JP2017204914A - 鉄道車両用電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従って、主電動機として誘導電動機を用いる場合と比較して、インバータ回路の設置面積(及び設置容積)が増大し、ひいては、電気車制御装置が大型化する虞があった。
このため、近年において複数のインバータ回路を一つのインバータユニットに集約することで電気車制御装置の小型化を図ることが提案されている。
さらには、主電動機として誘導電動機を用いていた場合と同様に、主電動機の駆動と、サービス電源の供給とを一つのインバータユニットで行えるようにすることも望まれている。
そして、複数のインバータ回路のうち一つのインバータ回路は、少なくとも鉄道車両の非走行時に低電圧機器にサービス電源を供給するためのトランスに接続可能とされている。
図1は、実施形態の電気車制御装置を搭載した鉄道車両の外観側面図である。
鉄道車両10は、鉄道車両本体11と、直流き電線(架線)12にパンタグラフ(集電装置)13を介して接続されるとともに、車輪14及び線路15を介して設置される電力変換ユニット(インバータユニット)16と、を備えている。
ユニット筐体21は、筐体本体22と、筐体本体22に対して突設され、空冷部18を収納する空冷部カバー23と、を備えている。
次に、第1実施形態の電力変換ユニットについて説明する。
図2は、第1実施形態の電力変換ユニットの概要回路構成を示す図である。
電力変換ユニット16は、パンタグラフ13を介して直流き電線12に接続され、高速に遮断を行う高速遮断器31と、高速遮断器31に直列に接続された開放接触器32と、開放接触器32に直列に接続され、後述のフィルタコンデンサ36への充電を行うための充電接触器33と、充電接触器33と並列に接続されフィルタコンデンサ36の初期充電電流を制限するための充電抵抗器34と、供給電力の電圧の安定化を図るためのフィルタリアクトル35と、フィルタリアクトル35と共働して供給電力の電圧の安定化を図るためのフィルタコンデンサ36と、並列に接続された直流−三相交流変換を行う四つのインバータ37−1〜37−4が一体とされて4イン1インバータユニットとされたインバータユニット38と、を備えている。
また、4イン1インバータユニットとしてのインバータユニット38は、四つのインバータ37−1〜37−4が空冷部18を構成している一つの受熱板61の一方の面に熱的に結合可能に配置されており、受熱板61の他方の面には、ヒートパイプ及び放熱フィン(放熱器)を備え空冷部18を構成している放熱部62が接続されている。
インバータユニット38は、鉄道車両10の走行時には、必要とされる駆動能力に応じて最大4個の主電動機39−1〜39−4を駆動する。
CM1<CS<CM2<CM3<CM4
したがって、上記関係を満たす場合には、冷却装置の必要冷却能力CCは、次式を満たすようにすることで、走行時及び非走行時に必要とされる冷却能力を満たすことが可能となる。
CM4≦CC
この結果、走行時と非走行時で同様の冷却効果が得られるようになっている。
まず、走行時の動作について説明する。
直流き電線12からの直流電力は、パンタグラフ13を介して電気車制御装置に供給される。
このときの冷却装置の必要冷却能力CCは、上述したように、
CM4≦CC
となっているので、インバータユニット38を構成している全てのインバータ37−1〜37−4を駆動したとしても確実に冷却できることとなる。
以下の説明においては、走行後に駅などで停車し、非走行状態となったものとする。
したがって、既にコントローラ50により高速遮断器31、開放接触器32及び充電接触器33が閉状態とされており、フィルタコンデンサ36には、十分な電荷が蓄積されているものとする。
そして、コントローラ50は、接触器ユニット40−1を構成している三つの接触器を全て開状態(オフ状態)とする。この結果、主電動機39−4への電力供給は停止される。
これにより、供給された三相交流電力は、トランス41により降圧され、負荷装置42に供給され、負荷装置42を構成している低圧機器群を駆動するための低圧三相交流電力となり、低圧機器群が駆動される。
CS<CM4≦CC
となっているので、サービス電源供給用インバータとして機能しているインバータ37−4を非走行時であっても確実に冷却できることとなる。
次に、第2実施形態の電力変換ユニットについて説明する。
図3は、第2実施形態の電力変換ユニットの概要回路構成を示す図である。
図3において、図2と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
電力変換ユニット16Xは、大別すると、主電動機39−1A〜39−4Aを備えた第1電力変換部16Aと、負荷装置42が電気的に接続される第2電力変換部16Bと、電力変換ユニット16X全体を制御するコントローラ50Aと、を備えている。
第1電力変換部16Aは、パンタグラフ13を介して直流き電線12に接続され、高速に遮断を行う高速遮断器31Aと、高速遮断器31Aに直列に接続された開放接触器32Aと、開放接触器32Aに直列に接続され、後述のフィルタコンデンサ36Aへの充電を行うための充電接触器33Aと、充電接触器33Aと並列に接続されフィルタコンデンサ36Aの初期充電電流を制限するための充電抵抗器34Aと、供給電力の電圧の安定化を図るためのフィルタリアクトル35Aと、フィルタリアクトル35Aと共働して供給電力の電圧の安定化を図るためのフィルタコンデンサ36Aと、並列に接続された直流−三相交流変換を行う四つのインバータ37−1A〜37−4Aが一体とされて4イン1インバータユニットとされたインバータユニット38Aと、を備えている。
また、第1実施形態と同様に、4イン1インバータユニットとしてのインバータユニット38Aは、四つのインバータ37−1A〜37−4Aが一つの受熱板の一方の面に熱的に結合可能に配置されており、受熱板61の他方の面には、ヒートパイプを介して放熱フィン(放熱器)が接続され、同様に4イン1インバータユニットとしてのインバータユニット38Bは、四つのインバータ37−1B〜37−4Bが一つの受熱板61の一方の面に熱的に結合可能に配置されており、受熱板61の他方の面には、ヒートパイプを介して放熱フィン(放熱器)が接続されている。ここで、ヒートパイプ及び放熱フィンは、放熱部62を構成している。
さらに通常時には、インバータユニット38Bのインバータ37−3Bは、サービス電源供給用インバータとして機能することとなる。
まず、インバータユニット38Bの正常時、かつ、走行しようとする際の動作について説明する。
この場合において、コントローラ50Aは、接触器ユニット40−1は閉状態、接触器ユニット40−2は開状態、接触器ユニット40−3は閉状態としているものとする。
第1電力変換部16Aにおいて、直流き電線12からの直流電力は、パンタグラフ13を介して電気車制御装置に供給される。
第2電力変換部16Bにおいても、直流き電線12からの直流電力は、パンタグラフ13を介して電気車制御装置に供給される。
そして、供給された三相交流電力は、トランス41により降圧され、負荷装置42に供給され、負荷装置42を構成している低圧機器群が駆動される。
この場合において、コントローラ50Aは、インバータ37−3Bの異常を検出していたとすると、直流切換接触器51Aは開状態、直流切換接触器51Bは閉状態、直流切換接触器51Cは開状態とされ、接触器ユニット40−1は開状態、接触器ユニット40−2は閉状態、接触器ユニット40−3は開状態とされる。
この結果、主電動機39−4Aに電気的に接続されていたインバータ37−4Aは主電動機39−4Aから電気的に切断された状態となり、トランス41に電気的に接続されていたインバータ37−3Bはトランス41から電気的に切断された状態となる。
これらに対し、直流切換接触器51Bは閉状態、直流切換接触器51Cは開状態であるので、高速遮断器31B、開放接触器32B、充電抵抗器34B及びフィルタリアクトル35Bは、インバータユニット38Aに接続されることとなる。
この結果、第2電力変換部16Bに供給された直流電力は、コントローラ50Aにより高速遮断器31Bが閉状態(オン状態)とされ、さらに開放接触器32Bが閉状態とされて、充電抵抗器34B、フィルタリアクトル35Bを介してフィルタコンデンサ36Aに供給される。
これに対し、インバータ37−4Aに供給された直流電力は、三相交流電力に変換され、接触器ユニット40−2を介して、トランス41に供給される。
そして、供給された三相交流電力は、トランス41により降圧され、負荷装置42に供給され、負荷装置42を構成している低圧機器群が駆動される。
このときのインバータユニット38A及びインバータユニット38Bのそれぞれに対応する冷却装置の必要冷却能力CCは、上述した場合と同様に、
CS<CM4≦CC
となっているので、サービス電源供給用インバータとして機能するインバータ37−4Aあるいはインバータ37−3Bを非走行時であっても確実に冷却できることとなる。
以上の説明においては、サービス電源供給用インバータとして機能するインバータを1系統のみとしていたが、複数系統用いるように構成することも可能である。
11 鉄道車両本体
12 直流き電線(架線)
13 パンタグラフ(集電装置)
14 車輪
15 線路
16、16X 電力変換ユニット
16A 第1電力変換部
16B 第2電力変換部
17 電力変換装置
18 空冷部
21 ユニット筐体
22 筐体本体
23 空冷部カバー
31、31A、31B 高速遮断器
32、32A、32B 開放接触器
33、33A、33B 充電接触器
34、34A、34B 充電抵抗器
35、35A、35B フィルタリアクトル
36、36A、36B フィルタコンデンサ
37−1〜37−4 インバータ
37−1A〜37−4A インバータ
37−1B〜37−4B インバータ
38、38A、38B インバータユニット
39−1A〜39−4A 主電動機
39−1B〜39−4B 主電動機
40−1〜40−3 接触器ユニット
41 トランス
42 負荷装置
50A コントローラ
51A〜51C 直流切換接触器
61 受熱板
62 放熱部
Claims (6)
- 複数のインバータ回路と、前記複数のインバータ回路で共用され、前記複数のインバータ回路を空気冷却するための冷却部と、を有するインバータユニットを備え、
前記複数のインバータ回路のうち一つのインバータ回路は、少なくとも鉄道車両の非走行時に低電圧機器にサービス電源を供給するためのトランスに接続可能とされている、
鉄道車両用電力変換装置。 - 前記サービス電源の供給時に、前記一つのインバータ回路以外のインバータ回路を停止状態とする制御部を備えた、
請求項1記載の鉄道車両用電力変換装置。 - 前記一つのインバータ回路を駆動用電動機あるいは前記トランスに排他的に接続する切換回路を備え、
前記制御部は、前記サービス電源の供給時に、前記切換回路を前記トランス側に切り換える、
請求項2記載の鉄道車両用電力変換装置。 - 前記インバータユニットを収納する筐体を備え、
前記筐体は、前記冷却部に鉄道車両の走行時の走行風が当たらないように遮断する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の鉄道車両用電力変換装置。 - 複数のインバータ回路と、前記複数のインバータ回路で共用され、前記複数のインバータ回路を空気冷却するための冷却部と、を有するインバータユニットを複数備え、
前記複数のインバータユニットのうちのいずれか一つである第1インバータユニットを構成している前記複数のインバータ回路のうち一つのインバータ回路である第1インバータ回路は、鉄道車両の非走行時に低電圧機器にサービス電源を供給するためのトランスに接続され、
前記複数のインバータユニットのうちのいずれか他の一つである第2インバータユニットを構成している前記複数のインバータ回路のうち一つのインバータ回路である第2インバータ回路は、鉄道車両の非走行時に低電圧機器にサービス電源を供給するためのトランスに接続可能とされ、
さらに、前記第1インバータ回路あるいは前記第2インバータ回路を前記トランスに排他的に接続する切換回路と、
前記第1インバータ回路が前記サービス電源を供給できなくなった場合に、前記切換回路を制御して前記第2インバータ回路を前記トランスに接続させる制御部と、
を備えた鉄道車両用電力変換装置。 - 前記インバータユニットのそれぞれの前段に、集電装置を介してき電線から供給される電力の変動を抑制するためのフィルタコンデンサを備え、
前記切換回路は、前記第1インバータユニットの前段のフィルタコンデンサを、前記第2インバータユニットの前段のフィルタコンデンサに代えて接続可能であり、
前記制御部は、前記第1インバータ回路が前記サービス電源を供給できなくなった場合に、前記切換回路を制御して前記第1インバータユニットの前段のフィルタコンデンサを、前記第2インバータユニットの前段のフィルタコンデンサに代えて接続させる、
請求項5記載の鉄道車両用電力変換装置。
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2016
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