JP2017208446A - 積層コイル部品 - Google Patents

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【課題】金属磁性粒子の素体からの脱落が防止されていると共に、素体の磁気特性の低下が抑制されている積層コイル部品を提供する。【解決手段】積層コイル部品は、金属磁性粒子Mを含む複数の金属磁性体層が積層されてなる素体2と、素体2内に併置されている複数の内部導体が電気的に接続されて構成されたコイルと、を備えている。素体2の表面は、絶縁材料からなる層(絶縁層3)で覆われている。絶縁材料は、素体2の表面領域内における金属磁性粒子M間に存在していない。【選択図】図3

Description

本発明は、積層コイル部品に関する。
金属磁性粒子を含む複数の金属磁性体層が積層されてなる素体と、素体内に併置されている複数の内部導体が電気的に接続されて構成されたコイルと、を備える積層コイル部品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2013−254917号公報
金属磁性粒子を含む複数の金属磁性体層が積層されてなる素体を備える積層コイル部品では、金属磁性粒子が素体から脱落するおそれがある。この場合、素体に絶縁材料からなる層を形成することにより、金属磁性粒子が素体から脱落するのを防ぐことができる。
絶縁材料からなる層が素体に形成されている場合、絶縁材料が、素体の表面領域内における金属磁性粒子間に入り込むことがある。絶縁材料が、素体の表面領域内における金属磁性粒子間に存在している場合、絶縁材料から素体に応力が作用し、素体の磁気特性が低下するおそれがある。
本発明の一つの態様は、金属磁性粒子の素体からの脱落が防止されていると共に、素体の磁気特性の低下が抑制されている積層コイル部品を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様に係る積層コイル部品は、金属磁性粒子を含む複数の金属磁性体層が積層されてなる素体と、素体内に配置されているコイルと、を備え、素体の表面は、絶縁材料からなる層で覆われており、絶縁材料は、素体の表面領域内における金属磁性粒子間に存在していない。
本発明の上記一つの態様に係る積層コイル部品では、素体の表面が絶縁材料からなる層で覆われている。したがって、金属磁性粒子の素体からの脱落が防止される。また、本態様に係る積層コイル部品では、絶縁材料は、素体の表面領域内における金属磁性粒子間に存在していないので、絶縁材料からの応力が素体に作用し難い。この結果、素体の磁気特性の低下が抑制される。
素体の表面領域における金属磁性粒子の平均粒子径は、3〜15μmであってもよい。この場合、素体に生じる残留応力が低く抑えられる。
素体の表面の空孔率は、10〜30%であってもよい。この場合、素体の強度が確保される。
絶縁材料は、ガラスであってもよい。この場合、薄く、かつ、均一な層を形成することができる。
絶縁材料からなる層には、貫通孔が形成されていてもよい。この場合、絶縁材料からなる層に存在する貫通孔により、当該層自体に作用する応力が吸収される。この結果、絶縁材料からなる層が損傷するのを抑制することができる。
本発明の上記一つの態様によれば、金属磁性粒子の素体からの脱落が防止されていると共に、素体の磁気特性の低下が抑制されている積層コイル部品を提供することができる。
一実施形態に係る積層コイル部品を示す斜視図である。 図1におけるII−II線に沿った断面構成を説明するための図である。 素体と絶縁層との断面構成を示す模式図である。 コイル導体の構成を示す斜視図である。 積層コイル部品の製造過程を説明するための図である。 積層コイル部品の各SEM写真を示す図である。 積層コイル部品の製造過程を説明するための図である。 積層コイル部品の製造過程を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜図3を参照して、本実施形態に係る積層コイル部品1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る積層コイル部品を示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II線に沿った断面構成を説明するための図である。図3は、素体と絶縁層との断面構成を示す模式図である。図4は、コイル導体の構成を示す斜視図である。
図1に示されるように、積層コイル部品1は、素体2と、一対の外部電極4,5と、を備えている。一対の外部電極4,5は、素体2の両端部にそれぞれ配置されている。積層コイル部品1は、たとえば、ビーズインダクタ又はパワーインダクタに適用できる。
素体2は、直方体形状を呈している。素体2は、その表面として、互いに対向する一対の端面2a,2bと、互いに対向している一対の主面2c,2dと、互いに対向している一対の側面2e,2fと、を有している。一対の主面2c,2dは、一対の端面2a,2bの間を連結するように延在している。一対の側面2e,2fは、一対の主面2c,2dの間を連結するように延在している。
端面2aと端面2bとが対向している方向と、主面2cと主面2dとが対向している方向と、側面2eと側面2fとが対向している方向とは、互いに略直交している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。主面2c又は主面2dは、たとえば積層コイル部品1を図示しない他の電子機器(たとえば、回路基板、又は、電子部品など)に実装する際に、他の電子機器と対向する面(実装面)として規定される。
素体2は、複数の金属磁性体層6(図4参照)が積層されることによって構成されている。各絶縁体層は6、主面2cと主面2dとが対向している方向に積層されている。すなわち、各金属磁性体層6の積層方向は、主面2cと主面2dとが対向している方向と一致している。以下、主面2cと主面2dとが対向している方向を「積層方向」ともいう。各金属磁性体層6は、略矩形形状を呈している。実際の素体2では、各金属磁性体層6は、その層間の境界が視認できない程度に一体化されている。
各金属磁性体層6は、金属磁性粒子を含んでいる。金属磁性粒子は、たとえば、軟磁性合金から構成される。軟磁性合金の例としては、Fe−Si−M系合金(Mは、Feより酸化し易い金属元素であって、たとえば、Cr、Al、又はTiである)、Fe−Si系合金、及びFe−Ni系合金が挙げられる。金属磁性体層6では、金属磁性粒子同士が結合している。金属磁性粒子同士の結合は、たとえば、金属磁性粒子の表面に形成される酸化膜同士の結合で実現される。
金属磁性体層6を形成する際に使用される金属磁性粒子の平均粒子径は、3〜15μmである。ここでの「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
図2に示されるように、素体2の表面(各端面2a,2b、各主面2c,2d、及び各側面2e,2f)には、絶縁層3が形成されている。すなわち、素体2の表面は、絶縁層3で覆われている。本実施形態では、素体2の表面全体が絶縁層3で覆われている。絶縁層3は、絶縁材料(たとえば、ガラスなど)からなる層である。絶縁層3の厚さは、たとえば、0.5μm〜10μmである。絶縁層3に用いられるガラスは、軟化点が高いことが好ましく、たとえば、当該ガラスの軟化点は600℃以上である。
図3に示されるように、絶縁層3は、素体2の表面上に位置している。すなわち、絶縁層3を構成しているガラスは、素体2の表面領域内における金属磁性粒子M間に存在していない。絶縁層3には、複数の貫通孔3aが形成されている。貫通孔3aの直径は、たとえば、0.1〜1.0μmである。貫通孔3aの数は、たとえば、100μmあたり、1〜20個/である。
外部電極4は、素体2の端面2a側に配置されている。外部電極5は、素体2の端面2b側に配置されている。すなわち、各外部電極4,5は、端面2aと端面2bとが対向している方向に互いに離間して位置している。各外部電極4,5は、平面視で略矩形形状を呈しており、その角が丸められている。
外部電極4は、下地電極層7と、第一めっき層8と、第二めっき層9と、を有している。下地電極層7、第一めっき層8及び第二めっき層9は、素体2側から、下地電極層7、第一めっき層8、第二めっき層9の順番で配置されている。下地電極層7は、導電材を含んでいる。下地電極層7は、導電性金属粉末(本実施形態では、Ag粉末)及びガラスフリットを含む導電性ペーストの焼結体として構成される。すなわち、下地電極層7は、焼結金属層である。第一めっき層8は、たとえば、Niめっき層である。第二めっき層9は、たとえば、Snめっき層である。
外部電極4は、端面2a上に位置する電極部分4aと、主面2d上に位置する電極部分4bと、主面2c上に位置する電極部分4cと、側面2e上に位置する電極部分4dと、側面2f上に位置する電極部分4eと、の5つの電極部分を含んでいる。電極部分4aは、端面2aの全面を覆っている。電極部分4bは、主面2dの一部を覆っている。電極部分4cは、主面2cの一部を覆っている。電極部分4dは、側面2eの一部を覆っている。電極部分4eは、側面2fの一部を覆っている。5つの電極部分4a,4b,4c,4d,4eは、一体的に形成されている。
外部電極5は、下地電極層10と、第一めっき層11と、第二めっき層12と、を有している。下地電極層10、第一めっき層11及び第二めっき層12は、素体2側から、下地電極層10、第一めっき層11、第二めっき層12の順番で配置されている。下地電極層10は、導電材を含んでいる。下地電極層10は、導電性金属粉末(本実施形態では、Ag粉末)及びガラスフリットを含む導電性ペーストの焼結体として構成される。すなわち、下地電極層10は、焼結金属層である。第一めっき層11は、たとえば、Niめっき層である。第二めっき層12は、たとえば、Snめっき層である。
外部電極5は、端面2b上に位置する電極部分5aと、主面2d上に位置する電極部分5bと、主面2c上に位置する電極部分5cと、側面2e上に位置する電極部分5dと、側面2f上に位置する電極部分5eと、の5つの電極部分を含んでいる。電極部分5aは、端面2bの全面を覆っている。電極部分5bは、主面2dの一部を覆っている。電極部分5cは、主面2cの一部を覆っている。電極部分5dは、側面2eの一部を覆っている。電極部分5eは、側面2fの一部を覆っている。5つの電極部分5a,5b,5c,5d,5eは、一体的に形成されている。
積層コイル部品1は、素体2内に配置されているコイル15を備えている。図4に示されるように、コイル15は、複数のコイル導体(複数の内部導体)16a,16b,16c,16d,16e,16fを含んでいる。
複数のコイル導体16a〜16fは、後述する突出部20,21に含まれる金属(Pd)よりも電気抵抗値の小さい材料で形成される。本実施形態では、複数のコイル導体16a〜16fは、Agを導電性材料として含んでいる。複数のコイル導体16a〜16fは、Agである導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
コイル導体16aは、接続導体17を有している。接続導体17は、素体2の端面2b側に配置され、コイル導体16aと外部電極5とを電気的に接続する。コイル導体16fは、接続導体18を有している。接続導体18は、素体2の端面2a側に配置され、コイル導体16fと外部電極4とを電気的に接続する。接続導体17及び接続導体18は、Ag及びPdを導電性材料として形成される。本実施形態においては、コイル導体16aの導体パターンと接続導体17の導体パターンとは一体に連続して形成され、コイル導体16fの導体パターンと接続導体18の導体パターンとは一体に連続して形成される。
複数のコイル導体16a〜16fは、素体2内において金属磁性体層6の積層方向に併置されている。複数のコイル導体16a〜16fは、最外層に近い側からコイル導体16a、コイル導体16b、コイル導体16c、コイル導体16d、コイル導体16e、コイル導体16fの順に並んでいる。
コイル導体16a〜16fの端部同士は、スルーホール導体19a〜19eにより接続されている。スルーホール導体19a〜19eにより、コイル導体16a〜16fは、相互に電気的に接続されている。コイル15は、複数のコイル導体16a〜16fが電気的に接続されて構成されている。スルーホール導体19a〜19eは、Agを導電性材料として含んでおり、導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
図2に示されるように、接続導体17は、突出部20を有している。突出部20は、接続導体17において素体2の端面2a側に配置されている。突出部20は、素体2の端面2aから外部電極5側に突出する。突出部20は、絶縁層3を貫通し、外部電極5の下地電極層10に接続されている。突出部20は、外部電極5(下地電極層10)を形成する材料の主成分(Ag)よりも拡散係数の小さい金属(Pd)を含んでいる。本実施形態では、突出部20は、Ag及びPdを含んでいる。
接続導体18は、突出部21を有している。突出部21は、接続導体18において素体2の端面2b側に配置されている。突出部21は、素体2の端面2bから外部電極4側に突出する。突出部21は、絶縁層3を貫通し、外部電極4の下地電極層7に接続されている。突出部21は、外部電極4(下地電極層7)を形成する材料の主成分(Ag)よりも拡散係数の小さい金属(Pd)を含んでいる。本実施形態では、突出部21は、Ag及びPdを含んでいる。突出部20,21に含まれる金属(Pd)は、複数のコイル導体16a〜16fよりも電気抵抗値が大きい。
続いて、積層コイル部品1の製造過程ついて、図5及び図7を参照して説明する。図5及び図7は、積層コイル部品の製造過程を説明するための図である。
図5(a)に示されるように、素体2とコイル15とを含む構造体30を形成する。ここでは、まず、金属磁性体シートを用意する。金属磁性体シートは、金属磁性体スラリーをドクターブレード法などによりシート状に成形することにより得られる。金属磁性体スラリーは、金属磁性粒子、有機溶剤、有機バインダ、及び可塑剤などを混合して得られる。その後、金属磁性体シート上に、コイル導体16a〜16fを形成するための導体パターンを形成する。導体パターンは、Agを金属成分として含有する導電ペーストをスクリーン印刷することにより形成される。
接続導体17を形成するための導体パターンは、Ag及びPdを金属成分として含有する導電ペーストにより形成する。接続導体18を形成するための導体パターンは、Ag及びPdを金属成分として含有する導電ペーストにより形成する。接続導体17及び接続導体18の導体パターンは、Ag及びPdを金属成分として含有する導電ペーストにより金属磁性体シート上に形成されてもよい。また、接続導体17及び接続導体18の導体パターンは、Agを金属成分として含有する導電ペーストにより形成された導体パターン上に、Ag及びPdを金属成分として含有する導電ペーストを重ねることにより形成されてもよい。
導体パターンが形成された金属磁性体シートと、導体パターンが形成されていない金属磁性体シートと、を所定の順序で積層し、金属磁性体シートの積層体を得る。金属磁性体シートの積層体を、大気中で脱バインダ処理した後、所定条件下で熱処理する。これにより、素体2とコイル15とを含む構造体30が得られる。
素体2の表面領域における金属磁性粒子の平均粒子径は、3〜15μmである。ここでの「平均粒子径」は、たとえば、以下のようにして求めることができる。まず、サンプル(構造体30)を側面側又は端面側から研磨する。研磨したサンプルについて、素体2の表面領域の断面(研磨面)のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を撮影する。撮影したSEM写真をソフトウェアにより画像処理を行い、金属磁性粒子の境界を判別し、各金属磁性粒子の面積を算出する。算出した金属磁性粒子の面積を円相当径に換算して粒径を算出する。得られた金属磁性粒子の粒径の平均値を平均結晶粒径とする。
素体2の表面の空孔率は、10〜30%である。空孔率は、たとえば、以下のようにして求めることができる。サンプル(構造体30)の表面のSEM写真を撮影する。撮影したSEM写真をソフトウェアにより画像処理を行い、空孔の境界を判別し、空孔の面積の合算値を算出する。算出した合算値を撮像面積で除し、百分率で表した値を空孔率とする。
続いて、図5(b)に示されるように、絶縁層3を形成するための膜31を形成する。本実施形態では、膜31は、ガラススラリーを素体2の全面に塗布することにより形成される。ガラススラリーは、ガラス粉末、バインダ樹脂、及び溶剤などを含む。ガラススラリーの塗布は、たとえば、バレルスプレー法により行う。絶縁層3は、膜31と、下地電極層7,10を形成するための導電性ペーストとの同時焼付けにより形成される。すなわち、絶縁層3は、下地電極層7,10が焼付けされるときに形成される。
絶縁層3には、図6にも示されるように、複数の貫通孔3aが形成されている。複数の貫通孔3aは、ガラススラリーを焼付けることにより絶縁層3が形成される際に、絶縁層3に形成される。ガラススラリーが焼付けられる際に、ガラスが収縮すると共に、溶融状態となって表面張力が働く。このため、絶縁層3に複数の貫通孔3aが形成される。
図6において、(a)は絶縁層3の表面のSEM写真であり、(b)は積層コイル部品1の断面(素体2及び絶縁層3を含む断面)のSEM写真である。積層コイル部品1の断面のSEM写真は、以下のようにして得ることができる。サンプル(積層コイル部品1)を破断した後、断面を研磨し、さらに化学エッチングを行う。エッチングしたサンプルについて、素体2及び絶縁層3(表面領域)のSEM写真を撮影する。
図6(b)に示されるように、絶縁層3は、素体2の表面上に位置している。すなわち、絶縁層3を構成しているガラスは、素体2の表面領域内における金属磁性粒子間に存在していない。
続いて、図7(a)に示されるように、下地電極層7,10を形成する。具体的には、下地電極層7,10は、導電性金属粉末としてAg粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを膜31上に塗布し、塗布した導電性ペーストを焼付けることにより形成される。ガラスフリットの軟化点は、膜31を形成するガラス粉末の軟化点よりも低いことが好ましい。導電性ペーストを焼成すると、カーケンドール効果により、接続導体17,18と下地電極層7,10とが電気的に接続される。
詳細には、図8に示されるように、下地電極層7,10を形成するための導電性ペーストを焼付ける際に、膜31のガラススラリーに含まれるガラス粒子が溶解して流動する。また、Agの拡散速度はPdの拡散速度よりも大きいので、カーケンドール効果により、Pdを含む導体パターン(接続導体17,18を形成するための導体パターン)に、下地電極層7,10を形成するための導電性ペーストに含まれるAg粒子(Agイオン)が引き寄せられる。これにより、接続導体17,18が下地電極層7,10側に延伸され、接続導体17,18と下地電極層7,10とが接触する。この結果、接続導体17,18と下地電極層7,10とを電気的に接続し、且つ、絶縁層3を貫通する突出部20,21が形成される。
続いて、図7(b)に示されるように、第一めっき層8,11及び第二めっき層9,12を形成する。第一めっき層8,11は、Niめっき層である。第一めっき層8,11は、たとえば、バレルめっき方式により、ワット系浴を用いてNiを析出させて形成する。第二めっき層9,12は、Snめっき層である。第二めっき層9,12は、バレルめっき方式により、中性錫めっき浴を用いてSnを析出させて形成する。以上により、積層コイル部品1が得られる。
以上のように、本実施形態では、素体2の表面が絶縁層3で覆われている。したがって、金属磁性粒子の素体2からの脱落が防止される。
絶縁層3を構成しているガラスが、素体2の表面領域内における金属磁性粒子M間に存在している場合、ガラスから素体2に応力が作用し、素体2の磁気特性が低下するおそれがある。これに対し、積層コイル部品1では、ガラスは、素体2の表面領域内における金属磁性粒子M間に存在していないので、ガラスからの応力が素体2に作用し難い。この結果、積層コイル部品1では、素体2の磁気特性の低下が抑制される。
素体2の表面領域における金属磁性粒子の平均粒子径は、3〜15μmである。これにより、素体2に生じる残留応力が低く抑えられている。
素体2の表面の空孔率は、10〜30%である。これにより、素体2の強度が確保される。素体2の表面の空孔率が30%よりも多い場合、素体2の強度が低下し、衝撃を受けた場合など、外力によって素体2が損傷するおそれがある。素体2の表面の空孔率が10%未満である場合、素体2に生じる残留応力が大きくなるおそれがある。素体2に生じる残留応力が大きい積層コイル部品は、素体2に生じる残留応力が小さい積層コイル部品に比して、磁気特性が低下しているおそれがある。
絶縁層3がガラスからなる層である場合、絶縁層3と下地電極層7,10とを同じ焼付け過程で形成することが可能である。この場合、積層コイル部品1の製造過程が簡素化される。また、絶縁層3を構成する絶縁材料がガラスである場合、薄く、かつ、均一な絶縁層3を形成することができる。
絶縁層3には、複数の貫通孔3aが形成されている。絶縁層3に存在する複数の貫通孔3aにより、絶縁層3自体に作用する応力が吸収される。この結果、絶縁層3が損傷するのを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、絶縁層3は、ガラスからなる層に限られない。絶縁層3は、ガラス以外の絶縁材料、たとえば、エポキシ樹脂などの樹脂材料からなる層であってもよい。絶縁層3が、ガラス以外の絶縁材料からなる層である場合でも、絶縁層3を構成している絶縁材料は、素体2の表面領域内における金属磁性粒子M間に存在していない。
上記実施形態では、外部電極4,5が電極部分4a,4b、電極部分4c,5c,4d,5d、及び、電極部分4d,5d,4e,5eを有する形態を一例に説明した。しかし、外部電極の形状はこれに限定されない。たとえば、外部電極4,5は、素体2の端面2a,2b側のみに形成されていてもよいし、端面2a,2bと主面2c,2d及び側面2e,2fのうちの少なくとも一面とに形成されていてもよい。
1…積層コイル部品、2…素体、3…絶縁層、3a…貫通孔、4,5…外部電極、6…金属磁性体層、15…コイル、16a〜16f…コイル導体、M…金属磁性粒子。

Claims (5)

  1. 金属磁性粒子を含む複数の金属磁性体層が積層されてなる素体と、
    前記素体内に配置されているコイルと、を備え、
    前記素体の表面は、絶縁材料からなる層で覆われており、前記絶縁材料は、前記素体の表面領域内における前記金属磁性粒子間に存在していない、積層コイル部品。
  2. 前記素体の前記表面領域における前記金属磁性粒子の平均粒子径が、3〜15μmである、請求項1に記載の積層コイル部品。
  3. 前記素体の前記表面の空孔率が、10〜30%である、請求項1又は2に記載の積層コイル部品。
  4. 前記絶縁材料が、ガラスである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層コイル部品。
  5. 前記絶縁材料からなる前記層には、貫通孔が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層コイル部品。
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