JP2017203447A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダヘッドとシリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を備える内燃機関において、エンジン負荷の急増時にシリンダブロックの冷却にも配慮しつつシリンダヘッドの壁面温度の応答遅れを抑制できるようにする。
【解決手段】シリンダヘッド12とシリンダブロック14とを個別に温度制御可能な冷却構造を有する内燃機関10において、エンジン負荷が高いほどヘッド流量が多くなるようにヘッド流量制御弁24を制御する。エンジン負荷が高いほどブロック流量が多くなるようにブロック流量制御弁22を制御する。エンジン負荷が急増した場合に、ヘッド流量制御弁24とブロック流量制御弁22とを全開に制御する。その後、ブロック水温が低温判定値よりも低くなった場合に、ブロック流量制御弁22を全閉に制御する。その後、ブロック水温が低温判定値よりも大きな高温判定値以上になった場合に、ブロック流量制御弁22を開く。
【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、シリンダヘッドとシリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を備える内燃機関を制御するうえで好適な制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、シリンダヘッドとシリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を備える内燃機関が開示されている。
特開2015−178824号公報
シリンダヘッドとシリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を備える内燃機関では、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの双方の冷却水流量を微流量とする低負荷状態から急激にエンジン負荷が高められた際に、冷却が間に合わなくなる可能性がある。具体的には、冷却水流量の増加に伴うシリンダヘッドの壁面温度の応答遅れによってシリンダヘッドの壁面温度が高くなる。その結果、ノッキングが発生し易くなるおそれがある。また、エンジン負荷の急増時のシリンダヘッドの壁面温度の応答遅れという上述の課題への対策は、シリンダブロックの冷却を適切に行いつつなされることが望まれる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、シリンダヘッドとシリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を備える内燃機関において、エンジン負荷の急増時にシリンダブロックの冷却にも配慮しつつシリンダヘッドの壁面温度の応答遅れを抑制できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、シリンダヘッドの内部を流れる冷却水の流量であるヘッド流量を制御するヘッド流量制御弁と、シリンダブロックの内部を流れる冷却水の流量であるブロック流量を制御するブロック流量制御弁と、冷却水を循環させるウォータポンプとを含み、前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を有する内燃機関を制御する。前記制御装置は、ヘッド流量制御手段と、第1のブロック流量制御手段と、負荷急変時制御手段と、第2のブロック流量制御手段と、第3のブロック流量制御手段とを備える。前記ヘッド流量制御手段は、エンジン負荷が高いほどヘッド流量が多くなるように前記ヘッド流量制御弁を制御する。前記第1のブロック流量制御手段は、エンジン負荷が高いほどブロック流量が多くなるように前記ブロック流量制御弁を制御する。前記負荷急変時制御手段は、エンジン負荷の増加率が所定値よりも高くなった場合に、前記ヘッド流量制御弁と前記ブロック流量制御弁とを全開に制御する。前記第2のブロック流量制御手段は、前記ヘッド流量制御弁と前記ブロック流量制御弁とが全開に制御された後に前記シリンダブロックの内部を流れる冷却水の温度であるブロック水温が低温判定値よりも低くなった場合に、前記ブロック流量制御弁を全閉に制御する。前記第3のブロック流量制御手段は、前記ブロック流量制御弁が全閉に制御された後に前記ブロック水温が前記低温判定値よりも大きな高温判定値以上になった場合に、前記ブロック流量制御弁を開く。
本発明によれば、ヘッド流量およびブロック流量が相対的に少なく制御される低負荷状態からエンジン負荷が急増した場合には、ヘッド流量制御弁とブロック流量制御弁とが全開に制御される。その後、ブロック水温が低温判定値よりも低くなると、ブロック流量制御弁が全閉に制御される。その後、ブロック水温が低温判定値よりも大きな高温判定値以上になると、ブロック流量制御弁が開かれる。このような制御によれば、シリンダヘッドとシリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を備える内燃機関において、エンジン負荷の急増時にシリンダブロックの冷却にも配慮しつつシリンダヘッドの壁面温度の応答遅れを抑制できるようになる。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関のハードウェア構成を説明するための図である。 ヘッド流量制御弁およびブロック流量制御弁の制御ロジックの概念図である。 目標空気量負荷率KLとエンジン回転速度との関係で、ヘッド要求流量(A)およびブロック要求流量(B)を定めるマップの設定を表した図である。 エンジン負荷の急増時に利用される特徴的な流量制御(高応答モード)の流れを表したフローチャートである。 図4に示すフローチャートに従う制御に伴って変化する内燃機関の動作状態を説明するための図である。 図4に示すフローチャートに従う制御が実行された際のヘッド流量およびブロック流量の動作(A)、ならびにヘッド壁温およびブロック壁温の動作(B)を表したタイムチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関10のハードウェア構成を説明するための図である。図1に示す内燃機関10は、車両に搭載され、その動力源とされている。内燃機関10は、シリンダヘッド12と、これに組み合わされるシリンダブロック14とを備えている。内燃機関10は、シリンダヘッド12およびシリンダブロック14を介して冷却水を循環させる冷却水流路16を備えている。冷却水流路16は閉回路である。なお、図1中に示す冷却水流路16および後述のバイパス流路28の矢印は、冷却水の流れ方向を示している。
具体的には、冷却水流路16の途中には、冷却水流路16内において冷却水を循環させるためのウォータポンプ(W/P)18が設置されている。ウォータポンプ18は、内燃機関10が出力するトルクによって駆動される。冷却水流路16は、ウォータポンプ18の下流において二股に分岐している。分岐後の一方の流路であるヘッド側流路16aは、シリンダヘッド12の内部に形成されたウォータジャケットを含んでいる。
分岐後の他方の流路であるブロック側流路16bは、シリンダブロック14の内部に形成されたウォータジャケットを含んでいる。シリンダヘッド12内のウォータジャケットと、シリンダブロック14内のウォータジャケットとは、互いに独立している。このため、本実施形態での内燃機関10では、シリンダヘッド12とシリンダブロック14との間で移動する冷却水の流れは生じない。また、シリンダブロック14内のブロック側流路16b(上記ウォータジャケット)には、シリンダブロック14内を流れる冷却水の温度を検出するブロック水温センサ20が取り付けられている。
ブロック側流路16bにおけるシリンダブロック14の入口よりも上流側の部位には、シリンダブロック14の内部を流れる冷却水の流量(以下、「ブロック流量」と称する)を制御するブロック流量制御弁22が設置されている。ヘッド側流路16aとブロック側流路16bとは、シリンダヘッド12およびシリンダブロック14を貫通した後の部位において合流している。合流後の冷却水流路16には、シリンダヘッド12の内部を流れる冷却水の流量(以下、「ヘッド流量」と称する)を制御するヘッド流量制御弁24が設置されている。
ヘッド流量制御弁24の下流側であってウォータポンプ18の上流側における冷却水流路16には、冷却水を外気と熱交換させるためのラジエータ26が設置されている。また、冷却水流路16には、ラジエータ26をバイパスするバイパス流路28が接続されている。冷却水流路16へのバイパス流路28からの冷却水の合流点よりも上流側であってラジエータ26よりも下流側の冷却水流路16には、サーモスタット30が設置されている。より具体的には、サーモスタット30は、一例として電子制御式である。サーモスタット30は、内燃機関10の暖機中(冷間始動時)には、ラジエータ26への冷却水への冷却水の供給を停止するために閉じられる。一方、暖機完了後には、エンジン入口水温を所定温度に制御するためにサーモスタット30の開度が制御され、これにより、ラジエータ26を通過する冷却水流量とバイパス流路28を通過する冷却水流量とが自動調節される。
また、バイパス流路28には、内燃機関10と組み合わされる変速機の潤滑油を冷却水によって暖めるためのT/Mオイルウォーマ32と、エンジンオイルを冷却水によって冷却するためのオイルクーラ34とが設置されている。以上説明したように、内燃機関10は、シリンダヘッド12とシリンダブロック14とを個別に温度制御可能な冷却構造を備えている。
さらに、図1に示すシステムは、電子制御ユニット(ECU)40を備えている。ECU40は、より具体的には、内燃機関10の制御を実行するエンジンECUである。ECU40の入力ポートには、上述したブロック水温センサ20とともに、吸入空気量を検出するエアフローメータ(AFM)42、ならびに、クランク角およびエンジン回転速度を取得するためのクランク角センサ44等の内燃機関10の運転状態を検知するための各種センサが電気的に接続されている。さらに、ECU40には、内燃機関10を搭載する車両のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ46が電気的に接続されている。また、ECU40の出力ポートには、上述したブロック流量制御弁22、ヘッド流量制御弁24およびサーモスタット30等の内燃機関10の運転を制御するための各種アクチュエータが電気的に接続されている。
図2は、ヘッド流量制御弁24およびブロック流量制御弁22の制御ロジックの概念図である。図2に示すように、ECU40は、ヘッド流量およびブロック流量の要求値であるヘッド要求流量およびブロック要求流量を、基本的には目標空気量負荷率(空気充填率)KLとエンジン回転速度とに基づいて算出する。目標空気量負荷率KLは、エンジン負荷を代表する指標値の一つであり、車両の運転者によるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じて増加するように事前に設定されている。また、ここで用いられるエンジン回転速度は、クランク角センサ44を用いて取得される値である。
図3は、目標空気量負荷率KLとエンジン回転速度との関係で、ヘッド要求流量(A)およびブロック要求流量(B)を定めるマップの設定を表した図である。図3(A)および図3(B)では、所定流量Q(L/min)を基に相対的な表記を用いて、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度の各領域における要求流量の値の一例が表されている。各領域における要求流量の値は、各領域における目標の流路壁面温度を実現する値として事前に設定されている。
具体的には、図3(A)に示すように、ヘッド要求流量は、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度が高いほど多くなるように設定されている。同様に、図3(B)に示すように、ブロック要求流量は、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度が高いほど多くなるように設定されている。そして、図3(A)と図3(B)とを比較すると分かるように、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度の同一領域における要求流量の値は、ヘッド要求流量の方がブロック要求流量よりも多くなるように設定されている。さらに、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度のそれぞれの増加に対するヘッド要求流量の増加量が、ブロック要求流量のそれと比べて大きくなるように設定されている。
図3(A)に示すマップの設定によれば、まず、シリンダヘッド12内を流れる冷却水の温度(以下、「ヘッド水温」と称する)と、シリンダヘッド12内の流路壁面温度(以下、「ヘッド壁温」と称する)とについては、次の効果が得られる。すなわち、低負荷側の領域では、ヘッド水温とヘッド壁温とを高くできるので、エンジン冷却損失および未燃損失を低減できるようになる。また、高負荷側の領域では、ヘッド水温とヘッド壁温とを低くできるので、ノッキングの発生を抑制できるようになる。
また、図3(B)に示すマップの設定によれば、シリンダブロック14内を流れる冷却水の温度(以下、「ブロック水温」と称する)と、シリンダブロック14内の流路壁面温度(以下、「ブロック壁温」と称する)とについては、次の効果が得られる。すなわち、熱負荷の低いシリンダブロック14の冷却要求は、シリンダヘッド12のそれと比べて相対的に低い。上述の設定によれば、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度の増加に対し、ブロック要求流量は、ヘッド要求流量と比べて大きく増やされない。このため、目標空気量負荷率KLによらずに、ブロック水温およびブロック壁温を高く制御できるようになる。これにより、ピストンとシリンダボア壁面との間のフリクションを低減できるようになる。
ECU40は、上述のマップの設定に基づいて決定したヘッド要求流量およびブロック要求流量に応じた制御弁目標開度を、ヘッド流量制御弁24およびブロック流量制御弁22のそれぞれに対して算出する。そして、図2に示すように、ECU40は、算出したそれぞれの制御弁目標開度をヘッド流量制御弁24およびブロック流量制御弁22に指示する。
図3(A)および図3(B)に示すマップの設定に基づくヘッド要求流量およびブロック要求流量に従う上述の流量制御を「通常モード」と称する。ECU40は、アクセル開度増加の加速度が所定値(後述の負荷急増判定値)よりも高い場合、つまり、エンジン負荷の急増が検出された場合には、図2中に破線で示すように、高応答モードが実行される。高応答モードでは、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度に応じたヘッド要求流量およびブロック要求流量によらずに、以下に図4および図5を参照して説明する手法で、ヘッド流量制御弁24とブロック流量制御弁22とが制御される。
図4は、エンジン負荷の急増時に利用される特徴的な流量制御(高応答モード)の流れを表したフローチャートである。図5は、図4に示すフローチャートに従う制御に伴って変化する内燃機関10の動作状態を説明するための図である。
図4に示すフローチャートに従う制御は、内燃機関10の暖機完了後に低負荷運転が行われている状況下において開始される。ステップS1では、低負荷時であるので、冷却水の流量制御として上述の通常モードが実行される。図5(A)は、通常モードが使用される低負荷時の冷却水の流量制御に対応している。低負荷時には、図3(A)および図3(B)に示すマップの設定に従って、ヘッド流量およびブロック流量の双方が微流量となるようにヘッド流量制御弁24とブロック流量制御弁22とが制御される。
次に、ステップS2では、アクセル開度増加の加速度が所定の負荷急増判定値よりも高いか否かが判定される。その結果、ステップS2の判定が不成立となる場合、つまり、エンジン負荷の急増が検出されなかった場合には、通常モードが継続使用される(ステップS3)。
一方、ステップS2の判定が成立する場合、つまり、エンジン負荷の急増が検出された場合には、高応答モードに関する処理が実行される。具体的には、ステップS4において、ヘッド流量制御弁24の開度を全開にする指示が出されるとともに、ステップS5において、ブロック流量制御弁22の開度を全開にする指示が出される。その結果、内燃機関10の動作状態が、図5(A)に示す状態から図5(B)に示す状態に移行する。これにより、ヘッド水温およびブロック水温の低下、ならびにこれに伴うヘッド壁温およびブロック壁面の低下が図られる。また、シリンダヘッド12およびシリンダブロック14内での冷却水の沸騰が抑制される。
ステップS5に続いて、ブロック水温が所定の低温判定値よりも低いか否かが判定される(ステップS6)。その結果、本判定が不成立となる場合には、処理がステップS5に戻る。一方、本判定が成立する場合には、ブロック流量制御弁22の開度を全閉にする指示が出される。その結果、内燃機関10の動作状態が図5(C)に示す状態に移行する。すなわち、シリンダブロック14内での冷却水の循環が停止される。ウォータポンプ18の制御に変更はないので、シリンダブロック14の水止めによってヘッド流量が増加し、これにより、ヘッド流量の最大化が図られる。それに伴い、ヘッド壁温の早期低下が促進される。
ステップS7に続いて、ブロック水温が所定の高温判定値(>低温判定値)以上であるか否かが判定される(ステップS8)。つまり、ステップS8では、シリンダブロック14内の冷却水の沸騰回避のための通水の必要性(図2中の「沸騰回避のための流量増加要求」)の有無が判断される。その結果、本判定が不成立となる場合には、処理がステップS7に戻る。
一方、ステップS8の判定が成立する場合には、流量制御を通常モードに復帰させる処理が実行される(ステップS9)。その結果、ブロック流量制御弁22の開度が、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度に応じたブロック要求流量(図3(B)参照)を満たす開度となるように制御される。また、ヘッド流量制御弁24の開度についても、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度に応じたヘッド要求流量(図3(A)参照)を満たす開度となるように制御される。その結果、内燃機関10の動作状態が図5(D)に示す状態に移行する。付け加えると、ブロック流量制御弁22はステップS7の処理によって全閉とされていたので、ブロック流量制御弁22はステップS9の処理によって開かれることになる。これにより、シリンダブロック14内の冷却水の沸騰回避が図られる。なお、ブロック流量は、図3(B)に示すマップの設定に従い、ヘッド流量と比べて微流量となる。
図6は、図4に示すフローチャートに従う制御が実行された際のヘッド流量およびブロック流量の動作(A)、ならびにヘッド壁温およびブロック壁温の動作(B)を表したタイムチャートである。なお、図6(B)に関し、実際には、ヘッド壁温およびブロック壁温はエンジン負荷の増加に起因して上昇するが、図6(B)では、通常モードが継続的に使用される場合の壁温の値に対する、高応答モードが使用される場合の壁温の値の差分を表現している。
図6中の時点t0は、エンジン負荷の急増が検知された時点である。この時点t0よりも前の低負荷時には、ヘッド流量およびブロック流量は、通常モードの実行により、図3に示すマップの設定に従う要求流量になるように制御されている。この流量制御により、ヘッド壁温およびブロック壁温が低負荷時の目標壁温に制御されている。
エンジン負荷の急増時には、ヘッド流量の増加に伴うヘッド壁温の応答遅れが大きくなり、ノッキングが発生し易くなる。その結果、ノッキング抑制のための点火遅角制御によって、燃費が悪化するとともに車両の運転者に加速のもたつき感を与えるという課題がある。この課題に対し、本実施形態の制御によれば、上述の応答遅れの軽減のために高応答モードが実行される。
高応答モードでは、時点t0においてエンジン負荷の急増が検知された場合には、ヘッド流量制御弁24およびブロック流量制御弁22がともに全開とされる。このように、高応答モードでは、ヘッド流量制御弁24だけでなくブロック流量制御弁22についても全開に制御されるため、時点t0から時点t1までの期間では、通常モードが実行された場合と比べて、ブロック流量が増加するとともに、それに伴いヘッド流量の増加が緩やかになる。その結果、ヘッド壁温の低下も緩やかになる。
しかしながら、高応答モードによれば、ブロック流量制御弁22を全開とすることによるブロック流量の最大化によってブロック水温を低下させたうえで、そのブロック水温の低下が確認された時点t1において、熱負荷が小さいために相対的に冷却要求の低いシリンダブロック14内での冷却水の流通が停止される。これにより、冷却水の圧送性能がシリンダヘッド12への通水のみに絞られるため、シリンダヘッド12の冷却性能を最大化できるようになる。このため、図6(A)中の時点t1から時点t2の期間に示されるように、通常モードの実行時と比べて、ヘッド流量の上昇速度を高められるとともに、到達可能なヘッド流量の最大値も高めることができる。このように、時点t1以降の冷却水流量を通常モード実行時と比べて増加させることで、シリンダヘッド12の冷却水とヘッド壁面との間の熱伝達率の向上効果によりヘッド壁温の低下を早めることができる。さらに付け加えると、ブロック流量制御弁22を一時的に全開とすることでブロック水温を一旦低下させているので、その後にシリンダブロック14内での冷却水の流通の一時的な停止が可能となる。
以上のように、高応答モードによれば、エンジン負荷の急増時に通常モードが継続利用される場合と比べ、ヘッド流量の変更に伴うヘッド壁温の応答性を向上させることができる。ただし、シリンダブロック14への通水を停止させたままであると、ブロック水温が増加していく。この点に関し、高応答モードによれば、通水停止後にブロック水温が高温判定値に到達する時点t3において、流量制御が通常モードに戻される。その結果、ブロック流量制御弁22が開かれ、より具体的には、目標空気量負荷率KLおよびエンジン回転速度に応じた高負荷時のブロック要求流量が得られるようにブロック流量制御弁22の開度が制御される。これにより、シリンダブロック14内での冷却水の沸騰を抑制できるようになる。また、このような制御によれば、図6(B)中のほぼ時点t2から時点t4の期間に示されるように、ブロック壁温通常モード時と比べて高くなる。しかしながら、このようなブロック壁温の高温化は、むしろピストンとシリンダボア壁面との間のフリクション低減というメリットを伴う。
また、ヘッド流量は、図6(A)に示すように、時点t3での通常モードへの復帰により、低下し始める。図6中の時点t4は、通常モードへの復帰後にヘッド流量およびブロック流量がエンジン負荷急増後の高負荷時の要求流量に収束する時点に相当する。これに伴い、ヘッド壁温およびブロック壁温は、時点t5において、高負荷時の目標壁温に収束する。図6(B)中の時点t4からt5までの期間が、高応答モードの実行により目標壁温への応答遅れが短縮される期間に相当する。
以上説明したように、本実施形態の制御によれば、新たな部品の搭載を必要とせずに流量制御の変更のみで、エンジン負荷の急増時に通常モードが継続利用される場合と比べ、ヘッド流量の変更に伴うヘッド壁温の応答性を向上できるようになる。その結果、ノッキング抑制のための点火時期の遅角量や遅角の実施機会を抑制できるので、燃費向上を図ることができる。また、上述のフリクション低減も燃費向上に寄与する。
なお、上述した実施の形態1においては、ECU40がステップS1またはS3の処理を実行することにより本発明における「ヘッド流量制御手段」および「第1のブロック流量制御手段」が実現されており、ECU40がステップS2の判定が成立する場合にステップS4およびS5の処理を実行することにより本発明における「負荷急変時制御手段」が実現されており、ECU40がステップS6の判定が成立する場合にステップS7の処理を実行することにより本発明における「第2のブロック流量制御手段」が実現されており、そして、ECU40がステップS8の判定が成立する場合にステップS9の処理を実行することにより本発明における「第3のブロック流量制御手段」が実現されている。
10 内燃機関
12 シリンダヘッド
14 シリンダブロック
16 冷却水流路
16a ヘッド側流路
16b ブロック側流路
18 ウォータポンプ
20 ブロック水温センサ
22 ブロック流量制御弁
24 ヘッド流量制御弁
26 ラジエータ
28 バイパス流路
30 サーモスタット
40 電子制御ユニット(ECU)
44 クランク角センサ
46 アクセル開度センサ

Claims (1)

  1. シリンダヘッドの内部を流れる冷却水の流量であるヘッド流量を制御するヘッド流量制御弁と、シリンダブロックの内部を流れる冷却水の流量であるブロック流量を制御するブロック流量制御弁と、冷却水を循環させるウォータポンプとを含み、前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとを個別に温度制御可能な冷却構造を有する内燃機関を制御する制御装置であって、
    エンジン負荷が高いほどヘッド流量が多くなるように前記ヘッド流量制御弁を制御するヘッド流量制御手段と、
    エンジン負荷が高いほどブロック流量が多くなるように前記ブロック流量制御弁を制御する第1のブロック流量制御手段と、
    エンジン負荷の増加率が所定値よりも高くなった場合に、前記ヘッド流量制御弁と前記ブロック流量制御弁とを全開に制御する負荷急変時制御手段と、
    前記ヘッド流量制御弁と前記ブロック流量制御弁とが全開に制御された後に前記シリンダブロックの内部を流れる冷却水の温度であるブロック水温が低温判定値よりも低くなった場合に、前記ブロック流量制御弁を全閉に制御する第2のブロック流量制御手段と、
    前記ブロック流量制御弁が全閉に制御された後に前記ブロック水温が前記低温判定値よりも大きな高温判定値以上になった場合に、前記ブロック流量制御弁を開く第3のブロック流量制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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