JP2017201354A - 感光性導電フィルム、導電パターンの形成方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】
静電気放電耐性に優れた導電パターンを形成できる感光性導電フィルムを提供すること。
【解決手段】
支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜と、該導電膜上に設けられた感光性樹脂層とを備え、導電膜が、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、感光性導電フィルム。
【選択図】図1
静電気放電耐性に優れた導電パターンを形成できる感光性導電フィルムを提供すること。
【解決手段】
支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜と、該導電膜上に設けられた感光性樹脂層とを備え、導電膜が、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、感光性導電フィルム。
【選択図】図1
Description
本発明は、感光性導電フィルム、それを用いた導電パターンの形成方法、導電パターン基板及び導電パターン基板を備えるタッチパネルセンサに関する。より詳細には、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成方法と、それに用いる感光性導電フィルム、導電パターンの形成方法により得られる導電パターン基板、タッチパネルセンサに関する。
パソコン、テレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器、OA・FA機器等の表示機器では、液晶表示素子又はタッチスクリーンが使用されている。これら液晶表示素子又はタッチスクリーン、さらに太陽電池等のデバイスでは、透明配線、画素電極又は端子の一部に透明導電膜が使用されている。
透明導電膜の材料としては、従来、可視光に対して高い透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジウム、酸化スズ等が用いられている。液晶表示素子用基板等の電極では、上記の材料からなる透明導電膜をパターニングしたものが主流になっている。
透明導電膜のパターニング方法としては、透明導電膜を形成後、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、ウエットエッチングにより導電膜の所定部分を除去して導電パターンを形成する方法が一般的である。ITO及び酸化インジウム膜の場合、エッチング液は塩酸と塩化第二鉄の2液よりなる混合液が一般に用いられている。
ITO膜及び酸化スズ膜は一般にスパッタ法により形成される。しかし、この方法は、スパッタ方式の違い、スパッタパワー、ガス圧、基板温度、雰囲気ガスの種類等によって透明導電膜の性質が変わりやすい。スパッタ条件の変動による透明導電膜の膜質の違いは、透明導電膜をウエットエッチングする際のエッチング速度のばらつきの原因となり、パターンニング不良による製品の歩留まり低下を招きやすい。また、前記の導電パターンの形成方法は、スパッタ工程、レジスト形成工程及びエッチング工程を経ていることから、工程が長く、コスト面でも大きな負担となっている。
最近、上記の問題を解消するために、ITO、酸化インジウム、酸化スズ等に替わる材料を用いて透明な導電パターンを形成する試みがなされている。
例えば、下記特許文献1には、基板上に、銀繊維等の金属繊維を含有する導電層を形成した後、導電層上に感光性樹脂層を形成し、その上からパターンマスクを介して露光し、現像する導電パターンの形成方法が開示されている。
例えば、下記特許文献1には、基板上に、銀繊維等の金属繊維を含有する導電層を形成した後、導電層上に感光性樹脂層を形成し、その上からパターンマスクを介して露光し、現像する導電パターンの形成方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、基板と導電パターンとの接着性を確保しつつ導電パターンの表面抵抗率の低抵抗率化を図ることが困難であることが本発明者の検討により判明している。また、上記導電パターンを配線、画素電極又は端子として使用する場合には、感光性樹脂層を除去する工程が必要であり、導電パターン形成の工程が煩雑化するという問題がある。
このような問題に鑑みて、下記特許文献2には、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた金属繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層とを備えた感光性導電フィルムを、基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートし、これを露光、現像する導電パターンの形成方法が開示されている。この方法は、簡便な工程で基板との接着性が充分であり、且つ表面抵抗率が小さい導電パターンを充分な解像度で形成することを可能としている。
しかしながら、導電性繊維を使用した導電パターンはITOと比較した場合、低い電圧で導電性繊維間の接触抵抗によって発生したジュール熱で断線してしまい、ライン抵抗値が上昇あるいは導通が取れなくなってしまうという問題がある。より具体的には、モジュール作製時などに発生する静電気が導電層に流れ込み、発生したジュール熱により導電層が溶融してしまう問題がある。
そのため、例えば、タッチパネルセンサの透明電極の製造時に上記特許文献に記載の感光性導電フィルムを使用する場合、基板(例えば、ガラス、PET)上に感光性導電フィルムで導電パターンを形成し、モジュールを作製した場合に、特許文献1及び2に記載の感光性導電フィルムでは、モジュール作製時に発生する静電気により、導電層が破壊されることがある。
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、静電気放電耐性に優れた導電パターンを形成できる感光性導電フィルム、静電気放電耐性に優れた導電パターンの形成方法、当該導電パターンを備える導電パターン基板及びタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明は、下記<1>〜<14>の感光性導電フィルム、導電パターンの形成方法、導電パターン基板及びタッチパネルを提供する。
<1>支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備え、導電膜が、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、感光性導電フィルム。
<2>導電性高分子材料又は導電性炭素材料が透明導電体である、<1>に記載の感光性導電フィルム。
<3>導電性高分子材料が、PEDOT−PSSを含む、<1>又は<2>に記載の感光性導電フィルム。
<4>導電膜の膜厚が4μm以下である、<1>〜<3>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<5>導電膜の線幅200μm、線長さ30mmでのESD耐性が900V以上である、<1>〜<4>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<6>導電膜及び感光性樹脂層の合計の厚みを1〜10μmとしたときの450〜650nmの波長域における光透過率が65%以上である、<1>〜<5>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<7>導電膜が、導電性繊維を少なくとも一種含有する、<1>〜<6>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<8>導電性繊維が、銀繊維を含む、<7>に記載の感光性導電フィルム。
<9>基板と感光性樹脂層とが密着するように、<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを基板上にラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<10>基板と感光性樹脂層とが密着するように、<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを基板上にラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する第一露光工程と、第一露光工程の後、酸素存在下で、第一露光工程における導電膜及び感光性樹脂層の未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二露光工程と、第二露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<11>基板上に、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂層を設ける工程と、感光性樹脂層の基板とは反対側の面上に、導電性高分子材料及び導電性炭素材料のいずれか一方又は両方と金属繊維とを含む導電膜を設ける工程と、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<12>基板上に、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂層を設ける工程と、感光性樹脂層の基板とは反対側の面上に、導電性高分子材料及び導電性炭素材料のいずれか一方又は両方と金属繊維とを含む導電膜を設ける工程と、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する第一露光工程と、第一露光工程の後、酸素存在下で、第一露光工程における導電膜及び感光性樹脂層の未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二露光工程と、第二露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<13>基板と、基板上に設けられた感光性樹脂層の硬化物からなる層と、当該硬化物からなる層上に設けられた導電パターンと、を有し、導電パターンが、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、導電パターン基板。
<14><13>に記載の導電パターン基板を備える、タッチパネルセンサ。
<1>支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を備え、導電膜が、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、感光性導電フィルム。
<2>導電性高分子材料又は導電性炭素材料が透明導電体である、<1>に記載の感光性導電フィルム。
<3>導電性高分子材料が、PEDOT−PSSを含む、<1>又は<2>に記載の感光性導電フィルム。
<4>導電膜の膜厚が4μm以下である、<1>〜<3>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<5>導電膜の線幅200μm、線長さ30mmでのESD耐性が900V以上である、<1>〜<4>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<6>導電膜及び感光性樹脂層の合計の厚みを1〜10μmとしたときの450〜650nmの波長域における光透過率が65%以上である、<1>〜<5>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<7>導電膜が、導電性繊維を少なくとも一種含有する、<1>〜<6>のいずれかに記載の感光性導電フィルム。
<8>導電性繊維が、銀繊維を含む、<7>に記載の感光性導電フィルム。
<9>基板と感光性樹脂層とが密着するように、<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを基板上にラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<10>基板と感光性樹脂層とが密着するように、<1>〜<8>のいずれかに記載の感光性導電フィルムを基板上にラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する第一露光工程と、第一露光工程の後、酸素存在下で、第一露光工程における導電膜及び感光性樹脂層の未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二露光工程と、第二露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<11>基板上に、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂層を設ける工程と、感光性樹脂層の基板とは反対側の面上に、導電性高分子材料及び導電性炭素材料のいずれか一方又は両方と金属繊維とを含む導電膜を設ける工程と、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<12>基板上に、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂層を設ける工程と、感光性樹脂層の基板とは反対側の面上に、導電性高分子材料及び導電性炭素材料のいずれか一方又は両方と金属繊維とを含む導電膜を設ける工程と、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する第一露光工程と、第一露光工程の後、酸素存在下で、第一露光工程における導電膜及び感光性樹脂層の未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二露光工程と、第二露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。
<13>基板と、基板上に設けられた感光性樹脂層の硬化物からなる層と、当該硬化物からなる層上に設けられた導電パターンと、を有し、導電パターンが、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、導電パターン基板。
<14><13>に記載の導電パターン基板を備える、タッチパネルセンサ。
本発明によれば、静電気放電耐性に優れた導電パターンを形成できる感光性導電フィルム、静電気放電耐性に優れた導電パターンの形成方法、当該導電パターンを備える導電パターン基板及びタッチパネルを提供するができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<感光性導電フィルム>
図1は、本実施形態の感光性導電フィルムの模式断面図である。
感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられた導電膜2と、導電膜2上に設けられた感光性樹脂層3とを備える。なお、導電膜2及び感光性樹脂層3を纏めて感光層4ともいう。
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1、導電膜2及び感光性樹脂層3のそれぞれについて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の感光性導電フィルムの模式断面図である。
感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられた導電膜2と、導電膜2上に設けられた感光性樹脂層3とを備える。なお、導電膜2及び感光性樹脂層3を纏めて感光層4ともいう。
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1、導電膜2及び感光性樹脂層3のそれぞれについて詳細に説明する。
支持フィルム1としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。これらのうち、透明性及び耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、これらの重合体フィルムは、後に感光性樹脂層から除去可能な範囲で表面処理が施されたものであってもよい。
支持フィルム1のヘーズ値は、感度及び解像度を良好にできる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることがさらに好ましく、0.01〜1.1%であることが特に好ましい。なお、ヘーズ値はJIS K 7105に準拠して測定することができ、例えば、NDH−5000(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計で測定が可能である。
導電膜2は、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、導電性の金属繊維とを含む。導電膜2は、網目構造に絡みあった金属繊維からなる金属繊維層と、導電性高分子材料又は導電性炭素材料を含む層(帯電防止層とも呼ぶ)とを有する2層構造であってもよい。金属繊維層は、支持フィルム1側に形成されていてもよく、感光性樹脂層3側に設けられていてもよい。さらに、金属繊維層は、導電膜2の両表面から離れた位置に配置されていてもよい。言い換えれば、導電膜2は、2つの帯電防止層に金属繊維層が挟まれた3層構造であってもよい。帯電防止層は、金属繊維層における金属繊維間の隙間に入り込んでいてもよい。本実施形態によれば、感光性導電フィルムにおいて、導電膜2が導電性高分子材料又は導電性炭素材料を含むことにより、導電膜2を流れる電流が金属繊維間のみに集中せず、導電膜2に含まれる導電性高分子材料又は導電性炭素材料にも分散されて流れるため、静電気放電耐性を向上させることが可能である。また、上述のように帯電防止層が形成されていると、電流が帯電防止層を流れることができるため、より効率的に電流を分散させることができ、静電気放電耐性(以下、ESD(electro−static discharge)耐性とも呼ぶ)をさらに向上させることができる。本実施形態の導電膜2は、線幅200μm、線長さ30mmで測定した際に、900V以上の静電気放電耐性を有することが好ましい。なお、静電気放電耐性は、実施例の測定方法により測定することができる。
金属繊維としては、例えば、金繊維、銀繊維及び白金繊維が挙げられる。金属繊維としては、導電性に優れる観点から、金繊維及び/又は銀繊維が好ましく、導電膜の導電性の調製が容易である観点から、銀繊維がより好ましい。上記金属繊維は、例えば、金属イオンをNaBH4等の還元剤で還元する方法、又は、ポリオール法により作製することができる。
金属繊維の繊維径は、1〜50nmであることが好ましく、2〜40nmであることがより好ましく、3〜30nmであることがさらに好ましい。また、金属繊維の繊維長は、1〜100μmであることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、3〜40μmであることがさらに好ましく、5〜35μmであることが特に好ましい。繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
金属繊維層の厚みは導電膜2の光透過率及び十分な導電性を確保する観点から0.002μm〜0.5μmとすることが好ましく、0.003μm〜0.3μmとすることがより好ましく、0.004〜0.1μmがさらに好ましい。
導電膜2の厚みは、形成される導電膜及び導電パターンの用途及び求められる導電性によっても異なるが、11μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがさらに好ましく、1nm〜0.5μmであることが特に好ましく、5nm〜0.4μmであることがさらにより好ましい。導電膜2の厚みが1μm以下であると、450〜650nmの波長域での光透過率が高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなる。
図2は、本実施形態に係る感光性導電フィルムを示す一部切欠き斜視図である。図2に示すように、導電膜2は、金属繊維同士が接触してなる網目構造を有することが好ましい。このような網目構造を有する導電膜2は、感光性樹脂層3の支持フィルム側表面に形成されていてもよいが、支持フィルムを剥離したときに露出する表面においてその面方向に導電性が得られるのであれば、感光性樹脂層3の支持フィルム1側表層に含まれる形態で形成されていてもよい。なお、網目構造を有する導電膜2の厚みは、走査型電子顕微鏡写真によって測定される値を指す。
金属繊維層は、上述した金属繊維を水又は有機溶剤に分散させ、必要に応じて界面活性剤等の分散安定剤などを加えて調製した金属繊維分散液を、支持フィルム1上に塗工した後、乾燥することにより形成することができる。また、金属繊維層は支持フィルム1上に帯電防止層を形成した後、帯電防止層上に上記金属繊維分散液を塗工及び乾燥して形成してもよい。乾燥後、量産機でのスクラッチ傷防止のため、支持フィルム1上に形成した導電膜2上に、必要に応じてカバーフィルムをラミネートしてもよい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができるが、膜厚分布が良好であること、及び密閉系で塗液への異物混入が少ないという観点からダイコート法が好ましい。
金属繊維層を低抵抗化又は低ヘーズ化する観点から、乾燥工程において、均一な膜を形成するために20℃以上、65℃以下で溶媒を揮発させることが好ましい。特に、金属繊維が銀繊維である場合において、顕著に低抵抗化又は低ヘーズ化を達成することができる。対流が生じてベナールセルを形成することでムラとなり低抵抗な導電膜が形成し難くなることを防ぐ観点から、乾燥温度が65℃以下であることが好ましい。また、溶媒が揮発するために時間がかかり工程上問題となることを防ぐ観点から、20℃以上であることが好ましい。乾燥温度は、25℃以上、65℃以下がより好ましく、35℃以上、65℃以下がさらに好ましく、40〜60℃が特に好ましい。
なお、金属繊維層における金属繊維は、界面活性剤又は分散安定剤が付着した金属繊維であってもよい。
なお、金属繊維層における金属繊維は、界面活性剤又は分散安定剤が付着した金属繊維であってもよい。
本実施形態の導電性炭素材料としては、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノバッド、フラーレン等が挙げられる。本実施形態の導電性高分子材料としては、置換又は無置換のポリチオフェンを含む高分子材料等が挙げられる。導電膜2が帯電防止層を備える場合、帯電防止層は、導電性を有する層であり、光透過性の導電体(すなわち、透明導電体)を含むことが好ましい。光透過性の導電体としては、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノバッド、フラーレン、PEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸塩との混合物)P3HT−PCBM(ポリ(3−アルキルチオフェンとフラーレン誘導体の混合物)等が挙げられる。
PEDOT−PSS又はP3HT−PCBMとしては、酸性又は中性(pHが7以下)のものを使用することができる。光透過性の導電体としては、光透過性の観点から導電性高分子を使用することが好ましく、PEDOT−PSSを使用することが特に好ましい。
PEDOT−PSS又はP3HT−PCBMとしては、酸性又は中性(pHが7以下)のものを使用することができる。光透過性の導電体としては、光透過性の観点から導電性高分子を使用することが好ましく、PEDOT−PSSを使用することが特に好ましい。
帯電防止層の膜厚は10μm以下であることが好ましく、段差の小さいパターンを形成するため、5μm以下であることが好ましく、視認性の観点から4μm以下であることが特に好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。また、帯電防止層の膜厚は、静電気放電耐性をさらに向上させる観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましい。なお、帯電防止層の膜厚は、デジタルシックネスゲージにより測定することができ、金属繊維層を含まない厚さである。
帯電防止層は支持フィルム1上、金属繊維層上、又は感光性樹脂層3上に塗工した後、乾燥することにより形成することができる。乾燥後、支持フィルム1上に形成した導電膜2又は感光性樹脂層3は、必要に応じてラミネートされてもよい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができるが、膜厚分布が良好であること、及び密閉系で塗液への異物混入が少ないという観点からダイコート法が好ましい。
感光性樹脂層3は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する、感光性樹脂組成物から形成されていてもよい。
((a)バインダーポリマー)
(a)成分のバインダーポリマーは、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂等の公知の樹脂を特に制限なく使用することができるが、樹脂中にカルボキシル基を有することが好ましい。
(a)成分のバインダーポリマーは、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂等の公知の樹脂を特に制限なく使用することができるが、樹脂中にカルボキシル基を有することが好ましい。
また、(a)成分の酸価は、パターン性に優れる観点から、75〜200mgKOH/gであることが好ましく、75〜150mgKOH/gであることがより好ましく、75〜120mgKOH/gであることがさらに好ましく、77〜120mgKOH/gであることが特に好ましい。
(a)成分のバインダーポリマーは、アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましく、そのアクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、又は(メタ)アクリル酸グリシジルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有するとより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体に由来するモノマー単位を主に有する重合体のことを意味する。また、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイル基等の(メタ)アクリルは、アクリル又はメタアクリルを意味する。
(a)バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、バインダーポリマーを得るために使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、10〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましく、15〜25質量%であることが特に好ましい。アルカリ現像性に優れる点では10質量%以上であることが好ましく、アルカリ耐性に優れる点では、50質量%以下であることが好ましい。
(a)バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスを図る観点から、5,000〜300,000であることが好ましく、20,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜100,000であることがさらに好ましい。耐現像液性に優れる点では、重量平均分子量が、5,000以上であることが好ましい。また、現像時間の観点からは、300,000以下であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、GPC測定による標準ポリスチレン換算による。
((b)光重合性化合物)
(b)成分は従来公知のものを特に制限なく使用することができるが、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、テトラメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。これらは、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの化合物は、工業的に販売されているものを使用できる(例えば、TMPTA:日本化薬株式会社製)。
(b)成分は従来公知のものを特に制限なく使用することができるが、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、テトラメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。これらは、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの化合物は、工業的に販売されているものを使用できる(例えば、TMPTA:日本化薬株式会社製)。
(b)成分の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の合計100質量%に対して、37〜50質量%であり、40〜50質量%であることが好ましい。光硬化性及び転写した導電膜(導電膜及び感光性樹脂層)の塗膜性に優れる点では、37質量%以上であることが好ましく、フィルムとして巻き取った場合の保管安定性に優れる点では、50質量%以下であることが好ましい。
((c)光重合開始剤)
(c)成分の光重合開始剤は、使用する露光機の光波長と、機能発現に必要な波長とが合うものを選択すれば、特に制限はないが、硬化膜の透明性を高める観点から、オキシムエステル化合物又はホスフィンオキサイド化合物を含むことが好ましい。
具体的には、オキシムエステル化合物として、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−フェニル,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、又はエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。これらは、それぞれIRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02(いずれもBASF株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
(c)成分の光重合開始剤は、使用する露光機の光波長と、機能発現に必要な波長とが合うものを選択すれば、特に制限はないが、硬化膜の透明性を高める観点から、オキシムエステル化合物又はホスフィンオキサイド化合物を含むことが好ましい。
具体的には、オキシムエステル化合物として、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−フェニル,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、又はエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。これらは、それぞれIRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02(いずれもBASF株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
ホスフィンオキサイド化合物として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(例えば、Irgacure TPO(BASF社製、商品名))が好ましい。
上記の中でも、色味、感度の観点から、LUCIRIN TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名)を使用するのが特に好ましい。
上記の中でも、色味、感度の観点から、LUCIRIN TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名)を使用するのが特に好ましい。
(c)成分の光重合開始剤の含有割合は、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。光感度に優れる点では、0.1質量部以上であることが好ましく、光硬化性に優れる点では、20質量部以下であることが好ましい。
本実施形態で使用する感光性樹脂層(感光性樹脂組成物)には、上述した(a)〜(c)成分の他に、必要に応じて、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、レベリング剤(オクタメチルシクロテトラシロキサン等)、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤、シランカップリング剤等の添加剤を配合してもよい。これら添加剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて含有させることができる。これらの添加剤の添加量は、(a)バインダーポリマー及び(b)光重合性化合物の合計100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
感光性樹脂層3は、上述した(a)〜(c)成分を含む感光性樹脂組成物の溶液を塗布、乾燥することにより形成できる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が使用できる。
溶液中の固形分含有率は、10〜60質量%程度とすることが好ましい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が使用できる。
溶液中の固形分含有率は、10〜60質量%程度とすることが好ましい。
感光性樹脂組成物の溶液を、支持フィルム1上に形成した導電膜2上に塗布して乾燥することにより、感光性樹脂層3を形成することができる。但し、この場合、乾燥後の感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
感光性樹脂層3の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで0.5〜50μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることがより好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、0.5〜10μmであることが特に好ましい。感光性樹脂層3の厚みが0.5μm以上であれば塗工が容易となる傾向があり、50μm以下であると光透過性の良好であるため、十分な感度が確保でき、転写する感光性樹脂層3の光硬化性が良好である傾向がある。
本実施形態の感光性導電フィルムにおいて、導電膜2及び感光性樹脂層3の積層体は、両層の合計厚を1〜10μmとしたときに450〜650nmの波長域における光透過率が65%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。導電膜及び感光性樹脂層がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での視認性が向上する。
本実施形態の感光性導電フィルムにおいて、感光性樹脂層3の支持フィルム1側と反対側の面に接するように保護フィルムを積層することができる。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルムとして上述の支持フィルムと同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルムとして上述の支持フィルムと同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルムと感光性樹脂層との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層から剥離しやすくするために、導電膜2及び感光性樹脂層3と支持フィルム1との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
<導電パターンの形成方法>
本実施形態の導電パターンの形成方法は、基板と感光性樹脂層とが密着するように、上記の感光性導電フィルムを前記基板上にラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える。
感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する。
導電膜は、感光性樹脂層の基板とは反対側の面に設けられた膜であり、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と金属繊維とを含む。
なお、導電膜及び感光性樹脂層を、感光性導電フィルムを用いずに基板上に直接形成してもよい。
本実施形態の導電パターンの形成方法は、基板と感光性樹脂層とが密着するように、上記の感光性導電フィルムを前記基板上にラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後、導電膜及び感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光工程の後、導電膜及び感光性樹脂層を現像する工程と、を備える。
感光性樹脂層は、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する。
導電膜は、感光性樹脂層の基板とは反対側の面に設けられた膜であり、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と金属繊維とを含む。
なお、導電膜及び感光性樹脂層を、感光性導電フィルムを用いずに基板上に直接形成してもよい。
本実施形態の導電パターンの形成方法の一実施形態を、図3を用いて説明する。
導電パターンの形成には、図3(a)に示す積層体を用いることができる。図3(a)の積層体は、基板20上に、感光性樹脂層3と導電膜2を含む感光層4、及び支持フィルム1を有する感光性導電フィルム10が設けられている。
なお、この積層体は、例えば、上述した本実施形態の感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が基板20と接するように基板20上にラミネートすることによって得ることができる。
導電パターンの形成には、図3(a)に示す積層体を用いることができる。図3(a)の積層体は、基板20上に、感光性樹脂層3と導電膜2を含む感光層4、及び支持フィルム1を有する感光性導電フィルム10が設けられている。
なお、この積層体は、例えば、上述した本実施形態の感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が基板20と接するように基板20上にラミネートすることによって得ることができる。
まず、感光性導電フィルム10上にマスク5を設け、マスク5を介して、感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)に活性光線Lをパターン状に照射する(露光工程:図3(b))。そして、支持フィルム1を剥離し、次に、現像により未硬化部分(未露光部分)を除去することにより、導電パターン2a(導電膜)を形成する(現像工程:図3(c))。
ここで、上記の方法で得られる導電パターンは、導電膜2aの厚みに加えて樹脂硬化層3bの厚みを有している。これらの厚みは基板との段差Hbとなる。段差Hbが大きいと、ディスプレイ等に要求される平滑性が得られにくくなるおそれがあり、また、導電パターンが視認されやすくなるおそれがあるので、用途によって下記の方法(図4)と使い分けることができる。
なお、導電パターンの形成方法は本実施形態の感光性導電フィルムを用いて形成することが好ましいが、これに限られず、例えば、基板上に感光性樹脂層と導電性繊維を含む導電膜を別々に形成後、露光、現像することにより形成してもよい。
なお、導電パターンの形成方法は本実施形態の感光性導電フィルムを用いて形成することが好ましいが、これに限られず、例えば、基板上に感光性樹脂層と導電性繊維を含む導電膜を別々に形成後、露光、現像することにより形成してもよい。
本実施形態の導電パターンの形成方法の別の実施形態を、図4を用いて説明する。
図4に示す方法において、支持フィルム1を有する感光層4の所定部分に活性光線を照射する露光工程(第一露光工程:図4(b))までは上記の形成方法と同じである。
第一露光工程の後に、支持フィルム1を剥離してから、酸素存在下で、第一露光工程での露光部及び未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する(第二露光工程:図4(c))。これにより、基板20上に、導電パターン2aとともに導電膜が形成されていない樹脂硬化層3aが設けられることにより、基板上に導電パターンのみを設けた図3(c)の場合に比べて、導電パターンの段差を小さくすることができる(図4(d)に示す段差Ha)。
図4に示す方法において、支持フィルム1を有する感光層4の所定部分に活性光線を照射する露光工程(第一露光工程:図4(b))までは上記の形成方法と同じである。
第一露光工程の後に、支持フィルム1を剥離してから、酸素存在下で、第一露光工程での露光部及び未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する(第二露光工程:図4(c))。これにより、基板20上に、導電パターン2aとともに導電膜が形成されていない樹脂硬化層3aが設けられることにより、基板上に導電パターンのみを設けた図3(c)の場合に比べて、導電パターンの段差を小さくすることができる(図4(d)に示す段差Ha)。
導電パターンの形成方法で用いる基板は、ガラス、半導体、金属酸化物絶縁体、セラミックス、プラスチック、プリント回路板等であるが、本実施形態では、特にプラスチック基板、とりわけ表面処理していないプラスチックフィルム(ここではプラスチックシートも含む)に好適である。プラスチックフィルムでは、特性、コスト面で優れるPETフィルムが好適である。PETフィルム等には、接着性を改善するためプライマ−コート、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を行い、接着性を向上させた易接着性フィルムが市販されている。この処理には、処理分のコストを要し、透明性などの特性が若干犠牲になる傾向にあるが、本実施形態では、表面処理してないフィルムを基板として用いることができる。
本実施形態に係る導電パターン基板は、上述した本実施形態に係る導電パターンの形成方法により得ることができる。
<タッチパネルセンサ>
本実施形態に係るタッチパネルセンサは、上記の導電パターン基板を備える。
図5は、静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。図5に示されるタッチパネルセンサは、透明基板101の片面にタッチ位置を検出するためのタッチ画面102があり、この領域に静電容量変化を検出して、X位置座標とする透明電極103と、Y位置座標とする透明電極104を備えている。これらのX、Y位置座標とするそれぞれの透明電極103、104には、タッチパネルとしての電気信号を制御するドライバー素子回路と接続するための引き出し配線105と、その引き出し配線105と透明電極103、104を接続する接続電極106が配置されている。さらに、引き出し配線105の接続電極106と反対側の端部には、ドライバー素子回路と接続する接続端子107が配置されている。
本実施形態に係るタッチパネルセンサは、上記の導電パターン基板を備える。
図5は、静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。図5に示されるタッチパネルセンサは、透明基板101の片面にタッチ位置を検出するためのタッチ画面102があり、この領域に静電容量変化を検出して、X位置座標とする透明電極103と、Y位置座標とする透明電極104を備えている。これらのX、Y位置座標とするそれぞれの透明電極103、104には、タッチパネルとしての電気信号を制御するドライバー素子回路と接続するための引き出し配線105と、その引き出し配線105と透明電極103、104を接続する接続電極106が配置されている。さらに、引き出し配線105の接続電極106と反対側の端部には、ドライバー素子回路と接続する接続端子107が配置されている。
図6は、図5に示されるタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す模式図である。本実施形態においては、本実施形態に係る導電パターンの形成方法によって透明電極103、104が形成される。まず、図6(a)に示すように、透明基板101上に透明電極(X位置座標)103を形成する。具体的には、感光性導電フィルム10を感光性樹脂層が透明基板101に接するようラミネートする。転写した感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)に対し、所望の形状に遮光マスクを介してパターン状に活性光線を照射する(第一の露光工程)。その後、遮光マスクを除き、さらに支持フィルムを剥離したうえで感光層4に活性光線を照射する(第二の露光工程)。露光工程の後、現像を行うことで、硬化が不充分な感光性樹脂層3と共に、導電膜2が除去され、導電パターン2aが形成される。この導電パターン2aによりX位置座標を検知する透明電極103が形成される(図6(b))。図6(b)は、図6(a)のI−I切断面の模式断面図である。本実施形態に係る導電パターンの形成方法により透明電極103を形成することで、段差の小さな透明電極103を設けることができる。
続いて、図6(c)に示すように透明電極(Y位置座標)104を形成する。上記の工程により形成された透明電極103を備える透明基板101に、さらに、新たな感光性導電フィルム10をラミネートし、上記同様の操作により、Y位置座標を検知する透明電極104が形成される(図6(d))。図6(d)は、図6(c)のII−II切断面の模式断面図である。本実施形態に係る導電パターンの形成方法により透明電極104を形成することで、透明電極103上に透明電極104を形成する場合であっても、段差又は気泡の捲き込みによる美観の低減が充分に抑制された、平滑性の高いタッチパネルセンサを作製することができる。
次に、透明基板101の表面に、外部回路と接続するための引き出し配線105と、この引き出し配線と透明電極103、104を接続する接続電極106を形成する。図6では、引き出し配線105及び接続電極106は、透明電極103及び104の形成後に形成するように示しているが、各透明電極形成時に同時に形成してもよい。引き出し配線105は、例えば、フレーク状の銀を含有する導電ペースト材料を使って、スクリーン印刷法を用いて、接続電極106を形成するのと同時に形成することができる。
図7及び図8はそれぞれ、図5に示されるa−a’及びb−b’に沿った部分断面図である。これらは、XY位置座標の透明電極の交差部を示す。
図7及び図8に示されるように、透明電極が本実施形態に係る導電パターンの形成方法により形成されていることにより、段差が小さく平滑性の高いタッチパネルセンサを得ることができる。
図7及び図8に示されるように、透明電極が本実施形態に係る導電パターンの形成方法により形成されていることにより、段差が小さく平滑性の高いタッチパネルセンサを得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1[銀繊維分散液の調製](1)ポリオール法による銀繊維の調製
2000mlの3口フラスコに、エチレングリコール500mlを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで撹拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl22mgを50mlのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO35gをエチレングリコール300mlに溶解した溶液と、重量平均分子量が4万のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mlに溶解した溶液とを、それぞれの滴下ロートから1分間で滴下し、その後160℃で60分間撹拌した。
2000mlの3口フラスコに、エチレングリコール500mlを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで撹拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl22mgを50mlのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO35gをエチレングリコール300mlに溶解した溶液と、重量平均分子量が4万のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mlに溶解した溶液とを、それぞれの滴下ロートから1分間で滴下し、その後160℃で60分間撹拌した。
前記反応溶液が30℃以下になるまで放置してから、アセトンで10倍に希釈し、遠心分離機により2000回転/分で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションした。沈殿物にアセトンを加え撹拌後に前記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションした。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を光学顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は5nmで、繊維長は5μmであった。
(2)銀繊維分散液の調製
純水に、上記(1)で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%の濃度となるように分散し、銀繊維分散液1を得た。
純水に、上記(1)で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%の濃度となるように分散し、銀繊維分散液1を得た。
製造例2[感光性樹脂組成物の溶液の調製]
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
表1中の各成分を下記に示す。アクリルポリマーA:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル=12/58/30(モル比)の共重合体(重量平均分子量67,000)の溶液(溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル(MFG)及びトルエン(TLS)。)、TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名)、Irgacure TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名)、PM−21:光重合性不飽和結合を含むリン酸エステル化合物(日本化薬株式会社製、商品名「KAYAMER PM−21」)、Additive8030:オクタメチルシクロテトラシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名)、AW−500:フェノール系重合禁止剤(2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−tertブチルフェノール)、川口化学工業株式会社製、商品名「アンテージW500」)、MEK:メチルエチルケトン。
(実施例1)(1)感光性導電フィルムの作製
製造例1で調製した銀繊維分散液1を支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製、商品名「A−1517」)上に25g/m2で塗工機にて均一に塗布し、60〜90℃で乾燥し、室温(25℃)において10kg/cmの線圧で加圧した。これにより、支持フィルム上に銀繊維の層を形成した。なお、乾燥後の銀繊維の層の厚みは、約0.01μmであった。
該支持フィルムとは別の支持フィルム(保護フィルム)上に、乾燥後の膜厚が5μmとなるように製造例2で作製した感光性樹脂組成物の溶液を塗工機にて均一に塗布し、50〜80℃で乾燥し、感光性樹脂層を形成した。
支持フィルム上に堆積した銀繊維の層上に、PEDOT−PSS(テイカ社製、pH=4)の溶液(希釈濃度(Nv):0.9%)を塗工機にて均一に塗布し、50〜80℃で乾燥し、室温(25℃)において10kg/cmの線圧で加圧した。これにより、銀繊維の層上にPEDOT−PSSの層を形成して導電膜を形成した。塗工条件としてはギャップ40um,ポンプ回転数10000−20000rpmであった。形成されたPEDOT−PSSの層の膜厚をデジタルシックネスゲージで測定したところ、0.35μmであった。塗工実施形成した導電膜に上記感光性樹脂層が接するように、保護フィルム上に形成した感光性樹脂層を室温(25℃)において貼り合わせた。なお、PEDOT−PSSの層のシート抵抗は150〜350Ω/□であった。
製造例1で調製した銀繊維分散液1を支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製、商品名「A−1517」)上に25g/m2で塗工機にて均一に塗布し、60〜90℃で乾燥し、室温(25℃)において10kg/cmの線圧で加圧した。これにより、支持フィルム上に銀繊維の層を形成した。なお、乾燥後の銀繊維の層の厚みは、約0.01μmであった。
該支持フィルムとは別の支持フィルム(保護フィルム)上に、乾燥後の膜厚が5μmとなるように製造例2で作製した感光性樹脂組成物の溶液を塗工機にて均一に塗布し、50〜80℃で乾燥し、感光性樹脂層を形成した。
支持フィルム上に堆積した銀繊維の層上に、PEDOT−PSS(テイカ社製、pH=4)の溶液(希釈濃度(Nv):0.9%)を塗工機にて均一に塗布し、50〜80℃で乾燥し、室温(25℃)において10kg/cmの線圧で加圧した。これにより、銀繊維の層上にPEDOT−PSSの層を形成して導電膜を形成した。塗工条件としてはギャップ40um,ポンプ回転数10000−20000rpmであった。形成されたPEDOT−PSSの層の膜厚をデジタルシックネスゲージで測定したところ、0.35μmであった。塗工実施形成した導電膜に上記感光性樹脂層が接するように、保護フィルム上に形成した感光性樹脂層を室温(25℃)において貼り合わせた。なお、PEDOT−PSSの層のシート抵抗は150〜350Ω/□であった。
(2)導電パターンの形成
基板として易接着処理済PET(東洋紡株式会社製、商品名「A4300」)上に、上記で得られた感光性導電フィルムの保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層を該基板に対向させて、110℃、0.4MPaの条件でラミネートした。
ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が室温になった時点で、ESD耐性評価用マスク(線幅200μm、線長さ40mm)を被せ、支持フィルム側から高圧水銀灯を有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、真空下で60mJ/cm2露光した(第一露光工程)。支持フィルムを剥離後、大気中で100mJ/cm2の露光量で、光照射した(第二露光工程)。
基板として易接着処理済PET(東洋紡株式会社製、商品名「A4300」)上に、上記で得られた感光性導電フィルムの保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層を該基板に対向させて、110℃、0.4MPaの条件でラミネートした。
ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が室温になった時点で、ESD耐性評価用マスク(線幅200μm、線長さ40mm)を被せ、支持フィルム側から高圧水銀灯を有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、真空下で60mJ/cm2露光した(第一露光工程)。支持フィルムを剥離後、大気中で100mJ/cm2の露光量で、光照射した(第二露光工程)。
次に、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.3質量%界面活性剤(ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、東邦化学工業株式会社製、商品名「ノナール912A」)、0.3質量%消泡剤(青木油脂工業社製、商品名「FOAMKILLER_NSI−0 00」)を、露光後の感光性導電フィルムに40秒間スプレーすることにより現像した。現像後、さらにUV露光機により、1J/cm2の露光量で光照射した。
以上の操作により、PET基板上に、図4(d)に示す導電パターンを形成した。
形成した導電パターン上に、30mmの間隔で銀ペースト(東洋紡株式会社製、商品名「DW−117H−41」)を塗布し、乾燥炉内で130℃、30分間乾燥し、測定用試料とした。
測定装置は耐電圧値測定器(阪和電子工業社製、商品名「HCE−5000」)を使用し、開始電圧を100Vとし、100Vずつ電圧を上げ、リーク測定を行うことで破壊判定を行った。破壊の判定基準は、リーク電流が初期値より10%変化することとし、その電圧値をESD耐性値とした。
結果を表2に示す。
以上の操作により、PET基板上に、図4(d)に示す導電パターンを形成した。
形成した導電パターン上に、30mmの間隔で銀ペースト(東洋紡株式会社製、商品名「DW−117H−41」)を塗布し、乾燥炉内で130℃、30分間乾燥し、測定用試料とした。
測定装置は耐電圧値測定器(阪和電子工業社製、商品名「HCE−5000」)を使用し、開始電圧を100Vとし、100Vずつ電圧を上げ、リーク測定を行うことで破壊判定を行った。破壊の判定基準は、リーク電流が初期値より10%変化することとし、その電圧値をESD耐性値とした。
結果を表2に示す。
(実施例1〜4、比較例1)
帯電防止層のシート抵抗値(膜厚)を表2に示すようにした他は、実施例1と同様にして実施例2〜4の感光性導電フィルムを作製した。また、PEDOT−PSS膜を形成しなかったこと以外は、実施例と同様に比較例1の感光性導電フィルムを作製した。これらの感光性導電フィルムを用いて実施例1と同様に、PET基板上に導電パターンを形成し、ESD耐性値を測定した。結果を表2に示す。
帯電防止層のシート抵抗値(膜厚)を表2に示すようにした他は、実施例1と同様にして実施例2〜4の感光性導電フィルムを作製した。また、PEDOT−PSS膜を形成しなかったこと以外は、実施例と同様に比較例1の感光性導電フィルムを作製した。これらの感光性導電フィルムを用いて実施例1と同様に、PET基板上に導電パターンを形成し、ESD耐性値を測定した。結果を表2に示す。
以上の結果より、本実施形態の感光性導電フィルムにおいて、感光性導電フィルムの導電層に帯電防止層を形成することにより、ESD耐性を向上することが出来た。
現在、タッチパネルセンサの製造では、静電気により導電体が断線することで、歩留まり低下の問題がある。この発明により、感光性導電フィルムのESD耐性が向上し、タッチパネルセンサ製造時の歩留まり低下を抑制することが可能である。
本実施形態の感光性導電フィルム及び導電パターンは、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成等に使用できる。
本実施形態のタッチパネルセンサは、液晶表示素子又はタッチスクリーンに使用できる。
本実施形態のタッチパネルセンサは、液晶表示素子又はタッチスクリーンに使用できる。
1…支持フィルム、2…導電膜、2a…導電膜(導電パターン)、3…感光性樹脂層、3a、3b…樹脂硬化層、4…感光層、5…マスク(マスクパターン)、10…感光性導電フィルム、20…基板、101…透明基板、102…タッチ画面、103…透明電極(X位置座標)、104…透明電極(Y位置座標)、105…引き出し配線、106…接続電極、107…接続端子。
Claims (14)
- 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた導電膜と、該導電膜上に設けられた感光性樹脂層とを備え、
前記導電膜が、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、感光性導電フィルム。 - 前記導電性高分子材料又は導電性炭素材料が透明導電体である、請求項1に記載の感光性導電フィルム。
- 前記導電性高分子材料が、PEDOT−PSSを含む、請求項1又は2に記載の感光性導電フィルム。
- 前記導電膜の膜厚が4μm以下である、請求項1〜3いずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
- 前記導電膜の線幅200μm、線長さ30mmでの静電気放電耐性が900V以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
- 前記導電膜及び前記感光性樹脂層の合計の厚みを1〜10μmとしたときの450〜650nmの波長域における光透過率が65%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
- 前記感光性樹脂層が、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
- 前記金属繊維が、銀繊維を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
- 基板と感光性樹脂層とが密着するように、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを前記基板上にラミネートするラミネート工程と、
前記ラミネート工程の後、前記導電膜及び前記感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記導電膜及び前記感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。 - 基板と感光性樹脂層とが密着するように、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを前記基板上にラミネートするラミネート工程と、
前記ラミネート工程の後、前記導電膜及び前記感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する第一露光工程と、
前記第一露光工程の後、酸素存在下で、前記第一露光工程における前記導電膜及び前記感光性樹脂層の未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二露光工程と、
前記第二露光工程の後、前記導電膜及び前記感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。 - 基板上に、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂層を設ける工程と、
前記感光性樹脂層の基板とは反対側の面上に、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と金属繊維とを含む導電膜を設ける工程と、
前記導電膜及び前記感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、
前記露光工程の後、前記導電膜及び前記感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。 - 基板上に、(a)バインダーポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂層を設ける工程と、
前記感光性樹脂層の基板とは反対側の面上に、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と金属繊維とを含む導電膜を設ける工程と、
前記導電膜及び前記感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する第一露光工程と、
前記第一露光工程の後、酸素存在下で、前記第一露光工程における前記導電膜及び前記感光性樹脂層の未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二露光工程と、
前記第二露光工程の後、前記導電膜及び前記感光性樹脂層を現像する工程と、を備える、導電パターンの形成方法。 - 基板と、
前記基板上に設けられた感光性樹脂層の硬化物からなる層と、
当該硬化物からなる層上に設けられた導電パターンと、を有し、
前記導電パターンが、導電性高分子材料及び導電性炭素材料の少なくとも一方と、金属繊維とを含む、導電パターン基板。 - 請求項13記載の導電パターン基板を備える、タッチパネルセンサ。
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JP2016092665A JP2017201354A (ja) | 2016-05-02 | 2016-05-02 | 感光性導電フィルム、導電パターンの形成方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサ |
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-
2016
- 2016-05-02 JP JP2016092665A patent/JP2017201354A/ja active Pending
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