JP2017203262A - 床下地材の敷設工法及び支持脚 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱性を有する堅牢な床下地を、熟練の技を必要とすることなく、短い工期で構築することができるとともに、安価に施工することができる床下地材の敷設工法を提案すること。【解決手段】板面に発泡ウレタン注入用の第1の貫通孔4Aを設けた発泡合成樹脂製ボード1を、レベル調整機能を有する支持脚10によって床スラブS上にレベル調整しながら敷設した後、該敷設した発泡合成樹脂製ボードの前記第1の貫通孔を通じて、該発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に硬質発泡ウレタン20を注入して発泡・硬化させる床下地材の敷設工法であって、上記レベル調整機能を有する支持脚が、上記発泡合成樹脂製ボードの板面に直接螺合する合成樹脂製のスクリューネジ11である床下地材の敷設工法とした。【選択図】図5
Description
本発明は、集合住宅など各種建物の床スラブ上に床下地材を敷設する工法、特に軽量且つ断熱性に優れた発泡合成樹脂製ボードを用いた安価且つ容易な床下地材の敷設工法及び該敷設工法に用いる支持脚に関するものである。
従来、床下地材の敷設工法としては、硬質の木質系板材を用いた乾式二重床と呼ばれている敷設工法がある。この敷設工法は、ゴム製の防振用基台上に回転自在に立設した支持ボルトと、支持ボルトの上端に螺合した調整ナットと、調整ナットに固定して支持ボルトで支持する受板片とからなる複数の支持脚を用い、それぞれ防振用基台を床スラブ上に設置して支持ボルトを立脚させてから、支持ボルトを回して受板片を昇降させることによりレベル調整し、これらレベル調整を行った受板片上にパーティクルボード等からなる硬質の木質系板材を載せて釘や接着剤で固定し、それら木質系板材を複数の支持脚で支えて床スラブ上に敷き詰めるものである(例えば、特許文献1)。
また、軽量且つ断熱性に優れた発泡合成樹脂製ボードを用いた湿式の敷設工法がある。この敷設工法は、床スラブ上にプライマー等の接着剤を塗布した後、この接着剤層の上に多数のモルタルダンゴを設置し、それらモルタルダンゴの上に発泡合成樹脂製ボードを載せ、該発泡合成樹脂製ボードを上から押し下げてモルタルダンゴを押し潰しながらレベル調整を行い、発泡合成樹脂製ボードを硬化した複数のモルタルダンゴで支えて床スラブ上に敷き詰めるものである(例えば、特許文献2)。
ここで、上記した特許文献1などに記載された硬質の木質系板材を用いた乾式二重床と呼ばれている敷設工法にあっては、パーティクルボード等の木質系板材が断熱性を有していないため、これのみでは断熱効果が得られないことから、寒冷地等において断熱性を付与するために、発泡合成樹製断熱材を床スラブに予め打ち込んだり、後貼りしたりして断熱補強することが行われており、この断熱補強作業が、時間と手間のかかるものであった。また、パーティクルボード等の木質系板材は、非常に重く、また切断等の加工も困難であることから、敷設作業者への負担も大きいものとなっていた。
一方、特許文献2などに記載された発泡合成樹脂製ボードを用いた湿式の敷設工法にあっては、断熱性を有する床下地を構築できるものではあったが、接着剤の乾燥、モルタルダンゴの硬化などに時間を要し、工期が長くかかるものであった。また、床スラブ上にモルタルダンゴを一定間隔で配置し、その上方に載せた発泡合成樹脂製ボードを上面より押し付けレベル調整をしながら貼り込んでいく作業は、熟練の技を要する作業であるとともに、モルタルダンゴを作るためのセメント、砂等の量は膨大であることから、現場内運搬に多大の労力を要する作業であった。
一方、特許文献2などに記載された発泡合成樹脂製ボードを用いた湿式の敷設工法にあっては、断熱性を有する床下地を構築できるものではあったが、接着剤の乾燥、モルタルダンゴの硬化などに時間を要し、工期が長くかかるものであった。また、床スラブ上にモルタルダンゴを一定間隔で配置し、その上方に載せた発泡合成樹脂製ボードを上面より押し付けレベル調整をしながら貼り込んでいく作業は、熟練の技を要する作業であるとともに、モルタルダンゴを作るためのセメント、砂等の量は膨大であることから、現場内運搬に多大の労力を要する作業であった。
そこで、本件出願人は、断熱性を有する堅牢な床下地を、熟練の技を必要とすることなく、短い工期で構築することができる床下地材の敷設工法を提案することを目的とし、先に、板面に貫通孔を設けた発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって床スラブ上にレベル調整しながら敷設した後、該敷設した発泡合成樹脂製ボードの前記貫通孔を通じて、該発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に硬質発泡ウレタンを注入して発泡・硬化させる床下地材の敷設工法を発明し、特許出願を行った(特許文献3)。
上記した特許文献3に記載された床下地材の敷設工法にあっては、断熱性を有する堅牢な床下地を、熟練の技を必要とすることなく、短い工期で構築することができるものであった。
すなわち、断熱性を有する発泡合成樹脂製ボードを床下地材として用いるため、断熱性に優れた床下地を構築することができる。また、発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって支えるとともに、発泡・硬化した硬質発泡ウレタンにより支えるため、堅牢な床下地を構築することができる。さらに、発泡合成樹脂製ボードのレベル調整は、支持脚が有するレベル調整機能により行うことができるので、モルタルダンゴを押し潰してレベル調整を行うのに比して熟練の技を必要としないものとなり、また硬質発泡ウレタンの硬化は数十分程度で行われるため、工期も短いものとなるものであった。
すなわち、断熱性を有する発泡合成樹脂製ボードを床下地材として用いるため、断熱性に優れた床下地を構築することができる。また、発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって支えるとともに、発泡・硬化した硬質発泡ウレタンにより支えるため、堅牢な床下地を構築することができる。さらに、発泡合成樹脂製ボードのレベル調整は、支持脚が有するレベル調整機能により行うことができるので、モルタルダンゴを押し潰してレベル調整を行うのに比して熟練の技を必要としないものとなり、また硬質発泡ウレタンの硬化は数十分程度で行われるため、工期も短いものとなるものであった。
しかしながら、上記した特許文献3に開示された技術においては、発泡合成樹脂製ボードを支持するレベル調整機能を有する支持脚として、基台上に回転自在に立設した金属製の支持ボルトと、該支持ボルトの上端に螺合した金属製の調整ナットと、該調整ナットと一体或いは固定されて支持ボルトで支持する受板片とからなるものを使用しており、該支持脚は、金属製の堅牢なものであるとともに、部品点数が多いものであったことから、製造コストが高く、該支持脚を多く使用する特許文献3に開示された床下地材の敷設工法は、その施工コストが高いものとなっていた。
本発明は、上述した背景技術が有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、断熱性を有する堅牢な床下地を、熟練の技を必要とすることなく、安価に施工することができる床下地材の敷設工法及び該敷設工法に用いる支持脚を提案することにある。
上記した目的を達成するため、本発明は、次の〔1〕〜〔7〕に記載した床下地材の敷設工法及び支持脚とした。
〔1〕発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって床スラブ上にレベル調整しながら敷設した後、該敷設した発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に充填材を注入して硬化させる床下地材の敷設工法であって、上記レベル調整機能を有する支持脚が、上記発泡合成樹脂製ボードの板面に直接螺合する合成樹脂製のスクリューネジであることを特徴とする、床下地材の敷設工法。
〔2〕上記充填材が硬質発泡ウレタンであり、上記発泡合成樹脂製ボードの板面に設けられた第1の貫通孔を通じて該発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に注入されることを特徴とする、上記〔1〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔3〕上記発泡合成樹脂製ボードの板面に、上記スクリューネジを螺合する第2の貫通孔が形成されており、該第2の貫通孔に発泡合成樹脂製ボードの裏面側より上記スクリューネジを螺合することを特徴とする、上記〔2〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔4〕上記スクリューネジの頂端面に、回転用工具先端を嵌め込む溝が形成されており、敷設した発泡合成樹脂製ボードの上面側から、上記第2の貫通孔を介してスクリューネジの頂端面の前記溝に回転用工具の先端を嵌め込んでスクリューネジを回転させることにより、発泡合成樹脂製ボードのレベル調整を行うことを特徴とする、上記〔3〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔5〕上記スクリューネジが、上記発泡合成樹脂製ボードと同一素材の合成樹脂からなることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の床下地材の敷設工法。
〔6〕上記発泡合成樹脂製ボードとスクリューネジが、ポリスチレン系樹脂からなることを特徴とする、上記〔5〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の床下地材の敷設工法において用いられる合成樹脂製のスクリューネジからなることを特徴とする、支持脚。
〔1〕発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって床スラブ上にレベル調整しながら敷設した後、該敷設した発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に充填材を注入して硬化させる床下地材の敷設工法であって、上記レベル調整機能を有する支持脚が、上記発泡合成樹脂製ボードの板面に直接螺合する合成樹脂製のスクリューネジであることを特徴とする、床下地材の敷設工法。
〔2〕上記充填材が硬質発泡ウレタンであり、上記発泡合成樹脂製ボードの板面に設けられた第1の貫通孔を通じて該発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に注入されることを特徴とする、上記〔1〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔3〕上記発泡合成樹脂製ボードの板面に、上記スクリューネジを螺合する第2の貫通孔が形成されており、該第2の貫通孔に発泡合成樹脂製ボードの裏面側より上記スクリューネジを螺合することを特徴とする、上記〔2〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔4〕上記スクリューネジの頂端面に、回転用工具先端を嵌め込む溝が形成されており、敷設した発泡合成樹脂製ボードの上面側から、上記第2の貫通孔を介してスクリューネジの頂端面の前記溝に回転用工具の先端を嵌め込んでスクリューネジを回転させることにより、発泡合成樹脂製ボードのレベル調整を行うことを特徴とする、上記〔3〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔5〕上記スクリューネジが、上記発泡合成樹脂製ボードと同一素材の合成樹脂からなることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の床下地材の敷設工法。
〔6〕上記発泡合成樹脂製ボードとスクリューネジが、ポリスチレン系樹脂からなることを特徴とする、上記〔5〕に記載の床下地材の敷設工法。
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の床下地材の敷設工法において用いられる合成樹脂製のスクリューネジからなることを特徴とする、支持脚。
上記した本発明にかかる床下地材の敷設工法によれば、断熱性を有する堅牢な床下地を、熟練の技を必要とすることなく、安価に施工することができるものとなる。
すなわち、断熱性を有する発泡合成樹脂製ボードを床下地材として用いるため、断熱性に優れた床下地を構築することができる。また、発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって仮固定した状態で敷設し、該敷設した発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に充填材を注入して硬化させることにより発泡合成樹脂製ボードを支えるものであるため、堅牢な床下地を構築することができるとともに、発泡合成樹脂製ボードのレベル調整は、支持脚が有するレベル調整機能により容易に行うことができ、モルタルダンゴを押し潰してレベル調整を行うのに比して熟練の技を必要としないものとなる。更に、レベル調整機能を有する支持脚として、発泡合成樹脂製ボードの板面に直接螺合する合成樹脂製のスクリューネジを使用することしたため、従来の金属製の堅牢なものであるとともに、部品点数が多い支持脚に比して、製造コストが極めて安く、安価に床下地材を構築することができるものとなる。
すなわち、断熱性を有する発泡合成樹脂製ボードを床下地材として用いるため、断熱性に優れた床下地を構築することができる。また、発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって仮固定した状態で敷設し、該敷設した発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に充填材を注入して硬化させることにより発泡合成樹脂製ボードを支えるものであるため、堅牢な床下地を構築することができるとともに、発泡合成樹脂製ボードのレベル調整は、支持脚が有するレベル調整機能により容易に行うことができ、モルタルダンゴを押し潰してレベル調整を行うのに比して熟練の技を必要としないものとなる。更に、レベル調整機能を有する支持脚として、発泡合成樹脂製ボードの板面に直接螺合する合成樹脂製のスクリューネジを使用することしたため、従来の金属製の堅牢なものであるとともに、部品点数が多い支持脚に比して、製造コストが極めて安く、安価に床下地材を構築することができるものとなる。
以下、上記した本発明にかかる床下地材の敷設工法及び支持脚の実施形態を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明にかかる床下地材の敷設工法において用いる発泡合成樹脂製ボードの一実施形態を示した図である。この発泡合成樹脂製ボード1は、ボード本体2と、該ボード本体2の表面凹部に埋設された桟木3とで構成されている。
上記ボード本体2は、発泡合成樹脂、例えばポリスチレン,耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンサクシネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂などの合成樹脂の発泡体により形成されている。これらの中でも、圧縮等の機械的物性、軽量性、更には経済性に優れるポリスチレン系樹脂の発泡体とすることが好ましい。上記ポリスチレン系樹脂には、ポリスチレン、基材樹脂中のスチレン成分単位が50モル%以上であるスチレンと他のコモノマー成分との共重合体やスチレンと他の重合体との混合物が包含される。より具体的には、ポリスチレンやスチレンを主成分とするスチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、或いは耐衝撃性ポリスチレン等が挙げられる。スチレン系共重合体におけるスチレン成分含有量は60モル%以上、特に80モル%以上が好ましい。
また、本発明におけるボード本体2は、上記基材樹脂を用いた合成樹脂発泡粒子成形体であることが好ましい。この合成樹脂発泡粒子成形体は、例えば合成樹脂粒子を発泡させて発泡ビーズを得、該発泡ビーズを所定形状の金型内に充填し、蒸気等で加熱して発泡ビーズを融着させる、型内ビーズ発泡成形で得られる。
上記ボード本体2は、その圧縮強さ(JIS A 9511に準拠して測定)が6N/cm2以上であることが好ましく、8N/cm2以上であることが更に好ましい。また、上記と同様の基準で測定した曲げ強さが16N/cm2以上であることが好ましく、18N/cm2以上であることが更に好ましい。このような圧縮強さ及び曲げ強さを有するボード本体2を使用することにより、その上方に固設する仕上床材の支持性が良好なものとなる。また、このボード本体2の熱伝導率は、0.06w/(m・k)以下、好ましくは0.05〜0.02w/(m・k)の範囲内である。このようなボード本体2を使用することにより、床の断熱性が良好なものとなる。上記のような特性を有するボード本体2は、例えばポリスチレン系樹脂で形成する場合、この原料を20〜60倍程度に発泡させることにより製造することができる。
上記ボード本体2の形状は、例えば厚さ50mm、幅600mm、長さ900mm程度の矩形の板状体に成形され、図示は省略したが、必要に応じて周縁に係合段部が形成されている。ボード本体2の板面には、適所に貫通孔4が穿設されている。図示した実施形態においては、直径10mm程度の第1の貫通孔4Aが9個、直径7mm程度の第2の貫通孔4Bが4隅に形成されている。上記第1の貫通孔4Aは、発泡ウレタン注入用として用いられ、上記第2の貫通孔4Bは、支持脚であるスクリューネジの挿入・螺合用として用いられる。
なお、上記第1及び第2の貫通孔4A,4Bは、必ずしも必要ではないが、第1の貫通孔4Aが形成されている場合には、該第1の貫通孔を介して硬質発泡ウレタン等の充填材を注入することができ、その作業が容易となるとともに、適所に充填材を注入することができる。また、第2の貫通孔4Bが形成されている場合には、支持脚の取付け位置の目印となるとともに、スクリューネジである支持脚の挿入及び螺合が容易なものとなり、且つ、該貫通孔を利用してスクリューネジを上方から回転用工具(ドライバ等)によって回動させることによりレベル調整が可能となることから、非常に好ましい。
なお、上記第1及び第2の貫通孔4A,4Bは、必ずしも必要ではないが、第1の貫通孔4Aが形成されている場合には、該第1の貫通孔を介して硬質発泡ウレタン等の充填材を注入することができ、その作業が容易となるとともに、適所に充填材を注入することができる。また、第2の貫通孔4Bが形成されている場合には、支持脚の取付け位置の目印となるとともに、スクリューネジである支持脚の挿入及び螺合が容易なものとなり、且つ、該貫通孔を利用してスクリューネジを上方から回転用工具(ドライバ等)によって回動させることによりレベル調整が可能となることから、非常に好ましい。
上記桟木3は、合成樹脂製或いは木製等で、断面矩形の棒状に形成されている。図示例の発泡合成樹脂製ボード1においては、ボード本体2の長手方向に2本の桟木3,3を、短手方向に平行に並列した状態で、上面をボード本体2の上面から外部に臨ませてボード本体2の表面凹部に埋設されている。桟木3は、ボード本体2を補強するとともに、仕上床材を発泡合成樹脂製ボード1に釘打ち或いはネジ止め等する際に利用される。
図3及び図4は、本発明にかかる床下地材の敷設工法において用いるレベル調整機能を有する支持脚の一実施形態を示した図である。この支持脚10は、合成樹脂によって一体成形されたスクリューネジ11からなる。このスクリューネジ11は、軸部12と頭部13との間に鍔14が形成され、該鍔14によって発泡合成樹脂製ボード1への進入量が規制されている。
スクリューネジ11を形成する合成樹脂としては、例えばポリスチレン,耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンサクシネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂などを挙げることができるが、これらの樹脂の中でも、上記した発泡合成樹脂製ボード1のボード本体2を形成する樹脂と同一素材の樹脂を用いて形成することがリサイクル性の観点から好ましい。即ち、発泡合成樹脂製ボード1のボード本体2を例えばポリスチレン系樹脂により形成した場合には、スクリューネジ11を同一素材であるポリスチレン系樹脂で形成することが好ましい。なお、同一素材からなるとは、全く同じ組成であることは要せず、例えば分子量、配合物が異なるものをも含むものである。また、例えばハイインパクトポリスチレンのようにスチレンとは異なる成分をスチレンの劣位量配合あるいは共重合されたものをも含むものである。また、発泡合成樹脂製ボード1に難燃剤が含有されている場合においても、該スクリューネジ11には難燃剤が含有されていなくても良いし、また、異なる難燃剤が含有されていても良い。
図示した実施形態にかかるスクリューネジ11は、ポリスチレンにより一体的に成形されており、全長(L)は75mm、軸部12の長さ(A)は60mm、直径(B)は8mm、頭部13及び鍔14はともに厚さ(T)が2mm、直径(C)が20mmで外周に滑り止めとなる凹凸15を有するものに形成されている。また、軸部12には、外径(D)が15mm〔ネジ溝(H)が3.5mm〕、ピッチ(P)が4.5mmの一条の右ネジ16が形成されている。更に、頭部13には、図4(a)に示したように、回転用工具先端を嵌め込むための十字溝17が設けられ、軸部12の頂端面にも、図4(c)に示したように、回転用工具先端を嵌め込むための十字溝18が設けられている。
スクリューネジ11の形状・寸法は、何ら上記した実施形態のものに限定されるものではないが、柔らかく且つ脆い発泡合成樹脂製ボード1に螺合させるものであることから、ネジ溝は深く、またピッチの粗いネジが形成されたものであることが好ましい。かかる観点から、好ましいスクリューネジは、直径(B)が5〜15mmの軸部12に、外径(D)が8〜20mm〔ネジ溝(H)が3〜10mm〕、ピッチ(P)が3〜8mmのネジ16が形成されているものである。また、鍔14は必ずしも必要ではないが、形成されている場合には、該鍔14によって発泡合成樹脂製ボード1への進入量が規制され、床スラブとの間に硬質発泡ウレタンを注入し得る最小限の間隙を確実に確保することができるために好ましい。
本発明にかかる床下地材の敷設工法は、上記した発泡合成樹脂製ボード1を、上記したレベル調整機能を有する支持脚であるスクリューネジ11を用いて、先ず床スラブS上に、レベル調整しながら敷き詰めることにより行う。
この敷き詰め作業の一実施形態としては、先ず、発泡合成樹脂製ボード1の裏面側に、スクリューネジ11を取り付ける。このスクリューネジ11の取り付けは、図2に示したように、発泡合成樹脂製ボード1の4隅に形成された第2の貫通孔4Bに、その裏面側よりスクリューネジ11を直接螺合することにより容易に行うことができる。
続いて、支持脚であるスクリューネジ11を取り付けた発泡合成樹脂製ボード1を、該発泡合成樹脂製ボード1を敷設する位置の床スラブS上に置き、図5に示したように、発泡合成樹脂製ボード1の上面から貫通孔4Bを利用してドライバ等の回転用工具Gを差し入れ、スクリューネジ11の頂端面に形成された十字溝18に回転用工具の先端を嵌め込んでスクリューネジ11を回転させることにより、発泡合成樹脂製ボード1のレベル調整を行う。
続いて、レベル調整を行った発泡合成樹脂製ボード1の支持脚であるスクリューネジ11の頭部13に接着剤、好ましくは瞬間接着剤を塗布し、床スラブSに支持脚であるスクリューネジ11を固定する。
上記した発泡合成樹脂製ボード1へのスクリューネジ11の取り付け、床スラブS上における発泡合成樹脂製ボード1のレベル調整、スクリューネジ11の床スラブSへの固定を、各発泡合成樹脂製ボード1に対して繰り返し行い、床スラブS上に、複数枚の発泡合成樹脂製ボード1をレベル調整した状態で敷き詰める。
続いて、支持脚であるスクリューネジ11を取り付けた発泡合成樹脂製ボード1を、該発泡合成樹脂製ボード1を敷設する位置の床スラブS上に置き、図5に示したように、発泡合成樹脂製ボード1の上面から貫通孔4Bを利用してドライバ等の回転用工具Gを差し入れ、スクリューネジ11の頂端面に形成された十字溝18に回転用工具の先端を嵌め込んでスクリューネジ11を回転させることにより、発泡合成樹脂製ボード1のレベル調整を行う。
続いて、レベル調整を行った発泡合成樹脂製ボード1の支持脚であるスクリューネジ11の頭部13に接着剤、好ましくは瞬間接着剤を塗布し、床スラブSに支持脚であるスクリューネジ11を固定する。
上記した発泡合成樹脂製ボード1へのスクリューネジ11の取り付け、床スラブS上における発泡合成樹脂製ボード1のレベル調整、スクリューネジ11の床スラブSへの固定を、各発泡合成樹脂製ボード1に対して繰り返し行い、床スラブS上に、複数枚の発泡合成樹脂製ボード1をレベル調整した状態で敷き詰める。
次に、本発明にかかる床下地材の敷設工法は、床スラブS上にレベル調整して敷き詰めた発泡合成樹脂製ボード1の第1の貫通孔4Aを利用し、発泡合成樹脂製ボード1と床スラブSとの隙間に、充填材を注入して硬化させる。充填材としては、硬質発泡ウレタン、モルタル、石膏、ウレタン接着剤などを挙げることができるが、中でも軽量であり、且つ硬化時間が短いことから、硬質発泡ウレタン20を注入して発泡・硬化させることが好ましい。
使用する硬質発泡ウレタン20としては、現場にて発泡させ、任意の形に成形・硬化するようなものであれば特に限定はされないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、糖質系のポリオール等から選択される主剤と、硬化剤としての芳香族、脂肪族、脂還族有機イソシアネート類、触媒としての有機錫類、アミン類等、発泡剤としての水、低沸点溶剤等、整泡剤としてのシリコーン系界面活性剤からなる二液反応硬化型ものが挙げられる。また、硬質発泡ウレタン20は、発泡・硬化後において、JIS K 7220に準拠して測定した圧縮強さが6N/cm2以上であることが好ましく、8N/cm2以上であることがより好ましい。このような圧縮強度を有する硬質発泡ウレタン20を使用することにより、発泡合成樹脂製ボード1の支持性が良好なものとなる。
硬質発泡ウレタン20を発泡合成樹脂製ボード1と床スラブSとの隙間に注入する場合、図6に示したように、敷き詰めた発泡合成樹脂製ボード1の上面から、該発泡合成樹脂製ボード1の板面に穿設した第1の貫通孔4Aに、硬質発泡ウレタンの充填機Mのノズル端を挿入して注入作業を行うことができるので、その作業は容易なものとなる。
発泡合成樹脂製ボード1と床スラブSとの隙間に硬質発泡ウレタン20を注入させた後、これが充分に発泡・硬化して発泡合成樹脂製ボード1を下方から支持するまでは、支持脚10が、発泡合成樹脂製ボード1を下方から支持するとともに浮き上がりを防止し、これが充分に発泡し硬化した後は、図6、図7に示したように、硬化した硬質発泡ウレタン20が発泡合成樹脂製ボード1を下方から支持するとともに、この硬化した硬質発泡ウレタン20が発泡合成樹脂製ボード1と床スラグSの間に介在して両者を接着させるために、堅牢な床下地を構築することができる。
なお、硬質発泡ウレタン20の発泡力の押さえ込みを支持脚であるスクリューネジ11のみに頼らず、上方から適宜な加圧手段を用いて加圧力を負荷させる、例えば重りを敷設した発泡合成樹脂製ボード1の上に置くこととしてもよい。このようにすれば、硬質発泡ウレタン20の発泡圧で発泡合成樹脂製ボード1が所要の位置より持ち上がる問題を確実に阻止することができ、またこの場合は、スクリューネジ11の床スラブSへの固定を省くこともできる。
なお、硬質発泡ウレタン20の発泡力の押さえ込みを支持脚であるスクリューネジ11のみに頼らず、上方から適宜な加圧手段を用いて加圧力を負荷させる、例えば重りを敷設した発泡合成樹脂製ボード1の上に置くこととしてもよい。このようにすれば、硬質発泡ウレタン20の発泡圧で発泡合成樹脂製ボード1が所要の位置より持ち上がる問題を確実に阻止することができ、またこの場合は、スクリューネジ11の床スラブSへの固定を省くこともできる。
上記のようにして構築された床下地の上面には、フローリング材、木質フロア、床タイル等の仕上床材(図示せず)が固着され、床表面が仕上げられる。この際、フローリング材等の仕上床材は、発泡合成樹脂製ボード1に設けられた桟木3に釘打ち或いはネジ止め等により強固に固定される。床下地材である発泡合成樹脂製ボード1に設けられた各種貫通孔4は、上方から仕上床材で閉塞されるため、断熱性能が低下するおそれはない。
以上、本発明にかかる床下地材の敷設工法及び支持脚の実施形態を説明したが、本発明は、既述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想としての床下地材の敷設工法及び支持脚の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
本発明は、断熱性を有する堅牢な床下地を、熟練の技を必要とすることなく、安価に構築することができるものであるので、集合住宅など各種建物の床スラブ上に床下地材を敷設する際に、広く利用できるものである。
1 発泡合成樹脂製ボード
2 ボード本体
3 桟木
4 貫通孔
4A 第1の貫通孔
4B 第2の貫通孔
10 支持脚
11 スクリューネジ
12 軸部
13 頭部
14 鍔
15 凹凸
16 右ネジ
17,18 十字溝
20 硬質発泡ウレタン(充填材)
G 回転用工具(ドライバ)
M 硬質発泡ウレタンの充填機
S 床スラブ
2 ボード本体
3 桟木
4 貫通孔
4A 第1の貫通孔
4B 第2の貫通孔
10 支持脚
11 スクリューネジ
12 軸部
13 頭部
14 鍔
15 凹凸
16 右ネジ
17,18 十字溝
20 硬質発泡ウレタン(充填材)
G 回転用工具(ドライバ)
M 硬質発泡ウレタンの充填機
S 床スラブ
Claims (7)
- 発泡合成樹脂製ボードを、レベル調整機能を有する支持脚によって床スラブ上にレベル調整しながら敷設した後、該敷設した発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に充填材を注入して硬化させる床下地材の敷設工法であって、上記レベル調整機能を有する支持脚が、上記発泡合成樹脂製ボードの板面に直接螺合する合成樹脂製のスクリューネジであることを特徴とする、床下地材の敷設工法。
- 上記充填材が硬質発泡ウレタンであり、上記発泡合成樹脂製ボードの板面に設けられた第1の貫通孔を通じて該発泡合成樹脂製ボードと床スラブとの隙間に注入されることを特徴とする、請求項1に記載の床下地材の敷設工法。
- 上記発泡合成樹脂製ボードの板面に、上記スクリューネジを螺合する第2の貫通孔が形成されており、該第2の貫通孔に発泡合成樹脂製ボードの裏面側より上記スクリューネジを螺合することを特徴とする、請求項2に記載の床下地材の敷設工法。
- 上記スクリューネジの頂端面に、回転用工具先端を嵌め込む溝が形成されており、敷設した発泡合成樹脂製ボードの上面側から、上記第2の貫通孔を介してスクリューネジの頂端面の前記溝に回転用工具の先端を嵌め込んでスクリューネジを回転させることにより、発泡合成樹脂製ボードのレベル調整を行うことを特徴とする、請求項3に記載の床下地材の敷設工法。
- 上記スクリューネジが、上記発泡合成樹脂製ボードと同一素材の合成樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の床下地材の敷設工法。
- 上記発泡合成樹脂製ボードとスクリューネジが、ポリスチレン系樹脂からなることを特徴とする、請求項5に記載の床下地材の敷設工法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の床下地材の敷設工法において用いられる合成樹脂製のスクリューネジからなることを特徴とする、支持脚。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016094188A JP2017203262A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 床下地材の敷設工法及び支持脚 |
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JP2016094188A JP2017203262A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 床下地材の敷設工法及び支持脚 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020097877A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-06-25 | 株式会社井村木工場 | 床下地材、床形成部材、床構造及び床構造の施工方法 |
KR102625539B1 (ko) * | 2022-10-07 | 2024-01-16 | 장호동 | 층간소음 저감용 바닥 모서리 완충패드 |
-
2016
- 2016-05-09 JP JP2016094188A patent/JP2017203262A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020097877A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-06-25 | 株式会社井村木工場 | 床下地材、床形成部材、床構造及び床構造の施工方法 |
JP7290853B2 (ja) | 2018-12-19 | 2023-06-14 | 株式会社井村木工場 | 床下地材、床形成部材、床構造及び床構造の施工方法 |
KR102625539B1 (ko) * | 2022-10-07 | 2024-01-16 | 장호동 | 층간소음 저감용 바닥 모서리 완충패드 |
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