JP2017206493A - 伸縮性布帛用害虫忌避剤 - Google Patents

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優八 鈴木
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祐士 久田
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Abstract

【課題】ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛に伸長状態で塗布しても、繊維が劣化、変質しにくい害虫忌避剤を提供する。
【解決手段】本発明に係る害虫忌避剤は、伸長状態にある伸縮性布帛に塗布するための害虫忌避剤であり、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、およびp−メンタン−3,8−ジオールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛に伸長状態で塗布しても、繊維が劣化、変質しにくい害虫忌避剤に関する。
蚊、ダニ、ノミなどの吸血害虫は、種々の感染症(例えば、マラリア、黄熱、ライム病、ペスト、チフス、デング熱など)を媒介する。従来、これらの吸血害虫による被害を防止するために、種々の殺虫剤、忌避剤などの製品が開発されている。このような製品としては、例えば、ジエチルトルアミド(DEET)などを含む薬液を、皮膚に直接塗布して使用するものが一般に用いられている。しかし、皮膚に薬液を直接塗布すると、汗と一緒に忌避成分が流れる、体温によって忌避成分が揮散しやすいなどの現象が生じる。その結果、忌避効果の持続時間が比較的短くなり、吸血被害を長時間受けないようにするためには、頻繁に薬液を皮膚に塗布する必要がある。
吸血害虫の中でも、特に蚊は衣服の上からでも吸血行動を起こすことができる。そのため、特許文献1には、繊維自体に忌避剤を処理することが開示されている。繊維自体に忌避剤を処理すれば、皮膚に忌避剤を直接塗布するよりも、忌避効果の持続時間を長くすることができる。しかし、任意の繊維に適用できるわけではなく、忌避剤を繊維に長時間保持させるためには繊維に特殊な加工が必要であり、利便性に欠けるという問題がある。
さらに、引用文献2には、衣服に忌避効果を付与するために、衣服に忌避剤を塗布することが記載されている。しかし、衣服の素材や厚みなどによっては、繊維が忌避剤によって劣化したり変質したりすることがある。例えば、ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛については、繊維の劣化や変質が生じやすい。特に、伸長状態で忌避剤が付着していると、繊維の劣化や変質が著しくなる。そのため、足は露出部分が広いにもかかわらず、忌避剤が塗布されたストッキングやタイツは着用できないし、着用時にストッキングやタイツに忌避剤を塗布することもできない。
特開平6−346373号公報 特開2013−237636号公報
本発明の課題は、ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛に伸長状態で塗布しても、繊維が劣化、変質しにくい害虫忌避剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、およびp−メンタン−3,8−ジオールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含む、伸長状態にある伸縮性布帛に塗布するための害虫忌避剤。
(2)伸縮性布帛が、150〜500%の伸縮率を有する上記(1)に記載の害虫忌避剤。
(3)伸縮性布帛が、5〜300デニールの繊維で形成されている上記(1)または(2)に記載の害虫忌避剤。
(4)伸縮性布帛が、ポリウレタンおよびポリアミドの少なくとも1種を含む繊維で形成されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載の害虫忌避剤。
(5)3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、およびp−メンタン−3,8−ジオールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、伸長状態にある伸縮性布帛に塗布することを特徴とする害虫忌避効果の付与方法。
(6)化合物が、伸長状態にある伸縮性布帛に0.1〜3.0mg/cm2の割合で塗布される上記(5)に記載の付与方法。
本発明の害虫忌避剤によれば、ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛に伸長状態で塗布しても、繊維が劣化、変質しにくい。したがって、本発明の害虫忌避剤は、ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛にも、害虫忌避効果を付与することができる。本明細書において「劣化、変質」とは、布帛にヨレやノビが発生することを意味する。
図1(A)は、引き伸ばす前(通常の状態)の試験片を示す説明図であり、図1(B)は、引き伸ばした状態で添え木に固定された試験片を示す説明図である。
本発明の害虫忌避剤は、伸長状態にある伸縮性布帛に塗布される点に特徴があり、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、およびp−メンタン−3,8−ジオールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「特定の化合物」と記載する場合がある)を有効成分として含む。なお、本明細書において「布帛」とは、織物、編物(ニット)、不織布など意味し、特にストッキング(パンティストッキングも含む)、タイツ、スパッツ、伸縮性シャツなどの編物を意味する。
3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチルは、下記の式(A)に示される構造を有している。
Figure 2017206493
2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピルは、下記の式(B)に示される構造を有している。
Figure 2017206493
p−メンタン−3,8−ジオールは、下記の式(C)に示される構造を有している。
Figure 2017206493
本発明の害虫忌避剤は、これらの特定の化合物を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。これらの特定の化合物を、そのまま害虫忌避剤として使用してもよい。しかし、本発明の害虫忌避剤は、さらに溶剤を含むことが好ましい。すなわち、これらの特定の化合物は、好ましくは所望の溶剤で希釈して使用される。
溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコールなどの1価アルコール類、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、水などが挙げられる。これらの溶剤の中でも、伸縮性布帛への影響が少ない点から、エタノールが好ましい。溶剤を用いる場合、本発明の害虫忌避剤には、特定の化合物が害虫忌避効果を発揮する程度に含まれていればよく、好ましくは1〜30w/v%、より好ましくは5〜25w/v%の割合で含まれる。
本発明の害虫忌避剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、香料、酸化防止剤、消臭剤、色素、キレート剤、界面活性剤、保留剤、pH調整剤、殺菌剤、防カビ剤などの添加剤が含まれていてもよい。
本発明の害虫忌避剤を製造する方法は特に限定されない。例えば、特定の化合物と溶剤と、必要に応じて上記の添加剤とを混合して撹拌し、特定の化合物や添加剤を溶剤に溶解あるいは分散させればよい。
本発明の害虫忌避剤を伸縮性布帛に塗布する方法は、特に限定されない。通常、スプレー形態、エアゾール形態などで使用される。本発明の害虫忌避剤がスプレー形態で使用される場合、本発明の害虫忌避剤を、例えば霧吹きのような液体を噴霧し得る容器に入れて使用すればよい。一方、本発明の害虫忌避剤がエアゾール形態で使用される場合、エアゾール缶に、本発明の害虫忌避剤と噴射剤とを入れて使用すればよい。噴射剤としては、例えば、液化石油ガス、ジメチルエーテル、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、窒素ガス、炭酸ガスなどが挙げられる。本発明の害虫忌避剤がスプレー形態またはエアゾール形態で使用される場合、噴霧される液滴の平均粒子径は特に限定されず、例えば、噴口から30cm離れた位置における50%平均粒子径は10〜200μm程度である。
本発明の害虫忌避剤は、上記のように、伸長状態にある伸縮性布帛に塗布される点に特徴がある。すなわち、本発明の害虫忌避剤は、繊維に「伸長状態」という過酷な負荷がかけられた状態で使用するものである。繊維は張力などの負荷がかけられると、通常の状態よりも劣化や変質、あるいは破断しやすくなる。そのため、負荷がかけられた状態の繊維には、劣化が促進される可能性があり、通常、薬剤などは塗布しないのが好ましい。本発明の害虫忌避剤は、繊維に「伸長状態」という過酷な負荷がかけられた状態であっても、繊維にほとんど影響を及ぼさない薬剤を見出してなされたものである。
伸縮性布帛とは、引っ張れば容易に伸び、放すと元に戻る(縮む)布帛であり、好ましくは初期と比べて150〜500%の伸縮率、より好ましくは250〜350%の伸縮率を有する伸縮性布帛が挙げられる。伸縮性布帛を形成している繊維の太さは特に限定されない。伸縮性布帛は、好ましくは5〜300デニール、より好ましくは10〜100デニールの繊維で形成されている。さらに、布帛の厚みも特に限定されず、好ましくは0.01〜1.5mm程度、より好ましくは0.02〜0.5mm程度である。
伸縮性布帛を形成している繊維としては、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。伸縮性布帛は、1種類の繊維のみから形成されていてもよく、2種以上の繊維から形成されていてもよい。伸縮性布帛は、例えば、ストッキング(パンティストッキングも含む)、タイツ、スパッツ、伸縮性シャツなどの製品として使用される。
伸縮性布帛への本発明の害虫忌避剤の塗布量は特に限定されない。例えば、伸長状態にある伸縮性布帛に、特定の化合物が、好ましくは0.1〜3.0mg/cm2、より好ましくは0.2〜1.5mg/cm2の割合となるように塗布される。なお、本発明の害虫忌避剤は、伸縮性布帛を伸長状態にして塗布してもよく、伸縮性布帛に塗布した後に伸長状態にしてもよい。すなわち、本発明の害虫忌避剤が付着した状態で、伸縮性布帛が伸長状態にあればよい。
例えば、ストッキングやタイツに本発明の害虫忌避剤を塗布する場合、ストッキングやタイツを着用して伸長状態にした後に本発明の害虫忌避剤を塗布してもよく、本発明の害虫忌避剤を塗布したストッキングやタイツを着用して伸長状態にしてもよい。
このように、本発明の害虫忌避剤は、ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛に伸長状態で塗布しても、繊維を劣化、変質させにくい。したがって、本発明の害虫忌避剤は、ストッキングやタイツのように薄く伸縮性を有する布帛にも、害虫忌避効果を付与することができる。その結果、本発明の害虫忌避剤は、例えばストッキングやタイツに塗布すると、露出部分が広い足などを蚊、ダニ、ノミなどの害虫から守ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例1:ストッキング(通常の状態)に及ぼすエタノールの影響)
市販されている白色のストッキング(「Nurse White」、(株)レヴアル製、ポリウレタン・ナイロン製、20デニール)および茶色のストッキング(「ひきしめて伝線しにくい消臭ストッキング」、アツギ(株)製、ポリウレタン・ナイロン製、20デニール)を、それぞれ幅1.5cmおよび長さ9cmの短冊状に切り取り、試験片(白色および茶色)を得た。それぞれの試験片について、下記の手順で試験を行った。
図1(A)に示すように、試験片を引き伸ばさずに(すなわち通常の状態で)、無水エタノールに40℃で24時間浸漬した。浸漬から24時間後、無水エタノールから試験片を取り出し、試験片に付着している無水エタノールを軽く拭き取った。次いで、試験片を精製水中に浸漬し、振盪器を用いて洗浄した(120rpm、20℃で5分間)。洗浄後、試験片に付着している水を軽く拭き取り、室温で12時間乾燥させた。乾燥後、試験片の長さを測定した。試験前の試験片の長さを基準に(100%)、試験後の試験片がどの程度伸縮したかを(対初期長さ)、得られた測定値から下記の式を用いて算出した。対初期長さが100%を超えていると、伸びる現象が生じたと判断できる。白色および茶色のストッキングの対初期長さは、いずれも94.4%であり、伸びていなかった。
対初期長さ(%)=(A/B)×100 (I)
A:試験後の試験片の長さ(cm)
B:試験前の試験片の長さ(9cm)
(参考例2)
無水エタノールの代わりに、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル(化合物A)の10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例3)
無水エタノールの代わりに、化合物Aの20w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例4)
無水エタノールの代わりに、化合物Aの30w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例5)
無水エタノールの代わりに、化合物Aの原液(100%)を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例6)
無水エタノールの代わりに、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル(化合物B)の10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例7)
無水エタノールの代わりに、化合物Bの原液(100%)を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例8)
無水エタノールの代わりに、p−メンタン−3,8−ジオール(化合物C)の10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例9)
無水エタノールの代わりに、化合物Cの原液(100%)を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例10)
無水エタノールの代わりに、ジエチルトルアミド(DEET)の10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例11)
無水エタノールの代わりに、DEETの20w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
(参考例12)
無水エタノールの代わりに、DEETの30w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表1に示す。
Figure 2017206493
表1に示すように、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、p−メンタン−3,8−ジオール、またはDEETを含む溶液を処理した参考例2〜12は、無水エタノールのみを処理した参考例1と対初期長さに大きな差がない。すなわち、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、p−メンタン−3,8−ジオール、およびDEETは、通常の状態のストッキングにほとんど影響を及ぼさないことがわかる。
(参考例13:ストッキング(3倍伸長)に及ぼすエタノールの影響)
図1(B)に示すように、試験片を長さ方向に引き伸ばした状態で(3倍伸長)、試験を行った以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例1と同様の手順で試験を行った。すなわち、図1に示すように、試験片を長さ方向に引き伸ばした状態で(3倍伸長)、無水エタノールに40℃で24時間浸漬した。図1(A)は引き伸ばす前(通常の状態)の試験片1を示し、領域Xは引き伸ばして固定する際の掴み代を示す。図1(B)は試験片1を引き伸ばした状態で、添え木2に固定手段3を用いて固定した状態を示す。浸漬から24時間後、溶液から試験片を取り出し、試験片に付着している溶液を軽く拭き取った。次いで、試験片を精製水中に浸漬し、振盪器を用いて洗浄した(120rpm、20℃で5分間)。洗浄後、試験片に付着している水を軽く拭き取り、室温で12時間乾燥させた。乾燥後、試験片を通常の状態に戻して長さを測定した。試験前の試験片の長さを基準に(100%)、試験後の試験片がどの程度伸縮したかを(対初期長さ)、得られた測定値から上記式(I)を用いて算出した。白色のストッキングの対初期長さは122.2%であり、茶色のストッキングの対初期長さは107.8%であった。参考例13では、ストッキングを24時間3倍伸長させているため、参考例1と比較して、対初期長さが若干大きくなったことがわかる。
(実施例1)
無水エタノールの代わりに、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル(化合物A)の10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(実施例2)
無水エタノールの代わりに、化合物Aの20w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(実施例3)
無水エタノールの代わりに、化合物Aの30w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(実施例4)
無水エタノールの代わりに、化合物Aの原液(100%)を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(実施例5)
無水エタノールの代わりに、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル(化合物B)の10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(実施例6)
無水エタノールの代わりに、化合物Bの原液(100%)を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(実施例7)
無水エタノールの代わりに、p−メンタン−3,8−ジオール(化合物C)の10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(実施例8)
無水エタノールの代わりに、化合物Cの原液(100%)を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(比較例1)
無水エタノールの代わりに、DEETの10w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(比較例2)
無水エタノールの代わりに、DEETの20w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
(比較例3)
無水エタノールの代わりに、DEETの30w/v%エタノール溶液を用いた以外は、白色および茶色の試験片それぞれについて、参考例13と同様の手順で試験を行った。対初期長さの結果を表2に示す。
Figure 2017206493
表2に示すように、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチルのエタノール溶液を用いた実施例1〜3では、無水エタノールのみを用いた参考例13と比べて、ほとんど対初期長さが変化していないことがわかる。3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチルをエタノールで希釈せずに原液を用いた実施例4でも、無水エタノールのみを用いた参考例13と比べて、ほとんど対初期長さが変化していないことがわかる。このように、3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル自体がストッキングに対して、ほとんど影響を及ぼしていないことがわかる。
2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピルを用いた実施例5では、無水エタノールのみを用いた参考例13と比べて、ほとんど対初期長さが変化していないことがわかる。2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピルをエタノールで希釈せずに原液を用いた実施例6でも、無水エタノールを用いた参考例13と比べて、ほとんど対初期長さが変化していないことがわかる。このように、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル自体がストッキングに対して、ほとんど影響を及ぼしていないことがわかる。
p−メンタン−3,8−ジオールを用いた実施例7では、無水エタノールのみを用いた参考例13と比べて、ほとんど対初期長さが変化していないことがわかる。p−メンタン−3,8−ジオールをエタノールで希釈せずに原液を用いた実施例8でも、無水エタノールを用いた参考例13と比べて、ほとんど対初期長さが変化していないことがわかる。このように、p−メンタン−3,8−ジオール自体がストッキングに対して、ほとんど影響を及ぼしていないことがわかる。
一方、DEETを用いた比較例1〜3では、参考例13と比べていずれも対初期長さが大きくなっていることがわかる。すなわち、DEETがストッキングに影響を及ぼし、ストッキングが大きく伸びていることがわかる。
上記の各実施例、比較例および参考例では、ストッキングを用いて試験を行った。例えば、ストッキングのように伸縮するタイツやパンティストッキングを用いて試験を行っても、同様の結果が得られると考える。
1 試験片
2 添え木
3 固定手段

Claims (6)

  1. 3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、およびp−メンタン−3,8−ジオールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含む、伸長状態にある伸縮性布帛に塗布するための害虫忌避剤。
  2. 前記伸縮性布帛が、150〜500%の伸縮率を有する請求項1に記載の害虫忌避剤。
  3. 前記伸縮性布帛が、5〜300デニールの繊維で形成されている請求項1または2に記載の害虫忌避剤。
  4. 前記伸縮性布帛が、ポリウレタンおよびポリアミドの少なくとも1種を含む繊維で形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の害虫忌避剤。
  5. 3−[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルプロピル、およびp−メンタン−3,8−ジオールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、伸長状態にある伸縮性布帛に塗布することを特徴とする害虫忌避効果の付与方法。
  6. 前記化合物が、前記伸長状態にある伸縮性布帛に0.1〜3.0mg/cm2の割合で塗布される請求項5に記載の付与方法。
JP2017015000A 2016-05-17 2017-01-31 伸縮性布帛用害虫忌避剤 Pending JP2017206493A (ja)

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