本発明の一実施形態に係る光源ユニット及び照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態の照明器具は、天井に取り付けられる照明器具を例示するが、実施形態の照明器具は、壁などの天井以外の場所に取り付けられる照明器具であってもかまわない。以下の説明では、特に断りのない限り、図1に示す向きにおいて、光源ユニット及び照明器具の上下、左右、前後の各方向を規定する。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明器具1は、図1及び図2に示すように光源ユニット2と、器具本体10とで構成される。器具本体10は、吊りボルト200に固定され、天井100に直付けされる。光源ユニット2は、器具本体10に対して着脱可能に取り付けられる。
器具本体10は、板金に曲げ加工を施すことで長尺かつ上面(天井100との対向面)が開口する扁平な箱状に形成される。器具本体10は、天井100と反対側(下側)には光源ユニット2を収容するための矩形の凹部11が器具本体10の長手方向(左右方向)の全長に亘って設けられている。器具本体10の短手方向(前後方向)における凹部11の両側には、それぞれ傾斜部12が設けられている。傾斜部12は、凹部11の開口端縁から器具本体10の短手方向(前後方向)に延出し、かつ、外側に向かって上方へ傾斜する。
凹部11の底板111には、電源線30を通すための孔111Aが長手方向(左右方向)におけるほぼ中央に設けられている。さらに、この底板111には、長手方向(左右方向)における両端寄りの位置に吊りボルト200を通すための孔111Bがそれぞれ設けられている。そして、底板111の下面には端子台25が取り付けられる。端子台25は、電源線30と電気的に接続される。端子台25から接地線を含む3本の電線250が引き出されている。さらに、これら3本の電線250の先端にプラグコネクタ251が電気的に接続されている。
光源ユニット2は、図2及び図5に示すように、光源部A1、取付部材21、カバー23、電源装置4、接続部材5などを備える。光源部A1は、複数(例えば、2つ)のLEDモジュール22を備えることが好ましい。
複数のLEDモジュール22は、長手方向(左右方向)に並んで配置されている。各LEDモジュール22は、長手方向(左右方向)に長い矩形板状に形成された基板221を有する。基板221は、その表面(下面)に複数のLED(発光ダイオード)220が長手方向(左右方向)に沿い、かつ、1列に並べて実装(配置)されている。複数のLEDモジュール22のいずれか1つに、接続部材5と電気的に接続される2つの入力端子部222が設けられている(図5参照)。
各LEDモジュール22において隣接するLEDモジュール22と対向する端部には、電源供給用の一対のコネクタ224がそれぞれ実装されている(図2参照)。そして、互いに隣接する両LEDモジュール22の一対のコネクタ224同士が電気的に接続されることで、一方のLEDモジュール22から他方のLEDモジュール22に点灯電力が中継される。
取付部材21は、板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成され、長尺かつ矩形板状に形成された底板211と、底板211の短手方向(前後方向)における両端から上向きに延出される一対の側板212とで構成される。一対の側板212の先端(上端)には、図2に示すように、互いに離れる向き(外向き)に傾斜する一対の傾斜部212Aがそれぞれ全長に亘って設けられている。上述したLEDモジュール22は、取付部材21の底板211の一部を切り起こすことで形成された複数の引掛部216により取付部材21に固定される(図5参照)。これら複数の引掛部216はそれぞれ、底板211の下面から下向きに突出する胴部2160と、胴部2160の左側端面から底板211の下面と平行に突出する腕部2161とを有している(図5参照)。また、複数の引掛部216はそれぞれ、底板211の短手方向(前後方向)の両側において、底板211の長手方向(左右方向)に沿って間隔を空けて並ぶように配置されている。基板221は、複数の引掛部216のうちで一対一に対応する引掛部216がそれぞれ挿入される複数の溝部2211を有している(図5参照)。複数の溝部2211はそれぞれ、基板221の長手方向(左右方向)に沿った長さを、引掛部216(の胴部2160)の長手方向に沿った長さよりも大きくし、かつ、互いに長手方向に沿って間隔を空けて並ぶように形成されている。つまり、基板221は、複数の溝部2211のうちの対応する溝部2211に挿通された引掛部216の腕部2161と底板211との間に基板221が挿入されて取付部材21に固定される(図9参照)。
取付部材21は、長手方向(左右方向)における両端寄りの位置において短手方向(前後方向)の一端側に延びる一対の引掛金具214と、幅方向の他端側に配置される一対の引掛ばね215とを有している(図1参照)。
カバー23は、光拡散性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂)により上面(取付部材21側の面)が開口する長尺の箱形に形成されている。カバー23は、前後方向(幅方向)において両端側から中央側に行くほど下側への突出量が大きくなるような凸レンズ形状の曲面部231を有している(図2参照)。
カバー23の前後方向における両端部には、図2に示すように、光源ユニット2を器具本体10に取り付けた状態で、上下方向において器具本体10の凹部11の開口端縁と重なる延出部232がそれぞれ設けられている。カバー23の短手方向(前後方向)において延出部232の内側には、上側(取付部材21側)に突出する突壁部233がそれぞれ全長に亘って設けられている。各突壁部233の先端には内向きに突出する突起部233Aがそれぞれ設けられている。各突壁部233の根元近くには、それぞれ内向きに突出する支持片233Bが突出している。
電源装置4は、プリント配線板40に電子部品が実装されて構成される電源回路49と、電源回路49を収納するケース42とを有する。電源回路49の回路図を図3に示す。電源回路49は、電源入力部400、フィルタ回路401、整流部402、昇圧回路403、降圧回路404、出力端子部405、主制御回路406、制御電源回路407、調光制御回路408、消灯制御回路409、信号入力部410などを備える。
電源入力部400は、レセプタクルコネクタからなり、端子台25から引き出された電線250と電気的に接続されているプラグコネクタ251(図1参照)が差込接続される。フィルタ回路401は、コモンモードチョークコイル4010と、アクロス・ザ・ラインコンデンサ4011とで構成される。整流部402は、ダイオードブリッジで構成される。整流部402は、フィルタ回路401及び電源入力部400を介して交流電源3から入力される交流電圧(交流電流)を全波整流し、脈流電圧(脈流電流)を直流出力端子から出力する。
昇圧回路403は、チョークコイルL1、スイッチング素子Q1、整流素子D1、平滑コンデンサC1などで構成される、従来周知の昇圧チョッパ回路(力率改善回路)である。昇圧回路403は、整流部402から出力される脈流電圧を、当該脈流電圧のピーク値よりも高い直流電圧(例えば、400[V]の直流電圧)に変換する。
降圧回路404は、スイッチング素子Q2、インダクタL2、整流素子D2、抵抗R1、平滑コンデンサC2などで構成される、従来周知の降圧チョッパ回路(バックコンバータ)である。降圧回路404は、昇圧回路403から出力される直流電圧(第1直流電圧)を、負荷であるLEDモジュール22に適した直流電圧(第2直流電圧)に降圧する。出力端子部405は、プリント配線板40(の上面)に形成されている2つのランドからなり、降圧回路404の出力端子(平滑コンデンサC2の両端)とそれぞれ電気的に接続される。
主制御回路406は、昇圧回路403のスイッチング素子Q1並びに降圧回路404のスイッチング素子Q2をそれぞれスイッチングし、昇圧回路403の出力電圧を一定に維持するとともに、降圧回路404の出力電流を目標値に一致させるように構成される。制御電源回路407は、昇圧回路403の出力電圧から制御電圧(例えば、15[V]〜3[V]程度の直流電圧)を生成するように構成される。主制御回路406は、制御電源回路407から供給される制御電圧で動作する。
信号入力部410は、レセプタクルコネクタからなり、信号線を介して伝送されてくる制御信号が信号入力部410を介して調光制御回路408と消灯制御回路409に入力される。
消灯制御回路409は、制御信号に応じて、点灯中のLEDモジュール22を消灯させるための消灯信号を生成して主制御回路406に出力するように構成される。主制御回路406は、消灯信号を受け取ると、スイッチング素子Q2のスイッチングを中止して降圧回路404を停止させ、LEDモジュール22を消灯するように構成される。
調光制御回路408は、制御信号に応じて、調光信号を生成して主制御回路406に出力するように構成される。調光信号は、LEDモジュール22の光出力(調光レベル)を指示するための信号である。調光レベルは、定格電力が供給されているときのLEDモジュール22の光出力を100[%]としたとき、LEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力の定格電力に対する比率[%]で表される。例えば、LEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力が定格電力の半分のとき、調光レベルが50[%]となる。言い換えると、調光制御回路408は、制御信号で指示される調光レベルが50[%]であれば、降圧回路404からLEDモジュール22に供給される単位時間当たりの平均電力を定格電力の半分にするように指示する調光信号を生成する。主制御回路406は、調光制御回路408から受け取る調光信号に応じて、スイッチング素子Q2のデューティ比を調整するように構成されることが好ましい。さらに詳しく説明すると、調光制御回路408は、抵抗R1の両端電圧から降圧回路404の出力電流を検出し、当該出力電流の平均値を調光レベルに対応した目標値に一致させるように、調光信号を生成するように構成されることが好ましい。
プリント配線板40は、図4に示すように、長尺の矩形平板状の絶縁基板の裏面に配線用の導体(銅はく)がプリントされて構成される。プリント配線板40の表面(下面)に、コネクタや平滑コンデンサ、コモンモードチョークコイル4010などの、いわゆるリード部品が実装される。そして、プリント配線板40の裏面(上面)に、整流部402、主制御回路406、調光制御回路408、消灯制御回路409などの表面実装部品が実装される。ここで、電源入力部400は、プリント配線板40の長手方向(左右方向)の端部の表面に実装される。一方、信号入力部410は、プリント配線板40の長手方向(左右方向)の他端部の表面に実装される。
ケース42は、図2及び図4に示すように、底板420と、底板420の短手方向に沿った端縁から立ち上がる一対の第1側板421A、421Bと、底板420の長手方向に沿った端縁から立ち上がる一対の第2側板422A、422Bとを有する。すなわち、ケース42は、底板420に対向する面(下面)が開放された長尺の箱形に形成されている。ケース42は、一対の第2側板422A、422Bの片方である第2側板422Aの先端から外向きに突出する固定板423を備えている。固定板423は、図2に示すように角樋状に形成されている。
プリント配線板40は、裏面を底板420に対向させる向きでケース42内に収納され、一対の第2側板422A、422Bから切り起こされる4つの爪4220でケース42に固定される(図4参照)。電源入力部400の差込口は、第1側板421Bに設けられた矩形の窓孔を通してケース42の外に突出する。
電源装置4は、図2に示すように、ケース42の底板420が上になるように、光源ユニット2の取付部材21の上面(第2面)に取り付けられる。具体的には、第2側板422B及び固定板423がそれぞれ取付部材21の一対の側板212にねじ止めされることによって、ケース42が取付部材21に固定される。取付部材21に取り付けられた状態において、ケース42の開口が取付部材21の底板211で塞がれる。
接続部材5は、図5に示すように、2つの導電体50と、2つの第1端子部材51と、2つの第2端子部材52とを備えている。2つの導電体50はそれぞれ、銅又は銅合金などの金属によって細い棒状(例えば、円柱状)に形成されることが好ましい。これら2つの導電体50の長さは、それぞれ数10[mm]程度が好ましい。
2つの第1端子部材51は、互いに同一の形状及び同一の寸法に形成されている。したがって、以下では、1つの第1端子部材51について説明する。第1端子部材51は、図6A〜図6Dに示すように、矩形板状の金属板からなる板材510を有している。板材510は、長手方向X1に沿った両端が、厚み方向X3に沿って同じ向きに曲げ起こされることで角樋状に形成されることが好ましい。第1端子部材51は、図6Aに示すように、板材510の中央(長手方向X1及び短手方向X2の中央)を貫通する挿通孔511を有している。第1端子部材51は、複数(例えば、3つ)の支持片512と、複数(例えば、3つ)の案内片513とを有することが好ましい。3つの支持片512はそれぞれ、板材510が5角形状に切り起こされて板材510と一体に形成されている。これら3つの支持片512の先端部分5120はそれぞれ、挿通孔511に臨んでいる。さらに、3つの支持片512は、挿通孔511を囲むように等間隔に並んでいる(図6A参照)。3つの案内片513はそれぞれ、板材510が台形状に切り起こされて板材510と一体に形成されている。これら3つの案内片513の先端はそれぞれ、挿通孔511に臨んでいる。さらに、3つの案内片513は、挿通孔511を囲むように、3つの支持片512の間に1つずつ配置されている(図6A参照)。なお、これら3つの支持片512及び3つの案内片513はそれぞれ、挿通孔511に近付くに連れて、板材510の厚み方向X3に沿って板材510から遠ざかる向きに傾斜するように構成されている(図6B及び図6D参照)。
これら2つの第1端子部材51はそれぞれ、基板221に設けられている2つの入力端子部222のそれぞれと一対一に対応して電気的に接続されている。2つの入力端子部222はそれぞれ、基板221の表面(下面)において、基板221を厚み方向(上下方向)に貫通する貫通孔2210の周囲に形成されているランドで構成されている(図5参照)。2つの入力端子部222はそれぞれ、基板221の表面(下面)に形成されている導体を介して複数のLED220と電気的に接続されている。そして、2つの第1端子部材51はそれぞれ、板材510が2つの入力端子部222のそれぞれと半田接合されることが好ましい。2つの第1端子部材51はそれぞれ、3つの支持片512及び3つの案内片513を、2つの入力端子部222のそれぞれの貫通孔2210に挿通した状態で2つの入力端子部222のそれぞれと電気的に接続される(図8参照)。
2つの第2端子部材52は、互いに同一の形状及び同一の寸法に形成されている。したがって、以下では、1つの第2端子部材52について説明する。ただし、以下の説明では、図7において、第2端子部材52の上下、左右、前後の各方向を規定する。
第2端子部材52は、図7に示すように、第1ばね片520A、第2ばね片520B、第1主片521A、第2主片521B、接続片522、撓み片523、端子片524及び3つの引掛爪525を有している。第1主片521A及び第2主片521Bはそれぞれ、矩形板状に形成されている。接続片522は、矩形板状に形成されている。接続片522は、前後方向の両端で第1主片521A及び第2主片521Bとそれぞれ連結されている。つまり、第1主片521Aと第2主片521Bは、前後方向に向き合うようにして、接続片522を介して機械的に接続されている。第1ばね片520Aは、矩形板状に形成され、第1主片521Aの下端から下向きに突出している。なお、第1ばね片520Aは、左右方向から見てU字状に湾曲している。第2ばね片520Bは、矩形板状に形成され、第2主片521Bの下端から下向きに突出している。なお、第2ばね片520Bは、左右方向から見てU字状に湾曲している。つまり、第1ばね片520Aと第2ばね片520Bは、先端に向かって互いの距離を狭くするように形成されている。撓み片523は、幅の狭い矩形板状に形成されている。撓み片523は、第2主片521Bの上端から前後方向に沿って第1主片521Aに近付く向きに突出している。端子片524は、細長い矩形板状に形成されている。端子片524は、撓み片523の先端から上向きに突出している。3つの引掛爪525はそれぞれ、第1主片521A、第2主片521B及び接続片522の中央に設けられている。3つの引掛爪525はそれぞれ、上端を外側に向けるようにして切り起こされている。第1ばね片520A、第2ばね片520B、第1主片521A、第2主片521B、接続片522、撓み片523、端子片524及び3つの引掛爪525は、銅又は銅合金などの金属板が加工されることで一体に形成されることが好ましい。
これら2つの第2端子部材52はそれぞれ、電源装置4のプリント配線板40に設けられている2つの出力端子部405のそれぞれと一対一に対応して電気的に接続されている。2つの出力端子部405はそれぞれ、プリント配線板40の裏面(上面)において、プリント配線板40を厚み方向(上下方向)に貫通する2つのスルーホール43の周囲にそれぞれ形成されているランドで構成されている(図8参照)。2つの第2端子部材52はそれぞれ、2つの出力端子部405のうちで一対一に対応する出力端子部405のスルーホール43に端子片524がそれぞれ挿通される。そして、2つの第2端子部材52の端子片524はそれぞれ、プリント配線板40の裏面において出力端子部405に半田接合される。このようにして、2つの第2端子部材52はそれぞれ、電源装置4のプリント配線板40に設けられている2つの出力端子部405のそれぞれと一対一に対応して電気的に接続される。
ここで、2つの第2端子部材52はそれぞれ、電気絶縁性を有するホルダ53に保持されることが好ましい。ホルダ53は、図7に示すように、直方体状の合成樹脂成形体で構成されている。ホルダ53は、2つの第2端子部材52を電気的に絶縁し、かつ、機械的に保持する。ホルダ53は、2つの収容部530を有している(図7参照)。2つの収容部530はそれぞれ、2つの第2端子部材52のうちの一対一に対応する第2端子部材52を収容している(図8参照)。なお、2つの収容部530のそれぞれの上面が開口している。そして、2つの第2端子部材52の端子片524が、ホルダ53の上面の開口から突出している(図8参照)。ホルダ53は、2つの差込口531を有している(図5及び図8参照)。2つの差込口531はそれぞれ、ホルダ53の下面に開口している。2つの差込口531はそれぞれ、2つの収容部530のうちの対応する収容部530と繋がっている(図8参照)。2つの差込口531の内側面は、収容部530に向かって傾斜する傾斜面であることが好ましい。2つの第2端子部材52はそれぞれ、3つの引掛爪525のそれぞれの先端を収容部530の内壁面に引っ掛けることで収容部530に対して抜け止めされている(図8参照)。ただし、対応する収容部530に収容されている第2端子部材52は、第1ばね片520A及び第2ばね片520Bの一部分(下端部分)が、対応する差込口531内に進出している(図8参照)。
ところで、ホルダ53は、図7に示すように、一対の固定部532を有することが好ましい。一対の固定部532は、柱状に形成され、ホルダ53の上面における左右両端から上向きに突出している。一対の固定部532は、プリント配線板40に設けられている2つの固定孔44のそれぞれに1つずつ圧入されている。つまり、ホルダ53は、一対の固定部532がプリント配線板40の2つの固定孔44に圧入されることでプリント配線板40に固定されている(図8参照)。
次に、光源ユニット2の組立手順を説明する。ただし、2つの第1端子部材51はそれぞれ、基板221の2つの入力端子部222のうちの対応する入力端子部222と半田接合(電気的に接続)されている。同じく、2つの第2端子部材52はそれぞれ、プリント配線板40の2つの出力端子部405のうちの対応する出力端子部405と半田接合(電気的に接続)されている。さらに、2つの第2端子部材52をそれぞれ保持したホルダ53が、プリント配線板40に機械的に固定されている。
まず、組立作業を行う作業者は、ケース42の開口面(下面)を取付部材21の底板211で塞ぐように、電源装置4を取付部材21の第2面(上面)に取り付ける。このとき、作業者は、底板211に設けられている孔213にホルダ53の先端(下端)を挿入する(図5及び図8参照)。つまり、孔213は、底板211の第2面(上面)側において、電源装置4のケース42に囲われて塞がれている(図2及び図8参照)。したがって、本実施形態の光源ユニット2は、底板211の第2面側から虫や塵埃などの異物が孔213を通過して底板211の第1面側に進入することを抑制することができる。
続いて、作業者は、LEDモジュール22を取付部材21の底板211の第1面(下面)に固定する。このとき、LEDモジュール22の基板221に取り付けられている2つの第1端子部材51はそれぞれ、基板221の厚み方向(上下方向)から見て、ホルダ53の2つの差込口531のうちの対応する差込口531と重なるように配置される(図8参照)。つまり、孔213は、底板211の第1面(下面)側において、LEDモジュール22の基板221に塞がれている(図8参照)。したがって、本実施形態の光源ユニット2は、孔213を塞ぐための部材(例えば、片面に接着剤が塗布されたテープなど)が不要となり、部品点数及び製造工程の削減によるコストダウンを図ることができる。
そして、作業者は、2つの導電体50のそれぞれを、2つの第1端子部材51のうちの対応する第1端子部材51の挿通孔511に挿入する。このとき、挿通孔511を囲むように配置されている3つの支持片512と3つの案内片513の下面(傾斜面)により、導電体50の上端部(第2端部501)が挿通孔511に案内される。そのため、作業者は、導電体50を容易に挿通孔511に挿入することができる。ただし、3つの支持片512はそれぞれ、導電体50に先端部分5120が接触することによって、導電体50が挿入される向き(上向き)に撓む(弾性変形する)。
作業者は、導電体50の下端が板材510の下面とほぼ面一になる位置まで、導電体50を挿通孔511に挿入する。このとき、2つの導電体50の上端部(第2端部501)は、ホルダ53の差込口531を通過し、一対一に対応する第2端子部材52の第1ばね片520Aと第2ばね片520Bの間に差し込まれる。つまり、2つの導電体50はそれぞれ、第2端部501が第1ばね片520Aと第2ばね片520Bに前後方向から挟まれることにより、一対一に対応する第2端子部材52と電気的に接続される(図8参照)。2つの導電体50はそれぞれ、第1端部500が3つの支持片512に挟まれることにより、一対一に対応する第1端子部材51と電気的に接続される(図8参照)。その結果、LEDモジュール22の2つの入力端子部222のそれぞれと、電源装置4(電源回路49)の2つの出力端子部405のうちの対応する出力端子部405とが接続部材5によって電気的に接続される(図8参照)。
そして最後に、作業者は、取付部材21の開口側を上向きにした状態でカバー23を取付部材21に組み付ける。このとき、カバー23の一対の突壁部233に設けられた一対の突起部233Aが、取付部材21の一対の側板212の一対の傾斜部212Aに引っ掛かり、カバー23が取付部材21に取り付けられる。以上のような手順で光源ユニット2が組み立てられる。
ここで、特許文献1記載の光源ユニットは、電源装置とLEDモジュールのコネクタとを電気的に接続する電線が取付部材の挿通孔に挿通されていた。そのため、特許文献1記載の光源ユニットは、光源ユニットの組立工程(製造工程)の簡略化が困難であった。
これに対して本実施形態の光源ユニット2は、上述のように、2つの導電体50がそれぞれ、対応する第1端子部材51の挿通孔511に挿通されるだけで、電源装置4とLEDモジュール22との電気的な接続作業が完了するように構成されている。そのため、本実施形態の光源ユニット2は、特許文献1記載の光源ユニットのような従来例と比較して、(光源ユニット2の)製造工程の簡略化を図ることができる。
また、本実施形態の光源ユニット2において、2つの第1端子部材51のそれぞれは、板材510に設けられた3つの支持片512を有している。これら3つの支持片512のそれぞれは、挿通孔511を囲むように板材510と一体に形成されている。また、3つの支持片512はそれぞれ、挿通孔511に挿通された導電体50(の第1端部500)に押されて弾性変形する。さらに、3つの支持片512はそれぞれ、導電体50の第1端部500に押されている先端部分5120で導電体50と導通している。つまり、本実施形態の光源ユニット2は、板材510の挿通孔511に対して導電体50が傾いていたとしても、複数(例えば、3つ)の支持片512の弾性力により、支持片512のそれぞれの先端部分5120を導電体50に接触させることができる。その結果、本実施形態の光源ユニット2は、互いに一対一に対応する2つの第1端子部材51と2つの第2端子部材52との位置ずれの許容範囲を拡げることができる。しかも、2つの第1端子部材51のそれぞれの板材510と、2つの入力端子部222のそれぞれとを接合している半田に加わる応力が、導電体50の傾きの影響を受け難い。したがって、第1端子部材51と導電体50とが半田接合などによって固定される場合と比較して、第1端子部材51(の板材510)と入力端子部222を接合している半田にクラックが生じ難い。
ところで、LEDモジュール22の基板221は、点灯中のLED220から放射される熱、及びLEDモジュール22に電力を供給しているときの電源装置4から放射される熱によって膨張する。そして、基板221を形成している合成樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の線膨張係数は、取付部材21を形成している金属(例えば、亜鉛鋼板又はステンレス板など)の線膨張係数よりも数十倍以上も大きい。基板221に設けられている複数の溝部2211はそれぞれ、基板221の長手方向に沿った長さを引掛部216の胴部2160よりも大きくするように構成されている。つまり、基板221は、基板221の長手方向に沿った溝部2211と引掛部216(の胴部2160)との長さの差分だけ、取付部材21に対して長手方向に沿って移動可能である。ゆえに、取付部材21の熱膨張量よりも基板221の熱膨張量が大きくても、基板221が取付部材21に対して長手方向に移動することで取付部材21(の引掛部216)から基板221に加わる応力を低減することができる。
しかしながら、基板221が取付部材21に対して長手方向に移動すると、基板221に固定されている第1端子部材51と、ケース42を介して取付部材21に間接的に固定されている第2端子部材52の相対的な位置がずれてしまう。接続部材5は、上述したように、互いに一対一に対応する2つの第1端子部材51と2つの第2端子部材52との位置がある程度ずれても、導電体50を介した電気的な接続を維持することができる。ただし、取付部材21に対する基板221の移動量が、接続部材5における第1端子部材51と第2端子部材52の位置ずれの許容範囲を超えてしまうと、導電体50を介した電気的な接続を維持できない可能性がある。例えば、上下方向において第1端子部材51の挿通孔511の中心と、第2端子部材52の第1ばね片520A及び第2ばね片520Bの左右方向の中心とが重なっている位置(図8参照)を基準としたときの位置ずれの許容範囲が±1.6[mm]とする。この場合、取付部材21に対する基板221の移動量が、±1.6[mm]、好ましくは±1.4[mm]以下に抑えられれば、接続部材5によるLEDモジュール22と電源回路49との電気的な接続が維持される。
光源ユニット2の消灯時に、引掛部216の胴部2160が、基板221の溝部2211の長手方向の一方の端(第1端)の側面に当たっている状態において、胴部2160と溝部2211の長手方向の他方の端(第2端)の側面との距離をY1とする(図10参照)。このとき、距離Y1が、位置ずれの許容範囲の絶対値(例えば、1.6[mm]又は1.4[mm])以下となるように、取付部材21の長手方向に沿った胴部2160の長さ、並びに基板221の長手方向に沿った溝部2211の長さが設計されている。ただし、基板221の膨張量は、必ずしも均一ではない。そこで、距離Y1は、基板221の長手方向の中心を通る仮想の中心線α(図9における一点鎖線参照)を基準線として、長手方向に沿った基準線からの距離によって決められることが好ましい。ここで、基準線(中心線α)から溝部2211の第1端までの距離をY11とし、基準線(中心線α)から溝部2211の第1端までの距離をY12とする(図9参照)。距離Y1は、距離Y11と距離Y12との差の絶対値から胴部2160の長手方向に沿った長さを引いた値として決められる。
また、全ての溝部2211の長さが、上述した位置ずれの許容範囲との関係を満たすように形成される必要は無い。少なくとも、基準線(中心線α)と第1端子部材51の間に設けられている溝部2211の長さが、上述した位置ずれの許容範囲との関係を満たすように形成されていればよい。さらに、本実施形態の光源ユニット2では、取付部材21の長手方向において、基準線(中心線α)よりも第1端子部材51側の位置に電源装置4が配置されている。つまり、基板221は、基準線(中心線α)と第1端子部材51の間の部分の温度が相対的に上昇し易いので、当該部分の膨張量が相対的に大きくなる可能性が高い。ここで、電源装置4は、取付部材21の長手方向の中心側(中心線α側)に、電源入力部400が位置する向きで取付部材21に取り付けられている。電源装置4のプリント配線板40において、比較的に発熱量の多い回路部品であるコモンモードチョークコイル4010が電源入力部400の近くに実装されている(図4参照)。つまり、電源装置4は、プリント配線板40の長手方向において、電源入力部400が実装されている側の方が相対的に温度が高くなりやすい。したがって、図9に示すように、基準線(中心線α)と第1端子部材51の間に複数(図示例では2つ)の溝部2211が設けられている場合、基準線(中心線α)に近い方の溝部2211の長さが、上述した位置ずれの許容範囲との関係を満たすように形成されていればよい。
次に、照明器具1の施工手順を説明する。まず、図1に示すように、施工者は、天井裏に先行配線された電源線30と信号線を器具本体10の孔111Aに挿通し、さらに室内側に露出する各吊りボルト200を、対応する孔111Bに通す。その後、施工者は、各吊りボルト200にナット300をねじ込んで器具本体10を天井100に固定する。その後、施工者は、電源線30を端子台25に接続し、さらに端子台25のプラグコネクタ251を電源装置4の電源入力部400(図4参照)に差込接続する。続いて、施工者は、信号線を電源装置4の信号入力部410(図4参照)に電気的に接続する。
そして最後に、施工者は、器具本体10の一方の側板112に設けられた一対の挿通孔112Aにそれぞれ一対の引掛金具214の先端を引っ掛けた後、一対の引掛ばね215を器具本体10の他方の側板112に設けられた引掛部1120に引っ掛ける。そして、施工者が、引掛金具214を支点として光源ユニット2を持ち上げるように回転させると、引掛ばね215が引掛部1120に引っ掛かったままで元の状態に戻ることにより、引掛ばね215のばね力で光源ユニット2が器具本体10に保持される。以上のような手順で照明器具1が天井100に施工される。
上述のように光源ユニット2は、光源部A1と、光源部A1に電力を供給する電源回路49を有する電源装置4と、光源部A1及び電源装置4が取り付けられる取付部材21と、電源回路49と光源部A1を電気的に接続する接続部材5とを備える。光源部A1は、1つ又は複数の固体光源(LED220)と、1つ又は複数のLED220が表面(下面)に配置される基板221と、基板221に設けられ、1つ又は複数のLED220が電気的に接続される複数の入力端子部222とを有している。電源回路49は、プリント配線板40を有している。プリント配線板40は、電源回路49で生成される電力を出力する複数の出力端子部405を有している。取付部材21は、板状に形成され、第1面に光源部A1が取り付けられ、第1面の裏面となる第2面に電源装置4が取り付けられている。さらに、取付部材21は、第1面から第2面に貫通する孔213が設けられている。複数の出力端子部405のそれぞれは、取付部材21の厚み方向から見て孔213と重なる位置に配置されている。複数の入力端子部222のそれぞれは、取付部材21の厚み方向から見て孔213と重なる位置に配置されている。接続部材5は、棒状に形成されている複数の導電体50と、複数の第1端子部材51と、複数の第2端子部材52とを有している。複数の第1端子部材51のそれぞれは、導電性を有し、かつ、厚み方向に貫通する挿通孔511が設けられている板材510を有している。板材510は、複数の入力端子部222のうちの1つの入力端子部222と電気的に接続されている。複数の第1端子部材51のそれぞれは、複数の導電体50のうちの対応する導電体50の第1端部500を、複数の入力端子部222のうちの対応する入力端子部222と電気的かつ機械的に接続するように構成されている。複数の第2端子部材52のそれぞれは、孔213を通して、対応する導電体50の第2端部501を、複数の出力端子部405のうちの対応する出力端子部405と電気的かつ機械的に接続するように構成されている。複数の引掛部216はそれぞれ、底板211及び基板221の長手方向である第1方向に沿って間隔を空けて並ぶように配置されている。基板221は、複数の引掛部216のうちの対応する引掛部216が挿入される複数の溝部2211を有している。複数の溝部2211はそれぞれ、第1方向に沿った長さを、引掛部216の第1方向に沿った長さよりも大きくし、かつ、互いに第1方向に沿って間隔を空けて並ぶように形成されている。さらに、複数の溝部2211のうちの少なくとも1つの溝部2211は、1つの溝部2211の第1方向に沿った長さと引掛部216の第1方向に沿った長さとの差(距離Y1)を、次の条件を満たすように構成されている。その条件は、導電体50が第1端子部材51及び第2端子部材52と電気的に接続された状態で第1方向に沿って移動可能な距離よりも小さくすることである。
また、照明器具1は、光源ユニット2と、光源ユニット2を支持する器具本体10とを備えている。
光源ユニット2は上述のように構成されるので、特許文献1記載の光源ユニットのような従来例と比較して、製造工程の簡略化を図ることができる。つまり、光源ユニット2は、複数の導電体50のそれぞれが複数の第1端子部材51のそれぞれの挿通孔511のうちの対応する挿通孔511に挿通されると、複数の第1端子部材51と複数の第2端子部材52が互いに電気的に接続される。しかも、熱膨張によって基板221が長手方向に膨張しても、取付部材21の引掛部216が基板221の溝部2211に当たることで第1端子部材51と第2端子部材52の相対的な位置ずれが規制される。そのため、基板221が熱膨張しても、接続部材5による電源回路49と光源部A1との電気的な接続が維持される。その結果、光源ユニット2は、電源装置4と光源部A1を電線で接続する作業が不要になるので、製造工程の簡略化を図ることができる。また、照明器具1は、光源ユニット2の製造工程の簡略化に伴って、(照明器具1の)製造工程の簡略化を図ることができる。
また、光源ユニット2において、1つの溝部2211は、基板221の第1方向(長手方向)の中央位置(中心線αの位置)と、入力端子部222との間に配置されていることが好ましい。
光源ユニット2が上述のように構成されれば、第1端子部材51と第2端子部材52の相対的な位置ずれを更に規制することができる。
さらに、光源ユニット2において、1つの溝部2211は、前記基板の前記第1方向の中央位置と、入力端子部222との間に配置されている複数の溝部2211のうちで中央位置に最も近い溝部2211であることが好ましい。
光源ユニット2が上述のように構成されれば、第1端子部材51と第2端子部材52の相対的な位置ずれを更に規制することができる。