JP2017207146A - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの経路を備える動力伝達装置において、無段変速機によって駆動力を伝達する場合に、ギヤ列での歯打ちの発生を抑制するとともに、自励振動を低減する。
【解決手段】入力軸と出力軸との間に、無段変速機によって駆動力を伝達する第1経路と、第1経路と並列に設けられ、変速ギヤ機構によって駆動力を伝達する第2経路と、を備える動力伝達装置の制御装置である。第2経路には、第1経路を介して駆動力が伝達される場合に、第2入力ギヤと噛み合って遊転するアイドラギヤと、アイドラギヤを回転自在に支持するとともに、アイドラギヤの内周部に油圧を供給するための油路が形成された副軸と、が設けられている。第1経路を介して駆動力が伝達される状態で、セカンダリプーリのベルト挟圧力を発生させる油圧の変動が、所定の油圧変動値以上である場合に、油路を介してアイドラギヤの内周部に油圧を供給する。
【選択図】図6

Description

本発明は、無段変速機によって駆動力を伝達する第1経路と、ギヤ列によって駆動力を伝達する第2経路と、を備える動力伝達装置の制御装置に関するものである。
従来から、一対のプーリに巻き掛けたベルトの巻き掛け半径を変化させることで、変速比を連続的に変化させるようにしたベルト式無段変速機(以下、単に無段変速機ともいう。)が知られている。このような無段変速機では、変速ショックがなく、スムーズな加減速が可能となる。しかしながら、車両においては発進時に大きな駆動力が要求されるところ、無段変速機では、発進時に挟圧力を大きくするべく、比較的短時間である発進時に備えて高油圧を発生させる必要があるため、燃費が悪化する可能性がある。
そこで、最近では、入力軸と出力軸との間に、エンジンからの駆動力を無段変速機によって伝達する第1経路と並列に、無段変速機では設定困難な変速比を有するギヤ列によって駆動力を伝達する第2経路を設け、これら2つの経路を切り換えて、大きな挟圧力を要する発進時等には第2経路を用い、所定車速以上になると第1経路を用いるようにした動力伝達装置が提案されている(例えば特許文献1)。
この種の動力伝達装置では、第2経路に設けられたドライブギヤだけと噛み合う位置と、当該ドライブギヤおよび第2経路に設けられたドリブンギヤに跨って両者と噛み合う位置とにスライド駆動されるスリーブを用いて2つの経路を切り換えることが多い。
具体的には、クラッチを開放して第1経路に設けられた無段変速機と出力軸との係合を解き、ドライブギヤおよびドリブンギヤと噛み合う位置にスリーブをスライドさせると、エンジンからの駆動力が、第2経路によって(ドライブギヤ、スリーブ、ドリブンギヤ、ドリブンギヤと一体回転する出力ギヤ、出力軸に設けられ、出力ギヤと噛み合う入力ギヤ等を介して)、出力軸へ伝達される。
一方、クラッチを締結して第1経路に設けられた無段変速機と出力軸とを係合させ、ドライブギヤだけと噛み合う位置にスリーブをスライドさせると、エンジンからの駆動力が第1経路によって出力軸へ伝達される。このとき、第2経路に設けられた出力ギヤは、入力ギヤの回転に伴って遊転することになる。
特開2015−105708号公報
ところで、エンジンを駆動源とする車両では、エンジンの爆発変動が起振力となり、自励振動が発生することによって、こもり音が発生するという問題がある。
加えて、上記特許文献1のもののように、無段変速機によって駆動力を伝達する第1経路と、ギヤ列によって駆動力を伝達する第2経路と、を備える動力伝達装置では、自励振動に起因して入力軸や出力軸等に回転変動が生じることで、以下のような問題が生じる場合がある。
すなわち、上記動力伝達装置では、第2経路(ギヤ列)によって駆動力を伝達する場合には出力ギヤとして機能するギヤを、第1経路(無段変速機)によって駆動力を伝達する場合には、アイドラギヤとする(遊転させる)ことで、2つの経路の切換えを可能にしているが、アイドラギヤの回転抵抗値が相対的に小さい場合には、出力軸等に回転変動が生じた際に、入力ギヤの歯面とアイドラギヤの歯面とが分離し、歯打ちが生じるという問題がある。
このような問題を解決するために、例えばフリクションダンパを用いてアイドラギヤの回転抵抗値を上げ、入力ギヤの歯面とアイドラギヤの歯面との分離を防ぐことで、歯打ちを抑制することも考えられる。しかしながら、フリクションダンパを用いてアイドラギヤの回転抵抗値を上げると、アイドラギヤを出力ギヤとして機能させる場合の回転効率が悪化するという問題や、フリクションダンパは経年使用により摩耗して回転抵抗値が低下するため、効果が持続しないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無段変速機およびギヤ列によって駆動力をそれぞれ伝達する2つの経路を備える動力伝達装置の制御装置において、無段変速機によって駆動力を伝達する場合に、ギヤ列での歯打ちの発生を抑制するとともに、自励振動を低減する技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る動力伝達装置の制御装置では、自励振動が発生した場合に、ギヤ列におけるアイドラギヤ(遊転ギヤ)に油圧を作用させることで、アイドラギヤの回転抵抗値を上げるようにしている。
具体的には、本発明は、入力軸と出力軸との間に、駆動プーリと従動プーリとこれらに巻き掛けられるベルトとを有する無段変速機によって駆動力を伝達する第1経路と、当該第1経路と並列に設けられ、ギヤ列によって駆動力を伝達する第2経路と、を備える動力伝達装置の制御装置を対象としている。
そして、上記第2経路には、上記第1経路を介して駆動力が伝達される場合に、上記出力軸に設けられた入力ギヤと噛み合って遊転するアイドラギヤと、当該アイドラギヤを回転自在に支持するとともに、当該アイドラギヤの内周部に油圧を供給するための油路が形成された副軸と、が設けられており、上記第1経路を介して駆動力が伝達される状態で、上記従動プーリのベルト挟圧力を発生させる油圧の変動が、所定の油圧変動値以上である場合に、上記油路を介してアイドラギヤの内周部に油圧を供給することを特徴とするものである。
ここで、自励振動が発生するとドライブラインが大きく振動し、ドライブラインを構成する無段変速機のベルトも振動することから、ベルトの振動を抑えるために従動プーリのベルト挟圧力が変動する。換言すると、従動プーリのベルト挟圧力を発生させる油圧の変動と、自励振動の発生とは相関性を有している。それ故、本発明によれば、従動プーリのベルト挟圧力を発生させる油圧の変動を検知することで、直接検知することが困難な自励振動の発生を高精度で推定することができる。
そうして、本発明では、従動プーリのベルト挟圧力を発生させる油圧の変動が、所定の油圧変動値以上である場合には、油路を介してアイドラギヤの内周部に油圧を供給することから、油の粘性抵抗を用いてアイドラギヤの回転抵抗値を上げることができるので、自励振動に起因する入力ギヤとアイドラギヤとの歯打ちを抑制することができる。
また、第2経路を介して駆動力が伝達される場合、換言すると、アイドラギヤを出力ギヤとして用いる場合には、アイドラギヤの内周部に油圧が供給されないので、アイドラギヤの回転抵抗値を油の粘性抵抗を受けていない状態に戻すことができる。これにより、フリクションダンパ等を用いて常時回転抵抗値を上げる場合と異なり、第2経路を介して駆動力が伝達される場合の回転効率が悪化するのを抑えることができる。
さらに、油の粘性抵抗を利用する本発明では、フリクションダンパとは異なり、経年使用による摩耗等が生じないので、回転抵抗値を上げる効果を持続させることができる。
加えて、回転抵抗値が高められたアイドラギヤを高速回転させることで、出力軸のトルクが全体的に底上げされるので、ドライブラインにおける減衰増加により、自励振動を低減することができる。
以上説明したように、本発明に係る動力伝達装置の制御装置によれば、無段変速機によって駆動力を伝達する場合に、ギヤ列での歯打ちの発生を抑制するとともに、自励振動を低減することができる。
本発明の実施形態に係る動力伝達装置を搭載した車両を模式的に示す図である。 油圧制御回路の回路構成を模式的に示す図である。 エンジン回転数とベルト挟圧力とプロペラシャフトのトルクとの関係を模式的に示す図である。 動力伝達装置の要部を模式的に示す図である。 第2入力ギヤとアイドラギヤとの噛み合いを模式的に説明する図である。 制御装置が実行する制御を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る動力伝達装置1を搭載した車両10を模式的に示す図である。この車両10は、エンジンEと、動力伝達装置1と、一対の駆動輪11と、ECU100と、油圧制御回路110と、を備えている。
−動力伝達装置−
動力伝達装置1は、エンジンEと一対の駆動輪11との間に設けられているとともに、共通の入力軸2と共通の出力軸7との間に切り換え可能な2つの動力伝達経路1a,1bを備えていて、いずれか一方の経路を介して、エンジンEからの駆動力を一対の駆動輪11へ伝達するように構成されている。2つの動力伝達経路1a,1bは、ベルト式無段変速機(以下、単に無段変速機ともいう。)5によって駆動力を伝達する第1経路1aと、当該第1経路1aと並列に設けられ、変速ギヤ機構(ギヤ列)6によって駆動力を伝達する第2経路1bとで構成されている。
動力伝達装置1は、図1に示すように、トルクコンバータ3と、前後進切換装置4と、無段変速機5と、変速ギヤ機構6と、出力軸7と、減速歯車装置8と、差動歯車装置9と、これらを収容するケース20と、を備えている。また、この動力伝達装置1には、互いに平行な5つの軸心AX1,AX2,AX3,AX4,AX5が設定されている。
第1軸AX1は、エンジンEの出力軸(クランクシャフト)と同軸になっている。この第1軸AX1上には、入力軸2、トルクコンバータ3、前後進切換装置4および無段変速機5のプライマリプーリ51が配置されている。第2軸AX2上には、変速ギヤ機構6の副軸61が配置されている。第3軸AX3上には、無段変速機5のセカンダリプーリ52および出力軸7が配置されている。第4軸AX4上には、減速歯車装置8が配置されている。第5軸AX5上には、差動歯車装置9が配置されている。
トルクコンバータ3は、入力側のポンプインペラ31と、出力側のタービンランナ32と、トルク増幅機能を有するステータ33と、を有しており、ポンプインペラ31とタービンランナ32との間で流体を介して動力を伝達するように構成されている。入力軸2は、トルクコンバータ3のポンプインペラ31に接続されている。タービンランナ32にはタービンシャフト34が連結されている。
前後進切換装置4は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構40と、ローギヤ伝達用クラッチC1と、リバースブレーキB1と、を有している。前後進切換装置4の入力軸41は、エンジンE側の端部がトルクコンバータ3のタービンシャフト34に連結されているとともに、第1中空軸42の内方を通って、無段変速機5側の端部が無段変速機5のプライマリプーリ51に接続されている。また、入力軸41は遊星歯車機構40のキャリヤCAにも連結されている。
遊星歯車機構40は、サンギヤSと、リングギヤRと、サンギヤSと噛み合うピニオンギヤP1と、リングギヤRと噛み合うピニオンギヤP2と、これらのピニオンギヤP1,P2を回転自在に支持するキャリヤCAと、を有している。リングギヤRは、ブレーキB1を介してケース20に対して選択的に連結されて回転停止するように構成されている。サンギヤSは第1中空軸42に直接連結され、キャリヤCAはクラッチC1を介して第1中空軸42に接続されている。また、第1中空軸42には、変速ギヤ機構6の第1入力ギヤ62と噛み合う第1出力ギヤ43が設けられている。
無段変速機5は、プライマリプーリ51とセカンダリプーリ52とを有しており、これらに巻き掛けられた無端状のベルト53によって動力を伝達するように構成されている。プライマリプーリ(駆動プーリ)51は、固定シーブ51aおよび可動シーブ51bを有していて、可動シーブ51b側に配設された油圧アクチュエータ54によって、固定シーブ51aと可動シーブ51bとの間のV溝幅を変更する。同様に、セカンダリプーリ(従動プーリ)52も、油圧アクチュエータ55によって固定シーブ52aと可動シーブ52bとの間のV溝幅を変更するように構成されている。このように、プライマリプーリ51およびセカンダリプーリ52のV溝幅を変更することにより、ベルト53の巻き掛け半径を連続的に変化させて、変速比γを無段階に変化させることができる。セカンダリプーリ52の可動シーブ52bは、ベルト伝達用クラッチC2を介して出力軸7と接続される。
変速ギヤ機構6は、第2軸AX2上の副軸61と、油圧駆動により軸方向に移動可能なスリーブ64と、を有している。
副軸61は、中空筒状に形成されていて、ベアリング等を介してケース20に回転自在に支持されている。副軸61のエンジンE側の端部には、大径な第1入力ギヤ62と小径なドライブギヤ66とが、当該副軸61に対し相対回転不能に設けられている。第1入力ギヤ62は、上述の如く、遊星歯車機構40の第1出力ギヤ43と噛み合っている。また、副軸61には、ドライブギヤ66よりも僅かに大径な第2出力ギヤ63が、無段変速機5側の端部に設けられているとともに、ドライブギヤ66と同径で且つ第2出力ギヤ63に対し相対回転不能なドリブンギヤ67が、第2出力ギヤ63とドライブギヤ66との間に設けられている。第2出力ギヤ63は、略円筒状に形成されており、副軸61の外径よりも大きな内径を有していて、その内周面と副軸61の外周面との間に空間65(図4および図5参照)が形成された状態で、副軸61に対し相対回転可能に支持されている。第2出力ギヤ63は、後述する出力軸7の第2入力ギヤ71と噛み合っている。なお、副軸61には、その内方部と空間65とを連通する、径方向に延びる油路61aが、周方向に間隔を空けて複数形成されている(図4および図5参照)。
スリーブ64は、ドライブギヤ66およびドリブンギヤ67の径方向外側に配設されており、その内周面にはこれらドライブギヤ66およびドリブンギヤ67と噛み合う歯面が形成されている。このスリーブ64は、ドライブギヤ66だけと噛み合う位置と、ドライブギヤ66およびドリブンギヤ67に跨って両者と噛み合う位置とにスライド駆動され、これにより、ドライブギヤ66とドリブンギヤ67とが、切離し状態又は駆動連結状態に切り換えられる。
出力軸7は、中空状に形成されていて、エンジンE側の端部にカウンタドライブギヤ72が設けられている一方、無段変速機5側の端部に第2入力ギヤ71が設けられている。カウンタドライブギヤ72は、減速歯車装置8のカウンタドリブンギヤ81と噛み合っている。
減速歯車装置8は、カウンタ軸80と、カウンタ軸80のエンジンE側の端部に設けられたカウンタドリブンギヤ81と、カウンタ軸80の無段変速機5側の端部に設けられたファイナルドライブギヤ82と、を有しており、ファイナルドライブギヤ82が、差動歯車装置9のファイナルドリブンギヤ91と噛み合っている。
差動歯車装置9は、ファイナルドリブンギヤ91の回転をそれぞれ一対の駆動輪11に差回転を吸収しつつ伝達するように構成されている。
−油圧制御回路−
次に、無段変速機5を制御する油圧制御回路110について図2を参照しつつ説明する。なお、説明は省略するが、油圧制御回路110は、トルクコンバータ3の制御や、前後進切換装置4のクラッチC1およびブレーキB1の係合および解放のための油圧制御、可動シーブ52bと出力軸7とを断接するクラッチC2の係合および解放のための油圧制御、変速ギヤ機構6のスリーブ64の移動のための油圧制御なども行うように構成されている。
図2は、油圧制御回路110の回路構成を模式的に示す図である。図2に示すように、油圧制御回路110は、オイルポンプ111と、レギュレータバルブ112と、リニアソレノイドバルブ113と、リニアソレノイドバルブ114と、変速コントロールバルブ115と、ベルト挟圧力コントロールバルブ116と、ソレノイドバルブ117と、油圧センサ118と、を備えている。
この油圧制御回路110では、オイルポンプ111により生成された油圧が、レギュレータバルブ112により調圧されてライン圧となる。レギュレータバルブ112は、リニアソレノイドバルブ113,114から出力される制御油圧をパイロット圧として作動するようになっている。レギュレータバルブ112により調圧されたライン圧は、変速コントロールバルブ115およびベルト挟圧力コントロールバルブ116に供給される。
リニアソレノイドバルブ113,114は、ECU100から送信される制御信号のデューティ比に応じて作動されて、ライン圧よりも低いモジュレートライン圧を元圧とする制御油圧を出力する。
変速コントロールバルブ115には、プライマリプーリ51の油圧アクチュエータ54が接続されている。変速コントロールバルブ115は、リニアソレノイドバルブ113から出力される制御油圧をパイロット圧としてライン圧を調圧し、油圧アクチュエータ54へ供給する。これにより、油圧アクチュエータ54の油圧が制御され、無段変速機5の変速比γが制御される。具体的には、油圧アクチュエータ54に所定の油圧が供給されている状態で、リニアソレノイドバルブ113からの制御油圧が増大すると、油圧アクチュエータ54の油圧も増大し、プライマリプーリ51のV溝幅が狭くなって、変速比γが小さくなる。一方、リニアソレノイドバルブ113からの制御油圧が低下すれば、油圧アクチュエータ54の油圧も低下し、プライマリプーリ51のV溝幅が広くなって、変速比γが大きくなる。
ベルト挟圧力コントロールバルブ116には、セカンダリプーリ52の油圧アクチュエータ55が接続されている。ベルト挟圧力コントロールバルブ116は、リニアソレノイドバルブ114が出力する制御油圧をパイロット圧としてライン圧を調圧し、油圧アクチュエータ55に供給する。これにより、油圧アクチュエータ55の油圧が制御され、無段変速機5のベルト挟圧力が制御される。具体的には、油圧アクチュエータ55に所定の油圧が供給されている状態で、リニアソレノイドバルブ114からの制御油圧が増大すると、油圧アクチュエータ55の油圧も増大し、ベルト挟圧力が増大する。一方、リニアソレノイドバルブ114からの制御油圧が低下すれば、油圧アクチュエータ55に供給される油圧も低下し、ベルト挟圧力が減少する。
ソレノイドバルブ117は、ECU100からの制御信号に基づいてONになると、副軸61の内方部にライン圧を供給する(図4および図5参照)一方、ECU100からの制御信号に基づいてOFFになると、ライン圧の供給を停止するように構成されている。また、油圧センサ118は、ベルト挟圧力コントロールバルブ116から油圧アクチュエータ55に供給される油圧を検知し、その検知された油圧値に応じた信号をECU100に送信するように構成されている。
−ECU−
ECU(Electronic Control Unit)100は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、車両10の各種制御を実行する。具体的には、ECU100は、エンジンEを駆動するために、スロットル信号や点火信号等の各信号をエンジンEへ出力する。また、ECU100は、トルクコンバータ3や、前後進切換装置4のクラッチC1およびブレーキB1や、クラッチC2や、スリーブ64を制御するための各信号を油圧制御回路110へ出力する。
さらに、ECU100は、無段変速機5の実際の入力軸回転数が目標回転数になるように、各種の制御演算を行って、主にプライマリプーリ51の油圧アクチュエータ54を動作させる制御信号を、油圧制御回路110に出力して変速比γを制御する。そのような変速制御の際に、ECU100は、必要油圧(ベルト挟圧力に相当)に対応する制御信号を油圧制御回路110に出力し、セカンダリプーリ52の油圧アクチュエータ55への供給油圧を制御して、無段変速機5のベルト挟圧力を制御する。
−変速モード−
以上のように構成された車両10では、前進方向に発進する際、または、所定車速未満で前進走行する際は、第2経路1bを介して駆動力を伝達する前進低速段モードとなる。この前進低速段モードでは、ECU100からの制御信号に基づいて、ブレーキB1およびクラッチC2が解放された状態で、スリーブ64がドライブギヤ66およびドリブンギヤ67に跨って噛み合うように切り換えられ、且つ、クラッチC1が係合される。そうして、トルクコンバータ3を介して入力されたエンジンEからの駆動力は、遊星歯車機構40において第1中空軸42に伝達され、第1出力ギヤ43から第1入力ギヤ62を介して変速ギヤ機構6に伝達される。
変速ギヤ機構6に伝達された駆動力は、ドライブギヤ66からスリーブ64およびドリブンギヤ67を介して第2出力ギヤ63に伝達され、第2出力ギヤ63と噛み合う第2入力ギヤ71を介して出力軸7に伝達される。さらに、出力軸7に伝達された駆動力は、カウンタドライブギヤ72からカウンタドリブンギヤ81を介して減速歯車装置8に伝達される。そして、減速歯車装置8に伝達された駆動力は、ファイナルドライブギヤ82からファイナルドリブンギヤ91を介して差動歯車装置9に伝達されて、一対の駆動輪11に出力される。
一方、例えば前進走行中に所定車速以上となると、第1経路1aを介して駆動力を伝達する無段変速モードとなる。この無段変速モードでは、ECU100からの制御信号に基づいて、スリーブ64のドリブンギヤ67との噛合が解除され、クラッチC1が解放されるとともに、クラッチC2が係合される。これにより、トルクコンバータ3を介して入力されたエンジンEからの駆動力は、プライマリプーリ51からベルト53を介してセカンダリプーリ52に伝達された後、クラッチC2を介して出力軸7に伝達される。出力軸7に伝達された駆動力は、上記前進低速段モードと同様に、減速歯車装置8および差動歯車装置9に伝達されて一対の駆動輪11に出力される。この無段変速モードでは、第2出力ギヤ63は、出力軸7に設けられた第2入力ギヤ71の回転に伴って遊転することになる。換言すると、第2経路1bには、第1経路1aを介して駆動力が伝達される場合に、出力軸7に設けられた第2入力ギヤ71と噛み合って遊転するアイドラギヤが設けられていると言える。このため、以下では、第2出力ギヤ63をアイドラギヤ63とも称する。
なお、例えば後進方向に発進する際、または、所定車速未満で後進走行する際は、後進段モードとなり、ECU100からの制御信号に基づいて、クラッチC1およびクラッチC2が解放された状態で、スリーブ64がドライブギヤ66およびドリブンギヤ67に跨って噛み合うように切り換えられ、且つ、ブレーキB1が係止される。そうして、トルクコンバータ3を介して入力されたエンジンEからの駆動力は、遊星歯車機構40においてリングギヤRによって反転され、その後は上記前進低速段モードと同様に、変速ギヤ機構6、出力軸7、減速歯車装置8および差動歯車装置9に伝達されて、一対の駆動輪11に出力される。
−自励振動発生時における油圧制御−
ところで、エンジンEを駆動源とする車両10では、エンジンEの爆発変動が起振力となり、自励振動が発生することで、入力軸2や出力軸7に回転変動が生じる場合がある。
ここで、上記動力伝達装置1では、第2経路1bによって駆動力を伝達する場合には出力ギヤとして機能する第2出力ギヤ63を、第1経路1aによって駆動力を伝達する場合には、アイドラギヤ63とすることで、2つの動力伝達経路1a,1bの切換えを可能にしているが、アイドラギヤ63の回転抵抗値が相対的に小さい場合には、出力軸7等に回転変動が生じた際に、第2入力ギヤ71の歯面とアイドラギヤ63の歯面とが分離し、歯打ちが生じるという問題がある。
このような問題を解決するために、例えばフリクションダンパを用いてアイドラギヤ63の回転抵抗値を上げることで、歯打ちを抑制することも考えられるが、フリクションダンパを用いてアイドラギヤ63の回転抵抗値を上げると、アイドラギヤ63を出力ギヤとして機能させる場合の回転効率が悪化するという問題や、フリクションダンパは経年使用により摩耗して回転抵抗値が低下するため、効果が持続しないという問題がある。
そこで、本実施形態では、自励振動が発生した場合には、アイドラギヤ63に油圧を作用させることで、アイドラギヤ63の回転抵抗値を上げるようにしている。具体的には、ECU100は、無段変速モード、すなわち、第1経路1aを介して駆動力が伝達される状態で、セカンダリプーリ52のベルト挟圧力を発生させる油圧(ベルト挟圧力コントロールバルブ116から油圧アクチュエータ55に供給される油圧)の変動が、所定の油圧変動値以上である場合に、油路61aを介してアイドラギヤ63の内周部に油圧を供給するように構成されている。
図3は、エンジン回転数とベルト挟圧力とプロペラシャフトのトルクとの関係を模式的に示す図である。なお、動力伝達装置1内における自励振動の発生を直接検知することは困難であることから、図3では自励振動の発生を直接検知可能なプロペラシャフトのトルクを採用しているが、図3はあくまでもベルト挟圧力と自励振動との一般的な関係を示すものであり、本実施形態の車両10がプロペラシャフトを備える車両に限定されることを意味しない。
図3から、エンジン回転数が上昇すると自励振動が発生するとともに、ベルト挟圧力が増加する領域(図3のA部)と自励振動発生域とは相関性を有していることが分かる。このような相関性を有するのは、自励振動が発生してドライブラインが大きく振動すると、入力軸2や出力軸7のみならず無段変速機5のベルト53も振動するところ、これを抑えるために、セカンダリプーリ52のベルト挟圧力を発生させる油圧(以下、ベルト挟圧油圧ともいう)が大きく変動することによる。
この点、本実施形態では、ECU100が、油圧センサ118によって検知される油圧、すなわち、ベルト挟圧油圧の変動が、所定の油圧変動値以上である場合に、自励振動が発生したと判定することから、直接検知することが困難な動力伝達装置1内における自励振動の発生を精度良く認識することが可能となる。
図4は、動力伝達装置1の要部を模式的に示す図であり、図5は、第2入力ギヤ71とアイドラギヤ63との噛み合いを模式的に説明する図である。ECU100は、油圧センサ118によって検知される油圧の変動が所定の油圧変動値以上である場合に、ソレノイドバルブ117をONにして、図4に示すように、副軸61の内方部にライン圧を供給する。副軸61の内方部にライン圧が供給されると、図4および図5の矢印で示すように、アイドラギヤ63の内周面と副軸61の外周面との間の空間65に油路61aを通って油が充填される。第1経路1aを介して駆動力が伝達される状態では、スリーブ64のドリブンギヤ67との噛合が解除され且つクラッチC1が解放されることから、副軸61は回転停止しており、かかる回転停止している副軸61と第2出力ギヤ63の内周部との間に油が充填されることで、油の粘性抵抗を用いてアイドラギヤ63の回転抵抗値を上げることができる。これにより、出力軸7に回転変動が生じた際にも、第2入力ギヤ71の歯面とアイドラギヤ63の歯面との分離が抑えられるので、第2入力ギヤ71とアイドラギヤ63との歯打ちを抑制することができる。
しかも、第2経路1bを介して駆動力が伝達される場合、換言すると、アイドラギヤ63を出力ギヤとして用いる場合には、アイドラギヤ63の内周部に油圧が供給されないので、フリクションダンパ等を用いて常時回転抵抗値を上げる場合と異なり、第2経路1bを介して駆動力が伝達される場合の回転効率が悪化するのを抑えることができる。さらに、油の粘性抵抗を利用することから、フリクションダンパとは異なり、経年使用による摩耗等が生じないので、回転抵抗値を上げる効果を持続させることができる。
加えて、回転抵抗値が高められたアイドラギヤ63を高速回転させることで、出力軸7のトルクが全体的に底上げされるので、ドライブラインにおける減衰増加により、自励振動を低減することができる。
−フローチャート−
次に、ECU100が実行する自励振動発生時における油圧制御の手順を図6のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップS1では、ECU100が、現在の変速モードが無段変速モードか否か、すなわち、第1経路1aを介して駆動力が伝達される状態か否かを判定する。このステップS1での判定がNOの場合、換言すると、アイドラギヤ63が出力ギヤとして用いられている場合には、本実施形態の制御を適用する場面ではないので、そのままENDする。一方、ステップS1での判定がYESの場合には、ステップS2に進む。
次のステップS2では、ECU100が、油圧センサ118によって検知される油圧値に基づいて、ベルト挟圧油圧の変動が所定の油圧変動値以上であるか否かを判定する。このステップS2での判定がNOの場合には、自励振動が発生していないと推定されるので、そのままENDする。一方、ステップS2での判定がYESの場合には、ステップS3に進む。
次のステップS3では、ECU100が、ソレノイドバルブ117をONにして、副軸61の内方部にライン圧を供給し、油路61aを介してアイドラギヤ63の内周部に油圧を供給する。これにより、アイドラギヤ63の回転抵抗値が上がることから、自励振動に起因して出力軸7に回転変動が生じた際にも、第2入力ギヤ71とアイドラギヤ63との歯打ちを抑制することができるとともに、出力軸7のトルクが全体的に底上げされるので、自励振動自体を低減することができる。
次のステップS4では、ECU100が、無段変速モードが終了したか否か、および、ベルト挟圧油圧の変動が所定の油圧変動値未満になったか否かを判定する。このステップS4での判定がNOの場合には、未だ歯打ち等が発生するおそれがあるので、当該ステップS4での判定を繰り返しながら、アイドラギヤ63の内周部への油圧の供給を継続する。一方、ステップS4での判定がYESの場合、すなわち、無段変速モードが終了した場合、または、ベルト挟圧油圧の変動が所定の油圧変動値未満になった場合には、ステップS5に進み、ECU100が、ソレノイドバルブ117をOFFにして、アイドラギヤ63の内周部への油圧の供給を停止した後、ENDする。これにより、無段変速モードが終了し例えば第2経路1bを介して駆動力を伝達する前進低速段モードになった場合の回転効率が悪化するのを抑えることができる。また、無段変速モードが終了していなくても、ベルト挟圧油圧の変動が所定の油圧変動値未満になった場合に、油圧の供給を停止することで、ポンプ損失を低減することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神または主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、変速モードとして、第2経路1bを介して駆動力を伝達する前進低速段モードと、第1経路1aを介して駆動力を伝達する無段変速モードとを示したが、これに限らず、例えば前進低速段モードと無段変速モードとの中間モードとして、スリーブ64とドリブンギヤ67との噛合を維持したままクラッチC1を解放する前進中速段モードを設定してもよい。この場合にも、無段変速モードにおいて、ベルト挟圧油圧の変動が所定の油圧変動値以上である場合に、アイドラギヤ63の内周部へライン圧を供給すればよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、無段変速機によって駆動力を伝達する場合に、ギヤ列での歯打ちの発生を抑制するとともに、自励振動を低減することができるので、動力伝達装置の制御装置に適用して極めて有益である。
1 動力伝達装置
1a 第1経路
1b 第2経路
2 入力軸
5 無段変速機
6 変速ギヤ機構(ギヤ列)
7 出力軸
51 プライマリプーリ(駆動プーリ)
52 セカンダリプーリ(従動プーリ)
53 ベルト
61 副軸
61a 油路
63 アイドラギヤ
71 第2入力ギヤ
100 ECU(制御装置)

Claims (1)

  1. 入力軸と出力軸との間に、駆動プーリと従動プーリとこれらに巻き掛けられるベルトとを有する無段変速機によって駆動力を伝達する第1経路と、当該第1経路と並列に設けられ、ギヤ列によって駆動力を伝達する第2経路と、を備える動力伝達装置の制御装置であって、
    上記第2経路には、上記第1経路を介して駆動力が伝達される場合に、上記出力軸に設けられた入力ギヤと噛み合って遊転するアイドラギヤと、当該アイドラギヤを回転自在に支持するとともに、当該アイドラギヤの内周部に油圧を供給するための油路が形成された副軸と、が設けられており、
    上記第1経路を介して駆動力が伝達される状態で、上記従動プーリのベルト挟圧力を発生させる油圧の変動が、所定の油圧変動値以上である場合に、上記油路を介してアイドラギヤの内周部に油圧を供給することを特徴とする動力伝達装置の制御装置。
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