JP2017202884A - 岸壁クレーンおよび岸壁クレーンの制御方法 - Google Patents

岸壁クレーンおよび岸壁クレーンの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブームの振れを抑制できる岸壁クレーンおよび岸壁クレーンの制御方法を提供する。【解決手段】ブーム4aの海側端部が初期位置から岸壁クレーン1の進行方向の前方側または後方側に変位したときの変位方向を変位測定機構13で測定して、進行方向の後方側にブームの海側端部が変位したときに海側走行装置2aに対する陸側走行装置2bの相対速度を減少させ、進行方向の前方側にブーム4aの海側端部が変位したときに陸側走行装置2bに対する海側走行装置2aの相対速度を減少させる。【選択図】図6

Description

本願発明は横行方向に間隔をあけて対置される海側走行装置および陸側走行装置と横行方向に延在するブームおよびガーダとを備える岸壁クレーンおよび岸壁クレーンの制御方法に関するものであり、詳しくはブームの振れを抑制できる岸壁クレーンおよび岸壁クレーンの制御方法に関するものである。
港湾等でコンテナ等の荷役を行なう荷役機器として岸壁クレーンが使用されている。岸壁クレーンは、岸壁に沿った走行方向を直角に横断する横行方向(海陸方向ということもある)に間隔をあけて対置される走行装置と、この走行装置により支持されるクレーン構造体と、このクレーン構造体に支持されて横行方向に延在するブームおよびガーダとを備えている。走行装置は、海側に配置される海側走行装置と、陸側に配置される陸側走行装置とで構成されている。
海側走行装置と陸側走行装置とはそれぞれ、走行輪と、この走行輪に動力を伝達するモータと、このモータに接続されてモータの回転速度(回転数)を制御するインバータと、このインバータを介してモータに回転速度の指令を与えるコントローラとを有している。
コントローラは例えばクレーンの運転室に設置されていて、運転手の操作により速度の指令をそれぞれのインバータに与える。インバータはこの速度指令に基づいて周波数および電圧を調整した電気をモータに供給する。即ち海側走行装置と陸側走行装置とはそれぞれ独立して制御される。
台風接近時には岸壁クレーンを岸壁に固定するために、走行装置と岸壁とにそれぞれ形成された貫通孔にアンカーピンを挿入する。このとき海側走行装置と岸壁の貫通孔の位置合わせと、陸側走行装置と岸壁の貫通孔の位置合わせをそれぞれ行えるように、海側走行装置と陸側走行装置とはそれぞれ独立して制御できるように構成されている。
岸壁クレーンによりコンテナを荷役する際には、荷役対象のコンテナ中心にブームの中心を合わせるように、運転手が岸壁クレーンを走行方向に走行させて位置合わせを行なう。岸壁クレーンを走行させる際には、海側走行装置と陸側走行装置とが同じ速度で同じ方向に走行するように、運転手がコントローラを操作する。
岸壁クレーンを停止させる際には、まず例えばモータの定格回転速度の100%に対して2%まで緩やかに減速させ、その後、走行装置に設置されたブレーキ装置を作動させて走行装置を停止させる。モータの速度を定格回転速度の0%、即ち0rpmまで減速させると、風等により岸壁クレーンが押されて移動してしまうおそれがあるため、従来は走行装置が完全に停止する前にブレーキをかけていた。
岸壁クレーンは海側に張り出したブームを有しているので、岸壁クレーンの重心は海側に偏った位置となり、海側走行装置の方が陸側走行装置に比べて支持すべき荷重(以下、輪重ということがある)が大きくなる。海側走行装置の輪重の方が大きくなるので、海側走行装置と陸側走行装置とが同じ速度で走行するようにコントローラから速度指令を与えても、輪重が比較的大きい海側走行装置に遅れが発生することを出願人は発見した。
岸壁クレーンを走行させると海側走行装置よりも陸側走行装置が前方に進んだ状態、即ちそれぞれの走行装置の位置が走行方向にずれた状態となる。海側走行装置と陸側走行装
置との走行方向のずれにより、クレーン構造体には上下方向を中心軸とする回転モーメントが発生して、クレーン構造体に歪み(変形)が生じる。またクレーン構造体にはこの歪みを解放する方向の力として、上記とは逆方向の回転モーメントが発生する。この回転モーメントによりクレーン構造体に振動が発生して、この振動によりブームの海側端部が走行方向に揺動する不具合が発生する。
またブレーキをかけて走行装置を停止させる際には、海側走行装置と陸側走行装置とが走行方向にずれた状態となっているので、クレーン構造体に残留歪みが残った状態でそれぞれの走行装置の位置が固定される。この歪みの影響によりブレーキ後のクレーン構造体に振動が発生して、この振動によりブームの海側端部が走行方向に揺動する不具合が発生する。
岸壁クレーンのブームは、横行方向に延在する二本の柱状部材を走行方向に延設される鋼材で連結して枠状構造としたツインボックス構造の他に、横行方向に延在する一本の柱状部材で形成したモノボックス構造としたものがある。モノボックス構造のブームは、ツインボックス構造のブームに比べて軽量であるが、走行方向の揺れに対する剛性が比較的小さいのでブームの海側端部が揺動し易い。
ブームの海側端部が揺動している状態では、荷役対象のコンテナに対する位置合わせが行えないので、従来はブームの海側端部の揺動が収まるまで待機しなければならなかった。この待機時間は岸壁クレーンが走行および停止する度に必要であった。
出願人は、岸壁クレーンのブームの揺れを抑制する制振構造を既に提案している(例えば特許文献1参照)。特許文献1はブームの海側端部およびガーダの陸側端部に制振マスを設置して、地震時に発生するブームの揺れを抑制する構成を提案する。この制振マスにより岸壁クレーンの走行時および停止時に発生するブームの揺れを減衰することができるが、ブームの揺動の発生そのものを防止することができないので、待機時間は依然として必要であった。
特開2011−213455号公報
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的はブームの振れを抑制できる岸壁クレーンおよび岸壁クレーンの制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の岸壁クレーンは、走行方向に対して横断する横行方向に間隔をあけて対置される海側走行装置および陸側走行装置と、前記海側走行装置および前記陸側走行装置により支持されるクレーン構造体と、このクレーン構造体に支持されて前記横行方向に延在するブームおよびガーダとを備えていて、前記海側走行装置および前記陸側走行装置がそれぞれ、走行輪と、この走行輪に動力を伝達するモータと、このモータに接続されて前記モータの回転速度を制御するインバータと、このインバータを介して前記モータに回転速度の指令を与えるコントローラとを有する岸壁クレーンにおいて、前記ブームの海側端部が初期位置から前記岸壁クレーンの進行方向の前方側または後方側に変位したときの変位方向を測定する変位測定機構と、この変位測定機構により取得した前記変位方向に基づいて前記コントローラから前記モータに指令される回転速度を調整する制御機構と備えていて、前記制御機構が、前記進行方向の前記後方側に前記ブームの海側端
部が変位したときに前記海側走行装置に対する前記陸側走行装置の相対速度を減少させ、前記進行方向の前記前方側に前記ブームの海側端部が変位したときに前記陸側走行装置に対する前記海側走行装置の相対速度を減少させる構成を備えることを特徴とする。
本発明の岸壁クレーンの制御方法は、走行方向に対して横断する横行方向に間隔をあけて対置される海側走行装置および陸側走行装置と、前記海側走行装置および前記陸側走行装置により支持されるクレーン構造体と、このクレーン構造体に支持されて前記横行方向に延在するブームおよびガーダとを備えていて、前記海側走行装置および前記陸側走行装置がそれぞれ、走行輪と、この走行輪に動力を伝達するモータと、このモータに接続されて前記モータの回転速度を制御するインバータと、このインバータを介して前記モータに回転速度の指令を与えるコントローラとを有する岸壁クレーンの制御方法において、前記ブームの海側端部が初期位置から前記岸壁クレーンの進行方向の前方側または後方側に変位したときの変位方向を測定して、前記進行方向の前記後方側に前記ブームの海側端部が変位したときに前記海側走行装置に対する前記陸側走行装置の相対速度を減少させ、前記進行方向の前記前方側に前記ブームの海側端部が変位したときに前記陸側走行装置に対する前記海側走行装置の相対速度を減少させることを特徴とする。
本発明によれば、ブームの変位方向を直接的に測定して、この変位を解消してブームが初期位置に戻る方向に一対の走行装置を制御するので、クレーン構造体が変形してブームに振動が発生することを抑制するには有利である。
変位測定機構はブームまたはガーダの少なくとも一方に設置される加速度センサで構成することができる。この加速度センサはブームの海側端部の近傍またはガーダの陸側端部の近傍の少なくとも一方に設置される構成にすることができる。この構成によればブームおよびガーダにおいて変位が大きくあらわれる位置に加速度センサが設置されるので、変位方向の測定精度を向上することができる。
変位測定機構が、ブームまたはガーダの少なくとも一方に設置され位置情報を取得できる測定用受信機と、クレーン構造体に設置され位置情報を取得できる基準用受信機とで構成され、基準用受信機に対する測定用受信機の相対位置からブームの変位方向を測定する構成にすることができる。
衛星測位システムまたはトランスポンダ等の受信機をブーム等に設置してその位置情報からブームの変位方向を直接的に測定できるので、この変位方向の測定精度を向上するには有利である。
制御機構が、進行方向の前方側に位置する海側走行装置または陸側走行装置のモータにコントローラから指令される回転速度を、変位測定機構により測定される変位量が大きいほど大きな割合で減少させる構成にすることができる。
ブームの変位量が大きいほどこの変位を解消させるための制御が強く働くので、ブームの振れが止まるまでの時間を短縮するには有利である。モータの回転速度を減少させる方向に制御するため、この制御においてモータの容量を超える出力が必要となり制御の効果が得られない不具合を回避できる。
本発明の岸壁クレーンを例示する説明図である。 図1の岸壁クレーンをA−A断面で例示する説明図である。 図2の岸壁クレーンの走行装置近傍を拡大して例示する説明図である。 岸壁クレーンの制御機構およびインバータを模式的に例示する説明図である。 ブームが初期位置にある岸壁クレーンの平面を模式的に例示する説明図である。 ブームが進行方向の後方側に変位している状態を例示する説明図である。 ブームが進行方向の前方側に変位している状態を例示する説明図である。 ブレーキをかける際のモータの回転速度の変動を例示するグラフである。
以下、本発明の岸壁クレーンおよび岸壁クレーンの制御方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。尚、図中では岸壁クレーンおよび走行装置の走行方向を矢印y、走行方向yに直交する水平方向である横行方向を矢印x、上下方向を矢印zで示している。
図1〜図3に例示するように本発明の岸壁クレーン1は、走行方向yに直交する水平方向である横行方向xに間隔をあけて対置される海側走行装置2aおよび陸側走行装置2b(以下、総称する場合は走行装置2ということがある)と、この走行装置2により支持されるクレーン構造体3と、クレーン構造体3に支持されて横行方向xに延在するブーム4aおよびガーダ4bとを備えている。
クレーン構造体3は、上下方向zに延在する四本の脚部材3aと、横行方向xまたは走行方向yに延在して隣接する脚部材3aどうしを連結する複数の水平部材3bとを備えている。ブーム4aおよびガーダ4bは、走行方向yに延設され海側の脚部材3aどうしを連結する水平部材3bと、陸側の脚部材3aどうしを連結する水平部材3bの下面に懸吊された状態で固定されている。岸壁クレーン1はブーム4aおよびガーダ4bに沿って横行するトロリ5を備えていて、このトロリ5に併設される運転室6から運転手は岸壁クレーン1を操作する。
クレーン構造体3の下端には走行装置2が設置されていて、走行装置2は走行方向yに並べて海側に配置される二つの海側走行装置2aと、陸側に配置される二つの陸側走行装置2bとで構成されている。この実施形態では二つの海側走行装置2aと二つの陸側走行装置2bとがクレーン構造体3に設置されているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の岸壁クレーン1は横行方向xに間隔をあけて配置される海側走行装置2aと陸側走行装置2bとを備えていればよい。
図3に例示するように走行装置2はそれぞれ、四つの走行輪7と、この走行輪7に動力を伝達する一つのモータ8とを備えている。また少なくとも一つの走行装置2には、走行装置2にブレーキをかけるブレーキ装置9が設置されている。
走行輪7は、例えば岸壁10に敷設されるレールの上を転動しながら移動する鉄輪等で構成される。このときブレーキ装置9は例えばこのレールを挟んで走行装置2を固定するレールクランプで構成される。また走行輪7は、例えば岸壁10上を転動しながら無軌道で移動するゴム製のタイヤ等で構成される。このときブレーキ装置9はタイヤの回転を停止させるディスクブレーキ等で構成される。
走行輪7およびモータ8の数は上記に限定されない。走行輪7の支持すべき荷重により走行輪7の数を適宜変更して、走行輪7に伝達すべき動力の大きさに応じてモータ8の数を適宜変更することができる。例えば一つの走行装置2に八つの走行輪7を設置して、この走行輪7に四つのモータ8から動力を伝達する構成にすることができる。
また走行装置2はそれぞれ、インバータ11を備えている。このインバータ11は運転室6に設置されるコントローラからの回転速度指令に基づいてモータ8の回転速度(回転数)を制御する。
図1に例示するようにブーム4aの海側端部の海側端面には、走行方向yにブーム4aが振れて変位したときの変位方向を測定する変位測定機構13が設置されている。この変位測定機構13は例えば一軸加速度センサなどの加速度センサで構成することができる。変位測定機構13は、加速度センサに限定されるものではなく、走行方向yにおけるブーム4aの少なくとも変位方向を測定できる機能を有していればよい。変位測定機構13は、例えばブーム4aの変位方向に加えて変位量を測定できる変位計で構成することができる。
変位測定機構13が設置される位置はブーム4aの海側端面に限らず、海側端部の近傍であればよい。例えばブーム4aの海側端部の上面、下面、または走行方向yに対向する側面に変位測定機構13を設置することができる。本明細書においてブーム4aの海側端部の近傍とは、横行方向xにおけるブーム4aおよびガーダ4bの全長に対して、ブーム4aの海側端部から20%以内の位置をいう。
図4に例示するように、インバータ11は海側走行装置2aに設置されるモータ8を制御する海側インバータ11aと、陸側走行装置2bに設置されるモータ8を制御する陸側インバータ11bとで構成されている。インバータ11はそれぞれの走行装置2に設置されている。このインバータ11を介してモータ8に回転速度の指令(速度指令)を与えるコントローラ12は、例えば運転室6に設置される。尚、図4においてモータ8に電気を供給する電線を実線の矢印で示し、信号の伝達を行なう信号線を破線の矢印で示している。
上記の構成に限らずインバータ11をコントローラ12とともに運転室6に設置してもよい。またクレーン1が遠隔操作される場合は、コントローラ12は遠隔地の操作室に設置される。
インバータ11とコントローラ12との間には制御機構14が設置されている。この制御機構14は変位測定機構13により取得したブーム4aの変位方向に基づいて、コントローラ12からモータ8に指令される回転速度を調整する機能を有している。つまりコントローラ12からモータ8に送られる速度指令は必ず制御機構14を通過することになる。この制御機構14は例えば運転室6に設置される。制御機構14は走行装置2のインバータ11の近傍に配置してもよい。
海側走行装置2aに設置される全てのモータ8を一台の海側インバータ11aで制御し、陸側走行装置2bに設置される全てのモータ8を一台の陸側インバータ11bで制御する構成にしてもよく、モータ8ごとにそれぞれインバータ11を設置する構成にしてもよい。
運転手がコントローラ12を操作すると、コントローラ12からインバータ11に速度指令が送られる。この速度指令はモータ8の回転速度を規定したものであり、この速度指令に応じてインバータ11は岸壁クレーン1から供給される電気の周波数等を調整してモータ8に供給する。つまりコントローラ12から指令される回転速度に応じてモータ8は回転する。
この実施形態では二つのインバータ11a、11bに一つのコントローラ12が接続されている。回転速度の指令を送るインバータ11を選択する切り替えスイッチをコントローラ12に設置して、海側走行装置2aまたは陸側走行装置2bのみを走行させてそれぞれ位置合わせを行なえる構成にしてもよい。また二つのインバータ11にそれぞれコントローラ12を接続する構成にしてもよい。
図5に例示するように岸壁クレーン1が停止しているときは、ブーム4aは振れず停止した状態となる。この振れていないときのブーム4aの位置を本明細書では初期位置という。この状態から運転手が荷役作業の開始にともないコントローラ12を操作すると岸壁クレーン1は岸壁10に敷設されたレール10aに沿って走行を開始する。
図6および図7に例示するように岸壁クレーン1が走行したときに海側走行装置2aと陸側走行装置2bとが走行方向yにずれることがあり、これにともないブーム4aおよびガーダ4bに走行方向yの振れ(変位)が発生する。図6および図7では説明のため岸壁クレーン1の進んでいる方向(進行方向)を白抜き矢印で示している。また説明のためブーム4aおよびガーダ4bの初期位置を破線で示している。
図6に例示するように岸壁クレーン1は海側に大きく突出したブーム4aを備えているため、重心が海側に偏った位置となる。そのため海側走行装置2aは輪重が相対的に大きくなり、コントローラ12から陸側走行装置2bと同一の速度指令を受けた場合であっても遅れが発生する。海側走行装置2aの遅れによりクレーン構造体3が歪み、ブーム4aの海側端部が岸壁クレーン1の進行方向の後方側に振れる。
その後、クレーン構造体3には歪みを解放するために逆方向の力が発生するので、図7に例示するようにブーム4aの海側端部が岸壁クレーン1の進行方向の前方側に振れる。このとき海側走行装置2aに対して陸側走行装置2bが遅れた位置となる。
走行方向yにおけるブーム4aの振れは、岸壁クレーン1の大きさやクレーン構造体3の剛性によって異なるが、例えば周期が0.5〜15sec程度であり、海側端部における振幅が±0.1〜1.0m程度となる。またブーム4aおよびガーダ4bは、海側走行装置2aと陸側走行装置2bとの間の中間位置近傍の中心点Cを中心として水平面内で回転する。
図6に例示する状況において本実施形態の岸壁クレーン1は、まず変位測定機構13によりブーム4aの海側端部の変位方向を測定する。この変位方向は信号として変位測定機構13から制御機構14に送られる。制御機構14は、変位方向に基づいてコントローラ12からインバータ11に指令される回転速度を調整する。
図6に例示する場合は、ブーム4aが進行方向の後方側に変位しているので、海側走行装置2aが遅れていることになる。そのため制御機構14は海側走行装置2aに対する陸側走行装置2bの相対速度を減少させる制御を行なう。
例えばコントローラ12からインバータ11に対して、定格速度の100%で走行する旨の速度指令が出ていた場合、制御機構14は海側走行装置2aのインバータ11に対しては定格速度の100%の速度指令をそのまま送信して、陸側走行装置2bのインバータ11に対しては例えば定格速度の80%の速度指令を送信する。この制御により、遅れていた海側走行装置2aが陸側走行装置2bに接近して、クレーン構造体3の歪みを小さくすることができる。
図7に例示するようにブーム4aが岸壁クレーン1の進行方向の前方側に変位している場合は、制御機構14は海側走行装置2aの回転速度の指令を例えば定格速度の20%だけ減少させる制御を行なう。この制御により、遅れていた陸側走行装置2bが海側走行装置2aに接近して、クレーン構造体3の歪みを小さくすることができる。
制御機構14は、コントローラ12から送られてくる回転速度の指令から岸壁クレーン
1の進行方向を知ることができるので、変位測定機構13からの信号に基づきブーム4aが進行方向の前方側または後方側のいずれに変位しているかを判断することができる。
ブーム4aの変位方向を変位測定機構13で測定して、これに基づき制御機構14が海側走行装置2aと陸側走行装置2bの相対速度を調整することにより、ブーム4aに振れが発生することを抑制するとともに、ブーム4aに発生した振れを止めることができる。制御機構14は、海側走行装置2aと陸側走行装置2bとの走行方向yにおけるずれを小さくする制御を行なえればよい。そのため遅れている側の走行装置2の速度を上昇させる制御により相対速度を調整してもよい。
つまり海側走行装置2aは陸側走行装置2bに対してブーム4aの変位方向と同じ方向にずれるので、制御機構14はこのずれを解消する制御を行なえばよい。具体的には先行している側の走行装置2の速度を減速させたり、遅れている側の走行装置2の速度を上昇させたりする。
クレーン構造体3の歪み等を測定してこの測定値からブーム4aの振れを間接的に推定する場合と比べて、本実施形態では変位測定機構13がブーム4aの振れを直接的に測定するので、ブーム4aに振れが発生することを精度よく抑制できる。
ブーム4aの振れを抑制することにより、荷役時にブーム4aの振れが収まるのを待つための待機時間がほとんどなくなるので、岸壁クレーン1の荷役効率を向上するには有利である。
岸壁クレーン1が大型化した場合であっても、ブーム4aの振れを抑制できる。岸壁クレーン1が軽量化されクレーン構造体3の剛性が低くなってもブーム4aの振れを抑制することができる。そのため岸壁クレーン1が軽量で且つ剛性の低いモノボックス構造のブーム4aを備えている場合であっても、効果的にブーム4aの振れを抑制することができる。
変位測定機構13が変位方向に加えて変位量を測定できる構成にすることができる。この場合はブーム4aの初期位置からの変位量に応じてモータ8の回転速度を減少させる量(補正量)を変化させてもよい。変位測定機構13を例えば加速度センサで構成した場合、加速度センサで測定された値を積分することで初期位置からの変位量を算出することができる。
コントローラ12からモータ8に送られる速度指令に対して実際の回転速度を減少させる量(補正量)は、例えばD=adに基づいて決定することができる。ここでDは補正量(%)、aは予め設定される定数、dは変位量(m)である。つまり変位測定機構13により測定された変位量に比例して、コントローラ12からモータ8に指令される回転速度を制御機構14が調整する。
定数aを10に設定した場合を例に説明する。図6に例示されるように変位測定機構13により測定された変位量が岸壁クレーン1の進行方向の後方側に0.1mであった場合(d=0.1)は、上記式より補正量Dが1%となる。制御機構14は運転手がコントローラ12に入力した回転速度から1%減じた速度で陸側走行装置2bのモータ8を回転させる。つまり回転速度の指令が100%(定格速度)の場合に実際のモータ8は定格速度の99%の回転速度で回転し、速度指令が50%の場合に定格速度の49%の回転速度で回転する。
変位測定機構13により測定された変位量が岸壁クレーン1の進行方向の後方側に1.
0mであった場合(d=1.0)は、上記式より補正量Dが10%となる。制御機構14は運転手がコントローラ12に入力した回転速度から10%減じた回転速度で、陸側走行装置2bのモータ8を回転させる。つまり回転速度の指令が100%(定格速度)の場合に実際のモータ8は定格速度の90%の回転速度で回転し、速度指令が50%の場合に定格速度の40%の回転速度で回転する。
図7に例示されるように変位測定機構13により測定され変位量が岸壁クレーン1の進行方向の前方側に1.0mであった場合(d=−1.0)は、上記式より補正量Dが−10%となる。制御機構14は運転手がコントローラ12に入力した回転速度から10%減じた回転速度で、海側走行装置2aのモータ8を回転させる。上記のように制御機構14は、補正量Dの値がマイナスである場合は海側走行装置2aの速度を減少させ、プラスである場合は陸側走行装置2bの速度を減少させる。岸壁クレーン1の進行方向が図6および図7と逆方向のとき、制御機構14は補正量Dの値がマイナスである場合は陸側走行装置2bの速度を減少させ、プラスである場合は海側走行装置2aの速度を減少させる。
定数aの値は上記に限らず岸壁クレーンの規模や機器の構成に応じて適宜変更することができる。定数aの値は例えば1以上100以下の範囲内で設定して、望ましくは2以上10以下の範囲内で設定する。この定数aを変更するツマミをコントローラ12に設置して、運転手が定数aを随時変更できる構成にしてもよい。定数aの値を大きくするほどブーム4aの振れを止めるための制御が強く働くので、ブーム4aの振れを止めやすくなる。定数aの値を小さくするほど走行装置2の速度の変化量が小さくなるので、走行装置2の速度変化にともない岸壁クレーン1に衝撃等が発生する不具合を回避するには有利である。
制御機構14が、例えば速度指令に対して予め定めた補正量Dでモータ8の回転速度を制御する構成にしてもよい。具体的には例えば補正量Dの絶対値を8%と予め定めておき、ブーム4aが前方側に変位した場合はこの変位量に関わらず補正量Dの値を+8%とする。つまり変位方向に応じて補正量Dの値を+8%または−8%として制御を行なう。
図6に例示するようにブーム4aが後方側に変位した場合は、運転手がコントローラ12に入力した回転速度から8%減じた回転速度で陸側走行装置2bのモータ8を回転させる。この場合、コントローラ12からの速度指令が定格速度の100%の場合はモータ8の回転速度は定格速度の92%となり、速度指令が定格速度の50%の場合はモータ8の回転速度は定格速度の42%となる。
図7に例示するようにブーム4aが前方側に変位した場合は、この変位量に関わらず補正量Dの値を−8%として、海側走行装置2aのモータ8の回転速度を8%減じる。
変位測定機構13で測定された変位方向や変位量に対してモータ8の回転速度を減じる補正量Dは、上記に限定されない。例えば前述の補正量Dを求める数式の代わりに、以下の表に例示するようにブーム4aの海側端部の走行方向yにおける変位量に応じて、補正量Dを予め定めたテーブルを設定してもよい。前述のモータ8の回転速度を決定する数式やテーブルは例えば制御機構14に格納することができる。
Figure 2017202884
変位測定機構13と制御機構14による制御は常時実行されている状態としてもよいが、岸壁クレーン1が停止状態から走行状態に移行するときに開始され、走行状態から停止状態に移行して所定時間経過した後に終了されることが望ましい。これによりブーム4aの振れが発生した瞬間にこの振れを抑制するための制御が開始され、ブーム4aがほとんど振れていない状態を維持し易くなる。また荷役作業中に制御が実行されて岸壁クレーン1が予期せず走行方向yに移動することを防止できる。
変位測定機構13によるブーム4aの変位方向や変位量の測定および制御機構14による速度の調整は、所定の時間間隔をあけて行ってもよいが、時間間隔をあけずに連続的に行なう方が望ましい。モータ8の回転速度の調整を逐次行なうことにより、ブーム4aの振れが大きくなる前にこの振れを抑制できる。
岸壁クレーン1は、休止時にブーム4aを垂直に近い起立状態とすることがあり、ブーム4aが起立状態のまま岸壁クレーン1が走行することがある。このときは変位測定機構13と制御機構14による制御を行なってもよいが、ブーム4aが振れていてもほとんど問題ない場合は制御を行なわない構成としてもよい。
加速度センサ等の変位測定機構13の設置位置はブーム4aの海側端部に限定されず、ブーム4aの走行方向yにおける変位方向や変位量を測定できる位置であればよい。例えばブーム4aであって海側の脚部材3aの近傍となる位置に変位測定機構13を設置することができる。この場合、変位測定機構13で測定される変位量はブーム4aの海側端部の変位量よりも値が小さくなるが、変位測定機構13に電気を供給する電線等の配線を短くするには有利である。
変位測定機構13はガーダ4bの陸側端部に設置してもよい。ブーム4aに設置される場合とは変位方向および変位量が逆向きに検知される。つまり図6に例示するようにブーム4aの海側端部が岸壁クレーン1の進行方向の後方側に変位しているとき、ガーダ4bの陸側端部は進行方向の前方側に変位する。ガーダ4bの陸側端部に設置される変位測定機構13が前方側への変位を検知した場合、海側走行装置2aが遅れていることになるので、制御機構14は海側走行装置2aに対する陸側走行装置2bの相対速度を減少させる制御を行なう。変位測定機構13はガーダ4bであって陸側の脚部材3bの近傍となる位置に設置してもよい。
ブーム4aやガーダ4bを構成する柱状部材の内側に変位測定機構13を設置する構成にしてもよい。風雨等による変位測定機構13の劣化を回避するには有利である。
ブーム4a等に設置される変位測定機構13は、一つに限定されない。例えばブーム4aとガーダ4bとにそれぞれ変位測定機構13を設置する構成にしてもよく、変位測定機構13を三つ以上設置する構成にしてもよい。加速度センサ等の変位測定機構13を複数設置する構成により、ブーム4aおよびガーダ4bの状態をより詳細に測定することができる。
例えば図6に一点鎖線で例示するようにブーム4aが走行方向yにしなり、ブーム4aの海側端部の変位測定機構13で測定される値が通常より大きくなる場合がある。変位測定機構13で測定される変位量に応じて走行装置2の減速する割合を大きくする制御を制御機構14で行っている場合、ブーム4aがしなると、走行装置2を減速する制御が強く働き過ぎるおそれがある。
このような場合であっても、ガーダ4bにも変位測定機構13を設置しておけば、この測定値からブーム4aのしなりを検知することができる。制御機構14により適切な範囲で走行装置2を減速させるには有利である。
この場合は例えばブーム4aに設置した変位測定機構13とガーダ4bに設置した変位測定機構13とで得られた変位量の値の平均値を算出して、この平均値に基づき制御機構14により走行装置2の速度を制御することができる。
またガーダ4bに設置した変位測定機構13で得られる値に対して、ブーム4aに設置した変位測定機構13の値が所定の範囲を超える場合には、ブーム4aがしなっていると判断して、ガーダ4bに設置した変位測定機構13で得られる値のみに基づいて制御する構成にしてもよい。
変位測定機構13は、GPSなどの衛星測位システムを利用してもよい。例えば基準用受信機を二つの陸側走行装置2bの近傍にそれぞれ設置して、測定用受信機をブーム4aの海側端部などに設置することができる。二つの基準用受信機の位置座標に対する測定用受信機の位置座標からブーム4aの変位方向や変位量を算出することができる。
同様に、変位測定機構13はトランスポンダを利用してもよい。トランスポンダは、例えばコンテナターミナルに設置される送信機と、二つの陸側走行装置2bの近傍にそれぞれ設置される基準用受信機と、ブーム4a等に設置される測定用受信機とで構成することができる。
基準用受信機や測定用受信機を設置する位置は上記に限定されない。測定用受信機は変位量が大きくなるブーム4aの海側端部に設置することが望ましいが、ブーム4aの他の場所やガーダ4bに設置してもよい。また基準用受信機は岸壁クレーン1における測定用受信機の位置を知ることができる位置に設置すればよく、例えば二つの海側走行装置2aにそれぞれ設置してもよい。クレーン構造体3に走行方向yに間隔をあけて二つの基準用受信機を設置してもよい。
変位測定機構13は、ガーダ4bが懸吊された状態で固定される水平部材3bとガーダ4bとの結合部に設置する歪みゲージで構成することができる。歪みゲージにより水平部材3bに対するガーダ4b等の変位方向を測定することができる。
岸壁クレーン1を停止する際には、モータ8の回転速度を定格回転速度の0%、即ち0
rpmとする速度指令を運転手がコントローラ12からインバータ11に送る。図8に例示するようにインバータ11はモータ8の回転速度を緩やかに減速させて0rpmとなった時点t0で、この0rpmを維持する制御を開始する(制御開始点)。例えば風等により岸壁クレーン1が走行方向yに押された場合は、この外力に対向する力をモータ8に発生させ、モータ8の回転速度を0rpmに維持する。モータ8の回転速度が0rpmとなった時点から、例えば2〜10sec程度の予め定められた待機時間T1経過後に、走行装置2に設置されるブレーキ装置9によりブレーキをかける(ブレーキ作動点)。
この待機時間経過中にも変位測定機構13はブーム4aの変位方向や変位量を測定して、これに基づいて制御機構14がモータ8に指令される回転速度を調整する制御を逐次行なう。そのためインバータ11によるモータ8の回転速度を0rpmとする制御が開始された後であっても、海側走行装置2aと陸側走行装置2bとが走行方向yにずれていて、クレーン構造体3が歪んでいる場合は、ブーム4aが初期位置から振れた位置となる。例えば回転速度を0rpmとする速度指令がコントローラ12からインバータ11に送られたとき、岸壁クレーン1が図6に例示するようにブーム4aが後方側に変位している場合がある。
制御機構14はブーム4aの変位方向に基づいてモータ8の回転速度を減少させる制御を行なう。定格回転速度に対して0%の回転速度で停止するようにコントローラ12からモータ8に速度指令が出ているので、制御機構14は陸側走行装置2bのモータ8に例えば3%減じた回転速度、即ち定格回転速度の−3%でモータ8を回転させる制御を行なう。つまり陸側走行装置2bのモータ8は逆転して、海側走行装置2aに近づく後方側に移動することになる。
制御機構14は、回転速度を0rpmとする速度指令がインバータ11に送られる直前の岸壁クレーン1の進行方向を記憶しておき、この進行方向に基づいて各走行装置2の移動方向を制御する。
例えば制御機構14により海側走行装置2aに対して、陸側走行装置2bをブーム4aの変位方向と同じ方向に走行させる制御を行なう構成にしてもよい。例えば図6に例示するようにブーム4aが進行方向の後方側に振れているときは、海側走行装置2aを停止した状態のまま陸側走行装置2bを後方側に移動させることにより、ブーム4aを初期位置に戻す。この構成によれば、制御機構14は岸壁クレーン1の進行方向を記憶することなく、ブーム4aを初期位置に戻すための制御を実行することができる。同様に陸側走行装置2bを停止した状態のまま海側走行装置2aをブーム4aの変位方向と逆側に移動させる制御を行なってもよい。
ブーム4aが初期位置となるように、各走行装置2が移動するので、走行装置2の走行方向yのずれは小さくなる。つまりクレーン構造体3の残留歪みが解放された状態となり、その後、ブレーキ装置9により走行装置2が固定される。そのためブレーキ後にクレーン構造体3に振動が発生して、ブーム先端が走行方向yに揺動することを抑制できる。
ブレーキをかけるタイミングは、待機時間T1経過後に限らない。例えば各モータ8の回転速度または走行装置2の走行速度を速度計などで監視して、全てのモータ8の回転速度が0となったときまたは走行装置2の走行速度が0m/minとなったときに、ブレーキ装置9を作動させる構成にしてもよい。この構成によれば、走行装置2の走行方向yのずれがなくなり各走行装置2が停止した状態となったときにブレーキにより走行装置2を固定できる。そのためクレーン構造体3の歪みが完全に解放された後にブレーキがかかるので、岸壁クレーン1の停止後の振動を抑制するには有利となる。
本発明によりクレーン1の走行時および停止時にクレーン構造体に歪みが発生して振動することを抑制できるので、待機時間T1の間にブーム先端が揺動することはほとんどない。そのため待機時間T1中であっても、運転手は荷役対象のコンテナとブーム4との位置合わせを行なうことができ、ブレーキがかかる前であっても荷役作業を開始する準備を進めることができる。ブームの揺れが収まるまでの待機時間が不要となったので、荷役効率を向上するには有利である。
軽量化のためにモノボックス構造のブームを採用した岸壁クレーンであっても、本発明の適用によりブーム先端の揺れを大幅に抑制できる。また大型化が進み岸壁クレーンのブームの全長がさらに延長された場合であっても、本発明の適用によりブームの揺動を効果的に抑制することができる。
ブーム4aまたはガーダ4bに風速計を設置してもよい。風速計により測定された風向きおよび風速に基づき制御機構14が、ブーム4aの変位方向および変位量を補正する構成にすることができる。風の影響によりブーム4aが走行方向yに変位することがある。この変位量を風速計の測定値に基づき算出して、変位測定機構13により測定されたブーム4aの変位方向および変位量を補正する。つまり風による影響を除去できるので、ブーム4aを精度よく初期位置に戻すには有利である。
1 クレーン
2 走行装置
2a 海側走行装置
2b 陸側走行装置
3 クレーン構造体
3a 脚部材
3b 水平部材
4a ブーム
4b ガーダ
5 トロリ
6 運転室
7 走行輪
8 モータ
9 ブレーキ装置
10 岸壁
10a レール
11 インバータ
12 コントローラ
13 変位測定機構
14 制御機構

Claims (6)

  1. 走行方向に対して横断する横行方向に間隔をあけて対置される海側走行装置および陸側走行装置と、前記海側走行装置および前記陸側走行装置により支持されるクレーン構造体と、このクレーン構造体に支持されて前記横行方向に延在するブームおよびガーダとを備えていて、
    前記海側走行装置および前記陸側走行装置がそれぞれ、走行輪と、この走行輪に動力を伝達するモータと、このモータに接続されて前記モータの回転速度を制御するインバータと、このインバータを介して前記モータに回転速度の指令を与えるコントローラとを有する岸壁クレーンにおいて、
    前記ブームの海側端部が初期位置から前記岸壁クレーンの進行方向の前方側または後方側に変位したときの変位方向を測定する変位測定機構と、この変位測定機構により取得した前記変位方向に基づいて前記コントローラから前記モータに指令される回転速度を調整する制御機構と備えていて、
    前記制御機構が、前記進行方向の前記後方側に前記ブームの海側端部が変位したときに前記海側走行装置に対する前記陸側走行装置の相対速度を減少させ、前記進行方向の前記前方側に前記ブームの海側端部が変位したときに前記陸側走行装置に対する前記海側走行装置の相対速度を減少させる構成を備えることを特徴とする岸壁クレーン。
  2. 前記変位測定機構が、前記ブームまたは前記ガーダの少なくとも一方に設置される加速度センサで構成される請求項1に記載の岸壁クレーン。
  3. 前記加速度センサが、前記ブームの海側端部の近傍または前記ガーダの陸側端部の近傍の少なくとも一方に設置される請求項2に記載の岸壁クレーン。
  4. 前記変位測定機構が、前記ブームまたは前記ガーダの少なくとも一方に設置され位置情報を取得できる測定用受信機と、前記クレーン構造体に設置され位置情報を取得できる基準用受信機とで構成され、前記基準用受信機に対する前記測定用受信機の相対位置から前記ブームの前記変位方向を測定する構成を備える請求項1に記載の岸壁クレーン。
  5. 前記制御機構が、前記進行方向の前記前方側に位置する前記海側走行装置または前記陸側走行装置の前記モータに前記コントローラから指令される回転速度を、前記変位測定機構により測定される変位量が大きいほど大きな割合で減少させる構成を有する請求項1〜4のいずれかに記載の岸壁クレーン。
  6. 走行方向に対して横断する横行方向に間隔をあけて対置される海側走行装置および陸側走行装置と、前記海側走行装置および前記陸側走行装置により支持されるクレーン構造体と、このクレーン構造体に支持されて前記横行方向に延在するブームおよびガーダとを備えていて、
    前記海側走行装置および前記陸側走行装置がそれぞれ、走行輪と、この走行輪に動力を伝達するモータと、このモータに接続されて前記モータの回転速度を制御するインバータと、このインバータを介して前記モータに回転速度の指令を与えるコントローラとを有する岸壁クレーンの制御方法において、
    前記ブームの海側端部が初期位置から前記岸壁クレーンの進行方向の前方側または後方側に変位したときの変位方向を測定して、前記進行方向の前記後方側に前記ブームの海側端部が変位したときに前記海側走行装置に対する前記陸側走行装置の相対速度を減少させ、前記進行方向の前記前方側に前記ブームの海側端部が変位したときに前記陸側走行装置に対する前記海側走行装置の相対速度を減少させることを特徴とする岸壁クレーンの制御方法。
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