JP2017201013A - 両面粘着テープ及びその製造方法 - Google Patents

両面粘着テープ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017201013A
JP2017201013A JP2017089355A JP2017089355A JP2017201013A JP 2017201013 A JP2017201013 A JP 2017201013A JP 2017089355 A JP2017089355 A JP 2017089355A JP 2017089355 A JP2017089355 A JP 2017089355A JP 2017201013 A JP2017201013 A JP 2017201013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
pressure
double
main surface
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017089355A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6832222B2 (ja
Inventor
友也 川本
Tomoya Kawamoto
友也 川本
智 土居
Satoshi Doi
智 土居
拓道 杉原
Hiromichi Sugihara
拓道 杉原
達哉 西垣
Tatsuya Nishigaki
達哉 西垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Publication of JP2017201013A publication Critical patent/JP2017201013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6832222B2 publication Critical patent/JP6832222B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】粘着力の低下が生じ難く、取り扱い性に優れる、両面粘着テープを提供する。【解決手段】第1の主面5aを有する第1の剥離層5と、第1の剥離層5の第1の主面5a上に設けられた第1の粘着剤層3と、第1の粘着剤層3上に設けられた基材2と、基材2上に設けられた第2の粘着剤層4と、第2の粘着剤層4上に設けられた第2の剥離層6と、を備え、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける最大断面高さRtが、5μm以下であり、算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下であり、かつ凹凸の平均間隔Smが、50μm以下である、両面粘着テープ1。【選択図】図1

Description

本発明は、両面粘着テープ及び該両面粘着テープの製造方法に関する。
半導体ウエハや、スマートフォンなどのカバーガラスは、研磨加工することにより平滑化して用いられている。研磨加工は、研磨機の定盤に固定された研磨パッドを用いて行われる。研磨パッドを研磨機の定盤に固定するために、通常、粘着テープが用いられている。
下記の特許文献1には、研磨パッド固定用の両面粘着テープが開示されている。上記両面粘着テープは、基材の両面に第1及び第2の粘着剤層が積層されることにより構成されている。第1及び第2の粘着剤層の表面には、離型シートがそれぞれ積層されている。
また、下記の特許文献2には、剥離ライナーなどに形成されたエンボスパターンを、粘着剤層に接触させることにより、粘着面にエンボスパターンを転写する方法が開示されている。特許文献2では、上記のようにして、粘着面にエンボスパターンが転写された粘着テープが形成されている。
特許第5134533号公報 特表2001−507732号公報
しかしながら、特許文献1のような粘着テープを研磨機の定盤などの被着体に貼り合わせる際には、粘着剤層と被着体である研磨機の定盤との界面において、空気が浸入し、気泡が生じることがあった。そのため、粘着テープの粘着力が低下し、作業中に粘着テープの剥がれが生じたり、装置に不良が生じたりすることがあった。
また、特許文献2のように、粘着面にエンボスパターンが転写された粘着テープでは、粘着剤層と研磨機の定盤との界面において、粘着剤層と研磨機の定盤が接触していない空間を有するため、研磨中に研磨スラリーや研磨液などの液体が当該空間に浸入することで、粘着テープの粘着力が低下して作業中に粘着テープの剥がれが生じたり、装置に不良が生じたりすることがあった。すなわち、粘着テープの取り扱い性が低下することがあった。
本発明の目的は、粘着力の低下が生じ難く、取り扱い性に優れる、両面粘着テープ及び該両面粘着テープの製造方法を提供することにある。
本発明に係る両面粘着テープは、第1の主面を有する第1の剥離層と、前記第1の剥離層の前記第1の主面上に設けられた第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層上に設けられた基材と、前記基材上に設けられた第2の粘着剤層と、前記第2の粘着剤層上に設けられた第2の剥離層と、を備え、前記第1の剥離層の前記第1の主面における最大断面高さRtが、5μm以下であり、算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下であり、かつ凹凸の平均間隔Smが、50μm以下である。
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、前記第1の粘着剤層を構成している粘着剤の周波数10Hz、かつ温度23℃におけるせん断貯蔵弾性率が、0.1MPa以上、1.0MPa以下である。
本発明に係る両面粘着テープの他の特定の局面では、前記第1の粘着剤層が、(メタ)アクリル系粘着剤により構成されている。
本発明に係る両面粘着テープのさらに他の特定の局面では、前記第1の剥離層が、前記第1の主面と対向しており、かつ前記第1の粘着剤層とは反対側に配置されている第2の主面をさらに有し、前記第1の剥離層の前記第2の主面における最大断面高さRtが、5μm以下であり、かつ算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下である。
本発明に係る両面粘着テープのさらに他の特定の局面では、研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられる。
本発明に係る両面粘着テープの製造方法は、第1の主面を有する第1の剥離層と、前記第1の剥離層の前記第1の主面上に設けられた第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層上に設けられた基材と、前記基材上に設けられた第2の粘着剤層と、前記第2の粘着剤層上に設けられた第2の剥離層と、を有する、両面粘着テープの製造方法であって、前記第1の剥離層において、最大断面高さRtが、5μm以下であり、算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下であり、かつ凹凸の平均間隔Smが、50μm以下である前記第1の主面上に、粘着剤を塗布し、前記第1の粘着剤層を形成する工程を備える。
本発明によれば、粘着力の低下が生じ難く、取り扱い性に優れる、両面粘着テープを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る両面粘着テープの模式的正面断面図である。 実施例1に係る剥離材の一方側の主面の倍率500倍の走査型顕微鏡写真(SEM写真)である。 実施例1に係る剥離材の一方側の主面における凹凸の高さを示す図である。 比較例1に係る剥離材の一方側の主面の倍率500倍の走査型顕微鏡写真(SEM写真)である。 比較例1に係る剥離材の一方側の主面における凹凸の高さを示す図である。 比較例2に係る剥離材の一方側の主面の倍率500倍の走査型顕微鏡写真(SEM写真)である。 比較例2に係る剥離材の一方側の主面における凹凸の高さを示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(両面粘着テープ)
図1は、本発明の一実施形態に係る両面粘着テープを示す模式的正面断面図である。図1に示すように、両面粘着テープ1は、基材2と、第1及び第2の粘着剤層3,4と、第1及び第2の剥離層5,6とを備える。
第1の剥離層5は、第1及び第2の主面5a,5bを有する。第1の主面5aと、第2の主面5bとは、互いに対向している。第1の主面5a上には、第1の粘着剤層3が積層されている。なお、第2の主面5bは、第1の剥離層5において、第1の粘着剤層3とは反対側の主面である。
第1の粘着剤層3の第1の剥離層5とは反対側の主面上に、基材2が積層されている。基材2の第1の粘着剤層3とは反対側の主面上に、第2の粘着剤層4が積層されている。また、第2の粘着剤層4の基材2とは反対側の主面上に、第2の剥離層6が積層されている。
なお、両面粘着テープ1が、研磨機の定盤に研磨パッドを固定する用途で用いられる場合、第1の粘着剤層3は、研磨機の定盤に貼り合わされる側の粘着剤層である。また、第2の粘着剤層4は、研磨パッドに貼り合わされる側の粘着剤層である。
本実施形態においては、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける最大断面高さRtが、5μm以下である。第1の剥離層5の第1の主面5aにおける算術平均粗さRaは、0.05μm以上、0.5μm以下である。また、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける凹凸の平均間隔Smは、50μm以下である。
両面粘着テープ1では、第1の主面5aの最大断面高さRt及び算術平均粗さRaが上記特定の範囲内とされているので、第1の主面5aと接している第1の粘着剤層3の第3の主面3aに微細な凹凸形状が付与されている。このように、両面粘着テープ1では、第1の粘着剤層3の第3の主面3aに微細な凹凸形状が付与されているので、第1の剥離層5を剥離して第1の粘着剤層3の第3の主面3a側から研磨機の定盤などの被着体に貼り合わせる際に、空気が浸入し難く、被着体との界面において気泡が発生し難い。そのため、両面粘着テープ1の粘着力が低下し難く、作業中に粘着テープの剥がれが生じ難い。また、装置に不良が生じ難い。加えて、第1の粘着剤層3の表面には大きな凹凸が形成されていないので、研磨スラリーや研磨液などの液体が浸入し難い。従って、両面粘着テープ1の粘着力の低下が起こり難い。さらに、第1の主面5aにおける凹凸の平均間隔Smは、50μm以下であり、凹凸の平均間隔が小さいので、たとえ気泡が発生した場合においても、被着体との界面における気泡の大きさを小さくすることができる。従って、この点からも両面粘着テープ1の粘着力の低下が起こり難い。よって、両面粘着テープ1は、粘着力の低下が起こり難く、かつ取り扱い性に優れている。また、両面粘着テープ1は、粘着力の低下が起こり難く、かつ取り扱い性に優れているので、研磨機の定盤に研磨パッドを固定する用途に好適に用いることができる。
また、第1の粘着剤層3の第3の主面3aには、第1の剥離層5の第1の主面5aの凹凸形状に対応する凹凸形状が設けられていることが好ましい。従って、第1の粘着剤層3の第3の主面3aにおける最大断面高さRtは、5μm以下であることが好ましい。また、第1の粘着剤層3の第3の主面3aにおける算術平均粗さRaは、0.05μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。さらに、第1の粘着剤層3の第3の主面3aにおける凹凸の平均間隔Smは、50μm以下であることが好ましい。この場合、粘着力の低下をより一層起こり難くし、かつ取り扱い性をより一層高めることができる。
粘着力の低下をさらに一層起こり難くし、かつ取り扱い性をさらに一層高める観点から、第1の主面5a及び第3の主面3aの最大断面高さRtは、それぞれ、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは2μm以下である。
粘着力の低下をより一層起こり難くし、かつ取り扱い性をより一層高める観点から、第1の主面5a及び第3の主面3aの算術平均粗さRaは、それぞれ、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、好ましくは0.4μm以下である。
粘着力の低下をさらに一層起こり難くし、かつ取り扱い性をさらに一層高める観点から、第1の主面5a及び第3の主面3aの凹凸の平均間隔Smは、それぞれ、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。
本発明においては、第1の剥離層5における第2の主面5bの最大断面高さRtも、5μm以下であることが好ましい。また、第1の剥離層5の第2の主面5bにおける算術平均粗さRaも、0.05μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。この場合、巻回体から、両面粘着テープ1を巻き出す際にブロッキングし難く、スムーズに巻き出しを行うことができる。また、両面粘着テープ1の巻回体を作製する場合にも、ブロッキングが生じ難いのでスムーズに巻き取りを行うことができる。さらに、第2の主面5bには大きな凹凸が存在しないことから、両面粘着テープ1に傷やしわが生じ難い。
上記算術平均粗さRa及び最大断面高さRtは、JIS B0601:2001に準拠して測定することができる。また、凹凸の平均間隔Smは、JIS B0601:1994に準拠して測定することができる。
本発明においては、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける粗さの標準偏差が小さいことが好ましい。すなわち、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける凹凸の大きさのバラつきが小さく、凹凸の突出して大きい部分が存在しないことが好ましい。第1の剥離層5の第1の主面5aに凹凸の突出して大きい部分が存在すると、その部分に気泡がより一層浸入し易くなる。そのため、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける凹凸の大きさのバラつきを小さくすることで、被着体との界面における気泡の発生をより一層生じ難くすることができる。また、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける凹凸の大きさのバラつきが小さく、凹凸の突出して大きい部分が存在しないので、たとえ気泡が浸入した場合においても気泡がさらに成長し難い。そのため、たとえ気泡が発生した場合においても、被着体との界面における気泡の大きさをより一層小さくすることができる。従って、両面粘着テープ1の粘着力の低下をより一層起こり難くすることができる。
また、両面粘着テープ1において、第1の剥離層5の第1の主面5aは、複数の微細な凹部を有していることが好ましく、該複数の微細な凹部が連なった溝を有していることが好ましい。この場合、被着体に貼り合わせる際に発生する空気を上記溝から押し出すことができる。そのため、被着体との界面において、気泡をより一層発生し難くすることができる。さらに、第1の主面5aは、複数の微細な凸部を有していることが好ましく、該複数の微細な凸部が連なった部分を有していることが好ましい。この場合、第1の主面5aに接している第1の粘着剤層3の第3の主面3aに複数の微細な凹部が形成され、しかも該複数の微細な凹部が連なった溝が形成されるので、被着体に貼り合わせる際に発生する空気を上記溝から押し出すことができる。そのため、被着体との界面において、気泡をより一層発生し難くすることができる。
なお、両面粘着テープ1の任意の場所を1cm×1cmの大きさに切り出したときに、第1の剥離層5の第1の主面5aにおける複数の凹部は、第1の主面5aの端部まで連なっている溝を有してもよいが、その場合、上記溝が第1の主面5aの外周縁における他の端部まで貫通していないことが好ましい。特に、上記複数の凹部が連なっている溝が、第1の主面5aの外周縁における任意の一辺から、該任意の一辺に対向している他の一辺まで貫通していないことが好ましい。その場合、第1の剥離層5と第1の粘着剤層3の界面に研磨スラリーや研磨液などの液体がより一層浸入し難く、粘着力の低下がより一層生じ難い。
同様に、両面粘着テープ1の任意の場所を1cm×1cmの大きさに切り出したときに、第1の粘着剤層3の第3の主面3aにおける複数の凹部は、第3の主面3aの端部まで連なっている溝を有してもよいが、その場合、上記溝が第3の主面3aの外周縁における他の端部まで貫通していないことが好ましい。特に、上記複数の凹部が連なっている溝が、第3の主面3aの外周縁における任意の一辺から、該任意の一辺に対向している他の一辺まで貫通していないことが好ましい。その場合、第1の剥離層5と第1の粘着剤層3の界面に研磨スラリーや研磨液などの液体がより一層浸入し難く、粘着力の低下がより一層生じ難い。
以下、両面粘着テープ1などの本発明の両面粘着テープを構成する各材料の詳細について説明する。
基材;
基材の材料としては、特に限定されず、例えば、樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)若しくはポリプロピレン(PP)等のフィルム、又はこれらの積層体などが挙げられる。耐薬品性や強度をより一層高める観点からは、樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。研磨パッド固定用に用いる場合において、研磨パッドとの密着性をより一層高め、研磨パッドや被研磨物のうねりへの追従性をより一層高める観点からは、2軸延伸ポリプロピレンであることが好ましい。
基材の厚みは、特に限定はされないが、例えば、10μm〜200μm程度とすることができる。基材の厚みは、好ましくは30μm以上、好ましくは120μm以下である。基材の厚みが薄すぎると、基材がより一層柔らかくなるので、被着体に貼り合わせる際に空気が浸入しやすく、定盤との界面に気泡が発生しやすくなる。この際、特に大きな気泡が発生しやすい。また、気泡を押し出す力がかかった場合であっても、気泡に力が伝わりにくいため、気泡が排出され難いことがある。一方、基材の厚みが厚すぎると、基材が剛直になり柔軟性が低下することがあり、発生した気泡が移動し難く、気泡が排出され難いことがある。
気泡の発生(噛み込み)による粘着力の低下をより一層効果的に防止し、かつより一層取り扱い性を高める観点から、基材の圧縮弾性率は、好ましくは220mN/mm以上、好ましくは500mN/mm以下である。基材の圧縮弾性率は、より好ましくは、250mN/mm以上、さらに好ましくは290mN/mm以上である。基材の圧縮弾性率は、より好ましくは450mN/mm以下、さらに好ましくは、420mN/mm以下である。なお、上記圧縮弾性率は、JIS K 7181(2011)に準拠する方法により測定することができる。
第1の粘着剤層;
本発明においては、第1の粘着剤層を構成する粘着剤の物性を調整することにより、被着体との界面における気泡の発生をより一層生じ難くすることができる。例えば、第1の粘着剤層3を構成する粘着剤の周波数10Hz、かつ温度23℃におけるせん断貯蔵弾性率は、0.1MPa以上、1.0MPa以下であることが好ましい。せん断貯蔵弾性率が小さすぎると、十分な粘着力を得られない場合がある。他方、せん断貯蔵弾性率が大きすぎると、濡れ性が低くなり、気泡を噛み込みやすくなることがある。なお、上記せん断貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により測定される。上記動的粘弾性測定は、動的粘弾性測定装置を用いて、固体せん断モードで、周波数10Hz、ひずみ0.1%の条件下で行われる。
従って、第1の粘着剤層3を構成する粘着剤のせん断貯蔵弾性率は、好ましくは、0.2MPa以上、より好ましくは0.3MPa以上、好ましくは0.6MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下である。
第1の粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、(メタ)アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などを用いることができる。より一層粘着力を高める観点から、(メタ)アクリル系粘着剤であることが好ましい。
(メタ)アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルを90重量%以上含有する重合性モノマー混合物中の重合性モノマーを共重合して得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体と、キシレン樹脂とを含有する感圧型粘着剤を用いることができる。
重合性モノマー混合物中の(メタ)アクリル酸ブチルの含有量が90重量%以上である場合、耐熱性をより一層向上することができる。より好ましくは、95重量%以上である。
また、上記重合性モノマー混合物中には、(メタ)アクリル酸ブチル以外に、(メタ)アクリル酸ブチルと共重合する他の重合性モノマーが10重量%未満の範囲で配合されていてもよい。
他の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、n−メチロールアクリルアミド、無水マレイン酸、酢酸ビニル若しくはスチレンなどの(メタ)アクリル酸ブチルと共重合可能なアルキル基の炭素数が1〜12のビニルモノマーが挙げられる。なかでも、研磨パッド固定用に用いる場合において、研磨パッドへの粘着力をより一層高め、研磨パッドからの剥離をより一層防止できることから、(メタ)アクリル酸を配合することが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸の配合量は、(メタ)アクリル酸ブチル100重量部に対して、1重量部〜10重量部が好ましく、1重量部〜5重量部がより好ましく、1重量部〜3重量部がさらに好ましい。(メタ)アクリル酸の配合量が少なすぎると凝集力が不足することがある。そのため、研磨パッド固定用に用いる場合においては、研磨時に加わるせん断力によって凝集破壊し、剥離することがある。(メタ)アクリル酸の配合量が多すぎると、ガラス転移点温度が高くなり、低温粘着性能が低下することがある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の分子量としては、重量平均分子量で30万〜80万であることが好ましい。分子量が小さすぎると、凝集力が不足することがあり、研磨パッド固定用に用いる場合には、研磨時に加わるせん断力によって凝集破壊し、剥離することがある。(メタ)アクリル酸の配合量が多すぎると、初期タックが低下することがある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体は、(メタ)アクリル酸ブチルと、必要に応じて配合する上述の他の重合性モノマーとを、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させることにより製造することができる。なお、重合方法としては、特に限定されず、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合又は塊状重合などが挙げられる。
上記重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート又はt−ブチルパーオキシラウレートなどが挙げられ、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン又はt−ヘキシルパーオキシピバレートを用いることが好ましい。なお、上記重合開始剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記キシレン樹脂の配合割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の固形分100重量部に対して、5重量部〜30重量部であることが好ましく、10重量部〜20重量部であることがより好ましい。キシレン樹脂の配合量が少なすぎると、粘着剤層のせん断抵抗力が低下することがある。そのため、研磨パッド固定用に用いる場合に研磨時に加わるせん断力によって凝集破壊が起こり、剥離することがある。キシレン樹脂の配合量が多すぎると初期タック性が高くなり貼り直し難くなるとともに、使用後の剥離が困難となる場合がある。あるいは、糊残りすることがある。
また、キシレン樹脂は、特に限定されないが、熱可塑性アルキルフェノール変性タイプのものが好ましく、なかでも重量平均分子量が1000〜1500のものが好ましい。このような市販のキシレン樹脂としては、フドー社製、商品名「HP70」や、フドー社製、商品名「HP100」などのキシレン樹脂が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル系粘着剤中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、キシレン樹脂以外にその他の粘着付与樹脂を配合してもよい。その他の粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、ロジン系樹脂又はテルペン系樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、(メタ)アクリル系粘着剤中には、必要に応じて、架橋剤が添加されていてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤又は金属キレート型架橋剤などが挙げられる。耐熱性及び耐久性をより一層向上させる観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
第1の粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、20μm〜60μmであることが好ましく、30μm〜50μmであることがより好ましい。第1の粘着剤層の厚みが薄すぎると、研磨パッド固定用に用いる場合に、研磨工程中に研磨パッドとともに両面粘着テープが定盤から剥離したり、研磨パッドの研磨精度が低下したりすることがある。他方、第1の粘着剤層の厚みが厚すぎると、再剥離性が低下し、定盤から剥離させた際に定盤に糊残りが生じることがある。
第2の粘着剤層;
第2の粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、(メタ)アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などを用いることができる。より一層粘着力を高める観点から、(メタ)アクリル系粘着剤であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルを90重量%以上含有する重合性モノマー混合物中の重合性モノマーを共重合して得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体と、テルペンフェノール樹脂とを含む感熱型粘着剤や又はホットメルト系粘着剤が挙げられる。
なお、本発明において、感熱型粘着剤とは、熱圧着後に高い接着力を発揮するものをいう。
第2の粘着剤層に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体としては、上記第1の粘着剤層を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体と同様のものを用いることができる。
また、(メタ)アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の固形分100重量部に対して、テルペンフェノール樹脂を20重量部〜70重量部含んでいることが好ましい。テルペンフェノール樹脂の含有量が少なすぎると、熱圧着後に高い粘着力を発揮できないことがある。また、テルペンフェノール樹脂の含有量が多すぎると、初期タックが低下する場合がある。
上記テルペンフェノール樹脂としては、特に限定されず、例えば、ヤスハラケミカル社製のYSシリーズ、商品名「T115」や、ヤスハラケミカル社製のYSシリーズ、商品名「T130」などの市販のテルペンフェノール樹脂を用いることができる。
なお、(メタ)アクリル系粘着剤中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、テルペンフェノール樹脂以外にも、他の粘着付与樹脂を配合してもよい。その他の粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、ロジン系樹脂、又はテルペン系樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、(メタ)アクリル系粘着剤中には、必要に応じて、架橋剤が添加されていてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤又は金属キレート型架橋剤などが挙げられる。耐熱性及び耐久性をより一層向上させる観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
第2の粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、60μm〜100μmであることが好ましく、70μm〜90μmであることがより好ましい。第2の粘着剤層の厚みが薄すぎると、研磨パッド固定用に用いる場合、研磨工程中に両面粘着テープから研磨パッドが剥離したり、研磨パッドの研磨精度が低下したりすることがある。他方、第2の粘着剤層の厚みが厚すぎると、研磨工程中に凝集破壊が生じることがある。
第1の剥離層;
第1の剥離層としては、樹脂フィルムや紙などの基材シートに後述する処理を施したものを用いることができる。もっとも、上記基材シートとしては、市販の離型紙や離型フィルムなどをそのまま使用してもよいし、後述する処理が施された基材シートに、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、又は脂肪酸アミド系等の離型剤を塗布し、その上に第1の粘着剤層を積層させてもよい。なお、離型剤の厚みは、数10nm〜数100nmとすることができる。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)若しくはポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、又はこれらの積層体などが挙げられる。
第2の剥離層;
第2の剥離層としては、特に限定されないが、市販の離型紙や離型フィルムなどをそのまま使用することができる。上記第1の剥離層と同様の樹脂フィルムを用いることもできる。
(両面粘着テープの製造方法)
以下、両面粘着テープ1の製造方法の一例を説明する。
まず、第1の剥離層5を用意する。第1の剥離層5は、例えば以下のようにして用意することができる。
フィルムや紙などの基材シートをアルカリ処理液に浸漬する。アルカリ処理液は、特に限定されないが、NaOHやKOH等のアルカリの水溶液により構成することができる。アルカリ処理液中におけるアルカリの濃度は、例えば、40重量%〜60重量%とすることができる。アルカリ処理液のpHは、例えば、10〜14とすることができる。アルカリ処理液中の浸漬時間は、例えば、1分〜10分とすることができる。また、アルカリ処理液の温度は、例えば、80℃〜120℃とすることができる。
このような条件で基材シートに処理(ケミカルエッチング処理)を施すことにより、第1の剥離層5の第1及び第2の主面5a,5bの最大断面高さRtが、5μm以下であり、算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下であり、凹凸の平均間隔Smが、50μm以下であり、さらに凹凸のバラつきが小さい第1の剥離層5を用意することができる。また、第1及び第2の主面5a,5bに複数の凸部及び凹部が設けられており、かつ該複数の凸部及び凹部が、それぞれ連なっている部分を有する第1の剥離層5を用意することができる。
なお、上記基材シートとしては、市販の離型紙や離型フィルムなど剥離材をそのまま使用してもよいし、離型処理が施されていない基材シートを用いてもよい。離型処理が施されていない基材シートを用いる場合、基材シートに上記ケミカルエッチング処理を施した後、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、又は脂肪酸アミド系等の離型剤を塗布し、第1の剥離層5を用意することができる。もっとも、離型剤を塗布した場合においても、その厚みは数10nm〜数100nmにすぎないため、基材シートに形成された表面の凹凸に影響を及ぼさないことが確認されている。上記基材シートとしては、樹脂フィルムを用いてもよい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)若しくはポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、又はこれらの積層体などが挙げられる。上記ケミカルエッチング処理を施す場合は、ポリエステル系樹脂フィルム、特にポリエチレンテレフタレート(PET)を使用することが好ましい。
続いて、第1及び第2の粘着剤層3,4を形成するための粘着剤に、それぞれ、溶剤を加えて第1及び第2の粘着剤溶液を用意する。上記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン又は酢酸エチルを用いることができる。
次に、第2の剥離層6用の剥離材を用意し、該剥離材の離型面上に、第2の粘着剤溶液を塗布する。続いて、第2の粘着剤溶液中の溶剤を完全に乾燥及び除去することにより第2の粘着剤層4を形成した後、第2の粘着剤層4上に予め用意した基材2を貼り合わせ、第1の積層体を得る。
また、第1の剥離層5の第1の主面5a(離型面)上に、第1の粘着剤溶液を塗布する。続いて、第1の粘着剤溶液中の溶剤を完全に乾燥及び除去することにより、第1の剥離層5の第1の主面5a上に、第1の粘着剤層3が積層された第2の積層体を作製する。上記第1の積層体の基材2上に、上記第2の積層体を第1の粘着剤層3側から貼り合わせ、第3の積層体を得る。得られた第3の積層体に、ゴムローラなどによって厚み方向に加圧することにより、両面粘着テープ1を得ることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
粘着剤溶液(A)の調製;
アクリル酸ブチル97重量部と、アクリル酸3重量部とを共重合させて(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(重量平均分子量50万)を得た。得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の固形分100重量部に、キシレン樹脂(フドー社製、商品名「HP100」、分子量1000〜1500)を10重量部添加して、溶剤として酢酸エチルを含む粘着剤溶液(A)を得た。
粘着剤溶液(B)の調製;
アクリル酸ブチル95重量部と、アクリル酸5重量部とを共重合させて(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(重量平均分子量55万)を得た。得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の固形分100重量部に、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「T130」)を40重量部添加して、溶剤としての酢酸エチルを含む粘着剤溶液(B)を得た。
粘着剤溶液(C)の調製;
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備える反応装置に、ブチルアクリレート(BA)95重量部、アクリル酸(AAc)5重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部を共重合させて(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(重量平均分子量80万)を得た。得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の固形分100重量部に、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「T160」、軟化点160℃)40重量部を加えて攪拌し、粘着剤溶液(C)を得た。
(実施例1)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、予め用意したNaOH濃度50重量%のアルカリ処理液に、温度110℃で120秒間浸漬した。浸漬後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを取り出し、一方側の主面にシリコーン系離型剤を塗布し、第1の剥離層を形成するための剥離材を得た。
得られた剥離材の一方側の主面(離型面)の倍率500倍の走査型顕微鏡写真(SEM写真)を図2に示す。また、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)における凹凸の高さを図3に示す。なお、図3の横軸は、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)における任意の評価長さを示している。
図2及び図3から明らかなように、得られた剥離材では、表面に微細な凹凸が形成されており、粗さのバラつきが小さかった。なお、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)の最大断面高さRtは、1.61μmであり、算術平均粗さRaは0.28μmであり、凹凸の平均間隔Smは、35.0μmであった。
両面粘着テープの作製;
一面が離型処理された厚み30μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に、粘着剤溶液(B)を塗布した。しかる後、粘着剤溶液(B)中の溶剤を完全に乾燥及び除去することにより、離型フィルム(第2の剥離層)上に第2の粘着剤層を積層させ、さらにその上に基材としての厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、第1の積層体を得た。
また、上記のようにして作製した第1の剥離層用の剥離材の離型処理面(離型面)に、粘着剤溶液(A)を塗布した。しかる後、粘着剤溶液(A)中の溶剤を完全に乾燥及び除去することにより、離型フィルム(第1の剥離層)上に第1の粘着剤層が積層された第2の積層体を得た。なお、第1の粘着剤層の厚みは35μmであった。
次に、第1の積層体の基材に、第2の積層体を第1の粘着剤層側から貼り合わせ第3の積層体を得た。第3の積層体に、ゴムローラにより厚み方向に2kg加圧し、1往復させることによって、両面粘着テープを得た。
(実施例2)
第1の粘着剤層の厚みを60μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例3)
粘着剤溶液(A)の代わりに粘着剤溶液(B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例4)
粘着剤溶液(A)の代わりに粘着剤溶液(C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例1)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、サンドプラスト法により処理を施した。ポリエチレンテレフタレートフィルムにおける上記サンドプラスト法の処理面にシリコーン系離型剤を塗布し、第1の剥離層を形成するための剥離材を得た。
得られた剥離材の一方側の主面(離型面)の倍率500倍の走査型顕微鏡写真(SEM写真)を図4に示す。また、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)における凹凸の高さを図5に示す。なお、図5の横軸は、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)における任意の評価長さを示している。
図4及び図5から明らかなように、得られた剥離材では、粗さのバラつきが大きかった。なお、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)の最大断面高さRtは、5.41μmであり、算術平均粗さRaは0.56μmであり、凹凸の平均間隔Smは、53.6μmであった。
第1の剥離層を形成するための剥離材として、このような剥離材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例2〜4)
比較例2,3では、第1の剥離層を形成するための剥離材として第1の粘着剤層を形成する面における算術平均粗さRa、最大断面高さRt、及び凹凸の平均間隔Smが下記の表1に示す値の剥離材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
なお、比較例2では、原反にフィラーが練り込まれたフィルムに、シリコーン系離型剤を塗布し、第1の剥離層を形成するための剥離材を得た。比較例3では、未処理のポリエチレンテレフタレートフィルムに、シリコーン系離型剤を塗布し、第1の剥離層を形成するための剥離材を得た。
また、比較例4では、間隔1500μm、幅140μm及び高さ15μmの格子が形成されたシートに、シリコーン系離型剤を塗布することにより、第1の剥離層を形成するための剥離材を得たこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
また、比較例2で得られた剥離材の一方側の主面(離型面)の倍率500倍の走査型顕微鏡写真(SEM写真)を図6に示す。また、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)における凹凸の高さを図7に示す。なお、図7の横軸は、得られた剥離材の一方側の主面(離型面)における任意の評価長さを示している。
図6及び図7から明らかなように、比較例2で得られた剥離材では、凹凸の平均間隔が大きかった。
(評価)
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープ又は両面粘着テープを構成する材料について以下の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
算術平均粗さRa、最大断面高さRt、及び凹凸の平均間隔Sm;
算術平均粗さRa及び最大断面高さRtは、JIS B0601:2001に準拠して測定した。また、凹凸の平均間隔Smは、JIS B0601:1994に準拠して測定した。算術平均粗さRa、最大断面高さRt、及び凹凸の平均間隔Smは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、VR−3000型)を用いて測定した。また、測定は、第1の剥離層を構成する剥離材を、1000μm×1000μmの大きさに抜き取った部分において行った。
なお、算術平均粗さRaは、粗さ曲線の算術平均高さであり、最大断面高さRtは、粗さ曲線の最大断面高さであり、凹凸の平均間隔Smは粗さ曲線の平均長さである。また、該断面曲線にカットオフ値λc=0.1mmの高域フィルタによって、断面曲線から長波長成分を遮断し、粗さ曲線を得ている。
せん断貯蔵弾性率;
粘着剤(粘着剤層)のせん断貯蔵弾性率(G’)は、動的粘弾性測定により測定した。上記動的粘弾性測定は、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製、品番「DVA−310」)を用いて、固体せん断モードで、周波数10Hz、ひずみ0.1%、温度−40℃〜140℃、及び昇温速度3℃/min条件下で、厚み1.2mm、縦11mm×横6mmの大きさの粘着剤(粘着剤層)試験片を用いて行った。
エア抜き試験(気泡面積);
得られた両面粘着テープの第2の剥離層を剥がし、両面粘着テープを第2の粘着剤層側から研磨パッドに貼りつけた。続いて、両面粘着テープの第1の剥離層を剥がし、第1の粘着剤層側からアクリル板の上に載せた。次に、浸入した空気を指で押し出し、写真を撮影した。得られた写真全体の面積に対する気泡面積の割合(%)を算出した。
浸漬試験(粘着力の評価);
得られた両面粘着テープの第2の剥離層を剥がし、両面粘着テープを第2の粘着剤層側から研磨パッドに貼りつけ、縦150mm×横25mmの平面長方形状の試験片を切り出した。続いて、両面粘着テープの第1の剥離層を剥がし、第1の粘着剤層側からアクリル板の上に重ね合わせて、2kgのローラーで押圧し、試験片をアクリル板上に貼着してから温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて、引張試験機を用いてJIS Z0237(=180度ピール試験)に準拠して粘着力を測定した。なお、試験は、アクリル板に貼りつけ後20分経過した際と、アクリル板に貼りつけ後、40℃の水に24時間浸漬したのち、23℃に戻した際に行い、以下の評価基準で評価を行った。実施例1及び比較例4の結果を下記の表2に示す。なお、比較例4では、第1の剥離層の第1の粘着剤層側の主面において、複数の微細な凸部が両面粘着テープの外周縁における一端から他端まで貫通していたが、実施例1ではそのような貫通は観察されなかった。
○…浸漬後における粘着力の浸漬前における粘着力に対する低下が10%以下である。
×…浸漬後における粘着力の浸漬前における粘着力に対する低下が10%より大きい。
1…両面粘着テープ
2…基材
3,4…第1,第2の粘着剤層
3a…第3の主面
5,6…第1,第2の剥離層
5a…第1の主面
5b…第2の主面

Claims (6)

  1. 第1の主面を有する第1の剥離層と、
    前記第1の剥離層の前記第1の主面上に設けられた第1の粘着剤層と、
    前記第1の粘着剤層上に設けられた基材と、
    前記基材上に設けられた第2の粘着剤層と、
    前記第2の粘着剤層上に設けられた第2の剥離層と、
    を備え、
    前記第1の剥離層の前記第1の主面における最大断面高さRtが、5μm以下であり、算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下であり、かつ凹凸の平均間隔Smが、50μm以下である、請求項1に記載の両面粘着テープ。
  2. 前記第1の粘着剤層を構成している粘着剤の周波数10Hz、かつ温度23℃におけるせん断貯蔵弾性率が、0.1MPa以上、1.0MPa以下である、請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 前記第1の粘着剤層が、(メタ)アクリル系粘着剤により構成されている、請求項1又は2に記載の両面粘着テープ。
  4. 前記第1の剥離層が、前記第1の主面と対向しており、かつ前記第1の粘着剤層とは反対側に配置されている第2の主面をさらに有し、
    前記第1の剥離層の前記第2の主面における最大断面高さRtが、5μm以下であり、かつ算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  5. 研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  6. 第1の主面を有する第1の剥離層と、
    前記第1の剥離層の前記第1の主面上に設けられた第1の粘着剤層と、
    前記第1の粘着剤層上に設けられた基材と、
    前記基材上に設けられた第2の粘着剤層と、
    前記第2の粘着剤層上に設けられた第2の剥離層と、
    を有する、両面粘着テープの製造方法であって、
    前記第1の剥離層において、最大断面高さRtが、5μm以下であり、算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.5μm以下であり、かつ凹凸の平均間隔Smが、50μm以下である前記第1の主面上に、粘着剤を塗布し、前記第1の粘着剤層を形成する工程を備える、両面粘着テープの製造方法。
JP2017089355A 2016-04-28 2017-04-28 両面粘着テープ及びその製造方法 Active JP6832222B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016091255 2016-04-28
JP2016091255 2016-04-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017201013A true JP2017201013A (ja) 2017-11-09
JP6832222B2 JP6832222B2 (ja) 2021-02-24

Family

ID=60264908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017089355A Active JP6832222B2 (ja) 2016-04-28 2017-04-28 両面粘着テープ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6832222B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021123603A (ja) * 2020-01-31 2021-08-30 リンテック株式会社 粘着シート
JP2021123602A (ja) * 2020-01-31 2021-08-30 リンテック株式会社 粘着シート
WO2023113255A1 (ko) * 2021-12-17 2023-06-22 케이피엑스케미칼 주식회사 기포 배출이 용이한 연마패드 접착용 양면 접착 테이프 및 상기 접착 테이프가 적용된 화학기계적 연마장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021123603A (ja) * 2020-01-31 2021-08-30 リンテック株式会社 粘着シート
JP2021123602A (ja) * 2020-01-31 2021-08-30 リンテック株式会社 粘着シート
WO2023113255A1 (ko) * 2021-12-17 2023-06-22 케이피엑스케미칼 주식회사 기포 배출이 용이한 연마패드 접착용 양면 접착 테이프 및 상기 접착 테이프가 적용된 화학기계적 연마장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP6832222B2 (ja) 2021-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5066293B1 (ja) 両面粘着シート
JP4237495B2 (ja) 角錐構造を有する接着剤層および剥離ライナー
TWI762520B (zh) 隔離件
TWI491701B (zh) 再剝離性黏著片
JP4219605B2 (ja) 半導体ウエハ加工用粘着シートおよびその使用方法
WO2017065275A1 (ja) セパレーター付き粘着テープおよびセパレーター
JP5519917B2 (ja) 研磨布固定用両面粘着テープ
JP2014177123A (ja) 接着物品
JP4398629B2 (ja) 粘着シート
JP6832222B2 (ja) 両面粘着テープ及びその製造方法
JP2010150494A (ja) 粘着剤及び研磨布固定用両面粘着テープ
CN108977099A (zh) 粘合带
JP2017075307A (ja) セパレーター付き粘着テープおよびセパレーター
JP5485083B2 (ja) 熱硬化型接着テープ又はシート
JP5346227B2 (ja) 研磨材固定用両面粘着テープ及び研磨材付き粘着テープ
JP2019189853A (ja) 粘着テープ、粘着テープロール及び粘着テープの製造方法
JP5328467B2 (ja) 研磨布固定用両面粘着テープ
JP2006130672A (ja) 表面保護フィルム又はシート
JP5346226B2 (ja) 研磨材固定用両面粘着テープ及び研磨材付き粘着テープ
JP5374289B2 (ja) 研磨材固定用両面粘着テープ
TW202031856A (zh) 工件加工用片材
JP5809667B2 (ja) 研磨布固定用両面粘着テープ
JP2010221366A (ja) 研磨材固定用両面感圧接着シート
JP5385535B2 (ja) 研磨布固定用両面粘着テープ及びこれを用いた研磨布積層体
JP7068841B2 (ja) 粘着シートおよびグラファイトシート積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210201

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6832222

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250