信を許可する範囲を、ビーコン情報の到達エリア200内に制限することができる。従って、無線LANの通信範囲を、意図した通信範囲に限定することができ、無線LAN通信システムの通信セキュリティを維持することができる。例えば、無線LAN接続を確立したデバイスが、意図した通信範囲外に位置するようなった時に、通信回線を切断することで、意図した通信範囲内に存在するデバイスに限定して無線LAN通信を許可することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の無線LAN通信システムの説明をする。上述の第1の実施の形態の無線LAN通信システム場合、ビーコン送信装置102は、常時、同じビーコン情報を送信するものであった。これに対して、第2の実施の形態の無線LAN通信システムは、一定時間毎に変更したビーコン情報を送信し、デバイス2aが受信したビーコン情報と、ビーコン送信装置102から送信されたビーコン情報が不一致であった場合に、確立されている無線LAN通信回線を切断処理するものである。なお、上述の第1の実施の形態と以下に説明する第2の実施の形態は、この点のみが異なる。このため、以下、差異の説明のみ行い、重複説明を省略する。
(管理機器のソフトウェア構成)
この第2の実施の形態の無線LAN通信システムの場合、管理機器103のCPU131は、通信制御プログラムを実行することで、図23に示すように、通信制御部151〜計測制御部154と共に、ビーコン生成部155の機能を実現する。ビーコン生成部155は、一定時間毎に異なるビーコン情報を生成し、ビーコン送信装置102に通知する。ビーコン送信装置102には、ビーコン生成部155から通知されたビーコン情報を送信する。
(第2の実施の形態における、無線LAN通信回線の切断動作)
図24のシーケンス図に、第2の実施の形態における無線LAN通信回線の切断動作の流れを示す。このシーケンス図は、デバイス2aが無線LAN通信回線を確立している間における、各部の動作を示している。まず、ビーコン送信装置102は、ビーコン情報aを連続的又は断続的に送信する(ステップS101、ステップS102)。デバイス2aは、ビーコン情報aを受信している。
ビーコン情報は、管理機器103により変更され、ビーコン送信装置102から送信されるようになっている。管理機器103のビーコン生成部155は、計時制御部154により、ビーコン情報aが生成されてから一定時間の経過が計時されると、新たなビーコン情報bを生成し(ステップS103)、ビーコン送信装置102に対して、新たなビーコン情報bの送信を指示する(ステップS104)。これにより、ビーコン送信装置102は、新たなビーコン情報bの送信を開始し(ステップS105)、デバイス2aは、この新たなビーコン情報bを受信する。
新たなビーコン情報bを受信したデバイス2aは、第1の実施の形態で説明したように、受信したビーコン情報b及び個体情報を通信範囲制限装置1に送信する(ステップS106)。デバイス2aは、ビーコン情報を受信する毎に、通信範囲制限装置1に送信してもよい。または、デバイス2aは、受信したビーコン情報をRAM23等の記憶部に記憶しておき、ビーコン送信装置102からビーコン情報を受信する毎に、記憶部に記憶しておいたビーコン情報と比較し、両者が不一致であった場合に、通信範囲制限装置1に対してビーコン情報を送信してもよい。すなわち、この場合、両者が不一致であるということは、ビーコン情報が変更されたことを意味するため、変更されたタイミングで、変更後のビーコン情報を通信範囲制限装置1に送信する。これにより、ビーコン情報が変更された際に通信範囲制限装置1に対してビーコン情報を送信すればよいため、デバイス2aの送信負担を軽減できる。
通信範囲制限装置1は、デバイス2aから受信したビーコン情報b及び個体情報を管理機器103に送信する(ステップS107)。管理機器103の判定部153は、ビーコン生成部155で生成された新たなビーコン情報bと、通信範囲制限装置1を介して送信されたデバイス2aが受信しているビーコン情報との一致判定を行う(ステップS108)。そして、管理機器103の通信制御部157は、判定結果を通信範囲制限装置1に送信する(ステップS109)。両者が一致していることを示す判定結果が得られた場合、通信範囲制限装置1は、無線LAN通信回線を維持する。
次に、ステップS110及びステップS111に示すように、ビーコン情報bの送信が開始されてから一定時間の経過を、管理機器103の計測制御部154が検出した場合、ビーコン生成部155は、新たなビーコン情報cを生成し(ステップS112)、ビーコン送信装置102に対して、新たなビーコン情報cの送信を指示する(ステップS113)。これにより、ビーコン送信装置102からは、新たなビーコン情報cの送信が開始される。
ここで、デバイス2aが、新たなビーコン情報cの到達エリア200とは、物理的に異なる到達エリアに移動し、この物理的に異なる到達エリアで受信したビーコン情報gを、個体情報と共に通信範囲制限装置1に通知したとする(ステップS114)。または、デバイス2aが、不正に入手したビーコン情報gを、個体情報と共に通信範囲制限装置1に通知したとする(ステップS114)。通信範囲制限装置1は、上述と同様に、ビーコン情報g及び個体情報を管理機器103に送信する(ステップS115)。
この場合、ビーコン生成部155で生成された新たなビーコン情報は、ビーコン情報cであるため、通信範囲制限装置1を介して送信されたビーコン情報gとは、不一致であることが判定部153で判定される(ステップS116)。
新たに生成したビーコン情報と、デバイス2aから通信範囲制限装置1を介して送信されたビーコン情報とが不一致であるということは、デバイス2aが、異なる到達エリアに移動し、または、何等かの不正使用の意図が懸念される。このため、両者が不一致の場合、記憶制御部152は、該当するデバイス2aの個体情報、ビーコン情報及び登録時刻をデバイスリスト138から削除する(ステップS117)。また、通信制御部151は、通信範囲制限装置1に対して、ビーコン情報の不一致を示す判定結果を通知する(ステップS118)。
これにより、通信範囲制限装置1からデバイス2aに無線LAN通信回線の切断指示が送信され(ステップS119)、通信範囲制限装置1及びデバイス2aで無線LAN通信回線の切断処理が実行される(ステップS120、ステップS121)。
(第2の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第2の実施の形態の無線LAN通信システムは、到達エリア200を形成するビーコン情報を、所定時間毎に変更する。これにより、少なくとも所定時間毎に、ビーコン情報の一致判定処理を行うことができるため、無線LAN通信システムのセキュリティを、より確保できる他、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
上述の各実施の形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な各実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。各実施の形態及び各実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 通信範囲制限装置
2 スマートフォン
3 プリンタ装置
4 プロジェクタ装置
5 無線LAN通信エリア
6 BLE通信エリア
101 BLE通信装置
102 ビーコン送信装置
103 管理機器
124 スピーカ部
128 ビーコン制御部
134 タイマ
138 デバイスリスト
151 通信制御部
152 記憶制御部
153 判定部
154 計時制御部
155 ビーコン生成部
200 ビーコン情報の到達エリア
特開2012−095270号公報

Claims (11)

  1. 第1の通信領域において、第1の通信方式による第1の通信を行う第1の通信部と、
    前記第1の通信領域内でビーコン情報を送信するビーコン送信部と、
    前記第1の通信領域内において、前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式による第2の通信を行い、デバイスに対して、前記第1の通信の通信回線を確立するためのセットアップ情報を送信する第2の通信部と、
    前記デバイスから前記第2の通信部を介して受信したビーコン情報と、前記ビーコン送信部から受信した前記ビーコン情報の一致判定を行う管理部と、を備え、
    前記第2の通信部は、前記管理部から前記各ビーコン情報が一致する判定結果を得た場合に、前記デバイスに対して前記セットアップ情報を送信すること
    を特徴とする通信システム。
  2. 前記デバイスは、前記管理部に対して、前記ビーコン情報及び当該デバイスの個体情報を送信し、
    前記管理部は、デバイス毎に、前記ビーコン情報及び前記個体情報を関連付けて記憶部に記憶し、
    前記第1の通信部は、前記セットアップ情報に基づいて前記第1の通信のセットアップ要求を行ったデバイスの個体情報を前記管理部に送信し、送信した個体情報が前記記憶部に記憶されていることを示す情報が、前記管理部から得られた場合に、前記第1の通信のセットアップ処理を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第1の通信部は、前記デバイスとの間に前記第1の通信の通信回線を確立した後、前記デバイスから送信される前記ビーコン情報及び前記個体情報を、前記管理部に送信し、
    前記管理部は、前記記憶部に、前記デバイスから送信された前記ビーコン情報及び前記個体情報を記憶してから一定時間が経過するまでの間に、前記第1の通信部から前記デバイスのビーコン情報を受信しなかった場合に、前記デバイスとの間に確立している前記第1の通信の通信回線を切断処理すること
    を特徴とする請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記管理部は、前記一定時間が経過するまでの間に、前記第1の通信部から前記デバイスのビーコン情報を受信しなかった場合、前記ビーコン情報を受信しなかったデバイスに対応する前記ビーコン情報及び前記個体情報を、前記記憶部から削除すること
    を特徴とする請求項3に記載の通信システム。
  5. 前記第1の通信部は、前記ビーコン情報を受信する毎、又は、所定の間隔で、前記デバイスから送信されるビーコン情報及び個体情報を、前記管理部に送信し、送信したビーコン情報が、前記個体情報に関連付けて前記記憶部に記憶されているビーコン情報と一致することを示す情報が得られた場合、前記デバイスとの間に確立している前記第1の通信の通信回線を維持し、送信したビーコン情報が、前記個体情報に関連付けて前記記憶部に記憶されているビーコン情報と不一致であることを示す情報が得られた場合、前記デバイスとの間に確立している前記第1の通信の通信回線を切断処理すること
    を特徴とする請求項2から請求項4のうち、いずれか一項に記載の通信システム。
  6. 前記管理部は、所定時間毎に、異なるビーコン情報を送信するように、前記ビーコン送信部を制御し、
    前記デバイスは、前記ビーコン情報を受信する毎に、前記第1の通信部に対して、受信したビーコン情報及び個体情報を送信し、又は、前記第1の通信部に、前回、送信したビーコン情報とは異なるビーコン情報を受信した際に、受信したビーコン情報及び個体情報を前記第1の通信部に送信し、
    前記第1の通信部は、前記デバイスから送信されたビーコン情報及び個体情報を、前記管理部に送信することで、送信したビーコン情報が、現在、前記ビーコン送信部から送信されているビーコン情報と一致することを示す情報が、前記管理部から得られた場合、前記デバイスとの間に確立している前記第1の通信の通信回線を維持し、送信したビーコン情報が、現在、前記ビーコン送信部から送信されているビーコン情報と不一致であることを示す情報が、前記管理部から得られた場合、前記デバイスとの間に確立している前記第1の通信の通信回線を切断処理すること
    を特徴とする請求項2から請求項4のうち、いずれか一項に記載の通信システム。
  7. 前記管理部は、前記第1の通信部を介して前記デバイスから送信されたビーコン情報が、前記記憶部に記憶されている前記デバイスのビーコン情報と不一致である場合、又は、前記第1の通信部を介して前記デバイスから送信されたビーコン情報が、現在、前記ビーコン送信部から送信されているビーコン情報と不一致である場合、前記デバイスのビーコン情報及び個体情報を、前記記憶部から削除すること
    を特徴とする請求項5又は請求項6に記載の通信システム。
  8. 第1の通信部が、第1の通信方式による第1の通信を行う第1の通信領域を形成し、
    ビーコン送信部が、前記第1の通信領域内でビーコン情報を送信し、
    第2の通信部が、前記第1の通信領域内において、前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式による第2の通信を行い、デバイスに対して、前記第1の通信の通信回線を確立するためのセットアップ情報を送信し、
    管理部が、前記デバイスから前記第2の通信部を介して受信したビーコン情報と、前記ビーコン送信部から受信した前記ビーコン情報の一致判定を行い、
    前記第2の通信部は、前記管理部から前記各ビーコン情報が一致する判定結果を得た場合に、前記デバイスに対して前記セットアップ情報を送信すること
    を特徴とする通信方法。
  9. 前記デバイスは、前記管理部に対して、前記ビーコン情報及び当該デバイスの個体情報を送信し、
    前記管理部は、デバイス毎に、前記ビーコン情報及び前記個体情報を関連付けて記憶部に記憶し、
    前記第1の通信部は、前記セットアップ情報に基づいて前記第1の通信のセットアップ要求を行ったデバイスの個体情報を前記管理部に送信し、送信した個体情報が前記記憶部に記憶されていることを示す情報が、前記管理部から得られた場合に、前記第1の通信のセットアップ処理を行うこと
    を特徴とする請求項8に記載の通信方法。
  10. 前記第1の通信部は、前記デバイスとの間に前記第1の通信の通信回線を確立した後、前記デバイスから送信される前記ビーコン情報及び前記個体情報を、前記管理部に送信し、
    前記管理部は、前記記憶部に、前記デバイスから送信された前記ビーコン情報及び前記個体情報を記憶してから一定時間が経過するまでの間に、前記第1の通信部から前記デバイスのビーコン情報を受信しなかった場合に、前記デバイスとの間に確立している前記第1の通信の通信回線を切断処理すること
    を特徴とする請求項9に記載の通信方法。
  11. コンピュータを、
    第1の通信領域において、第1の通信方式による第1の通信を行う第1の通信部と、
    前記第1の通信領域内でビーコン情報を送信するビーコン送信部と、
    前記第1の通信領域内において、前記第1の通信方式とは異なる第2の通信方式による第2の通信を行い、デバイスに対して、前記第1の通信の通信回線を確立するためのセットアップ情報を送信する第2の通信部と、
    前記デバイスから前記第2の通信部を介して受信したビーコン情報と、前記ビーコン送信部から受信した前記ビーコン情報の一致判定を行う管理部として機能させ、
    前記コンピュータを前記第2の通信部として機能させる際に、前記管理部から前記各ビーコン情報が一致する判定結果を得た場合に、前記デバイスに対して前記セットアップ情報を送信するように機能させること
    を特徴とする通信プログラム。
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