JP2017206838A - 防炎防水畳の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】防水機能及び防炎機能を兼ね備えた畳を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボール2の上面に、防炎フィルム5を接着する防炎フィルム接着工程と、防炎フィルム5の上面に、フィルム状熱接着剤9を用いて熱プレスにより防炎防水畳表6を接着する防炎防水畳表接着工程と、防炎防水畳表6を折り込んだ状態で、プラスチックダンボール2の下面に底面材8を接着する底面材接着工程とを有する防炎防水畳の製造方法である。
【選択図】図2
【解決手段】 開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボール2の上面に、防炎フィルム5を接着する防炎フィルム接着工程と、防炎フィルム5の上面に、フィルム状熱接着剤9を用いて熱プレスにより防炎防水畳表6を接着する防炎防水畳表接着工程と、防炎防水畳表6を折り込んだ状態で、プラスチックダンボール2の下面に底面材8を接着する底面材接着工程とを有する防炎防水畳の製造方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、防炎機能及び防水機能を兼ね備えた畳の製造方法に関する。
畳は、日本で親しまれている伝統的な床材であるが、時代の変化に応じて、様々な機能を付加することが試みられている。
例えば、防水機能を有するものとして、合成樹脂繊維よりなる畳表と、該畳表の裏面に熱溶着された独立気泡を有する合成樹脂発泡シートと、磁気テープの廃材を原料とした多孔性の磁気パネルとを順次積層し、一体的に固定した防水畳(特許文献1参照)や、畳床の少なくとも上面と側面の一部を防水シートにより被覆するようにした畳であって、この防水シート上面に畳表をそれらの間に通水間隙を設けるように、また畳表と畳床との縫着部分の1〜3mmの排水口及び/又は畳表と畳床との開放部分の下部排水口を設けるように、畳側面から下面にかけて畳表及び畳床内を通して縫着した水洗い可能な防水畳(特許文献2参照)や、畳の芯材を被覆又は積層する樹脂製畳表及び/又はビニルシートの少なくとも一面に銀ナノ粒子を含む皮膜を担持させた水洗い可能な防水畳(特許文献3参照)が提案されている。
他方、防炎機能を有するものとして、ポリウレタン成形用の金型装置の上金型及び下金型により作製される成形品に畳模様を形成するための溝が形成されたキャビティ形成面に防炎剤が添加された塗料を塗布し、型閉めすることにより前記キャビティ内に熱硬化性の高反発性を有する液状の防炎剤が添加されたポリウレタン原料を注入して発泡硬化させて前記塗料により塗膜が形成された高反発性のポリウレタン層を成形する防炎畳の製造方法(特許文献4参照)や、畳表及び畳床の畳表側部分に防炎加工を施した防炎畳(特許文献5参照)が提案されている。
しかしながら、これまで防水機能及び防炎機能の両者を十分に満足する畳は提案されておらず、防水機能及び防炎機能を兼ね備えた畳が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、防水機能及び防炎機能を十分に兼ね備えた畳を製造する方法を提供することにある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、防水機能及び防炎機能を十分に兼ね備えた畳を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記両機能を十分に兼ね備えた畳の製造を実現させるべく鋭意検討した結果、畳材として通常用いられない開口の大きなプラスチックダンボールを基材として用いると共に、かかるプラスチックダンボールの上面に、防炎フィルムを配置し、畳の製造では通常用いられない熱プレスにより、フィルム状熱接着剤で防炎フィルム及び防炎防水畳表を接着することによって、防水機能及び防炎機能の両者を十分に満足する畳を製造することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明者らは、畳材としては通常用いられない防水性と防炎性を備えた開口の大きなプラスチックダンボールを使用することに思い至り、このプラスチックダンボールに防炎防水畳表を接着剤にて接着し、自社にて防水性能試験及び防炎性能試験を行った。防水性能試験については比較的容易にクリアすることができたが、防炎性能試験では、プラスチックダンボールまで燃えてしまい、約65%は失敗する結果となった。
そこで、本発明者らは、さらに検討し、新たに防炎フィルムを採用した。その結果、燃え広がりを抑えることはできたが、これでも十分な防炎効果を得ることはできなかった。そこで、さらにこの要因を突き止めるべく検討したところ、畳表と防炎フィルムとの間に空気層ができ、この空気層が燃え広がりの要因となっていることを突き止めた。さらに、この畳表と防炎フィルムとの間の空気層を排除すべく、接着剤をスプレー塗布して畳表と防炎フィルムを接着したが、手作業による塗布はムラが多く、一部の空気層や余分な接着剤が燃焼の一因となり、これによっても必ずしも十分な防炎効果を得ることができない場合があることを知見した。
これらの問題を改善すべく、本発明者らは、防炎防水畳表及び防炎フィルムの接着を、フィルム状熱接着剤を用いた熱プレスで行うことにより、燃え広がりの原因となる空気層を排除し、少量の接着剤で均一に接着することで、防炎性の十分に担保された畳を確実に製造できることを見いだした。さらに、このフィルム状熱接着剤を用いた熱プレスによる接着は、熱プレス機を用いて、畳全体を均一に接着することができるため、防水性能も向上させることができることを見いだした。
すなわち、本発明は、開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボールの上面に、防炎フィルムを接着する防炎フィルム接着工程と、防炎フィルムの上面に、フィルム状熱接着剤を用いて熱プレスにより防炎防水畳表を接着する防炎防水畳表接着工程と、前記防炎防水畳表を折り込んだ状態で、前記プラスチックダンボールの下面に底面材を接着する底面材接着工程とを有する防炎防水畳の製造方法に関する。
本発明の防炎防水畳の製造方法においては、防炎フィルム接着工程及び防炎防水畳表接着工程が、プラスチックダンボールの上面に、フィルム状熱接着剤、防炎フィルム及びフィルム状熱接着剤の順に積層した積層体を介して、防炎防水畳表を熱プレスにより接着する一体工程からなることが好ましい。
また、本発明は、開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボールと、該プラスチックダンボールの上面に接着された防炎フィルムと、該防炎フィルムの上面に接着された防炎防水畳表と、該防炎防水畳表を折り込んだ状態で底面に接着された底面材とを備える防炎防水畳に関する。
本発明の防炎防水畳においては、防炎フィルムと防炎防水畳表との間に実質的に空気層のない均一な接着層を有することが好ましい。
本発明の防炎防水畳の製造方法によれば、防水機能及び防炎機能を十分に兼ね備えた敷詰畳用又は置き畳用の防炎防水畳を製造することができる。
本発明の防炎防水畳の製造方法としては、開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボールの上面に、防炎フィルムを接着する防炎フィルム接着工程と、防炎フィルムの上面に、フィルム状熱接着剤を用いて熱プレスにより防炎防水畳表を接着する防炎防水畳表接着工程と、前記防炎防水畳表を折り込んだ状態で、前記プラスチックダンボールの下面に底面材を接着する底面材接着工程とを有する方法であれば特に制限されるものではなく、さらに、プラスチックダンボールの上面に、クッション材を接着するクッション材接着工程を有することが好ましい。
また、本発明の防炎防水畳の製造方法は、さらに、プラスチックダンボールの下面に、断熱材を接着する断熱材接着工程を有していてもよい。本発明の防炎防水畳の製造方法により製造される防炎防水畳は、敷詰畳や、置き畳として用いることができるが、断熱材を接着材したものは、敷詰畳として好適に用いることができる。
なお、本発明の製造方法において、上面/下面に接着するとは、上面/下面に直接接着する場合のみならず、適当な材料を介して間接的に接着する場合も含む。
また、本発明の防炎防水畳の防炎とは、一般的な畳より燃えにくい性質を有することをいい、好ましくは、消防法施行令第4条の3の基準に適合するものをいう。また、防水とは、一般的な畳より水に対する撥水性や速乾性を有するものをいい、好ましくは畳の一部又は全部を繰り返し水洗いできるもの(躯体が変形しないもの)をいう。
(防炎フィルム接着工程)
本発明の防炎フィルム接着工程は、プラスチックダンボールの上面に、防炎フィルムを接着する工程であり、好ましくはクッション材を介して接着される。本工程は、防炎防水畳表接着工程の前後に行うことができるが、後述するように防炎防水畳接着工程と同時に行うことが好ましい。
本発明の防炎フィルム接着工程は、プラスチックダンボールの上面に、防炎フィルムを接着する工程であり、好ましくはクッション材を介して接着される。本工程は、防炎防水畳表接着工程の前後に行うことができるが、後述するように防炎防水畳接着工程と同時に行うことが好ましい。
本発明の製造方法において用いられるプラスチックダンボールとしては、畳材としてまれに用いられる例えば開口の一辺の長さが3mmといった小さな開口のプラスチックダンボールではなく、畳材としては通常用いられない開口の一辺の長さが5mm以上のものを使用し、防水性の観点から、好ましくは一辺の長さが7mm以上のものが好ましく、9mm以上のものがより好ましく、10mm以上のものがさらに好ましい。ここで、開口部の一辺の長さとは、開口が正方形の場合は、文字通り一辺の長さを意味するが、円形の場合は直径を意味し、長方形等一辺の長さが異なる場合は短辺の長さを意味する。
かかるプラスチックダンボールとしては、畳として必要な耐久性を有し、上記開口大きさを有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン等からなるものであり、具体的には、東洋ユニコン株式会社製の「ダンプラ・エース」、宇部エクシモ株式会社製の「ダンプレート」、川上産業株式会社製の「プラパール」等を挙げることができる。
防炎フィルムとしては、消防法施行令第4条の3の基準に適合するものや、防炎3級(JIS A−1322)以上の性能を有するフィルムを挙げることができ、防炎2級以上のものが好ましい。かかる防炎フィルムとしては、ポリ塩化ビニル等からなるものが挙げられ、具体的には、アキレス株式会社製の「アキレスフラーレ」や、ダイヤプラスフィルム株式会社製の「アルトロン」等を挙げることができる。この防炎フィルムは、防炎効果と同時に、畳の内部への水の浸透を抑制する防水効果を有する。
プラスチックダンボール(プラスチックダンボール上にクッション材等を配置する場合は、クッション材等の上面)と防炎フィルムの接着方法は特に制限されるものではなく、通常用いられる接着剤を用いて接着することができるが、仕上がりや防炎防水効果の点から、後述するフィルム状熱接着剤を用いることが好ましい。
(防炎防水畳表接着工程)
本発明の防炎防水畳表接着工程は、防炎フィルムの上面に、フィルム状熱接着剤を用いて熱プレスにより防炎防水畳表を接着する工程であり、好ましくは防炎フィルムと畳表を直接接着する。本工程は、防炎フィルム工程の前後に行ってもよいが、同時に行うことが好ましい。すなわち、プラスチックダンボール(プラスチックダンボール上にクッション材等を配置する場合は、クッション材等の上面)の上面に、フィルム状熱接着剤、防炎フィルム及びフィルム状熱接着剤の順に積層した積層体を介して、防炎防水畳表を熱プレスにより接着することが好ましい。これにより、効率的かつより防炎防水効果の向上した製品を製造することができる。
本発明の防炎防水畳表接着工程は、防炎フィルムの上面に、フィルム状熱接着剤を用いて熱プレスにより防炎防水畳表を接着する工程であり、好ましくは防炎フィルムと畳表を直接接着する。本工程は、防炎フィルム工程の前後に行ってもよいが、同時に行うことが好ましい。すなわち、プラスチックダンボール(プラスチックダンボール上にクッション材等を配置する場合は、クッション材等の上面)の上面に、フィルム状熱接着剤、防炎フィルム及びフィルム状熱接着剤の順に積層した積層体を介して、防炎防水畳表を熱プレスにより接着することが好ましい。これにより、効率的かつより防炎防水効果の向上した製品を製造することができる。
フィルム状熱接着剤としては、熱プレスにより接着(溶融)可能なフィルム状の接着剤であれば特に制限されるものではなく、アクリル系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等種々の接着剤を用いることができる。接着剤の融点としては、熱プレスにより十分に溶融する程度の温度のものが好ましく、例えば、100℃以下のものが好ましく、90℃以下のものがより好ましい。フィルム状の接着剤を用いることにより、燃え広がりの原因となる畳表と防炎フィルムとの間の空気層を排除し、防炎性の十分に担保された畳を製造することができる。また、燃焼の一因となることのある接着剤自体の量を少量に抑えることができることから、これによっても、防炎性を向上させることができる。さらに、畳表面の仕上がりも向上する。
防炎防水畳表としては、例えば、防炎樹脂で加工された畳表を挙げることができ、防炎加工された市販の防炎畳表を使用することができる。防炎畳表は、通常樹脂で加工されたものであることから、防炎性と同時に防水性を備えている。
本発明の防炎防水畳表接着工程における熱プレスの温度としては、100〜150℃程度であることが好ましく、110〜130℃程度であることが好ましい。プレス時間としては、30〜180秒程度であることが好ましく、30〜120秒程度であることが好ましい。
本発明の底面材接着工程は、前記防炎防水畳表接着工程後に、防炎防水畳表を折り込んだ状態で、プラスチックダンボールの下面(断熱材等を配置する場合は、断熱材等の下面)に底面材を接着する工程である。底面材としては、滑り止めの機能を有する材料であることが好ましく、例えば、通常の畳の製造に用いられるポリエチレンシート等を用いることができる。
ここで、底面材を接着する前に畳表をプラスチックダンボールの下面(断熱材等を配置する場合は、断熱材等の下面)に接着しておくことが好ましく、この場合、プラスチックダンボールの開口が接着剤で塞がれないようにすることが好ましい。すなわち、プラスチックダンボールの開口部を養生テープ等のシート部材で覆い、その状態で畳表裏面やプラスチックダンボールの下面に接着剤を塗布し、その後、シート部材を除去して畳表をプラスチックダンボールの下面に接着することが好ましい。これにより、開口部が塞がれることなく広い開口を維持でき、プラスチックダンボールの水捌け能を十分に発揮させることができる。
本発明の製造方法において、好ましく設けられるクッション材接着工程は、プラスチックダンボールの上面に、クッション材を接着する工程であり、防炎フィルム接着工程の前に行われる。これにより、畳に適度な弾力性を持たせることができ、使用感が向上する。
クッション材としては、クッション性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリオレフィン発泡体(例えばポリエチレンフォーム)等の合成樹脂発泡体を挙げることができ、具体的には、東レ株式会社の「トーレペフ(登録商標)」を用いることができる。クッション材の厚さとしては、1〜10mm程度であり、1〜5mm程度であることが好ましい。このプラスチックダンボールとクッション材の接着は、ゴム系接着剤を用いて行われることが好ましく、例えば、スチレンブタジエンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、クロロプレン系接着剤、シリコーンゴム系接着剤を挙げることができる。この接着剤は、例えばスプレーガンを用いて対象物に付与することができる。ゴム系接着剤を用いることにより、接着と同時に、畳にクッション性を付与することができる。
本発明の断熱材接着工程は、プラスチックダンボールと断熱材を接着する工程であり、両者を直接接着することが好ましい。断熱材を設けることにより、敷詰畳としてより有用なものとなる。
断熱材としては、所定の厚さを有し、かつ断熱性を有するものであれば特に制限されるものではなく、厚さとしては、例えば、20mm以上であり、30mm以上であることが好ましい。材質としては、例えば、ポリスチレンフォーム等の合成樹脂発泡体を挙げることができる。合成樹脂発泡体は、吸水性がほとんどなく、水が浸入してきても躯体の性能が落ちないので特に好ましい。
断熱材としては、所定の厚さを有し、かつ断熱性を有するものであれば特に制限されるものではなく、厚さとしては、例えば、20mm以上であり、30mm以上であることが好ましい。材質としては、例えば、ポリスチレンフォーム等の合成樹脂発泡体を挙げることができる。合成樹脂発泡体は、吸水性がほとんどなく、水が浸入してきても躯体の性能が落ちないので特に好ましい。
このプラスチックダンボールの下面と断熱材の接着は、クッション材接着工程と同様、ゴム系接着剤を用いることが好ましく、スプレーガンを用いて付与することができる。
なお、本発明の製造方法においては、プラスチックダンボールの下面(断熱材等を配置する場合は、断熱材等の下面)に、クッション材を接着する第2クッション材接着工程を有していてもよい。詳細は、上述したクッション材接着工程と同様であるが、クッション材の形状は、折り込まれる畳表の存在しない部分に対応した形状であることが好ましい。
上記説明した本発明の製造方法により製造可能な本発明の防炎防水畳としては、開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボールと、該プラスチックダンボールの上面に接着された防炎フィルムと、該防炎フィルムの上面に接着された防炎防水畳表と、該防炎防水畳表を折り込んだ状態で底面に接着された底面材とを備えたことを特徴とし、プラスチックダンボールの下面に接着された断熱材を備えていてもよい。プラスチックダンボールの上面又は下面(断熱材等を配置する場合は、断熱材等の下面)に、クッション材が接着されていることが好ましい。
また、本発明の防炎防水畳においては、防炎フィルムの上面に、フィルム状熱接着剤を用いて熱プレスにより防炎防水畳表が接着されるので、防炎フィルムと防炎防水畳の間には、実質的に空気層のない均一な接着層が形成され、これにより、十分な防炎効果が発揮される。
本発明の防炎防水畳は、敷詰畳や、置き畳として用いることができるが、断熱材を接着材したものは、敷詰畳として好適に用いることができる。本発明の防炎防水畳の大きさは特に制限されるものではなく、例えば半畳や一畳分の大きさとすることができる。なお、本発明の防炎防水畳において、上面/下面に接着したとは、上面/下面に直接接着した場合のみならず、適当な材料を介して間接的に接着した場合も含む。
以下、本発明の防炎防水畳について、図面を用いて詳細に説明するが、本発明の範囲は本実施形態に制限されるものではない。図1は、本発明の第1の実施形態に係る防炎防水畳(敷詰用)の概略構成図であり、図2は、本発明の第1の実施形態に係る防炎防水畳の製造方法のフローを示す図であり、図3は、本発明の第2の実施形態に係る防炎防水畳(置き畳)の概略構成図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る防炎防水畳1は、プラスチックダンボール2(厚さ約11mm)と、プラスチックダンボール2の下面に接着された断熱材としてのポリスチレンフォーム3(厚さ約33mm)と、プラスチックダンボール2の上面に接着されたクッション材としてのポリエチレンフォーム4(厚さ約3mm)と、ポリエチレンフォーム4の上面に接着された防炎フィルム5と、防炎フィルム5の上面に接着された防炎防水畳表6と、ポリスチレンフォーム3の下面に接着されたクッション材としてのポリエチレンフォーム7(厚さ約3mm)と、防炎防水畳表6を折り込んだ状態で底面に接着された底面材としてのポリエチレンシート8とを備えている。全体の厚さとしては、55mm程度である。
各部材は、接着剤で接着されているが、特にポリエチレンフォーム4及び防炎防水畳表6は、フィルム状熱接着剤9、防炎フィルム5及びフィルム状熱接着剤9の順に積層した積層体を介して、熱プレスにより接着を行い、防炎防水機能を十分に担保できるようにした。なお、プラスチックダンボール2としては、宇部エクシモ株式会社製の「ダンプレート(開口10mm)」を用い、防炎フィルム5としては、アキレス株式会社製の「アキレスフラーレ」を用い、防炎防水畳表6としては、SEKISUI社製の「セキスイ美草(防炎ござ)」を用いた。
このような本発明の第1の実施形態に係る防炎防水畳の製造方法を以下説明する。
図2及び図3に示すように、まず、プラスチックダンボール2の下面に、ポリスチレンフォーム3をゴム系接着剤10を用いて接着した(断熱材接着工程:S1)。次に、プラスチックダンボール2の上面及びポリスチレンフォーム3の下面に、ポリエチレンフォーム4,7をゴム系接着剤10を用いて接着した(クッション材接着工程:S2)。続いて、フィルム状熱接着剤9、防炎フィルム5及びフィルム状熱接着剤9の順に積層した積層体を介して、防炎防水畳表6とポリエチレンフォーム4を熱プレスにより接着した(防炎フィルム接着工程,防炎防水畳表接着工程:S3)。熱プレスの温度は120℃程度であり、プレス時間は60秒程度とした。なお、フィルム状熱接着剤としては、アクリル系ホットメルト接着剤(EVA60%,水添石油脂20%,アクリル15%,その他5%)を用いた。
図2及び図3に示すように、まず、プラスチックダンボール2の下面に、ポリスチレンフォーム3をゴム系接着剤10を用いて接着した(断熱材接着工程:S1)。次に、プラスチックダンボール2の上面及びポリスチレンフォーム3の下面に、ポリエチレンフォーム4,7をゴム系接着剤10を用いて接着した(クッション材接着工程:S2)。続いて、フィルム状熱接着剤9、防炎フィルム5及びフィルム状熱接着剤9の順に積層した積層体を介して、防炎防水畳表6とポリエチレンフォーム4を熱プレスにより接着した(防炎フィルム接着工程,防炎防水畳表接着工程:S3)。熱プレスの温度は120℃程度であり、プレス時間は60秒程度とした。なお、フィルム状熱接着剤としては、アクリル系ホットメルト接着剤(EVA60%,水添石油脂20%,アクリル15%,その他5%)を用いた。
次に、プラスチックダンボール2の開口部が接着剤で塞がれないように、開口部を養生テープで覆い、その状態で畳表裏面にポリオレフィン樹脂系接着剤11を塗布し、その後、養生テープを除去して防炎防水畳表6をポリスチレンフォーム3の下面に接着した。さらに、接着層を有するポリエチレンシート8を底面に貼付した(底面材接着工程:S4)。以上の工程により、本発明の一実施形態に係る防炎防水畳1を製造した。
また、本発明の第2の実施形態に係る防炎防水畳20は、プラスチックダンボール2と、プラスチックダンボール2の上面に接着されたクッション材としてのポリエチレンフォーム4と、ポリエチレンフォーム4の上面に接着された防炎フィルム5と、防炎フィルム5の上面に接着された防炎防水畳表6と、プラスチックダンボール2の下面に接着されたクッション材としてのポリエチレンフォーム7と、防炎防水畳表6を折り込んだ状態で底面に接着された底面材としてのポリエチレンシート8とを備えている。全体の厚さとしては、22mm程度である。すなわち、断熱材としてのポリスチレンフォームを備えていないこと以外は、第1の実施形態のものと同様であり、その製造方法も同様である。
本発明の第2の実施形態に係る防炎防水畳を用いて、防水防炎機能を評価した。
防炎機能の評価としては、公益財団法人 日本防炎協会において、性能確認を行った。その結果、消防法施行令第4条の3の基準に合格しているとの結果が得られた。
他方、防炎フィルムを用いないものは、その多くがプラスチックダンボールまで燃えてしまった。また、防炎フィルムを用いたものでも、防炎フィルムと防炎防水畳表が密着しておらず、空気層を有するものは、十分な防炎効果が得られなかった(図4左参照)。
防炎機能の評価としては、公益財団法人 日本防炎協会において、性能確認を行った。その結果、消防法施行令第4条の3の基準に合格しているとの結果が得られた。
他方、防炎フィルムを用いないものは、その多くがプラスチックダンボールまで燃えてしまった。また、防炎フィルムを用いたものでも、防炎フィルムと防炎防水畳表が密着しておらず、空気層を有するものは、十分な防炎効果が得られなかった(図4左参照)。
防水機能の評価としては、本発明の第2の実施形態に係る防炎防水畳の水洗いを10回繰り返し行ったが、速乾性に優れ、繰り返し使用できるものであることを確認した。
なお、防炎フィルムを用いないものについては、水洗い後の乾燥に長時間を要した。
なお、防炎フィルムを用いないものについては、水洗い後の乾燥に長時間を要した。
本発明の防炎防水畳は、十分な防水機能及び防炎機能を兼ね備えており、産業上の利用価値は高い。
1 防炎防水畳
2 プラスチックダンボール
3 ポリスチレンフォーム(断熱材)
4 ポリエチレンフォーム(クッション材)
5 防炎フィルム
6 防炎防水畳表
7 ポリエチレンフォーム(クッション材)
8 ポリエチレンシート(底面材(滑止材))
9 フィルム状熱接着剤
10 ゴム系接着剤
11 ポリオレフィン樹脂系接着剤
20 防炎防水畳
2 プラスチックダンボール
3 ポリスチレンフォーム(断熱材)
4 ポリエチレンフォーム(クッション材)
5 防炎フィルム
6 防炎防水畳表
7 ポリエチレンフォーム(クッション材)
8 ポリエチレンシート(底面材(滑止材))
9 フィルム状熱接着剤
10 ゴム系接着剤
11 ポリオレフィン樹脂系接着剤
20 防炎防水畳
Claims (12)
- 開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボールの上面に、防炎フィルムを接着する防炎フィルム接着工程と、
防炎フィルムの上面に、フィルム状熱接着剤を用いて熱プレスにより防炎防水畳表を接着する防炎防水畳表接着工程と、
前記防炎防水畳表を折り込んだ状態で、前記プラスチックダンボールの下面に底面材を接着する底面材接着工程と、
を有することを特徴とする防炎防水畳の製造方法。 - 防炎フィルム接着工程及び防炎防水畳表接着工程が、プラスチックダンボールの上面に、フィルム状熱接着剤、防炎フィルム及びフィルム状熱接着剤の順に積層した積層体を介して、防炎防水畳表を熱プレスにより接着する一体工程からなることを特徴とする請求項1記載の防炎防水畳の製造方法。
- プラスチックダンボールの上面に、クッション材を接着するクッション材接着工程を有することを特徴とする請求項1又は2記載の防炎防水畳の製造方法。
- 防炎防水畳が、置き畳であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の防炎防水畳の製造方法。
- プラスチックダンボールの下面に、断熱材を接着する断熱材接着工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の防炎防水畳の製造方法。
- 防炎防水畳が、敷詰畳であることを特徴とする請求項5記載の防炎防水畳の製造方法。
- 開口部の一辺の長さが5mm以上のプラスチックダンボールと、
該プラスチックダンボールの上面に接着された防炎フィルムと、
該防炎フィルムの上面に接着された防炎防水畳表と、
該防炎防水畳表を折り込んだ状態で底面に接着された底面材と
を備えることを特徴とする防炎防水畳。 - プラスチックダンボールの上面に、クッション材が接着されたことを特徴とする請求項7記載の防炎防水畳。
- 置き畳であることを特徴とする請求項7又は8記載の防炎防水畳。
- プラスチックダンボールの下面に接着された断熱材を備えることを特徴とする請求項7又は8記載の防炎防水畳。
- 敷詰畳であることを特徴とする請求項10記載の防炎防水畳。
- 防炎フィルムと防炎防水畳表との間に実質的に空気層のない均一な接着層を有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか記載の防炎防水畳。
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