JP2017200851A - エレベータのドアパネル保持装置およびドアハンガーの交換方法 - Google Patents

エレベータのドアパネル保持装置およびドアハンガーの交換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドアハンガーを交換する間、ドアハンガーで吊っている時と同じ位置にドアパネルを簡便に保持することのできるようにする。
【解決手段】本発明の実施形態は、エレベータの出入口を開閉するドアパネル10と、ヘッダーケースに設けられ、ドアパネル10を開閉可能に吊持するドアハンガーと、出入口の床に設けられ、ドアパネル10の開閉を案内する敷居12と、を有するドア装置において、ドアハンガー20を交換する際にドアパネル10を転倒しないように保持するドアパネルの保持装置であって、ドアパネル10の側縁部の下部を囲むようにして拘束するドアパネル保持部31と、ドアパネル保持部31の下端部に設けられ、ドアパネル保持部を敷居12上に着脱可能に固定する固定部32と、を有している。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、エレベータのドアパネル保持装置およびドアハンガーの交換方法に関する。
エレベータ乗場のドア装置では、ドアパネルは、ヘッダーケースに設けられているドアハンガーによって支持されている。ドアハンガーは、ヘッダーケースに取り付けられたドアレールに沿って移動可能に配置されている。ドアパネルは、ドアハンガーによって吊られた状態でドアパネルの下端が敷居の溝に沿って案内されながら開閉される。乗りかごのドア装置も、エレベータ乗場のドア装置と基本的に同じ構造である。
このようなドア装置では、ローラが摩耗したドアハンガーを保守工事により交換する場合がある。また、エレベータのリニューアル工事に際して、ドアハンガーに加えてドアレールを含むヘッダーケース一式を交換する場合もある。その場合、ドアパネルは交換せずに、既設のドアパネルをそのまま流用することがある。
ドアハンガーの交換作業では、ドアパネルについては、ドアハンガーに吊られていることから、ドアパネルを一度ドアハンガーから取り外す必要がある。そのため、従来は、一人の作業者がドアパネルを支えながら、もう一人の作業者がドアパネルとドアハンガーの締結を外すというように、最低二人がかりの作業となる。その後、ドアハンガーから取り外されたドアパネルは、別の場所に仮置きされ、あるいは一人の作業員によってそのまま支えている間に、新規のドアハンガーに交換される。
このようなドアハンガーの交換作業は、かなりの労力を伴うため、例えば、特許文献1のような労力低減の提案がなされている。
特開平3−238285号公報
ドアハンガーの交換作業では、ドアパネルを人の手で支え続けるのに、大きな労力が要る。とりわけ、新規のドアハンガーをドアレールに設置した後は、一人の作業員がドアパネルを吊られているのと同じ位置に保持しなから、他方の作業員がドアハンガーとドアパネルとの締結をしなければならない。
このとき、一人の作業員の力では、ドアパネルの位置を同位置に保持することが難しい場合があり、既設の時と比較して位置がずれてしまい、ドアパネルを取り付け後に、やり直しが必要となる場合がある。
リニューアル工事の場合には、建物の階床分交換作業が必要となることから、作業者の負担は非常に大きいものがある。
本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであって、ドアハンガーを交換する間、ドアハンガーで吊っている時と同じ位置にドアパネルを簡便に保持することのできるエレベータのドアパネル保持装置およびドアハンガーの交換方法を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために、本発明に係るエレベータのドアパネル保持装置は、エレベータの出入口を開閉するドアパネルと、ヘッダーケースに設けられ、前記ドアパネルを開閉可能に吊持するドアハンガーと、前記出入口の床に設けられ、前記ドアパネルの開閉を案内する敷居と、を有するドア装置において、前記ドアハンガーを交換する際に前記ドアパネルを転倒しないように保持するドアパネルの保持装置であって、前記ドアパネルの側縁部の下部を囲むようにして拘束するドアパネル保持部と、前記ドアパネル保持部の下端部に設けられ、前記ドアパネル保持部を前記敷居上に着脱可能に固定する固定部と、を有することを特徴とするものである。
本発明の実施形態によるドアパネルの保持装置が適用されるエレベータ乗場のドア装置の概要を示す斜視図である。 第1実施形態によるドアパネル保持装置でドアパネルを保持している状態を示す斜視図である。 第1実施形態によるドアパネル装置を示す斜視図である。 ドアパネル保持装置の下部を示す側面図である。 ドアパネル保持装置の固定部を示す斜視図である。 ドアパネル保持装置の固定部を敷居に固定した状態を示す図である。 第2実施形態によるドアパネル保持装置を背面側から示した斜視図である。 第2実施形態によるドアパネル保持装置の固定部を拡大して示す斜視図である。 図9のドアパネル保持装置の固定部の側面を示す図である。 第3実施形態によるドアパネル保持装置を示す斜視図である。 第3実施形態によるドアパネル保持装置を真上からみた平面図である。 第4実施形態によるドアパネル保持装置を示す斜視図である。 第4実施形態によるドアパネル保持装置において、アングル部材に取り付けられたブラケットを真上からみた平面図である。
以下、本発明によるエレベータのドアパネル保持装置の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態によるドアパネルの保持装置が適用されるエレベータ乗場のドア装置の概要を示す斜視図である。この図1は、エレベータ乗場のドア装置を昇降路側からみた斜視図である。
図1において、参照番号10、10はドアパネルを示している。参照番号12は、敷居を示している。敷居12の左右両端部には、アングル部材13、14が上下方向に立設されている。ドアパネル10、10の上には、アングル部材13、14によってヘッダーケース16が水平に支持されている。このヘッダーケース16には、ドアレール18が水平に取り付けられている。
ドアハンガー20、20には、外周がゴム部材でできているローラ22、23が設けられている。ドアパネル10、10は、ドアレール18を転動するローラ22、23を介してドアハンガー20、20によって吊持された状態で開閉するようになっている。ドアパネル10の下端には、図示しないドアシューが設けられ、このガイドシューは敷居12の敷居溝15に挿入されており、ドアパネル10の開閉動作が案内される。
敷居12からはトーガード25がつり下げられている。このトーガード25は、乗りかごが正規の着床からずれた場合でも、ドアが開いた場合に、乗客が乗りかごの床面と乗り側の床面に間に挟まれるのを防ぐ目的で設置される。
このようなドア装置では、保守工事において、摩耗したローラ22、23をドアハンガー20、20ごと交換することがある。また、エレベータのリニューアル工事にあっては、ドアレール18を含むヘッダーケース16の一式を交換することがある。その交換工事では、ドアパネル10、10は交換せずに既設ものをそのまま利用することがある。
次に、図2は、本実施形態によるドアパネルの保持装置30を敷居12に取り付け、ドアパネル10を保持している状態を示す図である。図3は、本実施形態によるドアパネル保持装置30を示す斜視図である。このドアパネル保持装置30は、ドアハンガー20を交換する際に、作業員が支える必要なく、ドアパネル10を保持し、ドアハンガー20の交換作業を容易するものである。
ドアパネル保持装置30は、ドアパネル10の側縁部10aを保持するドアパネル保持部31と、このドアパネル保持部31を敷居12に固定する固定部32と、から構成されている。図2に示されるように、ドアパネル保持装置30は、ドアパネル10の両側に配置され、ドアパネルの下部を保持するようになっており、1枚のドアパネル10は、2つ一組のドアパネル保持装置30によって保持される。
ドアパネル保持部31は、図3に示すように、鉛直方向に長いコ字形のブラケット26と、このブラケット26の下端が固着されている底板27と、底板27とブラケット26の背面に固着されブラケット26を支える補強リブ28と、から構成されている。
図2に示されるように、ドアパネル10の側縁部10aは、側面と表面と裏面とがコ字形をなしているので、ドアパネル10の側縁部10aを囲むように、ドアパネル保持装置30のブラケット26は、コ字形の断面形状を有している。そして、ドアパネル10の意匠面を傷つけないために、ゴムなどの軟らかい材料からなる緩衝材29がブラケット26の内側面全体に貼付されている。
図3において、緩衝材29が取り付けられている状態では、ブラケット26の奥行き方向の溝幅は、ドアパネル10の側面の幅よりも若干大きくなっている。ブラケット26の水平方向の溝幅については、図4に示されるように、ドアガイドシュー35と干渉しないように、ドアパネル10の側面からドアガイドシュー35の側面までの距離よりも短く設定されている。
ブラケット26の底板27の厚さについては、ドアパネル10の下面と敷居12の上面との間にできる隙間Sよりも若干薄くなっている。そのため、ドアパネル保持部31をドアパネル10に取り付ける時には、底板27を隙間Sにすべり込ませることが可能である。
次に、ドアパネル保持装置30の固定部32について図5、図6を参照して説明する。
ここで、図5は、固定部32を示す斜視図であり、図6は、固定部32を敷居12に固定した状態を示す図である。
固定部32は、断面がコ字形の固定ベース部材33を備えている。固定ベース部材33の上面部には、この場合2本のスタッドボルト38が垂直に植設されている。ブラケット26の底板27には、2箇所に長穴40が形成されている。各スタッドボルト38は、長穴40を通して突き出るようになっており、固定ベース部材33を奥行き方向に動かして、固定ベース部材33の位置を調整することができる。固定ベース部材33は、スタッドボルト38にナット37を締結することで、底板27に固定される。
底板27は、上下2枚の板を重ねて構成されている。下側の底板27aでは、固定ベース部材33の可動範囲が切り欠かれている。また、下側の底板27aの板厚は、固定ベース部材33の上面部の板厚と等しくなっている。
固定ベース部材33は、平行な側面部33a、33bを有している。このうち、一方の側面部33aには、蝶ねじ34が螺合して設けられ、他方の側面部33bには、敷居12の敷居溝15の側面にゴム板39を介して接するようになっている。蝶ねじ34の先端部には、円形のパッド36が固着され、このパッド36にはゴム板41が貼着されている。
図6に示されるように、蝶ねじ34がねじ込まれると、パッド36は、トーガード25を介して敷居12の側面に圧着され、パッド36と側面部33の間で敷居12の一部を挟み込むようにして固定ベース部材33をクランプすることができる。
本実施形態によるドアパネル保持装置は、以上のように構成されるものであり、次に、ドアハンガーの交換方法との関連において、その作用および効果について説明する。
ドアハンガー20を交換するには、まず初めに、一対のドアパネル保持装置30を用いて、次のように既設のドアパネル10を保持させる。ドアパネル10は、ドアハンガー20の交換後も使用するからである。
図2において、ドアパネル保持装置30を、ブラケット26がドアパネル10の側面に向くようにしてそれぞれのドアパネル10の側面側で敷居12の上に載せる。このとき、図6に示されるように、固定ベース部材33の一方の側面部33bは、敷居溝15に入れ、他方の側面部33aは、敷居12の外側に出るようにする。
次に、図4において、ドアパネル保持装置30をドアパネル10側に移動させ、ブラケット26の底板27をドアパネル10の下面と敷居12の上面との間の隙間Sに差し込むようにする。これによって、ドアパネル10の側縁部10aをブラケット26に嵌め合わせることができる。このときブラケット26の底板27にはドアパネル10の下面が載った状態になっている。
次に、図6において、ナット37を緩め、固定ベース部材33を長穴40の範囲内にて奥行き方向に動かして、ゴム板39が敷居溝15の側面に接すように調整する。調整が終わったら、ナット37を締めて固定ベース部材33を固定しておく。次いで、蝶ねじ34を締め込み、パッド36をゴム板41を介してトーガード25に圧着させることで、固定ベース部材33を敷居12の2つの側面を利用してクランプし、ドアパネル保持装置30を固定することができる。
このようにして、ドアパネル10をドアパネル保持装置30で保持した後、図1において、既設のドアハンガー20からドアパネル10を取り外し、それに替えて新しいドアハンガー20に交換する。
この交換作業の間、ドアパネル10、10は、ドアパネル保持装置30によって支えられている。この実施形態の場合、ドアパネル10の側縁部10aは、コ字形のブラケット26によって3方向を拘束されているので、ドアハンガー20を取り外しても落下や転倒することなく、ドアパネル10を支持することができる。また、ドアパネル10の下端は、吊った状態と同じ位置のままで、ブラケット26の底板27に載って支持される。
このようにドアパネル保持装置30を利用してドアパネル10を支持することで、一人の作業者がドアハンガー20を交換している間、別の作業者がドアパネル10を支え続け、あるいは、ドアパネル10を別の場所に運んで仮置きしておく必要がなくなるので、一人の作業員でドアパネル保持装置30の敷居12への設置からドアハンガー20の交換までの一連の作業を一人で行え、作業効率が格段に向上する。
また、新規のドアハンガー20にドアパネル10を締結するときには、ドアパネルの高さ方向の位置は、吊ったときの同じ位置に保持されているので、ドアパネル10の位置調整も不要で、簡便にドアハンガー20に締結することができる。
こうしてドアパネル10の締結が終わったら、蝶ねじ34を緩めて、ドアパネル保持装置30を敷居12にそって引けば、ドアパネル保持装置30を簡単に取り外すことができる。
以上は、既設のドアハンガー20だけを新規のものに交換する場合を例に説明したが、ドアハンガー20を含めヘッダーケース16一式を交換する場合も、ドアパネル保持装置30を利用してドアパネル10を保持しながら、全く同様の作業手順で交換することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態によるドアパネル保持装置について、図7乃至図9を参照して説明する。なお、図2乃至図6の第1実施形態と同一の構成要素には、同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
この第2実施形態は、ドアパネル保持装置30を敷居12に固定する手段である固定部44の構成が第1実施形態とは異なる実施の形態である。
ここで、図7は、第2実施形態に係るドアパネル保持装置30をブラケット26の背面側から表した斜視図である。図8は、ドアパネル保持装置30の固定部44を拡大して示す斜視図である。
この実施形態の場合、固定部44では、2本のクランプボルト50が2枚の補強リブ28a、28bの下部を貫通するように平行に設けられている。
クランプボルト50の頭部側になる一方の補強リブ28aには、雌ねじが形成されているが、他方の補強ブリブ28bには、ねじ径よりも大きな丸穴が形成され、クランプボルト50の先端が突き出るようになっている。このクランプボルト50の先端部には、ナット53が締結されている。
補強リブ28a、28bの内側には、クランプボルト50を通すようにして、2枚のクランププレート51、52が設けられている。この場合、クランププレート51、52には、クランプボルト50のねじ径よりも大きな丸穴が形成され、この丸穴にクランプボルト50が挿通されている。図8に示されているように、底板27には、切欠き溝54が形成されており、クランププレート51、52の下部は、切欠き溝54を突き抜けてさらに下まで延び、図9に示されるように、敷居溝15に挿入可能になっている。クランププレート51、52の下部には、ゴム板55、56が貼り付けられている。
このようなクランププレート51、52の間では、クランプボルト50にナット57、58が螺合するようになっている。これらのナット57、58は、クランププレート51、52の下部の間隔を押し広げるためのナットである。
次に、第2実施形態によるドアパネル保持装置の作用および効果について説明する。
この第2実施形態でも、ドアハンガー20を交換する手順は、第1実施形態と基本的に同様である。
図2において、ドアパネル保持装置30を、ブラケット26がドアパネル10の側面に向くようにしてドアパネル10の両側面側で敷居12の上に置く。その際、図7において、ドアパネル保持装置30では、ナット57、58の位置を調整し、2枚のクランププレート51、52の間隔を敷居溝15の幅よりも狭くなるように事前に調整しておく。
その後、ドアパネル保持装置30をドアパネル10側に移動させ、ドアパネル10の側縁部10aをブラケット26に嵌め合わせることができる。次に、図9において、ナット57、58を回転させて、クランププレート51、52をその間隔が拡がるように移動させる。クランププレート51、52のそれぞれの下端部がゴム板55、56を介して敷居溝の両側面にそれぞれ圧着するまで、ナット57、58を締め付けると、ドアパネル保持装置30の固定が完了する。
本実施形態の場合、一方のクランププレート51は平板形状であるが、他方のクランププレート52は、Z字形に曲がった形状になっている。これによって、ナット57、58を配置する空間が確保されるとともに、ナット57、58を回して位置を調整し締め付ける作業が容易になる。また、クランプボルト50は、2本用いられているが、2本のクランプボルトを同一の高さにせずに、平行でかつ高さが異なるようにしているので、補強リブ28a、28bの間に工具や手を入れやすいようになっている。
こうして、ドアパネル10、10のそれぞれをドアパネル保持装置30で保持した後、図2において、既設のドアハンガー20からドアパネル10、10を取り外し、それに替えて新しいドアハンガー20に交換することになる。この交換作業の間、ドアパネル10、10は、ドアパネル保持装置30によって吊ったときの同じ位置で支えられている。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、一人の作業員でドアパネル保持装置30の敷居12への設置からドアハンガー20の交換までの一連の作業を一人で行え、作業効率が格段に向上する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態によるドアパネル保持装置について、図10、図11を参照して説明する。なお、図2乃至図6の第1実施形態と同一の構成要素には、同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
図10は、ドアパネル保持装置30をドアパネル保持部31側からみた斜視図であり、図11は、ドアパネル保持装置30を真上からみた平面図である。
この第3実施形態は、ドアパネル保持部31のブラケット26に、ドアパネルに圧着するパッド62、64を設けるようにした実施形態である。ドアパネル保持装置30を敷居12に固定する手段である固定部32の構造は、第1実施形態と同一のものが用いられているが、第2実施形態の固定部44を適用するようにしてもよい。
この実施形態の場合、ブラケット26の一方の側面(昇降路側の側面)には上下2ヶ所に円形のパッド62、64が設けられており、パッド62、64はそれぞれ蝶ねじ60、63の先端部に固着されている。図11に示されるように、パッド62、64にはゴム板65が貼り付けられている。
次に、以上のような第2実施形態によるドアパネル保持装置の作用および効果について説明する。
この第3実施形態でも、図2において、ドアパネル保持装置30を、ブラケット26がドアパネル10の側面に向くようにしてそれぞれのドアパネル10の両側面側で敷居12の上に置き、ドアパネル保持装置30をドアパネル10側に移動させ、ドアパネル10の側縁部10aをブラケット26に嵌め合わせ、その後、ドアパネル保持装置30を固定する手順は第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、図11に示されるように、ブラケット26の奥行き方向の幅がドアパネル10の側縁部10aの幅に比べて余裕をもって広く確保されているので、機種によって側部の幅の異なるドアパネルであっても、1種類のドアパネル保持装置30で汎用的に対応することが可能である。
また、ブラケット26に設けてある蝶ねじ60、63を締め込むことで、ドアパネル10の側縁部10aの裏面をブラケット26に押し付け、パッド62で表面を拘束するというように、隙間を作らずに3方向から拘束されるので、ドアパネル10の保持力が高く、ドアハンガー20を取り外しても、ドアパネル10の位置ずれを防止することが可能になる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態によるドアパネル保持装置について、図12並びに図13を参照して説明する。
これまで説明した第1乃至第3実施形態によるドアパネル保持装置30は、敷居12の上に取り付けて、ドアパネル10を下から支持する。
これに対して、第4実施形態は、図12に示されるように、ドアパネル保持用梁70と、複数のブラケット72、73、74を用いて、ドアパネル10を上から吊持するようにした実施の形態である。なお、図12において、第4実施形態によるドアパネル保持装置が適用される乗場ドア装置は、第1実施形態の図1と同一であり、同一の構成要素には同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
ドアパネル保持用梁70は、ヘッダーケース16を支持しているアングル部材13、14に架け渡すようにしてL字形ブラケット72を介して取り付けられている。
ここで、図13は、アングル部材13に取り付けられた状態のブラケット72を上からみた平面図である。
ドアパネル保持用梁70の両端部では、水平な面に長手方向に長い長溝73が形成されており、この長溝73に挿入されるボルト75、ナットによってブラケット72は締結される。したがって、長溝73の長さの範囲内で、ブラケット72の取付位置を調整することが可能である。
ブラケット72は、ドアパネル保持用梁70と直交するように取り付けられ、直角に折れ曲がった部分には、アングル部材13を挟持するクリップ74が設けられている。
図12に示されるように、ブラケット72以外にも、二つのブラケット76、ブラケット78が用いられる。このブラケット76、78は、ドアパネル10を吊持するためのブラケットであるが、ブラケット72と同様のL字形に曲がったブラケットであり、ドアパネル10の折れ曲がった縁部を挟持するクリップを有している。なお、ドアパネル保持用梁70の水平な面には、複数箇所に長溝80が形成され、ブラケット76の取付位置を調整することができる。また、ブラケット76には奥行き方向に長溝82が形成されている。
次に、以上のようなドアパネル保持用梁70と、ブラケット72、76、78を用いてドアハンガーを交換する手順について説明する。
図12において、ドアハンガー20を交換するには、まず初めに、ドアパネル保持梁70をブラケット72によりドアハンガー20の下方でアングル部材13、14に水平な姿勢で取り付ける。すなわち、ブラケット72の一端部をボルト・ナットでドアパネル保持梁70の水平な面に締結し、他方の垂直に立ち上がった面をアングル部材13、14に締結する。エレベータによっては、アングル部材13、14の間隔が異なることがあるが、ブラケット72の取付位置は、長穴73の長さの範囲で調整できるため、現場で柔軟に対応することが可能である。
その後、ドアパネル保持梁70にブラケット76、78を介して既設のドアパネル10を保持させる。
このうち、ブラケット76は、一端部をドアパネル保持梁70の水平な面にボルト・ナット締結し、垂直に立ち上がった面を各ドアパネル10の側縁部10aにクリップにて締結する。別のブラケット78は、同様に一端部をドアパネル保持梁70の水平な面にボルト・ナットで締結し、垂直に立ち上がった面をドアパネル10の召し合せ部にクリップで締結する。
ブラケット76、78についても、ドアパネル10の幅に対応させて長穴80の長さ範囲内で水平方向の取付位置を調整し、また、クリップがドアパネル10を挟持できるように長穴82の長さ範囲内で奥行き方向の取付位置を調整することができる。
このようにして、ドアパネル10がドアパネル保持梁70にブラケット72、76、78を介して保持されたら、ドアパネル10とドアハンガー20の締結を外して、ドアハンガー20を取り外す。
ドアハンガー20を取り外す間、ドアパネル10は、ドアハンガー20に吊られていた位置にずれが生じることなく保持されているので、新しいドアハンガーに交換後、ドアパネル10をドアハンガーに締結する作業も容易である。
以上のように、本実施形態によれば、一人の作業者がドアハンガー20を交換している間、別の作業車がドアパネルを支え続けたり、あるいは、ドアパネルを別の場所に運んで仮置きしておく必要がなくなるので、一人の作業員で、ドアパネル保持梁70、ブラケット72、76、78の取り付け、ドアハンガー20の交換までの一連の作業を一人で行え、作業効率が格段に向上する。
以上、本発明に係るエレベータのドアパネル保持装置およびドアハンガーの交換方法について、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
10…ドアパネル、12…敷居、16…ヘッダーケース、15…敷居溝、18…ドアレール、20…ドアハンガー、25…トーガード、26…ブラケット、30…ドアパネル保持装置、31…ドアパネル保持部、32…固定部、33…固定ベース部材、35…ガイドシュー、38…スタッドボルト、34…蝶ねじ、36…パッド、44…固定部、50…クランプボルト、51、52…クランププレート、62、64…パッド、60、63…蝶ねじ、70…ドアパネル保持用梁、72、76、78…ブラケット
前記の目的を達成するために、本発明に係るエレベータのドアパネル保持装置は、エレベータの出入口を開閉するドアパネルと、ヘッダーケースに設けられ、前記ドアパネルを開閉可能に吊持するドアハンガーと、前記出入口の床に設けられ、前記ドアパネルの開閉を案内する敷居と、を有するドア装置において、前記ドアハンガーを交換する際に前記ドアパネルを転倒しないように保持するドアパネルの保持装置であって、前記ドアパネルの側縁部の下部を囲むようにして拘束し、前記ドアパネルを吊られていたときと同じ高さ位置に保持するドアパネル保持部と、前記ドアパネル保持部の下端部に設けられ、前記ドアパネル保持部を前記敷居上に着脱可能に固定する固定部と、を有することを特徴とするものである。

Claims (8)

  1. エレベータの出入口を開閉するドアパネルと、ヘッダーケースに設けられ、前記ドアパネルを開閉可能に吊持するドアハンガーと、前記出入口の床に設けられ、前記ドアパネルの開閉を案内する敷居と、を有するドア装置において、前記ドアハンガーを交換する際に前記ドアパネルを転倒しないように保持するドアパネルの保持装置であって、
    前記ドアパネルの側縁部の下部を囲むようにして拘束するドアパネル保持部と、
    前記ドアパネル保持部の下端部に設けられ、前記ドアパネル保持部を前記敷居上に着脱可能に固定する固定部と、を有することを特徴とするエレベータのドアパネル保持装置。
  2. 前記固定部は、前記敷居の敷居溝の側面と前記敷居の外側側面との二面を跨がるように取り付けられる固定ベース部材と、パッド部材を前記外側側面に押し付けて前記固定ベース部材を固定するクランプ手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのドアパネル保持装置。
  3. 前記固定部は、前記敷居の敷居溝に挿入される一対のクランププレートと、各クランププレートの間隔を押し広げ、前記敷居溝の両側の側面にそれぞれ押し付けるねじクランプ手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのドアパネル保持装置。
  4. 前記ドアパネル保持部は、前記ドアパネルの側縁部を三方の面で拘束可能なコ字形断面を有し、その下端部が前記敷居の上面に載るように前記固定部によって固定されるブラケットを有し、吊られた状態にある前記ドアパネルの前記側縁部の下端が、前記ブラケットの底部にちょうど載るように、前記側縁部の下端と前記敷居の上面との間の隙間に前記底部が嵌合可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のエレベータのドアパネル保持装置。
  5. 前記ドアパネル保持部は、前記ドアパネルの側縁部の幅よりも大きな幅を有する前記ブラケットと、パッド部材を前記側縁部に押し付け、前記パッドと前記ブラケットの内面とで前記側縁部を挟み込むクランプ手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のエレベータのドアパネル保持装置。
  6. エレベータの出入口を開閉するドアパネルと、ヘッダーケースに設けられ、前記ドアパネルを開閉可能に吊持するドアハンガーと、前記出入口の床に設けられ、前記ドアパネルの開閉を案内する敷居と、を有するドア装置において、前記ドアハンガーを交換する際に前記ドアパネルを転倒しないように保持するドアパネルの保持装置であって、
    前記ヘッダーケースを支持し、縦方向に延びる一対の縦型材に水平に架設されるドアパネル保持用梁と、
    前記ドアパネル保持用梁の両端部を前記縦型材に固定する第1のブラケットと、
    前記ドアパネルを前記ドアパネル保持用梁から吊持する第2のブラケットと、を有することを特徴とするエレベータのドアパネル保持装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかの項に記載のドアパネル保持装置を前記敷居の上に載せ、前記ドアハンガーで吊られたドアパネルの側縁部に前記ドアパネル保持装置を取り付け、前記ドアパネルを支持する工程と、
    前記ドアパネルを前記ドアパネル保持装置で保持したまま、前記ドアハンガーを新しいドアハンガーに交換する工程と、
    からなることを特徴とするエレベータのドアハンガーの交換方法。
  8. 請求項6に記載のドアパネル保持装置を用い、前記ドアハンガーで吊られた前記ドアパネルを前記ドアパネル保持用枠から吊持する工程と、
    前記ドアパネルを前記ドアパネル保持梁から吊持したまま、前記ドアハンガーを新しいドアハンガーに交換する工程と、
    からなることを特徴とするエレベータのドアハンガーの交換方法。
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