JP2017201739A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばヘッドマウントディスプレイなどの人体に接触する電子機器において、放熱性を向上させ、低温火傷を防止できるようにする。
【解決手段】電子機器を、人体に接触する側に設けられ、下限臨界共融温度を持つ第1温度応答性ゲル及び冷媒が封入されており、伸縮可能な第1の袋1と、外側に露出するように設けられ、上限臨界共融温度を持つ第2温度応答性ゲルが封入されている第2の袋2とを備え、温度に応じて第1の袋と第2の袋との間で冷媒が移動しうるように、第1の袋と第2の袋とが連通しているものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器に関する。
近年、例えばヘッドマウントディスプレイなどの人体に接触する電子機器の開発が進められている。
特開2008−96341号公報 特開2009−95691号公報
ところで、例えばヘッドマウントディスプレイなどの人体に接触する電子機器は、人体に装着するものであるため、騒音等の関係からファンを設けて冷却することができない。
また、このような電子機器では、できるだけ人体に伝熱しないような設計とすることが想定されるが、ファンのない自然空冷では熱抵抗に大きな差が生じないため、人体側へも伝熱してしまうことが予想される。
そして、温度上昇した電子機器が長時間にわたって人体と接触していると、低温火傷が懸念される。
本発明は、例えばヘッドマウントディスプレイなどの人体に接触する電子機器において、放熱性を向上させ、低温火傷を防止できるようにすることを目的とする。
1つの態様では、電子機器は、人体に接触する側に設けられ、下限臨界共融温度を持つ第1温度応答性ゲル及び冷媒が封入されており、伸縮可能な第1の袋と、外側に露出するように設けられ、上限臨界共融温度を持つ第2温度応答性ゲルが封入されている第2の袋とを備え、温度に応じて第1の袋と第2の袋との間で冷媒が移動しうるように、第1の袋と第2の袋とが連通している。
1つの側面として、例えばヘッドマウントディスプレイなどの人体に接触する電子機器において、放熱性を向上させ、低温火傷を防止できるという効果を有する。
(A)〜(C)は、本実施形態にかかる電子機器の構成(ある温度以下の状態)を示す模式図であって、(A)は斜視図であり、(B)は(A)のA−A′線に沿う断面を横から見た断面図であり、(C)は(A)のB−B′線に沿う断面を上から見た断面図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかる電子機器の構成(機器の一部がある温度よりも高くなった状態)を示す模式図であって、(A)は図1(A)のA−A′線に沿う断面を横から見た断面図であり、(B)は図1(A)のB−B′線に沿う断面を上から見た断面図である。 本実施形態にかかる電子機器に備えられる第1の袋が顔面に接触して遮光している状態を示す模式図であって、図1(A)のA−A′線に沿う断面を横から見た断面図である。 本実施形態にかかる電子機器の変形例において電子機器の一部がある温度よりも高くなった場合に第2の袋が顔面に接触して遮光している状態を示す模式図であって、図1(A)のA−A′線に沿う断面を横から見た断面図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる電子機器について、図1〜図4を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる電子機器は、例えばヘッドマウントディスプレイなどの人体に接触する電子機器である。なお、電子機器をモバイル機器あるいはウェアラブル機器ともいう。
本実施形態の電子機器は、冷却システムとして、図1(A)〜図1(C)に示すように、人体に接触する側に設けられ、下限臨界共融温度を持つ第1温度応答性ゲル及び冷媒が封入されており、伸縮可能な第1の袋1と、外側に露出するように設けられ、上限臨界共融温度を持つ第2温度応答性ゲルが封入されている第2の袋2とを備える。なお、袋を袋状の容器ともいう。
そして、温度に応じて第1の袋1と第2の袋2との間で冷媒が移動しうるように、第1の袋1と第2の袋2とが連通している。つまり、第1の袋1と第2の袋2は冷媒が移動しうるように接続されている。
ここで、第1の袋1は、例えば樹脂やゴムからなる。つまり、第1の袋1は、樹脂製の袋又はゴム製の袋である。この第1の袋1は、その中に封入されている第1温度応答性ゲルの膨張・収縮に応じて膨張・収縮することになる(例えば図1(B)、図2(A)参照)。また、第1の袋1は、人体に接触する側に設けられるため、第1の袋1の表面が人体に接触することになる。
また、第2の袋2も、第1の袋1と同様に、伸縮可能な袋とするのが好ましい。この場合、第2の袋2は、例えば樹脂やゴムからなる。つまり、第2の袋2は、樹脂製の袋又はゴム製の袋である。この第2の袋2は、その中に封入されている第2温度応答性ゲルの膨張・収縮に応じて膨張・収縮することになる(例えば図1(B)、図2(A)参照)。また、第2の袋2は、外側に露出するように設けられるため、空気にさらされることになる。
そして、これらの第1の袋1と第2の袋2とは、隣接して設けられており、互いに接続されていて、冷媒が移動しうるように連通している。
ところで、第1の袋1が複数設けられており、複数の第1の袋1のそれぞれに一つずつ連通するように第2の袋2が複数設けられていることが好ましい。これにより、例えばヒートスポットに対応する位置に設けられている一部の袋(第1の袋1)だけを人体から離すことが可能となる。
また、第1の袋1から第2の袋2まで延びるように設けられた多孔質体3を備えることが好ましい。ここで、多孔質体3としては、例えばゼオライト、シリカゲルなどを用いれば良い。これにより、冷媒の移動が容易となる。
この場合、多孔質体3は、第1の袋1の第2の袋2が設けられている側の反対側から第2の袋2の第1の袋1が設けられている側の反対側まで延びるように設けられていることがさらに好ましい。これにより、第1の袋1と第2の袋2の接続部近傍のみでなく、遠い側まで冷媒を送ることが可能となり、ゲルひいては袋の膨張・収縮を大きくし、第1の袋1を人体から確実に離し、また、第2の袋2からより効率的に放熱させることが可能となる。
例えば、多孔質体3の一方の側を第1の袋1の中に挿入し、他方の側を第2の袋2の中に挿入し、第1の袋1と第2の袋2とを多孔質体3を介して接続し、多孔質体3を介して第1の袋1と第2の袋2との間で冷媒が移動するようにして第1の袋1と第2の袋2とが連通するようにすれば良い。
このように、第1の袋1と第2の袋2とが多孔質体3を介して連通するようにすることで、冷媒としての水だけが第1の袋1と第2の袋2との間を移動し、第1温度応答性ゲルは第1の袋1の中に留まり、第2温度応答性ゲルは第2の袋2の中に留まるようにすることができる。
なお、第1の袋1と第2の袋2とは冷媒が移動しうるように連通していれば良く、例えばストローのような流路によって接続し、その流路に、ゲルが通過せず、冷媒のみが通過するようにフィルタを設けるようにしても良い。
また、第1温度応答性ゲルは、下限臨界共融温度(LCST:Lower Critical Solution Temperature)よりも高い温度で疎水性を示し、下限臨界共融温度以下の温度で親水性を示す高分子である。つまり、第1温度応答性ゲルは、下限臨界共融温度よりも高い温度で収縮し、下限臨界共融温度以下の温度で膨張する高分子である。
また、第2温度応答性ゲルは、上限臨界共融温度(UCST:Upper Critical Solution Temperature)以下の温度で疎水性を示し、上限臨界共融温度よりも高い温度で親水性を示す高分子である。つまり、第2温度応答性ゲルは、上限臨界共融温度以下の温度で収縮し、上限臨界共融温度よりも高い温度で膨張する高分子である。
そして、第1温度応答性ゲルの下限臨界共融温度が、第2温度応答性ゲルの上限臨界共融温度と一致していることが好ましい。
つまり、下限臨界共融温度と上限臨界共融温度とが一致するような高分子を、第1温度応答性ゲル及び第2温度応答性ゲルとして選択するのが好ましい。この場合、第1温度応答性ゲルの下限臨界共融温度≒第2温度応答性ゲルの上限臨界共融温度となる。
これにより、第1の袋1と第2の袋2との間で冷媒が移動しやすくすることができる。
ここで、ある温度以上になった状態で長時間人体に接触していると低温火傷のおそれがある場合、ある温度(一定温度)=第1温度応答性ゲルの下限臨界共融温度≒第2温度応答性ゲルの上限臨界共融温度という関係を満たすように第1温度応答性ゲル及び第2温度応答性ゲルを選択すれば良い。
例えば、人体温度付近で動作する第1温度応答性ゲルとしては、N−イソプロピルアクリルアミド、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド等を用いれば良く、第2温度応答性ゲルとしては、ポリ(アリルアミン-co-アリルウレア)、ポリアクリル酸、ポリアセチルアクリルアミド等を用いれば良い。
この場合、このようにして選択された第1温度応答性ゲル及び第2温度応答性ゲルを、互いに連通している第1の袋1及び第2の袋2のそれぞれに封入すると、ある温度以下では、第1温度応答性ゲルは親水性となり、第2温度応答性ゲルは疎水性となる。
このため、図1(B)、図1(C)に示すように、ある温度以下では、第1温度応答性ゲルが含水して膨張し、第1温度応答性ゲルが封入されている第1の袋1も膨張して、第1の袋1の表面が人体に接触することになる。
一方、ある温度よりも高い温度になると、第1温度応答性ゲルは疎水性となり、第2温度応答性ゲルは親水性となる。
このため、図2(A)、図2(B)に示すように、ある温度よりも高い温度になると、第1温度応答性ゲルが収縮し、第1温度応答性ゲルが封入されている第1の袋1も収縮して、第1の袋1の表面が人体に接触する面積が低下する、あるいは、第1の袋1の表面が人体に接触しなくなる。このようにして、温度が高くなった第1の袋1を人体から離して、低温火傷を防止することができる。
そして、ある温度よりも高い温度になると、冷媒である水、即ち、温度上昇した水は、第1の袋1から第2の袋2へ移動し、第2の袋2に封入されている第2温度応答性ゲルが含水して膨張し、これに伴い、第2の袋2も膨張することになる。そして、第2の袋2は、外側に露出するように設けられているため、効率良く放熱させることができ、放熱性を向上させることができる。
また、ある温度よりも高い温度になった後、再度、ある温度以下になると、図1(B)、図1(C)に示すように、元の状態に戻り、第1温度応答性ゲルが含水して膨張し、第1温度応答性ゲルが封入されている第1の袋1も膨張して、第1の袋1の表面が人体に接触することになり、このような一連の動作が繰り返されることになる。
例えば、電子機器がヘッドマウントディスプレイ(HMD)である場合、図1(A)〜図1(C)に示すように、ディスプレイ4と、ディスプレイ4の外周に沿って設けられたクッション5とを備える。そして、クッション5の人体に接触する側に第1の袋1を設け、クッション5の外周に第2の袋2を設けることが好ましい。なお、図1(C)では、多孔質体3やディスプレイ4は図示を省略している。
この場合、第1の袋1の膨張時には、図3に示すように、第1の袋1の表面が人体(ここでは顔)に接触することになる。つまり、機器の温度がある温度以下の温度である場合、複数の第1の袋1の全てが膨張して全周にわたって顔に接触することで遮光され、遮光性が確保されるようになっている。なお、図3では、顔の表面の位置を点線で示している。
また、第2の袋2を、人体に接触する側へ向けて伸縮可能に構成されているものとしても良い(例えば図4参照)。
例えば、第2の袋2を、長細いゴム風船のように異方性の伸縮性を持つものとし、その膨張時に、人体に接触する側へ向けて伸長するように設ければ良い。また、例えば、第2の袋2の上方に板状部材を設け、第2の袋2が、膨張時に、人体に接触する側へ向けて伸長するようにしても良い。
このような場合、第2の袋2の膨張時には、図4に示すように、第2の袋2の端部が人体(ここでは顔)に接触することになる。つまり、機器の温度がある温度よりも高くなった場合、第1の袋1が収縮し、これに接続されている第2の袋2が膨張して、その端部が顔に接触することで遮光され、遮光性が確保されることになる。なお、図4では、顔の表面の位置を点線で示している。
例えば、機器の一部の温度がある温度よりも高くなった場合、温度が高くなっていない部分の第1の袋1は膨張して顔に接触したままで、温度が高くなった部分の第1の袋1が収縮し、これに接続されている第2の袋2が膨張して、その端部が顔に接触することで、全周にわたって遮光され、遮光性が確保されることになる。
この場合、人体に接触する部分が第1の袋1から第2の袋2になり、接触箇所が変わるため、低温火傷のおそれはない。
なお、クッション5をクッション部又は人体接触部ともいう。この場合、第1の袋1は、人体接触部の人体接触面に設けられることになる。また、第2の袋2は、人体接触部の側面に設けられることになる。
このように、上述のように構成される冷却システムをヘッドマウントディスプレインに適用するのが好ましいのは、以下の理由による。
ヘッドマウントディスプレイでは、周囲の光の影響でディスプレイが見にくくなるため、ディスプレイの人体接触側に設置されたクッションが顔表面と全面で接触するようにして遮光している。
一方、ヘッドマウントディスプレイでは、クッション側に伝熱しないような設計とすることが想定されるが、ファンのない自然空冷では熱抵抗に大きな差が生じないため、人体側へも伝熱されることが予想される。そして、長時間にわたって人体と接触していると機器が温度上昇したときに、低温火傷が懸念される。
これまで、ユーザーの安全性と遮光性を両立できる方法はなかった。
そこで、上述のように構成される冷却システムをヘッドマウントディスプレイに適用することで、ある温度以下では機器と人体が全面で接触しているが、ある温度よりも高い温度になると人体との接触面積が低下し、低温火傷を防止することが可能となる。
したがって、本実施形態にかかる電子機器によれば、例えばヘッドマウントディスプレイなどの人体に接触する電子機器において、放熱性を向上させ、低温火傷を防止できるという効果を有する。
以下、電子機器がゴーグル型のヘッドマウントディスプレイである場合を例に挙げて、具体的に説明する。
この具体例では、クッション5の人体接触側に第1温度応答性ゲル及び冷媒(ここでは水)が封入された第1の袋1が複数設けられており、クッション5の側面側に第2温度応答性ゲルが封入された第2の袋2が複数設けられている(例えば図1(A)〜図1(C)参照)。
そして、多孔質体3の一方の側が第1の袋1の中に挿入されており、他方の側が第2の袋2の中に挿入されている(例えば図1(B)参照)。
これにより、第1の袋1と第2の袋2とが多孔質体3を介して接続され、多孔質体3を介して第1の袋1と第2の袋2との間で冷媒が移動するようにして第1の袋1と第2の袋2とが連通するようにしている。
ここでは、第1温度応答性ゲルは、下限臨界共融温度よりも高い温度で疎水性を示し、下限臨界共融温度以下で親水性を示す高分子である。また、第2温度応答性ゲルは、上限臨界共融温度以下で疎水性を示し、上限臨界共融温度よりも高い温度で親水性を示す高分子である。
そして、第1温度応答性ゲルの下限臨界共融温度≒第2温度応答性ゲルの上限臨界共融温度となるように、第1温度応答性ゲルとしてN−イソプロピルアクリルアミドを用い、第2温度応答性ゲルとしてポリ(アリルアミン-co-アリルウレア)を用いている。
この場合、クッション5がある温度以下では、第1温度応答性ゲルは、親水性となり、含水して膨張するため、これが封入されている複数の第1の袋1の表面が、すべて顔に接触し、遮光されることになる(例えば図1(A)〜図1(C)、図3参照)。これにより、遮光性が確保される。
一方、ヘッドマウントディスプレイの一部(例えば発熱部品としてのチップやバックライトなどが設けられている部分)の温度が上昇してヒートスポットができると、これに応じて、それに対応する位置のクッション5の温度がある温度よりも高い温度になる。
そうすると、温度が高くなった部分に対応する位置に設けられている一部の袋(第1の袋1)に封入されている第1温度応答性ゲルは、疎水性となり、収縮し、複数の第1の袋1のうち一部の第1の袋1の表面が顔に接触しなくなる(例えば図2(A)、図2(B)参照)。
これにより、遮光性をできるだけ確保しながら、低温火傷を防止することが可能となる。
そして、ある温度よりも高い温度になると、温度上昇した水は、第1の袋1から第2の袋2へ移動し、第2の袋2に封入されている第2温度応答性ゲルが含水して膨張することになる(例えば図2(A)参照)。
また、クッション5の側面に設けられた第2の袋2は、外側に露出するように設けられているため、効率良く放熱されることになる(例えば図2(A)参照)。
また、ある温度よりも高い温度になった後、冷媒としての水、クッション5の温度が低下し、再度、ある温度以下になると、元の状態に戻る(例えば図1(A)〜図1(C)参照)。
つまり、第1温度応答性ゲルが含水して膨張し、第1温度応答性ゲルが封入されている複数の第1の袋1の表面がすべて顔に接触し、遮光されることになる(例えば図1(A)〜図1(C)参照)。
このようにして、一連の動作が繰り返され、ある温度以下になると、クッション5に設けられた複数の第1の袋1の表面がすべて顔に接触し、遮光性が確保され、機器の一部がある温度よりも高い温度になると、複数の第1の袋1のうち一部の第1の袋の表面が顔に接触しなくなって接触面積が低下し、遮光性はやや損なわれるものの、低温火傷の防止が可能となる。
ここで、第1温度応答性ゲルと人体の界面の平均的な熱伝導率を約0.1W/m・K(空気と高分子が混在すると仮定)、伝熱距離(ゲルの厚さ)を約5mmとすると、第1温度応答性ゲルと人体との熱抵抗は約500K・cm/Wとなる。
また、自然放熱の熱伝達率を約10W/m・Kとすると、第2温度応答性ゲルと環境との熱抵抗は約1000K・cm/Wとなる。
また、第1温度応答性ゲルと人体との熱抵抗の方が第2温度応答性ゲルと環境との熱抵抗よりも小さいが、一般に人体の方が環境よりも高温であり、ゲルと環境との温度差の方が大きいと予想される。
例えば、ゲルの温度を約39℃、人体の温度を約37℃、環境温度を約25℃と仮定すると、第1温度応答性ゲルから人体への伝熱量は約0.004Wであるが、第2温度応答性ゲルから環境への伝熱量は約0.014Wと約3倍以上となる。
このため、クッション5の側面に設けられた第2の袋2に封入されている第2温度応答性ゲルからの方が効率良く放熱されることになる。この結果、高い消費電力でも対応可能となる。
また、第2の袋2を、人体に接触する側(即ち、クッション5の側面に平行な方向)へ向けて伸縮可能に構成されているものとすると(例えば図4参照)、機器の温度が上昇し、第2温度応答性ゲルが膨張し、第2の袋2が膨張した時に、クッション5の側面から効率良く放熱されるとともに、第2の袋2の端部が顔の表面に接触し、これによって遮光されることになる。
この場合、顔に接触する部分が第1の袋1から第2の袋2になり、接触箇所が変わるため、低温火傷のおそれはない。
したがって、ヘッドマウントディスプレイと顔表面とが接触して遮光性が確保されるようにするとともに、ヘッドマウントディスプレイの温度上昇時には接触面積が低下するようにし、低温火傷を防止することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
人体に接触する側に設けられ、下限臨界共融温度を持つ第1温度応答性ゲル及び冷媒が封入されており、伸縮可能な第1の袋と、
外側に露出するように設けられ、上限臨界共融温度を持つ第2温度応答性ゲルが封入されている第2の袋とを備え、
温度に応じて前記第1の袋と前記第2の袋との間で前記冷媒が移動しうるように、前記第1の袋と前記第2の袋とが連通していることを特徴とする電子機器。
(付記2)
前記第1の袋が複数設けられており、
前記複数の第1の袋のそれぞれに一つずつ連通するように前記第2の袋が複数設けられていることを特徴とする、付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記第1の袋から前記第2の袋まで延びるように設けられた多孔質体を備えることを特徴とする、付記1又は2に記載の電子機器。
(付記4)
前記多孔質体は、前記第1の袋の前記第2の袋が設けられている側の反対側から前記第2の袋の前記第1の袋が設けられている側の反対側まで延びるように設けられていることを特徴とする、付記3に記載の電子機器。
(付記5)
前記第1温度応答性ゲルの下限臨界共融温度が、前記第2温度応答性ゲルの上限臨界共融温度と一致していることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記6)
ディスプレイと、
前記ディスプレイの外周に沿って設けられたクッションとを備え、
前記クッションの人体に接触する側に前記第1の袋が設けられており、
前記クッションの外周に前記第2の袋が設けられていることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
(付記7)
前記第2の袋が、人体に接触する側へ向けて伸縮可能に構成されていることを特徴とする、付記6に記載の電子機器。
1 第1の袋
2 第2の袋
3 多孔質体
4 ディスプレイ
5 クッション

Claims (6)

  1. 人体に接触する側に設けられ、下限臨界共融温度を持つ第1温度応答性ゲル及び冷媒が封入されており、伸縮可能な第1の袋と、
    外側に露出するように設けられ、上限臨界共融温度を持つ第2温度応答性ゲルが封入されている第2の袋とを備え、
    温度に応じて前記第1の袋と前記第2の袋との間で前記冷媒が移動しうるように、前記第1の袋と前記第2の袋とが連通していることを特徴とする電子機器。
  2. 前記第1の袋が複数設けられており、
    前記複数の第1の袋のそれぞれに一つずつ連通するように前記第2の袋が複数設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記第1の袋から前記第2の袋まで延びるように設けられた多孔質体を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記第1温度応答性ゲルの下限臨界共融温度が、前記第2温度応答性ゲルの上限臨界共融温度と一致していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
  5. ディスプレイと、
    前記ディスプレイの外周に沿って設けられたクッションとを備え、
    前記クッションの人体に接触する側に前記第1の袋が設けられており、
    前記クッションの外周に前記第2の袋が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
  6. 前記第2の袋が、人体に接触する側へ向けて伸縮可能に構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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