JP2017208477A - 複合基板およびその製造方法 - Google Patents

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Tsutomu Mikura
勉 三倉
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【課題】 窒化ケイ素質焼結体からなる基板とアルミニウムを主成分とする金属板との接合信頼性が高い複合基板等を提供すること。【解決手段】 窒化ケイ素質焼結体からなる基板1と、主成分としてアルミニウムを含有し、基板1に接合された金属板2と、基板1と金属板2との間に位置しており、金属板2に接する第1層3aおよび基板1に接する第2層3bを有する接合層3とを備えており、第1層3aがアルミニウムおよびニッケルを含む第1材料からなり、第2層3bがケイ素および窒素の少なくとも一方とアルミニウムとを含む第2材料からなる複合基板10である。【選択図】 図2

Description

本発明は、金属板を有する複合基板およびその製造方法に関するものである。
電車、ハイブリッド自動車および電気自動車等の電動車両用のインバーター等の高電圧、大電流動作用途において、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導
体素子を含むパワー半導体モジュールが広く利用されている。
このような半導体モジュールでは、半導体体素子から生じる熱の外部への放熱性の向上が課題になる。また、電動車両の安全性等のために、半導体モジュールを構成している回路基板の機械的な信頼性の向上も課題になる。このような放熱性および信頼性の向上技術として、窒化ケイ素からなる基板(窒化珪素基板)と、アルミニウム(Al)系金属からなる金属回路板とが、Al−Si系ろう材等のろう材を介して互いに接合された回路基板が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2013−182960号公報
近年、パワー半導体モジュールのより一層の大容量化による半導体素子からの発熱量の上昇が著しいため、基板と金属回路板とのより一層の接合の強度および信頼性の向上が求められるようになってきている。これに対して、例えば特許文献1に記載の技術では、ろう材中のSiが金属回路板のAl中に拡散し、金属間化合物を形成して金属回路板が脆化する可能性がある。そのため接続信頼性の向上が難しいことが考えられる。つまり、従来技術では上記のように基板と金属回路板との接続信頼性の向上が難しい。
本発明の1つの態様の複合基板は、窒化ケイ素質焼結体からなる基板と、主成分としてアルミニウムを含有し、前記基板に接合された金属板と、前記基板と前記金属板との間に位置しており、前記金属板に接する第1層および前記基板に接する第2層を有する接合層とを備えており、前記第1層がアルミニウムおよびニッケルを含む第1材料からなり、前記第2層がケイ素および窒素の少なくとも一方とアルミニウムを含む第2材料からなる。
本発明の1つの態様の複合基板の製造方法は、窒化ケイ素質焼結体からなる基板およびアルミニウムを含有する金属板を準備する工程と、前記基板の露出表面の少なくとも一部にニッケルめっき層を被着させる工程と、前記基板の前記ニッケルめっき層を被着させた部分に前記金属板を位置合わせして仮接合体を形成し、該仮接合体を圧力を加えながら加熱する工程とを備える複合基板の製造方法である。
本発明の1つの態様の複合基板によれば、接合層の第1層および第2層にはアルミニウムが含まれていることから、アルミニウムを介して第1層と第2層との接合強度を確保することができる。また第2層にはケイ素および窒素の少なくとも一方が含まれることから、ケイ素および窒素の少なくとも一方を介して基板に含有されている窒化ケイ素と第2層との接続強度を確保することができる。さらに第1層にはニッケルが含まれていることか
ら、第2層から第1層へのケイ素の拡散を抑制することができる。つまり、ケイ素−アルミニウム金属間化合物の生成による接合層の脆化も抑制できる。したがって、基板と金属板との接合の信頼性向上に対して有効な複合基板を提供することができる。
本発明の実施形態の複合基板の製造方法によれば、上記構成であることから、基板と金属板との接合の信頼性向上に対して有効な複合基板を容易に製作することができる。
(a)は本発明の実施形態の複合基板を示す断面図であり、(b)は(a)のA部分を拡大して示す断面図である。 図1に示す複合基板の変形例における要部を拡大して示す断面図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態における複合基板の製造方法を工程順に示す断面図である。
本発明の実施形態の複合基板およびその製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に複合基板が使用されるとき、または複合基板を製作するときの上下を限定するものではない。
図1(a)は本発明の実施形態の複合基板を示す断面図であり、図1(b)は図1(a)のA部を拡大して示す断面図である。実施形態の複合基板10は、基板1と、基板1の上面および下面にそれぞれ接合された金属板2と、基板1と金属板2との間に位置する接合層3とを有している。また、接合層3は、金属板2に接する第1層3aと、基板1に接する第2層3bとを有している。第1層3aは、アルミニウムおよびニッケルを含む第1材料からなり、第2層3bは、ケイ素および窒素の少なくとも一方とアルミニウムとを含む第2材料からなる。接合層3によって基板1と金属板2とが互いに接合されて、複合基板10が基本的に構成されている。
このような複合基板10によれば、接合層3の第1層3aおよび第2層3bにはアルミニウムが含まれていることから、アルミニウムを介して第1層3aと第2層3bとの接合強度を確保することができる。
また第2層3bにはケイ素および窒素の少なくとも一方が含まれることから、ケイ素および窒素の少なくとも一方を介して、基板1に含有されている窒化ケイ素と第2層3bとの接続強度を確保することができる。
さらに第1層3aにはニッケルが含まれていることから、第2層3bから第1層3aへのケイ素の拡散を抑制することができる。つまり、ケイ素−アルミニウム金属間化合物の生成による接合層3の脆化も抑制できる。したがって、基板1と金属板2との接合の信頼性向上に対して有効な複合基板10を提供することができる。
基板1は、金属板2を固定するための基体として機能する。また、基板1は、例えば図1に示すように上下に金属板2が配置されたときに、これらの金属板2同士の電気絶縁性を確保する機能も有する。例えば、基板1の上面の金属板2は電子部品(図示せず)の搭載用であり、基板1の下面の金属板2は外部への放熱用である。これらの金属板2の詳細については後述する。
基板1は、例えば、平面視において四角形状等の平板状であり、窒化ケイ素質焼結体によって形成されている。基板1は、例えば次の各工程によって作製することができる。まず、窒化ケイ素粉末を主成分とする原料粉末に酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウム
等の焼結助剤を添加し、有機溶剤およびバインダとともに混練した後にシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。その後、セラミックグリーンシートを適当な形状および寸法に切断した後に、約1600〜1900℃程度の温度で焼成する。必要に応じて、切断したシートを複数枚、上下に積層した後に焼成してもよい。以上の工程で基板1が作製される。
金属板2は、例えば平板状であり、アルミニウムによって形成されている。金属板2は、平面視において、四角形状または回路パターン状等の所定の形状で形成されている。金属板2は、アルミニウムからなるものであるが、例えば機械的強度や熱膨張係数等の調整のため数質量%程度程度の少量の添加物を含有していても構わない。添加物としては、例えばケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロムおよび亜鉛等が挙げられる。
図1に示す例においては、基板1の上面および下面の両方に金属板2が接合されている。これらの金属板2は、例えば、前述したように上面側が電子部品の搭載用であり、下面側が外部への放熱用である。なお、これらの金属板2は、他の機能を有するものでも構わない。例えば、複合基板10が発熱体(図示せず)(パワー半導体モジュール等)と放熱体(放熱フィン等)(図示せず)との間に実装される中継基板であるときに、熱伝導率が高い熱伝導路の一部を形成するものであってもよい。
金属板2は、例えばアルミニウムの原板にエッチング加工等の所定のパターン加工を施すことによって作製することができる。このパターン加工は、アルミニウムの原板を後述する接合材3を介して基板1に接合した後に行なうようにしても構わない。
接合材3は、基板1と金属板2との間に位置し、これらを互いに接合させる機能を有する部材である。接合材3は、前述したように金属板2に接する第1層3aおよび基板1に接する第2層3bを有している。また、第1層3aがアルミニウムおよびニッケルを含む第1材料からなり、第2層3bがケイ素および窒素の少なくとも一方とアルミニウムとを含む第2材料からなる。
接合層3の第1層3aは、接合層3自体を金属板2に対して効果的に接合させるための部分である。第1層3aおよびこれに接する金属板2の両方がアルミニウムを含有しているため、これら互いのアルミニウム成分を介して第1層3aと金属板2とが互いに効果的に接合されている。
また、第1層3aは、前述したように、第2層3bから第1層3aへのケイ素の拡散、つまり接合層3全体へのケイ素の拡散を抑制する機能を有している。これによって、アルミニウムを含有している接合層3の広い範囲で、脆いケイ素−アルミニウム金属間化合物が生成する可能性が効果的に低減されている。すなわち、接合層3の脆化を効果的に抑制することができる。
上記のような効果を有効に得ることを考慮すれば、第1層3aにおけるアルミニウムの含有率は、例えば約50〜99体積%に設定される。また、第1層3aにおけるニッケルの含有率は、例えば約1〜50体積%に設定される。
なお、第1層3aにおけるアルミニウムおよびニッケルの存在形態は、互いに異なる結晶粒を構成している多結晶体でもよく、非結晶体でもよい。非結晶体であれば、多結晶体のような結晶粒界が含まれていないため、第2層3bに含まれるケイ素の結晶粒界に沿った拡散を抑制できる。また第1層3aと金属板2との界面の元素種類の違いによる格子定数の大きさの差による歪が発生しにくくなる。また、金属間化合物を含まない方が、金属間化合物と金属間化合物の周囲との間に生じる歪を通って第2層3bのケイ素が第1層3
a内に拡散するというような可能性が効果的に低減される。言い換えれば、ケイ素が拡散しにくくなる。
接合層3の第2層3bは、接合層3自体を基板1に対して効果的に接合させるための部分である。第2層3bにおけるアルミニウム成分は接合材としての基本構造部分であり、基板1表面部分との反応および分子間力等によって第1層3aに接合されている。また、第2層3bがケイ素および窒素の少なくとも一方を含有し、基板1が窒化ケイ素を含有しているため、互いのケイ素成分および窒素成分の少なくとも一方を介して第2層3bと基板1とが互いに効果的に接合されている。
上記のような効果を有効に得ることを考慮すれば、第2層3bにおけるアルミニウムの含有率は、例えば約5〜50体積%に設定される。また、第2層3bにおけるケイ素および窒素の含有率は、それぞれに、例えば約5〜50体積%に設定される。また、ケイ素と窒素とを合わせた含有率は、例えば約15〜75体積%に設定される。
なお、第2層3aにおけるアルミニウム、ケイ素および窒素の存在形態は、互いに異なる結晶粒を構成している多結晶体でもよく、非結晶体でもよい。非結晶体であれば、多結晶体のように、第2層3bと基板1との界面の元素種類の違いによる原子間距離の差による歪が発生しにくくなる。
また、第1層3aと第2層3bとは、それぞれが含有しているアルミニウム成分を介して互いに強固に接合されている。そのため、基板1と金属板2とは接合層3によって互いに効果的に接合されている。したがって、基板1と金属板2との接合の信頼性向上に対して有効な複合基板10を提供することができる。
また、第1層3aの厚みは、例えば約5nm〜10μm程度に設定すればよい。第2層3bの厚みは、例えば約5nm〜1μm程度に設定すればよい。接合層3全体の厚みは、例えば約10nm〜10μm程度に設定すればよい。このような条件で設定しておけば、接合層3を介した基板1と金属板2との接合の信頼性を有効に向上させることができる。
この場合、第1層3a、第2層3bおよび接合層3全体としてのそれぞれの厚みは、それぞれの全域で均一である必要はなく、多少のばらつきがあっても構わない。また、第1層3aおよび第2層3bそれぞれの厚みは、接合層3の厚み方向における断面の透過電子顕微鏡観察で測定することができる。
第1層3aおよび第2層3bそれぞれのニッケル、ケイ素および窒素成分は、X線分光器等で測定することができる。
接合層3は、基板1と金属板2とをニッケル層を挟んで互いに対向させた状態で、これらを所定の条件で加熱して界面に拡散層を生成させることによって形成することができる。接合層3の形成方法、および接合層3を介した基板1と金属板2との接合方法の詳細については後述する。
図2は、図1に示す複合基板10の変形例における要部を拡大して示す断面図である。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
この変形例における複合基板10では、接合層3が、第1層3aと第2層3bとの間に介在している第3層3cをさらに有している点が上記の実施形態と異なる。これ以外の事項について変形例の複合基板10は前述した実施形態の複合基板10と同様である。これらの同様の事項については説明を省略する。
変形例の複合基板10において接合層3に含まれている第3層3cは、第1材料3aおよび第2材料3bのいずれよりもアルミニウムの含有率が大きい第3材料3cからなる。すなわち、第3材料は、アルミニウムを主成分とし、ニッケル、ケイ素および窒素の少なくとも1種を含有する金属材料または複合材料である。
第3材料は、アルミニウムを主成分とし、ニッケル、ケイ素および窒素の全てをさらに含有しているものでも構わない。また、第3材料は、ニッケル、ケイ素および窒素といった成分の分布が均一なものである必要はなく、例えば、一部においてニッケル、ケイ素および窒素のいずれもが存在していない部分(つまりアルミニウムのみからなる部分)が含まれていても構わない。
変形例の複合基板10は、上記のように接合層3が第3層3cをさらに有していることから、第1層3aと第2層3bとの接合の信頼性が効果的に向上している。これは、第3層3cがアルミニウムからなり、この第3層3cのアルミニウムは、第1層3aおよび第2層3bのアルミニウム、さらに第1層3bのケイ素および第2層のニッケルに対する接合性が良好であることによる。
ここで、第3層3cに含まれるケイ素およびニッケルのアルミニウムに対する比率は、第1層3aのニッケル、及び第2層3bのケイ素のアルミニウムに対する比率よりも低い。これによって、第3層3cの弾性率は第1層3aおよび第2層3bのいずれと比較しても低くなっている。これによって、複合基板10の熱負荷時の応力を緩和することができるため、第1層3a及び第2層3bのクラック等を抑制することもできる。したがって、基板1と金属板2との接合の信頼性を効果的に向上させることができる。
なお、この変形例の複合基板10において、接合層3の第3層3cが上記のようにアルミニウムのみからなる部分を含むときに、このアルミニウムのみからなる部分が層状であってもよい。この場合には、接合層3が、第3層3cの厚み方向の中央部等の位置にアルミニウムのみからなる第4層(図示せず)をさらに有するものであるとみなすこともできる。このような第4層が含まれるときには、弾性率がさらに小さい第4層によって応力を効果的に吸収し、緩和することもできる。
次に、本発明の実施形態の複合基板の製造方法について、図3を参照して説明する。図3(a)〜(c)は本発明の実施形態における複合基板の製造方法を工程順に示す断面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図3において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。また、以下の説明において上述した実施形態の複合基板10に関する説明と同様の事項については説明を簡単にするか、または省略している。
まず、図3(a)に示すように、窒化ケイ素質焼結体からなる基板1および主成分としてアルミニウムを含有する金属板2を準備する。
窒化ケイ素質焼結体からなる基板1は、上記実施形態の複合基板10における基板と同様であり、例えば窒化ケイ素粉末を焼結助剤および有機バインダ等とともにシート状に成形して作製した複数のセラミックグリーンシート(切断等の加工を施したもの)を積層し、焼成することによって作製することができる。
金属板2は、例えばブロック状または板状等のアルミニウム材料に、圧延、切断およびエッチング等の所定の加工を施すことによって作製することができる。金属板2は、製作する複合基板10の形態に応じて、準備する個数および個々のパターンを適宜設定する。ま
た、金属板2は、前述したように、金属板2となるアルミニウムの原板を基板1に接合した後に、エッチング加工等の加工を施して所定のパターンに成形する方法で、基板1の上面および下面等の表面に設けることもできる。金属板2の基板1に対する接合の具体的な方法については後述する。
次に、図3(b)に示すように、基板1の露出表面の少なくとも一部にニッケルめっき層4を被着させる。図3(b)に示す例では、四角平板状の基板1の上面および下面のそれぞれについて、外周の枠状の部分以外(中央部)のみにニッケルめっき層4を被着させている。ニッケルめっき層4は、基板1の露出表面の全面に被着させても構わない。ニッケルめっき層4を被着させる際の作業性の点では、基板1の全面にニッケルめっき層4を被着させる方がよい。
ニッケルめっき層4は、基板1の窒化アルミニウム(窒素成分およびケイ素成分)と金属板2のアルミニウム成分との間で熱の作用(後述)によって拡散層を生成して、基板1と金属板2との間に接合層3を生じさせるためのものである。言い換えれば、あらかじめ、ニッケルめっき層4を基板1の金属板2と接合される部分に配置しておくことによって、ニッケルを含む接合層3を形成することができ、接合層3を介して基板1と金属板2とを互いに強固に接合することができる。
ニッケルめっき層4は、例えば電気めっき法または無電解めっき法等の方法で基板1の所定部位に被着させることができる。無電解めっき法による場合であれば、あらかじめ基板1のうちニッケルめっき層4を被着させる部分に化学的または機械的な手段で粗化処理を施しておいて、この粗化処理した部分を含む基板1を無電解ニッケルめっき液中に所定時間浸漬することによって被着させることができる。無電解めっき液は、例えば硫酸ニッケルを主成分とし、還元剤等の添加剤を含有するものを用いることができ、実際には各種の市販のめっき液を用いることができる。なお、ニッケルめっき層4には、ボロンやリン等の添加物が適宜含まれている。
この場合に、例えば基板1の上面および下面の外周部に樹脂材料(テープ等)でマスキングしておけば、所定の部分のみにニッケルめっき層4を被着させることができる。
次に、基板1のニッケルめっき層4を被着させた部分に金属板2を位置合わせして仮接合体20を形成する。その後、この仮接合体20を、上下方向に圧力を加えながら加熱する。これによって、ニッケルめっき層4のニッケルと、基板1および金属板2とのそれぞれの界面で互いの成分(ニッケル、アルミニウム、ケイ素および窒素等)の拡散が生じて拡散層(図示せず)が生成する。この拡散層が上記のように接合層3になり、接合層3を介して基板1と金属板2とが互いに接合される。
すなわち、ニッケルめっき層4が、基板1と金属板2とを互いに接合させる接合材の一部として機能する。この場合の加熱の条件(最高温度およびキープ時間等)を適宜調整することによって、アルミニウムおよびニッケルを含む第1材料からなる第1層3aと、ケイ素および窒素の少なくとも一方とアルミニウムとを含む第2材料からなる第2層3bとを含む接合層3を生成させることができる。この加熱の条件は、基板1、金属板2およびニッケルめっき層4の厚みならびに金属板2に含まれるアルミニウムの比率等の条件から選択した条件に応じて適宜設定すればよい。
例えば、基板1の厚みが約0.3mm、金属板2の厚みが約1mm、ニッケルめっき層4
の厚みが約1μm、金属板2に含まれるアルミニウムの比率が約98体積%程度の条件の場合であれば、圧力が0.1〜10MPa、温度がアルミニウムの融点から10〜50℃程度低く、
時間が10〜60分程度の条件で加熱すればよい。
この加熱時に、窒化ケイ素(基板1)およびアルミニウム(金属板2)とニッケル(ニッケルめっき層4)との間で拡散層を生成させて、上記構成の接合層3を基板1と金属板2との間に配置させることができる。また、接合層3を介して基板1と金属板2とを互いに接合させることができる。
以上の工程によって、複合基板10を製作することができる。複合基板10が電子部品搭載用基板として用いられる場合であれば、基板1の上面側の金属板2上への電子部品の搭載、およびエポキシ樹脂等の封止材(図示せず)による電子部品および基板1の上面等の封止を含む加工がさらに施され、電子装置が製作される。
また、金属板2のうち露出する表面について、さらに金めっき層等の被覆層で被覆するようにしてもよく、放熱フィンまたは水冷管等の放熱部材をさらに配置するようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に記載された各例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変更は可能である。
例えば、接合層3の第2層3bは、窒化ケイ素(窒素およびケイ素の少なくとも一方)以外に、基板1に含まれる成分を含有していても構わない。このような成分としては、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウムおよび酸化ケイ素等が挙げられる。
また、接合層3および接合層3を形成するためのニッケルめっき層4は、ニッケル以外にコバルト等の他の金属成分を少量含有していても構わない。
また、接合層3について、第1層3a、第2層3bおよび第3層3cの各層における成分(ニッケル、アルミニウム、窒素およびケイ素)の分布は、各層内において均一なものでなくても構わない。例えば、前述したように第3層3c内アルミニウムからなる層が存在していてもよい。また、基板1の上面と上面側の金属板2との間に位置する接合層3について、第1層3aにおけるアルミニウムの含有率が金属板2側(上側)で第1層3a側(下側)よりも多くてもよい。また、第2層3bにおける窒素およびケイ素の少なくとも一方の含有率が基板1側(下側)で第1層3a側(上側)よりも多くてもよい。すなわち、接合層3のうち金属板2または基板1と接する部分で、その接する部材に含有されている成分の割合を比較的多くして、互いの接合の強度および信頼性を向上させるようにしてもよい。
また、基板1の上面側の金属板2は、電子部品の搭載用のものと電子部品と外部電気回路とを電気的に接続するものとの複数の金属板(図示せず)を含むものでも構わない。また、基板1の上面側と下面側とで、金属板2の厚みが互いに異なるものであって構わない。そうすることで、基板1の上面側と下面側とで複合基板10を作製する場合の、熱の伝わり方や金属板2の熱容量等が異なることから、上面側と下面側で拡散層3の厚みを変える事ができ、使用環境に応じた拡散層3を形成できるため、より接合の信頼性を向上させることができる。例えば金属板2の厚みが厚い面の方の拡散層3を厚くすることで、より接合の信頼性を向上できる。
1・・・・基板
2・・・・金属板
3・・・・接合層
3a・・・第1層
3b・・・第2層
3c・・・第3層
4・・・・ニッケルめっき層
10・・・・複合基板
20・・・・仮接合体

Claims (3)

  1. 窒化ケイ素質焼結体からなる基板と、
    主成分としてアルミニウムを含有し、前記基板に接合された金属板と、
    前記基板と前記金属板との間に位置しており、前記金属板に接する第1層および前記基板に接する第2層を有する接合層とを備えており、
    前記第1層がアルミニウムおよびニッケルを含む第1材料からなり、
    前記第2層がケイ素および窒素の少なくとも一方とアルミニウムとを含む第2材料からなる複合基板。
  2. 前記接合層が、前記第1材料および前記第2材料のいずれよりもアルミニウムの含有率が大きい第3材料からなるとともに前記第1層と前記第2層との間に介在している第3層をさらに有する請求項1に記載の複合基板。
  3. 窒化ケイ素質焼結体からなる基板および主成分としてアルミニウムを含有する金属板を準備する工程と、
    前記基板の露出表面の少なくとも一部にニッケルめっき層を被着させる工程と、
    前記基板の前記ニッケルめっき層を被着させた部分に前記金属板を位置合わせして仮接合体を形成し、該仮接合体を、圧力を加えながら加熱する工程とを備える複合基板の製造方法。
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