JP2017202960A - 水素富化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々なものに対して、水素を付加することが可能な水素富化装置を提供すること。
【解決手段】水素富化装置1は、加水分解により水素を発生する水素発生部(水素生成器2)と、該水素発生部で発生した水素が富化される被富化物及び前記水素発生部を格納可能な格納部とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】水素富化装置1は、加水分解により水素を発生する水素発生部(水素生成器2)と、該水素発生部で発生した水素が富化される被富化物及び前記水素発生部を格納可能な格納部とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、容器内に収容された被富化物に水素を富化する水素富化装置に関する。
身体にある活性酸素であるヒドロキシルラジカルは、身体の老化を促進したり、癌や脳血管障害などの様々な疾病を引き起こしたりすることが知られている。それに対して、身体に水素を取り込み、水素とヒドロキシルラジカルとを反応させることにより、無害化することが行われている。
身体に水素を取り込む方法は様々なものがある。水素を富化した水の摂取、水素を富化した化粧クリームの肌への塗布などである。このような目的に対して、特許文献1に示されているように、水素を富化した水(水素水、加水素水)の製造装置が提案されている。また、特許文献2に示されているように、水素水を用いたクリームの製造方法が提案されている。
しかしながら、常圧下においては、水素水や水素水を用いたクリームは密閉して置かなくてはならない。水素は気体の中では拡散しやすい性質を持つからである。そのような性質から、水素水や水素水を用いたクリームは密閉しなければ、富化した水素が空気中に放出されてしまう。水素水の製造装置は家庭用の装置が市販されているから、水素水を必要な量を必要なときに作ることが可能である。しかし、当該製造装置は水素水しか製造できない。一方、クリームについては、これまで特に対応は取られていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、様々なものに対して、水素を付加することが可能な水素富化装置を提供することを目的とする。
本発明に係る水素富化装置は、加水分解により水素を発生する水素発生部と、該水素発生部で発生した水素が富化される被富化物及び前記水素発生部を格納可能な格納部とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、格納部内に、水素発生部と被富化物とを格納する事が可能である。それより、格納部に格納可能なものであれば、水素を富化することが可能である。
本発明に係る水素富化装置は、前記格納部は、内部の空気を排出するための排出管と、内部の圧力が所定圧以上となった場合に、前記排出管を閉鎖する閉鎖弁とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、格納部は排出管を有するので、内部の空気を外部に排出することにより、格納部内の水素濃度を高めることが可能である。また、格納部内が所定圧以上になったら、排出管を閉鎖する閉鎖弁を有するので、格納部の内圧を所定圧以上に保つことが可能となる。
本発明に係る水素富化装置は、前記収納部は、球状、楕円体状又は両端が半球状の円柱をなすことを特徴とする。
本発明にあっては、格納部は球状、楕円体状、両端が半球状の円柱をなす。そのため、水素富化時のように内圧が上昇しても、その圧は格納部全体に略均一にかかる。それにより、格納部は破損や変形が起こりにくい。
本発明に係る水素富化装置は、前記排出管及び前記閉鎖弁は、前記格納部において、設置面の近傍に配置されていることを特徴とする。
本発明にあっては、排出管及び閉鎖弁を相対的に設置面の近傍に配置する。水素は空気より軽いため、格納部内の上方から貯まる。排出管及び閉鎖弁は下方に配置されているから、格納部内の空気を効率的に排出することが可能となる。
本発明に係る水素富化装置は、前記水素発生部は発生した水素に含まれる微小異物、細菌又は匂いを除去するフィルタを有することを特徴とする。
本発明にあっては、微小異物、細菌又は匂いを除去するフィルタを有するため、液体に水素を富化するときに、微小異物又は細菌が混入することを抑制することが可能となる。
本発明に係る水素富化装置は、前記格納部は、内部の空気を排気する排気弁を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、格納部は排気弁を備えるので、水素富化後に内部の圧力を開放することが可能となる。
本発明に係る水素富化装置は、前記格納部の内圧を測定する圧力計を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、水素発生部の内圧を測定する圧力計を備えるので、内圧が、液体に水素を富化するために十分な値となっているかを確認することが可能となる。
本発明にあっては、格納部に格納可能な食品、飲料、化粧品など様々なものに対して、水素を富化することが可能である。
以下に実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。なお、本明細書において、富化とは、混合物において特定物質の割合を高めた状態をいう。また、水素を富化するとは、ある物資に分子状態の水素を添加することを言う。定常状態において水素分子を含む物資に対して、水素を富化するとは、定常状態よりも水素の濃度を高めることをいう。一方、定常状態において水素分子を含まない物質に対して、水素を富化するとは、水素分子を添加することをいう。
(実施の形態1)
図1は水素富化装置1の構成例を示す説明図である。水素富化装置1は格納容器11、蓋部12、排気弁13、排気管(排出管)14、閉鎖弁15、安全弁16、圧力計17、ベース部18、水素生成器(水素発生部)2を含む。水素富化装置1は机上面等の設置面に設置して用いる。水素富化装置1において、蓋部12側を上側とする。水素富化装置1において、ベース部18側を下側とする。
図1は水素富化装置1の構成例を示す説明図である。水素富化装置1は格納容器11、蓋部12、排気弁13、排気管(排出管)14、閉鎖弁15、安全弁16、圧力計17、ベース部18、水素生成器(水素発生部)2を含む。水素富化装置1は机上面等の設置面に設置して用いる。水素富化装置1において、蓋部12側を上側とする。水素富化装置1において、ベース部18側を下側とする。
格納容器11は、球状、楕円体状、両端が半球状の円柱又は卵形状をなす。格納容器11は、中空形状をなす。格納容器11は曲面の一部に開口部11aを有する。格納容器11はステンレスなどの金属、FRPなどの樹脂又はガラスなどの比較的強度のある材料により形成する。格納容器11は耐圧性を有し、少なくとも内圧0.5MPa(5bar)となっても破損しないことが望ましい。
蓋部12は格納容器11と同様な曲面を有する曲板状をなす。蓋部12は格納容器11と同様に、ステンレスなどの金属、FRPなどの樹脂又はガラスなどの比較的強度のある材料により形成する。蓋部12の耐圧性も格納容器11と同様に、格納容器11内部が0.5MPaとなっても破損しないことが望ましい。蓋部12は格納容器11の開口部11aを覆うように、開口部11aに嵌合する。蓋部12において、開口部11aと嵌合する部分には、図示しないパッキンが設けられている。パッキンはゴムやシリコーンのような弾性体により形成する。このパッキンにより、蓋部12は開口部11aと密着するように嵌合する。それにより、蓋部12が開口部11aに嵌合した場合、格納容器11は密閉される。
蓋部12には排気弁13が設けてある。排気弁13は開いた状態では、格納容器11の内部と外部とを連通可能とする。排気弁13は格納容器11が蓋部12により密閉されている場合においても、開閉が可能である。排気弁13は主として、格納容器11内に密閉した水素を外部に廃棄する場合に用いる。
格納容器11の下側、すなわち底部には、排気管14が設けてある。排気管14は中空の管状をなす。排気管14は格納容器11と同様に、ステンレスなどの金属、FRPなどの樹脂又はガラスなどの比較的強度のある材料により形成する。排気管14の耐圧性も格納容器11と同様に、格納容器11内部が0.5MPaとなっても破損しないことが望ましい。排気管14の一端は、格納容器11の内部にある。排気管14の他端は、格納容器11の外部にある。排気管14は格納容器11の外郭及びベース部18を貫通している。排気管14が貫通する孔部の周縁には、格納容器11の内外部が連通しないようにパッキンが設けてある。このパッキンは、ゴムやシリコーンなどの弾性体により形成してある。排気管14は格納容器11内部と外部とを連通可能としてある。後述するように、格納容器11内に水素を充満させるために、排気管14は設置面の近傍に配置することが必要である。
排気管14の外部側の他端には、閉鎖弁15が設けてある。閉鎖弁15は、開放状態において、自身に係る圧力が所定圧以上となった場合に、閉鎖するように構成された弁である。本実施の形態では、開放状態としてある閉鎖弁15は、格納容器11の内圧が所定圧以上となった場合に、閉鎖する。
格納容器11の下側には、安全弁16が設けてある。安全弁16は定常状態では閉鎖状態であるが、自身に掛かる圧力が所定圧以上となった場合に、開放状態に遷移する弁である。本実施の形態では、格納容器11の内圧が所定圧以上となった場合に、安全弁16は開放状態となり、格納容器11が破損することを防止する。なお、安全弁16を設ける位置は、格納容器11の下側に限定されない。格納容器11の下側以外の他の位置に設けても良い。
格納容器11の上側には、圧力計17が設けてある。圧力計17は格納容器11の内圧を計測し、計測した値を表示する。
格納容器11下側の底部には、ベース部18が設けてある。ベース部18の上側は、凹曲面となっている。この凹曲面は格納容器11の底部の曲面に沿う形状としてある。この凹曲面と格納容器11の底部とが密着するように固定する。ベース部18の下側は平面としてある。ベース部18の下面が設置面と接し、水素富化装置1は設置される。ベース部18の下部には左右方向に伸びる筒状の孔部が設けてある。この孔部に排気管14が貫通している。
格納容器11の内部には板状の棚板111が設けてある。水素富化装置1が平面に設置された場合、棚板111は水素富化装置1の設置面と略平行となるようにしてある。また、格納容器11の内部の底面近傍には、仕切り112が設けてある。仕切り112は平板状をなしている。仕切り112は棚板111と同様に、水素富化装置1が平面に設置された場合、水素富化装置1の設置面と略平行となるようにしてある。仕切り112は、気体が通過しやすいように、多孔性の材料で形成する。また、仕切り112は針金状の金属を網目状またはメッシュ状に編んだものでも良い。棚板111や仕切り112は、水素生成器2や、水素富化する物質(被富化物)が収容された容器Cを設置するために用いる。なお、棚板111や仕切り112は必須の構成ではない。水素生成器2や被富化物の容器Cを格納容器11の内部で適切に固定可能なものであれば、他のものでも良い。水素生成器2や容器Cを吊り下げて固定する吊り下げ機構でも良い。水素生成器2や容器Cを収納する箱体でも良い。箱体の場合は、水素が通過可能な網状やメッシュ状のもので、箱体を形成することが望ましい。
なお、本実施の形態では、格納容器11、蓋部12、排気弁13、排気管14、閉鎖弁15、安全弁16、圧力計17、ベース部18により、格納部が構成されている。
図2は水素生成器2の構成例を示す説明図である。図2において、蓋体22は内部構造が分かり易いように部分破断図としてある。水素生成器2は、本体部21と蓋体22を含む。本体部21は有底円筒状の容器である。本体部21の上面には開口部21aが設けてある。本体部21は樹脂やガラスにより形成してある。
蓋体22は円筒状をなしている。蓋体22は樹脂やガラスにより形成してある。蓋体22の内部には、フィルタ221が設けてある。フィルタ221の外径は、蓋体22の内径と略同一である。フィルタ221の高さは、蓋体22の高さよりも小さくしてある。フィルタ221の上面は、蓋体22の上面の開口部22aと開口面と面一になるようにしてある。したがつて、蓋体22の下面の開口部22bから所定の高さは円柱状の空間が形成されている。
フィルタ221は、脱臭及び湿分を取り除くことを主目的とする除湿脱臭フィルタ、微小異物や細菌の除去を主目的とする異物除去フィルタを含む。除湿脱臭フィルタは例えば、活性炭を用いて形成する。異物除去フィルタは、微小異物や細菌を吸着することにより、それらを水素から除去することを主目的とする。異物除去フィルタは、ガラスファイバ、ポリプロピレン、不織布などを用いて形成する。微小異物とは、水素以外の物質であり、例えば、水素発生時に生成される水酸化マグネシウム等である。
本体部21の外径と蓋体22の内径とは略同一寸法としてある。蓋体22の下面の開口部22bから、本体部21の上端部を蓋体22の内部に、差し込むことが可能である。それにより、本体部21の上部に蓋体22を嵌合することが可能となる。
次に、水素生成器2による水素生成方法について説明する。図3は水素生成方法を示す説明図である。図3Aに示すように、本体部21に所定量の水(H2O)3を入れる。また、水素化マグネシウム(MgH2)とクエン酸(C6H8O7)とを所定量ずつ混合し、水に溶けるシートで包んだ混合物4を用意する。シートは例えば、オブラートである。混合物4を本体部21の水3の中に投入する。本体部21を蓋体22で蓋をする。混合物4は表面のシートが溶けると、水素化マグネシウム(MgH2)とクエン酸(C6H8O7)とが水に触れる。それにより、加水分解が起こり、図3Bに示したように水素5が発生する。発生した水素5は、フィルタ221を通過して、水素生成器2の外部に放出する。
水素化マグネシウムは、マグネシウムの金属原子間で化学結合した水素を保持してなる化合物であり、下記(1)式で示す加水分解反応に従って水と反応して水素を放出しながら分解する性質を持つ。(1)式で示す加水分解反応により、水素化マグネシウムの15.2[wt%]の水素が発生する。
MgH2+2H2O→Mg(OH)2+2H2…(1)
クエン酸は触媒として機能する。クエン酸を加える事により、(1)式の化学反応の速度を速くすることが可能となる。水素化マグネシウムとクエン酸とは、下記(2)式で化学反応を起こして、水素が発生する。
3MgH2+2C6H8O7→Mg3(C6H5O7)2+6H2…(2)
次に、水素富化装置1による被富化物への水素富化の手順について説明する。図4は水素富化手順を示すフローチャートである。まず、格納容器11から蓋部12を外し、格納容器11の内部に被富化物を格納する(ステップS11)。被富化物は、例えば、ペットボトル入りの清涼飲料水、ラップで包んだご飯やおにぎり、化粧クリーム、乳液、化粧水、シャンプー、リンスである。なお、被富化物は容器Cに収容されたものに限らない。果物や野菜などのように、容器や袋がなくとも形態が保たれるものであれば、そのまま、格納容器11に格納しても良い。
次に、所定量の水を用意する(ステップS12)。用意した水を水素生成器2の本体部21に入れる。そして、予め用意した水素化マグネシウムを含む混合物4を本体部21に投入する(ステップS13)。投入した後、直ちに、本体部21に蓋体22を嵌合する(ステップS14)。速やかに水素生成器2を格納容器11に格納する(ステップS15)。続いて、蓋部12を格納容器11に嵌めて、格納容器11を密閉する(ステップS16)。格納容器11を密閉すると、水素の富化が行われる(ステップS17)。水素を富化するのに充分な時間が経過した後、蓋部12に設けられた排気弁13を開放状態にし、格納容器11内部の水素を排気する(ステップS18)。格納容器11から蓋部12を外し、内部から被富化物を取り出す(ステップS19)。
ステップS16では格納容器11を密閉すると記載した。厳密には、蓋部12を格納容器11に嵌めた直後は、密閉されてはいない。以下の様な経過をたどる。蓋部12を嵌めた直後、格納容器11の内圧は常圧で、閉鎖弁15は開放状態となっている。また、格納容器11内部には空気が存在している。水素は空気よりも軽いため、水素生成器2で発生した水素は上昇する。上昇した水素は格納容器11内の上側から溜まっていく。それに従い、格納容器11内の空気は、下側に流れ、排気管14を介して、格納容器11の外部に排出される。内部の空気が排出され、格納容器11内の気体が略水素のみとなる。水素生成器2が発生した水素の量が増えるに連れて、格納容器11内の圧力は上昇する。格納容器11の内圧が所定圧以上になったら、閉鎖弁15は開放状態から閉鎖状態となる。この段階で、格納容器11は密閉状態となる。水素生成器2で水素が発生している間、格納容器11の内圧が上昇する。高圧の水素雰囲気中に被富化物を置くことにより、被富化物に水素を富化することが可能となる。
次に水素を富化する条件について、説明する。以下の説明においては、一例として、生理食塩水が収容された輸液パックの場合を述べる。ここで、通常の1気圧での水は、溶存水素濃度の飽和値が約1.57ppmであることが知られている。生理食塩水もほぼ同様と推察される。したがって、生理食塩水の溶存水素濃度が1.57ppm前後まで、富化する条件を検討する。
図5は水素の富化時間と輸液パックの溶存水素濃度との関係の一例を示すグラフである。図5において、縦軸は輸液パックの溶存水素濃度を示し、単位はppmである。横軸は富化開始からの経過時間、すなわち富化時間を示し、単位は分である。図5では、水素雰囲気の圧力毎に、富化時間と溶存水素濃度との関係を示している。
図5に示すように、内圧を0.02MPaとした場合、経過時間が120分で溶存水素濃度が約0.5ppm、経過時間240分で溶存水素濃度が約0.8ppmとなった。
内圧を0.05MPaとした場合、経過時間が120分で溶存水素濃度が約0.8ppm、経過時間が240分で溶存水素濃度が約0.9ppmとなった。
内圧を0.1MPaとした場合、経過時間が120分で溶存水素濃度が約0.9ppm、経過時間210分で溶存水素濃度が約1.3ppm、経過時間240分で溶存水素濃度が約1.4ppmとなった。
内圧を0.2MPaとした場合、経過時間が30分で溶存水素濃度が約0.8ppm、経過時間が60分で溶存水素濃度が約1.1ppm、経過時間が120分で溶存水素濃度が約1.3ppm、経過時間が240分で溶存水素濃度が約1.5ppmとなった。
内圧を0.3MPaとした場合、経過時間が60分で溶存水素濃度が約1.1ppm、経過時間が120分で約1.7ppm、経過時間150分で溶存水素濃度が約2ppmとなった。
以上の結果より、内圧を0.3MPaとすれば、経過時間120分で溶存水素濃度が約1.7ppmとなり、常圧における飽和濃度の約1.57ppmを越える値となるので、実運用に耐えうる仕様である。
上記の測定では、生理食塩水を例としたが、飲料水、清涼飲料水などの水が主成分のものも同様であると推測される。
以上のことから、水素富化装置1の水素富化時の内圧は、0.3MPaで運用するものとする。この場合、格納容器11は少なとも0.5Mpaの耐圧性が必要となる。安全弁16は0.5Mpaで開放状態となり、格納容器11内部の水素が放出されるようにする。また、閉鎖弁15が開放状態から閉鎖状態に遷移する圧力を0.05MPa(0.5bar)までの値、例えば、0.03Mpa(0.3bar)とする。
次に、内圧0.3MPaとする場合に、水素化マグネシウムなどの必要量の計算例を示す。常圧は約0.1MPaであるから、内圧を0.3Mpaとするためには、水素生成器2で発生させる水素の体積は、格納容器11の約三倍とすれば良い。
例えば、格納容器11の内容積が30L(リットル)とする。格納容器11に格納する水素生成器2、被富化物の合計の体積が内容積の8割とする。この場合、水素を充満させる必要がある空間の内容積は、30×(1−0.8)=6(L)となる。
水素化マグネシウムの分子量は26.32、水素の分子量2.0、クエン酸の分子量は192.12である。1モルの気体は22.4Lである。上述の(1)式、(2)式より、水素化マグネシウム1モルにつき、2モルの水素が発生する。したがって、水素化マグネシウム1gで発生する水素は、以下の(3)式で求まる。
22.4(L)×2/26.32=約1.7(L)=約1700(mL)…(3)
水素化マグネシウム1gで、約1700mLの水素が発生するから、6L=6000mLの水素を発生させるための水素化マグネシウムの必要量は、以下の(4)式で求まる。
6000/1700×1=約3.5(g)…(4)
上記(2)式より、水素化マグネシウム3モルに対して、クエン酸は2モル必要であるから、水素化マグネシウム3gに対するクエン酸の必要量は、以下の(5)式で求まる。
3.5/(3×26.32)×(2×192.12)=約17.0(g)…(5)
また、水素化マグネシウム3.5gに対する水の必要量は、式(1)より求まるが、実際の反応においては理論値よりも、多い量の水が必要である。重量比で水素化マグネシウムの15倍の水が必要とされている。よって、水の必要量は、約52.5mLとなる。
以上をまとめると、内容積が30Lの格納容器11において、格納する水素生成器2、被富化物がその8割を占めている場合、水素を充満させる必要がある空間の内容積は、6000(mL)となる。そして、内容積6000mLに内圧0.3MPaの水素を充満させるには、水素化マグネシウム3.5g、水52.5mL、クエン酸17.0gが必要となる。それぞれの量については、余裕を見て多めの量としてもよい。
なお、上述の説明において、閉鎖弁15は掛かる圧力が所定値以上となった場合に、開放状態から閉鎖状態となる。閉鎖弁15は掛かる圧力が所定値未満となった場合に、閉鎖状態から開放状態へ戻るような機構を有していても良い。また、格納容器11に蓋部12を嵌合した後に、格納容器11内部の空気が排出され、内部が水素で充満するまでの時間経過したら、閉じるように構成したタイマー式の閉鎖弁としてもよい。その場合においては、予め、格納容器11内部の空気が排出され、内部が水素で充満し、圧力が所定圧となるまでの時間を何度か計測し、閉鎖弁が閉じるまでの時間を定めれば良い。
本実施の形態では、格納容器11に格納可能な食品、飲料、化粧品など様々なものに対して、水素を富化することが可能である。
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 水素富化装置
11 格納容器
12 蓋部
13 排気弁
14 排気管
15 閉鎖弁
16 安全弁
17 圧力計
18 ベース部
2 水素生成器
21 本体部
22 蓋体
11 格納容器
12 蓋部
13 排気弁
14 排気管
15 閉鎖弁
16 安全弁
17 圧力計
18 ベース部
2 水素生成器
21 本体部
22 蓋体
Claims (7)
- 加水分解により水素を発生する水素発生部と、
該水素発生部で発生した水素が富化される被富化物及び前記水素発生部を格納可能な格納部と
を備えることを特徴とする水素富化装置。 - 前記格納部は、
内部の空気を排出するための排出管と、
内部の圧力が所定圧以上となった場合に、前記排出管を閉鎖する閉鎖弁と
を有することを特徴とする請求項1に記載の水素富化装置。 - 前記格納部は、
球状、楕円体状又は両端が半球状の円柱をなす
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水素富化装置。 - 前記排出管及び前記閉鎖弁は、前記格納部において、設置面の近傍に配置されている
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の水素富化装置。 - 前記水素発生部は発生した水素に含まれる微小異物、細菌又は匂いを除去するフィルタを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の水素富化装置。 - 前記格納部は、内部の空気を排気する排気弁を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の水素富化装置。 - 前記格納部の内圧を測定する圧力計を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の水素富化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016096418A JP2017202960A (ja) | 2016-05-12 | 2016-05-12 | 水素富化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016096418A JP2017202960A (ja) | 2016-05-12 | 2016-05-12 | 水素富化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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2016
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