JP2017207443A - 温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面の酸化による劣化を抑制できる温度センサを提供する。【解決手段】温度センサ1は、被覆部材71を備えており、被覆部材71は、セメント23よりも気孔率が小さくなっている。温度センサ1は、被覆部材71を備えることで、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面に、酸素が到達しがたくなる。よって、温度センサ1によれば、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面の酸化による劣化を抑制できる。【選択図】 図2

Description

本発明は、感温素子を備える温度センサに関する。
従来、温度検出信号が流れる素子芯線を有する感温素子を備える温度センサが知られている(特許文献1,2)。
この温度センサにおいては、感温素子の素子芯線がシース部材のシース芯線と溶接部で溶接される。感温素子および溶接部は、素子収容部の素子収容空間に収容される。素子収容空間のうち感温素子と素子収容部の内壁との間には、素子保持部材が配置される。
このような温度センサは、例えば、内燃機関(例えば、自動車エンジンなど)の排気系などにおいて使用できる。
特開2006−234632号公報
しかし、上記の温度センサにおいては、素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面が、酸化により劣化する虞がある。
つまり、接合界面が酸化により劣化すると、溶接部を介した素子芯線とシース芯線との電気的接続状態が不良となり、温度検出信号を外部に出力できない虞がある。
そこで、本発明は、素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面の酸化による劣化を抑制できる温度センサを提供することを目的とする。
本発明の1つの局面における温度センサは、感温素子と、シース部材と、溶接部と、素子収容部と、素子保持部材と、を備える温度センサであって、被覆部材を備える。
感温素子は、検出温度に応じた検出信号の信号経路となる素子芯線を有する。シース部材は、長手方向に延びるシース芯線を有する。溶接部は、素子芯線とシース芯線とを溶接する部材である。素子収容部は、感温素子および溶接部を収容する素子収容空間を有する。素子保持部材は、素子収容空間のうち感温素子と素子収容部の内壁との間に配置される。
被覆部材は、素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面をそれぞれ覆う。被覆部材は、素子保持部材よりも気孔率が低い材料で形成されている。
この温度センサは、上述のような被覆部材を備えることで、素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面に、酸素が到達しがたくなり、接合界面が酸化により劣化することを抑制できる。
よって、この温度センサによれば、素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面の酸化による劣化を抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、被覆部材の線熱膨張係数は、素子芯線の線熱膨張係数とシース芯線の線熱膨張係数とに挟まれる数値範囲に含まれるものであってもよい。
このような被覆部材は、温度変化に伴う線熱膨張係数の差により、被覆部材と溶接部との間、被覆部材と素子芯線との間、被覆部材とシース芯線との間に、それぞれ生じる応力が大きくなることを抑制できる。これにより、温度変化に伴い生じる応力によって、素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面に、クラックが生じることを抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、被覆部材の線熱膨張係数は、素子芯線の線熱膨張係数との差分値が、シース芯線の線熱膨張係数との差分値よりも小さいものであってもよい。
これにより、温度変化に伴い生じる応力によって、シース芯線と溶接部との接合界面にクラックが生じることを抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、被覆部材は、溶接部の全体を覆う状態で形成されてもよい。
このような被覆部材を備えることで、溶接部の酸化をより抑制できると共に、素子芯線とシース芯線との接続状態を被覆部材によって補助できる。これにより、素子芯線とシース芯線との電気的接続状態を良好な状態に維持できる。
次に、上述の温度センサにおいては、素子芯線およびシース芯線は、それぞれ複数備えられてもよく、被覆部材は、複数の素子芯線および複数のシース芯線ごとに個別に備えられてもよい。
このような構成であれば、高温下での被覆部材の絶縁低下に起因して、異なる素子芯線どうしの電気的短絡や異なるシース芯線どうしの電気的短絡が発生するのを抑制できる。これにより、電気的短絡に起因して検出信号の信号経路が不適切な状態になることを抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、素子芯線およびシース芯線は、それぞれ複数備えられてもよく、1つの被覆部材は、素子芯線と溶接部との接合界面の全て、およびシース芯線と溶接部との接合界面の全てを覆うように形成されてもよい。
このような構成であれば、温度センサの製造時において、被覆部材の形成を一度に実行することができ、被覆部材の形成工程を簡略化できる。
本発明の温度センサによれば、素子芯線と溶接部との接合界面、およびシース芯線と溶接部との接合界面の酸化による劣化を抑制できる。
第1実施形態の温度センサの全体構造を示す一部断面説明図である。 被覆部材を備える温度センサの先端側部分を拡大して示す断面説明図である。 第2被覆部材を備える温度センサの先端側部分を拡大して示す断面説明図である。 第3被覆部材を備える温度センサの先端側部分を拡大して示す断面説明図である。 電極側被覆部材およびシース側被覆部材を備える温度センサの先端側部分を拡大して示す断面説明図である。 第4被覆部材を備える温度センサの先端側部分を拡大して示す断面説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
本実施形態に係る温度センサの構造を説明する。
図1は、温度センサ1の一部を破断して内部構造を示した説明図である。
温度センサ1は、内燃機関の排気管などの流通管に装着されることにより、測定対象流体が流れる流通管内に配置されて、測定対象流体(排気ガス)の温度検出に用いられるものである。排気ガスの温度が0℃前後の低温域から1000℃前後の高温域まで急激に変化するのに伴って、温度センサ1も上記温度範囲内で上昇−冷却する冷熱サイクルを受ける。
なお、ここでは、温度センサ1の長手方向が軸線方向であり、図1の上下方向である。また、温度センサ1の先端側は図1の下側であり、後端側は図1の上側である。
この温度センサ1は、感温素子3と、シース部7と、金属チューブ9(内筒9ともいう)と、取付部材11と、ナット部13と、を備えている。
感温素子3は、測定対象ガスが流れる流通管内に配置される測温素子であり、金属チューブ9の内部に配置されるものである。感温素子3の詳細については後述する。
シース部7は、一対の金属芯線15(以下、シース芯線15ともいう)を外筒17の内側にて絶縁保持するものである。シース部7は、金属製の外筒17と、導電性金属を用いて形成される一対のシース芯線15と、外筒17と2本のシース芯線15との間を電気的に絶縁してシース芯線15を保持する絶縁粉末(図示せず)と、を備えている。
感温素子3は、一対の電極線5を備えている。一対の電極線5は、高価な材料で構成された線材(例えば、Pt線、Pt−Rh合金線、Pt又はPt合金にSrを含有させた線材等)を用いて形成されるが、感温素子3で生成される検出信号を伝達するシース芯線15は、安価な材料(例えば、SUS等)で形成することでコストダウンが図られている。
電極線5とシース芯線15とは、溶接部61を介して接合されている。溶接部61は、被覆部材71で覆われている。温度センサ1は、一対の溶接部61および一対の被覆部材71を備えている。被覆部材71の詳細については、後述する。
金属チューブ9は、軸線方向に延びる筒状の部材の先端側を閉塞して形成した有底筒状の部材であり、耐腐食性金属(例えば、耐熱性金属でもあるSUS310Sなどのステンレス合金)を用いて形成されたものである。
この金属チューブ9は、鋼板の深絞り加工により、チューブ先端(底部)が閉塞した軸線方向に延びる筒状に形成され、筒状のチューブ後端が開放した形状に形成されている。また、金属チューブ9は、チューブ後端側が取付部材11の内面に当接するように、軸線方向寸法が設定されている。
金属チューブ9は、先端部分に形成された小径部25と、小径部25の後端側に形成され、小径部25よりも径が大きい大径部27と、小径部25と大径部27との間に形成された段差部29と、を有する。段差部29は、小径部25から大径部27に向かって徐々に径が大きくなっている。
金属チューブ9の内部には、感温素子3およびセメント23(素子保持部材23)が配置されている。セメント23は、感温素子3の周囲に充填されるものであり、感温素子3を保持してその揺動を防止するものである。このセメント23としては、熱伝導率が高く、高耐熱、高絶縁性の材料を用いて構成される。
セメント23としては、例えば、AlやMgOなどの酸化物、AlNやTiNやSiやBN等の窒化物、および、SiCやTiCやZrC等の炭化物が主体のセメントを用いてもよい。また、セメント23としては、AlやMgOなどの酸化物、AlNやTiNやSiやBN等の窒化物、および、SiCやTiCやZrC等の炭化物が主体で、AlやSiOやMgO等の無機バインダーを混合したセメントを用いてもよい。
取付部材11は、少なくとも金属チューブ9の先端側が外部に露出する状態で金属チューブ9の後端側の外周面を取り囲んで、金属チューブ9を支持する部材である。この取付部材11には、径方向外側に突出する突出部31と、突出部31の後端側に位置すると共に軸線方向に延びる後端側鞘部33と、が設けられている。
突出部31は、先端側に取り付け座35が設けられた環状の部材である。取り付け座35は、先端側に向かって径が小さくなるテ―パ形状の部材であり、排気管(図示せず)のセンサ取り付け位置の形状に対応したものである。排気管のセンサ取り付け位置は、取り付け座35に当接する部位として、温度センサ1の後端側に向かって径が大きくなるテ―パ部を備えて形成されている。
なお、取付部材11は、排気管のセンサ取り付け位置に配置されると、取り付け座35がセンサ取り付け位置のテーパ部に密着し、排気管から外部への排気ガスの漏出を抑制するものである。
後端側鞘部33は、筒状に形成されている。後端側鞘部33は、先端側の外径寸法が大きく、後端側の外形寸法が大きく形成されている。後端側鞘部33は、先端側および後端側ともに内径寸法が一定である。
取付部材11が金属チューブ9の後端部に圧入された後、後端側鞘部33と金属チューブ9とがレーザ溶接により接合されることで、取付部材11および金属チューブ9が互いに固定される。
ナット部13は、六角ナット部39およびネジ部41を有する筒状の部材である。ナット部13は、取付部材11のうち突出部31の後端面にネジ部41の先端面を当接させた状態で、取付部材11の外周にて回動自在に配置される。ナット部13のネジ部41が排気管に設けられたネジ穴と螺合することにより、温度センサ1が排気管のセンサ取り付け位置に取付けられる。
シース芯線15は、先端部が感温素子3に電気的に接続されている。シース芯線15は、後端部が抵抗溶接により加締め端子43に接続されている。つまり、シース芯線15は、自身の後端が加締め端子43を介して外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)の接続用のリード線45に接続されている。
一対のシース芯線15のうち後端部分は、絶縁チューブ47によって互いに絶縁されており、一対の加締め端子43も絶縁チューブ47により互いに絶縁されている。リード線45は、導線を絶縁性の被覆材により被覆したものであり、このリード線45は、耐熱ゴム製の補助リング49の内部を貫通して配置されている。
[1−2.感温素子]
次に、感温素子3の構成について説明する。
図2に示すように、感温素子3は、温度に応じて電気的特性が変化する感温部4と、感温部4に接続された一対の電極線5と、を備えている。
感温部4は、セラミック基体54と、金属抵抗体55と、接合層56と、セラミック被覆層57と、一対の電極パッド58と、を有する。
セラミック基体54は、純度99.5〜99.9%のアルミナを用いて構成されており、セラミックグリーンシートを予め焼成してなる焼成済みシートである。
金属抵抗体55は、白金(Pt)を主体に構成され、温度に応じて電気的特性(電気抵抗値)が変化する測温抵抗体である。金属抵抗体55は、セラミック基体54の表面に、複数回蛇行してなる所定のパターン形状で形成されている。
セラミック被覆層57は、純度99.5〜99.9%のアルミナを用いて構成されており、セラミックグリーンシートを予め焼成してなる焼成済みシートである。セラミック被覆層57は、金属抵抗体55のうち、セラミック基体54と接する面とは反対側の面において、金属抵抗体55の先端側を被覆している。
接合層56は、純度99.5〜99.9%のアルミナを用いて構成されている。接合層56は、接合前はアルミナ粉末を含むペーストであり、焼成済みのセラミック基体54とセラミック被覆層57とを上記ペーストで貼り合わせた後、熱処理されることで、最終的に接合層56となる。
金属抵抗体55のうち後端側(図2の右側)は、セラミック被覆層57によって被覆される導体パターンより幅広に形成された一対の電極パッド58を介して、一対の電極線5が電気的に接続される。一対の電極パッド58と一対の電極線5とは、抵抗溶接、レーザー溶接等の溶接により、溶接点60において接合されている。
一対の電極パッド58と一対の電極線5との接合部分は、被覆部材59によって被覆されている。被覆部材59は、アルミノケイ酸塩ガラスを主体とするガラス材料を用いて構成されている。このガラス材料には、セラミック材料(アルミナ等)を副成分として含有させてもよい。
一対の電極線5は、金属抵抗体55の後端側からシース部7に向かって延びるように配置されている。一対の電極線5の後端は、一対のシース芯線15の先端と突き合わせて配置されている。一対の電極線5の後端と一対のシース芯線15の先端とは、抵抗溶接、レーザー溶接等の溶接により、溶接部61を介して接合されている。なお、電極線5の断面積は、シース芯線15の断面積よりも小さく設定されている。電極線5及びシース芯線15の断面積とは、軸方向に直交する断面の面積である。
そして、本実施形態において、電極線5は、白金線を用いて構成されている。
一方、電極線5に接続されるシース芯線15は、電極線5とは異なる材料により構成されている。具体的には、シース芯線15は、Fe、Ni、Co及びCrのうち、いずれか1種を主成分とする合金により構成されている。本実施形態では、Fe合金としては、SUS310Sを用いた。なお、シース芯線15は、Fe合金に限定されず、Ni合金を用いても良く、Ni合金としては、NCF600、NCF601等を用いることができる。
[1−3.被覆部材]
次に、被覆部材71について説明する。
被覆部材71は、図2に示すように、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面をそれぞれ覆うように形成されている。とりわけ、本実施形態では、被覆部材71は、溶接部61の全体を覆う状態で形成される。
また、電極線5、シース芯線15、溶接部61は、それぞれ一対ずつ備えられており、被覆部材71についても一対備えられている。つまり、一対の被覆部材71は、一対の電極線5、シース芯線15、溶接部61をそれぞれ個別に覆うように備えられている。
一対の被覆部材71は、[表1]に示す各成分(元素)を含んだ材料で構成されている。また、各成分の含有割合は、[表1]に示すとおりであり、単位は、atm%である。
Figure 2017207443
被覆部材71が備えられることで、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面は、それぞれ、セメント23と直接接触することがない。
また、被覆部材71には開気孔(外部に通じている孔)が存在せず、セメント23には開気孔が存在している。つまり、被覆部材71は、セメント23(素子保持部材)よりも通気性が小さくなっている。なお、本実施形態では、被覆部材71には開気孔は存在していないが、セメント23よりも通気性が小さくなる形態であれば、被覆部材71に開気孔が僅かに存在する場合も本発明は許容するものである。
次に、被覆部材71の線熱膨張係数は、11.2×10−6/℃であり、電極線5(Pt線)の線熱膨張係数は、9.5×10−6/℃であり、シース芯線15(SUS310S製)の線熱膨張係数は、16.9×10−6/℃である。つまり、被覆部材71の線熱膨張係数は、電極線5の線熱膨張係数とシース芯線15の線熱膨張係数とに挟まれる数値範囲に含まれている。なお、本明細書において、線熱膨張係数の数値は20〜300℃での線膨張係数である。
また、本実施形態では、被覆部材71の線熱膨張係数は、電極線5の線熱膨張係数との差分値が、シース芯線15の線熱膨張係数との差分値よりも小さい。
[1−4.効果]
以上説明したように、本実施形態の温度センサ1は、被覆部材71を備えており、被覆部材71は、セメント23よりも通気性が小さくなっている。温度センサ1は、被覆部材71を備えることで、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面に、酸素が到達しがたくなる。
よって、温度センサ1によれば、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面の酸化による劣化を抑制できる。
次に、被覆部材71の線熱膨張係数は、電極線5の線熱膨張係数とシース芯線15の線熱膨張係数とに挟まれる数値範囲に含まれる。
このような被覆部材71は、温度変化に伴う線熱膨張係数の差により、被覆部材71と溶接部61との間、被覆部材71と電極線5との間、被覆部材71とシース芯線15との間に、それぞれ生じる応力が大きくなることを抑制できる。これにより、温度変化に伴い生じる応力によって、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面に、クラックが生じることを抑制できる。
次に、被覆部材71の線熱膨張係数は、電極線5の線熱膨張係数との差分値が、シース芯線15の線熱膨張係数との差分値よりも小さい。
このような被覆部材71は、温度変化に伴い被覆部材71とシース芯線15との間に生じる応力を、温度変化に伴い被覆部材71と電極線5との間に生じる応力よりも小さく(大きく)することができる。これにより、温度変化に伴い生じる応力によって、シース芯線15と溶接部61との接合界面にクラックが生じることをより抑制できる。
次に、1つの被覆部材71は、1つの溶接部61の全体を覆う状態で形成されている。
このような被覆部材71を備えることで、溶接部61の酸化を抑制できると共に、電極線5とシース芯線15との接続状態を被覆部材71によって補助できる。これにより、温度センサ1は、被覆部材71を備えることで、電極線5とシース芯線15との電気的接続状態を良好な状態に維持できる。
次に、温度センサ1においては、電極線5およびシース芯線15がそれぞれ複数備えられており、被覆部材71は、複数の電極線5および複数のシース芯線15ごとに個別に備えられている。つまり、一対の被覆部材71は、一対の電極線5、シース芯線15、溶接部61をそれぞれ個別に覆うように備えられている。
このような構成であれば、高温下での被覆部材の絶縁低下に起因して、異なる電極線5どうしの電気的短絡や異なるシース芯線15どうしの電気的短絡が発生するのを抑制できる。これにより、温度センサ1は、電気的短絡に起因して検出信号の信号経路が不適切な状態になることを抑制できる。
[1−5.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
温度センサ1が温度センサの一例に相当し、感温素子3が感温素子の一例に相当し、電極線5が素子芯線の一例に相当し、シース部7がシース部材の一例に相当し、金属芯線15(シース芯線15)がシース芯線の一例に相当し、溶接部61が溶接部の一例に相当し、金属チューブ9が素子収容部の一例に相当し、セメント23が素子保持部材の一例に相当し、被覆部材71が被覆部材の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
[2−1.全体構成]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成要素についての説明は省略し、異なる部分を中心に説明する。
図3に示すように、第2実施形態の温度センサは、第1実施形態の温度センサ1における電極線5とシース芯線15との溶接部分の構成を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成及び作用効果については説明を省略する。
第2実施形態においては、一対の電極線5の後端部は、シース部7(図1参照)の先端から引き出された一対のシース芯線15の先端部と重ね合されている。一対の電極線5と一対のシース芯線15とは、抵抗溶接、レーザー溶接等の溶接により、第2溶接部62において接合されている。なお、電極線5の断面積は、シース芯線15の断面積よりも小さく設定されている。また、第2実施形態では、一対のシース芯線15として、Ni合金であるNCF600を用いた。
第2実施形態の温度センサ1においては、電極線5とシース芯線15との重ね合わせ部分の一部、および第2溶接部62は、第2被覆部材73で覆われている。つまり、第2実施形態の温度センサ1は、一対の第2溶接部62および一対の第2被覆部材73を備えている。
第2被覆部材73は、図3に示すように、電極線5と第2溶接部62との接合界面、およびシース芯線15と第2溶接部62との接合界面をそれぞれ覆うように形成されている。とりわけ、第2実施形態では、第2被覆部材73は、第2溶接部62の全体を覆う状態で形成される。
また、電極線5、シース芯線15、第2溶接部62は、それぞれ一対ずつ備えられており、第2被覆部材73についても一対備えられている。つまり、一対の第2被覆部材73は、一対の電極線5、シース芯線15、第2溶接部62をそれぞれ個別に覆うように備えられている。
一対の第2被覆部材73は、上記の[表1]に示す各成分(元素)を含んだ材料で構成されている。
第2被覆部材73が備えられることで、電極線5と第2溶接部62との接合界面、およびシース芯線15と第2溶接部62との接合界面は、それぞれ、セメント23と直接接触することがない。
また、第2被覆部材73は、セメント23よりも通気性が小さくなっている。つまり、セメント23には、開気孔が多く存在するが、セメント23には開気孔が実質的に存在していない。
次に、第2被覆部材73の線熱膨張係数は、11.2×10−6/℃であり、電極線5(Pt線)の線熱膨張係数は、9.5×10−6/℃であり、シース芯線15(NCF600製)の線熱膨張係数は、14.2×10−6/℃である。つまり、第2被覆部材73の線熱膨張係数は、電極線5の線熱膨張係数とシース芯線15の線熱膨張係数とに挟まれる数値範囲に含まれている。
また、第2実施形態では、第2被覆部材73の線熱膨張係数は、電極線5の線熱膨張係数との差分値が、シース芯線15の線熱膨張係数との差分値よりも小さい。
[2−2.効果]
以上説明したように、第2実施形態の温度センサ1は、第2被覆部材73を備えており、第1実施形態と同様に、電極線5と第2溶接部62との接合界面、およびシース芯線15と第2溶接部62との接合界面の酸化による劣化を抑制できる。
[2−3.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
第2溶接部62が溶接部の一例に相当し、第2被覆部材73が被覆部材の一例に相当する。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、感温部4について、温度に応じて電気的特性が変化する金属抵抗体55を用いて構成したが、例えば、温度に応じて電気的特性が変化するサーミスタ焼結体を用いて構成してもよい。サーミスタ焼結体としては、例えば、(Sr,Y)(Al,Mn,Fe)Oをベース組成としたペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。
図4に、サーミスタ焼結体により構成された感温部4と、感温部4に接続された一対の電極線5と、を有する感温素子3を備えた温度センサ1を示す。一対の電極線5の後端部は、シース部7(図1参照)の先端から引き出された一対のシース芯線15の先端部と重ね合されている。一対の電極線5と一対のシース芯線15とは、抵抗溶接、レーザー溶接等の溶接により、第3溶接部63において接合されている。なお、電極線5の断面積は、シース芯線15の断面積よりも小さく設定されている。
この温度センサ1は、第3被覆部材75を備えている。この温度センサ1は、第2実施形態と同様に、電極線5とシース芯線15との重ね合わせ部分の一部、および第3溶接部63が、第3被覆部材75で覆われるように構成されている。つまり、この温度センサ1は、一対の第3溶接部63および一対の第3被覆部材75を備えている。
よって、図4に示す温度センサ1は、第3被覆部材75を備えており、第2実施形態と同様に、電極線5と第3溶接部63との接合界面、およびシース芯線15と第3溶接部63との接合界面の酸化による劣化を抑制できる。
次に、上述の実施形態では、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面を、それぞれ1つの被覆部材で覆う構成について説明したが、被覆部材はこのような構成に限られることはない。例えば、図5に示すように、第1実施形態における被覆部材71を、2つの被覆部材(電極側被覆部材77、シース側被覆部材79)に置き換えた構成としてもよい。図5に示す温度センサ1は、電極線5と溶接部61との接合界面を覆う電極側被覆部材77と、シース芯線15と溶接部61との接合界面を覆うシース側被覆部材79と、を備える。
この温度センサ1は、第1実施形態と同様に、電極線5と溶接部61との接合界面、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面の酸化による劣化を抑制できる。
次に、上述の第1実施形態では、電極線5、シース芯線15、溶接部61がそれぞれ一対ずつ備えられる温度センサにおいて、一対の被覆部材71を備える構成について説明したが、被覆部材はこのような構成に限られることはない。例えば、図6に示す第4被覆部材81のように、第1実施形態の2つの被覆部材71を連結した形態の1つの被覆部材を備えてもよい。換言すれば、1つの第4被覆部材81が、電極線5と溶接部61との接合界面の全て、およびシース芯線15と溶接部61との接合界面の全てを覆うように形成される構成であってもよい。
このような第4被覆部材81を備える温度センサ1であれば、温度センサ1の製造時において、第4被覆部材81の形成を一度に実行することができ、第4被覆部材81の形成工程を簡略化できる。
次に、被覆部材、素子芯線(電極線5)、シース芯線のそれぞれの線熱膨張係数は、上記の実施形態における各数値に限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り、任意の数値を採ることができる。
また、温度センサを構成する各部材(例えば、感温素子、シース部、金属チューブ、取付部材、ナット部など)の材料は、上記実施形態に記載の材料に限られることはなく、本発明の技術的範囲に含まれる限り、任意の材料を採用することができる。
さらに、感温素子を収容する温度センサの構成としては、上記構成に限られることはなく、公知の各種の構成を採用できる。
1…温度センサ、3…感温素子、4…感温部、5…電極線、7…シース部、9…金属チューブ(内筒)、11…取付部材、15…金属芯線(シース芯線)、17…外筒、23…セメント(素子保持部材)、61…溶接部、62…第2溶接部、63…第3溶接部、71…被覆部材、73…第2被覆部材、75…第3被覆部材、77…電極側被覆部材、79…シース側被覆部材。

Claims (6)

  1. 検出温度に応じた検出信号の信号経路となる素子芯線を有する感温素子と、
    長手方向に延びるシース芯線を有するシース部材と、
    前記素子芯線と前記シース芯線とを溶接する溶接部と、
    前記感温素子および前記溶接部を少なくとも収容する素子収容空間を有する素子収容部と、
    前記素子収容空間のうち前記感温素子と前記素子収容部の内壁との間に配置される素子保持部材と、
    を備える温度センサであって、
    前記素子芯線と前記溶接部との接合界面、および前記シース芯線と前記溶接部との接合界面をそれぞれ覆う被覆部材を備え、
    前記被覆部材は、前記素子保持部材よりも通気性が小さい、
    温度センサ。
  2. 前記被覆部材の線熱膨張係数は、前記素子芯線の線熱膨張係数と前記シース芯線の線熱膨張係数とに挟まれる数値範囲に含まれる、
    請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記被覆部材の線熱膨張係数は、前記素子芯線の線熱膨張係数との差分値が、前記シース芯線の線熱膨張係数との差分値よりも小さい、
    請求項2に記載の温度センサ。
  4. 前記被覆部材は、前記溶接部の全体を覆う状態で形成される、
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
  5. 前記素子芯線および前記シース芯線は、それぞれ複数備えられており、
    前記被覆部材は、複数の前記素子芯線および複数の前記シース芯線ごとに個別に備えられる、
    請求項1から請求項3のうち少なくとも一項に記載の温度センサ。
  6. 前記素子芯線および前記シース芯線は、それぞれ複数備えられており、
    1つの前記被覆部材は、前記素子芯線と前記溶接部との接合界面の全て、および前記シース芯線と前記溶接部との接合界面の全てを覆うように形成される、
    請求項1から請求項3のうち少なくとも一項に記載の温度センサ。
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