JP2017199580A - 光ファイバーの端末処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的には、光源と、光ファイバーが普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれた光ファイバー織物とを備えており、光ファイバー内に光を入光させることにより、光ファイバー織物が照明装置として機能する光ファイバー照明装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、導光用筒体による外周側からのみの固定では、何らかのテンションが光ファイバーに掛かった際に、筒体中央側の光ファイバーの位置がずれ易く、光源からの光を受光する受光面が不均一となり、受光面への入光量が一定とならずに光ムラが生じるおそれがあった。
前記織布から露出された複数の前記光ファイバーの一端側の端部を、一端から所定の間隔をあけて、固定部材によって外周側から束ねて固定し、収束端部を形成する工程と、
複数の前記光ファイバーの一端側の端部を、一端から所定の間隔をあけて、外周側から束ねて支持するスライド部材を配する工程と、
前記収束端部に化学反応型接着剤を付与する工程と、
前記スライド部材を、先端側へ移動させることにより、前記収束端部における前記化学反応型接着剤の過剰分を除去するとともに、前記収束端部の外周面における接着剤層の厚みを均一化する工程と、
前記収束端部に付与された前記化学反応型接着剤を硬化させ、前記収束端部における光ファイバー同士を接着する工程と、
接着後の前記収束端部の先端側を輪切り状に切断することにより、前記光源からの光が入射される受光端面を有する光源接続部を形成する工程と、を備えていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定部材の内径は、前記収束端部の外径よりも小さいことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スライド部材の内径は、前記収束端部の外径よりも大きいことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記受光端面を研磨する研磨工程を更に備えることを要旨とする。
また、固定部材の内径が、収束端部の外径よりも小さい場合、光ファイバーの端部を確実に固定できるとともに、この固定部材が支点となって先端側の複数の光ファイバー同士の隙間が開き、接着剤付与工程において、収束端部における光ファイバー同士の隙間全体に接着剤を浸透させることができる。
更に、スライド部材の内径が、収束端部の外径よりも大きい場合、接着剤が付与された収束端部を外周側から支持した状態で、先端側へ容易に移動させることができる。
また、受光端面を研磨する研磨工程を備える場合には、光源からの光の入射効率をより向上させることができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
織布(1)から露出された複数の光ファイバー(3)の一端側の端部(5)を、一端から所定の間隔をあけて、固定部材(7)によって外周側から束ねて固定し、収束端部(9)を形成する工程(収束端部形成工程)と、
複数の光ファイバー(3)の一端側の端部(5)を、一端から所定の間隔をあけて、外周側から束ねて支持するスライド部材(11)を配する工程(スライド部材配設工程)と、
収束端部(9)に化学反応型接着剤(13)を付与する工程(接着剤付与工程)と、
スライド部材(11)を、先端側へ移動させることにより、収束端部(9)における化学反応型接着剤(13)の過剰分を除去するとともに、収束端部(9)の外周面における接着剤(15)の厚みを均一化する工程(スライド部材移動工程)と、
収束端部(9)に付与された化学反応型接着剤(13)を硬化させ、収束端部(9)における光ファイバー(3)同士を接着する工程(接着工程)と、
接着後の収束端部(9)の先端側を輪切り状に切断することにより、光源(L)からの光が入射される受光端面(17)を有する光源接続部(19)を形成する工程(光源接続部形成工程)と、を備えていることを特徴とする(図1〜図7参照)。
上記織布(1)は、構成糸(タテ糸及びヨコ糸)によって製織された布帛であり、その織り組織は特に限定されない。具体的には、例えば、平織り、綾織り、朱子織り等の種々の織り組織を採用することができる。
織布(1)には、構成糸として、少なくとも光ファイバー(3)が用いられている。そして、この光ファイバー(3)の一端側は、織布(1)から露出されている。尚、露出部の長さは、光源(L)との距離等によって適宜調整される。
特に、光ファイバー(3)として、側面発光型の光ファイバーが用いられている形態の場合、光源(L)からの光を他端側の端面からだけでなく、光ファイバー(3)の織り込まれた織布の表面からも出射することができるため、意匠性や演出効果をより高めることができる。
光ファイバー(3)がタテ糸として用いられている場合、タテ糸としての光ファイバーの割合は、全てのタテ糸の本数を100%とした場合に、10%以上90%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以上80%以下、更に好ましくは30%以上70%以下である。
光ファイバー(3)がヨコ糸として用いられている場合、ヨコ糸としての光ファイバーの割合は、全てのヨコ糸の本数を100%とした場合に、10%以上90%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以上80%以下、更に好ましくは30%以上70%以下である。
合成繊維を構成する樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等が挙げられる。
尚、織布(1)を構成する他の構成糸において、タテ糸及びヨコ糸には、同一の糸が用いられていてもよいし、異なる糸が用いられていてもよい。また、タテ糸に用いられる他の構成糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。同様に、ヨコ糸に用いられる他の構成糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
(2−1)収束端部形成工程
本発明における収束端部形成工程は、織布(1)から露出された複数の光ファイバー(3)の一端側の端部(5)を、一端から所定の間隔をあけて、固定部材(7)によって外周側から束ねて固定し、収束端部(9)を形成する工程である(図3参照)。
上記固定部材は、複数の光ファイバー(3)を外周側から束ねて固定できるものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、繊維、樹脂又は金属等からなる帯状部材や環状部材が挙げられる。
尚、本発明において、収束端部(9)の外径とは、束ねられた光ファイバーの外周を、テンションをかけた状態の糸で1周させるのに必要な最小長さをいう。
本発明におけるスライド部材配設工程は、複数の光ファイバー(3)の一端側の端部(5)を、一端から所定の間隔をあけて、外周側から束ねて支持するスライド部材(11)を配する工程である(図3参照)。
上記スライド部材は、複数の光ファイバー(3)を外周側から束ねて支持でき、且つ先端側へスライド移動させることができるものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、繊維、樹脂又は金属等からなる帯状部材や環状部材が挙げられる。
本発明における接着剤付与工程は、収束端部(9)に化学反応型接着剤(13)を付与する工程である(図4参照)。
上記化学反応型接着剤(13)としては、透明度の高いものが好ましく、例えば、紫外線硬化型、付加反応型、ラジカル重合型、熱硬化型等の接着剤が挙げられる。具体的には、紫外線硬化型、付加反応型、及びラジカル重合型の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系の接着剤が挙げられる。また、熱硬化型の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系、レゾール型フェノール樹脂系の接着剤が挙げられる。
化学反応型接着剤の塗布方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。特に、接着剤(13)を収束端部(9)における光ファイバー(3)同士の隙間全体に浸透させるため、接着領域となる収束端部(9)を接着剤に浸漬させることが好ましい。
本発明におけるスライド部材移動工程は、スライド部材(11)を、先端側へ移動させることにより、収束端部(9)における化学反応型接着剤(13)の過剰分を除去するとともに、収束端部(9)の外周面における接着剤(15)の厚みを均一化する工程である(図5参照)。
この工程におけるスライド部材(11)の先端側への移動距離は、光源接続部(19)の設定長さ以上であり、端まで移動させることが好ましい。
また、接着剤(13)を収束端部(9)における光ファイバー(3)同士の隙間全体になじませるため、スライド部材を1回以上往復させた後、先端側へ移動させてもよい。尚、往復させる際には、接着剤付与工程を更に設けてもよい。
本発明における接着工程は、収束端部(9)に付与された化学反応型接着剤(13)を硬化させ、収束端部(9)における光ファイバー(3)同士を接着する工程である(図6参照)。具体的には、化学反応型接着剤の種類に応じた硬化処理(例えば、紫外線等の光線照射、加熱等)を適宜行い、収束端部(9)における各光ファイバー(3)の一端側の端部(5)同士を接着固定する。
本発明における上記光源接続部形成工程は、接着後の収束端部(9)の先端側を輪切り状に切断することにより、光源(L)からの光が入射される受光端面(17)を有する光源接続部(19)を形成する工程である(図6及び図7参照)。
この光源接続部形成工程により、光ファイバー(3)の切断面が同一面に揃った受光端面(17)を有する光源接続部(19)を容易に形成することができる。
光源接続部形成工程において、接着後の収束端部(9)を切断する切断手段は特に限定されず、公知の方法により切断することができる。
接着後の収束端部(9)に対する切断位置は、光源接続部(19)の長さ設定に応じて適宜調整される。通常、先端側に移動されたスライド部材(11)と固定部材(7)との間における先端側で切断される。
また、光源接続部(19)の外径は、光源(L)における接続孔(21)の内径に対応するように適宜調整されるものである。具体的には、例えば、光源(L)における接続孔(21)の内径と、光源接続部(19)の外径との比(接続孔の内径:収束部の外径)が、1:(0.90〜1.10)となるように設定することが好ましく、より好ましくは1:(0.95〜1.05)である。
また、本発明においては、上記光源接続部形成工程の後に、光源接続部(19)に形成された受光端面(17)を研磨する研磨工程を備えていてもよい。
この研磨工程を備える場合、光源(L)からの光の入射効率をより向上させることができる。
研磨方法は特に限定されず、公知の光ファイバーの端面を研磨する方法を用いることができる。具体的には、例えば、研磨シート上に、必要に応じて水やアルコールを介した状態にて、受光端面(17)を押し付けて研磨することができる。
上述の端末処理がなされた光ファイバー(3)を備える織布(1)は、受光端面(17)を有する光源接続部(19)を、光源(L)に形成されている接続孔(21)に接続することで、照明装置(10)として利用される(図1及び図2参照)。この際、光源(L)の光が、光源接続部(19)における受光端面(17)に入射され、光ファイバー(3)の側面及び他端側の端面のうちの少なくとも一方から出射されて照明機能が発揮される。
また、光源(L)の数は、織布(1)に形成される光源接続部(19)の数に応じて適宜調整される。
(1)端末処理(光源接続部の形成)
(実施例1)
織布(タテ糸;ポリエステル製フィラメント、ヨコ糸;側面発光型の光ファイバー、ポリエステル製フィラメント)から露出された光ファイバーの一端側の端末を以下のように処理し、光源接続部を形成した。
まず、図3に示すように、織布から露出された複数の光ファイバー3の端部5を、一端から所定間隔をあけ、固定部材7(金属製リング、内径;14.9mm)により外周側から束ねて固定した(収束端部の外径;15.0mm)。その後、一端から所定間隔をあけ、外周側から収束端部9を支持するように、スライド部材11(金属製リング、内径;15.1mm)を固定部材7の隣(先端側)に配設した。
次いで、収束端部9を、透明度の高い化学反応型接着剤(UV硬化型接着剤)の入った容器に浸漬し、図4に示すように、収束端部9に接着剤13を付与した。
その後、図5に示すように、スライド部材11を先端側へ移動させ、接着剤13の過剰分を除去し、収束端部9の外周面における接着剤15の厚みを均一化した。
次いで、図6及び図7に示すように、UV照射することにより接着剤13を硬化させて、収束端部9における光ファイバー3同士を接着し、収束端部9の先端側を輪切り状に切断することにより、受光端面17を有する光源接続部19を形成した。
また、受光端面17を目視で確認したところ、各光ファイバー3同士が接着剤により密に接着されていることが確認できた。
更に、光源接続部19の長さ方向の中心付近(図9のA−A線を参照)を輪切り状に切断し、目視で確認したところ、各光ファイバー3同士が接着剤により密に接着されていることが確認できた(図9参照)。
織布(タテ糸;ポリエステル製フィラメント、ヨコ糸;側面発光型の光ファイバー、ポリエステル製フィラメント)から露出された光ファイバーの一端側の端末を以下のように処理し、光源接続部を形成した。
まず、図9に示すように、織布から露出された複数の光ファイバー31の端部33を束ねて、外周側から糸35A、35Bにより所定間隔をあけて2箇所固定した。
その後、糸35A、35Bで固定された端部33を、化学反応型接着剤(UV硬化型接着剤)の入った容器に浸漬し、図10に示すように、端部33に接着剤37を付与した。
次いで、図11及び図12に示すように、UV照射することにより接着剤37を硬化させて、端部33を接着し、自重で垂れ下がった硬化後の接着剤37を切断するとともに、先端側を輪切り状に切断することにより、受光端面39を有する光源接続部41を形成した。
また、受光端面39を目視で確認したところ、各光ファイバー31同士には隙間が生じていることが確認できた。
更に、光源接続部41の長さ方向の中心付近(図13のB−B線を参照)を輪切り状に切断し、目視で確認したところ、各光ファイバー31同士には隙間が生じていることが確認できた(図13参照)。
本実施例の端末処理によれば、受光端面を有する光源接続部を構成する複数の光ファイバーの端部同士を密に接着固定することができるため、光ファイバーの位置ずれを十分に抑制することができることが確認できた。
Claims (4)
- 光源に接続されて照明装置として用いられる織布において構成糸として織り込まれている光ファイバーの端末処理方法であって、
前記織布から露出された複数の前記光ファイバーの一端側の端部を、一端から所定の間隔をあけて、固定部材によって外周側から束ねて固定し、収束端部を形成する工程と、
複数の前記光ファイバーの一端側の端部を、一端から所定の間隔をあけて、外周側から束ねて支持するスライド部材を配する工程と、
前記収束端部に化学反応型接着剤を付与する工程と、
前記スライド部材を、先端側へ移動させることにより、前記収束端部における前記化学反応型接着剤の過剰分を除去するとともに、前記収束端部の外周面における接着剤層の厚みを均一化する工程と、
前記収束端部に付与された前記化学反応型接着剤を硬化させ、前記収束端部における光ファイバー同士を接着する工程と、
接着後の前記収束端部の先端側を輪切り状に切断することにより、前記光源からの光が入射される受光端面を有する光源接続部を形成する工程と、を備えていることを特徴とする光ファイバーの端末処理方法。 - 前記固定部材の内径は、前記収束端部の外径よりも小さい請求項1に記載の光ファイバーの端末処理方法。
- 前記スライド部材の内径は、前記収束端部の外径よりも大きい請求項1又は2に記載の光ファイバーの端末処理方法。
- 前記受光端面を研磨する研磨工程を更に備える請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の光ファイバーの端末処理方法。
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