JP2018185034A - 車両用無段変速機 - Google Patents

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武 江村
真一 杉本
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【課題】体格を大きくすることなく、パワートレーンの慣性を増やす。【解決手段】各油室64,70の各内壁面62a,66a上において、各内壁面62a,66aに沿った長手方向が各内壁面62a,66aの周方向に対して垂直な方向に設けられた複数の各フィン72,74が備えられているので、各油室64,70内がそれらの各フィン72,74で区切られることで、各油室64,70内のオイルがトルク変動に対して追従できるようになる。これにより、トルク変動に対して各油室64,70内のオイルの慣性が寄与することになり、トルク変動を低減することができる。つまり、オイルの慣性を利用して車内こもり音の発生を抑制することができる。又、各油室64,70内に各フィン72,74を設ける構造であるので、無段変速機10の体格が大きくなることが回避される。このように、体格を大きくすることなく、パワートレーンの慣性を増やすことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、プライマリプーリ及びセカンダリプーリと、それらプーリにそれぞれ巻き掛けられた伝達要素とを備えた車両用無段変速機に関するものである。
固定シーブと可動シーブとシリンダ部材を有する油圧アクチュエータとが互いに平行な回転軸上に各々設けられたプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリにそれぞれ巻き掛けられた伝達要素とを備え、前記シリンダ部材と前記可動シーブとを内壁面として前記油圧アクチュエータに形成された油室に油圧が供給されることで前記可動シーブに推力が付与される車両用無段変速機が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用ベルト式無段変速機がそれである。この特許文献1には、車両用ベルト式無段変速機において、エンジンと無段変速機との間の動力伝達経路に設けられたトルクコンバータのロックアップクラッチを係合させると、エンジンの回転変動が駆動系に直接伝達されて車内こもり音が発生し易くなること、又、出力軸上に設けられた固定壁と、出力側可動シーブの外周部から固定壁側に突設された外周壁と、出力側油圧シリンダの隔壁とで油室を形成することで、出力軸の回転慣性を高めて、上記車内こもり音の発生を抑制することが開示されている。
特開2010−270861号公報
ところで、出力軸の回転慣性を高める為の油室(慣性用油室ともいう)は、出力側可動シーブに推力を付与する為に油圧が供給される油室とは別に設けられている。つまり、出力軸上に慣性用油室を形成する為の固定壁をセカンダリプーリの外部に設ける必要がある。その為、車両用無段変速機の体格が大きくなる。車内こもり音の発生を抑制するには、パワートレーン(駆動系)の慣性を増やしてトルク変動を低減することが有効であると考えられるので、車両用無段変速機の体格を大きくすることなく、パワートレーンの慣性を増やすことが望まれる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、体格を大きくすることなく、パワートレーンの慣性を増やすことができる車両用無段変速機を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)固定シーブと可動シーブとシリンダ部材を有する油圧アクチュエータとが互いに平行な回転軸心上に各々設けられたプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリにそれぞれ巻き掛けられた伝達要素とを備え、前記シリンダ部材と前記可動シーブとを内壁面として前記油圧アクチュエータに形成された油室に油圧が供給されることで前記可動シーブに推力が付与される車両用無段変速機であって、(b)前記油室の前記内壁面上において、前記内壁面に沿った長手方向が前記内壁面の周方向に対して垂直な方向に設けられた複数のフィンを備えていることにある。
前記第1の発明によれば、油室の内壁面上において、内壁面に沿った長手方向が内壁面の周方向に対して垂直な方向に設けられた複数のフィンが備えられているので、油室内がそれらのフィンで区切られることで、油室内のオイルがトルク変動に対して追従できるようになる。これにより、トルク変動に対してオイルの慣性が寄与することになり、トルク変動を低減することができる。つまり、オイルの慣性を利用して車内こもり音の発生を抑制することができる。又、油室内にフィンを設ける構造であるので、車両用無段変速機の体格が大きくなることが回避される。このように、体格を大きくすることなく、パワートレーンの慣性を増やすことができる。
本発明が適用される車両用無段変速機を備えた車両の概略構成を説明する図である。 車両用無段変速機の概略構成を説明する断面図である。 図2に示した無段変速機におけるプライマリプーリのシリンダ部材のA視外観図である。 図2に示した無段変速機におけるセカンダリプーリのシリンダ部材のB視外観図である。
本発明の実施形態において、前記フィンは、前記油室の前記内壁面の径方向外側の端部に折り曲げ部が形成されている。このようにすれば、オイルの慣性効果をより大きくすることができる。
また、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリにそれぞれ巻き掛けられた前記伝達要素(伝動ベルトともいう)は、無端環状のフープとそのフープに沿って厚さ方向に多数連ねられた厚肉板片状のブロック(エレメント)とを有する無端環状の圧縮式の伝動ベルト、又は、交互に重ねられたリンクプレートの端部が連結ピンによって相互に連結された無端環状のリンクチェーンを構成する引張式の伝動ベルトなどである。前記車両用無段変速機は、ベルト式の無段変速機であり、広義には、このベルト式の無段変速機の概念にチェーン式の無段変速機を含む。前記車両用無段変速機を備えた車両では、プライマリプーリ及びセカンダリプーリの各々における前記油圧アクチュエータの前記油室に供給される油圧(プーリ油圧、作動油圧ともいう)をそれぞれ独立に制御する油圧制御回路を備える。この油圧制御回路は、例えば前記油室への作動油の流量を制御することにより結果的にプーリ油圧を生じるように構成されても良い。このような油圧制御回路により、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリにおける各推力(=プーリ油圧×受圧面積)が各々制御されることで、伝動ベルトの滑りを防止しつつ目標の変速が実現されるように変速制御が実行される。
また、前記車両用無段変速機を備えた車両では、動力源を備えており、前記車両用無段変速機は、前記動力源の動力を駆動輪側へ伝達する。前記動力源は、例えば燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジンである。又、前記車両は、動力源として、このエンジンに加えて、又は、このエンジンに替えて、電動機等を備えていても良い。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両用無段変速機10(以下、無段変速機10という)を備えた車両8の概略構成を説明する図である。図2は、無段変速機10の概略構成を説明する断面図である。図1,図2において、車両8は、動力源として機能するエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16とを備えている。動力伝達装置16は、非回転部材としてのケース18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20、トルクコンバータ20に連結された入力軸22、入力軸22に連結されたベルト式の無段変速機10、同じく入力軸22に連結された前後進切替装置24、前後進切替装置24を介して入力軸22に連結されて無段変速機10と並列に設けられたギヤ伝動機構26、無段変速機10及びギヤ伝動機構26の共通の出力回転部材である出力軸28、カウンタ軸30、出力軸28及びカウンタ軸30に各々相対回転不能に設けられて噛み合う一対のギヤから成る減速歯車装置32、カウンタ軸30に対して同軸心(第4回転軸心CS4参照)に相対回転不能に設けられたデフドライブギヤ34、デフドライブギヤ34に連結されたデフギヤ36等を備えている。又、動力伝達装置16は、デフギヤ36に連結された左右のドライブシャフト38を備えている。このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、トルクコンバータ20、無段変速機10(或いは前後進切替装置24及びギヤ伝動機構26)、減速歯車装置32、デフギヤ36、ドライブシャフト38等を順次介して、左右の駆動輪14へ伝達される。
動力伝達装置16は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路PTに並列に設けられた、ギヤ伝動機構26及び無段変速機10を備えている。よって、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構26を介して駆動輪14へ伝達する第1動力伝達経路PT1と、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機10を介して駆動輪14へ伝達する第2動力伝達経路PT2との複数の動力伝達経路を、入力軸22と出力軸28との間に並列に備えている。動力伝達装置16は、車両8の走行状態に応じて第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2とが切り替えられる。その為、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を駆動輪14へ伝達する動力伝達経路を、第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2とで選択的に切り替える複数の係合装置を備えている。この係合装置は、第1動力伝達経路PT1を断接する第1クラッチC1(後進時は第1ブレーキB1)及び噛合式クラッチD1と、第2動力伝達経路PT2を断接する第2クラッチC2である。第1クラッチC1、第1ブレーキB1、及び第2クラッチC2は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式の摩擦係合装置である。
エンジン12は、電子スロットル装置や燃料噴射装置や点火装置などのエンジン12の出力制御に必要な種々の機器を有するエンジン制御装置(不図示)を備えており、車両8に備えられた電子制御装置100によって、運転者による車両8に対する駆動要求量に対応するアクセルペダルの操作量に応じてエンジン制御装置が制御されることで、エンジントルクが制御される。
トルクコンバータ20は、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び入力軸22に連結されたタービン翼車20tを備えている。動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pに連結された、オイルポンプ(不図示)を駆動する為のチェーン機構40(図2参照)を備えている。このオイルポンプは、エンジン12により回転駆動されることにより、無段変速機10を変速制御したり、無段変速機10におけるベルト挟圧力を発生させたり、前記複数の係合装置の各々の作動状態(係合や解放などの状態)を切り替えたりする為の作動油圧の元圧を、車両8に備えられた油圧制御回路42へ供給する。
前後進切替装置24は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置24p、第1クラッチC1、及び第1ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置24pのキャリア24cは入力軸22に連結され、遊星歯車装置24pのリングギヤ24rは第1ブレーキB1を介してケース18に選択的に連結され、サンギヤ24sは入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心(第1回転軸心CS1参照)に相対回転可能に設けられた小径ギヤ44に連結されている。又、キャリア24cとサンギヤ24sとは、第1クラッチC1を介して選択的に連結される。
ギヤ伝動機構26は、小径ギヤ44と、ギヤ機構カウンタ軸46と、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心(第2回転軸心CS2参照)に相対回転不能に設けられて小径ギヤ44と噛み合う大径ギヤ48とを備えている。又、ギヤ伝動機構26は、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転可能に設けられたアイドラギヤ50と、出力軸28回りにその出力軸28に対して同軸心(第3回転軸心CS3参照)に相対回転不能に設けられてアイドラギヤ50と噛み合う出力ギヤ52とを備えている。出力ギヤ52は、アイドラギヤ50よりも大径である。従って、ギヤ伝動機構26は、入力軸22と出力軸28との間の動力伝達経路PTにおいて、1つのギヤ段が形成される。ギヤ伝動機構26は、更に、ギヤ機構カウンタ軸46回りに、大径ギヤ48とアイドラギヤ50との間に設けられて、これらの間を選択的に断接する噛合式クラッチD1を備えている。噛合式クラッチD1は、動力伝達装置16に備えられた噛合クラッチ用アクチュエータ54の作動によって作動状態が切り替えられる。
第1動力伝達経路PT1は、噛合式クラッチD1と噛合式クラッチD1よりも入力軸22側に設けられた第1クラッチC1(又は第1ブレーキB1)とが共に係合されることで形成される。第1クラッチC1の係合により前進用の動力伝達経路が形成され、第1ブレーキB1の係合により後進用の動力伝達経路が形成される。動力伝達装置16では、第1動力伝達経路PT1が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構26を経由して出力軸28へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第1動力伝達経路PT1は、少なくとも第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が共に解放されるか、或いは少なくとも噛合式クラッチD1が解放されると、動力伝達が遮断されたニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
無段変速機10は、入力軸22の第1回転軸心CS1上に設けられた(つまり入力軸22と同軸心に第1回転軸心CS1回りに回転可能に支持されている)有効径が可変のプライマリプーリ56と、出力軸28の第3回転軸心CS3上に設けられた(つまり出力軸28と同軸心に第3回転軸心CS3回りに回転可能に支持されている)有効径が可変のセカンダリプーリ58と、それら各プーリ56,58の間に巻き掛けられた伝達要素としての伝動ベルト60とを備えており、各プーリ56,58と伝動ベルト60との間の摩擦力(挟圧力も同意;ベルト挟圧力ともいう)を介して動力伝達が行われ、エンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する。尚、第1回転軸心CS1と第3回転軸心CS3とは、第2回転軸心CS2及び第4回転軸心CS4を含め、互いに平行な回転軸心である。
プライマリプーリ56は、入力軸22に連結された固定シーブ56aと、固定シーブ56aに対して入力軸22の第1回転軸心CS1回りの相対回転不能且つ第1回転軸心CS1方向の移動可能に設けられた可動シーブ56bと、可動シーブ56bを軸方向に移動させて固定シーブ56aと可動シーブ56bとを軸方向に接近又は離間させることによりそれら各シーブ56a,56bの間のV溝幅を変更する為のプライマリプーリ56におけるプライマリ推力Win(=プライマリ圧Pin×受圧面積)を付与する油圧アクチュエータ56cとを備えている。又、セカンダリプーリ58は、第2クラッチC2を介して出力軸28に連結される固定シーブ58aと、固定シーブ58aに対して出力軸28の第3回転軸心CS3回りの相対回転不能且つ第3回転軸心CS3方向の移動可能に設けられた可動シーブ58bと、可動シーブ58bを軸方向に移動させて固定シーブ58aと可動シーブ58bとを軸方向に接近又は離間させることによりそれら各シーブ58a,58bの間のV溝幅を変更する為のセカンダリプーリ58におけるセカンダリ推力Wout(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)を付与する油圧アクチュエータ58cとを備えている。プライマリ圧Pinは、油圧制御回路42によって油圧アクチュエータ56cへ供給される油圧であり、セカンダリ圧Poutは、油圧制御回路42によって油圧アクチュエータ58cへ供給される油圧である。各油圧Pin,Poutは、各々、可動シーブ56b,58bを固定シーブ56a,58a側へ押圧する推力Win,Woutを付与するプーリ油圧である。
油圧アクチュエータ56cは、可動シーブ56bの軸方向において可動シーブ56bの固定シーブ56aに相対する面に対して背面側に配設されている有底円筒状のシリンダ部材62を備えている。シリンダ部材62は、軸方向への移動不能に固定されている。シリンダ部材62は屈曲形状を有し、そのシリンダ部材62の外周側には円筒部が形成されている。この円筒部の内周面と可動シーブ56bの外周端部とがオイルシールを介して摺動可能に構成されている。これにより、シリンダ部材62と可動シーブ56bとの間に、(つまり、シリンダ部材62と可動シーブ56bとを内壁面として油圧アクチュエータ56cに、)油密な油室64が形成される。この油室64に油圧制御回路42からプライマリ圧Pinが供給されることで、可動シーブ56bにプライマリ推力Winが付与される。
油圧アクチュエータ58cは、可動シーブ58bの軸方向において可動シーブ58bの固定シーブ58aに相対する面に対して背面側に配設されている有底円筒状のシリンダ部材66と、そのシリンダ部材66と可動シーブ58bとの間に介挿されて可動シーブ58bを固定シーブ58a側に向かって軸方向に付勢する弾性部材68とを備えている。シリンダ部材66は、軸方向への移動不能に固定されている。シリンダ部材66は屈曲形状を有しており、その外周端部が可動シーブ58bの外周筒部の内周面にオイルシールを介して摺接させられている。これにより、シリンダ部材66と可動シーブ58bとの間に、(つまり、シリンダ部材66と可動シーブ58bとを内壁面として油圧アクチュエータ58cに、)油密な油室70が形成される。この油室70に油圧制御回路42からセカンダリ圧Poutが供給されることで、可動シーブ58bにセカンダリ推力Woutが付与される。
無段変速機10では、電子制御装置100により駆動される油圧制御回路42によってプライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutが各々調圧制御されることにより、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々制御される。これにより、各プーリ56,58のV溝幅が変化して伝動ベルト60の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γcvt(=プライマリプーリ回転速度/セカンダリプーリ回転速度)が変化させられると共に、伝動ベルト60が滑りを生じないように各プーリ56,58と伝動ベルト60との間の摩擦力(つまりベルト挟圧力)が制御される。つまり、プライマリ圧Pin(プライマリ推力Winも同意)及びセカンダリ圧Pout(セカンダリ推力Woutも同意)が各々制御されることで、伝動ベルト60の滑り(ベルト滑りともいう)が防止されつつ実変速比γcvtが目標変速比γcvttとされる。無段変速機10では、例えばプライマリ圧Pinが高められると、プライマリプーリ56のV溝幅が狭くされて変速比γcvtが小さくされるすなわち無段変速機10がアップシフトされる。又、プライマリ圧Pinが低められると、プライマリプーリ56のV溝幅が広くされて変速比γcvtが大きくされるすなわち無段変速機10がダウンシフトされる。尚、無段変速機10では、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとによりベルト滑りが防止されつつ、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの相互関係にて目標変速比γcvttが実現されるものであり、一方のプーリ油圧(推力も同意)のみで目標の変速が実現されるものではない。
出力軸28は、第3回転軸心CS3回りにセカンダリプーリ58(固定シーブ58a)に対して同軸心に相対回転可能に配置されている。第2クラッチC2は、無段変速機10と駆動輪14(ここでは出力軸28も同意)との間の動力伝達経路に設けられたクラッチである。つまり、第2クラッチC2は、セカンダリプーリ58(固定シーブ58a)と出力軸28との間に介挿されて、これらの間の動力伝達を選択的に断接するクラッチである。第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が係合されることで形成される。動力伝達装置16では、第2動力伝達経路PT2が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機10を経由して出力軸28へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が解放されると、ニュートラル状態とされる。
動力伝達装置16では、第1動力伝達経路PT1を用いて前進走行する場合には、電子制御装置100により駆動される油圧制御回路42によって、噛合式クラッチD1及び第1クラッチC1(後進走行時は第1ブレーキB1)が係合され且つ第2クラッチC2及び第1ブレーキB1(後進走行時は第1クラッチC1)が解放される。一方で、動力伝達装置16では、第2動力伝達経路PT2を用いて走行する場合には、電子制御装置100により駆動される油圧制御回路42によって、第2クラッチC2が係合され且つ第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が解放される。第2動力伝達経路PT2を用いた走行では、例えば中車速域で噛合式クラッチD1が係合される一方で、高車速域で噛合式クラッチD1が解放される。
ここで、動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pとタービン翼車20tとを連結する(すなわちトルクコンバータ20の入出力回転部材を連結する)直結クラッチとしての公知のロックアップクラッチLC(図1参照)を備えている。ロックアップクラッチLCは、油圧制御回路42から油圧(以下、LC油圧という)が供給されることにより摩擦係合させられる油圧式の摩擦クラッチである。ロックアップクラッチLCは、電子制御装置100によってLC油圧が制御されることにより作動状態が切り替えられる。車両8において、燃費向上を図るという観点では、ロックアップクラッチLCを係合(スリップ係合を含んでも良い)することは有効である。
ところで、車内こもり音への伝達経路の一つに、エンジン12のトルク変動がドライブシャフト38を通して車体(ボデー)に伝達される経路があり、ドライブシャフト38のトルク変動が大きい場合には、車内こもり音が増大するおそれがある。ロックアップクラッチLCを係合した走行時(ロックアップ走行時ともいう)には、ドライブシャフト38のトルク変動が大きくなり易く、車内こもり音が増大し易い為、ロックアップクラッチLCの係合を実行する走行領域であるロックアップ領域を広げられないことがある。
ロックアップ走行時の車内こもり音の発生を抑制することができれば、ロックアップ領域を広げることができる。ロックアップ走行時の車内こもり音の発生を抑制するには、ドライブシャフト38から伝達されるトルク変動を低減することが考えられる。このトルク変動の低減には、パワートレーンの慣性を増やすこと等が有効である。一方で、無段変速機10の各プーリ56,58の各油室64,70内のオイルは、トルク変動に追従し難く、慣性によるトルク変動の低減効果は得られ難いと考えられている。
そこで、本実施例の無段変速機10では、各プーリ56,58の各油室64,70内に、オイル流れに対して垂直にフィンを設ける。つまり、無段変速機10は、各油室64,70の内壁面上において、その内壁面に沿った長手方向がその内壁面の周方向に対して垂直な方向に設けられた複数のフィンを備えている。油室64の内壁面は、シリンダ部材62及び可動シーブ56bにおいて互いに相対するそれぞれの表面(壁面)である。油室70の内壁面は、シリンダ部材66及び可動シーブ58bにおいて互いに相対するそれぞれの表面(壁面)である。
図3は、図2に示した無段変速機10におけるプライマリプーリ56のシリンダ部材62のA視外観図である。本実施例での油室64内のフィンは、図2,図3に示すように、シリンダ部材62において可動シーブ56bに相対する内壁面62a上に設けられた複数のフィン72である。複数のフィン72は、各々、同じ形状であって、シリンダ部材62の屈曲形状に合わせて内壁面62aに沿って延びる薄板形状を有している。フィン72は、内壁面62aに沿った長手方向がオイル流れ方向(すなわちプライマリプーリ56(シリンダ部材62の内壁面62a)の周方向)に対して垂直な方向に設けられている。フィン72の内壁面62aからの可動シーブ56b側方向の高さの最大値は、シリンダ部材62と可動シーブ56bとが最も接近したときの間隙よりも所定値小さくされる。フィン72の数は、オイルが区切られる必要がある為、少なくとも4つ以上とされる。本実施例では、フィン72の数は12個である。フィン72を設けたことで(つまり油室64内をフィン72で区切ることで)、油室64内のオイルがトルク変動に対して追従し易くされる。これにより、オイルの慣性によるトルク変動の低減効果が向上し(低減効果が得られ易くされ)、こもり音の抑制に寄与する。又、フィン72は、オイルの慣性効果をより大きくする為に、油室64の内壁面62aの径方向外側の端部に折り曲げ部72aが形成されている。
図4は、図2に示した無段変速機10におけるセカンダリプーリ58のシリンダ部材66のB視外観図である。本実施例での油室70内のフィンは、図2,図4に示すように、シリンダ部材66において可動シーブ58bに相対する内壁面66a上に設けられた複数のフィン74である。複数のフィン74は、各々、同じ形状であって、シリンダ部材66の屈曲形状に合わせて内壁面66aに沿って延びる薄板形状を有している。フィン74は、内壁面66aに沿った長手方向がオイル流れ方向(すなわちセカンダリプーリ58(シリンダ部材66の内壁面66a)の周方向)に対して垂直な方向に設けられている。フィン74の内壁面66aからの可動シーブ58b側方向の高さの最大値は、シリンダ部材66と可動シーブ58bとが最も接近したときの間隙よりも所定値小さくされる。フィン74の数は、オイルが区切られる必要がある為、少なくとも4つ以上とされる。本実施例では、フィン74の数は12個である。フィン74を設けたことで(つまり油室70内をフィン74で区切ることで)、油室70内のオイルがトルク変動に対して追従し易くされる。これにより、オイルの慣性によるトルク変動の低減効果が向上し(低減効果が得られ易くされ)、こもり音の抑制に寄与する。又、フィン74は、オイルの慣性効果をより大きくする為に、油室70の内壁面66aの径方向外側の端部に折り曲げ部74aが形成されている。
上述のように、本実施例によれば、各油室64,70の各内壁面62a,66a上において、各内壁面62a,66aに沿った長手方向が各内壁面62a,66aの周方向に対して垂直な方向に設けられた複数の各フィン72,74が備えられているので、各油室64,70内がそれらの各フィン72,74で区切られることで、各油室64,70内のオイルがトルク変動に対して追従できるようになる。これにより、トルク変動に対して各油室64,70内のオイルの慣性が寄与することになり、ドライブシャフト38のトルク変動の大きさ(レベル)を低減することができる。つまり、オイルの慣性を利用して車内こもり音の発生を抑制することができる。又、各油室64,70内に各フィン72,74を設ける構造であるので、無段変速機10の体格が大きくなることが回避される。このように、体格を大きくすることなく、パワートレーンの慣性を増やすことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、油室64内のフィンはシリンダ部材62の内壁面62a上に設けられたフィン72であり、又、油室70内のフィンは、シリンダ部材66の内壁面66a上に設けられたフィン74であったが、この態様に限らない。例えば、油室64内のフィンは、可動シーブ56bにおいてシリンダ部材62に相対する内壁面上に設けられても良いし、又は、シリンダ部材62の内壁面62a上と可動シーブ56bの内壁面上との両方に設けられても良い。又は、油室70内のフィンは、可動シーブ58bにおいてシリンダ部材66に相対する内壁面上に設けられても良いし、又は、シリンダ部材66の内壁面66a上と可動シーブ58bの内壁面上との両方に設けられても良い。又は、油室64内及び油室70内のうちの少なくとも一方の油室内にフィンが設けられていても良い。
また、前述の実施例では、フィン72には折り曲げ部72aが形成され、又、フィン74には折り曲げ部74aが形成されていたが、この態様に限らない。例えば、各折り曲げ部72a,74aは、形成されなくても良いし、フィン72,74の一部のみに形成されても良い。
また、前述の実施例では、車両8は、ギヤ伝動機構26を介した第1動力伝達経路PT1と、無段変速機10を介した第2動力伝達経路PT2との複数の動力伝達経路を、入力軸22と出力軸28との間に並列に備えていたが、この態様に限らない。例えば、車両8は、無段変速機10を介した動力伝達経路を入力軸22と出力軸28との間に備えているだけでも良い。要は、ベルト式の無段変速機を備えた車両であれば、本発明を適用することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用無段変速機
56:プライマリプーリ
56a:固定シーブ
56b:可動シーブ
56c:油圧アクチュエータ
58:セカンダリプーリ
58a:固定シーブ
58b:可動シーブ
58c:油圧アクチュエータ
60:伝動ベルト(伝達要素)
62:シリンダ部材
62a:内壁面
64:油室
66:シリンダ部材
66a:内壁面
70:油室
72:フィン
74:フィン
CS1:第1回転軸心
CS3:第3回転軸心

Claims (1)

  1. 固定シーブと可動シーブとシリンダ部材を有する油圧アクチュエータとが互いに平行な回転軸心上に各々設けられたプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリにそれぞれ巻き掛けられた伝達要素とを備え、前記シリンダ部材と前記可動シーブとを内壁面として前記油圧アクチュエータに形成された油室に油圧が供給されることで前記可動シーブに推力が付与される車両用無段変速機であって、
    前記油室の前記内壁面上において、前記内壁面に沿った長手方向が前記内壁面の周方向に対して垂直な方向に設けられた複数のフィンを備えていることを特徴とする車両用無段変速機。
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